JP2008535549A - 埋め込み型デバイス用コーティング及びその形成方法 - Google Patents

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Abstract

ステントなどの埋め込み型デバイス又は管腔内プロテーゼ用のコーティング、並びにコーティングの形成方法が提供される。コーティングは、有効成分又は有効成分の組合せの送達のために使用することができる。
【選択図】 図1A

Description

発明の詳細な説明
(発明の分野)
[0001]本発明は、ステントなどの埋め込み型デバイス又は管腔内プロテーゼのコーティング及びコーティングの形成方法に関する。
(背景の説明)
[0002]経皮経管冠動脈形成術(PTCA)は、心疾患を治療するための処置である。バルーン部分を有するカテーテルアセンブリを、上腕又は大腿動脈を介して患者の心血管系に経皮的に導入する。バルーン部分が閉塞性病変を横切って位置するまで、冠状血管系を介してカテーテルアセンブリを進める。病変を横切って位置すると、血管壁を再建するためにバルーンを所定のサイズに拡張させて、病変のアテローム斑に放射状に押しつける。次いで、患者の血管系からカテーテルを引き出せるように、バルーンを小さい形状に収縮する。
[0003]上記の処置に伴う問題には、バルーンが収縮した後に、崩壊し、導管を閉塞し得る内膜皮弁又は断裂動脈内壁の形成が含まれる。血管痙攣及び血管壁の反兆も、血管を閉鎖するおそれがある。さらに、処置後数カ月にかけて、動脈の血栓及び再狭窄が生じることがあり、それによって、さらなる血管形成術又は外科的バイパス手術を必要とすることがある。動脈内壁の崩壊による動脈の部分的又は完全な閉塞を低減し、血栓及び再狭窄の発症の可能性を低減するために、その一例としてステントを含む、拡張性管腔内プロテーゼを管腔に埋め込んで、血管開通性を維持する。
[0004]ステントは、機械的介入だけでなく、生物学的療法を提供するための媒体としても使用される。機械的介入として、ステントは、足場として作用し、通路の壁を物理的に開いたままにし、必要ならばそれを拡張する機能を果たす。一般に、ステントは圧縮することができるため、小腔を通してカテーテルを介して挿入し、所望の場所に到達させて、大きな直径に拡げることができる。ステントによる機械的介入によって、バルーン血管形成術と比較して再狭窄率は低減したが、再狭窄の割合は20−40%の範囲であり、依然として重要な臨床上の問題である。ステント区域で再狭窄が生じる場合、バルーン単独で処置された病変と比較して臨床上の選択肢が制限されるので、その治療は困難となり得る。
[0005]生物学的療法は、ステントを薬剤処理することによって実現することができる。薬剤処理したステントは、疾患部位に治療物質の局所投与を提供する。治療部位に有効濃度を提供するために、そのような薬剤の全身投与は、しばしば患者に有害又は有毒な副作用をもたらす。局所送達は、全身投与と比較して全体的レベルが小さい薬剤が投与されるものの、特定部位に集中されるという点で好ましい治療方法である。したがって、局所送達は、副作用が少なく、より好ましい結果をもたらす。本発明の実施形態は、薬剤の局所送達のためのステントコーティングを提供する。
(発明の概要)
[0006]本発明の一態様によれば、埋め込み型デバイスのコーティングの形成方法が提供される。その方法は、埋め込み型デバイスの表面の少なくとも一部分上にポリマーを含む、重量測定値Xを有するプライマー層を形成するステップと、プライマー層の選択された少なくとも一部分上にポリマー及び有効成分を含む、重量測定値Yを有するリザーバー層を形成するステップとを含み、X/Yは、0.25以上である。一実施形態では、コーティングは、30%以上の薬剤搭載量を有する。別の実施形態では、その方法はさらに、リザーバー層の形成の前に、プライマー層の表面に凹凸を形成するステップを含む。さらに別の実施形態では、プライマー層は、ある程度の細孔を有する少なくとも一領域を含む。
[0007]別の態様では、埋め込み型デバイスのコーティングの形成方法が提供される。その方法は、埋め込み型デバイスの表面の少なくとも一部分上にポリマーを含む、厚さXを有するプライマー層を形成するステップと、プライマー層の選択された少なくとも一部分上にポリマー及び有効成分を含む、厚さYを有するリザーバー層を形成するステップとを含み、X/Yは、0.25以上である。一実施形態では、厚さXは、約0.5ミクロンから約3ミクロンであり、厚さYは、約1ミクロンから約10ミクロンである。
[0008]本発明のさらに別の態様では、有効成分の送達のためのコーティングを含む埋め込み型デバイスが提供される。そのコーティングは、埋め込み型デバイスの表面の少なくとも一部分上にポリマーを含む、厚さXを有するプライマー領域と、プライマー領域の選択された少なくとも一部分上にポリマー及び有効成分を含む、厚さYを有するリザーバー領域とを含み、X/Yは、0.25以上である。プライマー領域の外側の表面から埋め込み型デバイスの表面までの厚さXは、有効成分がリザーバー領域からプライマー領域まで移動する前に測定される。一実施形態では、コーティングは、デバイスが患者の体内に挿入された後、有効成分がコーティングから放出される速度を低減するために、リザーバー領域の選択された少なくとも一部分上に位置するバリア領域をさらに含む。別の実施形態では、プライマー領域は、プライマー領域とリザーバー領域との界面からプライマーへと延在する多孔質マトリックスを含む。本発明のいくつかの実施形態では、それぞれの層の厚さ又は質量を表すX/Yは、0.01から0.2、0.05から0.2、0.01から20、0.05から20、0.01から1、0.05から1又は0.01から0.05であってもよい。
[0009]別の態様では、有効成分の送達のためのコーティングを含むステントが提供され、そのコーティングは、ポリマーを含むプライマー領域と、ポリマー及び有効成分を含むリザーバー領域とを含み、ステントが拡張するときにコーティングに著しい亀裂を生じることなく、リザーバー領域に30%の薬剤を搭載できるようにするために、プライマー領域の厚さ及び質量は十分に大きい。
(発明を実施するための最良の形態)
[0012]本文書は、2002年12月16日に出願の認可済み米国特許出願第10/320,935号、2000年12月28日出願の米国特許出願第09/750,595号及び1999年12月23日出願の米国特許出願第09/470,559号の全文を参照により完全に組み込む。
[0013]議論の簡素化のために、本明細書に詳述する方法及び装置を、ステントのコーティングを参照して記載する。但し、本発明の実施形態に従ってコーティングした埋め込み型デバイスは、ヒトの患者及び受療する家畜に埋め込むことができる任意の適切な医療基材であり得る。このような埋め込み型デバイスの例には、自己拡張性ステント、バルーン拡張性ステント、ステントグラフト、グラフト(例えば、大動脈グラフト)、人工心臓弁、脳脊髄液シャント、ペースメーカー電極及び心内膜用リード(例えば、Guidant Corporationから入手可能なFINELINE及びENDOTAK)が含まれる。デバイスの基本的な構造は、実質的にどんな設計のものでもよい。デバイスは、それらに限定されるものではないが、金属製材料、或いはコバルトクロム合金(ELGILOY)、ステンレス鋼(316L)、“MP35N”、“MP20N”、elastinite(Nitinol)、タンタル、ニッケル−チタン合金、プラチナ−イリジウム合金、金、マグネシウム又はそれらの組合せなどの合金から製造することができる。“MP35N”及び“MP20N”は、Standard Press Steel Co.,ペンシルベニア州Jenkintownから入手可能な、コバルト、ニッケル、クロム及びモリブデンの合金に対する商標名である。“MP35N”は、コバルト35%、ニッケル35%、クロム20%及びモリブデン10%からなる。“MP20N”は、コバルト50%、ニッケル20%、クロム20%及びモリブデン10%からなる。生体吸収性又は生体安定性ポリマーから製造されるデバイスも、本発明の実施形態と共に使用することができる。
(コーティング)
[0014]図1Aを参照すると、表面22、例えばステンレス鋼などの金属製表面を有するステント20の本体が示されている。コーティング24は、表面22上に配置される。コーティング24は、有効成分を含有するリザーバー領域26を含む。実質的にいかなる有効成分も含まないプライマー領域28は、リザーバー領域26の少なくとも一部分の下に配置される。図1Bに示されるように、コーティング24は、実質的にいかなる有効成分も含まないバリア領域30を含むこともできる。各図は、尺度通りに描かれておらず、各種領域及び層の深度及び厚さは、例示目的のために拡大又は縮小強調されている。
[0015]本発明の一実施形態では、プライマー領域とリザーバー領域と間の界面は、プライマー層の有効成分への透過性を高めるために改変される。界面は、いくつかの方法の1つを使用して改変することができる。これらの方法には、以下に、より完全に記載するように、例えば、プライマー領域のポリマーをリザーバー領域のポリマーと一部分ブレンドする、粗い区域を形成することによってプライマー層の表面を改変する、又はプライマー層の表面上に多孔質マトリックスを形成することが含まれる。
[0016]プライマー領域とリザーバー領域と間の界面は、コーティングプロセス中に通常の溶媒を使用することによって、プライマー領域のポリマーをリザーバー領域のポリマーと一部分ブレンドすることによって改変することができる。例えば、プライマー領域28は、溶媒に溶解したポリマーを有するプライマーコーティング組成物を塗布することによってステント20上に形成することができる。次いでステント20を焼いて、組成物中の溶媒を実質的に除去して、コーティングを形成する。続いて、ポリマー、溶媒及び有効成分を分散させた別の組成物を塗布する。有効成分組成物中の溶媒が、プライマー層中のポリマーを溶解することができる場合には、プライマー領域及びリザーバー領域のポリマーが、混合又はブレンドできる。このブレンドによって、有効成分は、プライマー層28に吸収又は流入することができる。
[0017]別の実施形態では、プライマー層の透過性を高めるために、凹凸又は粗い区域をプライマー層の表面上に形成する。この凹凸によって、プライマー領域が、リザーバー領域を物理的に捕捉することができる。さらに凹凸は、毛管作用によって、リザーバー領域からプライマー領域への有効成分の移動を促進することができる。有効成分は、コーティングの深部へと移動するので、コーティングされたデバイスが患者の体内に挿入されるときに、コーティングからの有効成分の拡散速度が低下する。その結果、凹凸は、有効成分の滞留時間の増大を促進し、したがってコーティングからの有効成分の「バースト効果」を防止することができる。「バースト効果」は、デバイスが生体管腔に挿入されるときの、ポリマーコーティングからの有効成分の急激な放出を指す。
[0018]プライマー領域は、プライマー領域とリザーバー領域との界面から、プライマー領域へと延在する多孔質マトリックスを含むことができる。多孔質マトリックスは、プライマー領域へと部分的に延在することも、又は埋め込み型デバイスの表面まで全体に延在することもできる。有効成分は、毛管作用によって、リザーバー領域からプライマー領域に移動することができる。
