ここで、同様の参照数字が本開示のフィルタアセンブリの類似する構造的要素を識別する図面を参照すると、図1には、本開示の好ましい代表的な実施形態に従って構成されかつ概して参照数字10によって示されるフィルタアセンブリが示されている。フィルタアセンブリ10は、未ろ過処理流体をフィルタアセンブリ内に配送する入口導管12と、ろ過処理流体をフィルタアセンブリ10から配送する出口導管14と、を有する流体処理システムとともに使用されるように構成される。フィルタアセンブリ10は、ブラケット16により、流体処理システムに関連する支持機構に取り付けられることが好ましい。
図2を参照すると、フィルタアセンブリ10は、入口導管12と連通する入口ポート22と出口導管14と連通する出口ポート24とを有する内部チャンバを画定するヘッド部20から構成される一意の回転バルブアセンブリ18を有する。回転バルブアセンブリ18はバルブ部材26を有し、バルブ部材26は、バルブ部材がヘッド部に対して、流体がフィルタアセンブリ内を流れることが可能な開放位置とフィルタアセンブリを通る流れが制限される閉鎖位置との間で回転するのを容易にするように、ヘッド部20の内部チャンバ内に受け入れられるように構成される(図10および図11を参照)。
バルブ部材26は、ヘッド部20の入口ポート22と連通する入口オリフィス32と、ヘッド部20の出口ポート24と連通する出口オリフィス34と、を有する(図6および図7を参照)。バルブ部材26の本体は、上部オーリングシール36および下部オーリングシール38を収容する陥凹部36aおよび38aを有する。オーリングシール36は、動作中にヘッド部20の内部チャンバ内で出口流から入口流を密封して隔離する役割を果たし、オーリングシール38は、大気への漏れを防止する。
続けて図2を参照すると、フィルタアセンブリ10は、本開示の好ましい代表的な実施形態によって構成される交換可能フィルタカートリッジ40を有する。フィルタアセンブリ10は、交換カートリッジ40が、それが関連する流体処理システムと適合性があることを保証するように適合されかつ構成される。さらに、後述するように、フィルタカートリッジ40およびバルブ部26には、それらの間の適合性を保証するキー付き係合機構が設けられ、それにより、流体処理システムの完全性を危うくする可能性のある、適合性がないかまたは粗悪な交換カートリッジの不注意のまたは意図的な取付けが防止される。
図3を参照すると、交換可能フィルタカートリッジ40は、処理流体をろ過するろ材を取り囲む略円筒型本体部42を有する。当業者は、本体部内に、たとえばプリーツ付き媒体、マイクロファイバまたは炭素媒体を含む、種々の異なる種類のろ材のうちの任意のものを封入してもよい、ということを容易に理解するであろう。エンドキャップ44が本体部42を密閉し、円筒型ネック部46がエンドキャップ44からぶら下がる。当業者は、エンドキャップ44および本体部42を、超音波溶接、スピン溶接または他の本技術分野において既知である同様の方法によって互いに接合することができる、ということを容易に理解するであろう。フィルタカートリッジ40のネック部46は、バルブ部材26の内部空間に受け入れられるように適合されかつ構成され(図6〜図9参照)、上部46aおよび下部46bを有する。当業者には理解されるように、複数のあり得る代替的な代表的実施形態のうちの1つは、円筒型本体部42と円筒型ネック部46との寸法に差がない交換可能フィルタカートリッジ40を有してもよく、そのため、円筒型底部42と円筒型ネック46部とに区別がなく、そのため、カム突起62および64の位置を、フィルタカートリッジ40が取付ブラケット16からぶら下がる中間サポートフランジ70に作動可能に接続されるように、交換可能フィルタカートリッジ40上に作動可能に配置するだけでよい。
上部46aは、入口オリフィス32を通ってバルブ部材26に入る未ろ過処理流体を受け入れその流体をフィルタカートリッジ40の本体部42に向ける放射状入口通路52を画定する。上部46aは、さらに、ろ過処理流体を本体部42の内部からバルブ部材26の内部空間まで、出口オリフィス34を通ってヘッド部20の内部チャンバ内に流出するために配送する、軸方向出口通路54を画定する。当業者は、入口流が軸状であり出口流が放射状であるように、ネック部の入口通路および出口通路を逆にすることができる、ということを容易に理解するであろう。入口通路52および出口通路54は、ネック部46の上端に配置される上部オーリングシール56によって互いから密封して隔離される。バルブ部材26の内部チャンバ内にネック部46を密閉してかみ合わせ、動作中に未ろ過処理流体がフィルタアセンブリ10から漏れないようにするために、放射状入口通路52の下方に第2下部オーリングシール58が配置される。
図3とともに図2を参照すると、一対の対称位置に配置される傾斜カム突起62および64が、ネック部46の下部46bから放射状に外側に突出することが目下好ましい。カム突起62および64は、取付ブラケット16からぶら下がる中間サポートフランジ70内でフィルタカートリッジが回転係合するのを容易にするように寸法が決められかつ構成される。図3においてもっともよく分かるように、フィルタカートリッジ40のネック部46を受け入れるために、中央開口75がサポートフランジ70内に延在する。カム突起62および64の傾斜下面と相互作用する一対の対称位置に配置されたカムランプ72および74が、中央開口75内に放射状に突出する。カムランプ72および74は、互いから隔置されることにより、組立て中にネック部が開口75を通って延びるときにカム突起62および64がそれらの間で嵌合することができるようにし、それらは、図4に示すように、フィルタカートリッジがサポートフランジ70と回転係合するのを容易にするようにそれらの弧長に沿って傾斜する。
図2および図3を参照すると、サポートフランジ70は、環状固定壁78によって画定されかつフィルタアセンブリ10のヘッド部20を受け入れかつ保持するように構成された陥凹収容エリア76をさらに有する。対称位置に配置される弓形保持リブ82および84が、組立て中にヘッド部20が陥凹収容エリア76内に回転係合する場合に、ヘッド部20の下部領域から放射状に外側に突出する、対応する傾斜係合ストラット92および94と摩擦係合するように、固定壁78から内側に突出する。ヘッド部20の収容エリア76内での移動を制限するために、停止面82aおよび84aがそれぞれ保持リブ82および84と関連付けられる。代替的な代表的実施形態では、ヘッド部20およびサポートフランジ70を、フィルタアセンブリ800に関連して後述するようにかつ図52および図53に示すように互いに協働しかつ係合するように適合しかつ構成してもよい。
