JP2008529487A - Hdac耐性細胞株に選択的細胞傷害性を有する薬剤のアッセイ - Google Patents

Hdac耐性細胞株に選択的細胞傷害性を有する薬剤のアッセイ Download PDF

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Abstract

本発明は、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACi)耐性細胞に対して選択的に細胞傷害性である薬剤を同定する及び/又は得る方法に関する。該方法は、a)HDACi耐性細胞とHDACi感受性細胞を試験薬剤と共にインキュベーションするステップ、b)前記HDACi耐性細胞に対する試験薬剤の細胞傷害性と前記HDACi感受性細胞に対する試験薬剤の細胞傷害性を測定するステップを含み、前記HDACi耐性細胞に対する試験薬剤の細胞傷害性が前記HDACi感受性細胞のそれと比べて増加している場合、その試験薬剤はHDACi耐性細胞に対して選択的細胞傷害剤であることを示すとするものである。本細胞は、PXD101等のヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACi)に耐性のある細胞がいくつかの抗癌剤に対して過敏になるという認識に基づく。

Description

本発明は、概して薬剤耐性の分野、より具体的にはヒストン脱アセチル化酵素(HDACi)の阻害剤に耐性を示す細胞、特にヒストン脱アセチル化酵素阻害剤PXD101に耐性を示す細胞株に関する。
真核細胞のDNAは、タンパク質(ヒストン)と強固に複合体化し、クロマチンを形成している。ヒストンは、正に荷電した小さなタンパク質であり、塩基性アミノ酸(生理的pHでは正に荷電)に富んでいることから、DNAのリン酸基(生理的pHでは負に荷電)に接する。ヒストンには5つの主要なクラス、H1、H2A、H2B、H3、及びH4がある。ヒストンH2A、H2B、H3、及びH4のアミノ酸配列は、種間で顕著に保存されているのに対し、H1は若干変化しており、ある場合においては他のヒストン、例えばH5と置き換わっている。各H2A、H2B、H3、及びH4の組からなる4組が一つになって円盤状の8量体コアタンパク質を形成し、その周りにDNA(約140塩基対)が巻き付いてヌクレオソームを形成している。個々のヌクレオソームは、他のヒストン分子(例えば、H1又はいくつかの特定のケースではH5)と結合した短鎖のリンカーDNAによって連結され、数珠繋ぎのひもに似た構造を形成する。該構造は、それ自身がソレノイドとして知られる螺旋の積層した構造をとる。
ヒストンの大部分は、細胞周期のS期の間に合成される。新たに合成されたヒストンは、DNAと結合すべく直ちに細胞核に入る。合成の数分以内に、新しいDNAがヒストンとヌクレオソーム構造中で結合する。
ヒストンのごく一部分、より具体的にはそのアミノ酸側鎖は、酵素的にメチル基、アセチル基、又はリン酸基の転写後の付加によって修飾され、その結果該側鎖の正荷電が中和され、又は負荷電に変換される。例えば、リジンやアルギニンの基はメチル化され、リジン基はアセチル化され得る。またセリン基はリン酸化され得る。リジンについては、-(CH2)4-NH2側鎖が、例えばアセチルトランスフェラーゼ酵素によってアセチル化され、アミド-(CH2)4-NHC(=O)CH3を生じ得る。ヌクレオソームコアから伸びたヒストンのアミノ末端のメチル化、アセチル化、及びリン酸化は、クロマチン構造、及び遺伝子発現に影響する(例えば、SpencerとDavie(1999)を参照されたい)。
ヒストンのアセチル化と脱アセチル化は、細胞増殖及び/又は分化をもたらす転写事象と関連する。転写因子の機能調節もまた、アセチル化を介して行われている。ヒストン脱アセチル化の最近のレビューは、Kouzarides(1999)やPazinら(1997)に収録されている。
ヒストンのアセチル化状態と遺伝子転写間の相間関係は、30年以上にわたって知られている(例えば、Howeら(1999)を参照されたい)。ヒストンのアセチル化状態を調節するいくつかの特定の酵素、具体的にはアセチル化酵素(アセチラーゼ)(例えば、ヒストン アセチルトランスフェラーゼ、HAT)、及び脱アセチル化酵素(デアセチラーゼ)(例えば、ヒストン脱アセチル化酵素、HDAC)は、多くの生物で同定され、また非常に多くの遺伝子の調節にかかわっており、アセチル化と転写間を結び付けていることが確認されている。例えば、Davie(1998)を参照されたい。通常、ヒストンのアセチル化は転写活性と関連するのに対して、ヒストンの脱アセチル化は遺伝子抑制と関連している。
同定されたヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)の数は、増加傾向にある(例えば、NgとBird(2000)を参照されたい)。最初の脱アセチル化酵素HDAC1は、1996年に同定された(例えば、Tautonら(1996)を参照されたい)。その後、他の2つの哺乳動物核の脱アセチル化酵素HDAC2、及びHDAC3が発見された(例えば、Yangら(1996,1997)、及びEmilianiら(1998)を参照されたい)。また、Grozingerら(1999);Kaoら(2000); 及びVan den Wyngaertら(2000)を参照されたい。

8種のヒトHDACがこれまでにクローン化されている。すなわち、以下のクローンである。
HDAC1 (Genbank 登録No. NP_004955)
HDAC2 (Genbank 登録No. NP_001518)
HDAC3 (Genbank 登録No. O15739)
HDAC4 (Genbank 登録No. AAD29046)
HDAC5 (Genbank 登録No. NP_005465)
HDAC6 (Genbank 登録No. NP_006035)
HDAC7 (Genbank 登録No. AAF63491)
HDAC8 (Genbank 登録No. AAF73428)
これら8種のヒトHDACは、2つの異なるクラスに属する。すなわち、HDAC1、2、3及び8はクラスIに、またHDAC4、5、6及び7はクラスIIに属する。
酵母では、以下を含む多数のヒストン脱アセチル化酵素が存在する;
RPD3 (Genbank 登録No. NP_014069)
HDA1 (Genbank 登録No. P53973)
HOS1 (Genbank 登録No. Q12214)
