JP2008528763A - 薄肉の酸化ポリニトリル架橋ゴム膜製品及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

生体組織または生体中にある流体との直接的または間接的接触を意図する、1つの酸化ポリニトリルで架橋された、向上した引裂強度及び引張強度を有する、天然ゴム及び/または合成ポリイソプレン膜製品。

Description

本出願は、2005年1月28日に出願した米国特許出願第11/045938号の優先権を主張する。
本発明は、薄肉ゴム膜製品、特に天然ゴム及びポリイソプレンラテックスから、酸化ポリニトリルで加硫させて作製されるものに関する。
本発明は、改善された引裂及び引張強度、並びに極限伸長度を含む優れた物理的特性を、薄肉の浸漬成形または注型ゴム製品に付与するという技術的問題を解決することを対象とする。本発明の膜製品は、本明細書に開示されている新規な酸化ポリニトリル加硫方法により、この問題に対応する。従って、前記膜製品は、約15kN/mから約70kN/mの引裂強度、約1700psiから約6000psiの引張強度、及び約550%から約1200%の極限伸長度を有する。
医療用途またはヒト組織との他の接触を意図した薄肉の天然ゴム及び合成ポリイソプレン膜製品は、特性のある種の組合せを有する加硫物から都合よく作製される。多くの場合、比較的低い100%、300%、または500%の引張弾性率を、非常に高い極限引張強度及び極限伸長値、並びに高い引裂強度特性と組み合せることが望ましい。このような増強した引張特性によって有利になり得るゴム製品には、例えば、医療用手袋、コンドーム、男性外部導尿用カテーテル、手術管材料、避妊具隔膜、指サック、カテーテルバルーン及びカフス、子宮熱切除バルーン、薬剤注入嚢、組織回復パウチ、医療管材料、哺乳ビン乳首、乳児おしゃぶり、麻酔ブリーザバッグ、蘇生バッグ、歯科用ラバーダム、運動バンド、並びに手術管材料が含まれる。
手術用手袋に関しては、高い引張強度と組み合せた低い100%引張弾性率値を有することが重要である。低い弾性率は通常低い引張強度の物質をもたらすため、これは実現するのに困難な組合せである。比較的低い引張弾性率は、このような手袋が使用中に快適なままであるために必要である。引張弾性率が高過ぎる場合、手袋材料を引き伸ばすために累進的により力が必要になるため、使用者の手は経時的に疲労する可能性がある。これは、長い手術処置に対して等の長時間使用されるだろう手袋に関して特に問題がある。低い弾性率と高い引張強度の組合せが、手袋の破損に関する非常に大きい安全域とともに、このような所望の快適性を提供ために必要である。
低い引張弾性率値はまた、コンドームにおいて装着の容易さを促進するために、及び容易に膨らむことが有益であるカテーテルバルーンにおいて重要である。低い引張弾性率はまた、エラストマー系薬剤注入嚢において価値があり、嚢を薬剤溶液で充填することを容易にする。
ある種の薄肉の医療用及び個人用の膜製品の有用性に影響を与える他の引張特性は引裂強度であり、早期破損を防ぐために重要である。哺乳ビン乳首及び乳児おしゃぶりには、子供の歯が使用中に乳首またはおしゃぶりを切断することを防ぐため、高い引裂強度が有益である。
カテーテルバルーンに対しては、使用中にバルーンが破裂することを防止するために、高い引裂強度と高い伸長率を組み合せることが非常に重要である。コンドームに対しては、極めて高い引裂強度と、極限の伸長率と組み合わせた引張強度との組合せが、非常に望ましい。運動バンドに対しては、高い引張強度と組み合せて、非常に高い極限の伸長率を有することが望ましい。運動バンドは、しばしば旅行用に荷造りされ、荷造りされた衣類に不快なにおいを付けるため、非常に低いにおいを有するバンドであることが非常に有利である。
歯科用ラバーダムに関しては、引き裂くことによる破損の危険なく、歯の上及び周囲のラバーダムの配置を可能にするために、非常に高い引張強度と非常に高い伸長率を組み合せることが非常に重要である。また、歯科用ダムに対して、低いレベルのにおいと味を有することが非常に望ましい。
多くのゴム製品は、市場に出すためには一定の基準を満たさなければならない。例えば、手術用手袋等の医療器具、検査用手袋、及びコンドームは、米国材料試験協会(ASTM)の引張強度、極限伸長、及び触感基準を満たさなければならない。ASTMは、手術用ゴム手袋に対してスタンダードD3577-88、検査用手袋に対してD3578-77、及びコンドームに対してD3492-83を規定している。これらの基準のそれぞれは、特定の条件下で、特定の製品に対して最低の極限引張強度を確立している。ASTM D3577-88において、タイプI(天然ラテックス)手術用手袋に対して規定されている最低の極限引張強度は、24MPaである。ASTM D3577-88において、タイプII(合成ゴムラテックスまたはゴムセメント)手術用手袋に対して規定されている最低の極限引張強度は、17MPaである。ASTM D3492-83において、コンドームに対しては最低17MPaが必要とされる。ASTM D3578-00において、天然ゴム検査用手袋に対して規定されている最低の極限引張強度は、14MPaである。ASTM基準はまた、500パーセント伸長率における最高変形応力を規定している。
天然及び合成ゴムは、薄肉の医療用及び個人用の膜製品に対する材料として広く使用されてきた。最高の耐久性及び可撓性が、継ぎ目のない、均一の厚みのゴム膜によって提供される。これは、薄肉のゴム製品が、膜の浸漬成形及び/または注型によって作製された場合に最も良く実現される。ゴムの浸漬成形及び/または注型は、ラテックス(ゴム粒子の水性分散液)またはゴムの有機溶液で実施される。ラテックスまたは有機溶液中の浸漬成形は、次いで、水または溶剤が除去され、浸漬、及び水または溶剤の除去が繰返し周期でしばしば実施され、特定の膜厚みが実現される。このように形成された膜は、次いで加硫され、ゴムを十分に硬化した状態に導く。ラテックスは、ゴムの分子量を低下させることなく加工されることが可能であり、一方、ゴムを粉砕するために高せん断を利用し、それを加工のために他の配合成分と組み合せる乾燥ゴム法は、分子量を低下させる傾向がある。
一般に、炭素−炭素結合によってのみ架橋されたゴムは、スルフィド及び/またはポリスルフィド架橋を含むゴムと比較して、劣った引裂強度を有することが知られている。特に硫黄による加硫は、伝統的に加硫促進剤の存在下で実施されてきた。最も広く使用されている促進剤は、ジアルキルアミノ基、シクロアミノ基、及びモルホリニル基等の二級アミノ基を含むものである。二級アミノ基は、例えば、伝統的なスルフェンアミド、ジチオカルバメート、及びチウラム促進剤の中に見出される。これらの促進剤を含むことの不利な結果は、得られたゴム商品が、接触し得る個人において有害な反応を生じるこれらの傾向である。前記反応は、通常タイプIVアレルギーと呼ばれ、T細胞によって媒介され、一般に当該ゴム商品と接触してから6-48時間以内に生じ、接触した皮膚の領域に留まる。二級アミン含有促進剤はまた、それらは、混合、粉砕、噴出、成形、カレンダー加工(calendaring)、硬化、及びさらに保管と保存の間に、大気の窒素酸化物と反応し易く、潜在的なヒト発ガン物質として同定されているニトロサミンを生成するため、ニトロソ化し得る(nitrosatable)アミンと呼ばれる。
一般に、促進剤の非存在下における硫黄加硫は、非所望の引張特性を有するゴム製品をもたらす。促進剤のない加硫を実施し、一方で、こうして製造されたゴム製品の最高の強度を実現することが有利であることになる。
硫黄加硫方法の不利な点のために、最低限の毒性を備える有用な引張特性を提供する架橋方法を開発することが重要になっている。1)反応副生物がなく、2)促進剤の必要なしに、且つ3)低温硬化プロトコールにより、ゴム加硫物を提供し、一方で実用的な物理特性を維持する架橋剤が非常に貴重なものになる。
酸化ポリニトリル(PNO)は、種々の多重結合官能基と1,3-双極性付加環化に加わるため、容易に不飽和分子と反応する。不飽和のエチレン性部分とのPNOの反応において、付加環化生成物は、イソオキサゾリン環である。従って、PNOとのゴム配合物の反応は、通常、芳香族構造によって分離された2つ以上のイソオキサゾリン単位からなるポリマー内に、架橋領域を提供する。
PNOの高い反応性により、他の非促進加硫試薬によるよりも低い温度で、且つ副生物の形成なしに、架橋が生じ得る(すなわち、実質的に反応物の全ての原子が当該ゴム構造中に組み込まれる)。これらのPNO反応性の利点は、種々のエラストマーポリマーに対する架橋剤としてのそれらの使用に対する関心を増大させてきた。
例えば、種々のタイプの不飽和ゴム及び他のポリマー物質に対する低温架橋剤としての酸化ポリニトリル(PNO)の使用が知られている。米国特許第3390204号において、Breslowらは、不飽和ポリマーを架橋するための種々の酸化ポリニトリルの使用を開示している。このような加硫物から製造され得る商品もまた列挙されており、自動車用タイヤ、チューブ、及びパイプ等の品目が含まれる。Breslowは、特に、架橋されたポリマーは硬く丈夫な樹脂であると述べている。Breslowによって開示された唯一の物理的特性は、非加硫スターティングゴムと比較した加硫物のより高い引張強度である。
WO97/03034において、Lysenkoらは、ラテックス材料中で有用な、安定な酸化ポリニトリルの分散液の使用を開示している。特に、酸化2,4,6-トリエチルベンゼン-1,3-ジニトリル(TON-2)の使用が、ラテックス用の有用な常温架橋剤として挙げられている。Lysenkoはまた、有用な一部コーティング剤を作り出すための、種々のポリマーを架橋するためのTON-2の利用に言及している。製造される商品に任意の特別な物理的特性を与えるTON-2または他の酸化ポリニトリルについての言及はない。TON-2で作られた商品またはコーティング剤の物理的特性は、開示されていない。
米国特許第6753355号において、Stollmaierらは、床材、壁装材、靴裏装、及び不織材料を含む発泡性ゴム商品を作製するための、種々のラテックスポリマーの架橋のためのTON-2の利用を参照している。ポリイソプレンを、それからTON-2の使用により発泡性ゴム裏材料を作製することができる、多くの可能性のあるラテックスの1つとして挙げている。発泡体含有製品のみが、製造される商品として開示されている。
