JP2008534661A - Igf−1阻害薬としてのピリミジン類 - Google Patents

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Abstract

温血動物、たとえばヒトにおいてインスリン様増殖因子を阻害する際に使用するための式(I)の化合物(置換基は明細書中に定めたものである)。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、抗腫瘍活性をもち、したがってヒトまたは動物の身体を処置するのに有用な、特定の新規ピリミジン誘導体またはその医薬的に許容できる塩類に関する。本発明は、それらのピリミジン誘導体の製造方法、それらを含む医薬組成物、および療法における、たとえばヒトなどの温血動物において充実性腫瘍疾患の予防または治療に用いる医薬の製造におけるそれらの使用にも関する。
インスリン様増殖因子(IGF)軸は、リガンド、受容体、結合タンパク質およびプロテアーゼからなる。2種類のリガンドIGF-IおよびIGF-IIは、ヘテロ四量体型の細胞表面受容体であるI型インスリン様増殖因子受容体(IGF-1R)との相互作用によりシグナル伝達するマイトジェニックペプチドである。いずれかのリガンドが結合するとβ鎖の細胞内領域にあるチロシンキナーゼドメインの活性化が刺激され、幾つかのチロシン残基がリン酸化され、種々のシグナル伝達分子が動員されて活性化される。この細胞内ドメインは、細胞において有糸分裂誘発、生存、トランスフォーメーションおよび分化に関するシグナルを伝達することが示されている。IGF-1Rの構造および機能については、Adamsら(Cellular and Molecular Life Sciences, 57, 1050-1093, 2000)が概説している。IGF-IIR(マンノース6-リン酸受容体としても知られる)はそのようなキナーゼドメインをもたず、有糸分裂誘発のシグナルを伝達しないが、細胞表面におけるリガンド利用能を調節する作用をもち、IGF-1Rの作用に対抗すると思われる。IGF結合タンパク質(IGFBP)は循環IGFの利用能を制御し、これらからのIGF放出はタンパク質分解開裂により仲介することができる。IGF軸のこれらの他の成分については、Collett-SolbergおよびCohen (Endocrine, 12, 121-136, 2000)が概説している。
IGFシグナル伝達と細胞のトランスフォーメーションならびに腫瘍の発症および進行とを関連づける証拠がかなりある。IGFは癌遺伝子誘発による細胞死から防御する主要な生存因子として同定された(Harrington et al, EMBO J, 13, 3286-3295, 1994)。IGF-1Rを欠如する細胞は、対応する野生型細胞を効果的にトランスフォームする幾つかの異なる癌遺伝子(SV40T抗原およびrasを含む)によるトランスフォーメーションに対して不応であることが示された(Sell et al., Mol. Cell Biol., 14, 3604-12, 1994)。多様な腫瘍細胞系および組織、特に胸部腫瘍(Surmacz, Journal of Mammary Gland Biology & Neoplasia, 5, 95-105, 2000)、前立腺(Djavan et al, World J. Urol., 19, 225-233, 2001、およびO'Brien et al, Urology, 58, 1-7, 2001)、および結腸(Guo et al, Gastroenterology, 102, 1101-1108, 1992)において、IGF軸の成分がアップレギュレーションされると記載されている。逆に、IGF-IIRは腫瘍抑制因子であることが示唆されており、ある癌においては欠失している(DaCosta et al, Journal of Mammary Gland Biology & Neoplasia, 5, 85-94, 2000)。循環IGFの増加(またはIGF-1対IGFBP3比の増大)と癌リスクを関連づける疫学研究の数が増えつつある(Yu and Rohan, J. Natl. Cancer Inst., 92, 1472-1489, 2000)。トランスジェニックマウスモデルも、腫瘍細胞増殖の開始に際してIGFシグナル伝達が関与することを示唆している(Lamm and Christofori, Cancer Res. 58, 801-807, 1998, Foster et al, Cancer Metas. Rev., 17, 317-324, 1998、およびDiGiovanni et al, Proc. Natl. Acad. Sci., 97, 3455-3460, 2000)。
幾つかのインビボおよびインビトロ方法で、IGF-1Rシグナル伝達を阻害するとトランスフォームした表現型が逆行して腫瘍細胞の増殖が阻害されるという主要な証拠が得られた。これらには、中和抗体(Kalebic et al Cancer Res., 54, 5531-5534, 1994)、アンチセンスオリゴヌクレオチド(Resnicoff et al, Cancer Res., 54, 2218-2222, 1994)、三重ラセン形成オリゴヌクレオチド(Rinninsland et al, Proc. Natl. Acad. Sci., 94, 5854-5859, 1997)、アンチセンスmRNA (Nakamura et al, Cancer Res., 60, 760-765, 2000)、および優性ネガティブ受容体(D'Ambrosio et al., Cancer Res., 56, 4013-4020, 1996)が含まれる。アンチセンスオリゴヌクレオチドは、インビボでIGF-1R発現を阻害して細胞のアポトーシスを誘発することが示され(Resnicoff et al, Cancer Res., 55, 2463-2469, 1995)、ヒトに適用されている(Resnicoff et al, Proc. Amer. Assoc. Cancer Res., 40 Abs 4816, 1999)。しかし、これらの方法はいずれも、主要な充実性腫瘍疾患の処置には特に魅力的ではない。
IGFシグナル伝達の増大が腫瘍細胞の増殖および生存に関与し、IGF-1R機能の遮断がこれを逆行させうることが示唆されているので、IGF-1Rチロシンキナーゼドメインの阻害は癌を処置するのに適切な療法である。優性ネガティブIGF-1Rバリアントを用いるインビトロおよびインビボ研究によりこれが支持される。特に、受容体型チロシンキナーゼ活性を遮断するATP結合部位の点変異が腫瘍細胞増殖の阻止に有効であることが証明された(Kulik et al, Mol. Cell. Biol., 17, 1595-1606, 1997)。正常細胞はIGFシグナル伝達の阻害により起きるアポトーシスに対する感受性が低いことが幾つかの証拠により示唆され、これはそのような処置による療法の余地がありうることを指摘する(Baserga, Trends Biotechnol., 14, 150-2, 1996)。
選択的IGF-1Rチロシンキナーゼ阻害薬の報告は少ない。Parrizasらは、インビトロおよびインビボで若干の有効性があったチルホスチン(tyrphostin)類を記載している(Parrizas et al., Endocrinology, 138:1427-33 (1997))。これらの化合物はインスリン受容体に対する効力および選択性には限界があった。Telik Inc.はインスリン受容体に対して選択性をもつヘテロアリール-アリール尿素を記載しているが、インビトロでの腫瘍細胞に対する効力にはなお限界がある(PCT特許出願公開No. WO 00/35455)。Novartisはピラゾロピリミジン化合物(NVP-AEW541として知られる)を開示し、これがIGF-1Rチロシンキナーゼを阻害すると報告している(Garcia-Echeverria et al., Cancer Cell, 5:231-39 (2004))。Axelarは特異的IGFRチロシンキナーゼ阻害薬としてのポドフィロトキシン誘導体を記載し(Vasilcanu et al., Oncogene, 23: 7854-62 (2004))、Aventisは環状尿素誘導体およびそれらをIGF-1Rチロシンキナーゼ阻害薬として使用することを記載している(WO 2004/070050)。
さらに、幾つかの抗IGFR抗体が動物モデルにおいて受容体シグナル伝達を遮断して腫瘍増殖の阻害を示すと報告されている(Cohen et al., Clin. Canc. Res., 11: 2063-73 (2005); Burtrum et al., Canc. Res., 63: 8912-21 (2003); Goetsch et al., Int. J. Cancer, 113: 316-28 (2005)、およびMaloney et al., Canc. Res., 63: 5073-83 (2003))。
2-および4-位において置換アミノ基で置換されたピリミジン誘導体であって、IGF-IRチロシンキナーゼ阻害活性をもつものが、WO 03/048133に記載されている。アミノ置換基の窒素原子が複素環式環の一部を形成する化合物は開示されていない。
WO 02/50065には、特定のピラゾリル-アミノ置換されたピリミジン誘導体が、特にオーロラ-2(Aurora-2)およびグリコーゲンシンターゼキナーゼ-3 (GSK-3)の阻害薬として、プロテインキナーゼ阻害活性をもち、癌、糖尿病およびアルツハイマー病などの疾患の処置に有用であることが開示されている。開示された化合物はピリミジン環の2-位に置換アミノ置換基をもつが、この場合もアミノ置換基の窒素原子が複素環式環の一部を形成する化合物は開示されていない。
WO 01/60816には、特定の置換ピリミジン誘導体がプロテインキナーゼ阻害活性をもつことが開示されている。WO 01/60816には、ピリミジン環の4-位にピラゾリル-アミノ置換基をもち、かつピリミジン環の2-位にN-結合ピロリジン環をもつピリミジン誘導体は、開示されていない。
オーロラ-2およびグリコーゲンシンターゼキナーゼ-3 (GSK-3)の阻害活性をもち、ピリミジン環の2-位がN-結合複素環式環で置換されたピラゾリル-アミノ置換ピリミジン誘導体が、WO 02/22601、WO 02/22602、WO 02/22603、WO 02/22604、WO 02/22605、WO 02/22606、WO 02/22607およびWO 02/22608に包括的に開示されている。N-結合した複素環式環自体が、置換されていてもよいイソオキサゾリル基および少なくとも1個の他の置換基で置換された化合物は、開示されていない。
置換ピリミジン誘導体はWO 00/39101、WO 2004/056786、WO 2004/080980およびWO 2004/048365にも開示されているが、これらの文献のいずれにも、ピリミジン環の2-位にN-結合ピロリジン環をもち、このピロリジン環が1個より多い置換基で置換されたピリミジン誘導体は、開示されていない。
WO 2005/040159 (国際特許出願番号PCT/GB2004/004307)には、特定のピリミジン誘導体およびそれらをインスリン様増殖因子I型受容体活性の調節に使用することが開示されている。ピリミジン環の2-位にN-結合ピロリジン環をもち、このピロリジン環が1個より多い置換基で置換されたピリミジン誘導体は、開示されていない。
本発明者らは、ピリミジン環の2-位にジ-、トリ-またはテトラ-置換ピロリジン環を含む特定のピリミジン化合物が有効な抗腫瘍活性をもつことを見いだした。本発明に開示する化合物が単一の生物学的プロセスに対する効果のみによって薬理活性をもつということを示唆したいわけではないが、本発明化合物はIGF-1Rチロシンキナーゼ活性の阻害により抗腫瘍効果をもたらすと考えられる。
本発明の第1観点によれば、式(I)の化合物:
Figure 2008534661
またはその医薬的に許容できる塩が提供される:
式中:
R1は、(C1-C6)アルキル、(C3-C8)シクロアルキルまたは(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキル基から選択され、これらの基はそれぞれ、独立してハロゲノおよび(C1-C6)アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
R2は、水素、ハロゲノおよびトリフルオロメチルから選択され;
R3は、水素、ヒドロキシおよびハロゲノから、または(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C3-C8)シクロアルキルカルボニル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルカルボニル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ、(C3-C8)シクロアルキルアミノ、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルアミノ、(C1-C6)アルコキシアミノ、カルバモイル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、ジ-[(C1-C6)アルキル]カルバモイル、-C(O)R3b、-OR3b、-SR3b、-NHR3b、-N[(C1-C6)アルキル]R3b、-S(O)mR3aもしくは-N(R3c)C(O)R3a基から選択され、これらにおいてR3aは(C1-C6)アルキル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルまたは(C1-C6)アルコキシ基から選択され、mは0、1または2であり、R3bは窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式4-、5-または6-員複素環式環であり、R3cは水素および(C1-C6)アルキルから選択され、
あるいは、R3は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式5-または6-員複素環式環であり、
あるいは、R3は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む5-または6-員ヘテロ芳香族環であり、
あるいは、R3は、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン基であり、
R3内の基または環はそれぞれ、独立して(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシ、ハロゲノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリ-[(C1-C4)アルキル]シリル、シアノ、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ、(C3-C8)シクロアルキルアミノ、(C3-C6)シクロアルキル(C1-C3)アルキルアミノ、アミノ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキルアミノ(C1-C6)アルキル、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ(C1-C6)アルキル、(C3-C8)シクロアルキルアミノ(C1-C6)アルキル、(C3-C6)シクロアルキル(C1-C3)アルキルアミノ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、カルバモイル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、ジ-[(C1-C6)アルキル]カルバモイル、(C1-C6)アルキルチオ、(C1-C6)アルキルスルホニル、(C1-C6)アルキルスルフィニル、(C1-C6)アルカノイル、アルカノイルアミノ基-N(R3d)C(O)R3e(ここで、R3dは水素および(C1-C6)アルキルから選択され、R3eは(C1-C6)アルキル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルまたは(C1-C6)アルコキシ基から選択される)、または飽和単環式3-、4-、5-、6-もしくは7-員環(これらの環は、窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでもよい)から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、これらの置換基はいずれも1個以上の(C1-C4)アルキル、ヒドロキシまたはシアノ基で置換されていてもよく;
R4は、(C1-C6)アルキルまたは(C1-C6)アルコキシ(これらの(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ置換基はいずれも、独立してハロゲノ、アミノ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲノ、ニトロ、シアノ、-NR5R6、カルボキシ、ヒドロキシ、(C2-C6)アルケニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキル、(C1-C4)アルコキシカルボニル、(C1-C4)アルキルカルボニル、(C2-C6)アルカノイルアミノ、フェニルカルボニル、-S(O)p(C1-C4)アルキル、-C(O)NR7R8および-SO2NR9R10から選択され、これらにおいてR5、R6、R7、R8、R9およびR10は、それぞれ独立して水素および(C1-C6)アルキルから選択され、あるいはR5とR6、またはR7とR8、またはR9とR10は、それらが結合している窒素原子と一緒になった場合、それぞれ独立して飽和複素環式環を形成していてもよく、pは0、1または2であり;
qは、1、2または3であり;
Q1は、(C1-C6)アルキル、(C3-C6)シクロアルキルもしくは(C3-C6)シクロアルキル(C1-C6)アルキル基、または窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和5-もしくは6-員単環式環から選択され;
Q1は、独立して(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ(これらの(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ置換基はいずれも、独立してハロゲノ、アミノ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲノ、ニトロ、シアノ、-NR11R12、カルボキシ、ヒドロキシ、(C2-C6)アルケニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C2-C6)アルカノイルアミノ、フェニルカルボニル、-S(O)n(C1-C6)アルキル、-C(O)NR13R14および-SO2NR15R16から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、これらにおいてR11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立して水素および(C1-C6)アルキルから選択され、あるいはR11とR12、またはR13とR14、またはR15とR16は、それらが結合している窒素原子と一緒になった場合、それぞれ独立して飽和複素環式環を形成していてもよく、nは0、1または2であり;
これらにおいて飽和単環式環はいずれも1または2個のオキソまたはチオキソ置換基を保有していてもよい。
本明細書において、別途指示しない限り、用語“アルキル”は、単独で、または組み合わせて用いた場合、直鎖および分枝鎖両方のアルキル基、たとえばプロピル、イソプロピルおよびt-ブチルを含む。しかし、個々のアルキル基、たとえば“プロピル”という記載は直鎖型のみに特定され、個々の分枝鎖アルキル基、たとえば“イソプロピル”は分枝鎖型のみに特定される。(C1-C6)アルキル基は1〜6個の炭素原子をもち、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、t-ブチル、n-ペンチル、n-ヘキシルなどを含む。“(C1-C4)アルキル”という記載がこれに応じて1〜4個の炭素原子をもつ直鎖または分枝鎖のアルキル部分を意味することは理解されるであろう。
同様な取り決めを他の総称に適用する。たとえば用語“(C1-C6)アルコキシ”および“(C1-C4)アルコキシ”は、単独で、または組み合わせて用いた場合、それぞれ1〜6個または1〜4個の炭素原子をもつ直鎖基または分枝鎖基を表わすことは理解されるであろう。これには、たとえばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシおよびブトキシが含まれる。
“(C2-C6)アルケニル”基には、2〜6個の炭素原子をもつ直鎖および分枝鎖両方のアルケニル基、たとえばビニル、イソプロペニル、アリルおよびブタ-2-エニルが含まれる。同様に、“(C2-C6)アルキニル”基には、2〜6個の炭素原子をもつ直鎖および分枝鎖両方のアルキニル基、たとえばエチニル、2-プロピニルおよびブタ-2-イニルが含まれる。
用語“(C3-C8)シクロアルキル”は、単独で、または組み合わせて用いた場合、3〜8個の炭素原子をもつ飽和脂環式部分を表わし、たとえばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルを含む。“(C3-C6)シクロアルキル”という記載がこれに応じて3〜6個の炭素原子をもつ飽和脂環式部分を意味することは理解されるであろう。その代表例は上記に挙げられている。
本明細書中で用いる用語“ハロゲノ”には、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードが含まれる。
本明細書中で用いる用語“置換されていてもよい”は、特定した1個以上の基で適切ないずれか可能な位置において置換されていてもよいことを示すために用いられる。
“ヘテロ原子”は窒素、硫黄または酸素原子である。環が窒素原子を含む場合、これらは窒素の結合要件を満たすのに必要な状態で置換されていてもよく、あるいはそれらはその窒素原子によりその構造体の残部に結合していてもよい。窒素原子はN-オキシドの形であってもよい。硫黄原子はS、S(O)またはSO2の形であってもよい。
前記の総称に適切な意味には、下記のものが含まれる。
R3上の置換基が“飽和単環式3-、4-、5-、6-もしくは7-員環(これらの環は、窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでもよい)”である場合、これに適切な意味は、3、4、5、6もしくは7個の原子を含む炭素環式環(すなわち環炭素原子のみをもつ脂環式環)、または3、4、5、6もしくは7個の原子を含み、それらのうち少なくとも1個は窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子である複素環式環である。“飽和単環式3-、4-、5-、6-もしくは7-員環(これらの環は、窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでもよい)”が複素環式環である場合、この複素環式環は、独立して窒素、酸素および硫黄から選択される1〜4個(たとえば1〜3個、または1もしくは2個)のヘテロ原子を含むことが適切である。別途特定しない限り、複素環式環は炭素結合または窒素結合することができる。適切な飽和単環式3-、4-、5-、6-または7-員炭素環式環の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチルが含まれる。適切な飽和単環式3-、4-、5-、6-または7-員複素環式環の例には、オキシラニル、アゼチジニル、ジオキサニル、トリオキサニル、オキセパニル、ジチアニル、トリチアニル、オキサチアニル、チオモルホリニル、ピロリジニル、ピペリジニル、イミダゾリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルおよびピペラジニル(特にアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロピラニルおよびピペラジニル)が含まれる。1または2個のオキソまたはチオキソ置換基を保有する飽和複素環式環は、たとえば2-オキソピロリジニル、2-チオキソピロリジニル、2-オキソイミダゾリジニル、2-チオキソイミダゾリジニル、2-オキソピペリジニル、2,5-ジオキソピロリジニル、2,5-ジオキソイミダゾリジニルまたは2,6-ジオキソピペリジニルであってよい。
R3bが“窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式4-、5-または6-員複素環式環”である場合、それに適切な意味は、4、5または6個の環原子を含む複素環式環であり、その代表例は前記に挙げている。
R3が“窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式5-または6-員複素環式環”である場合、それに適切な意味は、その代表例を前記に挙げた5または6個の環原子を含む複素環式環である。
R3が“窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む5-または6-員ヘテロ芳香族環”である場合、それに適切な意味は、5または6個の環原子を含み、それらのうち少なくとも1個は窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子である、完全不飽和芳香族単環式環である;この環は別途特定しない限り、炭素結合または窒素結合している。特に、5-または6-員ヘテロ芳香族環は、独立して窒素、酸素および硫黄から選択される1〜4個(たとえば1〜3個、または1もしくは2個)のヘテロ原子を含むことができる。そのようなヘテロ芳香族環の例には、ピリジル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、フリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルおよびチエニルが含まれる。
Q1が“窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和5-もしくは6-員単環式環”である場合、それに適切な意味は、5または6個の環原子を含み、それらのうち少なくとも1個は窒素、酸素および硫黄から選択されるヘテロ原子である、飽和または完全不飽和もしくは部分不飽和単環式環である;この環は別途特定しない限り、炭素結合または窒素結合している。この環は脂環式または芳香族の特性をもつことができる。芳香族単環式環はアリール(たとえばフェニル)、またはその代表例を前記に挙げたヘテロ芳香族である。
R3が2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン基である場合、それは好ましくはピリミジン環に窒素原子により結合し、特に7-位において窒素原子により結合している。2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン基が置換基をもつ場合、これはいずれか可能な炭素原子または窒素原子にあってよく、たとえばピリミジン環に結合していないいずれかの窒素原子にあってよい。具体的な置換2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン基は、たとえば2-(t-ブトキシカルボニル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナンであってよい。
R5とR6、またはR7とR8、またはR9とR10、またはR11とR12、またはR13とR14、またはR15とR16が飽和複素環式環を形成している場合、存在する唯一のヘテロ原子は、R5とR6、またはR7とR8、またはR9とR10、またはR11とR12、またはR13とR14、またはR15とR16が結合している窒素原子である。この飽和複素環式環は、好ましくは4-、5-、6-または7-員環であり、これはR5とR6、またはR7とR8、またはR9とR10、またはR11とR12、またはR13とR14、またはR15とR16が結合している窒素原子を含む。
誤解を避けるために、ピリミジン基が結合しているピロリジン環中の窒素原子は第四級化していない;すなわち、ピリミジン基はピロリジン環中のNH基を置換することによりピロリジン環中の窒素原子に結合している。
ピロリジン環は、環中のいずれか置換可能な位置においてR4で置換されていてもよい。本発明の1観点において、qが1である場合、ピロリジン環は4-位にある環原子においてR4で置換されていてもよく、したがって補助式(i)の基が得られる:
Figure 2008534661
(誤解を避けるために、ここで式(I)中のピリミジン環の2-位に結合しているのはピロリジン-1-イル基である)。
本明細書中のいずれかの置換基、たとえば’R'基(R1〜R18、R3a、R3b、R3c、R3dまたはR3e)またはQ1基内の各種の基に適切な意味には、下記のものが含まれる:
ハロゲノについて: フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨード;
(C1-C6)アルキルについて: メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル、n-ペンチルおよびn-ヘキシル;
(C2-C6)アルケニルについて: ビニル、イソプロペニル、アリルおよびブタ-2-エニル;
(C2-C6)アルキニルについて: エチニル、2-プロピニルおよびブタ-2-イニル;
(C1-C6)アルコキシについて: メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシおよびブトキシ;
(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシについて: メトキシメトキシ、メトキシエトキシ、エトキシメトキシ、プロポキシメトキシおよびブトキシメトキシ;
(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキルについて: メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、プロポキシメチルおよびブトキシメチル;
