JP2008515803A - 哺乳動物における細胞死または炎症を阻害する方法 - Google Patents

哺乳動物における細胞死または炎症を阻害する方法 Download PDF

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Abstract

1つの局面において、本発明は、哺乳動物における細胞死または炎症を阻害するための方法を提供し、この方法は、各々、哺乳動物における細胞死または炎症を阻害するのに十分な量で、Bclタンパク質をその哺乳動物に投与する工程を包含する。本発明はまた、哺乳動物に投与される場合に、細胞死または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するための方法を提供する。本発明のこの局面の方法は、例えば、哺乳動物において、細胞死(例えば、虚血−再灌流傷害)に関係する傷害もしくは疾患を処置するために、および/または、哺乳動物において、炎症(例えば、喘息)に関係する傷害もしくは疾患を処置するために使用され得る。

Description

(発明の分野)
本発明は、細胞死および/または炎症を阻害するために外因的に投与されたタンパク質(例えば、Bcl−2タンパク質)の使用に関する。
(発明の背景)
プログラム細胞死は、哺乳動物の発達の正常かつ必要な部分である。例えば、ヒトの胎児における個々の指の発達は、その指の発達の間に組織のプログラム細胞死を必要とする。しかしながら、プログラム細胞死を生じる生物化学的プロセスは、種々の疾患および傷害により引き起こされ得る。例えば、プログラム細胞死は、外傷性傷害、脳卒中、心筋梗塞、臓器移植ならびに腸間膜疾患および末梢血管疾患により引き起こされ得る。このプログラム細胞死はさらに、傷ついた生物、または罹患した生物の健康を蝕む。
疾患および傷害の上記の型の各々は、代表的には、以前に遮られた血流が、生組織に回復する場合に生じる幾つかの虚血および再灌流傷害を含む。例えば、冠状動脈のブロックは、その心臓組織への血液供給の一時的な不足に起因する心筋の死を引き起こし得る。さらなる筋肉は、血流が血栓溶解剤の投与により心筋に回復される場合に死に得る。
慢性炎症および急性炎症もまた、哺乳動物において生細胞を損傷、または殺し得る。例えば、肺気腫に関連する炎症は、時間をかけて肺の損傷を引き起こし得る。炎症は、プログラム細胞死を引き起こし得、または幾つかの他のメカニズムにより生組織を損傷し得る。したがって、哺乳動物における細胞死および/または炎症を阻害する方法および組成物に対して継続的な必要性が存在する。
(発明の要旨)
上記に基づき、1つの局面において、本発明は、哺乳動物における細胞死および/または炎症を阻害するための方法を提供し、その方法は、各々、哺乳動物における細胞死および/または炎症を阻害するために十分な量でBclタンパク質をその哺乳動物に投与する工程を包含する。本発明のこの局面の方法は、例えば、哺乳動物において、細胞死(例えば、虚血−再灌流傷害)に関係する傷害もしくは疾患を処置するために、および/または、哺乳動物において、炎症(例えば、喘息)に関係する傷害もしくは疾患を処置するために使用され得る。本発明のこの局面の方法はまた、例えば、細胞死および/または炎症の発症を防止、または遅延するために、哺乳動物を予防的に処置するために使用され得る。
別の局面において、本発明は、哺乳動物に投与される場合に、細胞死および/または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するための方法を提供し、本発明のこの局面の方法は、各々、複数のタンパク質をスクリーニングして、哺乳動物に投与される場合に細胞死および/または炎症を阻害するBclタンパク質を同定する工程を包含する。本発明のこの局面の方法は、例えば、哺乳動物に投与される場合に細胞死および/または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するために使用され得、そして哺乳動物において細胞死および/または炎症に関連する傷害または疾患を処置するために使用され得る。
さらなる局面において、本発明は、哺乳動物に投与される場合に細胞死および/または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するための方法を提供し、本発明のこの局面の方法は、各々、ある実験から入手されるデータを分析する工程を包含し、ここで複数のタンパク質がスクリーニングされて、哺乳動物において細胞死および/または炎症を阻害するBclタンパク質が同定される。本発明のこの局面の方法は、例えば、哺乳動物に投与される場合に細胞死および/または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するために使用され得、そして哺乳動物において、細胞死および/または炎症に関連する傷害または疾患を処置するために使用され得る。
