JP2008518667A - 向線維性コーティング - Google Patents

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Abstract

コラーゲンのような向線維性重合体を含む医療用品のための向線維性コーティングが記載される。向線維性コーティングはまた、抗血栓重合体を含むことができる。コーティングは、コーティング材料にぶら下がって又は独立して光反応基の活性化によって形成され得る。

Description

関連出願への相互参照
本非仮出願は、2004年10月28日に出願された共通に所有されるシリアル第60/623,565号の仮出願(「向線維性コーティング」と題する);及び2004年10月28日に出願された共通に所有されるシリアル第60/623,563号の仮出願(「調節因子を含む向線維性コーティング」と題する)の利益を主張し、これら出願は、本明細書中に参照により全体として援用される。
技術分野
本発明は、医療用品に向線維性コーティングを提供する方法に関する。向線維性コーティングを有する医療用品は、止血及び閉塞のようなインビボでの空間充填機能に有用な線維化した凝血塊の形成を促進するために使用することができる。
背景
移植可能な医療用品を表面コーティングする方法は、未コーティングの表面上に存在しない特性を有する用品表面を提供することが望まれる場合において有益であることが分かっている。例えば、重合体は、表面の湿潤性及び潤滑性を改善するための医療装置に適用されている。コーティングはまた、用品の生物学的機能を改善する特徴を提供することができる。特に、生物活性剤は、血液及び血管成分に局所的又は全身的に影響を与えるために用品表面上に存在し又はそれから誘導することができ、それによって止血及び血栓のような身体的プロセスに影響を与える。
表面コーティングはまた、血栓形成に導く局所応答を促進するために、線維のような移植可能な医療用品上に使用されている。表面コーティングに存在する血栓形成材料は、典型的には、孔質材料から構築される心臓パッチのような医療用品にシーラント機能を提供することができる。シーラントコーティングは、コーティングした表面での血栓形成応答を促進することが可能である。組織修復に関与する細胞、及びフィブリンのようなマトリックスのような血栓形成応答に関与する因子は、この装置の表面に結合し、そして、時間とともに、表面にシーラント機能を提供する。血栓形成応答は、装置表面の間隙に内方して成長し組織へと導くことができ、新たに形成した組織はシーラント機能を提供することができる。
血栓形成材料はまた、止血コイル、ワイヤー又はストリングのような血管止血装置に関連させて使用されている。これらの止血装置は、典型的には、カテーテルを介して、動脈瘤のような体腔内の標的部位に輸送される。例えば、止血コイルは、コイルが動脈瘤を塞ぐまで、動脈瘤内に進む。これらのコイルは、コイル自体で、あるいは、コイルが血栓形成性である場合、コイル周辺で誘導した血栓形成に関連した生物学的材料の蓄積と関連させて、置換された体積によって動脈瘤液嚢を空間的に充填することが意図される。
血栓形成コイルの利用は、動脈瘤のような血管異常の処置に有利性を提供することができるが、同時に、様々な見地から挑戦的でもあり得る。例えば、1つの挑戦は、動脈瘤から除去される凝血塊の一部の結果として、塞栓症を引き起こすことなしに動脈瘤を空間的に充填するために血栓形成を促進することである。この場合において、血栓形成コーティングは、塞栓症の危険を減少させて凝血塊形成を理想的に促進するべきである。より具体的には、血栓形成コーティングは、凝血塊成熟の速度と質、その後、動脈瘤の頸部近傍の新生内膜の形成及び新生内皮のコーティング率を改善すべきである。
未コーティングのプラチナから調製した止血コイルは、たとえあったとしてもほんの僅かな生物学的応答を発揮し、したがって、動脈瘤における急速な血栓形成を促進するためには望ましくない。血栓形成応答を改善するために、プラチナ止血コイルは、コラーゲンでコーティングされている。しかしながら、コイル上にコーティングするコラーゲンの安定性は貧弱であり、動脈瘤へのコイルを輸送する過程はコーティングを危険に晒す。よって、先行技術は、血栓形成応答を発揮するように設計されたコーティングが貧弱な質、したがって不十分な永続性を被ることを示す。
これらの表面上にタンパク質(例えば、コラーゲン)を固定することの困難性に加えて、これらのタイプのコーティング剤、特に動物に輸送される材料を用いることの他の障害や危惧がある。例えば、コラーゲン及びゼラチンは、一般的に、動物の供給源由来であり、血栓形成応答が期待される場合の多くのコーティング適用に使用される。これらの材料の使用に関連した1つの問題は、それらの生産に特有のバッチごとの変形体により、これらの動物の供給源から一定のコーティング組成物を生産することが困難であることである。
多くの場合、コーティング技術に使用されるコラーゲンは、ウシ由来である。これらの場合において、ウシコラーゲンの調製物が、ヒト対象への導入に望ましくない不要な汚染を含有するかもしれないという可能性が存在する。不要な汚染の一例は、牛海綿状脳症(BSE)の原因となるプリオン粒子である。
BSEは、狂牛病とも称され、感染性海綿状脳症、即ち、TSE(界面のようみ見える脳の悪化した脳について命名された)と呼ばれる進行性神経学的疾患のグループの1つである。TSEの種々の形態が報告され、ヒツジにおけるスクレピー、及びエルク(elk)やミュールジカにおける慢性消耗病を含む。再利用された動物の部分の使用が狂牛病に対するヒツジにおけるスクレピーの異種間の汚染へと導き、そして、汚染した牛肉及びウシ製品の摂取がこの疾患のヒトの変形体、クロイツフェルト−ヤコブ病(CJD)へと導いたと信じられる。
更なる危惧は、動物供給源由来の調製物が抗原因子のような他の不要な汚染物を提供するかもしれないということである。これらの抗原因子は、移植された用品の近傍で局在化した免疫応答を促進し、その機能を駄目にさせるかもしれない。これらの因子はまた、局所炎症と同様に感染の原因にもなるかもしれない。
全体として、先行技術は、止血及び閉塞機能を提供するために体内で使用される装置のコーティングは、その装置の表面上で血栓形成応答を発揮するようにコーティングされ、しばしば、貧弱な質を被ることを示す。これらのコーティングは、コーティングした装置の表面で血栓形成へと導く局所応答を促進するのに適切ではない。
本発明の概要
本発明は、向線維性コーティングを有する用品を調製するのに有用な化合物、組成物、及び方法、並びにコーティングした用品を提供する。本発明はまた、本明細書に記載されるように、医療目的で向線維性コーティングを有する用品の使用を包含する。
本発明に係るコーティングした用品は、コーティングした用品の近傍で凝固因子の蓄積及びフィブリン凝血塊の形成へと導く急激な局所化された血栓形成応答を提供することができる。いくつかの側面において、向線維性コーティングは、コーティングした用品が輸送された身体の領域で空間充填を促進するのに使用することができる。向線維性コーティングは、種々の医療用品上で形成され得る。次に、コーティングした医療用品は、止血機能が望まれる場合、身体の領域に輸送され得る。本発明のいくつかの側面において、向線維性コーティングは、血管閉塞コイルのような血管止血装置の表面で形成される。
本発明の別の側面において、向線維性コーティングは、孔質表面を有する用品上で形成される。孔質表面を有する特に有用な移植可能な用品は、外科的パッチのような織布を含む。
本発明のコーティングは、組織的なフィブリン凝血塊の形成に指向され、さらに、血流での塞栓の可能性を低下した凝血塊に指向される。コーティングした表面に結合した凝血塊は、凝固した領域内又はその領域を通して血液のような体液の動きを妨げ、又は少なくとも減少させる止血バリアのように作用することができる。
本発明の向線維性コーティングは、移植可能な医療用品と関連して使用される場合、多数の明らかな利点を提供する。
1つの利点は、向線維性コーティングの改善された質及び耐久性に関する。本発明のコーティングは、表面の不具合がないか又はそれほど重要でない用品の表面上に形成することができる。例えば、コーティングの表面画像は、さもなければ使用中に問題へと導くであろうコーティングの亀裂又は層間剥離を全く示さなかった。本発明の向線維性コーティングは十分に形成されるため、それらは、使用における耐久性を改善し、したがって、患者に付加的な安全性を提供する。
別の利点は、コーティングの厚さを制御する能力に関する。これは、複雑な形状を有し、又はさもなければコーティングが困難な表面を有する小さな移植可能な用品に対して特に有用であり得る。いくつかの側面において、コーティングは、5μm、例えば約2〜3μmであり得る。他の側面において、コーティングは、例えば約5μmより大きな厚さであり得る。より厚いコーティングは、例えば、動脈瘤の治療のように空間充填機能を実行することが望まれる場合に有用であり得る。
別の利点は、コーティングした表面の潤滑性に関する。特に、向線維性コーティングは、コーティングした用品の表面上の潤滑性を改善することができる。これは、同様に、治療過程で、カテーテル内及び標的部位にコーティングした用品の動きを促進することができる。向線維性コーティングでコーティングした用品は、例えばワイヤー、コイル、及びストリングは、低い摩擦抵抗を伴って、動脈瘤のような体内の標的部位に輸送され得る。
向線維性コーティング材料はまた、装置の表面上で安定なコーティングを形成するように設計される。コーティングは、コーティングした用品が体内の標的部位に輸送されるため、少なくとも初期には安定である。いくつかの場合において、コーティング材料は、少なくとも部分的には生体分解性であってもよく、そして、表面から侵食されてもよい。
本発明のいくつかの側面において、光反応基が利用され、向線維性重合体が医療用品に共有結合され、又は医療用品と安定に結合されるようにする。これは、向線維性重合体と医療用品の結合を改善する。標的部位へのコーティングした用品の輸送のような過程は、向線維性コーティングを顕著には危険に晒さないであろう。
いくつかの側面において、本発明の向線維性コーティングは、1以上の潜在的な反応基の使用を通じて移植可能な医療装置の表面上に固定される向線維性コーティング剤、例えば向線維性コーティング重合体を含む。潜在的な反応基、例えば光反応基は、向線維性重合体から独立して、向線維性重合体、又はその両方から垂れ下がることができる。光反応基は、向線維性コーティング重合体から垂れ下がることができ、そして、向線維性重合体を装置の表面、又は1以上の他の成分、例えばコーティングに存在する重合体成分に結合させるように活性化し得る。
