JP2008542265A - 細胞核に侵入する組成物 - Google Patents

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Abstract

細胞核への侵入のための薬学的に許容される組成物および方法では、細胞核の中で少なくとも1つの治療的適用または診断的適用を有している生理活性物質に連結させられた、アミノ酸配列LKKTET、アミノ酸配列LKKTNT、またはアミノ酸配列KSKLKK、あるいはそれらの保存的変異体の少なくとも1つが含まれている細胞核に侵入するポリペプチドが利用される。

Description

発明の背景
関連出願の相互参照
本出願は、2005年5月27日に提出された米国仮特許出願番号60/684,993の権利を請求する。
発明の分野
本発明は、生理活性物質を送達するための組成物および方法の分野に関する。
背景技術の説明
生理活性物質を送達するための改良された組成物および方法が、当該分野で必要とされている。
発明の概要
本発明にしたがうと、細胞核に侵入するための薬学的に許容される組成物には、上記細胞核の中で少なくとも1つの治療的適用または診断的適用を有している生理活性物質に連結させられた、アミノ酸配列LKKTET、アミノ酸配列LKKTNT、またはアミノ酸配列KSKLKK、あるいはそれらの保存的変異体の少なくとも1つが含まれている、細胞核に侵入するポリペプチドが含まれる。
発明の詳細な説明
本発明は、サイモシンβ4(Tβ4、TB4、またはTベータ4)のようなアクチン封鎖ペプチド、およびアミノ酸配列LKKTET、LKKTNT、もしくはKSKLKK、またはそれらの保存的変異体を含む他のアクチン封鎖ペプチドもしくはペプチド断片を利用する組成物および方法を提供する。KLKKTETおよびLKKTETQのようなN末端またはC末端変異体が含まれる。これらのペプチドおよびペプチド断片は、様々な症状を処置および/または予防するため、ならびに、多数の生理学的機能に影響を与えるための、細胞核への侵入に有用である。いくつかの好ましい実施形態においては、細胞に侵入するペプチドはTβ4である。
生理活性物質は、任意の適切な位置で細胞に侵入するペプチドに連結させることができる。例えば、上記物質は、Tβ4のN末端に、または、別の位置にある細胞に侵入するペプチドのアミノ酸(最も好ましくは、グルタミン残基)に連結させることができる。上記物質は、薬物、化学療法薬、DNA配列、RNA配列、DNA−もしくはRNA−活性化物質または不活化物質、診断薬などであり得る。
好ましい実施形態においては、細胞に侵入するペプチドは、核内に連結させられた物質を運搬するように、核膜を通り抜ける。核膜は、好ましくは、哺乳動物のものであり、より好ましくは、ヒトのものである。
本発明はまた、哺乳動物被験体に、物質を保有している細胞に侵入するペプチドを投与する方法に適用することができる。この方法は、被験体の核膜または組織を本明細書中で定義される組成物(好ましくは、薬学的に許容される組成物)と接触させる工程を含み得
る。好ましい実施形態においては、被験体は哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。
サイモシンβ4は当初、インビトロでの内皮細胞の移動および分化の間に上方制御されるタンパク質として同定された。サイモシンβ4は43個のアミノ酸の4.9kDaの至る所に存在しているポリペプチドであり、様々な組織の中で同定されている。いくつかの役割がこのタンパク質のものであるとされており、これには、内皮細胞の分化および移動、T細胞の分化、アクチンの封鎖、および脈管形成における役割が含まれる。