本発明の上述の局面および多くの付随する利益は、添付の図面と併せて解される場合に、以下の詳細な説明を参照してそれらがより良く理解されるときよりも容易に理解される。
1つの局面において、本発明は、哺乳動物における細胞死を阻害および/または哺乳動物における炎症を阻害するための方法を提供する。これらの方法の各々は、哺乳動物における細胞死および/または炎症を阻害するのに十分な量でBclタンパク質を哺乳動物に投与する工程を包含する。
哺乳動物における細胞死の阻害は、哺乳動物における細胞死の完全な阻害または部分的な阻害を含む。哺乳動物における炎症の阻害は、哺乳動物における炎症の完全な阻害または部分的な阻害を含む。
本発明の方法は、任意の哺乳動物(例えば、霊長類(例えば、ヒト)、イヌ属の哺乳動物(例えば、飼いイヌ)、ネコ属の哺乳動物(例えば、飼いネコ)、ウシ、ヒツジ、ウマ、ヤギおよびブタ)で行われ得る。
本発明の実施において、1つ以上の型のBclタンパク質は、細胞死に罹患している(例えば、細胞死を引き起こす疾患に罹患しているか、または細胞死を引き起こす医学的処置を受けているか、または細胞死を引き起こす傷害に罹患している)哺乳動物に投与され得る。細胞死を引き起こす疾患、または医学的処置の例としては、脳卒中、心筋梗塞、心停止、急性冠状動脈症候群/不安定狭心症、心肺バイパス移植術、外傷性ショック、臓器移植、腸間膜疾患、網膜疾患および末梢血管疾患、熱傷、凍傷、四肢および指の再移植、外傷性脳傷害、てんかん重積持続状態、パーキンソン病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症、アルツハイマー病、黄斑変性症、急性頭蓋内出血、急性腎不全、急性肺傷害/成人呼吸促迫症候群、敗血症、髄膜炎、急性虚血性肝臓傷害またはアルコール性肝臓傷害、シェーグレン症候群、放射線誘発腸炎および放射線骨髄不全が挙げられる。
本発明の実施において、1つ以上の型のBclタンパク質は、炎症に罹患している(例えば、炎症性疾患に罹患しているか、または炎症を引き起こす傷害に罹患しているか、または炎症を引き起こす医学的処置を受けている)哺乳動物に投与され得る。炎症性疾患の例としては、ぜんそく、クローン病、潰瘍性大腸炎、肝炎(例えば、ウイルス性慢性肝炎)、乾癬、アトピー性皮膚炎、天疱瘡、糸球体腎炎、アテローム性動脈硬化症、類肉腫症、関節リウマチ、乾癬性関節炎、硬直性脊椎炎、ウェグナー症候群、グッドパスチャー症候群、巨細胞性動脈炎、結節性多発性動脈炎、特発性肺胞線維症、急性肺傷害、慢性閉塞性肺疾患、インフルエンザ後肺炎、SARS、結核、マラリア、敗血症、脳マラリア、シャーガス病、住血吸虫症、細菌性髄膜症およびウイルス性髄膜症、嚢胞性線維症、多発性硬化症、アルツハイマー病、脳脊髄炎、鎌型赤血球貧血症、膵臓炎、移植(例えば、造血幹細胞または臓器のような移植組織の宿主媒介性拒絶、移植片媒介性の宿主反応(例えば、対宿主性移植片病))、全身性エリテマトーデス、自己免疫性糖尿病、甲状腺炎および放射性肺炎が挙げられる。
さらに、本発明の実施において、1つ以上の型のBclタンパク質は、炎症性疾患にも、細胞死と関連した疾患にも罹患していない哺乳動物に投与され得る。例えば、1つ以上の型のBclタンパク質は、細胞死もしくは炎症の発症を予防するか、または細胞死もしくは炎症の発症の可能性を減少させるか、あるいはその後起こり得る細胞死および/もしくは炎症の重篤度を軽減するために、哺乳動物に予防的に投与され得る。哺乳動物は、細胞死および/または炎症を引き起こし得る疾患に罹患している可能性があり、上記Bclタンパク質は、細胞死もしくは炎症の発症を予防するか、または細胞死もしくは炎症の発症の可能性を減少させるか、あるいはその後起こり得る細胞死および/もしくは炎症の重篤度を軽減するために投与される。例えば、ヒト患者の以下のカテゴリーは、
細胞死もしくは炎症の発症を予防するか、または細胞死もしくは炎症の発症の可能性を減少させることに対して恩恵を受け得る:脳卒中の危険性のある一過性の虚血性発作に罹患している患者、心筋梗塞の危険性のある不安定狭心症を有する患者、多臓器不全の危険性のある外傷または熱傷を有する患者、および術後臓器不全の危険性のある心肺バイパス移植術を受けている患者。