いくつかの好ましい側面において、光反応基は、アリールケトン、例えば、アセトフェノン、ベンゾフェノン、アントラキノン、アントロン、及びアントロン様複素環(即ち、10位にN、O又はSを有するもののようなアントロンの複素環式類似体)、あるいはそれらの置換した(例えば、環を置換した)誘導体を含む。好ましいアリールケトンの例は、アクリドン、キサントン及びチオキサントンを含むアントロンの複素環式誘導体、及びそれらの環置換誘導体を含む。
本発明のいくつかの側面において、向線維性コーティングは、向線維性重合体、光反応基、及び重合性基を含む。重合性基は、向線維性重合体、又は場合によっては、向線維性重合体でない別の重合体から垂れ下がっていることが好ましい。この重合体は、1以上の重合性基を有することができる。例えば、いくつかの側面において、重合性基は、向線維性重合体から垂れ下がっているエチレン的に不飽和な基であり得る。重合性基の活性化は、向線維性重合体のラジカル重合、及び表面上のコーティング形成を促進することができる。重合開始は、光反応基の活性化によって実行することができる。
重合性基を有する向線維性重合体の重合は、互いに結合した向線維性重合体、あるいは、別の重合可能な材料がコーティングに含まれる場合には、互いに及びコーティングに存在する他の材料に結合した向線維性重合体のコーティング層を形成することができる。この側面において、装置の表面と向線維性重合体との間の結合は要求されない。
向線維性重合体は、例えばコラーゲンのような天然高分子又は合成高分子に基づくことができる。
本発明の別の側面において、向線維性コーティングは、向線維性カチオン性重合体及び光反応基を含む。コーティングの形成において、光反応基は、用品の表面に向線維性カチオン性重合体を共有結合させるために活性化することができる。向線維性カチオン性重合体は、コーティングした表面にフィブリン凝血塊の形成の促進に関与した血小板及びタンパク質を強力に引き付けることができる。
本発明の別の側面において、向線維性コーティングは、非動物由来の向線維性重合体及び光反応基を含む。非動物由来の向線維性ポリペプチドは、合成コラーゲンのようなコラーゲン活性を有するペプチドであり得る。
この側面において、これらのコーティングが、動物由来の汚染と潜在的に関連し得るであろうウシコラーゲンのような動物由来の材料の存在に依存しないために、コーティングした用品の改善した安全性が達成され得る。したがって、これらの側面において、非動物由来の向線維性材料の使用は、動物由来の汚染は、体内に導入されるであろうという可能性を削除されないとしても大いに減少する。本発明の向線維性コーティングの使用はまた、潜在的にバッチごとの多様性を有する動物調製物由来の材料の使用が回避されるので、コーティングの全体の質及び一貫性を改善することができる。
本発明の別の側面において、向線維性コーティングは、向線維性剤、例えば、向線維性重合体、及び抗血栓剤を含み、これら両方はコーティングに存在する。向線維性コーティングに存在する抗血栓剤は、コーティングの特性を改善するのと同様に、向線維性剤によって開始されるので、線維形成応答を調節することができる。
抗血栓剤は、適切な凝血塊がコーティングした用品の近傍に形成されるように線維形成応答の速度を調節することができる。抗血栓剤の存在は、凝血塊形成を妨げるのではなく、むしろ塞栓のような凝血塊形成の潜在的に問題のある結論を避けるために、凝血塊形成の速度及び程度を調節ことである。
したがって、本発明の別の側面において、向線維性コーティングは、向線維性剤、抗血栓剤、及び光反応基を含む。本発明の一側面において、向線維性剤は、向線維性重合体である。種々の合成又は天然向線維性重合体、例えば、コラーゲンを使用することができる。
光反応基は、向線維性重合体及び/又は抗血栓剤から垂れ下がって又は独立していてもよい。いくつかの側面において、光反応基は、抗血栓剤に向線維性重合体を結合させることができる架橋部分上に存在する。
いくつかの場合において、独立した光反応基は、活性化した場合、向線維性コーティングを形成するために、向線維性剤及び/又は抗血栓剤を装置の表面又は別の成分に結合させ得るカップリング部分として使用することができる。例えば、向線維性重合体、例えばコラーゲンは、抗血栓剤に向線維性重合体を結合させるために反応させた垂れ下がった光反応基を含むことができる。
他の側面において、光反応基は、重合開始剤に存在し、そして、この開始剤は、重合した材料の1以上のコーティングした層の形成を促進するために活性化され、ここで、重合した材料は、向線維性重合体、抗血栓剤又はその組み合わせである。例えば、コーティングは、反応した重合性基を解して結合したコラーゲンのような向線維性重合体を含む層、反応した重合性基を介して結合した抗血栓剤を含む層、あるいは結合した向線維性重合体及び抗血栓剤の組み合わせを含む層を含んでもよい。
一側面において、コーティングは、反応した重合性基を介して結合したPEGを含む層、及び反応した重合性基を介して結合したコラーゲンを含む層を含む。
本発明はまた、医療用品上に向線維性コーティングを形成するための種々の方法を意図する。本方法は、抗血栓剤を含む第一組成物を配置する工程、コラーゲンを含む第二組成物を配置する工程、そして、向線維性コーティングを形成するための光反応基を活性化する工程を含む。この方法において、光反応基は、第一及び第二コーティング組成物から独立して、第一コーティング組成物に存在し、第二コーティング組成物に存在し、あるいはそれらの組み合わせであり得る。
医療用品上で向線維性コーティングを形成する別の方法は、コラーゲン及び抗血栓剤を含む組成物を配置する工程、そして、向線維性コーティングを形成するための光反応基を活性化する工程を含む。この方法において、光反応基は、第一及び第二コーティング組成物から独立して、第一コーティング組成物、第二コーティング組成物に存在し、あるいは、それらの組み合わせである。
医療用品上に向線維性コーティングを形成する更に別の方法は、重合性基を含む抗血栓重合体を含む第一組成物を配置する工程、重合性基を含むコラーゲンを含む第二組成物を配置する工程、そして、向線維性コーティングを形成するために重合開始剤を活性化する工程を含む。これらの方法において、重合開始剤は、第一及び第二コーティング組成物から独立して、第一コーティング組成物、第二コーティング組成物に存在し、あるいはその組み合わせに存在する。
任意の材料は、向線維性コーティングに添加することができる。好ましい重合性材料の1分類は、垂れ下がった重合性基を有する親水性又は膨潤性重合体を含む。これらのタイプの重合体は、コーティングした装置に対して空間充填特性を提供することができるため、向線維性コーティングにおいて有用であり得る。このような材料は、装置の全体の機能に貢献することによって、例えば、シーラント機能を改善することによって、あるいは用品の身体の領域を塞ぐ能力を改善することによって、用品の性能を改善することができる。
したがって、本発明の別の側面において、コーティングは、膨潤可能な重合体、向線維性重合体、及び光反応基を含むコーティング組成物から形成され得る。いくつかの場合において、膨潤可能な重合体はまた、抗血栓特性、例えばPEGを提供してもよい。
詳細な説明
本明細書中に記載した全ての刊行物及び特許は、参照により本明細書中に援用される。本明細書中に開示した刊行物及び特許は、それらの開示に対してのみ提供される。本発明者らは、本明細書中に引用された任意の刊行物及び/又は特許を含むいずれかの刊行物及び/又は特許を予期するように権利が与えられていないという承認として構築されるべきものは本明細書中には何もない。
本発明の化合物、組成物、方法、及び装置は、本発明の向線維性材料でコーティングした用品から向線維性応答を促進するために使用することができる。向線維性応答は、用品の近傍において止血又は閉塞を達成するために有用な空間充填機能を提供することができる用品と関連させてフィブリン凝血塊の形成を促進することができる。
本発明によれば、向線維性コーティングは、医療用品の表面に提供される。医療用品は、医学的状態の予防又は治療用に動物に導入される任意の用品であり得て、コーティングした用品と関連してフィブリン凝血塊の形成を促進することが望まれる。これらの用品は、臓器、組織、又は臓器の内腔、例えば、心臓の動脈、静脈、心室若しくは心房内に残存するように皮下、経皮又は外科的に導入することができる。向線維性コーティングを有する医療用品は、血液のような体液の動きにバリアを提供することを含む1以上の機能を提供し得る。
向線維性コーティングを有する医療用品はまた、2以上の「部分」(例えば、用品を形成するために寄せ集めることができる医療用品の構成要素)を有する用品を集めることによって調製することができ、ここで、少なくとも1つの部分は、向線維性コーティングを有する。医療用品部分の全て又は部分は、向線維性コーティングを有することができる。これに関連して、本発明はまた、向線維性コーティングを有する医療用品の部分(例えば、完全に集まった用品ではない)を意図する。
向線維性コーティングは、止血機能を有することが意図される用品の表面に形成することができ、体液の動きにバリアを提供する。多くの場合において、体内で意図されるように移植した用品が機能することを確実にするこれらの人工的なバリアを形成することが望ましい。例えば、いくつかの場合において、向線維性コーティングは、体内で1つの場所から別の場所へと移動することから流体を妨げるバリアの形成を促進し、一方、他の場合において、体内の領域、例えば動脈瘤への移動から流体を妨げるバリアを提供する。
向線維性コーティングは、装置表面と関連するフィブリン凝血塊の形成を促進した後、凝固した領域は、一般的に、体液の動きに不透性となる。不透性は、フィブリン凝固した領域の機能に関連して使用されるとき、凝固した領域を通して又は領域内にバルクな液体又は流体の移動の顕著な減少を意味する。例えば、凝固した領域は、血液の移動に不透性であり得る。
