JP2008534023A - 選ばれたdna配列を除去するための方法および手段 - Google Patents

選ばれたdna配列を除去するための方法および手段 Download PDF

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Abstract

小胞子特異的プロモーターのコントロール下に発現されたレアクリービング二本鎖切断誘導DNAエンドヌクレアーゼを使用して2つの同方向反復しているDNA配列の間で染色体内組換えによりDNA分子からの選ばれたサブフラグメントを正確に除去するための方法が記載される。この方法は、植物細胞および植物内でターゲットDNAフラグメントを関心のあるDNAフラグメントと正確に交換するための方法に適用することができる。

Description

本発明は、植物に先に導入された関心のあるDNA配列の選ばれた部分、例えば選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子を、除去工程期間中in vitro培養に頼ることなく、有効に除去することを可能とする方法および手段に関する。この除去方法は、ターゲットDNA配列を植物細胞および植物において相同的組換えにより関心のあるDNA配列と正確に交換するための方法であって、遺伝子置換事象の一時的選択のための相同的組換え相の期間中に使用された選択可能なマーカーもしくはスクリーニング可能なマーカーを、フットプリントを残さないで且つ除去工程中in vitro培養に頼らないで、後に除去することができる、方法の一部として使用することができる。
背景技術
植物細胞または植物に導入されたがその導入後種々の理由で後にもはや使用されなくなるかまたは必要とされなくさえなった外来DNAの選ばれたサブフラグメントの除去は、発明的研究の主題であった。このような配列の例は、例えば、トランスジェニック植物の単離のために必要であったが成熟した植物においてもはや必要ではなくなった選択可能なマーカー遺伝子である。その有効な除去を達成するための方法は、大部分は、部位特異的組換えまたは転移(transposition)に頼る(例えば、Hohn et al., Plant BioTechnology pp 139-143参照)。
SiebertおよびPuchta(2002)は、レアカッティング制限酵素(rare-cutting restriction enzyme)の部位によりフランキングされた(flanked)トランスジェニック配列は、相同的組換えによりおよび非相同的エンドジョイニング(end-joining)により高級真核生物のゲノムから有効に切り出すことができるということを記載している。
WO03/004659は、真核生物の染色体DNAから核酸配列を除去するための組換えシステムおよび方法に関する。この文献は、上記したシステムを含有するまたは上記した方法により産生されたトランスジェニック生物(好ましくは植物)にも関する。
しかしながら、上記した方法は、大抵、除去されるべきDNA配列の欠失が有効に起っている植物細胞を同定または選択するためまたはこのような細胞から植物を再生させるためのin vitro培養方法の使用を必要とする。
US patent application 2005/0060769は、第1トランスジェニックトウモロコシ植物細胞から組み換えられたトランスジェニックトウモロコシ植物または植物細胞を作出する方法であって、リコンビナント植物または植物細胞におけるトランスジーン(transgene)は、相同的組換え媒介トランスジーン欠失により、第1トランスジェニック植物細胞におけるトランスジーンの遺伝子構造に比べて変化した遺伝子構造を有する、方法を提唱する。
以後、特許請求の範囲における場合を含めて、in vitro培養方法に頼る必要なしに、植物の細胞に以前に導入されたDNA分子の一部の選ばれたサブ配列を有効に除去するための方法および手段の種々の態様が述べられる。
WO97/30166またはUS Patent 6,407,314は、小胞子における遺伝子の発現のために使用されうるタバコからの小胞子特異的遺伝子からのプロモーターフラグメントを記載している。
本発明により解決された他の問題は、この技法のフットプリントを残さないで且つ相同的組換えの最初の工程の後in vitro培養方法に頼る必要なしに、植物の細胞におけるターゲットDNA配列の相同的組換えによる置換DNA配列とのターゲティングされた且つ正確な交換に関する。このために、植物のゲノム、好ましくは植物の核ゲノムに以前に挿入されたDNA分子の一部の選ばれたサブ配列を染色体内相同的組換えにより有効に除去するための本明細書に記載の方法は、便利に使用される。
植物におけるトランスジーン組み込みの部位をコントロールする必要は、以前に認識されており、そしてこの必要を適えるための努力においていくつかの方法が開発された(概説としては、Kumer and Fladung, 2001, Trends in Plant Science, 6, pp155-159参照)。これらの方法は、大抵は、原核生物および低級真核生物において成功裡に適用されたストラテジーである、相同的組換えに基づくトランスジーン組み込みに頼っている(例えば、EP0317509またはPaszkowski et al., 1988, EMBO J., 7, pp4021-4026による対応する刊行物)。しかしながら、植物では、トランスジーン組み込みの主要な機構は、組換えDNA鎖間の僅かな相同性が関係する変則的組換え(illegitimate recombination)に基づいている。従って、この分野の主要な挑戦は、変則的組換えにより導入された外来DNAのはるかに多く有効な組み込みにより隠されているレア相同的組換え事象(rare homologous recombination events)の検出である。
この問題を解決する1つの方法は、例えばWO94/17176に例示された変則的組換えにより起こった組み込み事象に対抗して選択することによるものである。
この問題を解決する他の方法は、ISceIなどのレアカッティングエンドヌクレアーゼ(rare-cutting endonuclease)による二本鎖DNA切断の誘導によりターゲットローカス(target locus)の活性化によるものである。この技術は、Agrobacteriaを使用して少なくとも2桁の大きさ相同的組換えの頻度を増加させて、植物細胞に修復DNAを送達することが示された(Puchta et al., 1996, Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 93, pp5055-5060)。
WO96/14408は、酵素I−SceIをコードする単離されたDNAを記載している。このDNA配列は、クローニングおよび発現ベクター、トランスフォーメーションされた細胞系およびトランスジェニック動物において組み込まれることができる。このベクターは、遺伝子マッピングおよび遺伝子の部位特異的挿入において有用である。
WO00/46386は、I−SceI二本鎖切断により細胞における遺伝子または他の染色体DNAを改変、修復、アテニュエーションおよび不活性化する方法を記載している。遺伝子疾患の処置または予防を必要としている個体における遺伝子疾患の処置または予防方法も開示されている。更に、キメラ制限エンドヌクレアーゼが開示されている。
ChiltonおよびQue(2003, Plant Physiol. 133: pp956-965)およびTzifira et al.(2003, Plant Physiol. 133: pp 1011-1023)は、T−DNAが、レアクリービング酵素(rare-cleaving enzyme)I−SceIまたはI−CeuIにより人工的に誘導された二本鎖DNA切断において優先的に組み込まれることを報告している。このレポートは、それぞれのレアクリービング酵素のための認識部位を含んだドナーT−DNAベクターも含んでいた。
しかしながら、先行技術の方法は、しばしばインタクトな選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子の相同的組換えによる改良または発生に頼っている。
従って、置換DNAによる実質的にいかなるターゲットDNA配列のターゲティングされた交換も可能とする方法に対する要求が依然としてある。これらの問題および他の問題は、本発明の種々の詳細な態様および特許請求の範囲に記載されているとおりに解決される。
発明の要約
本発明の1つの態様では、関心のあるDNA分子を植物細胞または植物のゲノムに導入し、次いで好ましくは選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカーを含む、関心のあるDNA分子のサブ配列を除去するための方法であって、
a.前記関心のあるDNA分子を前記植物細胞のゲノムに導入し、その際該関心のあるDNA分子は、同方向反復(direct repeat)において配置された2つのDNA配列によりフランキングされた(flanked)前記DNA分子のサブ配列を含み、そして更に、同方向反復において配列された該2つのDNA配列の付近に、好ましくは間に位置したレアクリービング二本鎖DNA切断誘導(DSBI)酵素(rare cleaving double stranded DNA break inducing(DSBI) enzyme)のための少なくとも1つの認識部位を含み;
b.前記関心のあるDNA分子がゲノムに組み込まれている植物細胞を選択しそして該植物細胞から植物を再生させ;
c.該植物を、DSBI酵素コードキメラ遺伝子(DSBI enzyme encoding chimeric gene)を含む第2植物と交配させ、その際該キメラ遺伝子は、下記の作用可能に連結された(operably linked)DNAセグメント:
i.小胞子特異的プロモーターフラグメント、例えば配列番号3のヌクレオチド配列から選ばれるプロモーターフラグメント;
ii.前記認識部位を認識するレアクリービング二本鎖DNA切断誘導酵素、例えば、
Figure 2008534023

