JP2008532525A - リジン含量が相乗的に増強されたトウモロコシ種子 - Google Patents

リジン含量が相乗的に増強されたトウモロコシ種子 Download PDF

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Abstract

本発明は、ゼイン低下用配列およびリジン生合成用配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有し、それにより該遺伝子組換えDNAの発現が、トランスジェニックトウモロコシ植物の種子のリジン含量を相乗的に増加させるトランスジェニックトウモロコシ植物を提供する。さらに、本発明は、相乗的に増加したリジン含量を持つトウモロコシ種子を供する方法を提供する。

Description

本願は、2005年3月10日付で出願された米国出願第11/077,089号を出典明示して本願明細書の一部とみなす。
アミノ酸、特に、リジンのレベル上昇を有するトランスジェニックトウモロコシのための種子、遺伝子抑制用の組換えDNA構築体、かかる構築体を作成および使用する方法、ならびにかかる構築体を発現する、植物を含めた形質変換体が本明細書に開示される。
トウモロコシまたはコーンとして一般的に知られるZea maysは、ヒトの食物として、および動物飼料として重要な穀物である。トウモロコシの種子あるいは穀粒は、その蛋白質組成によりリジン含量において天然では低い。大部分のトウモロコシ種子蛋白質はゼインまたはプロラミンであり、それらは内乳で見出され、種子蛋白質の合計の半分を超える割合を占める。ゼインまたはプロラミンは、プロリン、アラニンおよびグルタミンに富むが、必須アミノ酸のリジンおよびトリプトファンをほとんど完全に欠いている。相対的に多量のゼインにより、他の種子蛋白質からのリジンおよびトリプトファンの寄与は希薄化される。外来性リジンは、必要なサプリメントとして動物飼料にしばしば添加される。従って、トウモロコシ種子中のリジンレベルを増加させることが注目される。
トランスジェニック植物中のアミノ酸レベルは、限定されるものではないが、トランスジェニック植物中の内因性の遺伝子発現の改変および/または外来性組換えDNAの発現を含めた種々の遺伝子技術により操作できる。遺伝子導入構築体を用いた1を超える遺伝子の遺伝子発現の協調した減少および増加は、米国特許出願公開第2004/0126845号に開示されている。形質転換体中の遺伝子抑制用のアンチセンス配向のRNAを生成するのに有用な方法および組換えDNA構築体は、米国特許出願11/057,062号に開示される。米国仮特許出願第60/638,256号は、真核生物の細胞における少なくとも1つの遺伝子を抑制するためのDNAカセットを開示し、かかるDNAカセットは、少なくとも1つのイントロンを含む転写可能なDNAに作動可能に連結したプロモーター、ポリアデニル化シグナル、およびポリアデニル化サイトを含み、それらは、抑制のための標的とされた少なくとも1つの遺伝子から由来し、その少なくとも1つの遺伝子を抑制できるRNAに転写可能であるイントロン非相同性DNAに組み込まれる。これらの参照された特許出願および刊行物をここに出典明示してその全てを本明細書の一部とみなす。
アミノ酸、特に、リジンのレベル上昇を有するトランスジェニックトウモロコシのための種子、遺伝子抑制用の組換えDNA構築体、かかる構築体を作成および使用する方法、ならびにかかる構築体を発現する、植物を含めた形質変換体を提供する。
本発明は、ゼイン低下用配列およびリジン生合成用配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有し、それによりその遺伝子組換えDNAの発現が、トランスジェニックトウモロコシ植物の種子のリジン含量を相乗的に増加させるトランスジェニックトウモロコシ植物を開示する。本発明の1つの態様において、ゼイン低下用配列が、少なくとも1つのゼイン合成遺伝子の遺伝子抑制用配列を含む。本発明のもう一つの態様において、リジン生合成用配列が外来性のリジン合成遺伝子を含む。本発明のさらなる態様において、リジン生合成用配列が、トランスジェニックトウモロコシ植物に内因性のリジン異化酵素の遺伝子抑制用配列を含む。初期の形質転換されたトランスジェニック植物およびそれらのトランスジェニック子孫の双方は、本発明により開示および特許請求される。
また、本発明は、
(a)ゼイン低下用配列およびリジン生合成用配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有するトランスジェニックトウモロコシ植物を提供し、
(b)そのトランスジェニックトウモロコシ植物の種子中でその遺伝子組換えDNAを発現させ、ここに、その発現がその種子のリジン含量を相乗的に増加させ、
(c)相乗的に増加したリジン含量を持つその種子を収穫する
ことを含む相乗的に増加したリジン含量を持つトウモロコシ種子を提供する方法を提供する。
本発明方法の具体例は、形質転換によりトランスジェニックトウモロコシ植物を提供すること、ならびに遺伝交差技術によりトランスジェニックトウモロコシ植物を提供するとを含む。本発明の他の特定の具体例は以下の詳細な記載に開示される。
(図面の簡単な記載)
図1aは、第1のトランスジェニックトウモロコシ植物に実質的に類似する遺伝子型を有するが、ゼイン低下用配列を欠く野生型のトウモロコシ系統90DJD28/91INH2.0002と比較して、19-キロダルトンアルファ-ゼインにおける低下を示すゼイン低下用配列をそのゲノムに有する第1の親トランスジェニックトウモロコシPQ015/PQ15.0001およびPQ071/PQ71.0014からの種子のマトリックス支援レーザー脱着イオン化飛行時間型質量スペクトル分析を示す。実施例1参照。X軸は、m/z(質量−対−電荷)比を示す。Y軸は、パーセント強度を示す。質量スペクトルは、標準蛋白質ピーク[CA+H]+ (炭酸脱水酵素)、約29,000m/zにより正規化された。[CA+H]2+と15-キロダルトンのベータゼインとの間のその15,615ダルトンのピークは、炭酸脱水酵素からの夾雑物であると考えられた。図1bは、野生型トウモロコシ系統90DJD28/91INH2および90DJD28/91INH2.0002と比較した第1の親トランスジェニックトウモロコシPQ015/PQ15.0001およびPQ071/PQ71.0014の合計リジン含量を示す。Q015/PQ15、PQ071/PQ71および90DJD28/91INH2の合計リジン含量に関するその誤差バーは、信頼区間(アルファ=0.05、n=20)を表す。
図2a-dは、リジン生合成(cordapA)用の配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有する第2の親トランスジェニックトウモロコシ植物(M27908+)の代表的なM27908+.0028からの種子、ならびにM27908+に実質的に類似する遺伝子型を有するが、リジン生合成用配列を欠く野生型のトウモロコシ系統M27908-の代表的なM27908-.0006からの種子の特徴付けアッセイの結果を示す。実施例1参照。図2aは、遊離リジン分析の結果を示す。誤差バーは同胞穂の標準偏差である。図2bは、個々の成熟した穀粒のcordapAのウェスタン分析の結果を示す。CordapAの胚に特異的な発現が観察され、穂(M27908+.0028)のホモ接合性が確認された。図2cは、CordapA ELISA結果を示し、それはCordapAの胚に特異的な蓄積をさらに確認した。誤差バーは実験反復の標準偏差である。図2dは、リジン非感受性のDHDPS活性アッセイの結果を示す。DHDPS活性アッセイに用いたリジン濃度は1ミリモラーであった。
図3は、ゼイン低下用配列をそれらのゲノムに有する各親トランスジェニックトウモロコシ植物PQ015/PQ15.0001(「PQ15」)およびPQ071/PQ71.0014(「PQ71」)に類似するゼインプロフィールを示すF1子孫トランスジェニックトウモロコシ植物PQ15/CordapAおよびPQ71/CordapAからの種子の代表的なマトリックス支援レーザー脱着イオン化飛行時間型質量スペクトル分析を示す。実施例1参照。CordapAおよび対照からの種子の質量スペクトルは90DJD28/91INH2.0002に匹敵する。X軸は、m/z(質量−対−電荷)比を示す。Y軸は、パーセント強度を示す。
図4は、リジン生合成用配列cordapAの胚に特異的な発現を確認する、F1子孫トランスジェニックトウモロコシ植物PQ15/CordapAおよびPQ71/CordapAからの細断した種子についてのCordapA ELISA結果を示す。実施例1参照、PQ15/CordapAおよびPQ71/CordapAにおいて、CordapAの発現は、ゼイン低下用配列を欠く対照F1、CordapAにおけるよりも高い。誤差バーは信頼区間(アルファ=0.05, n>20)を表す。N.D. 検出せず。
図5a-eは、F1子孫トランスジェニックトウモロコシ植物PQ15/CordapAおよびPQ71/CordapAならびに親トランスジェニック植物CordapAにおけるリジン生合成経路の遊離リジンと他の成分との間のピアソン相関性を示す。実施例1、表3参照。図5aは、遊離リジンおよび遊離アスパラギン酸塩間の相関性を示す。図5bは、遊離リジンおよび遊離アスパラギン間の相関性を示す。図5cは、遊離リジンおよび遊離グルタミン酸塩間の相関性を示す。図5dは、遊離リジンおよび遊離サッカロピン間の相関性を示す。図5eは、遊離リジンおよびCordapA発現間の相関性を示す。各データポイントは、用いたその3つの各F1についての1試験区画(plot)および2試験区画から収穫された大きくした(bulked)粉砕した穂を表す。各グラフ内の数は、直線回帰のr2値に続いて、有意水準(P)に相当する。
(発明の詳細な記載)
特記されない限りは、本明細書に用いた技術的および科学的な全ての用語は本発明が属する当業者により一般的に理解されるのと同一の意味を有する。一般的に、本明細書に用いた命名法および後記の製造または実験の手順はよく知られ、当該技術分野に一般的に使用される。当該技術分野および種々の一般的な参考文献において提供されるもののごとき従来の方法は、これらの手順のために使用される。また、用語が単数で提供される場合、発明者らは複数のその用語により記載された本発明の態様を考える。本明細書に用いた命名法および後記の実験手順は当該技術分野においてよく知られ、一般的に使用されるものである。引用により本願の一部とみなされる参考文献に用いた用語および定義に矛盾がある場合、本願に用いた用語は本明細書に与えた定義を有するものとする。本明細書に用いた他の技術用語は、種々の技術的な辞書によって例示されるような、それらを用いる技術分野におけるそれらの通常の意味を有する。発明者らは作用の機序または様式に限定することを意図するものではない。それらへの参照は、例示の目的だけに提供される。
