JP2008534021A - 液胞のpHと関連する植物遺伝子配列およびその使用 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は一般に、植物分子生物学の分野および植物生理学的または生化学的特性の操作において有用な作用物質に関する。より特に、本発明は、細胞、細胞の集団、オルガネラ、植物の部分、または植物の生殖部分における酸性またはアルカリ性のレベルを調整または変更することができる遺伝子またはタンパク質作用物質を提供する。さらにより特に、本発明は、植物の細胞、細胞の集団、オルガネラ、部分、または生殖部分におけるpHレベルを調整または変更するための方法および作用物質を企図する。本発明はさらに、非遺伝子改変植物と比べて変更された液胞pHを示す細胞を有する花または花を付ける部分を含む遺伝子改変植物、植物部分、子孫、その後の世代、および生殖材料を提供する。本発明はまたさらに、植物における花色を調整または変更するための方法を提供する。さらにより特に、本発明は、植物における;とりわけ花におけるより青い色を結果的にもたらす植物におけるpHの下方調節を提供する。
本明細書における任意の先行技術に対する参照は、本先行技術が任意の国における共通の一般的知識の部分を形成するという承認または任意の形態の示唆ではなく、および本先行技術が任意の国における共通の一般的知識の部分を形成するという承認または任意の形態の示唆と解されるべきではない。
本明細書を通じて、文脈上別様に解釈される必要がなければ、「含む(comprise)」という用語、または「含む(comprises)」もしくは「含む(comprising)」などの変化形は、明示された要素もしくは整数または要素もしくは整数の集団の含有を意味するが、任意のその他の要素もしくは整数または要素もしくは整数の集団の除外を意味しないと理解されると考えられる。
本発明に従って、pHを調整または変更する活性を有するポリペプチドをコードする核酸配列を同定し、クローン化し、および評価した。本発明の組換え遺伝子配列は、例えば、デノボ発現、過剰発現、センス抑制、アンチセンス阻害、リボザイム活性、ミニザイム活性、およびDNAザイム活性、RNAi誘導もしくはメチル化誘導、またはその他の転写もしくは転写後サイレンシング活性によって、pHを調整もしくは変更する活性をコードする遺伝子または核酸の発現の調整を可能にする。RNAi誘導は、1つまたは2つの1本鎖ヌクレオチド突出を有する、ヘアピン、短い2本鎖DNAまたはRNA、および部分的2本鎖DNAまたはRNAなどの遺伝子分子を含む。植物における液胞のpHを制御する能力は、それによって、pH変化に反応して花弁色を操作することを可能にする。さらに、本発明は、花、果実、種子、野菜、葉、茎、およびそれらと同様のものを含む植物およびその生殖または栄養部分にまで及ぶ。本発明はさらに、観賞用トランスジェニック植物または遺伝子改変植物にまで及ぶ。「トランスジェニック」という用語はまた、子孫植物ならびに初代のトランスジェニック植物由来のその後の遺伝子操作および/または交配由来の植物を含む。
(i)転写および/もしくは翻訳調節領域、ならびに/もしくはコード領域および/もしくは非翻訳配列(すなわち、イントロン、5'および3'非翻訳配列)からなる古典的ゲノム遺伝子;または、
(ii)遺伝子のコード領域(すなわち、エキソン)ならびに5'および3'非翻訳配列に対応するmRNAもしくはcDNA。
「組換えポリペプチド」は、直接的もしくは間接的にヒトの介入によって細胞に導入されたか、または細胞の親もしくはその他の親類もしくは前駆体に導入されたヌクレオチド配列によってコードされるポリペプチドを意味する。組換えポリペプチドはまた、無細胞の、インビトロ転写系を用いて作られてもよい。「組換えポリペプチド」という用語は、単離されたポリペプチドまたは細胞もしくは細胞調製物に存在する場合を含む。それはまた、本ポリペプチドを産生する細胞から再生された植物または植物の部分の中にある。
一般的方法
一般に、以下の方法は、Sambrook et al.(1989, 前記)、またはSambrook and Russell,Molecular Cloning:A Laboratory Manual 第3版, Cold Spring Harbor Laboratories, Cold Spring Harbor, NY, USA, 2001、またはPlant Molecular Biology Manual(第2版), Gelvin and Schilperoot(編), Kluwer Academic Publisher, The Netherlands, 1994、またはPlant Molecular Biology Labfax, Croy(編), Bios scientific Publishers, Oxford, UK, 1993に記載された通りであった。
ペチュニア(Petunia hybrida)栽培品種M1×V30花を以下のように定義した発生段階で収穫した:
段階1:色が付いていない花芽(長さ10mm未満)
段階2:色が付いていない花芽(長さ10〜20mm)
段階3:かすかに色が付いた閉じた花芽(長さ20〜27mm)
段階4:色が付いた閉じた花芽(長さ27〜35mm)
段階5:完全に色が付いた閉じた花芽(長さ35〜45mm)
段階6:新生の花冠を有する完全に色が付いた芽(長さ45〜55mm)
段階7:完全に開いた花(長さ55〜60mm)
cDNA-AFLPスクリーニングで用いたペチュニア株は、R27(野生型(wt))、W225(an1、R27バックグラウンドにおけるフレームシフト突然変異)、R144(R27バックグラウンドにおけるPH3中のph3-V2068トランスポゾン挿入)、R147(R27バックグラウンドにおけるPH4中のph4-X2058トランスポゾン挿入)、およびR153(R27バックグラウンド内に交配されたPH5中のph5トランスポゾン挿入)であった。全ての株は遺伝的に同一のバックグラウンドを有し、および転写産物レベルの違いをもたらし得る環境的条件の違いを減らすために、植物を温室の中で互いに隣接して生育した。
Holton et al.(Nature, 366:276-279, 1993)もしくはBrugliera et al,(Plant J. 5, 81-92, 1994)もしくはde Vetten N et al(Genes and Development 11:1422-1434, 1997)に記載された通り、または当技術分野において周知の任意のその他の方法による。
ペチュニア花弁cDNAライブラリーを、Holton et al.(1993, 前記)またはBrugliera et al,(1994, 前記)またはde Vetten N et al(1997, 前記)に記載されたような標準的な方法を用いてR27花弁から調製した。
