JP2009540931A - ステントコーティングを改変するための凍結−融解法 - Google Patents

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Abstract

ポリマーマトリックス及び1つ又は複数の活性薬剤を含む医療デバイスについての形態及びコーティング層からの活性薬剤の放出速度を制御するための方法が開示されている。この方法は、ウェット又はドライコーティングを凍結−融解サイクルにさらすステップを含む。このコーティング層は、活性薬剤又は活性薬剤の組み合わせの送達を制御するために使用することができる。
【選択図】 図1

Description

発明の詳細な説明
[技術分野]
本発明は、概括的には、医療デバイス、特に植え込み型医療デバイス、及びかかるデバイスにポリマーマトリックス及び1つ又は複数の活性薬剤を含む層をコーティングするための方法に関する。より詳しくは、本発明は、コーティング層の形態を制御するための方法に関係する。本発明は、更に、医療デバイスに対するコーティング層からの活性薬剤放出速度を設計して制御するための方法に関係する。
[背景]
医療デバイスの分野においては、医療デバイスの特性を改良し制御する新たな構成及び方法を探求するためにバイオマテリアルの研究が持続している。これは、予測可能で制御できる実行が患者の治療を成功させるために必須である場合の患者への植え込み型である医療物品に対して特に当てはまる。
植え込み型医療デバイスの一例はステントである。ステントは、患者内の通路を物理的に開放したままにし、必要に応じて拡大するための機械的手段として作用し得る。一般的に、ステントは、圧縮し、カテーテルによって小血管中に挿入し、次に一旦適切な場所にセットしたらより大きな直径まで拡大する。ステントは、さまざまな医療処置、例えば、経皮的冠動脈形成術(PTCA)、即ち閉塞によって封鎖された冠動脈を開くことによる心疾患の治療に用いられる処置などにおいて重要な役割を果たす。ステントは、閉塞の形成を減少し、血栓症及び再狭窄を阻止し、血管腔内の開通性を維持する。ステントについて開示している特許の例としては、米国特許第4733665号明細書、同第4800882号明細書、及び同第4886062号明細書が挙げられる。
ステントは、また、活性薬剤、例えば薬物又はその他の医学的に有益な材料を局所的に送達するためにも開発されている。局所的送達は、特に、特定部位に影響を及ぼすためには高い全身的投与量が必要である全身性の送達よりも、多くの場合好ましい。例えば、薬剤をコートしたステントは、再狭窄と関係する組織増殖を阻止することによってステントの再狭窄の割合の劇的な減少を実証している。
提案されている医療デバイスからの局所送達方法としては、デバイスの表面にポリマーマトリックスを含む層をコーティングし、活性薬剤をそのポリマー骨格に結合させるか、或いはポリマーマトリックス中に分散、含浸又は捕捉させることが挙げられる。例えば、ステントに活性薬剤を塗布する1つの方法は、該薬剤を溶媒に溶解したポリマーとブレンドし、その組成物をステントの表面に塗布し、溶媒を除去して該活性薬剤が含浸、分散又は捕捉されているポリマーマトリックスを残すステップを含む。溶媒の蒸発中に層分離が都合悪く起こる可能性があり、制御が困難な作業条件及び予測して制御するのが困難な薬剤コーティング形態をしばしば結果としてもたらす。これは薬剤の送達を予測できなくする。
更に、異なるステントの間の製造の不一致が、上記のコーティング方法では発生し得る。例えば、放出速度の変動が、同じプロセスによって製造された推定上は同じステントの間で見られている。恐らく、活性薬剤を含むあるポリマーコーティングが医療デバイスの表面で乾燥するときに、コーティングのプロセスパラメータがたとえ一貫している場合でも別のコーティングでは別の形態が発現する。コーティング形態におけるこれらの違いは、別のステントからの活性薬剤の放出速度が著しく変動する原因となり得る。ステント間の一貫性のない放出速度プロフィールの結果として、臨床上の混乱が起こり得る。従って、医療デバイス間の活性薬剤の放出速度の変動を制御し、製造の一貫性を提供することができる方法に対する必要性が存在する。
活性薬剤の放出速度に影響を及ぼす形態変化は、ポリマーマトリックス中の活性薬剤相に依存することが観察されている。コーティング組成物が医療デバイスの表面に塗布されるとき活性薬剤はそのコーティング組成物中に最初は均一に分散している。しかしながら、処理中に該薬剤は移動するか相分離してコーティング層内に別の相領域を形成する可能性がある。これらの領域はしばしば互いに連結しパーコレーション相と呼ばれる。活性薬剤の物質移行特性は、パーコレーション相を通して異なっている。パーコレーション相中の物質移行は、放出媒体中の活性薬剤の溶解性、放出媒体中の活性薬剤の拡散性、及びパーコレート相の形態学的特徴、例えば、捻れ及び領域分割等によって促進される。活性薬剤の放出速度は、これらの領域又は相からのものによりしばしば大幅に増加する。パーコレート相の形成は、例えばコーティング層における活性薬剤対ポリマーの体積分率で約35%を上回る高い活性薬剤濃度で特に著しい。実際の体積百分率は、変動し、活性薬剤のアスペクト比及び形態並びに周りのポリマーの性質に大きく依存する。
それ故、当業者であれば、局所送達には、制御して予測できる改良された放出速度プロフィールばかりでなく、一貫性を提供する製造の改良もまた役立つことを理解するであろう。従って、より信頼性のある性能を備えたコートした医療デバイスを製造するための方法は、患者の効果的な治療を提供することに対して非常に望ましく且つ絶対不可欠である。更に、放出速度の制御は、医療デバイス及びコーティングの物理的及び力学的性質を設計及び維持するのに同様に役立ち得る。
[概要]
ポリマーマトリックス及び1つ又は複数の活性薬剤を含む医療デバイスについての形態及びコーティング層(1つ以上)からの活性薬剤の放出速度を制御するための方法が開示されている。当該方法は、ウェット又はドライコーティングを凍結−融解サイクルにさらすステップを含む。該コーティング層(1つ以上)は、活性薬剤又は活性薬剤の組み合わせの送達を制御するために使用することができる。一実施形態によれば、当該方法は、(a)1つ又は複数のポリマー、1つ又は複数の溶媒及び場合によって1つ又は複数の治療薬を含むコーティング組成物を調製するステップと、(b)該コーティング組成物を医療デバイスに塗布してウェットコーティング層を形成させるステップと、(c)該ウェットコーティング層を凍結−融解サイクルにかけるステップとを含む。該サイクルの凍結部分は、該医療デバイスを液体窒素に浸漬するステップを含むことができる。実施形態によっては、溶媒(1つ以上)の少なくとも一部の量を凍結−融解サイクルの前に除去することができる。
別の実施形態によれば、当該方法は、(a)1つ又は複数のポリマー、1つ又は複数の溶媒及び場合によって1つ又は複数の活性薬剤を含むコーティング組成物を調製するステップと、(b)該コーティング組成物を医療デバイスに塗布してウェットコーティング層を形成させるステップと、(c)該溶媒(1つ以上)を除去してドライコーティング層を、該ドライコーティング層が2%未満の溶媒(1つ以上)を有するように形成させるステップと、(d)該ドライコーティング層を凍結−融解サイクルにかけるステップとを含む。
別の実施形態によれば、該デバイスのコーティングは、温度制御及び温度サイクル機能を備えたオーブン又はチャンバーを用いて凍結−融解サイクルにかける。
実施例による放出速度プロフィールを示すグラフである。
下で更に詳細に論じるように、本発明は、大まかには、ポリマーマトリックス及び1つ又は複数の活性薬剤を含む医療デバイス、特に植え込み型の医療デバイスのためのコーティング層(1層又は複数層)に関係する。本発明は、また、コーティング層の形態及び/又は該層内の活性薬剤の相状態がプロセスパラメータによって制御されるものと考えられるポリマーマトリックス及び1つ又は複数の活性薬剤を含む医療デバイスのためのコーティングを形成する方法を提供する。更に、本発明は、コーティング層の形態及び/又はその層からの薬剤の放出速度を制御するための方法に関連する。