またはZnフィンガーDNA結合ドメインおよびDNA開裂ドメインを含むキメラエンドヌクレアーゼの群から選ばれるエンドヌクレアーゼをコードするDNA領域;
iii.転写終結およびポリアデニル化領域;
を含み;
d.前記関心のあるDNA分子および前記DSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む子孫植物(F1植物)を選択し;
e.該子孫植物を他の植物と交配させ、その際該子孫植物は花粉ドナーとして使用され;
f.前記DSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む子孫植物の集団(F2集団)を選択し;そして、
g.前記DNA分子のサブ配列が同方向反復において配置された前記2つのDNA配列間で相同的組換えにより欠失させられている子孫植物を選択し、そして場合により、
h.前記DNA分子の前記サブ配列が欠失している子孫植物を他の植物と交配させ;そして
i.子孫植物(F3植物)の集団を得、そして前記レアクリービングDSBI酵素コードキメラ遺伝子を含有していない植物を選択する、
工程を含む方法が記載される。
本発明の他の態様では、植物のゲノム、特に核ゲノムにおけるターゲットDNA配列を関心のあるDNA配列と交換するための方法であって、下記の工程:
a.植物の細胞のゲノムの予め選ばれた部位における第1二本鎖DNA切断を誘導し、その際該予め選ばれた部位は、前記ターゲットDNA配列の範囲内に位置しているかまたは前記ターゲットDNA配列の付近に位置しており;
b.関心のあるDNA分子を前記植物細胞に導入し、該DNA分子は、
i.前記ターゲットDNA配列をフランキングしそして好ましくは前記植物細胞のゲノムにおける前記予め選ばれた部位をフランキングしているDNA領域に対して少なくとも80%配列相同性、好ましくは100%配列相同性を有する2つのフランキングDNA領域の間に位置した前記関心のあるDNA配列;
ii.前記フランキングDNA領域の間に位置した選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子、ここで、該選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子は、同方向反復において位置した、前記フランキングDNA領域の1つと前記フランキングDNA領域の1つの一部を含む部分的フランキングDNA領域との間に更に位置している;
iii.同方向反復において位置した前記フランキングDNA領域の1つと前記部分的フランキングDNA領域との間に位置したDSBI酵素のための認識部位;
を含み;
c.前記選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカーを含む植物細胞の集団を選択し;
d.前記関心のあるDNA配列(および選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー)が前記フランキングDNA領域を通じて相同的組換えにより導入されている植物細胞を選択し、そして該植物細胞から植物を再生させ:
e.前記選択可能なマーカーを含む前記再生された植物またはその子孫植物をレアクリービング二本鎖切断誘導(「DSBI」)酵素コードキメラ遺伝子を含む植物と交配させ、該キメラ遺伝子は、下記の作用可能に連結されたDNAセグメント:
i.小胞子特異的プロモーター;
ii.前記関心のあるDNA内に位置した前記認識部位を認識する二本鎖DNA切断誘導酵素をコードするDNA領域;
iii.転写終結およびポリアデニル化領域;
を含み;
f.前記選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子および前記DSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む子孫植物(F1植物)を選択し;
g.該子孫植物を他の植物と交配させ、その際該子孫植物は花粉ドナーとして使用され;
h.前記DSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む子孫植物の集団(F2集団)を選択し;そして、
i.前記選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子が、前記フランキングDNA領域の1つと前記フランキングDNA領域の1つの一部を含む部分的フランキングDNA領域との間の相同的組換えにより欠失させられている子孫植物を選択する;
工程を含む方法が提供される。
本発明は、上記した方法により得られた植物に関する。
更に他の態様では、本発明は、レアクリービングDSBI酵素コードキメラ遺伝子、例えばヌクレオチド1941からヌクレオチド3913までの配列番号6のキメラ遺伝子であって、下記の作用可能に連結されたDNAセグメント:
i.小胞子特異的プロモーター、例えば配列番号3のヌクレオチド配列またはその機能的フラグメントから選ばれるプロモーターフラグメント;
ii.前記関心のあるDNA内に位置した前記認識部位を認識する二本鎖DNA切断誘導酵素、例えば、
Figure 2008534023

またはZnフィンガーDNA結合ドメインおよびDNA開裂を含むキメラエンドヌクレアーゼの群から選ばれたエンドヌクレアーゼをコードするDNA領域、特に、配列番号1または配列番号2のヌクレオチド配列を含むDNA領域;および
iii.転写終結およびポリアデニル化領域、
を含むキメラ遺伝子を含む植物に関する。
本発明は、上記したキメラ遺伝子にも関する。
本発明の他の態様では、植物細胞のゲノムにおけるターゲットDNA配列を、該ターゲット配列の範囲内またはその付近の予め選ばれた部位において二本鎖切断の誘導を通じて関心のあるDNA配列と交換するためのDNAベクターであって、
a.前記ターゲットDNA配列をフランキングしそして前記予め選ばれた部位をフランキングしているDNA領域に対して少なくとも80%配列相同性、好ましくは100%配列相同性を有する2つのフランキングDNA領域の間に位置した前記関心のあるDNA配列;
b.前記フランキングDNA領域の間に位置した選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子であって、同方向反復において位置した、前記フランキングDNA領域の1つと前記フランキングDNA領域の1つの一部を含む部分的フランキングDNA領域との間に更に位置している選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子;および
c.同方向反復において位置した前記フランキングDNA領域の1つと前記部分的フランキングDNA領域との間に位置したDSBI酵素のための認識部位、
を含むDNAベクターが提供される。
発明の詳細な説明
本発明は、2つの同方向反復によりフランキングされておりそしてレアクリービング二本鎖DNA切断誘導酵素のための認識部位の付近に位置しているDNA分子の選ばれた配列は、このようなDNAを含む植物が小胞子特異的プロモーターのコントロール下に前記二本鎖DNA切断誘導レアクリービング酵素をコードするキメラ遺伝子を含む植物と最初に交配されるとき有効に除去され得、そして得られ植物の花粉がレセプター植物を授粉するのに使用されるという発見に基づいている。
従って、本発明は、小胞子特異的プロモーターのコントロール下に二本鎖DNA切断誘導レアクリービングエンドヌクレアーゼをコードするキメラ遺伝子を含む植物を使用して、二本鎖DNA切断誘導レアクリービングエンドヌクレアーゼのための認識部位の付近に位置しそして更に同方向反復配向(direct repeat orientation)(図1参照)において位置した2つの配列の間に位置しているDNAフラグメントを交配により除去することを指向する1つの態様にある。花粉形成期間中小胞子におけるレアクリービングDSBIエンドヌクレアーゼの発現は、二本鎖DNA切断を誘導するのに十分であり、それにより同方向反復配列間の染色体内相同的組換えを有意に刺激し、これらの同方向反復配列の間に位置した配列の除去をもたらす。
換言すれば、本発明の1つの態様では、関心のあるDNA分子を植物細胞または植物のゲノムに導入し、次いでそのDNA分子のサブ配列を除去するための方法であって、
a.前記植物細胞のゲノムに関心のあるそのDNA分子を導入し、該関心のあるDNA分子は、同方向反復において配置された2つのDNA配列によりフランキングされたそのDNA分子のサブ配列を含みそして同方向反復において配置された該2つのDNA配列の間に位置した二本鎖DNA切断誘導(DSBI)レアクリービングエンドヌクレアーゼのための少なくとも1つの認識部位を更に含み;
b.前記関心のあるDNA分子が前記ゲノムに組み込まれている植物細胞を選択しそして該植物細胞から植物を再生させ;
c.該植物をDSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む第2植物と交配させ、その際該キメラ遺伝子は、下記の作用可能に連結されたDNAセグメント:
i.小胞子特異的プロモーター、;
ii.前記認識部位を認識するレアクリービング二本鎖DNA切断誘導酵素をコードするDNA領域;
iii.転写終結およびポリアデニル化領域;
を含み;
d.前記関心のあるDNA分子および前記DSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む子孫植物(F1植物)を選択し;
e.該子孫植物を他の植物と交配させ、その際該子孫植物は花粉ドナーとして使用され;
f.前記DSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む子孫植物の集団(F2集団)を選択し;そして、
g.同方向反復において配置された2つのDNA配列間で相同的組換えにより前記関心のあるDNA分子のサブ配列が欠失させられている子孫植物を選択する、
工程を含む方法が提供される。
本明細書で使用された、「二本鎖DNA切断誘導レアクリービングエンドヌクレアーゼ」は、「認識部位」と呼ばれる特定のヌクレオチド配列における二本鎖DNA切断を誘導することができる酵素である。ときにはメガヌクレアーゼとも呼ばれるレアクリービングエンドヌクレアーゼは、14〜40の連続したヌクレオチドの認識部位を有する。従って、レアクリービングエンドヌクレアーゼは、より大きい植物ゲノムにおいてすら非常に低い開裂の頻度を有する。ホーミングエンドヌクレアーゼは、このようなレアクリービングエンドヌクレアーゼのファミリーを構成する。それらは、イントロン、独立した遺伝子または介在配列によりコードされ得、そしてより古典的な制限酵素から、通常バクテリアの制限改変II型システム(bacterial restriction-modification Type II systems)からそれらを区別する顕著な構造的および機能的性質を与える。それらの認識部位は、最も多くの制限酵素認識部位の特徴的ダイアッド対称性(characteristic diad symmetry)と対照的な一般的非対称性を有する。イントロンまたはインテインによりコードされたいくつかのホーミングエンドヌクレアーゼは、アレルイントロンレスまたはインテインレス部位へのそれらのそれぞれの遺伝子エレメントのホーミングを促進することが示された。イントロンレスまたはインテインレスアレルにおいて部位特異的二本鎖切断を作ることにより、これらのヌクレアーゼは、リコンビノジェニック端部(recombinogenic ends)を創生し、これらは、コード配列を倍にしそしてDNAレベルでのイントロンまたは介在配列の挿入をもたらす遺伝子転換プロセスに関与する。
よく特徴付けられたホーミングエンドヌクレアーゼはI−SceIである。I−SceIは、Saccharomyces cereviseaのミトコンドリアにおいてイントロン移動性の責任を担う部位特異的エンドヌクレアーゼである。この酵素は、21S rRNA遺伝子の随時のイントロンSC LSU.1によりコードされておりそしてイントロン挿入部位において二本鎖DNA切断を開始して3’OHオーバーハングを有する4bpずれた切断(4 bp staggered cut)を発生させる。I−SceIエンドヌクレアーゼの認識部位は、18bp非対称性配列にわたって延びている(Colleaux et al. 1988 Proc. Natl. Acad. Sci. USA85:6022-6026)。I−SceIのアミノ酸配列およびミトコンドリアI−SceI遺伝子の普遍的コード同等物(universal code equivalent)は、例えばWO96/14408により与えられている。WO96/14408は、依然として機能的なI−SceIタンパク質の多数の変異体を更に開示している。
PCT出願PCT/EP04/013122(参照により本明細書に組みこまれる)は、植物での発現のために最適化されているI−SceIの合成ヌクレオチド配列変異体を与える。このような合成I−SceIコード領域のヌクレオチド配列は、UIPACコードにおいて配列番号1に記載されている。UIPACコードの記号は、それらの通常の意味、即ち、
Figure 2008534023