トランスジェニック植物
本発明は、ゼイン低下用配列およびリジン生合成用配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有し、それにより該遺伝子組換えDNAの発現が、トランスジェニックトウモロコシ植物の種子のリジン含量を相乗的に増加させることを特徴とするトランスジェニックトウモロコシ植物を提供する。
その遺伝子組換えDNAは、限定されるものではないが、プロトプラストのPEG媒介形質転換、エレクトロポレーション、炭化ケイ素繊維での撹拌によるごときDNAの直接的な送達、Agrobacterium媒介形質転換、DNA被覆粒子の加速、および当該技術分野において知られた他のものを含めたいずれかの1以上の適当な手段によりトウモロコシ植物のゲノムに導入できる。トウモロコシ細胞ならびに実質的にいずれかの他の植物種のものは、かかる方法により安定して形質転換でき、これらの細胞は、本発明のトランスジェニック植物に成長し得る。植物形質転換の好ましい方法は、限定されるものではないが、例えば、米国特許第5,015,580号、第5,550,318号、第5,538,880号、第6,160,208号、第6,399,861号および第6,403,865号に例示された微粒子銃、および例えば、米国特許第5,635,055号、第5,824,877号、第5,591,616号、第5,981,840号および第6,384,301号(ここに出典明示してそれらの全てを本明細書の一部とみなす)に例示されたAgrobacterium媒介形質転換を含む。
遺伝子組換えDNAは、ゼイン低下用配列およびリジン生合成用配列を含み、それらの配列は相互に異なり、1以上の核酸構築体によりトランスジェニック植物のゲノムへ導入できる(すなわち、1つの構築体において同時に、あるいは別々または平行して1を超える構築体を用いて個々に導入される)。好ましくは、ゼイン低下用配列およびリジン生合成用配列は、限定されるものではないが、ナピン(米国特許第5,420,034号)、トウモロコシL3 オレオシン(米国特許第6,433,252号)、ゼインZ27およびグルテリン1 (Russellら (1997) Transgenic Res., 6:157-166)、グロブリン1 (Belangerら (1991) Genetics, 129:863-872)およびペルオキシレドキシン抗酸化物質(Per1) (Stacyら (1996) Plant Mol Biol., 31:1205-1216)(ここに出典明示して本明細書の一部とみなす)のごとき種子遺伝子からのプロモーターのような、例えば、構築体または構築体群中の種子に特異的なプロモーターの使用によって、トランスジェニック植物の種子中に主に発現する。遺伝子組換えDNAの発現の結果、トランスジェニックトウモロコシ植物の種子のリジン含量が相乗的に増加する。相乗的に増加したリジン含量は、ゼイン低下用配列の個々の効果によるリジンにおける増加、およびリジン生合成用配列の個々の効果によるリジンにおける増加の合計より大きいリジン含量における増加である。ゼイン低下用配列およびリジン生合成用配列の発現は、好ましくは、不適当な特性(例えば、低収率、害虫、病気または環境ストレスに対する感受性の増加、ならびに種子処理および貯蔵の特性の減少)を生じない。
ゼイン低下用配列は、トウモロコシ種子中の1以上のゼインの低下または減少を生じるいずれかの配列、例えば、少なくとも1つのゼイン合成遺伝子の遺伝子抑制用配列を含むことができる。1つの非限定の具体例において、ゼイン低下用配列は、19-キロダルトンアルファゼインあるいは22-キロダルトンアルファゼインのごときアルファゼインの種子レベルを(例えば、遺伝子抑制により)低下させる配列を含む。他の具体例において、ゼイン低下用配列がアルファ-、ベータ-、ガンマ-およびデルタ-ゼインのごとく、注目する1以上のゼイン蛋白質の種子レベルを低下させる配列を含むことができる。
ゼイン種子レベルの低下は、限定されるものではないが、1以上の内因性のゼイン合成遺伝子の遺伝子抑制、あるいは1以上の内因性のゼイン合成遺伝子の欠失あるいは変異、あるいは実質的にゼイン種子レベルの低下またはゼイン合成遺伝子発現の転写抑制を生じる非内因性のゼイン合成遺伝子あるいは遺伝子相同体への1以上の内因性のゼイン合成遺伝子の置換を含めたいずれかの適当なメカニズムによることができる。遺伝子抑制は、限定されるものではないが、転写後の遺伝子抑制および転写抑制を含めたRNA転写体から翻訳された蛋白質のRNA転写または産生を抑制するいずれかのよく知られた方法を含む(例えば、Matzkeら (2001) Curr. Opin. Gen. Dev., 11:221-227 (2001)およびMeister & Tuschl (2004) Nature, 431:343-349参照)。遺伝子抑制を達成する非限定の方法は、アンチセンス配向のDNAを持つ組み換えDNA構築体を挿入することにより媒介された遺伝子抑制(例えば、米国特許第5,107,065号および第5,759,829号参照);Agrobacterium媒介形質転換により植物にトランスファーDNAのいくつかのコピーの共挿入から生じる逆方向反復として配置されたDNAの組み込みによる遺伝子発現(例えば、Redenbaughら 「Safety Assessment of Genetically Engineered Flavr SavrTM Tomato, CRC Press, Inc. (1992), Stamら (1997) Plant J., 12:63-82ならびにSandersおよびHiatt (2005) Nature Biotechnol., 23:287-289参照);センス配向のDNAを持つ組み換えDNA構築体を挿入することによる遺伝子抑制(例えば、米国特許第5,283,184号および第5,231,020号参照);2つの別々の転写ユニットを用いるセンスおよびアンチセンス配向の双方のDNAからRNAを転写することによる遺伝子抑制(例えば、米国特許第5,107,065号参照);少なくとも一部分のその長さに沿って二本鎖RNAを形成できるRNAを生成できる形質転換構築体を提供することによる遺伝子抑制(例えば、欧州特許出願公開 EP 0426195 A1、Sijenら (1996) The Plant Cell, 8:2277-2294、国際特許出願 WO98/53083、WO 99/53050、WO 99/49029および米国特許出願公開第2003/0175965号、第2003/0036197号、第2003/0018993号および第2002/0048814号参照);およびプロモーターtrans抑制のごとき転写抑制による遺伝子抑制(例えば、Metteら (1999) EMBO J.,18:241-148およびMetteら (2000) EMBO J., 19:5194-5201参照)を含む。また、遺伝子抑制は、当該技術分野において知られたDNAまたはRNAのアプタマーをコードする配列により得ることができる(例えば、Toulmeら (2004) FEBS Lett., 567: 55-62, Leeら (2004) Nucleic Acids Res., 32:95-100、およびNimjeeら (2005) Ann. Rev. Med., 56:555-583参照)。遺伝子抑制について記述する前記に引用された特許、特許出願および出版物はすべてをここに出典明示してその全てを本明細書の一部とみなす。
本発明のトランスジェニック植物にゼイン低下用配列を導入するのに有用な1つの組換えDNA構築体は、米国特許出願第11/057,062号に詳細に記載され、ここに出典明示してそれらの全てを本明細書の一部とみなす。1つの非限定の具体例において、ゼイン低下用配列は、少なくとも1つのゼイン遺伝子を抑制する組換えDNA構築体を含むことができ、それは、5'から3'の順序で、少なくとも1つのゼイン遺伝子からのアンチセンス配向のDNAエレメントに作動可能に連結したプロモーターエレメントおよびセンス配向のDNAエレメントを含み、ここに、そのセンス配向のDNAエレメントは、アンチセンス配向のDNAエレメントより短く、そのセンス配向のDNAエレメントにより転写されたセンス配向のRNAはアンチセンス配向のDNAエレメントにより転写されたアンチセンス配向のRNAにより転写されたアンチセンス配向のRNAの5’の最端に相補的であり、ここに、その転写されたRNAは、少なくとも1つのゼイン遺伝子を抑制するアンチセンス配向のRNAのループを形成する。もう一つの具体例において、ゼイン低下用配列は、本発明のトランスジェニック植物において、少なくとも1つのゼイン遺伝子を抑制するアンチセンス配向のRNAのループを形成するRNAに転写される組換えDNA構築体をトランスジェニック植物細胞中に提供することにより導入できる。
リジン生合成用配列は、本発明のトランスジェニック植物中でリジンレベルにおける増加を与えるいずれかの遺伝子または遺伝子群のための配列を含むことができる。かくして、リジン生合成用配列は、リジンもしくはその前駆物質の合成用酵素をコードする外来性リジン合成遺伝子配列、および/またはトランスジェニックトウモロコシ植物に内因性のリジン異化酵素の遺伝子抑制用配列を含むことができる。リジン合成遺伝子は、アスパラギン酸キナーゼ(AK)およびジヒドロジピコリン酸合成酵素(DHDPS)のごときリジンまたはその前駆物質の合成用酵素をコードするまたはその発現を制御する遺伝子、ならびにこれらの遺伝子の相同体を含む。リジンの異化遺伝子は、限定されるものではないが、リジン-ケトグルタル酸リダクターゼ (LKR)およびサッカロピンデヒドロゲナーゼ(SDH)をコードするトウモロコシLKR/SDH遺伝子、およびその相同体を含む。これらのリジン合成あるいは異化遺伝子の有用な相同体は、例えば、限定されるものではないが、BLAST (Altschulら (1997) Nucleic Acids Res. 25:3389-3402、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす)のごときアルゴリズムのごとき当業者に知られた比較ツールを用いることにより、核酸または蛋白質配列データベースから同定し得る。