以前に記載されたようなペチュニア花弁の粒子衝突によって、一過性発現アッセイを行なった(de Vetten et al, 前記;Quattrocchio et al, Plant J. 13, 475-488, 1998)。
6mL蒸留水中で2つの花冠の花弁舷部をすり潰すことによって花弁抽出物のpHを測定した。大気のCO2が抽出物のpHを変更するのを避けるために、pHを通常のpH電極で直接(1分以内で)測定した。
HPLC解析はde Vetten N et al.(Plant Cell 11(8):1433-1444, 1999)に記載された通りであった。TLC解析はHouwelingen et al,(Plant J. 13(1):39-50, 1998)に記載された通りであった。
Geneworks(Intelligenetics, Mountain View, CA)というプログラムでヌクレオチドおよび予測アミノ酸配列を解析した。デフォルト設定(マトリックス=ブラッサム;GAPOPEN=0、GAPEXT=0、GAPDIST=8、MAXDIV=40)を用いたClustal Wというプログラムのウェブを基にした版(http://dot.imgen.bcm.tmc.edu:9331/multi-align/multi-align.html)で多重配列アラインメントを作成した。同じウェブサイト経由のPHYLIP(ブートストラップカウント=1000)で系統樹を構築し、およびTreeviewer第1.6.6版で可視化した(http://taxonomy.zoology.gla.ac.uk/rod/rod.html)。
de Vetten et al,(1997, 前記)によって記載された通り、RNA単離およびRT-PCR解析を実行した。Frohman et al.(PNAS 85:8998-9002, 1988)によって記載された通り、cDNA(3')末端の急速増幅(RACE)を行なった。
転写産物プロファイル解析
anl-、ph3-、およびph4-突然変異体で下方調節されている転写産物を同定するために、cDNA-AFLPおよびマイクロアレイ解析の組み合わせを利用した。結果のまとめは表3に示されている。
ORF=オープンリーディングフフレーム
TBD=行なわれるべき
CAC=cDNA-AFLPを用いて同定された転写産物
MAC=マイクロアレイを用いて同定された転写産物
NCBI-Blast検索=公知の配列に対する任意の類似性は、National Center for Biotechnology Information(NCBI)ウェブサイト(2005年2月現在)上のBLAST検索(Altschul et al. Nucl. Acids Res. 25:3389-3402, 1997)を用いることによって発見された。
cDNA-AFLPの記載
MseI+NN/EcoRI+NNの256プライマーの組み合わせを用いて、全転写産物のおよそ25%に及ぶおよそ20,000断片を解析した。80断片をゲルから単離し、ならびに野生型およびan1、ph2、ph3、ph4、ph5突然変異体を含むペチュニア突然変異体株から単離されたトータルRNAのRT-PCRによって20をさらに特徴付けた。これらの断片(表3参照)のうちの16は、野生型、ph2、およびph5ペチュニア株におけるそれらの発現レベルと比べてan1、ph3、およびph4ペチュニア株で下方調節されていると確認された。
ペチュニア株R27(野生型)、W225(an1-)、R144(ph3-)、R147(ph4-)、およびR153(ph5-)をcDNA-AFLPスクリーニングで用いた。およそ25〜30の花芽(花発生段階5、6)を各ペチュニア株から収穫し、および−70℃で保存した。Logemann et al.(Anal Biochem. 163(1):16-20, 1987)に従って、10の花冠からトータルRNAを抽出した。その後、ポリAトラクト(登録商標)系(PROMEGA)プロトコルに従って、磁気ビーズと結合したオリゴ(dT)を用いて、500マイクログラムのトータルRNAからポリA+ RNAを単離した。その後、GIBCO-BRL Superscript II系を用いて、1マイクログラムのポリA+ RNAを2本鎖(ds)cDNA合成用に用いた。ds cDNAの合成後、cDNAをフェノール抽出し(Sambrook et al, 2001, 前記)、ならびにcDNAを塩およびエタノールの添加によって沈殿させた。その後、DNAペレットを30μLの蒸留水中で再懸濁した。
cDNA-AFLP解析用の鋳型調製のために、制限エンドヌクレアーゼMseI(4塩基認識配列を消化する)およびEcoRI(6塩基認識配列を消化する)を用いた。アダプター(MseI部位用のPCRアダプターおよびEcoRI部位用のPCRアダプターをそれぞれ形成するための互いにアニールしたMse A1(SEQ ID NO:7)およびMse A2(SEQ ID NO:8)ならびにまた互いにアニールしたEcoA1(SEQ ID NO:14)およびEcoA2(SEQ ID NO:15))のMseIおよびEcoRI末端へのライゲーションと組み合わせて、両方の制限エンドヌクレアーゼでcDNAを消化した。各々の「制限-ライゲーション」反応を、24μL ds cDNA、10μL 5×RL緩衝剤(50mM Tris HAc pH7.5、50mM MgAc、250mM KAc、25mM DTT、250μg/μL BSA)、0.1μL 100mM ATP、5ユニット MseI(New England Biolabs)、5ユニット EcoRI(New England Biolabs)、50pmol MseIアダプター(Mse A1およびMse A2)(SEQ ID NO:7および8)、および50pmol EcoRIアダプター(EcoA1およびEcoA2)(SEQ ID NO:14および15)を含む50μLの全容量で行なう。アダプターはそれまでに2分間煮沸しておき、その後反応へのそれらの添加の前に室温までゆっくりと冷ました。「制限-ライゲーション」反応を37℃で4時間インキュベートした。