トリ-[(C1-C4)アルキル]シリルについて: トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチル-エチルシリルおよびメチル-ジエチルシリル;
(C1-C6)アルキルチオについて: メチルチオ、エチルチオおよびプロピルチオ;
(C1-C6)アルキルアミノについて: メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノおよびブチルアミノ;
ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノについて: ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、N-エチル-N-メチルアミノおよびジイソプロピルアミノ;
アミノ(C1-C6)アルキルについて: アミノメチル、アミノエチル、アミノプロピルおよびアミノブチル;
(C1-C6)アルキルアミノ(C1-C6)アルキルについて: メチルアミノメチル、メチルアミノエチル、メチルアミノプロピル、エチルアミノメチル、エチルアミノエチル、プロピルアミノメチル、イソプロピルアミノエチルおよびブチルアミノメチル;
ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ(C1-C6)アルキルについて: ジメチルアミノメチル、ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノブチル、ジエチルアミノメチル、ジエチルアミノエチル、ジエチルアミノプロピル、N-エチル-N-メチルアミノメチル、N-エチル-N-メチルアミノメチルおよびジイソプロピルアミノエチル;
(C1-C6)アルキルカルボニルについて: メチルカルボニル、エチルカルボニル、プロピルカルボニルおよびtert-ブチルカルボニル;
(C1-C6)アルコキシカルボニルについて: メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニルおよびtert-ブトキシカルボニル;
(C1-C6)アルキルカルバモイルについて: N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイルおよびN-プロピルカルバモイル;
ジ-[(C1-C6)アルキル]カルバモイルについて: N,N-ジメチルカルバモイル、N-エチル-N-メチルカルバモイルおよびN,N-ジエチルカルバモイル;
(C3-C8)シクロアルキルについて: シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルおよびシクロヘプチル;
(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルについて: シクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチルおよびシクロヘプチルメチル;
(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルコキシについて: シクロプロピルメトキシ、シクロブチルメトキシ、シクロペンチルメトキシ、シクロヘキシルメトキシおよびシクロヘプチルメトキシ;
(C3-C8)シクロアルキルカルボニルについて: シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニルおよびシクロヘプチルカルボニル;
(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルカルボニルについて: シクロプロピルメチルカルボニル、シクロブチルメチルカルボニル、シクロペンチルメチルカルボニルおよびシクロヘキシルメチルカルボニル;
(C3-C8)シクロアルキルアミノについて: シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノおよびシクロヘプチルアミノ;
(C3-C8)シクロアルキルアミノ(C1-C6)アルキルについて: シクロプロピルアミノメチル、シクロプロピルアミノエチル、シクロプロピルアミノプロピル、シクロブチルアミノメチル、シクロペンチルアミノエチル、シクロペンチルアミノプロピル、シクロヘキシルアミノエチルおよびシクロヘプチルアミノエチル;
(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルアミノについて: シクロプロピルメチルアミノ、シクロプロピルエチルアミノ、シクロペンチルメチルアミノおよびシクロヘキシルメチルアミノ;
(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルアミノ(C1-C6)アルキルについて: シクロプロピルメチルアミノメチル、シクロプロピルメチルアミノエチル、シクロプロピルメチルアミノプロピル、シクロプロピルエチルアミノエチル、シクロプロピルエチルアミノブチル、シクロペンチルメチルアミノエチル、シクロペンチルメチルアミノブチルおよびシクロヘキシルメチルアミノエチル;
(C1-C6)アルコキシアミノについて: メトキシアミノ、エトキシアミノ、プロポキシアミノおよびブトキシアミノ;
(C1-C6)アルカノイルについて: ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリルおよびイソブチリル;
(C2-C6)アルカノイルアミノについて: アセトアミドおよびプロピオンアミド;
(C1-C6)アルキルスルホニルについて: メチルスルホニルおよびエチルスルホニル;ならびに
(C1-C6)アルキルスルフィニルについて: メチルスルフィニルおよびエチルスルフィニル。
本発明による化合物が1以上の不斉置換炭素原子を含む場合、本発明には鏡像異性体およびジアステレオマーならびにそのラセミ混合物を含む混合物を含めたすべての立体異性体が含まれる。
したがって、前記に定めた特定の式(I)の化合物が1以上の不斉炭素原子により光学活性形またはラセミ形で存在する可能性がある限り、本発明の定義には前記の活性をもつそのような光学活性形またはラセミ形がいずれも含まれることを理解すべきである。特に、式(I)の化合物はピロリジン環上に(すなわち、イソオキサゾリル基に結合した炭素原子に、および/または置換基R4にに結合した炭素原子に)キラル中心をもつ。本発明は、本明細書に定めた活性をもつそのようなすべての立体異性体、たとえば(2R)および(2S)異性体(特に(2S)異性体)を含む。さらに、キラル化合物の名称において(R,S)はスカレミ(scalemic)混合物またはラセミ混合物を表わし、一方(R)および(S)は鏡像異性体を表わすと理解すべきである。名称中に(R,S)、(R)または(S)が存在しない場合、その名称はスカレミ混合物またはラセミ混合物を表わすと理解すべきである。ここで、スカレミ混合物はRおよびS鏡像異性体を任意割合で含有し、ラセミ混合物はRおよびS鏡像異性体を50:50の比率で含有する。光学活性形の合成は、当技術分野で周知の有機化学標準法により、たとえば光学活性出発物質からの合成により、またはラセミ形の分割により実施できる。ラセミ体を既知の方法で個々の鏡像異性体に分離することができる(参照:Advanced Organic Chemistry: 第3版: 著者J March、p 104-107)。適切な方法は、ラセミ物質とキラル助剤の反応によりジアステレオマー誘導体を形成し、続いてたとえばクロマトグラフィーによりジアステレオマーを分離し、次いで助剤種を開裂させることを伴う。前記の活性も、後記に述べる標準実験法により評価することができる。
前記に定めた特定の式(I)の化合物が互変異性体の形で存在する可能性がある限り、本発明の定義には前記の活性をもつそのような互変異性形がいずれも含まれることも理解すべきである。したがって本発明は、ヒトまたは動物においてIGF-1Rチロシンキナーゼ活性を阻害する式(I)の化合物のすべての互変異性形に関する。たとえば、本発明化合物は下記の互変異性形(I')および(I")で存在することができる:
Figure 2008534661
特定の式(I)の化合物が溶媒和した形および溶媒和していない形で、たとえば水和した形で存在する可能性があることを理解すべきである。本発明は、ヒトまたは動物においてIGF-1Rチロシンキナーゼ活性を阻害するすべてのそのような溶媒和形を含むと理解すべきである。
特定の式(I)の化合物が多形性を示す可能性があり、本発明はヒトまたは動物においてIGF-1Rチロシンキナーゼ活性を阻害するすべてのそのような形を含むことも理解すべきである。
本発明による化合物は医薬的に許容できる塩類として提供することができる。医薬的に許容できる適切な塩類には、塩基塩、たとえばアルカリ金属塩、たとえばナトリウム塩、アルカリ土類金属塩、たとえばカルシウム塩またはマグネシウム塩、有機アミン塩、たとえばトリエチルアミン、モルホリン、N-メチルピペリジン、N-エチルピペリジン、プロカイン、ジベンジルアミン、N,N-ジベンジルエチルアミン、またはアミノ酸(たとえばリシン)、の塩が含まれる。他の観点において、化合物が十分に塩基性である場合、適切な塩類には、酸付加塩、たとえばメタンスルホン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、ならびにリン酸および硫酸と形成される塩類が含まれる。
本発明の1観点において、R1に適切な意味は(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキル基(たとえばシクロプロピルメチル、シクロペンチルメチルまたはシクロヘキシルメチル)であり、これらの基はハロゲノおよび(C1-C4)アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。
本発明の他の観点において、R1に適切な意味は(C1-C6)アルキル基(たとえば(C1-C4)アルキル基、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはtert-ブチル)、または(C3-C8)シクロアルキル基(たとえば(C3-C6)シクロアルキル基、たとえばシクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)であり、これらの基はハロゲノおよび(C1-C4)アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。R1に適切な他の基は、非置換(C1-C6)アルキル基(たとえば(C1-C4)アルキル基、たとえばメチル)、または非置換(C3-C8)シクロアルキル基(たとえば(C3-C6)シクロアルキル基、たとえばシクロプロピル)である。
本発明の他の観点において、R1に適切な意味はメチルまたはシクロプロピルである。
本発明の他の観点において、R1に適切な意味は非置換(C1-C4)アルキル基である。たとえば、R1はメチル、エチルまたはtert-ブチル、特にメチルまたはtert-ブチル、殊にメチルである。
本発明の他の観点において、R1に適切な意味は非置換(C3-C6)シクロアルキル基、たとえばシクロプロピルである。
本発明の一観点において、R2に適切な意味は水素またはトリフルオロメチルである。
本発明の他の観点において、R2に適切な意味はハロゲノ(たとえばフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード、特にクロロまたはフルオロ、殊にクロロ)である。
本発明の他の観点において、R2に適切な意味は水素である。
本発明の一観点において、R3は水素、ヒドロキシもしくはハロゲノから、または(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ、(C3-C8)シクロアルキルアミノ、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルアミノ、(C1-C6)アルコキシアミノ、カルバモイル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、ジ-[(C1-C6)アルキル]カルバモイル、-C(O)R3b、-OR3b、-NHR3b、-N[(C1-C6)アルキル]R3b、-S(O)mR3aもしくは-N(R3c)C(O)R3a基から選択され、これらにおいてR3aは(C1-C6)アルキルまたは(C1-C6)アルコキシ基から選択され、mは0、1または2であり、R3bは窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式4-、5-または6-員複素環式環であり、R3cは水素および(C1-C6)アルキルから選択され、あるいは、R3は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式5-または6-員複素環式環であり、あるいは、R3は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む5-または6-員ヘテロ芳香族環であり、あるいは、R3は、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン基である。R3内のこれらの基または環はそれぞれ、独立して(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシ、ハロゲノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリ-[(C1-C4)アルキル]シリル、シアノ、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ、アミノ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキルアミノ(C1-C6)アルキル、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、カルバモイル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、ジ-[(C1-C6)アルキル]カルバモイル、(C1-C6)アルキルチオ、(C1-C6)アルキルスルホニル、(C1-C6)アルキルスルフィニル、(C1-C6)アルカノイル、アルカノイルアミノ基-N(R3d)C(O)R3e(ここで、R3dは水素および(C1-C6)アルキルから選択され、R3eは(C1-C6)アルキル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルまたは(C1-C6)アルコキシ基から選択される)、または飽和単環式3-、4-、5-、6-もしくは7-員環(これらの環は、窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでもよい)から選択される1個以上(たとえば1または2個、特に1個)の置換基で置換されていてもよく、これらの置換基はいずれも1個以上(たとえば1または2個、特に1個)の(C1-C4)アルキル、ヒドロキシまたはシアノ基で置換されていてもよい。R3内の飽和単環式環はいずれも1または2個のオキソまたはチオキソ置換基を保有していてもよい。
本発明の他の観点において、R3は水素、ヒドロキシもしくはハロゲノから、または(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシカルボニル、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ、(C3-C8)シクロアルキルアミノ、カルバモイル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、ジ-[(C1-C6)アルキル]カルバモイル、-C(O)R3b、-OR3b、-NHR3bもしくは-S(O)mR3a基から選択され、これらにおいてR3aは(C1-C6)アルキル基であり、mは0であり、R3bは窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式4-、5-または6-員複素環式環であり、あるいは、R3は、窒素および酸素から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式5-または6-員複素環式環であり、あるいは、R3は、窒素および酸素から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む5-または6-員ヘテロ芳香族環である。R3内のこれらの基または環はそれぞれ、独立して(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシ、ハロゲノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリ-[(C1-C4)アルキル]シリル、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ、アミノ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、カルバモイル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、(C1-C6)アルキルチオ、(C1-C6)アルキルスルホニル、(C1-C6)アルカノイル、およびアルカノイルアミノ基-N(R3d)C(O)R3e(ここで、R3dは水素および(C1-C6)アルキルから選択され、R3eは(C1-C6)アルキルまたは(C1-C6)アルコキシ基から選択される)、または飽和単環式3-、4-、5-もしくは6-員環(これらの環は、窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでもよい)から選択される1個以上(たとえば1または2個、特に1個)の置換基で置換されていてもよく、これらの置換基はいずれも1個以上(たとえば1または2個、特に1個)の(C1-C4)アルキル、ヒドロキシまたはシアノ基で置換されていてもよい。R3内の飽和単環式環はいずれも1または2個のオキソ置換基を保有していてもよい。
本発明の他の観点において、R3は水素、ヒドロキシもしくはハロゲノから、または(C1-C4)アルキル、(C2-C4)アルケニル、(C2-C4)アルキニル、(C1-C3)アルコキシ、アミノ、(C1-C3)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C3)アルキル]アミノ、(C3-C6)シクロアルキルアミノ、カルバモイル、(C1-C3)アルキルカルバモイル、ジ-[(C1-C3)アルキル]カルバモイル、-C(O)R3b、-OR3b、-NHR3bもしくは-S(O)mR3a基から選択され、これらにおいてR3aは(C1-C3)アルキル基であり、mは0であり、R3bは窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式4-、5-または6-員複素環式環であり、あるいは、R3は、窒素および酸素から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式5-または6-員複素環式環であり、あるいは、R3は、窒素および酸素から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む5-または6-員ヘテロ芳香族環である。R3内のこれらの基または環はそれぞれ、上記で定義した1個以上の置換基で置換されていてもよく、特に、独立して(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルコキシ、(C1-C3)アルコキシ(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルコキシ(C1-C3)アルコキシ、ハロゲノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、(C1-C3)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C3)アルキル]アミノ、アミノ(C1-C3)アルキル、カルバモイル、(C1-C3)アルキルカルバモイル、(C1-C3)アルキルチオ、(C1-C3)アルキルスルホニル、(C1-C3)アルカノイル、およびアルカノイルアミノ基-N(R3d)C(O)R3e(ここで、R3dは水素および(C1-C3)アルキルから選択され、R3eは(C1-C3)アルキルまたは(C1-C3)アルコキシ基から選択される)、または飽和単環式3-、4-、5-もしくは6-員環(これらの環は、窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでもよい)から選択される1個以上(たとえば1または2個、特に1個)の置換基で置換されていてもよく、これらの置換基はいずれも1個以上(たとえば1または2個、特に1個)の(C1-C2)アルキル、ヒドロキシまたはシアノ基で置換されていてもよい。R3内の飽和単環式環はいずれも1個のオキソ置換基を保有していてもよい。
本発明の1観点において、R3が置換されている場合、それは独立して(C1-C6)アルコキシ(たとえばメトキシまたはエトキシ)、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシ(たとえばメトキシエトキシ)、または飽和単環式3-、4-、5-、6-もしくは7-員(たとえば4-、5-、6-もしくは7-員)環から選択される1個以上(たとえば1、2または3個、特に1または2個、殊に1個)の置換基で置換されることができ、これらの環は、窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでもよい(たとえばシクロペンチル、シクロヘキシル、ピロリジニル、ピペリジニル、ジオキサニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニルまたはピペラジニル)。
本発明の他の観点において、R3が置換されている場合、それは独立して(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、ハロゲノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノおよびジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ、または飽和単環式3-、4-、5-、6-もしくは7-員(たとえば4-、5-、6-もしくは7-員)環から選択される1個以上(たとえば1または2個、殊に1個)の置換基で置換されることができ、これらの環は、窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでもよい。
本発明の他の観点において、R3が飽和単環式3-、4-、5-、6-もしくは7-員(たとえば4-、5-、6-もしくは7-員)環である置換基をもち、これらの環が窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでもよい場合、その環は好ましくは窒素を含み、かつ場合により窒素、酸素および硫黄から選択される1または2個の追加ヘテロ原子を含んでもよい。たとえばR3上の飽和単環式3-、4-、5-、6-もしくは7-員環式置換基はピロリジンであってよい。
本発明の他の観点において、R3は水素から、または(C1-C4)アルキル、(C1-C3)アルコキシもしくは(C3-C5)シクロアルキル基から選択され、あるいは、R3は、窒素および酸素から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式5-または6-員複素環式環である。R3内のこれらの基または環はそれぞれ、前記に定めた1個以上(たとえば1または2個、特に1個)の置換基、特に独立してヒドロキシおよび(C1-C3)アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。
本発明の他の観点において、R3は水素およびハロゲノから、または(C1-C4)アルキルもしくは(C1-C3)アルコキシ基から選択され、あるいは、R3は、窒素および酸素から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式5-または6-員複素環式環である。R3内のこれらの基または環はそれぞれ、前記に定めた1個以上(たとえば1または2個、特に1個)の置換基、特に独立してヒドロキシおよび(C1-C3)アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。
本発明のさらに他の観点において、R3はハロゲノから、または(C1-C4)アルキルもしくは(C1-C3)アルコキシ基から選択され、あるいは、R3は、窒素および酸素から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式5-または6-員複素環式環である。R3内のこれらの基または環はそれぞれ、前記に定めた1個以上(たとえば1または2個、特に1個)の置換基、特に独立してヒドロキシおよび(C1-C3)アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい。
本発明の他の観点において、R3は水素もしくはハロゲノから、または(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ、カルバモイル、-C(O)R3b、-OR3b、-SR3b、-NHR3b、-N[(C1-C6)アルキル]R3bもしくは-S(O)mR3a基(これらにおいて、m、R3aおよびR3bは前記に定めたものである)から選択され、あるいは、R3は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式5-または6-員複素環式環であり、これらの基または環はそれぞれ、前記に定めた1個以上(たとえば1または2個、特に1個)の置換基で置換されていてもよい。
本発明の他の観点において、R3は水素から、または下記のものから選択される置換された基または置換されていない基から選択される:(C1-C6)アルキル(たとえば(C1-C4)アルキル、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、tert-ブチル)、(C3-C8)シクロアルキル(たとえば(C3-C6)シクロアルキル、たとえばシクロプロピル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキル(たとえば(C3-C6)シクロアルキル(C1-C4)アルキル、たとえばシクロプロピルメチル)、(C1-C6)アルコキシ(たとえば(C1-C4)アルコキシ、たとえばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシおよびブトキシ)、(C1-C6)アルキルカルボニル(たとえば(C1-C4)アルキルカルボニル、たとえばメチルカルボニル)、(C3-C8)シクロアルキルカルボニル(たとえば(C3-C6)シクロアルキルカルボニル、たとえばシクロプロピルカルボニル)、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルカルボニル(たとえば(C3-C6)シクロアルキル(C1-C4)アルキルカルボニル、たとえばシクロプロピルメチルカルボニル)、(C1-C6)アルコキシカルボニル(たとえば(C1-C4)アルコキシカルボニル、たとえばメトキシカルボニル)、(C1-C6)アルキルアミノ(たとえば(C1-C4)アルキルアミノ、たとえばメチルアミノまたはエチルアミノ)、(C3-C8)シクロアルキルアミノ、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルアミノ、(C1-C6)アルコキシアミノまたは-S(O)mR3a(これらにおいて、R3aは前記に定めたものである)。
本発明の他の観点において、R3に適切な意味にはたとえば下記のものが含まれる:水素、ヒドロキシ、クロロ、フルオロもしくはヨード、またはメチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、エチニル、プロピニル、ブチニル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、tert-ブトキシ、シクロプロピル、シクロブチル、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、カルバモイル、N-メチルカルバモイル、N-エチルカルバモイル、N-プロピルカルバモイル、N-ブチルカルバモイル、N,N-ジメチルカルバモイル、N-エチル-N-メチルカルバモイル、ピロリジニルカルボニル、モルホリニルカルボニル、アゼチジニルカルボニル、メチルチオ、エチルチオ、ピペリジニルアミノ、テトラヒドロピラニルアミノ、テトラヒドロピラニルオキシ、ピロリジニル、モルホリニル、ピペラジニル、オキサジアゾリルまたは2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-イル基;これらの基または環はそれぞれ、前記に定めた1個以上(たとえば1または2個、特に1個)の置換基で置換されていてもよい。
