JP2008524510A - バルブ、詳細には圧縮機用バルブ - Google Patents

Abstract

少なくとも一つの流路１１１を備える弁座１と、前記流路１１１を閉塞することができ且つ前記弁座に対して所定方向へ動くことができる閉塞具部材４と、この閉塞具４を弾性的に押圧する手段５であってこの閉塞具４を所定位置へ押しやることができ且つこの閉塞具の運動の方向へ作動する手段とを具備し、この弾性押圧手段５が少なくとも一つの円筒つる巻圧縮ばね５を含んでいるバルブ、詳細には圧縮機用バルブであって、前記ばね５の総ての巻回同士の間の且つ全作動長に沿う巻回間隙間の存在を特徴とするバルブ。

Description

本発明は、バルブに関し、詳細には往復型の往復圧縮機用バルブに関する。

上記の圧縮機において現在使用されている型のバルブは、内部に形成されていて同心状であっても非同心状であってもよい複数の軸流路を有するプレートから成っている、弁座と呼ばれる弁胴を含む、通常は自動弁である。上記の流路の開放及び閉塞は、複数の要素から成っていても単一の要素から成っていてもよい部材である、閉塞具によって実行される。総ての場合に、この閉塞具は、弾性押圧手段、一般的には金属製の円筒つる巻圧縮ばねの作用を受ける。このばねは、内部に貫流路が形成されているプレートから成っている（『対向弁座』と呼ばれる）弁胴内に収容されている。上述のばね筐体は、熱可塑性材料で作られていることが好ましい、ばねの表面と、例えば、対向弁座かまたは閉塞具自体に形成されている筐体の壁の様な外部金属部品との間の金属接触を排除する機能を有する、ばね保護要素をも含んでいてよい。

上記のばねの大部分は、円筒つる巻線かまたは円錐つる巻線を有する圧縮型である。鋼線で作られている上記のばねは、有効巻回と非有効巻回との合計に等しい総巻回数で形成されている。非有効巻回は隣接巻回と接触しており、更に、上記のばねの良好な軸方向安定性を確保するために上記の巻回は両端において適切に研削されている。

このばねはバルブの最も危ない部品の一つを構成しており、実際、高い開放／閉塞周波数は、それ自体及びそれと接触している部品に、種々の性質及び種々の程度の摩耗を生じさせる。最新の技術水準によると、ばねの運動によって引き起こされる上記の摩耗の大部分が、分析及び定義されており、以下の通りに分類されてよい。
Ａ）ばねの外表面と筐体空洞の表面との間の摩耗であって、この摩耗はばねと筐体との間に挿入される可塑性要素の導入によって排除される。
Ｂ）ばねの基端部と筐体空洞支持表面との間の摩耗であって、この摩耗は可塑性要素の導入によって排除される。
Ｃ）ばねの先端部と閉塞具に対する接点の表面との間の摩耗であって、この摩耗は可塑性要素の導入によってかまたは可塑性閉塞具の導入によって排除される。

これらの改善にも拘らず、ばねはバルブの最も危ない部品の一つで且つ故障の原因であり続けている。ますます速い圧縮機の開発と圧縮ガス中の油を排除するための絶えざる努力とが、上述の構成部分の信頼性における問題を増加させた。

従って、本発明の目的は、最新の技術水準で知られている圧縮機用バルブと比較してばねの摩耗特性が最適化されていて、圧縮機のもっと長い作動寿命を確保する、圧縮機用バルブを提供することである。

従って、本発明は、少なくとも一つの流路を備える弁座と、前記流路を閉塞することができ且つ前記弁座に対して所定方向へ動くことができる閉塞具部材と、この閉塞具を弾性的に押圧する手段であってこの閉塞具を所定位置へ押しやることができ且つこの閉塞具の運動の方向へ作動する手段とを具備し、この弾性押圧手段が少なくとも一つの円筒つる巻圧縮ばねを含んでいるバルブ、詳細には圧縮機用バルブであって、前記ばねの総ての巻回同士の間の且つ全作動長に沿う巻回間隙間の存在を特徴とするバルブに関する。