増幅前に、cDNA鋳型を水で10倍に希釈し、その後タッチダウンPCRプログラムで1ヌクレオチド選択的伸長(EcoRI+N、MseI+N)プライマー(SEQ ID NO:10〜13およびSEQ ID NO:16〜19)(表4参照)と共に、10μLの容量を第1の、非放射性の、PCR増幅工程で用いた。PCRサイクルは、94℃変性工程、その後17サイクルにわたる65℃で始め、かつ0.7℃ずつ56℃まで低下させる温度での30秒のアニーリング工程、その後18サイクルの56℃ 30秒間、および最後に72℃で1分間の延長工程を含んだ。この第1のPCRからの8マイクロリットルの産物を1%アガロースゲルを通して電気泳動し、および200〜750bpの間の期待されるDNAスメアーを検出した。その後、0.5μLのこれらの産物を、以前に記載されたようなタッチダウンPCRプログラムによる標準的なPCR条件で、2ヌクレオチド伸長(EcoRI+NN、MseI+NN)プライマー(SEQ ID NO:20〜51)(表5参照)を用いた1秒「ホット」PCRにおける鋳型として用いた。50ngプライマー、5μL 10×T4キナーゼ緩衝剤、10μL 33P-CTP、24μL水、および9ユニットT4ポリヌクレオチドキナーゼを含む反応において、第2のPCRにおけるEcoRIプライマーを33Pで放射性標識した。反応を37℃で1時間インキュベートし、その後10分間65℃での処理によるT4キナーゼの不活性化を行なった。
5%変性ポリアクリルアミドゲルを通して電気泳動することにより、反応産物を解析した。電気泳動後、ゲルをスラブゲル乾燥機の上で乾燥させ、その後終夜感光させた。その後、Phosphor撮像装置(Molecular Dynamics, Sunnyvale, CA, USA)を用いて、反応産物の放射性標識シグナルを検出した。
類似性E-値=アラインされた配列に対する相対的同一性を示すBLASTX検索によって作成されたパラメーター。E-値が0により近ければ近いほど、一致はより重大である。
NSS=配列類似性なし
マイクロアレイ解析
マイクロアレイハイブリダイゼーション用に、野生型(R27)およびan1-突然変異体(W225)の両方の発生段階5の花弁組織を用いて、供給元のプロトコル(ポリAトラクトmRNA単離系III, Promega)に従って、ポリA+ RNAを単離した。マイクロアレイを調製し、およびVerdonk et al.(Phytochemistry 62:997-1008, 2003)によって記載された条件を用いてハイブリダイズさせた。
マイクロ上にスポットされた1415のESTのうち、9つのESTがan1突然変異体ペチュニア株(W225)において10倍よりも多く下方調節されていることが分かった。これらの配列のうちの5つは、以前に同定および特徴付けされた遺伝子を表した(表7参照)。野生型およびan1、ph2、ph3、ph4、ph5突然変異体を含むペチュニア突然変異体株から単離されたトータルRNAのRT-PCRによって、4つのESTをさらに特徴付けた。これらのESTのうちの2つ(MAC F55およびMAC 9F1)は、an1ペチュニア株で下方調節されていると確認された。
ペチュニアでの発現用のRNAi構築物の構築
花表皮細胞の液胞内腔の酸性化におけるこれらの遺伝子の役割を評価するために、内在性遺伝子をサイレンシングする目的で、各々の遺伝子の逆反復構築物を野生型ペチュニア植物で発現させた、または発現させる。
MAC F55クローンは、形質膜ATPアーゼ(PPM1、ペチュニア形質膜ATPアーゼ1)(SEQ ID NO:1)をコードし、および既に単離されているATPアーゼと比較的高い配列同一性を有する。しかしながら、本ATPアーゼ遺伝子ファミリーの異なるメンバーのアラインメントによって、PPM1は、シロイヌナズナ(Arabidopsis)由来のAHA10およびタバコ(Tobacco)由来のPMA9と一緒にクラスIIIの中でグループを成すことが示されている(Arango et al. Planta, 216:335-365, 2003)。これらのタンパク質は全て、ポンプの活性を調節する14.3.3因子との相互作用の部位を表す、C末端部分において、その他の形質ATPアーゼから分岐している。細胞局在および機能は、このグループのどのメンバーについても今までに定義されておらず、PPM1が形質膜以外のその他の細胞膜に存在する可能性が開かれたままである。Baxterら(PNAS, 102:2649-2654, 2005)による最近の刊行物は、シロイヌナズナAHA10突然変異体の解析を記載している。AHA10は、プロアントシアニジンおよび液胞生合成に特異的な効果を有すると記載された。特徴付けされたaha10突然変異体は、それらの種子殻におけるプロアントシアニジンのレベルを減少させ、および種子殻内皮細胞は、野生型種子において観察されるような1つの中心液胞ではなく、多くの小さい液胞を示していた。
ペチュニアR27花弁cDNAライブラリーをPPM1の32P標識断片でハイブリダイズした。PPM1断片は、ペチュニア花弁から単離されたRNA由来の鋳型としての第1鎖cDNAならびにプライマー#1702(SEQ ID NO:52)および#1703(SEQ ID NO:53)によるPCR増幅を用いて作製した。製造元のプロトコルに従って、cDNAの2重5'急速増幅(5'/3'-RACEキット第2世代, Roche, USA)を用いて、全長PPM1配列を得た。プライマー#1703(SEQ ID NO:53)、#1742(SEQ ID NO:55)、および#1832(SEQ ID NO:61)を第1の5'-RACEのために用い、一方プライマー#1789(SEQ ID NO:58)、#1812(SEQ ID NO:59)、および#1831(SEQ ID NO:60)を第2の5'-RACEのために用いた。
クローンMAC 9F1のヌクレオチドおよび派生アミノ酸配列(それぞれSEQ ID NO:3および4)は、それぞれ任意の同定された核酸配列または公知の機能のタンパク質との明確な相同性を示さない。しかしながら、9F1の逆反復がペチュニア野生型植物で発現された場合、9F1内在性遺伝子のサイレンシングは、増大した花抽出物pHを伴う青い花を結果的にもたらした。
表10に記載されたプライマーおよび上で記載されたようなGateway系を用いて、9F1の逆反復構築物、pK7GWIWG2(I) MAC9F1(図3)を調製した。
クローンCAC16.5のヌクレオチドおよび派生アミノ酸配列をそれぞれSEQ ID NO:5および6に示す。予測アミノ酸配列はシステインプロテアーゼとの比較的高い相同性を示している。これらの酵素の局在は典型的には液胞であり、およびそれらの活性は比較的低い環境pHに依存している。
表11に記載されたプライマーおよび上で記載されたようなGateway系を用いて、CAC16.5の逆反復構築物、pK7GWIWG2(I) CAC16.5(図4)を調製した。
その他の種からのpHを調整するcDNAの単離
