JP2008530121A - 多発性硬化症を治療および予防するためのカルシトニンおよびカルシトニン様ペプチド類の使用 - Google Patents

多発性硬化症を治療および予防するためのカルシトニンおよびカルシトニン様ペプチド類の使用 Download PDF

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Abstract

患者に有効量のカルシトニン、カルシトニン様ペプチド類またはカルシトニンミメティック類を患者に投与することによる、多発性硬化症を治療および予防する方法。さらに、1,25−ジヒドロキシビタミンD類似体を、前記カルシトニン、カルシトニン様ペプチド類またはカルシトニンミメティック類と併用できる。

Description

関連出願の相互参照
本願は、その全体が示されているかのように参照により本明細書に組み込まれる、2005年2月14日に出願された米国仮出願第60/652,831号の利益を主張する。
連邦支援の研究または開発に関する記述
該当なし
背景
本発明は、概して、多発性硬化症を治療および予防するための方法および組成物に関し、より詳しくは、患者に合成カルシトニン、カルシトニン様ペプチド類またはカルシトニンミメティック類を投与することによって多発性硬化症を治療および予防するための方法および組成物に関する。
多発性硬化症
多発性硬化症(MS)では、脳および脊髄において、神経組織の炎症が、ミエリン、神経線維の保護的絶縁体として作用する脂肪物質の喪失を引き起こす。このミエリンの喪失、すなわち、脱髄が、神経細胞に沿って、複数領域の瘢痕組織、すなわち、硬化を残す。その結果、硬化が、多様な、変化に富む神経徴候および症状をもたらし、通常、再発と寛解を繰り返す。
今まで、MSの治療は、それだけには限らないが、弱視または失明、よろめきながらの歩行および不規則な歩行、不明瞭な発語ならびに頻尿および尿失禁をはじめとする症状の軽減に焦点を絞ってきた。さらに、MSは、気分変動およびうつ病、筋攣縮および重篤な麻痺を引き起こし得る。MSの原因は未知であるが、免疫異常が初期の炎症を引き起こすことが疑われているが、現在のところ、特定の機構を示す糸口はほとんどない(The Merck Manual、第16版、1993、Merck&Co.)。
MSは北半球地方でより高頻度である。西欧諸国では地域により、有病率が、100,000人あたり50〜150症例で変わる。米国単独で、およそ250,000〜350,000人がMS診断を有している。女性は、男性と比較して、2倍MSを発症する可能性がある。
MSに対する現在の治療は、通常、免疫系を抑制する。例えば、ある治療は、細胞増殖抑制剤および免疫抑制薬の投与に加えて、骨髄の移植を含む。この治療は一部の患者には効き目があるが、費用がかかり、患者にとっていくつかの危険を含む。さらに、細胞増殖抑制剤の投与は、MSの治療においては賛否両論があると考えられているが、これは、その作用が不明確であり、起こり得る副作用が重篤であるからである。
その他の治療は、MS疾患を治すまたは遅延させることを目的とする。特定の患者の間で、インターフェロン−β(AVONEX(商標)およびBETASERON(商標))がMSの症状を軽減するため、倫理的理由から、ほとんどの患者に投与される。残念ながら、これらの患者に対するインターフェロン−βの作用機序は不明確である。抑制治療同様、インターフェロン−βには費用がかかる。その他の患者には、酢酸グラチラマー(COPAXONE(商標))が発作の頻度を減少させるが、その副作用は相当なものであり、MSの症状と酢酸グラチラマーの副作用を区別することにおいて問題が生じる。
再発型のMSの治療用にFDAによって承認される予定の最新の薬物として、TYSABRI(商標)(以前はANTEGRENとして知られていたNATALOZUMAB)がある。上記のように、MSを治療するためのほとんどの薬物は、免疫系を抑制するが、TYSABRI(商標)は、免疫細胞が中枢神経系(CNS)へ入ることを遮断し、それによって神経の損傷を防ぐ。TYSABRI(商標)の1つの欠点は、その副作用であり、これとしては、頭痛、疲労、尿路感染症、鬱病、下気道感染症、関節痛および腹部不快感が挙げられる。TYSABRI(商標)に関するもう1つの欠点は、長期の安全情報がないことである。
現在、MSに対する有効な治療は存在しない。治療は、単にその症状を軽減することに焦点を絞っている。疾患を治すための移植および種々の薬物治療を用いる試験は、解決策を示していない。したがって、疾患の深刻な進行からMS患者を保護できる薬物に対する需要は、最優先のものである。
カルシトニン
多くの場合、1,25(OH)は、高カルシウム血症を引き起こす可能性のある用量でのみ、EAEを完全に防ぐが、高カルシウム血症はカルシトニンの循環レベルの上昇をもたらす。さらに、雌のマウスでは、1,25(OH)と無関係の高カルシウム血症がEAEを防ぐ場合がある。カルシトニンは、炎症疾患のいくつかの動物モデルにおいて抗炎症特性を有することがわかっている。最後に、カルシトニンはまた、自己免疫疾患関節リウマチの治療において効果を発揮している。
カルシトニンは、カルシウムおよびリン代謝に関与する32アミノ酸ポリペプチドホルモンである。より大きなプロホルモン(約15kDa)から切断され、骨および腎臓からのカルシウムの再吸収を阻害することによって血清カルシウムを低下させる。カルシトニンは、哺乳類では甲状腺中の傍濾胞細胞またはC細胞において合成されるが、鳥類、魚類および両生類ではまた、鰓後腺から単離される。
多数の疾患が、カルシトニンレベルの異常な上昇または低下を伴うが、異常なカルシトニン分泌自体の病理学的効果は、概して認識されていない。そのようなものとして、カルシトニンはいくつかの治療上の用途を有する。あるものについては、いくつかの原因に起因する高カルシウム血症を治療するために用いられている。さらに、カルシトニンは、骨リモデリングにおける障害であるパジェット病のための有益な療法である。さらに、特定の種類の骨粗しょう症の管理における有益な補助である。
カルシトニンは、それだけには限らないが、ウシ、ウナギ、ヒト、ブタ、ラットおよびサケを含むいくつかの異なる種から得られている。これらの種のすべてにおいて、カルシトニンの一次構造は同様であるが、いくつかの構造変動が存在する(表1参照のこと)。カルシトニン中に存在する32アミノ酸のうち、8残基がすべての種にわたって保存されている。さらに、天然型と同一のアミノ酸配列を有するカルシトニンが化学合成によって、ならびに組換え技術によって製造されている。
Figure 2008530121
カルシトニンはいくつかの重要な構造特徴を有する。例えば、サケカルシトニンは、ポリペプチド鎖のアミノ末端で1番目のアミノ酸と7番目のアミノ酸との間のジスルフィド橋(システイン結合)を有する。このジスルフィド橋は、それがアミノ末端に環の形をとらせるために、その生物活性にとって不可欠である。さらに、サケカルシトニンは、カルボキシル末端アミノ酸にプロリンアミド基を有する。カルシトニンプレ−mRNAの選択的スプライシングにより、カルシトニン遺伝子関連ペプチドをコードするmRNAが生じ得、このペプチドが神経系および脈管系において機能すると思われる。
興味深いことに、サケカルシトニンは、ヒト型のカルシトニンよりも骨再吸収の抑止において、相当に、より有効であることがわかっている。この知見を説明するために、いくつかの仮説が提示されており、以下のものが挙げられる。(1)サケカルシトニンは、分解に対してより耐性である、(2)サケカルシトニンは代謝クリアランス速度(MCR)がより低い、および(3)サケカルシトニンは、骨受容体部位に対するより高い親和性をもたらす、わずかに異なるコンフォメーションを有し得る。
ヒトにおいてサケカルシトニンを用いることに関連する利点はあるが、費用および制限された投与方法(注射による)などの不利点もある。したがって、長期使用を用いるカルシトニン療法に対する抵抗が生じ得る。さらに、患者の中には、非ヒトカルシトニンに対する抗体が生じるものもあり、このような患者にはカルシトニンミメティックスが有用である。したがって、天然カルシトニンの代わりに、または天然カルシトニンと交代にのいずれかで、合成カルシトニン、カルシトニン様ペプチドまたはカルシトニンミメティックスを使用することは、長期使用の際のこのような治療に対する抵抗を避けるのに役立ち得る。