を有する。
他のレアクリービングDSB誘導酵素およびそれらのそれぞれの認識部位のリストは、WO03/004659の表I(17〜20頁)(参照により本明細書に組みこまれる)に与えられる。これらは、
Figure 2008534023

を含む。
更に、選ばれた基本的に任意のターゲットヌクレオチド配列を認識する注文に応じて変更するレアクリービングエンドヌクレアーゼをデザインするための方法が利用可能である。簡単にいえば、特異的ヌクレオチド配列を認識するようにデザインされたジンクフィンガードメインと天然の制限酵素、例えばFokIからの非特異的DNA開裂ドメインとの間のハイブッドを使用してキメラ制限酵素を調製することができる。このような方法は、例えば、WO03/080809、WO94/18313またはWO95/09233およびIsalan et al., 2001, Nature Biotechnology 19, 656-660; Liu et al., 1997, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94, 5525-5530)に記載されている。変異体のライブラリーからの選択により、注文に応じて作られるメガヌクレアーゼを産生する他の方法は、WO2004/067736に記載されている。
本明細書で使用された「同方向反復において配置された2つのDNA配列によりフランキングされた」は、導入されたDNA分子から除去されるべき配列のすぐ前および後に、各端部に1つずつ、2つのDNA領域があり、該2つのDNA領域は、ヌクレオチド配列において本質的に類似しているということを示す。同方向反復した配列は、同一である必要がないが、約75%〜約100%の間で配列同一性が変わることができる。反復した配列が短ければ短いほど、配列類似性の要求は好ましくはより厳しい。しかしながら、後記するとおり、フットプリントを残さないでDNA配列を回復させるために、同方向反復において配置されたDNA配列は、好ましくは同一であるべきである。疑いを回避するために、ヌクレオチド配列において本質的に類似している前記2つのDNA領域が二本鎖DNA分子内に含有されているならば、これらのDNA配列は、同じ5’→3’方向において、同じDNA鎖上に位置しているべきである。
反復したDNA配列は、長さが少なくとも10、50または100ヌクレオチドであることができるが、該配列はもちろんより大きくてもよい。しかしながら、300ヌクレオチドより長い反復は、同方向反復配列間に位置したDNA配列を除去させる染色体内相同的組換えをもはや有意に増強させないことが見出された。
本発明の目的には、百分率で表された2つの関連したヌクレオチドまたはアミノ酸配列
の「配列同一性」は、比較された位置の数で割った、同一残基を有する2つの最適にアライメントした配列における位置の数(×100)を指す。ギャップ、即ち、1つの配列には残基が存在するが、他方の配列には存在しないアライメントにおける位置は、非同一残基を有する位置とみなされる。2つの配列のアライメントは、Needleman and Wunsch アルゴリズム(Needleman and Wunsch 1970)により行われる。コンピューター支援式配列アライメントは、50のギャップ創生ペナルティーおよび3のギャップ延長ペナルティーでデフォールトスコアリングマトリックス(default scoring matrix)を使用してWisconsin Package Version 10.1(Genetics Computer Group, Madison, Wisconsin, USA)の一部であるGAPなどの標準ソフトウエアプログラムを使用して都合よく行うことができる。
DSBI認識部位は好ましくは同方向反復DNA配列間に位置しているけれども、これは必須でもなければ必要でもない。実際に、DSBI認識部位は、反復DNA配列の1つの一部であることもできる。
本明細書で使用された「付近に位置した」は、DSBIが同方向反復DNA配列から500bp、1kb〜10kbの距離に位置していることを意味する。
本明細書で説明した方法は、レアクリービング二本鎖切断誘導酵素をコードするキメラ遺伝子の使用であって、このエンドヌクレアーゼのためのコード領域が小胞子特異的プロモーターフラグメントのコントロール下にある、キメラ遺伝子の使用を必要とする。
本明細書で使用された「小胞子特異的プロモーター領域」または「小胞子特異的プロモーター」または「小胞子特異的プロモーターフラグメント」は、植物の単細胞小胞子において選択的に、好ましくは特異的に転写を促進することができるプロモーター領域またはプロモーターまたはプロモーターフラグメントである。被子植物において、有性生殖は、生きている雄および雌の配偶体の産生を必要とする。雄配偶体としての花粉は葯内に形成されそして胞子形成細胞から開始され、胞子形成細胞は減数母細胞(meiocytes)に発達する。減数母細胞は、減数分裂を受けて、一倍体小胞子のテトラッドを形成し、これは、その後葯室(anther locule)に放出される。エクスパンション(expansion)および空胞形成の後、小胞子の非対称有糸分列は、無性細胞および生殖細胞を含有する二細胞花粉をもたらす。大多数の種では、花粉は、二細胞条件において落とされる(shed)。適当な小胞子特異的プロモーター領域が、WO97/30166(参照により本明細書に組み込まれる;配列番号3も参照)においてタバコのNTM19遺伝子からのプロモーター領域として記載されている。その機能的フラグメントは、実施例のキメラ遺伝子(配列番号6)において組み込まれた。小胞子特異的プロモーターフラグメントは、位置1〜位置954もしくは位置1〜位置993の配列番号3のヌクレオチド配列、または位置1941〜位置2926の配列番号6のヌクレオチド配列を含む。
本明細書で使用された「レアクリービング二本鎖切断誘導エンドヌクレアーゼのコード領域」または「レアクリービング二本鎖切断誘導酵素のコード領域」は、本願の他のところに記載したホーミングエンドヌクレアーゼまたはキメラエンドヌクレアーゼなどのレアクリービングDSBI酵素として特徴付けられるポリペプチドをコードするヌクレオチド配列である。従って、コード領域は、下記の表に列挙されたホーミングエンドヌクレアーゼのアミノ酸配列のいずれかをコードする任意のヌクレオチド配列を含むことができ、該表は、記載されたアクセッションナンバーの下に公的データベースにおいて見出されうる(参照によりすべて本明細書に組み込まれる)。
Figure 2008534023
小胞子特異的プロモーターフラグメントのコントロール下のエンドヌクレアーゼの発現のために、コード領域は、上記したポリペプチドをコードするのに普遍コドン言語が使用されるように、適合されるべきである。コード領域は、植物での発現のために更に最適化されてもよくそして合成コード領域は下記の基準:
a.ヌクレオチド配列は、機能的レアクリービング二本鎖切断誘導エンドヌクレアーゼをコードする;
b.ヌクレオチド配列は約50%〜約60%のGC含有率を有する;
c.ヌクレオチド配列は、
Figure 2008534023

