JP2008516921A - 多剤耐性の治療および予防 - Google Patents

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Abstract

1種または2種以上のMDRインヒビターの薬理動態 (PK) プロフィールが1種または2種以上の活性薬物のPK構造に合致するように、1種または2種以上の活性薬物を1種または2種以上のMDRインヒビターと一緒に含んでなる養生を投与することを含んでなる、多剤耐性 (MDR) の発生を予防するか、あるいはMDRが発生したまたはMDRにさらされている患者を治療する方法。

Description

多剤耐性は種々の疾患において観察される現象である。例は種々のタイプの細菌またはウイルスおよび癌の治療である。簡素化の理由で、癌の薬物は下記の節において取扱う。しかしながら、本発明はこのタイプの疾患に限定されない。
MDRは、異なる作用機構を有することに無関係に、アントラセリン類 (例えば、アドリアマイシン) 、ビンカアルカロイド類 (例えば、ビンクリスチン) 、ポドフィロトキシン類 (例えば、エトポシド) およびタクサン類を包含する、主要な抗癌薬物に対して交差耐性を示し、現在の癌化学療法における有意な障害物の1つである。このような耐性は、反復した化学療法後 (後天性耐性) に癌細胞、例えば、急性骨髄性白血病、卵巣癌および乳癌において観察することができるか、あるいは化学療法開始前 (内因性耐性) に既に耐性であることがある癌細胞、例えば、非小細胞肺癌、膵臓癌および結腸癌において観察することができる。
癌細胞膜上で発現される、薬物流出ポンプは、MDR現象に密接に関係づけられることが発見された。薬物流出ポンプは、広い範囲の抗癌薬物を基質として細胞の中から外に活発に送り出す膜糖タンパク質である。十分に特性決定された例は次の通りである: P-糖タンパク質 (P-gp; Roninson I. B. 他、Nature 309、626、1984) および多剤耐性関連タンパク質 (MRR: Cole S. P. C. 他、Science 258、1650、1992) 。P-gpの発現は下記の疾患を有する患者におけるMDRと相関することが報告された: 急性骨髄性白血病 (Campes L. 他、Blood 79、473、1992) 、急性リンパ性白血病および非ホジキンリンパ腫 (Goldstein LJ. 他、J. Natl. Cancer Inst. 81、116、1989) および乳癌 (Trock BJ. 他、J. Natl. Cancer Inst. 89、917、1997) 。
31の臨床的研究から構成された超分析 (meta-analysis) (Picker R. 他、J. Natl. Cancer Inst. 83、708、1991) は、化学療法に対する耐性とP-gpの発現との間の相関を示し、P-gpは試験した乳癌標本の41%において発現された。また、MRPは乳癌の大部分において (Dexter D. W. 他、Clin. Cancer Res. 4、1533、1998; Lacave R. 他、Br. J. Cancer 77、694、1998; Filipits M. 他、Clin. Cancer Res. 2、1231、1996) ならびに非小細胞肺癌および小細胞肺癌において (Nooter K. 他、Clin. Cancer Res. 1、1301、1995) 発現されることが報告されている。これらの発見は、P-gpおよび/またはMRPの機能を阻害して抗癌薬物の細胞内濃度を増加することによって、MDRを逆転するという考えを立証する。
MDRを克服する因子としてベルパミル (VPM) の発見以来、他のカルシウムアンタゴニスト、カルモヅリンインヒビター、キニジン、タモキシフェンおよびシクロスポリンA (CSA) を包含する種々の化合物がMDRを克服することが報告された。例えば、MDR逆転は下記の研究において報告された: 急性非リンパ性白血病の患者においてCSAを使用する臨床的研究 (Sonneveld P. 他、Br. J. Haematol. 75、208、1990) 、非ホジキンリンパ腫の患者においてVPMを使用する研究 (Millet T. P. 他、J. Clin. Oncol. 9、17、1991) 、および多発性骨髄腫および非ホジキンリンパ腫の患者においてVPMを使用する研究 (Dalton W. S. 他、J. Clin. Oncol. 7、415、1989) 。