HOS2 (Genbank 登録No. P53096)
HOS3 (Genbank 登録No. Q02959)。
例えば、トウモロコシのHD2(Genbank 登録番号 AF254073_1)といった植物脱アセチル酵素も、多数存在する。
HDACは、プロモーターに結合し、転写を抑制する巨大な多タンパク質複合体の一部として機能する。十分な特徴解析がなされた転写抑制因子、Mad(Lahertyら、1997)、pRb (Brehmら、1998)、核内レセプター(Wongら、1998)、及びYY1(Yangら、1997)等は、HDAC複合体と結合して抑制機能を発揮する。
ヒストン脱アセチル化酵素の阻害剤の研究により、この酵素が細胞増殖と分化に重要な役割を果たすことが示された。阻害剤トリコスタチンA(TSA)(Yoshidaら、1990a)は、G1及びG2期の両方で細胞周期停止を引き起こし(YoshidaとBeppu、1988)、種々の細胞株の形質転換した表現型を元の状態に戻す。またフレンド白血病細胞の分化及びその他の分化を誘導する(Yoshidaら、1990b)。TSA(及びSAHA)は、細胞増殖を阻害し、終分化を誘導し、そしてマウスの腫瘍形成を抑制することが報告されている(Finninら、1999)。
トリコスタチンA (TSA)
Figure 2008529487
スベロイルアニリドヒドロキサム酸(suberoylanilide hydroxamic acid:SAHA)
Figure 2008529487
TSAによる細胞周期停止は、ゲルゾリンの発現増加と相関がある(Hoshikawaら、1994)。ゲルゾリンは、悪性乳癌でダウンレギュレートされるアクチン調節タンパク質である(Mielnicki、1999)。細胞周期と増殖における同様の効果が、多くの脱アセチル化酵素阻害剤で観察されている(Kimら、1999)。トリコスタチンAは、例えば肝線維症や肝硬変といった線維症の治療にも有用であることが報告されている。例えば、Geertsらの論文(1998)を参照されたい。
最近になって、分化を誘導するいくつかの特定の化合物が、ヒストン脱アセチル化酵素を阻害することが報告された。いくつかの実験的抗癌化合物であるトリコスタチンA(TSA)、トラポキシン(trapoxin)、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)、及びフェニル酪酸(phenylbutyrate)等は、少なくともある程度ヒストン脱アセチル化酵素を阻害することで作用することが報告されている(例えば、Yoshidaら(1990);Richonら(1998);Kijimaら(1993)を参照されたい)。さらに、硫化ジアリルやその関連分子(例えば、Leaら(1999)を参照されたい)、オキサムフラチン(oxamflatin)(例えば、Kimら(1999)を参照されたい)、MS-27-275:合成ベンズアミド誘導体(例えば、Saitoら(1999);Suzukiら(1999)を参照されたい。注:MS-27-275は、後にMS-275に改名された)、酪酸誘導体(例えば、LeaとTulsyan(1995)を参照されたい)、FR901228(例えば、Nokajimaら(1998)を参照されたい)、デプデシン(depudecin)(例えば、Kwonら(1998)を参照されたい)、及びm-カルボキシ桂皮酸ビスヒドロキサミド(m-carboxycinnamic acid bishydroxamide)(例えば、Richonら(1998)を参照されたい)が、ヒストン脱リン酸化酵素を阻害することが報告された。インビトロにおいて、これらの化合物のいくつかは、G1及びG2期での細胞周期停止を引き起こすことにより線維芽細胞の増殖を阻害すること、終分化を誘導し、また、様々な形質転換した細胞株の形質転換能喪失に導き得ることが報告された(例えば、Richonら(1996);Kimら(1999);Yoshidaら(1995);YoshidaとBeppu(1988)を参照されたい)。インビボでは、フェニル酪酸がレチノイン酸と併用することで急性前骨髄球性白血病(acute promyelocytic leukemia)の治療に効果があることが報告されている(例えば、Warrellら(1998)を参照されたい)。SAHAは、ラットの乳癌形成、及びマウスの肺癌を抑制する効果があることが報告されている(例えば、Desaiら(1999)を参照されたい)。
細胞増殖及び分化の制御にHDACが明らかに関与していることは、HDACの異常活性が癌の一因となっている可能性を示唆している。脱アセチル化酵素が癌発生に寄与することは、種々の急性前骨髄球性白血病(APL)によって直接的に証明された。多くのAPL患者で、15番と17番染色体の転座(t(15;17))により、RARα(レチノイン酸受容体)の大部分と結合したPML遺伝子産物のN末部分を含む融合タンパク質が発現する。ある場合には、異なる転座(t(11;17))によってジンクフィンガータンパク質PLZFとRARα間の融合が生じる。野生型RARαは、リガンド非存在下でHDACリプレッサー複合体をプロモーターDNAに繋ぎ止めることで標的遺伝子を抑制している。正常な造血期間中に、レチノイン酸(RA)は、RARαに結合することで前記リプレッサー複合体と置き換わり、骨髄分化に関係する遺伝子発現を可能にしている。APL患者に存在するRARα融合タンパク質は、もはやRAの生理学的レベルに応答することができず、さらには骨髄分化を促進するRA誘導遺伝子の発現を妨げる。これによって前骨髄球細胞のクローン増殖が生じ、白血病が発生する。インビトロの実験により、TSAが融合RARαタンパク質のRA反応性を回復させ、また骨髄分化を可能にすることが明らかとなった。これらの結果は、HDACと腫瘍形成間の関連性を証明し、HADCがAPL患者における薬剤治療の標的である可能性を示唆している(例えば、Kitamuraら(2000);Davidら(1998);Linら(1998)を参照されたい)。
さらに、さまざまな証拠の線からHDACは、他の癌タイプにおいて重要な治療標的である可能性が示唆されている。多くの異なる癌(前立腺癌、結腸直腸癌、乳癌、神経細胞癌、肝臓癌)に由来する細胞株は、HDAC阻害剤によって分化が誘導される(YoshidaとHorinouchi、1999)。多くのHDAC阻害剤が、癌の動物モデルで研究された。それらは腫瘍の増殖を減じ、黒色腫、白血病、大腸がん、肺癌、及び胃癌等を含む異なるタイプの移植癌を担持したマウスの寿命を伸ばした(Uedaら(1994);Kimら(1999))。