図1および図2にもっともよく示すように、サポートフランジ70の環状固定壁78は、フィルタアセンブリ10の回転バルブアセンブリ18を収容しかつ保護するように構成されるシュラウド90を収容しかつ支持するようにも構成される。図示するように、シュラウド90は、入口導管12および出口導管14を収容する側方開口、すなわち開口92を含む。当業者は、シュラウドの構成を、それがサポートフランジ70に接合される方法とともに、システムが採用される動作環境の特性に応じて変更することができる、ということを容易に理解するであろう。
図5を参照すると、本開示の目下好ましい代表的な実施形態によれば、カム突起62および64は、バルブ部材26の内部空間25内に形成された一対の対応する対称位置に配置された装着エリア102および104内に受け入れられるように適合されかつ構成される。より詳細には、各カム突起62、64の上面に一意のキー配列が設けられ、それは、この場合、バルブ部材26の装着エリア内に形成された、対応する一定の間隔で離して配置された陥凹部の組と、係合するように適合されかつ構成される、複数の一定の間隔で離して配置された軸方向に突出する歯を有する。この係合構成は、バルブ部材の装着エリアの表面の特徴に対応するキー付き面配列を有するフィルタカートリッジの交換を可能にすることによってのみ、交換カートリッジの適合性を保証するように設計される。
図3〜図9に示す開示の例示的な代表的実施形態では、各カム突起(62、64)上のキー配列は、一定の間隔で離して配置された3つの歯(62a〜62c、64a〜64c)を含み、バルブ部材26内の各装着エリア(102、104)は、カートリッジ40のネック部46がバルブ部材26によって受け入れられるときに歯を収容する3つの対応する陥凹部(102a〜102c、104a〜104c)を有する。
より詳細に後述するように、各カム突起上にキー配列を画定する歯の数は、キー配列の表面形状を変更することができるように(たとえば図13〜図17参照)、この開示の範囲内で変更することができる(たとえば図18〜図40参照)。各場合において、回転バルブ部材の装着エリアは、カム突起に形成されたキー配列を収容するために対応する係合構成を有する。さらに、1つの突起上のキー構成は、対向する突起のキー構成と異なってもよいと考えられる。これにより、フィルタ製造業者に利用可能なあり得るキーの組合せの数が大幅に増大する。
図10を参照すると、適合性のあるフィルタカートリッジが本開示のフィルタアセンブリ10内に差し込まれる場合、カム突起62および64が対称位置に配置されたカム突起72および74の間に配置されて、フィルタカートリッジ40のネック部46がサポートフランジ70の中央開口75を通して挿入される。かかる時点で、バルブ部材26は、ネック部46を受け入れるために「オフ」位置にある。このため、バルブ部材26の入口オリフィス32および出口オリフィス34は、ヘッド部20の入口ポート42および出口ポート44と整列していない。そこで、カム突起62および64のキー付き係合面を形成する歯(62a〜62c、64a〜64c)は、陥凹エリア102および104の対応する陥凹部(102a〜102c、104a〜104c)内に延在し、それと係合する。
フィルタカートリッジ40のネック部46がバルブ部材26の内部チャンバ内に密接に係合すると、図11に示すように、カートリッジおよびバルブ部材を、サポートフランジ70およびヘッド部20に対して左回り方向に回転させることができる。フィルタカートリッジ40をバルブ部材26とともに回転させると、ネック部46から突出するカム突起62、64はカムランプ72、74に抗して並進し、それによってフィルタカートリッジ40が軸方向に螺旋状に上方に移動する。その結果、バルブ部材26は「オン」すなわち開放位置まで回転し、そこで、バルブ部材26の入口オリフィス32および出口オリフィス34がヘッド部20の入口ポート42および出口ポート44と整列することによって、流体がフィルタアセンブリ10内を流れることが可能になる。
システムに差し込まれた交換フィルタカートリッジのカム突起が、バルブ部材の装着エリアと係合するように構成されていない場合、すなわち、カム突起がキー付き面配列を有していない場合(それは、許可されていないアフターマーケットフィルタカートリッジを示す可能性がある)、カム突起はバルブ部材の装着エリアにぶつかり係合することができない。したがって、カム突起62、64の傾斜カム面がカムランプ72、74の傾斜面の下方に位置することになるため、カム突起はカムランプを横切ることができなくなる。その結果、カム突起は、流体がアセンブリ内を流れるのを可能にするようにバルブ部材の「オン」位置への回転をもたらすことができない。これによって、粗悪なまたは許可されていない交換フィルタカートリッジの使用を防止することにより、交換カートリッジの適合性が保証される。
図3〜図11の例示的な代表的実施形態に示すキー配列は、図22に示すキー配列に対応し、それは、5つの利用可能な歯の位置を有するキー配列群から選択される。例示的な代表的実施形態では、第1歯、第4歯および第5歯があるが、第2歯および第3歯がない。数字「1」が、キー配列の或る場所に歯があることを表し、数字「0」がキー構成の或る場所に歯がないことを表す規定を使用すると、図3〜図11および図22に示すキー配列を数値表現(1,0,0,1,1)によって表すことができる。
本開示の好ましい代表的な実施形態によれば、内部に形成される陥凹エリア内に画定される陥凹部の数に関わらず、回転バルブ部材と適合性のある面配列を有するカム突起が設けられる交換カートリッジがある。本明細書においてスケルトンキー配列と呼ぶ、かかる配列を有する対称位置に配置されたカム突起を備えるネック部を有するカートリッジを図2および図12に示し、夫々概して参照数字40および140によって示す。