向線維性重合体は、広範な用品にコーティングを提供するために使用することができる。本明細書中で使用するとき、「用品(article)」は、その最も広い意味で使用され、医療装置のような物体を含む。このような用品は、限定されないが、血管インプラント及び移植片、移植片、外科的装置;合成プロテーゼ;内部プロテーゼ、ステント−移植片、及び血管内ステント組み合わせ;小径移植片、腹部大動脈瘤;創傷包帯及び創傷管理装置;止血バリア;メッシュ及びヘルニアプラグ;子宮出血パッチ、心房中隔欠損症(ASD)パッチ、卵円孔開存(PFO)パッチ、心室中隔欠損(VSD)パッチ、及び他のジェネリック心臓パッチを含むパッチ;ASD、PFO及びVSD封鎖;経皮的封鎖装置、僧帽弁修復装置;左心耳フィルター;弁環状形成装置、カテーテル;中心静脈アクセスカテーテル、膿瘍排液カテーテル、薬物導入カテーテル、非経口栄養カテーテル、静脈カテーテル(例えば、抗血栓剤で処理される)、脳卒中治療カテーテル、血圧及びステント移植カテーテル;吻合装置及び吻合閉塞;動脈瘤排除装置;グルコースセンサーを含むバイオセンサー;避妊装置;豊胸手術;心臓センサー;感染調節装置;メンブレン;組織足場;組織関連材料;脳脊髄液(CSF)シャント、緑内障排液シャントを含むシャント;歯科装置及び歯科用インプラント;耳排液管、中耳腔換気用通気管のような耳装置;眼科用装置;排液管カフス、移植した薬物注入管カフス、カテーテルカフス、ソーイングカフスを含むカフス及びカフス部分;脊髄及び神経学的装置;神経再生導管;神経学的カテーテル;神経パッチ;整形外科的接合インプラント、骨修復/増強装置、軟骨修復装置のような整形外科的装置;泌尿器科用インプラント、膀胱装置、腎臓装置及び血液透析装置、結腸瘻バッグ付着装置のような泌尿器学科用装置及び尿道装置;胆汁排液製造物を含む。
いくつかの態様において、向線維性コーティングは、体内のいずれかの種類の標的領域を閉塞するための閉塞装置と連動して使用される。閉塞装置は、身体の標的領域に輸送され、そして、この装置が輸送される領域を通じて又はその領域内で体液の動きを妨げるように機能する(例えば、止血機能)ように意図される移植可能な医療装置を含む。止血装置と関連した血栓症及び凝血塊の形成は、一般的に、止血機能の達成に役立つ。止血は、標的領域に装置を輸送し、そして、向線維性コーティングがフィブリン凝血塊の形成を促進可能にすることによって達成することができ、それにより、標的領域を物理的に塞がれる。向線維性コーティングを有する止血用品は、動脈、静脈、瘻孔及び動脈瘤を含む脈管系の選択的止血に特に有用である一方で、これらのコーティングした装置はまた、他の体腔、例えば、卵管、胆管等に使用することができる。向線維性コーティングは、動脈瘤に挿入することができる血管閉塞コイル、ワイヤー又はストリングと関連して特に有用である。
典型的な方法において、向線維性コーティングを有する血管止血コイルは、動脈瘤内に輸送される。向線維性コーティングは、動脈瘤内で凝固成分の急速な蓄積を引き起こす線維形成応答を促進することができる。次第に、そして望ましくは、凝血塊は、血液の流入を妨げる動脈瘤を閉塞し、それによって、動脈瘤が破裂するであろう危険性を実質的に減少する。いくつかの側面において、本発明は、動脈瘤から取り除く可能性がない動脈瘤に組織されたフィブリン凝血塊の形成を促進する向線維性コーティングを有する血管閉塞コイルの調製及び利用に指向される。
血管閉塞装置は、ワイヤー、コイル、ブレイド、及びストリングを含むことができ、そして、らせん状の傷の形態を有し得る。典型的なコイルは、一般的に、直径にして2.2mm又はそれより小さく、より好ましくは0.2mm〜2.2mmの範囲であり、そして、直径にして1.25mm又はそれより小さく、例えば0.125mm〜1.25mmの範囲のワイヤーから構成されることができる。例示的な装置の長さは、典型的には、0.5〜100センチメートルの範囲である。
いくつかの態様では、血管閉塞装置は、プラチナ、金又はタングステンのような金属から調製されるが、レニウム、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、チタニウム、ニッケルのような他の金属、及びこれらの金属の合金、例えばステンレス・スチール、チタニウム/ニッケル、及びニチノール合金が使用され得る。好ましい金属コイルは、主としてプラチナを含む。
別の態様において、血管閉塞装置は、高分子性ストリング、ワイヤー又はコイルを含む。特に有用な装置は、ハイドロゲル特性を有する重合体を含む。このタイプの装置に関して有用な重合体は、ポリ(ウレタン)、ポリ(アクリレート)、ポリ(メタクリレート)、ポリ(ビニルピロリドン)、酢酸セルロース、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ(アクリロニトリル)、ポリ(ビニルアセテート)、酢酸酪酸セルロース、ニトロセルロース、ウレタン/カーボネートの共重合体、あるいはそれらの混合物を含む。
いくつかの態様において、重合性ストリングは、硬質のハイドロゲルコア、及びゲル外部のコーティングによって取り囲まれた軟質のハイドロゲル発泡体を含む。他の態様において、このコイル又はストリングは、ePTFE、ウレタン、ポリオレフィン及びナイロンのような軟質の生体適合性高分子を含む。
本発明の向線維性材料は、これらの装置のハイドロゲル表面上で処理することができ、その後、光反応基を活性化し、向線維性重合体を含むコーティングを形成するために照射される。
本発明はまた、医療用品の孔質表面上で向線維性コーティングを調製する方法を提供する。本発明の向線維性重合体は、向線維性コーティングを形成するために医療用品の孔質表面上で処理することができる。孔質表面は、1つの又は組み合わさった同じ又は異なった生体材料から構築することができる。向線維性コーティング組成物は、用品の表面上の孔質をコーティング材料で充填することに関してこのようなやり方で調製及び/又は適用することができる。これは、例えば、コーティング組成物の粘度のような調節因子、及び向線維性重合体と装置の表面とを付着させるために使用される光反応基の活性化によって達成することができる。
「孔質表面」を有する用品は、向線維性コーティングが形成し得る孔質を有する表面を持つ任意の用品を意味する。孔質は、好ましくは、孔質内への組織の内部成長を可能にする身体的次元のものである。孔質表面は、孔質表面に支持を提供することが可能な足場のような非孔質表面と関連付けることができる。
医療用品は、向線維性コーティング、及び向線維性コーティングでコーティングされていない非孔質表面で提供することができる孔質表面を含むことができる。孔質表面の全部又は一部は、向線維性コーティングを用いてコーティングされ得る。
多くの場合において、用品の孔質表面は、繊維状であり、あるいは線維様の質を有する。孔質表面は、布地から形成することができ、織布、ニット物、及び織物を含む。特に有用な布地材料は、当該技術分野において既知の任意の適した織目を用いて形成され得る織物である。
孔質表面は、グラフト、鞘、カバー、パッチ、スリーブ、ラップ、ケージング等のものであり得る。これらのタイプの用品は、医療用品それ自体として機能することができ、あるいは医療用品の別の部分と連動して使用することができる(その例は、本明細書中にさらに詳細に記載される)。
例えば、向線維性コーティングは、心臓パッチ、鞘、及びグラフトのような線維と連動して使用することができる。これらの態様において、向線維性コーティングは、コーティングした線維と関連して止血フィブリン凝血塊を生じるために使用することができる。これらのコーティングした用品は、このコーティングした用品が機能するように意図される位置で体内の血流を妨げるために使用され得る。
孔質表面は、任意の適したタイプの生体材料を含むことができる。有用な生体材料は、本明細書中に記載した線維の調製用のファイバー中に編み込むことができる。有用な材料は、合成付加物、あるいはポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリウレタン、及びポリテトラフルオロエチレンのような縮合重合体を含む。ポリエチレンテレフタレート(PET)は、線維中で一般に使用される重合体である。これらの重合体のブレンドはまた、線維の構築のために、モノフィラメント又はマルチフィラメントファイバーのような線維の調製に利用することができる。一般に使用される線維は、ナイロン、ベロア、及びダクロン(商標)のようなものを含む。
織布は、場合により、用品の物理的特性を改善するために、例えば、グラフトの強度を改善するために硬貨材を含むことができる。このような材料は、移植した用品の機能を改善することができる。例えば、材料を強化することは、グラフトの開通性を改善することができる。
孔質表面はまた、これらのタイプの重合体に回転軸を浸すことによって形成することができる。
外科的パッチは、血流を妨げるために種々の医療処置に使用することができる。本明細書に記載される独創的な向線維性コーティングを有する外科的パッチは、パッチと付着したフィブリン凝血塊を急速に発生させ、それによる止血機能の改善に指向される。
他の特に意図される孔質表面は、心臓パッチのものを含む。これらは、心臓血管再構築と関連した縫合線の出血を減少するために使用することができる。パッチは、貫通性のある縫合の周りをシールするために使用することができる。心臓パッチに使用される一般的な材料は、PTFE及びダクロン(商標)を含む。
孔質表面として使用される材料の厚さは、適用に応じて選択することができる。しかしながら、これらの厚さは、平均して約1.0mm又はそれより小さく、典型的には、約0.10mm〜約1.0mmの範囲である。
他の特に意図される孔質表面は、グラフト、特にざらつきのある外部を有するグラフトを含む。ざらつきのあるグラフトの例は、ざらつきのある又は滑らかな内部を有するベロアのざらつきのある外部を有するものを含む。織布から構築したグラフトは、当該技術分野において周知であり、多数の書面、例えば、米国特許第4,047,252号;米国特許第5,178,630号;米国特許第5,282,848号;及び米国特許第5,800,514号に記載され、これらの開示は、全体として、本明細書中に参照により援用される。
医療用品は、任意の適した生体材料又は生体材料の組み合わせから加工することができる。好ましい生体材料は、オリゴマー、ホモポリマー、及び付加又は縮合重合のいずれかに起因する共重合体を含む合成重合体から形成したものを含む。適した重合体の例は、限定されないが、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸グリセリル、メタクリル酸グリセリル、メタクリルアミド、及びアクリルアミドから重合したもののようなアクリル系;エチレン、プロピレン、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、及びビニリデンジフルオリドのようなビニル系を含む。縮合重合体の例は、限定されないが、ポリカプロラクタム、ポリラウリルラクタム、ポリヘキサメチレンアジパミド、ポリヘキサメチレンドデカンジアミドのようなナイロン系、また、ポリウレタン、ポリカルボネート、ポリアミド、ポリスルホン、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリジメチルシロキサン、及びポリエーテルケトンを含む。
