JP2008524917A - 負荷補償した測定値使用のブラインド・ハンドオーバ - Google Patents
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Abstract
CDMAアクセス技術を使用するセルラー無線システムでハンドオーバを開始する方法。移動機(5)は在圏セル(4)に存在し、在圏セル(4)からターゲットセル(7)にハンドオーバが行われるものとする。ハンドオーバが行われる前に、ターゲットセル(7)からの信号の品質が推定される。移動機は、在圏セルからの信号の品質、好ましくはパイロットトーンのEc/Ioを測定する。RNCノードは、測定した信号品質ならびに在圏セルとターゲットセルにおける負荷に依存した量の関数として推定信号品質を計算し、ターゲットセルの推定信号品質が所定の最小値を上回るか、または測定した信号品質を上回るとき、ハンドオーバの開始を決定する。負荷に依存した量として、合計送信電力PsとPtが使用されてもよい。
Description
本発明は、一般にセルラー無線システムに関し、特にCDMAアクセス技術を使用するセルラー無線システムにおける周波数間ハンドオーバ方法に関する。
ハンドオーバは、セルラー無線システムおよびパーソナル通信システムで利用され、通話を維持しながら、移動機が、ある基地局のサービスエリアから別の基地局のサービスエリアに移動すること可能にする。ハンドオーバは、普通、移動機と実施中の通信を現在の基地局から新しい基地局に移し換えるために利用されるが、移動機との通信を同じ基地局のフォワードリンクとリバースリンクの1組から別の組にハンドオーバすることも可能である。
CDMAシステムでは、基地局間の移動機のハンドオーバは、ソフトハンドオーバの場合もあるし、ハードハンドオーバの場合もある。
周波数の切り替えを要する周波数間ハンドオーバは、典型的なハードハンドオーバであり、移動機は、ある動作周波数で動作している1組のフォワードリンクとリバースリンクから、別の動作周波数で動作している別の1組のフォワードリンクとリバースリンクに切り替え、すなわち移し換えられる。
ハンドオーバが先行技術に従って行われようとするとき、携帯電話機は、候補となる隣接基地局から到来した信号の信号強度測定を行い(または候補となる隣接基地局が、携帯電話機から到来した信号の信号強度測定を行い)、この測定値を使用して、どの基地局にハンドオーバすべきかを判定する。
WCDMAシステムでは、すべての通信が同一の動作周波数で行われ、その同一の動作周波数とは異なる周波数を使用する候補基地局の信号強度すなわち信号品質を携帯電話機で測定することは、通常コストに関係する。実際の動作周波数とは異なる周波数で測定を行うと、サービスを損なったり、データのスループットが減少したり、あるいは接続を維持するために実際の動作周波数では余分の送信電力を必要としたりすることもある。
セルラーCDMAシステムの周波数間ハンドオーバは、以下のシナリオでも使用されてもよい。既存の「古い」周波数ですべてが動作している既存の複数の「古い」セルを備える地域でトラヒック負荷が増加したとき、システムオペレータは、トラヒック容量を増加するために、新しい周波数を使用する新しいセルを構成し追加することを決定してもよい。初めのうちは、新しいセルは、古いセルと同じサービスを提供し、同じリソースを提供してもよい。時間とともに技術が進歩するので、新しいセルで古いサービスをより効率的に実現させたり、または新しいセルで古いサービスを新技術で実現させたり、または新しいセルで新サービスを実現させたりすることが望まれるかもしれない。新技術は新しいハードウェアを必要とすることもある。それ故、コストが理由で、システムオペレータは、新しいセルだけに新しいハードウェアを導入し、既存の「古い」セルのすべてには導入しない。このようにして、新サービスまたはサービスを実現する新しい方式が、多数の人々に利用可能となる。
新しいセル用に新しい基地局用地を見つけることは、用地取得と呼ばれる。都市部では、好ましい用地が既に他の無線システムに使用されているので、用地取得は難しい。それ故、新しい基地局はしばしば「古い」基地局と同一の場所に配置される。これは、新しい基地局のハードウェアが、「古い」基地局の空きスペースに設置され、新しい基地局のアンテナが、既存の基地局のアンテナと同じマストまたは柱に設置されることを意味する。