多発性硬化症の治療という技術分野で必要とされるものは、カルシトニンを、恐らくは、その他の多発性硬化症の治療と組合せて、有効な治療薬として効果的に使用する方法である。
発明の要約
一実施態様では、本発明は、(a)多発性硬化症の患者または多発性硬化症の危険に陥っている患者を選択するステップと、(b)患者に、多発性硬化症の症状を軽減させるのに十分である量のカルシトニン、カルシトニン様ペプチドまたはカルシトニンミメティックを投与するステップとを含む、多発性硬化症の症状を軽減する方法である。カルシトニンは、ヒトおよびサケカルシトニンからなる群より選択され、患者は女性であることが好ましい。
一実施態様では、本方法は多発性硬化症の症状を軽減するのに有効な量の1,25−ジヒドロキシビタミンD類似体(アナログ、analog)を投与するステップをさらに含む。
ビタミンD類似体は、1α,25ビタミンD化合物であることが好ましく、19−ノル−ビタミンDが好ましい。
もう1つの実施態様では、本発明は、多発性硬化症の症状を緩和するのに有効な量の、1,25−ジヒドロキシビタミンD類似体と組合せた、カルシトニン、カルシトニン様ペプチドまたはカルシトニンミメティックを含む医薬製剤である。
本発明のその他の目的、利点および特徴は、明細書、特許請求の範囲および図面を精査した後に明らかとなる。
以下のその詳細な説明を考慮する場合に、本発明はより理解され、上記に示されるもの以外の特徴、態様および利点が明らかとなる。このような詳細な説明は以下の図面を参照する。
好ましい発明の詳細な説明
本発明は、MSの症状を治療および予防するためのカルシトニン、カルシトニン様ペプチドまたはカルシトニンミメティックスの使用である。いくつかの実施態様では、MSの症状の治療および予防のために以下に記載されるビタミンD類似体を、カルシトニンと組合せる。
一般に、本発明は、MS患者または遺伝的にもしくは環境的にMSを起こしやすい可能性がある患者の選択と、その患者への、多発性硬化症の症状が軽減されるような十分な量のカルシトニン、カルシトニン様ペプチドまたはカルシトニンミメティックの投与とを想定する。特に断りのない限り、本明細書に用いられるすべての技術および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって普通に理解されるものと同一の意味を有する。本明細書に記載されるものと同様または同等の方法および材料はいずれも、本発明を実施または試験するのに使用できるが、好ましい方法および材料を以下に記載する。
「多発性硬化症」または「MS」とは、CNSの自己免疫疾患を意味する。
「カルシトニン」とは、天然および合成カルシトニンを含むものとする。例えば、MIACALCIN(登録商標)は、パジェット病の注射用治療薬として、ならびに例えば、高カルシウム血症の治療のための、および閉経後骨粗しょう症の治療のための骨生理学治療薬として現在用いられている合成サケカルシトニンである。MIACALCIN(登録商標)は、多発性硬化症の治療および予防における使用に適した種類のカルシトニンである。同様に、CALCIMAR(登録商標)(Aventis Pharmaceutical Products,Inc.;Paris,France)は、もう1つの本発明に適した注射用サケカルシトニンである。CIBACALCIN(商標)(Novartis AG;Basel,Switzerland)は、本発明に適した合成ヒトカルシトニンである。本明細書においては、哺乳類、鳥類、魚類および両生類から単離したカルシトニンまたは同一の合成生成物を含むものとする。
「カルシトニン様ペプチド類(calcitonin−like peptides)」とは、天然または合成ペプチド類またはペプチド誘導体(例えば、S−S結合を安定なC−N結合に変更することによってウナギカルシトニン由来のカルシトニン誘導体である、ELCATONIN(商標))を意味する。カルシトニン様ペプチド類は、この用語が本明細書において用いられる場合には、上記で記載されるヒトまたは動物(好ましくは、サケ)カルシトニンペプチド類に対して少なくとも70%の配列類似性を有し(8個の保存アミノ酸においては100%の同一性を有する)、少なくとも95%の配列類似性を有することが好ましく、カルシトニンが示す治療活性の95%を示すことが以下の実施例において実証される。
その他の種類のカルシトニン類(「カルシトニン様ペプチド類」)が本発明に適用できるということも想定される。これらとしては、置換サケカルシトニン(サルカトニン(salcatonin))類似体(Therapicon S.R.L.;Milan,Italyに譲渡された米国特許第6,107,277号)、ヒトカルシトニン由来のペプチドセグメントと、ウナギ、サケおよびニワトリなどの非ヒト動物由来のカルシトニンに由来するペプチドセグメントとを有するハイブリッドカルシトニンが挙げられる。ハイブリッドカルシトニンは、ヒトにおいて、悪心、消化管または抗原性の機能における障害をはじめとする副作用を引き起こすことなく動物カルシトニンと同程度に強い生物活性を示す(中外製薬株式会社(日本、東京)および旭硝子(日本、東京)に譲渡された米国特許第5,831,000号を参照のこと)。
「カルシトニンミメティック(calcitonin mimetic)」とは、カルシトニンの、その受容体との相互作用によって生じる効果を模倣し、このような相互作用によって、アデニレートシクラーゼによるGタンパク質媒介性活性化を刺激する能力を有する天然または合成化合物を意味する。これらの化合物は、結果として、カルシトニンによって媒介される疾患の治療において有用である。本発明のカルシトニンミメティック類の中に含まれるものとして、ピペラジン環中の窒素の各々が、置換アリール基でアルキル化またはアシル化されているピペラジ誘導体がある(ZymoGenetics,Inc.;Seattle,WAに譲渡された、米国特許第6,395,740号、同5,698,521号、同5,698,672号を参照のこと)。
現在、カルシトニン類は、主に、溶液中で利用可能であり、静脈内注入によって、筋肉注射によって、皮下にまたは鼻腔内に投与される。生物活性を維持するためには、カルシトニンを含有する医薬製剤は、分解の程度を抑制するために2℃〜8℃という温度で保存されることが好ましい。しかし、最近、安定製剤経口カルシトニン医薬組成物が同定され、MSの治療において使用するために適したものであり得る(Eurand International S.P.A.;Milan,ITに譲渡された、米国特許第6,352,974号参照のこと)。
本発明者らは、市販のカルシトニン、例えば、MIACALCIN(登録商標)(Novartis AG;Basel,Switzerland)について示されたものなどの投与量が、本発明に十分であり、適していると想定する。同様に、カルシトニンまたはカルシトニンぺプチドを用いる投与量および治療は、種々の患者にとって異なることを想定する。通常、患者に与えられる用量数、用量の間に許容される時間および患者が医薬を与えられる時間の長さは、MSの症状の重篤度に応じて変わるということは留意されたい。
単位用量中の薬理学的に活性なカルシトニンの量は、カルシトニンの効力および組成物の性質に応じて変わると想定される。しかし、一般に、ヒト使用を対象とした組成物の単位用量は、通常、1〜1000国際単位(I.U.)の間のカルシトニンを含有する。ヒトカルシトニンについては、投与量は100〜1000マイクログラム(μg)の間である。サケカルシトニンについては、一般に、単位用量は、50〜500I.U.を含有し、100I.U.が好ましい。ELCATONIN(商標)(Lipotech,S.A.;Buenos Aries,Argentina)については、一般に、単位用量は、5〜200I.U.を含有する。結腸投与に適合させた単位用量は、40〜800I.U.のELCATONIN(商標)を含有することが好ましい。本組成物は、問題の疾患を治療するのに有効なカルシトニン量を含有する投与量で患者に投与する。