本発明のさらに他の観点において、R3に適切な意味にはたとえば下記のものが含まれる:水素、ヒドロキシ、クロロ、フルオロ、ブロモ、ヨード、メチル、エチル、プロピル、イソ-プロピル、ブチル、tert-ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、エトキシメチル、(2-メトキシエトキシ)メチル、アミノメチル、メチルアミノメチル、エチルアミノメチル、モルホリノメチル、ピペラジン-1-イルメチル、4-メチルピペラジン-1-イルメチル、ピロリジン-1-イルメチル、2-ヒドロキシエチル、2-メトキシエチル、2-エトキシエチル、2-(エトキシカルボニル)エチル、2-(N-メチルカルバモイル)エチル、3-ヒドロキシプロピル、3-メトキシプロピル、3-エトキシプロピル、3-アミノプロパ-1-イル、3-N,N-ジメチルアミノプロピル、3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパ-1-イル、3-ピロリジン-1-イルプロピル、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、3-ヒドロキシプロパ-1-エン-1-イル、3-アミノプロパ-1-エン-1-イル、2-(メトキシカルボニル)エテン-1-イル、3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパ-1-エン-1-イル、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、3-ヒドロキシプロパ-1-イン-1-イル、3-メトキシプロパ-1-イン-1-イル、2-(トリメチルシリル)エチニル、3-アミノプロパ-1-イン-1-イル、3-メチルアミノプロパ-1-イン-1-イル、3-(ジメチルアミノ)プロパ-1-イン-1-イル、3-(N-メチルアセトアミド)プロパ-1-イン-1-イル、3-アセトアミドプロパ-1-イン-1-イル、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、(5-オキソピロリジン-2-イル)メトキシ、テトラヒドロフラン-3-イルメトキシ、2-ヒドロキシエトキシ、2-エトキシエトキシ、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ、2-メトキシエトキシ、(2-メトキシエトキシ)エトキシ、2-{N-[2-ヒドロキシエチル]-N-メチル-アミノ}エトキシ、2-モルホリノエトキシ、2-(2-オキソピロリジン-1-イル)エトキシ、2-(イミダゾリド-2-オン-1-イル)エトキシ、3-ヒドロキシプロピルオキシ、2-ヒドロキシプロパ-1-イルオキシ、3-メトキシプロパ-1-イルオキシ、2-メトキシプロパ-1-イルオキシ、3-モルホリノプロパ-1-イルオキシ、3-(メチルチオ)プロパ-1-イルオキシ、3-(メチルスルホニル)プロピル-1-オキシ、メトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル、N-(tert-ブトキシカルボニル)アミノ、メチルアミノ、2-メトキシエチルアミノ、2-アミノエチルアミノ、2-(ジメチルアミノ)エチルアミノ、(N-2-メトキシエチル)-N-メチルアミノ、3-イソプロポキシプロパ-1-イルアミノ、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ、2-(アセトアミド)エチルアミノ、2-(モルホリン-4-イル)エチルアミノ、2-メチルプロパ-1-イルアミノ、2-ヒドロキシプロパ-1-イルアミノ、3-メトキシプロピルアミノ、3-エトキシプロピルアミノ、2-イソプロポキシエチルアミノ、テトラヒドロフラン-2-イルメチルアミノ、ジメチルアミノ、N-(2-ヒドロキシエチル)-N-エチルアミノ、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、4-メチルシクロヘキシルアミノ、4-ヒドロキシシクロヘキシルアミノ、カルバモイル、N-ヒドロキシカルバモイル、N-シクロプロピルカルバモイル、N-シクロペンチルカルバモイル、N-アミノカルバモイル、N-(アセチルアミノ)カルバモイル、N-メチルカルバモイル、2-ヒドロキシエチルカルバモイル、N-(2-ヒドロキシプロピル)カルバモイル、N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)カルバモイル、N-(4-ヒドロキシブチル)カルバモイル、N-(2-メトキシエチル)カルバモイル、N-(2-(アセチルアミノ)エチル)カルバモイル、N-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]カルバモイル、N-(カルバモイルメチル)カルバモイル、N-[2-(メチルチオ)エチル]カルバモイル、N-(2-メトキシエチル)-N-メチルカルバモイル、ピロリジン-1-イルカルボニル、モルホリノカルボニル、アゼチジン-1-イルカルボニル、(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)カルボニル、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イルアミノ、4-テトラヒドロピラニルアミノ、テトラヒドロピラン-4-イルオキシ、ピロリジン-1-イル、モルホリノ、ピペラジン-1-イル、4-メチルピペラジン-1-イル、4-エチルピペラジン-1-イル、4-イソプロピルピペラジン-1-イル、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル、4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル、4-(2-メトキシエチル)ピペラジン-1-イル、4-(2-アミノエチル)ピペラジン-1-イル、4-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン-1-イル、4-(2-シアノエチル)ピペラジン-1-イル、4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル、1-ホルミル-ピペラジン-4-イル、4-アセチルピペラジン-1-イル、4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル、4-アミノピペリジン-1-イル、4-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)ピペリジン-1-イル、3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、3-ジメチルアミノ-ピロリジン-1-イル、cis-3,4-ジヒドロキシピロリジン-1-イル、5-メチル-[1,3,4]-オキサジアゾール-2-イル、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-イルおよび(tert-ブトキシカルボニル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-イル。
R3にさらに適切な意味にはたとえば下記のものが含まれる:水素、ヒドロキシ、クロロ、ヨード、メチル、エチル、プロピル、シクロプロピル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、エトキシメチル、(2-メトキシエトキシ)メチル、アミノメチル、メチルアミノメチル、モルホリノメチル、4-メチルピペラジン-1-イルメチル、ピロリジン-1-イルメチル、2-メトキシエチル、2-(エトキシカルボニル)エチル、2-(N-メチルカルバモイル)エチル、3-ヒドロキシプロピル、3-メトキシプロピル、3-アミノプロパ-1-イル、3-N,N-ジメチルアミノプロピル、3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパ-1-イル、3-ピロリジン-1-イルプロピル、エテニル、ペンタ-3-エン-1-イル、3-ヒドロキシプロパ-1-エン-1-イル、3-アミノプロパ-1-エン-1-イル、2-(メトキシカルボニル)エテン-1-イル、3-(tert-ブトキシカルボニルアミノ)プロパ-1-エン-1-イル、エチニル、3-ヒドロキシプロパ-1-イン-1-イル、3-メトキシプロパ-1-イン-1-イル、2-(トリメチルシリル)エチニル、3-アミノプロパ-1-イン-1-イル、3-メチルアミノプロパ-1-イン-1-イル、3-(ジメチルアミノ)プロパ-1-イン-1-イル、3-(N-メチルアセトアミド)プロパ-1-イン-1-イル、3-アセトアミドプロパ-1-イン-1-イル、メトキシ、エトキシ、(5-オキソピロリジン-2-イル)メトキシ(たとえば(2S)-(5-オキソピロリジン-2-イル)メトキシまたは(2R)-(5-オキソピロリジン-2-イル)メトキシ)、テトラヒドロフラン-3-イルメトキシ、2-ヒドロキシエトキシ、2-エトキシエトキシ、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ、2-メトキシエトキシ、(2-メトキシエトキシ)エトキシ、2-{N-[2-ヒドロキシエチル]-N-メチル-アミノ}エトキシ、2-モルホリノエトキシ、2-(2-オキソピロリジン-1-イル)エトキシ、2-(イミダゾリド-2-オン-1-イル)エトキシ、3-ヒドロキシプロピルオキシ、2-ヒドロキシプロパ-1-イルオキシ(たとえば(2R)-2-ヒドロキシプロパ-1-イルオキシ)、3-メトキシプロパ-1-イルオキシ、2-メトキシプロパ-1-イルオキシ(たとえば(2S)-2-メトキシプロパ-1-イルオキシ)、3-モルホリノプロパ-1-イルオキシ、3-(メチルチオ)プロパ-1-イルオキシ、3-(メチルスルホニル)プロピル-1-オキシ、メトキシカルボニル、N-(tert-ブトキシカルボニル)アミノ、メチルアミノ、2-メトキシエチルアミノ、2-アミノエチルアミノ、2-(ジメチルアミノ)エチルアミノ、(N-2-メトキシエチル)-N-メチルアミノ、3-イソプロポキシプロパ-1-イルアミノ、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ、2-(アセトアミド)エチルアミノ、2-(モルホリン-4-イル)エチルアミノ、2-メチルプロパ-1-イルアミノ、2-ヒドロキシプロパ-1-イルアミノ(たとえば(2R)-2-ヒドロキシプロパ-1-イルアミノまたは(2S)-2-ヒドロキシプロパ-1-イルアミノ)、3-メトキシプロピルアミノ、3-エトキシプロピルアミノ、2-イソプロポキシエチルアミノ、テトラヒドロフラン-2-イルメチルアミノ(たとえば(2R)-テトラヒドロフラン-2-イルメチルアミノ)、ジメチルアミノ、N-(2-ヒドロキシエチル)-N-エチルアミノ、シクロブチルアミノ、4-メチルシクロヘキシルアミノ、4-ヒドロキシシクロヘキシルアミノ、カルバモイル、N-ヒドロキシカルバモイル、N-シクロプロピルカルバモイル、N-シクロペンチルカルバモイル、N-アミノカルバモイル、N-(アセチルアミノ)カルバモイル、N-メチルカルバモイル、2-ヒドロキシエチルカルバモイル、N-(2-ヒドロキシプロピル)カルバモイル(たとえばN-((R)-2-ヒドロキシプロピル)カルバモイル)、N-(2,3-ジヒドロキシプロピル)カルバモイル(たとえばN-((2R)-2,3-ジヒドロキシプロピル)カルバモイル)、N-(4-ヒドロキシブチル)カルバモイル、N-(2-メトキシエチル)カルバモイル、N-(2-(アセチルアミノ)エチル)カルバモイル、N-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]カルバモイル、N-(カルバモイルメチル)カルバモイル、N-[2-(メチルチオ)エチル]カルバモイル、N-(2-メトキシエチル)-N-メチルカルバモイル、ピロリジン-1-イルカルボニル、モルホリノカルボニル、アゼチジン-1-イルカルボニル、(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)カルボニル(たとえば(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イルカルボニル)、メチルチオ、2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-4-イルアミノ、4-テトラヒドロピラニルアミノ、テトラヒドロピラン-4-イルオキシ、ピロリジン-1-イル、モルホリノ、ピペラジン-1-イル、4-メチルピペラジン-1-イル、4-エチルピペラジン-1-イル、4-イソプロピルピペラジン-1-イル、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル、4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル、4-(2-メトキシエチル)ピペラジン-1-イル、4-(2-アミノエチル)ピペラジン-1-イル、4-[2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン-1-イル、4-(2-シアノエチル)ピペラジン-1-イル、4-(tert-ブトキシカルボニル)ピペラジン-1-イル、1-ホルミル-ピペラジン-4-イル、4-アセチルピペラジン-1-イル、4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル、4-アミノピペリジン-1-イル、4-(N-tert-ブトキシカルボニルアミノ)ピペリジン-1-イル、3-ヒドロキシピロリジン-1-イル(たとえば(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)、3-ジメチルアミノ-ピロリジン-1-イル(たとえば(3R)-3-ジメチルアミノ-ピロリジン-1-イル)、cis-3,4-ジヒドロキシピロリジン-1-イル、5-メチル-[1,3,4]-オキサジアゾール-2-イル、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-イルおよび(tert-ブトキシカルボニル)-2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン-7-イル。
R3にさらにいっそう適切な意味にはたとえば下記のものが含まれる:水素、クロロ、ヨード、メチル、エチル、トリフルオロメチル、ヒドロキシメチル、メトキシメチル、エトキシメチル、(2-メトキシエトキシ)メチル、モルホリノメチル、3-ヒドロキシプロピル、3-メトキシプロピル、3-N,N-ジメチルアミノプロピル、エテニル、3-ヒドロキシプロパ-1-エン-1-イル、エチニル、3-ヒドロキシプロパ-1-イン-1-イル、3-メトキシプロパ-1-イン-1-イル、3-アミノプロパ-1-イン-1-イル、3-メチルアミノプロパ-1-イン-1-イル、3-(ジメチルアミノ)プロパ-1-イン-1-イル、3-(N-メチルアセトアミド)プロパ-1-イン-1-イル、3-アセトアミドプロパ-1-イン-1-イル、メトキシ、エトキシ、(5-オキソピロリジン-2-イル)メトキシ(たとえば(2S)-(5-オキソピロリジン-2-イル)メトキシまたは(2R)-(5-オキソピロリジン-2-イル)メトキシ)、テトラヒドロフラン-3-イルメトキシ、2-ヒドロキシエトキシ、2-エトキシエトキシ、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エトキシ、2-メトキシエトキシ、(2-メトキシエトキシ)エトキシ、2-{N-[2-ヒドロキシエチル]-N-メチル-アミノ}エトキシ、2-モルホリノエトキシ、2-(2-オキソピロリジン-1-イル)エトキシ、2-(イミダゾリド-2-オン-1-イル)エトキシ、3-ヒドロキシプロピルオキシ、2-ヒドロキシプロパ-1-イルオキシ(たとえば(2R)-2-ヒドロキシプロパ-1-イルオキシ)、3-メトキシプロパ-1-イルオキシ、2-メトキシプロパ-1-イルオキシ(たとえば(2S)-2-メトキシプロパ-1-イルオキシ)、3-モルホリノプロパ-1-イルオキシ、3-(メチルチオ)プロパ-1-イルオキシ、3-(メチルスルホニル)プロピル-1-オキシ、メチルアミノ、2-メトキシエチルアミノ、2-(メトキシエチル)アミノ、2-(2-ヒドロキシエトキシ)エチルアミノ、2-(モルホリン-4-イル)エチルアミノ、2-メチルプロパ-1-イルアミノ、2-ヒドロキシプロパ-1-イルアミノ(たとえば(2R)-2-ヒドロキシプロパ-1-イルアミノまたは(2S)-2-ヒドロキシプロパ-1-イルアミノ)、3-メトキシプロピルアミノ、3-エトキシプロピルアミノ、2-イソプロポキシエチルアミノ、テトラヒドロフラン-2-イルメチルアミノ(たとえば(2R)-テトラヒドロフラン-2-イルメチルアミノ)、ジメチルアミノ、N-(2-ヒドロキシエチル)-N-エチルアミノ、シクロブチルアミノ、カルバモイル、N-シクロプロピルカルバモイル、N-メチルカルバモイル、2-ヒドロキシエチルカルバモイル、N-(2-ヒドロキシプロピル)カルバモイル(たとえばN-((R)-2-ヒドロキシプロピル)カルバモイル)、N-(2-メトキシエチル)カルバモイル、N-[2-(メチルチオ)エチル]カルバモイル、ピロリジン-1-イルカルボニル、アゼチジン-1-イルカルボニル、メチルチオ、4-テトラヒドロピラニルアミノ、テトラヒドロピラン-4-イルオキシ、ピロリジン-1-イル、モルホリノ、ピペラジン-1-イル、4-メチルピペラジン-1-イル、4-エチルピペラジン-1-イル、4-イソプロピルピペラジン-1-イル、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル、4-(3-ヒドロキシプロピル)ピペラジン-1-イル、4-(2-メトキシエチル)ピペラジン-1-イル、4-(2-シアノエチル)ピペラジン-1-イル、4-アセチルピペラジン-1-イル、4-(エチルスルホニル)ピペラジン-1-イル、3-ヒドロキシピロリジン-1-イル(たとえば(3R)-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)、3-ジメチルアミノ-ピロリジン-1-イル(たとえば(3R)-3-ジメチルアミノ-ピロリジン-1-イル)および1-ホルミル-ピペラジン-4-イル。
本発明の他の観点において、R3は水素である。
本発明の一観点において、R4は、(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ(これらの(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ置換基はいずれも、独立してハロゲノ、アミノ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから選択される少なくとも1個の置換基(たとえば1、2、3または4個の置換基)で置換されていてもよい)、ハロゲノ、ニトロ、シアノ、-NR5R6、カルボキシ、ヒドロキシ、(C2-C6)アルケニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C2-C6)アルカノイルアミノ、フェニルカルボニル、-S(O)p(C1-C6)アルキル、-C(O)NR7R8および-SO2NR9R10(これらにおいてp、R5、R6、R7、R8、R9およびR10は前記に定めたものである)から選択される。
本発明の他の観点において、R4は、(C1-C4)アルキル、(C1-C4)アルコキシ、シアノおよび-NR5R6(ここでR5およびR6は前記に定めたものである)から選択される。
本発明の他の観点において、R4は、(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ(これらの(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ置換基はいずれも、独立してハロゲノ、アミノ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよい)およびヒドロキシから選択される。
本発明の他の観点において、R4は、(C1-C6)アルキル(たとえば(C1-C4)アルキル、たとえばメチル)、ハロゲノ(たとえばフルオロ)、(C1-C6)アルコキシ(たとえば(C1-C4)アルコキシ、たとえばメトキシ)およびヒドロキシから選択される。
本発明の他の観点において、R4は、(C1-C6)アルコキシ(たとえば(C1-C4)アルコキシ、たとえばメトキシ)およびヒドロキシから選択される。
適切にはR5、R6、R7、R8、R9およびR10は、それぞれ独立して水素または(C1-C4)アルキル(たとえばメチル)を表わし、あるいはR5とR6、またはR7とR8、またはR9とR10は、それらが結合している窒素原子と一緒になった場合、それぞれ適切には飽和複素環式環、たとえばピロリジニルまたはピペリジニルを形成していてもよい。
本発明の一観点において、qは1または2であり、特にqは1である。
本発明の一観点において、Q1に適切な意味は、置換もしくは非置換の、(C1-C6)アルキル(たとえばメチル、エチル、プロピルまたはブチル)、(C3-C6)シクロアルキル(たとえばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル)、もしくは(C3-C6)シクロアルキル(C1-C6)アルキル(たとえばシクロプロピルメチル)基、または窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子(たとえば1、2、3または4個のヘテロ原子)を含んでもよい、飽和もしくは不飽和5-もしくは6-員単環式環(たとえばフェニル、ピリジル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、フリル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピロリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、テトラヒドロフラニルまたはチエニル、特にピリジル、ピラジニル、チアゾリル、テトラヒドロフラニルまたはピリミジニル、殊にピリジル)である。
本発明の他の観点において、Q1に適切な意味は、置換もしくは非置換の、(C1-C6)アルキルもしくは(C3-C6)シクロアルキル基、または窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含んでもよい、置換もしくは非置換の、飽和もしくは不飽和5-もしくは6-員単環式環である。たとえば、Q1に適切な意味には、メチル、シクロプロピル、ピリジル、ピラジニル、チアゾリル、テトラヒドロフラニルまたはピリミジニルから選択される、置換された基または置換されていない基が含まれる。
本発明のさらに他の観点において、Q1に適切な意味は、置換もしくは非置換の、(C1-C4)アルキル(たとえばメチル)もしくは(C3-C6)シクロアルキル(たとえばシクロプロピル)基、または窒素、酸素および硫黄から選択される1もしくは2個の環ヘテロ原子(同一でも異なってもよい)を含む、置換されていてもよい不飽和5-もしくは6-員単環式環、たとえばイミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、フリル、ピラジニル(特にピラジン-2-イル)、ピリダジニル、ピリミジニル(特にピリミジン-2-イル)、ピロリル、オキサゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、テトラヒドロフラニルもしくはチエニル、特にピリジル(特にピリド-2-イルまたはピリド-3-イル)もしくはチアゾリル(特にチアゾール-2-イルまたはチアゾール-4-イル)もしくはテトラヒドロフラニル(特にテトラヒドロフラン-3-イル)である。
本発明のさらに他の観点において、Q1に適切な意味は、1または2個の環窒素原子を含む、置換されていてもよい不飽和5-または6-員単環式環、たとえばピリジル(特にピリド-2-イルまたはピリド-3-イル、殊にピリド-2-イル)、ピラジニル(特にピラジン-2-イル)またはピリミジニル(特にピリミジン-2-イル)である。本発明のこの観点において、Q1の具体的な基はピリジル(特にピリド-2-イルまたはピリド-3-イル、殊にピリド-2-イル)である。
本発明の一観点において、Q1が置換されている場合、Q1に適切な置換基には、独立して(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ(これらの(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ置換基はいずれも、独立してハロゲノ、アミノ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから選択される少なくとも1個の置換基(たとえば1、2、3または4個の置換基)で置換されていてもよい)、ハロゲノ、ニトロ、シアノ、-NR11R12、カルボキシ、ヒドロキシ、(C2-C6)アルケニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C2-C6)アルカノイルアミノ、フェニルカルボニル、-S(O)n(C1-C6)アルキル、-C(O)NR13R14および-SO2NR15R16(これらにおいて、n、R11、R12、R13、R14、R15およびR16は前記に定めたものである)から選択される1個以上(たとえば1、2、3または4個)の置換基が含まれる。
本発明の他の観点において、Q1が置換されている場合、Q1に適切な置換基には、独立して(C1-C4)アルキル、(C1-C4)アルコキシ、シアノおよび-NR11R12(ここでR11およびR12は前記に定めたものである)から選択される1個以上(たとえば1または2個、特に1個)の置換基が含まれる。
適切にはR11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立して水素または(C1-C4)アルキル(たとえばメチル)を表わし、あるいはR11とR12、またはR13とR14、またはR15とR16は、それらが結合している窒素原子と一緒になった場合、それぞれ適切には飽和複素環式環、たとえばピロリジニルまたはピペリジニルを形成していてもよい。
本発明化合物中の環上の置換基の数および性質が立体的に望ましくない組合わせを避けるように選択されることは認識されるであろう。
本発明による式(I)の化合物の1グループにおいて、R1は(C1-C4)アルキルまたは(C3-C6)シクロアルキル基から選択され;R2はハロゲノであり;R3は水素であり;Q1は、窒素、酸素および硫黄から選択される1または2個の環ヘテロ原子(同一でも異なってもよい)を含む、置換されていてもよい不飽和5-または6-員単環式環であり;R4およびqは前記に定めたいずれかの意味をもつ。たとえばこのグループにおいて、Q1に適切な意味はピラジニル、チアゾリル、ピリミジニルおよびピリジル(特にピリジル、ピリミジニルおよびピラジニル、殊にピリジル)である。
本発明による式(I)の化合物の他のグループにおいて、R1は(C1-C2)アルキルまたは(C3-C4)シクロアルキル基から選択され;R2はハロゲノであり;R3は水素であり;Q1は、窒素、酸素および硫黄から選択される1または2個の環ヘテロ原子(同一でも異なってもよい)を含む、置換されていてもよい不飽和5-または6-員(特に6-員)単環式環であり;qは1であり;R4は(C1-C2)アルコキシおよびヒドロキシから選択される。たとえばこのグループにおいて、Q1に適切な意味はピラジニル、ピリミジニルおよびピリジル(特にピリジル)である。
本発明の一観点において、補助式(ii)の基:
Figure 2008534661
に適切な意味には、たとえば4-メトキシ-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]ピロリジン-1-イルおよび4-ヒドロキシ-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]ピロリジン-1-イルが含まれる(誤解を避けるために、ここで式(I)中のピリミジン環の2-位に結合しているのはピロリジン-1-イル基である)。
本発明の具体的な態様は、式(Ia)の化合物:
Figure 2008534661
またはその医薬的に許容できる塩である:
式中:
R1は、(C1-C6)アルキル、(C3-C8)シクロアルキルまたは(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキル基から選択され、これらの基はそれぞれ、独立してハロゲノおよび(C1-C6)アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
R2は、水素、ハロゲノおよびトリフルオロメチルから選択され;
R3は、水素、ヒドロキシおよびハロゲノから、または(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C3-C8)シクロアルキルカルボニル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルカルボニル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ、(C3-C8)シクロアルキルアミノ、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルアミノ、(C1-C6)アルコキシアミノ、カルバモイル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、ジ-[(C1-C6)アルキル]カルバモイル、-C(O)R3b、-OR3b、-SR3b、-NHR3b、-N[(C1-C6)アルキル]R3b、-S(O)mR3aもしくは-N(R3c)C(O)R3a基から選択され、これらにおいてR3aは(C1-C6)アルキル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルまたは(C1-C6)アルコキシ基から選択され、mは0、1または2であり、R3bは窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式4-、5-または6-員複素環式環であり、R3cは水素および(C1-C6)アルキルから選択され、
あるいは、R3は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式5-または6-員複素環式環であり、
あるいは、R3は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む5-または6-員ヘテロ芳香族環であり、
あるいは、R3は、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン基であり、
