JP2008536518A - 標的ゲノムの分画による生物の核酸ベースの検出の感度の増大 - Google Patents

標的ゲノムの分画による生物の核酸ベースの検出の感度の増大 Download PDF

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Abstract

試料を試料における目的の生物の存否を検出するために分析する方法であって、(a)試料を得る工程;(b)試料を試料中に存在する任意の核酸配列を分画するのに十分な破壊処理に供する工程;および(c)試料における目的の生物の存否を検出する工程を含んでなる、方法。検出工程(c)は、試料においてプライマー依存型増幅(好ましくは、ポリメラーゼ連鎖反応)を行い、増幅結果を生成する工程、および増幅結果を増幅産物について分析する工程を含んでなり、増幅産物の存否が、試料における目的の生物の存否の指標である。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2005年4月19日に出願された米国仮特許出願第60/672,922号明細書、および2005年8月12日出願された米国仮特許出願第60/707,886号明細書(それぞれが、全体として本願明細書に援用される)の利益を主張する。
本発明の分野は、生物の核酸ベースの検出、および特に、試料中の生物を検出するための核酸増幅方法および技術に関する。
生物、または生物群の検出は、その生物または生物群の特異的核酸配列特徴の検出によって、行われ得る。特異的核酸配列の存在は、特異的ハイブリダイゼーションにより、あるいは特異的核酸配列を増幅するプライマーを用いた増幅により直接検出され得る。
増幅が検出方法の一端として用いられる場合では、増幅されるべき特異的核酸配列の少なくとも1コピーが、増幅反応に置かれた試料中に存在することが重要である。生物が、低濃度で、および/または増幅を進めるため希釈を必要とする複合マトリックス中に存在する場合、感度は、特異的核酸配列の少なくとも1コピーを反応に確保する必要により制限され得る。
真菌特異的PCRアッセイが、非特許文献1において開示されている。この文献には、芽胞の破壊および真菌のDNA放出をもたらす最も効率的な方法として、PCR増幅に先立ち試料をビーズ・ビーティングする方法が開示されている。具体的には、0.1mLの試料が、およそ同量のビーズを含有する0.5mLチューブに直接添加される、「均質化−第1」手法が開示されている。チューブは、ゴムバンドによってボルテックス上に固定され、3〜5分間激しくボルテックスされるか、あるいは「ミニ−ビーズ撹拌器(Mini−Bead Beater)に入れられ、3分間均質化され、次に、沸騰したウォーターバスにて5〜10分間加熱されて、放出されたヌクレアーゼが失活される。文献には、20%の栄養培地および均質化−第1手法を用いたとき、阻害が少なくなり、PCR増幅効率が高まることが報告されている。
G.チョウ(Zhou)ら、「屋内環境における低レベルの真菌を検出するための真菌特異的PCRアッセイの開発(Development of a fungus-specific PCR assay fordetecting low level fungi in an indoor environment」、モレキュラー・アンド・セルラープローブズ(Molecular and Cellular Probes)、(2000年)、14、339−348頁
本発明は、以下を含む:
試料を試料における目的の生物の存否を検出するために分析する方法であって、(a)試料を得る工程;(b)試料を試料中に存在する任意の核酸配列を分画するのに十分な破壊処理に供する工程;および(c)試料における目的の生物の存否を検出する工程を含んでなる、方法。
試料を試料における目的の生物の存否を検出するために分析する方法であって、(a)試料を得る工程;(b)試料において以下のプロセス:(1)濃縮、(2)試料からの細胞の分離、(3)細胞溶解、および(4)全DNAの抽出の少なくとも1つを行うことにより、試料を調製する工程;(c)試料を試料中に存在する任意の核酸配列を分画するのに十分な破壊処理に供する工程;および(d)試料における目的の生物の存否を検出する工程を含んでなる、方法。好ましくは、調製工程は、前記工程(c)に先立ち、細菌の濃縮および試料からの細菌細胞の分離を行う工程;または、前記工程(c)に先立ち、細菌の濃縮、試料からの細菌細胞の分離、および細胞溶解を行う工程を含んでなる。別の好ましい実施形態において、前記調製工程において、細胞溶解は、前記工程(c)と同時あるいは後に行われる。
試料を試料における目的の生物の存否を検出するために分析する方法であって、(a)試料を得る工程;(b)試料を濃縮する工程;(c)工程(b)の濃縮試料を試料中に存在する任意の核酸配列を分画するのに十分な破壊処理に供する工程;および(d)試料における目的の生物の存否を検出する工程を含んでなり、前記工程(b)が、試料を容器中で濃縮する工程を含んでなり、前記工程(c)が、前記工程(b)の濃縮試料を、工程(b)と同じ容器中で、濃縮試料をそこから除去することなく前記破壊処理に供する工程を含んでなる、方法。
好ましくは、破壊処理は、物理的対象物(例えば、シリコンまたはジルコニウムなどのビーズ)を試料に添加する工程、および物理的対象物を含有する試料を攪拌する工程を含んでなる。より好ましくは、破壊処理は、任意の物理的、機械的、化学的、または酵素的破壊処理を含んでなる。
