JP2008516498A - アンテナ給電構造 - Google Patents

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Abstract

誘電体装荷アンテナの絶縁性コアの通路の中に滑り装着される単一の給電構造は、管状の外部シールド導体と、該外部シールド導体を通る、該外部シールド導体から絶縁された細長い内部導体と、の単一の組み合わせを備える。外部シールド導体および内部導体は、給電構造の端に、相対する方向に放射状に延びる導体を有するので、給電構造は、アンテナコアの端面上で通路の端に隣接して形成された対応する接続部分に接続部材が係合するまで、一ユニットとしてアンテナコアの通路に挿入することができる。接続部分に接続部材をはんだ付けする工程は、アンテナコアの外表面上にめっきされた導電性のアンテナ素子に給電構造を接続する一動作として実施することができる。

Description

本発明は、誘電体装荷アンテナ用の給電構造と、誘電体装荷アンテナを製造する方法とに関するものである。
英国特許出願2292638Aおよび2310543Aは、200MHzを超える周波数で動作する誘電体装荷アンテナを開示している。各アンテナは、誘電的に反対の二対のヘリカルアンテナ素子を有し、これらは、5を超える相対誘電率を有する材料で作成されたほぼ円筒状の電気絶縁性のコアにめっきされている。コアの材料は、コアの外表面によって定められる体積の大半を占める。コアの一方側の端面から反対側の端面へは、シールド導体に囲まれた内部導体を有する同軸給電構造を内包する軸穴が通されている。コアの一端では、穴の端に隣接して関連の接続部分を有する対応するアンテナ素子に、給電構造の導体が接続される。穴のもう一端では、アンテナ素子を結び付け、且つこれらの例ではコアの一部を取り巻いてバランを形成する導電スリーブの形態をとる導体に、シールド導体が接続される。各アンテナ素子は、スリーブの縁を終点とし、その接続部分から給電構造へとそれぞれ対応する螺旋経路をたどる。
英国特許出願2367429Aは、好ましくはコアの固形材料の相対誘電率の2分の1未満の相対誘電率を有するプラスチック材料の管によって、シールド導体と穴の壁との間に間隔を設けたアンテナを開示している。
類似の給電構造およびバラン構成を有する誘電体装荷ループアンテナが、GB2309592A、GB2338605A、GB2351850A、およびGB2346014Aに開示されている。これらのアンテナは、いずれも、コアの軸穴に通された同軸給電構造から給電される共通特性のアンテナ素子を、コアの外側に有する。バランは、給電構造に接続された装置からのアンテナ素子のコモンモードアイソレーションを提供することによって、アンテナを小型携帯端末にとりわけ適したものにする。
これまでは、以下のようにアンテナ給電構造を作成してきた。先ず、外表面をめっきされたフランジ接続ブッシュを、給電接続を設ける予定の穴の端に配置し、コアに装着させる。次いで、細長い管状のスペーサを、反対側の底端から穴に挿入する。次に、所定の特性インピーダンスを有する同軸線を一定の長さに切断し、内部導体の一端の露出部分をU字型に曲げる。そして、こうして形成された同軸ケーブルを、穴および細長い管状スペーサに上から挿入し、次いで、(a)内部導体の曲げられた部分を、コアの上面に位置するアンテナ素子の接続部分にはんだ付けする、および(b)フランジ接続ブッシュを、シールド導体に、そして更にコアの上面に位置するアンテナ素子の接続部分にはんだ付けする2つのはんだ付け工程によって、上部の接続全体のはんだ付けを行う。次いで、コアを反転させ、更に、内部導体の曲げられた部分と反対側の同軸ケーブルの端から露出している外部シールド導体の部分に、第2のめっきブッシュを装着させることによって、コアのめっき底端面に接触させる。最後に、この第2のブッシュを外部シールド導体に、そしてコアのめっき底端面にはんだ付けする。
本発明は、組み立てプロセスの費用を削減することを目的としている。
本発明の第1の態様にしたがって、誘電体装荷アンテナの絶縁性コアの通路の中に滑り装着される単一の給電構造が提供される。この単一の給電構造は、管状の外部シールド導体と、外部シールド導体を通る、該外部シールド導体から絶縁された細長い内部導体と、通路の端に隣接するアンテナコア上の第1の導体との接続のために、内部導体の遠端から
第1の近端向きの導電性表面部分へと外向きに延びる第1の横方向の接続部材と、通路の端に隣接するアンテナコア上の第2の導体との接続のために、外部シールド導体の遠端から第2の近端向きの導電性表面部分へと外向きに延びる第2の横方向の接続部材と、の単一の組み合わせを備える。
