発明の分野
本発明は、例えばコンテナおよび平坦なラックを船積みする荷役装置を操作するために必要とされる巻上機およびスプレッダなどの装置に関する。さらに本発明の装置は、複数の荷役装置の同時の操作に適応可能である。
関連技術の説明
貨物輸送の経済的可能性を増大させるために、港湾当局は、荷揚場での船からのコンテナの効率的な揚げ降ろしを促進する目的で、産業基盤施設に相当な資本を投資している。産業基盤施設は、該コンテナを陸上輸送、または直接船からの陸上輸送によって送達するための準備の整った保管施設に移動させるように適合される。
近年、効率、およびこれによる経済的可能性を高めるために、複数のコンテナを同時に移動することを容易にする発明が開発されてきた。このような発明の1つは、その内容が参照により本明細書に組み込まれる国際公開第01/98195号パンフレットに開示されている。本発明は、1つまたは2つのコンテナと係合することができる2つのコンテナ係合フレームに対する接続部を有するスプレッダを包含する。この結果として、直ちに船が揚げ卸しすることができる速度が増し、これによりこの工程の効率が上げる。
本発明の欠点は、スプレッダと係合フレームの間の連結度である。国際公開第01/98195号パンフレットの種々の図に示されるように、係合フレームは、鎖またはピン接合の連結棒のいずれかによってスプレッダに接続されている。
この構成が1つのコンテナのみ、または実質的に重量が異なる2つのコンテナを持ち上げる場合、次いで重量を再分配すると不釣合いな力によってスプレッダが片側に傾くことになる。したがってこの構成は、ほぼ同一の重量のコンテナを持ち上げるのに制限されている。しかしながら、積み降ろし工程において、操作者が重量が同一の2つのコンテナを持ち上げていると確信する唯一の機会は、コンテナが空のときである。したがって本発明は、複数のコンテナの移動に有用であるが、実施の面から見れば、空のコンテナのみの安全な移動に制限される場合がある。
この発展は、その内容が参照により本明細書に組み込まれている国際公開第03/104132号パンフレットの発明によって構築されてきた。本発明は、まずスプレッダとコンテナ係合フレーム間の接続部が開放可能に固定され、先の発明の鎖またはピン接合連結棒の使用に固有の自由度を排除する点に関しての改良である。さらにスプレッダフレームが傾くのを防止するために、国際公開第03/104132号パンフレットの発明は、隣接するコンテナが互いに衝突せず、したがって互いに対する固定関係が保持されるように、係合フレームを分離することが可能な油圧式作動の組立体を提供する。これは荷重の制御をある程度に維持する利点を有し、これは国際公開第01/98195号パンフレットの発明では不可能である。
それでもなお国際公開第03/104132号パンフレットの発明はやはり既存の産業基盤施設を対象としているので、持ち上げられるコンテナの重量の不一致による荷重のいずれの不釣合いが、スプレッダを巻上機に係合させるケーブルが連結される地点で同様の回転を引き起こすことがある。このようにスプレッダおよび係合フレームが固定されているので、不釣合いな荷重が再分配される際ケーブルは依然として回転することが可能である。先の発明でのように、再分配、および結果として起こるスプレッダの回転は、荷揚場または船上のいずれかでコンテナを配置するのを困難にさせる恐れがある。
荷重の再分配の好ましくない影響を被ることなく、重量差のあるコンテナを持ち上げることができるシステムを有することが有利である。
発明の概要
したがって本発明の目的は、重量の異なるコンテナを持ち上げる際の荷重の再分配によるスプレッダまたは係合フレームの回転を最小限にすることである。
第1の態様において本発明は、ケーブルを含み、少なくとも1つの荷役装置と係合するように適合されるスプレッダ組立体を支持するための手段と、支持手段が、キャリア部の少なくとも1つにスプレッダ組立体を接続するように適合される第1のキャリア部および第2のキャリア部と、第1および第2のキャリア部の相対位置を選択的に変えるためのトロリー分離手段とを備え、該トロリー分離手段はケーブルがほぼ垂直の向きに維持されるように調整される。
好ましい実施形態において、第1および第2のキャリア部は別個のトロリーであってよく、レールまたはクレーンの梁と回転式に係合することができる。より好ましい実施形態において、トロリーである第1および第2のキャリア部は、トロリー分離手段を介して互いに接続されてよい。最も好ましい実施形態において、トロリー分離手段は1つまたは複数の作動装置であってよく、これは作動ラムを延長することによってトロリーの選択的分離を可能にする。