[0019]本発明の別の実施形態では、プライマー領域の厚さは、リザーバー領域の厚さに関連して増大する。プライマー領域をより厚くすることによって、コーティングからの有効成分の拡散速度を低減することができる。さらに、プライマー領域の厚さを増大することによって、プライマー領域は、デバイスの表面とリザーバー領域との間のより効果的な連結層として作用することができる。例えば、プライマー領域をより厚くすることによって、ステントが拡張するときのステントコーティング内の亀裂の形成を、低減又は防止することができる。一般には、ポリマーマトリックス内に有効成分が存在すると、デバイスの表面に効果的に接着するマトリックスの能力が妨げられる。有効成分の量の増加は、接着効率を低下させる。例えば、コーティング中に10−40重量%の多量の薬剤を搭載すると、デバイスの表面上のコーティングの保持力が著しく妨げられる。「薬剤搭載量」は、ポリマーに対する有効成分の重量パーセンテージ比を意味する。リザーバー領域26に対するプライマー領域28の厚さを増大すると、プライマー領域28は、送達時、及び、適用される場合にはデバイスの拡張時に、デバイス上に効果的に収まるリザーバー領域26の能力を損なわずに、リザーバー領域26内の有効成分の量を増大することができる。例えば、本発明のコーティングは、薬剤搭載量が比較的多い場合に、優れた結果をもたらす。特に、本発明のコーティングの機械的完全性は、コーティング内の薬剤搭載量が比較的多い場合にも、ステントの拡張に耐えることができる(即ち、コーティングが著しく剥離せず又は裂けない)。本発明の一実施形態では、30%以上の薬剤搭載量を実現することができる。
[0020]図1Bを参照すると、コーティング24のリザーバー領域26は、一例として約0.5ミクロンから約10ミクロンの厚さTを有することができる。プライマー領域28は、厚さTを有することができ、その例は、約0.1から約10ミクロン、より厳密には約0.5から約5ミクロンの範囲であり得る。リザーバー領域の厚さTは、有効成分がリザーバー領域からプライマー領域に移動する前に、リザーバー領域の外表面からプライマー領域にかけて測定される。同様に、プライマー領域の厚さTは、有効成分がリザーバー領域からプライマー領域に移動する前に、プライマー領域の外表面からステントの表面にかけて測定される。本発明の一実施形態では、T/Tは0.25以上である。別の実施形態では、T/Tは0.33以上である。具体的な厚さT及びTは、ステント20が使用される処置のタイプ及び送達されることが望ましい有効成分の量に、部分的に基づく。
[0021]本発明のいくつかの実施形態では、T/Tは、0.01から0.2;0.05から0.2;0.01から20;0.05から20;0.01から1;0.05から1;又は0.01から0.05であってよい。
[0022]或いは、いくつかの実施形態では、コーティング24のリザーバー領域26は、質量Wを有することができる。プライマー領域28は、質量Wを有することができる。リザーバー領域の質量Wは、有効成分を除く。本発明の一実施形態では、W/Wは0.25以上である。別の実施形態では、W/Wは0.33以上である。具体的な質量W及びWは、ステント20が使用される処置のタイプ及び送達されることが望ましい有効成分の量に、部分的に基づく。
[0023]本発明のいくつかの実施形態では、W/Wは、0.01から0.2;0.05から0.2;0.01から20;0.05から20;0.01から1;0.05から1;又は0.01から0.05であってよい。
[0024]或いは、いくつかの実施形態では、コーティング24のリザーバー領域26は、質量WAを有することができる。プライマー領域28は、質量Wを有することができる。リザーバー領域の質量WAは、有効成分の質量を含む。本発明の一実施形態では、W/WAは0.25以上である。別の実施形態では、W/WAは0.33以上である。具体的な質量WA及びWは、ステント20が使用される処置のタイプ及び送達されることが望ましい有効成分の量に、部分的に基づく。
[0025]本発明のいくつかの実施形態では、W/WAは、0.01から0.2;0.05から0.2;0.01から20;0.05から20;0.01から1;0.05から1;又は0.01から0.05であってよい。
[0026]図1Bを参照すると、拡散バリア領域30は、任意の適切な厚さTを有することができ、厚さTは、それらに限定されるものではないが、放出の所望の速度又は持続時間並びにステント20が使用される処置などのパラメータに依存する。拡散バリア領域30は、約0.1から約10ミクロン、より厳密には約0.25から約2ミクロンの厚さTを有することができる。さらに、図1Cを参照すると、バリア層30は、コーティングからの有効成分の放出速度を低減するために、粒子32を含有することができる。粒子が使用される場合、平滑な外表面のために、粒子のサイズは、拡散バリア領域30の厚さTの約10%より大きくあるべきでない。さらに、粒子の体積分率Xは、約0.74を超えるべきではない。充填密度又は粒子の体積分率Xは、以下の等式で定義することができる。
Figure 2008535549

式中、Vは体積である。
[0027]ポリマーコーティングの層のそれぞれは、可変の有効成分放出パラメータを持つコーティングを提供するために、異なる性質の異なる区分を有することができる。図1Dに示されるように、例えばリザーバー領域26は、第1及び第2のリザーバー区分26A及び26Bを含むことができ、それぞれ異なる有効成分、例えばアクチノマイシンD及びタキソールをそれぞれ含有する。したがって、コーティング24は、持続的な送達のために、少なくとも2種の異なる有効成分の組合せを保有することができる。第1及び第2区分26A及び26Bは、例えば、第2区分26B上のプライマー領域28の区域をマスキングし、第1の有効成分を含有する第1の組成物を塗布して、第1区分26Aを形成することによって堆積させることができる。次いで、第1区分26Aをマスキングし、第2の有効成分を含有する第2の組成物を塗布して、第2区分26Bを形成することができる。この手順に従って、異なる有効成分を含有する任意の適切な数の区分を形成することができる。
[0028]図1Dに示すように、バリア領域30を、リザーバー区分26A及び26B上に形成することができる。図1Eを参照すると、バリア領域30はまた、第1の有効成分、例えばアクチノマイシンDを含有する第1のリザーバー区分26A上に配置された第1のバリア区分30Aを含むことができる。第2のバリア区分30Bは、第2の有効成分、例えばタキソールを含有する第2のリザーバー区分26B上に形成することができる。第1のバリア区分30Aは粒子を含まず、第2のバリア区分30Bは、粒子32を含有する。その結果、コーティング24は、リザーバー区分26A及び26B内に含有された有効成分のそれぞれに対する2つの異なる放出パラメータを有する。
[0029]界面相溶性を有する異なるポリマー材料を使用して、コーティングのプライマー、リザーバー及び拡散バリア構成要素のための個々の異なる層を形成することができる。図2Aを参照すると、第1のポリマー材料から製造され、ステント20の表面22上に形成されたプライマー領域36を有するコーティング34が提供される。第2のポリマー材料から製造されたリザーバー領域38は、プライマー領域36の選択された区域上に堆積する。第3のポリマー材料から製造されたバリア領域40は、リザーバー領域38上に堆積することができる。界面相溶性を有する異なるポリマー材料の例には、例えばEVALプライマーとエチレンビニルアセテートリザーバー層;ポリ(n−ブチルメタクリレート)プライマーとEVALリザーバー層;EVALプライマー及びポリカプロラクトンリザーバー層;並びにポリアミン硬化剤で硬化したビスフェノールAジグリシジルエーテルからなるエポキシプライマーとEVALリザーバー層が含まれる。他の組合せは、当業者によって導き出すことができる。
[0030]当業者には、様々なコーティングの組合せを提供できることが理解されよう。例えば、図2Bに示したように、コーティング34は、第1のポリマー材料から製造されたプライマー領域36を含有する。第2のポリマー材料から製造されたリザーバー領域38は、プライマー領域36上に形成される。リザーバー領域38は、38A及び38Bとして示した第1及び第2区分を含有する。第1及び第2区分38A及び38Bは、それぞれ異なる有効成分を含有する。第3のポリマー材料から製造されたバリア領域40を、リザーバー領域38上に堆積させることができる。バリア領域40は、リザーバー領域38の第1区分38Aに堆積した第1区分40Aを含む。さらにバリア領域40は、リザーバー領域38の第2区分38Bに堆積した第2区分40Bを含む。第2区分40Bは、粒子32を含むことができ、及び/又は第4のポリマー材料から製造して、様々な異なる放出パラメータを作り出すことができる。
(プライマー層のための組成物)
[0031]プライマー層の組成物の実施形態は、全ての構成要素を組み合わせ、次いでブレンドする通常の方法によって調製される。より詳細には、所定の量のポリマー又はプレポリマーを、所定の量の溶媒又は溶媒の組合せに添加する。その混合物は、大気圧、無水雰囲気下で調製することができる。必要ならば、プレポリマーの硬化又は架橋の開始のために、フリーラジカル又はUV開始剤を組成物に添加することができる。ポリマーを溶媒に溶解するために、加熱及び撹拌及び/又は混合することができる。
[0032]“ポリマー(polymer)”、“ポリ”及び“ポリマー(polymeric)”は、重合反応の生成物であって、そのランダム、交互、ブロック及びグラフト変形形態を含めたホモポリマー、コポリマー、ターポリマー等を含む化合物と定義される。これらのポリマーは、ステントの金属製表面などの埋め込み型デバイスの表面との高い接着能力を有するべきである。316Lなどのステンレス鋼は、ステントの製造に一般に使用される材料である。ステンレス鋼は、ステントを耐食性にし、主にステントに生体適合性を付与する酸化クロム表面層を含む。酸化クロム層は、極性の、オキシド、アニオン基及びヒドロキシ部分を提供する。その結果、極性置換基及びカチオン基を有するポリマー材料は、表面に接着することができる。適切なポリマー材料の代表例には、ポリイソシアネート、不飽和ポリマー、アミン高含有ポリマー、アクリレート、水素結合基高含有ポリマー、シランカップリング剤、チタネート及びジルコネートが含まれる。
[0033]ポリイソシアネートの代表例には、トリイソシアヌレート、ヘキサメチレンジイソシアネートをベースとする脂肪族(alphatic)ポリイソシアネート樹脂、ジフェニルメタンジイソシアネートをベースとする芳香族ポリイソシアネートプレポリマー、ジフェニルメタンジイソシアネートをベースとするポリイソシアネートポリエーテルポリウレタン、トルエンジイソシアネートをベースとするポリメリックイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート及びポリエステルポリウレタンが含まれる。
[0034]不飽和ポリマーの代表例には、ポリエステルジアクリレート、ポリカプロラクトンジアクリレート、ポリエステルジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、少なくとも2個のアクリレート基を有するポリアクリレート、ポリアクリル化ポリウレタン及びトリアクリレートが含まれる。不飽和プレポリマーを使用する場合、熱硬化若しくはUV硬化又は架橋プロセスのために、組成物にフリーラジカル又はUV開始剤を添加することができる。熱硬化では、フリーラジカル開始剤の例は、過酸化ベンゾイル、過酸化ビス(2,4−ジクロロベンゾイル)、過酸化ジクミル、2,5−ビス(tert−ブチルパーオキシ)−2,5−ジメチルヘキサン、過硫酸アンモニウム及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリルである。当業者には理解されるように、各開始剤は、分解を誘発するために異なる温度を要する。UV硬化では、開始剤の例には、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインエチルエーテル及びベンゾフェノンが含まれる。これらの開始剤は、250と350nmの間の波長を含む中圧Hg灯を用いる照明によって、活性化することができる。