ペチュニア属の一種(Petunia sp.)、ルリマツリ属の一種(Plumbago sp.)、ブドウ属の一種(Vitis sp.)、ホザキアヤメ(Babiana stricta)、マツ属の一種(Pinus sp.)、トウヒ属の一種(Picea sp.)、カラマツ属の一種(Larix sp.)、インゲン属の一種(Phaseolus sp.)、ナス属の一種(Solanum sp.)、スノキ属の一種(Vaccinium sp.)、シクラメン属の一種(Cyclamen sp.)、アイリス属の一種(Iris ap.)、ペラルゴニウム属の一種(Pelargonium sp.)、ゼラニウム属の一種(Geranium sp.)、エンドウ属の一種(Pisum sp.)、レンリソウ属の一種(Lathyrus sp.)、チョウマメ属の一種(Clitoria sp.)、ニチニチソウ属の一種(Catharanthus sp.)、ゼニアオイ属の一種(Malvia ap.)、ムクナ属の一種(Mucuna sp.)、ソラマメ属の一種(Vicia sp.)、セントポーリア属の一種(Saintpaulia ap.)、サルスベリ属の一種(Lagerstroemia sp.)、チボウチナ属の一種(Tibouchina sp.)、ヒポカリプツス属の一種(Hypocalyptus sp.)、ツツジ属の一種(Rhododendron sp.)、リナム属の一種(Linum sp.)、マクロプティリウム属の一種(Macroptilium sp.)、フヨウ属の一種(Hibiscus sp.)、アジサイ属の一種(Hydrangea sp.)、サツマイモ属の一種(Ipomoea sp.)、ニコチアナ属の一種(Nicotiana sp.)、シンビジウム属の一種(Cymbidium sp.)、ナツフジ属の一種(Millettia sp.)、イワオウギ属の一種(Hedysarum sp.)、ハギ属の一種(Lespedeza sp.)、アサヒカズラ属の一種(Antigonon sp.)、エンドウ属の一種、ベゴニア属の一種(Begonia sp.)、ヤグルマギク属の一種(Centaurea sp.)、ツユクサ属の一種(Commelina sp.)、バラ属の一種(Rosa sp.)、ナデシコ属の一種(Dianthus sp.)(カーネーション)、キク属の一種(Chrysanthemum sp.)(キク)、ガーベラ属の一種(Gerbera sp.)、リンドウ属の一種(Gentiana sp.)、トレニア属の一種(Torenia sp.)、ニーレンベルギア属の一種(Nierembergia sp)、リアトリス属の一種(Liatrus sp.)などのような、しかしこれらに限定されない様々な種において、数多くの色のアントシアニンが産生されている。
PPM1(SEQ ID NO:2)、MAC9F1(SEQ ID NO:4)、およびCAC16.5(SEQ ID NO:6)、またはそのように同定されたその他の配列などのpHを調整するポリペプチドの存在は、これらのタンパク質をコードする遺伝子の出現と相関した。その他の種由来のそのような遺伝子は、低いストリンジェンシーの条件下においてPPM1(SEQ ID NO:1)、MAC9F1(SEQ ID NO:3)、およびCAC16.5(SEQ ID NO:5)などのペチュニア配列とハイブリダイズすることが期待されると考えられる。この一例として、多数の花の種からDNAを単離し、ならびに分画したDNAを膜に転写し、および(i)32P標識バラPPM1(SEQ ID NO:98)、図5、または(ii)32P標識ペチュニアMAC9F1(SEQ ID NO:3)およびペチュニアCAC16.5(SEQ ID NO:5)、それぞれ図6および7とハイブリダイズさせるサザン解析に供した。それゆえ、pHを調整するタンパク質をコードすると同定された遺伝子由来のペチュニアまたはバラプローブを用いて、花の種からpHを調整する遺伝子を単離することが可能であるはずである。
驚くべきことにその他の代謝経路にはいかなる明確な影響も与えずに花弁液胞のpHを調整する配列(SEQ ID NO:1〜6)の同定により、様々な分子生物学および/またはタンパク質化学の方法による任意のその他の種からの類似の配列の単離の可能性が考慮に入れられる。これらは、花弁組織から単離されたRNA由来のcDNAライブライリーの調製、標識されたペチュニア配列(SEQ ID NO:1、3、および5)をプローブとして用いた低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件を用いた花弁cDNAライブラリーのスクリーニング、ハイブリダイズする精製cDNAクローンのシークエンシングならびにこれらの配列のペチュニア配列(SEQ ID NO:1〜6)との比較ならびに任意の配列同一性および類似性の探索、単離されたcDNAの発現プロファイルの決定および花弁で優先的に発現しているクローンの選択、例えば、アンチセンス発現、共抑制、またはRNAi発現を用いて特定の配列が植物でサイレンシングされるのを可能にする遺伝子構築物の調製を含むが、これらに限定されない。理想的には、関心対象の植物はまたデルフィニジン(またはその誘導体)を産生していると考えられる。これは、国際特許出願PCT/AU92/00334および/またはPCT/AU96/00296および/またはPCT/JP04/11958および/またはPCT/AU03/01111で記載されたようなフラボノイド3'、5'水酸化酵素(F3'5'H)配列を発現することによって達成し得る。
Turpen and Griffith(BioTechniques 4:11-15, 1986)の方法を用いて、花の花弁組織からトータルRNAを単離する。oligotex-dT(商標)(Qiagen)を用いて、または3サイクルのオリゴ-dTセルロースクロマトグラフィーによって、ポリ(A)+ RNAをトータルRNAより選択する(Aviv and Leder, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69:1408, 1972)。
ヘルパーファージR408(Stratagene, USA)を用いて、製造元によって記載されている方法を用いて、増幅されたλZAPIIまたはλZAP cDNAライブラリー由来のcDNAインサートを含むpBluescriptファージミドを切り取る。
ハイブリダイゼーションの前に、複製プラークリフトを予洗溶液(50mM Tris-HCl pH 7.5、1M NaCl、1mM EDTA、0.1%(w/v)サルコシン)中で、65℃で30分間洗浄し;次いで0.4M水酸化ナトリウム中で、65℃で30分間洗浄し;その後、0.2M Tris-HCl pH 8.0、0.1×SSC、0.1%(w/v)SDSの溶液中で、65℃で30分間洗浄し、および最後に2×SSC、1.0%(w/v)SDS中で濯いだ。
上で記載されている手順および製造元によって推奨されている手順に従って、バラ花弁組織から単離されたトータルRNAおよびλZAP cDNA合成キット(Stratagene)を利用して、バラ(栽培品種、「ローテローゼ」)花弁cDNAライブラリーを構築した。このように、バラPPM1 cDNAの単離用に3×105 pfuのライブラリーを構築した。
94℃ 1分×1
94℃ 30秒、55℃ 30秒、72℃ 1分×25