米国特許第6355826号において、Parkerは、酸化メシチレンジニトリル(MDNO)を合成する改善された方法を開示している。Parkerは、ゴムベースのコーティング剤を用いた織物のコーティングにおける、MDNO及び他の酸化ポリニトリルの使用に言及している。Parkerは、安定な酸化ニトリルが、不安定な酸化ポリニトリルと比較して、取り扱いの見地から望ましいことを述べている。当該Parker特許は、MDNO及び他の酸化ポリニトリルの、先行使用に対する参考文献の詳細なリストを含んでおり、これを参照により本明細書に組み込む。
米国特許第6252009号において、Bretonらは、極めて耐溶剤性の熱可塑性加硫物を作製するための、酸化ポリニトリルの使用を開示している。V.V Boiko and I.V.Grinev,「Influence of MDNO/Processing Elastomers」, International Polymer Science and Technology, vol. 22, No.7, T/21, 1995は、固体ゴム粉砕操作の間の合成ポリイソプレンゴムのムーニー粘度を増大するための、MDNOの利用に言及している。
「Chemical and toxicological health studies of elastomer compositions containing dinitrile oxide」, International Polymer Science and Technology, 23, No.7, 1996において、M.G Vlasyukらは、MDNOで加硫された合成ポリイソプレンの溶剤溶液でコーティングされた織物の使用を開示している。コーティングされた織物の毒性が明らかにされている。コーティング剤それ自体またはコーティングされた織物の物理的特性は提供されていない。ラテックスは使用されていない。裏なし膜は開示されていない。
ロシア特許SU-2042664は、酸化ビスニトリルにより硬化された種々のポリマーの物理的特性を開示している。ブチルゴム、ウレタンゴム、ポリシロキサンゴム、及びエチレンプロピレンゴムを含む非常に低い不飽和のそれらポリマーが注目されている。これらのポリマーは、一般に架橋することが困難であり、MDNOはこれらのポリマーの架橋に利点をもたらすと考えられ、MDNOにより、適度の時間、及び室温条件を含む温度条件で架橋が可能になる。この特許の表1は、引張強度値が先行技術の硬化系に対するよりも、当該MDNO硬化ポリマーに対してわずかに良好であったことを示している。ポリイソプレンまたは天然ゴムは非常に不飽和なポリマーであるため、それらに対する物理的特性データは提供されていない。
米国特許出願第2004/0071909号において、McGlothlinらは、薄肉のゴム商品を作製するための、ラテックス由来の高性能ゴム加硫物を開示している。このような加硫物は、一定の条件下でニトロサミンに転化する傾向を有する二級アミン基またはいずれかのニトロソ化し得る物質を含む成分を使用することなく、炭素−炭素結合、モノ及びポリスルフィド架橋の組合せを含む。開示された加硫方法は、特に製造される有機過酸化物加硫ゴム商品と比較して、先行技術に優る重要な利点を提供する。しかし、物理的特性のさらなる改善がさらに望まれる。
米国特許第6329444号において、McGlothlinらは、浸漬成形医療器具に使用する、硫黄を含まない、遊離ラジカル硬化シス-1,4-ポリイソプレンの使用を開示している。この方法によって作られる加硫物は、非所望の促進剤を含まず、においが非常に低く、非細胞毒性であり得る。しかし、当該加硫物の物理的特性は、先行技術の促進された硫黄加硫物に対するものよりも一般に低い。
米国特許第6775848号において、McGlothlinらは、すでに部分的に加硫された商品中に付加的な加硫剤を吸収させることによる二次加硫の方法を開示している。一次加硫用膜に加硫剤を組み入れる可能性については、開示されていない。
米国特許第5039750号において、Millerらは、引裂強度及び引張強度特性を改善するための、伝統的な硫黄促進天然ゴムラテックスに添加される少量のスチレンブタジエンラテックスの添加を開示している。両方の特性における適度の改善が示された。においの改善は期待されていないようであり、また硫黄及び加硫促進剤を含まないラテックスに対する利用については全く記述されていない。
米国特許第5872173号において、Anmadは、引裂強度を改善するための、合成ラテックスに添加されるシリカの使用を開示している。
米国特許第5458588号において、Amdurらは、引張強度、引裂強度、湿潤強度、切断力、破壊及び引裂抵抗力を改善するための、天然ゴムラテックスの先行技術の硫黄促進加硫における、分散されたシリカの使用に言及している。シリカの添加は、引張強度並びに引裂強度を適度に改善すると思われるが、そうすることによって、低伸長率で引張弾性率を増加させることの損失になり、且つ極限伸長率の損失になる。
Evansら,「Microencapsulated Antidegradants for Extending Rubber Lifetime」, Rubber Chemistry and Technology, Volume 65, No.1, pp. 201-210は、配合された乾燥ゴム中のゴム配合剤の寿命を延ばすための、マイクロカプセル化技術の使用を開示している。Evansはまた、ゴム配合物中に使用されるマイクロカプセル化化学薬品に関与した最新技術を示している。この文献において、配合されたラテックス中の加硫剤の寿命を延ばすことについての開示はない。
本発明者の知る限りでは、浸漬成形または注型によって作られ、生体組織との直接または間接接触を意図した薄肉のゴム膜製品に対する適切な加硫剤として、酸化ポリニトリルの使用を開示する先行技術文献はない。
実際に、酸化ポリニトリルは、特にゴム材料の二重結合を含む多重結合を含む化合物に関して、例外的な反応性物質である。この反応の早い速度は、酸化ポリニトリルを加硫剤として使用した場合に所望の架橋をもたらし得るが、それはまた、著しい前加硫(すなわち、浸漬または注型段階の前に生じるゴム架橋)を招くこともある。いくつかの先行技術文献は、天然ゴム及び合成シス-1,4-ポリイソプレンゴムに対する架橋剤として、酸化ポリニトリルの使用を取り扱っているが、これらの文献は、前加硫を遅延させるまたは防止する方法を教示していない。現在知られる限り、先行技術において、PNO架橋天然ゴムまたはポリイソプレン膜製品の前加硫についての言及はないが、使用されている方法は、それが著しくなることを示唆している。
上記に挙げたSU-2042664において議論されているように、PNOの使用は、非常に低いレベルの不飽和を有するゴム材料を架橋するために非常に望ましい。その場合、酸化ポリニトリルの高い反応性が、そうでなければ非常に低速の加硫処理(すなわち、伝統的硫黄促進硬化パッケージ)であるものを補う。しかし、天然ゴム及び合成ポリイソプレン等の高度に不飽和の材料を架橋するために使用される場合、PNOの反応の高い速度は、硫黄硬化系において使用される「超促進剤」のどのような速いものよりも、それらをより反応性にする。一見すると、酸化ポリニトリルは、完全な前加硫架橋が浸漬成形または注型処理を妨げるため、薄肉のゴム膜製品には許容されない架橋剤であるように思われる。
固体ゴム材料の前加硫は、良く知られている問題である。ゴムミル等の中で乾燥ゴムを配合する間に、熱が発生し、なんらかの加硫を開始させる可能性がある。いくつかの場合には、これは望ましい。他の場合には、望ましくない。例えば、この段階でのなんらかの加硫は、低分子量ゴム材料の未処理強度を改善させ得る。ゴム配合物の成形または噴出の間に、加工中の材料の過度の非所望の早期加硫(「スコーチ」)を回避するために適切な促進剤が選択される。ゴム配合業者は、スコーチが硬化処理を妨げるのを防ぐ加硫促進剤を選択する。ラテックス処理に関しては、ジチオカルバメート等の非常に迅速な促進剤を使用することが許容され、乾燥ゴムには適さないであろう。ラテックスは、比較的低温で加工されるため、さらにいわゆる「超促進剤」も使用することができ、これらでさえも比較的冷たいラテックス配合物中で活性が高過ぎるということはない。例えば、ラテックス配合物が、室温において過度の非所望の前加硫により使用できなくなるまでには、数日を要することがある。
しかし、酸化ポリニトリル架橋ゴム膜製品の場合、前加硫を制限するために何もなされなければ、前記製品膜の得られる引張強度特性は、そうでない場合の約50%になる可能性がある。この理由は、このような浸漬成形または注型膜を作製するための伝統的ラテックス配合の実施後に、事実上常に、「熟成」または静止期間が生じることである。この熟成期間は、一般に大部分の泡が、新規に配合されたラテックスから抜けるために十分に長いが、また、前加硫を防止する方法が用いられない場合は、著しい前加硫をもたらす。従って、ゴム膜製品に対する候補架橋剤として酸化ポリニトリルを選別する普通の過程において、酸化ポリニトリルは、熟成の間の著しい前加硫から生じる好ましくない物理的特性に起因するさらなる考慮から、過去においてよく除外されてきた。
米国特許出願第11/045938号 米国特許第3390204号 WO 97/03034 米国特許第6753355号 米国特許第6355826号 米国特許第6252009号 ロシア特許SU-2042664号 米国特許出願第2004/0071909号 米国特許第6329444号 米国特許第6775848号 米国特許第5039750号 米国特許第5872173号 米国特許第5458588号 米国特許第5580942号 米国特許第5610212号 米国特許第5569740号 米国特許第5585459号 米国特許第4160726号 米国特許第6021524号 米国特許第3215649号 V.V Boiko and I.V. Grinev,「Influence of MDNO/Processing Elastomers」, International Polymer Science and Technology, vol. 22, No.7, T/21, 1995 M.G Vlasyuk, et al.,「Chemical and toxicological health studies of elastomer compositions containing dinitrile oxide」, International Polymer Science and Technology, 23, No.7, 1996 Evans, et al.,「Microencapsulated Antidegradants for Extending Rubber Lifetime」, Rubber Chemistry and Technology, Volume 65, No.1, pp. 201-210
