JP2008523784A - 体液中癌細胞の検出 - Google Patents
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Abstract
対象において循環しているメラノーマまたはカルシノーマ細胞を検出する方法である。この方法は、対象から体液を得ること、体液中遺伝子類パネルの発現を検出することを含み、遺伝子類パネルの発現が対象中において循環しているメラノーマまたはカルシノーマ細胞が存在することを示唆している。メラノーマ細胞検出に有用な遺伝子類は、GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1、PAX−3およびTRP−2を含み、カルシノーマ細胞検出に有用な遺伝子類には、C−Met、MAGE−A3、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、マンマグロビン、HSP27、GalNAc−T、CK20、およびβ−HCGを含む。また、これらの遺伝子類の発現を検出するための物質類を含むキット類も開示されている。
Description
本発明は、一部、NIH 国立癌研究所P01グラントCA29605、プロジェクトII、およびCA12528、プロジェクトIIの支援を受けた。したがって、米国政府は権利を有している。
本出願は、2002年11月14日出願の米国仮出願番号第60/426,216号に対して優先権を主張している2003年11月14日出願の継続先行米国特許出願番号第10/713,808号の一部継続出願である。本出願はまた、2004年9月14日出願の米国仮出願番号第60/609,634号に対して優先権を主張している。米国特許出願第10/713,808号、米国仮出願第60/426,216号および米国仮出願第60/609,634号の内容は、参照することにより本明細書に包含される。
本発明は、全般的に、癌の診断、予後、および治療措置管理に関する。特に、本発明は、体液中におけるメラノーマ、乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌を示唆する遺伝子マーカー類の検出に関する。一例において、複数マーカー類の検出は、定量的リアルタイムポリメラーゼチェーンリアクションにより行われる。
メラノーマおよびカルシノーマの遠位への転移は、しばしば、予後不良を意味する(非特許文献1)。原発性および/または転移性メラノーマおよびカルシノーマの評価は、癌についてのアメリカンジョイントコミッティー(AJCC)による新病期分類基準で述べられてきた(非特許文献2,3)。しかし、この病期分類システムは、患者を診た時点での疾病の進行過程、特に現在進行中の全身転移を正確には考慮していない。循環しているメラノーマまたはカルシノーマ細胞の検出は、腫瘍の進行および転移可能性を評価する際に重要である。
Greene et al., AJCC cancer staging manual, 6th ed., New York: Springer-Verlag, 2002.
Balch et al., J. Clin. Oncol. 19:3635-48, 2001.
Balch et al., Semin. Surg. Oncol. 21:43-52, 2003.
現在、ごく限られた数の腫瘍関連マーカーしか同定されておらず、それらは、健常細胞には見られないがメラノーマまたはカルシノーマ細胞で産生される。腫瘍遺伝子発現の不均質性とそのアッセイパフォーマンスが変動することが、血液中で循環している腫瘍細胞(CTCs(CTC類))の検出で大きな問題となってきた。血液中で循環している腫瘍細胞の分子検出が臨床的に有用であるかについてはこれからも検討を要するが、その理由は、主に、これまでの知見が一貫していないことにあり、このことは、これらの試験を細心の注意を持って特性解析しなければならないことを示唆している。
メラノーマおよびカルシノーマの患者は、完全な外科摘出後に疾患が再発するリスクがこれらの患者で高いことからアジュバント療法の候補となっている。しかし、ネオアジュバントまたはアジュバントバイオ化学療法(BC)を受ける患者の生存を正確に予測できるアッセイは現在まったくない。
本発明は、体液中メラノーマおよびカルシノーマ細胞を検出するための新しいマーカー類およびマーカー類の新しい組み合わせを提供する。本発明はまた、体液中で循環している腫瘍細胞を検出するための定量的で、特異的で、感度の良く信頼できる方法を提供する。この方法は、癌の診断、処置、モニタリング、および予後に有用である。
<メラノーマ>
本発明は、第一に、対象において循環しているメラノーマ細胞を検出する方法を特徴とする。本方法は、対象から体液を得ること、および、体液中における遺伝子類パネルの発現を検出することを含む。この体液は、血液、骨髄、脳脊髄液、腹水または胸水(胸膜水)であることができる。前記遺伝子類パネルの発現は、対象において循環しているメラノーマ細胞が存在していることを示唆する。
本発明は、第一に、対象において循環しているメラノーマ細胞を検出する方法を特徴とする。本方法は、対象から体液を得ること、および、体液中における遺伝子類パネルの発現を検出することを含む。この体液は、血液、骨髄、脳脊髄液、腹水または胸水(胸膜水)であることができる。前記遺伝子類パネルの発現は、対象において循環しているメラノーマ細胞が存在していることを示唆する。
一実施形態において、前記遺伝子類パネルには、GalNAc−T(β1→4−N−アセチルガラクトサミニルトランスフェラーゼ)またはPAX−3(対になったボックスホメオティック遺伝子転写因子3)を含む。前記遺伝子類パネルにはさらに、GalNAc−T、MAGE−A3(メラノーマ抗原遺伝子−A3)、MART−1(T細胞−1により認識されるメラノーマ抗原)、PAX−3、TRP−2(チロシナーゼ関連タンパク質−2)、MITF(ミクロフタルミア関連転写因子)およびチロシナーゼから構成される群から選択した1種以上の追加遺伝子類も含まれる。たとえば、前記遺伝子類パネルには、PAX−3、MART−1、およびMAGE−3;PAX−3、MART−1、およびGalNAc−T;PAX−3、MAGE−3、およびGalNAc−T;GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1、およびPAX−3;MART−1、GalNAc−T、MITF、およびPAX−3;MART−1、TRP−2、GalNAc−T、およびPAX−3;または、チロシナーゼ、MART−1、GalNAc−T、およびPAX−3が含まれる。
本発明は、さらに、対象において循環しているメラノーマ細胞を検出する方法を提供し、対象から体液を得ること、定量的リアルタイム逆転写ポリメラーゼチェーンリアクション(qRT)を用いて遺伝子類パネルの発現レベルを定量することを含む。前記遺伝子類パネルには、GalNAc−T、MAGE−A3,MART−1、PAX−3、TRP−2、MITFおよびチロシナーゼからなる群から選択される少なくとも3種または4種の遺伝子類が含まれる(その組み合わせのいかなるものであってもよく全てであってもよい)。たとえば、前記遺伝子類パネルには、GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1およびPAX−3を含むことができる。前記遺伝子類パネルの発現は、前記対象において循環しているメラノーマ細胞が存在していることを示唆する。
前記遺伝子類パネルのうち、前記遺伝子類の少なくとも1種、2種、3種または4種(その組み合わせのいかなるものであってもよく全てであってもよい)が発現される。前記遺伝子類パネルの発現は、前記対象が無症状の全身性メラノーマに罹患しているかまたは発症するリスクがあることを示唆している。前記遺伝子類パネルの発現により、看護師はメラノーマ状況を量化し;前記対象に対して臨床的メラノーマ病期を振り分け;原発腫瘍の摘出、歩哨的リンパ節切除(SLND)またはその両者後に少なくとも3年間(例えば、少なくとも5年間)、対象の処置応答、メラノーマ再発またはその生存を予測し;メラノーマ進行または処置応答をモニタリングし;または処置プログラムを選択するかまたは無作為に振り分けることができる。ある場合には、前記対象からの体液または組織サンプルが組織病理学的にメラノーマ細胞陰性であるが、そのことは、例えば、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)または免疫組織化学(HIC)染色によって決定される。
本発明はまた、体液中で循環しているメラノーマ細胞を検出するために使用できるキットを提供する。前記キットは、遺伝子類パネルの発現を検出するための複数の物質類を含む。一実施形態において、前記遺伝子類パネルには、PAX−3、およびGalNAc−T、MAGE−A3、MART−1、TRP−2、MITF、およびチロシナーゼから構成される群から選択した1種以上の遺伝子類が含まれる。たとえば、前記遺伝子類パネルには、PAX−3、MART−1およびMAGE−3;PAX−3、MART−1およびGalNAc−T;PAX−3、MAGE−A3およびGalNAc−T;GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1およびPAX−3;MART−1、GalNAc−T、MITFおよびPAX−3;MART−1、TRP−2、GalNAc−TおよびPAX−3;または、チロシナーゼ、MART−1、GalNAc−TおよびPAX−3が含まれる。
さらに、本発明は、それぞれ、GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1、TRP−2、MITFおよびチロシナーゼから構成される群から選択した少なくとも3種または4種の遺伝子類(そのいかなる組み合わせであってもよく全ての組み合わせであってもよい)の発現レベルをそれぞれ定量する少なくとも3または4対のプライマー類、ならびにqRTを実施するための酵素類および試薬類を含むキットを特徴とする。たとえば、前記キットは、それぞれ、GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1およびPAX−3の発現レベルを定量する少なくとも4対のプライマー類を含む。
<カルシノーマ>
本発明は、別の面において、対象において循環している乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌細胞を検出する方法を特徴とする。この方法は、対象から体液を得ること、および、前記体液中における遺伝子類パネルの発現を検出することを含む。前記体液は、血液、骨髄、脳脊髄液、腹水または胸水であることができる。前記遺伝子類パネルの発現は、前記対象において循環している乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌細胞が存在していることを示唆する。
本発明は、別の面において、対象において循環している乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌細胞を検出する方法を特徴とする。この方法は、対象から体液を得ること、および、前記体液中における遺伝子類パネルの発現を検出することを含む。前記体液は、血液、骨髄、脳脊髄液、腹水または胸水であることができる。前記遺伝子類パネルの発現は、前記対象において循環している乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌細胞が存在していることを示唆する。
一実施形態において、前記遺伝子類パネルには、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、またはHSP27(熱ショックタンパク質27)が含まれる。前記遺伝子類パネルにはさらに、C−Met(肝細胞増殖因子)、MAGE−A3、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、マンマグロビン(マンマグロブリン)、HSP27、GalNAc−T、CK20(サイトケラチン20)およびβ−HCG(ベータチェーン絨毛性ゴナドトロピン)から構成した群から選択した1種以上の追加遺伝子を含むことができる。
別の実施形態において、前記遺伝子類パネルには、CK20、β−HCG,およびマンマグロビン;GalNAc−T、マンマグロビンおよびβ−HCG;マンマグロビン、C−Met、GalNAc−Tおよびβ−HCG;マンマグロビン、β−HCG,HSP27およびC−Met;または、HSP27、CK20、スタニオカルシン−1およびMAGE−A3が含まれる。
本発明はさらに、対象において循環している乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌細胞を検出する方法を提供し、この方法は、対象から体液を得ること、およびqRTを用いて遺伝子類パネル発現を検出することを含む。遺伝子類パネルには、C−Met、MAGE−A3、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、マンマグロビン、HSP27、GalNAc−T、CK20、およびβ−HCGから構成した群から選択した少なくとも3種または4種の遺伝子類が含まれる。たとえば、前記遺伝子類パネルには、C−Met、MAGE−A3、GalNAc−TおよびCK20の第1組み合わせ;マンマグロビン、C−Met、GalNAc−T、およびβ−HCGの第2組み合わせ;マンマグロビン、β−HCG、HSP27、およびC−Metの第3組み合わせ;またはHSP27、CK20、スタニオカルシン−1およびMAGE−A3の第4組み合わせを含むこともできる。前記遺伝子類パネルの発現は、前記対象において循環している乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌細胞を示唆する。
前記遺伝子類パネルのうち、前記遺伝子類の少なくとも1種、2種、3種または4種(その組み合わせのいかなるものであってもよく全てであってもよい)が発現する。前記遺伝子類パネルの発現は、前記対象が無症状の全身性乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌に罹患しているかまたは発症するリスクがあることを示唆している。前記遺伝子類パネル発現により、医療提供者は、乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌状況を量化し;前記対象に対して、臨床的乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌病期を振り分け;原発腫瘍の摘出、SLNDまたはその両者後に少なくとも3年間(例えば、少なくとも5年間)、前記対象の処置応答、乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌再発またはその生存を予測し;乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌進行または処置応答をモニタリングし;または、処置プログラムを選択するかまたは無作為に振り分ける。ある場合には、前記対象からの体液または組織サンプルが組織病理学的に乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌細胞陰性であるが、そのことは、例えば、ヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)または免疫組織化学(HIC)染色によって決定される。