本発明の一の態様は、HDACiと比較してHDACi耐性細胞に対して細胞傷害特性の増加を示す薬剤を同定する、及び/又は得る方法を提供する。該方法は、前記HDACi耐性細胞及び感受性細胞を、試験する薬剤と共にインキュベーションするステップ、HDACi耐性細胞及び感受性細胞に対する前記薬剤の細胞傷害性を測定するステップ、並びにHDACiと比較して耐性係数(耐性細胞のIC50値を親細胞のIC50値で割った値)の減少を示す薬剤を同定するステップを含んでなる。
本発明のさらなる態様は、HDACiと比較してHDACi耐性細胞に対して選択的細胞傷害性を示す薬剤を同定する方法を提供する。該方法は、前記HDACi耐性細胞及び感受性細胞を、試験薬剤と共にインキュベーションするステップ、HDACi耐性細胞及び感受性細胞に対する前記薬剤の細胞傷害性を測定するステップ、並びに耐性係数(耐性細胞のIC50値を親細胞のIC50値で割った値)<1を示す薬剤を同定するステップを含んでなる。
さらなる他の態様で、本発明は、本明細書に開示した方法により同定されたHDACi耐性細胞に対して選択的細胞傷害性である薬剤を提供する。
本発明の他の態様は、HDACi耐性細胞の増殖をインビトロ又はインビボで選択的に阻害するための方法である。該方法は、前記耐性細胞を本明細書で開示した方法により同定された一以上の前記細胞傷害剤と接触させることを含む。
本発明の他の態様は、HDACiの化学増感剤である薬剤を同定するための方法である。該方法は、HDACi耐性細胞を、試験する薬剤の存在下及び非存在下で該細胞が耐性を有するHDACiと共にインキュベーションするステップ、並びに細胞に対するHDACiの細胞傷害性を測定するステップを含んでなる。ここで、薬剤存在下でインキュベーションした培養物の細胞傷害性が、薬剤非存在下でインキュベーションした培養物のそれと比べて増加している場合、該薬剤が化学増感剤であることを示す。
さらに他の態様において、本発明は、本明細書に開示された方法により同定されたHDACiの化学増感剤を提供する。
さらに他の態様において、本発明は、HDACi耐性細胞の増殖をインビトロ、又はインビボで阻害する方法を提供する。該方法は、前記HDACi耐性細胞を一以上のHDACi、及び本明細書に開示した方法により同定された一以上の前記HDACiの化学増感剤と接触させることを含んでなる。
他の態様で、本発明はHDACi類似体、例えばHDACiと同様の作用機構をもつ化合物を同定する方法を提供する。該方法は、HDACi耐性細胞株とそれに対応するHDACi感受性の親細胞株を、増加濃度の試験物質と接触するステップ、及び、HDACi耐性細胞株の試験物質に対する耐性を、親細胞株の試験物質に対する耐性と比較して測定するステップを含んでなる。ここで、HDACi耐性細胞株の試験物質に対する耐性が、親細胞株のそれと比較してより大きい場合、該試験物質はHDACiと同じシグナル伝達経路で作用する可能性があることを示唆している。このようにして同定された薬剤は、HDACi及びその類似体を含むが、必ずしもそれに限定するものではない。
さらに他の態様において、本発明は、上記本明細書で開示した方法によって同定され、HDACi類似体を含む薬剤が、本明細書で本発明の態様として包含されることも提供する。
本発明は、概してHDACi耐性細胞株、例えばP388マウス白血病細胞株のHDACi耐性亜株に関する。
HDACi耐性細胞は、例えばPXD101、トリコスタチンA(TSA)、トラポキシン、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)、フェニル酪酸、硫化ジアリル、オキサムフラチン、MS-27-275、酪酸、FR901228、デプデシン、及びm-カルボキシ桂皮酸ビスヒドロキサミドを含む一以上のHDACiに対して耐性であることができる。いくつかの実施形態で、HDACi耐性細胞株は、PXD101に対して耐性であってもよく、また本明細書に記載するWT/PXD101-2C細胞株を含むことができる。
薬剤耐性細胞株の選択方法は該分野で知られており、通常、薬剤存在下でその濃度を増加させながら細胞を培養すること及び継代することに関連している。生き残った細胞のコロニーをさらに高濃度の薬剤存在下に展開することで、最終的に個々の耐性細胞株、及び細胞の亜株が得られる(Akiyamaら、Somat. Cell. Mol. Genetics 11:117-126 (1985)を参照されたい)。本明細書で使用される場合、薬剤に対する細胞の「耐性」とは、感受性細胞よりも高濃度の薬剤に耐える細胞の能力をいう。したがって、PXD101に継続して曝露された細胞の耐性を、薬剤耐性細胞の元となった親の感受性細胞と比較して測定することができる。薬剤(例えば、PXD101)に対する細胞の耐性は、通常コントロールである感受性細胞と比較したときのIC50(細胞増殖を50%まで抑制するのに必要な薬剤濃度)の増加として見積もられる。
本明細書で使用される場合、「試験細胞」とは、PXD101耐性であるかどうかわからない細胞をいう。本明細書で開示された一のHDACi耐性細胞株は、PXD101の存在下でその濃度を増加させながらP388細胞株を培養すること、及び継代することによって得られた。P388細胞株は、ATCC(Manassas, VA, USA)より入手することができる。この細胞株は、10%ウシ胎仔血清、1%L-グルタミン、ペニシリン(50Units/ml)、及びストレプトマイシン(50 μg/ml)が追加されたRPMIを用いて、5.0%CO2下で37℃に維持して、単分子層にて増殖することができる。培地、及び補足剤は、全てGibco Life Technologies社(Rockville, MD)より入手できる。
本明細書で開示したHDACi耐性P388/PXD101-C亜株は、P388乳腺癌の親細胞株を上記のようにPXD-101中でインキュベーションすることで得られたものである。本明細書で使用する場合、用語「亜株(サブライン)」(又は「サブクローン」)は、一以上のHDACiに対する耐性に基づいて親細胞株から得られる細胞株を言う。これは、本発明が、P388細胞株の細胞を他の濃度のPXD101存在下で培養することにより選択することのできる他のPXD101耐性細胞株を包含することを意味している。PXD-101に対する細胞耐性の倍増は、耐性細胞株の元となった親細胞株と比較して評価することができる(例えば、耐性細胞株についてのPXD101のIC50対親細胞株についてのPXD101のIC50)。
