JP2008534583A - ミコバクテリア感染及び結核疾病の診断、予防及び治療のための方法及び手段 - Google Patents

ミコバクテリア感染及び結核疾病の診断、予防及び治療のための方法及び手段 Download PDF

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Abstract

本発明は、インビボ及びインビトロ及び哺乳類において、免疫応答を誘発することができる、ミコバクテリアの潜伏時関連抗原及び/又はエピトープの狭いサブセットを同定する。本発明は、潜在性ミコバクテリア感染に対する検出及び免役化のための方法及び組成物を提供する。それらの組成物は、潜在性ミコバクテリア感染を経験した哺乳類の生体内で免疫応答を実際に誘発することができる、ミコバクテリアの潜在性抗原を含む。より好ましくは、該組成物は、潜在的に感染した個体によって優先的に認識される抗原を含み、該抗原は、活発なミコバクテリア感染を有する個体又は結核疾病(TB)を患っている結核菌感染患者のような、ミコバクテリアが誘導する症状又は疾病を有する個体において認識されないか、又はより低い程度で認識される。
【選択図】 図1

Description

本発明は医薬の分野に関し、詳細には、特に結核菌によって引き起こされた感染に対する、ミコバクテリアの疾病の診断、予防及び治療に関する。また、本発明は、ワクチン接種の分野に関する。
結核(TB)は、控えめ見積もってTBによる死者が毎分4人、毎年2百万に相当すると推定される、世界的な健康に対する大きな脅威である。世界の人口の1/3が、潜在的に結核菌に感染していると推定されている。ほとんどの場合が活性なTBに起因するこの莫大な潜在性結核の蓄積は、TBのコントロールを達成する主要な障壁を表す。
潜在性結核菌感染が、TBを排除する試みを複雑にするには幾つかの理由がある。第一に、接触追跡及び潜在性感染の治療は、ほとんどの人間がツベルクリン皮膚検査で陰性である設定においてのみ達成でき、これは、TBの発生率が既に低い工業国における場合である。そのような設定であっても、潜在性結核菌感染の治療のために用いられる現在可能な措置の有効性は限られている。これは、治療固守が低いということや抗生物質耐性株の蔓延という明らかな問題とは別に、休眠結核菌が、インビトロで証明されたように(1,2)桿菌の複製に対してのみ殺菌性であるリファンピン及びイソニアジドのような通常使用される薬物に対して高い耐性を有するという知見に関連させることができる。結核菌が潜伏の間に非複製を持続するという考えは、結核菌の遺伝子型が多年の潜伏期間中にほとんど変化しない一方、活発な疾病期間におけるDNAパターンの変化率が非常に高いという知見によって支持される(3,4)。第二に、TBに対して現在唯一利用可能なワクチン、ウシ型結核菌カルメット-ゲラン杆菌(BCG)は、潜在性結核菌感染の確立を防がない。BCGは、地理的な領域によって異なり、また、恐らく環境的なミコバクテリアに対する曝露レベルに依存する、再活性化TBに対しての高度に可変するレベルの防御を与える(5)。改善されたワクチンの開発に向けられた最近の試みは、結核菌の感染が起こる前に投与されることを意図され、急性の原発性感染の動物モデルにおいて評価されている、主に予防的なワクチンに焦点を合わせている。それらの予防的なワクチン候補は、慢性的又は潜在性の感染の何れかを模倣する動物モデルを用いる曝露設定後において用いられた場合、無効であるか又は有害でさえあった(6-8)。反対に、既に潜在的に感染した個体に安全に投与でき、TBの再活性化を防ぐ曝露後ワクチンは、結核菌による潜在性感染が人口の大多数に存在するような風土性の高い地域においてそれを適用できるという直接的な利点を有する。そのようなワクチンに含まれる抗原は、潜在性感染期の結核菌桿菌を認識及び排除できる防御性の免疫応答を増強するものである。
CD4 T細胞は、結核菌感染をコントロール及び維持するのに重要な役割を果たす。しかし、それに関与する詳細なメカニズム及び潜在性TBを認識する標的抗原の大部分は分かっていない(9)。近年まで、潜伏の間の結核菌の代謝における差動的な(differential)遺伝子発現及び変化に取り組む研究はわずかであった。潜伏の維持に関する特異的なヒト宿主免疫応答を分析する研究はさらにわずかであった。現在までに、よく特徴付けられた結核菌タンパク質が一つだけ、潜伏期に重要であると思われることが確認された(10)。このタンパク質HspX (Rv2031c又はAcr)は、ヒト肉芽腫における潜在性感染に付随する環境ストレスの代用として用いられるインビトロ条件で、低酸素の間、強く上方制御される(11)。この熱ショックタンパク質に対する細胞性免疫応答が、潜在的に感染した個体において、例えば保護された状態に付随して観察され、一方、活性なTB疾病を有する個人においてこの抗原に対する抗体が発見された(12, 13)。
さらなる潜伏時同伴抗原の同定は、成功した曝露後ワクチンの開発のために有益である。幾つかの研究は、潜伏時の自然な状態を模倣するよう開発されたインビトロ及びインビボのモデルを用いて、結核菌感染の持続的な状態に焦点をあてている。第一に、Wayneらは、漸進的に減少させた酸素圧力(tensions)下で結核菌を増殖させることによって、潜伏時のインビトロモデルを確立し、これは、非複製持続(NRP)と命名された桿菌の可逆的な増殖停止をもたらした(14)。他は、結核菌の代謝変化を研究するために、一定の低酸素培養条件を用いた(11,15,16)。さらに、Voskuilらは、低用量の酸化窒素の存在中で培養したときの結核菌の発現プロフィールを、他は潜伏中の桿菌が遭遇し、Th1免疫の発生と同時発生するインビトロ条件(19)で研究した。Voskuilらは、全ゲノムDNAマイクロアレイを用いて、結核菌の48遺伝子のセットが一貫して上方制御されたことを観察し、潜伏時のインビトロモデルの3つ全てで、すなわちNRPの間、一定の低酸素と低用量の酸化窒素曝露の間で観察された(17)。結核菌がインビトロでの活性化されたマウスのマクロファージ中で増殖されたとき、このいわゆる休止状態のレギュロンの遺伝子もまた上方制御されることが発見された(18)。慢性的に感染したマウス及びTB患者の肺においても、結核菌の転写パターンは、NRPの特徴を示した(19, 20)。これは、TB疾病の過程の間、桿菌の分集団は低酸素状態及び酸化窒素の低濃度に遭遇し、非複製状態に順応するということを示唆している。休止状態に関連するタンパク質が潜在性感染への移行過程で誘導されると思われ、また、潜伏中に結核菌が休止状態に関連するタンパク質を発現する可能性が高いと思われる。このレギュロンによってコードされる推定上のタンパク質のほとんどの機能は未知である。この特許明細書において、我々は、潜在性抗原として休止状態のレギュロンの遺伝子によってコードされるタンパク質について言及する。
休止状態の(DosR)レギュロン遺伝子の発見に基づいて、検出目的及び防御又は治療的な免疫化及び/又はワクチン接種目的のための、コードされるタンパク質潜在的な抗原としての使用は、GB 0116385.6 / US2004/0241826に記載されている。さらに、WO 0179274及びUS2004/0057963は、ミコバクテリアの感染の潜伏期の間に特異的に誘導されるポリペプチドを用いて、潜在性結核菌感染に対する免疫応答を誘導することを目標とした方法及び組成物を提供している。その中のポリペプチドは、45の休止状態のレギュロン遺伝子のプールから選択され、これは、上述のインビトロモデルにおいて潜伏の間に上方制御される。免疫化の目的のために提示された抗原の一つは、HspX (Rv2031c又はAcr)であり、アルファクリスタリン相同体をコードし、US2004/0146933において、診断及び免疫化の目的のために有用であると記載されている。
その文献が、インビトロモデル及び潜伏時のマウスモデルを使用しているために、NRP / 休止状態(DosR)レギュロンがコードするタンパク質が、有意な免疫応答を誘導するために、ヒトにおける感染の潜伏時の間に、結核菌によって十分に高いレベルで実際に発現されるかどうかは現在のところ不明である。また、潜伏時又は休止状態のレギュロンからの推定上の抗原が、十分に免疫原性であるかどうか、及び、それらの推定上の潜在性抗原及び/又はエピトープに対する免疫が、動物における潜在性の又は新しく獲得されたミコバクテリア感染に対して防御を提供するのに実際に関連しているか否かも不明である。特に、48の休止状態/潜伏時のレギュロンがコードする推定上の抗原が、実際のヒト結核菌潜在性感染の間に最も関連しているかも現在のところ分かっていない。
潜在性ミコバクテリア感染を有する個体において免疫応答を誘発するために、例えば医薬組成物又はワクチンにおいて、全48の推定上の潜在性抗原を併用することは、実効可能でないか又は望ましくなく、また効率的でもない。それらが十分なレベルで発現されないために、或いは、それらが潜在的に感染した動物の免疫系に認識されるために十分な(ドミナントな)細胞毒性のT細胞(CTL)又はTヘルパー(Th)エピトープを含まないために、同定された推定上の潜在性抗原の多くは、免疫応答の誘発において有効ではない。
発明の概要
本発明によって解決されるべき問題は、48の既知の推定上の潜在性抗原から最適な選択を提供すること、並びに、潜在性のミコバクテリア感染を有する健康な個体において、インビボ免疫応答を実際に誘発することができる抗原のみを選択することである。本発明は、上記で議論した問題に、インビボで抗原及び/又はエピトープを付随するミコバクテリア潜伏に対するドミナントなヒト免疫応答を生体外で同定することによって取り組み、それによって、潜在性ミコバクテリア感染に対する検出及び免疫化のための新規の方法及び組成物を提供する。それらの組成物は、潜在性ミコバクテリア感染を経験している動物において、インビボでの免疫応答を実際に誘発することができる潜伏時の抗原のみを含み、より好ましくは、潜在的に感染した個体によって優先的に認識され、活性なミコバクテリア感染を有する個体において、又は結核(TB)を患っている患者のような、ミコバクテリアが引き起こす疾病症状を有する個体において、認識されないか、又は極めて少ない程度で認識される抗原のみを含む。本発明は、当該分野で既知の少なくとも48の結核菌の潜在性抗原の群から選択されるドミナントな抗原及び/又はエピトープの狭いサブセットを同定することにより、この目的を達成する。
驚くべきことに、本発明で同定されたほとんどの好ましい抗原は、従来文献において今までに最も研究され適用されていた推定上の潜在性抗原;主に、Rv2031c(HspX/acr)及びRv0569;とは異なっている。本発明は、従来刊行物、特許及び特許出願において選択され適用された好ましい推定上の潜在性抗原から離れることを教示し、本発明の狭いサブセットは既知の例から除かれることを示す。本明細書による潜在性抗原の特徴的で小さいサブセットは、推定上の潜在性抗原の既知のグループからの目的にかなった選択である。本発明による抗原及び/又はエピトープは、推定上の抗原のグループの大規模な分析後に選択された。従来文献における推定上の抗原が研究室の条件下のインビトロモデルにおいて及びマウスモデルにおいて同定された一方、本発明は、それらの抗原が、潜在性ミコバクテリア感染による通常の環境下のインビボにおける免疫応答を作動的に誘発することが実際にでき、健康な個体又はTB疾病を患っている患者においては誘発しないか又はより低い範囲で誘発するものを開示している。
発明の詳細な説明
本発明は、脊椎動物、好ましくは哺乳類におけるミコバクテリア感染、特には潜在性ミコバクテリア感染に対する免疫応答を誘導するための方法及び組成物を提供し、該方法は、ミコバクテリア感染を有する脊椎動物においてインビボ免疫応答を誘発できる、ミコバクテリア NRP/休止状態(DosR)レギュロンがコードするタンパク質を含むポリペプチドの群から選択される一以上のポリペプチド又はその断片の源を含む組成物を、該脊椎動物に投与する工程を含む。
