JP2008520643A - 反芻動物におけるエネルギーバランスの治療に有用な薬物およびプロドラッグ - Google Patents

反芻動物におけるエネルギーバランスの治療に有用な薬物およびプロドラッグ Download PDF

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Abstract

反芻動物における負のエネルギーバランスの緩和的、予防的または治癒的治療のための医薬品の製造における、式(I)で示される化合物、それらの異性体、前記化合物のプロドラッグ、または、前記化合物の異性体または製薬上許容できる塩、異性体またはプロドラッグの使用である。反芻動物における負のエネルギーバランスに関連する、反芻動物の疾患の緩和的、予防的または治癒的治療のための医薬品の製造における、式1で示される化合物の使用であって、ここで、好ましくは、反芻動物における負のエネルギーバランスに関連する反芻動物の疾患は、脂肪肝症候群、異常分娩、免疫機能障害、免疫機能の低下、中毒、一次的なケトン症、二次的なケトン症、ダウナー牛症候群、消化不良、食欲不振、胎盤遺残、第四胃変位、乳腺炎、子宮筋層炎(子宮内膜炎)、不妊症、低い繁殖力、および、跛行から選択される。
【化1】

Description

発明の詳細な説明
発明の分野
本明細書で説明される発明は、反芻動物における負のエネルギーバランス(NEB)を治療するための、より具体的には、反芻動物における負のエネルギーバランスに関連する疾患を治療するための、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)アゴニスト、具体的にはPPARアルファアゴニストの新規の使用に関する。
発明の背景
反芻動物の移行期は、妊娠後期から授乳初期の期間と定義される。これは、分娩前3週間から分娩後3週間と定義されることが度々あったが、分娩前30日から分娩後70日に拡張されている(J N SpainおよびW A Scheer,Tri−State Dairy Nutrition Conference,2001,13)。
エネルギーバランスは、エネルギー取り込みの負のエネルギーの生産高と定義され、維持および生産(例えば乳生産)の要求にみあったエネルギーの取り込みが不十分である場合、その動物は、負のエネルギーバランスの状態であると評価される。NEBのウシは、体内の蓄えから不足分を満たすためのエネルギーを見出さなければならない。従って、NEBのウシは、ボディコンディションおよび生体重が低くなる傾向があり、さらにエネルギーが不足しているウシは、より速い速度でコンディションおよび体重を失う傾向がある。
移行期は、その後の乳牛の健康状態、生産および採算性にとって極めて重要であるため、移行期中に、ウシにおける無機質とエネルギーとのバランスおよび総体的な健康状態を十分に管理することが重要である。
反芻動物は、単胃の哺乳動物とは異なり、グルコースを消化管からほとんど直接吸収しないため、それらのグルコース要求量を満たすためには、ほとんど例外なく肝臓での糖新生を頼っている。分娩前後は飼料の摂取が減少するため、十分な量のプロピオネート(瘤胃で形成された主要な糖原性前駆体)が利用できない。また、食物または骨格筋からのアミノ酸の異化も、グルコース合成に著しく寄与する。
また、長鎖脂肪酸(または非エステル化脂肪酸、NEFA)も体脂肪から移動してくる。
NEFAは分娩の約7日前からすでに高まっており、これは、ウシにとって分娩後の初期における重要なエネルギー源であり、エネルギー不足が大きいとNEFAの血中濃度も高い。何人かの研究者は、授乳初期における(Bell,およびそこに記載の参考文献,上記参照)、NEFAの乳房の取り込みが、数種の乳脂肪合成を担っていることを示唆している。循環するNEFAは肝臓で吸収され、ミトコンドリアによって二酸化炭素またはケトン体(3−ヒドロキシ酪酸塩など)に酸化されるか、または、エステル化によってトリグリセリドに再変換され、貯蔵される。非反芻動物の哺乳動物では、NEFAのミトコンドリアへの侵入は、酵素カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT−1)によって制御されると考えられているが、いくつかの研究によれば、反芻動物では、移行期中のCPT−1活性はほんのわずかしか変化しないことが示されている(Drackley−上記参照)。その上、肝臓からトリグリセリドを出すために超低密度リポタンパク質を合成する肝臓の能力は限定される。
重要なことに、ウシ肝臓によるNEFA取り込みが過剰になる場合、ケトン体の蓄積によりケトン症が起こる可能性があり、トリグリセリドの過剰な貯蔵により、脂肪肝が起こる可能性がある。脂肪肝により、その他の障害の長期にわたる回復、健康状態の問題の発生率の増加、および、死に至る「ダウナー牛」の進行が生じる可能性がある。
従って、脂肪肝は、反芻動物、具体的には乳量が多い乳牛の、移行期における代謝病であり、それにより、耐病性(第四胃変位、跛行)、免疫機能(乳腺炎、子宮筋層炎)、生殖能力(発情、出産間隔、胎児の生存率、卵巣嚢胞、子宮筋層炎、胎盤遺残)、および、乳生産(ピーク乳量、305日乳量)に悪影響を受ける。脂肪肝は、概して、分娩の次の日までに発症し、誘導性の(二次的な)ケトン症を進行させる。これは通常、反芻動物の肝臓のトリグリセリドを超低密度リポタンパク質として分泌する能力が低いことに加えて、血液から吸収したNEFAのエステル化の増加によって生じる。
エネルギーバランスを改善すること、または、負のエネルギーバランスを治療することによって、続発症の負の程度が減少すると予想される。
ヒトにおいて、PPARアルファ(ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アルファ)活性の刺激因子を長期にわたり投与することによって、異常脂質血症、冠動脈疾患、および、ある種の遺伝性の酵素欠損症を治療する治療的有用性を提供することができる(P.T.Ines,P.Gervois,B.Staels,Current Opinion Lipidology,1999,10,2,151)。しかしながら、多くの生物学的、代謝的および生理学的な経路は、単胃の哺乳動物と反芻動物とでは異なる。瘤胃中の微生物は食品中のもっぱら炭水和物のみを消化するため、この用途に関する典型的で重要な例の一つは、エネルギー代謝である。それゆえに、ウシにおける主要な炭水和物源は揮発性の脂肪酸であり、これは肝臓でグルコースに再合成される。
また、PPARアルファ遺伝子は、哺乳動物における糖新生、ケトン体生成、脂肪酸摂取および酸化に関与する遺伝子を調節することによって多数の代謝プロセスにも関与している(M.C.Sugden,K.Bulmer,G.F.Gibbons,B.L.Knight,M.J.Holness,Biochem J.,2002,364,361)。
ごく最近、Drackleyは、分娩前の高脂肪の食物は、PPARアルファの発現を増加させ、それにより、肝臓での酸化の増加、および、移行中のウシの肝臓組織における脂肪酸のエステル化の減少を引き起こす可能性があると仮説を立てている。しかしながら、生物学的プロセスの相互作用は、説明されているように複雑であり、さらに、移行中のウシにおけるエネルギーバランスを最適化するのに必要な重要な遺伝子、酵素および内因性基質に関する知識は限られている。その上、NEFAは乳とグルコース生合成の両方に関する重要な基質であるため、PPAR発現の改変がどのように乳生産または乳質、脂肪分解または糖新生に作用するかはわかっていない。
反芻動物における負のエネルギーバランスの安全で有効な治療が概して必要である。特に、反芻動物、例えばヒツジおよびウシ、より具体的には分娩前後のヒツジおよびウシ、特に分娩前後の乳牛の治療が必要である。
より具体的には、一次および二次的なケトン症、ダウナー牛症候群、消化不良、食欲不振、胎盤遺残、第四胃変位、免疫機能の低下、乳腺炎、子宮筋層炎(子宮内膜炎)、不妊症、低い繁殖力、ならびに、跛行などの、反芻動物における負のエネルギーバランスに関連する反芻動物の疾患の安全で有効な治療が必要である。
本治療は、好ましくは、経口的または非経口的に容易に施され、好ましくは、肉および/または乳に残留物を残さず、さらに、好ましくは非投与期間を必要としない。また、好ましくは、飼料や動物の取扱者にも非毒性である。
我々は、反芻動物における負のエネルギーバランスの緩和的、予防的または治癒的治療のための式Iで示される化合物の新規の使用を発見した。具体的に我々は、反芻動物における負のエネルギーバランスに関連する反芻動物の疾患の緩和的、予防的または治癒的治療のための、式Iで示される化合物の新規の使用を発見した。
本発明の一形態は、反芻動物における負のエネルギーバランスの緩和的、予防的または治癒的治療のための医薬品の製造における、式Iで示される化合物、それらの異性体、前記化合物のプロドラッグもしくは異性体、または、前記化合物、異性体もしくはプロドラッグの製薬上許容できる塩の使用である。
本発明のその他の形態は、反芻動物における負のエネルギーバランスの緩和的、予防的または治癒的治療の方法であり、本方法は、式Iで示される化合物、それらの異性体、前記化合物のプロドラッグもしくは異性体、または、前記化合物、異性体またはプロドラッグの製薬上許容できる塩の有効量を、反芻動物に投与することを含む。
本発明のさらなる形態は、説明および請求項で定義された通りである。
図面の説明
図1は、分娩後およびPPARアルファアゴニスト(化合物Z)投与後のウシ肝臓のトリグリセリド含量を示す。
図2は、分娩後およびPPARアルファアゴニスト(化合物Z)投与後のウシ血清のNEFAレベルを示す。
発明の要約
本発明は、反芻動物における負のエネルギーバランスの緩和的、予防的または治癒的治療のための医薬品の製造における、式I:
Figure 2008520643
で示される化合物、前記化合物のプロドラッグ、または、前記化合物またはプロドラッグの製薬上許容できる塩の使用を提供し;
式中、
およびXは、それぞれ独立して、a)水素、b)ハロ、c)(C〜C)アルキル(これは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)、または、d)(C〜C)アルコキシ(これは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)であり;
およびXの一方は水素であり、他方は−Y−C(R)(R)−COOHであり;
Yは、−O−または−S−であり;
およびRは、それぞれ独立して、a)水素、または、b)(C〜C)アルキルであり;
は、−CH、または、−CFである。
より具体的には、本発明は、式Iで示され、式中、
およびXは、それぞれ独立して、a)水素、b)−CF、c)−OCF、d)(C〜C)アルキル、e)−OCH、または、f)ハロであり;
は、−Y−C(R)(R)−COOHであり、Xは、水素であり;
Yは、−O−であり;
は、−CHである化合物の使用を提供する。
さらにより具体的には、本発明は、式Iで示され、式中、
およびXの1つが水素であり、他方が−CFであり;
およびRがそれぞれ、メチルである化合物の使用を提供する。
さらにより具体的には、本発明は、式Iで示され、式中、
およびXの1つが水素であり、他方が−OCFであり;
およびRがそれぞれ、メチルである化合物の使用を提供する。
さらにより具体的には、本発明は、式Iで示され、式中、
およびXがそれぞれ、水素であり;
およびRがそれぞれ、メチルである化合物の使用を提供する。
さらにより具体的には、本発明は、式Iで示され、式中、
およびXの1つが水素であり、他方がt−ブチルであり;
およびRがそれぞれ、メチルである化合物の使用を提供する。
さらにより具体的には、本発明は、式Iで示され、式中、
およびXの1つが水素であり、他方が−OCHであり;
およびRがそれぞれ、メチルである化合物の使用を提供する。
さらにより具体的には、本発明は、式Iで示され、式中、
およびXがそれぞれ、−CFであり;
およびRがそれぞれ、メチルである化合物の使用を提供する。
さらにより具体的には、本発明は、式Iで示され、式中、
およびXがそれぞれ、−OCHであり;
およびRがそれぞれ、メチルである化合物の使用を提供する。
さらにより具体的には、本発明は、式Iで示され、式中、
およびXの一方が水素であり、他方がハロであり;
およびRがそれぞれ、メチルである化合物の使用を提供する。
その他の形態において、本発明は、より具体的には、式Iで示され、式中、
およびXが、それぞれ独立して、a)水素、b)−CF、c)−OCF、d)(C〜C)アルキル、e)−OCH、または、f)ハロであり;
が、水素であり、Xが、−Y−C(R)(R)−COOHであり;
Yが、−O−であり;
が、−CHである化合物の使用を提供する。
さらにより具体的には、本発明は、式Iで示され、式中、
およびXの1つが水素であり、他方が−CFであり;