[0035]アミン高含有量ポリマーの代表例には、ポリエチレンアミン、ポリアリルアミン及びポリリシンが含まれる。
[0036]アクリレートの代表例には、エチルアクリレート、メチルアクリレート、メタクリル酸、アクリル酸及びシアノアクリレートのコポリマーが含まれる。
[0037]水素結合基高含有量のポリマーの代表例には、ポリエチレン−co−ポリビニルアルコール、アミン架橋剤によるビスフェノールAのジグリシジルエーテルをベースとするエポキシポリマー、ポリオール及びルイス酸触媒によって硬化したエポキシポリマー、エポキシフェノール、エポキシ−ポリスルフィド、エチレンビニルアセテート、メラミンホルムアルデヒド、ポリビニルアルコール−co−ビニルアセテートポリマー、レゾルシノール−ホルムアルデヒド、尿素−ホルムアルデヒド、ポリビニルブチラール、ポリビニルアセテート、アルキドポリエステル樹脂、アクリル酸修飾エチレンビニルアセテートポリマー、メタクリル酸修飾エチレンビニルアセテートポリマー、アクリル酸修飾エチレンアクリレートポリマー、メタクリル酸修飾エチレンアクリレートポリマー、無水物変性エチレンアクリレートコポリマー及び無水物変性エチレンビニルアセテートポリマーが含まれる。
[0038]シランカップリング剤の代表例には、3−アミノプロピルトリエトキシシラン及び(3−グリジドキシプロピル)メチルジエトキシシラン((3−glydidoxypropyl)methyldiethoxysilane)が含まれる。
[0039]チタネートの代表例には、テトライソプロピルチタネート及びテトラ−n−ブチルチタネートが含まれる。
[0040]ジルコネートの代表例には、n−プロピルジルコネート及びn−ブチルジルコネートが含まれる。
[0041]プライマー材料には、生体適合性ポリマーを用いることもできる。生体適合性プライマーの例には、ポリ(ヒドロキシバレレート)、ポリ(L−乳酸)、ポリカプロラクトン、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(ヒドロキシブチラート)、ポリ(ヒドロキシブチラート−co−バレレート)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリ(グリコール酸)、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、シアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、コポリ(エーテル−エステル)(例えば、PEO/PLA)、ポリアルキレンオキサレート、ポリホスファゼン、並びにフィブリン、フィブリノゲン、セルロース、デンプン、コラーゲン及びヒアルロン酸などの生体分子が含まれる。また、ポリウレタン、シリコーン及びポリエステルを使用することができ、ポリオレフィン、ポリイソブチレン及びエチレン−アルファオレフィンコポリマー;アクリルポリマー及びコポリマー、ポリ塩化ビニルなどのハロゲン化ビニルポリマー及びコポリマー;ポリビニルメチルエーテルなどのポリビニルエーテル;ポリフッ化ビニリデン及びポリ塩化ビニリデンなどのポリハロゲン化ビニリデン;ポリアクリロニトリル;ポリビニルケトン;ポリスチレンなどのポリビニル芳香族化合物;ポリビニルアセテートなどのポリビニルエステル;エチレン−メチルメタクリレートコポリマー、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ABS樹脂及びエチレン−ビニルアセテートコポリマーなどのビニルモノマーの互いの及びオレフィンとのコポリマー;ナイロン66及びポリカプロラクタムなどのポリアミド;アルキド樹脂;ポリカーボネート;ポリオキシメチレン;ポリイミド;ポリエーテル;エポキシ樹脂;レーヨン;レーヨン−トリアセテート;セルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース;酢酸酪酸セルロース;セロファン;硝酸セルロース;プロピオン酸セルロース;セルロースエーテル並びにカルボキシメチルセルロースなどの他のポリマーも、それらが溶解し、ステント上で重合又は硬化され得る場合には使用することができる。
[0042]プライマー層のポリマーの非常に適切な選択の代表例は、ポリ(ブチルメタクリレート)(PBMA)である。エチレンビニルアルコールも、機能上非常に適切なポリマーの選択である。一般名EVOH又は商品名EVALとして一般に知られるエチレンビニルアルコールコポリマーは、エチレン及びビニルアルコールモノマー両方の残基を含むコポリマーを指す。当業者は、エチレンビニルアルコールコポリマーが、少量の追加のモノマー、例えば約5モルパーセント未満のスチレン、プロピレン又は他の適切なモノマーを含むようなターポリマーであってもよいことを理解する。有用な一実施形態では、コポリマーは、約27%から約47%のモルパーセントのエチレンを含む。典型的には44モルパーセントのエチレンが適切である。エチレンビニルアルコールコポリマーは、Aldrich Chemical Company,ウイスコン州Milwaukee、又はEVOH Company of America,イリノイ州Lisleなどの会社から市販され入手可能であり、或いは当業者に周知の通常の重合手順によって調製することができる。このポリマーは、ステントの表面、特にステンレス鋼表面に対して良好な接着性を有し、ステントの表面からポリマーが著しく分離せずに、ステントと共に拡張することが示されている。
[0043]溶媒は、ポリマーと互いに相溶性であるべきであり、溶液中の所望の濃度でポリマーを溶液に溶解することができるべきである。有用な溶媒はまた、ステントの金属製表面などのデバイス表面との最大相互作用のために、ポリマー鎖を伸長できるべきである。溶媒の例には、それらに限定されるものではないが、ジメチルスルホキシド(DMSO)、クロロホルム、水(緩衝生理食塩水)、キシレン、アセトン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、テトラヒドロフラン、1−ブタノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテル、イソプロパノール、N−メチルピロリドン、トルエン及びそれらの混合物が含まれる。
[0044]一例であり、それらに限定されるものではないが、ポリマーは、組成物の全重量の約0.1重量%から約35重量%、より厳密には約2重量%から約20重量%を占めることができ、溶媒は、組成物の全重量の約65重量%から約99.9重量%、より厳密には約80重量%から約98重量%を占めることができる。特定の重量比は、埋め込み型デバイスが製造される材料及びデバイスの幾何学的構造などの要因に依存する。
[0045]より均一なコーティング塗布のために、流体を組成物に添加して組成物の湿潤性を高めることもできる。組成物の湿潤性を高めるために、適切な流体は、一般に高い毛細管透過性を有する。毛細管透過性又は湿潤性は、界面エネルギーによって促進される固体基板上の流体の運動である。毛細管透過性は、固体表面上で平衡形状となった流体相の小滴の接線における角度として定義される接触角によって定量化される。小さい接触角は、湿潤性の高い液体を意味する。適切に高い毛細管透過性は、接触角約90°未満に相当する。湿潤性流体は、一般に、室温で約50センチポアズ以下、厳密には約0.3から約5センチポアズ、より厳密には約0.4から約2.5センチポアズの粘性を有するべきである。したがって、湿潤性流体は、組成物に添加されたときに組成物の粘性を低減する。
[0046]湿潤性流体は、ポリマー及び溶媒と互いに相溶性であるべきであり、ポリマーを沈殿させるべきではない。湿潤性流体はまた、溶媒として使用することができる。湿潤性流体の有用な例には、それらに限定されるものではないが、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、1−ブタノール、n−ブチルアセテート、ジメチルアセトアミド(DMAC)並びにそれらの混合物及び組合せが含まれる。一例であり、それらに限定されるものではないが、ポリマーは、組成物の全重量の約0.1重量%から約35重量%、より厳密には約2重量%から約20重量%を占めることができ、溶媒は、組成物の全重量の約19.9重量%から約98.9重量%、より厳密には約58重量%から約84重量%を占めることができ、湿潤性流体は、組成物の全重量の約1重量%から約80重量%、より厳密には約5重量%から約40重量%を占めることができる。湿潤性流体の特定の重量比は、使用される湿潤性流体のタイプ並びにポリマー及び溶媒のタイプ及び重量比によって決まる。より詳細には、湿潤性流体として使用されるテトラヒドロフランは、例えば溶液の全重量の約1重量%から約44%、より厳密には約21重量%を占めることができる。湿潤性流体として使用されるジメチルホルムアミドは、例えば溶液の全重量の約1重量%から約80重量%、より厳密には約8重量%を占めることができる。湿潤性流体として使用される1−ブタノールは、例えば溶液の全重量の約1重量%から約33重量%、より厳密には約9重量%を占めることができる。湿潤性流体として使用されるn−ブチルアセテートは、例えば溶液の全重量の約1重量%から約34重量%、より厳密には約14重量%を占めることができる。湿潤性流体として使用されるジメチルアセトアミドは、例えば溶液の全重量の約1重量%から約40重量%、より厳密には約20重量%を占めることができる。
[0047]表1は、プライマー組成物に適した組合せのいくつかの例を示す。
Figure 2008535549
(有効成分層のための組成物)
[0048]有効成分含有又はリザーバー層の組成物の実施形態は、全ての構成要素を組み合わせ、次いでブレンドする通常の方法によって調製される。より詳細には、所定の量のポリマー化合物を、所定の量の互いに相溶性のある溶媒又は溶媒の組合せに添加する。ポリマー化合物は、大気圧、無水雰囲気下で添加することができる。必要ならば、ポリマーを溶媒に溶解するために、弱い加熱及び撹拌及び/又は混合することができ、例えば約60℃の水槽中で12時間である。