72℃ 7分×1
カーネーションPPM1 cDNAのスクリーニングは、組み合わせたバラおよびペチュニアプローブまたは個々のプローブのいずれかを利用することができた。最初に、バラPPM1を用いてカーネーションcDNAライブラリーをスクリーニングした。
20マイクログラムのトータルRNAを段階1、2、および3のコルチナシャネル花から単離し、ならびに1×Superscript(商標)反応緩衝剤、10mMジチオスレイトール(DTT)、500μM dATP、500μM dGTP、500μM dTTP、500μM 5-メチル-dCTP、2.8μg ZAP-cDNAギガパックIIIゴールドクローニングキット(Stratagene)由来のプライマーリンカーオリゴ、および2μl Superscript(商標)逆転写酵素(BRL)を含む50μl容量中で逆転写した。反応混合物を37℃で60分間インキュベートし、その後氷上に置いた。ZAP-cDNAギガパックIIIゴールドクローニングキット(Stratagene)を用いてライブラリー構築を完遂した。組み換え体の総数は2.4×106であった。
pHを調整する配列の使用
通常デルフィニジンを基にした色素を産生せず、ならびにジヒドロフラボノール、特にジヒドロケンフェノールおよび/またはジヒドロケルセチンに水酸基を入れることができるフラボノイド3' 5'水酸化酵素を含まない種または種の栽培品種における花弁液胞のpHを調整する(増大または減少させる)ために、(国際特許出願PCT/AU92/00334および/もしくはPCT/AU03/0111で記載されたようなF3'5'H遺伝子などの、しかしこれらには限定されない)F3'5'H遺伝子ならびにpHを調整または変更する配列の組み合わせを含む構築物を通常デルフィニジンを基にした色素を産生しない種に導入した。そのような植物は、バラ、カーネーション、キク、ガーベラ、ラン、ユーホルビア(Euphorbia)、ベゴニア(Begonia)、およびリンゴを含んでもよいが、これらに限定されない。
驚くべきことにその他の代謝経路にはいかなる明確な影響も与えずに花弁液胞のpHを調整する配列(SEQ ID NO:1〜6)の同定により、様々な分子生物学および/またはタンパク質化学の方法による任意のその他の種からの類似の配列の単離の可能性が考慮に入れられる。これらは、花弁組織から単離されたRNA由来のcDNAライブライリーの調製、標識されたペチュニア配列(SEQ ID NO:1、3、および5)をプローブとして用いた低いストリンジェンシーのハイブリダイゼーション条件を用いた花弁cDNAライブラリーのスクリーニング、ハイブリダイズする精製cDNAクローンのシークエンシングならびにこれらの配列のペチュニア配列(SEQ ID NO:1〜6)との比較ならびに任意の配列同一性および類似性の探索、単離されたcDNAの発現プロファイルの決定および花弁で優先的に発現しているクローンの選択、例えば、アンチセンス発現、共抑制、またはRNAi発現を用いて特定の配列が植物でサイレンシングされるのを可能にする遺伝子構築物の調製を含むが、これらに限定されない。理想的には、関心対象の植物はまたデルフィニジン(またはその誘導体)を産生していると考えられる。これは、国際特許出願PCT/AU92/00334および/またはPCT/AU96/00296および/またはPCT/JP04/11958および/またはPCT/AU03/01111で記載されたようなフラボノイド3'、5'水酸化酵素(F3'5'H)配列を発現することによって達成し得る。
Turpen and Griffith(BioTechniques 4:11-15, 1986)の方法を用いて、花の花弁組織からトータルRNAを単離する。oligotex-dT(商標)(Qiagen)を用いて、または3サイクルのオリゴ-dTセルロースクロマトグラフィーによって、ポリ(A)+RNAをトータルRNAより選択する(Aviv and Leder, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 69:1408, 1972)。
ヘルパーファージR408(Stratagene, USA)を用いて、製造元によって記載されている方法を用いて、増幅されたλZAPIIまたはλZAP cDNAライブラリー由来のcDNAインサートを含むpBluescriptファージミドを切り取る。
ハイブリダイゼーションの前に、複製プラークリフトを予洗溶液(50mM Tris-HCl pH 7.5、1M NaCl、1mM EDTA、0.1%(w/v)サルコシン)中で、65℃で30分間洗浄し;次いで0.4M水酸化ナトリウム中で、65℃で30分間洗浄し;その後、0.2M Tris-HCl pH 8.0、0.1×SSC、0.1%(w/v)SDSの溶液中で、65℃で30分間洗浄し、および最後に2×SSC、1.0%(w/v)SDS中で濯いだ。
バラ花弁におけるバラPPM1の下方調節または遺伝子ノックアウトを目指した植物形質転換ベクターの構築の基礎として、バラPPM cDNAを用いた。したがって、バラPPM1のノックアウトは花弁液胞のpHの上昇および花色の変化をもたらすと考えられた。遺伝子ノックアウトを達成するために、バラPPM1用のdsRNAの産生を目指した戦略を用いた。したがって、cDNAの5'配列の600bpを用いてヘアピン構造を人工的に作製し、およびバイナリーベクターpBinPLUSの中のCaMV 35S:大量発現カセットに組み入れた。この構築物をpSFL631と名付けた(図8)。下に記載された方法に従って、バラ組織の形質転換の準備として、それをアグロバクテリウム トゥメファシエンスに導入した。花弁組織に対するバラPPM1ノックアウトカセットの発現の確認を目指したさらなる構築物が現在進行中である。そのような戦略の一例は、バラCHSプロモーターの使用を含むと考えられる。アントシアニン生合成経路のその他の遺伝子は、望み通りに遺伝子カセットの発現を花弁に限定するためのプロモーターの有用な供給源であると考えられる。RNAiなどの技術を用いて、標的遺伝子を下方調節またはサイレンシングするように典型的に設定されたpHを調整する配列の発現である、(i)遺伝子ノックアウトまたはサイレンシング、および(ii)遺伝子発現の特異性を変更するために、さらなる構築物に含まれる配列の操作を用いる。そのようなpHを調整する配列は、バラ由来のPPM1、MAC9F1、およびCAC16.5相同体を含むと考えられる。