からなる群より選ばれるヌクレオチド配列を含まない;
d.ヌクレオチドは、CCAAT、ATTGG、GCAATおよびATTGCからなる群より選ばれるヌクレオチド配列を含まない;
e)ヌクレオチド配列は、ATTTA、AAGGT、AGGTA、GGTAまたはGCAGGからなる群より選ばれる配列を含まない;
f)ヌクレオチド配列は、GまたはCの群より選ばれる7個の連続したヌクレオチドからなるGCストレッチを含まない;
g)ヌクレオチド配列は、AまたはTの群より選ばれる5個の連続したヌクレオチドからなるGCストレッチを含まない、そして
h)ヌクレオチド配列は、位置2および3においてTAまたはCGデュプレット(duplet)を含むLeu、Ile、Val、Ser、Pro、Thr、Alaをコードするコドンを含まない(即ち、ヌクレオチド配列は、コドンTTA、CTA、ATA、GTA、TCG、CCG、ACGおよびGCGを含まない);
を満たすようにデザインされたヌクレオチド配列を有する。
二本鎖切断誘導酵素は、核局在化シグナル(NLS)[Raikhel, Plant Physiol. 100:1627-1632(1992)およびその参考文献]、例えば、SV40ラージT抗原のNLS[Kalderon et al. Cell 39: 499-509(1984)]を含むことができるが、含む必要はない。核局在化シグナルは、タンパク質のいかなる場所にも位置することができるが、タンパク質のN末端に位置するのが好都合である。核局在化シグナルは、二本鎖切断誘導酵素のアミノ酸1つ以上を取り替えることができる。
除去のための方法は、関心のあるDNA分子の導入の有効工程、次いでその選ばれたサブフラグメントの除去を伴うと本明細書では記載されているけれども、本発明の除去方法は、反復DNA配列の付近のDSBI認識部位を認識するDSBI酵素が見だされ得るかまたは工学的に作成されうるとの条件下に、同方向DNA反復間に位置したいかなる配列も除去するのに使用することができることは明らかである。
「DNAフラグメントの導入」および「細胞からの植物の再生」などの方法を説明するために使用された用語は、このようなDNAフラグメントは必ずトランスフォーメーション技術により導入される必要があるということを意味しないことも明らかであろう。実際に、関心のあるDNA分子は育種または交配技術により1つの植物から他の植物細胞に導入されてもよいことは当業者には直ちに明らかであろう。
しかしながら、関心のあるDNA分子は、Agrobacterium媒介トランスフォーメーションを含む当技術分野で知られている任意の方法により植物細胞に導入されうるが、直接DNAトランスファー方法によっても導入されうることは明らかであろう。トランスフォーミングDNA分子は、直接DNAトランスファー方法を含むがそれに限定されない任意の慣用の方法を使用して植物細胞にトランスファーされうる。本明細書で使用した「直接DNAトランスファー」は、天然のAgrobacterium種の使用を伴わないそして植物細胞にDNAを導入することができる植物細胞へのDNA導入の任意の方法である。これは、当技術分野で知られている方法、例えば、プロトプラストへのエレクトロポレーションによるDNAの導入、インタクトな植物細胞へのまたは部分的に分解した組織もしくは植物細胞へのエレクトロポレーションによるDNAの導入、PEG等などの作用物質の作用によるプロトプラストへのDNAの導入、シリコンウイスカーの使用およびDNAコーテッドマイクロプロジェクタイルによる衝撃などの当技術分野で周知の方法を含む。
DNAは、例えば、PCT/EP04/013122に記載の如き予め選ばれた部位における二本鎖切断誘導を伴う相同的組換えまたは非相同的エンドジョイニング方法により組み込むことができる。
本発明の1つの特定の態様では、除去の方法は、ターゲティングされた相同的組み換えによるDNA挿入、欠失または置換と組み合わせて使用することができ、そしてターゲティングされたDNA挿入は、選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカーを使用して達成され、次いでターゲティングされたDNA挿入が相同的組み換えにより行われた植物細胞または植物の選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカーを含む植物細胞または植物の集団において立証される。フランキング配列および同方向反復が適切に選ばれるとき、この方法は、置換を達成するために使用された関心のあるDNA分子のいかなる残留物(フットプリント)もなしにターゲットDNAを関心のあるDNAで正確に置換させる。この除去の方法は、いかなる追加のin vitro培養も必要とせず、それにより体細胞クローン変動(somaclonal variations)が発生することを回避する。この方法の概略は図2および3に見出すことができる。
興味深いことに、相同的組み換えによる関心のある外来DNAのターゲティングされた挿入についてPCT/EP04/013122に記載のとおりの方法を使用して、外来DNAが実際に相同的組み換えにより挿入されるこれらのトランスフォーメーション事象は、該DNAが任意の手段によって植物染色体に組みこまれる事象の総集団の相対的に高い割合(1〜5%のオーダーの)を表すことが観察された。従って、認識可能な表現型をもたらすDNA配列の相同的組み換えによる発生または改造(相同的組み換え後のインタクトな選択可能なマーカー遺伝子の創生などの)に頼って、該DNAが相同的組み換えにより挿入された事象を同定する必要はない。むしろ、選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子は、フランキングDNA配列間のDNA領域に含ませることができ、次いでターゲティングされたDNA挿入が相同的組み換えを通じて起こったこれらのトランスフォーメーション事象の同定のために、相対的に少ない数のトランスフォーメーションされた植物細胞または植物を分析する。
したがって、本発明のこの態様では、植物の細胞におけるターゲットDNA配列を関心のあるDNA配列(または外来DNA)と交換するための方法であって、下記の工程:
前記細胞のゲノムの予め選ばれた部位において第1二本鎖DNA切断を誘導し、該予め選ばれた部位は、前記ターゲットDNA配列の範囲内にまたは該ターゲットDNA配列の付近に位置しており;
関心のあるDNA分子(または外来DNA)を前記植物細胞に導入し、その際該DNA分子は下記の作用可能に連結されたDNAフラグメント:
i.前記ターゲットDNA配列をフランキングしそして前記植物細胞のゲノムの前記予め選ばれた部位をフランキングしているDNA領域に対して少なくとも80%配列相同性、好ましくは100%配列相同性を有する2つのフランキングDNA領域の間に位置した関心のあるDNA分子;
ii.前記フランキングDNA領域の間に位置した選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子であって、同方向反復において位置した、前記フランキングDNA領域の1つと、前記フランキングDNA領域の上記した1つ少なくとも一部の別のコピー(部分的フランキングDNA配列としても示される)との間に更に位置している選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子;
iii.同方向反復において位置した、前記フランキングDNA領域の1つと前記部分的フランキングDNA領域との間に位置したDSBI酵素のための認識部位、
を含み;
前記選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカーを含む植物細胞の集団を選択し;
前記選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカーが前記フランキングDNA領域を通じて相同的組換えにより導入されている植物細胞を選択し、そして該植物細胞から植物を再生させ:
前記選択可能なマーカー遺伝子を含む前記再生された植物またはその子孫植物を、DSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む植物と交配させ、その際該キメラ遺伝子は、下記の作用可能に連結されたDNAセグメント:
・小胞子特異的プロモーター;
・前記関心のあるDNA内に位置した前記認識部位を認識する二本鎖DNA切断誘導酵素をコードするDNA領域;
・転写終結およびポリアデニル化領域;
を含み;
前記選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子および前記DSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む子孫植物(F1植物)を選択し;
該子孫植物を他の植物と交配させ、その際該子孫植物は花粉ドナーとして使用され;
前記DSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む子孫植物の集団(F2集団)を選択し;そして、
前記選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子が、前記フランキングDNA領域の1つと前記フランキングDNA領域の1つの一部を含む部分的フランキングDNA領域との間の相同的組換えにより欠失させられている該F2集団内の子孫植物を選択する;
工程を含む方法が提供される。
従って、本明細書で使用された「予め選ばれた部位」は、ターゲットDNA配列の範囲内に位置したまたはターゲットDNA配列の付近に位置した植物核ゲノムにおける特定のヌクレオチド配列であって、外来DNAを挿入することまたはターゲットDNA配列を交換することが望まれる位置でのヌクレオチド配列を示す。当業者は、選ばれたターゲットヌクレオチド配列を認識する二本鎖DNA切断誘導(「DSBI」)酵素を選ぶかまたはこのようなDSBIエンドヌクレアーゼを工学的に作成することができるであろう。または、DSBIエンドヌクレアーゼ認識部位は、任意の慣用のトランスフォーメーション法を使用してまたは植物系統であってそのゲノムにDSBIエンドヌクレアーゼ認識部位を有する植物系統を使用する慣用の育種により植物ゲノムに導入され得、そして任意の所望の外来DNAは、後に、その以前に導入された予め選ばれたターゲット部位に導入されうる。
トランスフォーミングDNA分子における二本鎖DNA切断は、二本鎖切断誘導酵素をコードするDNA領域に作用可能に連結された植物で発現可能なプロモーター領域(plant-expressible promoter region)を含む植物で発現可能なキメラ遺伝子の一過性導入により都合よく誘導することができる。二本鎖切断誘導酵素をコードするDNA領域は、合成DNA領域、例えばI−SceIコード領域のための本願の別の場所で述べたデザインスキームに従ってコドンが選ばれる合成DNA領域であることができるがこれに限定されない。タンパク質としてのエンドヌクレアーゼそれ自体は、例えばエレクトロポレーションにより植物細胞に導入させることもできる。しかしながら、エンドヌクレアーゼは、植物細胞または植物のゲノムに、植物で発現可能な誘導性プロモーター(inducible plant-expressible promoter)に作用可能に連結されたエンドヌクレアーゼコード領域を含むキメラ遺伝子を導入し、そしてトランスフォーミングDNA分子の導入の前、導入の期間中または導入の直後に限定された時間、適切な誘導性化合物を与えることにより一過性方式で与えられることもできる。エンドヌクレアーゼは、エンドヌクレアーゼをコードするRNA前駆体として与えられることもできる。
二本鎖切断誘導酵素は、核局在化シグナル(NLS)[Reikhel, Plant Physiol. 100:1627-1632(1992)およびその参考文献]、例えば、SV40ラージT抗原のNLS[Kalderon et al. Cell 39: 499-509(1984)]を含むことができるが、含む必要はない。核局在化シグナルは、タンパク質のいかなる場所にも位置することができるが、タンパク質のN末端に位置するのが好都合である。核局在化シグナルは、二本鎖切断誘導酵素のアミノ酸1つ以上を取り替えることができる。
本明細書で使用された「ターゲットDNA配列」は、付加、欠失または置換により改変されている植物細胞のゲノム内に位置したDNA配列である。
本明細書で使用された「フランキングDNA領域」は、ターゲツトDNA配列のそれぞれ上流または下流のDNA領域に対する相同性を有するDNA配列である。これは、外来DNAまたは関心のあるDNA分子の挿入をよりよくコントロールすることを可能とする。実際に、相同的組換えによる組み込みは、ヌクレオチドレベルまで植物核ゲノムへの外来DNAフラグメントの正確な接続を可能とするであろう。
フランキングDNA領域は、長さが変わることができ、そして長さが少なくとも約10ヌクレオチドであるべきである。しかしながら、フランキング領域は、実際にはできる限り長くすることができる(例えば、完全なバクテリア人口染色体(BACs)の如き約100〜150kbまで)。好ましくは、フランキング領域は、約50bp〜約2000bpであろう。更に、関心のある外来DNAをフランキングする領域は、予め選ばれた部位をフランキングするDNA領域と同一である必要はなく、そして予め選ばれた部位をフランキングするDNA領域との約80%〜約100%配列同一性、好ましくは約95%〜約100%配列同一性を有することができる。フランキング領域が長ければ長いほど、相同性に対する要求はより少ないストリンジェントとなる。更に、配列同一性は、外来DNAの正確な挿入の位置の付近においてできる限り高いことが好ましい。更に、隣接DNA配列のDNA配列を変化させることなくターゲットDNA配列の交換を達成するために、フランキングDNA配列は、好ましくは予め選ばれた部位をフランキングするDNA領域と同一であるべきである。
更に、関心のある外来DNAをフランキングする領域は、予め選ばれた部位をじかにフランキングする領域に対する相同性を持つ必要はないが、その予め選ばれた部位から更に遠く離れている核ゲノムのDNA領域に対する相同性を有することができる。その場合に、外来DNAの挿入は、予め選ばれた挿入部位と、相同性のDNA領域との間のターゲットDNAの除去をもたらすであろう。換言すれば、相同性領域間に位置したターゲットDNAは、関心のある外来DNAで置換されるであろう。
好ましくは、予め選ばれた部位および更に言及された認識配列は、種々のレアクリービング二本鎖切断誘導エンドヌクレアーゼにより認識される。
挙げられた「部分的フランキングDNA領域」は、該DNA領域が、欠失されるべきDNA領域に隣接したそして通常選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカーを含むであろうフランキングDNA領域の少なくとも一部を含むことを示す。部分的フランキングDNA配列は、前記フランキングDNA配列に長さが等しくてもよくまたはより長いフランキングDNA配列を含むことすらできる。
本明細書に使用された「選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー」は、植物で発現可能なホスフィノトリシンアセチルトランスフェラーゼ、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼ、グリホセートオキシダーゼ、グリホセート耐性EPSP酵素、ニトリラーゼ遺伝子、突然変異体アセトラクテートシンターゼまたはアセトヒドロキシ酸シンターゼ遺伝子、β−グルコロニダーゼ(GUS)、R−ローカス遺伝子、緑色蛍光タンパク質等を含むが、それらに限定されない。