およびRがそれぞれ、メチルである化合物の使用を提供する。
さらにより具体的には、本発明は、式Iで示され、式中、
およびXの1つが水素であり、他方が−OCFであり;
およびRがそれぞれ、メチルである化合物の使用を提供する。
さらにより具体的には、本発明は、式Iで示され、式中、
およびXがそれぞれ、水素であり;
およびRがそれぞれ、メチルである化合物の使用を提供する。
さらにより具体的には、本発明は、式Iで示され、式中、
およびXの一方が水素であり、他方がt−ブチルであり;
およびRがそれぞれ、メチルである化合物の使用を提供する。
さらにより具体的には、本発明は、式Iで示され、式中、
およびXの1つが水素であり、他方が−OCHであり;
およびRがそれぞれ、メチルである化合物の使用を提供する。
さらにより具体的には、本発明は、式Iで示され、式中、
およびXがそれぞれ、−CFであり;
およびRがそれぞれ、メチルである化合物の使用を提供する。
さらにより具体的には、本発明は、式Iで示され、式中、
およびXがそれぞれ、−OCHであり;
およびRがそれぞれ、メチルである化合物の使用を提供する。
さらにより具体的には、本発明は、式Iで示され、式中、
およびXの一方が水素であり、他方がハロであり;
およびRがそれぞれ、メチルである化合物の使用を提供する。
本発明のその他の形態は、反芻動物における負のエネルギーバランスに関連する反芻動物の疾患の緩和的、予防的または治癒的治療のための医薬品の製造における、式Iで示される化合物の使用である。
本発明のその他の形態は、肝臓組織におけるトリグリセリドの過剰な蓄積を予防または緩和する、および/または、非エステル化脂肪酸の血清中レベルの過剰な上昇を予防または緩和するための、反芻動物における負のエネルギーバランスの緩和的、予防的または治癒的治療のための医薬品の製造における、式Iで示される化合物の使用である。
本発明のその他の形態は、肝臓組織におけるトリグリセリドの過剰な蓄積を予防または緩和する、および/または、非エステル化脂肪酸の血清中レベルの過剰な上昇を予防または緩和するための、反芻動物における負のエネルギーバランスに関連する反芻動物の疾患の緩和的、予防的または治癒的治療のための医薬品の製造における、式Iで示される化合物の使用である。
好ましくは、反芻動物における負のエネルギーバランスに関連する反芻動物の疾患としては、本明細書に記載の本発明の形態で述べられたように、脂肪肝症候群、異常分娩、免疫機能障害、免疫機能の低下、中毒(toxification)、一次、および、二次的なケトン症、ダウナー牛症候群、消化不良、食欲不振、胎盤遺残、第四胃変位、乳腺炎、子宮筋層炎(子宮内膜炎)、不妊症、低い繁殖力、および、跛行から独立して選択される1種またはそれ以上の疾患が挙げられる。
さらにより好ましくは、反芻動物における負のエネルギーバランスに関連する反芻動物の疾患としては、本明細書に記載の本発明の形態で述べられたような、脂肪肝症候群、一次的なケトン症、ダウナー牛症候群、子宮筋層炎(子宮内膜炎)、および、低い繁殖力から選択される1種またはそれ以上の疾患が挙げられる。
本発明のその他の形態は、供給速度の戻りが遅いこと、正常な発情周期、受胎率の改善、および、胎児の生存率の改善などの繁殖力の改善における式Iで示される化合物の使用である。
本発明のその他の形態は、分娩および乳汁生産を適合させるのに有効なホメオレーシスを管理するための医薬品の製造における、式Iで示される化合物の使用である。
本発明のその他の形態は、反芻動物の肝臓の機能化、および、移行期中の恒常性シグナルを改善または維持するための医薬品の製造における、式Iで示される化合物の使用である。
本発明の一形態において、式Iで示される化合物が、分娩前30日〜分娩後70日の期間の間に投与される。
本発明のその他の形態において、式Iで示される化合物が、分娩前に投与され、任意に分娩時にも投与される。
本発明のさらにその他の形態において、式Iで示される化合物が、分娩後に投与される。
本発明のさらにその他の形態において、式Iで示される化合物が、分娩時に投与される。
より好ましくは、式Iで示される化合物が、分娩前3週間〜分娩後3週間の期間の間に投与される。
本発明のその他の形態において、式Iで示される化合物が、分娩後の最初の7日間に3回まで投与される。
好ましくは、式Iで示される化合物が、分娩後の最初の24時間に1回投与される。
本発明のその他の形態において、式Iで示される化合物が、分娩前に投与され、さらに、分娩後に4回まで投与される。
本発明のその他の形態において、式Iで示される化合物が、分娩時に投与され、続いて、分娩後に4回まで投与される。
本発明のその他の形態は、反芻動物における負のエネルギーバランスの緩和的、予防的または治癒的治療のための、および、反芻動物の乳質および/または乳量を高めるための医薬品の製造における、式Iで示される化合物の使用である。
本発明の好ましい形態において、乳質の向上が、反芻動物の乳中のケトン体のレベルが減少すると観察される。
本発明のその他の形態において、ピーク乳量が増加する。
好ましくは、反芻動物が、ウシまたはヒツジである。
本発明のその他の形態において、反芻動物の乳量における総体的な増加が、ウシの授乳期の305日間に得られる。
本発明のその他の形態において、反芻動物の乳量における総体的な増加が、ウシの授乳期の最初の60日間に得られる。
好ましくは、反芻動物の乳量の総体的な増加、または、ピーク乳量の増加、または、乳質の向上が、乳牛から得られる。
本発明のその他の形態において、反芻動物の乳質および/または乳量における増加は、健康な反芻動物に式Iで示される化合物を投与した後に得られる。
本発明のその他の形態において、獣医学的に使用するための式Iで示される化合物が提供される。
本発明の好ましい形態において、反芻動物における負のエネルギーバランスの緩和的、予防的または治癒的治療に使用するための式Iで示される化合物が提供される。
本発明のさらにより好ましい形態において、反芻動物における負のエネルギーバランスに関連する反芻動物の疾患の緩和的、予防的または治癒的治療に使用するための、式Iで示される化合物が提供され、ここで、好ましくは、上記疾患が、脂肪肝症候群、異常分娩、免疫機能障害、免疫機能の低下、中毒、一次、および、二次的なケトン症、ダウナー牛症候群、消化不良、食欲不振、胎盤遺残、第四胃変位、乳腺炎、子宮筋層炎(子宮内膜炎)、不妊症、低い繁殖力、および、跛行から選択される。
本発明のその他の形態において、反芻動物における負のエネルギーバランスの緩和的、予防的または治癒的治療に使用するための、および、反芻動物の乳の量および/または質を高めるための式Iで示される化合物が提供される。
本発明のその他の形態において、反芻動物における負のエネルギーバランスの治癒的、予防的または緩和的治療のためのキットが提供され、本キットは:
a)式Iで示される化合物、および、
b)任意に、1またはそれ以上の製薬上許容できるキャリアー、賦形剤または希釈剤、および、
c)a)、および、任意にb)を包含させるための包装、
を含む。
好ましくは、本キットは、反芻動物における負のエネルギーバランスに関連する反芻動物の疾患の緩和的、予防的または治癒的治療のためのキットである。
より好ましくは、本キットは、脂肪肝症候群、異常分娩、免疫機能障害、免疫機能の低下、中毒、一次、および、二次的なケトン症、ダウナー牛症候群、消化不良、食欲不振、胎盤遺残、第四胃変位、乳腺炎、子宮筋層炎(子宮内膜炎)、不妊症、低い繁殖力、および、跛行の緩和的、予防的または治癒的治療のためのものである。
さらにより好ましくは、本キットは、反芻動物における負のエネルギーバランス、または、負のエネルギーバランスに関連する反芻動物の疾患の治癒的、予防的または緩和的治療のための説明書をさらに含む。
「移行期」は、分娩前30日〜分娩後70日を意味する。
本明細書で用いられる用語「〜を治療すること」、「〜を治療する(treat)」、「〜を治療する(treats)」または「治療」は、予防的、緩和的および治癒的治療を含む。
本明細書で用いられる「負のエネルギーバランス」は、食品によるエネルギーが、維持および生産(乳生産)の要求量に満たないことを意味する。
本明細書で用いられる用語「ウシ」は、未経産のウシ、初産のウシ、および、出産経験のあるウシを含む。
「健康な反芻動物」は、以下の症状:脂肪肝症候群、異常分娩、免疫機能障害、免疫機能の低下、中毒、一次、および、二次的なケトン症、ダウナー牛症候群、消化不良、食欲不振、胎盤遺残、第四胃変位、乳腺炎、子宮筋層炎(子宮内膜炎)、不妊症、低い繁殖力、および/または、跛行の徴候を示さない反芻動物を意味する。
本明細書で用いられる乳「質」は、タンパク質、脂肪、ラクトース、体細胞およびケトン体の乳中のレベルを意味する。乳質の向上は、脂肪、タンパク質またはラクトース含量の増加、または、体細胞レベルまたはケトン体レベルの減少によって得られる。
乳量の増加は、乳固形分もしくは乳脂肪、または、乳タンパク質含量の増加、それに加えて、または、その代わりに、生産された乳の体積を増加を意味していてもよい。
本明細書で用いられる「トリグリセリドの過剰な蓄積」は、肝臓組織における生理学的なトリグリセリド含量が、10%w/wより大きいことを意味する。
本明細書で用いられる「非エステル化脂肪酸の血清中レベルの過剰な上昇」は、非エステル化脂肪酸の血清中レベルが、800□mol/Lより大きいことを意味する。
特に他の規定がない限り、「分娩前の」は、分娩前3週間から分娩日までを意味する。
特に他の規定がない限り、「分娩後」は、新生児が子宮から「出てきた」時から、新生児が子宮から出て6週間までを意味する。
「分娩時に」は、新生児が子宮から出て24時間を意味する。
「分娩前後の」は、分娩前の期間の始めから、分娩後の期間の最後までの期間を意味する。
「製薬上許容できる」は、キャリアー、希釈剤、媒体、賦形剤および/または塩を意味し、これらは、製剤のその他の成分に適合していなければならなず、さらに、それらの受容者にとって有害であってはならない。
本明細書で用いられる「化合物の治療上有効な量」は、反芻動物において、本発明の様式に従って用いた場合に、不適当な副作用(例えば、過度の毒性、刺激性またはアレルギー性応答)を伴わず、適度なベネフィット・リスク比に相応する、活性部位で治療活性または生物活性を示すのに有効な量を意味する。
本発明における化合物の使用が述べられる場合は常に、このような化合物のあらゆる活性型を含むと理解されるものとし、このような活性型としては、特に他の規定がない限り、例えば、それらの遊離の形態、例えば遊離の酸または塩基の形態、さらに、あらゆるプロドラッグ、多形体、水和物、溶媒化合物、互変異性体、立体異性体、例えばジアステレオマーおよび鏡像異性体など、さらに、上述のようなあらゆる製薬上許容できる塩が挙げられる。また当然ながら、このような化合物の適切な活性代謝産物を適切な形態のいずれかで使用することもここに含まれる。
表現「プロドラッグ」は、投与後に、インビボで、いくつかの化学的または生理学的なプロセスを介して薬物を放出する薬物前駆体である化合物を意味する(例えば、プロドラッグは、生理学的なpHになった際に、または、酵素作用を介して、望ましい薬物の形態に変換される)。典型的なプロドラッグは、切断を受けるとそれに対応する遊離酸を放出し、このような式Iで示される化合物の加水分解性のエステルを形成する残留物としては、これらに限定されないが、カルボキシル成分を有するものが挙げられ、ここで、遊離の水素は、(C〜C)アルキル、(C〜C)アルカノイルオキシメチル、4〜9個の炭素原子を有する1−(アルカノイルオキシ)エチル、5〜10個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルカノイルオキシ)−エチル、3〜6個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルオキシメチル、4〜7個の炭素原子を有する1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、5〜8個の炭素原子を有する1−メチル−1−(アルコキシカルボニルオキシ)エチル、3〜9個の炭素原子を有するN−(アルコキシカルボニル)アミノメチル、4〜10個の炭素原子を有する1−(N−(アルコキシカルボニル)アミノ)エチル、3−フタリジル、4−クロトノラクトニル(crotonolactonyl)、ガンマ−ブチロラクトン−4−イル、ジ−N,N−(C〜C)アルキルアミノ(C〜C)アルキル(例えば、β−ジメチルアミノエチル)、カルバモイル−(C〜C)アルキル、N,N−ジ(C〜C)アルキルカルバモイル−(C〜C)アルキル、および、ピペリジノ−、ピロリジノ−、または、モルホリノ(C〜C)アルキルで置き換えられる。
ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ、または、ヨードを意味する。