ここにおいてミコバクテリア感染という用語は、新たに感染しまだ症状を示していない、潜在的に感染した哺乳類、及び、活発な結核のようなミコバクテリアが引き起こす疾病及び症状を患っている脊椎動物の何れをも含むように意図される。好ましくは、結核疾病の発達を防ぐため、本発明によって治療されるミコバクテリア感染は潜在性感染である。本発明の方法は、(多)薬剤耐性TBによるかよらないTB患者の抗生物質治療の間又はその後の付属的な治療として有利に適用され;及び、健康であるが曝露された個人に、好ましくは、以前にBCGでワクチン接種されたTB風土国の子供に独占されずに、有利に適用される。
本発明は、潜在性ミコバクテリア感染に向けられる方法及び組成物を提供するが、予防的なワクチン及び/又はミコバクテリアに対する多重フェーズワクチンのような、非潜在性感染に対する免疫応答を誘発することを目的としたポリペプチド又はエピトープを含む組成物と、当業者によって容易に組み合わされることもできる。
潜在性ミコバクテリア感染は、ここにおいて、桿菌が生存したままであるが、非複製状態でゆっくりと複製又は持続している感染の段階を指し、TBにおいて典型的に観察されるような活発な壊死性疾病を引き起こさない、器官又は組織内に局在化した障害に要約することができる。潜伏期は、宿主の生命の残りの間に存在可能であり、或いは、該感染は、例えば、宿主の免疫を減少させる期間又は他の(ミコ)バクテリア又はHIV−1のようなウイルス感染又は癌の治療及び他の免疫抑制性の状態又は治療のような他のストレス要因に対する応答において再活性化し得る。
本発明は、これらに限定されないが、(生-弱毒及び/又は組換え)結核菌、ウシ型結核菌(バチルスカルメット-ゲラン(BCG)を含む)、ミコバクテリウム・アフリカヌム、スメグマ菌(M. smegmatis)、ライ菌(M. leprae)、ミコバクテリウム・バカエ(M. vaccae)、ミコバクテリウム・イントラセルラエ(M. intracellulare)、鳥型結核菌(M. avium)(傍結核性の亜種を含む)、ミコバクテリウム・カネティー、ライ菌、ミコバクテリウム・ミクロティ及びミコバクテリウム・ウルセラン(M. ulcerans)のような、潜在性ミコバクテリア感染及び関連疾病に対する、1) 予防性の(予防的な)、2) 曝露/感染後又は3)治療的な/治癒的なワクチンとして使用されるのに適した方法及び組成物を提供する。
結核菌、ウシ型結核菌(BCG株を含む)、ミコバクテリウム・ミクロティ、ミコバクテリウム・アフリカヌム及びミコバクテリウム・カネティー(即ち、TB複合物に属するミコバクテリア種及び株)は、本発明に従って用いられる、潜在性誘導ポリペプチド又はその断片の最も好ましい源である。
本発明の方法及び組成物について、治療され又は診断される脊椎動物は好ましくはヒトであるが、しかし、これらに限定されないが、マウス、ラット、モルモット、ウサギ、ネコ、イヌ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ウマ、ラクダ及び例えばニワトリ、アヒル、シチメンチョウ及びガチョウなどの家禽のような、研究室動物及び家畜の全てをも含む。
該ポリペプチドの源は、タンパク質、タンパク質及び/又はその断片の消化物であってよく、それは、精製された形態であってよく、又は、粗製組成物、好ましくは細菌の可溶化液、超音波処理又は固定化のような、生物学的起源中に含まれてよい。或いは、該(ポリ)ペプチドは、化学的に合成されてよく、又は、インビトロで酵素的に生成されてもよい。ポリペプチド又はその断片の源は、RNA又はDNAテンプレートからの、該ポリペプチド又はその断片をコードする核酸であってもよい。該RNA又はDNA分子は「裸の」DNAであってよく、好ましくは小胞又はリポソームに含まれ、或いは、ベクター中に含まれても良い。該ベクターは、当該分野で既知の任意の(組換え)DNA又はRNAベクターであってよく、好ましくは、遺伝子がコードする潜在性抗原が、コードされるメッセンジャーの発現及び翻訳を与える調節配列に作動可能に結合されたプラスミドである。該ベクターは、これらに限定されないが、アデノウイルス、アデノ随伴ウイルス(AAV)、レトロウイルス、レンチウイルス、改変ワクシニアアンカラウイルス(MVA)又は鶏痘ウイルスのような任意のDNA又はRNAウイルスであってもよく、或いは、潜在性エピトープを含むポリペプチドの発現を宿主に与えることのできる任意の他のウイルスベクターであってよい。DNAベクターは、エピソーム性複製ベクターのように非組込みであってよく、或いは、ランダム組込みによって又は相同性組込みによって宿主ゲノム中に組込まれてもよい。
本発明のポリペプチド又はその断片をコードする遺伝子を含むDNA分子は、任意に、ウイルス又はプラスミドのようなベクター中に包埋され、宿主のゲノム中に組込まれてよい。本発明の好ましい態様において、そのような宿主は、微生物であってよい。好ましくはそのような組換え微生物はミコバクテリアであり、本発明のポリペプチド又はその断片を宿主に送達することができる、例えば、結核菌又はウシ型結核菌の種のものであり、最も好ましくは、ウシ型結核菌バチルスカルメット-ゲラン(BCG)である。組換えBCG及び組換え方法は当該分野では既知であり、例えばWO2004094469に開示されている。そのような組換え微生物は、例えば「Jacobs et al. 1987, Nature, 327(6122):532-5)」に開示されているように、生組換えワクチン及び/又は生弱毒ワクチンとして処方され得る。該ベクターはまた、これらに限定されないが、生弱毒及び/又は組換えの赤痢菌又はサルモネラ菌のような、細菌起源の宿主に含まれることもできる。
一つの態様において、本発明は、哺乳類におけるミコバクテリア感染に対する免疫応答を誘導するための方法を提供し、該方法は、Rv079、Rv0569、Rv0572c、Rv1733c、Rv1738、Rv1813c、Rv1996、Rv2007c(FdxA)、Rv2029c(PfkB)、Rv2030c、Rv2031c(HspX、Acr、16-kDaアルファ結晶性相同体)、Rv2032、Rv2623、Rv2624c、Rv2626c、Rv2627c、Rv2628、Rv3126c、Rv3127、Rv3129、Rv3130c、Rv3131、Rv3132c、Rv3133c(DosR)、Rv3134c、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX) 及びそれらの類似体又は相同体から成る、ヒトT細胞株におけるIFN-γ応答を誘発できるタンパク質をコードするミコバクテリアNRP / 休止状態(DosR)レギュロンを含むポリペプチドの群から選択される一以上のポリペプチド又はその断片の源、及び任意に一以上のアジュバントを、該哺乳類に投与する工程を含む。
前記抗原は、感染した個体から産生され、結核菌超音波処理物に接触された短期T細胞株に認識可能である。該T細胞株は、実施例1及び2に記載したようなアッセイにおいて、好ましくは少なくとも>50 pg IFNγ/mlのインターフェロンガンマ(IFN-γ)応答を示す。ミコバクテリアの抗原及びNRP / 休止状態(DosR)レギュロンのDNA及びタンパク質配列についてのRv命名法は当該分野で周知であり、例えば「http://genolist.pasteur.fr/TubercuList/」又は「http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez」(Accession number AL123456)で発見できる。ここで用いるRv命名法は、前記抗原のアミノ酸配列及び前記抗原をコードする核酸配列のいずれにも適用することができる。
本発明の好ましい態様において、脊椎動物におけるミコバクテリア感染に対する免疫応答を誘導するための方法は、Rv0079、Rv0569、Rv1733c、Rv1738、Rv1813c、Rv1996、Rv2007c(FdxA)、Rv2029c(PfkB)、Rv2030c、Rv2031c(HspX、Acr、16-kDaアルファ結晶性相同体)、Rv2032、Rv2626c、Rv2627c、Rv2628、Rv3126c、Rv3129、Rv3130c、Rv3132c、Rv3133c(DosR)、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX)及びその相同体又は類似体から成る、潜在性ミコバクテリア感染を有する脊椎動物において免疫応答を誘発できる潜在性抗原を含む、ミコバクテリア NRP /休止状態(DosR)レギュロン配列の群から選択されるポリペプチド又はその断片の源の投与を含む。潜在性抗原のこの特定のサブセットは、100>pg IFNγ/mlを超える潜在性ミコバクテリア感染を有する個体からの、及び、全ミコバクテリア感染個体の少なくとも5、10、20、30、40又は50%における、末梢血においてインターフェロンγ(IFNγ)応答を誘導することができる。
本発明の最も好ましい態様において、脊椎動物において、好ましくは潜在性ミコバクテリア感染を患っている個体又はその該感染を取得するリスクのある個体において、免疫応答を誘導する方法が提供され、該方法は、抗原Rv1733c、Rv2029c(PfkB)、Rv2627c、Rv2628、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX)から成る、潜在性ミコバクテリア感染を有する個体において免疫応答を優先的に誘発できるミコバクテリア NRP / 休止状態(DosR)レギュロン配列の群から選択されるポリペプチド又はその断片の源を投与することを含む。前記8つの抗原は、潜在的に感染した個体において優先的に認識され、非感染個体又は疾病症状を引き起こす活発なミコバクテリア感染を有する個体において、IFN-γ応答を誘導できないか、又は極めて低い程度で誘導する、ドミナントなエピトープを含む。試験された48の潜在性抗原からの前記抗原は、末梢血単核細胞(PBMC's)において最も高いレベルのIFN-γを誘導する。加えて、それらの8抗原は、潜在的感染個体のPBMCにおいては著しいIL-10を誘導することができるが、活発なミコバクテリア結核感染に付随する症状を患っている患者のPBMCにおいては誘導しない。
本発明の方法において用いられるそれらの最も好ましいポリペプチドは、前記ミコバクテリア NRP /休止状態(DosR)レギュロン配列 Rv1733c及びRv2029c(PfkB)及びRv2627cである。試験した全48のポリペプチドの、Rv1733c及びRv2029c(PfkB)及びRv0080は、それらの個体から得られたPBMCにおけるIFN-γ及び/又はIL-10の誘導によって決定されたように、潜在性ミコバクテリア感染を有する個体において免疫応答を誘発することが最も頻繁に検出された。
本発明の他の側面において、本発明は、潜在性ミコバクテリア感染を有する個体において免疫応答を誘発することができるミコバクテリア NRP /休止状態(DosR)レギュロン配列のポリペプチド又はその断片の源を含む組成物を提供する。好ましくは、ミコバクテリア感染及び誘導された疾病に対して免疫化するための本発明の組成物は、Rv0079、Rv0569、Rv0572c、Rv1733c、Rv1738、Rv1813c、Rv1996、Rv2007c(FdxA)、Rv2029c(PfkB)、Rv2030c、Rv2031c(HspX、Acr、16-kDaアルファ結晶性相同体)、Rv2032、Rv2623、Rv2624c、Rv2626c、Rv2627c、Rv2628、Rv3126c、Rv3127、Rv3129、Rv3130c、Rv3131、Rv3132c、Rv3133c(DosR)、Rv3134c、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX)及びそれらの類似体又は相同体から成る、ヒトT-細胞株においてIFNγ応答を誘発できるタンパク質をコードするミコバクテリア NRP / (DosR)レギュロンを含むポリペプチドの群から選択される一以上のポリペプチド又はその断片の源を含み、及び任意に少なくとも一つのアジュバントを含む。