形成中のコーティング層の形態、特にその中の活性薬剤の相状態を制御することによって、そのコーティング層からの活性薬剤の放出速度をより効果的に制御し、製造の不一致を減少又は排除することができるものと考えられる。従って、改良された治療、予防又はその他の生物学的効果を患者の治療において実現させることができる。活性薬剤の放出速度を制御する賦形剤を加えることに代わる本発明の方法のプロセスパラメータの使用は、制御性の放出システムの設計において有利性を提供する。更に、活性薬剤放出速度の制御は、ポリマーマトリックスの機械的完全性、並びに吸収性ポリマーの患者の吸収率に対してプラスの意味を有する。
ポリマーマトリックス及び1つ又は複数の活性薬剤を含むコーティング層からの活性薬剤放出速度を設計、制御又は予測するには多くの考慮すべき事柄が存在する。これらには、コーティング層及びその層中の成分の形態;活性薬剤の大きさと形状;層中の活性薬剤相及び相の分布;活性薬剤又は複数薬剤の選択及び濃度;薬剤の多形性の存在;ポリマーマトリックスを形成する1つのポリマー又は複数ポリマー;ポリマー上の官能基の存在;ポリマーマトリックスの親水性又は疎水性;組成物中のその他の添加物、例えば、充填剤、金属、可塑剤、架橋剤の存在;ポリマーマトリックスと活性薬剤(1つ以上)の間の、もしあれば、結合の程度などが含まれるがこれらに限定はされない。
コーティング層の形態は、ポリマーマトリックス内の活性薬剤の分布及び活性薬剤の相が活性薬剤放出速度プロフィールに直接関係するためにコーティング層の性能特性を決定することにおいて特に重要である。特に目標は、コーティング層(1つ以上)内のポリマーマトリックス−活性薬剤の形態を制御して予測可能な活性薬剤放出速度を有する層(1つ以上)を提供することである。本発明の方法は、コーティング層の形態及びポリマーマトリックス中の活性薬剤の相状態を制御するためにプロセスパラメータを使用することが考えられている。本発明の方法は、活性薬剤放出速度を低下させることができる。本発明の更なる態様は、ポリマーマトリックス及び1つ又は複数の活性薬剤を含む医療物品及びデバイスに対する高められたプロセス制御及びコーティング再現性のための方法を提供する。
本明細書で使用する用語「形態」とは、ポリマーマトリックスと、場合によって活性薬剤(1つ以上)と、場合によってその他の成分とが、溶媒の除去後にコーティング層中に存在する状態を意味する。該形態は、コーティング層中の成分の形状、構造、外形又は相等の特性の観点から定義することができる。用語「立体配置(configuration)」もまた、コーティング層の形態を表すために本明細書では使用する。特に、形態は、ポリマーマトリックス中の活性薬剤の相(1つ以上)又は相状態又は分布及びコーティング層内のそれら相の分布の配列を説明するために本明細書では使用する。
コーティング層の形態は、例えば、コーティング内の成分間の相分離の存在及び特徴によって定義することができ、その相分離は、マトリックスのポリマー、薬剤とポリマーの間、薬剤の間、又はポリマーマトリックス中のその他の成分の間に存在し得る。一実施形態において、該コーティング層の形態は、ポリマーマトリックス内の活性薬剤の相の状態若しくは分布、又は相(1つ以上)によって定義される。別の実施形態において、その形態は、例えば、相分離の区域の特徴によって定義することができ、その相分離の区域は、薄い、厚い、連続した、不連続の、疎水性の、親水性の、多孔性の、相互接続した、分散したなどのものであり得る。実施形態によっては、その形態は、例えば、細孔、結晶領域若しくは半結晶領域、無定形領域、金属、セラミックスの存在、薬剤における多形性の存在などを含むがこれらには限定されないポリマーマトリックスのその他の物理的特徴によって定義することができる。当業者にとって形態学的特徴と考えられるどのようなコーティング特性も本発明の範囲内である。該形態は、ポリマーを含む層の特性を明らかにするための技術的に既知の任意の方法又は測定法によって特性化することができる。
コーティング層の成分の「相」は、例えば、成分の、結晶性、半結晶性、液晶性、配向性、又は多形状態によって定義することができる。用語「相状態」は、コーティング層中の成分の相を、特にその成分が複数の相で存在するときに表すために使用される。とりわけ、相状態はコーティング層中の活性薬剤の相分布を表すために使用される。一実施形態において、コーティング層中の活性薬剤の相状態は、1つ又は複数の相を含む。
活性薬剤相の形成は、熱力学的及び速度論的過程に依存する。速度論的過程は、内部動的時間定数と外部時間定数とに更に分けることができる。内部時間定数としては、例えば、活性薬剤の晶析速度及び移動速度が挙げられる。外部時間定数としては、例えば、ウェットコーティング層からの溶媒除去の速度が挙げられる。
本発明の方法及び実施形態は、活性薬剤を、ポリマーマトリックス中に、ブレンドするか、溶解するか、含浸させるか、捕捉するか、又は分配する場合に最も有用である。これは、活性薬剤が、ポリマーマトリックスのポリマー分子によって包囲されて分子の大きさで分子的に存在していることを意味する。これらのタイプの実施形態のいくつかにおいては、活性薬剤はポリマーマトリックスに共有結合はしていない。活性薬剤のコーティング層からの放出、従って放出速度は、ポリマーマトリックス中を拡散する活性薬剤の能力によって決まる。この拡散は、層中の活性薬剤相及びポリマーマトリックスの移送特性に依存する。活性薬剤相を調節又は制御すること、従ってコーティング層からの活性薬剤の放出速度を制御することは本発明の目標の1つである。
実施形態によって、活性薬剤は、コーティング層中に、溶解相、分散相又はパーコレート相として存在する。コーティング層は、3つの活性薬剤相のすべてについていくらかずつの画分を含むことができる。特定の理論に束縛されるわけではないが、共存する相の割合は、コーティング層中の活性薬剤対ポリマーの体積分率、並びに活性薬剤の物理化学的性質、例えばポリマーマトリックス中のその溶解性などによって定まるものであると考えられる。従って、例えば活性薬剤対ポリマーの体積分率で約10%より下の低い活性薬剤対ポリマーの比率において、活性薬剤相は大部分が溶解相である。活性薬剤の割合が増加するにつれて、溶解相と混ざっているその他の相の画分は増加する。
一実施形態において、コーティング層の活性薬剤は、溶解相の状態である。一実施形態において、コーティング層の活性薬剤は、分散相の状態である。一実施形態において、コーティング層の活性薬剤は、パーコレート相の状態である。一実施形態において、コーティング層の活性薬剤は、混合相を含み、その相状態は溶解相、分散相、又はパーコレート相からなる群から選択される2つ以上の相を含む。一実施形態において、活性薬剤の相状態は、溶解相、分散相及びパーコレート相を含む。一実施形態において、活性薬剤の相状態は、主として溶解相である。一実施形態において、活性薬剤の相状態は、主として分散相である。一実施形態において、活性薬剤の相状態は、主として溶解相及び分散相である。コーティング層中に存在する活性薬剤相の割合は、本明細書に記載の方法によって制御することができる。
本明細書で用いられる溶解相とは、活性薬剤が固体ポリマーマトリックス中に固溶体として溶解している活性薬剤相を意味する。つまり、該活性薬剤種は、コーティング相内で他の活性薬剤種と密接に結び付いてはおらず、ポリマーマトリックスのポリマー分子によって包囲されている。溶解相は、その濃度が、コーティング層中の活性薬剤対ポリマーの体積分率として測定されて、例えば、コーティング層中の活性薬剤対ポリマーの体積分率で約10%より低い濃度である特に低い活性薬剤濃度において、そしてまた、溶媒、ポリマーマトリックス及び活性薬剤の間で相分離が起こらないコーティング層中で発生する。更に、溶解相の存在は、ポリマーマトリックスポリマー中の活性薬剤の溶解性に依存する。より高い体積分率においては、溶解相は、通常、他の活性薬剤相と共存する。一実施形態において、コーティング層中の溶解相の量は、分散相又はパーコレート相のいずれかの量と同等以上である。その相は、例えば、活性薬剤濃度、相分離の程度、及びポリマーマトリックスポリマー中の活性薬剤の溶解性に依存して比率変動する。