従って、本発明の目的としては、実質的な前加硫なく調製され、且つ改善された引裂強度、極限伸長率、及び他の特性を有する、酸化ポリニトリル架橋剤によって架橋された薄肉の浸漬成形または注型ゴム膜製品を提供することである。
本発明のさらなる目的は、このような製品を形成する方法を提供することである。
本発明の他の目的、及び前記製品と方法の利点は、これらの好ましい実施態様についての以下の記載から明らかである。
本発明によれば、改善された引裂及び引張強度、並びに極限伸長率を含む優れた物理的特性を有する、酸化ポリニトリル架橋剤で架橋された、天然ゴムまたは合成ポリイソプレンゴム配合物の薄肉の浸漬成形または注型ゴム膜製品が提供される。好ましくは、このような製品は、約15kN/mから約70kN/mの引裂強度、約1700psiから約6000psiの引張強度、及び約550%から約1200%の極限伸長率を有する。
この膜製品を調製するための本発明の方法は、:
(a)得られるゴム配合物の前加硫を実質的に減少または防止するように、天然ゴムまたは合成ポリイソプレンゴムラテックスを配合する工程;
(b)前記ゴム配合物を浸漬成形または注型して、ゴム膜製品を形成する工程;
(c)前記ゴム配合物またはゴム膜製品を酸化ポリニトリル架橋剤と混合する工程;及び
(d)前記ゴム配合物を硬化して、これらの架橋を作製する工程:
を含む。
この膜製品を調製するための本発明の好ましい方法は、:
(a)得られるゴム配合物の前加硫を実質的に減少または防止するように、天然ゴムまたは合成シス-1,4-ポリイソプレンゴムを配合する工程;
(b)前記ゴム配合物を浸漬成形または注型して、湿潤または乾燥ゴムゲルを形成する工程;
(c)前記湿潤または乾燥ゴムゲル中に、酸化ポリニトリルを吸収させる工程;及び
(d)前記ゴムゲルを硬化して、これらの架橋を作製する工程:
を含む。
ゴム配合物の前加硫は、本発明によれば、多くの代替的方法の1つによって、例えば、成形または注型の前にゴムラテックスまたはその成分の温度を低下させることによって、配合の前に遮断材の中に酸化ポリニトリルをマイクロカプセル化することによって、酸化ポリニトリルとゴム配合物または膜との混合を硬化直前まで遅らせることによって、あるいは以下にさらに十分に記載される他の技術によって、減少または防止される。
従って、本発明は、優れた引裂強度、引張強度、及び他の物理的特性を有する天然ゴム及びポリイソプレン膜製品の作製の必要性を検討する。このような製品は、好ましくは、特定のゴム膜製品に適用し得る基準に必要とされる公知の物理的特性の基準を満たす。このような製品を架橋するための酸化ポリニトリルの使用は以前から知られているが、我々は、浸漬成形及び注型膜製品を作製する際に、それらが以前から効果的に使用されてきたことを知らない。また、酸化ポリニトリル架橋剤の使用が、現在製造されている医療用または個人用ゴム膜製品の物理的特性の欠陥の多くを克服することに役立ち得ることも知られていない。例えば、本発明を利用することによって、促進剤を含まないラテックス配合物の加硫物でも、引裂強度を実質的に増大させることが可能である。
驚くべきことに、本発明の使用は、最低限の細胞毒性、及び低いにおいと味とともに優れた物理的特性プロファイルを示す天然ゴム及び合成ポリイソプレンの加硫物の作製を容易にするということがさらに発見された。
また、本発明によれば、天然ゴムまたは合成ポリイソプレンの薄肉のゴム膜製品が、顕著な優れた物理的特性を示し、さらにニトロサミン形成を促進する成分を含まないことが発見された。酸化ポリニトリル架橋剤で加硫されたゴム製品は、ゴム配合物中の二級アミノ基またはいずれか他の伝統的促進剤の必要性を軽減するために、ゴム材料中にイソオキサゾリン架橋を含む。このような促進剤なく使用された場合、本発明は、タイプIVラテックスアレルゲンの排除により、生体組織との接触に最適のゴム製品を提供することができる。
本発明に係る薄肉のゴム膜製品は、生体組織との直接または間接接触、並びにヒト患者への注入を意図した液体との直接接触及び吸入を意図したガスと直接接触を第一に意図している。これらの商品の例は、医療用手袋、コンドーム、隔膜、カテーテルバルーン、薬剤注入嚢、組織回復パウチ、医療管材料、哺乳ビン乳首、乳児おしゃぶり、麻酔バッグ、蘇生バッグ、及び手術管材料である。他の例は、医療処置において当業者には明らかであり、種々のタイプの器具がこれらの処置において使用される。
添付の図は、以下の実施例10に記載されるように硬化された膜製品の可使時間を示すグラフである。
[定義]
本明細書で使用される、用語「安定な酸化ポリニトリル」は、ポリフロキサン(polyfuroxan)(1,2,5-オキサジアゾール-2-オキシド)に容易に二量化またはオリゴマー化しない、任意の酸化ポリニトリル種を表す。好ましくは、安定な酸化ポリニトリルは芳香族構造であって、その中の各酸化ポリニトリル官能基は、前記芳香族構造の少なくとも1つ、好ましくは2つのオルト基が側面配置されている。安定な酸化ポリニトリルを提供するオルト基は、水素原子より大きく、それ自体酸化ポリニトリル官能基と反応しない任意のオルト基である。
さらに、用語「硬化」及び「加硫」は、本明細書において互換可能に使用され、用語「加硫」は、天然ゴムの加硫との類似性において使用される。加硫とは、不可逆処理を表すことを意図し、この間にゴム配合物はより可塑性でなく、有機液体による膨潤により耐性になり、且つ弾性特性がその化学構造の変化により広い温度範囲にわたり、与えられ、改善され、または拡大される。しかし、本文脈において、加硫は、硫黄、あるいは硫黄または硫黄含有化合物の任意の使用による架橋を含むことを意図しない。
用語「前加硫」は、ゴム製品を作製する前のゴム配合物の加硫(例えば、酸化ポリニトリル架橋剤での架橋)を表すために使用される。本発明の文脈において、前加硫は、浸漬成形または注型技術による膜形成の前に生じる任意の架橋である。
用語「配合物」は、それからゴム製品が作製される、ゴムと添加剤との混合物を表す。
用語「熟成」は、ラテックス配合物が加工前に保存される、ラテックス配合物の形成後の期間を表す。熟成は、一般に、ラテックスのコロイド状特性が変化する期間である。
用語「促進剤」は、加硫の速度を増加し、加硫物の物理的特性を向上させるために加硫剤と共に少量使用される配合材料を表す。
用語「ニトロソ化し得る(nitrosatable)」は、混合、粉砕、噴出、成形、カレンダー加工、硬化、及びさらに倉庫保管と保存の間に、大気の窒素酸化物と反応し易く、ニトロサミンを生成する任意の物質のことを表す。
用語「ゲル」は、ゼリーにされたコロイド状ゴム配合物を表す。ゲルは、ゴム配合物を、これを入れる容器または型と同一の外形のゲルに変化させるゲル化の処理により形成される。
用語「成型具」は、最終製品と同じ形状を有する商品、例えばマンドレルを表す。浸漬成形処理の間に、成型具をゴム配合物中に浸す。
用語「架橋」は、ゴム分子間に共有化学結合を形成することにより、個々のゴム分子に橋架けする処理を表す。酸化ポリニトリルによる架橋の状況において、ゴム分子は、少なくとも2つのイソオキサゾリン単位を含む構造とともに橋架けされる。
用語「低温硬化」は、処理の全ての工程が約150°F以下の温度で実施される硬化処理を表す。
用語「アリール」は、6-21個の炭素原子を有し、フェニル等の単環、またはナフチル若しくはアンスラシル等の多重縮合環を有する、共役不飽和炭素環基を表す。適切な例には、フェニル、ナフチル、ビフェニル、ジベンゾフラニル、及びジベンゾチオフェニルが含まれが、これに制限されない。芳香族構造は、場合によってさらに、脂肪族若しくは他の芳香族構造に縮合されてよいし、またはハロゲン(フッ素、塩素、及び/または臭素)、ヒドロキシ、チオ、C1-C7アルキル、C1-C7アルコキシ若しくはアリールオキシ、C1-C7アルキルチオ若しくはアリールチオ、C1-C7アルキルスルホニル若しくはアルキルスルホキシ、または酸化ポリニトリル官能基と反応しない任意の他の基等の1つ以上の置換基で置換されることができる。本発明の文脈において、芳香族構造が1つ以上の芳香族環(例えば、縮合芳香族環、互いに直接結合している芳香族環、または他の官能基により結合している芳香族環)を含む場合、酸化ポリニトリル官能基は、芳香族環の1つ以上に結合してよい。
用語「バルキー基(bulky group)」は、本発明の文脈において、水素原子より大きく、酸化ポリニトリル官能基と反応しない有機官能基を表す。適切な例には、ハロゲン(フッ素、塩素、及び/または臭素)、ヒドロキシ、チオ、C1-C7アルキル、C1-C7アルコキシ若しくはアリールオキシ、C1-C7アルキルチオ若しくはアリールチオ、C1-C7アルキルスルホニル若しくはアルキルスルホキシが含まれるが、これに制限されない。
上記に示したように、本発明の1つの特徴点は、天然ゴムまたは合成ポリイソプレンゴム配合物から作製され、酸化ポリニトリル架橋剤で架橋された、薄肉の浸漬成形または注型ゴム膜製品を含む。
このような製品において、前記酸化ポリニトリルはポリマーと十分に反応し、前記架橋された薄肉膜製品の一部分となる。上述したように、酸化ポリニトリル架橋剤で硬化された膜製品は、少なくとも2つのイソオキサゾリン単位を含む構造とともに橋架けされたゴム分子を含む。
この薄肉の浸漬成形または注型ゴム膜製品は、式(I):
Figure 2008528763
[式中、
Aは、イソオキサゾリン環に対する少なくとも1つのオルト位において、バルキー基によって置換されたアリール基を表し、ここで芳香族構造は、1:1未満の炭素原子に対する水素原子の比を有し、前記バルキー基は、酸化ニトリル官能基と実質的に反応せず;
R1は、当該材料に関連した天然ゴムまたはシス-1,4-ポリイソプレンゴムポリマー鎖を表し;
R2及びR3は、独立して、水素及びメチルから選択され、ここで、R2がメチルである場合、R3は水素であり、R3がメチルである場合、R2は水素である]
に示される構造を含む。
本発明の好ましい実施態様において、当該薄肉の浸漬成形または注型ゴム膜製品は、MDNOまたはTON-2等の安定な酸化ポリニトリルで架橋され、且つ式(II):
Figure 2008528763
[式中、
R1は、当該材料に関連した天然ゴムまたはシス-1,4-ポリイソプレンゴムポリマー鎖を表し;