サイモシンβ4は、様々な組織および細胞のタイプの中で見られる、高度に保存されている極性の5kDaのポリペプチドのβ−サイモシンファミリーのメンバーである。最初は胸腺から精製され、胸腺ホルモンと考えられているサイモシンβ4は、その後、多数の生物学的プロセスに関係していることが明らかにされた。主要なG−アクチン封鎖ペプチドとして、これは、細胞増殖、移動、および分化の間のアクチンのアセンブリの調節において有用な役割を担っている。多数の研究によって、サイモシンβ4は、発ガン、炎症、血管形成、および創傷の治癒の調節に関係しているとされている。サイモシンβ4の発現によって、アクチンをベースとする細胞骨格の形成を通じて、悪性細胞株における腫瘍原性および転移活性が調節されることが明らかにされた。サイモシンβ4は管を形成する内皮細胞の中に多くあることが明らかになっている;これは、それらの付着、拡散、および移動を増大させ、したがって、血管形成を促進する。サイモシンβ4はまた、核抽出物および創傷分泌液の中でも高濃度で見られ、そして、抗菌性の因子として機能することが示唆された。創傷の治癒におけるサイモシンβ4の刺激の役割は、動物モデルを用いたいくつかの研究において明らかにされた。局所投与または腹腔内投与されると、サイモシンβ4は、ラットの全層モデルにおいて皮膚の創傷の治癒を増進した。皮膚の創傷の治癒を加速させる能力はまた、db/db糖尿病マウス、ステロイドで免疫抑制されたマウス、および年老いたマウスにおいても観察されている。サイモシンβ4はまた、火傷後の角膜上皮の治癒を加速させること、そして炎症反応を軽減する角膜のサイトカインおよびケモカインの数を下方制御することも示されている。
血管の損傷の際の凝固カスケードの活性化によっては、トロンビンの産生が生じ、これはフィブリノーゲンをフィブリンに変換させる。フィブリンは自発的に重合して血餅を形成し、これが損傷した部位を塞ぎ、これによって血液の消失を防ぐ。フィブリンはまた、様々な細胞のタイプがそれに接着する一時的なマトリックスとしての役割も担っており、その後の創傷の治癒のプロセスの間に移動し、増殖し、フィブリンは正常な組織に置き換わる。
サイモシンβ4は、組織トランスグルタミナーゼの特異的な基質としての役割を担っており、それによってコラーゲン、アクチン、フィブリノーゲン、およびフィブリン(これらもまた上記のプロセスに関係しているタンパク質である)に対して選択的に架橋することができる。トロンビンでの血小板の活性化後、サイモシンβ4が放出され、時間依存性およびカルシウム依存性の様式でフィブリンに対して架橋される。
好ましい実施形態においては、細胞に侵入するポリペプチドは、アミノ酸配列LKKTET、LKKTNT、KSKLKK、KLKKTET、LKKTETQ、サイモシンβ4(Tβ4)、Tβ4のN末端変異体、Tβ4の核に侵入するC末端変異体、Tβ4のN末端断片、Tβ4のイソ型、Tβ4のスプライシング変異体、酸化型Tβ4、Tβ4スルホキシド、リンパ様Tβ4、ペグ化Tβ4、またはアクチン結合ドメインを有している任意の他のアクチン封鎖タンパク質もしくはアクチン束化タンパク質、あるいは、基本的にアミノ酸LKKTET、LKKTNT、もしくはKSKLKK、またはそれらの保存的変異体が含まれているかまたはこれらから構成されるペプチド断片を含む。国際特許出願番号
PCT/US99/17282(引用により本明細書中に組み入れられる)には、Tβ4のイソ型(これは、本発明にしたがって有用であり得る)、ならびにアミノ酸配列LKKTETおよびその保存的変異体(これは、本発明と共に利用され得る)が開示されている。国際特許出願番号PCT/GB99/00833(WO99/49883)(引用により本明細書中に組み入れられる)には、酸化型のサイモシンβ4が開示されている。これは、本発明にしたがって利用され得る。本発明は、本明細書中では以後、主にTβ4およびTβ4イソ型に関して記載されるが、以下の記載は、アミノ酸配列LKKTET、LKKTNT、KSKLKK、KLKKTET、LKKTETQ、基本的にLKKTET、LKKTNT、KSKLKK、KLKKTET、もしくはLKKTETQを含むかまたはこれらから構成されるペプチドおよび断片、それらの保存的変異体、ならびに、酸化型サイモシンβ4、Tβ4スルホキシド、リンパ様Tβ4、ならびに、ペグ化Tβ4に対しても同様に適用できることが意図されることが理解される。