アルキルは、直鎖状の飽和炭化水素、または、分枝状の飽和炭化水素を意味する。このようなアルキル基の典型例(指示された長さは、個々の例を包含すると仮定する)は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、第三ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三ペンチル、1−メチルブチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、および、オクチルである。また、この用語は、それぞれの末端の炭素から水素原子が除去された、飽和炭化水素(直鎖または分岐状)も含む。
アルコキシは、オキシを介して結合した直鎖飽和アルキルまたは分枝飽和アルキルを意味する。このようなアルコキシ基の典型例(指示された長さは、個々の例を包含すると仮定する)は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、第三ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ネオペントキシ、第三ペントキシ、ヘキソキシ、イソヘキソキシ、ヘプトキシ、および、オクトキシである。
様々な炭化水素を含む成分の炭素原子含量は、成分中の最小数の炭素原子と最大数の炭素原子を示す接頭辞によって指定され、すなわち、接頭辞C〜Cは、整数「i」〜整数「j」個の炭素原子からなる成分を示す。従って、例えば、C〜Cアルキルは、1〜3個の炭素原子からなるアルキル、または、メチル、エチル、プロピルおよびイソプロピル、ならびに、あらゆる異性体の形態、さらに、それらの直鎖および分岐状の形態を意味する。
表現「製薬上許容できる塩」は、アニオン、例えば(ただしこれらに限定されないが)塩化物、臭化物、ヨウ化物、硫酸、重硫酸、リン酸、酢酸、マレイン酸、フマル酸、シュウ酸、乳酸、酒石酸、クエン酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、および、4−トルエン−スルホン酸を含む、非毒性のアニオン塩を意味する。この表現はまた、非毒性のカチオン塩も意味し、例えば(ただしこれらに限定されないが)ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、アンモニウム、または、プロトン化されたベンザチン(N,N’−ジベンジルエチレンジアミン)、コリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N−メチルグルカミン)、ベネタミン(N−ベンジルフェネチルアミン)、ピペラジン、または、トロメタミン(2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール)が挙げられる。
本明細書で用いられるように、表現「反応不活性溶媒」および「不活性溶媒」は、望ましい生成物の収率に不利な影響を与えるようにして出発原料、試薬、中間体または生成物と相互作用しない溶媒またはそれらの混合物を意味する。
通常の技術を有する化学者であれば、本発明の所定の化合物は、1個またはそれ以上の原子を含み、これらは、立体異性体や立体配置異性体を生じるような特定の立体化学的または幾何学的な立体配置で存在し得ることを認識できるだろう。このような異性体およびそれらの混合物いずれも、本発明に含まれる。また、本発明の化合物の水和物および溶媒化合物も含まれる。
本明細書で述べられた特許および特許出願はいずれも、参照により本発明に含まれる。
発明の詳細な説明
一般的に、本発明において有用な化合物は、具体的には、本明細書に記載された説明を考慮して化学技術において既知の工程に類似した工程を含む方法によって製造することができる。本発明のさらなる特徴として、本発明の化合物を製造するための所定の方法を提供するが、以下の反応スキームによって説明する。その他の工程は、実験の章で説明する。
最初に留意すべきことことして、式Iで示される化合物の製造において、本明細書で説明されている化合物の製造に有用な製造方法のうちいくつかは、離れた官能基(例えば、式Iの前駆体中の第一アミン、第二アミン、カルボキシル)の保護を必要とする可能性があることに注意する。このような保護が必要性かどうかは、離れた官能基の性質や調製方法の条件に応じて様々であると予想され、当業者によって容易に決定することができる。
このような保護/脱保護方法の使用もまた、は、当業界における通常の技術の範囲内である。保護基およびそれらの使用の一般的な説明に関しては、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,ジョン・ワイリー&サンズ(John Wiley&Sons),ニューヨーク,1991を参照。
例えば、下記の反応スキームにおいて、所定の式Iで示される化合物は、第一アミンまたはカルボン酸官能基を含み、これらが保護されないままだと、分子のその他の部位における反応を妨害する可能性がある。従って、このような官能基を適切な保護基によって保護してもよく、それに続く工程でこれらの保護基を除去してもよい。アミンおよびカルボン酸の保護に適した保護基としては、ペプチド合成で一般的に使用されるような保護基が挙げられ(例えば、アミンのためには、N−t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニルであり、カルボン酸のためには、9−フルオレニルメチルエノキシカルボニル、および、低級アルキル、または、ベンジルエステルである)、これらは、一般的に、説明されている反応条件下で化学反応性を有さず、典型的には、式Iで示される化合物中の他の官能基を化学的に変化させることなく除去することができる。
スキーム1
Figure 2008520643
式1−Aで示される市販の7−ヒドロキシイソキノリン、エチル2−ブロモイソブチラートと、塩基(例えば炭酸カリウム)とを、適切な溶媒(例えばDMF)中で混合する。この反応混合物を、窒素雰囲気下で、約14時間〜約24時間の期間、好ましくは約18時間、約80℃〜約120℃、好ましくは約95℃の温度に加熱し、式1−Bで示される化合物を得る。
当業界既知の手法を用いて式1−Bで示される化合物を還元し、化合物1−Cを得る。一般的に、式1−Bで示される化合物を、アルコール性の溶媒中で、好ましくは約50psiの圧力で、触媒で、例えば酢酸などの酸性媒体またはHClもしくはHSOのような酸中の酸化白金(IV)またはPt/Cで、約20℃〜約30℃の温度で、好ましくはほぼ室温で、約14〜約24時間の期間、好ましくは約18時間、水素添加によって還元し、式1−Cで示される化合物を得る。
スキーム2
Figure 2008520643
適切な溶媒中で(例えば塩化メチレン)、約−5℃〜約5℃、好ましくは約0℃の温度で、窒素雰囲気下で、式2−Aで示される市販の4−メチル−2−(置換フェニル)−5−チアゾールカルボン酸に、塩化オキサリルと溶媒(例えばDMF)を添加する(ここでXは、上記で定義された通りである)。この反応混合物を室温にして、窒素雰囲気下で、約3時間〜約6時間の期間、好ましくは約3時間撹拌する。得られた酸塩化物を、塩化メチレンのような溶媒中の式2−Bで示される化合物(スキーム1で式1−Cで示される化合物として製造された)、および、トリエチルアミンのような塩基に、約−5℃〜約5℃、好ましくは約0℃の温度で、窒素雰囲気下で添加する。この反応混合物を、約20℃〜約30℃の温度に、好ましくはほぼ室温にして、窒素雰囲気下で、約14時間〜約24時間の期間、好ましくは約18時間撹拌して、式2−Cで示される化合物を得る(ここでXは、上記で定義された通りである)。
式2−Cで示される化合物を加水分解して、式2−Dで示される化合物を得る。あるいは、上記エステルがカルボン酸に適したプロドラッグである場合、加水分解を省略してもよい。一般的に、エステル成分は、メタノールまたはエタノールのような水性のアルコール性溶媒および水中で、約80℃〜約125℃の温度で、好ましくは約100℃、約1〜4時間の期間、好ましくは約90分間、炭酸カリウムのような塩基で加水分解され、式2−Dで示されるそれに対応する化合物を得る(ここでXは、上記で定義された通りである)。
スキーム3
Figure 2008520643
式3−Aで示される市販の4−メチル−2−[置換フェニル]−5−チアゾールカルボン酸(ここで、Xは、上記で定義された通りである)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、および、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩を、適切な塩基(例えばトリエチルアミン)、および、溶媒(例えば塩化メチレン)中で、式3−Bで示される6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン臭化水素酸塩に添加する(D.J.SallおよびG.L.Grunewald,J.Med.Chem.,1987,30,2208で説明されているようにして製造された)。この反応混合物を、窒素雰囲気下で、約20℃〜約30℃の温度で、好ましくはほぼ室温で、約14〜約24時間の期間、好ましくは約18時間撹拌する。この反応液を塩化メチレンのような溶媒で希釈し、例えばクエン酸で酸性にして、式3−Cで示される化合物を得る(ここでXは、上記で定義された通りである)。
当業界既知の手法を用いて式3−Cで示される化合物をアルキル化し、式3−Dで示される化合物を得る(ここでXは、上記で定義された通りである)。一般的に、式3−Cで示される化合物、エチル2−ブロモイソブチラート、および、塩基(例えば炭酸カリウム)は、適切な溶媒中で(例えばDMF)中で混合される。この反応液を、約80℃〜約120℃、好ましくは約95℃の温度に、窒素雰囲気下で、約14時間〜約24時間の期間、好ましくは約18時間加熱する。この反応液を減圧下で濃縮し、適切な酸(例えば塩酸)を添加して、式3−Dで示される化合物を得る(ここでXは、上記で定義された通りである)。
式3−Dで示される化合物を加水分解して、それに対応する式3−Eで示される化合物を得る(ここでXは、上記で定義された通りである)。あるいは、上記エステルがカルボン酸に適したプロドラッグである場合、加水分解を省略してもよい。一般的に、水酸化リチウム一水和物の水溶液が、適切な溶媒(例えばTHF)中の式3−Dで示される化合物に添加される。この反応混合物を、約20℃〜約30℃の温度で、好ましくはほぼ室温で、約14〜約24時間の期間、好ましくは約18時間撹拌する。この反応液を適切な酸(例えば塩酸)で酸性にして、減圧下で溶媒(例えばTHF)を除去し、式3−Eで示される化合物を得る(ここでXは、上記で定義された通りである)。
Figure 2008520643
上記のスキーム1、2および3の手法に従って、式4で示されるチオール類似体(ここでXは、上記で定義された通りである)を、それに対応する7−メルカプト−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン、および、6−メルカプト−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンから製造することができる。7−メルカプト−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンは、米国特許第4,228,170号(参照により本発明に含める)で説明されているように製造することができる。6−メルカプト−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンは、市販の6−アミノ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンから開始して、米国特許第4,228,170号で説明されている手法に従って製造することができる。
上述したものとは異なる変数の組み合わせの式Iで示される化合物の製造は、上記のスキームで説明されている手法に類似した手法を用いて行うことができる。有機化学分野の当業者であれば、式Iで示される化合物を製造するさらなる方法を容易に知ることができ、文献および以下の調製物や実施例でさらに例示することができる。
上述の反応スキームに関する出発原料および試薬は容易に入手可能であるか、または、当業者によって有機合成の従来方法を用いて容易に合成することができる。本明細書で説明されている製造方法のうちいくつかは、離れた官能基(すなわちカルボキシル)の保護を必要とすると予想される。これらの保護基が必要性かどうかは、離れた官能基の性質や製造方法の条件に応じて様々であると予想され、当業者によってによって容易に決定することができる。保護基(例えば、ハロ(C〜C)アルキル、(C〜C)アルコキシメチル、アリールメチル、および、トリ(C〜C)アルキルシリル)、および、それらの使用の一般的な説明については、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,ジョン・ワイリー&サンズ,ニューヨーク,1991を参照。