R2及びR3は、独立して、水素及びメチルから選択され、ここで、R2がメチルである場合、R3は水素であり、R3がメチルである場合、R2は水素であり;
R4、はメチルまたはエチルである]
に示される構造を含む。
酸化ポリニトリルが、製造処理の間に、すなわち硬化の際に十分に反応しなくても、それは、その後まもなく室温で十分に反応する。これは、直接的または間接的にヒト組織に接触する医療用及び個人用の膜製品の観点から非常に重要である。ほとんどの加硫系は、高エネルギー放射線架橋を可能性のある例外を有し、反応副生物の放出をともなう。これは、伝統的窒素含有促進剤がニトロサミン形成、及び最終的にはゴム製品が生体組織と接触した際にタイプIVアレルギー反応をもたらす、硫黄促進加硫系に特に当てはまる。それはまた、有機過酸化物硬化系にも当てはまる。過酸化物加硫の副生物は一般に有毒ではないが、当該有機過酸化物の分解産物によって作り出されるにおいと味に関して、好ましくない可能性がある。例えば、ジクミルペルオキシドの場合、においのあるアセトフェノンが分解産物として放出される。高エネルギー放射線遊離ラジカル加硫は残渣を放出しないかもしれないが、一般になんらかのタイプの放射線増感剤が使用され、非所望のにおいを生じる。
酸化ポリニトリル架橋の結果として、十分に硬化したゴム配合物中には、残渣化学物質は残らない。従って、この方法を使用したゴム膜製品の作製は、ニトロソ化し得る物質とタイプIVアレルゲンを有せず、且つ非常に低いにおいと味を有する。
本発明の薄肉の膜製品は:
約15kN/mから約70kN/m、好ましくは約25kN/mから約60kN/m、より好ましくは約40kN/mから約60kN/mの引裂強度;
約1700psiから約6000psi、好ましくは約2450psiから約5500psi、より好ましくは約3300psiから約4500psiの極限引張強度;
約70psiから約130psi、好ましくは約80psiから約120psi、より好ましくは約90psiから約110psiの100%引張弾性率;
約140psiから約280psi、好ましくは約160psiから約260psi、より好ましくは約180psiから約220psiの300%引張弾性率;
約200psiから約1200psi、好ましくは約300psiから約800psi、より好ましくは約350psiから約500psiの500%引張弾性率;及び
約550%から約1200%、好ましくは約700%から約1100%、より好ましくは約800%から約1050%の極限パーセント伸長率;
を有する。
この製品において使用される天然ゴムは、ヘベアブラジリエンシス、パルテナムアルゲンタタム(Parthenum argentatum)(一般に「グアユール」として知られる)、及びイチジク属エラスチカゴムの木を含むいくつかの供給源から得ることができる。ラクトリウスボルマスマッシュルーム(Lactrius Volemus mushroom)及びロシアタンポポ等の非ヘベア供給源から天然ゴムラテックスを得る方法は、Cornishに帰属する1996年12月3日発行の米国特許第5580942号に記載されている。天然ゴムラテックスは、高アンモニアラテックス、低アンモニアラテックス、及びその他を含むいくつかの品種において入手することができる。全てのこのような多様性は、本発明の製品及び方法における使用に適する。本発明はまた、ラテックス中に存在するタンパク質の量を減少させるために加工される天然ゴムラテックスにも及ぶ。これらの処理のいくつかは、水を分離及び除去するための遠心処理を含み、他のものは、最初の遠心処理後に、水を添加し、第二の遠心処理をする二重遠心処理を含む。さらに他の処理は、タンパク質を消化するための酵素の使用を含む。適用し得る酵素法の記載は、全てTanakaらに帰属する米国特許第5610212号(1997年3月11日)、米国特許第5569740号(1996年10月29日)、及び米国特許第5585459号(1996年12月17日)に見出される。本発明において利用することができる商業的に入手可能な脱タンパクゴムラテックスの例は、Tillotson Healthcare社(Rochester, N.H., USA)から得ることができるALLOTEX(登録商標)である。
本明細書において有用な合成シス-1,4-ポリイソプレンは、米国ではThe Goodyear Tire & Rubber社(Beaumont, Tex., USA)から、西欧ではKraton Polymer Division of Ripplewood Holdings LLC(Bemis, Netherlands)から、並びに日本ではJapan Synthetic Rubber社及びNippon社から市販されている。このようなポリマーは、イソブチルアルミニウム及び四塩化チタンからなるチーグラー触媒、あるいは微細に粉砕されたリチウム金属または有機リチウム化合物等のアルカリ金属触媒上で、イソプレンを重合させることによって作製される。ポリイソプレン技術において知られている他の触媒も同様に使用することができる。当該ポリマーはまた、アニオン重合、カチオン重合、及び遊離ラジカル重合をともなう処理によって調製することができる。これらの処理及びこれらが実施される条件は、当該技術分野において公知である。架橋前の典型的合成シス-1,4-ポリイソプレンに対して、重量平均分子量は、一般に約750,000amuから約950,000amuの範囲であり、且つ数平均分子量は、一般に約250,000amuから約350,000amuの範囲である。チーグラー触媒経路によって調製された合成シス-1,4ポリイソプレンは、シス-1,4配位において結合したそのモノマー単位の約96%から約98%を有する。アニオン重合により作製されたものにおいては、当該モノマー単位の約90%から約92%がシス-1,4配位において結合される。本発明において使用する好ましい合成シス-1,4-ポリイソプレンは、上述のチーグラー触媒またはアニオン重合法によって作製されたものである。
本発明の好ましい実施態様において、天然ゴムまたはシス-1,4-ポリイソプレンゴムは、ラテックスの形態をとる。天然ゴムまたはシス-1,4-ポリイソプレンのラテックスは、ゴム配合及び加工において当業者に公知の方法によって形成される。これらの方法は、当該ポリマーの有機溶液を水性媒体中で乳化した後に、当該溶剤を除去する工程、または当該ポリマーを液化し、液化されたポリマーを乳化条件下で水性媒体と混合する工程のどちらかを含む。当該乳濁液は、種々の乳化剤によって安定化させることができる。そのように利用することのできる典型的乳化剤は、ロジン酸及び高級脂肪族酸のカリウム及びナトリウム塩、例えば、オレイン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、アラキジン酸、及びリシン酸(ricinic acid)のカリウム及びナトリウム塩等、並びにこれらの酸の硫酸塩及びスルホン酸塩、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム及びラウリルスルホン酸ナトリウム等である。他の適切な乳化剤は、長鎖脂肪酸エステルのヒドロキルアミンのアミン塩、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム及び塩化トリデシルベンゼンヒドロキシエチルイミダゾール等の四級アンモニウム塩、カプリル及びオクチルアルコール等の高級アルコールのリン酸エステル、並びにソルビタンモノオレエート等のオレイン酸及びペンタエリスリトールのモノエステルである。多くの場合、体積比(有機:水性)は、最も良い結果に関して、約0.5:1から約20:1、好ましくは約0.75:1から約1.25:1の範囲であるが、各相の相対量は変化し得る。有機溶媒を使用する場合、適切な溶媒は、脂肪族炭化水素、好ましくは5-8個の炭素原子を含むもの、例えば、ペンタン、ペンテン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、シクロペンタン、及びテトラヒドロフランである。当該溶剤は、蒸発または他の従来手段によって容易に除去され、溶剤を含まない水性ラテックスが残る。所望の場合、次いで、前記ラテックスを従来方法によって濃縮することができ、その1つの例は、DelPicoの米国特許第4160726号(1979年7月10日)により、及びTanakaらの米国特許第5569740号(1996年10月29日)によって開示されているような限外濾過である。
本発明の実施において適切な酸化ポリニトリル架橋剤は、各架橋単位内に少なくとも2つのイソオキサゾリン部分を有する、薄肉の膜製品の個々のゴム分子と結合する任意の酸化ポリニトリルである。PNO架橋剤は、従来技術において公知の任意のPNO架橋剤、例えば、米国特許第3390204号、米国特許第6252009号、及び米国特許第6355826号にあるものでよい。本発明の実施において使用されるPNOは、そのまま、あるいは水性または有機分散液の形態で添加してよく、及び1つ以上のPNOの混合物として存在してよい。本発明の実施において使用される酸化ポリニトリルは、安定な酸化ポリニトリルであることが好ましい。本発明の実施に対する特定の安定なPNOの例は、以下の化合物:
Figure 2008528763
を含む。
好ましくは、当該PNOは、酸化メシチレンジニトリル(MDNO)または酸化2,4,6-トリエチルベンゼンジニトリル(TON-2)である。
当該ラテックスを形成する際に用いられる、またはラテックスよりはむしろ有機溶液を浸漬媒体として使用する場合溶剤として用いられる有機溶剤は、ポリイソプレンと化学反応を起こさず、且つ浸漬成形膜から蒸発によって容易に除去し得る任意の溶剤であってよい。当該溶剤は、好ましくは、飽和または不飽和、直鎖、分枝、または環式の脂肪族炭化水素、あるいはエーテル、エステル、アルコール、またはアミンである。典型的溶剤は、ペンタン、ペンテン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン及びシクロペンタン、並びにテトラヒドロフラン等の5-8個の炭素原子を含む脂肪族炭化水素である。
抗酸化剤、オゾン分解防止剤、及び他の添加剤を、本発明の膜製品において使用することができる。抗酸化剤及びオゾン分解防止剤を環境エージング(environmental aging)を防ぐために含んでよい。好ましい抗酸化剤は、ヒンダードフェノール性化合物、例えば、4-{[4,6-ビス(オクチルチオ)-s-トリアジン-2-イル]アミノ}-2,6-ジ-t-ブチル-フェノール、2,4-ビス[(オクチルチオ)メチル]-o-クレゾール、及び重合した1,2-ジヒドロ-2,2,4-トリメチルキノリンである。
