JP2008541051A - 炭水化物バイオマーカーの検出 - Google Patents

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Abstract

本発明は一般に乳頭吸引液試料中の炭水化物バイオマーカーの検出に関する。本発明の一つの側面は、TFまたはTn炭水化物バイオマーカーの存在について乳頭吸引液をアッセイする方法である。この方法は、一般にTFまたはTnに特異的な固相化捕捉試薬を用い、標識した結合試薬の使用により結合したTFまたはTn炭水化物バイオマーカーの直接検出かまたは間接検出のいずれかと組み合わせることができる。

Description

本願は、2005年5月2日に出願された米国仮特許出願第60/676,764号の利益を主張する(その内容を参照のためその全体を本明細書に引用する)。
本発明は、米国国防省、乳癌リサーチプログラム(Breast Cancer Research Program)によって付与されたDAMD17-03-1-0509下、政府の支持のもとになされた。政府は、本発明における一定の権利を有する。
本発明は一般に、乳頭吸引液(nipple aspirate fluid)中に存在する炭水化物バイオマーカーの検出に関する。
乳癌の早期検出は、疾患処置および管理の成功を容易にする。最近、乳房の乳頭吸引液(nipple aspiration of breast fluid)が、インシトゥで浸潤性の癌の検出に役立つ見込みがあることが示された。乳頭吸引液(NAF)は非侵襲的に得ることができ、管上皮および小葉上皮(ductal and lobular epithelia)から分泌された比較的高レベルのタンパク質および脂質を含むが、癌患者からのものでは少数の癌細胞を含むにすぎない(Glinsky (2001) Cancer Research 61: 4851-4857; Hsiungら、Cancer Journal (2002) 8, 303-310)。NAFは、女性の95%まで得ることができる(Sauterら(1997) Br J Cancer 76: 494-501)。
Thomsen-Friedenreich(TF)抗原および関連Tn抗原は、乳癌では認められているが健常な乳房組織では認められていない(Springerら(1980) Cancer 45: 2949-29541)。ある研究では、管性乳癌(ductal breast cancer)患者の85%以上でTF抗原およびTn抗原が陽性であったのに対し、良性の乳房疾患の患者の94%以上で陰性であった(Springerら(1980) Cancer 45: 2949-29541;Springer (1984) Science 224: 1198-1206)。TF[Galβ1→3GalNAc-]およびTn[3GalNAc-]は、糖タンパク質上のSer/Thrに結合した初期分化抗原であり、癌関連糖脂質およびセラミドで見出すことができる。TF抗原およびTn抗原はともに健常な個体では共有結合的にマスクされているが(covalently masked)、癌患者の90%以上では暴露され免疫反応性である。TF抗原およびTn抗原の量と癌の攻撃性(aggressiveness)との間には正の相関があることが報告されている(Springer, (1984) Science 224: 1198-1206; Glinsky, (2001)。TF抗原(乳癌細胞の表面に存在する)が転移沈着の初期ステージで重要な役割を果たすことも知られている(Glinsky (2001) Cancer Research 61: 4851-4857)。
TF抗原は、ガラクトースオキシダーゼ−シッフ(GOS)反応により検出することができる。GOS反応は、乳癌並びに肺癌、膵臓癌、卵巣癌、甲状腺癌、胃癌および直腸癌を含む多くの悪性腫瘍において陽性の結果をもたらす。この反応は乳房組織切片で調べられており、分光測光アッセイ系を用いて乳癌組織では陽性、正常乳房組織では陰性の結果であることが報告されている(Shamsuddin (1995) Cancer Res 55: 149-152)。
Tn抗原は、患者からの腹水および胸膜浸出液において、モノクローナル抗体「キャッチャー(catcher)」およびイソレクチントレーサーを用いる二重抗原決定基(double-determinant)イムノレクチン−酵素法により定量されることが報告されている(Freireら(2003) Oncology Reports 10: 1577-1585)。
本発明は一般に乳頭吸引液中に存在する炭水化物バイオマーカーの決定を可能にするアッセイに関する。これらバイオマーカーは、乳頭吸引液中に存在するタンパク質、炭水化物、および脂質分子上に存在し、乳癌のインディケーターとして機能することができる。本明細書に記載する方法は、様々なステージでの乳癌の非侵襲的な検出を容易にし、発癌の機会の増大を知らせる予測測定手段として機能しうる。
本発明の一つの側面は、炭水化物バイオマーカーのアッセイ法である。この方法では、乳頭吸引液(NAF)またはNAF誘導物試料をTFおよび/またはTn炭水化物バイオマーカーの存在についてアッセイする。そのようなアッセイでは、一般に、NAF試料からのTFおよび/またはTnを結合するため担体に結合した捕捉試薬を用いる。結合した炭水化物バイオマーカーの存在は、ついで標識した結合試薬の使用により直接または間接的に検出することができる。
本発明の他の側面は、乳頭吸引液(NAF)またはNAF誘導物試料中の炭水化物バイオマーカーの検出のためのキットである。このキットは、一般に、TFまたはTnに特異的に結合することのできる捕捉試薬、標識した結合試薬、および本明細書に記載する方法に従ってキットを使用するための説明書を含む。
他の目的および特徴は、明らかであり、また本明細書に以下で記載する。
本発明は一般に、乳頭吸引液中に存在するタンパク質、炭水化物および脂質上に存在する炭水化物バイオマーカーの決定を可能にするアッセイに関する。幾つかの態様において、炭水化物バイオマーカーは乳癌のインディケーターである。本明細書に記載する方法は、様々なステージでの乳癌の非侵襲的な検出を容易にし、発癌の機会の増大を知らせる予測測定手段として機能しうる。
一般に、炭水化物バイオマーカーの検出は、乳頭吸引液のアッセイに従う。本明細書に記載する捕捉アッセイの様々な態様は、乳頭吸引液中の低レベルのTFまたはTn炭水化物バイオマーカーの検出に必要な感度を提供する。このアッセイは、TF、Tn、またはTFとTnとの両者を検出することができる。さらに、このアッセイは、タンパク質、炭水化物、および脂質を含む、目的とする炭水化物バイオマーカーを提示するあらゆる分子を検出する。このアッセイの感度は、低分布量およびウエスタンブロット、PCRまたはイムノブロットに適していないために従来は検出できなかった、炭水化物および結合脂質の検出を可能にする。
捕捉アッセイは、乳頭吸引液試料から、その表面上にTFまたはTn炭水化物バイオマーカーを提示するタンパク質、脂質、または炭水化物を単離するためのTFまたはTn特異的な捕捉試薬を用いる。一つの態様において、NAF試料をTFまたはTn炭水化物バイオマーカーに特異的に結合する固相化捕捉試薬と混合する。捕捉試薬は、例えば、TFまたはTn特異的な抗体、レクチン、ペプチド、バクテリオファージ、またはそれぞれTF抗原またはTn抗原に対して特異的な親和性を有する他の分子であってよい。好ましくは、捕捉試薬はTFまたはTn特異的抗体であり、アッセイは捕捉イムノアッセイである。乳頭吸引液内のTFまたはTn炭水化物バイオマーカーは、もし存在するなら、通常、利用できる結合した捕捉試薬結合部位の一部にのみ結合するであろう。ついで、捕捉試薬に結合した炭水化物バイオマーカーを検出することができる。
炭水化物バイオマーカーTFまたはTnは、乳頭吸引液試料中で、間接(図2を参照)または直接(図4を参照)検出手段により捕捉アッセイで検出することができる。間接および直接検出のいずれについても、結合試薬(容易にアッセイ可能な標識(tag)で印を付けてある)を基体上の結合捕捉試薬と接触させる。標識した結合試薬は、一般にその標的よりも過剰に提供される。アッセイシグナル(標識した結合試薬のインディケーター)をTFまたはTnの標準曲線と比較することにより、乳頭吸引液の試料中に存在するTFまたはTnの量を測定することができる。
間接および直接検出アッセイでの標識した結合試薬の差違は、結合試薬がそれに対して特異的である標的である。間接検出では、標識した結合試薬は捕捉試薬の占領されていない結合部位に結合する。存在する標識の量の測定値は、乳頭吸引液試料から捕捉されたTFまたはTn炭水化物バイオマーカーの量と逆の相関(すなわち、間接)を示す(図2を参照)。直接検出では、標識した結合試薬はTFまたはTnに直接結合し、これが今度は固相化捕捉試薬に結合する。存在する標識の量の測定値は、乳頭吸引液試料から捕捉されたTFまたはTn炭水化物バイオマーカーの量と直接の相関を示す(図4を参照)。
本明細書に記載するTFおよびTn炭水化物バイオマーカーアッセイは、乳癌を幾つかの異なるステージで検出するのに用いることができる。これらのステージには、これらに限られるものではないが、インシトゥの管性癌(ductal carcinoma in situ;DCIS);T1N1MO St-2A(リンパ節の関与があり腫瘍は2cm未満であるが、遠位転移は認められない);T2N0/N1 MOSt-2A/B(リンパ節の関与はあるかまたはなく腫瘍は2cmよりも大きいが、遠位転移は認められない);T3N1/N3 MOSt-3/3A(リンパ節の関与があり腫瘍は5cmよりも大きいが、遠位転移は認められない);およびT4N1MO St-3B(腫瘍はいかなる大きさであってよく、リンパ節の関与があるが、遠位転移は認められない)が含まれる。本明細書に記載するTFおよびTn炭水化物バイオマーカーアッセイはまた、一層多くの異常な細胞が存在する発癌のリスク因子と考えられる状態である異型過形成(ADH)を検出するのにも用いることができる。異型過形成を検出するのに用いた場合には、TFおよびTn炭水化物バイオマーカーの存在は発癌の機会の増大を知らせるであろう。