本発明のいくつかの態様は、HDACiの化学増感剤である物質を同定する方法を提供する。本明細書で使用する場合、用語「HDACiの化学増感剤」とは、耐性細胞に対する治療薬の効果を高め、及び/又は治療薬に対する細胞の耐性を減じることができる物質を言う。例えば、ベラパミルは、P-gpを介在する多剤耐性の化学増感剤である。すなわち、ベラパミル存在下では、多剤耐性細胞はアントラサイクリンの細胞傷害効果に対して、より感受性となる。本明細書に記載した細胞株は、HDACiの化学増感剤である物質を同定する方法において特に有用である。この方法は、HDACi耐性細胞を、試験する薬剤の存在及び非存在下で該細胞が耐性をもつHDACiと共にインキュベーションするステップと、前記細胞に対するHDACiの細胞傷害性を測定するステップを含んでなる。ここで、薬剤と共にインキュベーションした培養物の細胞傷害性が薬剤なしでインキュベーションした培養物のそれと比較して増加しているのであれば、該薬剤は化学増感剤であることを示している。細胞傷害性は当業者に機知の方法を用いて測定することができる。例えば、CELL TITER 96@ AQUEOUS assay(PROMEGA社、Madison, WI)等の比色分析システムが挙げられる。
本発明の態様はまた、HDACi類似体を同定するための方法も提供する。本明細書で使用される場合、「HDACi類似体」とは、ヒストン脱アセチル化活性を阻害する合成の、若しくは天然の化合物をいう。本明細書中で意図したように、本明細書に記載した細胞株を使用して、HDACiに対する細胞株の耐性に部分的に打ち勝つことのできるHDACi類似体を同定することができる。例えば、HDACi耐性細胞株と対応する親細胞株を、試験物質の濃度を上げていきながら、該試験物質と共にインキュベーションし、その後、耐性細胞株について測定されたIC50を親細胞株について測定されたそれで割ることにより相対耐性係数を測定することができる。(参照として同一アッセイでインキュベーションしたHDACiと比較して)耐性係数が減少している試験化合物は、目的の可能な類似体を構成するだろう。
本発明の他の態様は、HDACi耐性細胞に対して選択的に細胞傷害性である物質を同定するための方法を提供する。本明細書で使用する場合、用語「細胞傷害剤」とは、細胞増殖を抑制し、また細胞死を誘導する抗癌剤を含む化合物を言う。本方法は、本明細書に開示した耐性細胞株を試験すべき物質と共にインキュベーションすること、標準的な方法を用いて、耐性細胞株に対するその物質の細胞傷害性を測定すること、及び測定値を親細胞株のそれと比較することを含み得る。HDACi耐性細胞株を選択的に殺す化合物、すなわち耐性細胞における増殖阻害についてのIC50が対応する親細胞のそれよりも低い化合物が、当りである。選択的細胞傷害剤の例は、スタウロスポリン等のプロテインキナーゼC阻害剤、及び5-アザシチジン等のDNAメチル化阻害剤を含む。
プロテインキナーゼC(PKC)は、セリン又はスレオニン残基でタンパク質をリン酸化するリン脂質依存性キナーゼのファミリーで構成されている。ホルボールエステルは、PKCに結合し、それを活性化する。またPKCは、例えば、初期角化細胞における分化マーカーの誘導といったホルボールエステル介在反応に関係している。現在利用可能な最も効果のあるPKC阻害剤の一つは、スタウロスポリンである(Tamaoki, T.ら、"Staurosporine, a potent inhibitor of phospholipid/Ca++ dependent protein kinase," Biochem. Biophys. Res. Commun., 135: 397-402, 1986)。この阻害剤は、PKCをインビトロにおいてナノモル量でその活性ドメインと相互作用することによって阻害する(Nakadate, T.ら、"Comparison of protein kinase C functional assays to clarify mechanisms of inhibitor action," Biochem. Pharmacol., 37: 1541-1545, 1988;及びGross, J. L.ら、"Characterization of specific [3H]dimethylstaurosporine binding to protein kinase C," Biochem. Pharmacol., 40:343-350, 1990)。他のPKC阻害剤は、ブリオスタチンI、タモキシフェン、サフィンゴール、UCN-01、CGP-41251、ビスインドリルマレイミド類、例えばGF109203X、カルホスチン類、及びPKCアンチセンス分子、例えばISIS3521 (Da Rocha ABら、“Targetting Protein Kinase C: New Therapeutic Opportunities against Malignant Glioma.” The Oncologist, 7(1): 17-33, 2002に概説されている)等を含む。
DNAメチル化阻害剤である5-アザシチジンとデシタビンは、三リン酸に活性化され、またシチジンデアミナーゼにより分解される。5-アザシチジンは、RNA中に、またRNAほどではないがDNA中にも組み込まれる。デシタビンは、主にDNA中に組み込まれる。RNAへの組み込みは、ポリリボソームの分解、メチル化不全及びトランスファーRNAの受容機能不全、並びにタンパク質生成の顕著な抑制を引き起こす。DNAへの挿入は、メチル基転移酵素との共有結合を生じ、DNA合成を阻害し、最終的に直接的な細胞傷害を引き起こす。5-アザシチジンは、S期の細胞に対して強い細胞傷害性があり、主として急速に分裂している細胞でその作用を発揮する(Santiniら、“Changes in DNA Methylation in Neoplasia: Pathophysiology and Therapeutic Implications” Ann. Int. Med 134:537-586, 2001に概説されている)。