活性薬剤対ポリマーの体積分率で約10%以上の活性薬剤濃度において、該活性薬剤は、融合して分散相を形成することができる。本明細書で用いる分散相とは、多数の活性薬剤種が融合してコーティング層中にポリマーマトリックスのポリマー分子によって包囲されている活性薬剤の粒子又は塊を形成している相を意味する。分散相は、また、活性薬剤のポリマーマトリックス中での溶解性によってはより低い濃度でも形成が可能である。
本明細書で用いるパーコレート相とは、コーティング相が形成される間に活性薬剤分子がポリマーマトリックス中で著しく移動し、及び/又は相分離してポリマー中に活性薬剤の連結した経路を形成している活性薬剤相を意味する。活性薬剤がパーコレート相として存在するときは、活性薬剤が溶解相又は分散相の状態のときより、活性薬剤のランダムに連結した経路が、活性薬剤がコーティング相から拡散して放出される手段を提供するために、活性薬剤放出速度の制御は少ない。従って活性薬剤のパーコレート相の存在は、コーティング層からの活性薬剤の放出速度に対して大きな影響を有する。パーコレート相の存在は、活性薬剤の放出速度を増大する。活性薬剤の物質移行特性は、パーコレーション相中を通して異なっている。パーコレーション相中の物質移行特性は、放出媒体中の活性薬剤の溶解性、放出媒体中の活性薬剤の拡散性、及びパーコレート相の形態学的特徴、例えば、捻れ及び領域分割等によって促進される。パーコレート相は、殆どの場合、コーティング層中の活性薬剤対ポリマーの体積分率で約35%以上の活性薬剤濃度で観察されるが、ポリマーマトリックス中の活性薬剤の溶解性並びにその他の要因、例えば、活性薬剤のアスペクト比又は形態及び活性薬剤−ポリマー界面特性等によって、より低い濃度でも生じ得る。パーコレート相が支配的な相となる活性薬剤の濃度は、本明細書では「パーコレーション閾値」と呼ぶ。パーコレーション閾値が観察される活性薬剤濃度は、例えば、活性薬剤、ポリマーマトリックス及び溶媒の選択、並びに下記のものを含む要因に依存する。本発明のいくつかの実施形態においては、活性薬剤の濃度は、パーコレーション閾値におけるものであり、活性薬剤は主としてパーコレート相以外の相状態である。
パーコレート相形成の動態は、活性薬剤濃度、溶媒相、使用される溶媒、活性薬剤の移動性、溶媒を除去する温度、溶媒を除去する方法及びその他のプロセス条件、例えば、乾燥が起こる環境等を含む多数の要因によって決まる。溶媒除去の前に本明細書に記載の方法を使用して活性薬剤相を所望の相又は相状態に調節することによって、ポリマーマトリックス内の活性薬剤の相分離及び分散の程度を制御することができる。従って、活性薬剤に対して制御可能な放出速度プロフィールを提供するコーティング層の相状態プロフィール及び形態を生み出すことができる。更に、溶解相又は分散相中の活性薬剤をより高い活性薬剤濃度に調整することによって、パーコレート相の形成が防止又は大幅に減少されるために放出速度に対してより大きな制御が得られる。一実施形態においては、高い活性剤濃度におけるパーコレート相形成動態は、デバイスにコーティング組成物を塗布した後で活性薬剤の相状態を調整することによって制御する。本発明の別の態様は、ウェット状態のコーティング層から溶媒を除去する前に活性薬剤の相状態を調整することによって、活性薬剤の濃度勾配がコーティング層中に形成されるのを制御又は防止するものである。
本発明の1つ又は複数のコーティング層は、1つ又は複数のポリマー及び1つ又は複数の活性薬剤を含有するポリマーマトリックスを含む。場合によって、該コーティング層は、1つ又は複数の添加剤又はその他の成分を更に含むことができる。ポリマー/薬物層に加えて、コーティング層は、プライマー層、他の薬物/ポリマー層(1つ以上)、上塗り層若しくは仕上げコーティング又はこれらの層の任意の組み合わせを含めた任意の数の別の層を含むことができる。
薬剤コーティング層(1つ以上)は、1つ又は複数の活性薬剤を1つ又は複数の溶媒に溶解した1つ又は複数のポリマーと共にブレンドしてコーティング組成物を形成し、そのコーティング組成物を吹き付け又は浸漬等によって医療デバイスの表面又はプライマー層上に塗布し、溶媒(1つ以上)を除去してそのデバイス上にポリマーマトリックス中に分散した活性薬剤(1つ以上)を残すことによって形成させることができる。ポリマーマトリックス及び1つ又は複数の薬剤を含むコーティング層の形態、並びにその層内の活性薬剤の相状態、従ってその層からの薬剤放出速度は、そのコーティング層が形成され、溶媒がそのコーティング組成物から除去されてコーティング層を形成する様式によって大いに影響される。乾燥中に溶媒が除去されるとき、該コーティング層内の活性薬剤の分散及び立体配置は、溶媒とポリマー及び活性薬剤相の間の相分離によって変化し得る。この結果予測及び制御することが困難であるコーティング層の形態及び活性薬剤の分布がもたらされる。
本発明の一実施形態は、コーティング組成物からの溶媒の除去の前、途中及び/又は後で活性薬剤の形態を調整することによってコーティング層の形態を制御する方法を提供する。これらの実施形態のいくつかにおいては、溶媒除去により乾燥したコーティング層が形成される。乾燥したコーティングとは、2%未満の残留溶媒として定義される。実施形態によって、それは1%未満の残留溶媒として定義される。実施形態によって、それは0%の溶媒、即ち、すべての溶媒が完全に除去されたものとして定義される。更に、実施形態によっては、乾燥したコーティングは、例えば0.1%以下といったような残留溶媒の極めてわずかな量を含むことができる。
デバイス表面に付着した直後のコーティング組成物は、「ウェットコーティング層」と呼ばれる。本明細書で用いられる用語「ウェットコーティング層」とは、デバイスに塗布された溶媒を含むコーティング組成物を意味する。「ウェット」は、上で定義したドライコーティングの逆として定義することができ、又は、言い換えれば、コーティング層はそのコーティング層から本質的にすべての溶媒が除去されるまではウェットと称される。実施形態によっては、ウェットは、溶媒のすべて(100%)又は溶媒の90%を超えて含むものと定義される。実施形態によっては、それは、溶媒の80%、70%、60%又は50%を超えて(「過半数」)を含むものと定義される。本発明の複数の実施形態において、ウェットコーティング層中の溶媒は、必ずしも液体状態でなくてもよい。一実施形態において、本発明の方法は、該コーティングがウェットのとき、該コーティングがドライのとき、又は各段階で実施する。別の複数の実施形態においては、溶媒の一部を除去した後にポリマーマトリックス及び活性薬剤の形態を調整する。この除去は、層中の相分離の程度及び活性薬剤相の分布を調節するのに役立ち、従って、活性薬剤の放出速度を制御するのに役立つ。本発明は、相分離又はパーコレート相形成がより起こりやすい高い活性薬剤対ポリマー比を有する組成物に対して特に有用である。本発明の方法は、更に、ポリマーマトリックス内の活性薬剤濃度勾配の発生を制御又は調節することができる。
該コーティング層は、活性薬剤のコーティング層からのより変動の少ない放出速度を提供するものと考えられる。何らかの理論に拘束されているわけではないが、明らかに、その調整プロセスは、コーティング層の熱加工特性及び形態学的特性を、その後の処理に対してより低い感度にしている。明らかに、コーティング層の形態、従って、活性薬剤放出速度を制御することにより、製造の不一致を抑制又は除去することができる。
コーティング層形成の方法
本発明は、医療デバイスに対して制御された活性薬剤の形態を有するコーティング層を形成するための方法を提供する。発明の一実施形態においては、コーティング層を形成している間に活性薬剤の相状態を調整することにより、活性薬剤の放出速度を制御する。実施形態によっては、放出速度を制御することは、コーティングに対して修正が施されなかった場合と比較して放出速度が低下することを意味する。
本発明のいくつかの実施形態において、該方法は、
(a)1つ又は複数のポリマー、1つ又は複数の活性薬剤、及び1つ又は複数の溶媒を含むコーティング組成物を調製するステップと、
(b)該コーティング組成物を医療デバイスに塗布してウェットコーティング層を形成させるステップと、
(c)該ウェットコーティング層を凍結−融解サイクルにかけるステップと、
(d)該1つ又は複数の溶媒を該ウェットコーティング層から除去してコーティング層を形成させるステップと、
を含む。
本発明のいくつかの実施形態において、該方法は、