本発明はまた、体液中循環している乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌細胞を検出するために使用できるキットを提供する。前記キットは、遺伝子類パネル発現を検出するための複数の物質類を含む。一実施形態において、前記遺伝子類パネルには、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、またはHSP27、およびC−Met、MAGE−A3、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、マンマグロビン、HSP27、GalNAc−T、CK−20、およびβ−HCGから構成される群から選択した1個以上の追加遺伝子類が含まれる。
別の実施形態において、前記遺伝子類パネルには、CK−20、β−HCG,およびマンマグロビン;GalNAc−T、マンマグロビン、およびβ−HCG;マンマグロビン、C−Met,GalNAc−T、およびβ―HCG;マンマグロビン、β―HCG、HSP27、およびC−Met;または、HSP27、CK20、スタニオカルシン−1およびMAGE−A3が含まれる。
さらに、本発明は、それぞれ、C−Met、MAGE−A3、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、マンマグロビン、HSP27、GalNAc−T、CK20、およびβ−HCGから構成される群から選択した少なくとも3種または4種の遺伝子類(そのいかなる組み合わせであってもよく全ての組み合わせであってもよい)の発現レベルを定量する少なくとも3または4対のプライマー類、ならびにqRTを実施するための酵素類および試薬類を含むキットを特徴とする。たとえば、前記キットは、それぞれ、C−Met、MAGE−A3、GalNAc−TおよびCK−20の第1組み合わせ;マンマグロビン、C−Met、GalNAc−T、およびβ−HCGの第2組み合わせ;マンマグロビン、β−HCG、HSP27、およびC−Metの第3組み合わせ;または、HSP27、CK20、スタニオカルシン−1およびMAGE−A3の第4組み合わせの発現レベルを定量する少なくとも4対のプライマー類を含む。
本発明の上記特徴およびその他の特徴ならびにそれらを得て使用する方法は、付属の図面とともに下記の説明を参考にすれば、より明らかとなりしかも十分に理解されるであろう。これらの図面は本発明の典型的実施形態のみを図示しており、その範囲を限定するものではない。
本発明は、マルチマーカーqRTが血液中で循環しているメラノーマ細胞検出のための感度の良い特異的定量アッセイであること、血液中における陽性マーカー類の数は初期疾患患者より進行期メラノーマ患者で有意に高いこと、外科手術前後にBCを受けているAJCC III期メラノーマ患者の血液中でマルチマーカー検出が変化することが、疾患の進行ならびに全体的生存と相関していることを予想外にも見出したことに基づいている。
したがって、本発明の目的は、対象からの血液中で循環している癌細胞を検出する方法を提供することである。特に、本発明は、高い特異性と感度で体液中癌細胞を検出するためのマルチマーカーアッセイに関する。前記マーカー遺伝子類の発現レベル定量化は、癌の診断、予後および処置のための強力な手段を提供する。
本発明の方法は、その最も一般的形態において、癌にかかっていそうな患者または癌発症リスクのありそうな患者を本疾患の臨床的証拠のあるなしにかかわらず識別する段階を適宜含む。候補者識別は、本人または医療専門家の判断に任せられ、主観的であるか(例えば、考え)または客観的である(例えば、試験または診断法により測定可能)。いくつかの実施形態において、前記癌は、メラノーマ、乳癌、胃癌、膵臓癌または結腸癌である。
本文では、“対象(subject)”とは、例えば哺乳類のような全脊椎動物類を含むヒトあるいは非ヒト動物類を称し、非ヒト霊長類(特に高等霊長類)、ヒツジ、イヌ、げっ歯類(例えば、マウスまたはラット)、モルモット、ヤギ、ブタ、ネコ、ウサギ、ウシ、およびニワトリ、両生類、爬虫類等のような非哺乳類を含む。好適な実施形態において、前記対象はヒトである。別の実施形態において、前記対象は、疾患モデルとして適した実験動物または動物である。
体液とは、癌細胞が存在できるいかなる液体であることもできる。体液の例として、血液、骨髄、脳脊髄液、腹水(peritoneal fluid)、胸水、リンパ液、腹水(ascite)、奨液、痰、涙液、便、または尿が挙げられる。体液は、当該技術で周知のいかなる方法を用いても採取できる。
本発明の方法は、体液中における癌マーカー遺伝子類の発現レベルを決定することを含む。癌“マーカー”とは、癌細胞、マーカー遺伝子から転写されたmRNA、またはmRNAから翻訳されたタンパク質に発現が特徴的な遺伝子である。本発明は数種のマーカー類を例示しているが、体液中において癌細胞の存在と相関するいかなるマーカーも使用できる。たとえば、GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1、PAX−3、TRP−2、MITF、チロシナーゼ、C−Met,スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、マンマグロビン、HSP27、CK20、およびβ―HCGは、メラノーマまたはカルシノーマ細胞を血液中で検出するための有用なマーカー類である。
GalNAc−Tは、ガングリオシド類GM3とGD3の両者にβ―1,4結合でN−アセチルガラクトサミンを転移させ、それぞれGM2およびGD2の産生を触媒する(米国特許6,057,105号)。それはまた、ムチン類のような他の炭水化物分子類へのN−アセチルガラクトサミンの転移を触媒する。ガングリオシド類は、細胞分化、接着および悪性変換に重要な役割を果たすシアール酸類を含むグリコスフィンゴリピドである。メラノーマにおいて、ガングリオシド類GM2およびGD2の発現レベルが非常に高いレベルにまで増強されることが多く、そのことは転移腫瘍を含む腫瘍の進行と関連している。ガングリオシド類は、乳癌細胞できわめて高い発現を示す。ガングリオシド類GM2とGD2はヒトにおいて免疫原性であり、ヒトモノクローナル抗体類または癌ワクチン類のような特異的免疫療法のターゲットとして使用できる。GalNAc−Tは、GM2およびGD2発現のマーカーとして使用でき、その結果、メラノーマまたは乳癌細胞のマーカーとして使用できる。GalNAc−Tは、通常、正常リンパ球、上皮細胞、メラニン形成細胞、結合組織、またはリンパ節細胞中で発現されない。検出されるにしても、非常に低いレベルである。
MAGE−A3およびMART−1は、患者で免疫原性でありメラノーマで非常によく発現する主要なメラニン形成細胞分化抗原類である(4,5,6)。MAGE−A3は、メラノーマおよび乳癌細胞で同定されたマーカーであり、細胞溶解性のTリンパ球細胞(CTL)ターゲットである(7、8)。メラノーマ患者の原発腫瘍、転移病巣、および血液中におけるMAGE−A3 mRNA発現を評価することが臨床的に有用であることについては、これまでに報告されている(8)。MAGE−A3はまた、多くの他の腫瘍でも発現している。MART−1はメラノーマ細胞で頻繁に産生され、非メラノーマ悪性疾患および癌を有していない患者由来のリンパ節により産生されない(9)。
PAX3転写因子は、MITF発現によりメラニン合成経路を制御すると報告されている(10)。PAX3は、ヒトメラノーマで非常によく発現し、メラノーマ細胞の生存に寄与している(10、11)。
TRP−2は、メラニン産生経路の酵素である。メラニン産生酵素類の多くがメラニン欠乏性メラノーマに存在していないにもかかわらず、TRP−2は、多くの非色素化メラノーマで保留されたままのようである。最近の研究では、TRP−2がメラニン欠乏性メラノーマの免疫療法の優れた候補となるかもしれないと示唆されている。マウスにおいては、TRP−2は、スレート座によりコードされている。この酵素は、DOPAクロームのカルボン酸化誘導体DHICA(5,6−ジハイドロキシインドール−2−カルボン酸)への再配列を触媒する。DHICAは次に、ユーメラニン合成に使用される(12)。
MITFは転写因子である。
チロシナーゼは、メラニン製造に関与するメラニン形成経路の酵素である。
C−Metは細胞表面レセプターをコードし、これに対してリガンドである肝細胞成長因子が結合し細胞機能を制御する。このレセプターは、膵カルシノーマを含む消化器癌においてしばしば過剰発現し、腫瘍進行と関連づけられてきた。
スタニオカルシン(STC)は、魚における主要な抗高カルシウム血症ホルモンであるカルシウム−およびリン酸制御ホルモンをコードする。このホルモンは、腎近位に局在するスタニウスの小体により硬骨魚で産生される。最近の結果では、哺乳類におけるSTC類の生物学的レパートリは魚よりもかなり広く、無機物代謝に限定されないかもしれないことを示唆している。スタニオカルシン−1は、細胞性カルシウムホメオスタシスと低酸素症に対する耐性においてその意義が指摘された最近発見されたヒト遺伝子であり、乳癌における増幅関連領域中の染色体8p上に局在している(13)。スタニオカルシン−2は、ER(エストロゲンレセプター)陽性およびER陰性乳癌の間で発現が異なっているエストロゲン応答性遺伝子として同定された(14)。
マンマグロビンはウテログロビン遺伝子族に属し、乳癌で増幅されることが多い領域である染色体11q12.3−13.1上で見出されている。それは乳腺分泌に関連しており、乳癌細胞検出の特異的マーカーであると示唆されてきた(15)。
HSP27は、細胞生存制御に役割を果たしている。正常すなわちストレスを受けていない細胞中で、Hsp27は構造的に低レベルで発現され、細胞毒性刺激に暴露すると、その発現が急激に増加する。より高いHsp27発現レベルは、乳癌、卵巣癌および前立腺癌を含むいくつかの異なる癌で観察されている。Hsp27は、アポトーシス細胞死から癌細胞を保護しており、薬剤処理に対する耐性を付与している。
CK20は、細胞構造と分化に関与する中間フィラメントタンパク質族の一員である。初期の免疫学的およびノーザンブロット研究で、CK20発現が本来、消化器組織、移行上皮癌、およびメルケル細胞に限定されていることがわかった。最近、CK20が、乳癌、甲状腺癌、子宮内膜癌、肺癌および膵臓カルシノーマおよび口腔扁平細胞カルシノーマ由来サンプル中で検出された(16)。
β−HCGは、妊娠女性の胎盤栄養膜細胞により産生され、早期段階で妊娠を維持するために必須である。β−HCGは、絨毛カルシノーマまたは精巣カルシノーマ細胞のような栄養または生殖細胞起源腫瘍類によって産生されることが公知である。また、β−HCGの異所性発現が、非生殖腺の乳房、肺、胃、結腸および膵臓等のさまざまな腫瘍においていくつかの異なるイムノアッセイにより検出されている。これらの腫瘍におけるβ−HCG産生の働きはまだ分かっておらず、非生殖腺起源の正常細胞によるのではなく癌細胞によるβ−HCGの先祖返り的発現は、メラノーマおよび乳癌細胞の検出でそれが有用であることを示唆している(米国特許6,057,105号)。
循環している悪性細胞検出のため、腫瘍遺伝子類発現が不均質であることが、シングルマーカーアッセイに比較してマルチマーカーアッセイをより有益としている(7、17)。ある分析で使用した特定マーカーセットに応じて、統計的分析も異なってくるであろう。たとえば、マーカー類の特定組み合わせがメラノーマまたは乳癌に極めて特異的である場合、陽性結果の統計的有意性は、高いであろう。しかし、このような特異性は感度を犠牲にして得られ、すなわち、メラノーマまたは乳癌存在にもかかわらず陰性結果が生じることもあるであろう。その証拠に、異なる組み合わせが極めて感度は良いが、特異性が低いということもある。
新しいマーカー類が同定されるに伴い、異なる人種または性、異なる地理的分布、異なる疾病病期、異なる特異性レベルまたは異なる感度レベルにより最適機能を示す異なる組み合わせを開発することができる。マーカー組み合わせもまた開発でき、それは、疾病進行上治療プログラムの効果に特に感度が良い。患者を術後、ハイポサーミア、免疫療法、サイトカイン療法、遺伝子療法、放射線療法または化学療法後モニタリングして、特定の治療が有効であるかどうかを決定できる。
本発明は、体液中の癌細胞の検出のため、多くの異なる組み合わせのマーカー類を必要とする。癌細胞中における新形成を示唆するいかなるマーカーも、本発明に包含することができる。たとえば、GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1、PAX−3、TRP−2、MITF、およびチロシナーゼから構成される群から選択した少なくとも3種または4種の遺伝子類組み合わせ(例えば、PAX−3、MART−1、およびMAGE−A3;PAX−3、MART−1およびGalNAc−T;PAX−3、MAGE−3、およびGalNAc−T;GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1、およびPAX−3;MART−1、GalNAc−T、MITF、およびPAX−3;MART−1、TRP−2、GalNAc−T、およびPAX−3;および、チロシナーゼ、MART−1、GalNAc−TおよびPAX−3)が、血液中メラノーマ細胞検出に有用であり、一方、C−Met、MAGE−A3、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、マンマグロビン、HSP27、GalNAc−T、CK20、およびβ−HCGから構成される群から選択した少なくとも3種または4種の遺伝子類の組み合わせ(例えば、CK20、β−HCGおよびマンマグロビン;GalNAc−T、マンマグロビン、およびβ−HCG;マンマグロビン、C−Met、GalNAc−T、およびβ−HCG;マンマグロビン、β−HCG、HSP27およびC−Met;HSP27、CK20、スタニオカルシン−1、およびMAGE−A3;および、C−Met,MAGE−A3、GalNAc−TおよびCK20)は、血液中における乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌細胞の検出に使用することもできる。
遺伝子発現は、当該技術で周知のいくつかの手段を用いて、mRNAまたはタンパク質レベルで検出定量できる。mRNAレベル測定のため、液体サンプル中細胞を溶解させ、ライゼート中またはライゼートから精製したかまたは半精製したRNA中におけるマーカーmRNAレベルを、当該技術者に慣用のさまざまな方法のいずれによっても決定できる。このような方法には、検出可能なように標識したマーカー特異的DNAまたはRNAプローブ類を用いたハイブリダイゼーションアッセイ類および適切なマーカー遺伝子特異的オリゴヌクレオチドプライマー類を用いた定量的または半定量的RT−PCR方法が含まれるが、それらに限定されない。これとは別に、定量的または半定量的インサイチュハイブリダイゼーションアッセイは、たとえば非溶解細胞懸濁物や検出可能なように(例えば、蛍光または酵素で)標識したDNAまたはRNAプローブ類を用いて実施できる。mRNA定量の他の方法には、RNA保護アッセイ(RPA)、cDNAおよびオリゴヌクレオチドミクロアレイ類、レプリゼンテーションディファランスアナリシス(RDA)、ディファレンシャルディスプレイ、EST配列分析およびSAGEが含まれる。
体液中タンパク質レベル測定方法もまた、当該技術で公知である。多くのこのような方法が、標的タンパク質に特異的に結合する抗体類(例えば、モノクローナルまたはポリクローナル抗体類)を用いている。このようなアッセイにおいて、抗体それ自体またはそれに結合する二次的抗体が検出可能なように標識できる。これとは別に、抗体にビオチンを結合させ、検出可能なように標識したアビジン(ビオチン結合ポリペプチド)を用いて、ビオチン化抗体の存在を検出できる。当該技術者で慣用のこのようなアプローチ類(“マルチレイヤーサンドイッチ”アッセイ類を含む)の組み合わせを用いて、前記方法の感度を上げることができる。これらのタンパク質測定アッセイのいくつかは(例えば、ELISAまたはウェスタンブロット)、体液または試験細胞ライゼートに適用でき、その他は(例えば、免疫組織学的方法または蛍光フローサイトメトリ)は、非溶解細胞懸濁物に適用できる。標識量測定方法は標識の性質に依存し、当該技術で公知である。適切な標識物として、放射性核種類(例えば、125I,131I,35S,3Hまたは32P)、酵素類(例えば、アルカリホスファターゼ、西洋わさびパーオキシダーゼ、ルシフェラーゼ、またはβ−ガラクトシダーゼ)、蛍光性官能基類またはタンパク質類(例えば、フルオレセイン、ローダミン、フィコエリスリン、GFP、またはBFP)、または化学発光官能基類(例えば、Quantum Dot Corporation,Palo Alto,CA社製のOdot(商標)ナノパーティクル)が含まれるが、それらに限定されない。他の適用可能なアッセイ類には、定量的免疫沈降または補体固定アッセイ類が含まれる。