相同体又は類似体はここにおいて、上記のポリペプチドをコードする天然の結核菌NRP /休止状態(DosR)レギュロンと少なくとも70%、80、90、95、98又は99%のアミノ酸配列の同一性を有し、少なくとも該結核菌ポリペプチドによって得られる免疫応答をなお誘発できるペプチドを含むように理解される。相同体又は類似体は、置換、挿入、欠失、及びさらなるN-又はC-末端アミノ酸、又は安定性、溶解性及び免疫原性を増大するための化学的部分を含み得る。
本発明のポリペプチド抗原の断片は、少なくともエピトープを含む断片であると理解される。それ故、該断片は、該ポリペプチド抗原の配列から少なくとも4, 5, 6, 7又は8 の隣接するアミノ酸を含む。より好ましくは、該断片は、少なくともT細胞エピトープを含み、即ち、該ポリペプチド抗原の配列から少なくとも8, 9, 10, 11, 12, 13,又は14の隣接するアミノ酸を含む。さらにより好ましくは、該断片は、CTL及びTヘルパーエピトープの両方を含む。しかしながら最も好ましくは、該断片は、抗原提示細胞による処理を必要とするペプチドであり、即ち、該断片は、少なくとも約18アミノ酸長を有し、その18アミノ酸は、前記ポリペプチド抗原の隣接する配列では必ずしもない。
さらに好ましくは、本発明の組成物は、Rv0079、Rv0569、Rv1733c、Rv1738、Rv1813c、Rv1996、Rv2007c(FdxA)、Rv2029c(PfkB)、Rv2030c、Rv2031c(HspX、Acr、16-kDaアルファ結晶性相同体)、Rv2032、Rv2626c、Rv2627c、Rv2628、Rv3126c、Rv3129、Rv3130c、Rv3132c、Rv3133c(DosR)、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX)から成る、ミコバクテリア潜在的感染個体において免疫応答性を誘発できる潜在性抗原を含むミコバクテリア NRP /休止状態(DosR)レギュロン配列の群から選択されるポリペプチド又はその断片の源を含む。前記抗原及び組成物は、ミコバクテリア感染を有する個体の末梢血単核細胞(PBMC’s)においてIFNγ応答を誘導できる。
さらに好ましい態様において、本発明の組成物は、潜在性ミコバクテリア感染を有する個体において免疫応答を優先的に誘発できる、ミコバクテリア NRP /休止状態(DosR)レギュロン配列の源を含み、該抗原はRv1733c、Rv2029c(PfkB)、Rv2627c、Rv2628、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarK)の一以上から選択される。Rv1733c、Rv2029c(PfkB)、Rv2627c、Rv2628、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX) ポリペプチドは、試験された他の48のミコバクテリアNRP /休止状態(DosR)レギュロンポリペプチドと比較して、PBMCにおけるIFNγ生産の面で、潜在性感染を有する個体において強力な応答を誘導することができる。前記抗原はまた、潜在的に感染した患者のPBMCにおけるIL-10産生を刺激することができ、該IL-10誘導は、活発なミコバクテリア感染及び/又はTB疾病症状を有する患者のPBMCにおいては観察されないか、又は極めて低い程度で観察される。
他の態様において、本発明の組成物は、ミコバクテリア NRP /休止状態(DosR)レギュロン配列Rv1733c及び/又はRv2029c及び/又はRv2627cから得られるポリペプチド又はその断片の源を少なくとも含み、それは、アッセイされたポリペプチドをコードする全NRP /休止状態(DosR)レギュロンからの、潜在性感染個体において最も頻繁に認識される抗原である。
ポリペプチド又はその断片をコードするNRP /休止状態(DosR)レギュロンを含む、本発明の免疫化のための組成物は、好ましくは少なくとも一つの賦形剤を含む。賦形剤は当該薬学分野において周知であり、例えば「Remmington’s pharmaceutical sciences, Mack Publishing, 1995」のようなテキストブックに見出すことができる。本発明の免疫化のための組成物は、好ましくは、少なくとも一つのアジュバントを含み得る。アジュバントは、ワクチン接種の分野で既知の任意のアジュバントを含んでよく、「Current Protocols in Immunology, Wiley Interscience, 2004」のようなテキストブックを用いて選択できる。
アジュバントは、最も好ましくは以下のアジュバントの一覧から選択される:陽イオン性(抗菌性)ペプチド及びこれらに限定されないが、ポリ(I:C)、CpGモチーフ、LPS、脂質A、リポペプチドPam3Cys及び細菌性フラゲリン又はその一部のような、Toll様レセプター(TLR)リガンド、及び化学的修飾を有するそれらの誘導体。本発明の方法及び組成物において使用される他の好ましいアジュバントは、生菌又は死菌BCGとの混合物、前記潜在性抗原又はその一部との免疫グロブリン複合体、IC31 (www.intercell.comから;WO03047602)、QS21/MPL (US2003095974)、DDA/MPL (WO2005004911)、DA/TDB (WO2005004911; Holten-Andersen et al、2004 Infect Immun. 2004 Mar;72(3):1608-17.)及び溶解性LAG3 (CD223)(www.Immunotep.comから;US2002192195)である。
本発明に従う免疫化のための方法及び組成物は、CTL応答を増強し、それによって本発明の方法及び組成物の治療的効果を増強するための、CD40結合分子の使用及び/又は添加をさらに含み得る。CD40結合分子の使用はWO 99/61065に開示されており、参照によって本明細書に援用される。該CD40結合分子は好ましくは抗体又はその断片又はCD40 リガンド又はその変異体であり、別に添加されてよく、又は本発明の組成物中に含まれてもよい。
本発明の免疫化のための方法及び組成物は、アゴニストの抗-4-1BB抗体又はその断片、又は4-1BBレセプターと相互作用できる他の分子の使用及び/又は添加をさらに含み得る。4-1BBレセプターアゴニストの抗体及び分子の使用はWO 03/084999に開示されており、参照によって本明細書に援用される。4-1BBアゴニストの抗体は、4-1BB及び/又はCD40レセプターを作動する(triggering)/刺激することを介してCTL免疫を増強するために、さらなるCD40結合分子と共に又はそれなしで使用される。4-1BB結合分子又は抗体は、別に加えられてもよく、又は本発明の組成物中に含まれてもよい。
本発明のポリペプチドは、免疫化の目的のために、これに限定されないが、破傷風毒素/類毒素、ジフテリア毒素/類毒素又は他のキャリア分子のようなタンパク質と融合されてもよい。本発明のポリペプチドは、参考文献「Rapp UK and Kaufmann SH, Int Immunol. 2004 Apr;16(4):597-605; Zugel U, Infect Immun. 2001 Jun;69(6):4164-7」に開示されたような免疫優性ペプチドのキャリアとしての組換え内在性(マウス)gp96 (GRP94)のような熱ショックタンパク質と、或いは、Hsp70 (Triebel et al; WO9954464)との融合タンパク質と有利に融合されることもできる。
本発明の免疫化のための方法及び組成物は、好ましくは、ドミナントCTL又はThエピトープを含み、そのペプチドが18〜45のアミノ酸長である、本発明のポリペプチドから得られるポリペプチド断片の使用を含む。配列中のCTL又はThエピトープの存在は、HLA_BIND、SYFPEITHI、NetMHC及びTEPITOPE 2000 (参考文献 43, 44, 45, 46, 47及び48)のような一般に知られているバイオインフォマティクスツールを用いて、又は標準的な実験を用いて実験的に(Current Protocols in Immunology, Wiley Interscience 2004)、当業者によって発見されることができる。
18〜45のアミノ酸の長さを有する本発明のペプチドは、WO 02/070006に開示されているように、優れた免疫原性の性質を与えることが観察されている。ペプチドは、有利に化学的に合成されることができ、任意に(部分的に)重複することができ、及び/又はTLRリガンド、ペプチド又はタンパク質のような他の分子と結合することもできる。またペプチドは、PCT/NL03/00929及び「Welters et al.(Vaccine. 2004 Dec 2;23(3):305-11)」におけるように、融合して合成タンパク質を形成することもできる。安定性を上昇させるため及び/又はペプチドの生分解性を減少させるために、該ペプチドのアミノ末端又はカルボキシ末端に化学的部分又はさらなる(改変された又はD−)アミノ酸を追加することも有益であり得る。改善するために、免疫原性/免疫刺激部分(例えば脂質)が結合されてもよい。該ペプチドの溶解性を増強するために、帯電したか又は極性のアミノ酸の添加を、溶解性を増強しインビボでの安定性を上昇させるために用いることができる。
さらに他の態様において、本発明の免疫応答又は免疫化を誘発するための組成物は、潜伏期に特異的ではないミコバクテリア抗原をさらに含む。そのような抗原は、感染の過程の他の時期に有利に高特異性である。免疫化目的のために、潜在性ミコバクテリア感染に対する免疫応答を誘発することのみに向けられず、感染した哺乳類において疾病の症状を引き起こす活発なミコバクテリア感染に向けられた免疫応答を誘発することもできる組成物を提供することは有益である。そのような方法において及びそのような組成物について、感染過程の様々な時期におけるミコバクテリアに対する保護性免疫を組合せることは有用であり、それによってより良い全体的な保護を与えることができる。それ故、免疫応答を誘発できる潜在性特異的抗原を含む本発明の組成物は、これらに限定されないが、結核菌抗原 ESAT-6 (Rv3875)、Ag85A(FbpA/MPT59、Rv3804c)、Ag85B(Rv1886c)、Ag85C(Rv3803c)、CFP10(Rv3874)、TB10.3(Rv3019c)、TB10.4(Rv0288)、MPT64(Rv1980c)、MPT32(Rv1860)及びMPT57(Rv3418c)のような活発な感染において免疫応答を誘発することが知られているミコバクテリア抗原と組合されてよい。
さらに他の態様において、本発明の潜在性特異的抗原及び組成物は、潜在性ミコバクテリア感染を診断するための方法及び試薬を提供するために用いられる。本発明の被験者において潜在性又は持続性ミコバクテリア感染、特に潜在性感染を診断する方法は、次の工程を含む:
a)該被験者の体液及び/又は細胞(特に白血球)のサンプルを、任意に単離して、Rv0079、Rv0569、Rv1733c、Rv1738、Rv1813c、Rv1996、Rv2007c(FdxA)、Rv2029c(PfkB)、Rv2030c、Rv2031c(HspX、Acr、16-kDaアルファ結晶性相同体)、Rv2032、Rv2626c、Rv2627c、Rv2628、Rv3126c、Rv3129、Rv3130c、Rv3132c、Rv3133c(DosR)、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX)から成るミコバクテリア NRP /休止状態(DosR)レギュロン配列の群から選択される一以上のポリペプチド又はその断片と接触させること;及び、
b) ミコバクテリア感染を示す増殖又はサイトカイン産生によって測定して前記ポリペプチドに対する免疫応答を検出すること。