接続部材は、内部導体と第1の近端向きの導電性表面部分との間および外部シールド導体と第2の近端向きの導電性表面部分との間にそれぞれ常時的な電気的接続を形成するように、内部導体および外部シールド導体とそれぞれ一体化していることが好ましい。内部導体および外部シールド導体は、対応する接続部材とそれぞれ一体的に形成されてよい。
通常、近端向きの導電性表面部分は同一平面上にあり、各接続部材は、内部導体および外部シールド導体の共通の軸から相対する方向に放射状に延びる概して平面状の導体を含む。
給電構造は、外部シールド導体の外壁を通路の壁から隔てるための手段を含んでよく、好ましくは、給電構造の各端に隣接する位置に、通路の壁を把持するための変形素子を含む。その隔離手段は、外部シールド導体の少なくとも一部の長さの周囲に嵌め合わされた絶縁性スリーブの形態をとるスペーサを含んでよい。
通常、外部シールド導体および内部導体はそれぞれ、横方向に延びる一体的な一接続部材を有し、これら2つの接続部材は、内部導体の軸から相対する方向にそれぞれ放射状に延びる。
内部導体および外部シールド導体は、好ましくは、所定の相対誘電率を有する材料で作成された絶縁管によって互いから絶縁される。管の材料は、PTFEであってよい。
外部シールド導体は、管状の絶縁体の外側にめっきされた導電層であってよく、内部導体の少なくとも一部は、絶縁管に容易に挿入できるように縦に割り込みを入れられ且つ弾力性の導電性材料で作成されてよい。
給電構造の特性インピーダンスは、5〜15オームの範囲にあり、アンテナの所望の動作周波数で4分の1波長(λ/4)の電気的長さを有してよい。このような給電構造は、例えば、広く使用されるRF接続用の50オームの特性インピーダンスと、上記の従来の特許公報に開示されたような、アンテナによって表されるもっと低い電源インピーダンスと、の間のインピーダンス変成器として機能する。
本発明の第2の態様にしたがって、誘電体装荷アンテナを製造する方法が提供される。この方法は、外表面上に導電性のアンテナ素子を有する誘導性のアンテナコアであって、該アンテナ素子は、アンテナコアを通る通路の端に隣接して関連の接続部分を有する、誘導性のアンテナコアを用意する工程と、単一の給電構造であって、管状の外部シールド導体と、外部シールド導体から絶縁された形で該外部シールド導体を通って延びる細長い内部導体と、給電構造の軸からそれぞれ外向きに延び、外部シールド導体および内部導体の遠端部分にそれぞれ電気的に結合された近端向きの導電性表面部分を提供する横方向の接続部材と、を有する単一の給電構造を用意する工程と、給電構造を一ユニットとしてアンテナコアの中の通路に挿入することによって、近端向きの導電性表面部分をアンテナコア上の接続部分と係合させる工程と、接続部材を係合部分に導電的に接合させる工程と、を備える。
横方向に外向きに延びる接続部材を対応するアンテナ素子の接続部分に導電的に接合させる工程が、もし同時的に生じるならば、すなわち、もし一機械によるはんだ付けの動作
によって生じるならば、アンテナを組み立てるプロセスは、更に容易になる。実際、導電的な接合は、好ましくは、給電構造を通路に挿入する前に、アンテナ素子の接続部分にはんだペーストを塗布したうえで、ホットエアはんだ付けまたはリフロー炉はんだ付けによって実施される。
本発明の更なる一態様にしたがって、誘電体装荷アンテナを組み立てるための部品一式が提供される。この部品一式は、外表面上に導電性のアンテナ素子を有する誘電性のアンテナコアであって、該アンテナ素子は、アンテナコアを通る通路の遠端に隣接して関連の接続部分を有する、誘電性のアンテナコアと、アンテナコアの通路の中に該通路の遠端から滑り装着されるように寸法を決定された単一のアンテナ給電構造であって、管状の外部シールド導体と、外部シールド導体から絶縁された形で該外部シールド導体を通って延びる細長い内部導体と、それぞれ外部シールド導体および内部導体の遠端から外向きに延びる第1および第2の横方向の接続部材と、を含む単一のアンテナ給電構造と、を備える。アンテナコア自体およびアンテナ素子は、上記の従来の特許公報に記載されるコアおよびアンテナ素子の形態をとってよいが、その他の誘電体装荷アンテナ構成要素が使用されてもよい。したがって、好ましい部品一式において、アンテナコアは、5を超える相対誘電率を有する上記のセラミック材料で作成された円筒体であり、その中を、通常狭い円筒状の穴の形態をとる軸路が通される。アンテナコアの固形材料は、アンテナコアの外表面によって定められる体積、すなわちアンテナ素子構造によって定められる体積の大半を占める。アンテナ素子の接続部分は、アンテナコアの横断平面上で軸路の端に隣接して配置される。給電構造は、軸路に挿入されたときに、軸路の反対側の端から管状の外部シールド導体の端部を露出させることによって、外向きに延びる接続部材(と、もし存在するならば、内部導体の外向きに延びる接続部材と)をアンテナ素子の接続部分の少なくとも1つに接触させるように、寸法を決定される。