R3内の基または環はそれぞれ、独立して(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシ、ハロゲノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリ-[(C1-C4)アルキル]シリル、シアノ、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ、(C3-C8)シクロアルキルアミノ、(C3-C6)シクロアルキル(C1-C3)アルキルアミノ、アミノ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキルアミノ(C1-C6)アルキル、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ(C1-C6)アルキル、(C3-C8)シクロアルキルアミノ(C1-C6)アルキル、(C3-C6)シクロアルキル(C1-C3)アルキルアミノ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、カルバモイル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、ジ-[(C1-C6)アルキル]カルバモイル、(C1-C6)アルキルチオ、(C1-C6)アルキルスルホニル、(C1-C6)アルキルスルフィニル、(C1-C6)アルカノイル、アルカノイルアミノ基-N(R3d)C(O)R3e(ここで、R3dは水素および(C1-C6)アルキルから選択され、R3eは(C1-C6)アルキル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルまたは(C1-C6)アルコキシ基から選択される)、または飽和単環式3-、4-、5-、6-もしくは7-員環(これらの環は、窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでもよい)から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、これらの置換基はいずれも1個以上の(C1-C4)アルキル、ヒドロキシまたはシアノ基で置換されていてもよく;
R4は、(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ(これらの(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ置換基はいずれも、独立してハロゲノ、アミノ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲノ、ニトロ、シアノ、-NR5R6、カルボキシ、ヒドロキシ、(C2-C6)アルケニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキル、(C1-C4)アルコキシカルボニル、(C1-C4)アルキルカルボニル、(C2-C6)アルカノイルアミノ、フェニルカルボニル、-S(O)p(C1-C4)アルキル、-C(O)NR7R8および-SO2NR9R10から選択され、これらにおいてR5、R6、R7、R8、R9およびR10は、それぞれ独立して水素および(C1-C6)アルキルから選択され、あるいはR5とR6、またはR7とR8、またはR9とR10は、それらが結合している窒素原子と一緒になった場合、それぞれ独立して飽和複素環式環を形成していてもよく、pは0、1または2であり;
Q1は、(C1-C6)アルキル、(C3-C6)シクロアルキルもしくは(C3-C6)シクロアルキル(C1-C6)アルキル基、または窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和5-もしくは6-員単環式環から選択され;
Q1は、独立して(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ(これらの(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ置換基はいずれも、独立してハロゲノ、アミノ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲノ、ニトロ、シアノ、-NR11R12、カルボキシ、ヒドロキシ、(C2-C6)アルケニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C2-C6)アルカノイルアミノ、フェニルカルボニル、-S(O)n(C1-C6)アルキル、-C(O)NR13R14および-SO2NR15R16から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、これらにおいてR11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立して水素および(C1-C6)アルキルから選択され、あるいはR11とR12、またはR13とR14、またはR15とR16は、それらが結合している窒素原子と一緒になった場合、それぞれ独立して飽和複素環式環を形成していてもよく、nは0、1または2であり;
これらにおいて飽和単環式環はいずれも1または2個のオキソまたはチオキソ置換基を保有していてもよい。
式(Ia)の化合物において、R1に適切な意味は(C1-C4)アルキル(たとえばメチル)または(C3-C6)シクロアルキル(たとえばシクロプロピル)である。
式(Ia)の化合物において、R2に適切な意味はハロゲノ(たとえばクロロ)である。
式(Ia)の化合物において、R3に適切な意味は水素である。
式(Ia)の化合物において、R4に適切な意味は(C1-C6)アルキルもしくは(C1-C6)アルコキシ(これらの(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ置換基はいずれも、独立してハロゲノ、アミノ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい)またはヒドロキシである。特に、R4に適切な意味は(C1-C6)アルコキシ(たとえば(C1-C4)アルコキシ、たとえばメトキシ)またはヒドロキシである。
式(Ia)の化合物において、Q1に適切な意味は、1または2個の環窒素原子を含む、置換されていてもよい不飽和5-または6-員単環式環、たとえばピリジル、ピリミジニルまたはピラジニル、特にピリジル(たとえばピリド-2-イル)である。
本発明の他の具体的な態様は、式(Ib)の化合物:
Figure 2008534661
またはその医薬的に許容できる塩である:
式中:
R1は、(C1-C6)アルキル、(C3-C8)シクロアルキルまたは(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキル基から選択され、これらの基はそれぞれ、独立してハロゲノおよび(C1-C6)アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
R2は、水素、ハロゲノおよびトリフルオロメチルから選択され;
R3は、水素、ヒドロキシおよびハロゲノから、または(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C3-C8)シクロアルキルカルボニル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルカルボニル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ、(C3-C8)シクロアルキルアミノ、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルアミノ、(C1-C6)アルコキシアミノ、カルバモイル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、ジ-[(C1-C6)アルキル]カルバモイル、-C(O)R3b、-OR3b、-SR3b、-NHR3b、-N[(C1-C6)アルキル]R3b、-S(O)mR3aもしくは-N(R3c)C(O)R3a基から選択され、これらにおいてR3aは(C1-C6)アルキル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルまたは(C1-C6)アルコキシ基から選択され、mは0、1または2であり、R3bは窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式4-、5-または6-員複素環式環であり、R3cは水素および(C1-C6)アルキルから選択され、
あるいは、R3は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式5-または6-員複素環式環であり、
あるいは、R3は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む5-または6-員ヘテロ芳香族環であり、
あるいは、R3は、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン基であり、
R3内の基または環はそれぞれ、独立して(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシ、ハロゲノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリ-[(C1-C4)アルキル]シリル、シアノ、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ、(C3-C8)シクロアルキルアミノ、(C3-C6)シクロアルキル(C1-C3)アルキルアミノ、アミノ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキルアミノ(C1-C6)アルキル、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ(C1-C6)アルキル、(C3-C8)シクロアルキルアミノ(C1-C6)アルキル、(C3-C6)シクロアルキル(C1-C3)アルキルアミノ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、カルバモイル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、ジ-[(C1-C6)アルキル]カルバモイル、(C1-C6)アルキルチオ、(C1-C6)アルキルスルホニル、(C1-C6)アルキルスルフィニル、(C1-C6)アルカノイル、アルカノイルアミノ基-N(R3d)C(O)R3e(ここで、R3dは水素および(C1-C6)アルキルから選択され、R3eは(C1-C6)アルキル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルまたは(C1-C6)アルコキシ基から選択される)、または飽和単環式3-、4-、5-、6-もしくは7-員環(これらの環は、窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでもよい)から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、これらの置換基はいずれも1個以上の(C1-C4)アルキル、ヒドロキシまたはシアノ基で置換されていてもよく;
R4は、(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ(これらの(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ置換基はいずれも、独立してハロゲノ、アミノ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲノ、ニトロ、シアノ、-NR5R6、カルボキシ、ヒドロキシ、(C2-C6)アルケニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキル、(C1-C4)アルコキシカルボニル、(C1-C4)アルキルカルボニル、(C2-C6)アルカノイルアミノ、フェニルカルボニル、-S(O)p(C1-C4)アルキル、-C(O)NR7R8および-SO2NR9R10から選択され、これらにおいてR5、R6、R7、R8、R9およびR10は、それぞれ独立して水素および(C1-C6)アルキルから選択され、あるいはR5とR6、またはR7とR8、またはR9とR10は、それらが結合している窒素原子と一緒になった場合、それぞれ独立して飽和複素環式環を形成していてもよく、pは0、1または2であり;
Q2は、(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ(これらの(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ置換基はいずれも、独立してハロゲノ、アミノ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲノ、ニトロ、シアノ、-NR11R12、カルボキシ、ヒドロキシ、(C2-C6)アルケニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C2-C6)アルカノイルアミノ、フェニルカルボニル、-S(O)n(C1-C6)アルキル、-C(O)NR13R14および-SO2NR15R16から選択され、これらにおいてR11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立して水素および(C1-C6)アルキルから選択され、あるいはR11とR12、またはR13とR14、またはR15とR16は、それらが結合している窒素原子と一緒になった場合、それぞれ独立して飽和複素環式環を形成していてもよく、nは0、1または2であり;
rは、0、1、2、3または4であり;
これらにおいて飽和単環式環はいずれも1または2個のオキソまたはチオキソ置換基を保有していてもよい。
式(Ib)の化合物において、R1に適切な意味は(C1-C4)アルキル(たとえばメチル)または(C3-C6)シクロアルキル(たとえばシクロプロピル)である。
式(Ib)の化合物において、R2に適切な意味はハロゲノ(たとえばクロロ)である。
式(Ib)の化合物において、R3に適切な意味は水素である。
式(Ib)の化合物において、rに適切な意味は0または1、特に0である。
式(Ib)の化合物において、R4に適切な意味は(C1-C6)アルキルもしくは(C1-C6)アルコキシ(これらの(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ置換基はいずれも、独立してハロゲノ、アミノ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい)またはヒドロキシである。特に、R4に適切な意味は(C1-C6)アルコキシ(たとえば(C1-C4)アルコキシ、たとえばメトキシ)またはヒドロキシである。
本発明の具体的な化合物には、たとえば下記のものから選択される1以上の式(I)の化合物が含まれる:
2S,4R-5-クロロ-2-{4-メトキシ-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]ピロリジン-1-イル}-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)ピリミジン;
2S,4R-5-クロロ-2-{4-メトキシ-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]ピロリジン-1-イル}-4-(5-シクロプロピル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)ピリミジン;
2S,4R-5-クロロ-2-{4-ヒドロキシ-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]ピロリジン-1-イル}-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)ピリミジン;および
2S,4S-5-クロロ-2-{4-ヒドロキシ-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]ピロリジン-1-イル}-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)ピリミジン;
ならびにその医薬的に許容できる塩。
式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩は、化学的に関連する化合物の製造に適用できることが知られているいずれかの方法により製造できる。そのような方法を式(I)の化合物の製造に適用する場合、それらの方法は本発明の他の形態として提供され、下記の代表的な変法により示される。これらにおいて、別途記載しない限り、q、Q1、R1、R2、R3およびR4は前記に定めたものである。必要な出発物質は有機化学の標準法により得ることができる。そのような出発物質の製造を下記の代表的な変法と合わせて、かつ後記の実施例中に記載する。あるいは、必要な出発物質は記載したものと類似の方法で得ることができ、それらは当業者が容易になしうるものである。
方法(a)好都合には適切な塩基の存在下での、式(II)の化合物:
Figure 2008534661
(式中、L1は適切な置換可能な基を表わし、R1、R2およびR3は式(I)に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)と式(III)の化合物:
Figure 2008534661
(式中、Q1、R4およびqは式(I)に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)との反応;あるいは
方法(b)好都合には適切な酸の存在下での、式(IV)の化合物:
Figure 2008534661
(式中、L2は適切な置換可能な基であり、R2、R3、Q1、R4 およびqは式(I)に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)と式(V)のピラゾール:
Figure 2008534661
(式中、R1は式(I)に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)との反応;あるいは
方法(c)好都合には適切な塩基の存在下での、式(VI)の化合物:
Figure 2008534661
(式中、Q1、R4およびqは式(I)に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)と式(VII)の化合物:
Figure 2008534661
(式中、Xは酸素原子を表わし、かつtは1であり、またはXは窒素原子を表わし、かつtは2であり、R17は(C1-C6)アルキル基であり、R1、R2およびR3は式(I)に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)との反応;あるいは
方法(d)式(VIII)の化合物:
Figure 2008534661
(式中、R1、R2、R3、Q1、R4およびqは式(I)に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)とヒドラジンとの反応;あるいは
方法(e)式(I)においてR3が(C1-C6)アルコキシ、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ、-OR3b、-SR3b、-NHR3b、-N[(C1-C6)アルキル]R3bまたは-S(O)mR3a基であり、これらにおいてmは0であり、R3aおよびR3bは前記に定めたものである化合物(基R3は前記に定めた少なくとも1個の基で置換されていてもよい)については、好都合には適切な塩基の存在下での、式(IX)の化合物:
Figure 2008534661
(式中、L3は適切な置換可能な基であり、R1、R2、Q1、R4およびqは式(I)に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)と次式の化合物:
H-Xa
(式中、XaはOR18、NH2、NHR18、N(R18)2、OR3b、SR3b、NHR3b、N[(C1-C6)アルキル]R3bおよびSR3aを表わし、これらにおいてR18は置換されていてもよい(C1-C6)アルキル基であり、R3aおよびR3bはそれぞれ前記に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)との反応;あるいは
方法(f)式(I)においてR3が、(i)少なくとも1個の環窒素原子を含み、窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上の追加ヘテロ原子を含んでもよい、置換されていてもよい飽和単環式5-もしくは6-員複素環式環である化合物、または(ii)置換されていてもよい2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン基である化合物については、好都合には適切な塩基の存在下での、前記に定めた式(IX)の化合物と、(i)式(Xb)の化合物:
Figure 2008534661
(式中、Q4は、式(Xb)中に示す窒素原子のほかに、窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでもよい、飽和単環式5-もしくは6-員複素環式環であり、この環は前記に定めた少なくとも1個の基で置換されていてもよい)との反応、または(ii)置換されていてもよい2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナンとの反応;あるいは
方法(g)式(I)においてR3が(C2-C6)アルケニルまたは(C2-C6)アルキニル基であり、基R3は前記に定めた少なくとも1個の基で置換されていてもよい化合物については、好都合には適切な塩基および適切な触媒の存在下での、前記に定めた式(IX)の化合物と式(Xc)または式(Xc')の化合物:
Figure 2008534661
(式中、R19は水素、および置換されていてもよい(1-4C)アルキルまたは(C1-C4)アルコキシカルボニル基から選択される)との反応;あるいは
方法(h)式(I)においてR3が炭素原子によりピリミジン環に結合している化合物については、好都合には適切な触媒の存在下での、前記に定めた式(IX)の化合物と次式の化合物:
M-R3
(式中、R3は前記に定めたR3基から適切に選択され、Mは金属基、たとえばZnBr、B(OH)2、CuCNまたはSnBu3である)との反応;あるいは
方法(i)式(I)においてR3が(C1-C6)アルコキシカルボニル基(基R3は前記に定めた少なくとも1個の基で置換されていてもよい)である化合物については、好都合には適切な酸の存在下での、式(X)の化合物:
Figure 2008534661
(式中、R1、R2、Q1、R4およびqは式(I)に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)と次式の化合物:
H-O-(C1-C6)アルキル
(式中、(C1-C6)アルキル基は基R3の置換基として前記に定めた少なくとも1個の基で置換されていてもよく、いずれの官能基も必要であれば保護されている)との反応;あるいは
方法(j)式(I)においてR3が窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5-員ヘテロ芳香族環(基R3は前記に定めた少なくとも1個の基で置換されていてもよい)である化合物については、適切な出発物質および適切な脱水剤を用いた分子内縮合反応:
たとえば、式(I)においてR3が1,3,4-オキサジアゾール基である化合物については、式(XI)の化合物;
Figure 2008534661
(式中、ZはR3について前記に定めたいずれか適切な置換基を表わし、R1、R2、Q1、R4およびqは式(I)に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)と、適切な脱水剤、たとえば水酸化(メトキシカルボニルスルファモイル)トリエチルアンモニウムとの反応;
;あるいは
方法(k)式(I)においてR3が前記に定めた少なくとも1個の基で置換された(C1-C6)アルキル、(C3-C6)アルケニル、(C3-C6)アルキニルまたは(C1-C6)アルコキシ基である化合物については、式(XII)の化合物:
Figure 2008534661
(式中、L4は適切な置換可能な基であり、Wは置換されていてもよい(C1-C6)アルキル、(C3-C6)アルケニル、(C3-C6)アルキニルまたは(C1-C6)アルコキシ基であり、R1、R2、Q1、R4およびqは式(I)に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)と、前記に定めた式H-Xa、(Xb)、(Xc)、(Xc')またはM-R3の化合物との反応;
そして方法(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、(j)または(k)の後に、下記のいずれか1つを随意に実施することができる:
・得られた化合物を本発明の他の化合物に変換する;
・その化合物の医薬的に許容できる塩を形成する。
方法(a)
方法(a)の反応条件
式(II)の化合物中の適切な置換可能な基L1は、たとえばハロゲノまたはスルホニルオキシ基、たとえばフルオロ、クロロ、メチルスルホニルオキシまたはトルエン-4-スルホニルオキシ基である。基L1は、特にフルオロ、クロロまたはメチルスルホニルオキシである。
方法(a)は、適切な塩基の存在下および/または適切なルイス酸の存在下で好都合に実施できる。適切な塩基は、たとえば有機アミン塩基、たとえばピリジン、2,6-ルチジン、コリジン、4-ジメチルアミノピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルモルホリンもしくはジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ-7-エン、またはたとえば炭酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩、たとえば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムもしくは炭酸カルシウム、またはたとえばアルカリ金属水素化物、たとえば水素化ナトリウムである。塩基は、特に有機アミン塩基、たとえばジイソプロピルエチルアミンである。適切なルイス酸は酢酸亜鉛である。
方法(a)は、適切な不活性溶媒または希釈剤、たとえばケトン類、たとえばアセトン、またはアルコール類、たとえばエタノール、ブタノール、イソプロパノールもしくはn-ヘキサノール、または芳香族炭化水素、たとえばトルエンもしくはN-メチルピロリド-2-オンの存在下で、0℃から還流までの温度、特に還流温度で好都合に実施できる。
あるいは、方法(a)は標準ブフワルト(Buchwald)条件下で好都合に実施できる(たとえばJ. Am. Chem. Soc., 118, 7215; J. Am. Chem. Soc., 119, 8451; J. Org. Chem., 62, 1568および6066)。たとえば、方法(a)は、酢酸パラジウムの存在下に、不活性溶媒または希釈剤、たとえば芳香族溶媒、たとえばトルエン、ベンゼンまたはキシレン中で、適切な塩基、たとえば無機塩基、たとえば炭酸セシウム、または有機塩基、たとえばカリウム-t-ブトキシドの存在下で、適切な配位子、たとえば2,2'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1'-ビナフチルの存在下に、25〜80℃の温度で好都合に実施できる。
方法(a)の出発物質
式(II)の化合物は常法により得ることができる。たとえば式(II)の化合物は、好都合には適切な塩基の存在下で、式(IIa)のピリミジン:
Figure 2008534661
(式中、L5は適切な置換可能な基であり、L1、R2およびR3は前記に定めたいずれかの意味をもち、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)を式(V)のピラゾール:
Figure 2008534661
(式中、R1は前記に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)と反応させることにより得ることができる。
式(IIa)の化合物中の適切な置換可能な基L5は、たとえばハロゲノまたはスルホニルオキシ基、たとえばフルオロ、クロロ、メチルスルホニルオキシまたはトルエン-4-スルホニルオキシ基である。基L5は、特にクロロである。
式(IIa)のピリミジンと式(V)のピラゾールの反応に適切な塩基には、たとえば炭酸のアルカリ金属塩もしくはアルカリ土類金属塩、たとえば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムもしくは炭酸カルシウム、または有機アミン塩基、たとえばジ-イソプロピルエチルアミンが含まれる。
この反応は、適切な不活性溶媒または希釈剤、たとえばケトン類、たとえばアセトン、またはアルコール類、たとえばエタノール、ブタノールもしくはn-ヘキサノール、または芳香族炭化水素、たとえばトルエンもしくはN-メチルピロリド-2-オンの存在下で好都合に実施できる。この反応は、たとえば10〜150℃の温度、特に室温で好都合に実施できる。
式(IIa)のピリミジンおよび式(V)のピラゾールは市販化合物であり、あるいはそれらは文献中に知られており、あるいはそれらは当技術分野で既知の標準法により製造できる。
式(III)の化合物は常法により得ることができる。たとえばQ1がイソオキサゾールである場合、式(III)の化合物は反応スキーム1の記載に従って得ることができる:
Figure 2008534661
反応スキーム1において、Pg1は適切な保護基、たとえばtert-ブトキシカルボニルである。基Q1およびR4、ならびに整数qは前記に定めたものである。たとえば、Q1はピリジル(たとえばピリド-2-イル)であってよい。
あるいは、たとえばQ1がイソオキサゾールである場合、式(III)の化合物は反応スキーム2の記載に従って得ることができる:
Figure 2008534661
反応スキーム2において、Pg1は前記に定めた適切な保護基である。Pg2はも適切な保護基、たとえばシクロヘキシルである。基Q1およびR4、ならびに整数qは前記に定めたものである。
あるいは、たとえばQ1がイソオキサゾールである場合、式(III)の化合物は反応スキーム3の記載に従って得ることができる:
Figure 2008534661
反応スキーム3において、Pg1は前記に定めた適切な保護基である。基Q1およびR4、ならびに整数qは前記に定めたものである。
反応スキーム3において、工程(a)は適切な還元剤、たとえば水素化ジイソブチルアルミニウムによって好都合に実施できる。工程(a)は適切な不活性溶媒または希釈剤、たとえばエーテル類、または芳香族炭化水素、たとえばトルエン、または塩素化炭化水素、たとえばジクロロメタンの存在下に、たとえば-78〜25℃の温度で好都合に実施できる。
工程(b)は、適切な不活性溶媒または希釈剤、たとえば塩素化炭化水素、たとえばジクロロメタンの存在下に、たとえば-20〜50℃の温度で、(1-ジアゾ-2-オキソプロピル)ホスホン酸ジメチルとの反応によって好都合に実施できる。