乳頭吸引液
乳頭吸引液は、当該技術分野で知られた様々な方法により得ることができる(例えば、Sauterら(1997) Br J Cancer 76, 494-501を参照)。乳頭吸引液は、殆どの形態の乳癌において悪性のトランスフォーメーションを担う管上皮細胞(ductal epithelial cells)を浸している。乳頭吸引液は、剥離した管上皮細胞、管上皮および小葉上皮から分泌されたタンパク質および脂質を含んでいる。乳頭吸引液試料は非侵襲的に、例えば、改変搾乳器を用いることにより、および/または手でのマッサージおよび圧搾により回収することができる(例えば、実施例1参照)。様々な手順が乳頭吸引液の回収を容易にすることができる。これらには、例えば、温かい湿った布または加熱パッドで乳房を温めること、および/または回収の前、間および/または後に乳房をマッサージすることが含まれる。マッサージによって容易になった回収は、両手を乳房の基部の周囲に平らに置き、乳首の先端に向かって下方に搾ることによって手で乳房を圧搾することで起こりうる。乳頭吸引液の回収の際に、ケラチンの詰まりが吸引を妨害しうる。乳首の脱ケラチン化は、アルコールまたはCerumenex3%とともに粗いガーゼを用いて行うことができる。
乳頭吸引液は、例えば、得られた試料が小容量であるか、または得られた試料が特に粘性であるときに、希釈することができる。乳頭吸引液はまた、得られた試料を特定のパラメータについて他の試料と標準化するためにも希釈することができる。乳頭吸引液試料の希釈は、例えば、蒸留水やPBSなどの緩衝液等の不活性な液体の添加を含む、多くの既知の手段のいずれによっても行うことができる。あるいは、乳頭吸引液は、例えば試料の容量がアッセイに望まれるよりも多いときに、水分の除去により濃縮してよい。乳頭吸引液試料からの水分の除去は、例えば、Savant SpeedVacRの使用、凍結乾燥、または水分に加えて、炭水化物バイオマーカーを含む乳頭吸引液のフラクション(例えば、脂質フラクション、タンパク質フラクション、炭水化物フラクション、または細胞破砕物)を除去しない他の手段を含む、多くの既知の手段のいずれによっても行うことができる。
一般に行われることは多くはないが、一つの態様において、乳頭吸引液を分画して乳頭吸引誘導物(nipple aspirate derivative)を得、これをついで炭水化物バイオマーカーについて分析してよい。乳頭吸引液試料の分画は、例えば、遠心分離、限外濾過、クロマトグラフィー、ゲル電気泳動、および蒸留を含む、多くの既知の手段のいずれによっても行うことができる。それゆえ、例えば、患者から得た乳頭吸引液(すなわち、「完全な」または「全」NAF)に比べて、脂質/タンパク質比、脂質/炭水化物比、またはタンパク質/炭水化物比がもとの試料とは異なるフラクションを得ることができる。
同様に、乳頭吸引液を濃縮して、患者から得た乳頭吸引液(すなわち、「完全な」または「全」NAF)に比べて、脂質/タンパク質比、脂質/炭水化物比、またはタンパク質/炭水化物比がもとの試料とは異なる濃縮物とすることができる。これら比の1またはそれ以上の変化に加えて、濃縮物はまた、患者から得た乳頭吸引液に比べて減少した水分量を含んでいてよい。そのような乳頭吸引液試料の濃縮は、例えば、遠心分離および回転濾過(spin filtering)、限外濾過、クロマトグラフィー、硫酸アンモニウム沈殿、TCA/DOC、およびゲル電気泳動を含む、多くの既知の手段のいずれによっても行うことができる。
捕捉アッセイ
本明細書に記載するアッセイは、炭水化物バイオマーカーを提示する炭水化物、タンパク質、または脂質を乳頭吸引液試料から選別するために捕捉試薬を用いる。目的の炭水化物バイオマーカーとしては、TFおよびTnが挙げられる。アッセイは、当該技術分野で一般に知られた様々な標準アッセイプロトコールから選択したいずれの手順を用いても行うことができる。一般に理解されるように、アッセイは、捕捉試薬、試料中のTFおよび/またはTn、および標識した結合試薬の相互作用に依存するように構築する。一つの態様において、アッセイは、捕捉試薬と標識した結合試薬との間で生成した複合体を検出するための手段を利用し、これにより乳頭吸引液試料内のTF-および/またはTn-提示分子の量の間接的な決定が可能となる。別の態様において、アッセイは、捕捉試薬、乳頭吸引液試料からのTFおよび/またはTn炭水化物バイオマーカー、および標識した結合試薬により生成した複合体を検出するための手段を利用し、これにより乳頭吸引液試料内のTF-および/またはTn-提示分子の量の直接的な決定が可能となる。アッセイプロトコールの特別なデザインは広範囲な様々な選択が可能であり、幾つかの臨床アッセイデバイスおよびプロトコールが当該技術分野で利用できる。本明細書に記載する捕捉アッセイは、炭水化物バイオマーカーを発現するタンパク質成分並びに非タンパク質成分、例えば炭水化物や脂質の分析を可能にする。
間接検出での捕捉アッセイは、捕捉試薬を担体(例えば、固相支持体または基体)上に固相化し、コーティングした担体を乳頭吸引液試料と接触させ、結合部位の残りを捕捉試薬に特異的な標識した結合試薬と反応させ、ついで標識を検出することを含む(例えば、実施例2を参照)。乳頭吸引液試料中の目的炭水化物バイオマーカーが多ければ多いほど、固相支持体上の一定量の捕捉試薬に結合することのできる標識した結合試薬は少なくなる(標識した結合試薬は、通常、捕捉試薬の量に比べて飽和量で提供される)。
一般に、直接検出での捕捉アッセイは、捕捉試薬を担体上に固相化し、コーティングした担体を乳頭吸引液試料と接触させ、TFまたはTn炭水化物バイオマーカーに特異的な標識した結合試薬を加え、ついで標識を検出することを含む(例えば、実施例3を参照)。直接検出アッセイでは、乳頭吸引液試料中の目的炭水化物バイオマーカーが多ければ多いほど、炭水化物バイオマーカー(これが今度は担体上の捕捉試薬に結合している)に結合することのできる標識した結合試薬は多くなる(標識した結合試薬は、通常、飽和量で提供される)。
間接検出法および直接検出法のいずれにおいても、反応は、既知量の標識していないTF-および/またはTn-提示分子から得られた標準曲線と比較することにより定量化することができる。
捕捉試薬および担体
上記に記載したアッセイの捕捉試薬は、担体上に固相化され、ついで乳頭吸引液試料に暴露されて、捕捉試薬はもし存在するときはTFまたはTnと結合する。
固相材料にコーティングされたTFまたはTn捕捉試薬は、一般にそれぞれ十分な量のTFまたはTn抗原と比較的短時間で(約2〜5分)結合し、その後の標識した結合試薬の洗浄および検出の間、捕捉したTFまたはTn抗原を保持している。担体上の捕捉試薬の密度は、例えば、約200ngcm-2〜約650ngcm-2であってよい。担体上に固相化される捕捉試薬の量は、試料中のTFまたはTnの予測量よりも過剰でなければならない。一般に、未希釈の癌性乳頭吸引液試料中のTFまたはTnの濃度は、約15ng/μl〜約2,500ng/μlの範囲である。乳頭吸引液中の炭水化物抗原の予測濃度および提供した(delivered)試料の容量の関数として担体上に固相化すべき捕捉試薬の量を計算することは、十分に当業者の範囲である。
捕捉試薬としては、TFおよび/またはTn抗原に特異的に結合する免疫グロブリンペプチド、レクチン、バクテリオファージ、または他のポリペプチドが挙げられる。TF-特異的なレクチン捕捉試薬の例としては、Amaranthus caudatusレクチン;Artocarpus integrifolia Jacalinレクチン;Arachis hypogeaラッカセイレクチン;およびBauhinia purpurea凝集素が挙げられる。Tn-特異的なレクチン捕捉試薬の例としては、イソレクチンB4(VVLB4)レクチンおよびSSLレクチンが挙げられる。TF-結合性アミノ酸ペプチド(p-30)を提示するバクテリオファージは、捕捉試薬の他の例である(Peletskaya (1997) J. Mol. Biol. 270, 374を参照)。同様に、p-30ペプチドをポリペプチド捕捉試薬として用いることができる。免疫グロブリンペプチド捕捉試薬としては、例えば、以下にさらに詳細に記載するように、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、およびタンパク質分解的に開裂した抗体フラグメントや一本鎖Fv抗体フラグメントなどの抗体フラグメントが挙げられる。実施例に記載した捕捉試薬は、本明細書に記載する方法を実施するのに用いることのできる範囲および種類を限定するものではないことが理解されなければならない。
担体は、通常は静電力によって捕捉試薬がその上に結合する適当な基体である。担体は、例えば、トレイ、ビーズ、またはチューブの形態のプラスチックまたはガラス材料であってよく、あるいは担体は、ナイロンまたはニトロセルロースの適当なメンブレンであってよい。好ましくは、担体はプラスチックのマイクロタイターウエルである。担体上への固相化は、例えば、捕捉試薬をマイクロタイターウエル中で約37℃で約4時間インキュベートすることにより行うことができる。
固相化後、過剰の捕捉試薬を除去し、担体を通常アルブミンでブロッキングする。例えば、10mMトリス-HCl緩衝液中の2%BSAを用い、4℃で6〜12時間、担体をブロッキングすることができる。ブロッキング後、担体を、好ましくは界面活性剤を含む適当な緩衝液で洗浄することができる。
ついで、乳頭吸引液の溶液、またはその希釈液を、目的の炭水化物バイオマーカーを提示する分子に捕捉試薬が結合する条件下で捕捉試薬コーティング担体に加える。乳頭吸引液の添加は、例えば、患者から回収した濃度で、または例えば1/10、1/50、1/100、1/500、または1/1000に系列希釈して行うことができる。提供する乳頭吸引液の容量は、上記で記載したように、担体上に固相化した捕捉試薬の量が試料中に予期されるTFまたはTnの量に対して過剰になるようなものでなければならない。適当な条件は、例えば、100μlの希釈した乳頭吸引液試料の室温での約1時間のインキュベーションである。捕捉試薬への炭水化物バイオマーカーの結合のための十分な時間の後、ついで乳頭吸引液試料を洗浄除去する。