[0049]選択されたポリマーは、生体適合性であり、デバイスが埋め込まれたときに血管壁への刺激を最小限に抑えるポリマーでなければならならい。ポリマーは、生体安定性又は生体吸収性のいずれかのポリマーであってよい。使用することができる生体吸収性ポリマーには、ポリ(ヒドロキシバレレート)、ポリ(L−乳酸)、ポリカプロラクトン、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(ヒドロキシブチラート)、ポリ(ヒドロキシブチラート−co−バレレート)、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリ無水物、ポリ(グリコール酸)、ポリ(D,L−乳酸)、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリ(アミノ酸)、シアノアクリレート、ポリ(トリメチレンカーボネート)、ポリ(イミノカーボネート)、コポリ(エーテル−エステル)(例えば、PEO/PLA)、ポリアルキレンオキサラート、ポリホスファゼン並びにフィブリン、フィブリノゲン、セルロース、デンプン、コラーゲン及びヒアルロン酸などの生体分子が含まれる。また、ポリウレタン、シリコーン及びポリエステルなどの、比較的低い慢性組織応答を有する生体安定性ポリマーを使用することができ、ポリオレフィン、ポリイソブチレン及びエチレン−アルファオレフィンコポリマー;アクリルポリマー及びコポリマー、ポリ塩化ビニルなどのハロゲン化ビニルポリマー及びコポリマー;ポリビニルメチルエーテルなどのポリビニルエーテル;ポリフッ化ビニリデン及びポリ塩化ビニリデンなどのポリハロゲン化ビニリデン;ポリアクリロニトリル;ポリビニルケトン;ポリスチレンなどのポリビニル芳香族化合物;ポリビニルアセテートなどのポリビニルエステル;エチレン−メチルメタクリレートコポリマー、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ABS樹脂及びエチレン−ビニルアセテートコポリマーなどのビニルモノマーの互いの及びオレフィンとのコポリマー;ナイロン66及びポリカプロラクタムなどのポリアミド;アルキド樹脂;ポリカーボネート;ポリオキシメチレン;ポリイミド;ポリエーテル;エポキシ樹脂;レーヨン;レーヨン−トリアセテート;セルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース;酢酸酪酸セルロース;セロファン;硝酸セルロース;プロピオン酸セルロース;セルロースエーテル並びにカルボキシメチルセルロースなどの他のポリマーも、それらが溶解し、ステント上で硬化又は重合され得る場合には使用することができる。
[0050]エチレンビニルアルコールは、機能上非常に適切なポリマーの選択である。このコポリマーは、有効成分の放出速度を良好に制御することを可能にする。通常、エチレンコモノマー含有量が増加すると、コポリマーマトリックスから放出される有効成分の速度が低下する。一般に、コポリマーの親水性が低減するにつれて、有効成分の放出速度が低下する。エチレンコモノマーの含有量の増加は、特にビニルアルコールの含有量が付随して低減されるとき、コポリマーの全体的な疎水性を高める。また、放出速度及び放出される有効成分の累積量は、コポリマーマトリックス中の成分の初期の全含有量に正比例することが知られている。したがって、エチレンコモノマー含有量及び有効成分の初期量を変えることによって、広範囲の放出速度を実現することができる。
[0051]リザーバー層のポリマーの選択は、プライマー層について選択されたポリマーと同じであっても、異なっていてもよい。同じポリマーの使用は、2種の異なるポリマー層を使用した場合に存在し得る接着性結合又は結合の欠如などの、あらゆる界面不相溶性を著しく低減又は排除する。
[0052]溶媒は、溶液中の所望の濃度でポリマーを溶液に溶解できなければならない。溶媒の例には、それらに限定されるものではないが、DMSO、クロロホルム、水(緩衝生理食塩水)、キシレン、アセトン、メタノール、エタノール、1−プロパノール、テトラヒドロフラン、1−ブタノン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、シクロヘキサノン及びN−メチルピロリドンが含まれる。エチレン低含有量、例えば29モル%のエチレンビニルアルコールコポリマーを使用する場合、適切な溶媒の選択は、水と混合したイソプロピルアルコール(IPA)である。
[0053]十分な量の有効成分がポリマーと溶媒とのブレンド組成物に分散される。有効成分は真溶液であり、又はブレンド組成物に飽和しているべきである。有効成分が組成物に完全に溶解しない場合、残留物を均質にするために、混合、撹拌及び/又はかき混ぜを含む操作を使用することができる。有効成分は、分散物が微粒子であるように添加することができる。有効成分の過飽和は望ましくないため、有効成分の混合は、無水雰囲気下、大気圧、室温で実施することができる。
[0054]有効成分は、血管平滑筋細胞の活性を阻害するべきである。より詳細には、有効成分は、平滑筋細胞の異常又は不適切な移動及び/又は増殖を阻害することを目的とする。
[0055]「平滑筋細胞」には、血管外傷又は損傷後に内膜過形成血管部位で増殖する血管の中膜及び外膜層に由来する細胞が含まれる。光学顕微鏡検査において、平滑筋細胞の特徴には、核小体の存在する細胞の中心に位置する長円形の核及び筋形質内の筋原線維を伴う紡錘形状の組織形態が含まれる。電子顕微鏡検査において、平滑筋細胞は、核近傍にある筋形質内の細長いミトコンドリア、少数の粗面小胞体の管状部分及び多数の遊離リボソームの塊を有する。また、小さなゴルジ複合体が、核の1つの極近くに位置することがある。
[0056]平滑筋細胞の「移動」は、血管の中膜層から内膜へのそれらの細胞のin vivo運動を意味し、ある位置から別の位置への細胞の動きを追うことによって、例えば微速度映画撮影又はビデオレコーダを使用して、経時的に組織培養内の画定区域から移動する平滑筋細胞を手動でカウントすることによってin vitroで研究することもできる。
[0057]平滑筋細胞の「増殖」は、細胞数の増加を意味する。
[0058]「異常」又は「不適切」な増殖は、正常に機能している同じタイプの細胞において通常生ずるものよりも急速に生ずる、又は著しく大きな程度に生ずる細胞の分裂、増殖又は移動、即ち過剰増殖を意味する。
[0059]細胞の活性を「阻害する」とは、特に生物学的又は機械的に媒介された血管損傷又は外傷後、或いは哺乳動物がそのような血管損傷又は外傷を受けやすい条件下で、平滑筋細胞過形成、再狭窄及び血管閉塞を低減、遅延又は排除することを意味する。本明細書では、「低減する」という用語は、平滑筋細胞増殖の刺激から生じる内膜肥厚を低減することを意味する。「遅延する」とは、過剰増殖性血管疾患の進行を遅らせること、或いは例えば組織検査又は血管造影検査によって観測される、明らかな内膜過形成の発症までの時間を遅らせることを意味する。血管外傷又は損傷後の再狭窄を「排除する」とは、もはや外科手術によって介入する必要のない、即ち、例えば再血管形成術、アテローム切除術又は冠状動脈バイパス手術によって血管を通る適切な血流を回復する必要のない程度にまで、患者の内膜過形成を完全に「低減する」及び/又は完全に「遅延する」ことを意味する。再狭窄を低減、遅延又は排除する効果は、それらに限定されるものではないが、血管造影、血管内超音波、蛍光透視画像化、光ファイバー可視化、光コヒーレンス断層撮影、血管内MRI又は生体組織検査及び組織学を含む当業者に周知の方法によって決定することができる。生物学的に媒介された血管損傷には、それらに限定されるものではないが、自己免疫疾患、自己免疫関連疾患、内毒素、サイトメガロウイルスなどのヘルペスウイルスを含めた感染症、アテローム性動脈硬化症などの代謝性疾患による損傷又はそれに起因する損傷、並びに低体温症及び放射線照射によって生ずる血管損傷が含まれる。機械的に媒介された血管損傷には、それらに限定されるものではないが、経皮経管冠動脈形成術、血管手術、ステント配置、移植手術、レーザー治療、及び血管内膜又は内皮の完全性を損なった他の破壊性処置などのカテーテル処置又は血管掻爬処置による血管損傷が含まれる。本発明の有効成分は、血管損傷又は外傷後の療法のための使用に限定されず、むしろ有効成分の有用性は、平滑筋細胞の細胞活性を阻害する、又は再狭窄の発症を阻害する成分の能力によっても決定される。
[0060]有効成分にはまた、本発明の実施において治療効果又は予防効果を発揮する、並びに細胞外マトリックスの発現に好ましい薬理学的効果を有することができる任意の物質が含まれる。この有効成分はまた、血管部位における創傷治癒を増強し、血管部位の構造的性質及び弾性を改善するためのものとなり得る。
[0061]これら又は他の実施形態では、医療デバイスは治療剤をさらに含む。以下のタイプの治療剤:タンパク質、ペプチド、抗増殖剤、抗新生物薬、抗炎症薬、抗血小板薬、抗凝固剤、抗フィブリン、抗トロンビン、抗有糸分裂薬、抗生物質、抗酸化剤又はそれらの混合物が、本発明のいくつかの実施形態においてみられる。
[0062]いくつかの実施形態は、少量の疎水性薬剤などの通常の薬剤を本発明のポリマー(上記の実施形態のいずれかに論じた)に添加し、それらを生分解可能な薬剤系にする。いくつかの実施形態は、通常の薬剤を本発明のポリマーと接ぎ、又は通常の薬剤を本発明のポリマーと混合する。本発明のポリマーは、様々な生体に有益なポリマーとのブレンドとしてコーティングすることができる。さらにそれらは、生体に有益なポリマー層のベース層又はトップコート層として働くことができる。
[0063]生物活性剤は、哺乳類において、治療効果、予防効果、治療効果及び予防効果両方、又は他の生物活性効果に寄与することができる任意の部分であってもよい。この薬剤は、診断用特徴を有することもできる。生物活性剤には、それらに限定されるものではないが、小分子、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、アミノ酸、オリゴペプチド、ポリペプチド及びタンパク質が含まれる。一例では、生物活性剤は、血管平滑筋細胞の活性を阻害する。別の例では、生物活性剤は、平滑筋細胞の移動又は増殖を制御して、再狭窄を阻害する。
[0064]生物活性剤には、それらに限定されるものではないが、抗増殖剤、抗新生物薬、抗有糸分裂薬、抗炎症薬、抗血小板薬、抗凝固剤、抗フィブリン、抗トロンビン、抗生物質、抗アレルギー薬、抗酸化剤、並びに任意のプロドラッグ、代謝産物、類似体、相同体、同族体、官能性誘導体(functional derivatives)、構造性誘導体、塩及びそれらの組合せが含まれる。本発明のいくつかの実施形態では、いくつかのグループ、サブグループ及び個々の生物活性剤のいくつかを使用できないことが当業者によって認識されると理解すべきである。
[0065]適切な治療剤及び予防剤の例には、治療活性、予防活性又は診断用活性を有する合成無機化合物及び有機化合物、タンパク質及びペプチド、多糖類及び他の糖類、脂質、並びにDNA及びRNA核酸配列が含まれる。核酸配列には、遺伝子、転写を阻害するために相補的DNAと結合するアンチセンス分子及びリボザイムが含まれる。他の生物活性剤のいくつかの他の例には、抗体、受容体リガンド、酵素、接着ペプチド、血液凝固因子、阻害剤又はストレプトキナーゼ及び組織プラスミノーゲン活性化因子などの血栓溶解剤、免疫抗原、ホルモン及び成長因子、アンチセンスオリゴヌクレオチド及びリボザイムなどのオリゴヌクレオチド、並びに遺伝子療法に使用するレトロウィルスベクターが含まれる。
[0066]抗増殖剤には、例えば、アクチノマイシンD、アクチノマイシンIV、アクチノマイシンI、アクチノマイシンX、アクチノマイシンC及びダクチノマイシン(COSMEGEN(登録商標)、Merck&Co.,Inc.)が含まれる。
[0067]抗新生物薬又は抗有糸分裂薬には、例えば、パクリタキセル(TAXOL(登録商標)、Bristol−Myers Squibb Co.)、ドセタキセル(TAXOTERE(登録商標)、Aventis S.A.)、メトトレキセート、アザチオプリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、フルオロウラシル、アドリアマイシン、ミュータマイシン(mutamicin)、塩酸ドキソルビシン(ADRIAMICIN(登録商標)、Pfizer,Inc.)及びマイトマイシン(MUTAMYCIN(登録商標)、Bristol−Myers Squibb Co.)、並びに任意のプロドラッグ、代謝産物、類似体、相同体、同族体、官能性誘導体、構造性誘導体、塩及びそれらの組合せが含まれる。