好適な実施形態において、体液中におけるマーカー遺伝子発現を、qRTを用いて検出定量するが、その場合、蛍光シグナルが、マーカーmRNAの量に比例し産生される。qRTは、非常に優れかつ正確でさほど労力を要さない手法を提供し、体液中の数個の腫瘍細胞を検出するための迅速かつ再現可能な定量的分析を可能とする(9)。
qRTにおいて、テンプレートmRNAは、当該技術で周知の操作を用いて、体液サンプルからmRNAまたは総RNAを単離することによって、調製できる。たとえば、Tri−Reagent(Molecular Research Center)を用いて、血液サンプルから総細胞RNAを単離できる。単離したRNAの量と純度は、紫外線分光分析によってアッセイできる。比較のため、コントロールRNAサンプルを、たとえば健常人由来の体液から調製することもできる。
次に、オリゴdTプライマー、マーカー特異的プライマーまたはランダムオリゴマー類を用いる逆転写酵素によりテンプレートmRNAを相補性DNA(cDNA)に変換する。2種の通常使用される逆転写酵素類は、鳥類骨髄芽細胞症ウイルス逆転写酵素(AMV−RT)およびマロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(MMLV−RT)である。
cDNAを次に、米国特許4,683,195号、4,683,202号および4,800,159号ならびにInnisら、1990(18)に詳細に記載されているようにして、PCR(ポリメラーゼチェーンリアクション)により増幅する。簡単に述べると、2種のプライマー配列を調製し、それらは、マーカー配列の反対側の相補鎖上の領域類に対して相補性である。過剰のデオキシヌクレオシド三リン酸類をDNAポリメラーゼ、たとえばTaqポリメラーゼとともに反応混合物に添加する。このプライマー類は前記マーカーに結合し、ポリメラーゼは、ヌクレオチド類上で付加することによりこのプライマー類をマーカー配列に沿って伸長させる。反応混合物の温度を高め、次に低くすることにより、伸長プライマー類はマーカーから離れて反応生成物を形成し、過剰のプライマー類はマーカーと結合し、また反応生成物と結合し、このプロセスが繰り返される。
PCRプライマーはテンプレート依存性プロセスで発生しようとしている核酸の合成を開始できるいかなる核酸であってもよい。典型的には、プライマー類は、長さが10から20個のヌクレオチド類のオリゴヌクレオチド類であり、これより長い配列も使用できる。二重鎖または一重鎖形態としてプライマー類が提供できるが、一重鎖形態が好適ではある。
プライマー類の選択は、増幅方法と関与する特異的マーカーに応じて、さまざまな異なる要因に基づいている。たとえば、プライマーの選択は、増幅反応の特異性を決定するであろう。プライマーは、十分に長くマーカーの核酸に特異的にハイブリダイズし、重合剤存在下でかつ適切な温度条件下で増幅産物合成を可能とする必要がある。より短いプライマー分子類は、通常、マーカーの核酸と十分に安定なハイブリッド複合体を形成するために、より低い温度を必要とする。
プライマー配列は、特異的マーカー配列に正確に対応している必要はない。非相補性ヌクレオチド断片はプライマーの5’末端に結合でき、プライマー配列の残りはテンプレートに相補性である。これとは別に、特にその3’末端でプライマー配列がテンプレートに対して十分に相補性でアニーリングできるならば、非相補性塩基類はプライマー中に散らばるようにもでき、相補性DNA鎖の合成を起こしかつ合成を可能とする。
いくつかの実施形態において、プライマー類はマーカーの核酸配列の特定領域にハイブリダイズするように設計することもできる。たとえば、GCが豊富な領域は、ATが豊富な領域よりも強力なハイブリダイゼーション複合体を形成するので、好まれている。
ほとんどの場合、所望のオリゴヌクレオチド類を合成するのが好適である。適切なプライマー類を、Applied Biosystems(Foster City,Calif.)販売のもののような市販のシンセサイザーを用いて、当業者に周知の方法を用いて合成できる。二重鎖プライマー類が望ましい場合、相補性プライマー類の合成が別々に行われ、このプライマー類をそれらのハイブリダイゼーションを可能とする条件下で混合する。
増幅、検出および定量をまとめることができる適切な機器とともにRT−PCRに対して蛍光法を適用することで、核酸定量可能性に革命を起こしている動的RT−PCR方法が開発されることになった(19)。これらの機器類(例えば、ABI Prism 7700、Perkin−Elmer−Applied Biosystems,Foster City,CA,USA;Lightcycler,Roche Molecular Biochemicals,Mannheim,Germany;およびiCycler iQ Real−Time Thermocycler Detection System、Bio−Rad Laboratories)は、閉鎖管系として作動し、定量には、増幅の後の操作を必要としない。これにより夾雑物の問題が回避され、データ取得と分析に短い処理時間しか要せず、操作時間も最短となる。全プロセスが、逆転写で開始し完全定量化で終わり、しかも自動化されているので、これらの機器類は高処理量スクリーニングアプリケーションには理想的となっている。
ほぼ同一感度で増幅産物を検出するために利用可能な方法がいくつかある(例えば、分子ビーコン、DNA結合色素類、ハイブリダイゼーションプローブ類、および加水分解プローブ類)。それらは蛍光色素類を用いており、RNAターゲットの増幅と検出プロセスを組み合わせ、リアルタイムでPCR反応をモニタリングできるようにし、その感度が高いことで、2回目の増幅を行う必要がなくなり、擬陽性結果が生じる機会も減る。最も簡便な方法は、二重鎖DNAに特異的に結合する蛍光色素類を用いることである。他のいくつかの方法は、正しいアンプリコンに蛍光標識プローブ類がハイブリダイゼーションするということに基づいている。
閾値サイクル(Ct)の概念は、蛍光に基づくRT−PCRを用いる正確かつ再現可能な定量化の核心となっている。蛍光値はサイクルごとに記録され、増幅反応でその時点までに増幅された産物の量を示している。反応開始時点でより多くのテンプレートが存在すると、バックグランドよりも統計的に有意に高いとして蛍光シグナルが最初に記録される時点に到達するサイクル数が少なくなる。この時点をCtと定義し、常に、増幅の指数相で起こるであろう。したがって、定量は、プラトー相で限定されるようになるいかなる反応成分にも影響を受けず、その結果、より多くのテンプレートに対してシステム上のバイアスが生じ、総産物収率の測定値に基づく定量は全て、本質的に信頼できないものとなる。
レポーターシグナルは、内部参考色素(例えば、Taqman)の蛍光に対してまたは前記3種の色素類(例えば、Lightcycler)の間で標準化し、濃度または容量の変動が原因である蛍光微動を補正でき、Ct値は、各サンプルについて報告されている。この値は、標準曲線を作成することにより定量的結果に翻訳できる。
蛍光を用いた標準曲線は、直線的応答のダイナミックレンジが大きいために、簡単に作成できる。mRNA転写の定量化は、相対的または絶対的とすることができる。相対的定量化により、遺伝子の静止状態転写変動を調べることができ、それが適切であることが多い。相対的標準は、キャリブレーターであるサンプルから構成され、それを用いて、任意の単位数の希釈系列を新たに作製できる。このキャリブレーターは、濃度とアンプリコンの長さが公知であればいかなる核酸であってもよい。RT−PCRアッセイの間、標的CtをキャリブレーターCtと直接比較し、mRNAをより多くまたはより少なく含んでいるか記録する。対比して、転写の絶対的定量では、細胞、総RNA濃度、または組織単位量当たりのコピー数を詳細に決定できる。それには、それぞれの各アンプリコンについて絶対標準曲線を構築して、正確な逆転写とPCR増幅プロフィールを確実にすることが必要となる。
絶対標準曲線は、例えば、プラスミドベクター中のT7またはSP6 RNAポリメラーゼプロモータの後方のアンプリコンをサブクローニングすることによって、調製できる。インビトロ転写センスRNA転写物が産生され、RNAseを含まないDNAseによりサンプルを消化し、このRNAを正確に定量する。この標準RNAテンプレートが単一で純粋なDNA夾雑物を含まない種であることを確実にすることが重要である。Genequant II(Amersham Pharmacia Biotech,Little Chalfont,UK)のような分光分析機器により濃度測定値を三回計測し、吸光度を、“μg RNA当たりのターゲットコピー数”に変換する。RNA標準を3回別々に系列希釈し、陽性および陰性コントロール反応物とともに各希釈物を2回、アッセイし、標準曲線を作成する。正確性を最大にするため、希釈物は、実験RNAサンプル中に予想されるターゲットmRNA量を含むコピー数範囲で作製しなければならない。高および低Ct値は除外し、ピペット操作によるエラーを補正し、残りの4個の値を平均して、その希釈物に対する最終Ct値とする。このCt値は、当初のコピー数のlogに反比例している。したがって、標準曲線は、95%信頼区間で当初のコピー数の対数に対してCt値をプロットし、作成する。実験RNA類のコピー数は、標準曲線の直線回帰からリアルタイム増幅後に計算できる。
別の方法では、一重鎖センス鎖オリゴデオキシヌクレオチド類をT7−RNAポリメラーゼ産生標準アンプリコンの代替として用いる。一重鎖センスオリゴヌクレオチドを用いることの利点はといえば、最大100bpまでのアンプリコン類について標準曲線を作製するプロセスが簡素化され、それは、ほとんどのリアルタイムRT−PCRアンプリコン類を網羅する。
サンプル対サンプル変動を補正するための容認された方法では、ターゲットとともに他のRNA値を標準化するための内部参考として作用する細胞RNAを増幅する。この理想的内部標準は、発生のあらゆる段階における生物のさまざまな組織中において一定レベルで発現されなければならず、実験処理の影響を受けてはならない。さらに、検討下のRNAとほぼ同一レベルで内因性コントロールも発現されなければならない。ハウスキーピング遺伝子類であるグリセルアルデヒド−3−ホスフェート−デハイドロゲナーゼ(GAPDH)、β−アクチンおよびリボゾームRNA類(rRNA)を特定するmRNA類は、非常に一般的に使用され、遺伝子発現パターンを正常化するが、他のmRNA類(例えば、ヒストンH3およびシクロフィリン)はたまにしか使用されてこなかった。
マーカー遺伝子類の発現レベルの分析は、癌診断、予後および本疾患の医療措置管理に有用である。体液中におけるマーカー遺伝子類の発現は、循環している癌細胞が対象中に存在していることを示唆している。
下記の実施例1に示したように、4種のメラノーマ関連マーカー類MART−1、GalNAc−T、PAX−3およびMAGE−A3のmRNAのためのqRTアッセイを開発した。最適化研究において、メラノーマ細胞株17種および志願者由来のPBLサンプル49種を試験した。RNAおよびメラノーマ細胞株希釈研究を行い、前記アッセイのための検出限界と不正確性を調べた。メラノーマ患者94例(AJCC病期I、n=20;II、n=20;III、n=32;IV、n=22)からの血液標本中におけるmRNAを測定した。全てのマーカーが頻繁にメラノーマ細胞株中で検出されたが、一方、健常志願者由来のPBL中では前記マーカーのいずれも検出されなかった。qRTアッセイでは、メラノーマ細胞希釈研究において107個のPBL中で1個のメラノーマ細胞を検出できた。マーカー類は、AJCC病期I,II,IIIおよびIVのメラノーマ患者でそれぞれ、15%、30%、75%および86%検出された。陽性マーカーの数とAJCC病期は、有意に相関していた(スピアマン相関係数=0.58、P<0.0001)。
実施例2において、AJCC III期メラノーマを外科的に処置する前後においてBCのプロスペクティブ多施設II相治験に参加した患者63例からサンプリング時点4箇所で、血液標本を採取した。各標本について、4種のメラノーマ関連マーカー類:MART−1、GalNAc−T、PAX−3およびMAGE−A3の発現をqRTにより調べ、治療中におけるCTC類の変動と全処置後のCTC類の再発および生存に及ぼす予後効果を、検討した。30.4ヶ月のメジアン術後追跡期間において、患者44例(70%)が臨床的に無疾患であった。再燃していない患者において検出されたマーカー類の数は、術前BC(P=0.036)、術後BC(P=0.002)および全処置中(P<0.0001)で有意に減少した。全処置後のマーカー検出は、無再燃生存および全般的生存(OS)の有意な低下と関連していた(P<0.0001)。コックス(Cox)比例ハザードモデルを用いた多変数解析によって、全処置後に検出されたマーカー類の数が、OSについて有意に独立した予後因子であった(リスク比=12.6;95%CI、3.16から50.5;P=0.0003)。
したがって、マルチマーカーqRTは、血液中循環しているメラノーマ細胞を検出できる。血液中において調べた分子マーカー類の測定は、メラノーマ患者の転移検出と治療応答モニタリングに有用である。さらに、マルチマーカーmRNA検出を用いて全身的な無症状疾患の存在を予測でき、治療中および治療後におけるマーカー検出変動を、治療成果の代替的予測因子として使用できる。
したがって、本発明は、メラノーマ状況を量化し、対象に臨床的メラノーマ病期を振り分け、対象の治療応答、メラノーマ再発、または生存(例えば、原発腫瘍摘出、SLNDまたはその両者の後少なくとも3年間)を予測し、メラノーマ進行または治療応答をモニタリングし、治療プログラムを選択しまたは無作為に振り分けるための方法を提供する。
本発明の診断方法は、対象から体液を得ること、および上記のようにマーカー遺伝子類のパネル発現を検出することを含む。もし前記遺伝子類のうち1種以上が発現すれば、対象は、メラノーマに罹患しているか、無症状の全身性メラノーマを発症するリスクがあると診断される。前記疾患の病期は、発現したマーカー遺伝子類の数および/または各マーカーmRNAの量などのマーカー遺伝子類の発現レベルに従い決定できる。一般的に、発現したマーカー遺伝子類の数が多いことは、疾患病期が進行期にあることを示唆している(例えば、AJCC病期IIIまたはIV)。
本発明はまた、癌進行をモニターするための計算上実用的なアッセイを提供する。他の手法と比べて本手法の最も重要な利点は、腫瘍を評価することなく疾病進行をモニターできるその能力にある。このことは、遠位への疾病進展という初期相で特に重要であり、この相では、無症状の疾病が通常のイメージング法によっては検出できない。癌の進行をモニターするため、mRNAまたは総RNAを、癌に罹患している対象から得た体液から単離する。マーカー遺伝子類パネル発現を分析する。マーカー遺伝子類の発現レベルは、癌の進行を示唆する。一般的に、発現したマーカー遺伝子類の数が増えているかまたは数が多いことは、癌が進行していることを示唆する。