式Iで示される化合物のプロドラッグは、当業者既知の方法に類似した方法に従って製造することができる。典型的な工程を以下で説明する。
本発明のプロドラッグは、式Iで示されるカルボン酸中のカルボキシル基がエステルで置き換えられている場合、カルボン酸と適切なハロゲン化アルキルとを、ジメチルホルムアミドのような不活性溶媒中の炭酸カリウムのような塩基の存在下で、約0℃〜約100℃の温度で約1〜約24時間混合することによって製造することができる。あるいは、上記酸は、溶媒として適切なアルコールと、触媒的な量の酸(例えば濃硫酸)の存在下で、約20℃〜約100℃の温度で、好ましくは還流しながら、約1時間〜約24時間混合される。その他の方法は、上記酸と理論量の上記アルコールとを、触媒的な量の酸の存在下で、トルエンまたはテトラヒドロフランのような不活性溶媒中で、物理的(例えばディーン・スタークトラップ)または化学的(例えば分子篩)な手段によって生じた水を除去しながら反応させることである。
本発明のプロドラッグは、アルコールの官能基がエーテルとして誘導体化されている場合、そのアルコールと適切な臭化アルキルまたはヨウ化アルキルとを、ジメチルホルムアミドのような不活性溶媒中の炭酸カリウムのような塩基の存在下で、約0℃〜約100℃の温度で約1〜約24時間混合することによって製造することができる。アルカノイルアミノメチルエーテルは、US4,997,984で説明されている方法に従って、触媒的な量の酸の存在下で、テトラヒドロフランのような不活性溶媒中で、アルコールとビス−(アルカノイルアミノ)メタンとを反応させることによって得てもよい。あるいは、これらの化合物は、Hoffman等(J.Org.Chem.1994,59,3530)によって説明されている方法によって製造してもよい。
配糖体は、トルエンのような不活性溶媒中で、酸の存在下で、アルコールと炭水和物とを反応させることによってによって製造される。典型的には、この反応で形成された水は上述のようにして形成されるため、それらは除去される。代わりの手法は、アルコールと、適切に保護されたハロゲン化グリコシルとを塩基の存在下で反応させ、続いて脱保護させることである。
N−(1−ヒドロキシアルキル)アミド、および、N−(1−ヒドロキシ−1−(アルコキシカルボニル)メチル)アミドは、中性または塩基性条件下で(例えば、エタノール中のナトリウムエトキシド)、25℃〜70℃の温度で、親となるアミドと適切なアルデヒドとを反応させることによってによって製造することができる。N−アルコキシメチル、または、N−1−(アルコキシ)アルキル誘導体は、N−非置換の化合物と、必要なハロゲン化アルキルとを、塩基の存在下で、不活性溶媒中で反応させることによって得ることができる。
また、上述の本発明の式Iで示される化合物に関する出発原料および試薬、および、組み合わせの物質も容易に入手可能であり、または、当業者によって従来の有機合成方法を用いて容易に合成することもできる。例えば、ここで用いられる化合物の多くは、多大な科学的な重大性と商業的な必要性がある化合物に関連するか、または、それらから誘導されるので、このような化合物の多くは、市販されているか、または、文献で報告されているか、または、文献で報告されている方法で他の通常入手可能な物質から容易に製造される。
本発明において有用な式Iで示される化合物のうちいくつか、または、それらの合成における中間体は不斉炭素原子を有するため、これらは鏡像異性体またはジアステレオマーである。ジアステレオマー混合物は、それらの個々のジアステレオマーに分離することができ、これは、それらの物理化学的な差に基づき、それ自体既知の方法によって、例えばクロマトグラフィーおよび/または分別結晶によって行うことができる。鏡像異性体は、例えばキラルHPLC法によって分離してもよいし、または、適切な光学的に活性な化合物(例えばアルコール)と反応させ、ジアステレオマーを分離し、個々のジアステレオマーをそれに対応する純粋な鏡像異性体に変換すること(例えば加水分解すること)によって、鏡像異性体の混合物とジアステレオマー混合物とを変換することによって分離してもよい。また、式Iで示される化合物またはそれらの合成における中間体の、酸性または塩基性成分含む鏡像異性体の混合物は、それらの合成された純粋な鏡像異性体に分離してもよく、これは、光学的に純粋なキラル塩基または酸(例えば1−フェニル−エチルアミンまたは酒石酸)とジアステレオマー塩を形成し、分別結晶によってジアステレオマーを分離し、続いて、中和して塩を分解し、それに対応する純粋な鏡像異性体を提供することによってなされる。このようなジアステレオマー、鏡像異性体およびそれらの混合物などの異性体はいずれも、本発明の一部とみなされる。もまた、本発明の化合物のうちいくつかは、アトロプ異性体(例えば、置換されたビアリール)であり、本発明の一部とみなされる。
より具体的には、本発明において有用な式Iで示される化合物は、塩基性の中間体を、光学的に純粋なキラル酸と共に分別結晶して、ジアステレオマー塩を形成することにより得ることができる。中和技術を用いて塩を除去し、鏡像異性的に純粋な化合物を提供することができる。あるいは、本発明の式Iで示される化合物は、鏡像異性体が高濃度化された形態で得ることもでき、これは、クロマトグラフィー(好ましくは高圧液体クロマトグラフィー[HPLC])を用いて、非対称的な樹脂(好ましくは、キラルセル(ChiralcelTM)ADまたはOD(キラル・テクノロジーズ(Chiral Technologies,エクストン,ペンシルベニア州))から入手した)で、0〜50%のイソプロパノール(好ましくは2〜20%)、および、0〜5%のアルキルアミン(好ましくは0.1%のジエチルアミン)を含む炭化水素(好ましくはヘプタンまたはヘキサン)からなる移動相を用いて、最終的な化合物またはその合成における中間体(好ましくは最終的な化合物)のラセミ化合物を分解することによってなされる。生成物を含む分画を濃縮して、望ましい材料を得ることができる。
本発明の式Iで示される化合物のうちいくつかは酸性であり、これらは、製薬上許容できるカチオンと塩を形成する。本発明の式Iで示される化合物のうちいくつかは塩基性であり、これらは、製薬上許容できるアニオンと塩を形成する。このような塩はいずれも本発明の範囲内であり、これらは、従来の方法によって製造することができ、例えば、必要に応じて水性、非水性または部分的に水性の媒体のいずれかで、酸性および塩基性の物体を一般的に化学量論的な比率で混合することによって製造できる。この塩は、ろ過によって、溶媒以外で沈殿させ、それに続いてろ過することによって、溶媒の蒸発によって、または、水溶液の場合、必要に応じて凍結乾燥によって、のいずれかで回収される。本化合物は、適切な溶媒(例えばエタノール、ヘキサン、または、水/エタノール混合物)に溶解させることによって、結晶性形状で得てもよい。
当業者であれば、ここに記載された化合物のうちいくつかは、数種の互変異性型で存在する可能性があることがわかるだろう。このような互変異性型はいずれも、本発明の一部とみなされる。例えば、本発明の式Iで示される化合物のエノール−ケトの形態はいずれも、本発明に含まれる。
加えて、本発明において有用な式Iで示される化合物が、水和物または溶媒化合物を形成する場合、これらも本発明の範囲内である。
本発明において有用な式Iで示される化合物、それらのプロドラッグ、ならびに、このような化合物およびプロドラッグの塩はいずれも、反芻動物におけるペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)の活性を活性化する物質としての治療剤用途に適している。従って、本発明の化合物は、PPAR受容体を活性化することによって、脂肪酸の酸化に関与する主要な遺伝子の転写を刺激すると考えられる。それらの活性によって、これらの物質はまた、反芻動物におけるトリグリセリドとNEFAの血漿レベルも減少させ、さらに肝臓におけるトリグリセリドの蓄積も予防する。
本発明において有用な式Iで示される化合物、それらのプロドラッグ、ならびに、このような化合物およびプロドラッグの塩の、反芻動物における上述の疾患/状態の治療のための物質としての有用性は、以下で説明されている分析で、本発明の化合物の活性によって実証されている。
PPAR FRET分析
核内受容体を介した機能的な応答を生産するリガンドの能力を評価する方法として、受容体とリガンドとが会合した後の核内受容体による活性化補助因子の補充の測定がある。PPAR FRET(蛍光共鳴エネルギー移動)分析は、核内受容体と活性化補助因子とのリガンド依存性の相互作用を測定する。GST/PPAR(α,βおよびγ)リガンド結合ドメイン(LBD)は、ユーロピウムのタグを有する抗GST抗体で標識され、一方で、アミノ末端の長鎖ビオチン分子を含むSRC−1(ステロール受容体活性化補助因子−1)合成ペプチドは、ストレプトアビジン結合アロフィコシアニン(APC)で標識される。リガンドがPPAR LBDに結合すると、コンフォメーション変化が起こり、SRC−1が結合できるようになる。SRC−1が結合すると、ドナーのFRET分子(ユーロピウム)がアクセプター分子(APC)に接近して、ドナー(337nmでの励起、および、620nmでの発光)とアクセプター(620nmでの励起、および、665nmでの発光)との間の蛍光エネルギー移動が生じる。665nmでの発光の620nmでの発光に対する比率の増加は、リガンド−PPAR LBDのSRC−1合成ペプチドを補充する能力の尺度であることから、リガンドの、PPAR受容体を介して機能的な応答を生産する能力の尺度となる。
[1]GST/PPAR LBDの発現
pGEX−6P−1(ファルマシア(Pharmacia),ピスカタウェイ,ニュージャージー州)中で、ヒトPPARαLBD(アミノ酸235〜507)は、グルタチオンS−トランスフェラーゼ(GST)のカルボキシ末端に融合している。GST/PPARαLBD融合タンパク質は、BL21[DE3]pLysS細胞で、室温で16時間の50μMのIPTG誘導を用いて発現される(〜0.6のA600で誘導した細胞)。融合タンパク質をグルタチオンセファロース4Bビーズで精製し、10mMの還元グルタチオンで溶出し、4℃で1×PBSに対して透析する。融合タンパク質をブラッドフォード分析(M.M.Bradford,Analst.Biochem.72:248〜254;1976)で定量し、40%グリセロールおよび5mMのDTTを含む1×PBS中で、−20℃で保存した。
[2]FRET分析
FRET分析反応混合物は、20nMのGST/PPARαLBD,40nMのSRC−1ペプチド(アミノ酸676〜700)、アメリカン・ペプチド社(American Peptide Co.,サニーベール,カリフォルニア州)から購入した5’−長鎖ビオチン−CPSSHSSLTERHKILHRLLQEGSPS−NH、2nMのユーロピウム結合抗GST抗体(ワラック(Wallac),ゲイザースバーグ,メリーランド州)、40nMのストレプトアビジン結合APC(ワラック)、ならびに、コントロールおよび試験化合物を含む1×FRET緩衝液(50mMトリス−Cl,pH8.0,50mMのKCl,0.1mg/mlのBSA,1mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)および2mMのDTT)からなる。最終容量を水で100μlにして、黒色の96ウェルプレート(マイクロフオールB(Microfuor B),ダイネックス(Dynex,チャンティリー,バージニア州))に移した。この反応液混合物を、4℃で1時間インキュベートし、ビクター2(Victor 2)プレートリーダー(ワラック)で蛍光を読む。データは、665nmでの発光の615nmでの発光に対するの比率として示される。
選択性の測定
HepG2肝細胞癌細胞株を用いた一過性トランスフェクション分析