図12を参照すると、フィルタカートリッジ140のカム突起162および164は、第1歯位置および第5歯位置のみに歯(すなわち歯162a、162b)が充填される歯配列によって画定されるスケルトンキー配列を有する。このスケルトンキーを、数値表現(1,0,0,0,1)によって表す。5位置キー配列では、第1位置および第5位置が常に充填され、逆に、バルブ部材の陥凹エリアは常に相補的位置に配置される陥凹部を有する、ということが理解されるべきである。
以下の表2は、フィルタカートリッジ140の対向するカム突起162および164に関連しかつ図3〜図11および図21〜図27に示す5位置キー配列に対して利用可能な歯の組合せを示す。合計して、図12のスケルトンキー配列を除くと、5位置キー配列に対し7つの利用可能な歯構成がある。以下の表1は、図18〜図20に示すフィルタカートリッジ240の対向するカム突起262および264に関連する4位置キー配列に対して利用可能な歯構成を示す。合計して、図示せずかつ数値表現(1,0,0,1)によって表すスケルトンキー配列を除くと、4位置キー配列に対し3つの利用可能な歯構成がある。表3は、図28〜図41に示すような交換可能フィルタカートリッジ340の対向するカム突起362および364に関連する6位置キー配列に対して利用可能な歯構成を示す。合計して、図示せずかつ数値表現(1,0,0,0,0,1)によって表すスケルトンキー配列を除くと、6位置キー配列に対し15のあり得る歯構成がある。
要約すると、「n」個の歯の位置を有する所与の歯構成に対し利用可能な歯の組合せの数「N」を、以下のように数学的に表すことができる。
N=2n-2−1
本開示のキー付きシステムを通して利用可能なキー構成の数が比較的多いことにより、元の機器の製造業者が、それらの機器の各々に対してカスタマイズされたフィルタを提供することができるようになる。このため、各製造業者は、一意の交換フィルタカートリッジの組を提供することができ、その組の各カートリッジは、そのカム突起に、特定の種類の器具内に支持されるバルブ部材の対応する装着エリアと係合する、異なるキー付き面配列が設けられる。
図13〜図17を参照すると、各々に異なるキー付き面配列が関連付けられる、本開示の好ましい代表的な実施形態によって構成される一連の交換フィルタカートリッジが示されている。たとえば、図13、図14、図16および図17は、夫々フィルタカートリッジ403、404、406および407を示し、カム突起463、464、466および467は、突起から放射状に外側にかつ軸方向に突出する部分を備えたキー付き面配列を有する。たとえば、図13のカム突起463は、突起から軸方向にかつ放射状に突出する2つの歯463a、463bを有する。図14のカム突起464は、2つの軸方向に突出する歯464aおよび464cと放射状にかつ軸方向に突出する1つの歯464bとを有する。図16は、拡大された放射状にかつ軸方向に突出する歯466aとそれより小さい軸方向に突出する歯466bとを有するカム突起466を示す。図17のカム突起467は、2つの軸方向に突出する歯467aおよび467bを有し、カム突起自体の大部分が、フィルタカートリッジ407のネック部から放射状に外側に突出する。本開示によれば、適合性のある回転バルブ部材は、カム突起463、464、466および467の放射状にかつ軸方向に延在するキー付き面配列に対応する係合特徴を備える陥凹エリアを有する。
図15は、本開示の好ましい代表的な実施形態によって構成される別の交換フィルタカートリッジ405を示し、そこでは、そのカム突起465に設けられるキー付き面配列は湾曲面465aによって画定される。本開示によれば、フィルタカートリッジ405に対する適合性のあるバルブ部材は、カートリッジ405との適合性を保証するために対応する湾曲陥凹部を含む装着エリアを有する。
図41〜図44を参照すると、本開示の好ましい代表的な実施形態によって構成されかつ概して参照数字540によって示す別の交換フィルタカートリッジが示されている。フィルタカートリッジ540は、ネック部546の外周部を円周方向に一定の間隔で離して配置される3つのカム突起561、562および563を有する。各カム突起には、適合性のある回転バルブ部材26の対応する陥凹領域と係合するキー付き面配列がある。図42〜図44に示すように、カム突起561〜563のキー付き面配列は、5歯構成(表2参照)から導出され、各カム突起には異なるキーパターンが形成される。特に、カム突起561は、数値表現(1,0,1,0,1)で表してもよい第1キー付き面配列を有し、カム突起562は、数値表現(1,0,0,1,1)で表してもよい第2キー付き面配列を有し、カム突起563は、数値表現(1,1,0,0,1)で表してもよい第3キー付き面配列を有する。また、カム突起561〜563に各々同じキー付き面配置を設けてもよい、ということも考えられる。
図45〜図49を参照すると、本開示の好ましい代表的な実施形態によって構成されかつ概して参照数字650によって示す別の交換フィルタカートリッジが示されている。フィルタカートリッジ640は、カム突起661〜664を含む二組の対称位置に配置されたカム突起を有する。対向するカム突起661、663の第1組は、ネック部646の第1軸高さに配置され、対向するカム突起662、664の第2組は、ネック部646の第2軸高さに配置される。さらに、各カム突起には、適合性のある回転バルブ部材26の対応する陥凹エリアと係合するキー付き面配列がある。図46〜図49に示すように、カム突起661〜664のキー付き面配列は、5歯構成(表2参照)から導出される。カム突起661および664には、数値表現(1,0,0,1,1)で表してもよい同じキー付き面配列があり、カム突起662および663の両方には、数値表現(1,1,0,0,1)で表してもよい別のキー付き面配列がある。また、カム突起661〜664の各々に、同じキー付き面配列を設けてもよく、または別法として、各カム突起に異なるキー付き面配列を設けてもよい、ということも考えられる。
図50および図51を参照すると、本開示の好ましい代表的な実施形態によって構成され且つ概して参照数字700によって示す別のフィルタアセンブリが示されている。フィルタアセンブリ700は、カートリッジ交換中の漏れを最小限にする機構を有する回転バルブ部材726を取り囲むヘッド部720を有する。この機構は、浮遊するチェックボール728と関連するバルブシート730とを有する。図51に示すように、通常稼動中、処理流体がシステム内を流れるとき、ろ過流体の出口流圧力により、チェックボール728は未収容位置にあり続ける。対照的に、交換フィルタカートリッジ40のネック部46がバルブ部材726の内部ボアから取り外され、かつ出口流圧力が終了すると、チェックボール728は図51に示すようにバルブシート730に収容される。その結果、ヘッド部720内の空隙容量がバルブ部材726から流出するのが制限される。