ネットワークが建設されるとき、セル計画が立てられ、各基地局が備えるアンテナのサービスエリアの測定と論理計算が行われる。同一場所に設置されるアンテナの場合は、1つのセルレイヤに位置するアンテナのサービスエリアと同一の場所に設置される他のセルレイヤに位置するアンテナのサービスエリアとの間で重なり合いが生じてもよい。その重なり合いを、本明細書では「カバレッジ関係(カバレッジリレーション)」と呼ぶ。カバレッジ関係は、無線システムの中に構成される。WCDMAシステムでは、カバレッジ関係を示す情報は無線ネットワーク制御(RNC)ノードに把握されることになる。
セルの境界はゾーンで示され、それを越えると、隣接セルの基地局の無線信号強度すなわち信号品質は、現在携帯電話機が在圏している基地局の無線信号強度すなわち信号品質を上回る。信号品質により規定されるセルの境界ユーザは動的である、すなわち、いつも変動する。その理由は、セル内の携帯電話機は移動し、その送信機の送信電力制御に加え基地局の送信機の送信電力制御も必要とする、無線状態の変動が存在するからである。さらに、携帯電話機が新しくセルに入り、前からいる携帯電話機がセルから出て行くことも、基地局の電力レベルの調整を頻繁に行わせる。セル境界(=セルのサービスエリアすなわちセルの半径内の範囲)の動的な特質は、通常セル内の送信電力使用に依存し、「セルの呼吸(セルブリージング)」と呼ばれている。
基地局の送信電力制御は、携帯電話機が受信するサービスに関してフルカバレッジを有するか否かに応じて、様々なやり方でそれぞれのセルの半径に影響を及ぼす。携帯電話機がフルカバレッジを有する場合、その携帯電話機が受信するサービスは基地局送信電力の大きさに関係ないとの意味を含み、携帯電話機は、その携帯電話機の位置にかかわらず、少なくとも1つのセルから許容できるサービス品質を享受するだろう。この場合、すなわちフルカバレッジの場合、セルの境界は基地局送信電力の調整により影響を受けないだろう。しかし、干渉レベルは影響を受け、それ故セル半径は局部的に影響を受けるだろう。携帯電話機がフルカバレッジを有しない場合、カバレッジは、(a)携帯電話機がその最大電力で送信しているときの、携帯電話機から基地局までの距離と、(b)基地局が最大電力で送信しているときの、基地局から携帯電話機までの距離で、決定されるだろう。隣接した基地局または携帯電話機からの干渉にかかわらず、携帯電話機に許容可能なサービス品質を提供するこれらの最短距離によって、カバレッジが確定される。したがって、フルカバレッジでない場合、基地局の送信電力が変動するとき、基地局のセルの半径もまた変動するだろう。
本発明は、新しいセルが新サービスを提供するかまたはサービスをより効率的に提供するという事実から出発する。したがって、古いセルと新しいセルは、利用可能にするサービスまたはサービスを利用可能にする方式に関して異なる。古い移動機は、新サービスまたはサービスを利用可能にする新しい方式をサポートできない。したがって、新サービスまたはサービスを提供する新しい方式をサポートするため、新しい移動機が必要となる。新しいセルは、トラヒック負荷を平均させるために加えられてもよい。
周波数間ハンドオーバは、それに関与する通話者に迷惑と不便をかける通話中断を引き起こすリスクを潜在的に有している。
周波数間ハンドオーバの信頼性を高める1つの方法は、米国特許第6,741,577号に記載されているように、ハンドオーバ中の拡散率を増加することである。別の方法は、米国特許第6,546,252号に記載されるように、第1の周波数に関してオフセット調整した測定値を使用することにより、第2の周波数の品質を評価することである。米国特許第6,681,112号には、周波数間ハンドオーバ方法が記載されており、ハンドオーバが行われる先の周波数に関して、すなわちターゲット搬送波に関して、直接信号強度RSSIが測定される。
米国特許第6,741,577号明細書
米国特許第6,546,252号明細書
米国特許第6,681,112号明細書
本発明の1つの目的は、携帯電話機にターゲット周波数の測定を要求することなしに、在圏搬送波周波数または単に在圏搬送波と呼ばれる第1の周波数から、ターゲット搬送波周波数またはターゲット搬送波と呼ばれる第2の周波数へ、周波数間ハンドオーバを開始する方法を提供することである。ターゲット周波数の測定値を知ることなくハンドオーバが実行されるため、このハンドオーバは「ブラインド」と呼ばれる。
本発明の別の目的は、ターゲット周波数の品質を推定し、推定品質がターゲット搬送波を送信する基地局のサービスエリア内に携帯電話機があることを示すとき、ハンドオーバを決定することである。