前述の方法のいずれかにおける検出工程は、好ましくは、プライマー依存型増幅(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応)を試料において行い、増幅結果を生成すること、および増幅結果を増幅産物について分析することを含んでなり、増幅産物の存否が、試料における目的の生物の存否の指標である。
なおより好ましくは、検出工程は:(i)目的の生物のゲノムの代表的核酸配列領域内に位置する標的配列を増幅するよう設計された増幅プライマー対セットを少なくとも1種類得る工程;(ii)前記少なくとも1種類の増幅プライマー対セットを用いて、試料のプライマー依存型増幅を行い、増幅結果を生成する工程;および(iii)前記増幅結果を分析して、前記標的配列の増幅産物の存否を検出する工程を含んでなり、増幅産物の存否が、試料における目的の生物の存否の指標である。好ましくは、検出工程は、前記工程(b)を行わない検出と比較して、目的の生物についての検出における感度が少なくとも10倍増大する。
好ましくは、増幅結果の分析工程は、プライマー依存型増幅の実施と同時に行われる。好ましくは、分析工程は、5’−ヌクレアーゼ検出法を利用する。
本明細書で説明される各参考文献の開示は、全体として本願明細書に援用される。
定義
本開示において、多数の用語および略語が用いられる。以下の定義が提供される。
「ポリメラーゼ連鎖反応」は、PCRと省略される。
「ポリヌクレオチド」、「核酸配列」、「ヌクレオチド配列」、または「核酸フラグメント」は互換して用いられ、場合により、合成、非天然または改変ヌクレオチド塩基を含有する、1本鎖または2本鎖であるRNAまたはDNAのポリマーである。ヌクレオチド(通常、それらの5’−一リン酸の形態で見出される)は、次のそれらの1文字標記により言及される:アデニル酸またはデオキシアデニル酸について「A」(それぞれ、RNAまたはDNAについて)、シチジル酸またはデオキシシチジル酸について「C」、グアニル酸またはデオキシグアニル酸について「G」、ウリジル酸について「U」、デオキシチミジン酸について「T」、プリン(AまたはG)について「R」、ピリミジン(CまたはT)について「Y」、GまたはTについて「K」、AまたはCまたはTについて「H」、イノシンについて「I」、そして任意のヌクレオチド「N」。
用語「増幅産物」は、プライマー依存型増幅反応中に生成される核酸フラグメントをいう。プライマー依存型増幅の典型的な方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)または鎖置換増幅(SDA)を含む。PCR方法論が選択されるなら、複製組成物は、核酸複製のための成分、例えば:ヌクレオチド三リン酸、適当な配列を有する2種類(またはそれ以上)のプライマー、熱安定性ポリメラーゼ、バッファー、溶質およびタンパク質を含んでなってもよい。これらの試薬および核酸を増幅する際のそれらの使用方法を記載した詳細は、米国特許第4,683,202号明細書(1987年、マリス(Mullis)ら)および米国特許第4,683,195号明細書(1986年、マリス(Mullis)ら)において提供されている。LCR方法論が選択されると、次に、核酸複製組成物は、例えば:熱安定性リガーゼ(例えば、T.アクティクス(aquaticus)リガーゼ)、近接するオリゴヌクレオチドの2つのセット(各セットの1メンバーが、各標的鎖に相補的である)、Tris−HClバッファー、KCl、EDTA、NAD、ジチオスレイトールおよびサケ精子DNAを含んでなってもよい。例えば、タボール(Tabor)ら、Proc.Acad.Sci.U.S.A.、82:1074 1078頁(1985年))を参照されたい。
用語「プライマー」は、オリゴヌクレオチド(合成または天然に存在する)を指し、それは、相補鎖の合成がポリメラーゼにより触媒される条件下に置かれたとき、核酸合成または相補鎖に沿った複製の開始点として働くことができる。
本明細書で用いられる標準的組換えDNAおよび分子クローニング技術は、当該技術分野においてよく知られており、サムブルック(Sambrook),J.、フリッチェ(Fritsch),E.F.およびマニアティス(Maniatis),T.、「モレキュラー・クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)」、第2版、コールド・スプリング・ハーバー研究所(Cold Spring Harbor Laboratory):コールド・スプリング・ハーバー(Cold Spring Harbor)、ニューヨーク(NY)、(1989年)(以下、「マニアティス」);およびグリーン出版協会(Greene Publishing Assoc.)およびウィリー−インターサイエンス(Wiley−Interscience)(1987年)により出版された、「モレキュラー・バイオロジーにおける最新プロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)」、オースベル(Ausubel),F.M.ら、により記載されている。
ここで、好ましい実施形態に変化させる:
好ましい実施形態において、試料を試料における目的の生物の存否を検出するために分析する方法は、試料を得る工程;試料を試料中に存在する任意の核酸配列を分画するのに十分な破壊処理に供する工程;および試料における目的の生物の存否を検出する工程を含んでなる。