[0068]抗血小板薬、抗凝固剤、抗フィブリン及び抗トロンビンには、例えば、アスピリン、ヘパリンナトリウム、低分子量ヘパリン、ヘパリン類似物質、ヒルジン、アルガトロバン、フォルスコリン、バピプロスト、プロスタサイクリン及びプロスタサイクリン類似体、デキストラン、D−phe−pro−arg−クロロメチルケトン(合成抗トロンビン)、ジピリダモール、糖タンパク質IIb/IIIa血小板膜受容体アンタゴニスト抗体、組換えヒルジン及びトロンビン阻害剤(ANGIOMAX(登録商標)、Biogen,Inc.)、並びに任意のプロドラッグ、代謝産物、類似体、相同体、同族体、官能性誘導体、構造性誘導体、塩及びそれらの組合せが含まれる。
[0069]細胞増殖抑制剤又は抗増殖剤には、例えば、アンジオペプチン、カプトプリル(CAPOTEN(登録商標)及びCAPOZIDE(登録商標)、Bristol−Myers Squibb Co.)、シラザプリル又はリシノプリル(PRINIVIL(登録商標)及びPRINZIDE(登録商標)、Merck&Co.,Inc.)などのアンジオテンシン変換酵素阻害剤;ニフェジピンなどのカルシウムチャネル遮断薬;コルヒチン;線維芽細胞増殖因子(FGF)アンタゴニスト、魚油(ω3−脂肪酸);ヒスタミンアンタゴニスト;ロバスタチン(MEVACOR(登録商標)、Merck&Co.,Inc.);それに限定されるものではないが、血小板由来成長因子(PDGF)受容体に特異的な抗体を含めたモノクローナル抗体;ニトロプルシド;ホスホジエステラーゼ阻害剤;プロスタグランジン阻害剤;スラミン;セロトニン遮断薬;ステロイド;チオプロテアーゼ阻害剤;それに限定されるものではないが、トリアゾロピリミジンを含めたPDGFアンタゴニスト;及び酸化窒素並びに任意のプロドラッグ、代謝産物、類似体、相同体、同族体、官能性誘導体、構造性誘導体、塩及びそれらの組合せが含まれる。
[0070]抗アレルギー薬には、それに限定されるものではないが、ペミロラストカリウム(ALAMASTO(登録商標)、Santen,Inc)、並びに任意のプロドラッグ、代謝産物、類似体、相同体、同族体、官能性誘導体、構造性誘導体、塩及びそれらの組合せが含まれる。
[0071]ステロイド系及び非ステロイド系抗炎症剤を含めた抗炎症剤の例には、タクロリムス、デキサメタゾン、クロベタゾール、それらの組合せが含まれる。
[0072]本発明に有用な他の生物活性剤には、それらに限定されるものではないが、フリーラジカル捕捉剤;酸化窒素供与体;ラパマイシン;メチルラパマイシン;42−Epi−(テトラゾイルイル)ラパマイシン(ABT−578);エベロリムス;タクロリムス;40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン;40−O−(3−ヒドロキシ)プロピルラパマイシン;40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン;米国特許第6,329,386号に記載のものなどのテトラゾール含有ラパマイシン類似体;エストラジオール;クロベタゾール;イドキシフェン;タザロテン;αインターフェロン;上皮細胞などの宿主細胞;遺伝子組換え上皮細胞;デキサメタゾン;並びに任意のプロドラッグ、代謝産物、類似体、相同体、同族体、官能性誘導体、構造性誘導体、塩及びそれらの組合せが含まれる。
[0073]フリーラジカル捕捉剤には、それらに限定されるものではないが、2,2’,6,6’−テトラメチル−1−ピペリニルオキシ、フリーラジカル(TEMPO);4−アミノ−2,2’,6,6’−テトラメチル−l−ピペリニルオキシ、フリーラジカル(4−アミノ−TEMPO);4−ヒドロキシ−2,2’,6,6’−テトラメチル−ピペリデン−1−オキシ、フリーラジカル(4−ヒドロキシ−TEMPO)、2,2’,3,4,5,5’−ヘキサメチル−3−イミダゾリニウム−1−イルオキシメチルサルフェート、フリーラジカル;4−カルボキシ−2,2’,6,6’−テトラメチル−l−ピペリニルオキシ、フリーラジカル(4−カルボキシ−TEMPO);16−ドキシル−ステアリン酸、フリーラジカル;スーパーオキシドジスムターゼ擬態(SODm)、並びに任意の類似体、相同体、同族体、官能性誘導体、構造性誘導体、塩及びそれらの組合せが含まれる。
[0074]酸化窒素供与体には、それらに限定されるものではないが、S−ニトロソチオール、亜硝酸塩、N−オキソ−N−ニトロソアミン、酸化窒素シンターゼ基質、スペルミンジアゼニウムジオラートなどのジアゼニウムジオラート、並びに任意の類似体、相同体、同族体、官能性誘導体、構造性誘導体、塩及びそれらの組合せが含まれる。
[0075]適切な他の治療物質又は薬剤には、メシル酸イマチニブ、ピメクロリムス及びミドスタウリンが含まれる。
[0076]適切な他の治療物質又は薬剤には、αインターフェロン、生物活性RGD及び遺伝子組換え上皮細胞が含まれる。
[0077]前記物質は、それらのプロドラッグ又はコドラッグの形態で使用することもできる。前記物質は、一例としてリストされ、それに限定されるものではない。現在入手可能な又は将来開発され得る他の活性薬剤も同様に適用できる。
[0078]好ましい治療効果を生じるために必要とされる生物活性剤の用量又は濃度は、その生物活性剤が毒性作用を生じるレベルより低く、非治療的結果が得られるレベルより高くあるべきである。血管領域の所望の細胞活性を阻害するのに必要とされる生物活性剤の用量又は濃度は、患者特有の状況、外傷の性質、所望の療法の性質、投与される成分が血管部位に残存する時間、並びに他の活性薬剤が用いられる場合、その物質又は物質の組合せの性質及びタイプなどの要因に依存することができる。治療有効用量は、実験的に、例えば適切な動物モデル系の血管に注入し、薬剤及びその効果を検出するために免疫組織化学、蛍光又は電子顕微鏡検査法を用いることによって、或いは適切なin vitro研究を行うことによって決定することができる。用量を決定するための標準的な薬理学試験法は、当業者に理解される。
[0079]診断用薬剤の例には、放射線不透過性材料が含まれ、それらに限定されるものではないが、ヨウ素又は例えば、イオヘキソール及びイオパミドールなどのヨウ素誘導体を含む、X線で検出できる材料が含まれる。例えば放射性同位体などの他の診断用薬剤は、放射線放射をトレースすることによって検出することができる。他の診断用薬剤には、磁気共鳴画像(MRI)、超音波、並びに例えば蛍光又は陽電子放出断面撮影(PET)などの他の撮像法によって検出できるものが含まれ得る。MRIで検出できる薬剤の例は、常磁性薬剤であり、限定されるものではないが、それにはガドリニウムキレート化合物が含まれる。超音波で検出できる薬剤の例には、それに限定されるものではないが、パーフレキサンが含まれる。蛍光薬剤の例には、それに限定されるものではないが、インドシアニングリーンが含まれる。診断用PETに使用される薬剤の例には、それらに限定されるものではないが、フルオロデオキシグルコース、フッ化ナトリウム、メチオニン、コリン、デオキシグルコース、ブタノール、ラクロプライド、スピペロン、ブロモスピペロン、カーフェンタニル及びフルマゼニルが含まれる。
[0080]いくつかの実施形態は、抗増殖物質、抗新生物物質、抗炎症物質、抗血小板物質、抗凝固物質、抗フィブリン物質、抗トロンビン物質、抗有糸分裂物質、抗生物質又は抗酸化物質の少なくとも1種或いは任意の組合せを含有しないように、薬剤を選択する。本発明のいくつかの実施形態は、アクチノマイシンD、アクチノマイシンDの誘導体及び類似体、ダクチノマイシン、アクチノマイシンIV、アクチノマイシンI、アクチノマイシンX、アクチノマイシンC、パクリタキセル、ドセタキセル、アスピリン、ヘパリンナトリウム、低分子量ヘパリン、ヒルジン、アルガトロバン、フォルスコリン、バピプロスト、プロスタサイクリン、プロスタサイクリン類似体、デキストラン、D−phe−pro−arg−クロロメチルケトン(合成抗トロンビン)、ジピリダモール、糖タンパク質IIb/IIIa血小板膜受容体アンタゴニスト、組換えヒルジン、トロンビン阻害剤及び7E−3B、メトトレキセート、アザチオプリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、フルオロウラシル、アドリアマイシン、ミュータマイシン、アンジオペプチン、アンジオテンシン変換酵素阻害剤、カプトプリル、シラザプリル又はリシノプリル、カルシウムチャネル遮断薬、ニフェジピン、コルヒチン、線維芽細胞増殖因子(FGF)アンタゴニスト、ヒスタミンアンタゴニスト、ロバスタチン、モノクローナル抗体、PDGF受容体、ニトロプルシド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、プロスタグランジン阻害剤、セラミン、PDGFアンタゴニスト、セロトニン遮断薬、チオプロテアーゼ阻害剤、トリアゾロピリミジン、酸化窒素、αインターフェロン、遺伝子組換え上皮細胞、デキサメタゾン、エストラジオール、クロベタゾールプロピオネート、シスプラチン、インスリン抵抗性改善薬、受容体チロシンキナーゼ阻害剤、カルボプラチン、ラパマイシン、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン又は40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシンの官能性類似体(functional analogs)、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシンの構造性誘導体、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、及び40−O−2−(2−ヒドロキシ)エトキシエチル−ラパマイシンの少なくとも1種或いは任意の組合せを含有しないように、薬剤を選択する。
[0081]本発明のいくつかの実施形態は、薬剤又は薬剤の組合せを含み、いくつかは、薬剤又は薬剤の組合せを要する。本発明のいくつかの実施形態は、先に具体的にリストされた薬剤のうち、それらの薬剤の1つ又は任意の組合せを除外する。
[0082]好ましい治療効果を生じるために必要とされる有効成分の用量又は濃度は、その有効成分が毒性作用を生じるレベルより低く、非治療的結果が得られるレベルより高くあるべきである。血管領域の所望の細胞活性を阻害するのに必要とされる有効成分の用量又は濃度は、患者特有の状況、外傷の性質、所望の療法の性質、投与される成分が血管部位に残存する時間、並びに他の生物活性物質が用いられる場合、その物質又は物質の組合せの性質及びタイプなどの要因に応じて決めることができる。治療有効用量は、実験的に、例えば適切な動物モデル系の血管に注入し、薬剤及びその効果を検出するために免疫組織化学、蛍光又は電子顕微鏡検査法を用いることによって、或いは適切なin vitro研究を行うことによって決定することができる。用量を決定するための標準的な薬理学試験法は、当業者に理解される。
[0083]一例として、ポリマーは、組成物の全重量の約0.1重量%から約35重量%、より厳密には約2重量%から約20重量%を占めることができ、溶媒は、組成物の全重量の約59.9重量%から約99.8重量%、より厳密には約79重量%から約87重量%を占めることができ、有効成分は、組成物の全重量の約0.1重量%から約75重量%、より厳密には約20重量%から約60重量%を占めることができる。ポリマーと溶媒の特定の重量比の選択は、それに限定されるものではないが、デバイスが製造される材料、デバイスの幾何学的構造、並びに使用される有効成分のタイプ及び量などの要因に依存する。組成物に混合される有効成分の具体的な重量パーセントは、放出の持続期間、放出累積量及び所望の放出速度などの要因に依存する。