標識した結合試薬
バイオマーカー−捕捉試薬複合体が生成した後、担体を標識した結合試薬と混合する。標識した結合試薬の標的は、間接検出手段または直接検出手段のいずれを用いるかによるであろう。
間接検出アッセイでは、生成したバイオマーカー−捕捉試薬複合体をさらに捕捉試薬に対する親和性を有する結合試薬(結合試薬は容易にアッセイしうる標識に結合している)と反応させる。結合試薬は、乳頭吸引液試料からの目的炭水化物バイオマーカーが結合していない固相化捕捉試薬には高い親和性で結合するが、乳頭吸引液試料からの目的炭水化物バイオマーカーがすでに結合している固相化捕捉試薬には結合しないのが好ましい。標識した結合試薬として用いることのできるTn-提示分子の例は、アシアロ−ヒツジ顎下腺ムチン(asialo-ovine submaxillary mucin;A-OSM)(Freireら(2003) Oncology Rep. 10, 1577)である。結合試薬として用いることのできるTF-提示分子の例としては以下のものが挙げられる:アシアロフェチュイン(Asialofetuin)(Sigma Chemical Co.、セントルイス、ミズーリ);アシアロムチン(Asiaolimucin)(Sigma Chemical Co.、セントルイス、ミズーリ);アシアログリコホリン(Asialoglycophorin)(Sigma Chemical Co.、セントルイス、ミズーリ);およびGalベータ1,3GalNAc-アルファ-O-ベンジル(Sataら(1990) J Histochem Cytochem. 38, 763)。
直接検出アッセイでは、生成したバイオマーカー−捕捉試薬複合体をさらに炭水化物バイオマーカーに対する親和性を有する結合試薬(結合試薬は容易にアッセイしうる標識に結合している)と反応させる。直接検出結合試薬としては、TFまたはTnに対する結合特異性を示す抗体およびレクチンが挙げられる。
アッセイしうる標識は、直接検出することもできるし、またはそれが特異性を有するレポーターに結合させることもできる。結合試薬に結合したアッセイしうる標識は、例えば、酵素、補酵素、酵素基質、酵素補因子、酵素インヒビター、放射性核種、色原体、蛍光剤、化学ルミネセンス剤、フリーラジカル、または染料であってよい。あるいは、検出はまた、レポーター試薬、例えば、蛍光アビジン、ストレプトアビジンまたは他のビオチン結合タンパク質または酵素結合ストレプトアビジンと、蛍光原、発色原、または化学ルミネセンス基質とによって媒体することもできる。
好ましくは標識はビオチンであり、このものは、ついで酵素の西洋ワサビペルオキシダーゼなどのレポーターにコンジュゲートしたアビジンまたはストレプトアビジンにより認識される。例えば、標識した結合試薬は、ビオチン化ASFまたはVicia villosaレクチンからのビオチン化イソレクチンB4(VVLB4)であってよい。ビオチンは、典型的には第一級アミン(すなわち、リシン)を介してタンパク質にコンジュゲートする。通常、3から6のビオチン分子が各結合試薬分子にコンジュゲートする。アビジンのホモログであるストレプトアビジンはStreptomyces avidiniiによって分泌されるが、ビオチンに対する特に高い親和性のために結合試薬として好ましい。
フルオレセインイソチオシアネート、ユウロピウム、ルシファーイエロー、ローダミンBイソチオシアネートなどの多くの蛍光化合物(Wood (1991) In: Principles and Practice of Immunoassay, Stockton Press, New York, pp. 365-392)を結合試薬を標識するのに用いることができる。抗体−抗原複合体の分離のための公知の技術と組み合わせることで、これら蛍光団を用いて乳頭吸引液試料中のTFまたはTnを定量することができる。同じことは化学ルミネセンスイムノアッセイにも当てはまり、この場合は抗TFまたは抗Tn抗体のいずれかをイソルミノールまたはアクリジンエステルで標識することができる(Krodel (1991) In: Bioluminescence and Chemiluminescence: Current Status. John Wiley and Sons Inc. New York, pp 107-110; Weeks (1983) Clin. Chem. 29:1480-1483)。ラジオイムノアッセイ(Kashyap, M. L.ら、J. Clin. Invest. 60:171-180 (1977))は他の技術であり、抗TFまたは抗Tn抗体を125Iなどの放射性同位元素とカップリングした後に用いることができる。これらイムノアッセイの幾つかは、蛍光イムノアッセイのためのIMXTM(Abbott、アービング、テキサス)や化学ルミネセンスイムノアッセイのためのCiba Corning ACS 180TM(Ciba Corning、メドフィールド、マサチューセッツ)などの適当な器具の使用により容易に自動化することができる。ELISA法において標識した結合試薬を検出するためのキットは市販されている。
検出
検出は、未結合の標識した結合試薬を洗浄除去した後に行う。間接検出アプローチでは、捕捉試薬と標識した結合試薬とから生成した複合体中の標識を検出し、それにより存在するTFまたはTnの量を間接的に示す。それゆえ、間接検出法では、目的の炭水化物バイオマーカーが乳頭吸引液試料中に存在するときは、標識した結合試薬が結合するのに利用できる部位がより少なくなっているであろうから低いシグナルが検出されるであろう。
一方、直接検出アプローチでは、捕捉試薬、目的の炭水化物バイオマーカー、および標識した結合試薬から生成した複合体中の標識を検出し、それにより存在するTFまたはTnの量を直接示す。それゆえ、直接検出法では、目的の炭水化物バイオマーカーが乳頭吸引液試料中に存在するときは、標識した結合試薬が結合するための部位がより多くなっているであろうから高いシグナルが検出されるであろう。
検出の方法は、当該技術分野で一般に理解されているように、結合試薬上のアッセイしうる標識が何であるかによるであろう。上記に記載した捕捉イムノアッセイにおいて標識した結合試薬を検出するためのキットは市販されている。検出法としては、ウエスタンブロット、固相酵素免疫検定法、ラジオイムノアッセイ、競合イムノアッセイ、二重抗体サンドイッチアッセイ、免疫組織染色アッセイ、凝集アッセイ、および蛍光イムノアッセイが挙げられる。
好ましくは、ストレプトアビジン/ペルオキシダーゼ複合体をビオチン標識の量をアッセイするのに用いる。ストレプトアビジンに結合したペルオキシダーゼ酵素の活性は、ついでペルオキシダーゼ基質を加えることにより検出することができる。ペルオキシダーゼ基質の例は、2,2'-アジノ-ビス(3-エチルベンズチアゾリン-6-スルホン酸)(ABTS)である。
既知量の炭水化物バイオマーカーを含む溶液を標準曲線の作成に用いることができる。乳頭吸引液試料中のTnの濃度を決定するための標準として用いることのできるTn-提示分子の例は、A-OSM(Freireら(2003) Oncology Rep. 10:1577)である。乳頭吸引液試料中のTFの濃度を決定するための標準として用いることのできるTF-提示分子の例としては以下のものが挙げられる:アシアロフェチュイン(Sigma Chemical Co.、セントルイス、ミズーリ);アシアロムチン(Sigma Chemical Co.、セントルイス、ミズーリ);アシアログリコホリン(Sigma Chemical Co.、セントルイス、ミズーリ)およびGalベータ1,3GalNAc-アルファ-O-ベンジル(Sataら(1990) J Histochem Cytochem. 38, 763)。
レクチン
レクチンは捕捉試薬および/または結合試薬として用いることができる。一般に、抗原特異的レクチンを間接検出法では捕捉試薬かまたは結合試薬のいずれかとして、間接検出法では捕捉試薬として用いることができる。レクチンは、細胞を凝集させ複合体糖質を沈殿させる非免疫由来の炭水化物結合性タンパク質である。レクチンは、植物、ウイルス、微生物、および動物を含む多くの種類の生物から単離することができる。レクチンは、一般に非共有結合により会合したサブユニットからなる多量体である。レクチンは、コンカナバリンAのように2またはそれ以上の同じサブユニット、またはPhaseolus vulgaris凝集素のように2またはそれ以上の異なるサブユニットを含む。レクチンが抗原−抗体相互作用と同様の仕方で細胞を凝集させ複合体糖質との沈殿を生成することができるのは、この多量体構造である。夥しい数のレクチンが市販されている。Tn-特異的レクチンの例としては以下のものが挙げられる:イソレクチンVVB4(Vicia villosaからの抗Tn-反応性イソレクチンB4)(Vector Labs、バーリナゲーム、カリフォルニア);SSLレクチン(Medeirosら(2000)Eur. J. Biochem. 267: 1434));およびマクロファージc-型レクチン(Iidaら(1999)J. Biol. Chem. 274: 10697)。TF-特異的レクチンの例としては以下のものが挙げられる:Amaranthus caudatusレクチン(ACL);Artocarpus integrifolia(Jacalin);Arachis hypogea(ラッカセイレクチン、PNL);およびBauhinia purpurea凝集素(BPA)(Vector Labs、バーリナゲーム、カリフォルニア)。結合試薬として用いるには、上記に列記したレクチンは容易にアッセイしうる標識に結合する(例えば、実施例3参照)。
免疫グロブリンペプチド