あるいは、工程(b)は、適切な不活性溶媒または希釈剤、たとえば塩素化炭化水素、たとえばジクロロメタンの存在下に、たとえば-20〜50℃の温度で、四臭化炭素、亜鉛およびトリフェニルホスフィンと反応させて2-(ジブロモエテニル)中間体を得ることにより実施できる。次いで、2-(ジブロモエテニル)中間体から2-エチニル中間体への変換を、適切な不活性溶媒または希釈剤、たとえばエーテル類、たとえばテトラヒドロフランの存在下に、たとえば-70〜0℃の温度で、n-ブチルリチウムとの反応により実施できる。
工程(c)は、適切な塩素化剤、たとえばN-クロロスクシンイミドで処理してα-クロロアルデヒドオキシム中間体にし、次いで適切な塩基、たとえばトリエチルアミンで処理して、3+2付加環化反応に関与するニトリルオキシド中間体にすることによって好都合に実施できる。あるいは、オキシム(Q1-CH=N-OH)を次亜塩素酸ナトリウムで処理することにより直接にニトリルオキシド中間体に変換できる。その反応は、適切な不活性溶媒または希釈剤、たとえば塩素化炭化水素、たとえばジクロロメタンの存在下に、たとえば-20〜50℃の温度で好都合に実施できる。
工程(d)は適切な還元剤、たとえばボラン、水素化ジイソブチルアルミニウムまたは水素化アルミニウムリチウムによって好都合に実施できる。工程(d)は適切な不活性溶媒または希釈剤、たとえばエーテル類、または芳香族炭化水素、たとえばトルエン、または塩素化炭化水素、たとえばジクロロメタンの存在下に、たとえば-50〜100℃の温度で好都合に実施できる。
反応スキーム1、2および3それぞれにおいて、保護基は、用いるその保護基の除去に適切なことが文献に記載された、または当業者に既知である、いずれか好都合な方法で除去できる。
方法(b)
方法(b)の反応条件
式(IV)の化合物中の適切な置換可能な基L2は、たとえばハロゲノまたはスルホニルオキシ基、たとえばフルオロ、クロロ、メタンスルホニルオキシまたはトルエン-4-スルホニルオキシである。
方法(b)は、適切な酸の存在下で好都合に実施される。適切な酸は、たとえば無機酸、たとえば無水塩化水素である。
方法(b)は、適切な不活性溶媒または希釈剤、たとえばケトン類、たとえばアセトン、またはアルコール類、たとえばエタノール、ブタノールもしくはn-ヘキサノール、または芳香族炭化水素、たとえばトルエンもしくはN-メチルピロリド-2-オンの存在下に、0℃から還流までの温度、特に還流温度で好都合に実施できる。
あるいは、方法(b)は方法(a)について前記に述べた標準ブフワルト条件下で好都合に実施できる。
方法(b)の出発物質
式(IV)の化合物は、たとえば前記に述べた常法により製造できる。
式(V)のピラゾールは市販化合物であり、あるいはそれらは文献中に知られており、あるいはそれらは当技術分野で既知の標準法により製造できる。
方法(c)
方法(c)の反応条件
方法(c)は、適切な不活性溶媒または希釈剤、たとえばN-メチルピロリジノンまたはブタノール中において、100〜200℃、特に150〜170℃の温度で好都合に実施される。この反応は、好ましくは適切な塩基、たとえばナトリウムメトキシドまたは炭酸カリウムの存在下で実施される。
方法(c)の出発物質
式(VI)および(VII)の化合物は市販化合物であり、あるいはそれらは文献中に知られており、あるいはそれらは当技術分野で既知の標準法により製造できる。
方法(d)
方法(d)の反応条件
方法(d)は、適切な不活性溶媒または希釈剤、たとえばアルコール類、たとえばエタノールまたはブタノール中において、50〜120℃、特に70〜100℃の温度で好都合に実施される。
方法(d)の出発物質
式(VIII)の化合物は、たとえば前記に述べた常法により製造できる。
ヒドラジンは市販化合物である。
方法(e)
方法(e)の反応条件
式(IX)の化合物中の適切な置換可能な基L3は、たとえばハロゲノまたはスルホニルオキシ基、たとえばフルオロ、クロロ、メタンスルホニルオキシまたはトルエン-4-スルホニルオキシである。
方法(e)は、適切な塩基の存在下で好都合に実施される。適切な塩基は、たとえば水素化ナトリウム、または有機アミン塩基、たとえばジイソプロピルエチルアミンである。他の適切な塩基は、アルカリ金属アルコキシド、たとえばナトリウムメトキシドまたはナトリウムエトキシドである。
方法(e)は、適切な不活性溶媒または希釈剤、たとえばケトン類、たとえばアセトン、またはアルコール類、たとえばメタノール、エタノール、ブタノールもしくはn-ヘキサノール、または芳香族炭化水素、たとえばトルエンもしくはN-メチルピロリド-2-オンの存在下で好都合に実施される。
方法(e)は、0℃から還流までの温度、特に還流温度で好都合に実施される。方法(e)は、反応体を密閉容器内において、適切な加熱装置、たとえばマイクロ波ヒーターで加熱することによっても好都合に実施できる。
方法(e)の出発物質
式(IX)の化合物は、たとえば前記に述べた常法により製造できる。
式H-Xaの化合物は市販化合物であり、あるいはそれらは文献中に知られており、あるいはそれらは当技術分野で既知の標準法により製造できる。
方法(f)
方法(f)の反応条件
方法(f)の反応は、方法(e)について前記に述べたものと同様な条件を用いて好都合に実施される。
方法(f)の出発物質
式(IX)の化合物は、たとえば前記に述べた常法により製造できる。
式Xbの化合物は市販化合物であり、あるいはそれらは文献中に知られており、あるいはそれらは当技術分野で既知の標準法により製造できる。
2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン(およびその置換誘導体)は市販化合物である。
方法(g)
方法(g)の反応条件
方法(g)は、適切な塩基の存在下で好都合に実施される。適切な塩基は、たとえば有機アミン塩基、たとえばトリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンである。
方法(g)は、適切な触媒の存在下で好都合に実施される。適切な触媒は、たとえばヨウ化銅/塩化パラジウム(II)-ビス(トリフェニル)ホスフィンである。
方法(g)は、適切な不活性溶媒または希釈剤、たとえばアセトニトリル、THFまたはジオキサンの存在下に、0℃から還流までの温度、特に還流温度で好都合に実施できる。方法(g)は、反応体を密閉容器内において、適切な加熱装置、たとえばマイクロ波ヒーターで加熱することによっても好都合に実施できる。
方法(g)の出発物質
式(IX)の化合物は、たとえば前記に述べた常法により製造できる。
式XcおよびXc'の化合物は市販化合物であり、あるいはそれらは文献中に知られており、あるいはそれらは当技術分野で既知の標準法により製造できる。
方法(h)
方法(h)の反応条件
方法(h)は、適切な触媒の存在下で好都合に実施される。適切な触媒は、たとえばパラジウム(0)触媒、たとえばテトラキス(トリフェニル)ホスフィンパラジウム(0)である。当業者に認識されるように、パラジウム(0)触媒は系内(in situ)で調製できる。
方法(h)は、適切な不活性溶媒または希釈剤、たとえばTHFまたはジオキサンの存在下に、0℃から還流までの温度、特に還流温度で好都合に実施できる。
方法(h)の出発物質
式(IX)の化合物は、たとえば前記に述べた常法により製造できる。
式M-R3の化合物は市販化合物であり、あるいはそれらは文献中に知られており、あるいはそれらは当技術分野で既知の標準法により製造できる。
方法(i)
方法(i)の反応条件
方法(i)は、適切な酸の存在下で好都合に実施される。適切な酸は、たとえば濃硫酸である。
方法(i)は、不活性溶媒または希釈剤の不存在下に、室温から還流までの温度、特に還流温度で好都合に実施される。
方法(i)の出発物質
式(X)の化合物は、たとえば前記に述べた常法により製造できる。
式H-O-(C1-C6)アルキルの化合物は市販化合物であり、あるいはそれらは文献中に知られており、あるいはそれらは当技術分野で既知の標準法により製造できる。
方法(j)
方法(j)の反応条件
方法(j)は、適切な不活性溶媒または希釈剤、たとえばジクロロメタン、THFまたはジオキサンの存在下で好都合に実施される。方法(j)は、0℃から還流までの温度、特に還流温度で好都合に実施される。
方法(j)の出発物質
式(XI)の化合物は、たとえば前記に述べた常法により製造できる。
適切な脱水剤は市販化合物であり、あるいはそれらは文献中に知られており、あるいはそれらは当技術分野で既知の標準法により製造できる。
方法(k)
方法(k)の反応条件
式(XII)の化合物中の適切な置換可能な基L4は、たとえばハロゲノまたはスルホニルオキシ基、たとえばフルオロ、クロロ、メタンスルホニルオキシまたはトルエン-4-スルホニルオキシである。
方法(k)の反応は、方法(e)について前記に述べたものと同様な条件を用いて好都合に実施される。
方法(k)の出発物質
式(XII)の化合物は、たとえば前記に述べた常法により製造できる。
式H-Xa、(Xb)、(Xc)、(Xc')またはM-R3の化合物は市販化合物であり、あるいはそれらは文献中に知られており、あるいはそれらは当技術分野で既知の標準法により製造できる。
前記のように、式(II)、(III)、(IV)、(V)、(VI)、(VII)、(VIII)、HXa、(Xb)、(Xc)、(Xc')およびM-R3の化合物は市販化合物であり、あるいはそれらは文献中に知られており、あるいはそれらは当技術分野で既知の標準法により製造できる。たとえば、これらの化合物はWO 03/048133に記載のものと同様な方法で製造できる。これらの化合物のうち特定の化合物の製造方法の例を後記の実施例に示す。
式(I)の化合物を、当技術分野で一般的な標準法により、たとえば一般的な置換反応または一般的な官能基修飾により、前記方法の前または直後に他の式(I)の化合物に変換でき、それらの方法が本発明の方法観点に含まれることは認識されるであろう。
使用できるタイプの変換反応の例には、芳香族置換反応または求核置換反応による置換基導入、置換基の還元、置換基のアルキル化、および置換基の酸化が含まれる。それらの方法のための試薬および反応条件は当技術分野で周知である。
芳香族置換反応の具体例には、濃硝酸を用いるニトロ基導入;たとえばハロゲン化アシルおよびルイス酸(たとえば三塩化アルミニウム)をフリーデル-クラフツ条件下で用いるアシル基導入;ハロゲン化アルキルおよびルイス酸(たとえば三塩化アルミニウム)をフリーデル-クラフツ条件下で用いるアルキル基導入;ならびにハロゲノ基導入が含まれる。求核置換反応の具体例には、標準条件を用いるアルコキシ基またはアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基またはN-含有複素環の導入が含まれる。還元反応の具体例には、水素化ホウ素ナトリウムによるカルボニル基からヒドロキシ基への還元、またはニッケル触媒を用いる接触水素化による、もしくは塩酸の存在下で加熱しながら鉄で処理することによる、ニトロ基からアミノ基への還元が含まれる;酸化反応の具体例には、アルキルチオからアルキルスルフィニルまたはアルキルスルホニルへの酸化が含まれる。使用できる他の変換反応には、アルコール類によるカルボン酸の酸触媒エステル化が含まれる。
適切な変換反応の一例は、R3が(C1-C6)アルケニル基である式(I)の化合物から、R3がジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ基または飽和単環式4〜7-員環(この環は、窒素原子、ならびに独立して窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含む)で置換された(C1-C6)アルキル基である式(I)の化合物への変換である。そのような変換は、標準法により、たとえば四酸化オスミウムによるアルケニル基からジヒドロキシアルキルへの変換、適切な酸化剤(たとえば過ヨウ素酸ナトリウム)による対応ケトンへの酸化、および適切な還元剤(たとえばナトリウムシアノボロヒドリド)の存在下で適切なアミンとの反応によるケトン基から前記の目的置換基への変換により達成できる。
適切な変換反応の他の例は、R3が置換されていてもよい(C1-C6)アルコキシカルボニル基である式(I)の化合物から、R3が置換されていてもよいカルバモイル、(C1-C6)アルキルカルバモイルもしくはジ-[(C1-C6)アルキル]カルバモイル基または置換されていてもよいC(O)R3b基(R3bは前記に定めたものである)である式(I)の化合物への変換である。そのような変換は、標準法により、たとえばR3が置換されていてもよい(C1-C6)アルコキシカルボニル基である式(I)の化合物を、アンモニアと、置換されていてもよい第一級、第二級もしくは第三級アミンと、または置換されていてもよいH-R3b基と反応させることにより達成できる。当業者に認識されるように、この変換はカルボン酸から出発し、たとえば4-(4,6-ジメトキシ[1,3,5]トリアジン-2-イル)-4-メチル-モルホリニウムクロリドを用いて活性エステルを製造し、次いでこれを必要なアミンと反応させることにより実施することができる。
適切な変換反応の他の例は、R3が(C1-C6)アルコキシカルボニル基である式(I)の化合物から、R3がヒドロキシ-(C1-C6)アルキル基である式(I)の化合物への変換である。そのような変換は、標準法により、たとえば水素化ホウ素リチウムまたは水素化アルミニウムリチウムを用いる還元により達成できる。
式(I)の化合物の製造は、種々の段階で1以上の保護基の付加および除去を伴う可能性があることは認識されるであろう。前記の方法で用いる保護基は、一般にその基の保護に適切なものとして文献に記載された、または当業者に既知のいずれかの基から選択でき、常法により導入できる。保護基は、一般にその保護基の除去に適切なものとして文献に記載された、または当業者に既知のいずれか好都合な方法で除去でき、そのような方法はその分子中のいずれかにある基に対する妨害を最小限にして保護基の除去を行うように選択される。
便宜上、保護基の具体例を以下に示す。それらにおいて、たとえば低級アルキル中の“低級”は、それを付与した基が好ましくは1〜4個の炭素原子をもつことを意味する。これらの例が限定ではないことは理解されるであろう。保護基を除去するための方法の具体例を以下に示した場合、これらも限定ではない。具体的に述べていない保護基および脱保護の方法の採用も、もちろん本発明の範囲に含まれる。
カルボキシ保護基はエステル形成性脂肪族もしくは芳香脂肪族アルコールまたはエステル形成性シラノール(これらのアルコール類またはシラノール類は、好ましくは1〜20個の炭素原子を含む)の残基であってよい。カルボキシ保護基の例には下記のものが含まれる:直鎖または分枝鎖(1-12C)アルキル基(たとえばイソプロピルおよびtert-ブチル);低級アルコキシ-低級アルキル基(たとえばメトキシメチル、エトキシメチルおよびイソブトキシメチル);低級アシルオキシ-低級アルキル基(たとえばアセトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、ブチリルオキシメチルおよびピバロイルオキシメチル);低級アルコキシカルボニルオキシ-低級アルキル基(たとえば1-メトキシカルボニルオキシエチルおよび1-エトキシカルボニルオキシエチル);アリール-低級アルキル基(たとえばベンジル、4-メトキシベンジル、2-ニトロベンジル、4-ニトロベンジル、ベンゾヒドリルおよびフタリジル);トリ(低級アルキル)シリル基(たとえばトリメチルシリルおよびtert-ブチルジメチルシリル);トリ(低級アルキル)シリル-低級アルキル基(たとえばトリメチルシリルエチル);および(2-6C)アルケニル基(たとえばアリル)。カルボキシ保護基の除去に特に適切な方法には、たとえば酸、塩基、金属または酵素の触媒作用による開裂が含まれる。
ヒドロキシ保護基の例には下記のものが含まれる:低級アルキル基(たとえばtert-ブチル);低級アルケニル基(たとえばアリル);低級アルカノイル基(たとえばアセチル);低級アルコキシカルボニル基(たとえばtert-ブトキシカルボニル);低級アルケニルオキシカルボニル基(たとえばアリルオキシカルボニル);アリール-低級アルコキシカルボニル基(たとえばベンジルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、2-ニトロベンジルオキシカルボニルおよび4-ニトロベンジルオキシカルボニル);トリ(低級アルキル)シリル基(たとえばトリメチルシリルおよびtert-ブチルジメチルシリル);およびアリール-低級アルキル基(たとえばベンジル)。
アミノ保護基の例には下記のものが含まれる:ホルミル;アリール-低級アルキル基(たとえばベンジルおよび置換ベンジル、4-メトキシベンジル、2-ニトロベンジルおよび2,4-ジメトキシベンジル、ならびにトリフェニルメチル);ジ-4-アニシルメチルおよびフリルメチル基;低級アルコキシカルボニル基(たとえばtert-ブトキシカルボニル);低級アルケニルオキシカルボニル基(たとえばアリルオキシカルボニル);アリール-低級アルコキシカルボニル基(たとえばベンジルオキシカルボニル、4-メトキシベンジルオキシカルボニル、2-ニトロベンジルオキシカルボニルおよび4-ニトロベンジルオキシカルボニル);低級アルカノイルオキシアルキル基(たとえばピバロイルオキシメチル);トリアルキルシリル基(たとえばトリメチルシリルおよびtert-ブチルジメチルシリル);アルキリデン基(たとえばメチリデン)ならびにベンジリデンおよび置換ベンジリデン基。
ヒドロキシおよびアミノ保護基の除去に特に適切な方法には、たとえば2-ニトロベンジルオキシカルボニルなどの基については酸、塩基、金属または酵素の触媒作用による加水分解、ベンジルなどの基については水素化、2-ニトロベンジルオキシカルボニルなどの基については光分解が含まれる。たとえば、tert-ブトキシカルボニル保護基は、トリフルオロ酢酸を用いる酸触媒加水分解によりアミノ基から除去できる。
反応条件および試薬に関する全般的指針についてはAdvanced Organic Chemistry, 第4版, 編者J. March, John Wiley & Sons発行, 1992、保護基に関する全般的指針についてはProtective Groups in Organic Synthesis, 第2版, 編者T. Green et al., 同様にJohn Wiley & Son発行を参照。
式(I)の化合物の医薬的に許容できる塩、たとえば酸付加塩が必要な場合、それはたとえばその化合物と適切な酸を常法により反応させることによって得ることができる。式(I)の化合物の塩から遊離塩基を得たい場合、その塩の溶液を適切な塩基、たとえばアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属の炭酸塩または水酸化物、たとえば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸カルシウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムで処理すればよい。
前記のように、本発明によるある化合物は1以上のキラル中心をもつ場合があり、したがって立体異性体として存在する可能性がある。立体異性体は常法により、たとえばクロマトグラフィーまたは分別結晶化により分離できる。鏡像異性体は、ラセミ体をたとえば分別結晶化、分割またはHPLCにより分離することによって単離できる。ジアステレオ異性体は、ジアステレオ異性体の物理的特性の相異により、たとえば分別結晶化、HPLCまたはフラッシュクロマトグラフィーにより分離することによって単離できる。あるいは特定の立体異性体は、キラル出発物質からラセミ化もしくはエピマー化を起こさない条件下でキラル合成することにより、またはキラル試薬を用いる誘導体化により製造できる。特定の立体異性体を単離する場合、他の立体異性体を実質的に含有しない状態で、たとえば含有する他の立体異性体が20%未満、特に10%未満、殊に5%(重量)未満である状態で、それを単離することが適切である。
式(I)の化合物の製造に関する上記のセクションにおいて“不活性溶媒”という表現は、目的生成物の収率に不都合な影響を及ぼす形で出発物質、試薬、中間体または生成物と反応することのない溶媒を表わす。
本発明化合物を別法によって、場合によってはより好都合な様式で得るために、前記の個々の工程を異なる順序で実施できること、および/または個々の反応を経路全体の異なる段階で実施できることは、当業者には認識されるであろう(すなわち、前記において特定の反応に伴うものとは異なる中間体について化学変換を実施できる)。
前記方法に用いたある中間体は新規であり、本発明の他の形態を形成する。したがって、前記に定めた式(III)および(III-Pg1)の化合物またはその塩から選択される化合物が提供される。この中間体はその中間体の塩の形であってもよい。それらの塩類は医薬的に許容できる塩である必要はない。たとえばそれらの塩類が式(I)の化合物の製造に有用な場合、それは医薬的に許容できるものではない形の中間体の製造に有用であってもよい。
1観点において、本発明化合物の具体的な中間化合物には、たとえば下記のものから選択される1以上の式(III)の中間化合物が含まれる:
2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-メトキシピロリジン(たとえば2S,4R-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-メトキシピロリジン);および
2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ヒドロキシピロリジン(たとえば2S,4R-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ヒドロキシピロリジンおよび2S,4S-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ヒドロキシピロリジン);
ならびにその塩類。
他の観点において、本発明化合物の具体的な中間化合物には、たとえば下記のものから選択される1以上の式(III-Pg1)の中間化合物が含まれる:
N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ヒドロキシピロリジン(たとえば2S,4R-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ヒドロキシピロリジンおよび2S,4S-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ヒドロキシピロリジン);およびN-tert-ブチルオキシカルボニル-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-メトキシピロリジン(たとえば2S,4R-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-メトキシピロリジン);
ならびにその塩類。
本発明による化合物の活性および選択性は、たとえばWO 03/048133に記載され、以下に詳述する、適切なアッセイ法により判定できる。
生物学的アッセイ法
IGF-1Rキナーゼアッセイ
a)タンパク質のクローニング、発現および精製
グルタチオン-S-トランスフェラーゼ(GST)、トロンビン開裂部位およびIGF-1R細胞内ドメイン(アミノ酸930〜1367)を含む融合タンパク質をコードするDNA分子(以下、GST-IGFRと呼ぶ)を構築し、pFastBac1 (Life Technologies Ltd, 英国)中へ標準的な分子生物学的方法でクローニングした(Molecular Cloning - A Laboratory Manual, 第2版, 1989; Sambrook, Fritsch and Maniatis; Cold Spring Harbour Laboratory Press)。
組換えウイルスの調製を製造業者のプロトコルに従って実施した。
要約すると、GST-IGFRを含むpFastBac-1ベクターを、バキュロウイルスゲノム(bacmid DNA)を含有する大腸菌(E. coli)DH10Bac細胞中へ、細胞内での転位事象により形質転換し、ゲンタマイシン耐性遺伝子およびGST-IGFR発現カセット(バキュロウイルスポリヘドリンプロモーターを含む)を含むpFastBacベクター領域をbacmid DNA中へ直接転位させた。ゲンタマイシン、カナマイシン、テトラサイクリンおよびX-gal上での選択により、得られた白色コロニーはGST-IGFRをコードする組換えbacmid DNAを含有するはずである。BH10Bac白色コロニー数個の小規模培養物からbacmid DNAを抽出し、10%の血清を含有するTC100培地(Life Technologies Ltd, 英国)中で増殖させたヨトウガ(Spodoptera frugiperda)Sf21細胞内へ、CellFECTIN試薬(Life Technologies Ltd, 英国)を用い、製造業者の指示に従って形質転換した。形質転換の72時間後に細胞培養培地を採集することにより、ウイルス粒子を採取した。0.5 mlの培地を用いて、Sf21の細胞1×107個/mlを含有する懸濁培養物100 mlに感染させた。感染の48時間後に細胞培養培地を収穫し、標準プラークアッセイ法によりウイルス力価を測定した。ウイルス原液を用いてSf9および“High 5”細胞に感染多重度(MOI)3で感染させ、組換えGST-IGFRの発現を確認した。
GST-IGFRタンパク質を、グルタチオン-セファロース(Glutathione-Sepharose)上でのアフィニティクロマトグラフィー、続いてグルタチオンでの溶離により精製した。要約すると、50mMのHEPES pH 7.5 (Sigma, H3375)、200mMのNaCl (Sigma, S7653)、完全プロテアーゼ阻害薬(Complete Protease Inhibitor)カクテル(Roche, 1 873 580)および1mMのDTT (Sigma, D9779)(以下、細胞溶解用緩衝液と呼ぶ)中で細胞を溶解した。澄明化した細胞溶解物上清を、グルタチオン-セファロース(Amersham Pharmacia Biotech UK Ltd.)を充填したクロマトグラフィーカラムに装填した。280nmでのUV吸光度がベースラインに戻るまで、細胞溶解用緩衝液で不純物をマトリックスから洗浄した。20mMの還元グルタチオン(Sigma, D2804)を含有する細胞溶解用緩衝液により溶離を行い、GST融合タンパク質を含有する画分をプールし、50 mMのHEPES、pH 7.5、200 mMのNaCl、10%のグリセロール(v/v)、3 mMの還元グルタチオンおよび1 mMのDTTを含有するグリセロール含有緩衝液中へ透析した。
b)キナーゼ活性のアッセイ
精製した酵素の活性を、96ウェル方式でELISA検出系を用いて、合成ポリGluAlaTyr (EAY) 6:3:1ペプチド(Sigma-Aldrich Company Ltd, 英国, P3899)のリン酸化により測定した。
b.i)使用した試薬
原液
200mM HEPES, pH 7.4 4℃で保存 (Sigma, H3375)
1M DTT -20℃で保存 (Sigma, D9779)
100mM Na3VO4 4℃で保存 (Sigma, S6508)
1M MnCl2 4℃で保存 (Sigma, M3634)
1mM ATP -20℃で保存 (Sigma, A3377)
純(Neat) Triton X-100 室温で保存 (Sigma, T9284)
10mg/ml BSA 4℃で保存 (Sigma, A7888)
酵素溶液
GST-IGF-1R融合タンパク質75ng/ml;100mM HEPES, pH 7.4, 5mM DTT, 0.25mM Na3VO4, 0.25% Triton X-100, 0.25mg/ml BSA中;新たに調製する。
補因子溶液
100mM HEPES, pH 7.4, 60mM MnCl2, 5mM ATP。
ポリEAY基質
Sigma基質ポリ(Glu, Ala, Tyr) 6:3:1 (P3899);PBS 中で1 mg/mlに調製し、-20℃で保存する。
アッセイプレート
Nunc Maxisorp 96ウェル-イムノプレート(Life Technologies Ltd, 英国)。
抗体
抗ホスホチロシン抗体、モノクローナル、Upstate Biotechnology Inc.から、米国ニューヨーク州(UBI 05-321);アッセイプレート当たり3μlを11mlのPBS/T + 0.5% BSA中に希釈する。
ヒツジ-抗マウスIgG HRP結合二次抗体、Amersham Pharmacia Biotech UK Ltd.から(NXA931);アッセイプレート当たり20μlの原液を11mlのPBS/T + 0.5% BSA中に希釈する。
TMB溶液
1mgのTMB錠(Sigma T5525)を、1 mlのDMSO (Sigma, D8779)に暗所で室温において1時間溶解する;この溶液を、新たに調製した9mlの50mMリン酸-クエン酸緩衝液pH 5.0 + 0.03 %過ホウ酸ナトリウム[蒸留水100ml当たり1個の緩衝剤カプセル (Sigma P4922)]に添加する。
停止溶液は1M H2SO4 (Fisher Scientific 英国. カタログNo. S/9200/PB08)である。
被験化合物
DMSO中に10mMとなるように溶解し、次いでアッセイウェル内で蒸留水中に希釈して、1〜2% DMSO中200〜0.0026μMの最終濃度にする。
b.ii)アッセイプロトコル
ポリEAY基質をPBS 中に希釈して1μg/mlにし、次いで96ウェルプレートにウェル当たり100μlの量で分配した。プレートをシールし、4℃で一夜インキュベートした。過剰のポリEAY溶液を排除し、プレートを洗浄し(2回, PBS/T; ウェル当たり250μlのPBS)、洗浄間で吸取り乾燥させた。次いでプレートを再洗浄し(1回, 50mM HEPES, pH 7.4; ウェル当たり250μl)、吸取り乾燥させた(これはバックグラウンドレベルのリン酸を除くために重要である)。10μlの被験化合物溶液を40μlのキナーゼ溶液と共に各ウェルに添加した。次いで50μlの補因子溶液を各ウェルに添加し、プレートを室温で60分間インキュベートした。
プレートを空にし(すなわち内容物を排除し)、PBS/T (ウェル当たり250μl)で2回洗浄し、各洗浄間で吸取り乾燥させた。希釈した抗ホスホチロシン抗体をウェル当たり100μl添加し、プレートを室温で60分間インキュベートした。
プレートを再び空にし、PBS/T (ウェル当たり250μl)で2回洗浄し、各洗浄間で吸取り乾燥させた。希釈したヒツジ-抗マウスIgG抗体をウェル当たり100μl添加し、プレートを室温に60分間放置した。内容物を排除し、プレートをPBS/T (ウェル当たり250μl)で2回洗浄し、各洗浄間で吸取り乾燥させた。ウェル当たり100μlのTMB溶液を添加し、プレートを室温で5〜10分間インキュベートした(西洋ワサビペルオキシダーゼの存在下で溶液は青色になる)。