hPPARα、hPPARβまたはmPPARγキメラ受容体、および、ルシフェラーゼレポーター遺伝子を制御するウイルスE1Bプロモーターの上流に酵母の上流活性化配列(UAS)を含むレポーターをコードする発現プラスミドで、HepG2細胞を一時的にトランスフェクションした。加えて、プラスミドpRSVβ−galを用いて、トランスフェクション効率を制御した。10%FBSおよび1μM非必須アミノ酸が添加されたDMEM中でHepG2細胞を増殖させた。一日目に、100mmの培養皿に、細胞を2.5×10/培養皿で植えつけ、37℃/5%COで一晩インキュベートした。二日目に、キメラ受容体、ルシフェラーゼレポーター遺伝子;および、β−galをコードするプラスミドDNAで、細胞を一時的にトランスフェクションした。100mmの培養皿それぞれのために、15μgのルシフェラーゼレポーター(PG5E1b)のDNA、15μgのGal4−PPARキメラ受容体のDNA、および、1.5μgのβ−galプラスミドDNAと、1.4mlのopti−MEMとを試験管内で混合した。試験管内で、28μlのリポフェクトアミン−2000試薬を1.4mlのopti−MEM0に添加し、室温で5分間インキュベートした。希釈したリポフェクトアミン−2000試薬とDNA混合物とを合わせ、室温で20分間インキュベートした。100mmの細胞培養皿それぞれに新しい培地を添加した後、この100mmの培養皿に、14mlの培地を含む2.8mlのリポフェクトアミン2000−DNA混合物を一滴ずつ添加し、37℃で一晩インキュベートした。3日目に、細胞をトリプシン処理して100mmの培養皿から取り出し、96ウェルプレートで再び平板培養した。細胞を、培地150μl中で2.5×10細胞/ウェルで平板培養し、培地で希釈した化合物50μlを添加した。添加された参照物質と試験化合物の濃度は、50μMから50pMの範囲であった。化合物の添加後、プレートを37℃で24時間インキュベートした。その後、細胞をPBS(100μl)で1回洗浄し、溶解させ、ルシフェラーゼとβ−galの活性測定のために加工し、この測定は、EG&Gベルトールド・マイクロルーマット(EG&G Berthold MicroLumat)のLB96Pルミノメーターで、トロピックス(Tropix(登録商標))製のデュアル−ライト(Dual−Light)ルシフェラーゼキットを製造元の推奨に従って用いてなされた。グラフパッド・プリズム(GraphPad PrismTM)プログラムを用いて、HepG2−hベータのEC50値(「EC50β」)、および、HepG2−hアルファのEC50値(「EC50α」)を得た。EC50は、PPARが介在する転写応答がその最大応答の半分に到達する濃度である。
負のエネルギーバランス
負のエネルギーバランスを測定するために、NEFAまたはケトン体の血清濃度、または、肝臓組織におけるトリグリセリドのレベルが測定される。NEFAおよび/またはトリグリセリドおよび/またはケトン体が正常なレベルより高いことは、負のエネルギーバランスであることを示す。正常な、または過剰なレベルより高いとみなされるレベルは、以下の通りである:
血清中で、NEFA>800□mol/L、
肝臓組織中で、トリグリセリド>10%w/w、
血清中で、ケトン体>1.2□mol/L。
非エステル化脂肪酸(NEFA)の血中濃度、および、肝臓のトリグリセリドレベルの変化の決定
化合物は、実験用の種におけるインビトロでの受容体親和性試験と、ウシにおける薬物動態学的な評価の結果とを比較することによって有効と予想される用量レベルで、移行期中に1回または数回投与される。NEFAレベルは、標準的な実験方法で決定され、例えば、市販の和光(WAKO)のNEFAキット(米国和光純薬株式会社(Wako Chemical Co.,USA),ダラス,テキサス州,994〜75409)を用いて決定され、肝臓トリグリセリド含量は、文献で説明されているような方法を用いて決定される(J.K.Drackley,J.J.Veenhuizen,M.J.RichardおよびJ.W.Young,J Dairy Sci,1991,74,4254))。
全ての動物は、分娩予定日の約30日前に商業的な酪農場から入手してもよい。ウシは、分娩予定日の約10〜14日前に別々の建物に移動させ、TMR乾乳後期(Close−Up)用乾燥飼料に切り替える。試験における動物の登録は、それらの分娩予定日の約7日前に始める。これら動物は、「試験用の」檻に移動させて体重を量ってもよく、各AMを飼料のための支柱に固定する。その期間、適切な用量を投与し、適切な血液サンプルを得る(以下の表を参照)。
Figure 2008520643
分娩後できる限り速く(30分以内)、ウシを、次の計画的な搾乳(6:00時と19:00時)のためにフリーストール牛舎に移す。分娩後の動物に、8日目まで一日おきに処理を施す。和光のNEFA−C試験キット(番号994−75409)を用いて、分娩前後のNEFAサンプルを解析する。分娩後5日目、10日目および14日目に、分娩後の肝臓生検を全てのウシに行う。組織を氷上に移し、−70°Fで凍結保存する。試験の最後に、Drackley,J.K.等(1991,J Dairy Sci(74):4254〜4264)で説明されている方法を用いて、サンプルを肝臓トリグリセリドレベルについて解析する。
クラス効果を例証する関連実験において、化合物Z、PPARアルファアゴニストで治療した全ての動物は、試験の1日目(分娩後)から、6日目までの間、コントロールと比較して有意に低い血清のNEFAレベルを示した。加えて、治療群T03の動物は、全ての時点でコントロールと比較して有意に低い血清のNEFAレベル示した。全ての治療計画により、肝臓トリグリセリドレベルは、測定された全ての時点(分娩後5日目、10日目および14日目)でプラセボと比較して有意に低められた。
ケトン体
ケトン体の血清中レベルは、当業者周知の標準的な方法によって測定することができ、例えば、シグマ(Sigma)BHBAキット(注文番号310−A)などのこの目的のための市販のキットを用いることによって測定することができる。
乳含量
乳タンパク質、脂肪またはラクトース含量を分析するための機械が市販されている(ミルコスキャンTM50(MilkoScanTM50)、ミルコスキャンTM4000(MilkoScanTM4000)、ミルコスキャンTMFT6000(MilkoScanTM FT 6000)、フォス・グループ(Foss Group)より入手可能)。
また、体細胞含量を分析するための機械も市販されている(フォスマティックTMFC(FossomaticTMFC)、フォスマティックTMマイナー(Fossomatic TMMinor),フォス・グループより入手可能)。
本発明で用いられる化合物は、単独で投与してもよいし、または、1種またはそれ以上のその他の本発明の化合物と組み合わせて、もしくは、1種またはそれ以上のその他の薬物と組み合わせて(または、あらゆるそれらの組み合わせとして)投与してもよい。
例えば、本発明の化合物はまた、鎮静剤、鎮痛薬、抗炎症剤、興奮薬、抗菌剤、下痢止め、抗内毒素、抗真菌剤、呼吸刺激薬、コルチコステロイド、利尿薬、殺寄生生物薬、電解質の調製物、および、栄養補給剤、成長促進物質、ホルモン、および、代謝病治療剤から選択される1種またはそれ以上の生物学的に活性な化合物または物質と混合することもでき、それにより、さらに広範な獣医学的または農学的有用性を示す。
適切な活性化合物または物質の例を以下に示す:
アミラーゼ阻害剤:アカルボーズ;
鎮静剤:キシラジン、
鎮痛薬、および、抗炎症剤:リグノカイン、プロカイン、フルニキシン、オキシテトラサイクリン、ケトプロフェン、メロキシカム、および、カルプロフェン、
興奮薬:エタミフィリン(Etamiphylline)、ドキサプラム、ジプレノルフィン(Diprenorphine)、ヒヨスチン、ケトプロフェン、メロキシカム、ペチジン、キシラジン、および、ブトルファノール、
抗菌剤:クロルテトラサイクリン、タイロシン、アモキシシリン、アンピシリン、アプロアミシン(Aproamycin)、セフキノム、セファレキシン、クラブラン酸、フロルフェニコール、ダノフロキサシン、エンロフロキサシン、マルボフロキサシン、フラマイセチン、プロカインペニシリン、プロカインベンジルペニシリン、ベンザチンペニシリン、スルファドキシン、トリメトプリム、スルファジミジン、バクイロプリム、ストレプトマイシン、ジヒドロストレプトマイシン、スルファメトキシピリダジン、スルファメトキシプリダジン(sulphamethoxypuridazine)、オキシテトラサイクリン、フルニキシン、チルミコシン、クロキサシリン、エチロマイシン(ethyromycin)、ネオマイシン、ナフシリン、オーレオマイシン、リネオマイシン(lineomycin)、セフォペラゾン、セファロニウム、オキシテトラサイクリン、フォルモスルファチアゾール(formosulphathiazole)、スルファジアジン、および、亜鉛、
下痢止め:ヒヨスチン、ジピロン、チャコール、アタパルジャイト、カオリン、イサゴールハスク、
抗内毒素:フルニキシン、ケトプロフェン、
抗真菌剤:エニルコナゾール、ナタマイシン、
呼吸刺激薬:フロルフェニコール、
コルチコステロイド:デキサメタゾン、ベタメタゾン、
利尿薬:フルセミド、
殺寄生生物薬:アミトラズ、デルタメトリン、モキシデクチン、ドラメクチン、アルファシペルメトリン、フェンバレラート、エプリノメクチン、ペルメトリン、イベルメクチン、アバメクチン、リコベンダゾール(ricobendazole)、レバミソール、フェバンテル、トリクラベンダゾール、フェンベンダゾール、アルベンダゾール、ネトビミン、オキシフェンダゾール(oxfenazole)、オキシクロザニド、ニトロキシニル、モランテル、
電解質の調製物および栄養補給剤:デキストロース、ラクトース、プロピレングリコール、乳清、グルコース、グリシン、カルシウム、コバルト、銅、ヨウ素、鉄、マグネシウム、マンガン、リン、セレン、亜鉛、ビオチン、ビタミンB12、ビタミンE、および、その他のビタミン、
成長促進物質:モネンジン、フラボフォスフォリポール、バンバーマイシン、サリノマイシン、タイロシン、
ホルモン:絨毛性性腺刺激ホルモン、血清ゴナドトロピン、アトロピン、メラトニン、オキシトシン、ジノプロスト、クロプロステノール、エチプロストン、ルプロスチオール、ブセレリン、エストラジオール、プロゲステロン、および、ウシソマトトロピン、および、
代謝病治療剤:カルシウムグルコナート、ボログルコン酸カルシウム、プロピレングリコール、硫酸マグネシウム。
また、本発明の化合物は、抗原虫薬、例えばイミドカルブ、鼓脹症の治療薬、例えばジメチコンおよびポロキサレン、および、プロバイオティクス、例えば乳酸杆菌および連鎖球菌属から選択される1種またはそれ以上の生物学的に活性な化合物または物質と混合してもよい。
一般的に、本発明の化合物は、1またはそれ以上の製薬上許容できる賦形剤を共に含む製剤として投与されると予想される。本明細書において、用語「賦形剤」は、本発明の化合物以外のあらゆる成分を説明するのに用いられる。賦形剤の選択は、大体において、具体的な投与様式、賦形剤の溶解性への作用、ならびに、剤形の安定性および性質のような要因に依存すると予想される。
本発明の化合物の送達に適した医薬組成物、および、それらの製造方法は、当業者には容易に理解できると予想される。このような組成物、および、それらの製造方法は、例えば、‘Remington’s Pharmaceutical Sciences’,第19版(Mack Publishing Company,1995)で見出すことができる。
反芻動物におけるそれらの使用に関して、本化合物は、単独で投与してもよいし、または、想定される特定の使用に適した製剤で投与してもよい。
本発明の化合物は経口投与してもよい。経口投与は、本化合物が消化管に入るように嚥下することを含んでいてもよく、または、本化合物が口から直接血流に入るような口腔内または舌下投与を用いてもよい。
経口投与に適した製剤(配合物)としては、錠剤などの固形製剤、微粒子、液体または粉末などを含むカプセル、ロゼンジ(液体入りも含む)、噛むもの(chews)、多層微粒子およびナノ微粒子、ゲル、固溶体、リポソーム、フィルム(粘膜付着性のものも含む)、腔坐剤、スプレー、および、液体製剤が挙げられる。
液体製剤としては、懸濁液、溶液、シロップ、および、エリキシルが挙げられる。このような製剤は、ソフトまたはハードカプセルにおける充填剤として用いてもよく、これらは、典型的には、キャリアー、例えば水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または、適切な油、および、1種またはそれ以上の乳化剤および/または懸濁化剤を含む。また、例えば小袋から固体を再溶解させることによって液体製剤を製造してもよい。
本発明で使用される化合物もまた、は、速溶性の速崩壊性の剤形で用いてもよく、例えば、LiangおよびChenによる、Expert Opinion in Therapeutic Patents,H(6),981〜986(2001)で説明されているものが挙げられる。
錠剤の剤形については、用量に応じて、薬物は、剤形の1重量%〜80重量%、より典型的には剤形の5重量%〜60重量%を構成していてもよい。薬物に加えて、錠剤は、一般的に、錠剤分解物質を含む。崩壊剤の例としては、グリコール酸ナトリウムスターチ、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルシウムカルボキシメチルセルロース、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶性セルロース、低級アルキルで置換されたヒドロキシプロピルセルロース、スターチ、α化スターチ、および、アルギン酸ナトリウムが挙げられる。一般的に、錠剤分解物質は、剤形の1重量%〜25重量%、好ましくは5重量%〜20重量%で含まれると予想される。