向線維性「コーティング」は、本明細書中で使用するとき、1以上の「コーティングした層」を含むことができ、各々のコーティングした層は、1以上のコーティング材料を含む。
いくつかの場合において、向線維性コーティングは、向線維性重合体を含む単一の材料層から成る。他の場合において、コーティングは、1以上のコーティングした層、向線維性重合体を含むコーティングした層の少なくとも1つを含む。1より多くの層が向線維性コーティングに存在する場合、この層は、同じか又は異なった材料から構成され得る。コーティングした層が同じか又は異なったコーティング材料を含むことができる一方で、向線維性重合体を含むコーティングした層は、一般的に、体内でコーティングした用品を移植と同時又はその後に体液に利用可能になる。
複数のコーティングした層を有することは、用品と関連して空間充填機能を提供するコーティングを形成することが望まれる場合、特に有用となり得る。用品表面上でコーティングした材料は、向線維性コーティングを有する用品を受け入れる身体の領域内で物理的に空間を占有する。
向線維性コーティング材料は、向線維性コーティング材料の固定に適した任意の表面上に処理され得る。多くの側面において、向線維性材料は、光反応基で反応可能な表面上で処理される。別の言葉では、光反応基は、表面材料と共有結合を形成することができ、それによって、向線維性コーティング材料と表面とを結合させる。
この装置の表面の全部又は一部は、向線維性材料の固定を促進する中間体又は塩基をコーティングした層を有することができる。これはまた、「連結層」又は「結合層」とも呼ばれてもよい。連結層は、光反応基が反応し、共有結合を形成し得る材料を提供することができる。適した塩基又は中間体コーティングは、概念的な水素材料を含む。これらはまた、反応基又はシラン基のような官能基を含むことができる。重合体は、中間体層と共に使用するのに好ましい材料である。
本発明のいくつかの側面において、医療用品は、金属含有ワイヤー又はコイルと向線維性層との間に位置した向線維性コーティングした層及び中間層を含む血管閉塞コイル又はワイヤーを含有する金属又は金属合金である。中間層は、向線維性層とコイルとを結合するために有用であり得る。例えば、中間層は、光反応基に対する標的として使用することができ、向線維性重合体がワイヤー又はコイルにカップルすることを可能にする。中間層は、本発明の活性化した光反応基と反応する重合体又は他の適した化合物を含むことができる。この重合体又は他の適した化合物は、シラン含有的であり得て、又はアミノ基のような反応性官能基を有することができる。
本発明の他の側面において、血管閉塞用品は、向線維性コーティングが配置され得る重合性ストリングのような重合性性材料の円筒形状用品である。血管閉塞用品は、ハイドロゲル特性を有する重合体材料を含み得る。コーティング材料と結合した光反応基は、向線維性コーティングを形成するために活性化することができる。例えば、垂れ下がった光反応基を有する向線維性重合体は、光反応基を介してハイドロゲル表面に共有結合することができる。
一般的に、コーティングプロセスは、医療用品の全部又は所望の部分をコーティングするために実行可能である。コーティングプロセスは、用品の意図した機能に基づいて指向され得る。いくつかの場合において、用品の一部だけに向線維性応答を発生することが好ましいかもしれない。例えば、血管閉塞コイル、ワイヤー又はストリングの場合では、動脈瘤に挿入されるコイル、ワイヤー又はストリングの部分をコーティングするだけが望ましいかもしれない。
向線維性コーティングを形成するために使用される材料は、任意の適したコーティング法を用いて表面上に処理することができる。このような方法は、限定されないが、スプレイコーティング、ディッピング、注入、及びブラッシングを含む。本明細書中に記載した化合物を用いて、医療用品の表面をコーティングする好ましい方法は、スプレイコーティングによる。
本発明のいくつかの側面において、向線維性重合体は、天然高分子、例えば、ペプチド又はタンパク質である。向線維性ペプチド又はタンパク質の例は、限定されないが、例えば、トロンビン及びコラーゲン、例えば、組換えヒトコラーゲン(FibroGen,South San Francisco,CA)を含む。コラーゲンペプチド及び修飾したコラーゲンは、向線維性コーティングの製剤に使用することができる。他の意図された向線維性ポリペプチドは、本明細書中に記載される。
一態様において、向線維性コーティングは、非動物誘導の向線維性ポリペプチドを含む。本明細書中で使用するとき、「動物」は、典型的には、家畜として使用される非ヒト動物を意味し、雌ウシ(cow)(ウシ(bovine))、ブタ(pig)(ブタ(porcine))、及びトリのような動物を含み、それらからコラーゲンを典型的に抽出される。
他の有用な向線維性剤は、血小板因子1−4、血小板活性化因子(アセチルグリセリルエーテルホスホリルコリン);P−セレクチン及びフォン・ヴィレブランド因子(vWF);組織因子;プラスミノーゲンアクチベーター阻害剤−1;トロンボキサン;凝血促進剤トロンビン様酵素(セラストチン及びアファアシチン(afaacytin)を含む);ホスホリパーゼA2;Ca2+−依存性レクチン(C型レクチン);糖タンパク質受容体に結合し、アグレチン、ロドシチン、アグレゴセルペンチン、トリワグレリン、及びイクイナトキシンを含む凝集を誘導する因子;マムシギン及びアルボアグレギンを含む糖タンパク質Ibアゴニスト;ボトロセチン、ビチセチン、セラストチン、及びエカリンを含むvWF相互作用因子を含むことができる。
凝固カスケードに関与する、タンパク質因子を含む他の因子は、凝固因子I−XIII(例えば、フィブリノーゲン、プロトロンビン、組織トロンボプラスチン、カルシウム、プロアクセレリン(アクセレーターグロブリン)、プロコンベルチン(血清プロトロンビン変換アクセレーター)、抗血友病因子、血漿トロンボプラスチン成分、スチュアート因子(自己プロトロンビンC)、血漿トロンボプラスチン前駆物質(PTA)、ハーゲマン因子、及びフィブリン安定化因子(FSF、フィブリナーゼ、プロトランスグルタミナーゼ)を含む。
いくつかの側面において、向線維性コーティングは、向線維性カチオン性重合体を含む。
向線維性カチオン性重合体は、好ましくは、コーティングした装置の表面に血小板及び凝固因子を引き付けるのに十分な正電荷を運搬する重合体である。向線維性カチオン性重合体は、例えば、一級アミン基を含むことが可能である。典型的なカチオン性重合体は、アミン基を有するデキストラン及びポリイミン、例えば、DEAEデキストラン(ジエチレンアミノエチルデキストラン)及びポリエチレンイミン(PEI)を含む。好ましい合成向線維性カチオン性重合体は、ポリエチレンイミンである。典型的な天然に発生するカチオン性重合体は、キチン及びキトサン(D−アセチル化キチン)を含む。
向線維性カチオン性重合体は、単独重合体又は共重合体であり得る。向線維性コーティングはまた、向線維性応答を促進することができる異なったカチオン性重合体のブレンドを含み得る。
他の適した向線維性カチオン性重合体は、三元又は四元カチオン基のような正に帯電した基を含む。適した三元又は四元カチオン基の例は、四元アンモニウム、四元ホスホニウム、及び三元スルホニウム基を含む。これらの重合体は、種々の技術によって調製することができる。一級、二級、三級アミン、又はそれらの組み合わせを有する重合体は、四級化することができ、重合体の帯電した四級アミン基が形成される。アミンは、例えば、ハロゲン化アルキルによって首尾よくアルキル化され、Menshutkin反応を介して4級アミンを提供することができる。
種々のスキームは、垂れ下がった光反応基を有する向線維性カチオン性重合体を調製するために使用することができる。例えば、垂れ下がった光反応基を有する向線維性カチオン性重合体は、四級アミンを持つ重合体とハロゲン化ベンジルを用いて誘導される光反応基とを反応させることによって合成することができる。この反応は、光反応基を重合体にカップリングさせ、同時に三級アミン基を四級アミン基に変換することができる。
垂れ下がった光反応基を有する向線維性カチオン性重合体はまた、光反応基を有するモノマーとカチオン基を有するモノマーとを共重合させることによって合成することもできる。いくつかの態様において、光反応基とカチオン基を有する個々のモノマーは、向線維性カチオン性重合体を調製するために使用することができる。場合により、他のモノマーは、共重合反応に含むことができる。向線維性カチオン性重合体を調製する方法は、本明細書中に例示される。
その代わりに、又はそれに加えて、光反応基は、向線維性カチオン性重合体をコーティング組成物中の別の向線維性カチオン性重合体又は別の成分(存在すれば)に共有結合させることによって達成することができる。一般的に、このアプローチは、用品の表面上の向線維性カチオン性重合体を含むコーティングした層の形成を促進するために使用することができる。
一般的に、コーティングを形成し、線維形成応答を生じるのに適した大きさを有する向線維性重合体を使用することが望ましい。本発明のいくつかの側面において、コーティングは、少なくとも約2×103Da、好ましくは約2×103Da〜2×106Daの範囲の平均分子量(Mw)を有する向線維性カチオン性重合体を含む。
本発明のいくつかの側面において、向線維性重合体は、1以上の垂れ下がった光反応基を有する。垂れ下がった光反応基は、向線維性重合体の長さに沿って、この重合体の一端又は両端、あるいはその両方で位置することが可能である。向線維性重合体の光反応基の整列は、用品の表面上で向線維性コーティングを形成するために提供され得る。
光反応基は、結果として起こる隣接した標的とされる化学構造への共有結合を伴って、活性種の発生、例えば、ナイトレン、カルベン及び励起したケトン状態のような活性種を受けるために、特定の適用された外部エネルギー源に応答する1以上の反応部分を含む。このような光反応基の例は、米国特許第5,002,582号に記載される。光反応基は、電磁スペクトルの種々の部分、典型的には、スペクトルの紫外、可視又は赤外部分に反応性であるように選択することができる。「照射」は、表面への電磁放射の適用を意味する。