本発明の別の目的は、在圏搬送波からターゲット搬送波へのブラインド周波数間ハンドオーバを開始すべく、在圏搬送波について負荷とカバレッジに依存した量を測定し、負荷とカバレッジに依存した量を、ターゲット搬送波と在圏搬送波の相対的負荷で補償し、この情報をハンドオーバの判定を行う基礎として使用する。
本発明に従う周波数間ハンドオーバは、ハンドオーバ前は第1の周波数で携帯電話機と基地局との間で、およびハンドオーバ後は第2の周波数で携帯電話機と基地局との間での通信が著しくは中断されず、ハンドオーバ後の第2の基地局により提供されるQoSが、ハンドオーバ前に第1の基地局が提供したQoSと悪くても同じであるはずという意味で、シームレスのハンドオーバといえる。
本発明のさらに別の目的は、例えばWCDMAシステムのマイクロセル(在圏搬送波で送信している)から同じWCDMAシステムのマイクロセルをカバーするマクロセル(在圏搬送波と同じ周波数のターゲット搬送波で送信している)へ、携帯電話機にターゲット搬送波の測定を要求することなしに、トラヒックを分散することを目的としてブラインド周波数間ハンドオーバを開始する方法を提供することである。
図1において、セルレイヤAは、第1の搬送波周波数f1で動作するWCDMAベースの無線システムである。セルレイヤAは複数のセルを備え、その中の3つのセル1〜3だけが示されている。各セルには基地局用地があり、その用地は、送信機、受信機、電源装置を収容する建物、およびその近くにあるアンテナを搭載する搭または柱を備える。指向性を与えるセクタアンテナまたはアンテナアレーが、頻繁に使用される。明確にするために、セル2だけが、象徴的に4で示される基地局とともに示されている。セル2内を移動する移動機5は、無線パス6を通じて基地局4と無線接続する。
セルレイヤAのネットワークオペレータは、基地局4の基地局用地に同一場所設置の基地局7も持つ。基地局7のアンテナは、基地局4のアンテナと同じ搭に載っている。その同一場所設置の基地局は、第2の搬送波周波数f2で動作している。基地局7は、図1に概略的に示されるように、別のWCDMAセルレイヤBの一部である。
移動機5は、基地局7から提供されるサービスを受信するのに必要な機能を備えているものとする。
移動機5は、基地局4から基地局7にハンドオーバするはずであると仮定する。したがって、セル4は在圏セルであり、その基地局は、在圏搬送波f1で送信している。セル7はターゲットセルであり、その基地局7はターゲット搬送波f2で送信している。
また、移動機は在圏セル内でアイドル状態にあり、セッションの開始を希望しているものと仮定する。それ故、基地局4に発呼要求を送信する。発呼要求は、3G標準によれば、様々な種類の情報を備え、その情報の中に、移動機は新サービスを実行可能または新サービスを実現可能という事実を示す情報がある。基地局は、発呼要求をセルレイヤAのセルを制御する無線ネットワーク制御(RNC)ノードに転送する。RNCノードが発呼要求を受信すると、ネットワークは移動機の新性能についての情報を入手して把握したことになる。よって、RNCノードは、移動機が周波数f1を使用していて、基地局7のサービスを受けるべき場合、不適切な周波数であることも、今や判定できる。
ここで問題が生じる。それは、ハンドオーバが何の制約もなしに直ぐに行われる場合、RNCは、移動機がターゲット基地局7からサービスを受けられるかどうかを判定できないことである。シームレスなハンドオーバは望ましいが、セルエリアと搬送波電力は動的に変化し、移動機は、在圏基地局とターゲット基地局7に関して、同一である所与の地理的位置に存在するので、状況が例えば図1に示されるように、移動機がセル2の外縁近くの内側であって、かつ、円9により示されたエリアであるターゲットセル8のサービスエリアの外側に位置する場合、RNCはシームレスなハンドオーバを保証することができない。
図1で示される状況では、移動機5の地理的位置を受け持つセルレイヤBの隣接セルは存在しない。それどころか、図解されるようにセルレイヤBのセル間には、「サービスが提供されない」エリアがある。
移動機5がターゲット搬送波の品質を測定することは易しい問題であろうが、前述のように、これはコストのかかる操作である。本発明のもとでは、ターゲット搬送波の品質は、代わりに本発明に従う以下のスキームを使用して推定される。