別の好ましい実施形態において、試料中の目的の生物の検出の感度を増大させる方法は:試料を得る工程;試料を試料中に存在する任意の核酸配列を分画するのに十分な破壊処理に供する工程;および試料における目的の生物の存否を検出する工程を含んでなり、前記検出工程における感度は、試料を破壊処理の対象にする前記工程を行わないものと比較して、好ましくは、少なくとも10倍、より好ましくは、少なくとも11〜100倍の任意の整数、より好ましくは、10倍から、11〜100の任意の整数、より好ましくは、10〜99倍の任意の整数から100倍、またはより好ましくは、10〜100倍の任意の整数から、100〜10倍の任意の整数、増大される。
好ましくは、検出工程は、試料において、プライマー依存型増幅(好ましくは、ポリメラーゼ連鎖反応)を行い、増幅結果を生成する工程、および増幅結果を増幅産物について分析する工程を含んでなり、増幅産物の存否が、試料における目的の生物の存否の指標である。なおより好ましくは、検出工程は、目的の生物のゲノムの代表的核酸配列領域内に位置する標的配列を増幅するよう設計された増幅プライマー対セットを少なくとも1種類得る工程;少なくとも1種類の増幅プライマー対セットを用いて、試料のプライマー依存型増幅を行い、増幅結果を生成する工程;および増幅結果を標的配列の増幅産物の存否を分析する工程を含んでなり、増幅産物の存否が、試料における目的の生物の存否の指標である。
より好ましくは、増幅結果の分析工程は、前記プライマー依存型増幅(例えば、ポリメラーゼ連鎖反応)の実施と同時に行われる。なおより好ましくは、増幅産物の分析工程は、5’−ヌクレアーゼ検出法を利用する。
別の好ましい実施形態において、本発明の方法のいずれかにおいて、濃縮工程は、試料を破壊処理に供する工程に先立ち、試料において行われる。試料の濃縮は、容器中で行われ、好ましくは、試料を破壊処理に供する工程は、試料が濃縮されたのと同じ容器内で濃縮試料において行われる(すなわち、濃縮および破壊処理の両方が、同じ容器内で試料において行われる)。好ましくは、容器はサンプルチューブであるが、容器は、当該技術分野で知られた任意の適当な容器または入れ物、例えば、試験管、ビーカー、フラスコ、ビン、バイアル、アンプル、またはマイクロチューブであってもよい。
好ましい目的の試料および生物
好ましくは、試料は、目的の生物による汚染が疑われる、動物、環境または食物源由来である。
目的の生物は、任意の生きているものであってもよい。好ましくは、目的の生物は微生物である。本発明の方法により検出され得る、特異的な目的の生物は、好ましくは、細菌および真菌を含む。
特に好ましい目的の生物は、真菌生物である。特に好ましくは、真菌のサッカロマイセス・セレビシエ(Sacchromyces cervasiae)である。
本発明の方法は、試料中の真菌生物の検出感度を増大させる際に特に利点があると思われる。
真菌生物ゲノムは、典型的には、それぞれ約10,000塩基対の繰り返し単位において、100〜200コピーの縦列に整列されたそれらのリボソームリボ核酸(rRNA)遺伝子を含有するので、特定の理論および機序と結びつけられることなく、特に、真菌生物で感度の増大が達成されると思われる。
典型的なプライマー依存型核酸増幅ストラテジーにおいて、試験される材料の4μL当量が、増幅反応に置かれる。1mL当たり20個の一倍体真菌、ひいては平均して1つの染色体が存在する場合、rRNA遺伝子における標的増幅領域を有するのが、50μL当たり(=1mL/20)に分配される。それゆえ、4μLを試料採取することは、プライマー依存型核酸増幅が4μLの試料において行われたとき存在する標的増幅領域を生じることはないようである。
しかしながら、本発明をふまえて、真菌生物を含有する試料を破壊処理(以下で説明される)に供することにより、ひいては20個の一倍体真菌を含有する1mLの試料において、破壊処理が行われ、真菌ゲノム由来の核酸配列がおよそ10,000塩基対に分画されると、ここで、1mLの試料は、1mL当たり平均2,000〜4,000個の標的(100〜200個のrRNA遺伝子由来)、または4μL当たり平均8〜16個の標的を有し、それにより、特に、プライマー依存型核酸増幅が利用されたときに、検出感度が増大される。
従って、なおより好ましくは、別の好ましい実施形態において、本発明の方法を利用して、ゲノム(代表的核酸配列が存在し、プライマー依存型増幅の標的領域として機能する)を有する任意の目的の生物が検出されるか、あるいはその検出において感度が増大され得る。感度は、本発明をふまえて、破壊処理を行わない場合と比較して、好ましくは、少なくとも10倍、より好ましくは、少なくとも11〜100倍の任意の整数、より好ましくは、10倍から、11〜100倍の任意の整数、より好ましくは、10〜99倍の任意の整数から100倍、またはより好ましくは、10〜100倍の任意の整数から、100〜10倍の任意の整数、増大される。
好ましい破壊処理
試料が得られると、次の工程は、試料を試料中に存在する任意の核酸配列を分画するのに十分な破壊処理に供することである。好ましくは、核酸配列は、目的の生物のゲノム由来であり、それについて試料が分析される。
破壊処理は、試料における核酸配列を分画するため、特に、目的の生物のゲノム由来の核酸配列(それについて試料が分析される)を分画する任意の方法またはプロトコールを含んでなってもよい。破壊処理は、物理的、化学的、または酵素的アプローチを利用してもよく、そしてそれは、これらの特定のアプローチに限定されない。当業者によく知られた、あるいは容易に解明可能な任意の核酸分画アプローチが利用され得、そしてそれは、本発明範囲に含まれる。破壊処理は、試料中に存在する任意の核酸配列を分画するのに十分な時間行われ、そして当業者は、試料および目的の生物(それについて試料が分析される)に依存して、この時間の長さを容易に決定することができる。