ウェル当たり50μlのH2SO4で反応を停止し(青色溶液が黄色になる)、プレートを450nmでVersamaxプレートリーダー(Molecular Devices Corporation, 米国カリフォルニア州)(または同等のもの)により読み取った。
実施例の化合物は上記の試験で100μM未満のIC50をもつことが認められた。
c)IGF刺激による細胞増殖の阻害
ヒトIGF-1受容体を過剰発現するネズミ線維芽細胞(NIH3T3)の構築は、Lammersら(EMBO J, 8, 1369-1375, 1989)により記載されている。これらの細胞はIGF-Iに対して増殖応答を示し、これを新たに合成されたDNA中へのBrdU取込みにより測定することができる。下記のアッセイにおいて、IGF刺激による増殖を阻害するものとして化合物の効力を測定した。
c.i)使用した試薬:
細胞増殖ELISA、BrdU (比色法)[Boehringer Mannheim (Diagnostics and Biochemicals) Ltd, 英国. カタログno. 1 647 229];
DMEM、FCS、グルタミン、HBSS (すべてLife Technologies Ltd.から, 英国);
木炭/デキストラン-ストリッピングしたFBS (HyClone SH30068.02, Perbio Science UK Ltd);
BSA (Sigma, A7888);
ヒト組換えIGF-1、動物/培地用(GroPep Limited ABN 78 008 176 298, オーストラリア, カタログNo. IU 100)。
IGFの調製および保存
100μgの凍結乾燥IGFを100μlの10mM HCl中に再構築した;
PBS中1 mg/mlのBSAを400μl添加した;
200μg/mlのIGF-1を25μlずつに分けた;
-20℃で保存した。
アッセイ用:
10μlのIGF原液 + 12.5mlの増殖培地;8倍希釈原液160ng/mlになる。
完全増殖培地
DMEM、10% FCS、2mMグルタミン。
飢餓培地
DMEM、1%の木炭/デキストラン-ストリッピングしたFCS、2mMのグルタミン。
被験化合物
化合物をまずDMSO中に10mMとなるように溶解し、続いてアッセイウェル内でDMEM + 1% FCS + グルタミン中に希釈して、1〜0.00045% DMSO中100〜0.045μMの最終濃度にする。
c.ii)アッセイプロトコル
1日目
指数増殖しているNIH3T3/IGFR細胞を収穫し、平底96ウェル組織培養プレート(Costar 3525)内の完全増殖培地に、ウェル当たり1.2×104個、100μlの容量で接種した。
2日目
増殖培地を各ウェルからマルチチャンネルピペットで慎重に除去した。ウェルを200μlのHBSSで3回、慎重にすすいだ。100μlの飢餓培地を各ウェルに添加し、プレートを24時間、再インキュベートした。
3日目
4倍濃度の被験化合物50μlを適切なウェルに添加した。IGFの添加前に、細胞を化合物のみと30分間インキュベートした。IGF処理細胞については、適量(すなわち25μl)の飢餓培地を添加してウェル当たりの最終容量を200μlにし、続いて160ng/mlのIGF-1を25μl添加した(最終濃度20ng/mlになる)。IGFで刺激しない対照細胞にも適量(すなわち50μl)の飢餓培地を添加して、ウェル当たりの最終容量を200μlにした。プレートを20時間、再インキュベートした。
4日目
細胞へのBrdUの取込み(4時間の取込み期間後)を、BrdU細胞増殖Elisa(BrdU Cell Proliferation Elisa)により、製造業者のプロトコルに従って評価した;
実施例の化合物は上記の試験で50μM未満のIC50をもつことが認められた。
d)作用機序アッセイ
IGF-I刺激に応答したMCF-7細胞(ATCC No. HTB-22)のIGF-IR、AktおよびMAPK (ERK1および2)のリン酸化の変化を測定することにより、IGF-IR仲介シグナル伝達の阻害を判定した。同細胞系においてEGFに応答したMAPKリン酸化に対する作用により、選択性の尺度が得られた。
d.i)使用した試薬:
RPMI 1640培地、フェノールレッドを含有しないRPMI 1640培地、FCS 、グルタミン (すべてLife Technologies Ltd.から, 英国);
木炭/デキストラン-ストリッピングしたFBS (HyClone SH30068.02, Perbio Science UK Ltd);
SDS (Sigma, L4390);
2-メルカプトエタノール(Sigma, M6250);
ブロモフェノールブルー(Sigma, B5525);
Ponceau S (Sigma, P3504);
Tris塩基(TRIZMA(商標)塩基, Sigma, T1503);
グリシン(Sigma, G7403);
メタノール(Fisher Scientific 英国. カタログNo. M/3950/21);
乾燥粉乳(Marvel(商標), Premier Brands UK Ltd.);
ヒト組換えIGF-1、動物/培地用(GroPep Limited ABN 78 008 176 298, オーストラリア, カタログNo. IU 100);
ヒト組換えEGF (Promega Corporation, 米国ワイオミング州. カタログ No. G5021)。
完全増殖培地
RPMI 1640、10% FCS、2mMグルタミン。
飢餓培地
RPMI1640培地(フェノールレッドを含有しない)、1%の木炭/デキストラン-ストリッピングしたFCS、2mMのグルタミン。
被験化合物
化合物をまずDMSO中に10mMとなるように溶解し、続いてアッセイウェル内でRPMI1640培地(フェノールレッドを含有しない) + 1% FCS + 2mMグルタミン中に希釈して、1〜0.00045% DMSO中100〜0.045μMの最終濃度にした。
ウェスタン移転用緩衝液
50mM Tris塩基、40mMグリシン、0.04% SDS、20%メタノール。
2倍レムリ(Laemmli)緩衝液:
100mM Tris-HCl pH6.8, 20%グリセロール, 4% SDS。
4倍試料用緩衝液:
蒸留水中に200mMの2-メルカプトエタノール、0.2%のブロモフェノールブルー。
一次抗体
ウサギ-抗ヒトIGF-1Rβ(Santa Cruz Biotechnology Inc.,米国, カタログNo sc-713);
ウサギ-抗インスリン/IGF-1R [pYpY1162/1163] Dual Phosphospecific (BioSource International Inc, 米国カリフォルニア州. カタログNo. 44-8041);
マウス-抗PKBα/Akt (Transduction Laboratories, 米国ケンタッキー州. カタログNo. P67220);
ウサギ-抗ホスホ-Akt (Ser473) (Cell Signalling Technology Inc, 米国マサチュセッツ州. カタログNo.#9271);
ウサギ-抗p44/p42 MAPキナーゼ(Cell Signalling Technology Inc, 米国マサチュセッツ州. カタログNo. #9102);
ウサギ-抗ホスホp44/p42 MAPキナーゼ(Cell Signalling Technology Inc, 米国マサチュセッツ州. カタログNo. #9101);
マウス抗アクチンクローンAC-40 (Sigma-Aldrich Company Ltd, 英国, A4700)。
抗体希釈液
Figure 2008534661
二次抗体
ヤギ-抗ウサギ、HRP結合(Cell Signalling Technology Inc, 米国マサチュセッツ州. カタログNo. #7074);
ヒツジ-抗マウスIgG、HRP結合(Amersham Pharmacia Biotech UK Ltd. カタログNo. NXA931);
抗ウサギ抗体をPBST + 5%ミルク中に1:2000希釈する;
抗マウス抗体をPBST + 5%ミルク中に1:5000希釈する。
d.ii)アッセイプロトコル
細胞の処理
MCF-7細胞を、24ウェルプレートに1mlの完全増殖培地中1×105個/ウェルで接種した。プレートを24時間インキュベートして細胞を沈着させた。培地を除去し、プレートをPBS 2ml/ウェルで3回、穏やかに洗浄した。1mlの飢餓培地を各ウェルに添加し、プレートを24時間インキュベートして細胞を血清飢餓状態にした。
次いで各化合物の希釈液25μlを添加し、細胞および化合物を37℃で30分間インキュベートした。化合物を30分間インキュベートした後、25μlのIGF (最終濃度20ng/ml)またはEGF (最終濃度0.1ng/ml)を各ウェルに適宜添加し、細胞をIGFまたはEGFと共に37℃で5分間インキュベートした。培地を除去し(ピペッティングにより)、次いで100μlの2倍レムリ緩衝液を添加した。細胞を収穫するまでプレートを4℃で保存した(細胞にレムリ緩衝液を添加した後、2時間以内に収穫を行うべきである)。
細胞を収穫するために、ピペットを用いてレムリ緩衝液/細胞ミックスを反復吸引および排出し、1.5mlのエッペンドルフ試験管に移した。収穫した細胞溶解物を必要になるまで-20℃に保存した。各溶解物のタンパク質濃度をDCタンパク質アッセイキット(Bio-Rad Laboratories, 米国, 製造業者の指示に従う)により測定した。
ウェスタンブロット法
4倍試料用緩衝液を用いて細胞試料を調製し、21ゲージの針で注入し、5分間煮沸した。等容量の試料および分子量ラダーを4〜12%ビス-Trisゲル(Invitrogen BV, オランダ)に装填し、溶液を供給しながら製造業者の指示に従ってゲルをXcell SureLock(商標) Mini-Cell装置(Invitrogen)で泳動した。Xcell SureLock(商標) Mini-Cell装置でウェスタン移転用緩衝液を用いて、ゲルをHybond C Extra(商標)膜(Amersham Pharmacia Biotech UK Ltd.)上へ30ボルトで1時間ブロットした。ブロットした膜を0.1% Ponceau Sで染色して、移転したタンパク質を視覚化し、次いで多数の抗体インキュベーション物について分子量標準品に従って水平にストリップ状に切断した。IGF-1R、Akt、MAPKおよびアクチン対照の検出に別個のストリップを用いた。
膜を室温で1時間、PBST + 5%ミルク溶液中においてブロックした。次いで膜を4ウェルプレート内で3mlの一次抗体溶液に入れ、プレートを4℃で一夜インキュベートした。膜を5mlのPBST中で3回、各洗浄につき5分間洗浄した。HRP結合した二次抗体の溶液を調製し、膜当たり5mlを添加した。膜を室温で1時間、撹拌しながらインキュベートした。膜を5mlのPBST中で3回、各洗浄につき5分間洗浄した。ECL溶液(SuperSignal ECL, Pierce, Perbio Science UK Ltd)を調製し、膜と共に1分間インキュベートし(製造業者の指示に従って)、続いて感光フィルムに露光し、現像した。
実施例の化合物は上記の試験で20μM未満のIC50をもつことが認められた。
たとえば次表に代表的な本発明化合物の活性を示す。表の2欄に、ヒトIGF-1受容体を過剰発現しているネズミ線維芽細胞(NIH3T3)におけるIGF刺激による増殖の阻害について前記に述べた試験(c)からのIC50データを示す。
Figure 2008534661
本発明者らは、本発明化合物がそれらのIGF-1Rチロシンキナーゼ阻害活性に由来すると考えられる抗増殖特性、たとえば抗癌性をもつことを見いだした。さらに、ある種の本発明化合物は、IGF-1Rチロシンキナーゼに対して他のチロシンキナーゼ酵素に対するより実質的に良好な効力をもつ。本発明化合物はIGF-1Rチロシンキナーゼに対して十分な効力をもつので、IGF-1Rチロシンキナーゼを阻害するのに十分な量であって、一方では他のチロシンキナーゼに対して示す活性がほとんどないかまたはより低い量で使用できる。これらの化合物は、たとえばIGF-1Rにより誘発される腫瘍を効果的に処置するのに有用であると思われる。
したがって本発明化合物は、専らまたは部分的にIGF-1Rチロシンキナーゼにより仲介される疾患または病的状態の処置に有用であると期待される。すなわち本発明化合物は、その処置を必要とする温血動物においてIGF-1Rチロシンキナーゼ調節効果または阻害効果を得るために使用できる。したがって本発明化合物は、IGF-1Rチロシンキナーゼの調節または阻害を特色とする、悪性細胞の処置方法を提供する。特に、本発明化合物は、専らまたは部分的にIGF-1Rチロシンキナーゼの調節または阻害により仲介される抗増殖および/またはプロアポトーシスおよび/または抗浸潤効果を得るために使用できる。特に、本発明化合物は、これらの腫瘍細胞の増殖および生存を誘導するシグナル伝達段階に関与するIGF-1Rチロシンキナーゼの調節または阻害に対して感受性である腫瘍の予防または治療に有用であると期待される。したがって本発明は、下記の癌を含めた多くの増殖性および増殖過剰性の疾患/状態の治療および/または予防に有用であると期待される:
(1)癌:膀胱、脳、胸部、結腸、腎臓、肝臓、肺、卵巣、膵臓、前立腺、胃、子宮頚、結腸、甲状腺および皮膚の癌を含む;
(2)リンパ細胞系列の造血性腫瘍:急性リンパ球性白血病、B細胞性リンパ腫およびバーケットリンパ腫(Burketts lymphoma)を含む;
(3)骨髄系列の造血性腫瘍:急性および慢性の骨髄性白血病、前骨髄細胞性白血病および多発骨髄腫を含む;
(4)間葉由来の腫瘍:線維肉腫および横紋筋肉腫を含む;ならびに
(5)他の腫瘍:黒色腫、精上皮腫、奇形癌、神経芽細胞腫および神経膠腫を含む;
本発明化合物は本質的に、胸部、結腸および前立腺の腫瘍の処置、ならびに多発骨髄腫の処置に有用であると期待される。
したがって本発明のこの観点によれば、医薬として使用するための式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩が提供される。
したがって本発明のこの観点によれば、温血動物、たとえばヒトにおいて抗増殖効果を得る際に用いるための医薬の製造における、前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩の使用が提供される。
本発明のこの観点の他の態様によれば、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいて、抗増殖効果を得る方法であって、該動物に、有効量の、前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を投与することを含む方法が提供される。
本発明の他の観点によれば、温血動物、たとえばヒトにおいて抗増殖効果を得る際に使用するための、前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩が提供される。
本発明の他の観点によれば、温血動物、たとえばヒトにおいて、専らまたは部分的にIGF-1Rチロシンキナーゼの阻害により得られる抗増殖効果を得る際に用いるための医薬の製造における、前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩の使用が提供される。
本発明のこの観点の他の態様によれば、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいて、専らまたは部分的にIGF-1Rチロシンキナーゼの阻害により得られる抗増殖効果を得る方法であって、該動物に有効量の前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を投与することを含む方法が提供される。
本発明の他の観点によれば、温血動物、たとえばヒトにおいて、専らまたは部分的にIGF-1Rチロシンキナーゼの阻害により得られる抗増殖効果を得る際に使用するための、前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩が提供される。
本発明の他の観点によれば、専らまたは部分的にIGF-1Rチロシンキナーゼにより仲介される疾患または病的状態(たとえば本明細書中に述べた癌)の処置に用いるための医薬の製造における、前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩の使用が提供される。
本発明のこの観点の他の態様によれば、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいて、専らまたは部分的にIGF-1Rチロシンキナーゼにより仲介される疾患または病的状態(たとえば本明細書中に述べた癌)を処置する方法であって、該動物に有効量の前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を投与することを含む方法が提供される。
本発明の他の観点によれば、専らまたは部分的にIGF-1Rチロシンキナーゼにより仲介される疾患または病的状態(たとえば本明細書中に述べた癌)の処置に使用するための、前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩が提供される。
本発明の他の観点によれば、腫瘍細胞の増殖をもたらすシグナル伝達経路に関与するIGF-1Rチロシンキナーゼの阻害に対して感受性である腫瘍の予防または治療に用いるための医薬の製造における、前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩の使用が提供される。
本発明のこの観点の他の態様によれば、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいて、腫瘍細胞の増殖および/または生存をもたらすシグナル伝達段階に関与するIGF-1Rチロシンキナーゼの阻害に対して感受性である腫瘍を予防または治療する方法であって、該動物に有効量の前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を投与することを含む方法が提供される。
本発明の他の観点によれば、腫瘍細胞の増殖および/または生存をもたらすシグナル伝達段階に関与するIGF-1Rチロシンキナーゼの阻害に対して感受性である腫瘍を予防または治療する際に使用するための、前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩が提供される。
本発明の他の観点によれば、IGF-1Rチロシンキナーゼの阻害効果を得る際に用いるための医薬の製造における、前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩の使用が提供される。
本発明のこの観点の他の態様によれば、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいて、IGF-1Rチロシンキナーゼの阻害効果を得る方法であって、該動物に有効量の前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を投与することを含む方法が提供される。
本発明の他の観点によれば、IGF-1Rチロシンキナーゼの阻害効果を得る際に使用するための、前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩が提供される。
本発明の他の観点によれば、癌、たとえば白血病、多発骨髄腫、リンパ腫、胆管、骨、膀胱、脳/中枢神経系、胸部、結腸直腸、子宮頸部、子宮内膜、胃、頭頸部、肝臓、肺、筋肉、ニューロン、食道、卵巣、膵臓、側膜/腹膜、前立腺、腎臓、皮膚、精巣、甲状腺、子宮および外陰の癌から選択される癌の処置に用いるための医薬の製造における、前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩の使用が提供される。
本発明のこの観点の他の態様によれば、その処置を必要とする温血動物、たとえばヒトにおいて、癌、たとえば白血病、多発骨髄腫、リンパ腫、胆管、骨、膀胱、脳/中枢神経系、胸部、結腸直腸、子宮頸部、子宮内膜、胃、頭頸部、肝臓、肺、筋肉、ニューロン、食道、卵巣、膵臓、側膜/腹膜、前立腺、腎臓、皮膚、精巣、甲状腺、子宮および外陰の癌から選択される癌を処置する方法であって、該動物に有効量の前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を投与することを含む方法が提供される。
本発明の他の観点によれば、癌、たとえば白血病、多発骨髄腫、リンパ腫、胆管、骨、膀胱、脳/中枢神経系、胸部、結腸直腸、子宮頸部、子宮内膜、胃、頭頸部、肝臓、肺、筋肉、ニューロン、食道、卵巣、膵臓、側膜/腹膜、前立腺、腎臓、皮膚、精巣、甲状腺、子宮および外陰の癌から選択される癌を処置する際に使用するための、前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩が提供される。
前記のように、個々の疾患の治療処置または予防処置に必要な用量は、特に、処置されるホスト、投与経路、および処置される疾患の重症度に応じて必然的に異なるであろう。
本発明化合物はプロドラッグの形で投与できる。これは、温血動物、たとえばヒトにおいて、分解されて本発明化合物を放出する化合物を意味する。プロドラッグは、本発明化合物の物理的特性および/または薬物動態特性を変化させるために使用できる。特性変更基を結合させることができる適切な基または置換基を本発明化合物が含む場合、プロドラッグを形成できる。プロドラッグの例には、インビボ開裂可能なエステル誘導体が含まれ、これらは式(I)の化合物中のカルボン酸基またはヒドロキシ基において形成できる。
したがって本発明は、有機合成により得られた場合の、およびヒトまたは動物の体内でそのプロドラッグの開裂により得られた場合の、前記に定めた式(I)の化合物を含む。したがって本発明は、有機合成手段で製造された式(I)の化合物、およびヒトまたは動物の体内で前駆化合物の代謝により得られた式(I)の化合物を含む。すなわち式(I)の化合物は合成により製造された化合物または代謝により形成された化合物であってよい。
式(I)の化合物の医薬的に許容できる適切なプロドラッグは、望ましくない薬理活性なしに、かつ不都合な毒性なしに、ヒトまたは動物の身体に投与するのに適切であるという妥当な医薬判断に基づくものである。
多様な形態のプロドラッグが、たとえば下記の文献に記載されている:
a) Methods in Enzymology, Vol. 42, p. 309 to 396, 編者K. Widder, et al. (Academic Press, 1985);
b) Design of Pro-drugs, 編者H. Bundgaard (Elsevier, 1985);
c) A Textbook of Drug Design and Development, 編者Krogsgaard-Larsen and H. Bundgaard, Chapter 5 “Design and Application of Pro-drugs”, 編者H. Bundgaard, p. 113-191 (1991);
d) H. Bundgaard, Advanced Drug Delivery Reviews, 8, 1-38 (1992);
e) H. Bundgaard, et al., Journal of Pharmaceutical Sciences, 77, 285 (1988)。
式(I)の化合物およびその医薬的に許容できる塩はそれ自体で使用できるが、一般に式(I)の化合物/塩(有効成分)を、医薬的に許容できる佐剤、希釈剤またはキャリヤーと組み合わせた組成物の形で投与されるであろう。
したがって本発明は、前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を、医薬的に許容できる佐剤、希釈剤またはキャリヤーと共に含む、医薬組成物をも提供する。
本発明の組成物は、経口用として適切な形態(たとえば錠剤、トローチ剤、硬もしくは軟カプセル剤、水性もしくは油性懸濁液剤、乳剤、分散性の散剤もしくは顆粒剤、シロップ剤またはエリキシル剤として)、局所用として適切な形態(たとえばクリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、または水性もしくは油性の液剤もしくは懸濁液剤として)、吸入による投与に適切な形態(たとえば微細に分割した散剤または液状エアゾル剤として)、吹入れによる投与に適切な形態(たとえば微細に分割した散剤として)、または非経口投与用として適切な形態(たとえば、静脈内、皮下、筋肉内もしくは筋肉内投与のための無菌の水性もしくは油性の液剤もしくは懸濁液剤として、または直腸投与のための坐剤として)であってよい。
本発明の組成物は、常法により、当技術分野で周知の一般的な医薬賦形剤を用いて得ることができる。たとえば経口用組成物は、1種類以上の着色剤、甘味剤、着香剤および/または保存剤を含有することができる。
本発明はさらに、本発明の医薬組成物を調製する方法であって、前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を、医薬的に許容できる佐剤、希釈剤またはキャリヤーと混合することを含む方法を提供する。
1種類以上の賦形剤と組み合わせて単一剤形を形成する有効成分の量は、処置されるホストおよび個々の投与経路に応じて必然的に異なるであろう。たとえばヒトに経口投与するための配合物は、一般に0.5 mg〜0.5 gの有効成分(より適切には0.5〜100 mg、たとえば1〜30 mg)を、組成物全体の約5〜約98重量%に及びうる適切かつ好都合な量の賦形剤と配合して含有するであろう。
治療または予防のための式(I)の化合物の用量は、その状態の性質および重症度、動物または患者の年齢および性別、ならびに投与経路に応じて、周知の医薬原理に従って当然変更されるであろう。
治療または予防の目的で式(I)の化合物を使用する際、それは一般に0.1〜75 mg/kg(体重)の1日量が得られるように投与されるであろう(必要ならば分割量で投与)。一般に非経口経路を採用する場合、低い方の用量が投与されるであろう。たとえば静脈内投与には、たとえば0.1〜30 mg/kg(体重)の用量が一般に用いられるであろう。同様に、吸入による投与には0.05〜25 mg/kg(体重)の用量が用いられるであろう。しかし、経口投与、特に錠剤の形での投与が好ましい。一般に単位剤形は約0.5 mg〜0.5 gの本発明化合物を含有するであろう。
前記に定めた抗増殖処置を単独療法として施すことができ、あるいは本発明化合物のほかに一般的な外科処置または放射線療法または化学療法を伴ってもよい。そのような化学療法は、下記のカテゴリーの抗腫瘍薬のうち1種類以上を含むことができる:
(i)癌医療に用いられる他の抗増殖/抗新生物薬およびその組合わせ:たとえばアルキル化剤(たとえばシスプラチン(cis-platin)、オキサリプラチン(oxaliplatin)、カルボプラチン(carboplatin)、シクロホスファミド(cyclophosphamide)、ナイトロジェンマスタード(nitrogen mustard)、メルファラン(melphalan)、クロラムブシル(chlorambucil)、ブスルファン(busulphan)、テモゾラミド(temozolamide)およびニトロソ尿素類);代謝拮抗薬(たとえばゲムシタビン(gemcitabine)および葉酸代謝拮抗薬、たとえばフルオロピリミジン類、たとえば5-フルオロウラシルおよびテガフル(tegafur)、ラルチトレキセド(raltitrexed)、メトトレキセート(methotrexate)、シトシンアラビノシド(cytosine arabinoside)およびヒドロキシ尿素);抗腫瘍性抗生物質(たとえばアントラサイクリン類、たとえばアドリアマイシン(adriamycin)、ブレオマイシン(bleomycin)、ドキソルビシン(doxorubicin)、ダウノマイシン(daunomycin)、エピルビシン(epirubicin)、イダルビシン(idarubicin)、マイトマイシン-C(mitomycin-C)、ダクチノマイシン(dactinomycin)およびミトラマイシン(mithramycin));細胞分裂抑制薬(たとえばツルニチニチソウアルカロイド、たとえばビンクリスチン(vincristine)、ビンブラスチン(vinblastine)、ビンデシン(vindesine)およびビノレルビン(vinorelbine)、ならびにタキソイド類、たとえばタキソール(taxol)およびタキソテール(taxotere)、ならびにポロキナーゼ(polokinase)阻害薬);およびトポイソメラーゼ阻害薬(たとえばエピポドフィロトキシン類、たとえばエトポシド(etoposide)およびテニポシド(teniposide)、アムサクリン(amsacrine)、トポテカン(topotecan)およびカンプトテシン(camptothecin));
(ii)細胞増殖抑制薬、たとえば抗エストロゲン薬(たとえばタモキシフェン(tamoxifen)、フルベストラント(fulvestrant)、トレミフェン(toremifene)、ラロキシフェン(raloxifene)、ドロロキシフェン(droloxifene)およびヨードキシフェン(iodoxyfene))、抗アンドロゲン薬(たとえばビカルタミド(bicalutamide)、フルタミド(flutamide)、ニルタミド(nilutamide)および酢酸シプロテロン(cyproterone acetate))、LHRHアンタゴニストまたはLHRHアゴニスト(たとえばゴセレリン(goserelin)、ロイプロレリン(leuprorelin)およびブセレリン(buserelin))、プロゲストーゲン類(たとえば酢酸メゲストロール(megestrol acetate))、アロマターゼ阻害薬(たとえばアナストロゾール(anastrozole)、レトロゾール(letrozole)、ボラゾール(vorazole)およびエキセメスタン(exemestane))、および5α-レダクターゼ阻害薬、たとえばフィナステリド(finasteride);
