JP2008542429A - アルコキシカルボニルトリアジンを含有する反応混合物の後処理法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、アルコキシカルボニルアミノトリアジンを製造する際に生じ、少なくとも1のアルコキシカルボニルアミノトリアジン、少なくとも1の環式および/または非環式炭酸エステル、少なくとも1の、場合により1もしくは2の酸素原子をエーテル結合として有し、かつ場合によりC1〜C4−アルキルおよび/またはヒドロキシにより置換されたC1〜C13−アルカノールならびに少なくとも1のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルカノラート、場合によりメラミンおよび場合により触媒を含有するアルカノール性の反応混合物を後処理する方法であって、極性および/またはイオン性成分を、反応混合物中に存在する有機相と完全には混和しない極性の抽出剤による抽出により除去し、このことにより少なくとも1のアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有するアルカノール性の相と、抽出剤をその中に溶解している極性および/またはイオン性の成分と共に含有している極性相とが得られる方法に関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、アルコキシカルボニルアミノトリアジンを製造する際に生じ、少なくとも1のアルコキシカルボニルアミノトリアジン、少なくとも1の環式および/または非環式炭酸エステル、少なくとも1の、場合により1もしくは2の酸素原子をエーテル結合として有し、かつ場合によりC1〜C4−アルキルおよび/またはヒドロキシにより置換されたC1〜C13−アルカノールならびに少なくとも1のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルカノラート、場合によりメラミンおよび場合により触媒を含有するアルカノール性の反応混合物を後処理する方法に関する。
トリアジン、たとえばメラミンと、炭酸エステルとを塩基の存在下で反応させることにより、アルコキシカルボニルアミノトリアジンを製造することはたとえばEP−A0624577から公知である。この場合、通常はメラミンを、炭酸エステルの基礎となっているアルカノールの存在下および塩基としての、炭酸エステルの基礎となっているアルコールを基礎とするアルカリ金属アルカノラートの存在下で反応させる。後処理のために、反応混合物に中和のための鉱酸が添加される。適切な酸として、リン酸、硫酸および/または塩酸が挙げられる。アルコキシカルボニルアミノトリアジンの取得は、引き続き有機溶剤を用いた抽出および溶剤の気化によって行われる。あるいは、酸を添加した後に、固体を濾過により単離し、次いで該固体を洗浄し、かつ乾燥させる。
WO−A03/035628から、アルコキシカルボニルアミノトリアジンを製造する方法が公知であり、この場合、反応混合物を後処理のためにまず、有利に水性の酸で中和する。適切な酸として、硝酸、硫酸、リン酸またはこれらの混合物、あるいはまたギ酸が挙げられる。酸を反応混合物に添加した後、水相とアルカノール相とが形成され、これらを相互に分離する。アルカノール相はこの場合、アルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有している。アルコキシカルボニルアミノトリアジンの濃度を高めるために、有機相を水相の分離後に濃縮する。
アルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する反応混合物を後処理するための相応する方法は、WO−A2004/054990に開示されている。
WO−A2004/041922から、カルバメートメラミン−ホルムアルデヒド−架橋剤のための製造法および後処理法が公知である。この場合同様に、酸、たとえば硫酸、ギ酸、シュウ酸、リン酸、塩酸またはこれらの酸の混合物を添加することによって後処理が行われる。中和の際に生じる塩を、濾過および水による洗浄により除去する。
本発明の課題は、大きな装置コストなしに、少なくとも1のアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する反応混合物からの塩および場合によりその他の極性成分の除去ならびに反応混合物中の複数の異なった極性成分に適切に影響を与えることを可能にする、少なくとも1のアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有するアルカノール性の反応混合物を後処理する方法を提供することである。
前記課題は、アルコキシカルボニルアミノトリアジンを製造する際に生じ、少なくとも1のアルコキシカルボニルアミノトリアジン、少なくとも1の環式および/または非環式炭酸エステル、少なくとも1の、場合により1もしくは2の酸素原子をエーテル結合として有し、かつ場合によりC1〜C4−アルキルおよび/またはヒドロキシにより置換されたC1〜C13−アルカノールならびに少なくとも1のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルカノラート、場合によりメラミンおよび場合により触媒を含有するアルカノール性の反応混合物を後処理する方法であって、極性および/またはイオン性成分を、反応混合物中に存在する有機相と完全には混和しない極性の抽出剤により抽出することによって除去し、このことにより少なくとも1のアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有するアルカノール性の相と、抽出剤をその中に溶解している極性および/またはイオン性の成分と共に含有している極性相とが得られる方法により解決される。