本明細書中で使用される「Bclタンパク質」という用語は、哺乳動物に投与した場合にその哺乳動物における細胞死を阻害する、および/または哺乳動物に投与した場合に哺乳動物における炎症を阻害するタンパク質を指し、このBclタンパク質は、以下のタンパク質群(群(a)から(g)として識別される)の少なくとも1つのメンバーである。
群(a):配列番号1:
Figure 2008515803
に示されるアミノ酸配列と、少なくとも35%同一(例えば、少なくとも40%、または少なくとも45%、または少なくとも50%、または少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%同一)であるアミノ酸配列を含むタンパク質。
配列番号1に示されるアミノ酸配列は、タンパク質のBcl−2ファミリーのメンバーについてのBclドメインに関する共通配列である。
群(b):少なくとも12個のアミノ酸を含むタンパク質であって、配列番号2(GenBankアクセッション番号AAH27258)に示されるアミノ酸配列からなるBcl−2タンパク質のセグメントと、少なくとも50%類似(例えば、少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%類似)であるタンパク質。幾つかの実施形態において、このタンパク質は、以下のBcl−2タンパク質のセグメント:TGYDNREIVMKYIHYKLSQRGYEWD(配列番号3)と少なくとも50%類似である。幾つかの実施形態において、このタンパク質は、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなるBcl−2タンパク質のセグメントと、少なくとも50%同一(例えば、少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%同一)である。タンパク質のBcl−2クラスは、細胞死を阻害する細胞内細胞質タンパク質である(例えば、J.M.AdamsおよびS.Cory、Science、August 28、1998、281:1322−1326;S.Coryら、Oncogene、2003、22:8590−8607を参照のこと)。
群(c):少なくとも12個のアミノ酸を含むタンパク質であって、A−1タンパク質(Bfl−1タンパク質としても称される)のセグメントと、少なくとも50%類似(例えば、少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%類似)であり、ここでそのA−1タンパク質が、配列番号4(GenBankアクセッション番号AAC50438)に示されるアミノ酸配列からなる、タンパク質。幾つかの実施形態においては、このタンパク質は、以下のA−1タンパク質のセグメント:FGYIYRLAQDYLQCVLQIPQPGSGPSKTSR(配列番号5)と少なくとも50%類似である。幾つかの実施形態において、このタンパク質は、配列番号4に示されるアミノ酸配列からなるA−1タンパク質のセグメントと、少なくとも50%同一(例えば、少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%同一)である。A−1タンパク質は、Bcl−2の相同体であり、アポトーシスを阻害する細胞内細胞質タンパク質である(例えば、Karsanら、Blood、April 15、1996、87:(8):3089−3096;S.S.Choiら、Mammalian Genome、1997、8:781−782を参照のこと)。
群(d):少なくとも12個のアミノ酸を含むタンパク質であって、Bcl−Xタンパク質のセグメントと、少なくとも50%類似(例えば、少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%類似)であり、ここでそのBcl−Xタンパク質が、配列番号6(GenBankアクセッション番号Q07817)に示されるアミノ酸配列からなる、タンパク質。幾つかの実施形態において、このタンパク質は、以下のBcl−Xタンパク質のセグメント:MSQSNRELVVDFLSYKLSQKGYSWSQF(配列番号7)と少なくとも50%類似である。幾つかの実施形態において、このタンパク質は、配列番号6に示されるアミノ酸配列からなるBcl−Xタンパク質のセグメントと、少なくとも50%同一(例えば、少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%同一)である。Bcl−Xタンパク質は、Bcl−2の相同体であり、アポトーシスを阻害する細胞内細胞質タンパク質である(例えば、L.H.Boiseら、August 27、1993、Cell、74(4):597−608を参照のこと)。