好ましい物理的破壊処理は、試料の攪拌と組み合わせた、ビーズなどの物理的対象物の使用を含む。攪拌条件は、DNAをより短いフラグメントに破壊する剪断力を生じるのに十分であるべきである。他の物理的破壊処理は、超音波処理、噴霧、またはDNA含有試料のオリフィスの通過を含む。
好ましい化学的破壊処理は、水酸化ナトリウムでの処理、ジメチルスルフェート、次に、ピペリジンでの処理、ギ酸ピペラジン、次に、ピペリジンスでの処理、またはヒドラジン、次に、ピペリジンでの処理を含む。
好ましい酵素的破壊処理は、DNase 1などの非特異的ヌクレアーゼでの消化またはEcoR1などの制限エンドヌクレアーゼでの消化を含む。
特に好ましい実施形態において、破壊処理は、物理的対象物を試料に添加する工程、および物理的対象物を含有する試料を攪拌する工程を含
んでなる。攪拌は、試料中に存在する任意の核酸配列を分画するのに十分な時間行われ得、そして当業者は、試料および目的の生物(それについて、試料が試験される)に依存して、この時間の長さを容易に決定することができる。攪拌は、好ましくは、少なくとも6分間、より好ましくは、少なくとも6〜20分の任意の整数の間、より好ましくは、6分から、6〜20分の任意の整数の間、より好ましくは、6〜19分の任意の整数から20分間、またはより好ましくは、6〜20分の任意の整数から、20〜6分の任意の整数の間行われる。特に好ましい実施形態において、攪拌は、少なくとも15分間行われる。別の好ましい実施形態において、攪拌は、15〜20分間行われる。攪拌を行うのに特に好ましい器具は、ディスラプター・ジェニー(Disruptor Genie(登録商標))(ニューヨーク州ボヘミアのサイエンティフィック・インダストリーズ(Scientific Industries, Inc.,Bohemia,NY)から入手可能)である。好ましくは、物理的対象物は、ビーズ、なおより好ましくは、シリコンまたはジルコニウムビーズを含む。物理的対象物は、ガラスビーズも含み得る。
本発明による方法は、試料の調製を全く必要とすることなく、任意の適当な臨床または環境試料で直接用いられ得る。しかしながら、より高い感度を、時間が制限因子ではない状況において達成するために、試料が予め処理されることが好ましい。
それゆえ、別の好ましい実施形態において、試料中の目的の標的生物についての検出に先立ち、試料を調製する工程が行われてもよい。好ましくは、この調製工程は、次のプロセス:成長培地における(例えば、標的生物の)濃縮、(例えば、標的生物の)試料からの細胞の分離、細胞溶解、およびDNA抽出の少なくとも1つを含んでなり得る。より好ましくは、この調製工程は、試料を破壊処理に供する工程に先立ち、濃縮および分離を行う工程を含んでなる。なおより好ましくは、この調製工程は、試料を破壊処理に供する工程に先立ち、濃縮、分離、および細胞溶解を行う工程を含んでなる。別の好ましい実施形態において、細胞溶解は、破壊処理と同時または後に行われる。本発明の方法と組み合わせて行われる試料調製工程の例は、以下の実施例1において説明される。
典型的な濃縮方法は、標的生物の成長および健康を増強し、また任意のバックグラウンドおよび存在する非標的微生物の成長を阻害する培地を利用する。選択培地は、種々の生物について開発されており、当業者は、濃縮されるべき特定の生物に適当な培地を選択することを理解している。非選択培地の一般的考察および処方は、22201−3301バージニア州アーリントン、ウィルソン大通り2200、スィート400の分析化学会(Association of Analytical Chemists,Suite 400, 2200 Wilson Blvd,Arlington,VA 22201−3301)により出版され、頒布されたFDA細菌分析マニュアル(FDA Bacteriological Analytical Manual)(1998年)に開示されている。
成長後、複合混合物の試料が、さらなる分析のため取り出される。この試料採取手法は、当業者によく知られた種々の手段により達成され得る。
好ましい実施形態において、20μLの濃縮培養物が取り出され、200μLのプロテアーゼ含有溶解溶液に添加される。デラウェア州ウィルミントンのクオリコン社(Qualicon,Inc.,Wilmington,DE)のバックス・システム・ユーザーガイド(BAX(登録商標) System User’s Guide)に記載の通り、溶解溶液は、37℃にて20分間加熱され、次に、95℃にて10分間プロテアーゼが失活される。
あるいは、より好ましい実施形態において、本発明の方法のいずれかにおいて、濃縮工程は、試料を破壊処理に供する工程に先立ち、試料において行われ、試料の濃縮が、容器内で行われ、そして試料を破壊処理に供する工程が、試料が濃縮されたのと同じ容器内で濃縮試料において行われる(すなわち、濃縮および破壊処理の両方が同じ容器内で試料において行われる)。好ましくは、容器はサンプルチューブであるが、容器は当該技術分野で知られた任意の適当な容器または入れ物(例えば、試験管、ビーカー、フラスコ、ビン、バイアル、アンプル、またはマイクロチューブ)であってもよい。
好ましい検出および分析