[0084]任意選択で、組成物中の有効成分の溶解性を改善するために、及び/又は組成物の湿潤性を高めるために、テトラヒドロフラン(THF)又はジメチルホルムアミド(DMF)などの第2の流体又は溶媒を使用することができる。組成物の湿潤性を高めることによって、より均一にコーティングが塗布されることが発見されている。第2の流体又は溶媒を組成物に添加することができ、或いはブレンドとの混合の前に、有効成分を第2溶媒に添加することができる。
[0085]第2の流体の使用では、一例として、ポリマーは、組成物の全重量の約0.1重量%から約35重量%、より厳密には約2重量%から約20重量%を占めることができ、溶媒は、組成物の全重量の約19.8重量%から約98.8重量%、より厳密には約49重量%から約79重量%を占めることができ、第2の溶媒は、組成物の全重量の約1重量%から約80重量%、より厳密には約5重量%から約40重量%を占めることができ、有効成分は、組成物の全重量の約0.1重量%から約40重量%、より厳密には約1重量%から約9重量%を占めることができる。ポリマー、溶媒及び第2の溶媒の特定の重量比の選択は、それに限定されるものではないが、埋め込み式デバイスが製造される材料、デバイスの幾何学的構造、並びに用いられる有効成分のタイプ及び量などの要因に依存する。組成物に混合される有効成分の具体的な重量パーセントは、放出の持続期間、放出累積量、及び所望の放出速度などの要因に依存する。
[0086]表2は、適切な組合せの例示的リストである。
Figure 2008535549
(減速膜のための組成物)
[0087]減速膜又は拡散バリア層の組成物の実施形態は、全ての構成要素を組み合わせる通常の方法によって調製される。粒子を使用する実施形態において、凝集塊又は粒子フロック(particle flocs)の形成を回避するために、分散技術も使用されるべきである。
[0088]より詳細には、バリア層の組成物は、リザーバー層の選択された部分に塗布することができる。バリア層は、放出速度を低減又は有効成分がリザーバー層から放出される時間を遅延することができる。一実施形態では、血液適合性を最大にするために、ポリエチレングリコール又はポリエチレンオキサイドをブレンドに添加することもできる。エチレンビニルアルコールは、機能上非常に適切なポリマーの選択である。このコポリマーは、有効成分の放出速度を良好に制御することを可能にする。通常、エチレンコモノマー含有量が増加すると、コポリマーマトリックスから有効成分が放出される速度が低下する。ポリマーの親水性が低減するにつれて、有効成分の放出速度が低下する。エチレンコモノマーの含有量の増加は、特にビニルアルコールの含有量が付随して低減されるとき、コポリマーの全体的な疎水性を高める。
[0089]有益には、バリア層のポリマーの選択は、リザーバー層について選択されたポリマーと同じであってもよい。同じポリマーの使用は、2種の異なるポリマー層を使用した場合に存在し得る接着性の欠如などの界面不相溶性を著しく低減又は排除する。
[0090]無機又は有機タイプの粒子は、ブレンドに添加することができる。粒子は、それらに限定されるものではないが、蛇行性、除外体積及び吸収性などのバリアタイプの性質を有する任意の適切な材料から製造することができる。“蛇行性(Tortuosity)”とは、有効成分が層から排出されるためにそれを通る、及びその周囲で移動しなければならない規定された空間又は蛇行通路を作り出すための、ポリマーマトリクスにおける空間の排除を指す。“除外体積”とは、普通なら有効成分の分散のために利用可能である、粒子によって置き換えられた体積を指す。“吸収性”とは、粒子と組み合わせて使用される有効成分と間の相互作用に依存して決まるクロマトグラフィー効果を指す。有効成分は、シリカ又はヒュームドカーボン粒子などの粒子の表面によって部分的に吸収され、放出され得る。
[0091]粒子は、ブレンドに分散するべきである。“分散する”とは、凝集塊又はフロックではなく、個々の粒子として存在する粒子と定義される。いくつかのポリマー−溶媒のブレンドでは、ある種の粒子は、通常の混合により分散するであろう。そうでなければ、粒子は、ボールミル、ディスクミル、サンドミル、摩砕機、ローターステーター混合機、超音波処理などの高せん断プロセスによって組成物に分散することができ、そのような高せん断技術は、全て当業者に周知である。任意選択で、前述の湿潤性流体の1種をブレンドに添加することもできる。湿潤性流体は、かき混ぜの前、それと同時又はその後に添加することができる。粒子の分散を助けるために、界面活性剤、乳化剤又は安定剤の形態の生体適合性分散剤をブレンドに添加することもできる。
[0092]粒子は、ルチル酸化チタン、アナターゼ二酸化チタン、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、酸化イリジウム又は酸化タングステンなどの金属酸化物から製造することができる。別の実施形態では、粒子は、シリカ(酸化ケイ素)又はアルミナ(酸化アルミニウム)などの主族酸化物(main group oxide)から製造することができる。金、ハフニウム、白金、イリジウム、パラジウム、タングステン、タンタル、ニオビウム、ジルコニウム、チタン、アルミニウム又はクロムなどの金属製粒子も使用することができる。別の実施形態では、例えばランプブラック、ファーネスブラック、カーボンブラック、ヒュームドカーボンブラック、ガスブラック、チャンネルブラック、活性炭、ダイアモンド、ダイアモンド様カーボン又はCVDダイアモンドから製造された炭素質粒子を使用することができる。さらに別の実施形態では、粒子は、窒化チタン、窒化クロム及び窒化ジルコニウムなどの窒化物から製造することができる。さらに別の実施形態では、炭化タングステン、炭化ケイ素、又は炭化チタンなどの炭化物、並びにヒドロキシアパタイト、ダーライト、ブラッシュ石、リン酸三カルシウム、硫酸カルシウム及び炭酸カルシウムなどのカルシウム塩を使用することができる。他の無機粒子は、ケイ化物、チタン酸バリウム、及びチタン酸ストロンチウムから製造された粒子を含むことができる。
[0093]粒子は、ポリオレフィン、ポリウレタン、セルロース誘導体(cellulosics)(即ち、セルロースから誘導されたマー単位を有するポリマー)、ポリエステル、ポリアミド、ポリ(ヘキサメチレンイソフタルアミド/テレフタルアミド)(SELAR PA(商標)として市販)、ポリ(エチレンテレフタレート−co−p−オキシベンゾエート)(PET/PHB、例えば約60−80モルパーセントのPHBを有するコポリマー)、ポリ(ヒドロキシアミドエーテル)、ポリアクリレート、ポリアクリロニトリル、アクリロニトリル/スチレンコポリマー(LOPACとして市販)、ゴム変性アクリロニトリル/アクリレートコポリマー(BAREXとして市販)、ポリ(メチルメタクリレート)、液晶ポリマー(LCP)(例えば、Hoescht−Celaneseから入手可能なVECTRA、DuPontから入手可能なZENITE及びAmoco Performance Chemicalsから入手可能なXYDAR)、ポリ(フェニレンスルフィド)、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(エチレン−ビニルアルコール)(例えば約27から約47モルパーセントのエチレン含有量を有するEVAL)、アミン硬化によるビスフェノールAベースのジエポキシドからなるエポキシ、脂肪族ポリケトン(例えば、Shellから入手可能なCARILON及びBritish Petroleumから入手可能なKETONEX)、ポリスルホン、ポリ(エステル−スルホン)、ポリ(ウレタン−スルホン)、ポリ(カーボネート−スルホン)、ポリ(3−ヒドロキシオキセタン)、ポリ(アミノエーテル)、ゼラチン、アミロース、パリレン−C、パリレン−D、パリレン−Nのポリマーを含む適切なポリマーから製造することもできる。
[0094]代表的なポリオレフィンには、炭素原子約2から6個を有するα−モノオレフィンモノマーをベースとするもの及びハロゲン置換オレフィン、即ちハロゲン化ポリオレフィンが含まれる。一例であり、それらに限定されるものではないが、低から高密度ポリエチレン、本質的に可塑化されていないポリ(塩化ビニル)、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(フッ化ビニル)、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリ(テトラフルオロエチレン)(テフロン)、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)(KEL−F)及びそれらの混合物が適している。低から高密度ポリエチレンは、一般に、約0.92gcm−3から約0.96gcm−3の密度を有すると理解されているが、密度の分類には明確な線引きができず、密度は供給者によって変わり得る。
[0095]代表的なポリウレタンには、保存又は周囲温度を超えるガラス転移温度、例えば少なくとも40℃から60℃のガラス転移温度を有する、或いは炭化水素、シリコーン、フルオロシリコーン又はそれらの混合物を含む非極性ソフトセグメントを有するポリウレタンが含まれる。例えば、Elastomedic/CSIRO Molecular Science製のELAST−EONは、1,4−ブタンジオール、4,4'−メチレンジフェニルジイソシアネート、並びにポリ(ヘキサメチレンオキシド)(PHMO)及びビスヒドロキシエトキシプロピルポリジメチルシロキサン(PDMS)のブレンドからなるソフトセグメントから製造される非極性ソフトセグメントを有するポリウレタンである。有用な例は、PHMO20重量%とPDMS80重量%のブレンドを有する。
[0096]セルロース誘導体の代表例には、それらに限定されるものではないが、約0.8超又は約0.6未満の置換度(DS)を有するセルロースアセテート、エチルセルロース、硝酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、メチルセルロース及びそれらの混合物が含まれる。
[0097]代表的なポリエステルには、それらに限定されるものではないが、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレン2,6−ナフタレンジカルボキシレート)(PEN)及びポリ(エチレンテレフタレート)などの飽和又は不飽和ポリエステルが含まれる。
[0098]代表的なポリアミドには、それらに限定されるものではないが、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−6,9、ナイロン−6,10、芳香族ナイロンMXD6(Mitsubishi Gas Chemical America Inc.製)及びそれらの混合物などの結晶質又は非晶質ポリアミドが含まれる。
[0099]代表的なポリアクリレートには、それに限定されるものではないが、ポリ(メチルメタクリレート)及びポリメタクリレートが含まれる。
[0100]粒子は、前述のポリマーの混合物であってもよい。例えば、ポリマーは、約70重量%から約99重量%のアクリロニトリル及び約30重量%から約1重量%のスチレンを含むことができる。同様に、塩化ビニル含有量が約1から約30モルパーセントの塩化ビニルと塩化ビニリデンのコポリマー、PHB含有量が約60から約80モルパーセントのPET/PHBコポリマーは効果的に機能する。
(デバイスに組成物を塗布する方法)