(a)1つ又は複数のポリマー、1つ又は複数の活性薬剤、及び1つ又は複数の溶媒を含むコーティング組成物を調製するステップと、
(b)該コーティング組成物を医療デバイスに塗布してウェットコーティング層を形成させるステップと、
(c)該1つ又は複数の溶媒の一部を該ウェットコーティング層から除去するステップと、
(d)該ウェットコーティングを凍結−融解サイクルにかけるステップと、
(e)該残留している溶媒(1つ以上)を除去してコーティング層を形成させるステップと、
を含む。
本発明のいくつかの実施形態において、該方法は、
(a)1つ又は複数のポリマー、1つ又は複数の活性薬剤、及び1つ又は複数の溶媒を含むコーティング組成物を調製するステップと、
(b)該コーティング組成物を医療デバイスに塗布してウェットコーティング層を形成させるステップと、
(c)該溶媒(1つ以上)を除去してドライコーティング層を形成させるステップと、
(d)該ドライコーティング層を凍結−融解サイクルにかけるステップと、
を含む。
上記のさまざまな実施形態は、薬物を含むか含まない1つ又は複数のポリマー層を1つ又は複数の薬剤を含有する層上に塗布するステップを、凍結−融解サイクルが上記の層の形成の前及び/又は後に実施されるように、含むことができる。本発明の実施形態は、1つ又は複数の任意の二次加工プロセスステップを更に含むことができる。例えば、二次加工プロセスステップとしては、コーティング層をアニールするステップ、任意の仕上げコート層を塗布するステップ、殺菌等が挙げられるがこれらには限定されない。その他の二次的プロセスステップ又は二次的プロセスステップの組み合わせも本発明の実施において使用することができる。
凍結−融解サイクルは、ウェット又はドライコーティングに冷たい液体を適用し、続いてそのコーティングを加熱することを含む。そのサイクルの凍結部分は、冷たい不活性ガス又は流体、例えば、液体窒素、ドライアイス(CO)、液体アルゴン、又は液体アンモニアなどによって実施することができる。ガスをコーティング上に放出してもよく、又はコーティングを液体の容器中に浸漬することもできる。凍結−融解のサイクルは、液体窒素貯蔵タンクにつながれており、非常に冷たい温度から非常に高い温度まで優れた温度制御能力により変化させるために必要な要素を有する温度サイクル式オーブン又はチャンバー中で首尾よく実施することができる。このようにして、何百又は何千のステントを、同時に当該措置にかけることができる。基材、デバイスの一部、金型又は装置等によるコーティングとの物理的接触は、コーティングに対する損傷を避けるために最小限又は無いことが望ましい。好ましい実施形態において、デバイスのウェット又はドライコーティングは液体窒素の容器中に浸漬する。そのコーティング組成物は、10℃以下、別法では、0℃以下、−10℃以下、−20℃以下、−30℃以下、−40℃以下、−50℃以下、−100℃以下、−150℃以下、及び−180℃以下の温度に冷却することができる。実施形態によってはその温度は使用される溶媒の凍結温度以下でなければならない。暴露時間は、1秒〜5分であり得る。実施形態によってそれは1分未満であり得る。実施形態によってそれは1秒〜30秒であり得る。
当該サイクルの融解部分は、該デバイスをオーブン中に入れるか又は温かいガスを該デバイスに適用することによって実施することができる。そのガスは、空気、窒素又はアルゴン等の不活性ガスであり得る。ガスの適用に対して、そのガスはデバイスの表面全体に均一に適用されることが望ましい。ステントへの適用に対して、これは、ガスのノズルをステントから離し、ガス適用過程の間ステントを回転させることによって成し遂げることができる。当該サイクルの融解部分の間の温度は、約25℃〜300℃であり得る。実施形態によって、それは、150℃以下、100℃以下、75℃以下、又は50℃以下でなければならない。実施形態によっては、その温度は、50℃±3℃であり得る。融解サイクルの持続時間は、10秒〜2時間であり得る。実施形態によっては、それは1分未満、例えば30秒などであり得る。凍結−融解サイクルは、単一サイクル又は2サイクル若しくは3サイクル等の複数サイクルであり得る。いくつかの実施形態において、コーティング上に形成された凝縮物は、例えば、軽くたたくこと、振動させること等を含む動作によりステントを物理的に激しく動かすことなどによって除去しなければならない。凝縮物は、当該サイクルの融解部分の途中及び/又は後で除去することができる。
凍結−融解サイクルがウェットコーティングに適用される場合、残留溶媒を除去するために後からの昇華又はその他の適当な方法を使用することができる。
本発明の別の態様は、凍結−融解サイクルの前にウェットコーティング層から除去される溶媒の割合を制御することである。コーティング組成物を塗布した後で既知の溶媒画分を除去することによって、ポリマーマトリックス−活性薬剤コーティング層の形態は、溶媒とポリマーマトリックスと活性薬剤の相の間の選択された量の相分離、それ故、活性薬剤相の所定の割合を有するように設計することができる。従って、活性薬剤放出速度を、患者における最も有利な治療効果となるように修正することができる。実施形態によって、重量で、約1と90%の間、別法では、約1と80%の間、約1と70%の間、約1と60%の間、約1と50%の間、約1と25%の間、又は約1と10%の間のコーティング組成物中の溶媒を、コーティング層中のポリマーマトリックス−活性薬剤の構造を凍結−融解サイクルにかける前にコーティング層から除去する。
コーティング層中に存在する活性薬剤相の割合は、本明細書に記載の方法によって選択することができる。コーティング層中に存在する特定の活性薬剤相の量は、コーティング層中の活性薬剤の全体量の中で0%〜100%の範囲にわたって大幅に変動し得る。実施形態によって、ポリマー:薬剤(w/w)の割当量は、50:1〜1:50の範囲であり得る。実施形態によって、以下のポリマー:薬剤の範囲、1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9、1:10、又は上記範囲の任意の組み合わせの間を適用可能である。一実施形態において、溶解相の割合は、分散相とパーコレート相とを組み合わせた量より大きい。別の実施形態において、溶解相の割合は、コーティング層中の分散相又はパーコレート相のいずれの割合より同等以上である。更に別の実施形態においては、溶解相の割合は、コーティング層中の分散相又はパーコレート相の割合より少ない。異なる相中の活性薬剤の割合を設計することにより、最も治療効果のある放出速度を選択することができる。いくつかの実施形態において、コーティング層からの活性薬剤の放出速度プロフィールは、コーティング層中の活性薬剤の相状態の比率によって決定される。
コーティング層の厚さは、約0.1nm〜約1.0cm、約0.1nm〜約1.0mm、約0.1nm〜約100μm、約0.1nm〜約1μm、約0.1nm〜約100nm、約0.1nm〜約10nm、約10nm〜約100nm、約0.5μm〜約10μm、約1μm〜約10μm、約10μm〜約50μm、約50μm〜約100μm、又はその中の任意の範囲である。他の実施形態において、コーティング層の厚さは、厚さの変化、例えば、反管腔側にコートした薬剤溶出ステント(DES)システム中に存在するような厚さの変化を生み出すためにデバイス中に局所的に分布させることができる。
コーティング組成物
本発明のコーティング組成物は、1つ又は複数の活性薬剤(例えば上塗りの修正に対しては任意的)、1つ又は複数のポリマー、及び1つ又は複数の溶媒を含む。場合によって、該コーティング組成物は、1つ又は複数の添加剤又はその他の成分、例えば、可塑剤、金属、金属酸化物又はセラミックス等を更に含むことができる。
コーティング組成物は、すべての成分を組み合わせ、次にブレンドする従来の方法によって調製される。より詳しくは、所定量のポリマーを所定量の適合溶媒に加えることにより、ポリマー溶液を形成する。そのポリマーは、周囲圧力で、及び無水又はその他の雰囲気の下でその溶媒に加えることができる。必要ならば、穏やかな加熱と撹拌又は混合とにより、例えば、60℃のウォーターバス中12時間で、ポリマーを該溶媒中に溶解させることができる。