種々の核酸ベースの検出方法が、目的の標的生物の検出のために利用され得る。種々のプライマー依存型核酸増幅方法が当該技術分野において知られており、それは、熱サイクリング法(例えば、PCR、RT−PCR、およびLCR)、ならびに等温法および鎖置換増幅(SDA)、核酸配列ベースの増幅(NASBA)、および自律的配列複製(3SR)および「Qレプリカーゼ増幅」を含む。
好ましい方法はPCRである。
好ましくは、本発明の任意の方法において、検出工程は、試験されるべき試料における目的の生物のゲノムの代表的核酸配列内に位置する標的配列を増幅するよう設計された増幅プライマー対セットを利用する。
任意のフォーマットの任意の適当な核酸複製組成物(「複製組成物」)が用いられ得る。
PCR増幅用の典型的な複製組成物は、例えば、dATP、dCTP、dGTP、dTTP、標的特異的プライマーおよび適当なポリメラーゼを含み得る。
複製組成物が液体形態であるなら、当該技術分野で知られた適当なバッファーが用いられてもよい(サムブルック(Sambrook),J.ら、1989年、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning):実験室マニュアル(A Laboratory Manual)、第2版(Second Edition)、コールド・スプリング・ハーバー研究所出版(Cold Spring Harbor Laboratory Press)。
あるいは、複製組成物がタブレット形態に含有されるなら、次に、典型的なタブレット試薬は、安定剤および結合剤などを含んでもよい。好ましいタブレット化技術は、米国特許第4,762,857号明細書および同第4,678,812号明細書(それぞれが、全体として本願明細書に援用される)において説明されている。
別の好ましい実施形態において、複製組成物は、内部陽性対照を含有する。PCR反応において含有される内部陽性対照の利点は、既に記載されており(米国特許第6,312,930号明細書およびPCT出願国際公開第97/11197号パンフレット(それぞれ、全体として本願明細書に援用される)、そしてそれは、(i)対照が単一のプライマーを用いて増幅され得ること;(ii)対照増幅産物の量が、試料に含有される任意の標的DNAまたはRNAから独立であること;(iii)対照DNAが、手動および自動試験手法の両方で使用の容易さおよび高度な再現性のため他の増幅試薬を用いてタブレット化され得ること;(iv)対照は一様な検出(すなわち、産物DNAを反応物から分離することなく)で用いられ得ること;および(v)内部対照は、反応物中の他の可能性のある増幅産物と区別する融解プロファイルを有することを含む。
対照DNAは、プライマー依存型増幅反応における増幅を可能にする適当なサイズおよび塩基組成であろう。対照DNA配列は、目的の生物のゲノムから、あるいは別の供給源から得られてもよいが、標的増幅産物の増幅を可能にする同じ条件下で再現可能な方法で増幅されなければならない。
対照反応は増幅反応の検証に有用である。対照DNAの増幅は、試験される試料と同じ反応チューブ内で生じ、それゆえ、試料が標的陰性、すなわち、標的増幅産物が全く生成されていない場合、成功した増幅反応を示す。増幅反応の有意な検証を達成するために、対照DNAの適当な数のコピーが各増幅反応に含まれていなければならない。
ある場合では、さらなる陰性対照複製組成物を含むことも有用であり得る。陰性対照複製組成物は、複製組成物と同じ試薬を含むが、ポリメラーゼを含まない。かかる対照の第一の機能は、方法が蛍光検出手段を利用する場合、一様なフォーマットの偽バックグラウンド蛍光をモニターすることである。複製組成物は、それらが、標的DNAまたは対照DNAを増幅するために用いられるよう設計されているかどうかに依存して、改変されてもよい。
標的DNAを増幅する複製組成物(試験複製組成物)は、(i)ポリメラーゼ(一般に、熱安定性)、(ii)標的DNAにハイブリダイズ可能なプライマー対および(iii)増幅反応が進むためのバッファーを含み得る。
対照DNAを増幅する複製組成物(陽性対照、または陽性複製組成物)は、(i)ポリメラーゼ(一般に、熱安定性);(ii)対照DNA;(iii)対照DNAにハイブリダイズ可能な少なくとも1種類のプライマー;および(iv)増幅反応が進むためのバッファーを含み得る。
当業者は、任意の一般的に許容可能なPCR条件が、目的の標的生物を首尾よく検出するために用いられ得、試験されるべき試料および他の実験室条件に依存して、PCR条件の定期的最適化が、最適な感度および特異性を達成するために必要とされ得ることを理解するだろう。最適には、それらは、意図される特異的標的の全てからのPCR増幅産物を、他の非標的種についてPCR産物を全く生じることなく達成する。
好ましい実施形態において、次の試薬およびサイクル条件が用いられ得る。50μlの溶解物を、Taq DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオチド、サイバー・グリーン(SYBR(登録商標) Green)(オレゴン州ユージーンのモレキュラー・プローブ(Molecular Probes,Eugene,OR)、バッファー成分、およびプライマーを含有する、1個のバックス(BAX(登録商標))試薬タブレット(デラウェア州ウィルミントンのクオリコン社(Qualicon,Inc.,Wilmington,DE)により製造)を含有するPCRチューブに添加し、PCRにおいて各プライマーについて0.150μmolの最終濃度が達成される。好ましいPCRサイクル条件:94℃で2分間の最初のDNA変性、次に、94℃で15秒間変性、56℃で45秒間アニーリング、および70℃で2分間伸長を38サイクル、次に、70℃で1回の最終維持。