本発明の実施には、特に断りのない限り、細胞生物学、分子生物学、細胞培養、免疫学、及び当業者の技術範囲にあるものと同等の従来技術を使用することができる。これらの技術は、最新の文献に十分に開示されている。具体的な参考文献には、Sambrook、Fritsch及びManiatis編、"Molecular Cloning A Laboratory Manual, 2nd edition,(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989; the series Methods of Enzymology (Academic Press, Inc);及びAntibodies: A Laboratory Manual, Harlowetら編、Cold Spring Harbor Laboratory Press (1987)がある。
本発明の方法によって同定されたHDACiの細胞傷害剤及び化学増感剤は、HDACi耐性細胞株の増殖を抑制する方法で特に有用である。HDACiの細胞傷害剤及び化学増感剤を用いるHDACi耐性細胞株の増殖を抑制する方法は、前記HDACi耐性細胞を一以上のHDACi、及び一以上の化学増感剤と接触させることを含み得る。本発明の方法によって同定された細胞傷害剤を用いてHDACi耐性細胞株の増殖を抑制する方法は、前記耐性細胞を一以上の細胞傷害剤と接触させることを含み得る。用語「接触させること」とは、インビトロ、ex vivo、又はインビボで投与することを意味する。本発明の方法によって同定された細胞傷害剤、及び化学増感剤はまた、HDACi耐性癌(つまり、HDACiが効果がない治療薬であるか、又は自然耐性若しくは獲得耐性により、もはや効果のない治療薬である状態)を伴う被験体における治療上の使用にも役立つ。前記細胞傷害剤、及び化学増感剤の適当な医薬組成物、投与方法、及び投与量は、当業者には明らかであり、以下で論じたものも含め、従来の方法論に従って実行することができる。
本発明の態様は、HDACi耐性癌の治療に使用する薬剤の製造におけるPKC阻害剤、及び/又はDNAメチル化阻害剤の使用、並びにPKC阻害剤、及び/又はDNAメチル化阻害剤を個体に投与することを含む個体のHDACi耐性癌を治療する方法を提供する。
HDACi耐性癌は、PXD101に対して耐性であってもよい。
適当なPKC阻害剤は、スタウロスポリン、ブリオスタチンI、タモキシフェン、サフィンゴール、UCN-01、CGP-41251、ビスインドリルマレイミド類、カルホスチン類、PKCアンチセンス分子及びそれらの類似体、それらの化合物のいずれかの誘導体又は塩からなる群より選択することができる。いくつかの好ましい実施形態で、前記PKC阻害剤は、スタウロスポリン若しくはその類似体、誘導体又は塩であってもよい。
適当なDNAメチル化阻害剤は、5-アザシチジン、デシタビン、若しくはそれらの類似体、それらの化合物のいずれかの誘導体又は塩を含み得る。
方法は、癌状態をHDACi耐性癌状態と同定するステップを含むことができる。
癌状態を、標準的技術を用いてHDACi耐性癌状態と同定することができる。例えば、HDACi耐性細胞を、腫瘍サンプルにおいてインビトロ、又はインビボで従来方法を用いて検出することができる。いくつかの実施形態で、患者から切除された腫瘍組織を腫瘍サンプルとして使用することができる。サンプルは、直ちに使用することもできるし、あるいは−20℃以下の温度で凍結して、後に使用することもできる。顕微鏡スライド上の腫瘍切片を、抗体を用いて標準的な免疫組織化学的技術を使用し、又は核酸を用いて標準的なin situハイブリダイゼーション技術により反応させることができる。さらに、腫瘍細胞の単一細胞懸濁液の調製が可能であるのなら、腫瘍細胞を抗体で反応させ、フローサイトメトリーで解析することができる。あるいは、1個のHDACi耐性腫瘍細胞を、担癌被験体内でインビボにて検出することができる。標識化抗体を被験体に導入し、腫瘍と結合した抗体を検出することができる。例えば、抗体は、放射性マーカーで標識することができる。被験体内でのその存在や位置は、標準的な造影技術により検出できる。HDACi耐性腫瘍を同定するのに有用な試薬、例えばHDACi耐性細胞抗原に特異的な抗体を、診断用キットに組み込むことができる。本キットは、サンプルを比較するための標準物質を含むことができる。様々な試薬を適当な容器中のキットに含めることができる。また、キットは容器用の入れ物を該キットの使用説明書と共に含むことができる。他の実施形態で、PXD101、トリコスタチンA(TSA)、トラポキシン、スベロイルアニリドヒドロキサム酸(SAHA)、フェニル酪酸、硫化ジアリル、オキサムフラチン、MS-27-275、酪酸、FR901228、デプデシン、又はm-カルボキシ桂皮酸ビスヒドロキサミド等のHDACiに対する個体由来の癌細胞の感受性をインビトロで測定することができる。
本発明のさらなる実施形態は、製薬上許容可能な担体と併用する本明細書で論じたいずれかの治療効果についての医薬組成物の投与に関する。そのような医薬組成物は、上記方法を用いて同定された細胞傷害薬及び化学増感剤を含むことができるが、それに限定はされない。いくつかの実施形態で、医薬組成物は、さらに一以上のHDCKiを含むことができる。
前記組成物は、単体で、又は少なくとも1つの他の薬剤と組み合わせて投与することができる。前記他の薬剤には、塩、緩衝化生理食塩水、デキストロース、及び水を含むが、それに限定されないいずれの無菌生体適合性医薬担体も投与することができる安定化化合物等が挙げられる。
化合物は、患者に対して単独で、又は他の化学療法薬、薬物、若しくはホルモンを含む他の薬剤と組み合わせて投与することができる。本明細書で使用する場合、用語「他の化学療法薬」とは、特に腫瘍性疾患の治療に使用することのできるあらゆる化学療法薬をいう。例えば、以下のクラスに由来する化学療法薬等が該当する。
(A)アルキル化剤、好ましくは架橋された化学療法薬、好ましくはビスアルキル化剤;
(B)抗腫瘍抗生物質、好ましくはドキソルビシン(ADRIAMYCINTM、RUBEXTM);
(C)代謝拮抗剤;
(D)植物アルカロイド;
(E)ホルモン剤、及び拮抗剤(アンタゴニスト);
(F)生物学的反応改質剤、好ましくはリンホカイン、若しくはインターフェロン;
(G)チロシンキナーゼ、及び/若しくはセリン/スレオニンキナーゼの阻害剤;
(H)アンチセンスオリゴヌクレオチド、若しくはオリゴヌクレオチド誘導体;
(I)微小管安定化剤/不安定化剤;又は
(J)他の作用機序又は未知の作用機序を有する種々雑多の薬剤。