免疫グロブリンペプチドは、捕捉試薬および/または結合試薬として用いることができる。免疫グロブリンペプチドとしては、例えば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、および抗体フラグメントが挙げられる。捕捉試薬として用いる免疫グロブリンペプチドは、上記に記載したように基体表面上に固相化する。結合試薬として用いる免疫グロブリンペプチドは、上記に記載したように容易にアッセイしうる標識が結合している。以下に、実施例に使用しているものと機能的に等価な同様の親和性および特異性を有する他の適当な免疫グロブリンペプチドを調製するために当業者によって用いることのできる方法による、免疫グロブリンペプチド、とりわけTFおよびTn抗体の生成を記載する。
ポリクローナル抗体は、ウマ、ウシ、種々の家禽、ウサギ、マウス、またはラットなどの様々な温血動物から当業者により容易に調製することができる。簡単に説明すると、TFまたはTn抗原を用いて動物を、フロイントの完全または不完全アジュバントなどのアジュバントとともに腹腔内、筋肉内、眼内、または皮下注射することで免疫する。何回かのブースター免疫の後、血清試料を回収し、TFまたはTnとの反応性を試験する。特に好ましいポリクローナル抗体は、バックグラウンドよりも少なくとも3倍大きなシグナルをこれらアッセイの一つに与えるであろう。TFまたはTnに対する反応性に関して動物の力価がプラトーに達したら、毎週の採血によるかまたは動物を放血することのいずれかにより、より多量の抗血清を容易に得ることができる。
乳頭吸引液試料中のTFおよびTn抗原を迅速かつ高信頼性にて定量するためのモノクローナル抗体(MAb)を得るために、モノクローナル抗体(MAb)法を用いることができる。簡単に説明すると、TFまたはTn抗原で免疫したマウスからの脾臓細胞を用いてハイブリドーマを産生する。各免疫したマウスの脾臓細胞を、例えば、Galfre, G.およびMilstein, C. (1981) Methods Enzymol. 73:3-46のポリエチレングリコール融合法を用いてマウスミエローマSp2/0細胞と融合させる。ハイブリドーマの増殖、HAT培地での選択、クローニング、および抗原に対するクローンのスクリーニングは標準法を用いて行う(Galfre, G.およびMilstein, C. (1981) Methods Enzymol. 73:3-46)。
HAT選択したクローンを、Galfre, G.およびMilstein, C. (1981) Methods Enzymol. 73:3-46)に記載されているように、マウスに注入して大量のMAbを腹水中に産生させ、これをプロテインAカラムクロマトグラフィーを用いて精製することができる(BioRad、ハーキュールズ、カリフォルニア)。MAbは、その(a)TFまたはTnに対する特異性、(b)高結合親和性、(c)イソ型、および(d)安定性に基づいて選択する。
MAbは、ウエスタンブロッティング(Koren, E.ら(1986) Biochim. Biophys. Acta 876:91-100)および固相酵素免疫検定法(ELISA)(Koren, E.ら(1986) Biochim. Biophys. Acta 876:91-100)を含む様々な標準法のいずれかを用い、特異性についてスクリーニングまたは試験することができる。
Tn-特異的なMAbの例としては以下のものが挙げられる:Tn MAb B1.1(IgM, V 1053)(Biomeda、フォスターシティー、カリフォルニア);Tn MAb 12A8-C7-F5(Caoら(1996) Histochem cell Biol. 106: 197);TEC-02(Draber (1987) Cell Differ. 21: 119);MAb CD175(IgM)(DBS、プレザントン、カリフォルニア);抗Tn Ab-MLS 128(Nakadaら(1993) PNAS 90: 2495);抗Tn MAb 83D4(Freireら(2003) Oncology Rep. 10: 1577);MAb B72.3(Takadaら(1993) Cancer Res. 53: 354);およびMAb B 230.9(Reddishら(1997) Glycoconjugate J. 14: 549)。
TF-特異的なMAbの例としては以下のものが挙げられる:MAb A78-G/A7(IgM)(Neomarkers、フレモン、カリフォルニア);MAb 49H.8(マウス)(Longneckerら(1990) Cancer Res. 50: 4801);MAb A68-B/A11(IgM)(Kamiya Biomedical Comp.、シアトル、ワシントン);MAb B386(IgM)(Biomeda、フォスターシティー、カリフォルニア);MAb HB-T1(DAKO Corp.、ハンブルグ、ドイツ);MAb BM22(マウス)(DAKO Corp.、ハンブルグ、ドイツ);MAB HH8(DAKO Corp.、ハンブルグ、ドイツ);MAb RS1-114(DAKO Corp.、ハンブルグ、ドイツ);MAb TF1(IgM, k)(BioInvent、ルンド、スウェーデン);MAb TF2(IgA, k)(BioInvent、ルンド、スウェーデン);MAb TF5(IgM、ラムダ)(BioInvent、ルンド、スウェーデン);MAb 5A8(IgM、マウス)(BioInvent、ルンド、スウェーデン);MAb 8D8(IgM、マウス)(BioInvent、ルンド、スウェーデン);Mab CC49(マウス)(Schlomら(1992) Cancer Research 52: 1067-1072);Mab B72.3(マウス)(Abcam Inc、ケンブリッジ、マサチューセッツ);およびヒト化CC49(Kashmiriら(1995) Hydriboma 14: 461-473)。
特別の目的のためにMAbの機能的フラグメントを調製および使用することは望ましい。典型的なIgG分子のよく知られた基本構造は、2つの同一の軽鎖ポリペプチド(約220アミノ酸を含む)と2つの同一の重鎖ポリペプチド(約440アミノ酸を含む)とからなる、約150,000〜200,000ダルトンの対称構造の四量体Y型分子である。重鎖は少なくとも1のジスルフィド結合により互いに結合している。各軽鎖は、ジスルフィド結合によって隣接する重鎖に結合している。抗原結合部位またはドメインは、Y型抗体分子の各アーム中に位置し、ジスルフィド結合した一対の重鎖および軽鎖のアミノ末端領域の間に形成される。これら軽鎖および重鎖のアミノ末端領域は、最初のほぼ110のアミノ末端アミノ酸からなり、軽鎖および重鎖の可変領域として知られる。さらに、軽鎖および重鎖の可変領域内には、相補性決定領域(CDR)として知られるアミノ酸配列の範囲を含む高度可変領域が存在する。CDRは、エピトープと呼ばれる抗原分子上の一つの特定の部位に対する抗体の特異性を担っている。それゆえ、典型的なIgG分子は2つの抗原分子に結合することができるという点で二価である、なぜなら各抗原結合部位は各抗原分子の特定のエピトープに結合することができるからである。軽鎖および重鎖のカルボキシ末端領域は他の抗体分子のものと類似または同一であり、定常領域と呼ばれる。特定の抗体の重鎖の定常領域のアミノ酸配列は、それが抗体のどのクラスであるか、例えば、IgG、IgD、IgE、IgAまたはIgMであるかを決定する。抗体の幾つかのクラスは、多価の抗原結合性配置にて互いに結合した2またはそれ以上の同一の抗体を含む。
典型的なIgG分子のパパインによるタンパク質加水分解開裂は、Fabフラグメントと呼ばれる、隣接する重鎖のアミノ末端部分にジスルフィド結合により結合した完全な軽鎖を含む2つの別々の抗原結合フラグメントを生じることが知られている。パパイン消化した免疫グロブリン分子の残りの部分はFcフラグメントとして知られ、完全に残されジスルフィド結合により結合した抗体のカルボキシ末端部分からなる。抗体をペプシンで消化するとF(ab')2フラグメントとして知られるフラグメントを生成し、これは、Fc領域を欠くが隣接する軽鎖および重鎖間でジスルフィド結合により一緒になった抗原結合ドメインを含み(Fabフラグメントとして)、隣接する重鎖の残りの部分間のジスルフィド結合をも含む(Handbook of Experimental Immunology. Vol 1: Immunochemistry, Weir, D. M.編、Blackwell Scientific Publications、オックスフォード(1986))。
TFまたはTnに結合するMAbのFabおよびF(ab')2フラグメントを、乳頭吸引液試料中のTFまたはTn抗原を検出または定量する方法において全MAbの代わりに用いることができる。FabおよびF(ab')2フラグメントは完全な抗体分子よりも小さいので、全抗体分子を用いるときに比べて固相支持体上の単位領域当たりより多くの抗原結合ドメインを固定化することができる。以下に説明するように、固相材料上にTFまたはTnに特異的に結合する抗体または抗体フラグメントを固相化して、迅速、容易かつ信頼性の高いアッセイシステムを作製することができる。
一本鎖Fvフラグメント(ScFvまたはScFv抗体)として知られる一本鎖の抗原結合性ポリペプチドである組換え免疫グロブリンペプチドの産生および選択を可能にする組換えDNA法が開発されている。ScFvは、特異的な目的エピトープに結合し、例えば、Lowmanら(1991) Biochemistry, 30: 10832-10838;Clacksonら(1991) Nature 352: 624-628;およびCwirlaら(1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 6378-6382に記載されているような様々な組換えバクテリオファージベースの方法のいずれを用いても作製できる。これら方法は、通常、組換えM13またはfdファージなどの遺伝的に変化させた繊維状ファージの作製に基づいており、かかるファージはそのファージ粒子の表面上に、融合タンパク質のアミノ末端として抗原結合性ScFv抗体および融合タンパク質のカルボキシ末端としてマイナーなファージコートタンパク質g3pを含む組換え融合タンパク質を提示する。そのような組換えファージは、よく知られたファージ法を用いて容易に増殖させ単離することができる。さらに、完全なファージ粒子は、通常、ファージ粒子からScFvを単離する必要なしに、その表面上の抗原結合性のScFvの存在について直接スクリーニングすることができる。