診断方法は、最も好ましくは、該ポリペプチドRv1733c、Rv2029c(PfkB)、Rv2627c、Rv2628、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX)の少なくとも一以上を含む。他の好ましい態様において該診断方法は、Rv1733c、Rv2029c(PfkB)、Rv2627c及びRv0080ポリペプチド、又はそれらの断片に対する免疫応答の検出を含み、それらはここでアッセイされた全ての潜在性抗原の潜在性ミコバクテリア感染においてもっとも頻繁に検出される抗原である。
本明細書において体液は、尿、唾液、精液、涙、リンパ液を含むことを意味し、最も好ましくは血球を含めた血液である。血液サンプルからPBMCが得られ、一般的な既知の技術を用いて培養される。診断方法の感度及び特異性を上昇させるため、いくつかの潜在性特異的抗原の組合せ検出が極めて好ましく、特に好ましい態様において、該方法はRv1733c、Rv2029c(PfkB)、Rv2627c及びRv0080抗原に対する免疫応答の検出を含む。本方法はまた、感染過程の活発期に特異的なもののような、ミコバクテリア感染の潜伏期に特異的ではない、当該分野で既知の他の抗原の検出と組合されてもよい。結核菌の場合、それらの抗原は、これらに限定されないが、ESAT-6 (Rv3875)、Ag85A (FbpA/MPT59、Rv3804c)、Ag85B (Rv1886c)、Ag85C(Rv3803c)、CFP10 (Rv3874)、TB10.3 (Rv3019c)、TB10.4 (Rv0288)、MPT64 (Rv1980c)、MPT32 (Rv1860)及びMPT57 (Rv3418c)で構成され得る。
本発明はさらに、上記の診断方法を実行するための診断キットを提供し、該キットは、本発明の一以上のポリペプチド又はその断片を含み、及び任意に、前記ポリペプチドに結合する抗体のアッセイ及び定量化のため或いは細胞性免疫応答の測定のための試薬を含む。そのような試薬は、好ましくは、例えばこれらに限定されないがELISA又はマルチプレックスCBAアッセイのような抗原の結合の検出のために必要な試薬、或いは、ここで提供される実施例において用いられるような、IFN-γ及び/又はIL-10応答を検出するための試薬を含む。ミコバクテリア感染を検出するためのポリペプチド又はその断片は、タンパク質/ペプチド(マイクロ-)アレイ又はマイクロタイター/ウェルプレートのような固体担体に都合よく接着されてもよい。
本発明はさらに、ポリペプチドRv1733c、Rv2029c(PfkB)、Rv2627c、Rv2628、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX)を含む潜在性特異的抗原及び/又はエピトープからの好ましい断片を含む。それらのペプチドは、好ましくは、免疫応答を誘発するための、及び本発明の診断目的のための方法及び組成物中で用いられ、好ましくは18〜45アミノ酸長であり、以下の配列:VDEPAPPARAIADAALAALG(配列番号1)又は図13、14、15及び16で同定され開示されるB細胞及びT細胞のエピトープの一つを含むかそれから成る。
定義
アミノ酸配列同一性は、二つの(ポリ)ペプチド配列が、例えばデフォルトパラメーターを用いるプログラムGAP又はBESTFITによって至適に整列された場合、他で定義したような少なくともある割合の配列同一性を共有することを意味する。GAPは、マッチの数を最大にし、ギャップの数を最小にするように2つの配列をそれらの全長にかけて整列させるために、Needleman and Wunsch グローバル・アライメント・アルゴリズムを使用する。一般に、GAPデフォルトパラメーターは、ギャップ創造ペナルティ=8及びギャップ拡大ペナルティ=2を用いる。タンパク質については、該デフォルト・スコアリング・マトリクスは、ブロサム(Blosum)62 (Henikoff & Henikoff, 1992, PNAS 89, 915-919)である。配列のアライメント及び配列同一性割合のスコアは、GCGウィスコンシン・パッケージ、バージョン10.3(Accelrys Inc.(9685 Scranton Road, San Diego, CA 92121-3752, USA)から入手可能)のようなコンピュータープログラムを用いて決定できる。或いは、類似度又は同一性の割合は、FASTA、BLASTなどのようなデータベースをサーチすることによって決定することもできる。
レギュロンは、真核生物において、単一のレギュレーター遺伝子の制御下にある遺伝子の非隣接のグループからなる遺伝子ユニットである。細菌においてレギュロンは、多面的な制御ドメインの相互作用に関与する全体的な制御系であり、一つ又はいくつかのオペロンから成る。結核菌におけるNRP /休止状態(DosR)レギュロンは、DosR転写制御因子(Rv3133c)の制御下にあり、表2に一覧表記された、「Voskuil et al. (J. Exp. Med. 2003, 198(5):705-13)」中に開示される少なくとも48配列を含む。
本明細書で用いる被験者という用語は、生きた多細胞脊椎動物生物体、ヒト及び非ヒト哺乳類を含むカテゴリーを指す。被験者という用語は、ヒト及び動物又は実験対象の両方を含む。
本明細書において抗原は、分子の性質、又はその断片であり、哺乳類において免疫応答を誘導することができるものである。該用語は、免疫原ならびに、抗原性又は抗原性の決定基又はエピトープをつかさどる領域を含む。抗原は、細胞性(T細胞)又は体液性(抗体)免疫応答の形成を誘導できる、化学的又は生化学的な構造、決定基、抗原又はそれらの一部である。
インビボ又はインビトロの免疫応答は、本明細書で提供される方法のうちの一つによって決定及び/又はモニターされ得るが、当業者には既知で明らかな例えば「Current Protocols in Immunology, Wiley Interscience 2004」に見出すことができる他の多くの方法によっても決定及び/又はモニターされることができる。細胞性免疫応答は、IFN-γ又はIL-10のような関連するサイトカインの、現在又は以前に(病原性)ミコバクテリアに感染したか又はこれに限定されないがポリペプチドで免役化された哺乳類から取り出したリンパ球からの放出の誘導(又はその中の増殖の誘導)によって決定できる。細胞増殖をモニターするために、該細胞は、放射活性の標識チミジンでパルスされてよく、又は、(フロー)サイトメーター中又は顕微鏡下で計数されることができる。サイトカインの誘導は、これに限定されないが、ELISA又はElispotアッセイのような種々の免疫化学方法によってモニターされることもできる。インビトロの細胞性応答は、健康な被験者又はミコバクテリア感染哺乳類に由来するT細胞株の使用によって測定されることもでき、ここで、該T細胞株は、生菌及び/又は死菌、弱毒化又は組換えのミコバクテリア、潜在性ミコバクテリア又はそれらに由来するかそれらから得られる選択された抗原のいずれかで駆動される。
ワクチン又は免疫原性組成物という用語は、哺乳類における特異的な免疫応答を刺激するために有用な組成物を記載するためにここで用いられ、任意に、特定のタイプの免疫応答、好ましくはCTL又はTh応答を増強するか方向付けるために、アジュバント及び他の活性成分を含む。
潜在性特異的ポリペプチド又は抗原は、その活性又は対数増殖期よりもその休眠又は定常期にあるミコバクテリアによってより高いレベルで(又は排他的に)発現され、そして結核菌は、NRP /休止状態(DosR)レギュロンによってコードされ得る(Voskuil et al, 2003)。
TST陽性個体は、陽性マントークス(Mantoux)試験(>5 mm硬化)を有する哺乳類、又は、精製タンパク質誘導体PPD (=ツベルクリン)がIFN-γの放出によって測定される陽性インビトロリコール応答を誘導し、これによって、潜在性ミコバクテリア感染を有するかもしれない個体、即ち、(病原性の)ミコバクテリア、例えば、結核菌で感染されたが、結核(TB)のような(活発な)疾病の徴候を示さない被験者を含むように解される。TB患者は、(病原性)ミコバクテリアの培養又は顕微鏡的に証明されたそれによる感染を有する個体、及び/又は、臨床的にTBと診断され、抗-TB化学療法に応答性である個体であると解される。TBの培養、顕微鏡及び臨床的診断は、当該分野の何れの医師にも周知である。
核酸配列は、該第一の核酸配列が該第二の核酸配列と機能的な関係に置かれた場合に、第二の核酸配列と作動可能に結合される。例えば、プロモーターがコーディング配列の転写又は発現に影響する場合に、該プロモーターは該コーディング配列に作動可能に結合される。一般に、作動可能に結合されたDNA配列は、2つのタンパク質コーディング領域を連結することが必要な場合、同じリーディングフレーム中で隣接される。
本明細書で用いられるベクターとは、宿主細胞中に導入され、それによって形質転換宿主細胞を生成するような核酸分子を指す。ベクターは、複製開始点のような、宿主細胞中でそれが複製することを可能にする核酸配列を含み得る。ベクターは、例えば、プラスミド、ファージミド、ファージ、コスミド、ウイルス、レトロウイルス、エピソーム又は転移因子であってよい。またベクターは、一以上の選択(抗生物質耐性)マーカー遺伝子又は視覚的(例えば、GFP、免疫タグ)マーカー遺伝子並びに当該分野で既知の他の遺伝子要素を含んでもよい。
タンパク質、ペプチド及びポリペプチドは、そのアルファ炭素が、一つのアミノ酸のアルファ炭素のカルボキシル基ともう一つのアミノ酸のアルファ炭素のアミノ基との間の縮合反応によって形成されたペプチド結合を介して結合した、アミノ酸の直鎖状ポリマー鎖(典型的にはLアミノ酸)である。該鎖の一端における末端アミノ酸(即ち、アミノ末端)は、遊離アミノ基を有し、該鎖の他の末端における末端アミノ酸(即ち、カルボキシ末端)は遊離のカルボキシル基を有する。そのような、アミノ末端(N−末端)という用語は、該ペプチドのアミノ末端におけるアミノ酸の遊離のアルファアミノ基を指し、或いは、該ペプチド内の任意の他の位置におけるアミノ酸のアルファアミノ基(ペプチド結合に関与する場合、イミノ基)を指す。カルボキシ末端(C−末端)という用語は、ペプチドのカルボキシ末端におけるアミノ酸の遊離のカルボキシル基を指し、或いは、該ペプチド内の任意の他の位置におけるアミノ酸のカルボキシル基を指す。
合成ポリペプチドは、インビトロで、ペプチド結合を形成するための有機化学のツールを用いて、アミノ酸を特定の順番で連結することによって形成されたポリペプチドを指す。典型的には、ペプチドを構成するアミノ酸は、アミノ末端から開始して、該ペプチドのカルボキシ末端に向かって増加するような順番で番号を付けられる。
材料及び方法
試験被験者
試験は、20人のTB患者、23人の健康なツベルクリン皮膚試験(TST)陽性個体及び21人の健康な非感染コントロールを含んだ。我々の第一の目的が、新規の潜在性抗原に対するT細胞応答をスクリーニングすることであったために、認識が最も起こりそうな結核菌感染期を仮定しなかった。それ故、TB患者及びTST転換者という異質な組を試験被験者として選択した。
20人のTB患者のうち11人は、2週間から6ヶ月(平均2.5ヶ月)の間治療された活発なTB疾病を有し、9人は、血液採取の前に4-63年間(平均間隔29年)治療されTBが治癒した個体である。11人の患者は肺性であり、9人は肺外TBであった。血液採取時点の平均年齢は、46歳(範囲17-75)であり、14人が男性であった。9人の患者はオランダ人であり、3人は北アフリカ人であり、6人はアフリカ人であり、3人はアジア系であった。HIVの危険因子を有する患者はいなかった。
23人のTST陽性の人は全員健康であり、非-BCGワクチン接種であり、実証されたTST結果≧10 mm硬変を有する個体であり、大部分はスメア陽性肺性TB (n=14)の事例と接触後である。平均年齢は37歳(範囲21〜63)であり、14人は男性であった。全員オランダ人であった。12人から、TST転換後6ヶ月以内に血液が抜かれ、そのうち5人のみが潜在性TB感染のためのイソニアジドで治療された。残りの11人のTST陽性個体において、転換と血液採取の間の平均間隔は6年(2〜12年の範囲)であった。それらの遠隔性TST転換者(converters)の2人のみが、イソニアジドを受けた。この記述の時点までに、TST転換後4.9年の平均期間の後に活発なTB疾病を発達させたTST陽性個体はなかった。このグループのほとんどの個体は、潜在的に感染した個体とみなされ、活発なTB疾病の発達に対する天然の防御をあるレベルで示す。