有利なアルコキシカルボニルアミノトリアジンは、一般式(I)のものである:
Figure 2008542429
[式中、符号および指数は、以下の意味を有している:
1は、水素、C1〜C4−アルキル、場合によりC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシまたはハロゲンにより置換されたフェニル、または式NR56の基を表し、かつ
1、R2、R3、R4、R5およびR6は、相互に無関係にそれぞれ水素を表すか、または式COOXの基を表すか、またはXを表すか、または(−CH2−O)lH、(−CH2−O)lR、(−CH2O)k−CH2−N(Z)−Qおよび(−CH2−O)k−CH2−N(Z)−Qの群から選択されており、その際、
kは、0〜10、有利には1〜5、さらに有利には1または2、および特に1を表し、かつlは、1〜10、有利には1〜5、さらに有利には1または2、および特に1を表し、
Rは、アルキル、シクロアルキルおよびアルキルアリールの群から選択されており、その際、基Rは、有利には13より少ない炭素原子を有し、かつRは、有利にはC1〜C13−アルキル、および特に有利にはメチルまたはブチルであり、
Qは、一般式(II)のトリアジン基
Figure 2008542429
であり、
Xは、その炭素骨格が1または2の隣接していない酸素原子によりエーテル官能基中で中断されているか、および/またはヒドロキシにより置換されていてもよいC1〜C13−アルキルを表すか、またはC3〜C6−アルケニルを表し、かつ
Zは、上記で定義したように、基R1、R2、R3、R4、R5またはR6を表し、
かつ基R1〜R4の少なくとも1つ、またはY1がNR56を表す場合には基R1〜R6の少なくとも1つはCOOXを表す]。
その際、C1〜C4−アルキルは、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチルまたはtーブチルを表す。
場合によりC1〜C4−アルキル、C1〜C4−アルコキシまたはハロゲンにより置換されたフェニルは、たとえばフェニル、2−メチルフェニル、3−メチルフェニルまたは4−メチルフェニル、2−エチルフェニル、3−エチルフェニルまたは4−エチルフェニル、2,4−ジメチル−フェニル、2−メトキシフェニル、3−メトキシフェニルまたは4−メトキシフェニル、2−エトキシフェニル、3−エトキシフェニルまたは4−エトキシフェニル、2,4−ジメトキシフェニル、2−フルオロフェニル、3−フルオロフェニルまたは4−フルオロフェニルまたは2−クロロフェニル、3−クロロフェニルまたは4−クロロフェニルである。
その炭素骨格が1または2の、隣接していない酸素原子によりエーテル官能基中で中断および/またはヒドロキシにより置換されていてもよいC1〜C13−アルキルとはたとえば、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、2−メチルペンチル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル、イソオクチル、ノニル、イソノニル、デシル、イソデシル、ウンデシル、ドデシル、トリフェシル、イソトリデシル、2−メトキシエチル、2−エトキシエチル、2−プロポキシエチル、2−ブトキシエチル、2−メトキシプロピルまたは3−メトキシプロピル、2−エトキシプロピルまたは3−エトキシプロピル、2−プロポキシプロピルまたは3−プロポキシプロピル、2−メトキシブチルまたは4−メトキシブチル、2−エトキシブチルまたは4−エトキシブチル、3,6−ジオキサヘプチル、3,6−ジオキサオクチル、3,7−ジオキサオクチル、4,7−ジオキサオクチル、2−ブトキシプロピルまたは3−ブトキシプロピル、2−ブトキシブチルまたは4−ブトキシブチル、2−ヒドロキシエチル、2−ヒドロキシプロピルまたは3−ヒドロキシプロピル、2−ヒドロキシブチルまたは4−ヒドロキシブチル、3−ヒドロキシブチ−2−イルである(上記の名称イソオクチル、イソノニル、イソデシルおよびイソトリデシルは、慣用名であり、かつオキソ合成により得られるアルコールに由来する。Ullmanns Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、第A1巻、第290〜293頁、ならびに第A10巻、第284〜285頁を参照のこと)。
3〜C6−アルケニルとは、たとえばアリル、メタリル、エタリル、2−、3−もしくは4−ペンテン−1−イルまたは2−、3−、4−もしくは5−ヘキセン−1−イルを表す。
場合により1もしくは2の隣接しない酸素原子をエーテル結合として有し、かつ場合によりC1〜C4−アルキルおよび/またはヒドロキシにより置換されたC1〜C13−アルカノールとは、たとえばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、ネオペンタノール、tーペンタノール、ヘキサノール、2−メチルペンタノール、ヘプタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、イソオクタノール、ノナノール、イソノナノール、デカデカノール、イソデカノール、ウンデカノール、ドデカノール、トリデカノール、イソトリデカノール、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−メトキシプロパノールまたは3−メトキシプロパノール、2−エトキシプロパノールまたは3−エトキシプロパノール、2−プロポキシプロパノールまたは3−プロポキシプロパノール、2−メトキシブタノールまたは4−メトキシブタノール、2−エトキシブタノールまたは4−エトキシブタノール、3,6−ジオキサヘプタノール、3,6−ジオキサオクタノール、3,7−ジオキサオクタノール、4,7−ジオキサオクタノール、2−ブトキシプロパノールまたは3−ブトキシプロパノール、2−ブトキシブタノールまたは4−ブトキシブタノール、エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、3−オキサ−5−ヒドロキシペンタノール、3,6−ジオキサ−8−ヒドロキシオクタノール、3−オキサ−5−ヒドロキシ−2,5−ジメチルペンタノールまたは3,6−ジオキサ−8−ヒドロキシ−2,5,8−トリメチルオクタノールである。