結合剤は、一般的に、錠剤製剤に粘着性を付与するために用いられる。適切な結合剤としては、微結晶性セルロース、ゼラチン、糖類、ポリエチレングリコール、天然および合成ゴム、ポリビニルピロリドン、α化スターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、および、ヒドロキシプロピルメチルセルロースが挙げられる。また、錠剤は、希釈剤、例えばラクトース(一水和物、噴霧乾燥させた一水和物、無水など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶性セルロース、スターチ、および、二塩基性リン酸カルシウム二水和物を含んでいてもよい。
また、錠剤は、任意に、界面活性物質、例えばラウリル硫酸ナトリウム、および、ポリソルベート80、ならびに、滑剤、例えば二酸化ケイ素、および、タルクを含んでいてもよい。界面活性物質が存在する場合、それらは錠剤の0.2重量%〜5重量%で含まれていてもよく、滑剤は、錠剤の0.2重量%〜1重量%で含まれていてもよい。
また、錠剤は、一般的に、潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、および、ステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムとの混合物も含む。潤滑剤は、一般的に、錠剤の0.25重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜3重量%で含まれる。
その他の可能性のある成分としては、抗酸化剤、着色剤、矯味矯臭薬剤、保存剤、および、味をマスキングする物質が挙げられる。
典型的な錠剤は、約80%以下の薬物、約10重量%〜約90重量%の結合剤、約0重量%〜約85重量%の希釈剤、約2重量%〜約10重量%の錠剤分解物質、および、約0.25重量%〜約10重量%の潤滑剤を含む。
錠剤のブレンドを直接またはローラーによって圧縮して、錠剤を形成してもよい。錠剤のブレンドまたはブレンドの一部を、錠剤化する前に、選択的に、湿式、乾式もしくは溶融造粒、溶融凝固または押出ししてもよい。最終的な製剤は1つまたはそれ以上の層を含んでいてもよく、さらに、被覆されていてもよいし、または、被覆されていていなくてもよい;これらをさらにカプセル封入してもよい。
錠剤の製剤は、H.LiebermanおよびL.Lachmanによる“Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets,Vol.1”,マルセル・デッカー(Marcel Dekker),ニューヨーク,ニューヨーク州,1980(ISBN0−8247−6918−X)で考察されている。
経口投与のための固形製剤は、即時調節および/または放出調節されるように製剤化されてもよい。放出調節製剤としては、遅延放出剤、持続放出剤、パルス放出剤、制御放出剤、標的化された放出剤およびプログラム化された放出剤が挙げられる。
本発明の目的に適した放出調節製剤は、米国特許第6,106,864号で説明されている。その他の適切な放出技術、例えば高エネルギーでの分散、および、浸透性粒子および被覆粒子の詳細は、Verma等,Pharmaceutical Technology On−line,25(2),1〜14(2001)で見出すことができる。
また、本発明の化合物は、血流、筋肉または内臓に直接投与してもよい。非経口投与に適した手段としては、ボーラス、静脈内、動脈内、腹膜内の、髄腔内、心室内の、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、および、皮下が挙げられる。非経口投与のための適切な装置としては、注射針(微細針など)注入装置、無針注入装置、および、輸液技術が挙げられる。
非経口用製剤は、典型的には水溶液であり、賦形剤、例えば塩、炭水和物および緩衝剤(好ましくはpH3〜9まで)を含んでいてもよいが、いくつかの用途のためには、非経口用製剤は、適切な媒体(例えば滅菌したパイロジェンフリー水)と共に用いることができる滅菌非水溶液または乾燥させた形態としてより適切に製剤化されることもある。
滅菌条件下での非経口用製剤の製造は、例えば凍結乾燥によってなされ、当業者周知の標準的な製薬技術を用いて容易に達成することができる。
非経口用の溶液の製造で用いられる式(I)で示される化合物の溶解性は、溶解促進剤の取り込みのような適切な配合技術の使用によって向上させてもよい。
非経口投与のための製剤は、即時調節および/または放出調節されるように製剤化されてもよい。放出調節製剤としては、遅延放出剤、持続放出剤、パルス放出剤、制御放出剤、標的化された放出剤およびプログラム化された放出剤が挙げられる。従って、本発明の化合物は、活性化合物の放出調節を提供する埋め込まれたデポー剤として投与するための、固体、半固体またはチキソトロピックの液体として製剤化されてもよい。このような製剤の例としては、薬物で被覆したステント、および、PGLAマイクロスフェアが挙げられる。
また、本発明の化合物は、皮膚または粘膜に、すなわち経皮または経皮で局所投与してもよい。この目的のための典型的な製剤としては、飲薬、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散粉剤、包帯剤、発泡体、フィルム、皮膚用パッチ剤、ウェーハ、インプラント、スポンジ、ファイバー、包帯、および、マイクロエマルジョンが挙げられる。また、リポソームを用いてもよい。典型的なキャリアーとしては、アルコール、水、ミネラルオイル、液体ワセリン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、および、プロピレングリコールが挙げられる。浸透促進剤が包含されていてもよい−例えば、FinninおよびMorganによるJ Pharm Sci,88(10),955〜958(1999年10月)を参照。プアオン(pour−on)またはスポットオン(spot−on)製剤を製造してもよく、これらは、許容できる液体キャリアー媒体、例えばブチルジゴール(butyl digol)、流動パラフィンまたは不揮発性のエステルに、任意にプロパン−2−オールのような揮発性成分を添加して、活性成分を溶解させることによって製造される。あるいは、プアオン、スポットオンまたはスプレー製剤は、動物の表面に活性物質の残留物が残存するようにカプセル化によって製造することができる。注射用製剤は、滅菌溶液の形態で製造してもよく、これは、その他の物質、例えば血液と等張な溶液にするのに十分な量の塩またはグルコースを含んでいてもよい。
局所投与のその他の手段としては、エレクトロポレーション、イオン導入、音波泳動法、超音波導入法、および、微細針または無針(例えば、パウダージェット(PowderjectTM)、バイオジェット(BiojectTM)など)注射による送達が挙げられる。
局所投与のための製剤は、即時調節および/または放出調節されるように製剤化されてもよい。放出調節製剤としては、遅延放出剤、持続放出剤、パルス放出剤、制御放出剤、標的化された放出剤およびプログラム化された放出剤が挙げられる。
また本発明の化合物は、鼻腔投与してもよいし、または、吸入法で投与することができ、これは、典型的には、乾燥粉末の吸入器から乾燥粉末の形態で(単独で、混合物として、例えばラクトースとの乾燥ブレンド中で、または、混合された成分の粒子として、例えばホスファチジルコリンのようなリン脂質と混合された粒子として、のいずれか)、または、加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは、電気流体力学を利用して微細なミストを生産するアトマイザー)、または、ネブライザーからのエアロゾルスプレーとしてなされ、ここで、適切な噴射剤(例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタンまたは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン)を使用してもよいし、または使用しないでもよい。鼻腔内での使用のために、上記粉末は、生体接着剤、例えばキトサンまたはシクロデキストリンを含んでいてもよい。
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザーまたはネブライザーには本発明の化合物の溶液または懸濁液が含まれるが、この溶液または懸濁液には、例えば、活性物質の放出を分散、可溶化または増量するためのエタノール、水性エタノールまたは適切な代替物質、噴射剤(溶媒として)、および、任意の界面活性剤(例えばトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸またはオリゴ乳酸)が含まれる。
薬物生成物は、乾燥粉末または懸濁液製剤に使用する前に、吸入法による送達に適したサイズ(典型的には5ミクロン未満)に微粉化される。これは、どのような適切な粉砕方法によって達成してもよく、例えば、スパイラルジェットミル、流動床ジェットミル、ナノ粒子を形成するための超臨界流体プロセシング、高圧均質化または噴霧乾燥である。
カプセル(例えば、ゼラチンまたはHPMCから製造された)、ブリスター、および、吸入器または注入器に使用するためのカートリッジは、本発明の化合物の粉末状混合物、適切な粉末のベース、例えばラクトースまたはスターチ、および、性能の調節剤、例えば1−ロイシン、マンニトールまたはステアリン酸マグネシウムが含まれるよう製剤化されてもよい。ラクトースは、無水であってもよいし、または、一水和物の形態であってもよく、好ましくは後者である。その他の適切な賦形剤としては、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、および、トレハロースが挙げられる。
電気流体力学を利用して微細なミストを生産するアトマイザーへの使用に適した溶液製剤は、1回の作動あたり1μg〜20mgの本発明の化合物が含まれるようにしてもよく、作動の体積は、1μl〜100μlの範囲で様々であってよい。典型的な製剤は、式(I)で示される化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール、および、塩化ナトリウムを含んでいてもよい。プロピレングリコールの代わりに使用可能な代替の溶媒としては、グリセロール、および、ポリエチレングリコールが挙げられる。
本発明の上記のような製剤に、吸入/鼻腔内投与を目的とする、適切な矯味矯臭薬剤、例えばメントールおよびレボメントール(levomenthol)、または、甘味料、例えばサッカリンまたはサッカリンナトリウムを添加してもよい。
吸入/鼻腔内投与のための製剤は、例えばポリ(DL−乳酸−コグリコール酸(PGLA)を用いて、即時放出および/または放出調節されるように製剤化されてもよい。放出調節製剤としては、遅延放出剤、持続放出剤、パルス放出剤、制御放出剤、標的化された放出剤およびプログラム化された放出剤が挙げられる。
乾燥粉末の吸入器およびエアロゾルの場合、投与単位は、定量を送達するバルブによって決定される。本発明に係るユニットは、典型的には、1〜1000μgの式(I)で示される化合物を含む定量または「1回の噴霧」が投与されるように配置される。総体的な1日用量は、典型的には100μg〜100mgの範囲と予想され、これらは、単回投与で投与してもよいし、または、より一般的には、分割された用量として一日中投与してもよい。
本発明の化合物は、例えば坐剤、膣坐剤または浣腸の形態で、直腸または膣内投与してもよい。カカオバターが典型的な坐剤基剤だが、必要に応じて様々な代替物を用いてもよい。必要に応じて、シリコーンゴムベースの膣内器具を用いてもよい。
直腸/膣内投与のための製剤は、即時調節および/または放出調節されるように製剤化されてもよい。放出調節製剤としては、遅延放出剤、持続放出剤、パルス放出剤、制御放出剤、標的化された放出剤およびプログラム化された放出剤が挙げられる。
また、本発明の化合物は、目または耳に直接投与してもよく、この場合、典型的には、等張のpH調節済みの滅菌生理食塩水中の微粉化した懸濁液または溶液の液滴の形態で投与される。眼および耳への投与に適したその他の製剤としては、軟膏、生分解性(例えば、吸収性のゲルスポンジ、コラーゲン)、および、非生分解性(例えば、シリコーン)インプラント、ウェーハ、レンズ、および、微粒子または小胞系、例えばニオゾーム(niosome)もしくはリポソームが挙げられる。架橋されたポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸、セルロース系ポリマー、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、または、メチルセルロース、または、ヘテロ多糖ポリマー、例えばジェランガムのようなポリマーが、保存剤(例えば塩化ベンザルコニウム)と共に包含されてもよい。また、このような製剤は、イオン導入で送達されてもよい。