1つの好ましい具体例において、リジン生合成用配列が、少なくとも1つの外来性リジン合成遺伝子、好ましくは、実質的にフィードバック非感受性のリジン合成遺伝子のための配列を含む。実質的にフィードバック非感受性のリジン合成遺伝子は、限定されるものではないが、E. coli AKIIIのごときリジンによる阻害に実質的に非感受性であるアスパラギン酸キナーゼ(米国特許第6,459,019号および第5,773,691号、ならびに米国特許出願公開第2003/0056242号参照)、あるいはE. coli DHDPSのごときリジンによる阻害に実質的に非感受性であるジヒドロジピコリン酸合成酵素(米国特許第5,288,300号、第6,459,019号および第5,773,691号、ならびに米国特許出願公開第2003/0056242号参照)、あるいはCorynebacterium DHDPS、またはcordapA(米国特許第6,459,019号および第5,773,691号、ならびに米国特許出願公開第2003/0056242号参照)を含み;これらの引用された特許および特許出願のすべてをここに出典明示してそれらの全てを本明細書の一部とみなす。また、2004年12月2日に出願されたDiziganら、「High Lysine Maize Compositions and Methods for Detection Thereof」に対する米国特許出願第11/004,221号(ここに出典明示してその全てを本明細書の一部とみなし、適当な実質的にフィードバック非感受性のリジン合成遺伝子であろうCorynebacterium DHDPSまたはcordapAを開示する)を参照されたし。
もう一つの好ましい具体例において、リジン生合成用配列は、トウモロコシ植物に内因性のLKRまたはSDH酵素の遺伝子抑制用配列のごとき該トランスジェニックトウモロコシ植物に内因性の少なくとも1つのリジン異化酵素の遺伝子抑制用配列を含む。さらにもう一つの好ましい具体例において、リジン生合成用配列は、該トランスジェニックトウモロコシ植物に外来性の少なくとも1つのリジン合成遺伝子のための配列、および内因性の少なくとも1つのリジン異化酵素の遺伝子抑制用配列の双方を含む。依然としてさらにもう一つの好ましい具体例において、リジン生合成用配列は、実質的にフィードバック非感受性のリジン合成酵素をコードする配列、およびトランスジェニックトウモロコシ植物に内因性のリジンの異化酵素の遺伝子抑制用配列の双方を含む。
米国仮特許出願第60/638,256号に記載され、ここに出典明示してその全てを本明細書の一部とみなす構築体および方法は、本発明のトランスジェニック植物にリジン生合成用配列を導入するのに特に有用である。1つの特定でかつ特に好ましい具体例において、本発明のトランスジェニック植物は、そのゲノムに、(a) 該トランスジェニックトウモロコシ植物に内因性の少なくとも1つのリジン異化酵素の遺伝子抑制用配列を埋め込んだイントロン配列、および所望により、(b)実質的にフィードバック非感受性のリジン合成酵素をコードする配列を含むリジン生合成用配列を有する。
本発明は、ゼイン低下用配列および/またはリジン生合成用配列を含む遺伝子組換えDNAで形質転換された細胞から直接的に再生されたトウモロコシ植物、ならびにかかる植物の子孫、例えば、同系交配(inbred)の子孫、形質転換されたトウモロコシ植物のハイブリッドの子孫の双方を考え、特許請求する。本発明は、ゼイン低下用配列および/またはリジン生合成用配列を含む遺伝子組換えDNAでの直接的な形質転換によって産生されたトランスジェニックトウモロコシ植物、および構築体を欠く第2の植物に本発明の遺伝子組換えDNAを有する植物を交配させて作成されたトランスジェニック植物を考える。本発明の1つの具体例において、トランスジェニックトウモロコシ植物は、ゼイン低下用配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有する第1の親トランスジェニックトウモロコシ植物およびリジン生合成用配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有する第2の親トランスジェニックトウモロコシ植物の遺伝交配からの子孫トランスジェニックトウモロコシ植物を含むことができ、ここに、その遺伝交配からの子孫トランスジェニックトウモロコシ植物は、そのゲノムに、ゼイン低下用配列およびリジン生合成用配列を有し、その子孫トランスジェニックトウモロコシ植物の種子は、その第1および第2の親トランスジェニックトウモロコシ植物からの種子に比較した場合に相乗的に増加したリジン含量を有する。
好ましい具体例において、ゼイン低下用配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有する第1の親トランスジェニックトウモロコシ植物からの種子は、第1のトランスジェニックトウモロコシ植物に実質的に類似するが、ゼイン低下用配列を欠く遺伝子型を持つトウモロコシ植物からの種子より高いリジン含量を有し、また、リジン生合成用配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有する第2の親トランスジェニックトウモロコシ植物は、第1のトランスジェニックトウモロコシ植物に実質的に類似するが、リジン生合成用配列を欠く遺伝子型を持つトウモロコシ植物からの種子より高いリジン含量を有する。子孫トランスジェニックトウモロコシ植物の種子は、第1および第2の親トランスジェニックトウモロコシ植物からの種子に比較した場合に相乗的に増加したリジン含量を有する。
もう一つの具体例において、本発明のトランスジェニックトウモロコシ植物の種子は、本発明のトランスジェニックトウモロコシ植物の子孫世代を生育でき、その植物は、稔性のトランスジェニック植物から収穫でき、その種子を用いて、ゼイン低下用配列およびリジン生合成用配列を含む遺伝子組換えDNAをそれらのゲノムに含み、種子を用いて、相乗的に増加したリジン含量を持つ種子を生成するハイブリッドまたは同系交配の植物系を含む。
高リジンのトウモロコシ種子を提供する方法
本発明は、
(a)ゼイン低下用配列およびリジン生合成用配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有するトランスジェニックトウモロコシ植物を提供し、
(b)そのトランスジェニックトウモロコシ植物の種子中で該遺伝子組換えDNAを発現させ、ここに、その発現が該種子のリジン含量を相乗的に増加させ、次いで
(c)相乗的に増加したリジン含量を持つ種子を収穫する
ことを含む、相乗的に増加したリジン含量を持つトウモロコシ種子を提供する方法を開示および特許請求する。
本発明方法に有用なトランスジェニックトウモロコシ植物は、標題「トランスジェニック植物」下で詳細に前記されている。植物細胞の形質転換およびトランスジェニック植物の生産のための核酸構築体の調製は、当該技術分野においてよく知られた技術を使用する。例えば、SambrookおよびRussell, 「Molecular Cloning: A Laboratory Manual」, third edition, Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001(ここに出典明示して本明細書の一部とみなす)に開示された方法を参照されたし。当業者は、本発明方法に有用なトランスジェニック植物を提供するための植物細胞を形質転換する技術に精通しているであろう。例えば、米国特許第5,550,318号、第5,538,880号、第6,160,208号および第6,399,861号に示されるような微粒子銃法および米国特許第5,591,616号に記載されるようなAgrobacterium媒介形質転換方法(これらの全てをここに出典明示して本明細書の一部とみなす)を参照されたし。部位特異的な組込みを用いる植物細胞を形質転換するための有用な技術は、米国特許第4,959,317号に開示されたcre-loxシステム、および米国特許第5,527,695号に開示されたFLP-FRTシステムを含む(それらの双方をここに出典明示して本明細書の一部とみなす)。
本発明方法に有用なトランスジェニック植物を得るための植物細胞の形質転換は、培地上の組織培養で、および制御された環境下で好ましくは実施される。本発明方法に有用なトランスジェニック植物を作成するための実際的な形質転換の方法および材料、例えば、種々の培地および受容標的細胞、未成熟胚の形質転換および稔性のトランスジェニック植物の引き続いての再生は、米国特許第6,194,636号および第6,232,526号(ここに出典明示して本明細書の一部とみなす)に開示されている。
受容植物細胞への遺伝子組換えDNAの送達後に、形質転換された細胞は、さらなる培養および植物再生のために一般的に同定される。形質転換体を同定する能力を改善するために、選択またはスクリーニングのマーカー遺伝子を使用でき、潜在的に形質転換された細胞集団は、選択剤または選択剤群に細胞を曝露することによりアッセイできるか、または所望のマーカー遺伝子特性につきスクリーニングできる。選択マーカーの非限定の例は、ルシフェラーゼまたは緑色蛍光性蛋白質(GFP)のごとき有色または蛍光性の蛋白質を発現する遺伝子、あるいは種々の発色基質が知られるベータ−グルクロニダーゼまたはuidA遺伝子(GUS)を発現する遺伝子を含む。選択マーカーの非限定の例は、カナマイシンおよびパロモマイシン(nptII)、ハイグロマイシンB(aph IV)およびゲンタマイシン(aac3およびaacC4)のごとき抗生物質に対する抵抗性、グルホシネート(barまたはpat)およびグリホサート(aroAまたはEPSPS)のごとき除草剤に対する抵抗性を与えるものを含み;かかる選択マーカーの特に有用な例は、米国特許第5,550,318号、第5,633,435号、第5,780,708号および第6,118,047号(それらの全てをここに出典明示して本明細書の一部とみなす)に示される。
本発明方法は、ゼイン低下用配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有する第1の親トランスジェニックトウモロコシ植物ならびにリジン生合成用配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有する第2の親トランスジェニックトウモロコシ植物の遺伝交配によりトランスジェニックトウモロコシ植物を提供でき、ここに、その遺伝交配の結果、ゼイン低下用配列およびリジン生合成用配列をそのゲノムに有する子孫トランスジェニックトウモロコシ植物を生じる。