選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカーおよび外来DNA分子の残りがフランキングDNA領域を通じて相同的組換えにより導入されている植物細胞または植物の選択は、例えば、トランスフォーミングDNA内に存在するがフランキングDNA領域の外側に位置した配列の不存在についてスクリーニングすることにより達成することができる。実際に、フランキングDNA領域の外側のトランスフォーミングDNAからの配列の存在は、トランスフォーメーションされた植物細胞がランダムDNA挿入により生じるということを示すであろう。このために、選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカーは、フランキングDNA領域の外側のトランスフォーミングDNA分子内に含ませることができ、そうすると、これは、トランスフォーミングDNAの外側に位置した選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカーを持たない且つフランキングDNA領域を介して相同的組換えにより生じうるこれらの植物細胞を同定するのに使用することができる。または、トランスフォーミングDNA分子は、フランキングDNA領域の外側の選択可能なマーカーを含有することができ、これはこのような遺伝子の不存在(ネガティブ選択可能なマーカー遺伝子)についての選択を可能とする。
本発明の他の態様では、本明細書で述べられたDNA除去方法は、非相同的エンドジョイニング(end-joining)に基づく、細胞のゲノム内の予め選ばれた部位におけるDNA挿入のための方法と組合わせることができる。
従って、本発明は、植物細胞のゲノム、好ましくは核ゲノム内の予め選ばれた位置において選ばれたDNA分子を挿入するための方法であって、下記の工程:
前記細胞のゲノムの予め選ばれた部位において第1二本鎖DNA切断を誘導し、その際該予め選ばれた部位は好ましくはターゲットDNA配列の範囲内に位置しており;
外来DNA分子を前記植物細胞に導入し、その際このDNA分子は下記の作用可能に連結されたDNAフラグメント:
○ 前記関心のある選ばれたDNA分子;
○ 前記予め選ばれた部位に隣接して位置した前記ゲノムDNA領域の1つに対する少なくとも80%配列相同性を有する反復DNA領域により先行されるかまたは後続される選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子、ここで、前記DNA領域は、非相同的エンドジョイニングにより前記予め選ばれた部位において前記外来DNA分子が挿入されると、前記DNA領域のゲノムコピーと同方向反復において位置している;
○ 前記反復DNA領域および前記選択可能なマーカー遺伝子を含む前記外来DNAの領域に位置したレアクリービングDSBI酵素のための認識部位、
を含み;
前記選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカーを含む植物細胞の集団を選択し;
前記選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカーが前記予め選ばれた部位において非相同的エンドジョイニングにより導入されている植物細胞を選択しそして該植物細胞から植物を再生させ;
前記選択可能なマーカー遺伝子を含む前記再生された植物またはその子孫植物をDSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む植物と交配させ、その際該キメラ遺伝子は、下記の作用可能に連結されたDNAセグメント:
・小胞子特異的プロモーター;
・前記関心のあるDNA内に位置した前記認識部位を認識する二本鎖DNA切断誘導酵素をコードするDNA領域;
・転写終結およびポリアデニル化領域;
を含み;
前記選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子および前記DSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む子孫植物(F1植物)を選択し;
該子孫植物を他の植物と交配させ、その際該子孫植物は花粉ドナーとして使用され;
前記DSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む子孫植物の集団(F2集団)を選択し;そして、
前記選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子が、前記反復DNA領域と前記予め選ばれた部位に隣接して位置した前記ゲノムDNA領域との間の相同的組換えにより欠失させられている前記F2集団内の子孫植物を選択する;
工程を含む方法が提供される。
上記した方法は、選択された任意のDNA配列、例えばポリペプチドコード領域、生物学的に活性なRNAコードDNA配列、プロモーター領域、調節領域、タンパク質もしくはRNA結合のための認識部位等を中断するのに都合よく使用することができる。
この態様では、DNA分子が非相同的エンドジョイニングにより挿入されている事象は、例えば、前記予め選ばれた部位の付近に位置したゲノム配列を認識しそして更に好ましくは前記外来DNAを認識しないプライマー配列および前記外来DNA分子の範囲内のプライマーを使用するPCR反応により都合よく同定されうる。前記予め選ばれた部位における非相同的エンドジョイニングにより外来DNAが挿入されると、DNAフラグメントは増幅されるであろう。このようなDNAフラグメントは、外来DNAがランダムに組み込まれるときには増幅されないであろう。
本発明の手段および方法は、トウモロコシ、タバコ、穀物植物であって、コムギ、カラスムギ、オオムギ、ライムギ、コメ、芝生、モロコシ、キビまたはサトウキビ植物を含む穀物植物を含む、花粉により交配することができる任意の植物において使用することができることが認識されるであろう。本発明の方法は、ワタ、カノラ(canola)、アブラナ(oilseed rape)、ダイズ、野菜、ジャガイモ、Lemna種、Nicotina種、Arabidopsis、アルファルファ、オオムギ、豆、トウモロコシ、ワタ、アマ、エンドウ、ナタネ、コメ、ライムギ、ベニバナ、モロコシ、ダイズ、ヒマワリ、タバコ、コムギ、アスパラガス、ビート、ブロッコリー、キャベツ、ニンジン、カリフラワー、セロリ、キュウリ、ナス、レタス、タマネギ、アブラナ、コショウ、ジャガイモ、カボチャ(pumpkins)、ハツカダイコン、ホウレンソウ、カボチャ(squash)、トマト、ズッキーニ、アーモンド、リンゴ、アンズ、バナナ、クロイチゴ、ブルーベリー、カカオ、サクラ、ココナッツ、ツルコケモモ、ナツメヤシ、ブドウ、グレープフルーツ、グアヴァ、キーウイ、レモン、ライム、マンゴー、メロン、ネクタリン、オレンジ、パパイア、トケイソウ(passion fruit)、モモ、ピーナッツ、セイヨウナシ、パイナップル、ピスタチオ、プラム、キイチゴ、オランダイチゴ、タンジェリン、クルミおよびスイカを含むがそれらに限定されない任意の植物(被子植物または裸子植物)に適用することもできる。
本発明の目的は、本発明の方法に従って発生した植物細胞および植物を提供することでもある。従来の繁殖方法により産生される、DNA挿入事象を含む植物の配偶子、種子、胚、接合体もしくは体細胞、子孫またはハイブリッドも本発明の範囲内に含まれる。このような植物は、ターゲット配列の代わりに異種DNA配列を含有することができそしてこの異種DNAまたは交換後のDNA配列の存在によりそれらの子孫植物とは異なるのみであろう。
本明細書に記載された方法により得られた植物は、他の植物と従来の繁殖技術により更に交配させて、本発明に従って得られたターゲティングされたDNA挿入事象を含む子孫植物を得ることができる。
下記の非限定的実施例は、小胞子特異的プロモーターコードキメラ遺伝子のコントロール下に発現された、二本鎖DNA切断誘導酵素、例えばI−SceIを使用する、導入されたDNA分子からの選ばれたサブフラグメントの除去を説明する。
実施例において特記しない限り、すべてのリコンビナントDNA技術は、Sambrook et al. (1989) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY and in Volumes 1 and 2 of Ausubel et al. (1994) Current Protocols in Molecular Biology, Current Protocols, USA.に記載の標準プロトコールに従って行われる。植物分子操作のための標準物質および方法は、BIOS Scientific Publication Ltd(UK) and Blackwell Scientific Publications, UKにより共同出版されたPlant Molecular Biology Labfax(1993)by R.D.D. Croyに記載されている。標準分子生物学技術のための他の参考文献は、Sambrook and Russell(2001) Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Third Edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, NY, Volumes I and II of Brown(1998) Molecular Biology LabFax, Second Edition, Academic Press (UK)を含む。ポリメラーゼ連鎖反応のための標準物質および方法は、Dieffenbach and Dveksler(1995) PCR Primer: A Laboratory Mannual, Cold Spring Harbor Press, and in McPherson et al. (2000) PCR - Basics: From Background to Bench, First Edition, Springer Verlag, Germanyに見出されうる。
説明および実施例全体にわたり、下記の配列が参照される:
配列番号1:合成I−SceIコード領域のヌクレオチド配列(UIPACコード)
配列番号2:合成I−SceIコード領域のヌクレオチド配列
配列番号3:プロモーター領域を含む小胞子選択性NTM19遺伝子のヌクレオチド配列
配列番号4:pTCV63のT−DNAのヌクレオチド配列
配列番号5:pTCV64のT−DNAのヌクレオチド配列
配列番号6:pTCV72のT−DNAのヌクレオチド配列。
実施例
染色体内相同的組換え(IHR)による選択可能なマーカー遺伝子の除去
選ばれたDNAフラグメントの除去を検出するための組換えアッセイは、同方向反復配列(egfp配列の一部;約300bpまたは約600bp)間の染色体内相同的組換え(IHR)による選択可能なマーカー遺伝子(hyg)(〜2000bp)の除去後のegfp−bar融合遺伝子の回復に基づいて開発された。反復配列の1つは、I−SceI(およびジンクフィンガーZif268)認識部位によりフランキングされて、該反復間にDSBを創生する可能性を与える。1つの世代から他の世代までの移行期間中IHRを可能とするために、I−SceIエンドヌクレアーゼは、小胞子特異的プロモーター(pNTM19)のコントロール下に置かれた。
標準リコンビナントDNA技術を使用して、下記のDNA分子を下記の実験で使用するため構築した:
1.pTCV63:下記の作用可能に連結されたDNA構築物:
− p35S3:CaMV35Sプロモーターフラグメント
− egf(短い):後に名前を付けられたGFP配列との300bpオーバーラップを含むeGFPコード配列の第1部分
− I−SceIエンドヌクレアーゼのための認識部位
− Zif268Znフィンガー含有DNA結合タンパク質のための認識部位
− pCsVMV:キャッサバ葉脈モザイクウイルス(cassava vein mosaic virus)プロモーターフラグメント、
− hyg:ヒグロマイシン耐性のためのコード領域、
− 3’35S:3’転写終結およびポリアデニル化シグナル、
− gfp(短い):このプラスミドの先のegf部分の300bp配列の同方向反復を含み、そしてコード領域がバー遺伝子コード領域に翻訳可能に連結されている、eGFPコード配列の3’部分、
− 3’nos:ノパリンシンターゼ遺伝子からの3’転写終結およびポリアデニル化シグナル、
を含有する短い同方向反復配列(〜300bp)を有する。
このプラスミドは、Agrobacterium tumefaciensに導入されそして得られる株(A4330)を使用してトランスジェニックタバコ植物(G7NT001)を発生させた。
2.pTCV64:下記の作用可能に連結されたDNA構築物:
− p35S3:CaMV35Sプロモーター
− egf(長い):後で名前を付けられたgfp配列との600bpオーバーラップを含むeGFPコード配列の第1部分
− I−SceIエンドヌクレアーゼのための認識部位
− Zif268Znフィンガー含有DNA結合タンパク質のための認識部位
− pCsVMV:キャッサバ葉脈モザイクウイルスプロモーター、
− hyg:ヒグロマイシン耐性のためのコード領域、
− 3’35S:3’転写終結およびポリアデニル化シグナル、
− gfp(長い):先のegf構築物の600bp配列の同方向反復を含み、そしてコード領域がバー遺伝子コード領域に翻訳可能に連結されている、egfpコード配列の3’部分、
− 3’nos:ノパリンシンターゼ遺伝子からの3’転写終結およびポリアデニル化シグナル、
を含有する長い同方向反復配列(〜600bp)を有する。
このプラスミは、Agrobacterium tumefaciensに導入されそして得られる株(A4364)を使用してトランスジェニックタバコ植物(G7NT004)を発生させた。
3.pTCV72
− pnos:ノパリンシンターゼプロモーター
− neo:ネオマイシンホスホトランスフェラーゼIIコード領域
− 3’ocs:オクトピンシンターゼ遺伝子からの3’転写終結およびポリアデニル化シグナル
− pNTM19:小胞子特異的プロモーターフラグメント
− I−SceI:エンドヌクレアーゼI−SceIのためのコード領域
− 3’nos:CaMV35S転写物からの3’転写終結およびポリアデニル化シグナル
このプラスミドは、Agrobacterium tumefaciensに導入されそして得られる株(A4331)を使用してトランスジェニックタバコ植物(G7NT005)を発生させた。
各G7NT001およびG7NT004の3つの独立した単一コピートランスフォーメーションされたタバコ系統(single copy transformed tobacco lines)から、雄植物としてG7NT005を使用して小胞子特異的プロモーターのコントロール下にI−SceIをコードするキメラ遺伝子を含む2つの独立した単一コピートランスフォーメーションされた系統(G7NT005)との交配がなされ、その際該子孫系統は下記のとおり示された:
Figure 2008534023
各交配から200個の種子をKm(200mg/L)上に播種し、200個の種子をHyg(50mg/L)上に播種しそして200個の種子をKm(200mg/L)+Hyg(50mg/L)上に播種して、トランスジーンの正常な伝達をチェックした。交配の大部分についてさまざまなトランスジーンの極めて正常な伝達があった(いくらかの交配について汚染問題および種子品質問題が起こったことに留意されたい(下記の表参照)):
Figure 2008534023
これらの12種の交配の各々から、WT SR1植物の受粉者として使用されるための少数のKm+Hyg子孫植物を温室に移した。これらの12種の交配から、各回3つのKm+Hyg植物が、下記のスキームに従ってWT SR1植物の受粉者として使用された:
Figure 2008534023
これらの交配の各子孫(下表参照)から、50の種子を非選択性基材上に播種して、発芽頻度を決定し、50の種子をカナマイシン上に播種してNTM19−I−SceIの伝達率を決定しそして約4000の種子をPPT上に播種して、1つの世代から他の世代への移行期間中のIHRの頻度を決定した。KmでもあるPPT実生の数は、1つの世代から他の世代への移行期間中にIHRの頻度に対するNTM19−I−SceIエンドヌクレアーゼによるDSB誘導の効果があるかないかを決定する。
22の子孫の子孫解析の結果を表A、BおよびCに要約する。
すべてのPPT実生はKmでもあるので、1つの世代から他の世代への移行期間中のIHRの頻度に対するNTM19−I−SceIの非常に強い効果がある。
PPTおよびGFP実生の大部分は、更に植物に発達せずそしてGFPの毒性効果により死滅したことに留意されるべきである。
Figure 2008534023
Figure 2008534023