例えば、好ましい実施態様では、ヒトカルシトニンは、1日1回皮下に注射される500μgで出発する注射投与量で成人患者に与えることができる。この投与量レベルおよび用量の間の時間は、疾患進行についての医師の評価に基づいて改変することができる。
もう1つの実施態様では、サケカルシトニンを、1日1回、1日おきに1回、週3回、筋内または皮下に注射される100I.U.で出発する注射投与量で成人患者に与えることができる。この投与量レベルおよび用量の間の時間は、疾患進行についての医師の評価に基づいて改変することができる。
さらにもう1つの実施態様では、ELCATONIN(商標)の通常の投与計画は、例えば、連日または隔日で、単回用量で、または分割用量で投与できる、1日あたり5〜200I.U.(または結腸投与に対しては40〜800I.U.)である。本発明者らは、複数の投与形態、例えば、注射、経口投与、皮膚パッチおよび鼻腔投与が有効であると想定する。
次いで、多発性硬化症の症状、例えば、上記に記載されたものが軽減されているかどうかを決定するために患者を調べる。症状は非常に多様であり、一貫性がないものであり得るが、それらとして、ピリピリ感(tingling)、しびれ感、平衡感覚障害、脱力、複視、疲労、失禁、麻痺、記憶障害および言語障害が挙げられる。
本発明の好ましい一態様では、上記に記載されるカルシトニンと、1,25−ジヒドロキシビタミンD類似体、例えば、各々、その全体が示されるかのように参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第10/405,653号および米国特許第5,716,946号において、多発性硬化症の治療のために記載される類似体の双方を用いて患者を治療する。語句「1,25−ジヒドロキシビタミンD類似体」とは、具体的には、本願中、段落[0040]〜[0045]に記載される組成物を意味する。
例えば、以下の1,25−ジヒドロジ(dihydrozy)ビタミンD類似体を用いることを望む。
特に有利な態様の反応では、投与される化合物は、1α,25−ジヒドロキシビタミンD(1,25−(OH))、19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD(19−ノル−1,25−(OH))、24−ホモ−22−デヒドロ−22E−1α,25−ジヒドロキシビタミンD(24−ホモ−22−デヒドロ−22E−1,25−(OH))、1,25−ジヒドロキシ−24(E)−デヒドロ−24−ホモ−ビタミンD(1,25−(OH)−24−ホモD)または19−ノル−1,25−ジヒドロキシ−21−エピ−ビタミンD(19−ノル−1,25−(OH)−21−エピ−D)のいずれかである。
本発明のもう1つの態様では、ビタミンD化合物は次式を有する。
Figure 2008530121
[式中、XおよびXは各々、水素およびアシルからなる群より選択され;YおよびYは、Hであってよく、または一方がO−アリール、O−アルキル、アリール、炭素数1〜4のアルキルであってよく、一緒になって、以下の構造を有するアルケンを形成する場合もあり、
Figure 2008530121
(ここで、BおよびBは、H、炭素数1〜4のアルキルおよびアリールからなる群より選択され得、βまたはα立体配置を有する場合がある);Z=Z=Hであるか、またはZおよびZは、一緒になって=CHであり;Rは、アルキル基、ヒドロキシアルキル基またはフルオロアルキル基であるか、またはRは以下の側鎖を表す場合もあり、
Figure 2008530121
(ここで、(a)はSまたはR立体配置を有する場合があり、Rは水素、ヒドロキシルまたはO−アシルを表し、RおよびRは各々、アルキル、ヒドロキシアルキルおよびフルオルアルキル(fluoralkyl)からなる群より選択され、一緒になって基−(CHを表す場合(mは2〜5の値を有する整数)には、Rは、水素、ヒドロキシル、フッ素、O−アシル、アルキル、ヒドロキシアルキルおよびフルオルアルキル(fluoralkyl)からなる群より選択され、Rがヒドロキシルまたはフルオロである場合には、Rは水素またはアルキルでなければならず、Rは水素、ヒドロキシル、フッ素、アルキル、ヒドロキシアルキルおよびフルオロアルキルからなる群より選択されるか、またはRおよびRは一緒になって、二重結合酸素を表し、R6およびR7は一緒になって、炭素−炭素二重結合を形成し、RはHまたはCHであってよく、nは1〜5の値を有する整数であり、側鎖中、20、22または23位のいずれか1箇所の炭素は、O、SまたはN原子によって置換されてもよい。)]
また、種々の有用な1α−ジヒドロキシビタミンDおよびビタミンD化合物を、特に有利な19−ノル化合物とともに記載する、米国特許出願第10/997,698号(参照により組み込まれる)、肥満症予防および治療のためのビタミンD類似体(Vitamin D Analogs For Obesity Prevention and Treatment)に見られる化合物を用いることを望むことが好ましい。「19−ノル化合物」とは、特許出願第10/997,698号および付属書Aにおいて示される一般式を意味する。
さらにまた、各々、参照により、その全体が示されるかのように本明細書に組み込まれる米国特許第4,195,027号、同4,202,829号、同4,260,549号、同4,554,106号および同4,555,364号に開示される、HECTOROL(登録商標)(Bone Care International,Inc.;Madison,WI)を用いる。さらに、すべて、1α−ジヒドロキシビタミンDの薬剤形態である、CALDEROL(商標)(Organon,Inc.;Roseland,NJ)、ONE−ALPHA(商標)(Leo Pharmaceutical Products,LTD;Ballerup,Denmark)、ALPHAD3(商標)(Teva Pharmaceuticals Industries,LTD;Petach Tikva,Israel)、ONEALFA(商標)(Teijin Pharmaceuticals,LTD;Tokyo,Japan)、ALFAROL(商標)(Chugia Pharmaceutical Co.,LTD;Tokyo,Japan)、ROCALTROL(登録商標)(Hoffman−La Roche Pharmaceutical,Inc.;Nutley,NJ)、ZEMPLAR(登録商標)(Abbott Laboratories;Abbott Park,IL)、CALCIJEX(登録商標)(Abbott Laboratories;Abbott Park,IL)、DOVONEX(登録商標)(Leo Pharmaceutical Products,LTD;Ballerup,Denmark)またはTACALCITOL(商標)(Teijin Pharmaceuticals,LTD;Tokyo,Japan)などの化合物も用いる。同様に、Prosser D&Jones G、「Vitamin D analogs」、Curr.Med.Chem.−Imm.,Endooc.&Metab.Agents 1:217−234(2001)には、有用なビタミンD類似体が開示されている。最後に、各々、参照により、その全体が示されるかのように本明細書に組み込まれる、米国特許出願第10/405,653号または米国特許第5,716,946号に記載される化合物も用いる。
フルオロビタミンD化合物、例えば、各々、参照により、その全体が示されるかのように本明細書に組み込まれる、以下の米国特許第4,188,345号、同4,196,133号、同4,201,881号、同4,224,230号、同4,226,787号、同4,226,788号、同4,229,357号、同4,229,358号、同4,230,627号、同4,248,791号、同4,254,045号、同4,263,214号、同4,305,880号、同4,307,025号、同4,358,406号、同4,441,833号、同4,500,460号、同4,502,991号、同4,552,698号、同4,564,474号、同4,594,192号に記載されるもの用いることを望む場合もある。