遺伝子組換えDNAの発現は、例えば、標題「トランスジェニック植物」下で前記されたプロモーターを用いて、好ましくは、トランスジェニックトウモロコシ植物の種子に実質的に局在させ、例えば、胚、内乳または胚および内乳の双方に実質的に局在させる。かかる発現の結果、種子のリジン含量が相乗的に増加し、最も好ましくは、種子のトランスジェニックトウモロコシ植物からの種子の収穫時に種子のリジン含量が相乗的に増加する。種子は、例えば、植え付け(planting)目的、あるいはヒト用食品、動物用食餌製品、油、デンプン、医薬および種々の工業製品のためのものを含めて、注目するいずれの目的のためにも収穫および使用し得る。トウモロコシの用途の典型的な記載は、米国特許第6,194,636号、第6,207,879号、第6,232,526号、第6,426,446号、第6,429,357号、第6,433,252号、第6,437,217号および第6,583,338号、およびPCT公開WO 95/06128およびWO 02/057471(その各々をここに出典明示してその全てを本明細書の一部とみなす)に見出すことができる。
実施例1
この非限定の実施例は、相乗的に増加したリジン含量を持つトウモロコシ種子を提供する本発明方法を示し、さらに、ゼイン低下用配列およびリジン生合成用配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有し、それによりその遺伝子組換えDNAの発現が、トランスジェニックトウモロコシ植物の種子のリジン含量を相乗的に増加させる本発明のトランスジェニックトウモロコシ植物を示す。より詳細には、この実施例は、第1の親トランスジェニックトウモロコシ植物(ゼイン低下系統PQ15およびPQ71、それらはゼイン低下用配列をそれらのゲノムに有し、ゼイン蓄積における低下を示す)および第2の親トランスジェニックトランスジェニック植物(高リジン系統M27908+、それはリジン生合成用配列をそのゲノムに有し、外来性cordapA遺伝子の発現によって引き起こされた遊離リジンの上昇を示す)の遺伝交配を記載する。これらの遺伝交配は、相乗的に増加したリジン含量を、本発明の典型的なトランスジェニックトウモロコシ植物からのトウモロコシ種子において得ることができることを示した。
トランスジェニック植物
ゼイン低下系統
ゼインを低下させるように設計されたベクターを構築し、Huangら (2004) J. Agric. Food Chem., 52:1958-1964(ここに出典明示してその全てを本明細書の一部とみなす)により詳細に記載された形質転換のために用いた。略言すると、(アンチセンス配向における)トウモロコシ19-キロダルトンアルファゼイン遺伝子のヌクレオチド 965−868、Z4(GenBank受入番号V01472)を含むDNAフラグメントをPCRにより単離した。このゼイン遺伝子コード領域フラグメントをアンチセンス配向にて、高mRNA合成を駆動するためのガンマ−ゼインAプロモーター(GenBank受入番号S78780を持つその配列のヌクレオチド19−1118に対応する)、およびポリアデニル化配列を提供するためのAgrobacterium tumefaciens ノパリン合成酵素遺伝子3’非翻訳領域も含有した発現カセットに挿入した。これらの発現カセットを微粒子銃によって未成熟トウモロコシ胚へ導入した。
再生されたR0トランスジェニック植物を野生型の花粉で受粉して、F1種子を生成し、それらを不透明体発現型につきスクリーニングし、SDS-PAGEゲルにより分析して、ゼインプロフィールを評価した。19-キロダルトンアルファゼイン低下発現型を示すR0系統のうち、2つのR0系統「PQ15」および「PQ71」(各々、導入遺伝子の3コピーおよび6コピーを含有する)を遺伝交配試験に用いた。この試験について選択された穂(ear)、PQ015/PQ15.0001およびPQ071/PQ71.0014)は、PQ15およびPQ71の代表であるMALDI-TOF(Matrix支援レーザー脱着イオン化飛行時間型)質量スペクトルを示す(図1a参照)。PQ15は19-キロダルトンアルファ-ゼインにおける最も劇的な低下および22-キロダルトンアルファ-ゼインのわずかな増加を有するが、PQ71は19-キロダルトンアルファ-ゼインの穏やかな低下を維持し、22-キロダルトンアルファ-ゼインの大きな増加を持つ。また、双方の選択された穂は、野生型の穂より高い合計リジン含量を有する(図1bを参照)。
高リジン系統
2成分のプラスミドを、cordapA、Corynebacterium glutamicum からリジン非感受性のジヒドロジピコリン酸合成酵素(DHDPS)を発現するように設計した (ここに出典明示して本明細書の一部とみなす米国特許第5,773,691号参照)。これらの2成分のプラスミドの構築および使用は、Huangら (2004) Transgenic Res., 13:451-461(ここに出典明示してその全てを本明細書の一部とみなす)によって詳細に記載されている。略言すると、その2成分のプラスミドは、トウモロコシglb1プロモーター、コメアクチンイントロン、トウモロコシDHDPSリーダーペプチドを持つcordapAコード領域、およびトウモロコシglb1ターミネーターを含む発現カセットの側面に位置する左右のT-DNA境界領域を含んでいた。この発現カセットはcordapAの胚に特異的な発現のために設計されている。また、2成分のプラスミドは、グリホサート耐性を与える選択マーカー、epsps-cp4(Agrobacterium tumefaciens株CP4からの5-エノールピルビルシキミ酸-3-リン酸合成酵素)を含んでいた。通常、選択マーカー(epsps-cp4)は典型的には注目する遺伝子に隣接して配置され、cordapA発現カセットおよびepsps-cp4選択マーカーの双方が、形質転換した場合、植物細胞に共に組み込まれるのを可能とし、かくして、グリホサート下の選択によりcordapA導入遺伝子を含む植物の回収を増強する。あるいは、epsps-cp4マーカーが、(1)T-DNA領域内でおよび注目する遺伝子cordapAに隣接するよりむしろ、通常考えられたベクターの「骨格」内に配置される(ベクターpMON65178およびpMON65179)、または(2)もう一つの組の左右のT-DNA境界領域間に位置した(ベクターpMON65180)のいずれかの代替的な2成分のベクターを構築した。
cordapAにポジティブと同定されたR0植物をサザンブロットによってアッセイして、選択マーカーepsps-cp4に連結しないcordapAを含む植物の頻度を決定した。連結しない事象の最高のパーセンテージ(35.6%)を生じたベクターはpMON65178であり、それはベクターの骨格にepsps-cp4を含み、cordapA発現カセットに隣接する。連結しない挿入を持つR0植物に由来したR1実生を、PCRによりepsps-cp4およびcordapAの分離につきテストした。
cordapA-ポジティブおよびepsps-cp4-ネガティブであったマーカーがない分離個体をpMON65178によって形質転換された連結しない事象の93%から同定した。pMON65178は、トウモロコシglb1プロモーター、コメアクチンイントロン、トウモロコシDHDPSリーダーペプチドでのcordapA領域(ここに出典明示して本明細書の一部とみなす米国特許第6,459,019号中に配列番号:6として開示された配列のヌクレオチド3〜903)、およびトウモロコシglb1ターミネーターを含む発現カッセットに隣接する右境界および左境界配列を含み、そのepsps-cp4マーカーはプラスミド「骨格」内に位置し、そのT-DNA領域に隣接した。他の機能的なcordapA遺伝子、例えば、限定されるものではないが、米国特許第6,459,019号に配列番号:6として開示された全長917塩基対の配列、またはBonnassieら (1990) Nucleic Acids Res., 18:6421により公開されたCorynebacterium dapA遺伝子配列、その双方をここに出典明示して本明細書の一部とみなし、あるいは当該技術分野において知られた配列比較ツール、例えば、BLASTアルゴリズムにより同定し得るこれらの遺伝子のリジン非感受性ホモログを用いることができた。このアプローチにより生成されたマーカーがないcordapAトランスジェニック系統の一つは、M27908であった。この事象に由来した種子は、平均71ppmの遊離リジンを含むその野生型の分離個体からの種子と比較して、平均2505ppmの遊離リジン含量を有する。
トランスジェニック系統M27908+.0028およびM27908-.0006を、交差実験において、各々、cordapAおよび野生型の対象として用い、それらは各々、2706および64ppmの遊離リジンレベルを含んだ(図2a)。cordapAの胚に特異的な発現は、ウエスタンブロットおよびELISAアッセイによって確認した(図2bおよび図2c)。また、トランスジェニックM27908+.0028胚は、リジンの存在下でさえ、上昇したDHDPS活性を示した(図2d)。
低下したゼインおよび高リジントウモロコシ系統の遺伝交配
第1の親トランスジェニックトウモロコシ植物(ゼイン低下系統PQ15およびPQ71、それらはゼイン低下用配列をそれらのゲノムに有する)、ならびに第2の親トランスジェニックトウモロコシ植物(高リジン系統M27908+、それはリジン生合成用配列をそのゲノムに有する)を用いて遺伝交配を行った。圃場において、ゼイン低下系統、PQ15、PQ71およびそれらの野生型対照90DJD28/91INH2を雌として用いて、高リジン系統M27908+およびその野生型対照M27908で受粉した。表1は、収穫および分析された穂の得られた6つの異なるF1遺伝子型、それらの表示および数をリストする。同族のトランスジェニック親の交配に起因した全てのトランスジェニック穀粒はヘミ接合性であった。各交配からの2つの別個の試験区画からの20を超えるF1穂を収穫および分析し;穂当たり約150〜約400個の穀粒を持つ穂だけを分析のために選択した。
Figure 2008532525
分析:
穀粒の細断
穀粒の細断を促進するために、成熟した乾燥穀粒を水に沈め、摂氏4度で一晩保存した。1穂当たり50個の穀粒を細断し、凍結乾燥して、水を除去した。分離した胚および内乳の乾燥重量を記録後に、試料を粉末に粉砕した。水吸収は、以下のアミノ酸および近接する分析にかなりには影響しないことが判明した。
CordapA抽出および活性アッセイ