特に有利であるのは、場合により1もしくは2の隣接しない酸素原子をエーテル結合として有し、かつ場合によりC1〜C4−アルキルおよび/またはヒドロキシ置換された、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、s−ブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、イソペンタノール、ネオペンタノール、t−ペンタノール、ヘキサノール、2−メチルペンタノールおよびヘプタノールから選択されたC1〜C13−アルカノールまたはこれらの混合物である。
とりわけ有利であるのは、ブタノール、イソブタノール、s−ブタノールおよびt−ブタノールならびにメタノールとブタノールとからなる混合物である。
環式炭酸エステルは、一般式(III)の炭酸エステルである:
Figure 2008542429
[式中、
Lは、エチレン、1,2−プロピレンまたは1,3−プロピレンまたは1,2−ブチレン、1,4−ブチレン、2,3−ブチレンまたは1,3−ブチレンを表す]。
非環式炭酸エステルは、たとえばジアリール炭酸エステル、ジアルキル炭酸エステル、アリールアルキル炭酸エステルおよびジアルケニル炭酸エステルである。有利であるのは、一般式(IV)の炭酸エステルから選択される非環式炭酸エステルである:
1O−CO−OZ2 (IV)
[式中、
1およびZ2は、それぞれ相互に無関係にアルキル、シクロアルキルおよびアリールを表す]。有利には、基Z1およびZ2は13より少ない炭素原子を有する。さらに有利にはZ1およびZ2は、C1〜C8−アルキル、および特にメチルまたはブチルである。
有利なジアルキル炭酸エステルは、ジメチル炭酸エステル、ジエチル炭酸エステル、ジプロピル炭酸エステル、ジブチル炭酸エステルおよびメチルブチル炭酸エステルである。
有利なアリールアルキル炭酸エステルは、メチルフェニル炭酸エステルまたはブチルフェニル炭酸エステルである。
適切なジアリール炭酸エステルはたとえばジフェニル炭酸エステル、ジ(パラ−トリル)炭酸エステル、ジ(α−ナフチル)炭酸エステルまたはジ(β−ナフチル)炭酸エステルである。
有利なジアルケニル炭酸エステルは、ジアリル炭酸エステルである。
特に有利な炭酸エステルは、ジメチル炭酸エステル、ジエチル炭酸エステル、ジブチル炭酸エステル、メチルブチル炭酸エステル、ジフェニル炭酸エステル、プロピレン炭酸エステルまたはこれらの混合物である。
適切なアルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルカノラートはたとえばリチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウムまたはカルシウムの塩または上記で詳細に記載したアルカノールである。アルカリ金属メタノラート、特にナトリウムメタノラートの使用が有利である。アルカリ金属またはアルカリ土類金属のアルカノラートは、固体の凝集状態で、または溶解もしくは懸濁した形で適用することができる。
有利な溶剤/希釈剤は、この場合、特に上記で詳細に記載したアルコールであり、これは単独であっても、相互の混合物としてもよい。しかし、その他の自体公知の、および通例の不活性希釈剤を使用することもできる。
反応混合物中に含有されていてもよい触媒は、アルコキシカルボニルアミノトリアジンを製造するために使用される触媒である。そのような触媒はたとえば相間移動触媒、たとえばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry、第5版、第A19巻、第239〜248頁に記載されている触媒である。その他の触媒は、金属塩または金属錯体であってよく、有利には酸化物、カルコゲンの塩、またはアルカリ金属、アルカリ土類金属もしくは遷移金属の炭酸塩もしくはハロゲン化物であってよい。ここで特に塩化リチウム、塩化マグネシウムまたは炭酸ナトリウムが挙げられる。
反応混合物中に存在しているイオン性成分は一般に、解離した塩である。本発明によれば、反応混合物中に存在する有機相と完全に混和しない極性の抽出剤による抽出により、このような成分を除去する。
さらに本発明によれば、反応混合物中に存在する有機相と完全に混和しない極性の抽出剤による抽出により、反応混合物から極性成分を除去することができる。
反応混合物中の塩は、たとえばアルカノール性反応混合物に、中和のために酸を添加するか、またはアルカノール性反応混合物を酸に導入する場合に生じうる。その際、酸は濃縮されているか、または水で希釈されていてもよい。反応混合物中での酸の均一な分散は、酸を供給する間に、適切な混合が保証されることによって達成される。
反応混合物を中和するために、通例かつ工業的に入手可能な全ての有機酸および無機酸を任意の濃度で、有利には30〜85質量%の水溶液として使用することができる。有利には、その塩が高い水溶性を有する鉱酸、たとえば硝酸、硫酸またはリン酸を使用する。その他の適切な酸はギ酸である。本発明によれば、硝酸の使用が特に有利である。