ここで図52および図53を参照すると、本開示の好ましい代表的な実施形態によって構成されかつ概して参照数字800によって示す別のフィルタアセンブリが示されている。フィルタアセンブリ800は、フィルタアセンブリ10のバルブ部材18等の回転バルブ部材を含まないという点で、本開示の上述した代表的な実施形態とは異なる。代りに、図53にもっともよく示すように、フィルタアセンブリ800は、キーリング818の形態の環状挿入部を支持するように構成された下部領域825aを有する内部ボア825を含むヘッド部820を有する。キーリング818は、たとえば交換フィルタカートリッジ40のネック部26に形成されるカム突起62、64上の対応するキー付き面配列と係合する、対称位置に配置された装着エリア802、804を画定する。本開示によれば、フィルタアセンブリ800が関連するシステムの完全性を保証するために、適合性のある交換カートリッジは、キーリング818の陥凹エリアと係合するキー付き面配列を備えるカム突起を有していなければならない。
図52を参照すると、フィルタアセンブリ800は取付ブラケット816をさらに有し、取付ブラケット816から、交換フィルタカートリッジ40がヘッド部材820および関連するキーリング818と回転係合するのを容易にするためにサポートフランジ870がぶら下がっている。中央開口875が、フィルタカートリッジ40のネック46を受け入れるためにサポートフランジ870を通して延在し、一対の対称位置に配置されたカムランプ(rap)872および874が、フィルタカートリッジ40がヘッド部820と係合するときに、カム突起62、64の傾斜下面と作動可能に相互作用するために、中央開口875内に放射状に突出する。サポートフランジ870は、ヘッド部820を受け入れかつ保持するように構成された環状固定壁878によって画定される陥凹収容エリア876をさらに有する。より詳細には、ヘッド部820は、固定壁878から放射状に内側に突出する一対の対称位置に配置された保持フランジ892および894に作動可能に係合する、一対の対称位置に配置された傾斜カムストラット882および884を有する。さらに、ラチェットニブ882aおよび884aが、夫々保持フランジ892および894に形成された対応するノッチ892aおよび894a内に係合するために、ヘッド部820の下部領域から外側に突出する。当業者は、ヘッド部820およびサポートフランジ870が相互作用し係合する方法を、上述したフィルタアセンブリ10に関連して採用してもよく、それにより、ヘッド部20およびサポートフランジ70が実質的に同様に相互作用しかつ係合するように適合されかつ構成される、ということを容易に理解するであろう。
本開示のフィルタアセンブリ800を組み立てるために、まず、各々が異なる陥凹部構成を有する一組のキーリングから選択してもよい、特定の陥凹部構成を有するキーリング818を、ヘッド部820の内部ボア825の下部領域825a内に挿入する。そして、ヘッド部を、サポートフランジ870の収容エリア876内で回転係合させる。その後、フィルタカートリッジ40を、カートリッジのネック部46をサポートフランジ870の中央開口875内に挿入することによってヘッド部820に近づけ、それによってカム突起62、64が、開口875内に放射状に突出する対向するカムランプ872、874の間を通過することができるようにする。かかる時点で、カム突起62、64のキー付き面配列は、当然ながらカートリッジおよびキーリング818が互いに適合性があれば、キーリング818の対応する陥凹エリア802、804と係合する。カム突起62、64が陥凹領域802、804と係合すると、フィルタカートリッジ40はおよそ90°の弧を通して回転し、それによりカム突起62、64の傾斜下面はカムランプ872、874に対して並進する。この相対移動により、キーリング818は内部ボア領域825a内で回転し、フィルタカートリッジ40のネック部46は、ヘッド部820の内部ボア825の上部領域825b内に、フィルタカートリッジのネック部がその中で密封して受け入れられるまで軸方向に移動する。
フィルタカートリッジ40が回転してヘッド部820と係合する際、キーリング818がヘッド部820に対して限られた移動範囲を回転するように対応がなされる、ということが留意されるべきである。さらに、回転バルブ部材がヘッド部820とともに利用されないため、内部ボア825の上部領域825bは、フィルタカートリッジ40のネック部46と直接係合するように寸法が決められかつ構成され、それにより、ネック部46の入口ポート52はヘッド部820の放射状入口ポート812と直接流体連通し、ネック部46の軸方向出口ポート54は、ヘッド部820の放射状出口ポート814と直接流体連通する。
ここで図54〜図64を参照すると、本開示の好ましい代表的な実施形態によって構成されかつ概して参照数字900によって示すさらに別のフィルタアセンブリが示されている。フィルタアセンブリ10と同様に、フィルタアセンブリ900は、フィルタアセンブリ内に未ろ過処理流体を配送する入口導管912とろ過処理流体をフィルタアセンブリ900から配送する出口導管914とを有する流体処理システムとともに使用するように構成される。フィルタアセンブリ900は、ブラケット916によって、流体処理システムに関連付けられる支持機構に取り付けられることが好ましい。
図54を参照すると、フィルタアセンブリ900は、入口導管912と連通する入口ポート922と出口導管914と連通する出口ポート924とを有する内部チャンバを画定するヘッド部920を有する一意の回転バルブアセンブリ918を有する。回転バルブアセンブリ918は、バルブ部材926をさらに有し、それは、バルブ部材926がヘッド部920に対して、流体がフィルタアセンブリ内を流れることが可能となる開放位置と無制限の流体がフィルタヘッドを入口から出口まで流れるバイパス位置との間で回転するのを容易にするように、ヘッド部920の内部チャンバ内に受け入れられるように構成される(図59および図60参照)。
