JP2008536466A - 固定子巻線装置内に歯コイルを有する非同期回転電機 - Google Patents

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Abstract

本発明は固定子と回転子を有する非同期回転電機に関する。固定子が、部分的に固定子スロット内に配置された多数の歯コイルにより形成されている固定子巻線装置を含む。回転子が、回転子スロット(7)内に配置されかつ短絡されている多数の電気的導体により構成された回転子巻線装置を含む。回転子が、11、13、17又は27なる回転子スロット(7)数を有する。それによって高調波に起因する損失およびトルク脈動が低減される。

Description

本発明は、固定子および回転子を備え、歯コイルを含む固定子巻線装置が設けられた非同期回転電機に関する。
独国特許出願公開第10325982号明細書は、歯コイルの使用の下に実現された固定子巻線装置を開示している。これは、特に非同期回転電機の用途に定められている。
歯コイルに基づく固定子巻線装置は、電気的な固定子空隙磁界内に比較的高い高調波成分を生ずる。該高調波は、非同期回転電機において回転子空隙磁界と共に相互に作用し、不所望の副次的作用をもたらす。特に、大きな磁束漏れ、高い損失又は非同期回転電機により発生されるトルク脈動をもたらす。この脈動は振動トルクによりひき起こされる。
それ故本発明の課題は、歯コイルを基礎とする固定子巻線装置の使用にも係らず上述の副次的作用を少なくとも低減した、冒頭に述べた非同期回転電機を提供することにある。
この課題は、請求項1の特徴によって解決される。本発明の非同期回転電機は、
a)固定子が、部分的に固定子スロットに配置された多数の歯コイルにより形成された固定子巻線装置を含み、
b)回転子が、回転子スロット内に配置されかつ短絡された多数の電気的導体により構成された回転子巻線装置を含み、そして
c)回転子が、11、13、17又は27の回転子スロット数を有する。
前述の副次的作用のため、非同期回転電機では、固定子巻線装置の構成のために従来歯コイルは殆ど使用されなかった。本発明に従って設計した回転子におけるスロット数の適切な選択、従って特に回転子の周囲にわたり分布して配置した電気的導体の個数の適切な選択によって初めて、回転子巻線装置における製造視点の下に非常に有利な歯コイルの使用が可能となった。11、13、17又は27個の回転子スロットの使用時には、不所望の副次的作用が発生したとしても、非常に僅かである。更に、歯コイルにより電気的導体の材料の高いスペースファクタ、従って非同期回転電機の高い利用率を達成できる。
電気的導体は銅又はアルミニウムからなる棒として形成するとよい。これら材料は優れた導電性を有するので、回転子巻線装置における抵抗損失を僅かに留められる。
電気的導体間の短絡を、特に回転子の軸方向の両端面に配置した、相応の形状の短絡環で行う故、短絡回転子又はかご型回転子とも呼ばれる回転子構造が生ずる。
本発明による非同期回転電機の有利な構成を、請求項1に従属する請求項に示す。
固定子巻線装置が、3で割ることのできる固定子スロット数を有する実施形態が好ましい。更に固定子巻線装置が0.5なる毎極毎相スロット数を有するとよい。それにより、特に固定子空隙磁界における分数調波成分の形成を大幅に回避できる。
他の変形例では、回転子スロットが少なくとも3mmのブリッジ高さを持つ。こうすると、回転子空隙磁界の高調波と固定子空隙磁界の高調波スペクトルとの相互作用を大幅に低減できる。
この利点は、回転子スロットが傾斜した他の有利な実施形態によっても提供される。
以下、図示の実施例の説明から本発明の他の特徴、利点および詳細を明らかにする。
図1〜8において、互いに対応する部分には同一の参照符号を付している。
図1は、固定子2と回転子3を有する非同期回転電機1の実施例を縦断面図で示す。図2は固定子2の横断面を示す。固定子2は、図1に巻線端のみを示す固定子巻線装置4を有し、固定子巻線装置4は予め製作した歯コイル5にて実現している。歯コイルの個々の導体巻線は、大部分が固定子成層鉄心の固定子スロット6内を走っている。
固定子巻線装置4は本実施例では8極であり、極対数pは4である。更に相数m=3において固定子スロット数N1=12を有している。従って、固定子巻線装置4は、毎極毎相スロット数q=N1/(2p×m)=1/2を有する分数スロット巻線である。
回転子3は、回転子3の周囲に一様に分布し、ほぼ軸方向に走る回転子スロット7を有する回転子成層鉄心からなり、回転子スロット中に電気伝導性の銅棒が挿入されている。銅棒8は、回転子3の軸方向の両端面において、短絡環9又は10により互いに導電接続されている。回転子は、所謂かご型回転子である。銅棒8および両短絡環9、10は回転子巻線装置11を成す。