カーネーション花弁におけるバラPPM1の下方調節または遺伝子ノックアウトを目指した植物形質転換ベクターの構築の基礎として、カーネーションPPM cDNAを用いる。したがって、カーネーションPPM1のノックアウトは花弁液胞のpHの上昇および花色の変化をもたらすと考えられる。遺伝子ノックアウトを達成するために、カーネーションPPM1用のdsRNAの産生を目指した戦略を用いるべきである。したがって、PPM1配列に特異的な領域由来のcDNAの配列を用いてヘアピン構造を人工的に作製し、ならびに(i)構成的、および(ii)花弁特異的遺伝子発現カセットの両方に組み入れる。前者においてはCaMV 35S発現カセット(CaMV 35Sプロモーターおよびターミネーターエレメント)ならびに後者においてはカーネーション由来の花弁特異的プロモーター。カーネーションANS遺伝子由来プロモーターは、人工的に改変され得る花弁特異的発現用のプロモーターの一例である。アントシアニン経路遺伝子は、花弁特異的遺伝子発現を制御するためのプロモーターの有用な供給源を提供する。しかしながら、そのような発現はこれらのプロモーターの使用に限られない。dsRNA(RNAi)遺伝子サイレンシング構築物は、全て35SプロモーターまたはカーネーションANS遺伝子由来のプロモーターなどの花弁特異的プロモーターの制御下にある介在する182bpイントロンを伴う500bp逆反復を基にしている。
BamHIを用いてイントロンをpCGP1275(図9)にクローン化し、pCGP1275iを創出する。その後、XbaI/BamHIを用いてセンスカーネーションPPM1(carnPPM1)をpCGP1275iにクローン化し、pCGP1275i-s-carnPPM1を創出する。その後、PstI/XbaIを用いてアンチセンスPPM1をpCGP1275i-s-carnPPM1にクローン化し、pCGP3210(図10)を創出する。
その後、carnPPM1/ANSカセットをpCGP3210からXhoI(ブラント)で切り出してバイナリー形質転換ベクターpWTT2132(図11)にライゲートし、バイナリー形質転換ベクターpCGP3211(図12)を創出する。
carnPPM1/ANSカセットを再びpCGP3210 からXhoI(ブラント)で切り出し、およびpBinPLUS KpnI(ブラント)にライゲートし、バイナリー形質転換ベクターpCGP3215(図13)を創出する。
carnPPM1/ANSカセットを再びpCGP3210から切り出してpCGP2355(図14)にライゲートし、バイナリー形質転換ベクターpCGP3217(図15)を創出する。
BamHIを用いてカーネーションANSイントロンをpCGP2756(図16)にクローン化し、pCGP2756iを創出する。その後、EcoRI/BamHIを用いてcarnPPM1をpCGP2756iにクローン化し、pCGP2756i-s-carnPPM1を創出する。その後、SacI/XbaIを用いてアンチセンスPPM1をpCGP2756i-s-carnPPM1にクローン化し、pCGP3212(図17)を創出する。
その後、carnPPM1/ANSカセットをpCGP3212からPstIで切り出してpWTT2132にライゲートし、バイナリー形質転換ベクターpCGP3213(図18)を創出する。
その後、carnPPM1/ANSカセットをpCGP3212からHindIIIで切り出してpWTT2132にライゲートし、バイナリー形質転換ベクターpCGP3214(図19)を創出する。
carnPPM1/ANSカセットをpCGP3212からHindIIIで切り出してpCGP2355(図14)にライゲートし、バイナリー形質転換ベクターpCGP3216(図20)を創出する。
PPM1、MAC9F1、およびCAC16.5、ならびにカーネーション、バラ、ガーベラ、キク、およびその他の商品価値のある花種におけるそれらの相同体などのpHを調整する遺伝子を下方調節またはサイレンシングするために、上の戦略が用いられると予想される。典型的には、そのような戦略は、標的種からの相同体の単離を必然的に含むと考えられる。しかしながら、適当な配列の保存を考えれば、RNAiなどの遺伝子サイレンシング技術は種を超えて適用することができるので、戦略はこのアプローチに限られない。そのような戦略が種を超えて有効かどうかという決定は、しかしながら、標的種からの相同体の単離および特徴付けによって最もよく達せられ得る。そのような特徴付けは、PPM1、MAC9F1、およびCAC16.5などのpHを調整する遺伝子のヌクレオチド配列およびその後の推定アミノ酸配列の決定を含むと考えられる。したがって、バラPPM1配列を用いて、カーネーション、ガーベラ、またはキクなどの別の種での使用のための効果的なpHを調整する遺伝子サイレンシング構築物を設計し得ると考えられる。
バラ(Rosa hybrida)形質転換
米国特許出願第542,841号(PCT/US91/04412)もしくはRobinson and Firoozabady(Scientia Horticulturae, 55:83-99, 1993)もしくはRout et al.(Scientia Horticulturae, 81:201-238, 1999)もしくはMarchant et al.(Molecular Breeding 4:187-194, 1998)もしくはLi et al(Plant Physiol Biochem., 40:453-459, 2002)もしくはKim et al(Plant Cell Tissue and Organ Culture, 78, 107-111, 2004)に記載された方法を用いて、または当技術分野において周知の任意のその他の方法によって、バラへのpHを調整する配列の導入を達成する。
国際特許出願PCT/US92/02612号、もしくは国際特許出願PCT/AU96/00296号、Lu et al.(Bio/Technology 9:864-868, 1991)、Robinson and Firoozabady(1993, 前記)に記載された方法を用いて、または当技術分野において周知の任意のその他の方法によって、カーネーションへのpHを調整する配列の導入を達成する。
da Silva(Biotechnology Advances, 21 715-766, 2003)もしくはAswash et al(Plant Science 166, 847-854, 2004)もしくはAida et al(Breeding Sci. 54, 51-58, 2004)に記載された方法を用いて、または当技術分野において周知の任意のその他の方法によって、キクへのpHを調整する配列の導入を達成する。
Elomma and Teeri(YPS Bajaj, 編, Biotechnology in Agriculture and Forestry, Transgenic Crops III,. Springer-Verlag, Berlin, 48, 139-154, 2001において)に記載された方法を用いて、または当技術分野において周知の任意のその他の方法によって、ガーベラへのpHを調整する配列の導入を達成する。