部品一式の一部として、外部シールド導体の露出部分の周囲に嵌め合わさるように寸法を決定された導電性のブッシュすなわちフェラールが用意され、外部シールド導体とアンテナコアからの接地導体との間の導電接続の一部を形成してよい。
本発明は、また、誘電体装荷アンテナの絶縁性コアの通路の中に滑り装着される単一のアンテナ給電構造を含む。この給電構造は、管状の外部シールド導体と、外部シールド導体を通る、該外部シールド導体から絶縁された細長い内部導体と、の単一の組み合わせを備え、外部シールド導体は、通路の端に隣接するアンテナコア上の導体との接続のために、その一端に、横方向に外向きに延びる一体的な接続部材を有する。
本発明の更なる一態様にしたがって、誘電体装荷アンテナの絶縁性コアの通路の中に滑り装着される単一のアンテナ給電構造が提供される。この給電構造は、管状の外部シールド導体と、外部シールド導体を通る、該外部シールド導体から絶縁された細長い内部導体と、の単一の組み合わせを備え、細長い内部導体は、給電構造軸を定め、単一の給電構造は、更に、アンテナコア上の各導体に係合するために、給電構造軸から横方向に間隔をあけて設けられた露出された近端向きの導電性表面部分を有する導電性の接続素子を含む遠端部分を備え、これらの接続素子は、給電構造が上記の通路の中に装着されたときに、外部シールド導体および内部導体をアンテナコア上の導体に電気的に結合させるように構成される。
組み立てプロセスは、給電構造をアンテナコアの通路の中に挿入する一機械的動作と、一つまたは二つのはんだ付け工程とのみからなるように設計可能であるので、上記の特徴を用いるアンテナは、とりわけ経済的な方法で構築することができる。
次に、図面を参照にして本発明の例が説明される。
図1および図2に示されるように、本発明にしたがって単一のアンテナ給電構造を使用して組み立てられた代表的な誘電体装荷アンテナは、円筒状のセラミックコア12の円筒状の外表面にめっきされた軸方向に同一の広がりを持つ4つの螺旋軌道10A,10B,10C,10Dを伴うアンテナ素子構造を有する。
セラミックコアは、コア12の中を遠端面12Dから近端面12Pへと通る穴12Bの形態をとる軸路を有する。穴12Bに収容されるのは、管状の導電性の外部シールド部品16と、絶縁層17と、絶縁層17によって外部シールド部品から絶縁された細長い導電性内部部品18とを有する同軸給電構造である。シールド部品を取り囲むのは、セラミックコア12の材料の誘電率より小さい所定の相対誘電率を有するプラスチック材料の管として形成される誘電性の絶縁性スリーブ19である。
シールド部品16と、内部部品18と、絶縁層17との組み合わせは、アンテナ素子10A〜10Dの遠端をアンテナの接続先である高周波(RF)回路構成に接続するためにアンテナコア12に通され且つ所定の特性インピーダンスを有する給電線を構成する。アンテナ素子10A〜10Dと給電線との間の接続は、螺旋軌道10A〜10Dに関連付けられた導電性接続部分を介してなされる。これらの接続部分は、コア12の遠端面12Dにめっきされた放射状軌道10AR,10BR,10CR,10DRとして形成され、それぞれ、対応する螺旋軌道の遠端から穴12Bの端に隣接する位置まで達している。外部シールド導体16は、螺旋軌道10Aおよび10Bを含む接続部分に導電的に接合され、内部導体18は、螺旋軌道10Cおよび10Dを含む接続部分に導電的に接合される。
アンテナ素子10A〜10Dの他端は、コア12の近端部分を取り囲むめっきスリーブの形態をとる共通の仮想接地導体20に接続される。そして、このスリーブ20は、後述される形で給電構造のシールド導体16に接続される。
4つのヘリカルアンテナ素子10A〜10Dは異なる長さを有し、そのうちの2つの素子10B,10Dが他の2つの素子10A,10Cよりも長いので、スリーブ20の縁20Uは、コアの近端面12Pからの距離が様々である。アンテナ素子10A,10Cがスリーブ20に接続されている位置の縁20Uは、アンテナ素子10B,10Dがスリーブ20に接続されている位置の縁20Uと比べて、近端面12Pから少し遠く離れている。