また、少量の他のゴム材料を、添加剤またはブレンド剤として含むことができる。少なくとも50%スチレン含量を有するカルボキシ化スチレンブタジエンゴムの使用が、反応性強化剤として好ましい。また、他の強化剤を本発明いくつかの実施態様において含んでよい。適切な強化剤の例は、シリカ(特に、ヒュームドシリカ)、カーボンブラック、及びチョップドファイバーである。医療用手袋の引裂強度を改善するための繊維の使用は、Wuらに帰属する2000年2月8日発行の米国特許第6021524号に開示されており、浸漬膜の引裂強度を改善するためのヒュームドシリカの使用は、Anand帰属する1999年2月16日発行の米国特許第5872173号に開示されている。ゴム配合物及びゴム製品の製造についての当業者に公知のいずれか他の添加剤と同様に、顔料及び染料も含んでよい。
本発明において使用されるゴム配合物は、最終製品用途に依存して、合成ラテックス系における力学的及び化学的安定剤として作用する十分な量の界面活性剤をさらに含んでよい。使用される界面活性剤の特定のタイプは、ラテックス自体のコロイド系に依存して変化する。例えば、アルコールスルフェートの塩等のアニオン性界面活性剤は、多くのアニオン性ラテックス中の力学的安定剤及び湿潤剤として有用であることが知られている。一方、カチオン性ラテックスは、一般に四級アンモニウム塩等のカチオン性または非イオン性界面活性剤を必要とする。本発明の1つの実施態様において、当該ゴムは、DARVAN(登録商標)WAQ(ナトリウムアルキルスルフェート)またはDARVAN(登録商標)SMO界面活性剤(DARVANは、Vanderbilt Company、R.T.、Inc.の登録商標である)等の十分な量のアニオン性界面活性剤を配合されてよい。好ましくは、当該界面活性剤は、約0.2phrから約2.0phrの範囲の量である。
さらに、本発明において使用されるゴム配合物は、硬化の前に凝固剤で処理されてよい。凝固剤は、成型具の表面上に水和膜(すなわち、湿潤ゲル)を形成することをラテックス粒子に強いることにより、浸漬成形操作においてラテックスが成型具に付着することを助けるために使用される。一般に、凝固剤は水に溶解され、独立した浸漬浴中にセットアップされる。成型具を、まず液体凝固浴中に浸し、凝固剤溶液で成型具をコーティングする。次いで、担体水のいくらかまたは全てを成型具から蒸発させ、成型具の表面に凝固剤の非常に薄い層を残す。次いで、凝固剤がコーティングされた成型具を、凝固剤がラテックス粒子を不安定化し、湿潤ゲルを形成する、配合されたラテックス浴中に浸す。塩、多価カチオン、例えば硝酸カルシウム、硝酸カルシウムと塩化カルシウムの混合物等、酸(酢酸及びギ酸等の揮発性酸を含む)、及び脱水溶剤を含む、ゴム工業において使用される従来の凝固剤を使用することができる。好ましい凝固剤は、硝酸カルシウムである。本発明の1つの実施態様において、凝固剤溶液は、付加的な界面活性剤、好ましくはIgepal CO-630を含み、成型具の表面上への凝固剤溶液の適当な湿潤を可能にする。
当該ラテックスの種々の成分は、均一に分散した固体または小滴を備える流体媒体を生成する任意の方法で組み合わせることができる。好ましくは、個々の成分は、まず、溶液または水ベースの乳濁液または分散液のどちらかとして、流体形態中に置かれる。好ましい配合技術において、当該個々の流体は、次いで、ラテックスを形成するために単なる混合することによって組み合わされる。
浸漬成形前にラテックス中の水の量を減少させることによって、当該ラテックスを濃縮したい場合、水は従来の方法によって当該ラテックスから除去することができる。好ましい方法は、限外濾過である。限外濾過膜及びラテックスを濃縮する際のそれらの使用は、DelPicoの米国特許第4160726号(1979年7月10日)及びTanakaらの米国特許第5569740号(1996年10月29日)により開示されている。
最終的膜厚は本発明において重大ではないが、好ましい膜はその厚さが約0.02インチ(0.051cm)以下、最も好ましくは約0.001インチ(0.0025cm)から約0.02インチ(0.051cm)のものである。医療用手袋について、特に好ましい厚さ範囲は、約0.003インチから約0.015インチ(約0.0076cmから約0.038cm)である。コンドームについて、特に好ましい厚さ範囲は、約0.002インチから約0.005インチ(約0.005cmから約0.013cm)である。カテーテルバルーン等の他の製品は、特に好ましい異なる範囲を有してよいが、全ては上記に挙げた広い範囲内にあり、全てはこのような製品を製造についての当業者には、容易に明らかである。
本発明の方法態様によれば、ゴム配合物との酸化ポリニトリルの早期反応(すなわち、ゴム商品の湿潤または乾燥ゲルの形成前の)を防ぐために、非常に高レベルの酸化ポリニトリルの反応性を考慮すべきである。これは、ゴム配合物が過度に前加硫(前硬化)することを防止する。前加硫の抑制は、多くの異なる方法において実施され得る。
第一の実施態様において、配合成分の温度を混合前に著しく低下させてよく(例えば、約32°Fから75°Fの温度)、次いで、配合されたラテックスを、使用前に低下させた温度(例えば、約32°Fから60°Fの温度)において保存することができる。この技術は有益であるが、前加硫処理の速度をある程度遅くするに過ぎない。ゴム配合物に酸化ポリニトリルが添加される時間から60分間以内、好ましくは30分間以内、最も好ましくは15分間以内に使用され得るゴム配合物に対して、これは非常に有用な技術であり得る。例えば、この技術は、この方法で効果的に作製され得る歯科用ラバーダムに使用されるゴムシート材料の注型において有用である。
別の好ましい実施態様において、酸化ポリニトリルまたは酸化ポリニトリル分散液は、ゴム混合物中に配合する前に、遮断材コーティング剤中にマイクロカプセル化することができる。それによってマイクロカプセルの外殻が破れ、それによって酸化ポリニトリルが架橋反応を開始できるようになるまで、酸化ポリニトリルが相当量のゴム粒子と反応することを防止する。単なる例として、当該ゴム配合物の湿潤または乾燥ゲルを加熱することにより(例えば、約80°Fから212°Fの温度)、適切なマイクロカプセル化された粒子の外殻が破れ、それによって加硫反応が開始できるようになる。このマイクロカプセル化技術は、大量の配合されたゴムが、その使用前に、浸漬成形または注型商品を作製するために調製される場合に、非常に良く適合する。これは、浸漬槽が多量の配合されたゴムを保持し、各成型具によって取り出される配合物の量が比較的少ないためにゴムの滞留時間が長い場合、浸漬成形処理において特に有用である。
さらに他の別の実施態様において、当該ゴムは、酸化ポリニトリル分散液以外の全ての成分と配合される。次いで、使用直前に酸化ポリニトリルを添加することができる。連続系において、当該酸化ポリニトリルは、例えば計量ポンプで混合することができる。あるいは、当該酸化ポリニトリルを、他の点では全て配合されたゴムの小バッチ中に使用直前に直接混合することができる。歯科用ダム等を作製するためのゴムシート材料用の注型膜の場合、これは特によく機能する。いったん混合されると、酸化ポリニトリルは自由に反応するが、配合されたゴムの全量は製造処理においてほとんどすぐに使い果たされる。
さらに、酸化ポリニトリルを含まないゴム配合物の湿潤または乾燥ゲルを形成することによって、次いで、膜中に酸化ポリニトリルを吸収させることによって、前加硫を実質的に減少または排除することができる。いったん吸収されると、加硫反応は直ちに開始し、優れた特性を有する十分に後加硫された加硫物を形成する。酸化ポリニトリルを溶解することができ、好ましくはゴムゲルを膨潤させるのみである、トルエンまたはアルキルアセテート等の適切な溶剤を選択する必要がある。このような技術は、カテーテルバルーン等の比較的小さな品目に対して非常によく機能する。
前加硫を実質的に減少または排除するためのさらなる他の実施態様において、当該酸化ポリニトリルを凝固浴中に入れる。それによって当該ゴムが実際に加工されるまで、酸化ポリニトリルをゴム配合物から遠ざけておく。この方法は、薄膜、特に0.005インチ以下の肉厚を有する膜に関して最もよく機能する。
さらなる実施態様において、ゴム配合物、及び酸化ポリニトリル分散液または溶剤に溶解した酸化ポリニトリルの交互の層を敷く浸漬成形または注型操作を実施することができる。この技術は、従来の方法の膜厚の限界を克服するが、いくらかの複雑さを加える。
さらに、新しく新鮮に作製された配合ゴムを、比較的小さな内部容積を有する浸漬槽に常時添加し、次いで、非常に多数の成型具を非常に迅速に加工することによって、前加硫を実質的に減少または排除することができる。この方法において、配合されたゴムに対する共鳴時間は非常に短く、前加硫の量をほんの僅かなものにする。
さらに他の別の実施態様において、配合ゴムに対する熟成期間を実質的に減少または排除することによって、前加硫を実質的に減少または排除することができる。単なる例として、膜形成前のゴム配合物の熟成期間は、約0時間から48時間、好ましくは約0時間から24時間である。
上記に示したように、本発明は、浸漬成形または注型技術による薄膜の形成を含むが、ラテックスの薄膜への形成は、噴霧、ロール加工、ドクターブレードの使用、または当該技術分野において良く知られている種々の成形技術を含む任意の従来方法によって達成することができる。多くの医療用及び個人用器具、特に中空であるもの、例えば、コンドーム、医療用及び検査用手袋、並びに指サック等に対して、浸漬成形は膜形成の特に効果的且つ便利な手段である。当該膜は、用途に応じて、自立型であっても、そうでなくてもよい。浸漬成形は、マンドレル、または一般的用語では、その外面が形成されるべき製品の形状を有する型を、液化されたポリマーを含む液体媒体中に浸漬し、次いで、前記液体から前記型を引き上げて、前記型の表面に前記液体の連続膜を残すことによって実現される。前記液体媒体は、ラテックス(ポリマーが分散された相であり、且つ水または水溶液が連続相であるポリマーの水性乳濁液)または有機溶剤中のポリマーの溶液である。次いで、前記膜を型の上で乾燥させ(すなわち、溶剤または担体液体を蒸発させる)、乾燥工程前または後に、前記ポリマーを硬化(加硫)させる。今やその最終形状及び組成物の状態にある製品である、乾燥させ硬化させた膜を、次いで、型から剥離する。