[0101]プライマー層を塗布する前に、デバイス又はプロテーゼの表面は清浄にされるべきであり、製造中に導入されることがある汚染物質を含むべきではない。しかしながらプロテーゼの表面は、塗布されるコーティングを保持するための特別な表面処理を必要としない。ステントの金属製表面は、例えば当業者に周知のアルゴンプラズマプロセスによって清浄にすることができる。組成物の塗布は、組成物をプロテーゼ上に噴霧する、又は組成物中にプロテーゼを浸漬するなど、通常の任意の方法によることができる。より均一なコーティングを得るために、拭取り、遠心、ブローイング又は他のウェブクリーニング法などの操作を行うこともできる。簡潔には、拭取りとは、ステントの表面から過剰なコーティングを物理的に除去することを指し、遠心とは、回転軸周囲でのステントの急速な回転を指し、ブローイングとは、堆積したコーティングに選択された圧力で空気を当てることを指す。過剰なコーティングは、デバイスの表面から吸引除去することもできる。湿潤性流体の添加は、組成物のばらつきのない塗布をもたらし、それにより、やはりコーティングをプロテーゼの表面に均一に堆積させる。
[0102]EVAL、ポリカプロラクトン、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(ヒドロキシブチラート)などの熱可塑性ポリマーを用いる場合、堆積したプライマー組成物は、選択されたポリマーの、およそガラス転移温度(T)超及びおよそ融解温度(T)未満の範囲の温度で加熱処理することができる。この温度範囲での組成物の処理によって、予期しない結果、特にステントの金属製表面へのコーティングの強力な接着又は結合が見出された。デバイスは任意の適切な期間、加熱処理するべきであり、これによってデバイス表面のプライマーコーティングの形成、及び溶媒又は溶媒と湿潤性流体との組合せの蒸発が可能となる。本質的に溶媒及び湿潤性流体の全てが組成物から除去されるが、痕跡又は残渣はポリマーにブレンドされたままであり得ることが理解される。
[0103]表3は、本発明の実施形態で使用されるポリマーのいくつかのT及びTをリストしたものである。ポリマーのT及びTは、当業者によって見出され得る。記載の例示的温度及び暴露時間は、例示のために提供されるものであり、限定するものではない。
Figure 2008535549
[0104]前述の熱硬化性ポリマーの1種を使用する場合、開始剤の使用を要することがある。一例として、ビスフェノールA樹脂のジグリシジルエーテルからなるエポキシ系は、アミン硬化剤で硬化することができ、熱硬化性ポリウレタンプレポリマーは、ポリオール、ポリアミン又は水(湿分)で硬化することができ、アクリル化ウレタンは、UV光で硬化することができる。焼成される場合、温度は選択されたポリマーのTを超えてもよい。
[0105]シラン、チタネート及びジルコネートなどの無機ポリマーを使用する場合、プレポリマー又は前駆体を含有する組成物を塗布し、溶媒を蒸発させる。
[0106]プライマー層が塗布されるとき、又はプライマーコーティングが形成された後、プライマーの表面区域を広げるために、プライマーの表面を改変することができる。例えば、一実施形態では、凹凸又は粗い区域をプライマー層の表面に作り出す。プロテーゼの外表面を覆うプライマー層上の凹凸を作り出すために、様々な方法を使用することができる。一方法では、プライマー層を乾燥した後、砂材料の加圧された流れをポリマープライマーコーティングに当てる。このようなプロセスの例には、ビーズブラスト及びサンドブラストが含まれる。ビーズブラストは、加圧ガスを使用して、比較的均一な直径のビーズを高速で対象物に発射することを指す。そのビーズは、それらに限定されるものではないが、酸化アルミニウム、酸化ケイ素又はラテックスなどの材料から製造することができる。サンドブラストでは、発射される砂は、ビーズブラストほど均一な直径ではない。ビーズブラスト及びサンドブラストは両方、当業者には周知の技術である。加圧砂の供給源を使用して実現される粗さは、砂のサイズ、例えばビーズの直径、使用される圧力、砂の供給源とプライマー表面との間の距離、並びに砂がプライマー表面にブラストされる時間の長さによって制御することができる。一例であり、それに限定されるものではないが、砂は10μmから50μmの直径のビーズであってもよい。30PSI(1インチ当たりのポンド)から60PSIの圧力を使用して、ステントより約3から10cmの距離からビーズを発射することができる。
[0107]プライマー層を乾燥させた後、レーザーエッチングを使用して、プライマーコーティング上に凹凸又は細孔を作り出すこともできる。レーザーリソグラフィー法は、当業者に知られている。レーザーは、所望のエッチング率及びエッチング深度によって決まる所定の期間、プライマーコーティング上に当てられる。レーザーを利用する前に、複数の開口を有するパターン付きマスクをプライマーコーティング上に適用することができる。次いでレーザーで、マスクの開口を通してプライマーをエッチングする。パターン付きマスクとレーザーエッチングとの併用は、当業者に知られている。
[0108]さらに、プライマーをステント外表面の上に堆積させるやり方によって、凹凸を作り出すことができる。プライマーは、物理的蒸着プロセスを介して、例えばスパッタリングによって添加することができる。プライマーコーティングの凹凸を形成するために、薄膜蒸着に一般に使用されるよりも低い圧力及び短い蒸着時間のプロセス条件が使用される。
[0109]さらに、プライマーコーティングの表面は、多孔質マトリックスを形成するための方法を使用することによって改変することができる。プライマーコーティングの多孔質マトリックスは、例えば、プライマー層のポリマーの一部分を相転換によって沈殿させることにより提供することができる。一例として、ポリマーを2種類の混和性溶媒と混合して、溶液を形成する。溶媒の1種(溶媒A)は、別の溶媒(溶媒B)より低揮発性であるべきである。さらに、ポリマーは、溶媒Aに対して低溶解性であるべきである。次いで、その溶液を、埋め込み型デバイスの表面の一部分に塗布することができる。次に、溶媒を蒸発させる際、溶媒Bがコーティングから実質的に除去されるにつれて、ポリマーがゆっくり沈殿する。その結果、完全に乾燥させた後にポリマーマトリックスが多孔質になる。細孔のサイズは、ポリマー及び溶媒の選択並びに溶液の相対濃度によって制御できることが、当業者には理解されよう。プライマー領域への多孔質マトリックスの深さは、プライマー層の一部分がステントの表面に塗布された後に相転換技術を使用するだけで制御することができる。直径約0.1ミクロンから約1ミクロンの範囲の細孔が適している。
[0110]プライマー層の多孔質マトリックスは、ポロゲンを使用することによって形成することもできる。例えば、ポロゲンを、プライマー組成物に単分散粒子として添加して、ポロゲン懸濁液を形成することができる。ポロゲン粒子は、プライマー組成物の全重量の約5重量%から約50重量%を占めることができる。ポロゲン粒子のサイズは、約0.1ミクロンから2ミクロンであってもよい。次いで、組成物をデバイスに塗布することができ、層が形成された後、適切な溶媒を用いてポロゲンを溶解し、プライマー層に小腔又は細孔を残して多孔質マトリックスを形成することができる。ポロゲン粒子の代表例には、塩化ナトリウム及びグリシン球が含まれる。有益には、適切な溶媒は、ポロゲンに対して相溶性のある溶媒だが、プライマー層を形成するために使用されるポリマーを実質的に溶解しない。塩化ナトリウム又はグリシン球をポロゲンとして使用する場合、水が適切な溶媒の代表例である。
[0111]多孔質マトリックスは、焼成プロセスを使用することによって形成することもできる。焼成は、粒子のいくつかが部分的に融解することによって粒子が一緒になって結合する製造プロセスである。例えば、ポリマー粉末又は粒子をデバイスの表面に塗布し、次いで一緒に圧縮することができる。粒子は、有益には約1ミクロンから約10ミクロンである。次いで、ポリマー粒子を、ポリマーの融点をわずかに下回る温度又は融点近辺の温度まで加熱することができる。粒子の全てが完全に融解することなく、粒子がそのそれぞれの表面で互いに結合する。格子状の粒子間に空間が残って、多孔質小腔を形成する。
[0112]プライマー層の塗布に続いて、有効成分を含有する組成物(即ちリザーバー層)を、プライマーコーティングの指定された部分に塗布することができる。異なる有効成分を含有する組成物をプライマー層の選択された部分に塗布するために、マスキング技術を実施することができる。したがって、様々な有効成分の多様なカクテル配合物又は組合せを有するステントを製造することができる。溶媒(複数可)又は溶媒(複数可)と湿潤性流体との組合せは、溶媒(複数可)又は溶媒(複数可)と湿潤性流体との組合せを蒸発させることによって組成物から除去する。所定の温度で所定の期間、デバイスを加熱することによって蒸発を誘発することができる。例えば、デバイスを約60℃の温度で約12時間から約24時間加熱することができる。加熱は、無水雰囲気下、大気圧で行うことができ、有効成分に悪影響を及ぼす温度を超えるべきではない。或いは、加熱は真空条件下で行うことができる。本質的に全ての溶媒及び湿潤性流体が、有効成分を含有する組成物から除去されるが、痕跡又は残渣がポリマーにブレンドされたままであり得ることが理解される。
[0113]拡散バリア層は、溶媒(複数可)又は溶媒(複数可)/湿潤性流体の蒸発、及び有効成分含有コーティングのポリマーの乾燥に続いて、有効成分含有コーティングの指定された部分に施すこともできる。拡散バリア層は、デバイス上に組成物を噴霧することによって、又は組成物にデバイスを浸漬することによって塗布することもできる。バリア領域を形成するために、上述のプロセスを同様に繰り返すことができる。
(使用方法)
[0114]上述の方法に従って、有効成分を医療デバイス、例えばステントに塗布し、ステントの送達及び拡張中、ステント上に保持し、埋め込み部位において所望の制御速度で所定の期間放出することができる。上述のコーティング層を有するステントは、一例として、胆管、食道、気管/気管支及び他の生体通路における腫瘍によって生じる閉塞の治療を含めた様々な医療処置に有用である。上述のコーティング層を有するステントは、平滑筋細胞の異常又は不適切な移動及び増殖、血栓症並びに再狭窄による血管の閉塞部位の治療に特に有用である。ステントは、動脈及び静脈両方の多様な血管に置くことができる。部位の代表的な例には、腸骨、腎臓及び冠状動脈が含まれる。しかし本発明の適用は、ステントに限定されるべきではなく、したがって、コーティングの実施形態は、様々な医療基板と共に用いることができる。
[0115]本発明の特定の実施形態を示し、記載してきたが、より広い態様おける本発明の実施形態から逸脱することなく変更及び修正を加えられることが当業者には明らかであり、したがって添付の請求の範囲は、そのような全ての変更及び修正を、本発明の実施形態の真の精神及び範囲に入るものとしてその範囲内に包含する。さらに、様々な実施形態を先に述べた。便宜上、本発明の実施形態を含む態様の組合せ(モノマーのタイプ又はガス流速など)を、それらが排他的であると表す必要がない場合に、それらが互いに排他的であることを当業者が読み取るようにリストした。しかし、一実施形態についての態様の詳述は、その態様を必要以上の実験なしに組み込むことができる全ての実施形態におけるその使用を開示することを意味する。同様に、一実施形態の構成部分としての態様の詳述は、その態様が特にその態様を除外する補完的実施形態が存在するという暗黙の了解である。
[0116]さらに、いくつかの実施形態は諸範囲を詳述している。この場合、その範囲を一範囲として開示し、端点を含む範囲内のそれぞれの点及びあらゆる点を開示することを意味する。態様の特定の値又は条件を開示する実施形態では、他の点では同じであるが、態様についての値又は条件を具体的に含む補完的な実施形態が存在する。