本発明に包含される医薬組成物は、経口、静脈内、筋肉内、関節内、動脈内、骨髄内、髄腔内、心室内、経皮、皮下、腹腔内、鼻腔内、腸内、局所、舌下、又は直腸といった手段を含む、ただしこれらに限定されないあらゆる投与法で投与することができる。活性成分に加えて、これらの医薬組成物は、賦形剤及び補助剤を含む製薬上許容可能な担体又は希釈剤を含有することができる。このような担体又は希釈剤は、活性化合物を薬学的に使用可能な製剤中に加工することを容易にする。用語「製薬上許容可能な担体又は希釈剤」とは、糖類(例えば、乳糖、ショ糖、マンニトール、若しくはソルビトール)、セルロース調製物、及び/又はリン酸カルシウム(例えば、リン酸三カルシウム、若しくはリン酸水素カルシウム)等の充填剤、並びに、例えばトウモロコシ、コムギ、コメ、若しくはジャガイモのデンプンを用いたデンプン糊、ゼラチン、トラガカント、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、及び/又はポリビニルピロリドン等の結合剤、並びに/或いは、所望であれば、上記デンプンや、カルボキシメチルデンプン、架橋ポリビニルピロリドン、寒天(アガー)、アルギン酸又はアルギン酸ナトリウム等のその塩等の崩壊薬を含むが、それに限定はされない。賦形剤は、特に流動調節剤、又は滑沢剤である。例えば、ケイ酸、タルク、ステアリン酸、又は、例えばステアリン酸マグネシウム若しくはステアリン酸カルシウムといったそれらの塩、及び/或いはポリエチレングリコールが挙げられる。糖衣錠コアは、適当なコーティングで、任意で腸溶性にしたコーティングで提供される。コーティングには、とりわけ濃縮した糖溶液(アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、及び/若しくは二酸化チタンを含み得る)、又は適当な有機溶媒のコーティング溶液、或いは、腸溶コーティング調製用に、例えばエチルセルロースフタレート若しくはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートといった適当なセルロース調製物の溶液が使用される。カプセルは、ゼラチンでできた乾燥充填カプセル、並びにゼラチン、及びグリセロールやソルビトール等の可塑物(plastiziser)でできた密閉ソフトカプセルである。乾燥充填カプセルは、活性成分を顆粒形態で含むことができる。例えば、ラクトース等の充填剤、でんぷん等の結合剤、及び/又はタルク若しくはステアリン酸マグネシウム等の流動促進剤と共に、また所望であれば安定化剤と共に含んでいてもよい。ソフトカプセルでは、活性成分は、適当な油状賦形剤、例えば脂肪油、パラフィン油、若しくは液体ポリエチレングリコールで溶解又は懸濁されていることが好ましい。また、安定化剤、及び/又は抗菌剤を加えてもよい。染料若しくは色素を、錠剤若しくは糖衣錠のコーティング、又はカプセルケースに、例えば、同定目的のため、或いは活性成分の、相違する投与量を示すために加えることができる。
本明細書で使用する場合、「製薬上有効な量」とは、活性成分量、例えば毒性作用若しくは治療活性を有する物質と共役する場合に本明細書に開示したHDACi耐性細胞株に対する抗体量等が、症状又は異常状態を改善できること、例えば腫瘍細胞死を引き起こすことを言う。治療効能及び毒性を、細胞培養や実験動物で標準的な医薬手法、例えばED50(集団の50%に治療的効果のある投与量)、及びLD50(集団の50%が致死となる投与量)によって測定することができる。毒性と治療効果の間の用量比が治療指数であり、LD50/ED50で表すことができる。治療指数の大きい医薬組成物が好ましい。細胞培養アッセイ、及び動物実験から得られたデータは、ヒトが使用する投与量の範囲を策定するのに使用される。前記組成物に含まれる用量は、毒性がほとんどないか、全くないED50を含んだ循環血中濃度の範囲内にあることが好ましい。投与量は、使用される剤形、患者の感受性、及び投与経路による範囲内で異なる。
どの化合物についても、製薬上有効な量を、最初に、例えば新生細胞の細胞培養アッセイ、又は動物モデル(通常はマウス、ウサギ、イヌ、若しくはブタ)のいずれかで評価することができる。動物モデルを使用して、適当な濃度範囲や投与経路を決めることもできる。このような情報を利用して、ヒトに有用な投与量や投与経路を決定してもよい。
正確な投薬量は、治療を要する患者に関する要素に照らして、医師により決定されるであろう。投薬量や投与は、十分レベルの活性部分を提供し、又は望ましい効果を維持するために調整される。考慮し得る要素には、病気の重症度、患者の全体的な健康、年齢、体重、及び患者の性別、食生活、投与時間と投与頻度、薬の組合せ、反応感度、及び治療に対する耐性/反応が含まれる。長時間作用する医薬組成物は、3〜4日ごと、一週間ごと、又は2週間に1度、又は3週間に1度、特定の製剤の半減期及びクリアランス率に応じて投与すればよい。
詳細な用量及び送達方法に関する指針については、文献中に提供されており、また通常は当業者が利用できる状態にある。当業者は、タンパク質やその阻害剤に対してよりもヌクレオチドに対して様々な処方を使用することができる。同様に、ポリヌクレオチドやポリペプチドの送達は、特定細胞、状態、位置等に特異的であることができる。タンパク質の経口投与に適した製剤処方は、例えば米国特許第5,008,114号;5,505,962号;5,641,515号;5,681,811号;5,700,486号;5,766,633号;5,792,451号;5,853,748号;5,972,387号;5,976,569号;及び6,051,561号に記載されている。他の化学療法剤と組み合わせる場合には、他の化学療法剤を、市販され、当業者に知られる標準的処方で使用する。
処方(製剤化)及び投与に関する技術上のさらなる詳細については、Remington's Pharmaceutical Sciences (Merck Publishing Co., Easton, Pa.)の最新版で知ることができる。
本明細書に記載した全ての刊行物、特許、及び特許出願は、本発明の属する分野の当業者の技能レベルの指標となる。上記発明は、通常、以下の実施例を参照することによってより容易に理解されるであろう。該実施例は、ここで、単に本発明のいくつかの実施形態の実例の目的で含まれているに過ぎず、決して本発明を限定するわけではない。
<方法と実験>
アッセイ方法
細胞を培養し、候補化合物に曝露し、その後しばらくインキュベーションした。それから、生存している細胞数を、以下に記載したBoehringer Mannheim社(Cat. No. 1 644 807)から販売されている細胞増殖試薬WST-1を用いてアッセイした。