これらの研究 (Ozols R. F. 他、J. Clin. Oncol. 5、641、1987) において、薬物の一次薬理学的活性から生ずる悪い反応のために、MDRを克服するために十分な薬物を投与することがしばしば困難であり、そしてこれらの薬物の臨床的開発は成功しなかった。さらに、MDRモジュレーターと抗癌薬物との間の薬理動態相互作用が存在することが明らかにされ、ここでこれらは正常の器官、例えば、肝臓および腎臓におけるMDRモジュレーターによるP-gpの生理学的機能の阻害に部分的に寄与すると考えられる。
さらに、P-gpおよびCYP3A4と相互作用する薬物においてかなりのオーバーラップが存在することが仮定され、これはこのような薬物の相互作用がMDRモジュレーターによるCYP3A4の阻害により引き起こされる可能性を上昇させる。これらの観察から、多剤耐性を克服することが医学的になお有意に要求されており、そして医学コミュニティーにおいてこの目標は現在まったく達成されていないことを結論することができる。
発明の要約
本発明において、MDRインヒビターの薬理動態プロフィールを化学療法薬物のPKに対して調節することはその効能に有意に寄与する。さらに、治療において早期に、すなわち、 (後天性) MDRが発生する前に、MDRインヒビターを投与すると、MDRを予防または改善することができる。
本発明は、1種または2種以上のMDRインヒビターの薬理動態 (PK) を調節して、活性薬物の薬理動態 (PK) に合致させる、例えば、1種または2種以上の活性薬物およびMDRインヒビターの血漿レベルをできるだけ平行にさせる、すなわち、MDRインヒビターの血漿レベル/時間曲線の形状が薬物のそれに合致するように、疾患において活性である1種または2種以上の薬物と1種または2種以上のMDRインヒビター薬物との組み合わせを使用して、多剤耐性 (MDR) を発生したか、あるいはその発生にさらされている患者を治療することに関する。
選択的に、ことにこのような合致を容易に達成できないとき、1種または2種以上の活性薬物がそれらのそれぞれの活性限界濃度より上にあるかぎり、MDRの血漿レベルは少なくともその活性限界濃度より上に維持することができる。1つの態様において、1種または2種以上の活性薬物および1種または2種以上のMDRインヒビターを一緒に診断直後に投与して、後天性MDRの発生を予防するか、あるいは内因性MDRを逆転させる。
本発明は、1種または2種以上の活性薬物およびMDRインヒビターの血漿レベルの曲線ができるだけ平行であるような方法において、1種または2種以上のMDRインヒビターの薬理動態を1種または2種以上の活性薬物のPKに調節するか、あるいは合致させるように、多剤耐性の発生にさらされる、前述または後述する疾患を包含する、種々の疾患を有する患者を、疾患において活性である1種または2種以上の薬物と1種または2種以上の多剤耐性インヒビターとの組み合わせで治療する方法に関する。しかしながら、例えば、異なる投与レベルがしばしば関係するので、血漿レベルを同一にすることを意図しない。1種または2種以上の活性薬物がそれらのそれぞれの限界活性濃度を超えているかぎり、1種または2種以上のMDRインヒビターのレベルが活性の限界濃度を超えていることを条件として、時間過程はできるだけ平行であるべきである。
インヒビターはMDRを逆転させるために一般にMDRの発生後に使用される。本発明の態様において、MDRインヒビターの治療はその代わりに疾患養生のできだけ早い時点において、好ましくは診断直後に、任意の他の薬物を使用する前の治療なしに、開始して、MDRの獲得を予防または改善する。
こうして、本発明によれば、種々の疾患を有する患者を疾患において活性である1種または2種以上の薬物+1種または2種以上の多剤耐性インヒビターで治療し、それらはそれらの薬理動態プロフィールが血漿レベルを活性薬物のそれらと平行とするように選択および/または投与される。例えば、同様な、平行な血漿レベル構造を生ずる投与養生を選択することができる。他の代替法として、1種または2種以上の活性薬物がそれらの活性限界より上にあるかぎり、1種または2種以上のMDRインヒビターの濃度がそれらの活性限界より上にあるように、投与養生は選択される。
本発明の他の態様において、これらのMDRインヒビターを活性薬物養生に第1線の治療として添加して、MDRを予防または改善する。
簡素化の理由で、腫瘍学の分野からの例を使用して本発明を説明する。しかしながら、本発明はこの領域に限定されない。前および後における節において使用する用語 「1種または2種以上の活性薬物」 は、それぞれの治療、例えば、癌または抗菌治療またはMDRにさらされる任意の他の疾患の治療において活性を示す薬物を意味する。他方において、用語 「1種または2種以上のMDRインヒビター」 は、これらの治療においてそれ自体活性を示さないが、その代わりに、MDRを予防または逆転するために「活性薬物」と組合わせて投与される薬物を意味する。