コントロールグループとして、21人の健康な、非BCGワクチン接種個体が試験された。健康なコントロールのうち、TBへの既知の曝露を有する者はいなかった。それらはいずれもTST陰性(n=18;残りの他はTSTを行わなかった)であり、又は、IFN-γのためのELISPOTにより(21)結核菌特異的タンパク質、ESAT-6及びCFP-10に対する陰性が試験された。全てのコントロールは平均年齢30歳(範囲22〜44歳)のオランダ人であり、7人が男性であった。
書面による告知に基づく同意が得られた後に、ヘパリン処置チューブを用いて、標準静脈穿刺によって血液サンプルを全ての試験被験者から得た。続いて、フィコール密度勾配を用いてPBMCを単離し、先に記載されたように(22)液体窒素中で保管した。試験プロトコール(P207/99)は、ライデン大学医学センターの治験審査委員会によって承認された。
結核菌抗原及びペプチド
この試験のために、結核菌H37Rvを堅いスクリューキャップを持つチューブ中で24時間増殖し、収集し、先に記載されたように(16)溶解した。さらに低酸素ライセートと称されるこのライセートをアセトンで沈殿させ、PBSで透析した。この低酸素培養物の培養濾液を、セントリプレップ濃縮機で濃縮した。結果として生じた標本のタンパク質濃度をBCA試験(Pierce, Rockford, Ilinois)によって測定した。該低酸素のライセート及び低酸素の培養物濾液は、スターテン(Statens)血清研究所(Copenhagen, Denmark)によって提供された。標準通気研究室条件下で培養された結核菌のライセートは、国立公衆衛生及び環境研究所(Bilthoven, the Netherlands)によって提供された。
組換えタンパク質を結核菌(表I)の休止状態レギュロンからの25の最も上方制御された遺伝子から調製した。遺伝子をPCRで増幅し、N-末端ヒスチジンタグを含む細菌発現ベクター中でGateway Technology (Invitrogen, San Diego, CA)によってクローン化した。該タンパク質を大腸菌B株BL21(DE3)中で過剰発現させ、先に開示されたように(23)精製した。正しい配列が発現されたことを確認するため、全ての挿入断片をシークエンスした。サイズ及び純度を、ゲル電気泳動及び抗His抗体によるウェスタンブロッティングにより調べた。残留エンドトキシンレベルは、カブトガニ(Limulus)アメーバ様細胞ライセート試験(BioWhittaker, Walkersville, MD)によって評価したとき50 I.U./mg タンパク質より低かった。
潜在性抗原Rv1733c、Rv2029c、Rv2627c及びRv2628からの20の合成ペプチドを、それぞれ20アミノ酸(aa)長、10 aa重複及び前記潜在性抗原の完全なaa配列にまたがって調製した(22)。溶解性を改善するために、全てのペプチドの配列を、C-末端において2つのリジン残基によって伸長した。PBMCの最適な使用のために、それぞれ4〜5ペプチドを有し、また、それぞれ個々のペプチドが2つの異なるプールに存在する、9つのペプチドのプールを作成することを選んだ。この方法は、抗原特異的T細胞によって認識される、プール内の特異的なペプチドの同定を可能にした。
T細胞株
HspXに反応することが分かっている2人のTB患者及び2人のTST陽性個体から得たPBMCを用いて、低酸素条件下で増殖された結核菌のライセート (n=4)又は培養濾液(n=4)の何れかに対して、8つの長期T細胞株を作成した。比較のために、3人のTB患者及び1人のTST陽性個体からのPBMCを結核菌のライセートで刺激することによって作成した4つのさらなる結核菌-特異的T細胞株を、標準的な通気の研究室条件下で培養した。T細胞株は、先の開示(24)の通りに作成した。要するに、PBMCを上記で特定された5 μg/ml抗原の存在下で、24ウェルプレート(Nunc, Roskilde, Denmark)中で、1×106 細胞/ウェルでインキュベートした。6日後、25 U/mlのインターロイキン-2 (Cetus, Amsterdam, The Netherlands)を加え、培養をさらに2〜3週間継続した。T細胞を凍結し、使用まで液体窒素中で保管した。
T細胞増殖アッセイ
T細胞(5×104/ウェル)を、抗原提示細胞(1.5×104/ウェル)として、自家性の又はHLA-DRが一致した照射されたPBMCと共に、三通り、96ウェルの平底マイクロタイタープレート(NUNC)中、抗原の存在下又は非存在下で培養した。10%のプールされたヒト血清、40 U/mlのペニシリン及び40 μg/mlのストレプトマイシンを補充したイスコーブ(Iscoves)改変DMEM(Gibco, Paisley, Scotland)を標準培養培地として用いた。表Iに示した全部で25の組換え潜在性抗原を、最終濃度0.33 μM、標準結核菌ライセート、1 μg/mlの濃度の該低酸素のライセート及び培養物濾液で試験した。マイトジェンPHA (2 μg/ml)をポジティブコントロールとして用いた。37℃及び5% CO2での3日間の培養の後、IFN-γの検出のために上清(三通り毎にプールされた50 μl/ウェル)を集め、及びT細胞の増殖を[3H]チミジン取込みによって先に開示されたように(22)測定した。増殖は刺激(stimulation)指数として表現され、刺激ウェルにおける毎分のカウントとして算出され、非刺激ウェルにおける毎分のカウントで割り算される。刺激指数≧4が陽性応答として事前に定義された。
リンパ球刺激アッセイ
PBMC(1.5×105/ウェル)を三通り、96-ウェルの丸底マイクロタイタープレート中で、37℃、5% CO2で、潜在性抗原の存在下又は非存在下で、標準培養培地で培養した。全ての実験を通して同じ抗原及び同じバッチを使用した。Rv1733cバッチの不足のために、この抗原のための試験被験者の数を17人の健康なコントロール、18人のTST+個体及び16人のTB患者に限定した。6日目、IFN-γの検出のために上清を収集し(75 μl/ウェル、三通りについてプールした)、T細胞の増殖を他で(22)開示されたように測定した。
IFN-γ検出
該上清中のIFN-γ濃度をELISA (U-CyTech, Utrecht, The Netherlands)により測定した。該アッセイの検出限界は20 pg IFN-γ/mlであった。ELISAサンプルは二つ組で試験した。非刺激培養物の平均値を、刺激培養物の平均値から減算した。陽性応答を、刺激されたT細胞株の上清においてIFN-γレベル≧50 pg/mlとして、及び、PBMC培養物からにおいて≧100 pg/mlとして、予め定義した。
多発性(Multiplex)サイトカイン検出
培養物上清におけるIFNγ TNFα、IL-10、IL-5、IL-4及びIL-2のレベルを、ひとつのサンプルにおいて多数のサイトカインの同時検出を可能にする、ヒトTh1/Th2 サイトカイン (BD Biosciences)のためのCytometric Bead Array (CBA)キットを用いて測定した。アッセイは、製造者の説明書に従って行った。
CFSE標識されたPBMCの増殖
PBMCを解凍し、PBS/0.5 % BSA (37℃)中に10×106 cell/mlで再懸濁した。CFSEを最終濃度5 μMで加え、37℃で10分間、暗中でインキュベートした。インキュベーション後、FCS (10%)を加え、細胞をPBS/0.5% BSA中で2回洗浄した。標識されたPBMC(1×106 cell/well)を24ウェルプレート上で、標準培養培地で、PPD (5 μg/ml)、Rv1733c組換えタンパク質(20 μg/ml)、Rv1733cペプチドプール(ペプチド当たり10 μg/ml)、PHA (2 μg/ml)の何れかの存在下で、又は培地のみで培養した。6日後、細胞をPBS/0.1% BSAで洗浄し、CD4で染色し、続いて、CD4陽性細胞の増殖を、フローサイトメーターを用いたCFSE希釈の測定によって評価した。
統計学的分析
各研究グループにおける応答者の割合を比較するため、カイ二乗試験を用いた。半(Median)IFN-γ応答を、全3つの研究グループを比較するためにクルスカル-ウォリス(Kruskal-Wallis)試験を用いて、非パラメトリカリー(non-parametrically)に評価し、二つのグループを比較する場合に、マン-ホイットニーU検定法をhoc 試験後に用いた。本研究の第一の目的が潜在的な免疫原性の潜在性抗原の初期スクリーニングであるために、ボンフェローニコレクションを適用しなかった。TST陽性個体がTB患者よりも一般によく25潜在性抗原を認識するという過程を試験するために非パラメトリックなフリードマン試験(ランクによる分散)を適用した。<0.05のA P値は、投擲的に有意であると見なした。統計分析のために、ウィンドウズ(登録商標)用のSPSS 10.0を用いた。
実施例1
免疫原性潜在性抗原の選択
抗原を、NRP、酸素制限の間及び低用量酸化窒素曝露の間に誘導されることが発見された(17)、48遺伝子(表2)から成る、近年同定された結核菌の休止状態レギュロンから選択した。それらの遺伝子のほとんどが、機能が未知の仮定上のオープンリーディングフレームであるため、このポストゲノム的抗原探索のための遺伝子の選択は、タンパク質の機能に基づくことはできない。それ故、我々は、遺伝子をそれらの誘導レベルに基づいて選択することを選んだ。この目的のために、潜伏時の3つの異なるインビトロモデルにおいて、「Voskuil et al.」によって観察されたような折り畳みに基づいて、平均折り畳み(mean fold)誘導をそれぞれ個々の遺伝子について算出した(17)。48の候補遺伝子のデータから、25の最も強力に誘導する遺伝子が、組換えタンパク質のクローニングと発現のために選択された(表1;図7i及び図8i)。それらの仮定上のタンパク質は続いて、サイズがかなり異なっている(9〜74 kDa)潜在性抗原を直接比較することを可能にするために、等しいモル濃度で試験した。25の抗原は全て、結核菌超音波処理で作成した短期T細胞株により認識される。
それらの仮定上の潜在性抗原の免疫原性の初期評価のために、長期T細胞株を、ライセート(n=4)又は低酸素条件下で増殖させた結核菌の培養濾液(n=4)又は標準的な通気条件下のもの(n=4)の何れかに対して作成し、また、特異性をT細胞増殖アッセイによって確認した。重要なことに、全25の潜在性抗原は、試験された12のT細胞株の少なくとも1つによって認識され、(IFN-γ>50 pg/ml)、20抗原は少なくとも4つのT細胞株によって認識された(図1)。潜在性抗原HspX (Rv2031c)及びRv2032は、試験されたT細胞株の75%によって最も頻繁に認識され、半IFN-γレベルがそれぞれの応答株で507及び129 pg/mlであった。ほとんどの潜在性抗原は、低酸素のライセートによって産生されたT細胞株によって、並びに、低酸素の培養濾液に対して産生されたものによって、認識され、潜在性抗原もまた、培養濾液中において、細胞外に発見できるということを示した。これは、Rv0569、Rv2623及びRv2626cタンパク質が、低酸素条件下で増殖された結核菌の培養濾液に存在したということを示す先の研究(16)を確証する。標準的なライセート特異的T細胞株は、低酸素ライセート特異的T細胞株がしたのと等しく潜在性抗原に対して応答した(図1)。この発見は、細菌が、定常増殖期の間に収集された場合、定義された低酸素条件下で培養された場合よりもより低い範囲であるにもかかわらず、潜在性抗原が、標準的に通気された培養において結核菌によって発現されるという(25)近年の観察と一致する。T細胞株の産生のために用いた標準的な通気の結核菌ライセートのウェスタンブロット分析は、この製剤における潜在性抗原 HspXの存在を確証した(データは示さず)。増殖データ(データは示さず)からの同様の結果は、潜在性抗原に対するT細胞株の応答性を確証した。この第一の探索スクリーニングは、全25の新規のミコバクテリア潜在性抗原が細胞性免疫応答を潜在的に誘発できることを証明した。