本発明者らは、カルシトニンとビタミンDとの組合せはMS症状を軽減または排除するのに有効であると想定する。ビタミンDとカルシトニン双方を組合せることの利点は、高カルシウム血症の危険を伴わずに有効性が改善されることである。これら2種の薬剤は、それらが異なる部位で異なる機構によって機能するために、相乗的であるはずである。
以下の方法でビタミンDを投与することが好ましい。ビタミンD化合物は、丸剤、カプセル剤および液体で経口投与できる。ビタミンD化合物はまた、カルシジェックス、ヘクトロール(Hectorol)またはゼンプラー(Zemplar)のように、適した溶媒または担体中で注射によって投与できる。また、鼻腔経路または肺経路によって与えることもできる。また、例えば、鼻腔適用に適した溶媒中またはエアゾールとして吸入によるように、同一製剤中でカルシトニンおよびビタミンD化合物が提供される投薬を想定できる。
上記および下記の引用に記載される濃度のビタミンD化合物で動物に投薬することが最も好ましい(参照により組み込まれる、米国特許第5,716,946号参照のこと)。
上記化合物は、所望の、高度に有利なパターンの生物活性を示す。一般に、被験体に投与されるビタミンD類似体量は、約0.01μg〜約100mg/日の範囲であり、いくつかの実施態様では、約0.1μg〜約1000μg/日の範囲である。いくつかのこのような実施態様では、類似体は、担体を含む医薬製剤または医薬で存在する。いくつかのこのような実施態様では、被験体に投与される化合物量は、約0.01μg〜約100mg/日の範囲であり、その他の実施態様では、約0.1μg〜約1000μg/日の範囲であり、その他の実施態様では、0.1μg〜約50μg/日の範囲である。いくつかの組成物では、組成物中のビタミンD類似体量は、約0.01μg/g〜約1000μg/gの範囲であり、いくつかのこのような実施態様では、組成物中の類似体量は、約0.1μg/g〜約50μg/gの範囲である。投与量は、本明細書に示される多数の因子に、および所与の化合物の比活性に基づくということは理解されよう。
もう1つの実施態様では、本発明は、カルシトニンと1,25−ジヒドロキシビタミンD類似体の双方を含む組成物である。この投薬は、上記の引用に記載されるもの以下の、カルシトニンおよびビタミンD類似体について上記に記載される投与量であることが好ましく、IV投与、鼻腔投与またはエアゾール投与に適した製剤においてであることが好ましい。当業者に公知の医薬担体を添加することを望む場合がある。
本発明のこれらおよびその他の特徴、態様および利点は、以下の説明からより理解される。この説明では、本明細書の一部を成し、限定ではなく例示によって、本発明の実施態様が示される添付の図面が参照される。好ましい実施態様の説明は、すべての改変、等価物および代替物を対象とするよう本発明を制限しようとするものではない。したがって、本発明の範囲を解釈するには、本明細書中の特許請求の範囲を参照しなくてはならない。
実施例1
MSのマウスモデル、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)に対するカルシトニンの効果を調べるために、25−ヒドロキシビタミンD−1α−ヒドロキシラーゼノックアウトマウス(1α−OH KO)を、0.87%カルシウムおよび1,25−(OH)(Vit D)1ngを含有する精製飼料で2〜3週間維持し、その後、EAE免疫化した。ミエリン乏突起神経膠細胞糖タンパク(MOG35〜55)に対する免疫優勢ペプチド200μgの皮下免疫化によって6〜10週齢でEAEを誘導した。
ペプチドは、University of Wisconsin Biotechnology Centerで、標準9−フルオレニル−メトキシ−カルボニル化学を用いて合成した。このペプチドを、4mg/mlの熱不活化結核菌H837a(Difco Laboratories;Detroit,MI)を含有するフロイントの完全アジュバント(CFA;Sigma;St.Louis,MO)に溶解した。
免疫化の当日および48時間後に、マウスに200ngの百日咳菌毒素(List Biological Laboratories,Campbell,CA)を注射した。以下のスコアリングシステムを用い、EAEの臨床的徴候についてマウスを毎日調べた。0、徴候なし;1、だらりとした尾;2、後肢脱力;3、後肢麻痺;4、前肢麻痺;5、瀕死または死亡。
サケカルシトニン(sCT;Bachem California;Torrence,CA)を、150mM NaCl、1mM HClおよび2%熱不活化血清を含有するビヒクル中、1mg/mlという濃度に溶解した。用いた血清は、処理を受けているマウスの群と性別によって対応させた1α−OH KOマウスから得たものであった。SCTを、0.25μl/時間を送達するよう較正したAlzet浸透圧ミニポンプモデル1002(Durect Corp.;Cupertino,CA)を用い、15日間かけて慢性的に投与した。
免疫化の10日後、マウスの体重を量り、ビヒクルか、各マウスに6μg/体重1kg/日を送達するよう希釈したsCTのいずれかでポンプを満たした。ポンプは、2%イソフルオランで麻酔したマウスの上背に外科的に皮下に設置した。研究の最後に、sCTの送達の成功を2種の方法によって評価した。第1に、ポンプリザーバー中に残存する液量を測定した。第2に、残存するsCTをプールし、最初の研究に含めなかった1α−ノックアウトマウスに腹腔内注射した。注射の6時間後、血清カルシウム測定値をとり、sCTが研究を通じてその生物活性を維持したかどうかを調べた。研究を通じて複数の時点で血液サンプルを採取し、血清カルシウムレベルの変化をモニターした。血液は眼窩出血法によって採取した。マウスあたり約150μlを採取した。
採取した血液サンプルを、6000rpmで15分間遠心分離し、続いて、14000rpmでさらに60秒回転させた。血清サンプルを、0.1%LaClで希釈し、Perkin Elmer原子吸光分析装置を用いて血清カルシウム値を測定した。
罹患率に対しては両側フィッシャー直接確率検定を用いて、およびその他すべての測定値に対しては対応のないスチューデントのt検定を用いて統計分析を実施した。P<0.05の値を統計上有意と考えた。
雌の1α−OH KOマウスにおける実験結果が、図1A〜1Bならびに表2に記載されている。1α−OH KO雄マウスにおける実験結果が、図2A〜2Bならびに表3に記載されている。図1Aに示されるように、雌の1α−OH KOマウスの血清カルシウムレベルは、概して、6μg/kgのカルシトニンの投与によって影響を受けなかった。しかし、図1Bおよび表2に示されるように、sCTは、カルシトニンで処理した雌の1α−OH KOマウスにおいて、ビヒクル単独で処理したマウスと比較して、EAEスコアを遅延させ、減少させた。
図2Aに示されるように、雄の1α−OH KOマウスの血清カルシウムレベルも6μg/kgのカルシトニンの投与によって影響を受けなかった。同様に、図2Bおよび表3は、sCTが、カルシトニンで処理した雄の1α−OH KOマウスにおいて、ビヒクル単独で処理したマウスと比較してEAEスコアを低下させたことを示す。カルシトニンで処理した雄の1α−OH KOマウスでは、カルシトニンで処理した雌の1α−OH KOマウスと、同様ではあるが、より少ないEAEスコアの低下が生じた。
本実施例は、ミニポンプを用いるsCT送達の有効性を実証する。本発明者らは、カルシトニン送達の最適化は多発性硬化症の症状の軽減の向上をもたらすと想定する。
Figure 2008530121
Figure 2008530121
実施例2
マウスにおけるEAEに対するカルシトニンの効果を調べるために、雌のマウスを上記のように維持した。この実験において用いたマウスの系統は、C57BL6であり、これはHarlan Labsから入手し、したがって、C57BL6hと呼ばれるべきものである。上記の実験との唯一の相違は、これらのマウスに標準固形飼料食を与えたことである(Formulab Chow5008、PMI Labdiet)。
EAEは上記のように誘導した。マウスに、免疫化の当日および48時間後に、200ngの百日咳菌毒素を注射した。