ScFvを作製するには、標準的な逆転写酵素プロトコールを用い、TFまたはTn抗原に対するMAbを産生するハイブリドーマから単離したmRNAからcDNAをまず作製する。ついで、MAbの重鎖および軽鎖の可変領域をコードするcDNA分子を、マウス免疫グロブリンの重鎖および軽鎖可変領域に対するプライマーのセットを用いた標準的なポリメラーゼチェインリアクション(PCR)法により増幅することができる(Clackson (1991) Nature 352: 624-628)。ついで、MAbの重鎖および軽鎖可変領域をコードする増幅cDNAを、組換えScFv DNA分子を生成するためにリンカーオリゴヌクレオチドと連結する。このScFv DNAを、g3pと称するマイナーなコートタンパク質をコードするファージ遺伝子の5'領域に増幅cDNA配列を融合すべくデザインした繊維状ファージプラスミド中にライゲートする。ついで、大腸菌菌体を組換えファージプラスミドで形質転換し、繊維状ファージを増殖させ、回収する。所望の組換えファージは、マイナーなコートタンパク質のアミノ末端領域に融合した抗原結合性ドメインを提示する。ついで、そのような「提示ファージ」を、例えば、「パニング」として知られる方法(ParmleyおよびSmith (1989) Adv. Exp. Med. Biol. 251: 215-218;Cwirlaら(1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 6378-6382を参照)を用い、固相化抗原上を通過させて抗原に結合しうるScFv抗体タンパク質を含むファージ粒子を吸着させる。ついで、抗原結合性ファージ粒子は標準的なファージ感染法により増幅させることができ、増幅した組換えファージ集団を再び抗原結合性能について選択する。そのような一連の抗原結合性能についての選択とそれに続く増幅の繰り返しは、組換えファージ上に提示されたScFvにおいて増大した抗原結合性能について選択する。増大した抗原結合性能についての選択は、結合が起こる条件を一層緊密な結合活性が必要となるよう調節することにより行うことができる。増大した抗原結合活性について選択する他の方法は、ScFvの結合性ドメインをコードするcDNA内のヌクレオチド配列を変え、組換えファージの集団を抗原結合活性についての選択とそれに続く増幅の一連の繰り返しに供することである(Lowmanら(1991) Biochemistry 30: 10832-10838;およびCwirlaら(1990) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87: 6378-6382を参照)。
ScFvが選択されたら、大腸菌株HB2151とともに適当なベクターを用いて組換えTFまたはTn抗体を遊離に形態で産生することができる。これら細菌は、実際にScFvを可溶性の形態でファージ成分を含むことなく分泌する(Hoogenboomら(1991) Nucl. Acids Res. 19: 4133-4137)。HB2151細菌培地からの可溶性ScFvの単離は、AFFIGELTM(BioRad、ハーキュールズ、カリフォルニア)などの固相支持体上に固相化した抗原分子を用いたアフィニティークロマトグラフィーにより行うことができる。
組換え抗体法における他の開発は、ScFvを二量体や四量体に多量体化することによる結合のアビディティーの増大などのさらなる改良の可能性を示している(Holligerら(1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 6444-6448を参照)。
ScFvはFabまたはF(ab')2フラグメントよりもさらに小さいので、全抗体、F(ab')2、またはFabフラグメントを用いたときに可能な場合と比べて固相支持体上に固相化したときに単位表面積当たりの抗原結合部位の一層高い密度を達成するのに用いることができる。さらに、組換え抗体法は、ハイブリドーマと比べて抗体のより安定な遺伝的供給源を提供する。組換え抗体はまた、標準的なバクテリオファージ産生法を用いてより迅速かつ経済的に産生することができる。
キット
本明細書に記載する様々な捕捉イムノアッセイを行うための捕捉試薬、標識した結合試薬、検出試薬(revealing reagents)、および/または標準は、アッセイに必要な成分および説明書を含んだキットとして都合よく提供することができる。スクリーニング/診断キットは、典型的に、スクリーニングすべき標的に特異的に結合する1またはそれ以上の試薬(例えば、TF-またはTn-抗原に特異的に結合するリガンド)を含む。これら試薬は、任意に、標識を結合して、および/または基体に固定して(例えば、タンパク質アレイの成員として)、および/または溶液中で提供することができる。キットは、そのようなリガンドの組換え発現を容易にすべく、そのような1またはそれ以上のリガンドをコードする核酸構築物(例えば、ベクター)を含んでいてよい。キットは、特定のアッセイにおいて有用な1またはそれ以上の緩衝液、検出しうる標識または標識した結合試薬、または他の試薬を任意に含んでいてよい。
さらに、キットは、標識および/または本明細書に記載する方法の実施のための指示(すなわち、プロトコール)を提供する説明書(instructional materials)を任意に含んでいる。好ましい説明書は、乳癌の診断、ステージ決定(staging)、および/または予後のための乳頭吸引液試料中のTFおよびTn抗原の検出を記載する。説明書は典型的には書かれたまたは印字されたものを含むが、そのようなものに限られるわけではない。そのような指示を保存でき、それを最終使用者に伝達することのできるあらゆる媒体が想定される。そのような媒体としては、これらに限られるものではないが、電子記憶媒体(例えば、磁気ディスク、テープ、カートリッジ、チップ)、光学媒体(例えば、CD ROM)などが挙げられる。そのような媒体は、そのような指示書を提供するインターネットサイトへのアドレスを含んでいてよい。
好ましいキットは、TF-またはTn-特異的抗体をコーティングしたマイクロタイタープレート、標準曲線の作成のための標準溶液、分析法の品質試験のための対照、ビオチンにコンジュゲートしたTFおよび/またはTn抗原、ストレプトアビジン−ペルオキシダーゼ酵素、基質溶液、停止溶液、洗浄緩衝液、および指示マニュアルを含む。
本発明を詳細に記載したが、添付の特許請求の範囲に定める発明の範囲から逸脱することなく改変もしくは変更が可能であることが明らかであろう。さらに、本明細書の開示中のすべての実施例は非限定的な実施例として提供されることが評価されなければならない。
実施例
以下の非限定的な実施例は、本発明をさらに説明するために提供される。以下の実施例に開示する技術は、本発明の実施において十分に機能すると本発明者らが見出したアプローチを表すものであり、それゆえ、その実施の態様の例を構成すると考えられなければならないことが当業者により評価されなければならない。しかしながら、当業者であれば、本明細書の開示に照らして、開示した特定の態様において多くの変更をなすことができ、本発明の精神および範囲から逸脱することなく依然として同様の結果を得るであろうことを評価するに違いない。
実施例1
改変搾乳器を用い、乳頭吸引液(NAF)を非侵襲的に回収した。乳頭をアルコールで清浄にした。アルコールが蒸発した後、温かく湿った布を乳房の上に置いた。2分後に布を取り除いた。乳房をマッサージしている間に、搾乳器に連結した注射器がNAFを回収した。もし存在するなら、反対側の乳房で吸引を繰り返した。小滴(1〜200μl)の形態の液を毛管チューブに回収し、試料を直ちに-80℃で瞬間凍結した(snap frozen)。
実施例2
NAF試料中のTFおよびTN抗原を、以下のように間接検出を用いた抗原捕捉イムノアッセイにより定量した。TF抗原の定量のため、マイクロタイターウエル(Immunomaxi、スイス)のプレートを37℃で4時間インキュベートすることによって50μlの抗-TF抗体A78-G/A7(0.1M炭酸緩衝液、pH9.6中に1μg/ml)でコーティングした。過剰の抗体を除去した後、ウエルを10mMトリス-HCl緩衝液中の2%BSAで4℃にて湿チャンバ中、一夜ブロッキングした。一夜のインキュベーションの後、自動プレート洗浄機(Elx405、BIO-TEK)を用い、0.1%Tween-20を含有するトリス緩衝食塩水(TTBS)でプレートのウエルを3回洗浄した。洗浄したウエルに、100μlの適当に希釈した対照および癌NAF試料を加え、室温(RT)で4時間インキュベートした。ウエルを洗浄後、50μlのビオチン化ASF(2.0mg/ml)をウエルに加え、RTで1時間インキュベートした。ついで、未結合のASFを洗浄して除き、TTBS緩衝液中の100μlの1/2000ストレプトアビジン/ペルオキシダーゼ複合体(Sigma)を加え、RTで45-60分間インキュベートした。ペルオキシダーゼ活性は、ABTS(2,2-アジンビス(3-エチルベンズチアゾリン-6-スルホン酸))液基質系(Sigma)でのインキュベーションにより示された。反応を30分間進行させ、その間にELISAプレートリーダー(Bio-Tek、バーモント)を用いて吸光度を405nmで読み取った。TF抗原の試料濃度は、一連の既知濃度のビオチン化アシアロフェチュイン(ASF)を用いて行った標準曲線に対して外挿することにより決定した(例えば、図1Aおよび図1B参照)。実験試料はすべて2つずつで行い、分析した。<15ng/μLの値を0(検出不可)とした。非癌のNAF値で得られる値と癌のNAF値で得られる値との間の統計的有意は、スチューデントのt検定により決定した。