コアの近端面12Pはめっきされ、導体22は、後述されるように、近端面12Pでシールド導体16の露出部分16Eに接続するように形成される。導体スリーブ20、めっき22、および給電構造の外部シールド16は、合わせて、アンテナ素子構造と、装着時にアンテナを接続する機器との間のコモンモードアイソレーションを可能にするバランを形成する。
アンテナ素子10A〜10Dの長さの相違は、円偏光信号を感受する共振モードでアンテナが動作するときに、長い素子10B,10Dを流れる電流と短い素子10A,10Cを流れる電流との間にそれぞれ位相差を生じさせる。このモードでは、電流は、一方では、内部給電導体18に接続された素子10C,10Dとシールド導体16に接続された素子10A,10Bとの間において、縁20Uの周囲を流れ、スリーブ20およびめっき22は、コアの近端面12Pにおいて、アンテナ素子10A〜10Dから外部シールド導体16への電流の流れを阻止するトラップとして機能する。バランを有するクアドリフィラー型誘電体装荷アンテナの動作は、英国特許出願2292638Aおよび2310543Aにより詳細に記載されており、これらの文献は、本出願の出願時の内容の一部を構成するべくその全体を本出願に組み込まれるものとする。
給電構造は、アンテナ素子構造との信号伝達だけでなく、その他の機能も実施する。先ず、前述のように、シールド導体16は、スリーブ20と組み合わさって共に機能することによって、給電構造とアンテナ素子構造との間の接続点において、コモンモードアイソレーションを提供する。コアの近端面12P上におけるめっき22との接続点と、アンテナ素子の接続部分10AR,10BRとの接続点との間におけるシールド導体の長さ、穴12Bの寸法、およびシールド16と穴12Bの壁との間の空間を満たす材料の誘電率は、シールド16の電気的長さが、少なくともアンテナの所要共振モードの周波数において波長の約4分の1であるように設計され、したがって、導体スリーブ20とめっき22とシールド16との組み合わせは、給電構造とアンテナ素子構造との接続点における平衡電流を促進する。
第2に、給電構造は、アンテナの電源インピーダンス(通常5オーム未満)をアンテナを、接続する機器によって示される所要の負荷インピーダンス(通常50オーム)に変成するインピーダンス変成器として機能する。このインピーダンス変成は、給電構造が、アンテナ素子構造との接続点における電源インピーダンスと所要の負荷インピーダンスとの間の伝送路特性インピーダンスを有する結果として、また、アンテナ素子構造との接続点とめっき22との接続点との間における給電構造の電気的長さが、動作周波数において波長のおよそ4分の1である結果としてもたらされる。所要のインピーダンス変成は、給電構造の特性インピーダンスが、少なくとも大体において、電源インピーダンスと負荷インピーダンスとの積の平方根である場合に生じる。
通常、絶縁層17の相対誘電率は、2〜5である。適切な材料の1つ、PTFEは、2.2の相対誘電率を有する。
給電構造の外部絶縁性スリーブ19は、セラミックコアの材料がコア12内の給電構造の外部シールド16の電気的長さに及ぼす効果を低減させる。絶縁性スリーブ19の厚さまたはその誘電率、またはそれらの両方の選択によって、給電構造からの平衡電流の位置を最適化することができる。絶縁性スリーブ19は、コア12の中の穴12Bの内径に等しい、または同内径を僅かに下回る外径を有し、少なくとも給電構造の長さの大部分に及ぶ。スリーブ19の材料の相対誘電率は、コア材料のそれの半分未満であり、およそ2または3である。材料は、はんだ付けの温度に抵抗することができ且つ壁の厚さ約0.5mmの管を形成できるように成形時に十分に低粘性である熱可塑性プラスチック材料の分類に入ることが好ましい。このような材料の1つが、PEI(ポリエーテルイミド)である。この材料は、ULTEMの商標名でGEプラスチックスから市販されている。ポリカーボネートが、代替の材料である。
絶縁性スリーブ19の壁の好ましい厚さは、0.45mmであるが、セラミックコア12の直径および成形プロセスの制約などの要因に応じて他の厚さが使用されてもよい。セラミックコアがアンテナの電気的特性に大きな効果を及ぼすようにし、そして、とりわけ、小型のアンテナを得るようにするためには、絶縁性スリーブ19の壁の厚さは、内側の穴12Bと外側の表面との間の中実コア12の厚さ以下であることが望ましい。実際は、スリーブの壁の厚さは、コアの厚さの半分未満であることが望ましく、好ましくは、コアの厚さの20%未満である。