本発明において硬化のために使用される技術は、酸化ポリニトリル架橋剤の、ゴム配合物との完全な架橋を得るための任意の技術であり得る。硬化は、熱対流炉、強制熱対流炉、蒸気チャンバー、または溶融媒体浴において起こすことができる。付加的に、赤外線加熱、マイクロ波加熱を使用してよく、または膜製品を硬化が完了するまで室温に放置することができる。薄肉の浸漬成形または注型ゴム膜製品は、約0°Fから約350°Fの範囲の温度で硬化させることができる。本発明の好ましい実施態様において、膜製品は、約60°Fから約212°Fの温度で硬化される。
浸漬された膜または商品が加硫された程度を測定することは、しばしば有益である。一般に使用される方法は、硬化膜の円板を切り出し、溶剤浴中に前記円板を浸漬して、直径の変化を測定することである。この試験及びポリイソプレンラテックスに関するその使用についての詳細な説明は、Preissらに帰属し、「Synthetic Latex」と題する、1965年11月2日発行の米国特許第3215649号に見出される。同様の試験方法が、加硫ポリマーの他のタイプに利用可能であり、当業者に良く知られている。
以下の実施例は、例示のために示し、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。実施例中の全ての試験膜は、別に示さない限り、以下の技術によって調製した。
[試験膜]
《材料》
(1)ラテックス
約60%固形分を含む合成シス-1,4-ポリイソプレンラテックス、Kraton Polymers社によって供給される、製品番号IR-RP401。
Centro Trade Rubber USA社(Virginia Beach, VA)によって供給される、61.3%固形分を含むNatural Rubber Latex(NRL)Centex HF。
(2)架橋剤
Apex Medical Technologies社によって調製された、酸化メシチレンジニトリル(MDNO)分散液。ラテックス系にMDNOを容易に添加するための30%活性MDNOの水性分散液を調製するために、以下の手順を使用した。60mLポリプロピレンビンを、1/4インチ直径スチール球で約半分充填した。これらの球は、MDNOを分散するための粉砕媒体として役立つ。次いで、固体MDNO、Darvan #1分散剤、VAN Gel B粘度安定剤、Igepal CO-630界面活性剤、及び水をビンに添加する。ビンを閉じ、次いで、MDNOが十分に分散されるまで3時間まで実験室用ロールミル上で回転させた。
ジクミルペルオキシド分散液:37%固形分ジクミルペルオキシド分散液のマスターバッチを、高せん断応力下で2分間、以下の材料:ジクミルペルオキシド100g、トルエン66.5g、オレイン酸5.6g、脱イオン水101g、及び30重量%水酸化カリウム水溶液2.6gを混合することによって調製した。これにより、ジクミルペルオキシドが均一に分散された分散液が生じた。
硫黄分散液:硫黄は、Akron Dispersions社(Akron, Ohio, USA)によって供給される、Bostex410として市販されている68%活性硫黄分散液であった。また、Tiarco Division of Textile Rubber and Chemical社(Dalton, Ga., USA)によって供給される、Octocure462として市販されている62%活性酸化亜鉛からなる、酸化亜鉛分散液も使用された。
(3)界面活性剤
R.T.Vanderbilt社(Norwalk, Conneticut)によって供給される、Darvan WAQ(ナトリウムアルキルスルフェート)。
(4)強化剤
Apex Medical Technologies社(San Diego, CA)によって調製されたスチレンブタジエンゴムラテックス(SBR)。配合に使用されるスチレンブタジエンゴムラテックスは、Rovene 4106とRovene 4457の混合物である。2種のスチレンブタジエンゴムラテックスをプラスチックジャグに添加し、数分間、実験室用ロールミル上で回転させ、総スチレン含量77%及び総パーセント固形分52.4%を有するブレンドを作製した。Rovineは、Mallard Creek Polymers社(Chalotte)NC28262の商標である。
Cab-O-Sperse GP-50水に分散したヒュームドシリカ。前記シリカは、Cabot社によって供給される20%(重量による)水性分散液であった。
(5)抗酸化剤
抗酸化剤は、Ciba Chemicals社によって供給される、Irganox 565(4-[[4,6-ビス(オクチルチオ)-s-トリアジン-2-イル]アミノ]-2,6-ジ-ブチルフェノール)の分散液からなる。
(6)凝固剤溶液
凝固剤溶液は、脱イオン水3,975g、硝酸カルシウム1,000、及びIgepal CO-630界面活性剤25gからなる。全ての成分を溶解するまでともに混合し、次いで、当該溶液を使用前に3日間熟成させた。Igepal CO-630(ノニルフェノール9モルエトキシレート)は、Stepan社(Northfield, IL, USA)によって供給された。
《試験膜の調製》
以下の配合のそれぞれに対する成分を、500mLポリエチレンビン中に計量し、実験室用XPミキサーを用いることによって室温で15分間、中程度のせん断応力(30RPM)下で混合し、次いで、実験室用ロールミル上で15分間回転させた。当該配合物をポリエチレン目盛り付きシリンダーに徐々に入れ、15インチHgの真空レベルで10分間脱気した。
各々の試験膜を、配合されたラテックスに対する熟成期間なしに32mmガラスマンドレル上で浸漬成形した。前記マンドレルを150°F炉中で前加熱し、次いで、1秒当たり0.8インチの速度で凝固剤溶液中に浸漬し、1秒当たり0.2インチの速度で引き出した。前記マンドレルを凝固剤中に15秒間放置した。凝固剤をコーティングされた前記マンドレルを150°F炉中で5分間乾燥させた。その後、前記マンドレルを1秒当たり0.8インチの速度でラテックス中に浸漬し、1秒当たり0.2インチの出口速度で引き出した。前記マンドレルをラテックス中に15秒間放置した。
いったん浸漬してから、当該膜を150°F炉中で5分間乾燥させた。前記膜を60℃水浴中で3分間浸出させた。次いで、得られた膜を150°F炉中で60分間乾燥させた。ペルオキシド硬化膜をさらに350°F塩浴中で9分間硬化させた。
前記膜をすすぎ洗いし、粉末で剥離し、ASTM D624による引裂試験、及びASTM D3492による引張試験に対する準備をした。
以下の実施例において調製される試験膜及び比較調製物は、上記に記載したように浸漬成形によって形成された。
MDNOで架橋された合成ポリイソプレン膜(実施例1−4)と、ジクミルペルオキシドで架橋された合成ポリイソプレン膜(比較調製物A−D)との比較
<実施例1/比較調製物A>
MDNO(実施例1)及びジクミルペルオキシド(比較調製物A)架橋剤で硬化された、SBR強化剤を加えたポリイソプレンラテックスの比較
表1:SBR強化剤含有MDNO及びペルオキシド硬化ポリイソプレン膜
Figure 2008528763
《引張特性の決定》
実施例1及び比較調製物Aの配合物から調製される浸漬成形薄膜。Aを機械的試験にかけて、それらの引張特性を求める。50%、100%、300%、及び500%引張弾性率の値、並びに極限引張強度、極限伸長率、及び極限引裂強度の値を求めた。コンドームリングに対して、物理的特性試験をASTM D-3492基準に従って実施した。
表2:MDNO及びペルオキシド硬化SBR強化ポリイソプレン膜の引張特性の比較
Figure 2008528763
前記表から明らかなように、実施例1(従来のSBR強化剤とともに、架橋剤としてMDNOを使用し、促進剤は含まず)は、比較調製物A(ペルオキシド架橋剤を使用し、その他の点は同じ)と比較して、優れた引張及び引裂特性を示す。さらに、引張及び引裂特性の増加に関わらず、引張弾性率値は低いままである。
<実施例2/比較調製物B>
MDNO(実施例2)及びジクミルペルオキシド(比較調製物B)架橋剤で硬化された、ポリイソプレンラテックスの比較
表3:MDNO及びペルオキシド硬化ポリイソプレン膜(SBR削除)
Figure 2008528763
表4:MDNO及びペルオキシド硬化ポリイソプレン膜の引張特性の比較
Figure 2008528763
前記表から明らかなように、SBR強化剤を削除した場合でも、実施例2(架橋剤としてMDNOを使用)は、比較調製物B(ペルオキシド架橋剤を使用し、その他の点は同じ)と比較して、優れた引張及び引裂特性を示す。これらの実験は、当該SBRが引裂強度を増加させる限定寄与、一方、当該MDNO架橋剤が引張強度及び引裂強度を著しく増加することを示している。
<実施例3/比較調製物C>
MDNO(実施例3)、及びジクミルペルオキシド/硫黄(比較調製物C)架橋剤で硬化された、SBR強化剤を加えたポリイソプレンラテックスの比較
表5:MDNO及びペルオキシド硬化ポリイソプレン膜(硫黄を用いた)
Figure 2008528763
表6:MDNO及びペルオキシド硬化ポリイソプレン膜(硫黄を用いた)の引張特性の比較
Figure 2008528763
前記表から明らかなように、実施例3(従来のSBR強化剤とともに、架橋剤としてMDNO及び硫黄を使用し、促進剤は含まず)は、比較調製物C(架橋剤としてペルオキシド及び硫黄を使用し、その他の点は同じ)と比較して、穏やかに高い引張強度及び実質的に高い引裂強度を示す。さらに、引張及び引裂特性の増加に関わらず、引張弾性率値は低いままである。
<実施例4/比較調製物D>
MDNO/硫黄(実施例4)及びジクミルペルオキシド/硫黄(比較調製物D)架橋剤で硬化されたポリイソプレンラテックスの比較
表7:MDNO/硫黄、及びペルオキシド/硫黄硬化ポリイソプレン膜
Figure 2008528763
表8:MDNO/硫黄、及びペルオキシド/硫黄硬化ポリイソプレン膜(SBR削除)の
引張特性の比較
Figure 2008528763
前記表から明らかなように、実施例4(架橋剤としてMDNO及び硫黄を使用し、促進剤及びSBR強化剤は含まず)は、比較調製物D(架橋剤としてペルオキシド及び硫黄を使用し、その他の点は同じ)と比較して、優れた引張及び引裂特性を示す。さらに、引張及び引裂特性の増加に関わらず、引張弾性率値は低いままである。