sCTは上記のように調製した。免疫化の1週間後、マウスの体重を量り、ビヒクル、各マウスに6μg/体重1kg/日のsCTでポンプを満たした。ポンプは2%イソフルオランで麻酔したマウスの上背に外科的に皮下に設置した。研究の最後に、sCTの送達の成功を2種の方法によって評価した。第1に、ポンプリザーバー中に残存する液量を測定した。第2に、残存するsCTをプールし、最初の研究に含めなかったマウスに腹腔内注射した。注射の6時間後、血清カルシウム測定値をとり、sCTが研究を通じてその生物活性を維持したかどうかを調べた。
上記の以下のスコアリングシステムを用いて、EAEの臨床的徴候についてマウスを2週間にわたって毎日調べた。
血液サンプルを複数の時点で採取し、上記のように調製および分析した。同様に、上記のように統計分析を実施した。
雌のB6hマウスにおける実験の結果は、図3ならびに表4に記載されている。図3に示されるように、sCTは、カルシトニンで処理した雌のC57BL6hマウスにおいて、ビヒクル単独で処理したマウスと比較して、EAEスコアを遅延させ、減少させた。
Figure 2008530121
実施例3
C57BL/6Jマウス(Jackson Labsから入手したC57BL6マウス)におけるEAEに対するカルシトニンの効果を調べるために、雌のマウスを、EAE免疫化の前後に標準固形飼料食餌で維持した。C57BL6J系統は、主にMOG誘導性EAEに感受性であるいくつかの系統のうちの1つであるために、また、1α−KOがC57BL6J系統に戻し交雑されているために選択した。食餌は、主に、用いられているマウスが野生型であり、1α−KOマウスのようには1,25(OH)の補給をもはや必要としないために変更した。したがって、本発明者らは、概して、動物を標準固形飼料食餌で動物を維持した場合に、精製飼料に対してより高い罹患率を得た。
EAEは上記のように誘導した。マウスに、免疫化の当日および48時間後に、200ngの百日咳菌毒素を注射した。
sCTは上記のように調製した。免疫化の1週間後、マウスの体重を量り、ビヒクル、各マウスに6μg/体重1kg/日のsCTまたは60μg/体重1kg/日のsCTでポンプを満たした。ポンプは2%イソフルオランで麻酔したマウスの上背に外科的に皮下に設置した。研究の最後に、sCTの送達の成功を2種の方法によって評価した。第1に、ポンプリザーバー中に残存する液量を測定した。第2に、残存するsCTをプールし、最初の研究に含めなかったC57BL/6Jマウスに腹腔内注射した。注射の6時間後、血清カルシウム測定値をとり、sCTが研究を通じてその生物活性を維持したかどうかを調べた。
上記のように、以下のスコアリングシステムを用いて、EAEの臨床的徴候についてマウスを2週間にわたって毎日調べた。
血液サンプルを複数の時点で採取し、上記のように調製および分析した。同様に、上記のように統計分析を実施した。
雌のC57BL/6Jマウスにおける実験の結果は、図4A〜4Bならびに表5に記載されている。図4Aに示されるように、雌のC57BL/6Jマウスの血清カルシウムレベルは、6μg/kgのカルシトニンまたは60μg/kgのカルシトニンの投与によって最初に低下した。しかし、図4Bおよび表5に示されるように、sCTは、60μg/kgのカルシトニンを投与された雌のC57BL/6Jマウスにおいて、ビヒクル単独で処理したマウスと比較して、EAEスコアを遅延させ、減少させた。
概要
Figure 2008530121
実施例4
C57BL/6JマウスにおけるEAEに対するカルシトニンおよびVit Dの効果を調べるために、雌のC57BL/6Jマウスを8週齢まで標準固形飼料で維持し、次いで、1ngまたは30ngの1,25−(OH)を補給した0.87%カルシウム含有する精製飼料に1週間切り替え、その後EAE免疫化を行った。
EAEは上記のように誘導した。マウスに、免疫化の当日および48時間後に、200ngの百日咳菌毒素を注射した。
sCTは上記のように調製した。免疫化の1週間後、マウスの体重を量り、ビヒクルまたは各マウスに30μg/体重1kg/日のsCTでポンプを満たした。ポンプは2%イソフルオランで麻酔したマウスの上背に外科的に皮下に設置した。研究の最後に、sCTの送達の成功を2種の方法によって評価した。第1に、ポンプリザーバー中に残存する液量を測定した。第2に、残存するsCTをプールし、最初の研究に含めなかったC57BL/6Jマウスに腹腔内注射した。注射の6時間後、血清カルシウム測定値をとり、sCTが研究を通じてその生物活性を維持したかどうかを調べた。
上記のように、以下のスコアリングシステムを用いて、EAEの臨床的徴候についてマウスを2週間にわたって毎日調べた。
血液サンプルを複数の時点で採取し、上記のように調製および分析した。同様に、上記のように統計分析を実施した。
雌のC57BL/6Jマウスにおける実験の結果は、図5A〜5Bおよび付随する表6に記載されている。図5Aに示されるように、雌のC57BL/6Jマウスの血清カルシウムレベルは、30ngのVit Dの投与によって、1ng Vit Dを投与された雌のC57BL/6Jマウス(sCTを提供されたかどうかにかかわらず)と比較して上昇した(sCTを提供されたかどうかにかかわらず)。しかし、図5Bおよび表6に示されるように、sCTおよび30ng Vit Dは、雌のC57BL/6Jマウスにおいて、Vit D1ng単独で処理したマウスと比較して、EAEスコアを遅延させ、減少させた。1ng 1,25+sCT群は、1ng 1,25群と比較して、罹患率、重篤度および発症の低下を示し、30ng 1,25+sCT群に匹敵するが、高カルシウム血症を伴わない。
概要
Figure 2008530121
実施例5
C57BL/6Jマウスにおける、免疫化前のEAEに対するカルシトニンの効果を調べるために、雌のマウスを、EAE免疫化の前後に標準固形飼料食餌で維持した。
EAEは上記のように誘導した。マウスに、免疫化の当日および48時間後に、200ngの百日咳菌毒素を注射した。
sCTは上記のように調製した。しかし、免疫化の2日前に、マウスの体重を量り、ビヒクルまたは各マウスに6μg/体重1kg/日のsCTでポンプを満たした。ポンプは2%イソフルオランで麻酔したマウスの上背に外科的に皮下に設置した。研究の最後に、sCTの送達の成功を2種の方法によって評価した。第1に、ポンプリザーバー中に残存する液量を測定した。第2に、残存するsCTをプールし、最初の研究に含めなかったC57BL/6Jマウスに腹腔内注射した。注射の6時間後、血清カルシウム測定値をとり、sCTが研究を通じてその生物活性を維持したかどうかを調べた。
上記のスコアリングシステムを用いて、EAEの臨床的徴候についてマウスを2週間にわたって毎日調べた。
血液サンプルを複数の時点で採取し、上記のように調製および分析した。同様に、上記のように統計分析を実施した。
雌のC57BL/6Jマウスにおける実験の結果は、図6ならびに表7に記載されている。図6に示されるように、sCTは、6μg/kgのカルシトニンを投与された雌のC57BL/6Jマウスにおいて、ビヒクル単独で処理されたマウスと比較して、EAEスコアを遅延させ、減少させた。
Figure 2008530121
本発明は、現在最も実用的であると考えられているものおよび好ましい実施態様に関連して記載されている。しかし、本発明は、例示目的で示されているのであって、開示された実施態様に制限しようとするものではない。したがって、当業者には理解されるであろうが、本発明は、添付の特許請求の範囲によって定められる、本発明の趣旨および範囲内にすべての改変および代替配列を包含するものとする。
付属書A