抽出は、極性の、有機相とは完全に混和しない抽出剤を用いて実施され、その際、アルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有するアルカノール性の相および極性の、抽出剤をその中に溶解したイオン性および/または極性の成分と共に含有する相が得られる。この場合、完全に混和しない、とは、異なった組成を有する2つの相が形成されることを意味し、その際、完全に混和しない、とは、抽出剤および有機相が全く混和しないことも意味する。抽出剤として有利であるのは水、特に有利には完全に脱塩された水である。
極性の抽出剤に加えて抽出の際に、たとえばUllmann’s Encyclopedia of Industrial Chemistry第6版、2000年、電子版、エマルション、第6章、エマルションの破壊、に記載されているような相分離助剤を添加することができる。相分離助剤はたとえば有機溶剤、界面活性を有する物質、たとえばフェノールスルホン酸縮合物、ポリイミンまたはポリアクリレート、エマルション分離剤および解乳化剤である。塩もまた、特定の場合に使用することができる。本発明により適切な相分離助剤はたとえばBaker Petrolite社(Sugar Land、Texas在)のSepabase(登録商標)またはBASF社(Ludwigshafen在)のSokalan(登録商標)CP、Sokalan(登録商標)CP5、Sokalan(登録商標)CP9およびSokalan(登録商標)HP25である。しかし有利には相分離助剤を使用しない。
アルカノール性反応混合物の中和を実施する場合、この中和および中和により生じた塩の抽出による除去は、1工程で、または別の方法工程で行うことができる。有利には中和および中和により生じた塩の除去を、2つの工程で行う。
抽出のために、当業者に公知の装置、たとえばミキサー/セトラー装置、エネルギー入力が行われるか、もしくは行われないカラム、または遠心分離の原理に基づく抽出装置を使用することができる。ミキサー/セトラー装置は、一般に、攪拌容器、混合ポンプ、ノズルまたはスタチック/ダイナミックミキサーのような混合装置を含む。さらに、ミキサー/セトラー装置は、一般に内部構造物を有するか、もしくは有していない、静止した容器として構成されている分離装置を含む。
抽出のために使用することができる適切なカラムは、たとえば充填体カラム、充填塔または多孔板カラムである。適切な多孔板カラムはたとえば横方向の流れを備えた多孔板カラムでもある。充填体として、当業者に公知の全ての充填体を使用することができる。そのような充填物はたとえばKlaus Sattler著、Thermische Trennverfahren、第2版、VCH出版社、Weinheim、1995年、第226〜229頁に記載されている。
充填物として、規則充填物または不規則充填物が適切である。このような充填物はたとえば構造化された充填物、ラメラ充填物、織布、編物またはニットである。
充填体、充填物または多孔板は、金属またはプラスチックから製造されていてもよい。金属の良好な湿潤特性に基づいて、連続相として洗浄相を選択する場合には、充填体、充填物または多孔板のための材料として有利には金属を使用する。特に適切な金属はステンレススチールである。
パルスを用いるか、または用いない充填体、充填物または多孔板を用いたカラムの運転以外に、内部構造物を使用しないで、たとえば噴霧塔として使用することも考えられる。機械的な攪拌装置を有する適切な市販の抽出塔のための例として、攪拌羽根式抽出装置、オールド・ラシュトン(Old-Rushton)カラム、キューニ(Kueni)抽出装置、攪拌セル式抽出装置、グレーザー(Graesser)抽出装置が挙げられる。あるいはまた、遠心式抽出装置、たとえばポドビールニァック(Podbielniak)抽出装置またはルルギ・ヴェストファーリア(Lurgi-Westfalia)抽出装置を使用することができる。
抽出の際に、極性の、有機相と完全に混和しない抽出剤を含有する洗浄相は、抽出の連続相または分散相を形成することができる。抽出の有利な1態様では、洗浄相は、連続相を形成する。
個々の抽出装置の使用する以外に、複数の装置中で抽出を実施することも可能である。この場合、種々のタイプの装置の組み合わせもまた使用することができる。この場合、有利な組み合わせはミキサー/セトラー装置および充填体カラムである。特に有利な実施態様では、抽出を充填塔中で実施する。
抽出の際に、極性相対有機相の相比は、0.1〜2の範囲である。有利には相比は、0.15〜1.5の範囲、特に有利には0.2〜1およびとりわけ0.3〜0.5の範囲である。
抽出のために充填塔を使用する場合、有利な実施態様では、極性相を抽出液としてカラムの塔底から取り出し、有機相であるラフィネートは、有利には自由な溢流として生じる。抽出液中の系外の相、つまりアルカノールの割合は、有利にはカラムの塔底でプラスチック製のニットにより分離する。
極性の抽出剤として水を使用する場合、ラフィネート中の系外の相の割合、つまり溶解していない水の割合は、相分離後に一般に約1パーセントである。
ラフィネートは、所望の生成物を含有する。ラフィネート中の極性およびイオン性成分の割合が、必要とされる生成物仕様により認容されるよりも大きい場合、有利な実施態様では、該ラフィネートを供給流に返送することが可能である。その際、該ラフィネートはたとえば抽出のために直接供給流に供給してもよいし、または抽出装置が供給される緩衝容器へ返送することもできる。