第1の工程(オプション)として、セルレイヤA内の基地局から発信されるブロードキャスト信号は、全移動機にセルレイヤAの基地局にその存在を登録(位置登録)せよと命令する情報を補完される。基地局4からのブロードキャスト信号は、移動機にセル2の身元および在圏セルとして移動機がセル2を選ぶために移動機の信号が超えなければならない閾値を通知する。さらに、基地局4からのブロードキャスト信号は、移動機に隣接セルの存在とそれぞれの閾値について通知する。この場合、隣接セルはセル1とセル3である。このやり方で、移動機を一種の群れ(例えば、動物の群れ)のように制御し、群れに行く先を命令すること、この場合セルレイヤAに行けと命じることは可能だろう。すべての移動機はこのセルレイヤAのサービスをサポートすることになっているからである。しかし、移動機のすべてがセルレイヤBのサービスをサポートするわけではない。
本発明に従う第1の工程(必須)として、発呼要求信号の受信時に、RNCは、発呼要求信号を受信した基地局にカバレッジ関係があるかどうかを判定する。上記のように、カバレッジ関係に関する情報は、ネットワーク内で保持されている。カバレッジ関係がある場合、本発明に従う第2の工程(必須)が行われる。カバレッジ関係がない場合、本発明に従うそれ以上の工程は行われず、本発明に従うハンドオーバは行われない。
本発明に従う第2の工程(必須)として、在圏セルの基地局の負荷とターゲットセルの基地局の負荷を反映する量は、リアルタイムに監視される。そのような量の一例は、在圏搬送波の合計出力PSとターゲット搬送波の合計出力Ptである。負荷に依存した量の他の例については、後で記述する。
RNCは、在圏セルの合計送信電力の情報を取得する。RNCは、自装置が受け持つ基地局からインターフェースを通じてこの情報を受信する。セルレイヤBのRNCは、自装置が受け持つ各基地局が現在使用している送信電力の情報も受信する。特に、そのRNCは、セルレイヤAとBとの間の信号リンクを通じて、セルレイヤA内のRNCにターゲットセルの送信電力の情報を信号送信(シグナリング)する。
基地局の合計送信電力は負荷の尺度である。送信電力が大きいことは、セルの負荷が大きい(ユーザ数の点から見て)ことの典型的な目安である。あるセル(例えば図1のセル2)の負荷が大きい場合、これは、隣接セル(例えばセル1および3)からの送信電力に起因して引き起こされる。セル1および3は同じ周波数で、しかも高送信電力で送信をしていて、それ故、セル2内の移動機へのダウンリンクに干渉を引き起こす。セル2は、これに対してダウンリンクの送信電力を増大することで、干渉を補償しようと試行する。
この検討から、ハンドオーバ(HO)判定の唯一の根拠としてターゲットセルの送信電力を使用することは十分でないようである。その理由は、負荷が大きい場合、移動機がサービスエリア外(上記の非カバレッジの場合)に飛び出す危険がある。さらに、移動機はターゲットセルについての測定を行わない。
本発明による第3の工程(必須)として、負荷とカバレッジに依存した量は、在圏搬送波で測定される。この測定は、移動機により行われ、結果的に在圏セルの品質に関連したカバレッジを与える。一例は、在圏セルから到来するパイロットトーンのSIRを測定することである。パイロットトーンのSIRは、3G標準に準拠してCPICH Ec/Ioとして測定される。CPICHは、共通パイロットチャネルの頭字語であり、Ecは基地局からの有効RFエネルギーを反映し、移動機で測定される。Ioの項は、移動機で測定される周囲の基地局からの干渉の和を反映する。そのCPICH Ec/Ioの測定値は、移動機で取得され、接続要求メッセージの中に搭載されて、インターフェースを通じて送信され、RNCに報告される。セルからのパイロットトーンは、一定の送信電力で送信され、合計送信電力の変動とは関係がない。セルの負荷が増加すると干渉が増加し、パイロットトーンのSIR値は減少し、品質の劣化を示すだろう。発明者らは、在圏セルの基地局から到来するパイロットトーンについて測定されたSIR値から負荷依存を取り除きたいと考えた。それは、ターゲットセルについての状況を何ら知らせるような情報ではないからである。後で、ターゲットセルにおけるSIR値の負荷依存を導入し、それにより、ターゲットセルの基地局における負荷とカバレッジを反映する推定量を獲得する。
まず初めに、(Ec/Io)sに(Io)sをかけることにより、(SIR)sの比率(Ec/Io)sの負荷依存を取り除く。
上式は、有効RF電力を与える。有効RF電力は、一般に在圏セル内の移動機の位置に依存した量であり、パスの減衰を反映した量である。インデックスsは、サービンセルを指す。