物質が連結させられている細胞に侵入するペプチドは、任意の適切な有効量で投与され得る。例えば、物質が連結させられている細胞に侵入するペプチドは、約0.1〜50マイクログラムの範囲の投与量で、より好ましくは、約1〜30マイクログラムの範囲の量で、投与され得る。
本発明の組成物は、1回、毎日、1日おき、1週間おき、1ヶ月おきなどで投与することができ、投与日1日あたり単回投与または複数回投与で、例えば、投与日1日あたり2回、3回、4回、またはそれ以上の回数で投与することができる。
Tβ4イソ型が同定されており、これは、Tβ4の公知のアミノ酸配列と、約70%、または約75%、または約80%、またはそれ以上の相同性を有している。このようなイソ型としては、例えば、Tβ4ala、Tβ9、Tβ10、Tβ11、Tβ12、Tβ13、Tβ14、およびTβ15が挙げられる。Tβ4と同様に、Tβ10およびTβ15イソ型、さらには、Tβ4スプライシング変異体は、アクチンを封鎖することが示されている。Tβ4、Tβ10、およびTβ15、ならびに他のイソ型は、アミノ酸配列LKKTETを共有しており、これはアクチン封鎖または結合の媒介に関与しているようである。いずれの特定の理論にも束縛されることは望まないが、Tβ4イソ型の活性は、アクチンの重合を調節する能力が一部原因であり得る。β−サイモシンは、遊離のG−アクチンを封鎖することによってF−アクチンを脱重合させるようである。したがって、Tβ4のアクチンの重合を調節する能力は、LKKTET配列を介してアクチンに結合するかまたはアクチンを封鎖するその能力に、全てまたは一部、起因し得る。したがって、Tβ4と同様に、アクチンに結合するかまたはアクチンを封鎖する、あるいは、アクチンの重合を調節する他のタンパク質(これには、アミノ酸配列LKKTETを有しているTβ4イソ型が含まれる)も、本明細書中で示されるように、単独で、またはTβ4との組み合わせにおいておそらく有効である。なぜなら、これらは、細胞に侵入する配列を含む細胞に侵入するペプチドであるからである。
このように、公知のTβ4イソ型(例えば、Tβ4ala、Tβ9、Tβ10、Tβ11、Tβ12、Tβ13、Tβ14、およびTβ15)、ならびに、未だ同定されていないTβ4イソ型およびTβ4のスプライシング変異体は、本発明の方法において有用であろうことが、具体的に予想される。このように、Tβ4イソ型は本発明の方法(被験体において実施される方法を含む)において有用である。したがって、本発明はさらに、物質を保有しているTβ4、ならびに、Tβ4イソ型であるTβ4ala、Tβ9、Tβ10、Tβ11、Tβ12、Tβ13、Tβ14、およびTβ15と、薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物を提供する。
加えて、適切な封鎖、結合、移動、または重合アッセイにおいて明らかにされたか、あ
るいは、アクチン結合を媒介するアミノ酸配列(例えば、LKKTET、LKKTNT、またはKSKLKK)の存在によって同定された、アクチン封鎖能力またはアクチン結合能力を有している他のタンパク質、あるいは、アクチンを移動またはアクチンの重合を調節することができる他のタンパク質も、本発明の方法において同様に使用することができる。このようなタンパク質としては、例えば、ゲルゾリン、ビタミンD結合タンパク質(DBP)、プロフィリン、コフィリン、アドセベルチン(adservertin)、プロポミオシン、フィンシリン(fincilin)、デパクチン(depactin)、DnaseI、ビリン、フラグミン、セベリン、キャッピングタンパク質、β−アクチニン、およびアクメンチン(acumentin)が挙げられる。このような方法には、被験体において実施される方法が含まれるので、本発明はさらに、本明細書中に記載されるように、ゲルゾリン、ビタミンD結合タンパク質(DBP)、プロフィリン、コフィリン、デパクチン、DnaseI、ビリン、フラグミン、セベリン、キャッピングタンパク質、β−アクチニンおよびアクメンチンを含む薬学的組成物を提供する。したがって、本発明には、アミノ酸配列LKKTET、LKKTNT、またはKSKLKK(これらは、その一次アミノ酸配列の中に存在し得る)、およびこれらの保存的変異体を含むポリペプチドを利用する組成物ならびに方法が含まれる。