細胞を100μLの培養培地の入った96ウェルプレートに3〜10×103細胞/ウェルでプレーティングした。翌日、様々な濃度の候補化合物を加え、細胞を37℃で48時間インキュベーションした。その後、WST-1試薬を10μL/ウェルで加え、細胞を1時間、再度インキュベーションした。インキュベーション後、吸光度を測定した。
WST-1は、細胞の酵素によってフォルマザン色素に分解されるテトラゾリウム塩である。生細胞数の増大は、サンプル中のミトコンドリア脱水素酵素の全体的な活性の増加を引き起こす。この酵素活性の増加は、生じるフォルマザン色素量を増加させる。このようなフォルマザン色素量は、培養物中の代謝的に活性のある細胞数と直接的に相関している。生成されたフォルマザン色素は、走査型マルチウェル分光光度計で450nmの波長(参照波長690nm)における色素の吸光度を測定することによって定量化される。
生細胞数を減少させる活性パーセント(活性%)を、各試験化合物に対して以下のように計算した:
活性%= { (SC−B) / (S°−B) }×100
式中、SCは、試験した化合物の存在下で測定されたシグナルを、S°は、試験した化合物の非存在下で測定されたシグナルを、そしてBは、培地のみ含んだブランクウェルで測定されたバックグラウンドシグナルを意味する。IC50は、50%の活性を有する濃度に相当する。IC50値を、ソフトウェアパッケージPrism 3.0 (GraphPad Software Inc., San Diego, CA)を使用し、最大値100、最小値0にセットして算出した。
<結果>
P388親細胞株(WT)のIC50対HDACi耐性細胞株(PXD-101-C)の比率を下の表1に示した。
Figure 2008529487
<参考文献>
多数の特許、及び刊行物を、本発明、及び本発明に属する最先端技術をより完全に説明し、並びに開示するために本明細書で引用した。引用した全ての文献をここに示す。これらの各引用文献は、本明細書で開示された中に、その全てを参照することによって援用される。
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Claims (54)

  1. ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDACi)耐性細胞に対して選択的細胞傷害性である薬剤を同定する、及び/又は得る方法であって、以下のステップ:
    a)HDACi耐性細胞及びHDACi感受性細胞を試験薬剤と共にインキュベーションするステップ、
    b)前記HDACi耐性細胞に対する試験薬剤の細胞傷害性、及び前記HDACi感受性細胞に対する試験薬剤の細胞傷害性を測定するステップ、
    を含み、
    ここで、前記HDACi感受性細胞に対する前記HDACi耐性細胞の試験薬剤の細胞傷害性の増加が、該試験薬剤がHDACi耐性細胞に対して選択的細胞傷害性の薬剤であることを示す前記方法。
  2. 前記HDACi耐性細胞に対する試験薬剤の細胞傷害性、及び前記HDACi感受性細胞に対する試験薬剤の細胞傷害性を、IC50値として測定する、請求項1に記載の方法。
  3. 試験薬剤の耐性係数(耐性細胞のIC50値を感受性細胞のIC50値で割ったもの)がHDACiの耐性係数未満であることは、該試験薬剤がHDACi耐性細胞に対して選択的細胞傷害性の薬剤であることを示す、請求項2に記載の方法。
  4. 耐性係数(耐性細胞のIC50値を感受性細胞のIC50値で割ったもの)<1は、試験薬剤がHADCi耐性細胞に対して選択的細胞傷害性の薬剤であることを示す、請求項2に記載の方法。
  5. 前記薬剤は、HDACi耐性癌状態の治療に有用である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記HDACiは、PXD101である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 試験薬剤は、プロテインキナーゼC(PKC)阻害剤である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 試験薬剤は、スタウロスポリン、ブリオスタチンI、タモキシフェン、サフィンゴール、UCN-01、CGP-41251、ビスインドリルマレイミド類、カルホスチン類、PKCアンチセンス分子及びそれらの類似体、それらの化合物のいずれかの誘導体又は塩からなる群より選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 試験薬剤は、スタウロスポリン若しくはその類似体、その誘導体又は塩である、請求項8に記載の方法。
  10. 試験薬剤は、DNAメチル化阻害剤である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  11. DNAメチル化阻害剤は、5-アザシチジン若しくはその類似体、その誘導体又は塩である、請求項10に記載の方法。
  12. DNAメチル化阻害剤は、デシタビン若しくはその類似体、その誘導体又は塩である、請求項10に記載の方法。
  13. HDACi耐性細胞に対して選択的細胞傷害性である薬剤として試験薬剤を同定することを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記薬剤を製薬上許容可能な賦形剤と共に製剤化することを含む、請求項13に記載の方法。
  15. HDCAi耐性細胞の増殖をインビトロ若しくはインビボで阻害する方法であって、前記耐性細胞を請求項13に記載の方法によって同定され、及び/又は得られた一以上の細胞傷害剤を前記耐性細胞と接触させることを含む前記方法。
  16. 一以上の細胞傷害剤は、PKC阻害剤を含む、請求項15に記載の方法。
  17. PKC阻害剤は、スタウロスポリン、ブリオスタチンI、タモキシフェン、サフィンゴール、UCN-01、CGP-41251、ビスインドリルマレイミド類、カルホスチン類、PKCアンチセンス分子及びそれらの類似体、それらの化合物のいずれかの誘導体又は塩からなる群より選択される、請求項16に記載の方法。
  18. PKC阻害剤は、スタウロスポリン若しくはその類似体、その誘導体又は塩である、請求項17に記載の方法。
  19. 一以上の細胞傷害剤は、DNAメチル化阻害剤を含む、請求項15に記載の方法。
  20. DNAメチル化阻害剤は、5-アザシチジン若しくはその類似体、その誘導体又は塩である、請求項19に記載の方法。
  21. DNAメチル化阻害剤は、デシタビン若しくは類似体、その誘導体又は塩である、請求項19に記載の方法。