バルブ部材926は、ヘッド部920の入口ポート922と連通する入口オリフィス932と、ヘッド部920の出口ポート924と連通する出口オリフィス934とを有する(図61参照)。バルブ部材926の本体は、入口オリフィス932を包囲する、図61に示す陥凹部931aを有し、それは、入口オリフィス932と入口ポート922との流体密封接合を容易にする役割を果たす、同様に図61に示すオーリングシール931を収容する。バルブ部材926はまた、出口オリフィス934を包囲する陥凹部933aも有し、それは、出口オリフィス934と出口ポート924との流体密封接合を容易にする役割を果たす、図61に示すオーリングシール933を収容する。バルブ部材926の本体は、オーリングシール928を収容する陥凹部938aをさらに有する(図61〜図64参照)。オーリングシール938は、バルブ部材926がヘッド部920の内部チャンバ内に密閉してかみ合うのを容易にし、かつ処理流体が大気に漏れるのを防止する役割を果たす。
続けて図54を参照すると、フィルタアセンブリ900は、本開示の好ましい代表的な実施形態によって構成される交換可能フィルタカートリッジ940をさらに有する。フィルタアセンブリ900は、交換カートリッジ940が、それが関連する流体処理システムと適合性があることを保証するように適合されかつ構成される。さらに、後述するように、フィルタカートリッジ940およびバルブ部材926には、それらの間の適合性を保証するキー付き係合機構が設けられ、そのため、流体処理システムの完全性を危うくする可能性のある、適合性のないかまたは粗悪な交換カートリッジの不注意のまたは意図的な取付けが防止される。
図54〜図56および図61を参照すると、交換可能フィルタカートリッジ940は、処理流体をろ過するろ材を取り囲む略円筒型本体部942を有する。当業者は、本体部内に、たとえばプリーツ付き媒体、マイクロファイバまたは炭素媒体を含む、種々の異なる種類のろ材のうちの任意の1つを封入してもよい、ということを容易に理解するであろう。本体部942はトップキャップ944を有し、それは、本体部942の一体部品を形成することが好ましい。別法として、当業者は、トップキャップ944および本体部942を別々に形成し、後に超音波溶接、スピン溶接または本技術分野において既知である他の同様の方法によって互いに接合してもよい、ということを容易に理解するであろう。トップキャップ944からはネック部946がぶら下がっている。フィルタカートリッジ940のネック部946は、バルブ部材926の内部空間内に受け入れられるように適合されかつ構成され(図54、図56、図58〜図61参照)、上部946aおよび下部946bを有する。
再び図54を参照すると、ネック部946は複数の軸方向通路952を画定する。上部946aはまた、複数の傾斜した軸方向に位置合せされた突起951も画定することが好ましく、それらは、軸方向通路952に入る流体の流れを分割するために、上部946aから放射状に外側に突出する。このため、本開示の例示的な好ましい代表的な実施形態では、未ろ過処理流体は、入口オリフィス932を通ってバルブ部材926の内部チャンバに入り、突起951の間および軸方向通路952内を流れ、その後フィルタカートリッジ940の本体部942に入る(図55参照)。上部946aは、さらに、ろ過処理流体を、出口オリフィス934およびポート924を通ってヘッド部920から流出させるために、本体部942の内部からバルブ部材926の内部空間まで配送する軸方向出口通路954を画定する。
当業者は、ネック部946の入口通路および出口通路の方向/向きを逆にすることができる、ということを容易に理解するであろう。入口通路952および出口通路954は、ネック部946の上端に配置された上部オーリングシール956によって互いから密封して隔離される(図61参照)。ネック部946をバルブ部材926の内部チャンバ内で密封してかみ合わせ、動作中に未ろ過処理流体がフィルタアセンブリ900から漏れないように、放射状通路952の入口の下方に第2下部オーリングシール958が配置される。
図56および図58とともに図54を参照すると、一対の対称位置に配置されたカム突起962および964が、ネック部946の下部946bから放射状に外側に突出する。カム突起962および964は、取付ブラケット916からぶら下がる中間サポートフランジ970内でフィルタカートリッジが回転係合するのを容易にするように寸法が決められかつ構成される。図54においてもっともよく分かるように、フィルタカートリッジ940のネック部946を受け入れるために、中央開口975がサポートフランジ970内に延在する。カム突起962および964の下面と相互作用する一対の対称位置に配置されたカムランプ972および974が、中央開口975内に放射状に突出する。カムランプ972および974は、組立て中にネック部が開口975を通って延びるときにカム突起962および964がそれらの間で適合することができるように、互いから隔置される。図56においてもっともよく示すように、各カム突起962および964は、前傾斜面963を有する。前傾斜面963は、図58〜図60および図62〜図64に示すように、フィルタカートリッジが、サポートフランジ970のカムランプ972および974との回転係合するのを容易にするように適合されかつ構成される。
図54および図61を参照すると、サポートフランジ970は、環状固定壁978によって画定されかつフィルタアセンブリ900のヘッド部920を受け入れかつ保持するように構成された陥凹収容エリア976をさらに有する。対称位置に配置される弓形保持リブ982および984が、組立て中にヘッド部920が陥凹収容エリア976内に回転可能に係合する場合に、ヘッド部920の下部領域から放射状に外側に突出する対応する係合ストラット992および994(図61参照)と摩擦係合するように、固定壁978から内側に突出する。本開示の代替的な代表的実施形態では、ヘッド部920およびサポートフランジ970を、フィルタアセンブリ800に関して本明細書で説明しかつ図52および図53で示したような方法で、協働しかつ互いに係合するように適合しかつ構成してもよい。