実施例2
結核菌潜在性抗原に対する応答におけるPBMCによるインターフェロン-γ産生
続いて、該25の潜在性抗原を、20人のTB患者、23人のTST陽性の健康な個体及び21人の未感染のコントロール被験者のPBMCによるIFNγ産生の誘導について試験した。それぞれの個々の潜在性抗原について、グループ当たりの応答(IFNγ≧100 pg/ml)試験被験者の割合を算出した(表1)。我々は、20人のTB患者及び23人のTST陽性個体を合わせて、全43人の結核菌感染個体の応答者の割合も算出した。後者の分析は、19の潜在性抗原が、感染個体の過半数(56%)によって認識されるRv1733cと共に、結核菌感染個体の少なくとも5%によって認識されることを示した。残りの試験された6つの抗原、Rv0572c、Rv2623、Rv2624c、Rv3127、Rv3131、Rv3134cは、結核菌感染個体によって認識されないか、又は極めてわずかにしか認識されなかった。増殖データを分析したとき、同様の認識プロフィールが見出された(示さず)。
Figure 2008534583
25のもっとも強力に誘導されるDosR遺伝子に加えて、48 DosR遺伝子の全体のグループが、まだ試験されていない残りの23のTB潜在性抗原を含む、INFγ産生について再び試験された。全てのDosR遺伝子は、上記と同様の方法で試験され、結果を図7ii及び8iiに示した。下のパネルから、Rv1733c、Rv2029c、Rv2627c及びRv2628に加えて、強力なINFγ産生を生じるさらなる4つの抗原:Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX)が、潜在的なワクチン候補として選択されることができることは明らかである。
実施例3
潜在性抗原に異なる応答をするTB患者及びTST陽性個体
TB患者及びTST転換者のグループにおける半(median)IFN-γ応答を、各潜在性抗原について測定した。25の潜在性抗原をひとつのグループと見なすと、半IFN-γ応答は、TB患者よりも、結核菌に潜在的に感染したとみなされるTST陽性個体において一貫して有意に高かった(P<0.01;フリードマン試験)。抗原認識におけるこの相違をさらに分析するため、我々は、IFN-γ応答と各潜在性抗原の間の比と、同じ個体における低酸素結核菌ライセートにたいする総応答を算出した。この分析は、T細胞の普遍的な応答性において起こり得る個体間変動を矯正する。上記のフリードマン分析が繰り返し、それらの比の中央値(medians)を比較すると、潜在性抗原がTST陽性個体によって優先的に認識されるということが確証された(P<0.01)。
それぞれ個々の潜在性抗原について、TST陽性個体のグループとTB患者のグループにおける応答者の割合を比較した場合、ほとんど全ての潜在性抗原が、TB患者に比べてTST陽性個体においてより大きい割合で認識されることがわかった(表1)。しかしながら、この傾向は、Rv2029cについてのみ有意であり(P=0.02)、これはTST陽性個体の61%及びTB患者の25%によって認識された。
潜在性抗原の数及び認識される特異的な抗原の何れも、個体間で応答プロフィールが異なった(図2)。TST陽性個体は試験された25の潜在性抗原のうち4つの中央値を認識し、対照的にTB患者は、わずか一つの潜在性抗原の中央値を認識した。
図8に、マントー陽性個体によるTB潜在性抗原の認識の頻度の概要が与えられる。25のTB潜在性抗原の第一の系列について、全ての抗原が等しく認識されるわけではないことが分かった(コクランのQ検定、P<.001)。その見解に基づいて、我々は、第一系列のうち少なくとも50%の認識の潜在性抗原:Rv1733c、Rv2029c(PfkB)、Rv2627c及びRv2628を選択し、同様の特徴を有する23のTB潜在性抗原:Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX)を第二系列から選択した。それらの8つの抗原は、個々の抗原、又はそれらの断片として、診断及びワクチン接種の目的に最も適したTB潜在性抗原の特異的サブセットを提供するが、しかし最も好ましくはRv1733c、Rv2029c、Rv2627c、Rv2628、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX)から成る群から選択される1、2、3、4、5、6、7又は8つ全部のDosR遺伝子産物の組合せで用いられる。
実施例4
頻繁に認識される潜在性抗原に対するインターフェロン-γ応答
潜在性抗原、即ちRv1733c、Rv2029c、Rv2627c及びRv2628は、潜在的に感染した個体に優先的に広く認識され、IFN-γ産生によって測定される最も強いTh1応答を誘導する。夫々の試験グループについて、それらの4抗原に対するIFN-γ応答を図3に示す。TST陽性個体のグループにおける、Rv1733c、Rv2029c、Rv2627c及びRv2628に応答しての半IFN-γ産生は、それぞれ213、281、107及び51 pg/mlであった。反対に、それらの4つの抗原に対するより低いIFN-γ応答がTB患者において見られ、夫々の中央値は98、16、<10及び<10 pg/mlであった。このIFN-γ応答における相違は、抗原Rv2029cについて統計的に有意であった(P=0.03)(図3)。
驚くべきことに、一つの潜在性抗原、Rv2031cは、TST転換者よりもTB患者によって、より頻繁に有意に認識される(IFN-g>100 pg/ml)(P=0.02)(表1)。しかしながら、2つのグループの間のIFN-γ産生を直接比較して定量分析を行った場合、統計的に有意な相違は見出せなかった。興味深いことに、Rv2031c(20〜100 pg/mlのIFN-γレベル)に対して少なくともいくらかの応答を示すTST転換者は、全て最近のTST転換であり(<6ヶ月)、従って、結核菌に最近、曝露されたものである。
我々が試験した他の興味深い潜在性抗原、Rv3133c/dosRは、結核菌の低酸素応答を仲介する転写要因として作用することが示された(15,26,27)。近年、Rv3133c/dosR突然変異株が試験された;これはモルモットにおける病理学的な変化及び細菌の負荷量の減少を示したが、しかし、インビトロでヒト単球における結核菌の侵入、生存及び増殖を変化させなかった(28)。我々の試験において、Rv3133cは、約1/3のTST陽性個体及びTB患者によって認識され、その応答者間の半IFN-γ応答は、それぞれ227及び145 pg/mlであった。
図9(オイラー図)において、IFNγ応答における重複が、全ての個々の抗原が評価された被験者について、第一系列の最も良い4つのTB潜在性抗原について表れた:マントー陽性個体の82.4%が、以下の潜在性抗原:Rv1733c、Rv2029c(PfkB)、Rv2627c及びRv2628の一以上に応答する。Rv1733c及びRv2627cの組合せは最も頻繁に認識され、Rv2029c(PfkB)及び/又はRv2628の値が追加されることなく、この現象の主な原因であった。Rv2029c(PfkB)は、マントー陽性の間で最も頻繁に認識される(70.6%)TB潜在性抗原である。それらの抗原の組合せ、好ましくはRv0080、Rv1735c、Rv1736c及び/又はRv1737cの組合せは、診断試験のために及び潜伏時及び/又は多段階のワクチン組成物のために極めて適しており、好ましいものである。
図12において、膜貫通らせん体の予測が、TB潜在性抗原Rv1733c、Rv2029c(PfkB)、Rv2627c、Rv2628、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c、及びRv1736c(NarX)について示されている。該予測は、「TMHMM 2.0 Server. Krogh A, Larsson B, von Heijne G, Sonnhammer EL. Predicting transmembrane protein topology with a hidden Markov model: application to complete genomes. 2001. J Mol Biol. 305(3):567-80 (http://www.cbs.dtu.dk/services/TMHMM)」を用いて行った。表3及び4の予測データMHCクラスI及びIIエピトープと、表5のインビトロデータとの組合せにおいて、この分析は、TB抗原に対するCD8T細胞の応答が、それらの抗原が分泌されるか又は膜結合されるという事実にかかわりなく検出可能であることを証明する(Klein MR et al., HLA-B*35-restricted CD8 T cell epitope in Mycobacterium tuberculosis Rv2903c. 2002 Infect Immun. 70(2):981-4)。
実施例5
健康なコントロールによる潜在性抗原の認識
幾分予想外なことに、25の潜在性抗原の16が、健康な個体の少数のT細胞によって認識されるが(表1)、しかし、その免疫応答の強度は結核菌感染個体におけるものより一般的に低い。全ての健康な非BCGワクチン接種のコントロールがTST陰性であり、また、結核菌特異的免疫優性抗原ESAT6及びCFP10に対するインビトロ応答も、このグループでは陰性であったことから(データは示さず)、潜在性抗原に対する観察された応答は、結核菌複合体種による感染によるものではないと結論付けられた。しかしながら、21人の健康なコントロールのうちの10人(48%)が、低酸素結核菌ライセートに著しく応答し、その応答者の間の半IFN-γ応答は563 pg/mlであった(図3及び4)。この発見は、環境のミコバクテリアへの以前の曝露の結果としてのミコバクテリアの抗原に対するT細胞のクロス反応性と矛盾しない。潜在性抗原に対する応答が、主として低酸素結核菌ライセートに強く応答する健康なコントロールのグループにおいて観察されたために(図4)、それらの応答は、クロス反応性環境ミコバクテリアへの以前の曝露を反映している可能性が高い。Rv1733cのみが、低酸素結核菌ライセートに強く応答しない健康なコントロールによって時折認識され、その半IFN-γは41 pg/mlであり、ミコバクテリア抗原以外の抗原に対するクロス反応性の可能性を示唆した。
実施例6
Rv1733cのペプチドに対する応答における、CFSE標識PBMCの増殖
潜在性抗原によるタンパク質特異的活性化を確認するために、最も頻繁に認識される抗原、Rv1733cのペプチド特異的増殖を測定した。Rv1733cに応答することが知られているTST陽性個体及び健康なコントロールからのPBMCをCFSE標識し、Rv1733cの組換えタンパク質又はペプチドプールによって刺激した。6日後、細胞をCD4について染色し、CD4 T細胞の増殖を、フローサイトメーターを用いて評価した。PPD及びRv1733c組換えタンパク質による刺激はいずれも、CD4+ T細胞の増殖を強く誘導した。また、幾つかのRv1733cのペプチドプールは、特にペプチド16を含むプールにおいて、CD4+ T細胞の増殖を誘導することができた。これは、TST陽性個体からのPBMCについての図5に示す。このHLAタイプのドナー(DRB1*15)のためのRv1733cのエピトープのコンピュータ予測は、結果として、可能性のある幾つかのエピトープの発見をもたらし、その二つはペプチド16に位置し(VDEPAPPARAIADAALAALG及びVDEPAPPARAIADAALAALG)、ペプチド16に応答するCD4 T細胞の観察された増殖と一致する。Rv1733cのペプチドもまた、Rv1733cの組換えタンパクに対して応答する健康なコントロールのPBMCを用いたCD4細胞の増殖を誘導し、これは、この応答が抗原特異的であることを示す。