乾燥した胚および内乳の粉末を摂氏55〜55℃、3〜10分間にて、数回の1:3の比の組織−対−ヘキサンで抽出した。ヘキサン抽出後に、その粉末を凍結乾燥し、摂氏4〜6度にて保存した。CordapAおよび天然のDHDPSを20ミリモラーのトリス-HCl、pH 8.0、100ミリモラーのKClおよび10ミリモラーのピルビン酸ナトリウムで抽出した。1:5の比率の組織−対−CordapA抽出緩衝液を用い、摂氏4度にて1時間振盪した。抽出物を14,000×gで5分間微量遠心した。(ここに出典明示して本明細書の一部とみなすFrischら (1991) Plant Physiol., 96:444-452から採用した)アッセイについては、抽出物上清をさらに抽出緩衝液中で6倍に希釈した。希釈した抽出物の20マイクロリットルをマイクロプレートのウェルに加えた。反応を開始するために、200ミリモラーのトリス-HCl、pH 8.0、16ミリモラーのピルビン酸ナトリウム、1ミリモラーのASA(L-アスパラギン酸ベータ−セミアルデヒド水和物トリフルオロ酢酸塩)、およびプラスまたはマイナスの1ミリモラーのリジン一塩酸塩を含む反応緩衝液の180マイクロリットルを加えた。ASAはGateway Chemical Technology, St. Louisから得、4規定のHClに溶解して、140ミリモラーのストック溶液を得た。使用前に、140ミリモラーのASAストックを140ミリモラーのASAストックの100マイクロリットルを1モラーのトリス-HCl、pH 8.0の100マイクロリットルおよびに1規定のNaOHの800マイクロリットルに加えることにより、14ミリモラーに希釈した。反応は摂氏37度にて1時間進行させ、次いで終点比色定量試薬の100マイクロリットルの添加によって停止した。この試薬は、0.3ミリリットルのエタノールに20ミリグラムのオルト−アミノベンズアルデヒドを溶解し、次いで、11.7ミリリットルの0.22モラーのクエン酸塩-0.55モラーのリン酸緩衝液pH 5.5に添加することにより調製した。色は室温にて10分間進展させ、吸光度をSpectraMax Plusマイクロプレートリーダ(Molecular Devices, Sunnyvale, CA)で520ナノメーターにて読み取った。
CordapAウェスタンブロット
20ミリグラムの粉砕した内乳または胚を摂氏65度にて1.5時間、200マイクロリットルのSDSホウ酸塩緩衝液(60ミリモラーのNa2B4O7・10 H2O pH 10、4% SDS、1.5ミリグラム/ミリリットルのジチオスレイトール)中でインキュベートした。試料を14000rpmにて5分間回転させ、60マイクロリットルの上清を30マイクロリットルの3X SDS-PAGE添加液(Bio-Rad, Hercules, CA)を含む96-ウェルPCRプレートに移した。試料プレートを摂氏98度にて10分間加熱し、次いで冷却し、添加まで摂氏4度にて保存した。24ウェルのプレキャストSDS-PAGE(4-20%)ゲル(Bio-Rad)に、精製された組み換えCordapAおよび参照のための予め染色されたMW標準(Bio-Rad)と共に13マイクロリットルの各試料を負荷した。色素の先端がゲルの底に達するまで、ゲルを一定の電圧(90ボルト)で泳動し;次いで、ゲルをPVDF膜(Bio-Rad)に移した。ヤギ抗CordapA抗体をE. coliを発現した組換えCordapAに対してヤギを免疫にすることにより生成した。ウサギ抗ヤギIgGアルカリフォスファターゼコンジュゲートを含むImmun-Blot Assay Kit(Bio-Rad)を、製造者のプロトコールに従い検出のために用いた。
CordapA ELISA
100ミリグラムの乾燥した細断した胚または内乳粉末を分析した。2.5ミリリットルの冷たい抽出緩衝液(50ミリモラーのNa2B4O7・10 H2O 、0.75モラーのKCl、0.2%v/v Tween20、36ミリモラーのNaOHおよび10ミリモラーのL-アスコルビン酸)を添加した後、試料を摂氏4度にて30分間激しくボルテックスした。抽出物をろ過し、試料のアリコートを摂氏-20度にて保存した。一連の希釈(1/10、1/100、1/1000、1/5000)を行い、分析のために用いた。100マイクロリットルの希釈した一次抗体(2.4マイクログラム/ミリリットル)をNunc Immunoプレート(VWR, West Chester, PA)の各ウェルに添加し、摂氏4度にてインキュベートした。プレートをPBST(137ミリモラーのNaCl、8.1ミリモラーのNa2HPO4・7H2O、1.5ミリモラーのKH2PO4、2.7ミリモラーのKClおよび0.05%v/v Tween20)で3回洗浄し、0.1%乾燥ミルクを含む100マイクロリットルのTBA(100ミリモラーのトリス、100ミリモラーのNa2B4O7・10H2O pH 7.8、5M MgCl2、0.05%v/v Tween20および0.2%(v/v)L-アスコルビン酸)と摂氏37度にて1時間インキュベートして、非特異的な蛋白質吸着をブロックし、次いで、PBSTで再び3回洗浄した。TBA中の連続する希釈のCordapA蛋白質を標準とした(1.6、0.8、0.4、0.2、0.1、0.05ナノグラム/ミリリットル)。100マイクロリットルの各標準および試料希釈物をプレート上に三連にて負荷し、摂氏37度にて1時間インキュベートした。PBSTで3回洗浄後に、ビオチン標識したヤギ抗CordapA一次抗体のTBA中の1:10000希釈の100マイクロリットルを各ウェルに添加し、プレートを摂氏37度にて1時間インキュベートした。PBSTで3回洗浄後、1:10000希釈のNeutravidin-HRP標識マウス抗ヤギIgG(KPL Inc., Gaithersburg, MD)での第2のインキュベーションを加えた。PBSTで3回洗浄後に、100マイクロリットルのTMB基質/H2O2(1:1)(VWR)での10分間のインキュベートに続いて、反応を100マイクロリットルの6モラーのH3PO4の添加により停止した。SpectraMax Plusマイクロプレートリーダ(Molecular Devices)を用いて吸光度を450ナノメーターにて読み取った。
マトリックス支援レーザー脱着イオン化飛行時間型質量分析
個々の穀粒を粉砕し、40ミリグラムの穀粒粉末−対−1ミリリットルの緩衝液の比率にて、エタノール緩衝液(70%エタノール、25ミリモラーの水酸化アンモニウムおよび10ミリモラーのジチオスレイトール)で抽出した。試料を周期的に振盪させつつ、摂氏60度の水浴中で1時間インキュベートし、1000rpmにて15分間遠心した。次いで、1マイクロリットルの各試料をApplied Biosystems (Framingham, MA) SymBiotTM Iロボットを用いて8マイクロリットルのマトリックス(0.3%トリフルオロ酢酸を含む70%アセトニトリル中の10.4ミリグラム/ミリリットルの2-(4'-ヒドロキシアゾベンゼン)-安息香酸(HABA))と混合した。この混合物からの0.6マイクロリットルを、384-ポジションMALDI標的プレート(Applied Biosystems)上に置いた。炭酸脱水酵素(Sigma, St. Louis, MO)を内部標準としてマトリックス混合物(1ミリモラー)中に含ませ、スペクトルを標準化した。マトリックス支援レーザー脱着イオン化飛行時間型質量分析(MALDI-TOF MS)を337ナノメーターの窒素レーザーを備えたApplied Biosystems Voyager-DETM PRO BiospectrometryTM Workstationを用いて行った。ゼイン蛋白質を分析するためのMALDI-TOF MS法の詳細な記載は、Adamsら (2004) J. Agric. Food Chem., 52:1842-1849(ここに出典明示して本明細書の一部とみなす)により公表されている。
アミノ酸分析
全体の穀粒または細断した胚および内乳のプールからの粉砕されたミール試料(50ミリグラム)を摂氏4度にて一晩5%TCAで抽出した。抽出物をろ過し、必要ならば希釈し、OPA法により遊離アミノ酸を分析した。その方法は、オルト−フタルジアルデヒドを用いて、試料を誘導体化した後、C18の逆相HPLCカラム(Zorbax Eclipse-AAA, XDB C-18, 4.6ミリメートル×75ミリメートル, 3.5マイクロメートル, Agilent Technologies, Palo Alto, CA)に続いて、ガードカラム(Zorbax Eclipse-AAA, 4.6ミリメートル×12.5ミリメートル, 5マイクロメートル, Agilent Technologies, Palo Alto, CA)に注入する。発明者らは、蛍光検出器を装備したAgilent HPLC(モデル1100)を用いた。合計のアミノ酸分析については、蛋白質加水分解をOPA誘導に先立って行った。試料(60ミリグラム)をアルゴン下で摂氏110度にて24時間、10ミリリットルの6規定のHClおよび10マイクロリットルのフェノールで加水分解した。アリコートを乾燥させ、OPA誘導および引き続いてのHPLC分析ために0.1規定のHClに再溶解した。リジン測定をLC-MS/MSにより繰り返した。また、リジン代謝物質、アルファ-アミノアジピン酸デルタセミアルデヒド(「AAA」)およびサッカロピン(「Sac」)を測定した。
組成分析
表2における各穂からの大きくなった(bulked)穀粒の近似の含量をInfratec 1221 Grain Analyzer (Foss, Eden Prairie, MN)を用いて(ここに出典明示して本明細書の一部とみなすDyerおよびFeng (1997) Feedstuffs, 69:16-25に記載された)近赤外線透過(NIT)分析により決定した。表2に示した細断した胚および内乳の合計の蛋白質含量をFP-528 Protein/Nitrogen Determinator (LECO, St. Joseph, MI) に続いて、AOCS (American Oil Chemical Society)オフィシャル法 Ba 4f-00で決定した。
LKR/SDH抽出および活性アッセイ