フィルタアセンブリ10と同様に、かつ図1および図2に示すように、サポートフランジ970の環状固定壁978もまた、フィルタアセンブリ900の回転バルブアセンブリ918を収容しかつ保護する、シュラウド90等のシュラウド(図示せず)を収容しかつ支持するように構成してもよい。また、フィルタアセンブリ10のカム突起62および64(図2および図3参照)と同様に、カム突起962および964(図54および図56参照)を、バルブ部材926の内部空間925内に形成された、図57にもっともよく示す一対の対応する対称位置に配置された装着エリア1002および1004内に受け入れられるように適合しかつ構成してもよい。本開示の他の好ましい代表的な実施形態に関連して論じたように、各カム突起962、964の上面には一意のキー配列が設けられ、それは、この例示的な代表的実施形態では、バルブ部材926の装着エリア1002および1004内に形成された一定の間隔で離して配置された陥凹部の対応する組と係合するように適合されかつ構成された、複数の一定の間隔で離して配置された軸方向に突出する歯を有する。この係合構成は、バルブ部材の装着エリアの表面の特徴に対応するキー付き面配列を有するフィルタカートリッジの交換を可能にするだけで交換カートリッジの適合性を保証するように設計される。
図54〜図64に示す開示の例示的な代表的実施形態では、各カム突起(962、964)上のキー配列は、一定の間隔で離して配置された3つの歯(962a〜962c、964a〜964c)を有する。キー配列の他の構成、たとえば本明細書で説明した構成を使用してもよい。図57を参照すると、図54〜図64に示す例示的な代表的実施形態では、装着エリア1002および1004もまたリブ部材1006を有する。フィルタアセンブリ10に関してより詳細に論じたように、2つの対応する装着エリアは、通常、カム突起に形成された一定の間隔で離して配置された各歯に対し対応する陥凹部を有する。本開示のこの例示的な代表的実施形態では、単一陥凹部にのみリブ部材1006が設けられる。装着エリアに対するこの構成は、スケルトンキー配列をより代表するものである。しかしながら、当業者は、本開示の代替実施形態に関して先に開示した装着エリア構成を、フィルタアセンブリ900に適用させることができる、ということを容易に理解するであろう。
以下より詳細に論ずるように、各カム突起(962、964)上にキー配列画定する歯の数は、キー配列の表面形状(たとえば図13〜図17参照)を変更することが可能であるように、本開示の範囲内で変更することができる(たとえば図18〜図40参照)。各場合において、回転バルブ部材926の装着エリア(1002、1004)は、カム突起に形成されたキー配列を収容するために対応する係合構成を有する。さらに、1つの突起上のキー構成が、対向する突起のキー構成と異なってもよいと考えられる。これにより、フィルタ製造業者が利用可能なあり得るキーの組合せの数が大幅に増大する。
図54〜図61を参照すると、フィルタアセンブリ900内に適合性のあるフィルタカートリッジが差し込まれる場合、カム突起962および964が対称位置に配置されたカムランプ972および974の間に配置されて、フィルタカートリッジ940のネック部946がサポートフランジ970の中央開口975を通して挿入される(図54参照)。かかる時点で、バルブ部材926は、ネック部946を受け入れるバイパス位置にあるべきである(図60参照)。その位置において、バルブ部材926の入口オリフィス932および出口オリフィス934は、ヘッド部920の入口ポート922および出口ポート924と整列していない。その構成では、入口ポート922に入る処理流体は、ヘッド部920の内部チャンバ内にかつバルブ部材926の外面の周囲を流れる。たとえばオーリングシール938によって容易にされる、ヘッド部920内のバルブ部材926の密閉かみ合せにより、バルブ部材926の周囲を流れる処理流体が大気中に漏れるのが防止される。
図56、図58および図62〜図64を参照すると、そこで、カム突起962および964のキー付き係合面を形成する歯(962a〜962c、964a〜964c)が対応する装着エリア1002および1004内に配置され、それらと係合するようになされる。ネック部946の挿入中、カム突起962および964に関連する後傾斜面965(図56参照)は、装着エリア1002および1004に形成された傾斜面1008と係合するように適合されかつ構成される。カム突起962および964上の後傾斜面963および前傾斜面965の形成により、フィルタカートリッジ940が、サポートフランジ970およびバルブ部材926の開口と回転係合するのが容易になる。
フィルタカートリッジ940のネック部946が、バルブ部材926の内部空間925内に密接に係合すると、カートリッジおよびバルブ部材を、たとえば目下好ましくは、サポートフランジ970およびヘッド部920に対して、図59に示すフィルタ位置から図60に示すバイパス位置まで左周り方向に回転させてもよい。フィルタカートリッジ940をバルブ部材926とともに回転させると、ネック部946から突出するカム突起962、964はカムランプ972、974に抗して並進し、それによりフィルタカートリッジ940が軸方向に螺旋状に上方に移動する。その結果、バルブ部材926は「オン」すなわち開放位置まで回転し、そこで、バルブ部材926の入口オリフィス932、934がヘッド部920の入口ポート922および出口ポート924夫々と整列することによって、流体がフィルタアセンブリ900内を流れることが可能になる。図61は、本開示の例示的な好ましい代表的な実施形態による組み立てられたフィルタアセンブリを示し、そこでは、フィルタカートリッジ940はサポートフランジ970と係合し、バルブ部材926は開放位置にある。
システムに差し込まれた交換フィルタカートリッジのカム突起が、バルブ部材の装着エリアと係合するように構成されていない場合、すなわち、カム突起がキー付き面配列を有していない場合(それは、許可されていないアフターマーケットフィルタカートリッジを示す可能性がある)、カム突起はバルブ部材の装着エリアにぶつかり係合することができない。したがって、カム突起962、964は、カムランプ972、974の傾斜面の下方に位置することになるため、カムランプを横切ることができなくなる。その結果、カム突起は、流体がアセンブリ内を流れるのを可能にするようにバルブ部材の「オン」位置への回転をもたらすことができない。これによって、粗悪なまたは許可されていない交換フィルタカートリッジの使用を防止することにより、交換カートリッジの適合性が保証される。