本発明はさらに、癌療法の有効性を決定する方法を提供する。癌に罹患している患者に治療を行い、体液を患者から採取する。mRNAまたは総RNAを体液から単離し、マーカー遺伝子類パネルの発現を評価する。マーカー遺伝子類の発現レベルは、前記治療の有効性がよいかもしくは悪いかを示唆する。たとえば、発現したマーカー遺伝子類の数が増加したかまたは多いことは、治療が不良であることを示唆し、一方、発現したマーカー遺伝子類の数が減ったかまたは少ないことは、治療が優れていることを示唆する。
上記方法類は、血液のような体液からRNA抽出を行うことだけを必要としているので、いかなるときでも実施でき、しかもひとりの患者に対して繰り返して行うことができる。血液は、術前でも術後でも採取しモニタリングでき、化学療法、放射線療法、遺伝子療法または免疫療法のような治療の前、治療中および治療後または疾病進行、安定または再発のための治療後の追跡検査中においても、採取してモニタリングできる。
さらに、本発明は、癌療法に対する応答と死亡の予測手段を提供する。さらに詳細に述べると、本発明は、癌に罹患している対象の生存確率予測方法を提供する。前記方法は、対象から体液サンプルを得ること、サンプル中マーカー遺伝子類パネルの発現を検出することを含む。マーカー遺伝子類の発現レベルは、癌再燃と患者生存の可能性を示唆する。発現したマーカー遺伝子類の数が減っているかまたは少ないことは、前記対象が再燃を起こさないかおよび/または生存する可能性が高いことを示唆する。
さらに、本発明は、癌患者が治療に対して起こしうる応答を予測する方法を提供する。前記方法は、患者から体液サンプルを得ることおよびこのサンプル中におけるマーカー遺伝子類パネルの発現を検出することの段階を含む。マーカー遺伝子類の発現レベルは、前記患者が癌療法に応答する可能性があるかを示唆する。発現したマーカー遺伝子類の数が減っているかまたは少ないことは、前記対象が前記癌療法に応答する可能性が高いことを示唆している。
体液サンプル中において癌細胞を検出するために必要な全ての基本的で必須の材料類および試薬類は、キットとして組み立てることができる。前記キットは、通常、マーカー遺伝子類パネルに特異的な物質類(例えば、事前に選択したプライマー類)を含むことができる。また、増幅のための必要反応混合物を付与するためのさまざまなポリメラーゼ類(例えば、逆転写酵素、Taq等)を含む核酸増幅に適した酵素類、デオキシヌクレオチド類および緩衝剤類もまた、含むことができる。このようなキットにはさらに、適切な手段中において各それぞれの試薬および酵素類のためおよび各マーカープライマーペアのための明確な容器類を含むことができる。本発明のキットには、例えば、所望の試薬を入れておくための射出または吹き込み成形プラスチックコンテナー類のような閉鎖系で試薬を含有するための市販の手段を含むことができる。開示方法のある段階を実施するために適した他のコンテナー類もまた、付与できる。
特に、体液中循環しているメラノーマ細胞を検出するためのキットは、PAX−3、およびGalNAc−T、MAGE−A3、MART−1、TRP−2、MITF、およびチロシナーゼから構成される群から選択した1種以上の遺伝子類を含む遺伝子類パネルの発現を検出するための複数物質類(例えば、qRTを用いてマーカーmRNAを定量するためのプライマー類)を含むことができる。たとえば、前記キットは、PAX−3、MART−1、およびMAGE−3;PAX−3、MART−1、およびGalNAc−T;PAX−3、MAGE−3およびGalNAc−T;GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1およびPAX−3;MART−1、GalNAc−T、MITF、およびPAX−3;MART−1、TRP−2、GalNAc−TおよびPAX−3;または、チロシナーゼ、MART−1、GalNAc−TおよびPAX−3の発現を検出するための複数物質類を含むことができる。
これとは別に、前記キットは、GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1、PAX−3、TRP−2、MITFおよびチロシナーゼから構成された群から選択した少なくとも3種の遺伝子類の発現を検出するための複数物質類ならびにqRTを実施するための酵素類および試薬類を含むことができる。たとえば、前記キットは、GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1およびPAX−3の発現レベルをそれぞれ定量するための少なくとも4対のプライアー類を含むことができる。
体液中で循環している乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌細胞を検出するためのキットは、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、またはHSP27、およびC−Met、MAGE−A3、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、マンマグロビン、HSP27、GalNAc−T、CK20、およびβ−HCGから構成される群から選択した1個以上の追加遺伝子類を含む遺伝子類パネル発現を検出するための複数の物質類(例えば、qRTを用いてマーカーmRNAを定量するためのプライマー類)を含むことができる。これとは別に、遺伝子類パネルには、C−Met、MAGE−A3、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、マンマグロビン、HSP27、GalNAc−T、CK20、およびβ−HCGから構成される群から選択した少なくとも3種または4種の遺伝子類を含むことができる。たとえば、遺伝子類パネルには、CK20、β−HCG、およびマンマグロビン;GalNAc−T、マンマグロビン、およびβ−HCG;マンマグロビン、C−Met,GalNAc−Tおよびβ−HCG;マンマグロビン、β−HCG,HSP27、およびC−Met;またはHSP27、CK20、スタニオカルシン−1およびMAGE−A3を含むことができる。
特に、前記キットは、C−Met,MAGE−A3、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、マンマグロビン、HSP27、GalNAc−T、CK20、およびβ−HCGから構成される群から選択した少なくとも3種または4種の遺伝子類の発現レベルをそれぞれ定量するための少なくとも3対または4対のプライマー類、ならびにqRTを実施するための酵素類および試薬類を含むことができる。たとえば、前記キットは、C−Met,MAGE−A3、GalNAc−TおよびCK20の第1組み合わせ;マンマグロビン、C−Met、GalNAc−T、およびβ−HCGの第2組み合わせ;マンマグロビン、β−HCG,HSP27、およびC−Metの第3組み合わせ;またはHSP27、CK20、スタニオカルシン−1およびMAGE−A3の第4組み合わせの発現レベルをそれぞれ定量するための少なくとも4対のプライマー類を含むことができる。
下記の実施例は本発明の範囲を例示するために示し、限定するためではない。下記の実施例は使用可能なものを代表するが、当業者に公知の他の操作もこれとは別に用いることができる。実際、当業者は、過度の実験をすることもなく、本文に示した教示に基づきさらに実施形態を考案し作製することが容易にできる。
<実施例1 末梢血中循環しているメラノーマ細胞のマルチマーカー定量的リアルタイムPCR検出:メラノーマ患者における疾病病期との関連>
[材料および方法]
(メラノーマ細胞株)
メラノーマ細胞株17種(MA、MB、MC、MD、ME、MF、MG、MH、MI、MJ、MK、ML、MM、MN、MO、MPおよびMQ)を樹立しJohn Wayne Cancer Institute(JWCI)で特性解析した。細胞を、100mL/Lの熱不活性化ウシ胎児血清および10g/Lのペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco)をT75−cm2のフラスコ中に含むRPMI1640中で増殖させ、70%−80%コンフルエンスに到達した時点で使用した。
[材料および方法]
(メラノーマ細胞株)
メラノーマ細胞株17種(MA、MB、MC、MD、ME、MF、MG、MH、MI、MJ、MK、ML、MM、MN、MO、MPおよびMQ)を樹立しJohn Wayne Cancer Institute(JWCI)で特性解析した。細胞を、100mL/Lの熱不活性化ウシ胎児血清および10g/Lのペニシリン/ストレプトマイシン(Gibco)をT75−cm2のフラスコ中に含むRPMI1640中で増殖させ、70%−80%コンフルエンスに到達した時点で使用した。
(患者)
本研究に参加した全患者について身体の変遷および病歴を記録し、彼らのAJCC疾患病期を血液採取時点で決定し記録した。血液は、メラノーマ患者94例からJWCIでいかなる処置も受ける直前に採取した(病期I、20例;病期II、20例;病期III、32例;病期IV、22例)。全患者が、彼らの血液標本使用に対して同意書に署名し、本研究は、Saint John‘s Health CenterおよびJWCI施設審査委員会(Institutional Review Board Committee)で定めたガイドラインに従って実施した。
本研究に参加した全患者について身体の変遷および病歴を記録し、彼らのAJCC疾患病期を血液採取時点で決定し記録した。血液は、メラノーマ患者94例からJWCIでいかなる処置も受ける直前に採取した(病期I、20例;病期II、20例;病期III、32例;病期IV、22例)。全患者が、彼らの血液標本使用に対して同意書に署名し、本研究は、Saint John‘s Health CenterおよびJWCI施設審査委員会(Institutional Review Board Committee)で定めたガイドラインに従って実施した。
本研究は、二重盲検法で実行した。患者病気状況は、PCRアッセイを実施したかあるいはPCRデータを解析した人には知らせていなかったし、さらに、PCR結果は、病気状況を記録した人に知らせていなかった。
(血液処理およびRNA抽出)
我々は、メラノーマ患者各人から血液10mLを採取した。血液サンプルは、クエン酸ナトリウム含有試験管に採取し、初めて静脈に穿刺したときの最初の血液数ミリリットルは、先にも述べられているように(17、8)皮膚穿刺による夾雑を避けるため捨てた。採取後2時間以内に、血液を指定の血液処理室で処理した。血液細胞は、製造業者の指示に従ってPurescript RBC Lysis Solution(Gentra)を使用して採取した。
我々は、メラノーマ患者各人から血液10mLを採取した。血液サンプルは、クエン酸ナトリウム含有試験管に採取し、初めて静脈に穿刺したときの最初の血液数ミリリットルは、先にも述べられているように(17、8)皮膚穿刺による夾雑を避けるため捨てた。採取後2時間以内に、血液を指定の血液処理室で処理した。血液細胞は、製造業者の指示に従ってPurescript RBC Lysis Solution(Gentra)を使用して採取した。
Tri−Reagent(Molecular Research Center)を用いて、血液細胞および細胞株から先に記載のようにして(8,20)総細胞RNAを単離した。RNA抽出操作全ては、RNaseを含まないラボ機器類により指定の無菌層流フード中で行った。RNAは、紫外線分光分析により定量し、その純度を評価した。血液処理、RNA抽出、RT−PCRアッセイ設定およびRT−PCR後の産物の分析は、別々の指定された部屋で行い、交差夾雑を防止した(17、21)。
(プライマー類およびプローブ類)
プライマーおよびプローブ配列類は、先に述べたように(9,21)qRTのために作製した。蛍光共鳴エネルギートランスファープローブ配列は、下記のようであった。MART−1は、5’−FAM−TGCAGAACAGTCACCACCACC−BHQ−1−3’、GalNAc−Tは、5’−FAM−ATGAGGCTGCTTTCACTATCCGCA−BHQ−1−3’、PAX−3は、5’−FAM−CCAGACTGATTACGCGCTCTCCC−BHQ−1−3’、MAGE−A3は、5’−FAM−AGCTCCTGCCCACACTCCCGCCTGT−BHQ−1−3’、およびグリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)は、5’−FAM−CAGCAATGCCTCCTGCACCACCAA−BHQ−1−3’であった。ここで、FAMは6−カルボキシフルオレセインであり、およびBHQ−1は、Black Hole Quencher 1である。
プライマーおよびプローブ配列類は、先に述べたように(9,21)qRTのために作製した。蛍光共鳴エネルギートランスファープローブ配列は、下記のようであった。MART−1は、5’−FAM−TGCAGAACAGTCACCACCACC−BHQ−1−3’、GalNAc−Tは、5’−FAM−ATGAGGCTGCTTTCACTATCCGCA−BHQ−1−3’、PAX−3は、5’−FAM−CCAGACTGATTACGCGCTCTCCC−BHQ−1−3’、MAGE−A3は、5’−FAM−AGCTCCTGCCCACACTCCCGCCTGT−BHQ−1−3’、およびグリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)は、5’−FAM−CAGCAATGCCTCCTGCACCACCAA−BHQ−1−3’であった。ここで、FAMは6−カルボキシフルオレセインであり、およびBHQ−1は、Black Hole Quencher 1である。
メラノーマ細胞および健常人ドナーからの49種のPBLサンプル類を用いて、アッセイを最適化した。GAPDH遺伝子をコントロールハウスキーピング遺伝子として用いた。GAPDH mRNAが不十分な標本は全て、本研究から除外した。
(マルチマーカーqRTアッセイ)
逆転写反応は、オリゴ(dT)プライマーとともにマロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(Promega)により実施した(8,9)。マルチマーカーqRTアッセイは、iCycler iQ Real−Time Thermocycler Detection System(Bio−Rad Laboratories)中で実施した。我々は、総RNA250ng由来のcDNA5μLを96ウェルPCRプレート(Fisher Scientific)のウェルに移し、その中で、0.5μMの各プライマー、0.3μMの蛍光共鳴エネルギートランスファープローブ、1単位のAmpliTaq Goldポリメラーゼ(Applied Biosystems)、200μMの各デオキシヌクレオチド三リン酸、4.5mM MgCl2,およびPCR緩衝液を最終容量25μLになるように添加した。サンプルを、サイクル前95℃に10分間保持し、その後、変性を95℃で1分間、1分間のアニーリング(GAPDHのため55℃において、MART−1のため59℃において、GalNAc−TおよびPAX−3のため62℃において、MAGE−A3のため58℃において)、および伸長を72℃で1分間行うサイクルを42回行った。校正曲線は、プラスミドテンプレート類(108−100コピー)の系列希釈物9種の閾値サイクル(Ct)により作製した。各サンプルのCtは、標準曲線から外挿し、mRNAコピーの数は、iCycler iQ Real−Time Detection System Software(Bio−Rad Laboratories)により計算した。各アッセイは少なくとも2回行い、qRTアッセイ用マーカー陽性(メラノーマ細胞株)および陰性コントロール(健常ドナーのPBLs)類および試薬コントロール(RNAまたはcDNAを含まない試薬のみ)を含み、結果を検証した。各遺伝子の平均mRNAコピー数は、解析のために使用した。