Goncalves-Butruile ら (1996) Plant Physiol., 110:765-771, Gaziolaら (1999) J. Agric. Food Chem., 47:1268-1275,および Kemperら (1998) Eur. J. Biochem., 253:720-729(それらの全てをここに出典明示して本明細書の一部とみなす)からのこの抽出物調製手順を採用し、修飾した。注目する生殖質の新鮮な凍結し粉砕されたトウモロコシ穀粒(300-600ミリグラム)を、150マイクロリットル(乾燥容量)のポリビニルピロリドンと予め混合したLysing matrix E (Q-Biogen, Irvine, CA)を含む2ミリリットルチューブに入れた。625マイクロリットルの体積の抽出緩衝液(50ミリモラーのKH2PO4:K2HPO4 pH 7.4、125ミリモラーのNaCl、2.0ミリモラーのMgCl2、1.0ミリモラーのEDTA、250マイクロモラーのCaCl2、10%グリセロール、CHAPS 0.1%、8ミリモラーのNaF、4ミリモラーのDTT、および1つの完全なプロテアーゼタブレット(Roche, Indianapolis, IN)を粉砕した穀粒およびマトリックスの頂部に添加した。試料をFast Prep machine (Q-Biogen)を用いてホモジナイズした。ホモジネートを時々混合/振盪しつつ、15-20分間氷上に置いた後、14,000×gにて15分間遠心した。上清(550〜625マイクロリットル)を密集した残渣から取り出し、個別のチューブに入れた。この試料を7.5および15%にて、PEG沈降反応(水中のPEG 8000 50%w/v)により分画した。15%ペレット(LKRおよびSDH活性を含んだ)を新たな抽出緩衝液(150-300マイクロリットル)に再懸濁し、LKRおよびSDH活性を分析した。全ての手順は(室温でのホモジナイゼーションを除いて)摂氏4度にてまたは氷上で行った。
LKRおよびSDH活性は、Tecan Safire2 (Tecan US, Research Triangle Park, NC)における340ナノメーターおよび摂氏30度でのNADPHの酸化の割合またはNAD+の低下の割合を各々観察することにより、10〜20分間分光測光的に分析した(例えば、Goncalves-Butruileら(1996)により記載されたプロトコールを参照)。反応試料体積は双方のアッセイにつき200マイクロリットルであった。LKRアッセイは、100ミリモラーのKH2PO4:K2HPO4 pH 7.0、1ミリモラーのEDTAおよび10ミリモラーのMgCl2中に25ミリモラーのリジン、13.3ミリモラーのアルファケトグルタル酸、325マイクロモラーのNADPHおよび10〜30マイクロリットルの抽出物を含んでいた。ネガティブな対照は、アルファケトグルタル酸以外のすべてを含んでいた。SDHアッセイは、100ミリモラーのKH2PO4:K2HPO4 pH 8.4、20ミリモラーのTAPSおよび1ミリモラーのEDTA中に2.15ミリモラーのL-サッカロピン、2.5ミリモラーのNAD+および10〜30マイクロリットルの抽出物を含有した。ネガティブな対照は、L-サッカロピンを除いてすべてを含有した。特異的な活性は、1ミリグラムの蛋白質当たり毎分酸化したNADPHあるいは低下したNAD+のナノモル単位で報告される。蛋白濃度は、Bio-RadからのBradford試薬を用いて決定した。
結果
質量スペクトルゼイン分析
F1交配の親がそれらの各導入遺伝子につきホモ接合性であったので、F1穀粒は双方の組換え遺伝子座に一様にホモ接合性であった。F1生成における組換え遺伝子座の発現を保証するために、個々の穀粒のゼイン組成をMALDI-TOF質量スペクトル分析によって検討した。各交配からのF1穀粒についてのその代表的なスペクトルは、それらを起源とするゼイン低下系統に類似することが判明した(図3)。加えて、複数のF1を含む全てのCordapAは、CordapAの胚に特異的な発現を保持した(図4)。CordapA 導入遺伝子の存在がこれらの複数のF1におけるゼインプロフィールを変化させなかったが、その発現はゼイン低下の複数のF1において顕著に高かった。
全体の穀粒の近似の分析
表2は、トランスジェニックおよび野生型の穂により生成された、近赤外線透過(NIT)近似分析および大きくなった穀粒サイズの結果を与える。示したデータは、平均プラスまたはマイナスの信頼区間を意味する(アルファ=0.05)。サイズはグラム単位で100-穀粒重量にて測定した。合計の蛋白質重量は、グラム単位での100-穀粒の合計の蛋白質重量として示され、蛋白質含量に100-穀粒サイズを掛けることにより計算した。PQ15/CordapAおよびPQ15、PQ71/CordapAおよびPQ71、ならびにCordapAおよび対照の間で観察された比較的に小さな差は、CordapAが穀粒の近似の組成におけるいずれのかなりの変化にも寄与しないことを示唆した。他方、穀粒の近似の組成におけるゼイン低下の衝撃は検出できる。また、ゼイン蛋白質の最も劇的な低下を有するように見えたPQ15/CordapAおよびPQ15材料は、より低い蛋白質含量、より低い種子密度およびより小さな種子サイズを有するように見えた。100の穀粒当たりの蛋白質重量が計算した場合、PQ15/CordapAおよびPQ15は、それらの非ゼイン低下相当物、CordapAおよび対照と比較して、平均25%の低下を有した。PQ71/CordapAおよびPQ71材料のわずかに高い蛋白質含量は、それらのわずかに小さなサイズによって相殺され、100の穀粒当たりのそれらの蛋白質重量はCordapAおよび対照のものと区別できなかった。PQ15/CordapAおよびPQ15種子の油含量は、他のものより著しく高かった(先の生成についての観察と一致する)が、これは、他のゼイン低下系統PQ71が通常の油含量を有したので、ゼイン低下によって引き起こされたかは不明瞭であった。
Figure 2008532525
全体穀粒の遊離アミノ酸およびリジン代謝物質の分析
全体穀粒の遊離アミノ酸分析の結果を表3に示し、そのデータは、100万分の1(ppm)で、2試験区画の平均±標準偏差として示した。また、LC-MS/MSにより測定したリジンおよびその代謝物質、アルファ-アミノアジピンデルタセミアルデヒド(AAA)およびサッカロピン(Sac)のレベルを与える。
Figure 2008532525
* LC-MS/MSにより測定
CordapA導入遺伝子を含む全てのF1材料の全体穀粒の遊離リジン含量は非常に高く、リジン代謝物質、アルファ-アミノアジピンデルタセミアルデヒドおよびサッカロピンにおける増加を伴った。予期せぬことに、ゼイン低下は、CordapAの発現によって引き起こされた遊離リジンの蓄積を相乗的に増加させるように見えた(PQ15/CordapAおよびPQ71/CordapAにおける2908および2498ppm−対−CordapAにおける1838ppm)。リジン以外の検討したアミノ酸のうちアスパラギン、アスパラギン酸塩、グルタミン酸塩およびグルタミンが、PQ15およびPQ71系統において著しい増加を有した。しかしながら、PQ15/CordapAおよびPQ71/CordapAにおいてのごとく、CordapAと組み合わせた場合、これらのアミノ酸のレベルは対照材料におけるものに似ていた。
全体穀粒の合計アミノ酸分析
全体穀粒の合計遊離アミノ酸分析の結果を表4に示し、そのデータは、100万分の1(ppm)で、2試験区画の平均±標準偏差として示した。アスパラギンおよびアスパラギン酸塩を組み合わせ(「Asx」);グルタミンおよびグルタミン酸塩を組み合わせている(「Glx」)。
Figure 2008532525
表4に示されるごとく、分析した全体のF1穀粒中で定量したアミノ酸のうち観察された最も著しい差は、リジン含量にあった。PQ15およびPQ71は、対照と比較した場合、合計のリジンレベルを上昇させることが判明した。加えて、それらの遊離リジン含量を差し引いた後に、PQ15/CordapA、PQ71/CordapAおよびCordapAの合計のリジン含量は、各々、PQ15、PQ71および対照におけるものと同様であった(表3参照)。
細断した胚および内乳−遊離アミノ酸およびリジン代謝物質の分析
細断した胚および内乳についての遊離アミノ酸分析の結果を表5に示し、そのデータは、100万分の1(ppm)で、2試験区画の平均±標準偏差として示した。試料は、試験区画から収穫した各穂からの等量の粉砕したミルによりプールした。また、LC-MS/MSにより測定したリジンおよびその代謝物質、アルファ-アミノアジピンデルタセミアルデヒド(AAA)およびサッカロピン(Sac)のレベルを与えた。
Figure 2008532525
Figure 2008532525
表5に示されるごとく、細断した胚および内乳組織からの結果は、全体穀粒の分析からのデータに同様であった。CordapAを保護するF1材料は、リジンおよびリジン代謝物質における増加を有し、ゼイン低下の複数のF1はより高いアスパラギン、アスパラギン酸塩およびグルタミン酸塩を有した。一般的に、遊離アミノ酸は、胚においてより濃縮(ppm)され、それは、天然の穀粒を横切って検討した場合に統計的に有意でないわずかな差の増幅に導いた。また、例えば、CordapAの発現は、(PQ15/CordapA、PQ71/CordapA、およびCordapAをPQ15、PQ71および対照に比較して)胚組織においてアラニンおよびセリンを約50%低下させた。他方、ゼイン低下系統におけるアスパラギン、アスパラギン酸およびグルタミン酸塩の大部分の増加は、(PQ15およびPQ71を対照に比較して)内乳において判明した。
細断した胚および内乳−合計アミノ酸分析
全体穀粒の合計遊離アミノ酸分析の結果を表6に示し、そのデータは、100万分の1(ppm)で、2試験区画の平均±標準偏差として示した。アスパラギンおよびアスパラギン酸塩を組み合わせ(「Asx」);グルタミンおよびグルタミン酸塩を組み合わせている(「Glx」)。
Figure 2008532525
Figure 2008532525
PQ15/CordapAをPQ15に、PQ71/CordapAをPQ71に、およびCordapAを対照に比較すると、CordapAの発現は、内乳における合計のアミノ酸蓄積をわずかに低下させた。胚においては、ヒスチジンおよびリジンは、複数のF1を含むCordapAにおいて一致した増加を示した唯一のアミノ酸であった。種々の合計アミノ酸レベルについてのゼイン低下の衝撃に関して、PQ15ではなくPQ71は、対照に比較してより高い合計アミノ酸含量を有した。しかしながら、内乳にだけ生じた合計リジンにおける増加は、双方の事象で一致していた。
細断した胚および内乳−蛋白質含量および乾燥重量
細断した胚および内乳についての蛋白質含量および乾燥重量分析結果を表7に与え、平均±信頼区間として示した(アルファ=0.05)。乾燥重量をグラム単位で、50個の細断した胚あるいは内乳の合計の平均として与えた。