代替の実施形態において、第1および第2のキャリア部は単一のトロリー内に設置される滑車輪であってよい。したがって片方または両方のキャリア部は、単一のトロリーと摺動式に係合してよく、キャリア部の分離は所望の位置に滑車輪を摺動することによって実現する。
好ましい実施形態において、支持手段は、トロリーおよびスプレッダ組立体上に配置されるケーブルセットを合わせた滑車および滑車輪の構成であってよく、これによりスプレッダ組立体はケーブルによってキャリア部からぶら下がる。
ケーブルセットは第1の複数のケーブルが一端で巻上機に接続され、反対の端部で第1の係合部に接続される複数のケーブルであってよく、該ケーブルはキャリア部を通って進み、係合部に向かって下方に向いている。それに対応して、第2の複数のケーブルは、第2のキャリア部を通って第2の巻上機から第2の係合部まで伸びてよい。
したがって第1の係合部に担持される荷重は直接第1のキャリアに進み、それに応じて第2の係合部に担持される荷重は第2のキャリア部に進む。単一のトロリーからぶら下がる単一のケーブルセットに対して重量を再分配する代わりに、本発明のトロリー構成は、2つの異なるトロリーがケーブルを垂直の配置に維持するように作用する。本発明は、分離手段によって係合部およびキャリア部をそれぞれに、および選択可能な固定関係を維持することによって全体の構造のすべての利点を有する。したがってコンテナの移動は荷重を担う構成にも関わらず単一の作用になり、相対的には別々の構成である。
第2の態様において、本発明は、少なくとも第1および第2のスプレッダユニットを有する双対スプレッダ組立体の垂直方向の動きを制御するための巻上機構を提供し、該巻上機構は巻上ドラム、第1のスプレッダユニットを巻上ドラムに接続する第1のケーブルセット、第2のスプレッダを巻上ドラムに接続する第2のケーブルセットを備え、巻上機構の作動により、巻上ドラムが回転して第1および第2のスプレッダユニットを同時に上下移動させる。
このように第2の巻上ドラムの必要性をなくすことによって、まずこれは関連するスプレッダユニットに対して作動する巻上機同士の同期化の必要がないという利点を有する。しかしながら、より重要なことには、第2の巻上ドラム、ギアボックスおよびケーブルに関連する費用が相当削減される点で産業基盤施設を著しく節約する。
好ましい実施形態において、巻上ドラムは固定クレーンなど固定構造体に設置されてよい。したがって、巻上ドラムから突出するケーブルは水平方向に向けられ、次いでトロリーから下方に向けられてよい。代替の実施形態において、巻上ドラムはトロリーに直接設置されてよいので、スプレッダ組立体が巻上機に直接支持されるように、ケーブルを垂直方向に下方に突出させる。
第3の態様において、本発明は巻上手段、スプレッダ組立体、ケーブル終端組立体、および第1の端部で巻上手段に接続され、反対側の第2の端部でケーブル終端組立体に接続されるケーブルを備える巻上システムを提供する。スプレッダ組立体の垂直方向の位置が巻上手段の作動によって決まるように、該ケーブルと係合する該スプレッダ組立体は巻上手段および終端組立体の中間にあり、該ケーブルの少なくとも1つは、少なくとも1つの調整作動装置によって終端組立体に接続され、該少なくとも1つのケーブルの相対位置が調整作動装置の作動に対して選択的に適合可能であり、その結果スプレッダ組立体の向きが調整されるようにする。
双対スプレッダ構成に関する従来技術の欠点は、個別の方法で複数のコンテナを扱う能力であることが理解される。理想的状況において、荷役装置またはコンテナは互いに完全に平行に平坦な地面に配置され、同一の向きで送達することができるが、常にこういった状況であるわけではない。コンテナは異なるサイズを有し、傾斜上に配置されることもあり、または傾いている船のデッキに送達されることもある。したがって、なおコンテナの同時輸送に対する要望を支持しながら、個別のアイテムとしてコンテナを扱う必要のある状況がある。したがって本発明は、1つのスプレッダユニットの向きが第2のスプレッダユニットに対して調節することができる手段を提供する。この調整は任意の1つ、または相対的長手方向の偏向、長手方向および横方向の垂直面の相対的傾き、垂直面における両スプレッダユニットの傾きの組み合わせの観点であってよい。
好ましい実施形態において、巻上システム内のそれぞれのケーブルは調整作動装置を含んでよく、スプレッダユニットの相対位置を調整することによって、3つの回転自由度、および垂直位置である1つの並進自由度を提供する。