しかし、Ioそれ自体は測定できない。しかし、有効RF電力Psと(SIR)sとの間に関連がある。この関係は、必ずしも比例するものではなくてもよいが、比例するものと仮定することにより、次式の関連を取得する。
(Io)s≒αPs 式1
ここで、αは比例定数であり、インデックスsはサービンセルを指し、インデックスtはターゲットセルを指す。
(Io)s≒αPs 式1
ここで、αは比例定数であり、インデックスsはサービンセルを指し、インデックスtはターゲットセルを指す。
本発明による第4の工程(必須)では、第3の工程(必須)で移動機が測定する品質関連カバレッジは、ターゲット搬送波と在圏搬送波の相対的負荷により補償され、その結果はターゲットセルの推定品質関連カバレッジである。
ここで、SIRの負荷依存部分を、今度はターゲットセルのSIR内に再導入したい。その場合、式1のEcを(Io)tで割り算しなければならないだろう。(Io)tそれ自体の値を知らないので、ターゲットセルにおける(Io)tと合計送信電力Ptとの間の同様の関係(Io)t≒α’Ptを使用し、次式を得る。
αとα’はほぼ等しいと仮定すると、次式のように書ける。
ターゲットセルのSIRは、次式のように書いてもよい。
両辺の対数を取り、その結果をdBで表すと、次式が得られる。
(SIR)t=(SIR)s+Ps−Pt 式4
数学的には、ターゲットセルからの推定信号品質は、次式のように書いてもよい。
(SIR)t=g2(g1((SIR)s,Ps),Pt) 式5
ここで、(SIR)sは、在圏セルの基地局(4)から送信されたパイロットトーンの信号対干渉比であり、
g1は、Psから(SIR)sに対する負荷依存を取り除くことを目的とする関数であり、
g2は、Ptから(SIR)sに対する負荷依存を加えることを目的とする関数であり、
Ptはターゲットセルからの合計伝送電力であり、
Psは在圏セルからの合計伝送電力である。
(SIR)t=(SIR)s+Ps−Pt 式4
数学的には、ターゲットセルからの推定信号品質は、次式のように書いてもよい。
(SIR)t=g2(g1((SIR)s,Ps),Pt) 式5
ここで、(SIR)sは、在圏セルの基地局(4)から送信されたパイロットトーンの信号対干渉比であり、
g1は、Psから(SIR)sに対する負荷依存を取り除くことを目的とする関数であり、
g2は、Ptから(SIR)sに対する負荷依存を加えることを目的とする関数であり、
Ptはターゲットセルからの合計伝送電力であり、
Psは在圏セルからの合計伝送電力である。
その結果は、在圏搬送波からターゲット搬送波へのHO判定の根拠として使用される。第4の工程は、セルレイヤA、好ましくはRNCノードで実行される。
創意に富んだ本方法は、在圏セルとターゲットセルのアンテナは同じ場所に設置されているという事実を使用する。同一場所に設置されていることは、2つのセルの負荷、それ故それらセルのSIRも同じであるならば、在圏セルのアンテナと移動機との間の無線パス6の減衰は、ターゲットセルのアンテナと同じ移動機との間の無線パス10の減衰と同じである。通常は、セルの負荷は異なる。ターゲットセルと在圏セルとの間の負荷の差は、それ故、ターゲットセルと在圏セルとの間のSIRの差に等しいであろう。
移動機が在圏セルのSIR(パイロットトーンのEc/Io)を測定する場合、ターゲットセルと在圏セルとの間の負荷の差で、在圏セルについて測定したSIRを補償することにより、ターゲットセルのSIRを推定することは可能である。
上記のように、カバレッジは負荷(ダウンリンクの送信電力)によって変わるので、それ故、負荷の差はカバレッジの差の尺度でもあるだろう。
在圏セルから遠く離れた移動機は、在圏セルに干渉するセルにより近いだろうことに留意。それ故、カバレッジの減少は2つの理由で起こることがある。
(a)移動機に対するパス減衰の増加。したがって、移動機からの信号強度は減少するだろう。
(b)移動機における干渉の増加。その理由は、移動機が干渉するセルに近いからである。したがって、移動機における干渉電力は増加するだろう。理由(a)と(b)を総合すると、移動機においてSIRが減少する結果になるだろう。
(a)移動機に対するパス減衰の増加。したがって、移動機からの信号強度は減少するだろう。
(b)移動機における干渉の増加。その理由は、移動機が干渉するセルに近いからである。したがって、移動機における干渉電力は増加するだろう。理由(a)と(b)を総合すると、移動機においてSIRが減少する結果になるだろう。