逆転写反応は、オリゴ(dT)プライマーとともにマロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(Promega)により実施した(8,9)。マルチマーカーqRTアッセイは、iCycler iQ Real−Time Thermocycler Detection System(Bio−Rad Laboratories)中で実施した。我々は、総RNA250ng由来のcDNA5μLを96ウェルPCRプレート(Fisher Scientific)のウェルに移し、その中で、0.5μMの各プライマー、0.3μMの蛍光共鳴エネルギートランスファープローブ、1単位のAmpliTaq Goldポリメラーゼ(Applied Biosystems)、200μMの各デオキシヌクレオチド三リン酸、4.5mM MgCl2,およびPCR緩衝液を最終容量25μLになるように添加した。サンプルを、サイクル前95℃に10分間保持し、その後、変性を95℃で1分間、1分間のアニーリング(GAPDHのため55℃において、MART−1のため59℃において、GalNAc−TおよびPAX−3のため62℃において、MAGE−A3のため58℃において)、および伸長を72℃で1分間行うサイクルを42回行った。校正曲線は、プラスミドテンプレート類(108−100コピー)の系列希釈物9種の閾値サイクル(Ct)により作製した。各サンプルのCtは、標準曲線から外挿し、mRNAコピーの数は、iCycler iQ Real−Time Detection System Software(Bio−Rad Laboratories)により計算した。各アッセイは少なくとも2回行い、qRTアッセイ用マーカー陽性(メラノーマ細胞株)および陰性コントロール(健常ドナーのPBLs)類および試薬コントロール(RNAまたはcDNAを含まない試薬のみ)を含み、結果を検証した。各遺伝子の平均mRNAコピー数は、解析のために使用した。
(PBL中メラノーマ細胞の系列希釈研究)
血液中メラノーマ細胞の検出限界を決定するため、我々は、健常血液ドナー由来のPBLsと混合した系列希釈メラノーマ細胞についてqRTを実施した。このインビトロモデルシステムはある程度、血液中循環しているメラノーマ細胞を模倣する。このアッセイにおいて、4種のマーカー類全てを発現したメラノーマ細胞の系列希釈物(細胞100、10、5、2.5、1および0)は、107個のドナー由来PBLsと混合し、各マーカーについてqRTによってアッセイした。このインビトロアッセイは10回行い、このアッセイ系の再現性と優れた点を検証した。
血液中メラノーマ細胞の検出限界を決定するため、我々は、健常血液ドナー由来のPBLsと混合した系列希釈メラノーマ細胞についてqRTを実施した。このインビトロモデルシステムはある程度、血液中循環しているメラノーマ細胞を模倣する。このアッセイにおいて、4種のマーカー類全てを発現したメラノーマ細胞の系列希釈物(細胞100、10、5、2.5、1および0)は、107個のドナー由来PBLsと混合し、各マーカーについてqRTによってアッセイした。このインビトロアッセイは10回行い、このアッセイ系の再現性と優れた点を検証した。
(プラスミドコントロール類)
特異的プラスミドコントロールは、先に述べられているように(21)合成した。MART−1、GalNAc−T、PAX−3、MAGE−A3およびGAPDHから産生したPCR産物は、2%アガロースゲル電気泳動に流し、製造業者に指示に従いQIAquickゲル抽出法(Qiagen)により抽出した。抽出したPCR産物を、pCR II−TOPOクローニングベクター(Invitrogen)に連結し、結腸菌DH5−α細胞に形質転換した。ターゲット遺伝子を含むプラスミド類を精製し定量し、定量的PCRセットアップにおいて使用した。挿入PCR産物の大きさが適していることを確認するため、プラスミドを特定の制限酵素で消化し、産物をゲル電気泳動後に視覚で見えるようにした。
特異的プラスミドコントロールは、先に述べられているように(21)合成した。MART−1、GalNAc−T、PAX−3、MAGE−A3およびGAPDHから産生したPCR産物は、2%アガロースゲル電気泳動に流し、製造業者に指示に従いQIAquickゲル抽出法(Qiagen)により抽出した。抽出したPCR産物を、pCR II−TOPOクローニングベクター(Invitrogen)に連結し、結腸菌DH5−α細胞に形質転換した。ターゲット遺伝子を含むプラスミド類を精製し定量し、定量的PCRセットアップにおいて使用した。挿入PCR産物の大きさが適していることを確認するため、プラスミドを特定の制限酵素で消化し、産物をゲル電気泳動後に視覚で見えるようにした。
(統計分析)
我々は、AJCC病期で陽性マーカー検出を比較するためマン−ウッィトニー(Mann−Whitney)U試験を用いた。ピアソン相関係数およびコクラン−アルミタージュ(Cochran−Armitage)傾向試験を用いて、マーカー数と疾患AJCC病期との関連の有意性を調べた。カッパ解析を用いて2種のマーカーの関連を評価した。スピアマン相関係数を用いて、マルチマーカー検出とAJCC病期の関連を評価した。両側P値≦0.05は全て、統計的に有意とみなした。
我々は、AJCC病期で陽性マーカー検出を比較するためマン−ウッィトニー(Mann−Whitney)U試験を用いた。ピアソン相関係数およびコクラン−アルミタージュ(Cochran−Armitage)傾向試験を用いて、マーカー数と疾患AJCC病期との関連の有意性を調べた。カッパ解析を用いて2種のマーカーの関連を評価した。スピアマン相関係数を用いて、マルチマーカー検出とAJCC病期の関連を評価した。両側P値≦0.05は全て、統計的に有意とみなした。
[結果]
(校正曲線とアッセイ変動)
校正曲線は、コピー数対数とともに予測したとおりの直線的シグナル増加を示した。PCR効率は曲線傾きから評価し、90%と100%の間であった。本研究における全校正曲線について相関係数〔Ct対log(コピー数)〕は、≧0.99であった。
(校正曲線とアッセイ変動)
校正曲線は、コピー数対数とともに予測したとおりの直線的シグナル増加を示した。PCR効率は曲線傾きから評価し、90%と100%の間であった。本研究における全校正曲線について相関係数〔Ct対log(コピー数)〕は、≧0.99であった。
qRTをメラノーマ細胞株1種由来のmRNAにより異なる実験を行ったところ、GAPDH、MART−1、GalNAc−T、PAX−3およびMAGE−A3に対する精度の悪さの値(imprecision values)(CVs)は、それぞれ、アッセイ間(n=3)で7.7%、21%、14%、27%および34%であり、3回の結果で1.8%−22%であった(アッセイ内変動)。
(メラノーマ細胞株におけるマルチマーカーmRNA発現)
メラノーマ細胞株は全て、高コピー数のGAPDH発現を示し(平均、1.6×107;範囲、1.7×106から5.5×107)、mRNAマーカー類MART−1、GalNAc−T、PAX−3、およびMAGE−A3の発現は、それぞれ、これらのメラノーマ細胞株の88%、100%、100%および94%で検出された。MART−1 mRNAコピー数は、各メラノーマ細胞株由来総RNA250ng当たり0から8.4×106(平均、1.2×106)であった。GalNAc−Tのコピー数は、9.4×101から1.5×105(平均、2.2×104)の範囲で、PAX−3のコピー数は、3.2×103から2.7×106(平均、2.0×105)の範囲で、MAGE−A3の場合は、0から3.3×105(平均、7.3×104)であった。14種の細胞株がマーカー類4種を全て発現し、細胞株3種が3種のマーカーを発現した。健常ドナー49例からのPBL中、各マーカーについて確立した最適条件下で、マーカー発現は全く検出されなかった。
メラノーマ細胞株は全て、高コピー数のGAPDH発現を示し(平均、1.6×107;範囲、1.7×106から5.5×107)、mRNAマーカー類MART−1、GalNAc−T、PAX−3、およびMAGE−A3の発現は、それぞれ、これらのメラノーマ細胞株の88%、100%、100%および94%で検出された。MART−1 mRNAコピー数は、各メラノーマ細胞株由来総RNA250ng当たり0から8.4×106(平均、1.2×106)であった。GalNAc−Tのコピー数は、9.4×101から1.5×105(平均、2.2×104)の範囲で、PAX−3のコピー数は、3.2×103から2.7×106(平均、2.0×105)の範囲で、MAGE−A3の場合は、0から3.3×105(平均、7.3×104)であった。14種の細胞株がマーカー類4種を全て発現し、細胞株3種が3種のマーカーを発現した。健常ドナー49例からのPBL中、各マーカーについて確立した最適条件下で、マーカー発現は全く検出されなかった。
(マーカー発現のqRT検出限界)
メラノーマについて潜在的マーカー遺伝子類を確立した後、我々は、RNA希釈系列を用いて各マーカーの検出限界を決定した。総RNAは、4種のマーカー全てを発現したメラノーマ細胞株から単離した。次に2.5×10-1から10-8μgに系列希釈したRNAについてそれぞれのマーカーについてqRTを実施した。アッセイは、異なる細胞株3種により数回実施した。mRNA濃度は細胞株で異なっていたが、機器−qRTアッセイ組み合わせにより、常にピコグラム濃度で全てのマーカーを検出した。1pgのRNAからのMART−1、PAX−3およびMAGE−A3発現および10pgのRNAからのGalNAc−T発現はバックグランドを超えていた。バックグランドの差し引きは、各ウェルについての正味の(内部−外部)蛍光から行い、実験についての閾値蛍光は、iCycler iQ Real−Time Detection System Softwareによってサイクル2から10までの各ウェルの蛍光のSD平均の10倍に設定した。系列RNA希釈物による直線回帰分析により、それぞれのマーカーについて相関係数が0.95−0.998であり、傾きが−3.50から−3.75で、r=0.95−0.998であることが明らかになった。GAPDH発現は、評価した細胞株全てにおいて0.01pgのRNAから検出された。
メラノーマについて潜在的マーカー遺伝子類を確立した後、我々は、RNA希釈系列を用いて各マーカーの検出限界を決定した。総RNAは、4種のマーカー全てを発現したメラノーマ細胞株から単離した。次に2.5×10-1から10-8μgに系列希釈したRNAについてそれぞれのマーカーについてqRTを実施した。アッセイは、異なる細胞株3種により数回実施した。mRNA濃度は細胞株で異なっていたが、機器−qRTアッセイ組み合わせにより、常にピコグラム濃度で全てのマーカーを検出した。1pgのRNAからのMART−1、PAX−3およびMAGE−A3発現および10pgのRNAからのGalNAc−T発現はバックグランドを超えていた。バックグランドの差し引きは、各ウェルについての正味の(内部−外部)蛍光から行い、実験についての閾値蛍光は、iCycler iQ Real−Time Detection System Softwareによってサイクル2から10までの各ウェルの蛍光のSD平均の10倍に設定した。系列RNA希釈物による直線回帰分析により、それぞれのマーカーについて相関係数が0.95−0.998であり、傾きが−3.50から−3.75で、r=0.95−0.998であることが明らかになった。GAPDH発現は、評価した細胞株全てにおいて0.01pgのRNAから検出された。
(PBLと混合したメラノーマ細胞のインビトロにおけるqRT検出限界)
このアッセイで、PBLs 107個と混合したメラノーマ細胞1個から各マーカーについてmRNAを検出した。mRNAコピーは、メラノーマ細胞の系列希釈で漸次、減少した(図1)。それぞれのマーカーについてのmRNAコピー数は、変動した。全マーカーは、10種の実験全てにおいて107個のPBLと混合した10個のメラノーマ細胞で陽性であった。107個のPBLsと混合したメラノーマ細胞1個からのMART−1、GalNAc−T、PAX−3、およびMAGE−A3の検出頻度は、それぞれ、90%、80%、50%および20%であった。これらの割合は、血液数ミリリットル中メラノーマ細胞1個に等しい。108個のPBL中においてメラノーマ細胞1個の希釈物を試験した時、10回試験のうちそれぞれ6、4、2および2回、MART−1、GalNAc−T、PAX−3およびMAGE−A3発現を検出した。
このアッセイで、PBLs 107個と混合したメラノーマ細胞1個から各マーカーについてmRNAを検出した。mRNAコピーは、メラノーマ細胞の系列希釈で漸次、減少した(図1)。それぞれのマーカーについてのmRNAコピー数は、変動した。全マーカーは、10種の実験全てにおいて107個のPBLと混合した10個のメラノーマ細胞で陽性であった。107個のPBLsと混合したメラノーマ細胞1個からのMART−1、GalNAc−T、PAX−3、およびMAGE−A3の検出頻度は、それぞれ、90%、80%、50%および20%であった。これらの割合は、血液数ミリリットル中メラノーマ細胞1個に等しい。108個のPBL中においてメラノーマ細胞1個の希釈物を試験した時、10回試験のうちそれぞれ6、4、2および2回、MART−1、GalNAc−T、PAX−3およびMAGE−A3発現を検出した。
(メラノーマ患者由来血液中におけるマルチマーカーmRNA検出の評価)
相対的mRNAコピー範囲(各マーカーの絶対mRNAコピー/GAPDHの絶対mRNAコピー)は、各マーカーについて10-6から10-8であった(図2)。mRNAの相対コピー数は、疾病病期が進行するに伴い大きくなった。ピアソン相関係数分析結果は、全マーカーについてAJCC病期とmRNAコピーの間で有意であった。MART−1についてr=0.28(P=0.01)、GalNAc−Tについてr=0.37(P=0.0002)、PAX−3についてr=0.28(P<0.0001)、MAGE−A3についてr=0.25(P=0.014)。それぞれのマーカー類全てについて(MART−1、P=0.01;GalNAc−T、P=0.0002;PAX−3、P=0.0001;MAGE−A3、P=0.03)、病期III /IVの患者(転移疾患)についての相対的mRNAコピーは、病期I/IIの患者(局部的な疾患)についてのコピー数よりも有意に大きかった(マン−ウィットニーU試験)。
相対的mRNAコピー範囲(各マーカーの絶対mRNAコピー/GAPDHの絶対mRNAコピー)は、各マーカーについて10-6から10-8であった(図2)。mRNAの相対コピー数は、疾病病期が進行するに伴い大きくなった。ピアソン相関係数分析結果は、全マーカーについてAJCC病期とmRNAコピーの間で有意であった。MART−1についてr=0.28(P=0.01)、GalNAc−Tについてr=0.37(P=0.0002)、PAX−3についてr=0.28(P<0.0001)、MAGE−A3についてr=0.25(P=0.014)。それぞれのマーカー類全てについて(MART−1、P=0.01;GalNAc−T、P=0.0002;PAX−3、P=0.0001;MAGE−A3、P=0.03)、病期III /IVの患者(転移疾患)についての相対的mRNAコピーは、病期I/IIの患者(局部的な疾患)についてのコピー数よりも有意に大きかった(マン−ウィットニーU試験)。
全体として、メラノーマ患者94例からの血液サンプルにおいて、MART−1、GalNAc−T、PAX−3およびMAGE−A3は、それぞれ、患者の30%、24%、22%および18%で検出され(表1)、初期疾患患者においてマーカー遺伝子の検出率は低かった。各マーカーの検出率は、AJCC病期に有意に相関していた(コクラン−アルミタージュ傾向試験)(MART−1、P=0.003;GalNAc−T、P=0.0006;PAX−3、P<0.0001;MAGE−A3、P=0.016)。我々は、MART−1およびMAGE−A3(P=0.021)以外のマーカー遺伝子対で、マーカー検出の有意な一致(カッパ試験)を見たものはなかった。