第4の態様において、本発明は該巻上システムによって係合するヘッドフレームの一部の高さを調整するために、巻上機、および巻上機からヘッドフレームに進む複数のケーブルを備える巻上システムと係合する調整組立体を提供し、少なくとも1つの該ケーブルと連絡する少なくとも1つの調整シリンダを備え、調整シリンダの作動により少なくとも1つのケーブルがたどる経路の長さを伸縮させ、該伸縮させることによって、ヘッドフレームの一部の上下移動を引き起こす。
好ましい実施形態の説明
本発明の可能な構成を示す添付の図面それぞれに関して本発明をさらに記載することは好都合である。本発明の他の構成が可能であり、その結果添付の図面の特徴は、本発明の以下の記載の概略に優先するものとして理解されるべきではない。
図1は固定構造体(図示せず)内に設置可能な巻上機構5を示す。
一般的に見て、本実施形態による巻上機構5は単一の巻上ドラム100、分配トロリー200、双対スプレッダ組立体300および軸受け組立体400を備える。
巻上ドラム100から軸受け組立体400まで継続的に伸びるケーブルは、分配トロリー200を通り、スプレッダ組立体300と係合するために下方に向かい、軸受け組立体400で終結する。したがって、基本的に固定される軸受け組立体400に対して巻上ドラム100が回転することによって、双対スプレッダ組立体300によって、このスプレッダ組立体300に付与される荷重が上下移動する。
図2は単一の巻上機100の作動の概略図を示す。この実施形態において、単一の巻上機は第1キャリア組立体110a用のケーブル10a、cが装着される単一のドラム105を備える。さらに第2のケーブルセット10b、dも単一の巻上ドラム105に装着され、第2キャリア組立体110bと係合する。ケーブルセット10a、bおよび10b、dは共に、ほぼ固定位置を形成する軸受け組立体400で終結する。
双対キャリア構成用の従来技術の巻上システムは、それぞれが単一のキャリア組立体と共に作動する2つの巻上ドラムを設置する。したがって、キャリア組立体に装着される荷役装置を上下移動させるには、同じ速さで同位置から確実にコンテナを上下移動させるために、2つの巻上ドラムの同期化を要する。わずかな差異は適合させることができるが、これらの異なる巻上機を同期化することは依然として技術的に困難な作業である。
このことは、本発明の一態様による単一の巻上システムが特に有利な点である。2つ以上の荷役装置を操作に関して、荷重が垂直および水平の両方向に同じ速さで進むことになることにより、単一の巻上ドラム105の使用が可能になる。ケーブル10a、cおよび10b、dの2つのセットを接続することによって、単一の巻上ドラム105の回転125がケーブルセット10a、cおよび10b、dを同時に操作し、これによりキャリア組立体110a、bが共に同じ速さでそれぞれ動く130a、b。したがって、キャリア組立体110a、110bのそれぞれに対する荷役装置の持ち上げ位置が同一である限り、それらを上下移動させる際コンテナの位置間の差異はわずかであるかまたは存在しなくなる。
図1および3はまた、本発明の別の態様による軸受け組立体400を示す。軸受け組立体400は、固定構造体(図示せず)に固定される固定ブロック403を備える。ケーブル端部によって付加される荷重を担持し、またケーブル端部を固定ブロック403に接続する調整シリンダ405a、bを収容することが可能である限り、いずれの好適な固定ブロック403も本発明を満たす。調整シリンダ405a、bは、付加される荷重に抵抗してケーブル端部を固定位置に保持し、使用中作動する任意の調整シリンダ405a、bにケーブル端部を適合することができさえすれば、油圧式、空気式または電気式に作動されてよい。
調整シリンダの効果を示すために、図3に調整シリンダ405bが第2キャリア組立体110bに結合されている例を示す。調整シリンダ405bのラムを延長することは、関連するケーブル10b、dの長さを伸長させる効果を有する。第2のスプレッダ組立体120bに担持される荷重を下方に移動させること410によって、第2のスプレッダ組立体120bの位置に対して間接的に影響を及ぼす。したがって、単一の巻上機100は互いに対して同位置に荷重を維持するように作動し、軸受け組立体400の調整シリンダ405a、bは荷重の相対位置の増分調整を行う。