本発明において有用なMDRインヒビターは、すべての入手可能なもの、例えば、本明細書において論ずるものを包含する。他の例は下記のものを包含する: MC-207,110 (Phe-Arg-β-ナフチルアミド) 、5’-メトキシヒドノカルピン、INF 240、INF 271、INF 277、INF 392、INF 55、レセルピン、GG918、リコプス・エウロペウス (Lycopus europaeus) からのジテルペン、エピガロカテキン-3-O-ガレート、プロゲステロン、ベラパミル、トリフルオペラジン、ビリコダール (VX-710) 、XR9576、タリクイダール (XR9576) 、セラミド、プロテインキナーゼCインヒビター (H7) 、N-メチルウェルウィチンドリノンCイソチオシアネート (ウェルウィスタチン) 、シクロスポリンA、エリトロマイシン、キニン、フルフェナジン、タモキシフェン、クレモホールEL、デキシベラパミル、デキシニグルジピン、デキシニグルジピン、バルスポダール、タリクイダール、ビリコダール、ゾスクイダール、ラニクイダール、エラクリダール、GF120918、ノボビオシン、フミットレモルギンC、BIB-E、フラボピリドール、CI1033、イレッサ、VX-853、ジエチルスチルベストロール、エステロン、アンチエストロゲン類、TAG-11、TAG-139、トレミフェン、ONT-093、R-101933、ミトタン、OC-144-093、LY-33597、アンナマイシン、XR-9576、R-101933、ドフェジクアール (MS-209) 。
P-gp阻害に関して、また、下記の文献を参照のこと: Thomas 他、Cancer Control Vol. 10、No. 2、159-165、March/April 2003。乳癌耐性タンパク質 (BCRP、またABCG2として知られている) に関して、下記の文献を参照のこと: Doyle 他、Oncogene 22、7340-7358、2003。
例えば、癌患者の治療に使用する薬物を静脈内投与し、かつそれが6時間の末端半減期を有する場合、本発明によれば、活性薬物と一緒に投与するMDRインヒビターの使用を活性薬物の薬理動態と合致するように調節する。この場合において、また、最大血漿レベルを急速に達成するために、MDRインヒビターを静脈内注射する。さらに、MDRインヒビターの末端半減期が活性薬物のそれに類似するように、1種または2種以上のMDRインヒビターを利用可能なすべてのものから選択する。1種または2種以上の活性薬物の血漿レベルがその活性限界より上にあるのと同一期間の間、インヒビターの血漿レベルが活性限界より上にあるように、MDRインヒビターの投与量を最適にする。
活性薬物をある経路により、例えば、静脈内に投与する場合、インヒビターは他の経路を介して、例えば、経口的に投与することができる。その場合において、また、インヒビターの血漿レベル-時間過程は薬物の時間過程の形状と合致するであろう。これは、例えば、インヒビターの血漿レベルのピーク (Cmax) が薬物を注射する時点と一致するように、薬物前にインヒビターを投与することによって達成することができる。薬物およびインヒビターの排除の半減期が異なる場合、例えば、薬物が長い半減期を有しそしてインヒビターが短い半減期を有する場合、インヒビターの多数の投与量は再び薬物の血漿レベル-時間過程と合致するように投与すべきである。
投与養生 (投与量レベル、投与のタイミングおよび回数、経路およびその他) は、必要に応じて次のようにして活性薬物の血漿構造に合致するように、変化させ、コントロールすることができる: 慣用パラメーター、例えば、処方、放出タイプ (調節、遅延、持続、パルスおよびその他) の調節、これは、例えば、通常のように対照試験により促進される、および、例えば、慣用のように薬理動態シミュレーションプログラムにより評価される、これらは適当なスキームの選択を促進する。例えば、下記の文献を参照のこと: D’Argenio DZ、Comput Programs Biomed. 1979 Mar; 9(2): 115-34、Sharyn D. Baker、Michelle A. Rudek、Pharmacokinetic Modeling: Handbook of Anticancer Pharmacokinetics and Pharmacodynamics in Cancer Drug Discovery and Development、Humana Press、March 2004、pp. 129-138。
例えば、活性薬物が経口的に投与され、血液中で3時間後に最大血漿レベルを達成しかつ8時間の末端半減期を有する場合、経口的に投与できるMDRインヒビターを選択することができる。その上、その製剤学的処方物のPKを活性薬物のそれと平行にするように、すなわち、ほぼ3時間において最大血漿レベルおよび8時間の末端半減期を達成するように、その製剤学的処方物は選択される。これは次のようにして達成できる: 活性薬物のそれらに合致する内因的PKパラメーターを有するMDRインヒビターを選択するか、あるいは‐例えば、MDRインヒビターの半減期がより短くなくてはならない場合‐必要なPK構造をもつ遅延放出処方物を調製する。