眼の/耳の投与のための製剤は、即時調節および/または放出調節されるように製剤化されてもよい。放出調節製剤としては、遅延放出剤、持続放出剤、パルス放出剤、制御放出剤、標的化された放出剤またはプログラム化された放出剤が挙げられる。
上述の投与様式のいずれかで使用するために、それらの溶解性、溶解速度、味のマスキング、生物学的利用率、および/または、安定性を改善するために、本発明の化合物は、可溶性の高分子物質、例えばシクロデキストリンおよびそれらの適切な誘導体、または、ポリエチレングリコールを含むポリマーと混合してもよい。
例えば、薬物−シクロデキストリン複合体は、一般的に、ほとんどの剤形および投与経路に有用であること見出されている。包接複合体と非包接複合体のいずれも使用可能である。薬物と直接複合体化すること以外に、シクロデキストリンは、補助添加剤として、すなわちキャリアー、希釈剤または可溶化剤として用いてもよい。これらの目的のためには、アルファ−、ベータ−およびガンマ−シクロデキストリンが最も一般的に用いられており、その例は、国際特許出願番号WO 91/11172、WO 94/02518、および、WO 98/55148に見出すことができる。
許容できる液体キャリアーとしては、植物油、例えばゴマ油、グリセリド、例えばトリアセチン、エステル、例えば安息香酸ベンジル、ミリスチン酸イソプロピル、および、プロピレングリコールの脂肪酸誘導体、加えて、有機溶媒、例えばピロリジン−2−オン、および、グリセロールホルマールが挙げられる。このような製剤は、最終的な製剤が0.01〜10重量%の活性成分を含むように、活性成分を液体キャリアーに溶解または懸濁することによって製造される。
このような製剤は、従来の方式で、標準的な獣医学診療に従って製造される。
これらの製剤は、そこに含まれる活性化合物の重量に関して、治療しようとする宿主動物の種、感染の重症度およびタイプ、ならびに、宿主の体重に応じて様々であると予想される。非経口、局所および経口投与のためには、活性成分の典型的な用量範囲は、動物の体重1kgあたり0.05〜5mgである。好ましくは、その範囲は、1kgあたり0.01〜1mgである。
代替法として、本化合物は、飲用水または飼料と一緒に反芻動物に投与してもよく、この目的のために、濃縮された飼料添加剤または予備混合物を、通常の動物用の飼料または飲料と混合するために製造してもよい。
例えば、特定の疾患または状態を治療する目的で、活性化合物の組み合わせを投与することが望ましい場合があり、従って、組成物の同時投与に適したキットの形態で2種またはそれ以上の医薬組成物(そのうち少なくとも1種は本発明に係る化合物を含む)を都合よく組み合わせてもよく、これは本発明の範囲内である。
従って、本発明のキットは、2種またはそれ以上の別々の医薬組成物(少なくとも一方が本発明に係る式(I)で示される化合物を含む)、前記組成物を別々に保持するための手段、例えば容器、分割されたボトル、または、分割された金属箔の小箱を含む。このようなキットの例は、錠剤、カプセルなどの包装における使用でよく知られたブリスターパックである。
本発明のキットは、具体的には、別々の組成物を異なる投与期間で投与したり、または、別々の組成物を互いに滴定したいるすために、異なる剤形(例えば経口および非経口の剤形)を投与するのに適している。服薬遵守を促進するために、本キットは、典型的には、投与に関する指事書を含み、いわゆる記憶補助が備え付けられていてもよい。
反芻動物に投与するために、本発明の化合物の1日の総用量は、典型的には、0.05mg/kg〜5mg/kgの範囲であり、当然ながら投与様式による。例えば、経口投与は、0.05mg/kg〜5mg/kgの1日の総用量を必要とする場合もあり、一方で、静脈内への用量は、0.01mg/kg〜1mg/kgだけでよい場合もある。1日の総用量は、1回で投与してもよいし、または、数回に分けた用量で投与してもよい。獣医師は、年齢、重量および必要性に従って、個々の反芻動物に応じた用量を容易に決定することができるだろう。
製剤の実施例
以下に示す製剤において、「活性成分」は、本発明で用いられる化合物を意味する。
製剤1:ゼラチンカプセル
ハードゼラチンカプセルは、以下を用いて製造される:
Figure 2008520643
製剤2:錠剤
錠剤製剤は、以下の成分を用いて製造される:
Figure 2008520643
これらの成分をブレンドして、圧縮し、錠剤を形成する。
あるいは、0.25〜100mgの活性成分を含むそれぞれ錠剤は、以下のように構成される:
製剤3:錠剤
Figure 2008520643
活性成分、スターチおよびセルロースを番号45メッシュの米国標準篩(U.S.sieve)に通過させ、徹底的に混合する。得られた粉末と、ポリビニルピロリドンの溶液とを混合し、これを次に番号14メッシュの米国標準篩に通過させる。このようにして製造された顆粒を50℃〜60℃で乾燥させ、番号18メッシュの米国標準篩に通過させる。次に、この顆粒に、予め番号60の米国標準篩に通過させたカルボキシメチルスターチナトリウム、ステアリン酸マグネシウムおよびタルクを添加し、混合した後、錠剤機で圧縮して錠剤を得る。
それぞれ用量5mlあたり0.25〜100mgの活性成分を含む懸濁液は、以下のように作製される:
製剤4:懸濁液
Figure 2008520643
活性成分を、番号45メッシュの米国標準篩に通過させ、カルボキシメチルセルロースナトリウムとシロップと混合し、滑らかなペーストを形成する。安息香酸溶液、矯味矯臭薬剤および色素をいくらかの水で希釈し、撹拌しながら添加する。次に、十分な水を添加して要求された体積にする。
静脈内用製剤は、以下のように製造される:
製剤5:静脈注射用溶液
Figure 2008520643
上記の成分の溶液は、約1mL/分の速度で患者に静脈内投与される。
製剤6:油製剤を含むソフトゼラチンカプセル
ソフトゼラチンカプセルは、以下を用いて製造される:
Figure 2008520643
また、上記活性成分は、治療剤の組み合わせであってもよい。
一般的な実験法
NMRスペクトルは、周囲温度で、バリアンXL−300(バリアン社(Varian Co.),パロアルト,カリフォルニア州)、ブルカーAM−300スペクトロメーター(ブルカー社(Bruker Co.),ビレリカ,マサチューセッツ州)、または、バリアン・ユニティ400(Varian Unity 400)で記録した。化学シフトは、内部基準としての残留溶媒に対する百万分率で示した(δ)。ピークの形状は、以下のように示される:s、一重項;d、二重項;dd、二重の二重項;t、三重項;q、四重項;m、多重項;brs=幅広の一重項;2s、2つの一重項。ポジティブモードと陽イオンモードとを交互に用いた大気圧化学イオン化(APCI)マススペクトルは、ファイソンズ・プラットフォームIIスペクトロメーター(ファイソンズ・インスツルメンツ(Fisons Instruments),マンチェスター,英国)で得た。化学イオン化マススペクトルは、ヒューレット・パッカード5989装置(ヒューレット・パッカード社(hewlett−Packard Co.),パロアルト,カリフォルニア州)(アンモニアイオン化、PBMS)で得た。塩素または臭素を含むイオンの強度が説明されている場合、予想の強度比率が観察され(35Cl/37Clを含むイオンでは約3:1であり、79Br/81Brを含むイオンでは1:1)、および、より低い質量イオンの強度のみが得られた。光学回転は、パーキン・エルマー241旋光計(パーキン・エルマー・インスツルメンツ(Perkin−Elmer Instruments),ノーウォーク,コネチカット州)で、指定された温度でナトリウムD線(λ=589nm)を用いて決定され、[α] temp、濃度(c=g/100mL)および溶媒のように報告した。
カラムクロマトグラフィーは、ガラス製カラム、または、フラッシュ40(Flash 40,バイオタージ(Biotage),ダイアー社(Dyar Corp.),チャーロッツビル,バージニア州)カラムで、ベーカーのシリカゲル(40μm)(J.T.ベーカー(J.T.Baker),フィリップスバーグ,ニュージャージー州)またはシリカゲル50(EMサイエンス(EM Sciences),ギブスタウン,ニュージャージー州)のいずれかを、低い窒素圧下で用いて行った。放射状のクロマトグラフィーは、クロマトロン(Chromatron,モデル7924T,ハリソン・リサーチ(Harrison Research),パロアルト,カリフォルニア州)を用いて行った。特に他の規定がない限り、試薬は商業的な供給源から得られたものを用いた。反応溶媒として用いられるジメチルホルムアミド、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、トルエン、および、ジクロロメタンは、無水グレードであり、これらは、アルドリッチ・ケミカル社(Aldrich Chemical Company,ミルウォーキー,ウィスコンシン州)から購入した。微量分析は、シュワルツコフ・マイクロアナリティカル・ラボラトリー(Schwarzkopf Microanalytical Laboratory,ウッドサイド,ニューヨーク州)によって行われた。用語「濃縮」および「蒸発」は、5〜200mm水銀圧力で、ロータリーエバポレーターを用いて、槽の温度は45℃未満で溶媒を除去することを意味する。「0〜20℃」または「0〜25℃」で行われる反応は、まず断熱された氷槽中で容器を冷却して、次にこれを室温に温めて行われた。略語「min」および「h」は、それぞれ「分」および「時間」を意味する。略語「rt」は、「室温」を意味する。その他の略語、当業者であれば容易に理解できると思われるが、以下のように用いられる:「N」は、窒素を意味し;「CHCl」は、ジクロロメタンを意味し;「THF」は、テトラヒドロフランを意味し;「NaHCO」は、炭酸水素ナトリウムを意味する。
製造例1
2−(イソキノリン−7−イルオキシ)−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル
Figure 2008520643
7−ヒドロキシイソキノリン(500mg,3.4mmol)、エチル2−ブロモイソブチラート(3g,15mmol)、および、炭酸カリウム(2.1g,15mmol)を、7mlの無水DMF中で混合した。この反応液を、N下で18時間、95℃に加熱した。この反応液を減圧下で濃縮し、フラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製し(33%EtOAc/ヘキサン)、この製造例の表題生成物470mg(53%)を黄色の油として得た。
Figure 2008520643
製造例2
2−(1,2,3,4,4a,8a−ヘキサヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ)−2−メチル−プロピオン酸エチルエステル
Figure 2008520643
製造例1の表題生成物(470mg,1.8mmol)、および、酸化白金(21mg,0.09mmol)を、10mlの氷酢酸中で、50psiのH下で、室温で18時間混合した。この反応液をセライトでろ過し、減圧下で濃縮した。残留物をEtOAcで希釈し、1NのNaOHで塩基性にした。有機層を分離し、水相を、EtOAcで3回抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮し、この製造例の表題生成物443mg(93%)を黄色の油として得た。
Figure 2008520643
製造例3
2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4,4a,8a−ヘキサヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ}−プロピオン酸エチルエステル
Figure 2008520643
塩化オキサリル(310μl,3.55mmol)、および、5滴のDMFを、50mlの塩化メチレン中の4−メチル−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−5−チアゾールカルボン酸(1.02g,3.55mmol)(市販)に、0℃、N下で添加した。この反応液を室温に温め、N下で3時間撹拌した。得られた酸塩化物を、50mlの塩化メチレン中の製造例2の表題生成物(935mg,3.55mmol)とトリエチルアミン(500μl,3.55mmol)に、0℃、N下で一滴ずつ添加した。この反応液を室温に温め、N下で18時間撹拌した。この反応液を、CHClで希釈し、飽和NaHCOで洗浄した。有機相を、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(33%EtOAc/ヘキサン)、この製造例の表題生成物1.31g(70%)を得た。