プライマー依存型増幅結果は、種々の方法を用いて分析され、増幅産物の存否が検出され得る。
一様な検出は、増幅産物のテンプレートまたはプライマーからの分離(例えば、ゲル電気泳動による)を全く必要としない、増幅産物の好ましい検出方法を指す。典型的には、一様な検出は、蛍光色素の存在下で反応混合物の蛍光レベルを測定することにより、達成される。
好ましい実施形態において、DNA融解曲線分析を用いて、特に、クオリコン社(Qualicon,Inc.)のバックス・システム(BAX(登録商標) System)ハードウェアおよび試薬タブレットでの一様な検出が行われる。システムの詳細は、米国特許第6,312,930号明細書およびPCT特許出願公開国際公開第97/11197号パンフレットおよび同第00/66777号パンフレット(それぞれが、全体として本願明細書に援用される)において提供されている。
融解曲線分析は、選択された時点での各増幅サイクル中の標的増幅産物(「標的単位複製配列」)の蛍光をモニターすることにより、2本鎖核酸分子(「dsDNA」または「標的」)を検出し、定量する。
当業者によく知られているように、dsDNAの2本の鎖は、温度がその融解温度より高いと、分離するか、あるいは融解する。dsDNA分子の融解はプロセスであり、所定の溶液条件下で、融解が温度(以下、TMSと称する)で開始し、別の温度(以下、TMEと称する)で完了する。よく知られている用語のTmは、融解が50%完了する温度を称する。
典型的なPCRサイクルは、標的dsDNAが融解される変性相、温度が、プライマーがいまや1本鎖の標的に結合するのに最適である、プライマーアニーリング相、および温度が、DNAポリメラーゼが機能するのに最適である、鎖伸長相(温度Tにて)を含む。
本発明により、TMSはTより高くなければならず、そしてTMEは、DNAポリメラーゼが熱失活される温度より低く(しばしば実質的に低い)なければならない。融解特徴は、デオキシヌクレオチドの組成およびdsDNAの長さなどの、所定のdsDNA分子固有の特性により影響される。
挿入色素は、2本鎖DNAに結合する。色素/dsDNA複合体は、適当な励起波長の光(色素依存性である)に曝露されたとき、蛍光を発し、蛍光強度は、dsDNAの濃度に比例し得る。DNA挿入色素の使用を活かして、dsDNAを検出し、定量する方法は、当該技術分野において知られている。多くの色素が知られており、これらの目的のため当該技術分野において用いられる。本方法もかかる関係の利点を生かす。
かかる色素の例は、挿入色素を含む。かかる色素の例は、サイバー・グリーンI(SYBR GreenI(登録商標))、エチジウムブロマイド、ヨウ化プロピジウム、トト(TOTO(登録商標))1{キノリニウム、1 1’[1,3 プロパンジイルビス[(ジメチルイミノ)−3,1−プロパンジイル]]ビス[4−[(3−メチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)メチル]]−,テトラヨード}、およびヨプロ(YoPro(登録商標)){キノリニウム、4[(3−メチル−2(3H)−ベンゾチアゾリリデン)メチル]−1−[3−(トリメチルアンモニオ)−プロピル],ジヨード}を含むが、これらに限定されない。本発明に最も好ましいのは、モレキュラー・プローブ社(Molecular Probes,Inc.)(オレゴン州ユージーン(Eugene,OR))により製造される、サイバー・グリーン−I(SYBR Green−I(登録商標))などの非不斉シアン化色素である。
融解曲線分析は、温度の上昇に伴った、蛍光の変化をモニターすることにより、達成される。温度が標的単位複製配列に特異的なTMSに達すると、dsDNAは変性し始める。dsDNAが変性すると、挿入色素は、DNAから解離し、蛍光が減少する。温度に対してプロットされた温度の変化で除した、蛍光の対数値の変化の負の数理分析から、融解曲線として知られたグラフピークが得られる(一般的な融解曲線分析を説明する、図1を参照)。
図1に示されるデータ変換プロセスは、以下:
1.均一な間隔のデータポイントを得るためデータを補間する
2.蛍光(F)の対数をとる
3.logFを平滑化する
4.−d(logF)/dTを計算する
5.データを、1度間隔の11〜13データポイントまで減らす(標的生物に依存する)
を含む。
この一様な検出方法を用いて、標的dsDNAが検出され、定量され得、それから、標的生物の存在およびレベルが決定され得る。この方法は非常に特異的かつ高感度である。検出可能な標的dsDNAの最小数は、典型的な反応条件および容量下で1から10の間である。
一様な検出を利用して、本発明のプライマー対を用いた、「リアルタイム」プライマー依存型核酸増幅(例えば、「リアルタイム」PCRおよび「リアルタイム」RT−PCR)が行われ得る。好ましい「リアルタイム」方法は、例えば、米国特許第6,171,785号明細書および同第5,994,056号明細書(それぞれが、全体として本願明細書に援用される)において説明されている。
別の検出方法は、例えば、米国特許第5,804,375号明細書、同第5,538,848号明細書、同第5,487,972号明細書、および同第5,210,015号明細書(それぞれが、全体として本願明細書に援用される)において説明される、5’−ヌクレアーゼ検出方法である。