式4は、次式のように書いてもよい。
(Ec/Io)t+Pt=(Ec/Io)s+Ps 式6
上式によると、在圏セルの負荷と干渉の和がターゲットセルの負荷と干渉の和に等しい場合、在圏セル内であるサービス品質(QoS)を持つ移動機は、ターゲットセル8で同じQoSを持ちそうである。
(Ec/Io)t+Pt=(Ec/Io)s+Ps 式6
上式によると、在圏セルの負荷と干渉の和がターゲットセルの負荷と干渉の和に等しい場合、在圏セル内であるサービス品質(QoS)を持つ移動機は、ターゲットセル8で同じQoSを持ちそうである。
本発明による第5の工程(必須)として、以下の2条件のいずれかでも満足される場合、ハンドオーバが行われる。
ターゲットセル内の推定SIRが当該のサービスに関して、少なくとも最小所定SIRを持つ、すなわち(CPICH Ec/Io)t≧(CPICH Ec/Io)minimumの場合。サービスが異なると、最小SIR値は異なってもよい。
ターゲットセル内の推定SIRが、在圏セル内のSIRを上回る場合。例えば、推定SIRは、在圏セル2内の実際のSIRより少なくとも3dBよいだろう。
HOが行われるためには、もちろん、移動機は、ターゲットセルでサービスを受けるのに必要な性能を有する種類である必要がある。移動機は、発呼要求メッセージ内でRNCにその性能に関する情報を送信する。
図2は、上記見出しのもとで検討した工程をフローチャートで説明する。図では、RBSは、無線基地局の略語である。
[他の実施形態]
基地局からの信号品質を推定するパラメータとして、ターゲット基地局の合計送信電力と在圏基地局の合計送信電力を使用する代わりに、基地局の負荷に関連する他の量を使用してもよい、例えば在圏搬送波とターゲット搬送波におけるコードツリーを活用してもよい。
[他の実施形態]
基地局からの信号品質を推定するパラメータとして、ターゲット基地局の合計送信電力と在圏基地局の合計送信電力を使用する代わりに、基地局の負荷に関連する他の量を使用してもよい、例えば在圏搬送波とターゲット搬送波におけるコードツリーを活用してもよい。
無線システムの中には、直交可変拡散率(OVSF)コードを基にしているものがある。コードは相互に直交し、コードは2分木のように構成され、各ノードは2つの枝を持つ。最上位のノードは、2つの枝に分割され、各枝はそれぞれのノードに接続する。これらは、拡散率2のコードである。1階段さらに下がって、拡散率4のコードが4つある。次に拡散率8のコードが8つある等である。ずーっと下がって、拡散率128を持つ128のコードがあり、それはWCDMAの音声の拡散率である。1つのコードを1つの接続に割り当てるとき、割り当てられたノードの下の全ノードは占有される。コードツリー利用率は、全割り当てコード数に拡散率(sf)の逆数を掛けたものの和と表現してもよい。例えば、sf128で7つのサービス、sf32で1つのサービス、およびsf8で2つのサービスのコードツリー利用率は、
(7・1/128)+(1・1/32)+(2・1/8)=43/128
に等しく、約0.34である。
(7・1/128)+(1・1/32)+(2・1/8)=43/128
に等しく、約0.34である。
また別の負荷に依存した量は、在圏搬送波とターゲット搬送波におけるASE(Approximate Speech Equivalent)である。ASEは、だいたい正確な音声当量の略語であり、無線リソースに関して表現された音声コストで正規化されたサービスコストの推定値である。上記の式のPtとPsの代わりに、式4を除いては、対応するパラメータが使用されるべきである。
本発明の代替実施形態では、セルレイヤBはセルレイヤAと同じ周波数で動作してもよい。例えば、セルレイヤAはマイクロセルを提供するのに対して、セルレイヤBはマクロセルを提供する。
本発明のまた別の実施形態では、セルレイヤAとBは同じ周波数で動作し、セルレイヤBへのHOは、基地局4と7との間の負荷を分担するために行われる。
また別の実施形態は、好ましい実施形態および/または最初に述べた2つの代替実施形態のどれかを組み合わせたものでもよいが、その実施形態では、図に示されていない第3のセルレイヤCがあり、基地局を有している。工夫に富んだ本方法は、セルレイヤBとC内のターゲット基地局に適用され、2つの推定品質値をもたらす。ハンドオーバは、最高の推定品質値を持つターゲット基地局に対して行われる。
RNCノード以外のノードが、ターゲット基地局で推定信号品質値を計算してもよい。