患者で検出したマルチマーカーの数は、AJCC病期が進行した患者で同様に大きかった(スピアマンr=0.58、P<0.0001、表2)。AJCC I期患者20例中3例(15%)のみが、少なくとも1種の陽性マーカーが検出されたが、一方、AJCC IV期患者22例中19例(86%)が少なくとも1種の陽性マーカーを有し、さらにAJCC IV期患者22例中12例(55%)で複数マーカーが検出された。患者を0または1種の陽性マーカーが検出されたものと2種以上の(複数)陽性マーカーが検出されたものに分けると、コクラン−アルミタージュ傾向試験から、疾患進行病期の患者で複数マーカーの有意な増加が示唆された(P<0.0001)。検出されたマーカーの数は、病期I/IIと病期III/IVの間で分布が鮮明なコントラストを示していた。病期I/IIにおいて、患者15%、7%、0%および0%がそれぞれ、1、2、3および4種の検出マーカーを有していた。一方、病期III/IVにおいて患者の35%、28%、15%および2%が、それぞれ、1、2、3および4種の検出マーカーを有していた。AJCC病期I/IIとIII/IVでマルチマーカー検出に有意な差異があった(P<0.0001)。
[考察]
本研究では、血液中循環しているメラノーマ細胞検出のための感度の良くかつ特異的な定量的アッセイとしてマルチマーカーqRTの有用性を示した。インビトロモデルでは、本アッセイの再現性と信頼性ならびに臨床的適用可能性を明らかにした。本アッセイでは、健常血液ドナー由来の107−108個のPBLs中で約1個のメラノーマ細胞を検出した。血液中における陽性マーカーの数は、初期疾患患者よりも進行期メラノーマ患者で有意に大きかった。
本研究では、血液中循環しているメラノーマ細胞検出のための感度の良くかつ特異的な定量的アッセイとしてマルチマーカーqRTの有用性を示した。インビトロモデルでは、本アッセイの再現性と信頼性ならびに臨床的適用可能性を明らかにした。本アッセイでは、健常血液ドナー由来の107−108個のPBLs中で約1個のメラノーマ細胞を検出した。血液中における陽性マーカーの数は、初期疾患患者よりも進行期メラノーマ患者で有意に大きかった。
qRTアッセイは、PCR産物が持ち越した夾雑物を含むことなく多数のサンプルを高処理量で分析できる能力を有している。さらに、このアッセイでは、mRNAの正確かつ再現可能な定量を可能とし、サンプル中での遺伝子発現を比較する。このアッセイシステムは、磁気ビーズ、分離媒体または他の手法のような細胞分離方法を必要とすることなく血液中で何百万という正常白血球中で潜在的転移腫瘍細胞を検出できるので、全体として計算上の利点を付与する。
本研究で選択した4種のmRNAマーカー類は、最適化アッセイ条件下でメラノーマ細胞中では頻繁に観察されるが健常ドナー血液PBLでは観察されなかった。我々の先の研究で、転移性メラノーマ腫瘍はメラノーマ関連マーカー発現において不均質であることを明らかにした(9,21)。MART−1、GM2/GD2およびMAGE−A3はヒトできわめて免疫性が高いことが明らかとなっている(22−24)ので、これらの抗原を発現する細胞が宿主免疫によって排除することもできる。しかし、マルチマーカーアッセイにおけるマーカー類の組み合わせが、それぞれのマーカー発現を補償でき、したがって、我々は、腫瘍細胞検出が高められ、偽陰性結果を低下できると期待している。
メラノーマ患者由来の血液標本中において、血液中における全般的検出率は、GalNAc−TおよびPAX−3と同様にMART−1で最も高く、MAGE−A3で最も低かった。血液と比較しての細胞株分析における差は、血液循環時の細胞の生理またはクローン表現型と関連させることができる(17)。マルチマーカーqRTアッセイの検出率は、それぞれのマーカー単独のいずれの場合よりも高かった。これらの知見は、血液中における単一マーカーアッセイの臨床的用途が限定されているという指摘を裏付ける(17、25、26)。我々は、先に検出率が変動すると報告されていることならびに偽陽性という潜在的問題のゆえに、本研究ではチロシナーゼを用いなかった(25,26)。血液中における腫瘍細胞検出は、しばしば、先に報告されている研究における成果と相関させ直接試験されることが多い。しかし、このような分析は、腫瘍転移にはさまざまな変動要因が関与しているので、確定した患者標本で実施しなければならない(17)。血液マーカーは、診断および予測関数として作用できる。この研究では、臨床II病期の患者のための予測マーカー類は、歩哨リンパ節(SLNs)の分子アップステージングにより検証した(9,21)。我々は、先に、病期III/IVのメラノーマ患者における疾病の今後を予測する際、循環しているメラノーマ細胞が重要であることを明らかにしている(27、28)。本研究では、AJCC病期I/IIおよびIII/IVの患者由来の血液における差を定量的に明確にした。この定量的リアルタイム循環細胞アッセイは潜在的に、患者の病気状況を評価し、処置管理を導く際に有用であろう(29,30)。
要約すると、メラノーマの予後が、腫瘍および宿主の人口統計学的および変化のない静的要因に基づいて現在決定されているが、進行性腫瘍転移という動的要因もまた、重要である。血液中の分子マーカー類は、全身疾患進行の非常に情報に富む指標となることができる。我々の知見は、メラノーマ患者血液中における循環細胞検出においてqRTアッセイが臨床的に潜在的有用性を有するということを示唆している。
<実施例2 III期メラノーマネオアジュバント生化学療法における循環しているメラノーマの連続モニタリング:多施設治験における結果予測>
[患者および方法]
(患者)
このqRT研究のための患者は、ネオアジュバントBCのプロスペクティブ多施設治験に参加したメラノーマ患者94例から選択した。前記患者94例は、男性61名および女性33名を含み、メジアン年齢は43歳であった(範囲17−76)。全患者は病理学的にAJCC III期のメラノーマと診断されており、1999年と2002年の間にネオアジュバントBCと手術により治療を受けていた。前記施設のうちの3施設、John Wayne Cancer Institute(ジョンウェインキャンサーインスチィチュート)(Santa Monita、CA)、University of Colorado Cancer Center(Aurora,CO)およびHubert H.Humphrey Cancer Center(Robbinsdale、MN)からの患者のグループは、その血液標本使用に関する同意書に署名し、このqRT研究は、それぞれの施設の調査委員会で規定したガイドラインに沿って承認を受け実行した。
[患者および方法]
(患者)
このqRT研究のための患者は、ネオアジュバントBCのプロスペクティブ多施設治験に参加したメラノーマ患者94例から選択した。前記患者94例は、男性61名および女性33名を含み、メジアン年齢は43歳であった(範囲17−76)。全患者は病理学的にAJCC III期のメラノーマと診断されており、1999年と2002年の間にネオアジュバントBCと手術により治療を受けていた。前記施設のうちの3施設、John Wayne Cancer Institute(ジョンウェインキャンサーインスチィチュート)(Santa Monita、CA)、University of Colorado Cancer Center(Aurora,CO)およびHubert H.Humphrey Cancer Center(Robbinsdale、MN)からの患者のグループは、その血液標本使用に関する同意書に署名し、このqRT研究は、それぞれの施設の調査委員会で規定したガイドラインに沿って承認を受け実行した。
(治療プログラムと血液確保)
全患者は、術前3週間おきにBCサイクルを2回受けた。BC治療プログラムは、第1−4日にシスプラチン20mg/m2静脈内投与(i.v.)、第1日にダカルバジン800mg/m2 i.v.、第1−4日にビンブラスチン1.6mg/m2 i.v.、第1−4日において24時間にわたりインタロイキン−2(Chiron Corporation、Emeryville、CA)9MU/m2 i.v.、第1−5日にα−インタフェロン5MU/m2皮下投与(s.c.)、および第6−12日に顆粒球コロニー刺激因子(Amgen、Inc.、Thousand Oaks,CA)5mcg/kg、s.c.であった。次に、患者は、治療的リンパ摘出術を受け、術後42日以内にBCサイクルを2回受けた。術後BCプログラムは、術前プログラムと同じであった。全患者は、治療中および追跡時における特定時点において、臨床的におよび放射線で評価した。
全患者は、術前3週間おきにBCサイクルを2回受けた。BC治療プログラムは、第1−4日にシスプラチン20mg/m2静脈内投与(i.v.)、第1日にダカルバジン800mg/m2 i.v.、第1−4日にビンブラスチン1.6mg/m2 i.v.、第1−4日において24時間にわたりインタロイキン−2(Chiron Corporation、Emeryville、CA)9MU/m2 i.v.、第1−5日にα−インタフェロン5MU/m2皮下投与(s.c.)、および第6−12日に顆粒球コロニー刺激因子(Amgen、Inc.、Thousand Oaks,CA)5mcg/kg、s.c.であった。次に、患者は、治療的リンパ摘出術を受け、術後42日以内にBCサイクルを2回受けた。術後BCプログラムは、術前プログラムと同じであった。全患者は、治療中および追跡時における特定時点において、臨床的におよび放射線で評価した。
末梢血は、術前BC(pre−BC、n=63)、外科手術前(手術前、n=55)、外科手術後(手術後、n=55)および術後BC(post−BC、n=58)直後に採取した。前記4種のサンプリング時点のそれぞれの間隔は、約6週間で、全血液標本は、採取後30時間以内に処理した。
(標準的実施操作)
血液サンプル10ミリリットルをクエン酸ナトリウム含有試験管に採取し、最初の血液数ミリリットルは、先にも述べられているように(8、17)皮膚穿刺による夾雑を避けるため捨てた。全血液標本に、コンピュータ作製の数値によりコードを付け、qRT研究を盲検法で実施できた。血液中総細胞を、製造業者の指示に従ってPurescript RBC Lysis Solution(Gentra)を使用して採取した。
血液サンプル10ミリリットルをクエン酸ナトリウム含有試験管に採取し、最初の血液数ミリリットルは、先にも述べられているように(8、17)皮膚穿刺による夾雑を避けるため捨てた。全血液標本に、コンピュータ作製の数値によりコードを付け、qRT研究を盲検法で実施できた。血液中総細胞を、製造業者の指示に従ってPurescript RBC Lysis Solution(Gentra)を使用して採取した。
Tri−Reagent(Molecular Research Center,Cincinnati,OH)を用いて、血液標本から先に記載のようにして(8,17)総細胞RNAを単離した。RNAは、紫外線分光分析により定量し、その純度を評価した。血液処理、RNA抽出、RT−PCRアッセイ設定およびRT−PCR後産物の分析は、別々の指定された部屋で行い、交差夾雑を防止した。
RT反応は、オリゴ(dT)プライマーとともにマロニーマウス白血病ウイルス逆転写酵素(Promega、Madison、WI)により実施した(8,9)。マルチマーカーqRTアッセイは、先にも述べたように(31、9)、iCycler iQ Real−Time Thermocycler Detection System(Bio−Rad Laboratories、Hercules、CA)中で実施した。プライマーおよびプローブ配列は、qRTのために設計した。蛍光共鳴エネルギートランスファープローブ配列類は下記のようであった。MART−1は、5’−FAM−TGCAGAACAGTCACCACCACC−BHQ−1−3’、GalNAc−Tは、5’−FAM−ATGAGGCTGCTTTCACTATCCGCA−BHQ−1−3’、PAX−3は、5’−FAM−CCAGACTGATTACGCGCTCTCCC−BHQ−1−3’、MAGE−A3は、5’−FAM−AGCTCCTGCCCACACTCCCGCCTGT−BHQ−1−3’およびグリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(GAPDH)は、5’−FAM−CAGCAATGCCTCCTGCACCACCAA−BHQ−1−3’であった。我々は、総RNA250ng由来のcDNA5μLを96ウェルPCRプレート(Fisher Scientific、Pittsburgh,PA)のウェルに移し、その中で、0.5μmol/Lの各プライマー、0.3μmol/Lのプローブ、1単位のAmpliTaq Goldポリメラーゼ(Applied Biosystems、Branchburg,NJ)、200μmol/Lの各dNTP、4.5mmol/L MgCl2、およびPCR緩衝液を最終容量25μLになるように添加した。サンプルを、サイクル前95℃に10分間保持し、その後、変性95℃で1分間、GAPDHのため55℃において(MART−1のため59℃において、GalNAc−TおよびPAX−3のため62℃において、MAGE−A3のため58℃においてアニーリング)1分間のアニーリング、および伸長を72℃で1分間のサイクルを42回行った。
標準曲線は、プラスミドテンプレート類(100−108コピー)の系列希釈物9種の閾値サイクル(Ct)により作製した。各サンプルのCtは標準曲線から外挿し、mRNAコピーの数は、iCycler iQ Real−Time Detection System Software(Bio−Rad Laboratories)により計算した。17種のメラノーマ細胞株と健常ドナー49名からの末梢血白血球(PBLs)を用いてアッセイを最適化した。各qRTアッセイは少なくとも2回行い、マーカー陽性(メラノーマ細胞株)およびマーカー陰性コントロール(健常ドナーのPBL)類および試薬コントロール(RNAまたはcDNAを含まない試薬のみ)を含んでいた。GAPDH遺伝子は、コントロールハウスキーピング遺伝子として用いた。不適切なGAPDH mRNAの標本は全て、本研究から除外した。各遺伝子の平均mRNAコピー数は、解析のために使用した。
(統計解析)
本研究は、治療過程中のCTCの変化および疾患再燃と生存に及ぼす全治療後の循環している腫瘍負荷が予後に及ぼす効果を調べるために設計した。全治療後検出したマーカー類の数、疾患再燃および生存が、主要な結果であった。mRNAコピー数および各時点でのそれぞれのマーカーの検出率を二次終点とみなした。
本研究は、治療過程中のCTCの変化および疾患再燃と生存に及ぼす全治療後の循環している腫瘍負荷が予後に及ぼす効果を調べるために設計した。全治療後検出したマーカー類の数、疾患再燃および生存が、主要な結果であった。mRNAコピー数および各時点でのそれぞれのマーカーの検出率を二次終点とみなした。
各時点でのそれぞれのマーカーの検出を表にして示した。ウィルコクソンのランクテストを用いて治療中のマーカー数を比較した。マン−ウィットニィU試験を用いて、再燃および再燃していない患者の間におけるマーカーの差を評価した。リンパ摘出後の無再燃生存(RFS)およびBC開始(pre−BC)からのOSを用いて、結果を測定した。コックス比例ハザードモデルを開発し、RFSおよびOSと検出されたマーカー類との関連を検討し、多変数解析に使用した。年齢、性、原発腫瘍部位、ブレスロウ(Breslow)腫瘍厚さ、潰瘍化、AJCC原発腫瘍(T)病期、局所リンパ節(N)病期、III期グループ化(IIIA,IIIBおよびIIIC)、これまでの治療状況、それぞれのマーカー類の検出および全治療後のマルチマーカー数のような公知の臨床的および病理学的リスク因子をモデルに含めた。段階的方法を用いて、予後変数を選択した。ログ−ランク試験を用いて、それぞれのマーカー検出があった患者間および全治療後の0、1、および≧2検出可能マーカー類を有する患者間でのRFSとOSを比較した。生存曲線は、カプラン−マイヤ法を用いて作成した。