光反応性アリールケトンは、向線維性重合体から垂れ下がることが可能な好ましい光反応基の1タイプである。光反応性アリールケトンの例は、限定されないが、アセトフェノン、ベンゾフェノン、アントラキノン、アントロン、及びアントロン様複素環(即ち、アントロンの複素環類似体、例えば、10位にN、O又はSを有するもの)、あるいは、それらの置換された(例えば、環置換された)誘導体を含む。好ましいアリールケトンの例は、アントロンの複素環誘導体を含み、アクリドン、キサントン及びチオキサントンの複素環誘導体、及び環置換された誘導体を含む。
他の適した光反応基は、アジド、例えば、フェニルアジド及び特に4−フルオロ−3−ニトロフェニルアジドのようなアリールアジド(C653)、アジドギ酸エチル、アジドギ酸フェニルのようなアシルアジド(−CO−N3)、ベンゼンスルホニルアジドのようなスルホニルアジド(−SO2−N3)、そしてジフェニルホスホリルアジド及びジエチルホスホリルアジドのようなホスホリルアジド(RO)2PON3を含む。
さらに他の適した光反応基は、ジアゾ化合物、例えば、ジアゾメタン及びジフェニルジアゾメタンのようなジアゾアルカン(−CHN2)、ジアゾアセトフェノン及び1−トリフルオロメチル−1−ジアゾ−2−ペンタノンのようなジアゾケトン(−CO−CHN2)、t−ブチルジアゾアセテート及びフェニルジアゾアセテートのようなジアゾアセテート(−O−CO−CHN2)、及び3−トリフルオロメチル−3−フェニルジアジリンのようなベータ−ケト−アルファ−ジアゾアセテート(−CO−CN2−CO−O−)、そして、ケテン及びジフェニルケテンのようなケテン(−CH=C=O)を含む。
典型的な光反応基は、下記のように表1に示される。
Figure 2008518667
いくつかの態様において、光反応基は、向線維性重合体から独立している。例えば、独立した光反応基は、光反応性架橋化合物の部分であり得る。活性化される場合、光反応性架橋化合物の光反応基は、装置の表面に、コーティング組成物中の別の成分、あるいは、向線維性コーティングを形成するための別のコーティングした層に向線維性重合体を結合させることができる。適した光反応性架橋剤は、2以上の光反応基を有することができる。光反応性架橋剤は、同じか又は異なった基を有することができる。典型的な光反応性架橋剤は、出願人の米国特許第5,414,075号(Swanら)、及び米国公開第2003/0165613A1(Chappaら)に記載される。米国特許第5,714,360号(Swanら)及び第5,637,460号(Swanら)も参照されたい。
別の側面において、光反応基を含む化合物は、例えば、重合性基を有する向線維性重合体のような重合性基を有する試薬の重合化を促進するための光開始剤として使用される。
本発明の別の態様において、向線維性コーティングは、向線維性重合体、光反応基、及び重合性基を含む。いくつかの場合において、重合性基は、向線維性重合体に垂れ下がっている。例えば、コラーゲンのような向線維性重合体は、1以上の重合性基を有するように修飾されることができる。他の場合において、重合性基は、向線維性重合体でない化合物上に存在する。いくつかの好ましい態様において、重合性基は、本明細書中に記載した重合性抗血栓剤又は親水性重合体のような別の重合体に垂れ下がっている。
重合性基は、ビニル基、アクリレート基、メタクリレート基、エタクリレート基、2−フェニルアクリレート基、アクリルアミド基、メタクリルアミド基、イタコネート基、及びスチレン基から選択されるエチレン的に不飽和基であり得る。
重合可能な材料が、向線維性コーティング組成物中に存在する場合、光反応基は、重合化した材料のコーティングした層の形成へと導く遊離ラジカルの重合化反応の開始を促進することができる。重合化した層の形成を促進する他の試薬は、組成物中に存在することができる。これらは、例えば、重合化の効率を改善することが可能な重合化加速体を含み得る。有用な加速体の例は、N−ビニル化合物、特にN−ビニルピロリドン及びN−ビニルカプロラクタムを含む。このような加速体は、コーティング組成物の体積に基づいて、例えば、約0.01%〜約5%、好ましくは役0.05%〜約0.5%の濃度で使用することができる。
本発明の別の側面において、向線維性コーティングは、向線維性重合体及び抗血栓剤(両者ともコーティングに存在する)のような向線維性剤を含む。
異なるアプローチは、用品上のコーティングと関連して向線維性及び抗血栓剤の組み合わせを用いて凝固形成の速度及び程度を調節することが意図され得る。例えば、向線維性重合体及び抗血栓剤は、コーティングの単層に分散又は一緒にブレンドされるか、あるいは、別個の層のように互いに独立してコーティングと関連付けられる。向線維性重合体及び抗血栓剤がコーティングした用品と関連付けられる処方は、選択される特定の重合体及び試薬、並びに医療用品の表面特性(例えば、材料、多孔性及び立体構造)に依存してもよい。
いくつかの場合において、向線維性重合体及び抗血栓剤は、コーティング組成物中で組み合わせ、医療用品上に配置することができる。コーティング組成物において、例えば、向線維性剤及び抗血栓剤の正確な量は、血栓形成の適切な速度及び程度を達成するように設計されたコーティングを形成するために存在することができる。他の場合において、向線維性剤と抗血栓剤の比は、血栓形成の適した速度及び程度を達成するように設計されたコーティングを形成するために設置することができる。当業者は、本技術を与えられ、所望の効果を提供する任意の1以上の向線維性剤及び任意の1以上の抗血栓剤を選択することができる。
本発明の一側面において、約10%以上の量の抗血栓剤を含むコーティング組成物は、優れた向線維性コーティングを提供することが見出されている。例えば、抗血栓剤は、PEGマクロマーのような重合性基を有するものであり得る。
更なる他の場合において、向線維性剤は、血液成分が抗血栓剤と接触する前に、血液成分が向線維性剤と接触することを可能にするやり方でコーティングと関連付けられる。例えば、向線維性剤を含む層、及び抗血栓剤を含む層を有するコーティングを調製することができ、ここで、抗血栓剤を含む層は、コーティングした用品の表面に近接する。典型的なコーティングは、表面に近接したPEGを有する第一のコーティング層、及びコラーゲンを有する第二のコーティング層を含む。
いくつかの態様において、向線維性コーティングは、向線維性剤、抗血栓剤、光反応基、及び重合性基を含む。いくつかの場合、重合性基は、向線維性重合体から垂れ下がっている。例えば、向線維性重合体は、1以上の重合性基を有するように修飾され得る。更なる他の場合において、重合性基は、向線維性重合体ではない化合物上に存在する。いくつかの好ましい態様において、重合性基は、本明細書中に記載した親水性重合体のような別の重合体から垂れ下がっている。コーティング組成物は、重合性基を有する重合体のような2以上の異なる化合物を含むことができる。
いくつかの側面において、コーティングは、向線維性剤及び抗血栓剤を含み、ここで、抗血栓剤は、垂れ下がっている光反応基を含む。コーティングは、表面上で向線維性剤及び抗血栓剤を含む組成物を配置し、その後、コーティングを形成するために抗血栓剤から垂れ下がった光反応基を活性化するように表面を処理することによって形成することができる。例えば、垂れ下がった光反応基(又は複数)を有する抗血栓剤は、光誘導ヘパリン及び光誘導ヒアルロン酸、光誘導のリジン誘導性ビニルポリマー、光誘導PEG、及び光誘導の脂肪酸から選択することができる。
抗血栓剤は、適した凝血塊がコーティングした用品の近辺に形成されるように、線維形成応答の速度を調節することができる。
1つの好ましい抗血栓剤は、ポリエチレングリコール(PEG)である。ポリエチレングリコールで覆われた表面は、生体適合性であることを示し、これは、PEGの特性が非免疫原性、非抗原性、及びタンパク質拒絶を生じるためである。
PEGは、光反応基を用いてコーティングに固定化することができる。いくつかの側面において、コーティングは、重合性基を有するPEGを用いて形成される。PEGを含むコーティングした層は、光反応基を有する重合開始剤のような重合開始剤を併用して、アクリル化したPEGを含むコーティング組成物を配置することによって形成することができる。
抗血栓剤の他の例は、ヘパリン、ヘパリン誘導体、ヘパリンナトリウム、低分子量ヘパリン、ヒルジン、リジン、プロスタグランジン、アルガトロバン、ホルスコリン、バピプロスト、プロスタサイクリン及びプロスタサイクリン類似体、D−ph−pr−arg−クロロメチルケトン(合成アンチトロンビン)、ジピリダモール、糖タンパク質IIb/IIIa血小板膜受容体抗体、コタンパク質IIb/IIIa血小板膜受容体、組換えヒルジン、トロンビン阻害剤(例えば、Biogenから商業的に利用可能である)、コンドロイチン硫酸、修飾したデキストラン、アルブミン、ストレプトキナーゼ、組織プラスミノーゲンアクチベーター(TPA)、ウロキナーゼ、一酸化窒素阻害剤等を含む。抗血栓剤はまた、血小板凝集を仲介するGPIIb−IIIa血小板受容体複合体の阻害剤であり得る。GPIIb−IIIa阻害剤は、アブシキシマブ(abcikimab)(ReoPro(商標))としても知られるモノクローナル抗体Fab断片c7E3、及びエプチフィバチド(eptifibatide)(Integrilin(商標))又はチロフィバン(tirofiban)(Agrastat(商標))のような合成ペプチド又はペプチド模倣体を含むことができる。
場合により、向線維性剤又は抗血栓剤とは異なった重合体又は化合物は、向線維性コーティングに含むことができる。この重合体又は化合物は、向線維性及び抗血栓剤によって形成される向線維性コーティングの特性を変化又は改善するために選択可能である。例えば、この重合体又は化合物は、表面上に形成したコーティングの弾力性、柔軟性、湿潤性又は付着特性(又はそれらの組み合わせ)を変化することができる。
向線維性及び抗血栓材料のコーティング用の応用技術は、例えば、ディッピング、スプレイ、ブラッシング等を含む。特定の医療用品を用いた使用のための重合性組成物の適合、言い換えると、応用技術の適合は、本記載を提供するように、当業者によって評価され得る。
向線維性重合体は、向線維性コーティングを形成するために有用な別の試薬と一緒に分散又はブレンドすることができる。これらは、他の非線維性又は非抗血栓重合性材料を含むことができる。
場合により、向線維性剤とは異なる重合体又は化合物は、向線維性コーティングに含めることができる。この重合体又は化合物は、向線維性重合体によって形成される向線維性コーティングの特性を変化又は改善するために選択することができる。例えば、この重合体又は化合物は、表面上に形成したコーティングの弾力性、柔軟性、湿潤性又は付着特性(又はそれらの組み合わせ)を変化することができる。