Deroles et al(Geneve RL, Preece JE & Markle SA(編)Biotechnology of Ornamental Plants CAB International, Wallingford 87-119, 1997:において)もしくはTanaka et al(Chopra VL, Malik VS & Bhat SR(編)Applied Plant Biotechnology. Oxford & IBH, New Delhi, 177-231, 1999:において)もしくはTanaka et al(Plant Cell, Tissue and Organ Culture 80, 1-24, 2005)に記載または概説された方法を用いて、または当技術分野において周知の任意のその他の方法によって、観賞植物へのpHを調整する配列の導入を達成する。
Claims (51)
- pHを調整もしくは変更する遺伝子もしくはpHを調整もしくは変更する活性を有するポリペプチドをコードする配列をコードするか、または該配列に相補的なヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子であって、該核酸分子の発現が細胞または液胞内のpHを変更または調整する、単離された核酸分子。
- SEQ ID NO:1、3、もしくは5に実質的に示されるようなヌクレオチド配列、またはそれに対する少なくとも約50%の同一性を有するか、もしくは低いストリンジェンシー条件下でSEQ ID NO:1、3、もしくは5に示されるヌクレオチド配列とハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列を含む、請求項1記載の単離された核酸分子。
- SEQ ID NO:1に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項2記載の単離された核酸分子。
- SEQ ID NO:3に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項2記載の単離された核酸分子。
- SEQ ID NO:5に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項2記載の単離された核酸分子。
- SEQ ID NO:2、4、もしくは6に示されるアミノ酸配列、またはそれに対する少なくとも50%の類似性を有するアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:2、4、もしくは6の切断型をコードする、請求項1記載の単離された核酸分子。
- SEQ ID NO:2に示されるアミノ酸配列をコードする、請求項6記載の単離された核酸分子。
- SEQ ID NO:4に示されるアミノ酸配列をコードする、請求項6記載の単離された核酸分子。
- SEQ ID NO:6に示されるアミノ酸配列をコードする、請求項6記載の単離された核酸分子。
- アントシアニン経路の酵素をコードする遺伝子と融合するか、またはそうでなければ該遺伝子と関連する、請求項1〜9のいずれか一項記載の単離された核酸分子。
- 発現において請求項1〜9のいずれか一項記載の核酸分子に対してアンチセンスであるmRNA転写産物を産生するようにプロモーターに機能的に連結された核酸分子を含む、遺伝子構築物。
- 発現において請求項1〜9のいずれか一項記載の核酸分子に対してセンスであるmRNA転写産物を産生するようにプロモーターに機能的に連結された核酸分子を含む、遺伝子構築物。
- 請求項11または12記載の遺伝子構築物を植物細胞または植物細胞の親もしくは親類に導入する工程、および遺伝子構築物中の核酸分子の発現を可能にするための条件下で植物細胞または該細胞もしくは該細胞の親もしくは親類を含む植物を培養する工程を含む、植物細胞の液胞中のpHを調整するための方法。
- 植物が、ナデシコ属の種(Dianthus spp)、バラ属の種(Rosa spp)、キク属の種(Chrysanthemum spp)、シクラメン属の種(Cyclamen spp)、アイリス属の種(Iris spp)、ペラルゴニウム属の種(Pelargonium spp)、リパリー(Liparieae)、ゼラニウム属の種(Geranium spp)、セントポーリック属の種(Saintpaulic spp)、およびルリマツリ属の種(Plumbago spp)に選択的に由来する植物であるか、または植物細胞がそれらの種に選択的に由来する植物に由来する、請求項13記載の方法。
- 核酸配列の最終的な発現を可能にする条件下でpHを調整または変更するタンパク質をコードするヌクレオチドの配列を含む核酸配列によって好適な植物の細胞を安定に形質転換する工程、細胞からトランスジェニック植物を再生させる工程、ならびに核酸配列の発現を可能にするのに十分な時間および条件下でトランスジェニック植物を生育する工程を含む、pHを調整または変更するタンパク質を合成することができるトランスジェニック顕花植物を産生するための方法。
- 核酸配列が、SEQ ID NO:1、3、もしくは5に実質的に示されるようなもの、またはそれに対する少なくとも約50%の同一性を有するか、もしくは低いストリンジェンシー条件下でSEQ ID NO:1、3、もしくは5に示されるようなヌクレオチド配列とハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列である、請求項15記載の方法。
- 核酸配列がSEQ ID NO:1に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項16記載の方法。
- 核酸配列がSEQ ID NO:3に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項16記載の方法。
- 核酸配列がSEQ ID NO:5に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項16記載の方法。
- 核酸配列が、SEQ ID NO:2、4、もしくは6に示されるアミノ酸配列、またはそれに対する少なくとも50%の類似性を有するアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:2、4、もしくは6の切断型をコードする、請求項15記載の方法。
- 核酸配列がSEQ ID NO:2に示されるアミノ酸配列をコードする、請求項20記載の方法。
- 核酸配列がSEQ ID NO:4に示されるアミノ酸配列をコードする、請求項20記載の方法。
- 核酸配列がSEQ ID NO:6に示されるアミノ酸配列をコードする、請求項20記載の方法。