  22. HDACiの化学増感剤を同定する、及び/又は得る方法であって、以下のステップ:
    a)HDACiを前記HDACiに対して耐性である細胞と共に試験薬剤の存在下及び非存在下でインキュベーションするステップ、並びに
    b)細胞に対するHDACiの細胞傷害性を測定するステップ、
    を含み、
    ここで、試験薬剤の非存在下と比べたときの存在下の細胞傷害性における増加が、該薬剤がHDACiの化学増感剤であることを示す前記方法。
  23. 前記HDACiは、PXD101である、請求項22に記載の方法。
  24. 試験薬剤は、PKC阻害剤である、請求項22又は23に記載の方法。
  25. PKC阻害剤は、スタウロスポリン、ブリオスタチンI、タモキシフェン、サフィンゴール、UCN-01、CGP-41251、ビスインドリルマレイミド類、カルホスチン類、PKCアンチセンス分子及びそれらの類似体、それらの化合物のいずれかの誘導体又は塩からなる群より選択される、請求項24に記載の方法。
  26. PKC阻害剤は、スタウロスポリン若しくはその類似体、その誘導体又は塩である、請求項25に記載の方法。
  27. 一以上の細胞傷害剤は、DNAメチル化阻害剤を含む、請求項22又は23に記載の方法。
  28. DNAメチル化阻害剤は、5-アザシチジン若しくはその類似体、その誘導体又は塩である、請求項27に記載の方法。
  29. DNAメチル化阻害剤は、デシタビン若しくはその類似体、その誘導体又は塩である、請求項27に記載の方法。
  30. 試験薬剤をHDACiの化学増感剤として同定することを含む、請求項22〜29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 前記薬剤を製薬上許容可能な賦形剤と共に製剤化することを含む、請求項30に記載の方法。
  32. HDACi耐性細胞を前記試験薬剤及びHDACiと接触させることを含む、請求項30に記載の方法。
  33. HDCAi耐性細胞の増殖をインビトロ又はインビボで阻害する方法であって、
    前記HDACi耐性細胞を一以上のHDACi、及び請求項30に記載の方法によって同定された一以上の化学増感剤と接触させることを含む前記方法。
  34. HDACシグナル伝達経路の阻害剤を同定する、及び/又は得る方法であって、以下のステップ:
    a)HDACi耐性細胞株及び対応するHDACi感受性親細胞株を、試験薬剤の濃度を増加しながらそれに接触させるステップ;並びに
    b)試験物質に対するHDACi耐性細胞株の耐性を、試験薬剤に対する親細胞株の耐性と比較して測定するステップ、
    を含み、
    ここで、HDACi感受性親細胞株と比較したときのHDACi耐性細胞株の耐性の増加が、該試験薬剤がHDACiシグナル伝達経路の阻害剤であることを示す前記方法。
  35. HDACi類似体を同定する、及び/又は得る方法であって、以下のステップ:
    a)HDACi耐性細胞株及び対応するHDACi感受性親細胞株を、試験薬剤の濃度を増加しながらそれに接触させるステップ;並びに
    b)親細胞株の試験薬剤に対する耐性と比較したHDACi耐性細胞株の試験薬剤に対する耐性を測定するステップ、
    を含み、
    ここで、前記HDACiに対して前記試験薬剤の耐性係数の減少が、該試験薬剤がHDACi類似体であることを示す前記方法。
  36. 前記HDACi耐性細胞株は、PXD101に対して耐性である、請求項35に記載の方法。
  37. HDACi耐性癌状態の治療に使用するための医薬の製造におけるPKC阻害剤の使用。
  38. 前記HDACi耐性癌状態は、PXD101に耐性である、請求項37に記載の使用。
  39. PKC阻害剤は、スタウロスポリン、ブリオスタチンI、タモキシフェン、サフィンゴール、UCN-01、CGP-41251、ビスインドリルマレイミド類、カルホスチン類、PKCアンチセンス分子及びそれらの類似体、それらの化合物のいずれかの誘導体又は塩からなる群より選択される、請求項37又は38に記載の使用。
  40. PKC阻害剤は、スタウロスポリン若しくはその類似体、その誘導体又は塩である、請求項39に記載の使用。
  41. HDACi耐性癌状態の治療に使用するための医薬の製造におけるDNAメチル化阻害剤の使用。
  42. 前記HDACi耐性癌状態は、PXD101に耐性である、請求項41に記載の使用。
  43. DNAメチル化阻害剤は、5-アザシチジン若しくはその類似体、その誘導体又は塩である、請求項41又は42に記載の使用。
  44. DNAメチル化阻害剤は、デシタビン若しくはその類似体、その誘導体又は塩である、請求項41又は42に記載の使用。
  45. 個体にPKC阻害剤を投与することを含む、個体においてHDACi耐性癌状態を治療する方法。
  46. 癌状態をHDACi耐性癌状態として同定すること、及びPKC阻害剤を個体に投与することを含む、個体において癌状態を治療する方法。
  47. 前記HDACi耐性癌状態は、PXD101に耐性である、請求項45又は46に記載の方法。
  48. PKC阻害剤は、スタウロスポリン、ブリオスタチンI、タモキシフェン、サフィンゴール、UCN-01、CGP-41251、ビスインドリルマレイミド類、カルホスチン類、PKCアンチセンス分子及びそれらの類似体、又はそれらの化合物のいずれかの誘導体若しくは塩からなる群より選択される、請求項45〜47のいずれか1項に記載の方法。
  49. PKC阻害剤は、スタウロスポリン若しくはその類似体、その誘導体又は塩である、請求項48に記載の使用。
  50. DNAメチル化阻害剤を個体に投与することを含む、個体においてHDACi耐性癌状態を治療する方法。
  51. 癌状態をHDACi耐性癌状態として同定すること、及びDNAメチル化阻害剤を個体に投与することを含む、個体においてHDACi耐性癌状態を治療する方法。
  52. 前記HDACi耐性癌状態は、PXD101に耐性である、請求項50又は51に記載の方法。
  53. DNAメチル化阻害剤は、5-アザシチジン若しくはその類似体、その誘導体又は塩である、請求項50〜52のいずれか1項に記載の方法。
  54. DNAメチル化阻害剤は、デシタビン若しくはその類似体、その誘導体又は塩である、請求項50〜52のいずれか1項に記載の使用。
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