T細胞エピトープを含む配列として原出願において言及されたRv1733cのペプチド-16に加えて、以下のさらなるT及びB細胞エピトープ及びペプチドが、選択されたTB潜在性抗原において決定された:表3及び表4において、全ての予測されたHLAクラス-I及び-II制限T細胞エピトープは、それぞれ、第一系列(即ち、Rv1733c、Rv2029c(PfkB)、Rv2627c及びRv2628)及び第二系列(即ち、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX)))の最良の4つのTB潜在性抗原を代表する。9merのアミノ酸配列を表4に載せる。これは、全て既知のHLAクラス-Iスーパータイプ:A1、A2、A3、A24、B7、B8、B27、B44、B58及びB62によって制限された、予測されたCD8 T細胞エピトープを表す。
予測は、NetCTL 1.0 Serverを用いて行われ、これは、タンパク質配列中のCD8 Tエピトープを予測する。この方法は、ペプチドMHC結合、プロテアソームのC末端の切断及びTAP輸送効率の予測を組込む。このサーバーは、10 HLAスーパータイプに制限されたCTLエピトープの予測を可能にする。MHC結合及びプロテアソームの切断は、人工的な神経回路網を使用して行われる。TAP輸送効率は、体重マトリクスを用いて予測される。参考文献「Larsen MV et al., 2005. Eur J Immunol 35(8): 2295-303 (www.cbs.dtu.dk/services/NetCTL)」。
20merのアミノ酸配列を、25のHLAクラス-IIアレル:DR1 (DRB1*0101、*0102)、DR3 (DRB1*0301)、DR4、(DRB1*0401、*0402、*0404、*0405、*0410、*0421)、DR7 (DRB1*0701)、DR8 (DRB1*0801、*0802、*0804、*0806)、DR11(5) (DRB1*1101、*1104、*1106、*1107)、DR13(6) (DRB1*1305、*1307、*1307、*1321)、DR15(2) (DRB1*1501、*1502)、及びDRB5*0101:によって制限された、予測CD4 T細胞エピトープを表す一覧表にした(表4)。この予測は、TEPITOPE 2000 (Vaccinome)を用いて行われた。TEPITOPEは、HLAクラス-IIペプチド結合に基づいたT細胞エピトープ予測モデルであり、タンパク質配列のセットにおいて、HLAクラス-IIリガンド及びエピトープの乱交雑の迅速な同定を可能にする。参考文献「Bian H、Hammer J. Discovery of promiscuous HLA-II-restricted T cell epitopes with TEPITOPE. 2004. Methods. 34(4):468-75」。
表5において、全20 merのペプチドは、20人のPPD陽性ドナーにおける認識について試験されたRv1733c、Rv2029c(PfkB)、Rv2627c及びRv2628から一覧される。細胞は、CFSEで標識され、ペプチド、組換えタンパク質又はコントロールの抗原で刺激される。CD4及びCD8 T細胞の増殖は、フローサイトメーターによって測定され、上清が集められ、マルチプレックスサイトカインアッセイで分析される。
赤い表示は、複数のドナーにおいてCD4又はCD8 T細胞の強い増殖(>75%)を与えるペプチドであり、緑のペプチドは、>50-75%増殖を有するペプチドであり、明るい緑のペプチドは>20-50%を有するペプチドである(表5)。同様のデータが、他のTB潜在性抗原(即ち、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX))について予期される。
表6に、Rv1733c、Rv2029c(PfkB)、Rv2627c、Rv2628、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX)のアミノ酸配列を一覧し、太字及び下線は、それぞれ、直線的な及び高次構造的な予測されたB細胞エピトープを示す。予測はBepiPred 1.0 Serverを用いて行い、これは、隠れたマルコフモデル及び性向(propensity)スケール方法の組み合わせを用いて、直線状B-細胞エピトープの位置を予測する。高次構造のB細胞エピトープは、利用可能な構造及び機能のデータを有する既知の他のタンパク質に対する配列相同性を有するTB潜在性抗原についてのみ予測した(即ち、Rv2029c(PfkB)、Rv1736c(NarX)及びRv1737c(NarK2))。(参考:Larsen, JEP, Lund O, Nielsen M. 2006, Improved method for predicting linear B-cell epitopes (http://www.cbs.dtu.dk/services/BepiPred))。
実施例7
潜在性抗原への応答における他のサイトカインの産生
ELISA(実施例1〜6)によるIFNγに加えて、他の一連のサイトカインを組換え抗原で刺激したPBMCの6日目の上清中で測定した。TB患者(n=10)及びマントー陽性個体(n=10)のPBMCを、組換えタンパク質Rv1733c、Rv2029c(PfkB)、HspX (Rv2031c)、Rv2032、Rv2626c、Rv2627c、Rv2628、Rv3129、ESAT-6及びCFP10で刺激し、及びさらに陽性コントロールとして、結核菌の低酸素ライセートで刺激した(図6)。IFNγについてのCBAデータは、ELISAによって行われた観察を確証した。TNFα及びIL-5応答は、明白なゆがみなしで両方のグループで見出された。IL-2及びIL-4について極めて乏しい応答が検出された;また、何らかの検出可能な応答があった場合、それらはTB患者において観察された。興味深いことに、潜在性抗原の多くについて、著しいIL-10応答がマントー陽性において観察され、TB患者では観察されなかった(図6)。
Figure 2008534583
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実施例8
曝露前(即ち、予防的な)TBワクチンについて、前臨床のTBワクチン試験が、低投与量エアロゾル感染誘発モデル (Williams et al. 2005, Tuberculosis (Edinb). 2005; 85(1-2):29-38)を含む、関連するマウス、モルモット及び非ヒト霊長類モデル(Brandt et al. Infect. Immun. 2000; 68(2): 791-795; Olsen et al. Infect. Immun. 2004; 72(10):6148-50; Langermans et al. Vaccine 2005; 23(21):2740-50) における進行性のスクリーニング及び試験を含むことは、TB分野で一般的に承認されている。曝露後(即ち、治療上の)TB患者については、現存の動物モデルはヒトTB疾病を部分的にのみ模倣し(McMurray, Clin. Infect. Dis. 2000; 30 Suppl 3:S210-2)、ヒトへの推定は不明確である。TBワクチン開発の分野における現在の考えは、新規のTBワクチンを用いて、BCGによって誘導された免疫応答を追加免疫することに向けられている(例えば、McShane et al. Nat Med. 2004;10(11):1240-4; Orme Tuberculosis (Edinb). 2005;85(1-2):13-7))。しかしながら、免疫応答の追加免疫は、BCGが最初の場所において応答を初回抗原刺激した場合にのみ達成される。
現在使用されるTBワクチンは、ウシ型結核菌BCGである。BCGは、若年の子供を播種性の及び重篤な形態のTB疾病から守るが、しかし、成人におけるほとんどの流行性で伝染性の形態の肺性TBに対しては保護できない。BCGの失敗を説明する多くの仮説が提案された。特に、BCGに対する免疫応答は、環境的なミコバクテリアへの曝露によって影響される (Fine PE, 1995 Lancet. 346:1339-45)。本発明は、より良い代替を提供する。皮膚におけるワクチン接種の間にBCGが遭遇する条件は、結核桿菌が免疫能力のある宿主において、主として肺における免疫肉芽種において、持続する間に遭遇する条件とは異なる。結論として、対応する免疫認識プロフィールを含む抗原発現プロフィールが異なる。我々は、BCGワクチン接種はTB潜在性抗原に対する免疫応答を誘導しないことを見出した:BCGワクチン接種された健康な被験者の血液サンプル(PBMC)をインビトロで試験したとき、TBに曝露された個体と比較して、TB潜在性抗原に対して極めて乏しい免疫応答が観察された(ESAT-6及びCFP10への応答についてインビトロ陽性)(図10)。この断面積比較からの知見は、HspXの(HLA-A2及び-DR3トランスジェニック)マウスにおいて並びにBCGによるワクチン接種された通常の純系のマウスにおける他のTB潜在性抗原について実証された(図11)。
免疫優性のTB潜在性抗原がヒトにおけるTBに対する天然の免疫部分として標的にされ、また、現在のBCGワクチン接種方法によっては標的にされないために、それらは治療的なTBワクチンの最も見込みのある候補を代表する。(注意として、TB潜在性抗原はいずれもRD抗原ではなく、BCGには含まれていない(Behr et al. 1999))。BCGのインビトロ発現プロファイリングは、NarX/K2を除いた全てのTB潜在性抗原の発現が可能であることを明らかにした。従って、BCGが原理的にはインビトロでTB潜在性抗原を発現することができるにも関わらず、それはDosRレギュロンをコードする抗原の発現のための適切な条件に遭遇しないことが明らかである。本発明は、組成物及び/又はワクチン、又は組換え(BCG)ミコバクテリア中で発現され及び/又はその上に示されるための代替物における使用のための、Rv1733c、Rv2029c(PfkB)、Rv2627c、Rv2628、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX)から成る群から選択され、最も好ましくはRv1733c、Rv2029c、Rv2627c及びRv0080から選択される、インビボでより有効なDosR 潜在性抗原を提供する。本発明はまた、それらのDosR抗原内のT及び/又はB細胞のためのエピトープを提供する。