極性およびイオン性の成分はたとえばアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、アルカリ金属アルカノラートまたはアルカリ土類金属アルカノラート、酸、炭酸の環式または非環式モノエステルおよび/またはジエステル、アルカン(ジ)オールならびに極性のメラミン誘導体である。アルカンジオールはたとえばグリコールおよびプロパンジオール、極性のメラミン誘導体はたとえばメラミン、モノアルコキシカルボニルアミノトリアジンおよびジアルコキシカルボニルアミノトリアジンである。
モノアルコキシカルボニルアミノトリアジンおよびジアルコキシカルボニルアミノトリアジンを、抽出によりラフィネートから除去する可能性によって、ラフィネート中の種々のアルコキシカルボニルアミノトリアジンの比を適切に調整することが可能である。
充填塔中での抽出は一般に向流抽出として実施する。特に有利な実施態様ではこのために、極性抽出剤を、充填物の上方に、およびアルカノール性反応混合物を充填物の下方に供給する。カラムの内部で極性抽出剤は、充填物により、カラムの塔底の方向へ流れ、かつアルカノール性反応混合物は充填物によりカラムの塔頂の方向へ流れる。充填物中で、アルカノール性反応混合物と極性抽出剤とが混合され、その際、アルカノール性反応混合物中に含有されているイオン性および/または極性の成分は、極性抽出剤に放出され、かつこうしてアルカノール性反応混合物から除去される。
抽出が実施される温度は有利には10〜90℃の範囲であり、特に有利には15〜50℃の範囲である。
抽出が実施される有利な圧力は、周囲圧力である。しかし抽出は、周囲圧力よりも低い圧力でも、高い圧力でも実施することができる。抽出を周囲圧力よりも高い圧力で実施する場合、この圧力は1〜10バールの範囲である。
反応混合物のpH値が、所望のpH値から逸れる場合、これは酸または塩基の添加によって調整することができる。反応混合物のpH値は一般に、2〜8、有利には2〜7および特に有利には4.2〜6.5であるべきである。pH値の調整はこの場合、抽出の前にも、抽出の間にも行うことができる。
pH値が低すぎる場合には、塩基の添加により高めることができる。このために全ての塩基が適切である。有利にはNaOHまたはアンモニア水(水溶液中のNH4OH)を使用する。特に好ましいのは、アンモニア水である。
pH値が高すぎる場合には、酸を添加することによって所望の値に低下させることができる。このために、鉱酸も有機酸も適切である。有利であるのは有機酸であり、かつ特に有利であるのがギ酸である。
1実施態様では、反応混合物中に含有されているイオン性成分は、さらにカチオン交換体および/またはアニオン交換体を用いたイオン交換により除去することができる。この場合、イオン交換は抽出前にも、抽出の後にも実施することができる。
カチオン交換体および/またはアニオン交換体はたとえば固定床交換体として存在していてもよい。カチオン交換体および/またはアニオン交換体が顆粒として存在していることも可能である。この場合、カチオン交換体および/またはアニオン交換体は容器中に、たとえば攪拌容器、カラム、塔またはその他の当業者に公知の装置中に存在していてよい。有利にはカチオン交換体および/またはアニオン交換体はカラム中に存在している。
もう1つの実施態様では、カチオン交換体および/またはアニオン交換体を顆粒として、その中でアルコキシカルボニルアミノトリアジンが製造される反応器に供給することも可能である。反応器はこの場合、有利には攪拌反応器である。
有利な実施態様では、アルカリ金属イオンおよび/またはアルカリ土類金属イオンを、カチオン交換体を用いてアルカノール性反応混合物から除去する。
さらに、アニオン交換体を用いてアニオンを除去することも可能である。たとえば反応混合物を酸で中和することにより硝酸イオン、硫酸イオンまたはリン酸イオンあるいはまた有機酸、たとえばギ酸のアニオンが反応混合物中に含有されていてもよく、該イオンをアニオン交換体を用いたイオン交換により除去する。
負荷されたアニオン交換体の再生は、有利には希釈された、鉱物のアルカリ液を用いて行う。アニオン交換体を再生するために特に適切であるのは、5〜25%の水酸化ナトリウム液である。
カチオン交換体の再生は、有利には希釈された鉱酸を用いて行う。適切な鉱酸はたとえば5〜30%の塩酸である。
複数のサイクルを通過した後で、アニオン交換樹脂もカチオン交換樹脂も一般に、有機相と極性相との相容化剤により前処理される。このために、有機相と極性相との間に存在する極性を有し、かつ有利に両方の相と混和可能な物質によりイオン交換体を洗浄する。たとえば有機相としてブタノールを使用し、かつ極性相として水を使用する場合には、相容化剤としてメタノールが適切である。イオン交換樹脂の再生以外に、再生しないで負荷された樹脂を廃棄処理することも考えられる。
本発明により適切なアニオン交換体はたとえば強塩基性のアニオン交換樹脂である。特に有利であるのは、官能基として第三級もしくは第四級アミンを有し、かつ交換イオンとしてOH-イオンを有する、架橋したポリスチレン樹脂またはスチレン−ジビニル−ベンゼンコポリマーである。交換イオンとはこの場合、官能基と結合しており、かつ液体から除去されるイオンと交換されるイオンであると理解すべきである。市販のアニオン交換体の場合、官能基は一般に塩として存在している。この場合、たとえばCl-イオンが官能基に結合している。アニオン交換体を使用することができるために、該交換体をこの場合、一般にまずNaOHにより前処理してCl-イオンをOH-イオンと交換する。適切な市販のアニオン交換体はたとえばBayer AG社のLewatit(登録商標)MP62、Lewatit(登録商標)MP64またはLewatit(登録商標)MP600WSあるいはまたRohm&Haas社のAmberjet(登録商標)4200CLまたはAmbersep(登録商標)900OHである。硝酸イオンを除去するためには、Ambersep(登録商標)900OHおよびLewatit(登録商標)MP600WSが有利であり、特に有利であるのはAmbersep(登録商標)900OHである。