本明細書中で使用される場合は、用語「保存的変異体」またはその文法上のバリエーションは、別の生物学的に類似している残基によるアミノ酸残基の置換を示す。保存的バリエーションの例として、イソロイシン、バリン、ロイシン、またはメチオニンのような疎水性残基の別の疎水性残基での置換、極性残基の別の極性残基での置換、例えば、アルギニンのリジンでの置換、グルタミン酸のアスパラギン酸での置換、あるいはグルタミンのアスパラギンでの置換などが挙げられる。
利用される実際の投与量、処方、または組成は、被験体の大きさおよび健康状態を含む多くの要因に応じて様々であり得る。しかし、当業者はPCT/US99/17282(前出)、およびその中で引用されている参考文献において開示されているような臨床的な投与量を決定するための方法および技術が記載されている教示を、使用に適切な投与量を決定するために使用することができる。
適切な処方物には、担体の中に、物質を保有しているLKKTET、LKKTNT、またはKSKLKKペプチドが、約0.0001〜10重量%の範囲、より好ましくは、約0.01〜0.1重量%の範囲、最も好ましくは、約0.05重量%の濃度で含まれ得る。任意の適切な薬学的に許容される担体(例えば、注射用蒸留水)が利用され得る。
本発明はまた、生理活性物質を細胞核に送達するための方法にも関する。この方法は、細胞核に対して、本明細書中に記載される薬学的に許容される組成物を投与する工程を含む。この方法は、組成物を、核を含む細胞に、細胞内の核に、哺乳動物被験体に投与する工程を含み得るか、あるいは、被験体の組織を本発明の組成物と接触させる工程を含み得る。
実施例1
細胞核内で治療的適用および/または診断的適用を有している生理活性物質を、以下のようにTβ4に連結させる。物質は、薬剤、化学療法薬、DNA配列、RNA配列、DNAもしくはDNA活性化物質または不活化物質、ならびに診断薬から選択される。
物質を連結させたサイモシンβ4は、240μgのサイモシンβ4(200μM)を120μgの物質(1mM)および0.2Uのモルモットトランスグルタミナーゼとともに、10mMのTris−HCl(pH7.4)、15mMのCaCl、3mMのDTT
からなる240μlの緩衝液中で室温でインキュベートすることによって調製する。1時間後および2時間後に、5μlの反応混合物についてHPLC分析を行う。反応を、5μlのトリフルオロ酢酸(TFA)の添加によって4時間後に停止させる。その後、反応混合物について、分取HPLCを行う。分離させたペプチドを減圧下で濃縮し、ついで、アミノ酸分析と質量スペクトル分析によって特性決定する。
物質を連結させたサイモシンβ4のタンパク質分解による断片を、以下の手順によって調製する:50μgのペプチドを20μUのAsnC−エンドプロテイナーゼと共に、100μlの反応緩衝液(50μMの酢酸ナトリウム(pH5.0)、0.2mMのDTT、0.2mMのEDTA)の中で室温で16時間インキュベートする。その後、反応を、5μlの10%TFAの添加によって停止させ、生成物を分取HPLCによって分離させる。分析の前に、試料を減圧下で濃縮する。
マイクロインジェクション実験
マイクロインジェクションを、Axiovert 100倒立顕微鏡(Zeiss,Goettingen,Germany)に適合するマイクロマニピュレータ5170とマイクロインジェクタ5242とからなるECET細胞インジェクションシステム(Eppendorf,Hamburg,Germany)を用いて行う。マイクロインジェクションは、TVモニタ(SSM 121CE、ソニー(Sony)、東京、日本)に取り付けたCCDカメラによって視覚的に制御する。物質を連結させたサイモシンβ4と架橋させたADP−リボシル化アクチン:サイモシンβ4複合体をそれぞれ、135mMのKCl、5mMのNaHPO(pH7.2)中の32μMおよび8.27μMの濃度で細胞質に注入する。注入圧力は、65から80hPa(1hPa=0.1kPa)の間であり、注入時間は0.5から0.7秒の間である。