前述のように、給電構造のシールド導体16を取り囲むように、コア12より低誘電率の領域を設けることによって、コア12がシールド16の電気的長さに、ひいてはシールド16の外側に関連した任意の縦共振に及ぼす効果は、実質的に減殺される。絶縁性スリーブ19を、穴12Bの中でシールド16の周囲に対する締り嵌めにすることによって、チューニングの一貫性および安定性が実現される。所要の動作周波数に関連した共振モードは、円筒コアの軸から正反対の方向、すなわち横断方向に延びる電圧双極子によって特
徴付けられるので、絶縁性スリーブ19が所要の共振モードに及ぼす効果は、比較的小さい。なぜならば、少なくともこの好ましい実施形態では、絶縁性スリーブの厚さがコアのそれと比べて大幅に小さいからである。したがって、シールド16に関連した線形共振モードは、所望の共振モードから切り離すことが可能である。
アンテナは、500MHz以上の主要共振周波数を有する。この共振周波数は、アンテナ素子の有効電気的長さによって決定され、より少ない程度でアンテナ素子の幅によって決定される。アンテナ素子の長さは、所定の共振周波数において、コア材料の相対誘電率にも依存する。空心のクアドリフィラー型アンテナの場合は、アンテナの寸法は大幅に低減される。
アンテナコア12として好ましい材料の1つは、ジルコニウム・スズ・チタン酸塩をベースにした材料である。この材料は、上記の相対誘電率36を有し、温度変動に対して寸法安定性および電気的安定性を有するものとしても知られている。誘電損失は、無視できる。コアは、押し出し成形または加圧成形によって作成されてよい。
アンテナは、1575MHzでのLバンドGPS受信にとりわけ適している。この場合は、コア12は、約10mmの直径を有し、縦方向に延びるアンテナ素子10A〜10Dは、約12mmの平均縦長さ(すなわち、中心軸に平行な長さ)を有する。1575MHzでは、導電性スリーブ20の長さは、通常およそ5mmである。アンテナ素子10A〜10Dの正確な寸法は、設計段階において、所要の位相差を得られるまで固有遅延測定に取り組むことによって、試行錯誤を経て決定することができる。給電構造の直径は、およそ2mmである。
次に、給電構造の詳細が説明される。図1および図3に示されるように、外部シールド16は、その遠端に、横方向に外向きに延びる一体的な接続部材を、放射状タブ16Aの形態で有する。シールド16の管体およびタブ16Aは、図3Aに示されるように、一体構造の一部品として一体的に形成される。この実施形態では、タブ16Aを含むシールド16は、導電性材料をめっきされた成形プラスチック部品である。すなわち、少なくとも、シールド部品の棒状部分の外表面およびタブ16Aの近端表面は、導電的にめっきされ、導電性シールドおよび関連の接続部材を形成する。シールド16は、また、その遠端部分16Dに、外向きの切り抜き16Cを有し、この切り抜き16Cは、中心軸を中心として、タブ16Aと反対を向いている。絶縁層17は、図3Bに示されるように、単純なプラスチック管として形成され、シールド部品16の中央の穴の中における締り嵌めであるように寸法を決定される。その長さは、シールド部品16の内部に配置されたときに、一端はシールド部品の遠端より僅かに短いが、もう一端はシールド16の近端から突き出る長さである。
図1,2,3,3Cに示されるように、導電性の内部部品18は、縦に割り込みを入れられた管であって、弾力性の導電性材料で作成される。管の外径は、圧縮されて絶縁層17に挿入されたときに、絶縁層17を形成する管の内壁を把持して締り嵌めされるように、絶縁層17の内径より大きく形成される。内部部品18は、また、その遠端に、横方向に外向きに延びる単一の接続部材18Aを有する。図1および図3に示されるように、この接続部材は、放射状のタブであり、組み立てられた際に、シールドのタブ16Aの突出方向と180度反対の方向に給電構造の軸から放射状に外向きに突出するように、シールド16の切り抜き16Cに収容される。タブ16A,18Aは、給電構造がアンテナコア12の穴に挿入されたときに、絶縁性スリーブ19に跨がって、更に、アンテナ素子構造の対応する接続部分に重なるのに十分な長さである。近端表面、すなわち給電構造のもう一端の方を向く表面は、同一平面上にあるので、給電構造が穴12Bに挿入されたときに、これらの両表面は、共に接続部分を支持する。