したがって、船積みコンテナなど2つの荷役装置が、傾いている場合がある船から、または傾斜上に配置されたトラックから持ち上げられる場合、コンテナは次いで、コンテナの異なる位置を適合させるためにそれぞれのスプレッダの位置を「調整する」ことによって、同時に係合し、持ち上げることができる。コンテナに係合し、これを持ち上げると、コンテナが移動する地面、船またはトラックの状態に適合するように、さらに相対位置が調整シリンダ405a、bによって調整されうる。
図4は本発明の別の態様による双対スプレッダ組立体300を示す。本発明は単一のスプレッダ巻上システムに有用であるが、本発明の特徴の多くは双対スプレッダが組み込まれている場合に特に有用である。この目的のために、本発明の一態様による双対スプレッダ組立体300は、例えば本発明の別の態様による分配トロリー200などのトロリーキャリアユニットからぶら下がるように設置される。
双対スプレッダ組立体300は、トロリーキャリア上方から突出するケーブル307に装着する上方ヘッドフレーム305a、bを備える。ケーブル307が継続的に中を通ることが可能な滑車308を介して、ケーブルはヘッドフレーム305a、bと係合する。ヘッドフレーム305a、bはそれぞれスプレッダフレーム310a、bに装着される。スプレッダフレーム310a、bは、既存のスプレッダフレームと比較すると、スプレッダフレームの外側のかど330および内側のかど335にツイストロックなどの従来の装着具を含める点が修正されている。したがって、スプレッダフレーム310a、bはそれぞれが単一の荷役装置に装着されるように個別に作用することができる、または代替として単一の荷役装置に係合する単一のスプレッダフレームとして作用するようにスプレッダフレームを合わせて引き寄せることができる。
適合されたスプレッダフレーム310a、bは、シヤーピン320aからdによってヘッドフレーム305a、bに装着される。スプレッダフレーム310a、bと係合するためにヘッダーフレーム305a、bにツイストブロックなどの接続部を設置することが可能であるが、この接続部の特質は、迅速な係合は必要とされず、好都合には使用前に地面上に実行することができるようなものである。したがって、シヤーピン320aからdの使用は、スプレッダフレームをヘッドフレームに装着するための簡便で単純な手段を提供する。典型的には100mmの直径のシヤーピンを使用することができるが、これはその装置に見積もられる荷重によって決まり、これはこの状況における当技術の受け手には明白であろう。
従来技術の双対スプレッダフレームに対する要求は、双対スプレッダフレームによって保持される隣接するコンテナの隙間にどのように対処するかである。本発明の場合、本実施形態にヘッドフレーム305a、b上に配置される油圧式作動装置315a、b、cが提供されている。作動装置315a、b、cは、スプレッダユニットの主軸に対して垂直方向に作用する2つの外側作動装置315a、c、および外側作動装置315a、cと同じ面内で作用するが、スプレッダフレーム主軸に対して傾いている第3の内側作動装置315bを有するように構成される。この作動装置の特定の組み合わせによって、上下移動するコンテナの異なる位置を適合させるためにスプレッダフレームの向きを可変域にすることが可能になる。すべての場合においてコンテナが平坦な地面に置かれ互いに対して完全にまっすぐにはならないことが理解されよう。コンテナが偏向される、または互いに対して傾いた角度の状況であっても、本発明による双対スプレッダ組立体300はやはり、該コンテナと係合し、これを持ち上げることが可能である。
例えば内側作動装置315bを作動することによってコンテナが互いから偏向する場合、スプレッダフレームは、コンテナの主軸と同一線上の反対方向に、すなわち一方が前方に、一方が後方に移動する。
あるいはコンテナの主軸が互いに対して傾いている場合、スプレッダフレームもそのように配向されなければならない。この場合、内側作動装置315bは自由に動くことができ、第1および第2の外側作動装置315a、cは、所望の傾いた向きが実現するまで互いに対してスプレッダフレームを回転させるように差動式に作動する。
これらの動きは、スプレッダフレームが同一面内に留まることを基にする。しかしながら、スプレッダフレームが共通の面の外側にある必要がある場合、これは本発明のこの実施形態によって適合することができる。スプレッダフレームを異なる面内で使用することが必要でありうる状況は、高さの異なるコンテナを持ち上げなければならないとき、または傾斜上にあるトラックの場合、または片側に傾いている船のデッキからなどコンテナが傾斜上にある場合を含める。この場合、作動装置315a、b、c、が装着されるヘッドフレーム305a、bの一部は実際に回転可能な325a、bである。したがって、これらの部分325a、bの回転性に対するブレーキを緩めることによって、これらの高さの差異を支え調整するように作用する作動装置によってスプレッダフレームを異なる高さに巻き上げることができる。