NAF試料中のTn抗原は、エピトープ陽性分子を捕捉するための抗Tn MAb、アシアロ−ヒツジ顎下腺ムチン(A-OSM)、および検出分子としてVicia villosaレクチン(VVLB4)からのビオチン化イソレクチンB4を用い、抗原捕捉イムノアッセイで定量した。簡単に説明すると、マイクロタイターウエルをRTで一夜インキュベーションすることにより、50μlのTn MAb V-1053(0.1M炭酸緩衝液、pH9.6中に5μg/ml)でコーティングした。ウエルをTBS中の0.1%Tween20で洗浄し、TBS中の1%ゼラチンとともに37℃で1時間インキュベートした。3回洗浄後、TBS中で系列希釈した100μlのNAF試料とともにウエルを4℃で一夜インキュベートした。洗浄後、ウエルを50μlの1/250 A-OSMとともにRTで3時間インキュベートした。A-OSMは、抗Tn抗体V-1053を開発するのに用いたTn-陽性のリガンドであった。ついで、未結合の物質を洗浄して除去後、ウエルを0.5%ゼラチン,0.1%Tween20/TBS中のビオチン化VVLB4(5μg/ml)とともに37℃で1時間インキュベートした。ウエルを洗浄後、TBS中の100μlの1/2000アビジン/ペルオキシダーゼ複合体を加え、37℃で1時間インキュベートした。ペルオキシダーゼ活性をTF抗原で記載したのと同様にして評価した。Tn抗原の試料濃度を、種々の濃度のアシアロ−ヒツジ顎下腺ムチンを用いて行った標準曲線に対して外挿することにより決定した(例えば、図1Aおよび図1B参照)。<15ng/μLの値を0(検出不可)とした。実験試料はすべて2つずつで分析した。非癌のNAF値で得られる値と癌のNAF値で得られる値との間の統計的有意は、スチューデントのt検定により決定した。
これら結果は、TFおよびTnの存在が疾患の存在と相関関係を有することを示した。健常な有志者でのTFおよびTn抗原のバックグラウンドレベルは、一人の個体を除いて非常に低く、この個体は事実、他の試料採取していない乳房に癌を罹患していることが後に決定された。統計的な分析は、癌患者と健常な有志者とで検出される差違が有意であること、すなわち、TFおよびTn抗原が癌患者のNAFでは上昇し(TF、P=0.0007;Tn、P=0.0002)(例えば、図1B参照)、健常な患者では非常に低いかまたは検出できないレベルである(図1A参照)ことを示していた。NAF試料は、リンパ節転移を有するおよび有しない管位置および小葉位置でのステージ0-4疾患を罹患する患者から得た。疾患のステージまたは位置とTFまたはTnのいずれかの発現レベルとの間に相関関係は認められなかった。
実施例3
NAF試料中のTn抗原を、以下のように直接検出を用いた抗原捕捉イムノアッセイにより定量した。マイクロタイタープレートのウエルを、上記と同様にして抗Tn抗体でコーティングし、ブロッキングし、濯いだ。癌患者および非癌患者からのNAF試料を上記と同様にして1倍〜50倍に希釈し、ウエルに加えた(100μl)。プレートを濯ぎ、ビオチン化VVL-4Bを加え、25℃で約1時間インキュベートした。ついで、プレートを濯ぎ、ストレプトアビジンコンジュゲートアルカリホスファターゼを加え、25℃で約1時間インキュベートした。色原体のアルカリホスファターゼ基質を加え、試料の光学密度を読み取ることにより発色をアッセイした。結果は、非癌患者のNAF試料では有意のTnは検出されなかったが、癌患者からのNAF試料ではTnがビオチン化レクチンで検出されたことを示した(例えば、図3参照)。
図1Aおよび図1Bは、系列抗原捕捉固相酵素免疫検定法(ELISA)により間接的に検出されるように、非癌試料(図1A)および癌試料(図1B)におけるTF抗原およびTn抗原の濃度を示す棒グラフである。イムノアッセイは、NAF中のTF抗原およびTn抗原を特異的に捕捉するモノクローナル抗体を用いて試料で行い、その手順は図2およびさらに詳しくは実施例2に記載してある。
図1Aおよび図1Bは、系列抗原固相酵素免疫検定法(ELISA)により間接的に検出されるように、非癌試料(図1A)および癌試料(図1B)におけるTF抗原およびTn抗原の濃度を示す棒グラフである。イムノアッセイは、NAF中のTF抗原およびTn抗原を特異的に捕捉するモノクローナル抗体を用いて試料で行い、その手順は図2およびさらに詳しくは実施例2に記載してある。
図2は、NAF試料中のTF抗原および/またはTn抗原の間接的な検出を行う捕捉ELISAの一例の模式図であり、さらに詳しくは実施例2に記載されているものである。
図3は、癌NAF試料および非癌NAF試料中のTF抗原およびTn抗原の濃度を示す棒グラフである。濃度は、系列抗原捕捉固相酵素免疫検定法(ELISA)により直接決定し、これは図4およびさらに詳しくは実施例3に記載してある。
図4は、NAF試料中のTF抗原および/またはTn抗原の直接的な検出を行う捕捉ELISAの一例の模式図であり、さらに詳しくは実施例3に記載されているものである。

Claims (106)

  1. TFおよびTnよりなる群から選ばれた炭水化物バイオマーカーの存在について患者からの乳頭吸引液(NAF)をアッセイすることを含む、バイオマーカーの検出方法。
  2. TFについてNAFをアッセイする、請求項1に記載の方法。
  3. TnについてNAFをアッセイする、請求項1に記載の方法。
  4. TFおよびTnについてNAFをアッセイする、請求項1に記載の方法。
  5. NAFのアッセイが以下の工程:
    NAF試料を担体に結合した捕捉試薬と混合し、その際、該捕捉試薬は、NAF試料中に存在するときに炭水化物バイオマーカーに特異的に結合し、ついで
    該捕捉試薬に結合した炭水化物バイオマーカーを検出する
    を含む、請求項1ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 炭水化物バイオマーカーが、
    標識した結合試薬を担体および固相化捕捉試薬と接触させ、その際、該標識した結合試薬は、NAF試料からの炭水化物バイオマーカーに結合していない固相化捕捉試薬には特異的に結合するが、該標識した結合試薬は、NAF試料からの炭水化物バイオマーカーにすでに結合している固相化捕捉試薬には結合せず、ついで
    捕捉試薬に結合した標識した結合試薬を検出する
    ことによって間接的に検出される、請求項5に記載の方法。
  7. NAF試料中に存在するときに第一の捕捉試薬がTF炭水化物バイオマーカーに特異的に結合し、NAF試料中に存在するときに第二の捕捉試薬がTn炭水化物バイオマーカーに特異的に結合するように、NAF試料を第一の捕捉試薬および第二の捕捉試薬と混合し、
    (i)第一の標識した結合試薬は、NAF試料からのTF炭水化物バイオマーカーに結合していない第一の捕捉試薬には特異的に結合するが、第一の標識した結合試薬は、NAF試料からのTF炭水化物バイオマーカーにすでに結合している第一の捕捉試薬には結合せず、および(ii)第二の標識した結合試薬は、NAF試料からのTn炭水化物バイオマーカーに結合していない第二の捕捉試薬には特異的に結合するが、第二の標識した結合試薬は、NAF試料からのTn炭水化物バイオマーカーにすでに結合している第二の捕捉試薬には結合しないように、第一の標識した結合試薬および第二の標識した結合試薬を第一の固相化捕捉試薬および第二の固相化捕捉試薬と接触させ、ついで
    それぞれTF-捕捉試薬およびTn-捕捉試薬に結合した第一の標識した結合試薬および第二の標識した結合試薬を検出する
    請求項6に記載の方法。
  8. 炭水化物バイオマーカーの存在が、
    標識した結合試薬を担体および固相化捕捉試薬と接触させ、その際、該標識した結合試薬は、NAF試料からの炭水化物バイオマーカーに特異的に結合し、これが今度は該捕捉試薬に結合し、ついで
    炭水化物バイオマーカーに結合した標識した結合試薬を検出する
    ことによって直接的に検出される、請求項5に記載の方法。
  9. NAF試料中に存在するときに第一の捕捉試薬がTF炭水化物バイオマーカーに特異的に結合し、NAF試料中に存在するときに第二の捕捉試薬がTn炭水化物バイオマーカーに特異的に結合するように、NAF試料を第一の捕捉試薬および第二の捕捉試薬と混合し、
    (i)第一の標識した結合試薬は、NAF試料からのTF炭水化物バイオマーカーに特異的に結合し、これが今度は第一の捕捉試薬に結合し、および(ii)第二の標識した結合試薬は、NAF試料からのTn炭水化物バイオマーカーに特異的に結合し、これが今度は第二の捕捉試薬に結合するように、第一の標識した結合試薬および第二の標識した結合試薬を第一の固相化捕捉試薬および第二の固相化捕捉試薬と接触させ、ついで
    それぞれTF炭水化物バイオマーカーおよびTn炭水化物バイオマーカーに結合した第一の標識した結合試薬および第二の標識した結合試薬を検出する
    請求項8に記載の方法。
  10. 捕捉試薬が抗体または抗体フラグメントである、請求項5ないし9のいずれかに記載の方法。
  11. 抗体がポリクローナル抗体である、請求項10に記載の方法。
  12. 抗体がモノクローナル抗体である、請求項10に記載の方法。
  13. モノクローナル抗体がTF炭水化物バイオマーカーに特異的であり、MAb A78-G/A7;MAb 49H.8;MAb A68-B/A11;MAb B386;MAb HB-T1;MAb BM22;MAB HH8;MAb RS1-114;MAb TF1;MAb TF2;MAb TF5;MAb 5A8;MAb 8D8;Mab CC49;Mab B72.3;およびヒト化CC49よりなる群から選ばれる、請求項12に記載の方法。
  14. TF特異的モノクローナル抗体がA78-G/A7である、請求項13に記載の方法。
  15. モノクローナル抗体がTn炭水化物バイオマーカーに特異的であり、Tn Mab V-1053;Tn MAb B1.1;Tn MAb 12A8-C7-F5;TEC-02;MAb CD175;抗Tn Ab-MLS 128;抗Tn MAb 83D4;MAb B72.3;およびMAb B 230.9よりなる群から選ばれる、請求項12に記載の方法。
  16. Tn特異的モノクローナル抗体がTn Mab V-1053である、請求項15に記載の方法。
  17. 捕捉試薬が、一本鎖Fv抗体フラグメント、Fab抗体フラグメント、またはF(ab')2抗体フラグメントよりなる群から選ばれた抗体フラグメントである、請求項10に記載の方法。