MDNOで架橋された天然ゴム膜(実施例5−6)とジクミルペルオキシドで架橋された天然ゴム膜(比較調製物E−F)との比較
<実施例5/比較調製物E>
MDNO(実施例5)、及びジクミルペルオキシド(比較調製物E)架橋剤で硬化された、SBR強化剤を加えた天然ゴムラテックスの比較
表9:MDNO及びペルオキシド硬化天然ゴム膜
Figure 2008528763
表10:MDNO及びペルオキシド硬化天然ゴム膜の引張特性の比較
Figure 2008528763
前記表から明らかなように、実施例5(従来のSBR強化剤とともに、天然ゴム及びMDNO架橋剤を使用し、促進剤は含まず)は、比較調製物E(天然ゴム及びペルオキシド架橋剤を使用し、その他の点は同じ)と比較して、優れた引張及び引裂特性を示す。さらに、引張及び引裂特性の増加に関わらず、引張弾性率値は低いままである。
<実施例6/比較調製物F>
MDNO(実施例6)、及びジクミルペルオキシド(比較調製物F)架橋剤で硬化された、天然ゴムラテックスの比較
表11:MDNO及びペルオキシド硬化天然ゴム膜
Figure 2008528763
表12:MDNO及びペルオキシド硬化天然ゴム膜の引張特性の比較
Figure 2008528763
前記表から明らかなように、実施例6(架橋剤としてMDNOを使用し、促進剤は含まず)は、比較調製物F(架橋剤としてペルオキシドを使用し、その他の点は同じ)と比較して、優れた引張及び引裂特性を示す。さらに、引張及び引裂特性の増加に関わらず、引張弾性率値は低いままである。
<実施例7:実施例1の膜製品の物理的特性への熟成期間の影響>
この実施例は、実施例1の水性ラテックスから調製され、ただし、膜の形成前に室温で24時間の熟成期間を有する試験膜を例示する。熟成期間あり(比較調製物G)、及び、なし(実施例1)で調製された試験膜の引張特性の比較を表13に示す。
表13:熟成からの非所望の前加硫の実証
Figure 2008528763
<実施例8:注型技術によって形成された歯科用ダム>
歯科用ダムは、実施例1及び比較調製物Cにおいて使用された配合物から形成された。歯科用ダムは、実施例1におけるように浸漬成形されるのではなく、ステンレス鋼の薄い平らなシート上に、配合されたラテックスを注型することによって形成された。前記歯科用ダムを、本質的に実施例1の方法と同一の方法によって加硫した。得られた歯科用ダムを味とにおいに対して比較した。比較調製物Cの配合で作製されるラバーダムは、におい及び検出可能な味を有した。実施例1の配合から作製されたラバーダムは、検出可能な味またはにおいを全く有しなかった。
<実施例9−11:吸収によって調製されたコンドーム膜>
ラテックスのバッチを、MDNOを配合から除いた以外は、実施例1に記載したように配合した。ラテックスコンドーム形状の膜を実施例1のものと同じ方法によって調製した。乾燥の際、前記コンドーム膜を加硫させなかった。代わりに、合成ポリイソプレン配合物の乾燥ゲルを成型具上に付着させた。
MDNO 1重量%、及びトルエン99重量%を含む溶液を調製した。乾燥炉から取り出した直後に、コンドーム成型具の閉じた末端上の乾燥ゲルを、トルエン/MDNO溶液中に浸漬させた。当該膜をこの溶液中に60秒間放置し、その後膜を取り出した。
前記溶液は、ゴムを膨潤させたようだが、溶解はしなかった。次いで、コンドーム成型具を150°Fに設定した熱風炉中に1時間入れて、トルエンを追い出し、当該ゴムの加硫を促進させた。前記成型具を室温まで冷却し、コンドームを成型具から取り出した。
この手順をさらに2回繰り返し、引張試験(実施例9−11)のための3つの膜を形成した。表14は、ASTM D-3492による物理的特性試験の結果を示す。
表14:MDNO吸収ポリイソプレンからのコンドームの引張特性の引張結果
Figure 2008528763
実施例9−11の膜製品は、透明、且つ味、におい、及び色を有しなかった。
<実施例12−13:前冷却ゴム配合物から形成されたポリイソプレンコンドーム>
合成ポリイソプレンラテックスの2つバッチを、実施例1に記載したように配合した。ラテックスコンドームの複数のセットを、全て初期時間(t=0)に対して、配合時間に対応して0.75時間、7.5時間、24.5時間、及び31.5時間の時間間隔で実施例1のものと同じ方法によって調製した。
それぞれの膜製品を膜調製する間の時間間隔の間、ラテックスの1つのバッチを室温で保存し、第2のバッチを約0℃で氷及び水浴中で保存した。いったん浸漬させたら、膜を実施例1と同じ方法で加工した。
この技術を引張試験用の膜を作製するために利用した。添付の図面、並びに表16及び17は、調製時間の関数として、ASTM D3492による物理的特性試験の結果を示す。これから分かるように、配合されたラテックスを使用前に氷浴中に入れることは、配合されたラテックスの前加硫を遅らせる効果的な方法である。全体の硬化レベルの指標である、得られたコンドームから切り取った試験片の連続的に増大する100%弾性率に留意することによって、前加硫は液体ラテックス中で生じることが明らかである。しかし、コンドームからの当該試験膜の引張強度は、前加硫の非所望の性質により、経時的に低下する。
表16:0℃で配合されたゴムに対する物理的特性データ(実施例12)
Figure 2008528763
表17:25℃で配合されたゴムに対する物理的特性データ(実施例13)
Figure 2008528763
<実施例14:凝固浴中のMDNO添加>
ラテックスのバッチを、MDNOを配合から除いた以外は、実施例1におけるように配合した。10-20%硝酸カルシウム凝固浴を、0.5% Igepal CO-630界面活性剤及び1.0-3.0% MDNOで調製した。
ラテックスコンドームを、凝固剤がMDNOの供給源を提供する以外は、実施例1のものと同じ方法によって調製した。この方法は、ゴムが加工されるまでMDNOがゴムから隔離されているため有利である。
<実施例15:乾燥後、凝固剤浸漬>
凝固剤中のMDNOを使用するさらなる実施例は、後期ラテックス凝固剤浸漬を含む。ラテックス槽から取り出して、成型具を150°F炉中で5分間乾燥させ、すぐにMDNOを含む付加的な凝固剤浸漬をした以外は、上記と同じ手順を用いた。
付加的な凝固剤浸漬は、最初の凝固剤浸漬に使用したものと同様の浸漬プロフィールを利用してラテックス調製の後に行った。次いで、コンドーム成型具を150°F炉中に1時間入れ、55°F水浴中で約5分間浸出させ、乾燥させる。この方法は、実施例14よりも均一に硬化した膜を生じる。
<実施例16:多重凝固剤/ラテックス浸漬技術>
凝固剤中のMDNOを適用するさらなる実施例は、2つ以上の凝固剤及びラテックス浸漬の組合せを含む。以下の表は、ASTM D-3492による物理的特性試験に対する結果を示す。
表18:多重凝固剤浸漬に対する物理的特性データ
Figure 2008528763
<実施例17:MDNO浴を用いた直接浸漬成形法>
ラテックスのバッチを、配合からMDNOを除去し脱イオン水を添加しない以外は、実施例1におけるように配合した。0.5-3.0%MDNO浴を、MDNO分散液を脱イオン水に添加することによって調製した。ラテックスコンドーム形状の膜を直接浸漬成形法により調製した。
成型具をMDNO浴中に浸漬させ、150°F炉中で5分間または乾燥するまで乾燥させた。前記成型具をラテックス中に浸漬させる前に冷却した。次いで、ラテックス膜をロール乾燥し、150°F炉中に入れた。この技術を所望の膜厚が実現するまで繰り返した。成型具を、最終浸漬のためにMDNO浴中に浸漬させ、硬化のために150°F炉中で1時間乾燥、または室温において24時間保持した。
<実施例18:有機溶剤浴中での直接浸漬>
MDNOを0.5-3.0%濃度で適切な溶剤中に溶解した。ラテックスコンドーム形状の膜を、溶剤ベースの浴を使用する以外は、実施例17の直接浸漬成形法により調製した。
<実施例19:ゴム及びMDNOの交互層の注型>
ラテックスのバッチを、MDNOを配合から除いた以外は、実施例1のように配合した。膜をMDNO及びゴムの交互の層によって調製した。MDNO分散液または溶剤中に溶解させたMDNOの層をトレーに注型し、次いで、150°F炉中で5分間乾燥させた。次いで、ラテックスをMDNO上にコーティングし、150°F炉中で5分間乾燥させた。この手順を所望の厚さが実現するまで繰り返した。膜を付加的なMDNOの層で注型し、硬化のために150°F炉中で1時間乾燥させ、または室温で24時間保持した。
<実施例20:溶剤(非ラテックス)注型法>
溶剤ベースゴム系を、ゴムを適切な溶剤中に10-20%固形分の濃度に溶解することによって調製した。溶剤中に溶解させたMDNOをトレーに注型し、次いで、150°F炉中で5分間乾燥させた。次いで、ゴム溶液をMDNO上にコーティングし、150°F炉中で5分間乾燥させた。この手順を所望の厚さが実現するまで繰り返した。膜を付加的なMDNOの層で注型し、硬化のために150°F炉中で1時間乾燥させ、または室温で24時間保持した。
<実施例21:医療用手袋、検査用手袋、カテーテルバルーン、注入バルーン、または呼吸バッグ用の手順>
合成ポリイソプレンラテックスを実施例1のように配合した。配合物を使用前に15-30分間回転させた。
手術用手袋、検査用手袋、カテーテルバルーン、注入バルーン、及び呼吸バッグを含む製品を、凝固剤浸漬成形法により調製した。マンドレルを、凝固剤中に浸漬する前に150°Fに加熱した。前記マンドレルを150°F炉中で5分間乾燥させ、ラテックス溶液中に浸漬させた。成型具を150°F炉中で5-10分間乾燥させ、131°F水浴中で3分間浸出させた。前記成型具を硬化のために150°F炉中で1時間乾燥させ、または室温で24時間保持した。
製品を、粉末で剥離した。全ての製品は十分に加硫され、機能的であった。
<実施例22:連続浸漬によって形成されたラテックス手袋>
合成ポリイソプレンラテックスを、連続手袋浸漬操作に対する実施例1のものと同じ方法によって調製した。手袋成型具を浸漬槽により加工するに従って、測定し得る量のラテックスが取り出される。新しく配合されたラテックスを、手袋成型具上で取り出されるラテックスの量と近いまたはほぼ等しい量で、浸漬槽中に連続的に添加する。
この技術は、浸漬槽中のラテックス量をほぼ一定に保ち、一方で、エージングラテックスを連続的に置換する。そうする間に、浸漬槽中のラテックスは、所与の速度で新しくなり、配合されたラテックスの滞留時間を非常に短縮し、前加硫の量を僅かなものにする。