そのブレンドしたポリマー溶液に十分な量の活性薬剤を分散させる。その活性薬剤は、好ましくは、ブレンド組成物中で真溶液又は飽和溶液の状態であるべきである。該活性薬剤が該組成物中で完全に溶解しない場合、残りを均一にするために、混合、撹拌、又は激しいかき混ぜなどの操作を採用することができる。別法では、活性薬剤を適合する溶媒に最初に加えた後、ポリマー溶液と混合することができる。場合によっては、テトラヒドロフラン又はジメチルホルムアミドのような第2の溶媒を使用してコーティング組成物中の活性薬剤の溶解性を改良し、又は該組成物の湿潤能力を増すことができる。ポリマー溶液と混合する前に、その第2の溶媒は、コーティング組成物に加えることができ、又は該活性薬剤をその第2の溶媒に加えることができる。
添加剤及びその他の成分、例えば、架橋剤、可塑剤、又はセラミックスを用いる場合、これらはコーティング組成物と任意の段階で添加してブレンドすることができる。
コーティング層中の活性薬剤の量は、治療効果を生ずるために必要な薬用量又は濃度で、治療結果の得られないレベルより多くなければならない。活性薬剤の薬用量又は濃度は、例えば、患者の特定の状況、外傷の本質、望ましい治療の本質、投与された成分が血管部位にある時間、及び他の生物活性物質が使用される場合はその物質又は物質の組み合わせの本質及びタイプ等の要因によって決まる。治療効果のある薬用量は、技術的に知られている方法、例えば、適切なインビトロ研究を実施することにより決定することができる。
ポリマーマトリックスの1つ又は複数のポリマーは、コーティング組成物の全体重量の重量で約0.1%〜約35%、より狭くは約2%〜約20%であり得る。1つ又は複数の溶媒は、コーティング組成物の全体重量の重量で約19.8%〜約99.8%、より狭くは約49%〜約87%、更により狭くは、約79%〜約87%であり得る。1つ又は複数の活性薬剤は、コーティング組成物の全体重量の重量で約0.02%〜約40%、好ましくは約0.1%〜約9%、より狭くは約0.7%〜約1.2%であり得る。ポリマーと溶媒の具体的な重量比の選択は、以下に限定はされないが、デバイスを製造するための材料、デバイスの幾何構造、及び使用される活性薬剤のタイプ及び量等の要因によって決まる。活性薬剤の具体的な重量パーセントは、コーティング層及び必要な活性薬剤の相のポリマーマトリックス−活性薬剤の形態、並びに、望ましい薬用量、放出の持続時間、放出の累積量、及び放出速度等の要因によって決まる。
本発明のコーティング層は、1つ又は複数のポリマーから成るポリマーマトリックスを含む。そのポリマーマトリックスを含む1つ又は複数のポリマーは、混合、ブレンド又は接合した形であり得る。本発明のポリマーマトリックス及びコーティング組成物は、また、例えば、成型等の方法によって医療デバイスを形成するためにも使用することができる。
本発明のポリマーマトリックスにおける使用に対しては、ポリマー及びコポリマーの幅広い選択がある。選択されたポリマーマトリックスは、移植されたとき生体適合性があり、刺激を最小限にするものでなければならない。マトリックス成分の選択は、ポリマー(1つ以上)と薬剤(1つ以上)及び/又は溶媒(1つ以上)の間の相互作用、ポリマー(1つ以上)の生体適合性、並びにポリマーの物理的、機械的、化学的及び生物学的特性を含むがこれらには限定されない多数の要因によって決まる。性能パラメータとしては、例えば、医療デバイスの表面に付着する能力、望ましいコーティングの強靭性、薬剤の装填濃度に対する収容能力、及び該組成物の生分解及び患者からの除去の速度が挙げられる。
該マトリックスに対して選択される1つ又は複数のそれぞれのポリマーは、生物学的に安定であるか生分解性のいずれかであり得る。「生分解性」とは、体液、例えば、血液等にさらされたとき、完全に分解し、及び/又は侵食されることが可能であり、徐々に再吸収され、吸収され、及び/又は患者から除去され得るポリマーを意味する。生分解性の用語は、生体内分解性及び生体吸収性と互換的に使用される。ポリマーの崩壊及びその結果生ずる吸収及び除去の過程は、例えば、加水分解、代謝過程、バルク侵食又は表面侵食などによって引き起こされ得る。生分解の後、デバイス上又はデバイスの付近に痕跡又は残留ポリマーが残存し得る。生分解性ポリマーの例としては、例えば、α−ヒドロキシカルボン酸、α−ヒドロキシカルボン酸の環状ジエステル、ジオキサノン、ラクトン、環状カーボネート、環状シュウ酸エステル、エポキシド、グリコール、酸無水物、乳酸、グリコール酸、ラクチド、グリコリド、エチレンオキシド、エチレングリコール、又はそれらの組み合わせ等の繰り返し単位を有するポリマーが挙げられるがこれらに限定はされない。いくつかの実施形態において、ポリマーマトリックスは、生分解の途中で活性薬剤を放出する。他の実施形態において、ポリマーマトリックスは、マトリックスの生分解無しで活性薬剤を放出する。更に別の実施形態において、活性薬剤の放出は、ポリマーマトリックスの生分解に部分的に依存し得る。生物学的に安定なポリマーは、比較的低い慢性的組織反応を有するべきである。
本発明のポリマーマトリックスに対して有用なポリマーとしては、天然又は合成ポリマー、縮合ポリマー、ホモポリマー及びコポリマー又はそれらの任意の組み合わせ及び/又はブレンドが挙げられるがそれらに限定はされない。ポリマーは、疎水性、親水性、又はそれらの組み合わせであり得る。コポリマーは、ランダム、交互、ブロック、グラフト、及び/又は架橋コポリマーであり得、ターポリマー等の2つより多い異なるタイプの繰り返し単位によるポリマーを含むことができる。実施形態によっては、そのポリマーは、それらが本明細書で教示されている任意のポリマーの任意の1つ又は任意の組み合わせを特に排除するように選択される。
本発明のポリマーマトリックス及びコーティング組成物に使用することができるポリマーの代表的な例としては、ポリ(アクリレート)(例えば、ポリ(メタクリレート)、ポリメチルメタクリレート及びポリブチルメタクリレートなど)、アクリルポリマー及びコポリマー(例えば、ポリアクリロニトリルなど)、ポリ(シアノアクリレート)、フッ素化ポリマー又はコポリマー(例えば、ポリフルオロアルキレン、ポリビニリデンフルオリド−co−ヘキサフルオロプロペン及びポリテトラフルオロエチレンなど)、ポリカプロラクトン、ポリラクチド、ポリ(D−ラクチド)、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D,L−ラクチド)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(ラクチド−co−グリコリド)、ポリ(グリコール酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリ(乳酸−co−トリメチレンカーボネート)、ポリ(アミノ酸)、ポリヒドロキシアルカノエート、ポリ(ヒドロキシバレレート)、ポリヒドロキシブチレート、ポリ(ヒドロキシブチレート−co−バレレート)、ヒドロキシルエチルメタクリレートのポリマー及びコポリマー、ポリジオキサノン、ポリオルトエステル、ポリ酸無水物、ポリホスホエステル、ポリホスホエステルウレタン、ポリホスファゼン、ポリカーボネート、ポリイミノカーボネート、ポリトリメチレンカーボネート、コポリ(エーテルエステル)(例えば、ポリエチレンオキシド/ポリ乳酸(PEO/PLA)など)、ポリ(アルキレンオキサレート)、ポリウレタン、シリコーン、ポリエステル、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン及びポリプロピレンなど)、ポリ(イソブチレン)及びエチレン−αオレフィンコポリマー、ハロゲン化ビニルポリマー及びコポリマー(例えば、ポリ塩化ビニルなど)、ポリビニルエーテル(例えば、ポリビニルメチルエーテルなど)、ポリハロゲン化ビニリデン(例えばポリフッ化ビニリデン及びポリ塩化ビニリデンなど)、ポリアクリロニトリル、ポリビニルケトン、ポリビニル芳香族(例えば、ポリスチレンなど)、ポリビニルエステル(例えば、ポリ酢酸ビニルなど)、ビニルモノマー同士及びオレフィンとのコポリマー(例えば、エチレン−メチルメタクリレートコポリマー、アクリロニトリル−スチレンコポリマー、ABS樹脂、及びエチレン−酢酸ビニルコポリマーなど)、エチレンビニルアルコールコポリマー(例えば、一般名EVOH又は商標名EVALで一般に知られるエチレンビニルアルコールコポリマーなど)、ポリアミド(例えば、ナイロン66及びポリカプロラクタムなど)、アルキッド樹脂、ポリオキシメチレン、ポリイミド、ポリエステルアミド、ポリ(アルキレングリコール)を含むポリエーテル(例えば、ポリ(エチレングリコール)及びポリ(プロピレングリコール)など)、ポリ(チロシン誘導カーボネート)、ポリ(チロシン誘導アリーレート)、エポキシ樹脂、レーヨン、レーヨン−トリアセテート、生体分子(例えば、フィブリン、フィブリノゲン、デンプン、セルロース、コラーゲン、ヒアルロン酸など)、ポリ(N−アセチルグルコサミン)(キチン)、キトサン、セルロース、酢酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、セロファン、ニトロセルロース、プロピオン酸セルロース、セルロースエーテル、及びカルボキシメチルセルロース、並びに前述のものの誘導体、コポリマー及び組み合わせが挙げられるがこれらに限定はされない。実施形態によっては、当該ポリマーは、前述のポリマーの任意の1つ又は任意の組み合わせを排除することができる。