Figure 2008532525
3つの全てのペアでの比較PQ15/CordapA−対−PQ15、PQ71/CordapA−対−PQ71およびCordapA−対−対照において、蛋白質含量は、比例する乾燥重量に影響せずに、胚に対し内乳中でわずかに増加するように見えた。これは、表6に示したデータと一致し、合計のアミノ酸は、CordapA導入遺伝子を運ぶ材料において、胚組織においてより高く、内乳組織においてより低かった。対照と比較したゼイン低下の衝撃に関して、胚および内乳の双方において、PQ15は同様の蛋白質含量を有するが、かなり低下した重量を有し、一方、PQ71は、より高い蛋白質含量および重量において単に小さな低下を有した。
F1成長穀粒のLKR/SDH活性
F1成長穀粒において測定されたLKRおよびSDHに特異的な活性を表7に示す。データは、平均±標準偏差として示される(n=3)。各試料を受粉(DAP)後25日に発生する穂の穀粒から調製し、三連にて分析した。F1当たり3つの成長している穂を用いた。LKRおよびSDHに特異的な活性は、ミリグラム蛋白質当たり毎分、ナノモルでの酸化したNADPHあるいは低下されたNAD+で報告している。
Figure 2008532525

F1成長穀粒におけるLKRおよびSDHに特異的な活性は、各々、ミリグラム蛋白質当たり毎分14.15〜29.88ナノモルの酸化したNADPH、およびミリグラム蛋白質当たり毎分3.78〜6.01の低下したNAD+であった。LKRに特異的な活性は、内乳を発生するトウモロコシについて従前に報告されたより5〜10倍高かった。例えば、Azevedoら (2004) J. Agric. Food Chem., 52:4865-4871, Gaziolaら (1999) J. Agric. Food Chem., 47:1268-1275, and Kemperら (1999) Plant Cell, 11:1981-1993(これらの全てをここに出典明示して本明細書の一部とみなす)参照。不透明な変異体とは異なり、トランスジェニックアプローチによるゼイン低下は、これらのF1におけるLKRおよびSDHの特異性活性を減少させなかった。すべてのゼイン低下F1(PQ15/CordapA、PQ15、PQ71/CordapAおよびPQ71)の成長する穀粒は、通常のゼインレベルを持つF1のものCordapAおよび対照より同様またはより高いLKRおよびSDH特異性活性を有した。上昇したリジン濃度は、LKRおよびSDH特異性活性を増加させるようには見えなかった(PQ15/CordapAをPQ15に、PQ71/CordapAをPQ71におよびCordapAを対照に比較する)。高リジンの複数のF1で判明したサッカロピンの蓄積と一致して、LKR/SDH比は3.46〜5.72の範囲にあり、さらに以前に報告されたものより何倍か高かった。
考察
F1種子は、ホモ接合性の親に類似した発現型を示した。CordapA 導入遺伝子を含むF1子孫はより高い遊離リジン(表3)を有し、PQ15およびPQ71に由来したF1種子は、ゼインの低下(図3)を示し、合計リジン含量(表4)を上昇させた。PQ15/CordapAおよびPQ71/CordapA交配におけるごときゼイン低下およびCordapA発現を組み合わせる結果、対照材料において観察された合計リジン含量を実質的に増加(約倍増)させた(表4)。
遊離リジン蓄積に対する予期しないCordapA依存性の相乗効果を観察した。CordapA F1子孫は1838ppmの遊離リジンを蓄積し、それは43ppmの対照に対して40倍を超える増加であった(表3)。ゼイン低下は、PQ15/CordapAおよびPQ71/CordapAの組合せにおいて見られるように、CordapA発現に由来した遊離リジンレベルを相乗的に増加させ、それは、各々、より高い遊離リジン含量2908および2498ppmさえ有した。ゼイン低下だけを持つF1(PQ15およびPQ71)は、遊離リジンの対照レベルを有し、それはゼイン低下が、CordapAの存在下で相乗的な様式でリジン生合成を増強することを示した。しかしながら、上昇した遊離リジンは、ゼイン低下により引き起こされた蛋白質結合リジンにおける増加に寄与しなかった。大量のリジンに乏しいゼインが、トランスジェニック種子の内乳中で低下するので、合計リジンにおける増加のほとんどすべては内乳で判明した(表6)。
opaque-2変異体(Mertzら(1964) Science, 145:279-280)の高リジン含量が、リジンに乏しいゼインの低下およびリジンに富んだ非ゼイン蛋白質の多面的な増加によることが提案された。例えば、DamervalおよびDevienne (1993) Heredity, 70:38-51, Habbenら (1993) Plant Mol. Biol., 23:825-838,および Lopez-Valenzuelaら (2004), Plant Physiol., 135:1784-1797(これらの全てをここに出典明示して本明細書の一部とみなす)参照。PQ15/CordapAおよびPQ71/CordapAにおけるゼイン低下およびCordapA発現によって引き起こされた遊離リジンにおける増加を表3から計算し、各々、PQ15/CordapAでは2865 (2908 - 43) ppmおよびPQ71/CordapAでは2454 (2498 - 43) ppmの計算された遊離リジン値を得た。表4に示したPQ15およびPQ71の合計リジンに遊離リジンにおける増加を加えると、PQ15/CordapAおよびPQ71/CordapAについて予期された合計リジン含量は、5975および5784ppmであると見積もられた。これらの見積りは、6160±354および5475±375 ppmの実際の測定値とはかなりには異なっていなかった(表4)。かくして、初期の仮説とは対照的に、より高い遊離リジンは、トランスジェニックゼイン低下系統におけるリジンに富んだ非ゼイン蛋白質の合成を刺激しなかった。PQ15は対照に類似する蛋白質含量を有したが、そのより小さな穀粒(かくして、より小さな内乳)は穀粒単位でより少数の全体的な蛋白質を含有するものに導き(表2および表7)、これは、PQ15におけるゼイン低下が、リジンに富んだ非ゼイン蛋白質の合成に対してほとんど効果を有しないことを示唆した。他方、PQ71はわずかに小さな穀粒を有するが、より高い蛋白質含量を有し、かくして、全体的な蛋白質の量は対照に匹敵する(表2および表7)。同時に、PQ15において観察されたより高い合計のリジン含量はゼイン低下を単に反映するが、PQ71における合計のリジン含量の増加は、リジンに富んだ非ゼイン蛋白質の合成によって恐らく引き起こされた。
ゼイン低下は、CordapAで増強されたリジン生合成のための前駆物質アミノ酸の供給を予期せぬことに増加させる結果、リジンにおける相乗的に増加を生じさせることが判明した。ゼイン低下F1(PQ15およびPQ71)において、3つの遊離アミノ酸、アスパラギン、アスパラギン酸塩およびグルタミン酸塩は、測定されたすべての遊離アミノ酸中で最も顕著な増加を有した(表3)。ゼイン低下系統へのCordapAの導入は相乗的にリジン生合成を増強し、アスパラギン、アスパラギン酸塩およびグルタミン酸塩を付随的に低下させた(表2におけるPQ15/CordapA、PQ71/CordapA)。植物において、リジンは、アスパラギン酸からAspファミリーのリジン分岐を介して合成され;今度は、アスパラギン酸はグルタミン酸塩またはアスパラギンから合成できると考えられる。例えば、ここに出典明示して本明細書の一部とみなすGalili (2002) Annu. Rev. Plant Physiol. Plant Mol. Biol., 53:27-43参照。さらに、ゼイン低下F1およびゼイン低下/CordapA F1において検出されたアスパラギン酸塩、アスパラギンおよびグルタミン酸塩の予期しない変化は、リジン生合成の増強においてこれらのアミノ酸の重要性を示した。
実施例2
この非限定の実施例は、本発明のトランスジェニック植物にゼイン低下用配列を導入するのに有用な組換えDNA構築体を記載し、その構築体の使用は、米国特許出願11/057,062号(ここに出典明示してその全てを本明細書の一部とみなす)に一般的に記載されている。より詳細には、この実施例は、少なくとも1つのゼイン遺伝子(例えば、アルファ-、ベータ-、ガンマ-およびデルタ-ゼインについてのいずれかの1以上の遺伝子)を抑制するためのアンチセンス配向のRNAの閉ループの使用を記載する。少なくとも1つのゼイン遺伝子を抑制するための組換えDNA構築体は、5'から3'の順序で、少なくとも1つのゼイン遺伝子からのアンチセンス配向のDNAエレメントに作動可能に連結したプロモーターエレメント、およびセンス配向のDNAエレメントを含むことができ、ここに、センス配向のDNAエレメントはアンチセンス配向のDNAエレメントより短く、センス配向のDNAエレメントによって転写されたセンス配向のRNAは、アンチセンス配向のDNAエレメントにより転写されたアンチセンス配向のRNAによって転写されたアンチセンス配向のRNAの5'最端に相補的であり、ここに、その転写されたRNAは、少なくとも1つのゼイン遺伝子を抑制するアンチセンス配向のRNAのループを形成する。もう一つの具体例において、ゼイン低下用配列は、少なくとも1つのゼイン遺伝子を抑制するためのアンチセンス配向のRNAのループを形成するRNAに転写される組換えDNA構築体をトランスジェニック植物の細胞に供することにより、本発明のトランスジェニック植物中に導入できる。
実施例3
この実施例は、本発明のトランスジェニックトウモロコシ植物を得るのに有用な非限定の構築体を記載する。イントロンに埋め込まれた遺伝子抑制用の非相同性のDNAを含む発現カセットは、米国仮特許出願第60/638,256号(ここに出典明示してそれらの全てを本明細書の一部とみなす)に詳細に記載されている。本発明の実施に有用な同様の発現カセットは、当業者に明らかである。例えば、本発明のトランスジェニック植物を得るのに有用な適当なベクターは、少なくとも1つのゼイン合成遺伝子を抑制するために埋め込まれた配列(例えば、DNAの逆反復)であるトウモロコシ熱ショック蛋白質イントロンに作動可能に連結した、種子特異的なプロモーターおよびリーダー、および所望により、少なくとも1つの内因性リジン異化酵素(例えば、トウモロコシLKR)を抑制するための配列に続いて、標的配列およびリジン合成遺伝子をコードする配列(例えば、E. coli AKIII、またはCorynebacterium DHDPS)、ならびに最後に、ポリアデニル化シグナルおよびサイトを持つDNAを含有する発現カセットを含む。ベクターはさらに選択またはスクリーニングのマーカー、例えば、グリホサート除草剤耐性をコードする遺伝子を含むことができる。