図3Dに示されるように、給電構造の外部スリーブ19は、コアの穴12Bの直径に一致する全外径と、シールド16の直径に一致する内径とを有する誘電性の管である。図3および図3Dに示されるように、スリーブ19の端部は、外側にうねを形成されている。これらのうね19Rは、給電構造が穴12Bに挿入されたときに変形し、穴12Bの壁を把持することによって、給電構造を穴の中に安定して装着させる。スリーブ19は、シールド16とコア12の内側表面との間に間隔をあけるためのスペーサとして機能する。スリーブ19は、図2および図3に示されるように、シールドのタブ16Aの近端表面に押し付けられたときに、シールド部品16の近端部分を露出させた状態で残すために、シールド部品16よりも短い長さを有する。
給電構造は、アンテナコア12に挿入される前に、一ユニットに組み立てられる。給電構造を、一体的な接続部材、すなわちタブ16A,18Aを含む一部品として形成すれば、給電構造の導入を、(i)穴12Bに単一の給電構造を滑り込ませる、および(ii)露出されたシールド16の近端部分に導電性のフェルール(不図示)を嵌め合わせる、2つの動作で実施することができるので、アンテナの組み立て費用を大幅に削減することができる。フェルールは、シールド部品16への押し込み嵌めである、またはシールド部品16に圧着される。給電構造がコアに挿入される前に、コア12の遠端面12D上にあるアンテナ素子構造の接続部分と、穴12Bの各端に直接隣接するめっき22とは、はんだペーストを塗布されることが好ましい。したがって、上記の工程(i)および(ii)の完了後は、組み立て品をはんだリフロー炉に通すことができる、または、レーザはんだ付けまたはホットエアはんだ付けなど一はんだ付け工程としての代替のはんだ付けプロセスを、組み立て品に対して実施することができる。
給電構造は、代替の実施形態をとることが可能である。例えば、空隙によってシールドを穴12Bの壁から隔てて、シールド部品16の例えば両端に一体的に形成されたスペーサで穴12Bの壁を支えるなどすることによってシールドを機械的に支持してよい。あるいは、穴12Bの壁から内向きに突出したスペーサを伴うようにコアを形成し、シールド16の外表面を支えさせてもよい。更に別の代替の形態では、電気的効果の無視できる絶縁性リングを給電構造に含ませて、シールド16を取り囲ませてよい。
露出されたシールド16の近端部分に嵌め合わせるための上記のフェルールは、アンテナを接続する構造に応じて様々な形態をとってよい。とりわけ、フェルールの形状および寸法は、アンテナを接続する機器の接地導体が標準的同軸コネクタキット、プリント回路基板層、または導電性平面などのいずれの一部を構成するかに応じ、これらの接地導体と合わさるように可変である。
内部導体18は、弾力性の導電性材料で作成され割り込みを入れられた管の形態に代わり、図4に示されるように、クランク状に曲げられた遠端部分を有する平易な棒として形成してよく、図中、クランク状に曲げられた遠端部分は18Cで示され、シールド16のタブ16Aの近端接続表面と同一平面上にある近端接続表面を有する接続部材を形成している。内部導体棒18は、導電的にめっきされた一プラスチック部品の形態をとることが好ましく、その外径は、内部導体18とシールド16との間の管状絶縁体に締り嵌めされる、または押し込み嵌めされる大きさである。
本発明にしたがった給電構造を含む誘電体装荷クアドリフィラー型アンテナの等角投影上面図である。 図1のアンテナの等角投影底面図であり、アンテナの下端に露出された給電構造の一部を示している。 図1および図2に示されたアンテナの給電構造の側面図である。 図3に示された給電構造の外部シールド部品、管状絶縁体、内部導体、および誘電性スリーブの等角投影図である。 図3に示された給電構造の外部シールド部品、管状絶縁体、内部導体、および誘電性スリーブの等角投影図である。 図3に示された給電構造の外部シールド部品、管状絶縁体、内部導体、および誘電性スリーブの等角投影図である。 図3に示された給電構造の外部シールド部品、管状絶縁体、内部導体、および誘電性スリーブの等角投影図である。 本発明にしたがった代替の給電構造を含む誘電体装荷クアドリフィラー型アンテナの等角投影図である。

Claims (29)

  1. 誘電体装荷アンテナの絶縁性コアの通路の中に滑り装着される単一のアンテナ給電構造であって、
    管状の外部シールド導体と、
    前記外部シールド導体を通る、該外部シールド導体から絶縁された細長い内部導体と、
    前記通路の端に隣接する前記アンテナコア上の第1の導体との接続のために、前記内部導体の遠端から第1の近端向きの導電性表面部分へと外向きに延びる第1の横方向の接続部材と、
    前記通路の端に隣接する前記アンテナコア上の第2の導体との接続のために、前記外部シールド導体の遠端から第2の近端向きの導電性表面部分へと外向きに延びる第2の横方向の接続部材と、