本発明の別の態様において、軸受け組立体400の調整シリンダは、スプレッダフレーム310a、bの高さを調整するために使用することができ、さらに本発明のこの実施形態の適応性を高める。
図5は、本発明の一態様による分配トロリー200を示す。従来の巻上システムが、スプレッダ組立体がぶら下がるトロリーとして作用する一体式キャリアを有するのに対して、この実施形態における本発明は、作動装置210a、bによって結合する2つの別個のキャリア205a、bを提供する。この実施形態による分配トロリーは、特に双対スプレッダ構成での使用に適している。このような並行するコンテナに適合するためにスプレッダフレームが分離する構成において、従来技術によるトロリーキャリアは固定関係にある。したがってスプレッダフレームが分離するので、スプレッダフレームがぶら下がるケーブルはますます傾き始め、この角度に適合するためにケーブルの張力の増加につながる。本発明において、作動装置210a、bは、ケーブルがほぼ垂直になるように、双対スプレッダフレームの分離に対応する位置に別個のキャリア205a、bを分離するように作動する。
トロリーユニット205a、bは別個のユニットではあるが、やはり該キャリアは作動装置210a、bによって結合される。したがって、全体のユニットとしてのトロリーの移動は、トロリーが固定構造体のクレーンレールに沿って走るように該キャリア205aの1つが有するモータのみによるものである。この目的のために、分配トロリー200はマスタートロリー205aおよび従属トロリー205bとに分かれ、マスタートロリー205aには従属ユニットも駆動するのに十分な容量のモータが取り付けられる。
図6は、分配トロリーが単一のトロリーキャリア350内に可動式滑車輪355、360、365を包含する本発明の別の実施形態を示す。先の実施形態のように、この構成はケーブル367、370、375を使用してスプレッダ組立体380がぶら下がるトロリー350を含む。
この実施形態において、対応するケーブル375が傾いており付加される荷重が増加する1つのキャリア365の第1の位置が示される。第2のキャリア355は、ほぼ垂直である所望の位置にケーブル367を有するので、これらの対応するケーブル375も垂直になるように第1のキャリア365を移動させることが望ましい。
したがって、第1のキャリア365は位置360に移動し385、これにより次にケーブルはほぼ垂直になることにより、ケーブルの荷重を減少させる、あるいはより望まれる配置を利用する。
別の代替の構成として、図7は調整シリンダ500の実施形態を示す。この構成において、巻上ドラム510はケーブル505aからdを制御する。ケーブルはトロリーおよびヘッドフレーム(図示せず)に進む前に滑車輪を通って進む。調整シリンダの目的は、ケーブルの長さを個々にまたは一括して変えることである。先の実施形態において、これは直列のシリンダを伸長することによって実現された。本実施形態において、長さを伸ばすことは、ケーブルが通る経路を縮小することから生じる。詳細には調整シリンダ520aからdは滑車輪515aからdを直接支え、実際にはケーブルには接触しない。滑車輪515aからdは、シリンダ520aからdによって付加される力の影響を受けて可動である。したがって、シリンダを収縮させることによって、それに応じて滑車輪515aからdを移動させる525aからd。内側に移動することによってケーブル505aからdがたどる経路は短くなり、影響されないケーブルに対してヘッドフレームの対応する部分を下げることになる。逆にシリンダを伸長することによって滑車輪が外側方向に動き、経路を長く伸ばし残りの部分に対してヘッドフレームの対応する部分を持ち上げることになる。
本発明の一実施形態による巻上機構の等尺図である。
本発明の別の実施形態による単一の巻上機の作動の概略図である。
本発明の別の実施形態による調整シリンダの概略立面図である。
本発明の別の実施形態による分配トロリーの等尺図である。
本発明の実施形態による双対スプレッダ組立体の等尺図である。
本発明の別の実施形態による巻上機構の立面図である。
本発明の別の実施形態による調整シリンダの等尺図である。