いくつかの側面において、親水性又は膨潤性重合体は、向線維性重合体を含有するコーティングに含まれることができる。これらのタイプの重合体は、それらがコーティングした装置に空間充填特性を提供することができるために、向線維性コーティングに有用であり得る。このような材料はまた、装置の全体の機能に貢献することによって、例えば、身体の領域を閉塞するシーラント機能又は用品の能力を改善することによって用品性能を改善することができる。
親水性又は膨潤性重合体は、垂れ下がった重合性基を含むことができ、向線維性重合体を含み、又は向線維性重合体とは別々であり得るコーティングした層を形成するための方法に使用可能である。
例えば、垂れ下がった重合性基及び重合開始剤を有する親水性又は膨潤性重合体を含む組成物は、装置の表面上に配置され得る。親水性又は膨潤性重合体を含有するコーティングした層は、重合体の重合を開始することによって形成することができる。その後、向線維性重合体を含む組成物は、表面上に配置され得る。向線維性重合体はまた、重合性基を含むことができる。向線維性重合体を含有するコーティングした層は、重合体向線維性重合体の重合を開始することによって親水性又は膨潤性重合体を含む層上で形成することができる。
特に有用な親水性又は膨潤性重合体は、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(エチレンオキシド)、ポリ(エチルオキサゾリン)、ポリ(プロピレンオキシド)、ポリアクリルアミド(PAA)、ポリ(ビニルアルコール)(PVA)、それらの共重合体等を含む。1以上の重合性基は、膨潤性重合体にぶら下がることができる。膨潤性重具体の混合物もまた使用することができる。
いくつかの側面において、親水性又は膨潤性重合体は、PEGのような抗血栓性特性を有してもよい。
垂れ下がった重合性基を有する膨潤性重合体を向線維性コーティングに導入することは有用であり得る一方で、垂れ下がっていない重合性基を含まない膨潤性重合体はまた、コーティングを形成するために利用可能である。したがって、本発明の別の側面において、コーティングは、膨潤性重合体、向線維性重合体、及び光反応基を含むコーティング組成物から形成され得る。
向線維性重合体のコーティング用の応用技術は、例えば、ディッピング、スプレイ、ブラッシング等を含む。
所望の厚さを有するコーティングは、表面上にコーティング材料を配置し、コーティングした層を形成するために光反応基を活性化するように配置した材料を処理し、次いで、複数のコーティング層を有するコーティングを形成するために配置及び処理の工程を繰り返すことによって形成することができる。
本発明のいくつかの側面において、空間充填機能、並びに線維形成応答を生じる表面を提供するコーティングを提供することが望ましい。例えば、身体の領域を用品を用いて閉塞することが望まれる場合において、向線維性コーティングは、用品の大きさを増加し得る用品上に形成することができ、並びに血栓形成成分を引き付ける表面を提供することができる。いくつかの態様において、向線維性コーティングは、5ミクロンより大きな厚さであり、他の態様では、10ミクロン以上である。
いくつかの態様では、本発明の向線維性コーティングは、向線維性表面の機能を増強可能な1以上の生物活性剤(又は複数)を含むことができる。向線維性重合体を併用することができる意図される生物活性剤は、例えば、細胞応答調節剤、微小管阻害剤、リモデリング阻害剤、スタチン、ステロイド、及び血管拡張剤を含む。向線維性コーティングが生体に再吸収可能である場合、生物活性剤は、向線維性材料コーティングが分解するにつれて、放出され得る。
本発明は、下記の非限定的な実施例を参照して、さらに記載されるであろう。多くの変化が本発明の範囲から逸脱することなく記載された態様においてなすことが可能であることは当業者に明確であろう。このように、本発明の範囲は、本出願に記載した態様に限定されるべきではないが、請求の範囲の用語によって記述される態様及びそれらの態様の均等物にのみ限定されるべきである。
実施例1
PEI−BBAの調製
垂れ下がったアミン基を有する光誘導重合体を調製した。
ポリエチレンイミン(PEI;24.2wt.%固体;2000kg/mol Mw;BASF Corp.)を真空下で感想させ、1.09gのPEIを19mlの90:10(v/v)クロロホルム:メタノール溶液に溶解させた。次いで、PEI溶液は、氷浴中で0℃で冷却した。2.8mlのクロロホルムに62mgのBBA−Cl(4−ベンゾイルベンゾイルクロリド)を添加し、溶解させた。その後、BBA−Clクロロホルム溶液は冷却したPEIクロロホルム:メタノール溶液に撹拌しながら添加した。反応物は一晩撹拌し、徐々に室温まで加温した。(薄層クロマトグラフィー(TLC)分析は、2.5時間後に混合物中に未反応のBBA−Clを示さなかった。)次に、反応溶液は、大きなフラスコ中に移し、1当量の濃縮塩酸を77.5mLの脱イオン水とともに添加した。水性PEI溶液が外見上透明になるまで、有機溶媒を40℃で真空下で除去した。その後、水性PEI溶液は、コーティング用液として使用するために、最終濃度10mg/mLに希釈した。
実施例2
光−間隔−PEIの調製
3.0ml DMSO(ジメチルスルホキシド)中のBBA−EAC−NOS(436.5g/mol;110mg;0.253mmol;米国特許第6,121,027号の実施例2に従って調製した;本明細書中に参照により援用される)は、19mlのCHCl3/CH3OH(90/10)中のPEIの冷却溶液(2,000,000g/mol;1.0g;5×10-4mol)に撹拌しながら添加した。溶液を撹拌しながら一晩かけて室温まで加温した。その後、BBA−EAC−NOCを含有する溶液−PEI反応産物は、75ml H2O及びHCl(12M;1.9ml;23mmol)の混合物に置いた。次いで、混合物は、有機溶媒を除去するためにロータリー・エバボレーターに置いた。最後に、溶液を水で希釈し、10mg/mlのBBA−EAC−PEIを得た。
実施例3
APTAC−ポリエチレンイミン(APTAC−PEI)ポリマーの合成
四級アンモニウム基は、(アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド分子の形体で、下記の手法を用いてポリエチレンイミンポリマーに結合させた:5gのポリエチレンイミン(10,000Mw;Polysciences,Warrington,PA)を10mlの脱イオン水に溶解させ、50%のPEI溶液を作製した。この50%のPEI溶液に16gの75%(3−アクリルアミドプロピル)−トリメチルアンモニウムクロリド溶液(APTAC;Sigma−Aldrich Corp.,St.Louis,MO)を添加した。PEI及びAPTACの混合物は、一晩55℃で振とうした。得られた産物は粘性のある琥珀色の溶液であり、室温でシールしたバイアル中に保存した。
APTAC−PEIの製造に使用した等濃度の小規模反応におけるAPTAC分子のビニルプロトンをNMR(核磁気共鳴)での監視は、16時間で室温において反応が99%完了したことを示した。
上述した通り、APTACとPEI(12gのAPTACと5gのPEI(10,000Da)の2.4:1w/w比を用いて、APTAC−PEIの最終的なMwが開始のPEIポリマーのMw(10,000Da)より約3.4倍(34,000Da)大きかったことを推測した。
実施例4
APTAC−EITC−ポリエチレンイミン(BBA−EITC−PEI)ポリマー
実施例3で合成したAPTAC−PEIポリマーは、真空下で乾燥させ、90:10(v/v)クロロホルム:メタノール溶液に溶解させる。次いで、APTAC−PEI溶液は、氷浴中で0℃に冷却する。その後、BBA−Cl(4−ベンゾイルベンゾイルクロリド)はクロロホルムに溶解させ、冷却したAPTAC−PEIクロロホルム:メタノール溶液に撹拌しながら添加する。反応物は、一晩撹拌し、徐々に室温まで加温する。その後、反応溶液を大きなフラスコに移し、1当量の濃塩酸を脱イオン水とともに添加する。水性BBA−APTAC−PEI溶液が外見上透明になるまで、溶媒を40℃で真空下除去する。
実施例5
種々の分子量のAPTAC−PEIポリマーの調製
750,000(750K)Da、10,000(10K)Da、2,000(2K)Da、及び800DaのMwを有するPEIポリマーをPolysciences,Warrington,PAから得た。50%のAPTACカップリングを有するPEIを調製するために、それぞれ異なった大きさのPEIポリマーのために、APTACとPEIの2.4:1w/wの比を使用した。20%のAPTACカップリングを有するPEIを調製するために、それぞれ異なった大きさのPEIポリマーのために、APTACとPEIの0.96:1w/wの比を使用した。実施例3に詳述した試薬及び反応時間を各調製物のために使用した。
記載した大きさ及びBBA光反応基を有するAPTC−PEIポリマーは、実施例4に基づいて合成スキームを用いて調製される。
実施例6
トリメチルオールプロパンエトキシレート(20/3 EO/OH)
トリアクリレートマクロマー調製(化合物I)
PEGを基礎としたマクロマーは、下記のように合成した(合成スキームを本実施例の最後に示した)。
トリメチルオールプロパンエトキシレート(PEG−トリオール;100.0g、98.6mmol;平均Mw約1,104;Cat.No.41,617−7;Aldrich Chemical Company,Inc.,Milwaukee,WI)を撹拌しながら200mlのトルエンに溶解させ、1時間還流した。PEG−トリオール溶液を約80度まで冷却させた。この時点で、50mg(0.403mmol)の4−メトキシフェノール(MEHQ;J.T.Baker,Phillipsburg,NJ)、42.7g(0.592mol)のアクリル酸(J.T.Baker,Philipsburg,NJ)、及び10ml(0.188mol)の硫酸(Aldrich Chemical Company,Inc.,Milwaukee,WI)を反応溶液に撹拌しながら添加した。反応溶液を還流温度まで加熱した。約6mlの水が生成し、Dean&Starkレシーバーを通して回収されるまで(約1時間)、反応を進行させた。反応混合物を50℃まで冷却させ、撹拌しながら炭酸水素ナトリウム溶液(2.5リットルの脱イオン水中に270g)に注いだ。有機層を分別し、脱イオン水で洗浄し、そして、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。PEGトリアクリレートをWiped Film Still(Pope Scientific,Inc.,Saukville,WI)を用いて単離した。