溶媒は、コーティング溶液中にポリマーを望ましい濃度で溶解することができなければならない。本発明のコーティング組成物を形成するために有用な溶媒は、例えば、その溶媒中の1つ又は複数のポリマーの溶解性、活性薬剤との適合性、その溶媒の揮発性、及びコーティング層の構造が固定された後にそのコーティング層からその溶媒を除去することが可能なことなどの要因に基づいて選択する。コーティング溶媒に対する基準を満たす任意の適当な溶媒、又は溶媒の混合物を使用することができる。
本発明の実施に対して適当な溶媒の例としては、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、アセトン、アセトニトリル、イソプロパノール、n−プロパノール、メタノール、エタノール、ブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルブチルケトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、ジオキサン、クロロホルム、水(緩衝食塩水)、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルミド、ベンゼン、トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、デカリン、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、ジアセトンアルコール、ベンジルアルコール、1−ブタノン、2−ブタノン、N−メチルピロリドン、塩化メチレン、四塩化炭素、テトラクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、1,1,1−トリクロロエタン、ホルムアミド、ヘキサフルオロイソプロパノール、1,1,1−トリフルオロエタノール、ヘキサメチルホスホルアミド、及びそれらの組み合わせが挙げられるがこれらに限定はされない。
薬剤又は治療薬としては、抗増殖性又は抗炎症性を有するか、又は他の特性、例えば、抗腫瘍性、抗血小板性、抗凝血性、抗フィブリン性、抗血栓性、抗有糸分裂性、抗菌性、抗アレルギー性、抗線維化性、及び抗酸化性などを有することができる薬剤が挙げられる。該薬剤は、細胞増殖抑制剤、内皮の治癒を促進する薬剤例えばNO放出性又は発生性薬剤、内皮の前駆細胞を引き付ける薬剤、平滑筋細胞増殖を妨げると同時に内皮細胞の付着、遊走又は増殖を促進する薬剤(例えば、CNP、ANP若しくはBNPペプチド又はRGD若しくはcRGDペプチドなどのナトリウム利尿ペプチド類)であり得る。適当な治療薬及び予防薬の例としては、合成無機及び有機化合物、タンパク質及びペプチド、多糖類及びその他の糖類、脂質、並びに治療、予防又は診断指標となる活性を有するDNA及びRNA核酸配列が挙げられる。生理活性薬剤のいくつかのその他の例としては、抗体類、受容体リガンド、酵素類、接着ペプチド類、血液凝固因子、ストレプトキナーゼ及び組織プラスミノゲン活性化因子等の阻害剤又は凝血塊溶解剤、免疫付与のための抗原、ホルモン類及び成長因子、アンチセンスオリゴヌクレオチド等のオリゴヌクレオチド類、低分子干渉RNA(siRNA)、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)、アプタマー、リポザイム、遺伝子治療で使用するためのレトロウイルスベクターなどが挙げられる。抗増殖剤の例としては、ラパマイシン及びその官能基又は構造上の誘導体、40−O−(2−ヒドロキシ)エチル−ラパマイシン(エベロリムス)、及びその官能基又は構造上の誘導体、パクリタキセル及びその官能基又は構造上の誘導体が挙げられる。ラパマイシン誘導体の例としては、40−epi−(N1−テトラゾリル)−ラパマイシン(ABT−578)、40−O−(3−ヒドロキシ)プロピル−ラパマイシン、40−O−[2−(2−ヒドロキシ)エトキシ]エチル−ラパマイシン、及び40−O−テトラゾール−ラパマイシンが挙げられる。パクリタキセル誘導体の例としては、ドセタキセルが挙げられる。抗悪性腫瘍薬及び/又は有糸分裂阻害剤の例としては、メトトレキサート、アザチオプリン、ビンクリスチン、ビンブラスチン、フルオロウラシル、塩酸ドキソルビシン(例えば、ニュージャージー州ピーパック、Pharmacia & Upjohn社製のAdriarnycin(登録商標))、及びマイトマイシン(例えば、コネチカット州スタムフォード、Bristol−Myers Squibb Co.製のMutamycin(登録商標))が挙げられる。上記の抗血小板薬、抗凝血薬、抗フィブリン薬、抗トロンビン薬の例としては、ヘパリンナトリウム、低分子量ヘパリン、ヘパリノイド、ヒルジン、アルガトロバン、ホルスコリン、バピプロスト、プロスタサイクリン及びプロスタサイクリン同族体、デキストラン、D−phe−pro−arg−クロロメチルケトン(合成抗トロンビン剤)、ジピリダモール、グリコプロテインIIb/IIIa血小板膜レセプタアンタゴニスト抗体、組換えヒルジン、トロンビン抑制剤例えばAngiomax(マサチューセッツ州ケンブリッジ、Bingen,Inc.製)など、カルシウムチャネル遮断薬(例えばニフェジピンなど)、コルヒチン、線維芽細胞増殖因子(FGF)アンタゴニスト、フィッシュオイル(ω3−脂肪酸)、ヒスタミンアンタゴニスト、ロバスタチン(HMG−CoAレダクターゼの阻害剤、コレステロール低下薬、ニュージャージー州ホワイトハウスステーション、Merck & Co.,Inc.社製、ブランド名Mevacor(登録商標))、モノクロナール抗体(例えば、血小板由来増殖因子(PDGF)受容体など)、ニトロプルシド、ホスホジエステラーゼ阻害剤、プロスタグランジン阻害剤、スラミン、セロトニン阻害剤、ステロイド、チオプロテアーゼ阻害剤、トリアゾロピリミジン(PDGFアンタゴニスト)、酸化窒素又は酸化窒素供与体、スーパーオキシドジスムターゼ、スーパーオキシドジスムターゼ模倣薬、4−アミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(4−アミノ−TEMPO)、エストラジオール、抗癌剤、栄養補助食品例えばさまざまなビタミン類、及びそれらの組み合わせが挙げられる。ステロイド系及び非ステロイド系抗炎症薬を含む抗炎症薬の例としては、タクロリムス、デキサメタゾン、クロベタゾール、モメタゾン、又はそれらの組み合わせが挙げられる。細胞増殖抑制物質の例としては、アンジオペプチン、アンジオテンシン変換酵素阻害剤例えばカプトプリル(例えば、コネチカット州スタムフォード、Bristol−Myers Squibb Co.製のCapoten(登録商標)及びCapozide(登録商標))など、シラザプリル又はリシノプリル(例えば、ニュージャージー州ホワイトハウスステーション、Merck & Co.,Inc.社製のPrinivil(登録商標)及びPrinzide(登録商標))が挙げられる。抗アレルギー薬の一例は、ペミロラストカリウムである。適切であり得るその他の治療物質又は薬剤としては、α−インターフェロン、ピメクロリムス、メシル酸イマチニブ、ミドスタウリン、生理活性RGD、SIKVAVペプチド、cANP又はcGMPペプチド等の上昇剤、及び遺伝子組換えが行われている内皮細胞が挙げられる。前述の物質は、また、プロドラッグ又はそれらのコドラッグの形で使用することもできる。前述の物質は、また、それらの代謝産物及び/又は代謝産物のプロドラッグも含む。前述の物質は、一例として示したものであり限定することを意味するものではない。現在入手できるか又は将来開発され得るその他の活性薬剤も同様に適用できる。