種々の他のPCR検出方法が当該技術分野において知られており、それは、標準的非変性ゲル電気泳動(例えば、アクリルアミドまたはアガロース)、変性勾配ゲル電気泳動、および温度勾配ゲル電気泳動を含む。標準的非変性ゲル電気泳動は、PCR検出の単純かつ迅速な方法であるが、全ての適用に適当でない可能性がある。
変性勾配ゲル電気泳動(DGGE)は、低分子DNAフラグメント(200〜700bp)の変性挙動における相違を検出する分離方法である。分離の原理は、フラグメント長およびヌクレオチド配列の両方に基づく。同じ長さのフラグメントでは、1つの塩基対ほどの小ささの相違が検出され得る。これは、非変性ゲル電気泳動と対照的であり、DNAフラグメントは、サイズによってのみ分けられる。DNA分子間の電荷密度の相違が天然に近く、それらの分離においてほとんど機能しないので、非変性ゲル電気泳動のこの制限が生じる。DNAフラグメントのサイズが増大するにつれ、ゲルを通る速度が低減する。
DGGEは、第一に、それらの変性プロファイルおよび配列に基づき、同じサイズのDNAフラグメントを分離するために用いられる。DGGEを用いると、加熱または化学的変性が適用されるとき、DNA分子の2本の鎖が分離されるか、あるいは融解する。DNA2本鎖の変性は、2つの因子:1)相補塩基対間で形成される水素結合(GCリッチな領域は、ATリッチな領域より高い変性条件で融解するため);および2)同じ鎖の近接塩基間の誘引、または「スタッキング」により影響される。結果として、DNA分子は、それらのヌクレオチド配列により決定される、それぞれの、それらの個々の特徴的変性条件を有するいくつかの融解ドメインを有し得る。DGGEは、特異的変性ドメイン内の1個のみのヌクレオチドを例外として、同じ長さおよびDNA配列を有するその他の同一のDNA分子が、異なる温度またはTmにて変性するという性質を利用する。従って、2本鎖(ds)DNAフラグメントが、増加勾配の化学変性剤を通って電気泳動されると、変性し始め、構造変化および移動度変化の両方を受ける。分子の1本鎖部分の分枝構造はゲルマトリックスにおいてもつれるので、dsDNAフラグメントは、変性1本鎖(ss)DNAフラグメントより速く移動する。変性環境が増大するにつれ、dsDNAフラグメントは完全に解離し、そしてゲルを通る分子の移動は、DNA鎖の特定の低変性ドメインが解離する変性濃度で遅れる。実際、電気泳動は一定温度(およそ60℃)で行われ、そして化学変性剤は、変性されるDNA分子の100%となる濃度で用いられる(すなわち、40%のホルムアミドおよび7Mの尿素)。この可変変性勾配は、各DGGEゲルの組成が0%の変性剤から100%の変性剤まで漸進的に変化するよう、勾配マーカーを用いて創出される。もちろん、低減された範囲の変性剤(例えば、35%〜60%)を含有する勾配も、DNAの分離の増大のためかけられてもよい。
DGGEにおいて用いられる原理は、化学的変性剤勾配の代わりに温度勾配を用いる第2の方法にも適用され得る。この方法は、温度勾配ゲル電気泳動(TGGE)として知られている。この方法は、dsDNAからssDNAへの構造変化を誘導し、異なる配列を有する等しい大きさのフラグメントを分離するために温度勾配を使用する。DGGEでのように、異なるヌクレオチド配列を有するDNAフラグメントは、ゲルの異なる位置で固定される。プライマーデザインにおけるバリエーションは、PCR産物の特徴決定および同定のためのDGGEの有用性を増大させる際に有利となるため用いられ得る。プライマーデザインのバリエーションを用いるこれらの方法および原理は、「PCRテクノロジー原理および適用(PCR Technology Principles and Applications)」、ヘンリー(Henry)A.エールリッヒ(Erlich)編、M.ストックトン出版(Stockton Press)、ニューヨーク州(NY)、71〜88頁(1988年)に記載されている。
本発明は、以下の実施例においてさらに例示される。本発明の好ましい実施形態を示す本実施例は、あくまでも例示の目的で与えられることが理解されるべきである。
実施例1
ポテトデキストロースブロスにおける真菌サッカロマイセス・セレビシエの一晩培養物を、2mMのEDTA(エチレンジアミン四酢酸)を含む1% トリピトン溶液中で5倍連続希釈した。各希釈液を、次の3つの方法のそれぞれに従い、同時に分析した:
1.希釈液をポテトデキストロース寒天上にプレーティングし、S.セレビシエの密度を決定した。
2.試料の一部を、化学的細胞溶解、次に、バックス(BAX(登録商標))系酵母およびカビアッセイ検出キット(デラウェア州ウィルミントンのデュポン・クオリコン(DuPont Qualicon,Wilmington,DE)から入手可能)を用いたPCR増幅に供したが、それは、バックス(BAX(登録商標))システム装置(デラウェア州ウィルミントンのデュポン・クオリコン(DuPont Qualicon,Wilmington,DE)から入手可能)において、18sリボソームRNA遺伝子の一部を増幅し、単位複製配列を検出する真菌特異的プライマーを用いる。
3.試料の一部を、0.5mMのシリカ−ジルコニウムビーズを含むチューブに配置し、ディスラプター・ジェニー(Disruptor Genie(登録商標))において15分間攪拌し、次に、アリコートを、化学的細胞溶解、次に、バックス(BAX(登録商標))システム酵母およびカビアッセイ検出キットを用いた反応においてPCR増幅に供したが、それは、バックス(BAX(登録商標))系装置において、18sリボソームRNA遺伝子の一部を増幅し、単位複製配列を検出する真菌特異的プライマーを用いる。