物質を結合させたサイモシンβ4を細胞の細胞質の中にマイクロインジェクトする。マイクロインジェクションの直後は、連結させたペプチドは細胞質全体に均一に分配される。1時間のインキュベーション後には、細胞核への顕著な局在化が検出される。
サイモシンβ4のN末端部分には、リジン残基(14KSKLKK19)が多く含まれている配列ストレッチが含まれており、これは、機能性の核局在化シグナルであり得る。14KSKLKK19配列が含まれているN末端断片(サイモシンβ27−43 )は、顕著な核局在化を示す。

Claims (20)

  1. 細胞核への侵入のための薬学的に許容される組成物であって、前記細胞核の中で少なくとも1つの治療的適用または診断的適用を有している生理活性物質に連結させられた、アミノ酸配列LKKTET、アミノ酸配列LKKTNT、またはアミノ酸配列KSKLKK、あるいはそれらの保存的変異体の少なくとも1つが含まれている細胞核に侵入するポリペプチドを含む、組成物。
  2. 前記生理活性物質が、薬剤、化学療法薬、または核酸配列を含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記細胞核に侵入するポリペプチドが、アミノ酸配列LKKTETまたはアミノ酸配列KSKLKKを含む、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記細胞核に侵入するポリペプチドが、サイモシンβ4を含む、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記ポリペプチドが、サイモシンβ4のN末端断片を含む、請求項1に記載の組成物。
  6. 前記物質に連結させられた前記細胞に侵入するポリペプチドが、薬学的に許容される担体の中に存在している、請求項1に記載の組成物。
  7. 前記物質に連結させられた前記細胞核に侵入するポリペプチドが、前記担体の約0.0001〜10重量%の範囲の濃度で前記担体の中に存在している、請求項6に記載の組成物。
  8. 細胞核に請求項1に記載の組成物を投与する工程を含む、生理活性物質を細胞核に送達する方法。
  9. 前記組成物を哺乳動物被験体に投与する工程を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記被験体の組織を前記組成物と接触させる工程を含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記生理活性物質が、薬剤、化学療法薬、または核酸配列を含む、請求項8に記載の方法。
  12. 前記細胞核に侵入するポリペプチドが、アミノ酸配列LKKTETまたはアミノ酸配列KSKLKKを含む、請求項8に記載の方法。
  13. 前記細胞核に侵入するポリペプチドが、サイモシンβ4を含む、請求項8に記載の方法。
  14. 前記ポリペプチドが、サイモシンβ4のN末端断片を含む、請求項8に記載の方法。
  15. 前記物質に連結させられた前記細胞核に侵入するポリペプチドが、薬学的に許容される担体の中に存在している、請求項8に記載の方法。
  16. 前記物質に連結させられた前記細胞核に侵入するポリペプチドが、前記担体の約0.0001〜10重量%の範囲の濃度で前記担体の中に存在している、請求項15に記載の方法。
  17. 前記生理活性物質が、前記サイモシンβ4のN末端部分に連結させられている、請求項4に記載の組成物。
  18. 前記生理活性物質が、前記N末端断片のN末端部分に連結させられている、請求項5に記載の組成物。
  19. 前記生理活性物質が、前記サイモシンβ4のN末端部分に連結させられている、請求項13に記載の方法。
  20. 前記生理活性物質が、前記N末端断片のN末端部分に連結させられている、請求項14に記載の方法。
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