本発明によるバルブの更なる特徴によると、前記円筒つる巻圧縮ばねは総ての巻回同士の間で且つ全作動長に亙って巻回間隙間を備えており、開放円錐終端巻回であることが好ましい末端巻回とすぐに隣接している巻回との直径の差が、前記ばねを形成している金属線の断面の少なくとも約１．５倍であり２倍であることが好ましい。

好ましい実施形態では、両方の末端巻回の寸法が、すぐに隣接している巻回の寸法よりも小さい。本発明によるバルブは、可塑性材料で作られていることが好ましく且つばねの摩耗を更に保護するためにこのばねを収容している筐体内に配置されている、保護部材を備えていることが好都合である。

本発明による装置の更なる利点及び独特の特徴は、非限定的例としてのみ提供されているこの装置の実施形態の下記の記載と添付図面の参照とから明らかになる。

図１は本発明によるバルブの実施形態を示しており、流体の流路として機能する軸方向であり偏心している複数の通り穴１１１を備えており且つボルト６のねじ山付き端部３０６が係合している中央の軸方向のねじ山付きの通り穴２０１を有するプレート１０１を含む、上記のバルブの弁座を、１が示している。プレート１０１には、通り穴１１１と連通している溝１２１も形成されている。ボルト６の中央部は、そこに取り付けられている、ブッシュ４０６と、中央の軸方向の通り穴３０２を備える対向弁座２とをも有しており、弁座１、ブッシュ４０６及び対向弁座２は、ボルト６のねじ山付き端部２０６にねじ止めされているナット１０６によって互いに固定されている。軸方向の通りダクト１０２が対向弁座２に形成されている。

閉塞具４は、弁座１と対向弁座２との間に配置されており、ブッシュ４０６と同軸且つ同心であり、閉塞具の中央軸穴３０４によってブッシュ４０６に沿って軸方向へ摺動可能である。閉塞具には、弁座１のプレート１０１の軸穴１１１に対して軸方向へずれている偏心開口１０４が形成されているが、これらの偏心開口は対向弁座２に形成されているダクト１０２と整列している。プレート１０１に形成されている止まり穴３０１内へ挿入されており閉塞具４の穴２０４を貫通して対向弁座の止まり穴２０２内へ入り込んでいるピン４０１によって、弁座１と対向弁座２とが更に互いに結合されている。

対向弁座２は内部に円筒つる巻圧縮ばね５が配置されている円筒筐体４０２をも備えており、末端巻回１０５の直径はそれらにすぐに隣接している巻回２０５の直径よりも小さい。インサート４１２、４２２が筐体４０２内に配置されており、これらのインサートは熱可塑性材料等で作られていることが好ましくばね５と関連筐体４０２との金属接触を排除する機能を有している。弁座１のプレート１０１の穴１１１を貫流する流体流の作用の結果として図中では開放状態に示されている閉塞具４の表面を、インサート４１２の端壁がばね５の作用のために押す。この図中のばね５は筐体４０２内で圧縮状態に示されている。

図２は図１によるバルブの断面細部を示しており、同じ部分は同じ符号で示されている。このバルブは、この図２では、流体が流れる穴１１１と図１で明らかな様に連通しているプレート１０１の溝１２１に接触している閉塞具４による閉塞状態で示されている。ばね５は、この図２では、図１中に示されている状態に比べて拡大されている平衡状態で示されている。

図３はバルブの閉塞具４に作用するばね５の平面図を示しており、明らかな様に、図中に見える末端巻回１０５の直径はそれに隣接している巻回２０５の直径よりも小さい。一方、図４Ａ、４Ｂは、巻回間隙間の存在が、開放円錐末端巻回１０５とすぐに隣接している巻回２０５との直径の相違と相まって、有効作動区間に亙って総ての巻回の非干渉を生じさせる、という事実を強調している。