(iii)抗浸潤薬(たとえばc-Srcキナーゼファミリー阻害薬、たとえば4-(6-クロロ-2,3-メチレンジオキシアニリノ)-7-[2-(4-メチルピペラジン-1-イル)エトキシ]-5-テトラヒドロピラン-4-イルオキシキナゾリン(AZD0530;国際特許出願WO 01/94341)およびN-(2-クロロ-6-メチルフェニル)-2-{6-[4-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-1-イル]-2-メチルピリミジン-4-イルアミノ}チアゾール-5-カルボキサミド(デサチニブ(dasatinib)、BMS-354825; J. Med. Chem., 2004, 47, 6658-6661)、ならびにメタロプロテイナーゼ阻害薬、たとえばマリマスタット(marimastat)、ウロキナーゼプラスミノーゲンアクチベーター受容体機能の阻害薬、またはヘパラナーゼ(Heparanase)に対する抗体);
(iv)増殖因子機能の阻害薬:たとえば下記の阻害薬を含む:増殖因子抗体および増殖因子受容体抗体(たとえば抗-erbB2抗体トラスツヅマブ(trastuzumab)[ハーセプチン(Herceptin)(商標)]および抗-erbB1抗体セツキシマブ(cetuximab)[Erbitux、C225]);これらの阻害薬には下記のものも含まれる:チロシンキナーゼ阻害薬、たとえば上皮増殖因子ファミリーの阻害薬(たとえばEGFRファミリーチロシンキナーゼの阻害薬、たとえばN-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-メトキシ-6-(3-モルホリノプロポキシ)キナゾリン-4-アミン(ゲフィチニブ(gefitinib)、ZD1839)、N-(3-エチニルフェニル)-6,7-ビス(2-メトキシエトキシ)キナゾリン-4-アミン(エルロチニブ(erlotinib)、OSI-774)および6-アクリルアミド-N-(3-クロロ-4-フルオロフェニル)-7-(3-モルホリノプロポキシ)-キナゾリン-4-アミン(CI 1033)、erbB2チロシンキナーゼ阻害薬、たとえばラパチニブ(lapatinib)、肝細胞増殖因子ファミリーの阻害薬、血小板由来増殖因子ファミリーの阻害薬、たとえばイマチニブ(imatinib)、セリン/トレオニンキナーゼの阻害薬(たとえばRas/Rafシグナル伝達阻害薬、たとえばファルネシルトランスフェラーゼ阻害薬、たとえばソラフェニブ(sorafenib)(BAY 43-9006))、MEKおよび/またはAKTキナーゼによるシグナル伝達の阻害薬、肝細胞増殖因子ファミリーの阻害薬、c-kit阻害薬、ablキナーゼ阻害薬、IGF受容体(インスリン様増殖因子)キナーゼ阻害薬;オーロラキナーゼ阻害薬(たとえばAZD1152、PH739358、VX-680、MLN8054、R763、MP235、MP529、VX-528およびAX39459)、ならびにサイクリン依存性キナーゼ阻害薬、たとえばCDK2および/またはCDK4阻害薬;
(v)抗血管形成薬、たとえば血管内皮増殖因子の作用を阻害するもの[たとえば抗血管内皮細胞増殖因子抗体ベバシヅマブ(bevacizumab)(Avastin(商標))およびVEGF受容体チロシンキナーゼ阻害薬、たとえば4-(4-ブロモ-2-フルオロアニリノ)-6-メトキシ-7-(1-メチルピペリジン-4-イルメトキシ)キナゾリン(ZD6474; WO 01/32651の例2)、4-(4-フルオロ-2-メチルインドール-5-イルオキシ)-6-メトキシ-7-(3-ピロリジン-1-イルプロポキシ)キナゾリン(AZD2171; WO 00/47212の例240)、バタラニブ(vatalanib)(PTK787; WO 98/35985)およびSU11248(スニチニブ(sunitinib); WO 01/60814)、国際特許出願WO97/22596、WO 97/30035、WO 97/32856およびWO 98/13354に開示される化合物、ならびに他の機序で作動する化合物(たとえばリノミド(linomide)、インテグリンαvβ3機能の阻害薬、およびアンギオスタチン)];
(vi)血管傷害薬、たとえばコンブレタスタチンA4(Combretastatin A4)、ならびに国際特許出願WO 99/02166、WO 00/40529、WO 00/41669、WO 01/92224、WO 02/04434およびWO 02/08213に開示される化合物;
(vii)アンチセンス療法、たとえば前記の標的に対するもの、たとえばISIS 2503、抗rasアンチセンス;
(viii)遺伝子療法:たとえば異常な遺伝子、たとえば異常なp53または異常なBRCA1もしくはBRCA2を置換する方法、GDEPT(遺伝子指向性酵素プロドラッグ療法、gene-directed enzyme pro-drug therapy)法、たとえばシトシンデアミナーゼ、チミジンキナーゼまたは細菌性ニトロレダクターゼ酵素を用いる方法、および化学療法または放射線療法に対する患者の耐容性を高める療法、たとえば多剤耐性遺伝子療法を含む;ならびに
(ix)免疫療法:たとえば患者の腫瘍細胞の免疫原性を高めるエクスビボおよびインビボ法、たとえばサイトカイン、たとえばインターロイキン2、インターロイキン4または顆粒球マクロファージコロニー刺激因子によるトランスフェクション、T細胞アネルギーを低下させる方法、トランスフェクションした免疫細胞、たとえばサイトカイントランスフェクションした樹状細胞を用いる方法、サイトカイントランスフェクションした腫瘍細胞系を用いる方法、および抗イディオタイプ抗体を用いる方法を含む。
このような組合わせ療法は、処置の各成分の同時、逐次または個別投与により達成できる。そのような組合わせ製剤には、前記用量範囲の本発明化合物、および承認された用量範囲内の他の療法有効薬剤を用いる。
本発明のこの観点によれば、前記に定めた式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩および癌の組合わせ療法のための前記に定めた他の抗腫瘍薬を含む医薬製品が提供される。
式(I)の化合物は、主に温血動物(ヒトを含む)に使用するための療法薬として有用であるが、それらはIGF-1Rチロシンキナーゼの作用を阻害する必要のあるいかなる場合にも有用である。たとえば、それらは生物学的試験法の開発および新規な薬理活性物質の探査に際して用いるための薬理学的標準品として有用である。
実施例
本発明を以下の具体例についてさらに記載する。実施例において別途記載しない限り下記のとおりである:
(i)温度は摂氏(℃)で示される;操作は室温または周囲温度で、すなわち18〜25℃の温度で実施された;
(ii)有機溶液を無水硫酸マグネシウムで乾燥させた;溶媒の蒸発はロータリーエバポレーターを用いて減圧下に(600〜4000パスカル;4.5〜30mmHg)、最高60℃の浴温で行われた;
(iii)クロマトグラフィーはシリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィーを意味する;薄層クロマトグラフィー(TLC)はシリカゲルプレート上で行われた;
(iv)一般に反応経過をTLCにより追跡し、反応時間は説明のために示したものにすぎない;
(v)最終生成物は、満足できるプロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルおよび/または質量スペクトルデータをもっていた;
(vi)収量は説明のために示したものにすぎず、必ずしも綿密なプロセス開発により得ることができるものではない;より多量の材料が必要な場合は製造を繰り返した;
(vii)NMRデータを示した場合、それは主要診断プロトンについてのデルタ値の形であり、別途指示しない限り、300 MHzでDMSO-d6中において測定した、内標準としてのテトラメチルシラン(TMS)に対する百万分率(ppm)で示される;以下の略号を用いた: s, 一重線; d, 二重線; t, 三重線; q, 四重線; m, 多重線; br, 幅広い。NMRスペクトルが幅広い(回転の阻害または遅いプロトン交換のため)場合、NMR分析を100℃で実施した;
(viii)化学記号はそれらの通常の意味をもつ;SI単位および記号を用いる;
(ix)溶媒比を容量:容量(v/v)で示す;ならびに
(x)質量分析は電子エネルギー70電子ボルトで化学イオン化(CI)方式により、直接照射プローブを用いて実施された;イオン化と指示した場合、これは電子衝撃(EI)、高速原子衝突(FAB)またはエレクトロスプレー(ESP)により行われた;m/z値を示す;一般に親質量を示すイオンのみを報告する;別途記載しない限り、引用した質量イオンは(MH)である;
(xi)下記の略号を用いた:
THF テトラヒドロフラン;
EtOAc 酢酸エチル;
DCM ジクロロメタン;
DMSO ジメチルスルホキシド;
DIPEA ジイソプロピルエチルアミン;
NMP N-メチルピロリド-2-オン;
tBuOH tert-ブチルアルコール;
TFA トリフルオロ酢酸;
DMF N,N-ジメチルホルムアミド;および
DMA N,N-ジメチルアセトアミド。
実施例1
5-クロロ-2-{(2S,4R)-4-メトキシ-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]ピロリジン-1-イル}-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)ピリミジン
2S,4R-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-メトキシピロリジン(150mg, 0.612mmol)、2,5-ジクロロ-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)ピリミジン(WO 03/048133の記載に従って製造) (114mg, 0.471mmol)およびN,N-ジイソプロピルエチルアミン(205μl, 1.18mmol)の、n-ヘキサノール(5.0ml)中における混合物を、140℃で18時間、加熱撹拌した。次いで、3-(エチレンジアミノ)プロピル官能化したシリカゲル(349mg, 0.942mmol当量)を添加し、140℃でさらに6時間、加熱撹拌した。反応混合物を放冷し、DCM/メタノール(1:1)で希釈し、20gのisolute SCX2イオン交換カラムに注いだ。カラムをメタノール/DCM (1:1)で溶離して中性物質を除去し、次いで2Mメタノール性アンモニアで生成物を溶離した。溶媒を蒸発により除去し、残留物をシリカゲル上においてメタノール/DCM (3:97)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、表題化合物(155mg, 73%)を白色固体として得た;NMRスペクトル(400MHz, 373K) 2.20 (s, 3H), 2.36 (m, 1H), 2.5 (m, 1H), 3.3 (s, 3H), 3.9 (d, 2H), 3.9 (d, 2H), 4.22 (m, 1H), 5.40 (t, 1H), 6.10 (s, 1H), 6.67 (s, 1H), 7.43 (t, 1H), 7.9 (m, 2H), 8.0 (m, 2H), 8.65 (d, 1H), 11.2 (s, 1H); 質量スペクトル 452 [MH]+。
2S,4R-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-メトキシピロリジン出発物質を下記により製造した。
四臭化炭素(22g, 66.2mmol)を、亜鉛末(4.32g, 66.2mmol)およびトリフェニルホスフィン(26.04g, 99.3mmol)の混合物に、窒素下で速やかに添加した。混合物を5℃に冷却し、激しく撹拌しながら乾燥DCM (125ml)を速やかに添加した。混合物を-5℃で5分間、次いで室温で4時間、撹拌した。次いでこの懸濁液を0℃に冷却し、2S,4R-N-tert-ブチルオキシカルボニル-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)ピロリジン-2-カルボキシアルデヒド(WO 00/35908の記載に従って製造) (10.9g, 33.1mmol)の、乾燥DCM (25ml)中における溶液を、10分間かけて添加した。混合物を0℃で10分間、次いで室温で2.5時間、撹拌した。反応混合物を塩基性アルミナ(0.25インチの深さ)およびシリカ(0.5インチの深さ)の床を通して濾過し、フィルターパッドをDCM/EtOAc/イソヘキサン(1:1:1)で洗浄した。濾液から溶媒を蒸発により除去し、残留物をEtOAc/イソヘキサン(1:1)に懸濁し、上記のアルミナおよびシリカの床を通して濾過した。フィルターパッドをEtOAc/イソヘキサン(1:1)で洗浄した。濾液から溶媒を蒸発により除去し、残留物をシリカゲル上においてEtOAc/イソヘキサン(1:9)で溶離するクロマトグラフィーにより精製して、2S,4R-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-(2',2'-ジブロモエテニル)-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)ピロリジン(10.16g, 63%)を黄色の油として得た; NMRスペクトル 0.00 (s, 6H), 0.80 (s, 9H), 1.33 (s, 9H), 1.7 (m, 1H), 1.93 (m, 1H), 3.23 (m, 2H +H2O), 4.33 (m, 2H), 6.53 (d, 1H); 質量スペクトル427 [MH-C4H9]+。
n-ブチルリチウム(ヘキサン中の1.6M 溶液27ml, 42.6mmol)を20分間かけて、2S,4R-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-(2',2'-ジブロモエテニル)-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)ピロリジン(10.08g, 20.78mmol)の、乾燥THF (156ml)中における撹拌溶液に、窒素下で-70℃において添加した。この溶液を-70℃で60分間撹拌し、次いで飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を添加し、この懸濁液を徐々に周囲温度に高めた。次いで混合物をEtOAcと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液の間で分配した。層を分離し、水層をEtOAc (2回)で抽出した。EtOAc抽出液を合わせて乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を蒸発により除去した。残留物をシリカゲル上においてEtOAc/イソヘキサン(3:97、極性を6:94にまで高める)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、2S,4R-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-エチニル-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)ピロリジン(4.07g, 61%)を黄色の油として得た; NMRスペクトル(DMSOd6 + d4酢酸) 0.00 (s, 6H), 0.9 (s, 9H), 1.35 (s, 9H), 2.0 (m, 2H), 3.0 (s, 1H), 3.18 (m, 1H), 3.33 (m, 1H), 4.37 (m, 2H); 質量スペクトル268 [MH-C4H9]+。
水中の13%次亜塩素酸ナトリウム溶液(5.4ml)を、2時間かけて、2S,4R-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-エチニル-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)ピロリジン(2.0g, 6.13 mmol)およびピリド-2-イルカルボキシアルデヒドオキシム(681mg, 5.37mmol)の、DCM (18ml)中における溶液(激しく撹拌)に-3℃で添加し、混合物を0℃で2.5時間撹拌した。次いで混合物を水およびDCMで希釈し、層を分配させ、分離した。有機層を水、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を蒸発により除去し、残留物をシリカゲル上においてEtOAc/イソヘキサン(10:90、極性を25:75にまで高める)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、2S,4R-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)ピロリジン(1.25g, 51%)を無色の油として得た; NMRスペクトル 0.00 (s, 6H), 0.87 (s, 9H), 1.33 (s, 9H), 2.2 (m, 1H), 2.28 (m, 1H), 3.43 (m, 1H), 3.56 (m, 1H), 4.55 (m, 1H), 5.1 (t, 1H), 6.8 (s, 1H), 7.45 (d, 1H), 7.9 (m, 2H), 8.66 (d, 1H); 質量スペクトル 446 [MH]+。
THF中の1.0 Mフッ化テトラブチルアンモニウム溶液(2.8ml, 2.8mmol)を、2S,4R-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-(tert-ブチルジメチルシリルオキシ)ピロリジン(1.23g, 2.76mmol)の、THF (26ml)中における撹拌溶液に、0℃で添加した。反応物を徐々に室温にまで高め、次いで18時間撹拌し、最後に50℃に4時間加熱した。揮発性成分を蒸発により除去し、残留物をEtOAcと水の間で分配した。層を分離し、有機層を水、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥させた(Na2SO4)。溶媒を蒸発により除去し、残留物をシリカゲル上においてEtOAc/イソヘキサン(1:1)、次いでEtOAcで溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、2S,4R-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ヒドロキシピロリジン(837mg, 91%)を白色固体として得た; NMRスペクトル(400MHz, 373K) 1.32 (s, 9H), 2.14 (m, 1H), 2.3 (m, 1H), 3.4 (dd, 1H), 3.53 (dd, 1H), 4.38 (m, 1H), 4.83 (d. 1H), 5.1 (t, 1H), 6.76 (s, 1H), 7.46 (t, 1H), 7.9 (m, 2H), 8.68 (d, 1H); 質量スペクトル 332 [MH]+。
水素化ナトリウム(油中の60%分散体64mg, 1.59mmol)を、2S,4R-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ヒドロキシピロリジン(500mg, 1.51mmol)の、乾燥THF (21ml)中における撹拌溶液に、0℃で窒素下に添加した。この溶液を0℃で30分間撹拌し、次いでヨードメタン(99μl, 1.59mmol)を速やかに添加し、反応物を0℃で30分間撹拌し、次いで徐々に周囲温度に高め、18時間撹拌した。混合物を水とEtOAcの間で分配し、層を分離した。EtOAc層を水、次いで飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を蒸発により除去した。残留物をシリカ上において50%酢酸エチル/イソヘキサン(1:1)、次いでEtOAcで溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、2S,4R-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-メトキシピロリジン(432mg, 83%)を白色固体として得た; NMRスペクトル(400MHz, 373K) 1.33 (s, 9H), 2.2 (m, 1H), 2.43 (m, 1H), 3.28 (s, 3H), 3.57 (d, 2H), 4.07 (m, 1H), 5.05 (t, 1H), 6.79 (s, 1H), 7.45 (t, 1H), 7.93 (m, 2h), 8.67 (d, 1H); 質量スペクトル 346 [MH]+。
トリフルオロ酢酸(1.4ml)を、20分間かけて、2S,4R-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-メトキシピロリジン(510mg, 1.47mmol)の、DCM (7ml)中における撹拌溶液に、0℃で添加した。混合物を0℃で30分間、次いで周囲温度で18時間、撹拌した。溶媒および過剰のトリフルオロ酢酸を蒸発により除去し、残留物を蒸留水(8ml)に溶解した。この溶液を、固体炭酸ナトリウム、次いで40%水酸化ナトリウム水溶液の添加により、pH 12に調整した。この塩基性水溶液をDCM (4回)で抽出した。有機抽出液を合わせて乾燥させた(Na2SO4)。水層を10g Varian Chemelutカラムに乗せ、DCMで溶離した。次いで2つのDCM溶液を合わせて溶媒を蒸発により除去して、2S,4R-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-メトキシピロリジン(322mg, 89%)をワックス状固体として得た; NMRスペクトル 1.93 (m, 1H), 2.22 (m, 1H), 2.95 (m, 2H), 3.1 (s, 1H), 3.23 (s, 3H), 3.98 (m, 1H), 4.43 (t, 1H), 6.82 (s, 1H), 7.47 (t, 1H), 7.95 (m, 2H), 8.68 (d, 1H); 質量スペクトル 246 [MH]+。
実施例2
5-クロロ-2-{(2S,4R)-4-メトキシ-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]ピロリジン-1-イル}-4-(5-シクロプロピル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)ピリミジン
2S,4R-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-メトキシピロリジン(150mg, 0.612mmol)および2,5-ジクロロ-4-(5-シクロプロピル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)ピリミジン(WO 03/048133の記載に従って製造) (127mg, 0.471mmol)を、実施例1の記載に従って処理して、表題化合物(148mg, 66%)を黄色の泡状物として得た; NMRスペクトル(400MHz, 373K) 0.7 (m, 2H), 0.9 (m, 2H), 1.87 (m, 1H), 2.37 (m, 1H), 2.5 (m, 1H), 3.3 (s, 3H), 3.85 (d, 2H), 4.23 (m, 1H), 5.47 (t, 1H), 6.1 (s, 1H), 6.67 (s, 1H), 7.5 (t. 1H), 7.92 (m, 2H), 8.02 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 8.63 (d, 1H), 11.75 (s, 1H); 質量スペクトル 479 [MH]+。
実施例3
5-クロロ-2-{(2S,4R)-4-ヒドロキシ-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]ピロリジン-1-イル}-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)ピリミジン
2S,4R-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ヒドロキシピロリジン(98mg, 0.42mmol)および2,5-ジクロロ-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)ピリミジン(WO 03/048133の記載に従って製造) (93mg, 0.381mmol)を、実施例1の記載に従って処理して、表題化合物(129mg, 76%)を白色固体として得た; NMRスペクトル(400MHz, 373K) 2.20 (s, 3H), 2.3 (m, 1H), 2.4 (m, 1H), 3.7 (dd, 1H), 3.85 (dd, 1H), 4.5 (m, 1H), 4.85 (d, 1H), 5.4 (t, 1H), 6.13 (s, 1H), 6.65 (s, 1H), 7.43 (t, 1H), 7.9 (m 1H), 8.0 (m, 2H), 8.6 (d, 1H), 11.7 (s, 1H); 質量スペクトル 439 [MH]+。
2S,4R-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ヒドロキシピロリジン出発物質を下記に従って製造した。
2S,4R-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ヒドロキシピロリジン(215mg, 0.65mmol)を、実施例1における2S,4R-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-メトキシピロリジン製造の記載に従って処理して、2S,4R-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ヒドロキシピロリジン(100mg, 66%)をワックス状固体として得た; NMRスペクトル(400MHz) 1.9 (m, 1H), 2.05 (m, 1H), 2.75 (d, 1H), 3.0 (dd, 1H), 3.07 (s, 1H), 4.28 (s, 1H), 4.5 (t, 1H), 4.75 (d, 1H), 6.8 (s, 1H), 7.47 (t, 1H), 7.93 (m, 2H), 8.7 (d, 1H); 質量スペクトル 232 [MH]+。
実施例4
5-クロロ-2-{(2S,4S)-4-ヒドロキシ-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]ピロリジン-1-イル}-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)ピリミジン
2S,4S-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ヒドロキシピロリジン(85mg, 0.367mmol)および2,5-ジクロロ-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)ピリミジン(WO 03/048133の記載に従って製造) (81mg, 0.334mmol)を、実施例1の記載に従って処理して、表題化合物(93mg, 64%)をガラス質固体として得た; NMRスペクトル(500MHz, 373K) 2.20 (s, 3H), 2.5 (m, 1H), 2.6 (m, 1H), 3.65 (d, 1H), 3.90 (dd, 1H), 4.47 (m, 1H), 4.63 (d, 1H), 6.07 (s, 1H), 7.43 (t, 1H), 7.9 (m, 2H), 8.0 (m, 2H), 8.63 (d, 1H), 11.67 (s, 1H); 質量スペクトル 439 [MH]+。
2S,4S-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ヒドロキシピロリジン出発物質を下記に従って製造した。
アゾジカルボン酸ジイソプロピル(175μl, 0.906mmol)を、2S,4R-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ヒドロキシピロリジン(200mg, 0.604mmol)、トリフェニルホスフィン(237mg, 0.906mmol)および安息香酸(85mg, 0.694mmol)の、乾燥THF (10ml)中における撹拌溶液に、0℃で窒素下に添加した。混合物を0℃で20分間、次いで周囲温度で18時間、撹拌した。溶媒を蒸発により除去し、残留物をシリカゲル上において酢酸エチル/イソヘキサン(1:4)、次いでEtOAc/イソヘキサン(7:13)で溶離するカラムクロマトグラフィーにより精製して、2S,4S-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ベンゾイルオキシピロリジン(239mg, 91%)を白色固体として得た; NMRスペクトル(400MHz, 373K) 1.43 (s, 9H), 2.43 (m, 1H), 2.8 (m, 1H), 3.65 (d, 1H), 3.9 (dd, 1H), 5.25 (d, 1H), 5.6 (t, 1H), 6.8 (s, 1H), 7.25 (t, 1H), 7.48 (m, 2H), 7.73 (d, 1H), 7.93 (m, 2H), 8.7 (d, 1H); 質量スペクトル436 [MH]+。
2S,4S-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ベンゾイルオキシピロリジン(220mg, 0.505mmol)および粉末状無水炭酸カリウム(139mg, 1.01mmol)の、乾燥メタノール(6ml)中における混合物を、窒素下に室温で4.5時間、激しく撹拌した。次いで酢酸(121μl)を添加し、溶媒を蒸発により除去した。残留物をEtOAcと水の間で分配し、層を分離した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、溶媒を蒸発により除去した。残留物をイソヘキサンで摩砕処理し、濾過により採集し、イソヘキサンで洗浄し、乾燥させて、2S,4S-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ヒドロキシピロリジン(156mg, 93%)を白色固体として得た; NMRスペクトル(400MHz, 373K) 1.37 (s, 9H), 2.04 (m, 1H), 2.53 (m, 1H), 3.33 (dd, 1H), 3.65 (m, 1H), 4.36 (m 1H), 4.72 (s, 1H), 5.03 (dd, 1H), 6.74 (s, 1H), 7.46 (t, 1H), 7.92 (m, 2H), 8.67 (d, 1H); 質量スペクトル 332 [MH]+。