*この表に記載された子孫は、同じ瞬間に播種された。漂白によるあまりにも強力に作用する滅菌により、悪い且つ異常な発芽があった(大部分の系統で<50%)。**これは、PPTおよびGFP実生の数/種子の数は、少なくとも補正係数2の過小評価であることを意味する。何故ならば、発芽頻度は大部分の系統で50%より少ないからである。
Figure 2008534023
更に、すべてのPPTおよびGFP実生は、実際にヒグロマイシン感受性であり、これはhyg遺伝子がIHRローカスにおける染色体内相同的組換えにより実際に除去されたことを証明する。
Figure 2008534023
18の子孫集団の分離解析から、1つの世代から他の世代への移行期間中のIHRの頻度に対するNTM19−I−SceIの非常に強い効果があると結論することができる。何故ならばすべてのPPT実生はKmでもあるからである。
SR1(雌)と04TDNT00000X−00Y間の交配の子孫は、普通は
NTM19−I−SceIエンドヌクレアーゼのみを有する25%
IHR構築物のみを有する25%
NTM19−I−SceIエンドヌクレアーゼ+IHR構築物の両方を有する25%
NTM19−I−SceIエンドヌクレアーゼもIHR構築物もない25%
に分離するであろう。
すべてのPPT実生がKmでもあるということは、NTM19小胞子特異的プロモーターのコントロール下のI−SceIエンドヌクレアーゼおよびIHR構築物の両方を含有する画分においてのみすべてのIHRリコンビナントが生じることを示す。我々の結果は、最善の場合には、NTM19−ISceIエンドヌクレアーゼ+IHR構築物の両方を含有する小胞子の11%までが、染色体内相同的組換えを受けて、欠陥のあるegfp−bar融合遺伝子(SR1x04TDNT000006−001)の回復をもたらすことを示す。機能的egfp−bar遺伝子をもたらすIHRリコンビナントは、IHR構築物のみを含有する画分において得られなかったので、我々は、自然に起こるIHR(小胞子におけるターゲティングされたDSB誘導の不存在下に)は起こらないかまたは自然に起こるIHRが起こるとしても、それは欠陥のあるegfp−bar融合遺伝子の回復をもたらさないと結論することができる。対照的に、小胞子におけるDSBで誘導されたIHRは、欠陥のあるegfp−bar融合遺伝子の回復をもたらすより正確な染色体内相同的組換えを可能とする。
配列分析は、小胞子におけるDSBで誘導されたIHRにより媒介された選択可能なマーカーの除去後にフットプリントが残っていないことを示した。
図1〜3は、植物の細胞に導入されるまたは導入されている関心のあるDNAの選ばれたサブ部分を除去するための方法の異なる態様を表す。それらは、説明の目的でのみ使用されそして特許請求の範囲を限定するために使用されるべきではない。
植物の細胞に選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子を含む選ばれたサブ部分を有する関心のあるDNAを導入し、次いで関心のあるDNAの選ばれたサブ部分を除去するための方法を示す略図である。Trait:任意の関心のあるDNA配列を示す。DSB:二本鎖切断誘導酵素(「DSBIE」)のための認識部位;SMG1:選択可能なマーカー遺伝子もしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子;drs:同方向反復配列;SMG2:DSBIEコードキメラ遺伝子と関連した選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子;MSP:小胞子特異的プロモーター;3’:転写終結およびポリアデニル化シグナル; 植物の細胞に選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子を含む選ばれたサブ部分を有する関心のあるDNAを導入し、次いで関心のあるDNAの選ばれたサブ部分を除去するための方法を示す略図である。Trait:任意の関心のあるDNA配列を示す。DSB:二本鎖切断誘導酵素(「DSBIE」)のための認識部位;SMG1:選択可能なマーカー遺伝子もしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子;drs:同方向反復配列;SMG2:DSBIEコードキメラ遺伝子と関連した選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子;MSP:小胞子特異的プロモーター;3’:転写終結およびポリアデニル化シグナル; ターゲットDNA配列を置換DNA配列と正確に置換することを可能とする方法の略図である。DSB1:第1二本鎖切断誘導酵素のための認識部位;FS1:フランキング配列1;FS2:フランキング配列2;DSB2:第2二本鎖切断誘導酵素のための認識部位;SMG1:選択可能なマーカー遺伝子1もしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子1;SMG2:選択可能なマーカー遺伝子2もしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子2;DSBIE:二本鎖切断誘導酵素;dr1:同方向反復配列1(フランキング配列2の一部である同方向反復配列2と類似したまたは同じである;本明細書では「部分的フランキングDNA領域」としても示される);MSP:小胞子特異的プロモーター;3’:転写終結およびポリアデニル化シグナル; ターゲットDNA配列を置換DNA配列と正確に置換することを可能とする方法の略図である。DSB1:第1二本鎖切断誘導酵素のための認識部位;FS1:フランキング配列1;FS2:フランキング配列2;DSB2:第2二本鎖切断誘導酵素のための認識部位;SMG1:選択可能なマーカー遺伝子1もしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子1;SMG2:選択可能なマーカー遺伝子2もしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子2;DSBIE:二本鎖切断誘導酵素;dr1:同方向反復配列1(フランキング配列2の一部である同方向反復配列2と類似したまたは同じである;本明細書では「部分的フランキングDNA領域」としても示される);MSP:小胞子特異的プロモーター;3’:転写終結およびポリアデニル化シグナル; ターゲットDNA配列を置換DNA配列と正確に置換することを可能とする、図2に示された方法と類似した方法の略図である。この場合のdr1は、フランキング配列1からの一部でありそして同方向反復配列2(dr2)と類似したまたは同一である同方向反復配列である。 ターゲットDNA配列を置換DNA配列と正確に置換することを可能とする、図2に示された方法と類似した方法の略図である。この場合のdr1は、フランキング配列1からの一部でありそして同方向反復配列2(dr2)と類似したまたは同一である同方向反復配列である。