Figure 2008520643
実施例1
2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ}−プロピオン酸
Figure 2008520643
製造例3の表題生成物(3.12g,5.86mmol)を、EtOHと水との3:1の混合物(50ml)中で混合した。炭酸カリウム(3.24g,23.4mmol)を添加し、反応液を100℃に90分間加熱した。反応液を室温に冷却し、減圧下で濃縮した。残留物をEtOAcと1NのHClとで分配した。有機相を水、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(1%NHOH/15%MeOH/CHCl)、この実施例の表題生成物2.27g(77%)を白色の固体として得た。
Figure 2008520643
実施例1で説明されている方法に類似した方法を用いて、実施例2〜10を類似した出発原料から製造した:
実施例2
2−{2−[2−(4−tert−ブチル−フェニル)−4−メチル−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ}−2−メチル−プロピオン酸
Figure 2008520643
実施例3
2−{2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−4−メチル−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ}−2−メチル−プロピオン酸
Figure 2008520643
実施例4
2−{2−[2−(3,5−ビス−トリフルオロメチル−フェニル)−4−メチル−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ}−2−メチル−プロピオン酸
Figure 2008520643
実施例5
2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ}−プロピオン酸
Figure 2008520643
実施例6
2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ}−プロピオン酸
Figure 2008520643
実施例7
2−{2−[2−(4−クロロ−フェニル)−4−メチル−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ}−2−メチル−プロピオン酸
Figure 2008520643
実施例8
2−{2−[2−(3,4−ジメトキシ−フェニル)−4−メチル−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ}−2−メチル−プロピオン酸
Figure 2008520643
実施例9
2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメトキシ−フェニル)−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ}−プロピオン酸
Figure 2008520643
実施例10
2−メチル−2−[2−(4−メチル−2−フェニル−チアゾール−5−カルボニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−7−イルオキシ]−プロピオン酸
Figure 2008520643
製造例4
6−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−1H−イソキノリン−2−イル)−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−イル]−メタノン
Figure 2008520643
4−メチル−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−5−チアゾールカルボン酸(450mg,1.6mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(260mg,1.9mmol)、および、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(370mg,1.9mmol)を、2mlのトリエチルアミンおよび6mlの塩化メチレン中の6−ヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン臭化水素酸塩(300mg,1.3mmol)に添加した。この反応液を、N下で、室温で18時間撹拌した。この反応液を、100mlのCHClで希釈し、10%クエン酸で酸性にした。有機層を分離し、水相を100mlのCHClで2回抽出した。有機相を合わせ、HO、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(40%EtOAc/ヘキサン)この製造例の表題生成物229mg(42%)を白色の固体として得た。
Figure 2008520643
製造例5
2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ}−プロピオン酸エチルエステル
Figure 2008520643
製造例4の表題生成物(218mg,0.52mmol)、エチル2−ブロモイソブチラート(457mg,2.3mmol)、および、炭酸カリウム(318mg,2.3mmol)を、2mlの無水DMF中で混合した。この反応液を、N下で18時間、95℃に加熱した。この反応液を減圧下で濃縮し、50mlの1NのHClを添加した。水相をEtOAc(3×100ml)で抽出した。有機相を合わせ、HO、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(25%EtOAc/ヘキサン)、この製造例の表題生成物194mg(70%)を得た。
Figure 2008520643
実施例11
2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ}−プロピオン酸
Figure 2008520643
4mlのHO中の水酸化リチウム一水和物(151mg,3.6mmol)を、4mlのTHF中の製造例5の表題生成物(190mg,0.36mmol)に添加した。この反応液を室温で18時間撹拌した。この反応液を1NのHClで酸性にし、THFを減圧下で除去した。水相をEtOAc(3×50ml)で抽出した。有機相を合わせ、ブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。残留物をフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(1%NHOH/10%MeOH/CHCl)、この実施例の表題生成物113mg(62%)を白色の固体として得た。
Figure 2008520643
実施例11で説明されている方法に類似した方法を用いて、実施例12〜14を類似した出発原料から製造した。
実施例12
2−{2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−4−メチル−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ}−2−メチル−プロピオン酸
Figure 2008520643
実施例13
2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ}−プロピオン酸
Figure 2008520643
実施例14
2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ}−プロピオン酸
Figure 2008520643
分娩後およびPPARアルファアゴニスト(化合物Z)投与後のウシ肝臓のトリグリセリド含量を示す。 分娩後およびPPARアルファアゴニスト(化合物Z)投与後のウシ血清のNEFAレベルを示す。

Claims (13)

  1. 反芻動物における負のエネルギーバランスの緩和的、予防的または治癒的治療のための医薬品の製造における、式I:
    Figure 2008520643
    で示される化合物、前記化合物のプロドラッグ、または、前記化合物またはプロドラッグの製薬上許容できる塩の使用であって;
    式中、
    およびXは、それぞれ独立して、a)水素、b)ハロ、c)(C〜C)アルキル(これは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)、または、d)(C〜C)アルコキシ(これは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)であり;
    およびXの一方は水素であり、他方は−Y−C(R)(R)−COOHであり;
    Yは、−O−または−S−であり;
    およびRは、それぞれ独立して、a)水素、または、b)(C〜C)アルキルであり;
    は、−CH、または、−CFである、上記使用。
  2. およびXが、それぞれ独立して、a)水素、b)−CF、c)−OCF、d)(C〜C)アルキル、e)−OCH、または、f)ハロであり;
    が、−Y−C(R)(R)−COOHであり、Xが、水素であり;
    Yが、−O−であり;
    が、−CHである、請求項1に記載の化合物の使用。
  3. 2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ}−プロピオン酸;
    2−{2−[2−(4−メトキシ−フェニル)−4−メチル−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ}−2−メチル−プロピオン酸;
    2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(3−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ}−プロピオン酸;および、
    2−メチル−2−{2−[4−メチル−2−(2−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボニル]−1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリン−6−イルオキシ}−プロピオン酸、
    からなる群より選択される化合物、または、該化合物のプロドラッグ、または、該化合物またはプロドラッグの製薬上許容できる塩の使用。
  4. 反芻動物における負のエネルギーバランスに関連する反芻動物の疾患の緩和的、予防的または治癒的治療のための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 前記反芻動物における負のエネルギーバランスに関連する反芻動物の疾患が、脂肪肝症候群、異常分娩、免疫機能障害、免疫機能の低下、中毒、一次的なケトン症、二次的なケトン症、ダウナー牛症候群、消化不良、食欲不振、胎盤遺残、第四胃変位、乳腺炎、子宮筋層炎(子宮内膜炎)、不妊症、低い繁殖力、および、跛行から選択される、請求項4に記載の使用。
  6. 前記式Iで示される化合物が、分娩前30日〜分娩後70日の期間の間に投与される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
  7. 前記式Iで示される化合物が、分娩後の最初の7日間に3回まで投与される、請求項5に記載の使用。
  8. 前記式Iで示される化合物が、分娩後の最初の24時間に1回投与される、請求項7に記載の使用。
  9. 反芻動物の乳質および/または乳量を高めるための医薬品の製造における、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
  10. 前記反芻動物が乳牛である、請求項9に記載の使用。
  11. 反芻動物における負のエネルギーバランスの緩和的、予防的または治癒的治療に使用するための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の式1で示される化合物。
  12. 反芻動物における負のエネルギーバランスに関連する反芻動物の疾患の緩和的、予防的または治癒的治療に使用するための、請求項1〜3のいずれか一項に記載の式1で示される化合物。
  13. 反芻動物における負のエネルギーバランスの緩和的、予防的または治癒的治療に使用するための、および、反芻動物の乳の量および/または質を高めるための、式Iで示される化合物。
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