市販の適切なカチオン交換体は、たとえばBayer AG社のLewatit(登録商標)S2528またはLewatit MonoPlus(登録商標)S100、Rohm&Haas社のAmberlyst(登録商標)40WETおよびAmberjet(登録商標)1500HならびにDow Chemical社のDowex(登録商標)N306である。ナトリウムイオンを除去するためにたとえば有利にはAmberlyst(登録商標)40WETおよびAmberjet(登録商標)1500Hを使用する。
カチオン交換体およびアニオン交換体は、混合物として一緒に、単独で、または連続する工程もしくは段で使用することができる。適切な市販のアニオン交換体とカチオン交換体との適切な組み合わせは、硝酸塩を除去する場合にはアニオン交換体であるAmbersep(登録商標)900OHまたはAmberjet(登録商標)4200と、カチオン交換体であるLewatit(登録商標)S2528である。有利であるのは、Ambersep(登録商標)900OHとLewatit(登録商標)S2528との組み合わせである。
アルカノール性反応混合物とカチオン交換体および/またはアニオン交換体との接触はたとえば、カチオン交換体および/またはアニオン交換体を、たとえば反応器中で、または攪拌容器中で反応混合物に添加することにより、または反応混合物を、イオン交換体がたとえば固定床中で充填物として存在している連続的なイオン交換体に貫流させることにより行うことができる。
反応容器へのイオン交換樹脂の添加は特に、少なくとも1のアルコキシカルボニルアミノトリアジンを不連続的に製造する場合に可能である。この場合、有利には少なくとも1のアルコキシカルボニルアミノトリアジンの製造も、場合により反応混合物の中和およびイオン交換体によるイオン成分の除去も同一の容器中で行う。
1実施態様では、この方法は付加的な工程として、少なくとも1のアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する有機相の濃縮を含んでいてよい。
その際、濃縮は熱による方法により、または機械的な方法により行うことができる。濃縮のために適切な熱による方法は、たとえば気化、蒸留、精留、乾燥、有利に噴霧乾燥または結晶化である。少なくとも1のアルコキシカルボニルアミノトリアジンが懸濁液として存在している場合に適切な機械的な方法は、特に膜分離法、たとえば透析蒸発または透過ならびに濾過である。濃縮のための方法は、そのつど単独で、または組み合わせて適用することができる。濃縮のために、そのつど別の適切な、当業者に公知の方法を使用することもできる。濃縮のために有利な方法は、蒸留および噴霧乾燥である。
蒸留による濃縮の際には、蒸留を抽出の前または抽出後に実施することができる。付加的にイオン交換を実施する場合、蒸留はイオン交換の前に、またはイオン交換後に行うこともでき、その際、蒸留の実施は、イオン交換の前が有利である。というのも、蒸留によりアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する体積流が低減し、従ってイオン交換を実施するためにはより小さい装置を使用することができるからである。このことにより、イオン交換ための投資コストも運転コストも低減される。
蒸留によるアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する有機相の濃縮は、連続的に、または不連続的に行うことができる。
連続的な蒸留のためには、当業者に公知の慣用の連続的な気化器を使用することができる。連続的な蒸留のために適切な気化器は、たとえば循環式気化器、たとえばロバート・自己循環式気化器、傾斜した蒸発管を有する高速循環式気化器、外部に存在する管束気化器を有する強制換気式気化器、複数のチャンバに分割された沸騰室(Siederaum)を有する循環式気化器または静止した加熱体を有する強制換気式気化器である。その他の適切な連続式気化器はたとえば流下薄膜式蒸発器、薄層蒸発器またはケストナー(Kestner)気化器である。
さらにカラム中での蒸留により有機相の濃縮を行うことができる。その際、気化温度への加熱は、塔底で、またはカラムの外部に存在する熱交換器中で行うことができる。適切なカラムはたとえば充填塔、充填体カラムまたは棚段塔である。適切な充填物、充填体または棚段はこの場合、当業者に公知の全ての充填物、充填体または棚段である。
蒸留による不連続的な濃縮はたとえば攪拌容器中で行うことができる。その際、蒸留は、アルコキシカルボニルアミノトリアジンへの反応をその中で実施する容器中で実施することもできる。有利には付加的な攪拌容器中での蒸留により濃縮を行う。
連続的な方法でも、不連続的な方法でも、アルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する生成物流は、液相として、および少なくとも1のアルカノール、炭酸エステルおよび場合により水を含有する蒸気流として生じる。中和により生じた塩を抽出により除去する際に、水とは異なった極性の抽出剤を使用する場合、蒸気中には水の代わりに、または付加的に、極性の抽出剤が含有されている。
アルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する有機相を蒸留により濃縮することによって、特に有利な実施態様では、アルコキシカルボニルアミノトリアジンを45〜60質量%含有する生成物流が生じる。