上記方法2および3に従い、出発入力値と異なる量のS.セレビシエコロニー形成単位を有する試料を用いて実行した。結果を以下の表1において表す。以下に示す通り、方法3は、2CFU未満のレベルでの検出感度を増大させる。
Figure 2008536518
融解曲線分析のプロセスを示す。標的DNAの蛍光変化を、融解中にとらえる。温度に対してプロットした温度変化で割った蛍光の対数の変化の負の数理解析は、融解曲線として知られたグラフピークとなる。

Claims (17)

  1. 試料における目的の生物の存否を検出するための試料の分析方法であって、
    (a)試料を得る工程;
    (b)前記試料を前記試料中に存在する任意の核酸配列を分画するのに十分な破壊処理に供する工程;および
    (c)前記試料における目的の生物の存否を検出する工程
    を含んでなる、方法。
  2. 前記工程(b)において、前記破壊処理が、物理的対象物を前記試料に添加する工程、および前記物理的対象物を含有する前記試料を攪拌する工程を含んでなる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記物理的対象物がビーズを含んでなる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ビーズがシリコンまたはジルコニウムを含んでなる、請求項3に記載の方法。
  5. 前記工程(b)において、前記破壊処理が、物理的、化学的、または酵素的破壊処理を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記工程(c)に先立ち、前記試料において以下のプロセス:(1)濃縮、(2)前記試料からの細胞の分離、(3)細胞溶解、および(4)全DNA抽出の少なくとも1つを行うことにより、前記試料を調製する工程をさらに含んでなる、請求項1に記載の方法。
  7. 前記調製工程が、前記工程(b)に先立ち、細菌の濃縮および前記試料からの細胞の分離を行う工程を含んでなる、請求項6に記載の方法。
  8. 前記調製工程が、前記工程(b)に先立ち、細菌の濃縮、前記試料からの細胞の分離、および細胞溶解を行う工程を含んでなる、請求項6に記載の方法。
  9. 前記調製工程において、前記細胞溶解が、前記工程(b)と同時あるいは後に行われる、請求項6に記載の方法。
  10. 前記検出工程(c)が、プライマー依存型増幅を前記試料において行い、増幅結果を生成する工程、および前記増幅結果を増幅産物について分析する工程を含んでなり、前記増幅産物の存否が、前記試料における目的の生物の存否の指標である、請求項1に記載の方法。
  11. 前記検出工程(c)が、
    (i)目的の生物のゲノムの代表的核酸配列領域内に位置する標的配列を増幅するよう設計された増幅プライマー対セットを少なくとも1種類得る工程;
    (ii)前記少なくとも1種類の増幅プライマー対セットを用いて、前記試料のプライマー依存型増幅を行い、増幅結果を生成する工程;および
    (iii)前記工程(c)(ii)の前記増幅結果を分析し、前記標的核酸の増幅産物の存否を検出する工程を含んでなり、前記増幅産物の存否が、前記試料における目的の生物の存否の指標である、
    請求項1に記載の方法。
  12. 前記工程(c)において、前記プライマー依存型増幅がポリメラーゼ連鎖反応である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記増幅結果の分析が、前記ポリメラーゼ連鎖反応の実施と同時に行われる、請求項12に記載の方法。
  14. 前記工程(c)において、前記増幅結果の分析が、5’−ヌクレアーゼ検出法を利用する、請求項12に記載の方法。
  15. 前記工程(c)が、前記工程(b)を行わない検出と比較して、前記目的の生物についての検出における感度の少なくとも10倍の増大を有する、請求項11に記載の方法。
  16. 試料を前記試料中の目的の生物の存否を検出するために分析する方法であって、
    (a)試料を得る工程;
    (b)前記試料を濃縮する工程;
    (c)工程(b)の前記濃縮試料を前記試料中に存在する任意の核酸配列を分画するのに十分な破壊処理に供する工程;および
    (d)前記試料における目的の生物の存否を検出する工程を含んでなり、前記検出工程が:
    (i)前記目的の生物のゲノムの代表的核酸配列領域内に位置する標的配列を増幅するよう設計された増幅プライマー対セットを少なくとも1種類得る工程;
    (ii)前記少なくとも1種類の増幅プライマー対セットを用いて、前記試料のプライマー依存型増幅を行い、増幅結果を生成する工程;および
    (iii)前記工程(d)(ii)の前記増幅結果を分析して、前記標的配列の増幅産物の存否を検出する工程を含んでなり、前記増幅産物の存否が、前記試料における目的の生物の存否の指標である、方法。
  17. 前記工程(b)が、前記試料を容器中で濃縮する工程を含み、前記工程(c)が、前記工程(b)の前記濃縮試料を、工程(b)と同じ容器内で、前記濃縮試料をそこから除去することなく前記破壊処理に供する工程を含んでなる、請求項16に記載の方法。
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