一態様では、本発明は、カルシトニンとビタミンD類似体の組合せを用いて多発性硬化症を予防および治療する方法を提供し、これでは、1α,25−ジヒドロキシビタミンDおよび1α,25−ジヒドロキシビタミンDの少なくとも1種の類似体またはこのような類似体を含む医薬組成物を、それを必要とする被験体、例えば、多発性硬化症被験体に有効量で投与する。いくつかの実施態様では、類似体は19−ノルビタミンD化合物である。いくつかのこのような実施態様では、19−ノルビタミンD類似体は2位で修飾されている。いくつかのこのような実施態様では、19−ノルビタミンD類似体は2−アルキリデン19−ノルビタミンD類似体、例えば、2−メチレン19−ノルビタミンD類似体である。いくつかの実施態様では、19−ノルビタミンD類似体は、(20S)19−ノルビタミンD類似体、例えば、(20S)2−メチレン19−ノルビタミンD類似体であるが、その他の実施態様では、19−ノルビタミンD類似体は、(20R)19−ノルビタミンD類似体、例えば、(20R)2−メチレン19−ノルビタミンD類似体である。いくつかの実施態様では、類似体は、(20S)−2−メチレン−19−ノル−1α,25−ジヒドロキシビタミンD(2−MD)以外の化合物である。いくつかの実施態様では、類似体は、2−アルキル19−ノルビタミンD類似体である。いくつかのこのような実施態様では、類似体は2α−アルキル19−ノルビタミンD類似体、例えば、2α−メチル19−ノルビタミンD類似体である。その他の実施態様では、類似体は18,19−ジノルビタミンD類似体である。いくつかのこのような実施態様では、類似体は2−アルキリデン18,19−ジノルビタミンD類似体、例えば、2−メチレン18,19−ジノルビタミンD類似体である。その他の実施態様では、類似体は2−アルキル18,19−ジノルビタミンD類似体である。いくつかのこのような実施態様では、類似体は2α−アルキル18,19−ジノルビタミンD類似体、例えば、2α−メチル18,19−ノルビタミンD類似体である。
もう1つの態様では、本発明は、多発性硬化症を治療する方法を提供し、これでは、1α,25−ジヒドロキシビタミンDまたは1α,25−ジヒドロキシビタミンDの少なくとも1種の類似体またはこのような類似体を含む医薬組成物を、それを必要とする被験体、例えば、多発性硬化症被験体に有効量で投与する。いくつかの実施態様では、少なくとも1種の類似体は、19−ノルビタミンD化合物である。いくつかのこのような実施態様では、19−ノルビタミンD類似体は、2位で修飾されている。いくつかのこのような実施態様では、19−ノルビタミンD類似体は、2−アルキリデン19−ノルビタミンD類似体、例えば、2−メチレン19−ノルビタミンD類似体である。いくつかの実施態様では、19−ノルビタミンD類似体は(20S)19−ノルビタミンD類似体、例えば、(20S)2−メチレン19−ノルビタミンD類似体であるが、その他の実施態様では、19−ノルビタミンD類似体は、(20R)19−ノルビタミンD類似体、例えば、(20R)2−メチレン19−ノルビタミンD類似体である。いくつかの実施態様では、類似体は、(20S)−2−メチレン−19−ノル−1α,25−ジヒドロキシビタミンD(2−MD)以外の化合物である。いくつかの実施態様では、類似体は2−アルキル19−ノルビタミンD類似体である。いくつかのこのような実施態様では、類似体は2α−アルキル19−ノルビタミンD類似体、例えば、2α−メチル19−ノルビタミンD類似体である。その他の実施態様では、類似体は18,19−ジノルビタミンD類似体である。いくつかのこのような実施態様では、類似体は2−アルキリデン18,19−ジノルビタミンD類似体、例えば、2−メチレン18,19−ジノルビタミンD類似体である。その他の実施態様では、類似体は2−アルキル18,19−ジノルビタミンD類似体である。いくつかのこのような実施態様では、類似体は2α−アルキル18,19−ジノルビタミンD類似体、例えば、2α−メチル18,19−ノルビタミンD類似体である。
いくつかの実施態様では、動物被験体は哺乳類である。いくつかのこのような実施態様では、哺乳類はげっ歯類、霊長類、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ、クマ、ブタ、ウサギまたはモルモットから選択される。いくつかのこのような実施態様では、哺乳類はラットまたはマウスである。いくつかの実施態様では、動物被験体は、霊長類、例えば、いくつかの実施態様では、ヒトである。
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、式IAまたはIBの化合物であるか、またはそれらの混合物である。いくつかのこのような実施態様では、類似体は、次式IAの化合物である。その他の実施態様では、ビタミンD類似体は次式IBの化合物である。
Figure 2008530121
式IAおよびIBの化合物では、RはHまたは炭素原子数1〜8の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基、炭素原子数2〜8の直鎖もしくは分枝鎖アルケニル基、炭素原子数1〜8の直鎖もしくは分枝鎖イドロキシル(ydroxyl)置換アルキル基または炭素原子数2〜8の直鎖もしくは分枝鎖イドロキシル(ydroxyl)置換アルケニル基から選択される。いくつかのこのような実施態様では、Rは炭素原子数2〜7の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖もしくは分枝鎖アルケニル基、炭素原子数2〜6の直鎖もしくは分枝鎖イドロキシル(ydroxyl)置換アルキル基または炭素原子数2〜6の直鎖もしくは分枝鎖イドロキシル(ydroxyl)置換アルケニル基から選択される。その他のこのような実施態様では、Rは炭素原子数2〜7の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖もしくは分枝鎖アルケニル基または炭素原子数2〜6の直鎖もしくは分枝鎖イドロキシル(ydroxyl)置換アルケニル基から選択される。
式IAおよびIBの化合物では、RおよびRは、独立に、H、炭素原子数1〜8の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基または炭素原子数1〜8の直鎖もしくは分枝鎖アルケニル基から選択されるか、あるいは、RおよびRは一緒になって次式ICの基を形成する
Figure 2008530121
(式中、波線は、ビタミンD類似体の2位での炭素との結合点を示し、RおよびRは、独立に、H、炭素原子数1〜8の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基、炭素原子数1〜8の直鎖もしくは分枝鎖ヒドロキシアルキル基、炭素原子数1〜8の直鎖もしくは分枝鎖ヒドロキシアルケニル基、炭素原子数1〜8の直鎖もしくは分枝鎖保護ヒドロキシアルキル基、炭素原子数1〜8の直鎖もしくは分枝鎖フルオロアルキル基または炭素原子数1〜8の直鎖もしくは分枝鎖アルケニル基から選択される。)。いくつかの実施態様では、類似体は式IAまたはIBの化合物であり、RはHである。いくつかのこのような実施態様では、Rは直鎖アルキル基、例えば、メチル、エチルまたはプロピルである。その他の実施態様では、RおよびRは一緒になってRおよびRが双方ともHである式ICの基を形成する。いくつかのこのような化合物の例として、式IIAおよびIIBの化合物が挙げられる。
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、式IIAもしくはIIBの化合物であるか、またはそれらの混合物である。いくつかのこのような実施態様では、ビタミンD類似体は、次式IIAの化合物である。その他の実施態様では、ビタミンD類似体は、次式IIBの化合物である。
Figure 2008530121
式IIAおよびIIBの化合物では、Rは、式IAおよびIBの化合物に関して上記で示されるものと同一の値を有する。したがって、Rは、Hまたは炭素原子数1〜8の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基、炭素原子数2〜8の直鎖もしくは分枝鎖アルケニル基、炭素原子数1〜8の直鎖もしくは分枝鎖イドロキシル(ydroxyl)置換アルキル基、または炭素原子数2〜8の直鎖もしくは分枝鎖イドロキシル(ydroxyl)置換アルケニル基から選択される。いくつかのこのような実施態様では、Rは、炭素原子数2〜7の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖もしくは分枝鎖アルケニル基、炭素原子数2〜6の直鎖もしくは分枝鎖イドロキシル(ydroxyl)置換アルキル基または炭素原子数2〜6の直鎖もしくは分枝鎖イドロキシル(ydroxyl)置換アルケニル基から選択される。その他のこのような実施態様では、Rは、炭素原子数2〜7の直鎖もしくは分枝鎖アルキル基、炭素原子数2〜7の直鎖もしくは分枝鎖アルケニル基または炭素原子数2〜6の直鎖もしくは分枝鎖イドロキシル(ydroxyl)置換アルケニル基から選択される。いくつかの実施態様では、化合物は、(20S)−2−メチレン−19−ノル−1α,25−ジヒドロキシビタミンD(2−MD)以外の式IIAまたはIIBの化合物または式IICの化合物である。