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結核菌潜在性抗原、低酸素結核菌ライセート及び培養物濾液(CF)に応答した長期T細胞株(n=12)の数。≧50 pg/mlのIFN-γ応答が陽性とみなされた。線は、低酸素条件下で増殖された結核菌培養物のライセート(n=4)(白抜き)又はCF(n=4)(濃い網かけ)の何れかでの、或いは、標準的な、通気条件下(n=4)で増殖された結核菌培養物のライセート(薄い網かけ)での、TST+個体(n=2)又はTB患者(n=4)から得られたPBMCを刺激することによって作成された。棒は、各潜在性抗原に応答する株の数を示し、各棒の最高点は、それらの応答株の半IFN-γ産生を示す。 TST陽性個体(TST+)及びTB患者によって認識された潜在性抗原の数。23のTST+個体及び20人のTB患者のPBMCを、25の結核菌潜在性抗原により刺激した。潜在性抗原は、≧50 pg/mlのIFN-γ応答を誘導する場合に認識されたとみなした。各個体について、認識された潜在性抗原の数を算出した。棒は、潜在性抗原のある数を認識する個体の数を示す。(a) TST+個体。白い棒は、最近のTST転換者の数を示し(合計n=12)、黒い棒は、遠隔性TST転換者の数(合計n=11)を示す。(b)TB患者。白い棒は活発なTB患者の数を示し(合計n=11)、黒い棒は治癒したTB患者の数を示す(合計n=9)。 4つの最もよく認識された結核菌潜在性抗原に対する応答プロフィール。4つの結核菌潜在性抗原、即ち、Rv1733c(a)、Rv2029c(b)、Rv2627c(c)、Rv2628(d)への応答における、健康なコントロール(HC)、TB患者(TB)及びTST陽性個体(TST+)のPBMCによるIFN-γ産生。PBMCはまた、低酸素条件下で増殖された結核菌のライセート(e)又は培養物濾液(f)に対する応答についても評価された。被検グループの中央値は、水平な線で示す。*, P<.05;**, P<.01;***, P<.001。 結核菌潜在性抗原への健康なコントロール(HC)の応答。(a) 健康な非結核菌感染コントロールは、低酸素-結核菌ライセートに対するそれらの応答に基づいて2つのグループに分けられた。<100 pg/mlのIFN-γ応答を有するHCは、HClow(n=11)(白抜きの丸)として分類し、一方、>100 pg/mlのIFN-γ応答を有するHCは、HChigh (n=10)(黒丸)に分類した。中央値は水平の線により示される。(b)25の潜在性抗原に対する半IFN-γ応答をHChigh グループ(黒棒)及びHClowグループ(白棒)について算出した。示したように、潜在性抗原に対するIFN-γ応答は、ほとんど独占的にHChigh グループ(黒棒)(b)において観察された。このグループの個体は、低酸素-結核菌ライセートに対するそれらの強い応答によって示されるように、環境のミコバクテリアに曝露された可能性が高い。 CFSE標識CD4リンパ球の増殖、続いて結核菌Rv1733cのペプチドプールによる刺激。Rv1733cの組換えタンパク質に対する応答が知られているTST+個体のPBMCは、カルボキシ-フルオレセインジアセテート、スクシンイミドエステル(CFSE)で標識され、培養液(a)、PPD(b)、Rv1733c組換えタンパク質(c)又はRv1733c(d-f)のペプチドプールによって刺激された。細胞はCD4で染色され、続いて、フローサイトメーターを用いてCFSE希釈の測定により、CD4陽性細胞の増殖が評価された。 潜在性抗原に対する応答におけるサイトカインプロフィール。TB患者(n=10)及びTST陽性個体(n=10)のPBMCは、表示された潜在性抗原及び低酸素結核菌ライセートによって刺激された。6日後、その上清を収集し、該サイトカインプロフィールを、FACSCaliburフローサイトメーターを用い、Cytometric Bead Array (BD)によって決定した。以下のサイトカインを評価した:TNFα(赤)、IL-10 (オレンジ)、IL-5 (黄色)、Il-4 (緑)及びIL-2 (青);抗原あたりの半サイトカインレベルを各グループについて示した。TB患者と比較して、特にRv1733c、Rv2029c(PfkB)、Rv2627c、Rv2628及びRv3129について、著しいIL-10応答がTST陽性において観察された。 全48 DosR 潜在性抗原の免疫原性スクリーニング。 好ましいTB潜在性抗原の認識の頻度。 オイラーの図式は、TB潜在性抗原に対する応答の共有を示す。 図D。ヒトにおけるBCGワクチン接種に続く免疫応答。TB潜在性抗原に対するBCGワクチン接種の、個々のIFNγ応答(i)及び中央値IFNγ応答(ii)。結核菌に全く曝露されなかったBCGワクチン接種された個体は、TB潜在性抗原(左)に対して低いIFNγ産生を示したが、TBへの曝露の証拠を有する (即ち、TB特異的抗原ESAT6又はCFP10に対して陽性のインビトロ応答)BCGワクチン接種された個体は、TB潜在性抗原(右)に対して著しいIFNγの産生を有する。 図D。ヒトにおけるBCGワクチン接種に続く免疫応答。TB潜在性抗原に対するBCGワクチン接種の、個々のIFNγ応答(i)及び中央値IFNγ応答(ii)。結核菌に全く曝露されなかったBCGワクチン接種された個体は、TB潜在性抗原(左)に対して低いIFNγ産生を示したが、TBへの曝露の証拠を有する (即ち、TB特異的抗原ESAT6又はCFP10に対して陽性のインビトロ応答)BCGワクチン接種された個体は、TB潜在性抗原(右)に対して著しいIFNγの産生を有する。 (上部パネルI)HLA-DR3トランスジェニックマウスのBCGによるワクチン接種は、TB潜在性抗原HspX及びそのHLA-DR3制限T細胞エピトープに対して低い免疫応答を誘導するが、Hsp65及びAg85組換えタンパク質及びそれらのHLA-DR3制限エピトープに対して著しい応答が観察される(Geluk et al. PNAS 95:10797-802に開示されているように)。 (下部パネルii)BALB/cマウスにおける、潜在性TB潜在性抗原に対するIFNγ応答。BCGワクチン接種後に、TB潜在性抗原によりインビトロで刺激されたマウス脾細胞は、低いレベルのIFNγを産生する。反対に、分泌抗原Ag85Aで刺激された細胞は、著しい量のIFNγを産生する(A)。しかしながら、マウスは試験されたTB潜在性抗原に対する免疫応答を起こすことができる:個々のTB潜在性抗原をコードするプラスミドDNAによる3×免疫化の後、脾細胞は著しい量のIFNγを産生する(B)。 TB抗原のTMHMM(膜貫通)後確率分析。 TB抗原のTMHMM(膜貫通)後確率分析。 TB抗原のTMHMM(膜貫通)後確率分析。 TB抗原のTMHMM(膜貫通)後確率分析。 TB抗原のTMHMM(膜貫通)後確率分析。 TB抗原のTMHMM(膜貫通)後確率分析。 TB抗原のTMHMM(膜貫通)後確率分析。 TB抗原のTMHMM(膜貫通)後確率分析。
参考文献
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Claims (19)

  1. 脊椎動物におけるミコバクテリア感染に対する免疫応答を誘導するための方法であって、該方法は、結核菌休止状態(DosR)レギュロン配列:Rv0079、Rv0569、Rv1733c、Rv1738、Rv1813c、Rv1996、Rv2007c、Rv2029c(PfkB)、Rv2030c、Rv2031c(HspX)、Rv2032、Rv2626c、Rv2627c、Rv2628、Rv3126c、Rv3129、Rv3130c、Rv3132c、Rv3133c(DosR)、Rv0080、Rv1737c(NarX)、Rv1735c及びRv1736c(NarK2)、及びそれらの類似体、相同体又は断片から成る群から選択される一以上のポリペプチドの源(source)を含む組成物を前記脊椎動物に投与する工程を含む方法。
  2. 前記ポリペプチドが、Rv1733c、Rv2029c(PfkB)、Rv2627c、Rv2628、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX)から成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記ポリペプチドが、Rv1733c、Rv2029c及びRv2627cから成る群から選択される、請求項2に記載の方法。
  4. 前記ポリペプチドが、TB休止状態レギュロン(DosR)配列Rv1733c、Rv2029c(PfkB)及びRv0080から得られる、請求項2に記載の方法。
  5. TB休止状態(DosR)レギュロン配列:Rv0079、Rv0569、Rv1733c、Rv1738、Rv1813c、Rv1996、Rv2007c、Rv2029c(PfkB)、Rv2030c、Rv2031c(HspX)、Rv2032、Rv2626c、Rv2627c、Rv2628、Rv3126c、Rv3129、Rv3130c、Rv3132c及びRv3133c(DosR)、Rv0080、Rv1737c(NarX)、Rv1735c及びRv1736c(NarK2)、及びそれらの類似体、相同体又は断片から成る群から選択される一以上のポリペプチドの源を含み、及び任意にアジュバントを含む、ミコバクテリア感染に対する免疫化のための組成物。
  6. 前記ポリペプチドが、Rv1733c、Rv2029c(PfkB)、Rv2627c、Rv2628、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX)から成る群から選択される、請求項5に記載の組成物。
  7. 前記ポリペプチドが、Rv1733c、Rv2029c及びRv2627cから成る群から選択される、請求項6に記載の組成物。
  8. 前記ポリペプチドが、TB 休止状態レギュロン(DosR)配列Rv1733c、Rv2029c(PfkB)及びRv0080から得られる、請求項6に記載の組成物。
  9. 前記アジュバントが、ポリI:C、CpG、LPS、脂質A及びそれらの誘導体、IC31、QS21、リポペプチドPam3Cys、細菌のフラゲリン、DDA/MPL、DDA/TDB及び可溶性LAG3から成るアジュバントの群から選択される、請求項5〜8の何れかに記載の免疫化のための組成物。
  10. 前記ミコバクテリアのポリペプチドが、ミコバクテリアTB複合体種 ミコバクテリウム・ツベロクロシス(ヒト型結核菌)、ミコバクテリウム・ボビス(ウシ型結核菌)、ミコバクテリウム・ボビス(ウシ型結核菌)BCG、ミコバクテリウム・アフリカヌム(M. africanum)、ミコバクテリウム・カネティー(M. canetti)及びミコバクテリウム・ミクロティ(M. microti)から選択される、請求項5〜9の何れかに記載の免疫化のための組成物。
  11. 前記ポリペプチドの源が、前記ポリペプチドをコードする組換えDNA分子であり、任意にベクター及び/又はゲノム中に含まれる、請求項5〜10の何れかに記載の免疫化のための組成物。
  12. 前記ポリペプチドの源が、組換えミコバクテリア中にあり、好ましくはミコバクテリア・ボビス カルメット-ゲラン杆菌(Bacillus Calmette-Guerin)(BCG)中にある、請求項5〜11の何れかに記載の免疫化のための組成物。
  13. 前記ポリペプチド断片が合成ペプチドであり、好ましくは18〜45のアミノ酸長であり、任意に重複し又はライゲートされ、任意にさらなるアミノ酸、免疫刺激部分及び/又は溶解性を増強しインビボ安定性を上昇するための保護基を含む、請求項5〜12の何れかに記載の免疫化のための組成物。
  14. 抗体又はその断片又はCD40リガンド又はその変異体から選択される、CD40結合分子をさらに含む、請求項5〜13の何れかに記載の免疫化のための組成物。
  15. 4-1BBレセプターを刺激することのできる、アゴニストの抗-4-1BB抗体又はその断片をさらに含む、請求項5〜14の何れかに記載の免疫化のための組成物。
  16. 前記組成物が、潜伏期に特異的でないミコバクテリア抗原をさらに含む、請求項5〜15の何れかに記載の免疫化のための組成物。
  17. 以下の工程を含む、被験者におけるミコバクテリア感染を診断する方法:
    a)被験者の体液から単離されたサンプル及び/又は被験者の白血球から単離されたサンプルを、Rv1733c、Rv2029c(PfkB)、Rv2627c、Rv2628、Rv0080、Rv1737c(NarK2)、Rv1735c及びRv1736c(NarX)から成るTB休止状態レギュロンによってコードされるタンパク質の群から選択される、一以上のポリペプチド又はその断片と接触させること;及び、
    b)ミコバクテリア感染を示す、抗体の前記ポリペプチド又はその断片への結合によって、体液性免疫応答を検出すること及び/又は;
    c)特異的増殖及び/又はサイトカイン産生及び/又は細胞外又は細胞内活性化マーカーの発現によって、細胞性免疫を検出すること。
  18. 前記ポリペプチドが、Rv1733c、Rv2029c、Rv2627c及びRv0080から成る群から選択される、請求項17に記載の方法。
  19. 請求項1〜4で定義された一以上のポリペプチド及び前記ポリペプチドに結合する抗体をアッセイ及び定量化するための試薬を含む、請求項17又は18に記載の診断方法を実行するための診断キット。
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