ここで図62〜図64を参照する。それらは、カム突起962、964(反対側、図示せず)の、バルブ部材926の内部空間に形成された対応する装着エリア1002および1004との相互作用を示す。図62において、フィルタカートリッジ940のネック部946は、バルブ部材926の内部空間925内に完全に挿入され、カム突起962、964は装着エリア1002および1004内に配置される。図63および図64に示すように、フィルタカートリッジ940に右回りの回転を与えると、後傾斜面965が、装着エリア1002、1004に形成された傾斜面1008と接触し傾斜面1008に沿って摺動することにより、フィルタカートリッジ940は、バルブ部材926の内部空間925内から外れるまで下方向に付勢される。同時に、バルブ部材926は、ヘッド部920内で開放位置から「バイパス」位置まで回転する。逆に、フィルタカートリッジ940がバルブ部材926の内部空間内に挿入されると、後傾斜面965は、装着エリア1002に形成された傾斜面1008に接触する。フィルタカートリッジ940が左周り方向に回転するとき、傾斜面965は傾斜面1008に沿って摺動し、それにより、フィルタカートリッジ940は強制的に上方向に移動させられ、それによりサポートフランジ970との係合が容易になる。
ここで図65を参照すると、概して参照数字1100で示す、本開示の代表的な好ましい実施形態によって構成される別のフィルタアセンブリが示されている。フィルタアセンブリ1100は、未処理流体を交換可能フィルタ/処理カートリッジ1115に配送する入口導管1112と、処理済み流体を交換可能カートリッジ1115から搬送する出口導管1114と、を有する流体処理システムとともに使用される。フィルタアセンブリ1100は、それが関連する流体処理システムに対し、利用を容易にするために蝶番式に取り付けられてもよい取付ブラケット1116によって、支持される。入口導管1112および出口導管1114は、互いに対して平行に方向付けられ、したがって、フィルタアセンブリ1100は、特に、後により詳細に論ずるように、この構成を収容するように適合されかつ構成される。
図66を参照すると、フィルタアセンブリ1100は、入口通路1120および出口通路1122を有するヘッド部材1118を有する。ヘッド部材1118の入口通路1120と作動係合するように、入口導管1112の終端にコネクタ1124が設けられ、ヘッド部材1118の出口経路1122と作動係合するために、出口導管1114の終端にコネクタ1126が設けられる。ヘッド部材1118は、フィルタアセンブリ1110を支持する取付ブラケット1116に形成された係合開口1130内に画定される対応する傾斜カム面と協働する、対向する弓形カムランプ1128a、1128bを有する。使用時、開口1130に対するヘッド部材1118の回転により、カムランプとカム面との協働相互作用が容易になり、ヘッド部材1118がブラケット1116に解放可能に係合しまたは他の方法で取り付けられる。
フィルタアセンブリ1100は、ヘッド部材1118内に形成されるバルブチャンバ1134内に収容される、バルブ部材1132をさらに有する(図69および図71参照)。同様に、バルブ部材1132は、交換可能フィルタカートリッジ1115のネック部1135を収容する中央装着ボア1133を有する(図69および図71参照)。バルブ部材1132は、バルブチャンバ1134内において、未処理流体がフィルタカートリッジ1115内に向けられるフィルタモード/位置(図68および図69)と、フィルタカートリッジ1115への流体流が防止されるかまたは他の方法で阻止されるバイパスモード/位置(図70および図71)と、の間で回転するように適合されかつ構成される。バイパスモードでは、フィルタカートリッジ1115を、フィルタアセンブリから都合よく取り外し、破棄し、交換することができる。かかる時点で、ヘッド部材1118の入口通路1120および出口通路1122は流体連通したままであるため、未処理処理流体はその間を流れ続ける。
バルブ部材1132は、入口経路1136および出口経路1138を有する。フィルタモードでは、バルブ部材1132の入口経路1136はヘッド部材1118の入口通路1120と連通し、バルブ部材1132の出口経路1138はヘッド部材1118の出口通路1122と連通する。この時点で、後により詳細に論ずるように、流体はフィルタカートリッジ115にかつフィルタカートリッジ1115から流れることができる。対照的に、バルブ部材1132を、図68および図69に示す位置から図70および図71に示す位置まで1/4または90°手動で回転させる場合に達成されるバイパスモードでは、バルブ部材1132の入口経路1136は、移動してヘッド部材1118の入口通路1120と連通しなくなり、バルブ部材1132の出口経路1138は、移動してヘッド部材1118の出口通路1122と連通しなくなる。かかる時点で、フィルタカートリッジ1115へのかつフィルタカートリッジ1115からの流体流は防止される。
封止部材1140がバルブ部材1132に作動可能に関連付けられ、より詳細には、封止部材1140は、バルブ部材1132の上面1132aの上に形成されるかまたは他の方法で形成される、一致するかまたは他の方法で寸法的に対応する収容エリア1142に収容される。封止部材1140は、バルブチャンバ1134の対向面に対して水密/気密封止を提供するように配置され、たとえばNeopreneまたは同様の材料等のエラストマー材料から一体型に形成される。
図67においてもっともよく分かるように、封止部材1140は、複数の別個の封止エリア1140a〜1140dを有する。特に、封止部材1140は、略円形形状の第1封止部1140aを有し、それは、フィルタ部材が図68および図69に示すフィルタモード/位置にあるとき、バルブ部材1132の入口経路1136を密封して隔離するような寸法である。封止部材1140は、略楕円形形状の第2封止部1140bを有し、それは、バルブ部材がフィルタ位置にあるとき、バルブ部材1132の出口経路1138を密封して隔離するような寸法である。封止部材に剛性を追加するために、安定化ストラット1145が、略円形封止部1140aを略楕円形封止部1140bに接続する。ストラット1145の厚さは、それによって接続される封止部の径より小さい。