血漿レベルを合致させる他の可能性は、活性薬物のPK構造を合致させるか、あるいは‐少なくとも‐活性薬物がそのそれぞれの限界濃度より上にあるほぼ同一期間の間、MDRインヒビターの血漿レベルをその活性限界より上に維持するために、MDRインヒビターの多数投与またはインヒビターおよびその他をパルスさせる単一投与を使用することである。これは、適当なPK構造をもつMDRインヒビターが入手不可能である場合または遅延放出性処方が実行不可能である場合、特に有効である。
他の可能性は2以上のMDRインヒビターを投与することであり、それにより2種またはそれ以上の異なるインヒビターは、個々のMDRインヒビターの構造の合計を本発明に従い活性薬物の時間過程と合致させる目的で、MDRインヒビターの全血漿レベル構造の異なる部分に寄与する。特に言及したように、活性薬物がその限界活性濃度を超えているかぎり、MDR成分の血漿濃度が活性の限界濃度を超えていることを条件として、血漿レベル-時間過程の関係する形状を除いて、関係するのは1種または2種以上のMDRインヒビターの構造の絶対濃度ではない。
多数の疾患、特に多数の癌は活性薬物のカクテルで治療される。通常、これらの抗癌薬物は同一のPK構造をもたない、すなわち、それらは高度に変動性の末端半減期および血漿レベルの構造を有することがある。このような場合において、活性薬物およびMDRインヒビターのPK構造は合致する。1つのアプローチにおいて、活性薬物は最長の末端半減期を有するように選択し、そして1種または2種以上のMDRインヒビターの半減期はそれに応じて調節される。
多数のCmaxピークが存在する場合、同一のことがMDRインヒビターに同一時点において、可能な程度に、当てはまる。いずれの場合においても、1種または2種以上のMDRインヒビターの養生は1種または2種以上の活性薬物の養生に対して調節される。これが意味するように、反復して投与される活性薬物について、1種または2種以上のMDRインヒビターの養生はそれに応じて調節しなくてはならない。少なくとも1つの薬物のレベルが限界より上にあるすべての時間において、1種または2種以上のMDRインヒビターのレベルもまた限界より上にある。
理解できるように、本発明の血漿構造の合致は構造の曲線を関係する方法においてできるだけ同様にすること (絶対レベル値に関係しない) 、例えば、できるだけ多数の関係する構造パラメーター (Tmax (時間/Cmax) 、末端半減期、正規化上昇勾配、正規化下降勾配、関係する毎時の濃度およびその他を包含する) をできるだけ密接に合致させることを意味する。一般に、これらの値は可能ならば±20%以内またはこれよりすぐれた範囲内、例えば、±10%、±5%およびその他の範囲内で合致するであろう。しかしながら、より少ない合致は本発明の範囲内である。
それ以上詳しく説明しないで、当業者は先行する説明を使用して本発明をその最大程度に利用できると考えられる。したがって、先行する好ましい特定の態様は単なる例示として解釈すべきであり、そしていかなる方法においてもこの開示の残部を限定しない。
本明細書において引用する出願、特許および刊行物の全開示は引用することによって本明細書の一部とされる。
実施例1
MDR細胞 (K562/アドリアマイシン耐性) においてドフェジクアールを使用する前処理および連続的追加の処理の効果を、MTT (3-(4,5-ジメチル-2-チアゾリル)-2,5-ジフェニル-2H-テトラゾリウムブロミド) アッセイにより評価する。
K562/アドリアマイシン耐性細胞を3μMのドフェジクアールで24時間前処理し、次いでドフェジクアールを洗浄除去した後、細胞をADM単独とさらに72時間インキュベートする。ADMに対する暴露前のドフェジクアールのみによる前処理は、K562/アドリアマイシン耐性細胞においてADM細胞障害性の増大を示さない (第1図) 。
対照的に、細胞をまずアドリアマイシン (100〜300 ng/ml) およびドフェジクアール (3μM) の両方で共同処理し、次いでドフェジクアール単独と第2 インキュベート(24時間)するとき、細胞増殖は第2 インキュベーション間にドフェジクアールが存在しないときよりもわずかに阻害される (表1) 。
上記結果から、最良のMDR逆転効果を獲得するためには、ドフェジクアールの適切な濃度は抗腫瘍剤に対する腫瘍細胞の暴露を通じてすべて維持される。
実施例2