群(e):少なくとも12個のアミノ酸を含むタンパク質であって、配列番号8(GenBankアクセッション番号AAB09055)に示されるBcl−Wタンパク質のセグメントと、少なくとも50%類似(例えば、少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%類似)である、タンパク質。幾つかの実施形態において、このタンパク質は、以下のBcl−Wタンパク質のセグメント:SAPDTRALVADFVGYKLRQKGYVC(配列番号9)と少なくとも50%類似である。幾つかの実施形態において、このタンパク質は、配列番号8に示されるアミノ酸配列からなるBcl−Wタンパク質のセグメントと、少なくとも50%同一(例えば、少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%同一)である。Bcl−Wタンパク質は、Bcl−2の相同体であり、アポトーシスを阻害する細胞内細胞質タンパク質である(例えば、L.Gibsonら、Ongene、August 15、1996、13(4):665−675を参照のこと)。
群(f):少なくとも12個のアミノ酸を含むタンパク質であって、Mcl−1タンパク質のセグメントと少なくとも50%類似(例えば、少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%類似)であり、ここでそのMcl−1タンパク質が、配列番号10(GenBankアクセッション番号AAF64255)に示されるアミノ酸配列からなる、タンパク質。幾つかの実施形態において、このタンパク質は、以下のMcl−1タンパク質のセグメント:DLYRQSLEIISRYLREQATG(配列番号11)と少なくとも50%類似である。幾つかの実施形態において、このタンパク質は、配列番号10に示されるアミノ酸配列からなるMcl−1タンパク質のセグメントと、少なくとも50%同一(例えば、少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%同一)である。Mcl−1タンパク質は、Bcl−2の相同体であり、アポトーシスを阻害する細胞内細胞質タンパク質である。
群(g):以下のアミノ酸配列:PRLDIRGLVVDYVTYKLSQNGYEW(配列番号12)からなるBH4ドメインと少なくとも50%類似(例えば、少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%類似)であるタンパク質。幾つかの実施形態において、このタンパク質は、配列番号12に示されるアミノ酸配列からなるBH4ドメインと少なくとも50%同一(例えば、少なくとも55%、または少なくとも60%、または少なくとも65%、または少なくとも70%、または少なくとも75%、または少なくとも80%、または少なくとも85%、または少なくとも90%、または少なくとも95%、または少なくとも96%、または少なくとも97%、または少なくとも98%、または少なくとも99%同一)である。BH4(Bcl−2相同性ドメイン4)は、Bcl−2、Bcl−XおよびBcl−Wタンパク質で見出されるN末端ドメインである。配列番号12に示されるアミノ酸配列は、タンパク質のBcl−2ファミリーのBH4ドメインに対する共通配列である。
本明細書中で使用される「タンパク質」という用語は、少なくとも12個のアミノ酸を有するタンパク質を含む。
本発明の実施に有用であるタンパク質との関連で本明細書中において使用される、「セグメント」という用語は、少なくとも12個の隣接アミノ酸をいい、そして、タンパク質の完全なアミノ酸配列を含み得る。
2つのタンパク質配列の文脈における配列同一性(代表的には、同一性パーセントとして表される)は、その2つの配列が特定の比較窓にわたって最大限の一致のために整列された場合に、同じであるその2つの配列中のアミノ酸残基の数をいう(例えば、2つのタンパク質配列が整列され、各タンパク質が100個のアミノ酸を有し、そして、第1配列におけるアミノ酸のうちの75個が第2配列におけるアミノ酸のうちの75個と同じである場合、同一性パーセントは75%である)。本明細書中で提供される配列同一性値は、以下のパラメータを用いるGAP(例えば、GCGプログラム(Accelry、Inc.