図1A−1Eは、本発明の実施形態のいくつかによるコーティングの図である。 図1A−1Eは、本発明の実施形態のいくつかによるコーティングの図である。 図1A−1Eは、本発明の実施形態のいくつかによるコーティングの図である。 図1A−1Eは、本発明の実施形態のいくつかによるコーティングの図である。 図1A−1Eは、本発明の実施形態のいくつかによるコーティングの図である。 図2A及び2Bは、異なる層を有するコーティングの図である。 図2A及び2Bは、異なる層を有するコーティングの図である。

Claims (56)

  1. 有効成分の送達のためのコーティングを備える埋め込み型デバイスであって、前記コーティングが、
    埋め込み型デバイスの表面の少なくとも一部分上にポリマーを含み、厚さXを有するプライマー領域と、
    前記プライマー領域の少なくとも選択された一部分上にポリマー及び有効成分を含み、厚さYを有するリザーバー領域と
    を含み、前記有効成分が前記リザーバー領域から前記プライマー領域まで移動する前に、前記プライマー領域の外表面から前記埋め込み型デバイスの表面までの厚さXが測定され、
    (a)前記厚さXが、約0.1ミクロンから約10ミクロンであり、前記厚さYが、約0.5ミクロンから約10ミクロンであり、
    (b)X/Yが、以下の範囲、0.01から0.2、0.05から0.2、0.01から20、0.05から20、0.01から1、0.05から1又は0.01から0.05から選択され、
    或いは
    (a)及び(b)の両方であるデバイス。
  2. 前記厚さXが、約0.1ミクロンから約10ミクロンであり、前記厚さYが約0.5ミクロンから約10ミクロンである、請求項1に記載の埋め込み型デバイス。
  3. X/Yが、0.01以上及び20以下である、請求項1に記載の埋め込み型デバイス。
  4. X/Yが、0.01以上及び0.2以下である、請求項1に記載の埋め込み型デバイス。
  5. X/Yが、0.05以上及び20以下である、請求項1に記載の埋め込み型デバイス。
  6. X/Yが、0.05以上及び0.2以下である、請求項1に記載の埋め込み型デバイス。
  7. 前記プライマー領域又は前記リザーバー領域が、エチレンビニルアルコールコポリマー又はポリ(ブチルメタクリレート)を含む、請求項1に記載の埋め込み型デバイス。
  8. 前記デバイスが患者の体内に挿入された後、前記有効成分が前記リザーバー領域から放出される速度を低減するために、前記リザーバー領域の少なくとも選択された一部分上へのバリア領域の形成をさらに含む、請求項1に記載の埋め込み型デバイス。
  9. 前記デバイスがステントである、請求項1に記載の埋め込み型デバイス。
  10. 前記デバイスがステントである、請求項3に記載の埋め込み型デバイス。
  11. 前記デバイスがステントである、請求項5に記載の埋め込み型デバイス。
  12. 前記デバイスがステントである、請求項7に記載の埋め込み型デバイス。
  13. 埋め込み型デバイス用のコーティングの製造方法であって、
    埋め込み型デバイスの表面の少なくとも一部分上にポリマーを含み、厚さXを有するプライマー領域を形成するステップと、
    前記プライマー領域の少なくとも選択された一部分上にポリマー及び有効成分を含み、厚さYを有するリザーバー領域を形成するステップとを含み、
    (a)前記厚さXが、約0.1ミクロンから約10ミクロンであり、前記厚さYが、約0.5ミクロンから約10ミクロンであり、
    (b)X/Yが、以下の範囲、0.01から0.2、0.05から0.2、0.01から20、0.05から20、0.01から1、0.05から1又は0.01から0.05から選択され、
    或いは
    (a)及び(b)の両方である製造方法。
  14. 前記厚さXが、約0.1ミクロンから約10ミクロンであり、前記厚さYが約0.5ミクロンから約10ミクロンである、請求項13に記載の製造方法。
  15. X/Yが、0.01以上及び20以下である、請求項13に記載の製造方法。
  16. X/Yが、0.01以上及び0.2以下である、請求項13に記載の製造方法。
  17. X/Yが、0.05以上及び20以下である、請求項13に記載の製造方法。
  18. X/Yが、0.05以上及び0.2以下である、請求項13に記載の製造方法。
  19. 前記デバイスが患者の体内に挿入された後、前記有効成分が前記リザーバー領域から放出される速度を低減するために、前記リザーバー領域の少なくとも選択された一部分上にバリア領域を形成するステップをさらに含む、請求項13に記載の製造方法。
  20. 前記プライマー領域又は前記リザーバー領域が、エチレンビニルアルコールコポリマー又はポリ(ブチルメタクリレート)を含む、請求項13に記載の製造方法。
  21. 有効成分の送達のためのコーティングを備える埋め込み型デバイスであって、前記コーティングが、
    埋め込み型デバイスの表面の少なくとも一部分上にポリマーを含み、質量Xを有するプライマー領域と、
    前記プライマー領域の少なくとも選択された一部分上にポリマー及び有効成分を含み、質量Yを有するリザーバー領域とを含み、
    X/Yが、以下の範囲、0.01から0.2、0.05から0.2、0.01から20、0.05から20、0.01から1、0.05から1又は0.01から0.05から選択されるデバイス。
  22. X/Yが、0.01以上及び20以下である、請求項21に記載の埋め込み型デバイス。
  23. X/Yが、0.01以上及び0.2以下である、請求項21に記載の埋め込み型デバイス。
  24. X/Yが、0.05以上及び20以下である、請求項21に記載の埋め込み型デバイス。
  25. X/Yが、0.05以上及び0.2以下である、請求項21に記載の埋め込み型デバイス。
  26. 前記プライマー領域又は前記リザーバー領域が、エチレンビニルアルコールコポリマー又はポリ(ブチルメタクリレート)を含む、請求項21に記載の埋め込み型デバイス。
  27. 前記デバイスが患者の体内に挿入された後、前記有効成分が前記リザーバー領域から放出される速度を低減するために、前記リザーバー領域の少なくとも選択された一部分上へのバリア領域の形成をさらに含む、請求項21に記載の埋め込み型デバイス。
  28. 前記デバイスがステントである、請求項21に記載の埋め込み型デバイス。
  29. 前記デバイスがステントである、請求項22に記載の埋め込み型デバイス。
  30. 前記デバイスがステントである、請求項26に記載の埋め込み型デバイス。
  31. 前記デバイスがステントである、請求項24に記載の埋め込み型デバイス。
  32. 埋め込み型デバイス用のコーティングの製造方法であって、
    埋め込み型デバイスの表面の少なくとも一部分上にポリマーを含み、質量Xを有するプライマー領域を形成するステップと、
    前記プライマー領域の少なくとも選択された一部分上にポリマー及び有効成分を含み、質量Yを有するリザーバー領域を形成するステップとを含み、
    X/Yが、以下の範囲、0.01から0.2、0.05から0.2、0.01から20、0.05から20、0.01から1、0.05から1又は0.01から0.05から選択される製造方法。
  33. X/Yが、0.01以上及び20以下である、請求項32に記載の製造方法。
  34. X/Yが、0.01以上及び0.2以下である、請求項32に記載の製造方法。
  35. X/Yが、0.05以上及び20以下である、請求項32に記載の製造方法。
  36. X/Yが、0.05以上及び0.2以下である、請求項32に記載の製造方法。
  37. 前記デバイスが患者の体内に挿入された後、前記有効成分が前記リザーバー領域から放出される速度を低減するために、前記リザーバー領域の少なくとも選択された一部分上にバリア領域を形成するステップをさらに含む、請求項32に記載の製造方法。
  38. 前記プライマー領域又は前記リザーバー領域が、エチレンビニルアルコールコポリマー又はポリ(ブチルメタクリレート)を含む、請求項32に記載の製造方法。
  39. 有効成分の送達のためのコーティングを備える埋め込み型デバイスであって、前記コーティングが、
    埋め込み型デバイスの表面の少なくとも一部分上にポリマーを含む、質量Xを有するプライマー領域と、
    前記プライマー領域の少なくとも選択された一部分上にポリマー及び有効成分を含む、前記有効成分を除いた質量Yを有するリザーバー領域とを含み、
    X/Yが、以下の範囲、0.01から0.2、0.05から0.2、0.01から20、0.05から20、0.01から1、0.05から1又は0.01から0.05から選択されるデバイス。
  40. X/Yが、0.01以上及び20以下である、請求項39に記載の埋め込み型デバイス。
  41. X/Yが、0.01以上及び0.2以下である、請求項39に記載の埋め込み型デバイス。
  42. X/Yが、0.05以上及び20以下である、請求項39に記載の埋め込み型デバイス。
  43. X/Yが、0.05以上及び0.2以下である、請求項39に記載の埋め込み型デバイス。
  44. 前記プライマー領域又は前記リザーバー領域が、エチレンビニルアルコールコポリマー又はポリ(ブチルメタクリレート)を含む、請求項39に記載の埋め込み型デバイス。
  45. 前記デバイスが患者の体内に挿入された後、前記有効成分が前記リザーバー領域から放出される速度を低減するために、前記リザーバー領域の少なくとも選択された一部分上へのバリア領域の形成をさらに含む、請求項39に記載の埋め込み型デバイス。
  46. 前記デバイスがステントである、請求項39に記載の埋め込み型デバイス。
  47. 前記デバイスがステントである、請求項41に記載の埋め込み型デバイス。
  48. 前記デバイスがステントである、請求項42に記載の埋め込み型デバイス。
  49. 前記デバイスがステントである、請求項44に記載の埋め込み型デバイス。
  50. 埋め込み型デバイス用のコーティングの製造方法であって、
    埋め込み型デバイスの表面の少なくとも一部分上にポリマーを含み、質量Xを有するプライマー領域を形成するステップと、
    前記プライマー領域の少なくとも選択された一部分上にポリマー及び有効成分を含み、前記有効成分を除いた質量Yを有するリザーバー領域を形成するステップとを含み、
    (i)X/Yが、以下の範囲、0.01から0.2、0.05から0.2、0.01から20、0.05から20、0.01から1、0.05から1又は0.01から0.05から選択される製造方法。
  51. X/Yが、0.01以上及び20以下である、請求項50に記載の製造方法。
  52. X/Yが、0.01以上及び0.2以下である、請求項50に記載の製造方法。
  53. X/Yが、0.05以上及び20以下である、請求項50に記載の製造方法。
  54. X/Yが、0.05以上及び0.2以下である、請求項50に記載の製造方法。
  55. 前記デバイスが患者の体内に挿入された後、前記有効成分が前記リザーバー領域から放出される速度を低減するために、前記リザーバー領域の少なくとも選択された一部分上にバリア領域を形成するステップをさらに含む、請求項50に記載の製造方法。
  56. 前記プライマー領域又は前記リザーバー領域が、エチレンビニルアルコールコポリマー又はポリ(ブチルメタクリレート)を含む、請求項50に記載の製造方法。
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