二次的結果について、マックネマ(McNemar)試験を用いて、いかなる2つの時点におけるそれぞれのマーカーの検出を比較し、ウィルコクソン(Wilcoxon)のランク試験を用いて治療過程時のmRNAコピー変化を検討した。解析は、SAS統計ソフトウェアを用いて行い、全ての試験は、有意レベル≦0.05として両側で行った。
[結果]
(qRT研究に参加させることができる患者)
我々のqRT研究には、臨床治験に参加した患者94例中63名を含めた。残りの患者31例は、血液確保ができなかったこと(患者23例)、疾患進行が急激であったこと(患者4例)またはネオアジュバントBC時に重篤な毒性があったこと(患者4例)のため除外した。マルチマーカーqRTアッセイは、患者63例から採取した血液サンプル231について実施した(男性41例および女性22例、メジアン年齢42歳〔範囲、17−76歳〕、メジアン術後追跡期間、30.4ヶ月)。
(qRT研究に参加させることができる患者)
我々のqRT研究には、臨床治験に参加した患者94例中63名を含めた。残りの患者31例は、血液確保ができなかったこと(患者23例)、疾患進行が急激であったこと(患者4例)またはネオアジュバントBC時に重篤な毒性があったこと(患者4例)のため除外した。マルチマーカーqRTアッセイは、患者63例から採取した血液サンプル231について実施した(男性41例および女性22例、メジアン年齢42歳〔範囲、17−76歳〕、メジアン術後追跡期間、30.4ヶ月)。
(標準曲線およびマルチマーカーqRTアッセイの特異性)
標準曲線は、コピー数対数とともに予測したとおりの直線的シグナル増加を示した。PCR効率は曲線傾きから評価し、90%と100%の間であった。本研究における全ての標準曲線について相関係数は、≧0.99であった。MART−1、GalNAc−T、PAX−3、およびMART−A3 mRNAは、最適化条件下で49名の健常ドナー血液標本中で検出されなかったが、メラノーマ細胞株(31)で頻繁に検出された。それぞれのマーカーは、健常ドナーのPBLs 107個で希釈した1個乃至5個のメラノーマ細胞で検出された。変動係数(CV)はそれぞれのマーカーについての3回の結果について1.8から22%であり(アッセイ内変動)、アッセイ間で14から34%であった(31)。
標準曲線は、コピー数対数とともに予測したとおりの直線的シグナル増加を示した。PCR効率は曲線傾きから評価し、90%と100%の間であった。本研究における全ての標準曲線について相関係数は、≧0.99であった。MART−1、GalNAc−T、PAX−3、およびMART−A3 mRNAは、最適化条件下で49名の健常ドナー血液標本中で検出されなかったが、メラノーマ細胞株(31)で頻繁に検出された。それぞれのマーカーは、健常ドナーのPBLs 107個で希釈した1個乃至5個のメラノーマ細胞で検出された。変動係数(CV)はそれぞれのマーカーについての3回の結果について1.8から22%であり(アッセイ内変動)、アッセイ間で14から34%であった(31)。
(治療時マルチマーカーmRNA検出の変化)
GAPDH発現を、全血液標本で検出した。絶対コピー数/総RNA250ngは、9.21×104から1.83×108(メジアン、1.75×107)であった。相対的mRNAコピー(各マーカーの絶対的mRNAコピー/GAPDHの絶対的mRNAコピー)の範囲は、全体で0から8.4×10-6であり、マーカー陽性標本で10-8から10-6であった(図3)。治療中、全マーカーの相対的mRNAコピーは、漸次、有意に治療前レベルより小さいレベルに低下した(MART−1、P=0.0006;GalNAc−T、P=0.005;PAX−3、P=0.002;MAGE−A3、P=0.013)。各サンプリング間隔時の相対的mRNAコピーレベルの変化は、術前BC時におけるPAX−3 mRNAコピーレベルが有意に低下した(P=0.032)ことを除いて、有意ではなかった。
GAPDH発現を、全血液標本で検出した。絶対コピー数/総RNA250ngは、9.21×104から1.83×108(メジアン、1.75×107)であった。相対的mRNAコピー(各マーカーの絶対的mRNAコピー/GAPDHの絶対的mRNAコピー)の範囲は、全体で0から8.4×10-6であり、マーカー陽性標本で10-8から10-6であった(図3)。治療中、全マーカーの相対的mRNAコピーは、漸次、有意に治療前レベルより小さいレベルに低下した(MART−1、P=0.0006;GalNAc−T、P=0.005;PAX−3、P=0.002;MAGE−A3、P=0.013)。各サンプリング間隔時の相対的mRNAコピーレベルの変化は、術前BC時におけるPAX−3 mRNAコピーレベルが有意に低下した(P=0.032)ことを除いて、有意ではなかった。
同様に、それぞれのマーカー検出率は、全治療時に有意に低下した(MART−1、P=0.001;GalNAc−T、P=0.005;PAX−3、P=0.001;MAGE−A3、P=0.004)が、このことは、各サンプリング間隔でゆっくりと、有意ではないが低下したことを反映している(表3)。各標本中で検出されたマーカー類の数もまた、全処置中に有意に減少し(P<0.0001)、そのことは、手術中ではなく術前および術後BC(それぞれ、P=0.046およびP=0.008)の間に、有意に減少したことを反映している。処置前、患者63例のうち47例(75%)由来の血液標本は少なくとも1種のマーカーを発現し、患者22名(36%)の標本は、1種を超えるマーカーを発現した。全処置後、患者41例(70%)の標本は全くマーカーを有しておらず、標本5個(10%)のみが1種を超えるマーカーを発現していた。
(疾患再燃と生存の予測因子としてのマルチマーカーmRNA)
30.4ヶ月の術後追跡メジアンにおいて(範囲4.6から52.4ヶ月)、患者63例中19例(30%)が再燃し、44例(77%)が臨床的に疾患を有していなかった。処置後マーカー検出率は、再燃および再燃していない患者群を明確に識別した(それぞれ、61%および15%)。マーカー数は、無再燃患者で有意に小さく(P=0.001)、そのことは、有意な全体としての減少(P<0.0001)および術前および術後BCにおける有意な減少(それぞれ、P=0.036およびP<0.0001)を反映している(表4)。再燃患者において、いかなるサンプリング時点2箇所においても有意な差は見られなかった。患者19例中18例(85%)で治療中少なくとも1種のマーカーを発現し、治療後少なくとも2種のマーカーを発現した患者では、7ヶ月以内に再燃した(表5)。
30.4ヶ月の術後追跡メジアンにおいて(範囲4.6から52.4ヶ月)、患者63例中19例(30%)が再燃し、44例(77%)が臨床的に疾患を有していなかった。処置後マーカー検出率は、再燃および再燃していない患者群を明確に識別した(それぞれ、61%および15%)。マーカー数は、無再燃患者で有意に小さく(P=0.001)、そのことは、有意な全体としての減少(P<0.0001)および術前および術後BCにおける有意な減少(それぞれ、P=0.036およびP<0.0001)を反映している(表4)。再燃患者において、いかなるサンプリング時点2箇所においても有意な差は見られなかった。患者19例中18例(85%)で治療中少なくとも1種のマーカーを発現し、治療後少なくとも2種のマーカーを発現した患者では、7ヶ月以内に再燃した(表5)。
処置前、マーカー検出は、性、年齢、原発部位、ブレスロウ腫瘍厚さ、潰瘍化、pTステージ、pNステージ、III期グループ分類(IIIA、IIIB、およびIIIC)、およびこれまでの治療状況に全く相関していなかった。治療後、RFSは、血液標本がMART−1、GalNAc−Tおよび/またはMAGE−A3に陽性であった時有意に低下した(それぞれ、P=0.0003、P<0.0001、およびP<0.0001)(図4)。低下の大きさは、陽性マーカーの数と直接相関していた(P<0.0001)(図4)。陽性マーカーを全く有していない患者について(n=41)、患者7例が再燃し、推定RFS率は、12ヶ月について97.6±2.4%(推定±SE)および24ヶ月について89.8±4.9%であった。陽性マーカーを1個有する患者について(n=12)、患者7例が再燃し、推定RFS率は、12ヶ月について81.8±11.6%および24ヶ月について62.3±15.0%であった。陽性マーカーを2個以上有する患者について(n=5)、患者4例が再燃し、推定RFS率は、12ヶ月について20.0±17.9%であった。コックスハザードモデル解析で、RFSについての重要な予後因子として全処置後のMART−1(リスク比=10.2;95%CI=1.91から54.1;P=0.007)、GalNAc−T(リスク比=6.56;95%CI=1.43から30.0;P=0.015)およびMAGE−A3(リスク比=33.6;95%CI、7.82から144.6;P<0.0001)を選択した。年齢(>50対<50)(リスク比=8.25;95%CI、2.01から33.8;P=0.003)の他には、コックス比例モデルで選択した因子はなかった。処置前後で得られた血液標本中マーカー検出は、RFSと相関していなかった。
処置後、もし血液標本が、MART−1、GalNAc−Tおよび/またはMAGE−A3について陽性であれば、OSは有意に減少した(それぞれ、P=0.007、P<0.0001およびP=0.009)(図5)。また、減少程度は、陽性マーカーの数と直接相関していた(P<0.0001)(図5)。陽性マーカーを有していない患者について、12ヶ月以内に死亡した患者は皆無で、追跡期間に患者4例が死亡し、24ヶ月についての推定OSは、94.5±3.8%(推定±SE)であった。陽性マーカーを1種有していた患者について、12ヶ月以内に死亡した患者は皆無で、24ヶ月について患者5例が死亡し、推定OSは、80.0±12.7%であった。陽性マーカーを2個以上有する患者について、12ヶ月以内に3例が死亡し、推定1年生存率は、40.0±21.9%であった。コックス比例ハザード回帰モデルを用いて、処置後陽性マーカーの数(リスク比=12.6;95%CI、3.16から50.5;P=0.0003)を、OSについての有意な独立予後因子として選択した。年齢(>50対<50)(リスク比=8.19;95%CI、2.30から28.5;P=0.001)の他には、コックス比例モデルで選択した因子はなかった。
[考察]
最近の研究では血液中CTCsの重要性が明らかとなっているが、ほとんどは、病期と腫瘍負荷との相関に注目してきた(29,32)。我々は先に、メラノーマワクチンを服用しているAJCC III期メラノーマ患者における今後の疾病予測のためにCTCsが重要であると明らかにした(27、28)。CTCsは全身的無症状疾患を示唆するので、それらの量的リアルタイム検出は、アジュバント療法に対する結果の予測で代替マーカーになることができる。我々は、本研究で、マルチマーカーqRTアッセイが外科手術前後にBC投与を受けているAJCC III期メラノーマ患者の血液中でCTCsを検出できることおよびマルチマーカー検出の変動が疾患進行と全体としての生存と相関していることを明らかにした。
最近の研究では血液中CTCsの重要性が明らかとなっているが、ほとんどは、病期と腫瘍負荷との相関に注目してきた(29,32)。我々は先に、メラノーマワクチンを服用しているAJCC III期メラノーマ患者における今後の疾病予測のためにCTCsが重要であると明らかにした(27、28)。CTCsは全身的無症状疾患を示唆するので、それらの量的リアルタイム検出は、アジュバント療法に対する結果の予測で代替マーカーになることができる。我々は、本研究で、マルチマーカーqRTアッセイが外科手術前後にBC投与を受けているAJCC III期メラノーマ患者の血液中でCTCsを検出できることおよびマルチマーカー検出の変動が疾患進行と全体としての生存と相関していることを明らかにした。
本研究に選択した4種のmRNAマーカー類は、メラノーマ患者由来の血液標本中でしばしば観察されるが、健常人からの血液では観察されない(31)。転移メラノーマ腫瘍はメラノーマ関連マーカー発現が不均質なので(9,17)、マーカー組み合わせにより、それぞれのマーカー発現の変動を補償できる。従って、我々は、腫瘍細胞検出を大いに高めて偽陰性結果を減らすことができると期待している。検出率は、いずれかの各マーカーをアッセイするよりもマルチマーカーqRTアッセイでより高い。これらの知見は、血液中のシングルマーカーアッセイの臨床的有用性が限定されていることを示唆している(17、25、26)。
各血液標本中陽性マーカー類の数は、全3回のサンプリング間隔にわたりかつ術前および術後BCの間、有意に低下した。術後の統計的に有意ではない低下は、おそらく、残っている腫瘍負荷を反映しているのであろう。CTCsは、術後患者の半分以上で検出され、AJCC III期メラノーマ患者における疾患再燃頻度が高いことと一致している。これらの知見はまた、III期メラノーマの完全摘出を受けた患者において全身性無症状疾患検出のため術後モニタリングする必要性を示唆している(33)。
マーカー検出率の変化は、再燃を起こしていない患者および再燃している患者で明らかに異なっていた。術前および術後BCは、再燃を起こしていない患者でのみマーカー数を有意に減少させた。処置後のマーカー検出はまた、全般的生存と相関していた。これらの結果は、CTCsの連続モニタリングを用いて今後の疾患を予測できるかもしれないことを示唆している。再燃を起こしていない患者および再燃している患者におけるマーカー検出率に手術が有意な影響を及ぼしていないという事実は、無症状の全身疾患がすでに手術介入前に確立してしまっていたことを示唆している。コックス比例モデルは、病理組織因子(pTおよび/またはpNステージ)を予後因子として選択しなかったが、これらの知見は、TNM病期分類基準によって主部および局所リンパ節を評価することによりネオアジュバント療法を受けている患者における疾患再燃および全般的生存を正確に予測できないことを示唆するのかもしれない。その理由として、化学療法および/または免疫療法薬剤により腫瘍負荷が修飾されていることがあげられる。
臨床的見地から、高リスク患者を識別して臨床的に無疾患の患者のアジュバント療法に対する応答をモニターする手段を開発することは、メラノーマ患者の医療措置管理における重要な進歩となるであろう。メラノーマにおけるCTCsのほとんどの研究では、唯一の時点で得られた標本を使用してきたが、連続的に評価することで異なる治療相におけるCTC変化を検出できる。これが、CTC評価をリアルタイムで無症状の腫瘍進展を検出するための期待できる手段とする。我々は治療に対する臨床応答を測定しなかったが、我々のアッセイシステムは治療のどの成分が非常に効果的でどれが改善を要するのか識別する能力を有しているであろう。治療プログラムが多くの様式と多くの相を要するようになるに伴い、応答をモニターしかつ結果を予測するために使用できる臨床的に関連する代替マーカー類が緊急に必要となるであろう。
ネオアジュバント療法を受けた患者における予測マーカー評価についてのほとんどの研究では、腫瘍組織を用いてきた。しかし、ネオアジュバント療法後の原発性および転移腫瘍標本の静的評価は、腫瘍細胞が減ったのかあるいは治療により転移が低下したのかを示唆しない。対比して、順次得られた血液標本を動的に評価すると、治療中における腫瘍細胞低下を分子評価でき、全身疾患制御における有効性を評価するために非常に重要である。本研究は、疾患進行について代替としての分子マーカーの使用を裏付け、我々のアッセイシステムは現場が異なることによるサンプル変動を最小とでき、それによって多施設で検討できる可能性を高められることを示唆している。
(参考文献)
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33. Voit et al., J. Clin. Oncol. 23:1218-1227, 2005.