図3〜8は、回転子成層鉄心に用いる回転子打抜き鋼板12〜17の実施例を示す。これら実施例は、先ず第1に、各々設けられた回転子スロット7の個数N2で相違し、従って回転子巻線装置11内に設けられた銅棒8の個数N2でも相違する。各々の回転子スロット数N2は、図3の回転子打抜き鋼板12では値11、図4の回転子打抜き鋼板13では値13、図5又は図6の回転子打抜き鋼板14および15では値17、そして図7又は図8による回転子打抜き鋼板16および17では値27を取る。
回転子打抜き鋼板15〜17は、他の3つの回転子打抜き鋼板12〜14と違い、各々零とは異なるブリッジ高さ18を有する。回転子打抜き鋼板15および16の場合にはブリッジ高さ18が各々3mmであり、これに対し回転子打抜き鋼板17の場合にはブリッジ高さ18が5mmである。
固定子巻線装置4で使用される歯コイル5に基づき、固定子2と回転子3との間の空隙19に形成される固定子空隙磁界は、分布したコイル巻線により実現している従来の固定子巻線装置におけるよりも高い高調波成分を有する。さもなければ形成される不所望の振動トルクを低減し又は完全に遮断すべく、回転子3は、僅かの磁束漏れにおいて回転子空隙磁界と固定子空隙磁界の高調波との間でできるだけ僅かの相互作用が生じるように構成されている。
これは、回転子3に設けた回転子スロット7の個数N2に関する前述の適切な選択により達成される。これに関して特に効果的なのは、固定子巻線装置4の上述の設計(即ちq=1/2、N1=12およびm=3)において、11又は17なる回転子スロット数を有する回転子打抜き鋼板12、14および15である。高調波に起因する損失が減少し、トルク脈動が非常に僅かとなる。
回転子打抜き鋼板15〜17に付加的に設けた零と異なるブリッジ高さ18が、高周波の不所望の影響を更に最小限に抑える。同じことが回転子3の回転軸に対し傾斜した回転子スロット7の配置に当てはまり、従って銅棒8にも当てはまる。
全体として、歯コイル5の使用に関連して、非常に少ない12個だけの固定子スロット数N1にも係らず、非同期回転電機の非常に良好な全体特性が得られる。更に、低い固定子スロット数N1が簡単な製造を可能にし、結果として製造コストの低減を図れる。
固定子における歯コイルと特別な回転子スロット数を有する非同期回転電機の実施例を示す縦断面図 図1の非同期回転電機の固定子の横断面図 図1の非同期回転電機の回転子に使用される回転子打抜き鋼板の第1の例を示す平面図 図1の非同期回転電機の回転子に使用される回転子打抜き鋼板の第2の例を示す平面図 図1の非同期回転電機の回転子に使用される回転子打抜き鋼板の第3の例を示す平面図 図1の非同期回転電機の回転子に使用される回転子打抜き鋼板の第4の例を示す平面図 図1の非同期回転電機の回転子に使用される回転子打抜き鋼板の第5の例を示す平面図 図1の非同期回転電機の回転子に使用される回転子打抜き鋼板の第6の例を示す平面図
符号の説明
1 非同期回転電機、2 固定子、3 回転子、4 固定子巻線装置、5 歯コイル、6 固定子スロット、7 回転子スロット、8 銅棒、9 短絡環、10 短絡環、11 回転子巻線装置、12〜17 回転子打抜き鋼板、18 ブリッジ高さ、19 空隙

Claims (5)

  1. 固定子(2)および回転子(3)を有する非同期回転電機において、
    a)固定子(2)が、部分的に固定子スロット(6)内に配置された多数の歯コイル(5)により形成されている固定子巻線装置(4)を含み、
    b)回転子(3)が、回転子スロット(7)内に配置されかつ短絡されている多数の電気的導体(8)により構成されている回転子巻線装置(11)を含み、そして
    c)回転子(3)が、11、13、17又は27なる回転子スロット(7)数を有する
    ことを特徴とする非同期回転電機。
  2. 固定子巻線装置(4)が3で割ることのできる固定子スロット(6)数を有することを特徴とする請求項1記載の非同期回転電機。
  3. 固定子巻線装置(4)が0.5なる穴数を有することを特徴とする請求項1記載の非同期回転電機。
  4. 回転子スロット(7)が少なくとも3mmのブリッジ高さ(18)を有することを特徴とする請求項1記載の非同期回転電機。
  5. 回転子スロット(7)が傾斜を有することを特徴とする請求項1記載の非同期回転電機。
JP2008505874A 2005-04-12 2006-04-07 固定子巻線装置内に歯コイルを有する非同期回転電機 Abandoned JP2008536466A (ja)

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