本明細書に開示および特許請求された全ての材料および方法は、前記の開示により教示されるごとく、過度の実験なくして行い、用いることができる。本発明の材料および方法は、好ましい具体例および例示的な実施例に関して記載されたが、当業者には、本発明の概念、精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載された材料および方法に変形を適用し得ることは明らかであろう。当業者に明らかなかかる同様の置換および改変の全てが、添付された特許請求の範囲により規定された本発明の精神、範囲および概念内にあると考えられる。
図1aは、第1のトランスジェニックトウモロコシ植物に実質的に類似する遺伝子型を有するが、ゼイン低下用配列を欠く野生型のトウモロコシ系統90DJD28/91INH2.0002と比較して、19-キロダルトンアルファ-ゼインにおける低下を示すゼイン低下用配列をそのゲノムに有する第1の親トランスジェニックトウモロコシPQ015/PQ15.0001およびPQ071/PQ71.0014からの種子のマトリックス支援レーザー脱着イオン化飛行時間型質量スペクトル分析を示す。実施例1参照。X軸は、m/z(質量−対−電荷)比を示す。Y軸は、パーセント強度を示す。質量スペクトルは、標準蛋白質ピーク[CA+H]+ (炭酸脱水酵素)、約29,000m/zにより正規化された。[CA+H]2+と15-キロダルトンのベータゼインとの間のその15,615ダルトンのピークは、炭酸脱水酵素からの夾雑物であると考えられた。図1bは、野生型トウモロコシ系統90DJD28/91INH2および90DJD28/91INH2.0002と比較した第1の親トランスジェニックトウモロコシPQ015/PQ15.0001およびPQ071/PQ71.0014の合計リジン含量を示す。Q015/PQ15、PQ071/PQ71および90DJD28/91INH2の合計リジン含量に関するその誤差バーは、信頼区間(アルファ=0.05、n=20)を表す。 図2a-dは、リジン生合成(cordapA)用の配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有する第2の親トランスジェニックトウモロコシ植物(M27908+)の代表的なM27908+.0028からの種子、ならびにM27908+に実質的に類似する遺伝子型を有するが、リジン生合成用配列を欠く野生型のトウモロコシ系統M27908-の代表的なM27908-.0006からの種子の特徴付けアッセイの結果を示す。実施例1参照。図2aは、遊離リジン分析の結果を示す。誤差バーは同胞穂の標準偏差である。図2bは、個々の成熟した穀粒のcordapAのウェスタン分析の結果を示す。CordapAの胚に特異的な発現が観察され、穂(M27908+.0028)のホモ接合性が確認された。図2cは、CordapA ELISA結果を示し、それはCordapAの胚に特異的な蓄積をさらに確認した。誤差バーは実験反復の標準偏差である。図2dは、リジン非感受性のDHDPS活性アッセイの結果を示す。DHDPS活性アッセイに用いたリジン濃度は1ミリモラーであった。 図3は、ゼイン低下用配列をそれらのゲノムに有する各親トランスジェニックトウモロコシ植物PQ015/PQ15.0001(「PQ15」)およびPQ071/PQ71.0014(「PQ71」)に類似するゼインプロフィールを示すF1子孫トランスジェニックトウモロコシ植物PQ15/CordapAおよびPQ71/CordapAからの種子の代表的なマトリックス支援レーザー脱着イオン化飛行時間型質量スペクトル分析を示す。実施例1参照。CordapAおよび対照からの種子の質量スペクトルは90DJD28/91INH2.0002に匹敵する。X軸は、m/z(質量−対−電荷)比を示す。Y軸は、パーセント強度を示す。 図4は、リジン生合成用配列cordapAの胚に特異的な発現を確認する、F1子孫トランスジェニックトウモロコシ植物PQ15/CordapAおよびPQ71/CordapAからの細断した種子についてのCordapA ELISA結果を示す。実施例1参照、PQ15/CordapAおよびPQ71/CordapAにおいて、CordapAの発現は、ゼイン低下用配列を欠く対照F1、CordapAにおけるよりも高い。誤差バーは信頼区間(アルファ=0.05, n>20)を表す。N.D. 検出せず。 図5a-eは、F1子孫トランスジェニックトウモロコシ植物PQ15/CordapAおよびPQ71/CordapAならびに親トランスジェニック植物CordapAにおけるリジン生合成経路の遊離リジンと他の成分との間のピアソン相関性を示す。実施例1、表3参照。図5aは、遊離リジンおよび遊離アスパラギン酸塩間の相関性を示す。図5bは、遊離リジンおよび遊離アスパラギン間の相関性を示す。図5cは、遊離リジンおよび遊離グルタミン酸塩間の相関性を示す。図5dは、遊離リジンおよび遊離サッカロピン間の相関性を示す。図5eは、遊離リジンおよびCordapA発現間の相関性を示す。各データポイントは、用いたその3つの各F1についての1試験区画(plot)および2試験区画から収穫された大きくした(bulked)粉砕した穂を表す。各グラフ内の数は、直線回帰のr2値に続いて、有意水準(P)に相当する。

Claims (16)

  1. ゼイン低下用配列およびリジン生合成用配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有し、それにより該遺伝子組換えDNAの発現が、該トランスジェニックトウモロコシ植物の種子のリジン含量を相乗的に増加させることを特徴とするトランスジェニックトウモロコシ植物。
  2. 該ゼイン低下用配列が、少なくとも1つのゼイン合成遺伝子の遺伝子抑制用配列を含む請求項1記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
  3. 該リジン生合成用配列が外来性リジン合成遺伝子を含む請求項1記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
  4. 該外来性リジン合成遺伝子が、実質的にフィードバック非感受性のリジン合成酵素をコードする遺伝子を含む請求項3記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
  5. 該リジン生合成用配列が、該トランスジェニックトウモロコシ植物に内因性のリジン異化酵素の遺伝子抑制用配列を含む請求項1記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
  6. 該リジン生合成用配列が、該トランスジェニックトウモロコシ植物に外来性のリジン合成遺伝子および内因性のリジン異化酵素の遺伝子抑制用配列を含む請求項1記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
  7. 該外来性のリジン合成遺伝子が、実質的にフィードバック非感受性のリジン合成酵素をコードする遺伝子を含む請求項6記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
  8. 該トランスジェニックトウモロコシ植物が、ゼイン低下用配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有する第1の親トランスジェニックトウモロコシ植物、およびリジン生合成用配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有する第2の親トランスジェニックトウモロコシ植物の遺伝交配からの子孫トランスジェニックトウモロコシ植物を含み、該遺伝交配からの該子孫トランスジェニックトウモロコシ植物が、ゼイン低下用配列およびリジン生合成用配列をそのゲノムに有することを特徴とする請求項1記載のトランスジェニックトウモロコシ植物。
  9. (a)ゼイン低下用配列およびリジン生合成用配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有するトランスジェニックトウモロコシ植物を提供し、
    (b)該トランスジェニックトウモロコシ植物の種子中で該遺伝子組換えDNAを発現させ、ここに、該発現が該種子のリジン含量を相乗的に増加させ、次いで
    (c)相乗的に増加したリジン含量を持つ該種子を収穫する
    ことを特徴とする相乗的に増加したリジン含量を持つトウモロコシ種子を提供する方法。
  10. 該ゼイン低下用配列が、少なくとも1つのゼイン合成遺伝子の遺伝子抑制用配列を含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
  11. 該リジン生合成用配列が、外来性リジン合成遺伝子を含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
  12. 該外来性リジン合成遺伝子が、実質的にフィードバック非感受性のリジン合成酵素をコードする遺伝子を含むことを特徴とする請求項11記載の方法。
  13. 該リジン生合成用配列が、該トランスジェニックトウモロコシ植物に内因性のリジン異化酵素の遺伝子抑制用配列を含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
  14. 該リジン生合成用配列が、該トランスジェニックトウモロコシ植物に外来性のリジン合成遺伝子および内因性のリジン異化酵素の遺伝子抑制用配列を含むことを特徴とする請求項9記載の方法。
  15. 該外来性リジン合成遺伝子が、実質的にフィードバック非感受性のリジン合成酵素をコードする遺伝子を含むことを特徴とする請求項14記載の方法。
  16. 該提供が、ゼイン低下用配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有する第1の親トランスジェニックトウモロコシ植物、およびリジン生合成用配列を含む遺伝子組換えDNAをそのゲノムに有する第2の親トランスジェニックトウモロコシ植物の遺伝交配を含み、該遺伝交配が、ゼイン低下用配列およびリジン生合成用配列をそのゲノムに有する子孫トランスジェニックトウモロコシ植物を生じさせることを特徴とする請求項9記載の方法。
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