  18. 捕捉試薬がレクチンである、請求項5ないし9のいずれかに記載の方法。
  19. レクチンがTFに特異的であり、Amaranthus caudatusレクチン;Artocarpus integrifolia Jacalinレクチン;Arachis hypogeaラッカセイレクチン;およびBauhinia purpurea凝集素よりなる群から選ばれる、請求項18に記載の方法。
  20. レクチンがTnに特異的であり、イソレクチンVVB4;SSLレクチン;およびマクロファージc-型レクチンよりなる群から選ばれる、請求項18に記載の方法。
  21. 間接検出のための標識した結合試薬が標識したTF特異的抗原である、請求項6ないし20のいずれかに記載の方法。
  22. 標識した結合試薬が、標識したアシアロフェチュイン;標識したアシアロムチン;標識したアシアログリコホリン;および標識したGalベータ1,3GalNAc-アルファa-O-ベンジルよりなる群から選ばれる、請求項21に記載の方法。
  23. 標識した結合試薬が標識したアシアロフェチュインである、請求項22に記載の方法。
  24. 間接検出のための標識した結合試薬が標識したTn特異的抗原である、請求項6ないし20のいずれかに記載の方法。
  25. 標識した結合試薬が標識したアシアロ−ヒツジ顎下腺ムチンである、請求項24に記載の方法。
  26. 直接検出のための標識した結合試薬が標識したTF特異的レクチンである、請求項6ないし20のいずれかに記載の方法。
  27. 標識した結合試薬が、標識したAmaranthus caudatusレクチン;標識したArtocarpus integrifolia Jacalinレクチン;標識したArachis hypogeaラッカセイレクチン;および標識したBauhinia purpurea凝集素よりなる群から選ばれる、請求項26に記載の方法。
  28. 直接検出のための標識した結合試薬が標識したTn特異的レクチンである、請求項6ないし20のいずれかに記載の方法。
  29. 標識した結合試薬が、標識したイソレクチンVVB4;標識したSSLレクチン;および標識したマクロファージc-型レクチンよりなる群から選ばれる、請求項28に記載の方法。
  30. 結合試薬の標識が、放射性核種、酵素、補酵素、蛍光剤、化学ルミネセンス剤、色原体、酵素基質、酵素補因子、酵素インヒビター、フリーラジカル、および染料よりなる群から選ばれる、請求項6ないし29のいずれかに記載の方法。
  31. 標識した結合試薬がビオチン化結合試薬である、請求項6ないし29のいずれかに記載の方法。
  32. NAF試料を担体と混合した後にアビジン−ペルオキシダーゼまたはストレプトアビジン−ペルオキシダーゼを担体と接触させ、ついで
    ペルオキシダーゼの活性を検出する
    工程をさらに含み、その際、該ペルオキシダーゼの活性がビオチン化結合試薬の量のインディケーターである、請求項31に記載の方法。
  33. 担体が水不溶性の固相支持体である、請求項5ないし32のいずれかに記載の方法。
  34. 担体がマイクロタイターウエルの表面である、請求項33に記載の方法。
  35. 炭水化物バイオマーカーを検出する工程が、標識した結合試薬の量を測定することを含む、請求項5ないし34のいずれかに記載の方法。
  36. 炭水化物バイオマーカーを検出する工程が、ウエスタンブロット、固相酵素免疫検定法、ラジオイムノアッセイ、二重抗体サンドイッチアッセイ、免疫組織染色アッセイ、凝集アッセイ、および蛍光イムノアッセイよりなる群から選ばれる、請求項5ないし35のいずれかに記載の方法。
  37. 炭水化物バイオマーカーを検出する工程が、捕捉固相酵素免疫検定法を含む、請求項5ないし36のいずれかに記載の方法。
  38. TF、Tn、およびTFとTnとの両者よりなる群から選ばれた炭水化物バイオマーカーの存在について患者からの乳頭吸引液(NAF)またはその誘導物試料をアッセイすることを含むバイオマーカーの検出方法であって、工程:
    NAFまたはNAF誘導物試料を担体に結合した捕捉試薬と混合し、その際、該捕捉試薬は、NAFまたはNAF誘導物試料中に存在するときに炭水化物バイオマーカーに特異的に結合し、ついで
    該捕捉試薬に結合した炭水化物バイオマーカーを検出する
    を含む方法。
  39. NAFまたはNAF誘導物試料をTFについてアッセイする、請求項38に記載の方法。
  40. NAFまたはNAF誘導物試料をTnについてアッセイする、請求項38に記載の方法。
  41. NAFまたはNAF誘導物試料をTFおよびTnについてアッセイする、請求項38に記載の方法。
  42. 炭水化物バイオマーカーが、
    標識した結合試薬を担体および固相化捕捉試薬と接触させ、その際、該標識した結合試薬は、NAFまたはNAF誘導物試料からの炭水化物バイオマーカーに結合していない固相化捕捉試薬には特異的に結合するが、該標識した結合試薬は、NAFまたはNAF誘導物試料からの炭水化物バイオマーカーにすでに結合している固相化捕捉試薬には結合せず、ついで
    捕捉試薬に結合した標識した結合試薬を検出する
    ことによって間接的に検出される、請求項38ないし41のいずれかに記載の方法。
  43. NAFまたはNAF誘導物試料中に存在するときに第一の捕捉試薬がTF炭水化物バイオマーカーに特異的に結合し、NAFまたはNAF誘導物試料中に存在するときに第二の捕捉試薬がTn炭水化物バイオマーカーに特異的に結合するように、NAFまたはNAF誘導物試料を第一の捕捉試薬および第二の捕捉試薬と混合し、
    (i)第一の標識した結合試薬は、NAFまたはNAF誘導物試料からのTF炭水化物バイオマーカーに結合していない第一の捕捉試薬には特異的に結合するが、第一の標識した結合試薬は、NAFまたはNAF誘導物試料からのTF炭水化物バイオマーカーにすでに結合している第一の捕捉試薬には結合せず、および(ii)第二の標識した結合試薬は、NAFまたはNAF誘導物試料からのTn炭水化物バイオマーカーに結合していない第二の捕捉試薬には特異的に結合するが、第二の標識した結合試薬は、NAFまたはNAF誘導物試料からのTn炭水化物バイオマーカーにすでに結合している第二の捕捉試薬には結合しないように、第一の標識した結合試薬および第二の標識した結合試薬を第一の固相化捕捉試薬および第二の固相化捕捉試薬と接触させ、ついで
    それぞれTF-捕捉試薬およびTn-捕捉試薬に結合した第一の標識した結合試薬および第二の標識した結合試薬を検出する
    請求項42に記載の方法。
  44. 炭水化物バイオマーカーの存在が、
    標識した結合試薬を担体および固相化捕捉試薬と接触させ、その際、該標識した結合試薬は、NAFまたはNAF誘導物試料からの炭水化物バイオマーカーに特異的に結合し、これが今度は該捕捉試薬に結合し、ついで
    炭水化物バイオマーカーに結合した標識した結合試薬を検出する
    ことによって直接的に検出される、請求項38ないし41のいずれかに記載の方法。
  45. NAFまたはNAF誘導物試料中に存在するときに第一の捕捉試薬がTF炭水化物バイオマーカーに特異的に結合し、NAFまたはNAF誘導物試料中に存在するときに第二の捕捉試薬がTn炭水化物バイオマーカーに特異的に結合するように、NAFまたはNAF誘導物試料を第一の捕捉試薬および第二の捕捉試薬と混合し、
    (i)第一の標識した結合試薬は、NAFまたはNAF誘導物試料からのTF炭水化物バイオマーカーに特異的に結合し、これが今度は第一の捕捉試薬に結合し、および(ii)第二の標識した結合試薬は、NAFまたはNAF誘導物試料からのTn炭水化物バイオマーカーに特異的に結合し、これが今度は第二の捕捉試薬に結合するように、第一の標識した結合試薬および第二の標識した結合試薬を第一の固相化捕捉試薬および第二の固相化捕捉試薬と接触させ、ついで
    それぞれTF炭水化物バイオマーカーおよびTn炭水化物バイオマーカーに結合した第一の標識した結合試薬および第二の標識した結合試薬を検出する
    請求項44に記載の方法。
  46. 捕捉試薬が抗体または抗体フラグメントである、請求項38ないし45のいずれかに記載の方法。
  47. 抗体がポリクローナル抗体である、請求項46に記載の方法。
  48. 抗体がモノクローナル抗体である、請求項46に記載の方法。
  49. モノクローナル抗体がTF炭水化物バイオマーカーに特異的であり、MAb A78-G/A7;MAb 49H.8;MAb A68-B/A11;MAb B386;MAb HB-T1;MAb BM22;MAB HH8;MAb RS1-114;MAb TF1;MAb TF2;MAb TF5;MAb 5A8;MAb 8D8;Mab CC49;Mab B72.3;およびヒト化CC49よりなる群から選ばれる、請求項48に記載の方法。
  50. TF特異的モノクローナル抗体がA78-G/A7である、請求項49に記載の方法。
  51. モノクローナル抗体がTn炭水化物バイオマーカーに特異的であり、Tn Mab V-1053;Tn MAb B1.1;Tn MAb 12A8-C7-F5;TEC-02;MAb CD175;抗Tn Ab-MLS 128;抗Tn MAb 83D4;MAb B72.3;およびMAb B 230.9よりなる群から選ばれる、請求項48に記載の方法。
  52. Tn特異的モノクローナル抗体がTn Mab V-1053である、請求項51に記載の方法。
  53. 捕捉試薬が、一本鎖Fv抗体フラグメント、Fab抗体フラグメント、またはF(ab')2抗体フラグメントよりなる群から選ばれた抗体フラグメントである、請求項46に記載の方法。
  54. 捕捉試薬がレクチンである、請求項38ないし45のいずれかに記載の方法。
  55. レクチンがTFに特異的であり、Amaranthus caudatusレクチン;Artocarpus integrifolia Jacalinレクチン;Arachis hypogeaラッカセイレクチン;およびBauhinia purpurea凝集素よりなる群から選ばれる、請求項54に記載の方法。