PEG−トリアクリレートマクロマー産物は化合物Iに示される。
Figure 2008518667
実施例7
光コラーゲン調製物
IV型コラーゲンの光反応性誘導体(光コラーゲン)を下記のように調製した。ヒト胎盤のIV型コラーゲンはSigma Chemical Co.,St.Louis,Mo.から得た。異種二官能性架橋剤(BBA−EAC−NOS)を合資し、コラーゲンを光誘導化するために使用した。
BBA−EAC−NOSは、ベンゾフェノン光反応基(BBA)、スペーサー(EAC)及びアミン反応性熱化学的カップリング基(N−オキシスクシンイミド、NOS)を含む。BBA−EACは、4−ベンゾイルベンゾイルクロリド及び6−アミノカプロン酸から合成した。その後、BBA−EACのNOSエステルは、N−ヒドロキシスクシンイミドを用いたカルボジイミド活性化によりBBA−EACのカルボキシ基をエステル化することによって合成し、BBA−EAC−NOSを得た。
IV型コラーゲンは、BBA−EAC−NOSのNOSエステルを介して、タンパク質上の一級アミンを共有結合的にカップリングさせることによって光誘導化した。BBA−EAC−NOSは、コラーゲン1モル当り10〜15モルのBBA−EAC−NOSの比で添加した。
実施例8
4,5−ビス(4−ベンゾイルフェニルメチレンオキシ)ベンゼン−1,3−ジスルホン酸二ナトリウム塩[DBDS]合成
4,5−ビス(4−ベンゾイルフェニルメチレンオキシ)ベンゼン−1,3−ジスルホン酸二ナトリウム塩(DBDS)は下記の通り調製した。4,5−ジヒドロキシ1,3−ベンゼンジスルホン酸二ナトリウム塩・一水和物の量(9.0g、0.027モル)をオーバーヘッドスターラー、気体吸気ポート、及び還流冷却器を取り付けた250mlの3つ口丸底フラスコに添加した。その後、4−ブロモメチルベンゾフェノン(BMBP)の量(15g、0.054mol)、54mlのテトラヒドロフラン(THF)、及び42mlの脱イオン水を添加した。フラスコは、撹拌しながらアルゴン雰囲気下で、還流温度まで加熱した。アルゴン雰囲気は還流の全時間中維持した。
還流温度に達した後、9.0ml(6N、0.054mol)の水酸化ナトリウム溶液を還流冷却器を通して添加した。反応物は、還流下、3時間撹拌した。この時間後、BMBPの第二の部分3.76g(0.014mol)、及び3.6ml(6N、0.022mol)の水酸化ナトリウムを添加した。反応は、第二のBMBPを添加後、12時間以上、還流下で続けた。
反応混合物は、ロータリー・エバポレーターで真空下40℃でエバポレートし、46gの黄色のペーストを得た。このペーストを50mlのクロロホルム中で40℃30分間、3回懸濁させることによって抽出した。遠心は、固体からクロロホルムをデカントするのを手助けするために使用した。最終抽出後、ブフナーロート上で固体を回収し、30分間空気乾燥させた。次いで、固体を55℃の湯浴温度、約1mmの圧力で30分間ロータリー・エバポレーターお用いて乾燥させた。
乾燥した固体26.8gを67mlの水及び67mlのメタノールから再結晶させた。乾燥した精製産物は計量して10.4g(理論収量は19.0gであった)であり、0.036mg/mlの濃度については265nmで1.62の吸光度を有していた。
米国特許第6,278,018号も参照されたい。
実施例9
ペンタエリトリトール[「テトラ−BBE−PET」]のテトラキス(4−ベンゾイルベンジルエーテル)合成
下記:ペンタエリトリトール[Aldrich](2.0g;14.71mmol、1時間、<1mmHgで60℃で乾燥させた);4−ブロモメチルベンゾフェノン(20.0g;72.7mmol;4−メチルベンゾフェノン[Aldrich]の遊離ラジカル臭素化によって調製した);鉱油中の80%(w/w)水素化ナトリウム[Aldrich](NaH、1.23g;41.0mmol);及びテトラヒドロフラン(THF、120ml)をアルゴン雰囲気下で34時間還流した。
次に、追加量の80% NaH(2.95g;98.3mmol)を反応混合物に添加し、混合物を更に7時間、アルゴン下で還流した。8mlの氷酢酸(HOAc)の添加によって反応を停止させた。停止した反応物は、THF不溶物の除去を手助けするために遠心した。
液体をデカントし、不溶物をクロロホルム(CHCl3)の50mlの3つの部分で洗浄した。デカントした液体(主にTHF)及びCHCl3洗浄物を合わせ、蒸発させて、18.7gの粗製の黄色の半固体残渣を得た。粗生成物(2g)の一部は、下記の表2に従って(他に指示がなければ、表中の全ての比はv/vである)、直径40mm(1.58インチ)の200mm(8インチ)の長さのシリカゲルカラムを用いて、CHCl3及びジエチルエーテル(Et2O)で溶出させるフラッシュクロマトグラフィーによって精製した。
Figure 2008518667
淡黄色の油状生産物(0.843g;59%理論的収率)は、分画81−105を合わせて蒸発させることによって得た(理論的には、1.43gのテトラ−BBE−PETの収量は、カラムに置いた粗生成物の2.0gから期待されるであろう)。精製した淡黄色の生成物は、Bechman Acculab 2スペクトロメータ及びVarian FT−80 NMRスペクトロメータを用いた分析によって確かめた。3500cm-1でのピークが存在しないことは、ヒドロキシル官能基がないことを示す。核磁気共鳴分析(1H NMR(CDCl3))は、所望の生産物と一致した:脂肪族メチレンδ3.6(s,8H)、ベンジルメチレンδ4.5(s,8H)、及び芳香族δ7.15−7.65(m,36H)対テトラメチルシラン内部標準。
生産物は、ペンタエリトリトール(テトラ−BBE−PET)のテトラキス(4−ベンゾイルベンジルエーテル)を意味する。
実施例10
PEG−コーティングコーティング
ePTFE基質は、下記のように非重合開始剤を用いてはじめに開始した。IPA中の0.5%v/vの濃度でテトラ−BBE−PET(実施例9に記載したように調製した)のコーティング溶液を調製した。次いで、ePTFE基質は、テトラ−BBE−PETコーティング溶液中に浸し、3分間、溶液中で照射した。照射は、91cm(36インチ)の距離に離して、400ワットの金属ハロゲン化物/水銀白熱灯を含有する2つの向かい合ったELC−4000ランプの間の中間点で3分間実行する。未結合のテトラ−BBE−PETを除去するためにIPAを用いてリンス後、基質を乾燥させる。得られた基質は、テトラ−BBE−PETの開始コーティングを含有する。
乾燥後、開始し乾燥させた基質を水中のPEG−トリアクリレートマクロマー及びテトラ−BBE−PET(濃度:PEG−トリアクリレートマクロマーは約10〜20%v/vであり、テトラ−BBE−PETは約0.5〜2%v/vである)を含有する溶液中に浸す。基質を0.2〜1.0cm/sの速度で引き上げる。コーティングした部分は、再度、3〜5分間、照射し、湿っているか又は乾燥している(上述)。
その後、基質を浸し、次に、約5〜20%v/vの生体適合試薬濃度で、IPA中の光コラーゲン(実施例7で記載したように調製した)を含有する溶液から0.2〜1.0cm/sの速度で引き上げる。
実施例11
PEG−コラーゲンコーティングを有するePTFE基質
イソプロピルアルコール(IPA)中の重合性材料及び開始剤の両方を含有するコーティング溶液を調製し、下記のようにePTFEに適用した。本実験のために利用した試料条件は、表3に概要される。コーティング溶液の組成物は、PEG−トリアクリレートマクロマーについては%、そして、テトラ−BBE−PETについてはmg/mlで示される。全ての試料についてのコーティング用液は、IPA中のPEG−トリアクリレートマクロマー/テトラ−BBE−PETであった。浸漬時間は、基質がコーティング溶液中に浸された時間量であり、UV硬化時間は、コーティングを基質に結合するために光を用いて基質に照射した時間量である。
Figure 2008518667
ePTFE基質は、コーティング溶液に浸し、その後、UVチャンバー内の91cm(36インチ)の距離に離して、400ワットの金属ハロゲン化物/水銀白熱灯を含有する2つの向かい合ったELC−4000ランプの間の中間点に基質を置くことによって、所定の硬化時間、湿った物に照射した。ePTFE基質は、表面上に疎水性PEGを基礎としたコーティングを結合させるために、材料の親水性の性質を克服しようとして、IPAコーティング溶液中に飽和した。
光誘導の生体適合剤は、下記のように基質に結合させた。光コラーゲンは、実施例7に記載したように調製し、12mM HCl中の0.2mg/mlの濃度で得た。基質は、光コラーゲン溶液中に浸し、1時間4℃で放置し、その後、Dymax Blue Wave Spot Core System(Dymax Corporation,Torrington,CTから商業的に利用可能なライトシステム)を用いて、一面当り60秒間溶液中で照射した。このシステムの紫外ワンド(wand)は、波長範囲330−340nm)でライトの約0.5〜0.25mW/cm2でコーティングされるべき基質部分を提供する距離に設置した。基質は、照射の60秒間穏やかに撹拌し、表面がライトに均一に浴びることを確かめた。
次に、基質は、光コラーゲン溶液から取り出した。光コラーゲン溶液からの基質の除去後、基質を4℃で、1回の洗浄当り30分間無菌PBSで2回リンスした。その後、基質は、70%エタノールに30分間浸し、次に、無菌PBS(1ml/洗浄)で3回リンスした。基質は無菌PBS中で4℃で浸した。
実施例12
PEBAX基質へのコラーゲンの応用
コラーゲンマクロマーは、下記のように調製した。ウシ腱コラーゲンI型は、ReGen Corp.から得た。コラーゲン(0.5グラム)を環状シェーカー上で37℃で20時間インキュベートすることによって20mlの乾燥ホルムアミドに溶解させた。TEAは、1.0グラム(9.8mmmol)の量で撹拌しながら添加し、反応は、氷水浴で60分間平衡化した。アクリロイルクロリドは、添加した1.0グラム(11mmmol)のアクリロイルクロリドの全量に対して、撹拌しながら、0.25グラムのアリコート(1分当たり1アリコートの速度)に添加した。最後の添加後、溶液を2時間、氷水浴中で撹拌した。反応物は、氷水浴から取り出し、室温で18時間撹拌を続けた。生産物である重合性基を含有するコラーゲン(下記の表4中の「コラーゲンマクロマー」と同じ)は、6−8K MWCO透析チューブを用いて脱イオン水に対する透析によって精製し、凍結乾燥によって単離した。
PEBAXロッドを得て、下記の表4で概要した組成物を用いてコーティングに供した。
Figure 2008518667