本発明によるバルブの作動原理は下記の説明で明らかになる。図１に示されている型のバルブは、通常は圧縮機中で使用されて、断然高い開放及び閉塞周波数で作動する。その結果、閉塞具４に作用する弾性押圧手段はかなり摩耗し、このことは対処できないほどにバルブの適切な作動に悪影響を及ぼす。通常の円筒つる巻ばねよりもかなり少ない程度にまでしか破損しないことを確実にするための特徴が、ばね５にある。問題になっているばねの摩耗の主要な原因の一つは、上記の末端巻回が、互いに平行でばねの軸に垂直であるがつる巻線の広がる平面つまりばねのその他の巻回が存在する平面に対して傾斜している平面内に存在するという事実と関連している。この異なる傾斜は、実際、ばねの負荷の不十分な分布を生じさせてばねを摩耗し易くさせる。

この場合、この摩耗効果は、巻回間隙間の存在と、上記の末端巻回１０５のすぐに隣接している巻回と比較した直径の減少とのために、非常に減じられて殆ど完全に排除されさえする。図４Ａ、４Ｂから分かる様に、このばねの特徴、つまり、巻回間隙間の存在と、上記の末端巻回同士の間における直径の相違とが、上記のばねの圧縮中に、全有効作動区間に亙って総ての巻回同士の間に干渉が存在しないことを確実にし（図４Ｂ参照）、その結果、このばねの巻回は摩耗し難く、このばねは初期形態に最も近い様子で機能し易く、その作動寿命は著しく改善される。

熱可塑性インサート４１２、４２２を筐体４０２内へ挿入することによって、ばね５と対向弁座２の壁及び／または閉塞具４との金属接触が更に排除されることが好都合である。

この様に設計されているバルブは、一方では高周波数でも正確な作動と、他方では弾性押圧手段従ってバルブ自体の平均寿命がかなり延長されることとを、確実にすることができる。

本発明によるバルブの実施形態の断面図である。 別の作動形態にある図１によるバルブの断面細部である。 本発明によるバルブ中で使用されているばねの平面図である。 休止状態にあるばねの断面図である。 圧縮状態にあるばねの断面図である。

Claims (9)

1. 少なくとも一つの流路１１１を備える弁座１と、前記流路１１１を閉塞することができ且つ前記弁座に対して所定方向へ動くことができる閉塞具部材４と、この閉塞具４を弾性的に押圧する手段５であってこの閉塞具４を所定位置へ押しやることができ且つこの閉塞具の運動の方向へ作動する手段とを具備し、この弾性押圧手段５が少なくとも一つのつる巻圧縮ばね５を含んでいる往復圧縮機用バルブであって、休止状態（図４Ａ）と圧縮状態（図４Ｂ）との両方において、前記ばね５の総ての巻回同士の間の且つ全作動長に沿う巻回間隙間の存在を特徴とし、両方の末端巻回１０５とすぐに隣接している巻回２０５との直径の差が、前記ばねを形成している金属線の断面の少なくとも約１．５倍であるという前記両方の末端巻回のテーパ比変化を更に特徴とする、バルブ。
2. 前記両方の末端巻回１０５とこれらにすぐに隣接している前記巻回２０５との直径の差が、前記ばねを形成している金属線の断面の半分以上である、請求項１に記載のバルブ。
3. 前記両方の末端巻回１０５の直径が、前記すぐに隣接している巻回２０５の直径よりも小さい、請求項１に記載のバルブ。
4. 前記両方の末端巻回１０５の直径が、前記すぐに隣接している巻回２０５の直径よりも大きい、請求項１に記載のバルブ。
5. 一方の前記末端巻回１０５の直径が、前記すぐに隣接している巻回２０５の直径よりも小さく、他方の前記末端巻回１０５の直径が、前記すぐに隣接している巻回２０５の直径よりも大きい、請求項１に記載のバルブ。
6. 前記円錐末端巻回が研削されている、請求項１〜５の何れか一項に記載のバルブ。
7. 前記ばねのピッチが可変である、請求項１〜６の何れか一項に記載のバルブ。
8. 前記閉塞具部材４に対して適切に配置されている筐体４０２内に、前記弾性押圧手段５が配置されている、請求項１〜７の何れか一項に記載のバルブ。
9. 前記ばねを収容している前記筐体内に、可塑性材料で作られていることが好ましい保護部材４１２、４２２が配置されている、請求項１〜８の何れか一項に記載のバルブ。

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