2S,4S-N-tert-ブチルオキシカルボニル-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]-4-ヒドロキシピロリジン(416mg, 1.26mmol)およびトリフルオロ酢酸(1.2ml)を、実施例1における2S,4R-2-[2-{3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル}ピロリジン-1-イル]-4-メトキシピロリジン製造の記載に従って処理して、2S,4S-2-[2-{3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル}ピロリジン-1-イル]-4-ヒドロキシピロリジン(168mg, 58%)を白色固体として得た; NMRスペクトル1.75 (m, 1H), 2.37 (m, 2H), 2.72 (dd, 1H), 2.97 (m, 2H), 4.27 (m, 2H), 4.76 (d, 1H), 6.84 (s, 1H), 7.48 (t, 1H), 7.95 (m, 2H), 8.68 (d, 1H); 質量スペクトル 232 [MH]+。

Claims (29)

  1. 式(I)の化合物:
    Figure 2008534661
    またはその医薬的に許容できる塩
    [式中:
    R1は、(C1-C6)アルキル、(C3-C8)シクロアルキルまたは(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキル基から選択され、これらの基はそれぞれ、独立してハロゲノおよび(C1-C6)アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく;
    R2は、水素、ハロゲノおよびトリフルオロメチルから選択され;
    R3は、水素、ヒドロキシおよびハロゲノから、または(C1-C6)アルキル、(C2-C6)アルケニル、(C2-C6)アルキニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C3-C8)シクロアルキルカルボニル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルカルボニル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ、(C3-C8)シクロアルキルアミノ、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルアミノ、(C1-C6)アルコキシアミノ、カルバモイル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、ジ-[(C1-C6)アルキル]カルバモイル、-C(O)R3b、-OR3b、-SR3b、-NHR3b、-N[(C1-C6)アルキル]R3b、-S(O)mR3aもしくは-N(R3c)C(O)R3a基から選択され、これらにおいてR3aは(C1-C6)アルキル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルまたは(C1-C6)アルコキシ基から選択され、mは0、1または2であり、R3bは窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式4-、5-または6-員複素環式環であり、R3cは水素および(C1-C6)アルキルから選択され、
    あるいは、R3は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式5-または6-員複素環式環であり、
    あるいは、R3は、窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む5-または6-員ヘテロ芳香族環であり、
    あるいは、R3は、2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン基であり、
    R3内の基または環はそれぞれ、独立して(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシ(C1-C6)アルコキシ、ハロゲノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、トリ-[(C1-C4)アルキル]シリル、シアノ、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ、(C3-C8)シクロアルキルアミノ、(C3-C6)シクロアルキル(C1-C3)アルキルアミノ、アミノ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルキルアミノ(C1-C6)アルキル、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ(C1-C6)アルキル、(C3-C8)シクロアルキルアミノ(C1-C6)アルキル、(C3-C6)シクロアルキル(C1-C3)アルキルアミノ(C1-C6)アルキル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、カルバモイル、(C1-C6)アルキルカルバモイル、ジ-[(C1-C6)アルキル]カルバモイル、(C1-C6)アルキルチオ、(C1-C6)アルキルスルホニル、(C1-C6)アルキルスルフィニル、(C1-C6)アルカノイル、アルカノイルアミノ基-N(R3d)C(O)R3e(ここで、R3dは水素および(C1-C6)アルキルから選択され、R3eは(C1-C6)アルキル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキルまたは(C1-C6)アルコキシ基から選択される)、または飽和単環式3-、4-、5-、6-もしくは7-員環(これらの環は、窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでもよい)から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、これらの置換基はいずれも1個以上の(C1-C4)アルキル、ヒドロキシまたはシアノ基で置換されていてもよく;
    R4は、(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ(これらの(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ置換基はいずれも、独立してハロゲノ、アミノ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲノ、ニトロ、シアノ、-NR5R6、カルボキシ、ヒドロキシ、(C2-C6)アルケニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C3-C8)シクロアルキル(C1-C6)アルキル、(C1-C4)アルコキシカルボニル、(C1-C4)アルキルカルボニル、(C2-C6)アルカノイルアミノ、フェニルカルボニル、-S(O)p(C1-C4)アルキル、-C(O)NR7R8および-SO2NR9R10から選択され、これらにおいてR5、R6、R7、R8、R9およびR10は、それぞれ独立して水素および(C1-C6)アルキルから選択され、あるいはR5とR6、またはR7とR8、またはR9とR10は、それらが結合している窒素原子と一緒になった場合、それぞれ独立して飽和複素環式環を形成していてもよく、pは0、1または2であり;
    qは、1、2または3であり;
    Q1は、(C1-C6)アルキル、(C3-C6)シクロアルキルもしくは(C3-C6)シクロアルキル(C1-C6)アルキル基、または窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含んでもよい飽和もしくは不飽和5-もしくは6-員単環式環から選択され;
    Q1は、独立して(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ(これらの(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ置換基はいずれも、独立してハロゲノ、アミノ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲノ、ニトロ、シアノ、-NR11R12、カルボキシ、ヒドロキシ、(C2-C6)アルケニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C2-C6)アルカノイルアミノ、フェニルカルボニル、-S(O)n(C1-C6)アルキル、-C(O)NR13R14および-SO2NR15R16から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、これらにおいてR11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立して水素および(C1-C6)アルキルから選択され、あるいはR11とR12、またはR13とR14、またはR15とR16は、それらが結合している窒素原子と一緒になった場合、それぞれ独立して飽和複素環式環を形成していてもよく、nは0、1または2であり;
    これらにおいて飽和単環式環はいずれも1または2個のオキソまたはチオキソ置換基を保有していてもよい]。
  2. R1は(C1-C6)アルキルまたは(C3-C8)シクロアルキル基から選択され、これらの基はハロゲノおよび(1-4C)アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい、請求項1に記載の式(I)の化合物。
  3. R1はメチルおよびシクロプロピルから選択される、請求項1または2に記載の式(I)の化合物。
  4. R1はメチルである、請求項3に記載の式(I)の化合物。
  5. R2はハロゲノである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  6. R2はクロロである、請求項5に記載の式(I)の化合物。
  7. R3は、水素、ヒドロキシおよびハロゲノから、または(C1-C4)アルキル、(C2-C4)アルケニル、(C2-C4)アルキニル、(C1-C3)アルコキシ、アミノ、(C1-C3)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C3)アルキル]アミノ、(C3-C6)シクロアルキルアミノ、カルバモイル、(C1-C3)アルキルカルバモイル、ジ-[(C1-C3)アルキル]カルバモイル、-C(O)R3b、-OR3b、-NHR3bもしくは-S(O)mR3a基から選択され、これらにおいてR3aは(C1-C3)アルキル基であり、mは0であり、R3bは窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式4-、5-または6-員複素環式環であり、
    あるいは、R3は、窒素および酸素から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式5-または6-員複素環式環であり、
    あるいは、R3は、窒素および酸素から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む5-または6-員ヘテロ芳香族環であり、
    R3内の基または環はそれぞれ、独立して(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルコキシ、(C1-C3)アルコキシ(C1-C3)アルキル、(C1-C3)アルコキシ(C1-C3)アルコキシ、ハロゲノ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、アミノ、(C1-C3)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C3)アルキル]アミノ、アミノ(C1-C3)アルキル、カルバモイル、(C1-C3)アルキルカルバモイル、(C1-C3)アルキルチオ、(C1-C3)アルキルスルホニル、(C1-C3)アルカノイル、アルカノイルアミノ基-N(R3d)C(O)R3e(ここで、R3dは水素および(C1-C3)アルキルから選択され、R3eは(C1-C3)アルキルまたは(C1-C3)アルコキシ基から選択される)、または飽和単環式3-、4-、5-もしくは6-員環(これらの環は、窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでもよい)から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、これらの置換基はいずれも1個以上の(C1-C2)アルキル、ヒドロキシまたはシアノ基で置換されていてもよく;
    R3内の飽和単環式環はいずれも1個のオキソ置換基を保有していてもよい、
    請求項1〜6のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  8. R3は、水素およびハロゲノから、または(C1-C4)アルキルもしくは(C1-C3)アルコキシから選択され;
    あるいは、R3は、窒素および酸素から選択される少なくとも1個の環ヘテロ原子を含む飽和単環式5-または6-員複素環式環であり、
    R3内の基または環はそれぞれ、独立してヒドロキシおよび(C1-C3)アルコキシから選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい、
    請求項1〜7のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  9. R3は水素である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  10. R4は、(C1-C6)アルキル、ハロゲノ、(C1-C6)アルコキシおよびヒドロキシから選択される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  11. R4は、(C1-C6)アルコキシおよびヒドロキシから選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  12. qは1または2である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  13. qは1である、請求項1〜11のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  14. Q1は、1または2個の環窒素原子を含む不飽和5-または6-員単環式環であり、Q1は、独立して(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ(これらの(C1-C6)アルキルおよび(C1-C6)アルコキシ置換基はいずれも、独立してハロゲノ、アミノ、ヒドロキシおよびトリフルオロメチルから選択される少なくとも1個の置換基で置換されていてもよい)、ハロゲノ、ニトロ、シアノ、-NR11R12、カルボキシ、ヒドロキシ、(C2-C6)アルケニル、(C3-C8)シクロアルキル、(C1-C6)アルコキシカルボニル、(C1-C6)アルキルカルボニル、(C2-C6)アルカノイルアミノ、フェニルカルボニル、-S(O)n(C1-C6)アルキル、-C(O)NR13R14および-SO2NR15R16から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、これらにおいてR11、R12、R13、R14、R15およびR16は、それぞれ独立して水素および(C1-C6)アルキルから選択され、あるいはR11とR12、またはR13とR14、またはR15とR16は、それらが結合している窒素原子と一緒になった場合、それぞれ独立して飽和複素環式環を形成していてもよく、nは0、1または2である、請求項1〜13のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  15. Q1は、1または2個の環窒素原子を含む不飽和5-または6-員単環式環であり、Q1は、独立して(C1-C4)アルキル、(C1-C4)アルコキシ、シアノおよび-NR11R12から選択される1個以上の置換基で置換されていてもよく、ここでR11およびR12は、それぞれ独立して水素および(C1-C6)アルキルから選択され、あるいはR11とR12は、それらが結合している窒素原子と一緒になった場合、それぞれ独立して飽和複素環式環を形成していてもよく、nは0、1または2である、請求項1〜14のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  16. Q1はピリジルである、請求項1〜15のいずれか一項に記載の式(I)の化合物。
  17. 下記のうち1以上から選択される式(I)の化合物:
    2S,4R-5-クロロ-2-{4-メトキシ-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]ピロリジン-1-イル}-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)ピリミジン;
    2S,4R-5-クロロ-2-{4-メトキシ-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]ピロリジン-1-イル}-4-(5-シクロプロピル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)ピリミジン;
    2S,4R-5-クロロ-2-{4-ヒドロキシ-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]ピロリジン-1-イル}-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)ピリミジン;および
    2S,4S-5-クロロ-2-{4-ヒドロキシ-2-[3-(ピリド-2-イル)イソオキサゾール-5-イル]ピロリジン-1-イル}-4-(5-メチル-1H-ピラゾール-3-イルアミノ)ピリミジン;
    ならびにその医薬的に許容できる塩。
  18. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を、医薬的に許容できる佐剤、希釈剤またはキャリヤーと共に含む、医薬組成物。
  19. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩、および他の抗腫瘍薬を含む、癌の組合わせ療法のための医薬製品。
  20. 医薬として使用するための、請求項1〜17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩。
  21. 温血動物において抗増殖効果を得る際に用いるための医薬の製造における、請求項1〜17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩の使用。
  22. その処置を必要とする温血動物において、抗増殖効果を得る方法であって、該動物に有効量の請求項1〜17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を投与することを含む方法。
  23. 温血動物において専らまたは部分的にIGF-1Rチロシンキナーゼにより仲介される疾患または病的状態の処置に用いるための医薬の製造における、請求項1〜17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩の使用。
  24. その処置を必要とする温血動物において、専らまたは部分的にIGF-1Rチロシンキナーゼにより仲介される疾患または病的状態を処置する方法であって、該動物に有効量の請求項1〜17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を投与することを含む方法。
  25. 温血動物において腫瘍細胞の増殖をもたらすシグナル伝達段階に関与するIGF-1Rチロシンキナーゼの阻害に感受性である腫瘍の予防または治療に用いるための医薬の製造における、請求項1〜17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩の使用。
  26. その処置を必要とする温血動物において、腫瘍細胞の増殖をもたらすシグナル伝達段階に関与するIGF-1Rチロシンキナーゼの阻害に感受性である腫瘍を予防または治療する方法であって、該動物に有効量の請求項1〜17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を投与することを含む方法。
  27. 温血動物において癌の処置に用いるための医薬の製造における、請求項1〜17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩の使用。
  28. その処置を必要とする温血動物において、癌を処置する方法であって、該動物に有効量の請求項1〜17のいずれか一項に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を投与することを含む方法。
  29. 請求項1に記載の式(I)の化合物またはその医薬的に許容できる塩を製造するための、下記を含む方法:
    (a)好都合には適切な塩基の存在下での、式(II)の化合物:
    Figure 2008534661
    (式中、L1は適切な置換可能な基を表わし、R1、R2およびR3は請求項1に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)と式(III)の化合物:
    Figure 2008534661
    (式中、Q1、R4およびqは請求項1に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)との反応;あるいは
    (b)好都合には適切な酸の存在下での、式(IV)の化合物:
    Figure 2008534661
    (式中、L2は適切な置換可能な基であり、R2、R3、Q1、R4 およびqは請求項1に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)と式(V)のピラゾール:
    Figure 2008534661
    (式中、R1は請求項1に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)との反応;あるいは
    (c)好都合には適切な塩基の存在下での、式(VI)の化合物:
    Figure 2008534661
    (式中、Q1、R4およびqは請求項1に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)と式(VII)の化合物:
    Figure 2008534661
    (式中、Xは酸素原子を表わし、かつtは1であり、またはXは窒素原子を表わし、かつtは2であり、R17は(C1-C6)アルキル基であり、R1、R2およびR3は請求項1に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)との反応;あるいは
    (d)式(VIII)の化合物:
    Figure 2008534661
    (式中、R1、R2、R3、Q1、R4およびqは請求項1に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)とヒドラジンとの反応;あるいは
    (e)式(I)においてR3が(C1-C6)アルコキシ、アミノ、(C1-C6)アルキルアミノ、ジ-[(C1-C6)アルキル]アミノ、-OR3b、-SR3b、-NHR3b、-N[(C1-C6)アルキル]R3bまたは-S(O)mR3a基であり、これらにおいてmは0であり、R3aおよびR3bは請求項1に定めたものである化合物(基R3は請求項1に定めた少なくとも1個の基で置換されていてもよい)については、好都合には適切な塩基の存在下での、式(IX)の化合物:
    Figure 2008534661
    (式中、L3は適切な置換可能な基であり、R1、R2、Q1、R4およびqは請求項1に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)と次式の化合物:
    H-Xa
    (式中、XaはOR18、NH2、NHR18、N(R18)2、OR3b、SR3b、NHR3b、N[(C1-C6)アルキル]R3bおよびSR3aを表わし、これらにおいてR18は置換されていてもよい(C1-C6)アルキル基であり、R3aおよびR3bはそれぞれ請求項1に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)との反応;あるいは
    (f)式(I)においてR3が、(i)少なくとも1個の環窒素原子を含み、窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上の追加ヘテロ原子を含んでもよい、置換されていてもよい飽和単環式5-もしくは6-員複素環式環である化合物、または(ii)置換されていてもよい2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナン基である化合物については、好都合には適切な塩基の存在下での、式(IX)の化合物:
    Figure 2008534661
    (式中、L3は適切な置換可能な基であり、R1、R2、Q1、R4およびqは請求項1に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)と、(i)式(Xb)の化合物:
    Figure 2008534661
    (式中、Q4は、式(Xb)中に示す窒素原子のほかに、窒素、酸素および硫黄から選択される1個以上のヘテロ原子を含んでもよい、飽和単環式5-もしくは6-員複素環式環であり、この環は請求項1に定めた少なくとも1個の基で置換されていてもよい)との反応、または(ii)置換されていてもよい2,7-ジアザスピロ[3.5]ノナンとの反応;あるいは
    (g)式(I)においてR3が(C2-C6)アルケニルまたは(C2-C6)アルキニル基であり、基R3は請求項1に定めた少なくとも1個の基で置換されていてもよい化合物については、好都合には適切な塩基および適切な触媒の存在下での、式(IX)の化合物:
    Figure 2008534661
    (式中、L3は適切な置換可能な基であり、R1、R2、Q1、R4およびqは請求項1に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)と式(Xc)または式(Xc')の化合物:
    Figure 2008534661
    (式中、R19は水素、および置換されていてもよい(1-4C)アルキルまたは(C1-C4)アルコキシカルボニル基から選択される)との反応;あるいは
    (h)式(I)においてR3が炭素原子によりピリミジン環に結合している化合物については、好都合には適切な触媒の存在下での、式(IX)の化合物:
    Figure 2008534661
    (式中、L3は適切な置換可能な基であり、R1、R2、Q1、R4およびqは請求項1に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)と次式の化合物:
    M-R3
    (式中、R3は請求項1に定めたR3基から適切に選択され、Mは金属基である)との反応;あるいは
    (i)式(I)においてR3が(C1-C6)アルコキシカルボニル基(基R3は請求項1に定めた少なくとも1個の基で置換されていてもよい)である化合物については、好都合には適切な酸の存在下での、式(X)の化合物:
    Figure 2008534661
    (式中、R1、R2、Q1、R4およびqは請求項1に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)を次式の化合物:
    H-O-(C1-C6)アルキル
    (式中、(C1-C6)アルキル基は基R3の置換基として請求項1に定めた少なくとも1個の基で置換されていてもよく、いずれの官能基も必要であれば保護されている)との反応;あるいは
    (j)式(I)においてR3が窒素、酸素および硫黄から選択される少なくとも1個のヘテロ原子を含む5-員ヘテロ芳香族環(基R3は請求項1に定めた少なくとも1個の基で置換されていてもよい)である化合物については、適切な出発物質および適切な脱水剤を用いる分子内縮合反応;あるいは
    (k)式(I)においてR3が請求項1に定めた少なくとも1個の基で置換された(C1-C6)アルキル、(C3-C6)アルケニル、(C3-C6)アルキニルまたは(C1-C6)アルコキシ基である化合物については、式(XII)の化合物:
    Figure 2008534661
    (式中、L4は適切な置換可能な基であり、Wは置換されていてもよい(C1-C6)アルキル、(C3-C6)アルケニル、(C3-C6)アルキニルまたは(C1-C6)アルコキシ基であり、R1、R2、Q1、R4およびqは請求項1に定めたものであり、ただし、いずれの官能基も必要であれば保護されている)と式H-Xa、(Xb)、(Xc)、(Xc')またはM-R3の化合物との反応;
    そして方法(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)、(g)、(h)、(i)、(j)または(k)の後に、随意に、下記のいずれか1つを実施する:
    ・得られた化合物を本発明の他の化合物に変換する;
    ・その化合物の医薬的に許容できる塩を形成する。
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JP2012521425A (ja) * 2009-03-23 2012-09-13 Msd株式会社 オーロラa選択的阻害作用を有する新規アミノピリジン誘導体
JP2012521426A (ja) * 2009-03-24 2012-09-13 Msd株式会社 オーロラa選択的阻害作用を有する新規アミノピリジン誘導体

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