Claims (27)

  1. 関心のあるDNA分子を植物細胞または植物のゲノムに導入し、次いで該関心のあるDNA分子のサブ配列を除去するための方法であって、
    a.前記植物細胞のゲノムに前記関心のあるDNA分子を導入し、その際前記関心のあるDNA分子は、同方向反復において配列された2つのDNA配列によりフランキングされた前記DNA分子の前記サブ配列を含みそして、同方向反復において配置された前記2つのDNA配列の付近に、好ましくは間に位置したレアクリービング二本鎖DNA切断誘導(DSBI)酵素のための少なくとも1つの認識部位を更に含み;
    b.前記関心のあるDNA分子が前記ゲノムに組み込まれている植物細胞を選択しそして該植物細胞から植物を再生させ;
    c.該植物をDSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む第2植物と交配させ、その際該キメラ遺伝子は、下記の作用的に連結されたDNAセグメント:
    i.小胞子特異的プロモーター;
    ii.前記認識部位を認識する二本鎖DNA切断誘導酵素をコードするDNA領域;
    iii.転写終結およびポリアデニル化領域;
    を含み;
    d.前記関心のあるDNA分子および前記DSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む子孫植物(F1植物)を選択し;
    e.該子孫植物を他の植物と交配させ、その際該子孫植物は花粉ドナーとして使用され;
    f.前記DSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む子孫植物の集団(F2集団)を選択し;そして、
    g.前記DNA分子のサブ配列が同方向反復において配置された前記2つのDNA配列間で相同的組換えにより欠失させられている子孫植物を選択する;
    工程を含む方法。
  2. h.前記DNA分子の前記サブ配列が欠失している前記子孫植物を他の植物と交配させ;そして
    i.子孫植物(F3植物)の集団を得、そして前記レアクリービングDSBI酵素コードキメラ遺伝子を含有していない植物を選択する、
    工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記関心のあるDNA分子の前記サブ配列が選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子を含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記DSB誘導酵素が、
    Figure 2008534023