コーティング組成物の医療デバイスへの塗布
当該コーティング組成物の医療デバイスへの塗布は、技術的に既知の任意の方法によって成し遂げることができる。例えば、該コーティング組成物は、医療デバイスに、キャスティング、吹き付け、浸漬又は沈漬、手又は注射による直接の分配により塗布することができる。本発明のコーティング組成物は、デバイスの全体の又は選択された表面に塗布することができる。
ぬぐい操作、遠心分離、吹き分け等の操作又はその他のウェブクリーニング行為をより均一なコーティングを得るために実施することができる。手短に言えば、ぬぐい操作は、デバイスの表面からの過剰なコーティングの物理的な除去を意味し、遠心分離は、回転軸の周りのデバイスの急速回転を意味し、吹き分けは、付着したコーティングに選ばれた圧力で空気を当てることを意味する。過剰のコーティングはデバイスの表面から吸い取ることもできる。
コーティング層を医療デバイスに塗布する前に、デバイスの表面は、きれいであり、製造の途中で持ち込まれる可能性のある汚染物質があってはならない。しかしながら、コーティング組成物を塗布する前に特別な表面処理は必要としない。ステントの金属表面は、当業者には知られているように、例えば、アルゴンプラズマ法によって浄化することができる。
プライマー層は、場合によって、本発明の実施形態ではコーティング層のデバイス表面への付着を助けるために使用することができる。これは、ポリマーマトリックス中の活性薬剤の存在又は濃度が、ポリマーマトリックスがデバイス表面に効果的に付着する能力を妨げる場合に特に有用である。任意的なプライマー層が使用される場合、そのプライマー層は、該デバイス又はデバイスの一部に本明細書に記載されているか当業者には周知の任意の方法によってコートされる。そのプライマー層は、ポリマーマトリックス及び活性薬剤を含むコーティング組成物をそのプライマー層の表面に塗布する前に乾燥(溶媒除去)又は硬化させる。プライマー組成物は、所定量の1つ又は複数のポリマーを所定量の溶媒又は溶媒の混合物に加えることによって調製することができる。プライマー層用のポリマーの代表的な例としては、ポリイソシアネート、ポリエーテル、ポリウレタン、アクリレート、チタネート、ジルコネート、シランカップリング剤、高アミン含量ポリマー、高含量の水素結合基を有するポリマー、不飽和ポリマー及びプレポリマーなどが挙げられるがこれらに限定はされない。ポリマーの代表的な例としては、本明細書に記載の本発明のポリマーマトリックスに使用されるそのポリマーも含まれる。本発明の医療デバイスに有用なプライマー層の更なる例としては、その開示を参照により本明細書に組み込むHossainyらに対する米国特許第6908624号明細書に開示されているものが挙げられる。
コーティング組成物の乾燥
医療デバイスをコーティングした後、凍結−融解サイクル処理の前又は後に、ウェットコーティング層に残留する溶媒を除去してドライコーティング層を形成する。乾燥によって実質的にすべての溶媒がコーティング層から除去されるが、痕跡又は残留物がポリマーとブレンドされて残り得ることは当然である。コーティング層中の活性薬剤の固定された形態を変化させないために、選択された方法によって望ましくない相分離又は相の変化を引き起こすことなくその溶媒を除去しなければならない。コーティング組成物から溶媒を除去するための適当な方法としては、蒸発、凍結乾燥(昇華)、非溶剤交換、臨界点乾燥、又はそれらの任意の組み合わせが挙げられるが、これらに限定はされない。溶媒の除去は、人工雰囲気中、例えば、周囲圧又は減圧下、高湿度、無水又は溶剤が飽和状態で起こり得る。溶媒を除去する温度は、その方法によって決まり、広範囲に変化し得る。
本発明の一実施形態において、ウェットコーティング層中の溶媒は、凍結乾燥によって除去する。該方法は、その層が既に凍結状態でない場合は最初にそのコーティング層を凍結させ、次いで当該医療デバイスを減圧下又は真空中に置き、それによって溶媒が液体相を経ることなく溶媒分子が蒸発する(昇華する)ようにするステップを含む。コーティング層が凍結し、溶媒が除去される速度は、広範囲に変動し得る。一実施形態において、該コーティング層は、0℃以下で、別法では、−40℃以下、−70℃以下、−100℃以下、及び−150℃以下で凍結させる。実施形態によっては、溶媒除去は、基本的に、本発明の凍結−融解サイクルの凍結部分のもとで達成される。
溶媒の蒸発は、室温で起こり得るか又はデバイスをある温度に一定時間加熱することによって引き起こすことができる。溶媒の除去は、また、人工雰囲気中、例えば、周囲圧又は減圧下、高湿度、無水又は溶剤が飽和状態で起こり得る。条件は、それらが活性薬剤又は活性薬剤の構造に実質的に悪影響を与えないように選択すべきである。該コーティング層は、ある温度で一定時間、例えば、60℃で10〜24時間加熱することができる。その加熱温度は、活性薬剤が悪影響を受ける温度を超えないように選択する。
本発明の更に別の実施形態においては、コーティング層の溶媒は、活性薬剤に対する非溶剤と交換し、その後その非溶剤を除去することによってそのコーティング層から除去することができる。これは、例えば、ウェットのポリマーマトリックス−活性薬剤コーティング層を非溶剤にさらすことによって達成することができる。選択される非溶剤は、コーティング組成物の溶媒と混和性でなければならない。発明のいくつかの実施形態において、当該非溶剤は、コーティング組成物の溶媒と実質的に混和性である。活性薬剤に対する適当な非溶剤の例としては、超臨界CO、イソプロピルアルコール、アセトン、ヘプタン及びヘキサン、並びにそれらのブレンドが挙げられるがこれらに限定はされない。適当な溶剤のその他の例としては、フルオロカーボン及びクロロフルオロカーボン、例えば、Freon(商標)及びHCFC141b(ジクロロフルオロエタン)、並びにフルオロカーボンとアルコールとのブレンド、例えば、エタノールとブレンドしたジクロロフルオロエタン等が挙げられるが、これらに限定はされない。非溶剤交換は、例えば、液体接触、スプレー又は蒸気ミスト接触等の方法によって行うことができる。超臨界COが活性薬剤に対する非溶剤として使用されるその実施形態においては、そのコーティング層は、臨界点乾燥によって乾燥させることができる。いくつかの実施形態において、本発明のコーティング層は臨界点乾燥によって乾燥させる。
二次加工(post−formation)プロセスステップ
ウェットコーティングから溶媒を除去することによってコーティング層を乾燥した後、凍結−融解後の処理をそのコーティング層及び医療デバイスに対して行うことができる。任意的な二次処理(post−processing)ステップとしては、コーティング層のアニーリング処理、保護コーティングの塗布、コーティング層表面への速度低下膜、拡散障壁層又は上塗り層の塗布、任意的な仕上げコート層の塗布、及び殺菌が挙げられるがこれらに限定はされない。当該医療デバイスは、実施形態によっては、活性薬剤のコーティング層からの拡散を制御する任意的な上塗り又は障壁層を更に含むことができる。外側のコーティング層は、活性薬剤を含むコーティング層の全体を覆って、又は一部だけに塗布することができる。
医療デバイス