いくつかの実施態様では、式IA、IB、IIAまたはIIBの化合物は、Rが以下の群のうちの1種から選択される式IA、IB、IIAまたはIIBの化合物である(ここで、直線結合上の波線は、分子の残りの部分との結合点を示し、炭素で始まる波線は、その位置でSまたはR立体配置の両方またはいずれかが考慮されるということを示す)。
Figure 2008530121
上記で示されるアルケニル基については、上記で示される構造に関して、シスおよびトランス(ZおよびE)の両方の異性体およびそれらの混合物が考慮されるということは理解される。
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、Rが炭素原子数6のイドロキシル(ydroxyl)置換分枝鎖アルキル基(−CHCHCHC(CHOH基)である次式IICの化合物であり、この化合物は名称(20S)−2−メチレン−19−ノル−1α,25−ジヒドロキシビタミンD(2−MD)を有する。
Figure 2008530121
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、Rが炭素原子数7の分枝鎖アルキル基(−CHCHCHC(CH基)である次式IIDの化合物であり、この化合物は名称(20S)−1α−ヒドロキシ−2−メチレン−19−ノル−25−メチルビタミンD(TMM)を有する。
Figure 2008530121
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、Rが炭素原子数2の直鎖アルキル基(−CHCH基)である次式IIEの化合物であり、この化合物は名称(20S)−1α−ヒドロキシ−2−メチレン−19−ノル−ビスホモプレグナカルシフェロール(2−MビスP)を有する。
Figure 2008530121
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、Rが炭素原子数1の直鎖アルキル基(−CH基)である次式IIFの化合物であり、この化合物は名称1α−ヒドロキシ−2−メチレン−19−ノル−ホモプレグナカルシフェロール(2−MP)を有する。
Figure 2008530121
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、Rが炭素原子数2の直鎖アルキル基(−CHCH基)である次式IIGの化合物であり、この化合物は、名称(20R)−1α−ヒドロキシ−2−メチレン−19−ノル−ビスホモプレグナカルシフェロール((20R)2MビスP)を有する。
Figure 2008530121
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、RがHである次式IIHの化合物であり、この化合物は名称2−メチレン−19−ノル−1α−ヒドロキシ−プレグナカルシフェロール(2−Mプレグナ)を有する。
Figure 2008530121
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、Rが炭素原子数2の直鎖アルキル基(−CHCH基)であり、Rがメチル基であり、RがHである次式IIJの化合物であり、この化合物は名称2α−メチル−19−ノル−(20S)−1α−ヒドロキシ−ビスホモプレグナカルシフェロール((20S)2αMビスP)を有する。
Figure 2008530121
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、Rが炭素原子数1の直鎖アルキル基(−CH基)であり、Rがメチル基であり、RがHである式IIKの化合物であり、この化合物は名称2α−メチル−19−ノル−1α−ヒドロキシ−ホモプレグナカルシフェロール(2α−メチルMP)を有する。
Figure 2008530121
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、Rが炭素原子数3の直鎖アルキル基(−CHCHCH基)である次式IILの化合物であり、この化合物は名称2−メチレン−19−ノル−(20S)−1α−ヒドロキシ−トリスホモプレグナカルシフェロール(2MトリスP)を有する。
Figure 2008530121
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、Rが炭素原子数4の直鎖アルキル基(−CHCHCHCH基)である次式IIMの化合物であり、この化合物は名称2−メチレン−19,26,27−トリノル−(20S)−1α−ヒドロキシビタミンD((20S)OM)を有する。
Figure 2008530121
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、Rが炭素原子数4の直鎖アルキル基(−CHCHCHCH基)であり、Rがメチル基であり、RがHである次式IINの化合物であり、この化合物は名称2α−メチル−19,26,27−トリノル−(20S)−1α−ヒドロキシビタミンD(2α−メチル−19,26,27−トリノル)を有する。
Figure 2008530121
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、Rが炭素原子数6のイドロキシル(ydroxyl)置換分枝鎖アルキル基(−CHCHCHC(CHOH基)であり、RおよびRが式ICの基であり、RがHであり、Rがヒドロキシプロピル基である次式IIOの化合物であり、この化合物は名称2−(3’−ヒドロキシプロピリデン)−19−ノル−(20S)−1α,25−ジヒドロキシビタミンD(IAGS)を有する。
Figure 2008530121
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、Rが炭素原子数6のイドロキシル(ydroxyl)置換分枝鎖アルキル基(−CHCHCHC(CHOH基)であり、RおよびRが式ICの基であり、RがHであり、Rがヒドロキシプロピル基である次式IIPの化合物であり、この化合物は名称2−(3’−ヒドロキシプロピリデン)−19−ノル−1α,25−ジヒドロキシビタミンD(1AGR)を有する。
Figure 2008530121
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、Rが炭素原子数6のイドロキシル(ydroxyl)置換分枝鎖アルキル基(−CHCHCHC(CHOH基)であり、RおよびRが式ICの基であり、RがHであり、Rが−CHCHOCHOCH基(保護されたヒドロキシアルキル基)である次式IIQの化合物であり、この化合物は名称2−[(3’−メトキシメトキシ)−プロピリデン]−19−ノル−1α,25−ジヒドロキシビタミンD(F−Wit)を有する。
Figure 2008530121
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、名称2−メチレン−19,21−ジノル−1α−ヒドロキシビスホモプレグナカルシフェロール(19,21−ジノル)を有し、次式IIRを有する19,21−ジノルビタミンD類似体であるか、または19,21−ジノルビタミンD類似体である。
Figure 2008530121