かなり詳細にかつ好適な実施形態の観点から上記を述べてきたが、これらは、前記開示または前記請求の範囲を限定するものではない。当業者の範囲内における修飾および変更は、上記請求の範囲に入る。本文に引用した全ての文献は、その全体を参考として引用している。
Claims (42)
- 対象において循環しているメラノーマ細胞を検出する方法であって、
前記方法は、
対象から体液を得ること、および、
前記体液中GalNAc−TまたはPAX−3を含む遺伝子類パネルの発現を検出すること、
を含み、前記遺伝子類パネルの発現が前記対象中において循環しているメラノーマ細胞が存在することを示唆していることを特徴とする方法。 - 前記遺伝子類パネルがさらに、GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1、PAX−3、TRP−2、MITFおよびチロシナーゼからなる群から選択される1種以上の追加遺伝子類を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記遺伝子類パネルがさらに、PAX−3、MART−1、およびMAGE−3;PAX−3、MART−1、およびGalNAc−T;PAX−3、MAGE−A3、およびGalNAc−T;GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1、およびPAX−3;MART−1、GalNAc−T、MITF、およびPAX−3;MART−1、TRP−2、GalNAc−T、およびPAX−3;または、チロシナーゼ、MART−1、GalNAc−T、およびPAX−3を含むことを特徴とする請求項2記載の方法。
- 対象において循環しているメラノーマ細胞を検出する方法であって、
前記方法は、
対象から体液を得ること、および、
qRTを用いて遺伝子類パネルの発現レベルを定量すること、
を含み、前記遺伝子類パネルには、GalNAc−T、MAGE−A3,MART−1、PAX−3、TRP−2、MITF、およびチロシナーゼからなる群から選択した少なくとも3種の遺伝子類が含まれ、前記遺伝子類パネルの発現が前記対象中において循環しているメラノーマ細胞が存在することを示唆していることを特徴とする方法。 - 前記体液が、血液、骨髄、脳脊髄液、腹水または胸水であることを特徴とする請求項4記載の方法。
- 前記遺伝子類パネルの少なくとも1種が発現することを特徴とする請求項4記載の方法。
- 前記遺伝子類パネルの少なくとも2種が発現することを特徴とする請求項6記載の方法。
- 前記遺伝子類パネルの少なくとも3種が発現することを特徴とする請求項7記載の方法。
- 前記遺伝子類パネルの少なくとも4種が発現することを特徴とする請求項8記載の方法。
- 前記遺伝子類パネルの発現が、前記対象が無症状の全身性メラノーマに罹患しているかそれを発症するリスクがあることを示唆することを特徴とする請求項4記載の方法。
- さらに、
メラノーマ状況を量化すること、
前記対象に臨床的メラノーマ病期を振り分けること、
前記対象の治療応答、メラノーマ再発または生存を予測すること、
メラノーマ進行または治療応答をモニタリングすること、
治療プログラムを選択するかまたは無作為に振り分けること、または、
前記遺伝子類パネルの発現によるそれらの組み合わせ、
を含むことを特徴とする請求項4記載の方法。 - 前記対象の治療応答、メラノーマ再発、または生存が、原発腫瘍の摘出、SLNDまたはその両者の後の少なくとも3年間予測されることを特徴とする請求項11記載の方法。
- 前記対象からの体液または組織サンプルが組織病理学的にメラノーマ細胞陰性であることを特徴とする請求項4記載の方法。
- 前記体液または組織サンプルの組織病理学が、H&EまたはIHC染色により決められることを特徴とする請求項13記載の方法。
- 前記遺伝子類パネルが、GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1、PAX−3、TRP−2、MITF、およびチロシナーゼからなる群から選択される少なくとも4種の遺伝子類を含むことを特徴とする請求項4記載の方法。
- 前記遺伝子類パネルが、GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1、およびPAX−3を含むことを特徴とする請求項15記載の方法。
- 遺伝子類パネル発現を検出するための複数物質類を含むキットであって、
前記遺伝子類パネルが、PAX−3、およびGalNAc−T、MAGE−A3、MART−1、TRP−2、MITF、およびチロシナーゼからなる群から選択される1種以上の遺伝子類を含むことを特徴とするキット。 - 前記遺伝子類パネルが、PAX−3、MART−1、およびMAGE−3;PAX−3、MART−1、およびGalNAc−T;PAX−3、MAGE−A3およびGalNAc−T;GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1、およびPAX−3;MART−1、GalNAc−T、MITF、およびPAX−3;MART−1、TRP−2、GalNAc−T、およびPAX−3;または、チロシナーゼ、MART−1、GalNAc−T、およびPAX−3を含むことを特徴とする請求項17記載のキット。
- GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1、PAX−3、TRP−2、MITF、およびチロシナーゼからなる群から選択される少なくとも3種の遺伝子類の発現レベルをそれぞれ定量するための少なくとも3対のプライマー類と、qRTを実施するための酵素類および試薬類とを含むことを特徴とするキット。
- GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1、PAX−3、TRP−2、MITF、およびチロシナーゼからなる群から選択される少なくとも4種の遺伝子類の発現レベルをそれぞれ定量するための少なくとも4対のプライマー類を含むことを特徴とする請求項19記載のキット。
- GalNAc−T、MAGE−A3、MART−1、およびPAX−3の発現レベルをそれぞれ定量するための少なくとも4対のプライマー類を含むことを特徴とする請求項20記載のキット。
- 対象において循環している乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌細胞を検出する方法であって、
前記方法は、
対象から体液を得ること、および、
前記体液中におけるスタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、またはHSP27を含む遺伝子類パネルの発現を検出すること、
を含み、前記遺伝子類パネルの発現は、前記対象において循環している乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌細胞が存在していることを示唆することを特徴とする方法。 - 前記遺伝子類パネルがさらに、C−Met、MAGE−A3、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、マンマグロビン、HSP27、GalNAc−T、CK20、およびβ−HCGからなる群から選択される1種以上の追加遺伝子類を含むことを特徴とする請求項22記載の方法。
- 対象において循環している乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌細胞を検出する方法であって、
前記方法は、
対象から体液を得ること、および、
遺伝子類パネル発現を検出すること、
を含み、前記遺伝子類パネルには、CK20、β−HCG,およびマンマグロビン;GalNAc−T、マンマグロビン、およびβ−HCG;マンマグロビン、C−Met、GalNAc−T、およびβ−HCG;マンマグロビン、β−HCG,HSP27およびC−Met;または、HSP27、CK20、スタニオカルシン−1、およびMAGE−A3が含まれ、前記遺伝子類パネルの発現は、前記対象において循環している乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌細胞が存在していることを示唆することを特徴とする方法。 - 対象において循環している乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌細胞を検出する方法であって、
前記方法は、
対象から体液を得ること、および、
qRTを用いて体液中における遺伝子類パネル発現を定量すること、
を含み、前記遺伝子類パネルには、C−Met、MAGE−A3、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、マンマグロビン、HSP27、GalNAc−T、CK20、およびβ−HCGからなる群から選択した少なくとも3種以上の遺伝子類が含まれ、前記遺伝子類パネルの発現は、前記対象において循環している乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌細胞が存在していることを示唆することを特徴とする方法。 - 前記体液が、血液、骨髄、脳脊髄液、腹水または胸水であることを特徴とする請求項25記載の方法。
- 前記遺伝子類パネルの少なくとも1種が発現することを特徴とする請求項25記載の方法。
- 前記遺伝子類パネルの少なくとも2種が発現することを特徴とする請求項27記載の方法。
- 前記遺伝子類パネルの少なくとも3種が発現することを特徴とする請求項28記載の方法。
- 前記遺伝子類パネルの少なくとも4種が発現することを特徴とする請求項29記載の方法。
- 前記遺伝子類パネルの発現が、対象が無症状の全身性乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌に罹患しているかそれを発症するリスクがあることを示唆することを特徴とする請求項25記載の方法。
- さらに、
前記乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌状況を量化すること、
前記対象に臨床的乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌病期を振り分けること、
前記対象の治療応答、乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌再発または生存を予測すること、
乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌の進行または治療応答をモニタリングすること、
治療プログラムを選択するかまたは無作為に振り分けること、または、
前記遺伝子類パネルの発現によるそれらの組み合わせ、
を含むことを特徴とする請求項25記載の方法。 - 前記対象の治療応答、乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌再発、または生存が、原発腫瘍の摘出、SLNDまたはその両者の後の少なくとも3年間予測されることを特徴とする請求項32記載の方法。
- 前記対象からの体液または組織サンプルが組織病理学的に乳癌、胃癌、膵臓癌、または結腸癌細胞陰性であることを特徴とする請求項25記載の方法。
- 前記体液または組織サンプルの組織病理学が、H&EまたはIHC染色により決められることを特徴とする請求項34記載の方法。
- 前記遺伝子類パネルが、C−Met、MAGE−A3、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、マンマグロビン、HSP27、GalNAc−T、CK20、およびβ−HCGから選択した少なくとも4種の遺伝子類を含むことを特徴とする請求項25記載の方法。
- 前記遺伝子類パネルには、C−Met、MAGE−A3、GalNAc−T、およびCK20の第1組み合わせ;マンマグロビン、C−Met、GalNAc−T、およびβ−HCGの第2組み合わせ;マンマグロビン、β−HCG、HSP27、およびC−Metの第3組み合わせ;または、HSP27、CK20、スタニオカルシン−1およびMAGE−A3の第4組み合わせを含むことを特徴とする請求項37記載の方法。
- 遺伝子類パネル発現を検出するための複数物質類を含むキットであって、
前記遺伝子類パネルには、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2またはHSP27、およびC−Met、MAGE−A3、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、マンマグロビン、HSP27、GalNAc−T、CK20、およびβ−HCGからなる群から選択される1種以上の追加遺伝子類を含むことを特徴とするキット。 - 遺伝子類パネル発現を検出するための複数物質類を含むキットであって、
前記遺伝子類パネルには、CK20、β―HCGおよびマンマグロビン;GalNAc−T、マンマグロビン、およびβ−HCG;マンマグロビン、C−Met、GalNAc−T、およびβ−HCG;マンマグロビン、β−HCG、HSP27、およびC−Met;または、HSP27,CK20、スタニオカルシン−1、およびMAGE−A3を含むことを特徴とするキット。 - C−Met、MAGE−A3、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、マンマグロビン、HSP27、GalNAc−T、CK20、およびβ−HCGからなる群から選択される少なくとも3種の遺伝子類の発現レベルをそれぞれ定量するための少なくとも3対のプライマー類と、
qRTを実施するための酵素類および試薬類と、
を含むことを特徴とするキット。 - C−Met、MAGE−A3、スタニオカルシン−1、スタニオカルシン−2、マンマグロビン、HSP27、GalNAc−T、CK20、およびβ−HCGからなる群から選択した少なくとも4種の遺伝子類の発現レベルをそれぞれ定量するための少なくとも4対のプライマー類を含むことを特徴とする請求項40記載のキット。
- C−Met、MAGE−A3、GalNAc−T、およびCK20の第1組み合わせ;マンマグロビン、C−Met、GalNAc−T、およびβ−HCGの第2組み合わせ;マンマグロビン、β−HCG、HSP27、およびC−Metの第3組み合わせ;または、HSP27、CK20、スタニオカルシン−1およびMAGE−A3の第4組み合わせの発現レベルをそれぞれ定量するための少なくとも4対のプライマー類を含むことを特徴とする請求項41記載のキット。
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