    の単一の組み合わせを備える単一の給電構造。
  2. 請求項1に記載の単一の給電構造であって、
    前記接続部材は、前記内部導体と前記第1の近端向きの導電性表面部分との間および前記外部シールド導体と前記第2の近端向きの導電性表面部分との間にそれぞれ常時的な電気的接続を形成するように、前記内部導体および前記外部シールド導体とそれぞれ一体化している、単一の給電構造。
  3. 請求項2に記載の単一の給電構造であって、
    前記内部導体と前記第1の接続部材とは一体的に形成される、単一の給電構造。
  4. 請求項2または3に記載の単一の給電構造であって、
    前記外部シールド導体と前記第2の接続部材とは一体的に形成される、単一の給電構造。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の単一の給電構造であって、
    前記近端向きの導電性表面部分は同一平面上にある、単一の給電構造。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の単一の給電構造であって、
    前記接続部材は、前記内部導体および前記外部シールド導体の共通の軸から相対する方向に放射状に延びる、概して平面状の導体を含む、単一の給電構造。
  7. 請求項6に記載の単一の給電構造であって、
    前記接続部材は、前記軸から互いに180度反対の方向に外向きに放射状に突出する導電性のタブを含む、単一の給電構造。
  8. 請求項1から7のいずれかに記載の単一の給電構造であって、
    前記外部シールド導体の外壁を前記通路の壁から隔てるための手段を備える単一の給電構造。
  9. 請求項8に記載の単一の給電構造であって、
    前記隔離手段は、前記通路の壁を把持するための変形素子を含む、単一の給電構造。
  10. 請求項8に記載の単一の給電構造であって、
    前記隔離手段は、前記通路の壁を把持するための、前記給電構造の各端に隣接する変形素子を含む、単一の給電構造。
  11. 請求項8から10のいずれかに記載の単一の給電構造であって、
    前記隔離手段は、前記外部シールド導体の周囲に嵌め合わされた絶縁性スリーブを含む、単一の給電構造。
  12. 請求項1に記載の単一の給電構造であって、
    前記外部シールド導体および前記内部導体は、横方向に延びる一体的な一接続部材をそれぞれ有し、前記接続部材は、互いと反対の方向にそれぞれ延びる、単一の給電構造。
  13. 請求項1から12のいずれかに記載の単一の給電構造であって、
    前記外部シールド導体と前記内部導体との間に管状の絶縁体を備え、該絶縁体は、所定の相対誘電率を有する材料で作成される、単一の給電構造。
  14. 請求項13に記載の単一の給電構造であって、
    前記外部シールド導体は、前記管状の絶縁体の外側にめっきされた導電層である、単一の給電構造。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載の単一の給電構造であって、
    5〜15オームの範囲の特性インピーダンスを有する単一の給電構造。
  16. 誘電体装荷アンテナを製造する方法であって、
    外表面上に導電性のアンテナ素子を有する誘電性のアンテナコアであって、該アンテナ素子は、該アンテナコアを通る通路の端に隣接して関連の接続部分を有する、誘電性のアンテナコアを用意する工程と、
    単一の給電構造であって、筒状の外部シールド導体と、該外部シールド導体から絶縁された形で該外部シールド導体を通って延びる細長い内部導体と、前記給電構造の軸からそれぞれ外向きに延び、該外部シールド導体および該内部導体の遠端部分にそれぞれ電気的に結合された近端向きの導電性表面部分を提供する横方向の接続部材と、を含む単一の給電構造を用意する工程と、
    前記給電構造を一ユニットとして前記アンテナコアの中の前記通路に挿入することによって、前記近端向きの導電性表面部分を前記アンテナコア上の前記接続部分と係合させる工程と、
    前記接続部材を前記係合部分に導電的に接合させる工程と、
    を備える方法。
  17. 請求項16に記載の方法であって、
    前記給電構造を前記通路の一端から該通路に挿入する工程は、該通路のもう一端で前記外部シールド導体を露出させ、
    前記方法は、更に、前記外部シールド導体の前記露出部分を前記アンテナコアの前記外表面上の接地導体に導電的に接合させる工程を備える、誘電体装荷アンテナを製造する方法。