- 植物が、ナデシコ属の種、バラ属の種、キク属の種、シクラメン属の種、アイリス属の種、ペラルゴニウム属の種、リパリー、ゼラニウム属の種、セントポーリック属の種、およびルリマツリ属の種に選択的に由来する植物であるか、または植物細胞がそれらの種に選択的に由来する植物に由来する、請求項16記載の方法。
- pHを調整する活性をコードする配列をコードするかまたは該配列に相補的なヌクレオチドの配列を含む核酸分子によって好適な植物の細胞を安定に形質転換する工程、細胞からトランスジェニック植物を再生させる工程、および必要な場合、核酸の発現を可能にするのに十分な条件下でトランスジェニック植物を生育する工程を含む、固有のもしくは現存のpHを調整または変更する低下した活性を有するトランスジェニック植物を産生するための方法。
- 植物細胞に導入された適切に変更されたpHを調整もしくは変更する遺伝子またはその誘導体もしくは部分から相同組換えを介した固有の配列の改変によってpHを調整または変更する核酸分子を変化させる工程、および細胞から遺伝子改変植物を再生させる工程を含む、固有のもしくは現存のpHを調整または変更する低下したタンパク質活性を有する遺伝子改変植物を産生するための方法。
- SEQ ID NO:1、3、もしくは5に実質的に示されるようなヌクレオチド配列、またはそれに対する少なくとも約50%の同一性を有するか、もしくは低いストリンジェンシー条件下でSEQ ID NO:1、3、もしくは5に示されるヌクレオチド配列とハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列を含む、請求項25または26記載の方法。
- 核酸配列がSEQ ID NO:1に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項25または26記載の方法。
- 核酸配列がSEQ ID NO:3に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項25または26記載の方法。
- 核酸配列がSEQ ID NO:5に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項25または26記載の方法。
- 核酸配列が、SEQ ID NO:2、4、もしくは6に示されるアミノ酸配列、またはそれに対する少なくとも50%の類似性を有するアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:2、4、もしくは6の切断型をコードする、請求項25または26記載の方法。
- 核酸配列がSEQ ID NO:2に示されるアミノ酸配列をコードする、請求項31を含む核酸配列。
- 核酸配列がSEQ ID NO:4に示されるアミノ酸配列をコードする、請求項31記載の方法。
- 核酸配列がSEQ ID NO:6に示されるアミノ酸配列をコードする、請求項31記載の方法。
- 植物が、ナデシコ属の種、バラ属の種、キク属の種、シクラメン属の種、アイリス属の種、ペラルゴニウム属の種、リパリー、ゼラニウム属の種、セントポーリック属の種、およびルリマツリ属の種に選択的に由来する植物であるか、または植物細胞がそれらの種に選択的に由来する植物に由来する、請求項25または26記載の方法。
- 必要な場合は単離された核酸分子の最終的な発現を可能にする条件下で、pHを調整もしくは変更するタンパク質をコードするか、または該タンパク質をコードする配列に相補的なヌクレオチドの配列を含む単離された核酸分子によって好適な植物の細胞を安定に形質転換する工程、および細胞からトランスジェニック植物を再生させる工程を含む、pHを調整もしくは変更するタンパク質もしくはその部分をコードする組換え遺伝子を発現することができるトランスジェニック植物またはpHを調整もしくは変更するタンパク質をコードするmRNA分子の全てもしくは一部に実質的に相補的である核酸配列を持つトランスジェニック植物を産生するための方法。
- SEQ ID NO:1、3、もしくは5に実質的に示されるようなヌクレオチド配列、またはそれに対する少なくとも約50%の同一性を有するか、もしくは低いストリンジェンシー条件下でSEQ ID NO:1、3、もしくは5に示されるヌクレオチド配列とハイブリダイズすることができるヌクレオチド配列を含む、請求項36記載の方法。
- 核酸配列がSEQ ID NO:1に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項37記載の方法。
- 核酸配列がSEQ ID NO:3に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項37記載の方法。
- 核酸配列がSEQ ID NO:5に示されるヌクレオチド配列を含む、請求項37記載の方法。
- 核酸配列が、SEQ ID NO:2、4、もしくは6に示されるアミノ酸配列、またはそれに対する少なくとも50%の類似性を有するアミノ酸配列、またはSEQ ID NO:2、4、もしくは6の切断型をコードする、請求項36記載の方法。
- 核酸配列がSEQ ID NO:2に示されるアミノ酸配列をコードする、請求項41記載の方法。
- 核酸配列がSEQ ID NO:4に示されるアミノ酸配列をコードする、請求項41記載の方法。
- 核酸配列がSEQ ID NO:6に示されるアミノ酸配列をコードする、請求項41記載の方法。
- 植物が、ナデシコ属の種、バラ属の種、キク属の種、シクラメン属の種、アイリス属の種、ペラルゴニウム属の種、リパリー、ゼラニウム属の種、セントポーリック属の種、およびルリマツリ属の種に選択的に由来する植物であるか、または植物細胞がそれらの種に選択的に由来する植物に由来する、請求項36記載の方法。
- 植物または植物部分の1つの細胞または複数の細胞の液胞における変更されたpHを含む、遺伝子改変植物またはその子孫の単離された細胞、植物、または部分。
- 花、果実、野菜、木の実、根、茎、葉、または種子より選択される、請求項47記載の植物部分。
- 植物においてpHを調整または変更するタンパク質を発現するか、または固有のpHを調整するタンパク質を下方調節することができる遺伝子構築物の製造における本明細書において記載された遺伝子配列の使用。
- SEQ ID NO:98に示されるヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
- SEQ ID NO:99に示されるアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。
- SEQ ID NO:99に示されるヌクレオチド配列を含む、単離されたタンパク質。
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