全ての試料について、5mg/mlの濃度で水中のDBDS溶液のPEBAX基質を浸すことによってプライミング(priming)がなされた。本実施例中の全ての試料及びコーティング工程について、UV硬化は、91cm(36インチ)の距離に離して、400ワットの金属ハロゲン化物/水銀白熱灯を含有する2つの向かい合ったELC−4000ランプの間の中間点で、溶液中で3分間基質を照射することによって行った。未結合の化合物IVを除去するために試料をリンスした。
次に、表4に指定した濃度で水中のコラーゲンマクロマーの溶液中に試料を浸した。コーティング速度は、下記:試料1〜3については0.75cm/s、試料4については1.0cm/sの通りであった。コラーゲンマクロマーのコーティング工程に続いて、試料2〜6をウェットで5分間照射した。試料1は、コラーゲンマクロマーのコーティング工程後に空気乾燥させ、3分間照射した。
次に、試料5及び6は、下記のように光コラーゲン(実施例7に記載したように調製した)の追加のコーティングに供した。200μg/mlの濃度で、水中の光コラーゲンの溶液を調製した。基質を0.75cm/sの速度で光−コラーゲン溶液に浸した。その後、基質をウェットで5分間照射した。
コーティングの有効性を測定するために、完成した試料をFITC染色に供した。FITC染色については、100%のエタノール2mlに10mgのFITC(Isomer 1,Molecular Probes F−1906)に溶解させた。溶解したFITCは、使用するまで−20℃で保存した(濃度=5mg/ml)。使用に応じて、FITCは、250μg/mlまで、0.1M ホウ酸塩緩衝液、pH9.0で1:20に希釈した。暗闇で室温で1時間、試料をFITC染色に浸した。染色後、試料を染色から取り出し、ホウ酸塩緩衝液で4回リンスし、水でリンスと、空気乾燥させた。試料を蛍光顕微鏡で観察した。
結果は、全てのコーティングした試料は、強力に染色され、1つの試料から次の試料へと均一に一貫していることを示した。次のコントラスト促進は、コーティングのいくつかにおいて軽微な不一致を示した。コーティング2は、ウェットな状態で20mg/mlで5分間照射されたコラーゲンマクロマーを有し、より高濃度で、及び/又は光コラーゲンの追加のトップコートで乾燥状態で照射したマクロマーコーティングよりも少ない強度で染色しているようであった。
実施例13
シリコン及びチタン基質へのコラーゲンマクロマーの応用
シリコン及びチタンは、60% IPA/40% 水の混合物中の20mg/mlのPVP K90(International Specialty Products,Wayne,NJ)、米国特許第5,637,460号に記載したように調製した15mg/mLの光誘導のポリ(ビニルピロリドン)(光PVP)、0.5mg/mLのテトラ−BBE−PET、及び1mg/mLのDBDSの組み合わせから調製した第一のコーティング溶液でコーティングした。基質は、0.20cm/sの速度でこの溶液中に浸してコーティングし、10分間以上空気乾燥させ、次に、3分間UV照射に供した。
その後、第一のコーティング層を有する基質は、0.75cm/sの速度で水中の10%(v/v)PEGマクロマー、0.7%mg/mL テトラメチルエチレンジアミン−ジMBP−quat(TEMED−DQ)(SurModies,Eden Praire,MNから商業的に利用可能である)の溶液中に浸しコーティングさせ、溶液中で3分間UVで照射した。
次に、第一及び第二のコーティング層を有する基質は、水中の10% コラーゲンマクロマー、0.8%mg/mL テトラメチルエチレンジアミン−ジMBP−quat(TEMED−DQ)の溶液で0.75cm/sの速度で浸しコーティングさせ、溶液中で3不運間UVで照射した。
コラーゲンマクロマーコーティングは、PEG外層又はPEG/ヘパリン外層を有したコーティングに対する潤滑性を改善させた。加えて、FITC分析は、コーティングが、耐久性試験の前後で十分に形成したことを示し、ここで、試料は、塩溶液又はIPAのいずれかを用いて、織布で20回拭いた。
実施例14
ポリウレタン基質上のコラーゲンマクロマーコーティングの応用及び分析
種々の試料は、PEGマクロマー/光開始剤(TEMED−DQ)/コラーゲンマクロマー及びコラーゲンマクロマー/光開始剤(TEMED−DQ)浸漬コーティングについて、ポリウレタン基質上で、コーティング製剤(又は複数)を最適化するために調製した。コーティングを実行した後、表面分析は、コラーゲンマクロマーコーティングを視覚化することによって実行し、Fast Green色素で染色し、FITC分析を含む。全て試料は、下記に詳述したコーティング作業前に、光−PVP/テトラ−BBE−PET(IPA中10/0.5mg/ml、リフト速度0.10cm/s、空気乾燥、UV3分間)のベースコートで処理した。全ての他のコーティング溶液は水性である。下付き(即ち、1a、1b)は、同じ試料上での複数のコーティング層を示し、2段階のコーティング過程を表すことが意図される。
Figure 2008518667
コーティング前に、全ての試料は、基質表面をきれいにするためにIPA中で30分間超音波処理した。超音波処理後、試料をIPAで飽和した布で拭き、空気乾燥させた。
各試料上部の小さいな部分は、試料がダブルクリップで一時的にとめる部分であり、コーティングされていなかった;試料表面の大部分は、ベース層とPEGマクロマー/TEMED−DQ光開始剤(例えば、別個のPEGマクロマー/TEMED−DQ光開始剤層を受ける試料に関して)でコーティングされ;その後、試料のおよそ半分は、コラーゲンマクロマー溶液(上記で列挙したコラーゲンマクロマーTEMED−DQ又はPEGマクロマー/TEMED−DQ/コラーゲンマクロマーのいずれか)に浸される。
コーティング後、全ての試料は、Fast Green(食用色素、水中0.5%w/w、染色浸漬約1分)で染色され、二重の試料はまた、FITCによって染色された。
FITC試料は書きの通り進行した:10mgのFITC色素は、2mlのエタノールに溶解させ、次に、0.1Mホウ酸塩緩衝液(pH〜9.0)で最終濃度250μg/mlまで1:20に希釈した。試料をライトから保護して、1時間FITC染色に浸漬した。試料をホウ酸塩緩衝液で4回リンスし、蛍光顕微鏡で観察し、画像を記録した。
上記のマトリックスに列挙した試料に加えて、1の未コーティングの対照及び1のベース層(光PVP/テトラ−BBE−PET)のみを有する試料をFITCアッセイに含めた。ベース層のみを有する試料は、幾分バックグランドの蛍光を生じた;顕微鏡の補正は、この効果を相殺するために調整し、画像はこの補正後に記録した。
PEGマクロモノマー/TEMED−DQ/コラーゲンマクロマー及びPEGマクロマー/TEMED−DQ+コラーゲンマクロマー/TEMED−DQ調製の両方に関して、より高いレベルのPEGマクロマー(10%v/v)を用いることは、より平坦で均一な厚さであるコーティングを生じるように見える。

Claims (21)

  1. (a)コラーゲン、(b)抗血栓剤、及び(c)光反応基を含む向線維性(pro−fibrotic)コーティングを含む移植可能な医療用品。
  2. 前記光反応基がコラーゲンから垂れ下がった反応した光反応基である、請求項1に記載の移植可能な医療用品。
  3. 前記コラーゲンから垂れ下がった反応した光反応基がコラーゲンを抗血栓剤に結合させる、請求項2に記載の移植可能な医療用品。
  4. 前記コラーゲンから垂れ下がった反応した光反応基がコラーゲンを医療用品の表面に結合させる、請求項2に記載の移植可能な医療用品。
  5. 前記コラーゲンがI型コラーゲンを含む、請求項2に記載の移植可能な医療用品。
  6. 前記光反応基がコラーゲン又は抗血栓剤から独立している、請求項1に記載の移植可能な医療用品。
  7. 前記光反応基が重合開始剤上に存在する、請求項6に記載の移植可能な医療用品。
  8. 前記光反応基が2個又はそれより多くの光反応基を有する化合物上に存在する、請求項6に記載の移植可能な医療用品。
  9. 前記コラーゲンが反応した重合性基を含む、請求項7に記載の移植可能な医療用品。
  10. 反応した重合性基を介して結合したコラーゲン層を含む、請求項9に記載の移植可能な医療用品。
  11. 前記抗血栓剤が反応した重合性基を含む、請求項7に記載の移植可能な医療用品。
  12. 反応した重合性基を介して結合した抗血栓剤の層を含む、請求項11に記載の移植可能な医療用品。
  13. 前記抗血栓剤が重合体である、請求項1に記載の移植可能な医療用品。
  14. 前記抗血栓剤が重合体である、請求項13に記載の移植可能な医療用品。
  15. 前記抗血栓剤がPEGを含む、請求項14に記載の移植可能な医療用品。
  16. 向線維性コーティングが5μm未満の厚さである、請求項1に記載の移植可能な医療用品。
  17. 血管閉塞装置を含む、請求項1に記載の移植可能な医療用品。
  18. 心臓パッチを含む、請求項1に記載の移植可能な医療用品。
  19. 医療用品上に向線維性コーティングを形成する方法であって、下記の工程:
    (a)抗血栓剤を含む第一組成物を配置すること;
    (b)コラーゲンを含む第二組成物を配置すること、
    ここで、光反応基は、第一及び第二コーティング組成物から独立して、第一コーティング組成物、第二コーティング組成物又はそれらの組み合わせに存在し;及び
    (c)光反応基を活性化して向線維性コーティングを形成すること
    を含む、前記方法。
  20. 医療用品上に向線維性コーティングを形成する方法であって、下記の工程:
    (a)コラーゲン及び抗血栓剤を含む組成物を配置すること、
    ここで、光反応基は、第一及び第二コーティング組成物から独立して、第一コーティング組成物、第二コーティング組成物又はそれらの組み合わせに存在し;及び
    (b)光反応基を活性化して向線維性コーティングを形成すること
    を含む、前記方法。
  21. 医療用品上に向線維性コーティングを形成する方法であって、下記の工程:
    (a)重合性基を含む抗血栓性重合体を含む第一組成物を配置すること;
    (b)重合性基を含むコラーゲンを含む第二組成物を配置すること、
    ここで、重合開始剤は、第一及び第二コーティング組成物から独立して、第一コーティング組成物、第二コーティング組成物又はそれらの組み合わせに存在する;及び
    (c)重合開始剤を活性化して向線維性コーティングを形成すること
    を含む、前記方法。
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