ドフェジクアール (MS-209) の薬理動態的パラメーターを断食した健康な日本人の男性の成人において研究する。この研究の計画は表2に記載されている。断食した健康な日本人の男性の成人に100から1200 mgに増加する投与量の単一経口後のドフェジクアールの血漿濃度を、第2図および第3図に図解する。薬理動態的パラメーターを表3に示す。ドフェジクアールは10 mgの投与量において検出されないが、30 mgの投与量において6人の被検者のうちの1人において検出される。
100 mgまたはそれより高い投与量において、ドフェジクアールの血漿濃度は投与後0.75〜1.5時間にピークに到達し、次いで単相的方法で低下する。CmaxおよびAUCは投与量の増加から期待されるよりもいっそう急に増加するが、Tmaxは変化しない。また、半減期は投与量の増加とともに増加する。薬理動態的パラメーターにおいて観測された非線形性 (すなわち、投与量を増加したときのCmaxおよびAUCの不釣合いの増加) は、ラットおよびイヌにおける薬理動態的研究の結果に匹敵する。
薬物耐性癌細胞系統を使用するin vitro研究において示された約3μM (約2μg/mL) のドフェジクアールの有効濃度は、300 mgまたはそれより高い投与量において達成される。
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(原文記載なし)

Claims (13)

  1. 多剤耐性 (MDR) の発生にさらされる疾患を有する患者に、前記疾患に対して活性である1種または2種以上の薬物および1種または2種以上の多剤耐性インヒビターを投与することを含んでなり、ここで1種または2種以上のMDRインヒビターの血漿レベル-時間構造は1種または2種以上の前記活性薬物のそれに合致するか、あるいは1種または2種以上の活性薬物の1または2以上の血漿濃度がそれらの活性限界より上にある間、1種または2種以上のMDRインヒビターの1または2以上の血漿濃度はそれらの活性限界より上にある、前記患者を治療する方法。
  2. 1種または2種以上の活性薬物と1種または2種以上のMDRインヒビターとの組み合わせを第1線治療として投与する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記投与が後天性MDRを予防または改善するか、あるいは内因的MDRを予防または改善する、請求項2に記載の方法。
  4. 1種または2種以上の活性薬物の1または2以上の血漿レベルを合致させるために、各治療過程間に、1または2以上の活性薬物および1種または2種以上のMDRインヒビターの個々の薬理動態プロフィールに依存して、1種または2種以上のMDRインヒビターを1種または2種以上の活性薬物よりも多い回数または少ない頻度で投与する、請求項1に記載の方法。
  5. 1種または2種以上の活性薬物の1または2以上の血漿レベルを合致させるために、各治療過程間に、1または2以上の活性薬物および1種または2種以上のMDRインヒビターの個々の薬理動態プロフィールに依存して、1種または2種以上のMDRインヒビターを1種または2種以上の活性薬物よりも多い回数または少ない頻度で投与する、請求項2に記載の方法。
  6. 1種または2種以上のMDRインヒビターを1種または2種以上の遅延放出性処方物としてとして投与する、請求項1に記載の方法。
  7. 1種または2種以上のMDRインヒビターを1種または2種以上の遅延放出性処方物としてとして投与する、請求項2に記載の方法。
  8. ドキソルビシンおよびデフェジクアールを投与することを含んでなる、請求項1に記載の方法。
  9. ドキソルビシンおよびデフェジクアールを投与することを含んでなる、請求項2に記載の方法。
  10. ドキソルビシンおよびデフェジクアールを投与することを含んでなり、ここでドキソルビシンの投与量当たり、2投与量のデフェジクアールを6〜24時間の間隔で投与する、請求項8に記載の方法。
  11. ドキソルビシンおよびデフェジクアールを投与することを含んでなり、ここでドキソルビシンの投与量当たり、2投与量のデフェジクアールを6〜24時間の間隔で投与する、請求項9に記載の方法。
  12. ドキソルビシンおよびデフェジクアールを投与することを含んでなり、ここでドキソルビシンの投与量当たり、3投与量のデフェジクアールを6〜24時間の間隔で投与する、請求項1に記載の方法。
  13. ドキソルビシンおよびデフェジクアールを投与することを含んでなり、ここでドキソルビシンの投与量当たり、3投与量のデフェジクアールを6〜24時間の間隔で投与する、請求項2に記載の方法。
JP2007536121A 2004-10-19 2005-10-18 多剤耐性の治療および予防 Pending JP2008516921A (ja)

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