    またはZnフィンガーDNA結合ドメインおよびDNA開裂ドメインを含むキメラエンドヌクレアーゼの群から選ばれるエンドヌクレアーゼである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記DSB誘導酵素がI−SceIである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記二本鎖DNA切断誘導酵素をコードする前記DNA領域が、配列番号1または配列番号2のヌクレオチド配列を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記小胞子特異的プロモーターが配列番号3のヌクレオチド配列またはその機能的フラグメントから選ばれるプロモーターフラグメントを含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記関心のあるDNA分子の前記サブ配列が、前記DSBI酵素のための2つの認識部位によりフランキングされている、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記DSBI酵素コードキメラ遺伝子がヌクレオチド1941から3913までの配列番号6のヌクレオチド配列を含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 植物のゲノムにおけるターゲットDNA配列を関心のあるDNA配列と交換するための方法であって、下記の工程:
    a.植物の細胞のゲノムにおける予め選ばれた部位において第1二本鎖DNA切断を誘導し、その際該予め選ばれた部位は、前記ターゲットDNA配列内に位置しているかまたは前記ターゲットDNA配列の付近に位置しており;
    b.関心のあるDNA分子を前記植物細胞に導入し、その際該DNA分子は、
    i.前記ターゲットDNA配列をフランキングしそして好ましくは前記植物細胞のゲノムにおける前記予め選ばれた部位をフランキングしているDNA領域に対して少なくとも80%配列相同性を有する2つのフランキングDNA領域の間に位置した前記関心のあるDNA配列;
    ii.前記フランキングDNA領域の間に位置した選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子であって、同方向反復配列において位置した前記フランキングDNA領域の1つと、部分的フランキングDNA領域として示された前記フランキングDNA領域の前記1つの少なくとも一部の別のコピーとの間に更に位置している、選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子;
    iii.同方向反復において位置した前記フランキングDNA領域の前記1つと前記部分的フランキングDNA領域との間に位置したDSBI酵素のための認識部位;
    を含み;
    c.前記選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカーを含む植物細胞の集団を選択し;
    d.前記選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカーが前記フランキングDNA領域を通じて相同的組換えにより導入されている植物細胞を選択し、そして該植物細胞から植物を再生させ:
    e.前記選択可能なマーカー遺伝子を含む前記再生された植物またはその子孫植物をDSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む植物と交配させ、その際該キメラ遺伝子は、下記の作用可能に連結されたDNAセグメント:
    iv.小胞子特異的プロモーター;
    v.前記関心のあるDNA内に位置した前記認識部位を認識する二本鎖DNA切断誘導酵素をコードするDNA領域;
    vi.転写終結およびポリアデニル化領域;
    を含み;
    f.前記選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子および前記DSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む子孫植物(F1植物)を選択し;
    g.前記子孫植物を他の植物と交配させ、その際該子孫植物は花粉ドナーとして使用され;
    h.前記DSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む子孫植物の集団(F2集団)を選択し;そして、
    i.前記選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子が、前記フランキングDNA領域の前記1つと前記フランキングDNA領域の前記1つの一部を含む部分的フランキングDNA領域との間の相同的組換えにより欠失させられている子孫植物を選択する;
    工程を含む方法。
  11. 前記予め選ばれた部位における前記第1二本鎖切断が、第1DSBI誘導酵素の導入により誘導され、その際前記第1DSBI誘導酵素は、前記関心のあるDNA内に位置したDSBI誘導酵素のための前記認識部位を認識しない、請求項10に記載の方法。
  12. 前記第1DSBI酵素および前記関心のあるDNA内に位置した前記予め選ばれた部位を認識する前記DSBI酵素が、
    Figure 2008534023

    またはZnフィンガーDNA結合ドメインおよびDNA開裂ドメインを含むキメラエンドヌクレアーゼの群から選ばれる2つの異なるDSBI酵素である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記関心のあるDNA内に位置したDSBI誘導酵素のための前記認識部位を認識する前記DSB誘導酵素がI−SceIである、請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記二本鎖DNA切断誘導酵素をコードする前記DNA領域が、配列番号1または配列番号2のヌクレオチド配列を含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記小胞子特異的プロモーターが配列番号3のヌクレオチド配列またはその機能的フラグメントから選ばれるプロモーターを含む、請求項10〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記DSBIコードキメラ遺伝子がヌクレオチド1941から3913までの配列番号6のヌクレオチド配列を含む、請求項10〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 請求項1〜9のいずれか1つに記載の方法により得ることができる植物。
  18. 請求項10〜16のいずれか1項に記載の方法により得ることができる植物。
  19. 下記の作用可能に連結されたDNAセグメント:
    i.小胞子特異的プロモーター;
    ii.前記関心のあるDNA内に位置した前記認識部位を認識する二本鎖DNA切断誘導酵素をコードするDNA領域;
    iii.転写終結およびポリアデニル化領域;
    を含むDSBI酵素コードキメラ遺伝子を含む植物。
  20. 前記小胞子特異的プロモーターが配列番号3のヌクレオチド配列またはその機能的フラグメントから選ばれるプロモーターフラグメントを含む、請求項19に記載の植物。
  21. 前記二本鎖DNA切断誘導酵素をコードする前記DNA領域が、配列番号1または配列番号2のヌクレオチド配列を含む、請求項19に記載の植物。
  22. 前記DSBI酵素コードキメラ遺伝子が、ヌクレオチド1941からヌクレオチド3913までの配列番号6のヌクレオチド配列を含む、請求項19に記載の植物。
  23. 下記の作用可能に連結されたDNAセグメント:
    i.小胞子特異的プロモーター;
    ii.前記関心のあるDNA内に位置した前記認識部位を認識する二本鎖DNA切断誘導酵素をコードするDNA領域;および
    iii.転写終結およびポリアデニル化領域;
    を含むキメラ遺伝子。
  24. 前記DNA領域が、
    Figure 2008534023

    またはZnフィンガーDNA結合ドメインおよびDNA開裂ドメインを含むキメラエンドヌクレアーゼから選ばれる二本鎖DNA切断誘導酵素をコードする、請求項23に記載のキメラ遺伝子。
  25. 配列番号1または配列番号2のヌクレオチド配列を含む請求項23に記載のキメラ遺伝子。
  26. 前記小胞子特異的プロモーターが、配列番号3のヌクレオチド配列またはその機能的フラグメントからのプロモーターフラグメントを含む、請求項23〜25のいずれか1項に記載のキメラ遺伝子。
  27. 前記ターゲット配列内のまたはその付近の予め選ばれた部位における二本鎖切断の誘導により植物細胞のゲノム内のターゲットDNA配列を関心のあるDNA配列と交換するためのDNAベクターであって、
    a.前記ターゲットDNA配列をフランキングしそして前記予め選ばれた部位をフランキングしているDNA領域に対する少なくとも80%配列相同性を有する2つのフランキングDNA領域間に位置する前記関心のあるDNA配列;
    b.前記フランキングDNA領域の間に位置した選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子であって、同方向反復において位置した、前記フランキングDNA領域の1つと前記フランキングDNA領域の前記1つの一部を含む部分的フランキングDNA領域との間に更に位置している選択可能なもしくはスクリーニング可能なマーカー遺伝子;および
    c.同方向反復において位置した前記フランキングDNA領域の前記1つと前記部分的フランキングDNA領域との間に位置したDSBI酵素のための認識部位;
    を含むDNAベクター。
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