この出願書類を通して、「医療デバイス」又は「医療物品」の語が、互換的に使用されており、ヒト又は動物の患者の医療において使用することができる任意のデバイス又は物品を意味している。いくつかの実施形態において、塗布される下地の医療デバイスは、最終製品であり、そのデバイスはプレコートの製造ステップを何ら必要としない。医療デバイスは、患者の外面でか、又は、患者内に移植してかのいずれかで使用することができる。好ましい実施形態においては、該医療デバイスは移植可能である。移植可能な医療デバイスの一例は、ヒト又は動物の患者の中に移植することができるステントである。薬物を溶離又は送達するステントなどのデバイスをコーティングする例が本明細書には記載されているが、当業者であればその他の医療デバイス又は基材も本発明の方法を使用して製造することができることを理解するであろう。医療デバイスの例としては、ステントグラフト、血管グラフト、人工心臓弁、卵円孔閉鎖デバイス、髄液シャント、ペースメーカー電極、ガイドワイヤー、補助人工心臓、心肺バイパス回路、血液酸素付加装置、冠状動脈シャント大静脈フィルター、及び心内膜リードが挙げられるがこれらに限定はされない。ステントの例としては、管状ステント、自己拡大式ステント、バルーン拡張可能ステント、コイルステント、リングステント、マルチデザインステントなどが挙げられるがこれらに限定はされない。いくつかの実施形態において、ステントとしては、血管ステント、腎臓ステント、胆管ステント、肺ステント及び胃腸管ステントが挙げられるがこれらに限定はされない。
医療デバイスの下地の構造は、事実上任意の設計が可能である。該医療デバイスは、金属材料又は合金、低磁性体、非強磁性体、生物学的安定性のあるポリマー、生分解性ポリマー、生体吸収性ポリマー、生分解性金属又は技術的に既知のその他の相性のよい材料を含むことができる。金属及び合金の例としては、ELASTINITE(登録商標)、NITINOL(登録商標)(カリフォルニア州フレモントのNitinol Devices and Components社製)、ステンレス鋼、タンタル、タンタル系合金、ニッケル−チタン合金、白金、白金系合金、例えば、白金−イリジウム合金など、イリジウム、金、マグネシウム、チタン、チタン系合金、ジルコニウム系合金、コバルトとクロムを含む合金(ELGILOY(登録商標)、イリノイ州エルジンのElgiloy Specialty Metals, Inc.社製;MP35N及びMP20N、ペンシルベニア州ジェンキンタウンのSPS Technologies社製)又はそれらの組み合わせが挙げられるがそれらに限定はされない。商標名「MP35N」及び「MP20N」は、コバルト、ニッケル、クロム及びモリブデンの合金を表す。MP35Nは、35%のコバルト、35%のニッケル、20%のクロム、及び10%のモリブデンから成る。MP20Nは、50%のコバルト、20%のニッケル、20%のクロム、及び10%のモリブデンから成る。
Solef及びEVALをコートしたステントの薬物回収及び薬物放出特性に対する低温暴露の効果を測定するために以下の実験を行った。2つのタイプのコーティングを使用し、タイプ1は、PBMAプライマー及びSolef/エベロリムス薬物層を含み、タイプ2は、EVALプライマー及びEVAL/エベロリムス薬物層を含んだ。
Figure 2009540931
コーティングしてオーブン中でそのコーティングを乾燥させた後、そのステントを液体窒素に浸漬し、続いて約50℃(±3℃)の熱をかけた。次の手順を続けた。(1)各ステントは数字で識別し、それぞれフック状のステンレス鋼のマンドレルに取り付けた。(2)200mlの液体窒素を貯蔵タンクからとって500mlの液体質素容器に入れた。(3)4つの単位の最初のグループを、液体窒素を詰めた容器に同時に浸漬し、30秒間デジタル式に時間を計った。(4)最初のグループを次に取り出して50℃の温度を有する加熱空気流の前に30秒間置いた。(4)同じ手順を第2のグループに対して繰り返した。(5)それらの単位を次にステント試験のための蓋をした小瓶に入れた。形成された凝縮物を、マンドレルを軽くたたき、「軽く吹いて」除去した。
結果は次の通りである:
Figure 2009540931
図1は、放出プロフィールを示す。グラフから分かるように、冷却したタイプ1ステントからのエベロリムスの放出速度は、コントロールの約3分の1である。エベロリムスは、また、冷却したタイプ2のグループからはコントロールと比較して一層遅く放出した。従って、凍結−融解サイクルは、薬物回収率を減少させないで薬物放出速度を落とした。
本発明の特定の実施形態について説明してきたが、本発明の教示及び実施形態の精神及び範囲から逸脱することなく変更及び修正を加えることができることは当業者であれば明らかであろう。当業者であれば、上記の教示は例示のために提供されているに過ぎず、本発明の範囲を限定することを意図するものではないことを理解するであろう。それ故、添付の特許請求の範囲は、すべてのかかる変更及び修正を本発明の真の精神に含まれるものとしてそれらの範囲に含む。

Claims (20)

  1. (a)1つ又は複数のポリマー、1つ又は複数の溶媒及び場合によって1つ又は複数の治療薬を含むコーティング組成物を調製するステップと、
    (b)該コーティング組成物を医療デバイスに塗布してウェットコーティング層を形成させるステップと、
    (c)該ウェットコーティング層を凍結−融解サイクルにかけるステップと
    を含む方法。
  2. 該サイクルの凍結部分が、該医療デバイスを液体窒素に浸漬するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 該サイクルの凍結部分又は融解部分が、該医療デバイスを、選択された凍結又は融解温度のガスにさらすステップを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 該サイクルの融解部分の途中又は後で、該コーティング層から凝縮物を除去するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  5. 該サイクルの凍結部分が、該医療デバイスを、ドライアイス、液体アルゴン、又は液体アンモニアの浴に浸漬するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  6. 該コーティング組成物が、何らの治療薬も含まない、請求項1に記載の方法。
  7. 該医療デバイスがステントである、請求項1に記載の方法。
  8. 該凍結−融解サイクルの前に、該ウェットコーティング層から1つ又は複数の溶媒の選択された量を除去するステップを更に含む、請求項1に記載の方法。
  9. 請求項1の方法に従って製造されたコーティングを有するステント。
  10. (a)1つ又は複数のポリマー、1つ又は複数の溶媒及び場合によって1つ又は複数の活性薬剤を含むコーティング組成物を調製するステップと、
    (b)該コーティング組成物を医療デバイスに塗布してウェットコーティング層を形成させるステップと、
    (c)該溶媒(1つ以上)を除去してドライコーティング層を、該ドライコーティング層が2%未満の溶媒(1つ以上)を有するように形成させるステップと、
    (d)該ドライコーティング層を凍結−融解サイクルにかけるステップと
    を含む方法。
  11. 該サイクルの凍結部分が、該ドライコーティングを液体窒素に浸漬するステップを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 該サイクルの凍結又は融解部分が、該ドライコーティング層を、選択された凍結又は融解温度のガスにさらすステップを含む、請求項10に記載の方法。
  13. 該サイクルの融解部分の途中又は後で、該ドライコーティング層から凝縮物を除去するステップを更に含む、請求項10に記載の方法。
  14. 該サイクルの凍結部分が、該医療デバイスを、ドライアイス、液体アルゴン、又は液体アンモニアの浴に浸漬するステップを含む、請求項10に記載の方法。
  15. 該コーティング組成物が、何らの治療薬も含まない、請求項10に記載の方法。
  16. 該医療デバイスがステントである、請求項10に記載の方法。
  17. 該ドライコーティング層が、1%未満の溶媒(1つ以上)を有する、請求項10に記載の方法。
  18. 該サイクルの融解部分が、25℃より高い温度のガスを、該ドライコーティング層に適用するステップを含む、請求項10に記載の方法。
  19. 該コーティング組成物が、何らの治療薬も含まず、薬物貯留層上にトップコートを形成する、請求項1に記載の方法。
  20. 該コーティング組成物が、何らの治療薬も含まず、薬物貯留層上にトップコートを形成する、請求項10に記載の方法。
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