しかし所望の生成物流に依存して、蒸留により上記より低いか、もしくは高い割合のアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する生成物流を得ることも可能である。
もう1つの変法では、少なくとも1のアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する有機相の濃縮の際に、蒸留により有機相および極性相を分離する。このために、少なくとも1のアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する有機相を蒸留塔に供給する。この場合、蒸留塔は有利には濃縮部とストリッピング部とを有する。少なくとも1のアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する有機相の供給は有利には濃縮部の側方供給部を介して行う。
蒸留塔の塔底で、濃縮されたアルコキシカルボニルアミノトリアジン含有有機相が得られる。
有利な1実施態様では、こうして得られた塔底生成物を、熱交換器中で脱塩された雪層の加熱のために使用し、該相を供給流として蒸留塔に供給する。
蒸留塔の塔頂を介して、アルカノール、場合により低沸点物および水および/または極性抽出剤を留去する。この流は、特に有利な実施態様では引き続き相分離装置へ供給され、ここで極性相が有機相から分離される。有機相は有利には返送流として改めて蒸留塔の塔頂に供給される。
特に有利な実施態様では、蒸留塔は有利にはストリッピング部に配置された側方排出部を有し、該排出部を介して有利に蒸気の形であり、かつ実質的に水を含有せず、炭酸エステルおよびアルカノールを含有する流を留去する。特に有利な側方排出部の位置は、カラムの中で、塔底の直接上方もしくは分離作用を有する内部構造物の直接下方である。
これらの運転方法の利点は、反応で再使用するための側方排出部を介した炭酸エステルの大部分の回収、生成物流中の炭酸エステル含有率の低減、および側方排出部を介した、水を含有しない高沸点アルカノール、たとえばn−ブタノールの回収である。
有利な実施態様では、蒸留塔は8〜22の理論段を含む。
カラムの塔頂における有機相の還流比は、有利には0.2〜3kg/kgの範囲である。
蒸留塔は有利にはカラムの塔頂の20〜2000ミリバールの範囲の圧力で運転される。カラムが運転される有利な版には50〜950ミリバールである。
もう1つの変法では、さらにアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する相を蒸留により濃縮するために、または濃縮の代わりにもう1つの方法工程としての蒸留により噴霧乾燥を行うことも可能である。噴霧乾燥により粉末状のアルコキシカルボニルアミノトリアジンが生じる。
この場合、噴霧乾燥は有利には、当業者に公知の噴霧乾燥機中で行う。たとえば噴霧乾燥のために、噴霧ディスク、1流体ノズルまたは2流体ノズルを有する市販の噴霧乾燥機を使用することができる。運転は、それぞれの構造に応じて、並流または向流で行うことができる。有利には、液状の、少なくとも1のアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する相を、窒素流により圧力をかけずに噴霧する2流体ノズルを使用する。この場合、窒素流は1〜10バールの範囲の圧力、有利には2〜5バールの範囲および特に有利には2.5〜5バールの範囲の圧力を有する。この場合、窒素は有利には循環ガスとして使用する。
噴霧乾燥は有利には50〜250℃の範囲の温度で、好ましくは55〜150℃の範囲の温度で、および特に有利には60〜100℃の範囲の温度で、および周囲圧力または周囲圧力に対して±0.01MPaまでの過剰圧力もしくは低い圧力で実施する。
噴霧乾燥の際に生じた粉末状の生成物は、たとえば通常の構造の織布フィルター、たとえばキャンドルフィルター、バッグ式フィルター、チューブフィルターまたは当業者に公知のその他のフィルターまたはサイクロンで分離することができる。
織布フィルターのためのフィルター材料として、たとえばポリテトラフルオロエチレン、シリコーンまたはポリエステルが適切である。ポリエステルが有利である。
循環ガスとして使用される窒素の洗浄は、有利にはスクラバー中で行う。その際、当業者に公知の任意のスクラバーが使用可能である。
実施例
例1
ジメチル炭酸エステルを使用して製造された、アルコキシアミノトリアジンを含有する反応混合物を、30%のHNO3により実施される中和の後に後処理する。このために、相分離器中で分離され、13%の含水率、3120mg/kgのNa含有率および7440mg/kgのMO3 -含有率を有する均質な有機相63.6kg/hを、完全に脱塩した水22.3kg/hを用いて充填塔中、向流で洗浄する。この場合、カラムの負荷は19.2m3/m2hであり、これはフラッディングポイントの75%に相当する。洗浄温度は21℃である。60.7kg/hのラフィネート流および28.2kg/hの抽出液流が生じる。この場合、ラフィネート流はアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する有価生成物である。洗浄された有機相のナトリウムイオンおよび硝酸イオンの分析は、1mg/kgNa+および48mg/kgNO3の濃度を生じる。有機相の含水率は19.7%である。
例2
アルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する有機相31.9kg/hを、30%のHNO3で中和した後に、充填塔に供給する。塔中で12.5kg/hの完全に脱塩した水を用いて有機相を向流で洗浄する。この場合、カラムの負荷は9.9m3/m2hであり、これはフラッディングポイントの37%に相当する。アルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有するラフィネート流28.2kg/hおよび抽出液流13.9kg/hを充填塔から留去する。洗浄された有機相の含水率は19.0%である。ナトリウムイオンの濃度は、1mg/kgであり、硝酸イオンの濃度は、36mg/kgである。
例3
エチレン炭酸エステルを使用して製造した反応混合物を、30%のHNO3による中和の後に後処理する。このために、分離され、10%の含水率、2640mg/kgのNa含有率および7320mg/kgのNO3 -含有率を有するアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する均質な有機相を、充填塔中、水6.0kg/hを用いて向流で洗浄する。この場合、カラムの負荷は20.6m3/m2hであり、これはフラッディングポイントの59%に相当する。洗浄温度は21℃である。16.7kg/hのアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有するラフィネート流および6.5kg/hの抽出液流が生じる。ラフィネート流はナトリウムイオン2mg/kgおよび硝酸イオン12mg/kgを含有している。ラフィネート流の含水率は16.5%である。

Claims (17)

  1. アルコキシカルボニルアミノトリアジンを製造する際に生じ、少なくとも1のアルコキシカルボニルアミノトリアジン、少なくとも1の環式および/または非環式炭酸エステル、少なくとも1の、場合により1もしくは2の酸素原子をエーテル結合として有し、かつ場合によりC1〜C4−アルキルおよび/またはヒドロキシにより置換されたC1〜C13−アルカノールならびに少なくとも1のアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルカノラート、場合によりメラミンおよび場合により触媒を含有するアルカノール性の反応混合物を後処理する方法であって、極性および/またはイオン性成分を、反応混合物中に存在する有機相と完全には混和しない極性の抽出剤による抽出により除去し、このことにより少なくとも1のアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有するアルカノール性の相と、抽出剤をその中に溶解している極性および/またはイオン性の成分と共に含有している極性相とが得られる方法。
  2. ミキサー/セトラー装置、カラム、遠心力場による分離に基づいた抽出装置またはこれらの組み合わせ中で抽出を実施することを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. カラムが、充填体塔、充填物塔または棚段塔であることを特徴とする、請求項2記載の方法。
  4. 攪拌カラムまたはパルスカラム中で使用されることを特徴とする、請求項2または3記載の方法。
  5. 20〜80℃の範囲の温度で抽出を実施することを特徴とする、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
  6. 極性相対有機相の相比が、0.1〜2の範囲であることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
  7. 極性抽出剤が、水であることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. さらなる工程として、少なくとも1のアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する有機相の濃縮を含むことを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. アルカリ金属もしくはアルカリ土類金属のアルカノラートが、ナトリウムメタノラートであることを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. 1〜C13−アルカノールがブタノールまたはメタノールとブタノールとからなる混合物であることを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
  11. アルカノール性反応混合物を、抽出前に酸の添加により、または酸への導入により中和することを特徴とする、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
  12. 中和のために添加される酸が、硝酸であることを特徴とする、請求項1または8記載の方法。
  13. 抽出の前または抽出の間に、反応混合物のpH値を、酸または塩基の添加により調整することを特徴とする、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
  14. 塩基が、アンモニア水であることを特徴とする、請求項13記載の方法。
  15. 酸が、有機酸、有利にはギ酸であることを特徴とする、請求項13記載の方法。
  16. 最後の工程として実質的にアルコキシカルボニルアミノトリアジンを含有する粉末を噴霧乾燥により製造することを含むことを特徴とする、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
  17. 噴霧乾燥を50〜250℃の範囲の温度で実施することを特徴とする、請求項16記載の方法。
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