この実施例において作製された手袋は、約12.5gの重量を有する標準サイズ6 1/2ラテックス手術用手袋である。この手袋を製造するために使用された、45%総固形分(TSC)でのラテックス量は、30mLである。
当該実施例において、槽から取り出されるそれぞれの浸漬された手袋成型具に対して、ラテックス30mLを浸漬槽に添加する。いったん浸漬されると、手袋成型具は手袋浸漬機に沿って進行し、この手袋浸漬機は、実施例1に記載されている本質的なラテックス商品加工工程を実施する。当該工程ラインの最後に、手袋を成型具から剥離し、得られた手袋は十分に加硫されて、優れた特性を有する。
任意の所与の時間において、25個の手袋成型具を収容することができる浸漬槽は、20インチ幅、20インチ長、高さ12インチを有する。この槽は、4800立方インチの充填された体積を有する。この体積が与えられたとすると、浸漬させた各成型具は、総体積の0.0375%を取り出す。この速度で、ラテックスの1つの槽体積相当分が、2667個の浸漬させた手袋成型具毎に使用される。1分間当たり100個の手袋成型具を浸漬させると、27分間毎に1個の槽体積が添加される。従って、2.3個の槽体積が取り出され、補給される毎に、ラテックスの元の体積の10%のみが残ることになる。これは、62分間毎に元のラテックスの90%が取り出されることを意味する。これは、ラテックスが前加硫の許容し得ない状態に到達することを防ぐ。
表19に示すように、槽中のラテックスの平均経過時間は、約248分間(4時間)後に、定常状態に到達し、37.89分の平均経過時間に無限に留まる。
表19:浸漬槽中の平均ラテックス経過時間
Figure 2008528763
<実施例23:代替的な連続浸漬操作>
連続浸漬操作に使用されるラテックス配合物がMDNOを含まない以外は、実施例22におけるように連続手袋浸漬操作を実施する。
配合されていないラテックスを連続的または断続的に添加し、MDNO分散液を別に添加する。MDNOをまた、浸漬槽中のMDNOと配合されていないラテックスの、一定且つ最適の比を保つように、連続的または断続的に添加してもよい。
<実施例24:ラテックス配合物へのマイクロカプセル化MDNOの添加>
ラテックス配合物へのマイクロカプセル化MDNOの添加は、MDNOの徐放を可能にし、ラテックスの有効寿命を延ばすことになる。
MDNOマイクロカプセル化粒子は、ワックス溶液中で50%MDNOを作製することによって調製される。パラフィンワックス50.0gを150°Fに加熱し、次いで、MDNO 50.0gを添加する。当該溶液を全てのMDNOが溶解するまで撹拌する。当該ワックスを冷却し、小さな粒子にすりつぶす。
15%MDNOワックス分散液を、ワックス溶液中の50%MDNO 90.0g、Darvan #1 3.1g、Van Gel B(Vanderbilt Chemical社(Norwalk, Conneticut)から市販されている加工されたケイ酸マグネシウムアルミニウム)、Igepal CO-630 0.7g、及び脱イオン水204.0gを混ぜ合わすことによって調製する。全ての成分をボールミルで3時間混合する。ラテックスを、MDNO 1.2phrをマイクロカプセル化粒子の形態で添加する以外は、実施例1に記載されるように配合する。ラテックス膜は、マンドレルを150°Fに加熱し、凝固剤中に浸漬することによって調製される。前記マンドレルを150°F炉中で5分間乾燥させ、ラテックス溶液中に浸漬させる。膜を150°F炉中で5-10分間乾燥させ、131℃水浴中で3分間浸出する。前記膜を150°F炉中で1時間乾燥させる。
温度を上昇させることにより、ワックスからのMDNOの徐放が可能になり、硬化工程が開始する。次いで、当該膜を粉末で剥離し、引張試験のために用意する。浸漬手順を繰返し、ラテックスのエージング特性を明らかにする。ラテックス配合物を氷浴中に保存し、浸漬前に15分間回転させる。
表20は、マイクロカプセル化MDNOを配合したラテックス膜に対する予測結果を示す。
表20:マイクロカプセル化MDNOラテックス膜の予測物理的特性
Figure 2008528763
上記の記載から分かるように、本発明に従って、酸化ポリニトリルは、優れた引張強度、引裂強度、及び伸長率特性を有する天然ゴム及び合成ポリイソプレン浸漬成形された膜製品を製造するために使用されうることが極めて明らかである。
本発明は、本明細書に記載されている特定の実施態様によって、範囲が限定されるものではない。実際、本明細書に記載されているものに加えて、本発明の種々の変更形態が、先の記述及び付随するデータから当業者には明らかになる。このような変更形態は、添付の特許請求の範囲内に含まれるものである。さらに、先の実施例において与えられた全ての値は近似的であり、例示のために提供されていることを理解されたい。
この出願を通じて挙げられている特許、特許出願、出版物、製品記述、及びプロトコールは、事実上その開示を全て、参照により本明細書に組み込む。
添付の図は、以下の実施例10に記載されるように硬化された膜製品の可使時間を示すグラフである。

Claims (18)

  1. 酸化ポリニトリル架橋剤で架橋された、天然ゴムまたは合成シス-1,4-ポリイソプレンゴム配合物の、薄肉の浸漬成形または注型ゴム膜製品であって、約15kN/mから約60kN/mの引裂強度、及び約1700psiから約6000psiの引張強度を有するゴム膜製品。
  2. 式(I)の架橋構造:
    Figure 2008528763
    [式中、
    Aは、イソオキサゾリン環に対する少なくとも1つのオルト位において、バルキー基によって置換されたアリール基を表し、当該芳香族構造は、1:1未満の炭素原子に対する水素原子の比を有し、前記バルキー基は、酸化ニトリル官能基と実質的に反応せず;
    R1は、当該天然ゴムまたはシス-1,4-ポリイソプレンゴムポリマー鎖を表し;
    R2及びR3は、独立して、水素及びメチルから選択され、ここで、R2がメチルである場合、R3は水素であり、R3がメチルである場合、R2は水素である]
    を有する、請求項1に記載の薄肉ゴム膜製品。
  3. 前記架橋された化学式が、:
    Figure 2008528763
    を含む、請求項1に記載の薄肉ゴム膜製品。
  4. いかなる硫黄含有促進剤も含まず、且ついかなるニトロソ化し得る物質も含まない、請求項1に記載の薄肉ゴム膜製品。
  5. 前記製品が手術用または検査用手袋、カテーテルバルーン、コンドーム、または歯科用ダムである、請求項1に記載の薄肉ゴム膜製品。
  6. 当該ゴムを配合し、当該製品を形成し、且つ当該コムを硬化させ、一方で当該ゴム配合物の前加硫を減少または排除することによって調製される、請求項1に記載の薄肉ゴム膜製品。
  7. (a)得られるゴム配合物の前加硫を実質的に減少または防止するように、天然ゴムまたは合成シス-1,4-ポリイソプレンゴムを配合する工程;
    (b)前記ゴム配合物を浸漬成形または注型して、前記薄肉ゴム膜製品を形成する工程;
    (c)前記ゴム配合物または薄肉膜製品を、少なくとも1つの酸化ポリニトリル架橋剤と混合する工程;及び
    (d)前記ゴム配合物を硬化させて、そこに架橋を作製する工程;
    によって調製される、薄肉の浸漬成形または注型された天然ゴムまたは合成シス-1,4-ポリイソプレンゴム膜製品であって、約15kN/mから約60kN/mの引裂強度、及び約1700psiから約6000psiの引張強度を有する膜製品。
  8. 実質的にいかなる硫黄含有促進剤も含まず、且ついかなるニトロソ化し得る物質も含まない、請求項6に記載の薄肉ゴム膜製品。
  9. 前記製品が手術用または検査用手袋、カテーテルバルーン、コンドーム、または歯科用ダムである、請求項6に記載の薄肉ゴム膜製品。
  10. (a)得られるゴム配合物の前加硫を実質的に減少または防止するように、天然ゴムまたは合成シス-1,4-ポリイソプレンゴムを配合する工程;
    (b)前記ゴム配合物を浸漬成形または注型して、前記薄肉ゴム膜製品を形成する工程;
    (c)前記ゴム配合物または薄肉膜製品を、少なくとも1つの酸化ポリニトリル架橋剤と混合する工程;及び
    (d)前記ゴム配合物を硬化させて、そこに架橋を作製する工程;
    を含む、酸化ポリニトリル架橋剤で架橋された天然ゴムまたは合成シス-1,4-ポリイソプレンゴムからなる浸漬成形または注型された薄肉ゴム膜製品を形成する方法。
  11. 前記酸化ポリニトリル架橋剤を、工程(a)において、前記ゴム配合物と混合する、請求項10に記載の方法。
  12. 前記ゴム配合物が、硫黄含有促進剤またはニトロソ化し得る物質を含まない、請求項10に記載の方法。
  13. 前記架橋剤が、酸化メシチレンジニトリル(MDNO)または酸化2,4,6-トリエチルベンゼンジニトリル(TON-2)を含む、請求項10に記載の方法。
  14. 前記薄肉膜製品が、ゴムラテックスを浸漬成形することによって形成される、請求項10に記載の方法。
  15. 前記ゴム配合物が、約150°F以下の温度で硬化される、請求項10に記載の方法。
  16. (i)工程(a)における配合成分の温度を約25℃未満に低下させる工程;または
    (ii)配合前に、当該酸化ポリニトリルを含むマイクロカプセルを形成する工程;または
    (iii)硬化直前に、当該ラテックスと当該酸化ポリニトリルを混合する工程;または
    (iv)湿潤または乾燥ゴムゲル中に、当該酸化ポリニトリルを吸収させる工程;または
    (v)凝固浴に酸化ポリニトリルを入れる工程;または
    (vi)当該ゴム及び当該酸化ポリニトリルの交互の層を適用し、且つ硬化することによって前記ゴム配合物を硬化する工程;または
    (vii)新たに配合されたゴムを浸漬成形チャンバーに添加し、前記ゴム配合物中に複数の成型具を浸漬させ、且つそのゴムを硬化する工程;または
    (viii)前記配合されたゴムに対する熟成期間を実質的に減少または排除する工程;
    によって、前加硫を実質的に減少または防止する、請求項10に記載の方法。
  17. 配合前に、当該酸化ポリニトリルを含むマイクロカプセルを形成することによって、前加硫を実質的に減少または防止する、請求項16に記載の方法。
  18. 湿潤または乾燥ゴムゲル中に当該酸化ポリニトリルを吸収させることによって、前加硫を実質的に減少または防止する、請求項16に記載の方法。
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