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、名称2−メチレン−19−ノル−1α−ヒドロキシ−17−エン−ホモプレグナカルシフェロール(ビタミンIまたはVIT−I)を有し、次式IISを有する19−ノル17−エンビタミンD類似体であるか、または19−ノル17−エンビタミンD類似体である。
Figure 2008530121
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる19−ノルビタミンD類似体は、18,19−ジノルビタミンD類似体であるか、または18,19−ジノルビタミンD類似体である。いくつかのこのような実施態様では、この化合物は名称2−メチレン−18,19−ジノル−(20S)−1α,25−ジヒドロキシビタミンD(VD−03)を有し、次式IITを有する。その他のこのような実施態様では、化合物は名称2−メチレン−18,19−ジノル−1α−ヒドロキシホモプレグナカルシフェロール(18,19−ジノル−2MP)を有し、次式IIUを有する。
Figure 2008530121
Figure 2008530121
いくつかの実施態様では、被験体に投与されるか、医薬製剤を調製するために用いられる化合物は、19−ノルビタミンD類似体である。いくつかのこのような実施態様では、化合物は名称2−メチレン−19−ノル−24−エピ−1α,25−ジヒドロキシビタミンD((24エピ)D)を有し、次式IIVを有する。その他のこのような実施態様では、化合物は名称19−ノル−1α,25−ジヒドロキシビタミンD(1α,25(OH)(19ノル)Dまたはゼンプラー)を有し、次式IIWを有する。
Figure 2008530121
Figure 2008530121
種々の実施態様では、19−ノルビタミンD類似体を経口的に、非経口的に、経皮的にまたは局所的に投与する。いくつかのこのような実施態様では、19−ノルビタミンD類似体を経口的に投与する。その他の実施態様では、19−ノルビタミンD類似体を注射によって、または坐剤によって投与する。その他の実施態様では、19−ノルビタミンD類似体を膣内に投与する。
上記の化合物は、所望の、高度に有利なパターンの生物活性を示す。通常、被験体に投与されるビタミンD類似体量は、約0.001μg〜約100mg/日の範囲であり、いくつかの実施態様では、約0.1μg〜約1000μg/日の範囲である。いくつかのこのような実施態様では、類似体は、担体を含む医薬製剤または医薬で存在する。いくつかのこのような実施態様では、被験体に投与される化合物量は、約0.001μg〜約100mg/日の範囲であり、その他の実施態様では、約0.1μg〜約1000μg/日の範囲であり、その他の実施態様では、0.1μg〜約50μg/日の範囲である。いくつかの組成物では、組成物中のビタミンD類似体量は、約0.01μg/g〜約1000μg/gの範囲であり、いくつかのこのような実施態様では、組成物中の類似体量は、約0.1μg/g〜約50μg/gの範囲である。投与量は、本明細書に示される多数の因子に、および所与の化合物の比活性に基づくことは理解されよう。
MSのマウスモデル、実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)に対する、カルシトニンの効果を示す1セットのグラフである。1ngの1,25(OH)を含有する精製飼料で、2〜3週間の間、25ヒドロキシビタミンD−1α−ヒドロキシラーゼノックアウトマウス(1α−OH KO)を維持し、その後EAE免疫化を行った。グラフは、6μg/kg sCTを与えたマウスと与えなかったマウス間の相違を示す。図1Aの図は、平均EAEスコア対免疫化後日数を示す。図1Bの図は、血清カルシウム対免疫化後日数である。 図2のグラフではマウスが雄であるという点を除いて、図1におけるものに対応する1セットのグラフである。図2Aの図は、平均EAEスコア対免疫化後日数を示す。図2Bの図は、血清カルシウム対免疫化後日数である。 雌のマウスにおけるEAEに対するカルシトニンの効果を調べるための平均EAEスコア対免疫化後日数を示す図である。 図4A及びBは、種々のレベルのsCTで処理したマウスの、平均EAEスコア対免疫化後日数(図4A)、並びに血清カルシウム対免疫化後日数(図4B)を表す1セットのグラフである。 図5は、種々のレベルの1,25(OH)およびカルシトニンで処理したマウスの、平均EAEスコア対免疫化後日数(図5A)、並びにマウスの血清カルシウム対免疫化後日数(図5B)を示す1セットのグラフである。 雌のC57BL/6Jマウスにおける6μg/kgのカルシトニンの効果を表すグラフである。

Claims (18)

  1. 多発性硬化症の症状を軽減する方法であって、
    (a)多発性硬化症の患者または多発性硬化症の危険に陥っている患者を選択するステップと、
    (b)患者に、多発性硬化症の症状を軽減させるのに十分である量のカルシトニン、カルシトニン様ペプチドまたはカルシトニンミメティックを投与するステップと
    を含む、多発性硬化症の症状を軽減する方法。
  2. 前記カルシトニンがヒトおよびサケカルシトニンからなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記患者が女性である、請求項1に記載の方法。
  4. 多発性硬化症の症状を軽減するのに有効な量の1,25−ジヒドロキシビタミンD類似体を投与するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記のカルシトニンの量が100〜1000μg/日である、請求項1に記載の方法。
  6. 前記患者を500μg(±10)のカルシトニンの注射で治療する、請求項5に記載の方法。
  7. 前記のカルシトニンの用量が、5〜200IU/日である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記用量を結腸投与によって投与し、前記用量が40〜800IU/日である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記の軽減される症状が、ピリピリ感、しびれ感、平衡感覚障害、脱力、複視、疲労、失禁、麻痺、記憶障害および言語障害からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記ビタミンD類似体が、1α,25ビタミンD化合物である、請求項4に記載の方法。
  11. 前記ビタミンD類似体が、19−ノル−ビタミンD化合物である、請求項4に記載の方法。
  12. 前記ビタミンD類似体が、1α,25−ジヒドロキシビタミンD(1,25−(OH))、19−ノル−1,25−ジヒドロキシビタミンD(19−ノル−1,25−(OH))、24−ホモ−22−デヒドロ−22E−1α,25−ジヒドロキシビタミンD(24−ホモ−22−デヒドロ−22E−1,25−(OH))、1,25−ジヒドロキシ−24(E)−デヒドロ−24−ホモ−ビタミンD(1,25−(OH)−24−ホモD)および19−ノル−1,25−ジヒドロキシ−21−エピ−ビタミンD(19−ノル−1,25−(OH)−21−エピ−D)からなる群より選択される、請求項4に記載の方法。
  13. 前記のカルシトニン、カルシトニン様ペプチドまたはミメティックを、静脈内に投与する、請求項1に記載の方法。
  14. 前記のカルシトニン、カルシトニン様ペプチドまたはミメティックを、経口投与、静脈内投与、結腸投与、鼻腔投与およびエアゾール投与からなる群より選択される経路によって投与する、請求項1に記載の方法。
  15. 多発性硬化症の症状を緩和するのに有効な量の、1,25−ジヒドロキシビタミンD類似体と組合せた、カルシトニン、カルシトニン様ペプチドまたはカルシトニンミメティックを含む医薬製剤。
  16. 医薬的に許容される担体と組合せた、請求項15に記載の製剤。
  17. 1〜1000IUカルシトニンと、0.01μg〜1000μgビタミンD類似体とを含む、請求項15に記載の製剤。
  18. .1μg〜100μgのビタミンD類似体と、50〜500IUのカルシトニンとを含む、請求項15に記載の製剤。
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