図2では、「在圏RBSとターゲットRBSの合計送信電力を取得する」工程と、「移動機に在圏RBSのパイロットトーンのSIRを測定させる」工程とが実行される順序は、逆にされてもよい。
留意すべきことは、第2と第3の工程(必須)が実行される順序は、逆にされてもよいことである。
上記から明らかなことは、本発明は、リソース構成に基づいている。在圏セルとターゲットセルとの間にカバレッジ関係が構成されている必要があるからである。カバレッジ関係のないセルでは、本発明は役に立たない。本発明は、一定のサービスにだけ適用されるので、サービスにも基づいている。基地局が提供するすべてのサービスには適用されない。最後に、ターゲットセルの負荷と在圏セルの負荷がハンドオーバの判定で使用されているので、本発明は負荷を基にしている。
Claims (19)
- CDMAアクセス技術を使用するセルラー無線システムにおいてハンドオーバを開始する方法であって、前記セルラー無線システムは、対応した無線基地局によりサービスを提供する第1周波数帯を使用する複数の第1セル(1−3)と、対応した無線基地局によりサービスを提供する第2周波数帯を使用する複数の第2セルと、前記複数の第1セルのうち在圏セル(2)に位置している場合に、前記在圏セル(2)から前記複数の第2セルのうちのターゲットセル(8)へとハンドオーバする移動機(5)とを含み、
前記方法は、
前記在圏セルの無線基地局(4)からの信号の信号品質、前記在圏セルの無線基地局における負荷に関連した量、及び、前記ターゲットセルの無線基地局(7)における負荷に関連した量の関数である、前記ターゲットセルの無線基地局からの信号の信号品質を推定する工程と、
前記ターゲットセルの無線基地局からの信号についての推定された信号品質が所定の最小値又は測定された信号品質よりも良いときにハンドオーバを開始すると決定する工程と
を含むことを特徴とする方法。 - 前記在圏セルの無線基地局(4)からの信号の信号品質は、前記在圏セルの無線基地局(4)送信するパイロットトーンの信号対干渉比(SIR)を前記移動機が測定することによって取得されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記在圏セルの無線基地局における負荷に関連した量、及び、前記ターゲットセルの無線基地局(7)における負荷に関連した量は、合計送信電力(Ps,Pt)、コードツリー又は近似的音声等価量(ASE)であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記ターゲットセルの無線基地局からの信号についての推定された信号品質は、前記在圏セルの無線基地局(4)送信するパイロットトーンの信号対干渉比を(SIR)sとおくと、
(SIR)t=g((SIR)s, Ps, Pt)
という式で表されることを特徴とする請求項3に記載の方法。 - 前記ターゲットセルの無線基地局からの信号についての推定された信号品質は、前記在圏セルの無線基地局(4)送信するパイロットトーンの信号対干渉比を(SIR)sとおくと、
(SIR)t=g2(g1((SIR)s, Ps), Pt)
という式で表され、
g1は、(SIR)sについての負荷依存量をPsから除去することを目的とした関数であり、
g2は、(SIR)sについての負荷依存量をPtに加えることを目的とした関数であり、
Ptは、前記ターゲットセルからの信号の合成送信電力であり、
Psは、前記在圏セルからの信号の合成送信電力である
ことを特徴とする請求項3に記載の方法。 - 前記ターゲットセルからの信号についての信号対干渉比は、
(SIR)t = (SIR)s + (Ps − Pt)
という式から算出され、(SIR)t、(SIR)s及び(Ps − Pt)はいずれもdB値であり、(SIR)sはパイロットトーンについての信号対干渉比である
ことを特徴とする請求項5に記載の方法。 - 前記パイロットトーンについての信号対干渉比は、前記移動機(5)において測定された干渉信号のエネルギーに対する共通パイロットチャネル(CPICH)信号の有効エネルギーを示すEc/I0であることを特徴とする請求項6に記載の方法。
- 前記在圏セルのカバレッジの測定値を取得すべく、前記移動機において、前記在圏セルかからの信号の信号品質を測定する工程と、
前記セルラー無線システムから、
前記在圏セルの負荷に依存した量を取得すべく、前記在圏セルの無線基地局によって使用されている合計送信電力と、
前記ターゲットセルの負荷に依存した量を取得すべく、前記ターゲットセルの無線基地局によって使用されている合計送信電力と