封止部材1140は、略三角形形状の第3封止部1140cと、略三角形形状の第4封止部1140dと、を有する。バルブ部材1132が図70および図71に示すバイパス位置にあるとき、封止部1140c、1140dは、ヘッド部材1118の入口通路1120および出口通路1122を大気から密封して隔離する。さらに、封止部1140c、1140dは、入口通路1120および出口通路1122が互いに流体連通したままであり得るようにするバイパス流路またはトラフを形成する。したがって、未処理処理流体は、ヘッド部材1118の入口通路1120と出口通路1122との間を流れ続けることになる。
再び図66を参照すると、交換可能フィルタカートリッジ1115は略円筒型溜め部1150を有し、それは、フィルタエレメント1152を支持するように寸法が決められかつ構成される。この場合、フィルタエレメント1152は、押出しカーボンブロックエレメントである。しかしながら、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく、他の種類のフィルタエレメントを採用することができる。たとえば、プリーツ付きフィルタエレメントまたはスパイラル型フィルタエレメントを採用してもよい。さらに、カートリッジ1115はフィルタの形態をとらなくてもよく、別法として、流体流に添加物を提供するかまたは他の方法で流体流を調整するカートリッジの形態をとってもよい、ということが考えられる。フィルタエレメント1152は、処理済み流体が流れ込む中央ボア1153を有する。フィルタエレメント1152の底部には閉鎖またはブラインドエンドキャップ1154が配置され、フィルタエレメント1152の上端には開放エンドキャップ1156が配置される。エンドキャップ1154には、閉鎖独立気泡(closed sell)材料から形成される凍結保護パッド1157が関連付けられる。
エンドキャップ1156は、中央ボア1153と連通する出口管1158を有する。溜め部カバー1160が溜め部1150の内部を密閉し、それは、溜め部1150の上端にスピン溶接されるかまたは他の方法で締結または取り付けられる。溜め部カバー1160は、ベース部1162を有し、ベース部1162からフィルタカートリッジ1115のネック部1135が延在する。ネック部1135は、下部放射状外側ネック部1135aと上部放射状内側ネック部1135bとによって画定される段状構成を有する。外側オーリングシール1137aが外側ネック部1135aを包囲し、内側オーリングシール1137bが内側ネック部1135bを包囲する。外側ネック部1135aと内側ネック部1135bとの間に流体入口1164が形成される。流体入口1164は、未処理流体を溜め部1150内に配送する。内部ネック部1135bによって流体出口1166が画定される。流体出口1166は、エンドキャップ1156の出口管1158によって、処理済み流体をフィルタエレメント1152の中央ボア1153から配送する。
上述したように、カートリッジ1115のネック部1135は、図69においてもっともよく分かるように、バルブ部材1132の内部ボア1133と適合される。特に、バルブ部材1132の中央装着ボア1133は、フィルタカートリッジ1115の出口ポート1166を密封して隔離する放射状内側ボア部1168と、フィルタカートリッジ1115の入口ポート1164を密封して隔離する放射状外側ボア部1170と、を有する。
図66においてもっともよく分かるように、一対の対称位置に配置されたキー付きカムラグ1172a、1172bが、本明細書において本開示の他の代表的な実施形態で上述した方法と同様に、対応するキー付き係合陥凹部1174a、1174bと協働するために、外側ネック部1135aから放射状に外側にぶら下がる。ここで、突起および陥凹部は、ろ過アセンブリ1100内での適合性のないフィルタカートリッジの使用を防止するために係合面を有する。
ここで図69を参照すると、バルブ部材1132が、ヘッド部材1118のバルブチャンバ1134内でフィルタ位置に配置されると、未処理流体は入口導管1112からヘッド部材1118の入口通路1120に流れ込む。そして、未処理流体は、バルブ部材1132の連通する入口経路1136を通り、フィルタカートリッジ1115のネック部1135aの入口1164に流れ込む。そこで、未処理流体はフィルタカートリッジ1115の溜め部1150を充填し、カーボンブロックフィルタエレメント1152を通って放射状に内側に中央ボア1154まで流れる。その後、ろ過流体はフィルタエレメント1152の中央ボア1154から出口管1158を通ってフィルタカートリッジ1115のネック部1135bの出口1166まで流れる。そして、ろ過流体は、バルブ部材1132の出口経路1138を通って、ヘッド部材1118の連通する出口通路1122内に流れ込み、出口導管1114を経由してフィルタアセンブリ1100を出る。この時点で、封止部材1140の第1封止部1140aは、バルブ部材1132の入口経路1136を密封して隔離し、封止部材1140の第2封止部1140bは、バルブ部材1132の出口経路1138を密封して隔離する。
ここで図71を参照すると、バルブ部材1132(フィルタカートリッジ1115が付随する)がヘッド部材1118のバルブチャンバ1134内においてバイパス位置まで回転するかまたは他の方法でその位置に配置されると、未処理流体は、ヘッド部材1118の入口通路1120からバルブ部材1132の入口経路1136まで流れることが防止されまたは他の方法で阻止される。同様に、バルブ部材1132の出口経路1138が移動して、ヘッド部材1118の出口通路1122と連通しなくなる。この時点で、封止部材1140の第3封止部1140cおよび第4封止部1140dは、ヘッド部材1118の入口通路1120および出口通路1122を大気から密封して隔離する。さらに、ヘッド部材1118の入口通路1120と出口通路1122との間に流路が設けられ、それにより未処理処理流体がその間を流れることができる。かかる時点で、交換可能フィルタカートリッジ1115を、処理流体の損失なしにバルブ部材1132から取り除くことができる。
開示した流体ろ過装置を、例示的で代表的な目下好ましい実施形態に関して説明したが、添付の特許請求の範囲によって規定されるような本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、それに対する変更および変形を行うことができるということは明らかである。