  18. 請求項16または17に記載の方法であって、
    前記横方向に外向きに延びる接続部材を前記対応する接続部分に導電的に接合させる工程は、同時的に生じる、誘電体装荷アンテナを製造する方法。
  19. 請求項18に記載の方法であって、
    前記接合させる工程は、ホットエアはんだ付けまたはリフロー炉はんだ付けによって実施される、誘電体装荷アンテナを製造する方法。
  20. 請求項16から19のいずれかに記載の方法であって、
    前記通路に前記給電構造が挿入される前に、前記接続部分にはんだが塗布される、誘電
    体装荷アンテナを製造する方法。
  21. 誘電体装荷アンテナを組み立てるための部品一式であって、
    外表面上に導電性のアンテナ素子を有する誘電性のアンテナコアであって、該アンテナ素子は、該アンテナコアを通る通路の遠端に隣接して関連の接続部分を有する、誘電性のアンテナコアと、
    前記アンテナコアの通路の中に該通路の遠端から滑り装着されるように寸法を決定された単一のアンテナ給電構造であって、管状の外部シールド導体と、前記外部シールド導体から絶縁された形で該外部シールド導体を通って延びる細長い内部導体と、それぞれ前記外部シールド導体および前記内部導体の遠端から外向きに延びる第1および第2の横方向の接続部材と、を含む単一のアンテナ給電構造と、
    を備える部品一式。
  22. 請求項21に記載の部品一式であって、
    前記横方向の接続部材は、前記単一のアンテナ給電構造が前記通路の中に装着されたときに前記アンテナコア上の対応する前記アンテナ素子の接続部分に係合するように配置された、露出した近端向きの導電性外表面部分を有する、放射状に延びる導体をそれぞれ含む、部品一式。
  23. 請求項22に記載の部品一式であって、
    前記導電性表面部分は同一平面上にある、部品一式。
  24. 請求項21から23のいずれかに記載の部品一式であって、
    前記給電構造は、前記外部シールド導体の外壁を前記通路の壁から隔てるためのスペーサを含む、部品一式。
  25. 請求項21から24のいずれかに記載の部品一式であって、
    前記アンテナコアは、5を超える相対誘電率を有するセラミック材料で作成された円筒体を含み、
    前記アンテナ素子の前記接続部分は、前記アンテナコアの端面上で前記通路の端に隣接して配置され、
    前記給電構造は、前記通路に挿入されたときに、前記通路の反対側の端から前記管状の外部シールド導体の端部を露出させることによって、前記横方向に外向きに延びる接続部材を前記アンテナ素子の接続部分の少なくとも1つに接触させるように寸法を決定される、部品一式。
  26. 請求項21から25のいずれかに記載の部品一式であって、
    前記外部シールド導体および前記内部導体は、横方向に延びる一体的な一接続部材をそれぞれ有し、前記接続部材は、互いと反対の方向にそれぞれ延びる、部品一式。
  27. 請求項25に記載の部品一式であって、更に、
    前記給電構造が前記アンテナコアの中の前記通路に完全に挿入されたときに前記外部シールド導体の前記露出部分の周囲に嵌め合わさるように寸法を決定された導電性のブッシュすなわちフェラールを備える部品一式。
  28. 誘電体装荷アンテナの絶縁性コアの通路の中に滑り装着される単一のアンテナ給電構造であって、
    管状の外部シールド導体と、該外部シールド導体を通る、該外部シールド導体から絶縁された細長い内部導体と、の単一の組み合わせを備え、
    前記外部シールド導体は、前記通路の端に隣接する前記アンテナコア上の導体との接続
    のために、その一端に、横方向に外向きに延びる一体的な接続部材を有する、単一の給電構造。
  29. 誘電体装荷アンテナの絶縁性コアの通路の中に滑り装着される単一のアンテナ給電構造であって、
    管状の外部シールド導体と、該外部シールド導体を通る、該外部シールド導体から絶縁された細長い内部導体と、の単一の組み合わせを備え、前記細長い内部導体は、給電構造軸を定め、
    前記単一の給電構造は、更に、アンテナコア上の各導体に係合するために前記軸から横方向に間隔をあけて設けられた露出された近端向きの導電性表面部分を有する導電性の接続素子を含む遠端部分を備え、該接続素子は、前記給電構造が前記通路の中に装着されたときに、前記外部シールド導体および前記内部導体を前記アンテナコア上の前記導体に電気的に結合させるように構成される、単一の給電構造。
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