を取得する工程と、
前記在圏セルの負荷と前記ターゲットセルの負荷とを用いて前記在圏セルのカバレッジの測定値を補償することによって、前記ターゲットセルのカバレッジの目安を推定する工程と、
前記ターゲットセルの無線基地局からの信号についての推定された信号品質が所定の最小値又は測定された信号品質よりも良いときにハンドオーバを開始すると決定する工程と
を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記無線基地局から送信され前記移動機において測定された前記パイロットトーンの信号対干渉比と、アクセスセルレイヤーからアクセス可能なサービスの品質との間の関係を構築するステップをさらに含み、前記関係は、所定の最小信号品質が前記ハンドオーバのために確保できるような関係であり、前記関係は、アクセスセルレイヤーからアクセス可能なサービスにそれぞれについて個別に設けられた関係である
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。 - 前記在圏セルと前記ターゲットセルとにおけるカバレッジの差異を表す指標が得られるよう、前記ターゲットセルの無線基地局におけるdBでの送信電力(Pt)を、前記在圏セルの無線基地局におけるdBでの送信電力(Ps)から減算する工程と、
前記移動機において測定された前記在圏セルのカバレッジを前記減算による差分(Ps−Pt)により修正することで、前記ターゲットセルからの信号について推定された信号品質を取得する工程と
をさらに含むことを特徴とする請求項8に記載の方法。 - 前記第1セルに配置された無線基地局は、前記移動機に対してメッセージをブロードキャストしており、
前記方法は、
初期において前記第1セルに1つである前記在圏セルを選択するよう指示するための指示を前記ブロードキャストされているメッセージに挿入する工程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。 - 前記在圏セルと前記ターゲットセルとの間にカバレッジ関係が構築されているかどうかを判定し、
前記カバレッジ関係が構築されていれば、前記請求項6に記載された工程を実行し、
前記カバレッジ関係が構築されていなければ、前記ハンドオーバを実行しない
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。 - 前記在圏セルの無線基地局のアンテナと前記ターゲットセルの無線基地局とのアンテナが同一に位置に設置されているかいなを判定し、
同一の位置に配置されていれば、前記請求項6に記載された工程を実行し、
同一の位置に配置されていれば、前記ハンドオーバを実行しない
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。 - 前記ハンドオーバを実行する理由が、前記在圏セルが提供していない新しいサービスを提供するハードウェア又はソフトウエアを前記ターゲットセルが備えていること、あるいは、前記在圏セルが提供しているサービスをより効率よく提供するハードウェア又はソフトウエアを前記ターゲットセルが備えていることである
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。 - 前記ハンドオーバを実行する理由が、前記在圏セルの負荷を分散することである
ことを特徴とする請求項8に記載の方法。 - 前記第1周波数帯(f1)は、前記第2周波数帯(f2)と異なることを特徴とする請求項8に記載の方法。
- 前記第1周波数帯(f1)は、前記第2周波数帯(f2)と同一であることを特徴とする請求項8に記載の方法。
- 前記セルラー無線システムは、第3周波数帯を使用する複数の第3セルをさらに含み、
前記第3セルに属するセルをターゲットセルとしてハンドオーバを開始することを特徴とする請求項8に記載の方法。 - 前記ターゲットセルからの信号についての信号品質の推定は、アクセスネットワークに配置された無線ネットワーク制御装置(RNC)ノードにおいて実行され、
前記無線ネットワーク制御装置(RNC)ノードは、前記在圏セルの前記合計送信電力(Ps)と前記ターゲットセルの前記合計送信電力(Pt)とをリアルタイムでモニターすることを特徴とする請求項1又は8に記載の方法。
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