  56. レクチンがTnに特異的であり、イソレクチンVVB4;SSLレクチン;およびマクロファージc-型レクチンよりなる群から選ばれる、請求項54に記載の方法。
  57. 間接検出のための標識した結合試薬が標識したTF特異的抗原である、請求項39ないし56のいずれかに記載の方法。
  58. 標識した結合試薬が、標識したアシアロフェチュイン;標識したアシアロムチン;標識したアシアログリコホリン;および標識したGalベータ1,3GalNAc-アルファa-O-ベンジルよりなる群から選ばれる、請求項57に記載の方法。
  59. 標識した結合試薬が標識したアシアロフェチュインである、請求項58に記載の方法。
  60. 間接検出のための標識した結合試薬が標識したTn特異的抗原である、請求項39ないし56のいずれかに記載の方法。
  61. 標識した結合試薬が標識したアシアロ−ヒツジ顎下腺ムチンである、請求項60に記載の方法。
  62. 直接検出のための標識した結合試薬が標識したTF特異的レクチンである、請求項39ないし56のいずれかに記載の方法。
  63. 標識した結合試薬が、標識したAmaranthus caudatusレクチン;標識したArtocarpus integrifolia Jacalinレクチン;標識したArachis hypogeaラッカセイレクチン;および標識したBauhinia purpurea凝集素よりなる群から選ばれる、請求項62に記載の方法。
  64. 直接検出のための標識した結合試薬が標識したTn特異的レクチンである、請求項39ないし56のいずれかに記載の方法。
  65. 標識した結合試薬が、標識したイソレクチンVVB4;標識したSSLレクチン;および標識したマクロファージc-型レクチンよりなる群から選ばれる、請求項64に記載の方法。
  66. 結合試薬の標識が、放射性核種、酵素、補酵素、蛍光剤、化学ルミネセンス剤、色原体、酵素基質、酵素補因子、酵素インヒビター、フリーラジカル、および染料よりなる群から選ばれる、請求項39ないし65のいずれかに記載の方法。
  67. 標識した結合試薬がビオチン化結合試薬である、請求項39ないし65のいずれかに記載の方法。
  68. NAFまたはNAF誘導物試料を担体と混合した後にアビジン−ペルオキシダーゼまたはストレプトアビジン−ペルオキシダーゼを担体と接触させ、ついで
    ペルオキシダーゼの活性を検出する
    工程をさらに含み、その際、該ペルオキシダーゼの活性がビオチン化結合試薬の量のインディケーターである、請求項67に記載の方法。
  69. 担体が水不溶性の固相支持体である、請求項38ないし68のいずれかに記載の方法。
  70. 担体がマイクロタイターウエルの表面である、請求項69に記載の方法。
  71. 炭水化物バイオマーカーを検出する工程が、標識した結合試薬の量を測定することを含む、請求項38ないし70のいずれかに記載の方法。
  72. 炭水化物バイオマーカーを検出する工程が、ウエスタンブロット、固相酵素免疫検定法、ラジオイムノアッセイ、二重抗体サンドイッチアッセイ、免疫組織染色アッセイ、凝集アッセイ、および蛍光イムノアッセイよりなる群から選ばれる、請求項38ないし71のいずれかに記載の方法。
  73. 炭水化物バイオマーカーを検出する工程が、捕捉固相酵素免疫検定法を含む、請求項38ないし72のいずれかに記載の方法。
  74. 乳頭吸引液(NAF)またはNAF誘導物試料中の炭水化物バイオマーカーを検出するためのキットであって、TFまたはTnに特異的に結合することのできる捕捉試薬、標識した結合試薬、および請求項1ないし73のいずれかに記載の方法において該キットを使用するための説明書を含むキット。
  75. 炭水化物バイオマーカーがTFである、請求項74に記載のキット。
  76. 炭水化物バイオマーカーがTnである、請求項74に記載のキット。
  77. 炭水化物バイオマーカーがTFおよびTnである、請求項74に記載のキット。
  78. 標識した結合試薬が炭水化物バイオマーカーの間接検出のためのものであり、捕捉試薬が炭水化物バイオマーカーによって結合されてないときに捕捉試薬に特異的に結合することができる、請求項74ないし77のいずれかに記載のキット。
  79. TFに特異的に結合することができる第一の捕捉試薬およびTnに特異的に結合することができる第二の捕捉試薬、および該第一の捕捉試薬がTFによって結合されてないときに該第一の捕捉試薬に特異的に結合することができる第一の標識した結合試薬および該第二の捕捉試薬がTnによって結合されてないときに該第二の捕捉試薬に特異的に結合することができる第二の標識した結合試薬を含む、請求項78に記載のキット。
  80. 標識した結合試薬が炭水化物バイオマーカーの直接検出のためのものであり、TF、Tn、またはTFとTnとの両者よりなる群から選ばれた炭水化物結合性マーカーに特異的に結合することができる、請求項74ないし77のいずれかに記載のキット。
  81. TFに特異的に結合することができる第一の捕捉試薬およびTnに特異的に結合することができる第二の捕捉試薬、およびTF炭水化物バイオマーカーに特異的に結合することができる第一の標識した結合試薬およびTn炭水化物バイオマーカーに特異的に結合することができる第二の標識した結合試薬を含む、請求項80に記載のキット。
  82. 捕捉試薬が抗体または抗体フラグメントである、請求項74ないし81のいずれかに記載のキット。
  83. 抗体がポリクローナル抗体である、請求項82に記載のキット。
  84. 抗体がモノクローナル抗体である、請求項82に記載のキット。
  85. モノクローナル抗体がTF炭水化物バイオマーカーに特異的であり、MAb A78-G/A7;MAb 49H.8;MAb A68-B/A11;MAb B386;MAb HB-T1;MAb BM22;MAB HH8;MAb RS1-114;MAb TF1;MAb TF2;MAb TF5;MAb 5A8;MAb 8D8;Mab CC49;Mab B72.3;およびヒト化CC49よりなる群から選ばれる、請求項84に記載のキット。
  86. TF特異的モノクローナル抗体がA78-G/A7である、請求項85に記載のキット。
  87. モノクローナル抗体がTn炭水化物バイオマーカーに特異的であり、Tn Mab V-1053;Tn MAb B1.1;Tn MAb 12A8-C7-F5;TEC-02;MAb CD175;抗Tn Ab-MLS 128;抗Tn MAb 83D4;MAb B72.3;およびMAb B 230.9よりなる群から選ばれる、請求項84に記載のキット。
  88. Tn特異的モノクローナル抗体がTn Mab V-1053である、請求項87に記載のキット。
  89. 捕捉試薬が、一本鎖Fv抗体フラグメント、Fab抗体フラグメント、またはF(ab')2抗体フラグメントよりなる群から選ばれた抗体フラグメントである、請求項82に記載のキット。
  90. 捕捉試薬がレクチンである、請求項74ないし81のいずれかに記載のキット。
  91. レクチンがTFに特異的であり、Amaranthus caudatusレクチン;Artocarpus integrifolia Jacalinレクチン;Arachis hypogeaラッカセイレクチン;およびBauhinia purpurea凝集素よりなる群から選ばれる、請求項90に記載のキット。
  92. レクチンがTnに特異的であり、イソレクチンVVB4;SSLレクチン;およびマクロファージc-型レクチンよりなる群から選ばれる、請求項90に記載のキット。
  93. 間接検出のための標識した結合試薬が標識したTF特異的抗原である、請求項74ないし81のいずれかに記載のキット。
  94. 標識した結合試薬が、標識したアシアロフェチュイン;標識したアシアロムチン;標識したアシアログリコホリン;および標識したGalベータ1,3GalNAc-アルファa-O-ベンジルよりなる群から選ばれる、請求項93に記載のキット。
  95. 標識した結合試薬が標識したアシアロフェチュインである、請求項94に記載のキット。
  96. 間接検出のための標識した結合試薬が標識したTn特異的抗原である、請求項78ないし92のいずれかに記載のキット。
  97. 標識した結合試薬が標識したアシアロ−ヒツジ顎下腺ムチンである、請求項96に記載のキット。
  98. 直接検出のための標識した結合試薬が標識したTF特異的レクチンである、請求項78ないし92のいずれかに記載のキット。
  99. 標識した結合試薬が、標識したAmaranthus caudatusレクチン;標識したArtocarpus integrifolia Jacalinレクチン;標識したArachis hypogeaラッカセイレクチン;および標識したBauhinia purpurea凝集素よりなる群から選ばれる、請求項98に記載のキット。
  100. 直接検出のための標識した結合試薬が標識したTn特異的レクチンである、請求項78ないし92のいずれかに記載のキット。
  101. 標識した結合試薬が、標識したイソレクチンVVB4;標識したSSLレクチン;および標識したマクロファージc-型レクチンよりなる群から選ばれる、請求項100に記載のキット。
  102. 結合試薬の標識が、放射性核種、酵素、補酵素、蛍光剤、化学ルミネセンス剤、色原体、酵素基質、酵素補因子、酵素インヒビター、フリーラジカル、および染料よりなる群から選ばれる、請求項78ないし101のいずれかに記載のキット。
  103. 標識した結合試薬がビオチン化結合試薬である、請求項78ないし101のいずれかに記載のキット。
  104. アビジン−ペルオキシダーゼまたはストレプトアビジン−ペルオキシダーゼをさらに含む、請求項103に記載のキット。
  105. 捕捉試薬に結合することができるまたは捕捉試薬によって結合された担体をさらに含む、請求項77ないし104のいずれかに記載のキット。
  106. 担体がマイクロタイターウエルの表面である、請求項105に記載のキット。
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