、San Diego、Calif)10型)を使用して入手した値をいう:GAP重み付け 50および長さの重み付け 3を用いる同一性パーセント。候補タンパク質および参照タンパク質の全アミノ酸配列が比較される。GAPは、Needleman&Wunsch、J.Mol.Biol.、1970、48:443−53のアルゴリズムを使用して、一致の数を最大限にし、かつギャップの数を最小限にする2つの完全配列のアラインメントを見つける。GAPと等価な方法が使用され得る。「等価な方法」という用語は、GAPにより生成された対応するアラインメントと比べた場合に、問題となる任意の2つの配列について、同一のアミノ酸残基の一致および同一の配列同一性パーセントを有するアラインメントを生成する配列比較プログラムのような、任意の配列比較方法をいう。
配列類似性は、比較された2つのタンパク質配列の関連性の程度の統計学的尺度である。類似性パーセントは、化学的類似性(例えば、比較されるアミノ酸が、酸性、塩基性、疎水性、芳香族などであるかどうか)に基づいて比較される各アミノ酸対に対して数値を与えるコンピュータプログラムおよび/または比較されるアミノ酸対のうちの一方のメンバーをコードするコドンを、その対の他方のメンバーをコードするコドンに変換するために必要な塩基対変化の最小数により測定されるような進化距離によって計算される。2つの配列の最適アラインメントが、すべての可能性のあるアラインメントの反復比較によって実験的になされた後、計算がなされる。(例えば、Henikoff、S.およびHenikoff、J.G.、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、1992、89:10915−10919を参照のこと)。例えば、配列類似性は、完全なアラインメントのためのClustalWアラインメントプログラムを用いて、シングルCPUモードで、GONNETマトリックス、ギャップ開始ペナルティ 100、ギャップ終了ペナルティ −1、ギャップ伸長ペナルティ 0.2およびギャップ分離ペナルティ 4を用いて決定され得る。整列した配列において、類似性は、2つのアミノ酸が同一であるか、または保存的置換を有するか、または半保存的置換を有するとして定義される。例えば、ClustalWアラインメントプログラムは、European Bioinformatics Institute、Wellcome Trust Genome Campus、Hinxton、Cambridge、CB10 1SD、U.K.のウェブページにてインターネットで入手可能である。
本発明の実施に有用な、Bcl−2タンパク質のアミノ酸配列の代表的な例は、以下のアクセッション番号:
Figure 2008515803
(同定されたBcl−2タンパク質の各アミノ酸配列は、本明細書に参考として援用される)下、the Ntional Center for Biotechnology Information、U.S.National Library of Medicine(8600 Rockville Pike、Bethesda、Maryland20894)のEntrezサーチツールを通じてアクセス可能なタンパク質データベースに示されている。
例えば、Bclタンパク質は、天然に存在するBclタンパク質、非天然アミノ酸を組み込み得る合成Bclタンパク質、およびBcl融合タンパク質(タンパク質、ペプチド、アミノ酸配列もしくは他の化学構造体がBclタンパク質の一部(例えば、N末端またはC末端)に結合している)を含む。Bclタンパク質に融合され得るタンパク質、または化学構造体の代表的な例としては、以下:ヒト血清アルブミン、免疫グロブリン、ポリエチレングリコール、または他のタンパク質もしくは化学構造体(例えば、Bclタンパク質の血清半減期を増加させるか、またはBclタンパク質の効力を増加させるか、またはBclタンパク質の免疫原性を減少させるもの)が挙げられる。
哺乳動物における細胞死を阻害する、および/または哺乳動物における炎症を阻害するBclタンパク質の能力は、例えば、虚血−再灌流傷害に供される哺乳動物において評価され得る。例えば、以下のマーカーおよび/またはアッセイのうちの1つ以上が、虚血−再灌流傷害に供される哺乳動物において細胞死および/または炎症を阻害するBclタンパク質の能力を評価するために使用され得る:1.炎症および/または細胞死の阻害は、骨格筋の虚血−再灌流傷害後の、哺乳動物の血漿または血清におけるクレアチンキナーゼ濃度の減少によって示される(例えば、本明細書中の実施例9、およびIwata、Aら、Blood、2002、100:2077を参照のこと);2.炎症および/または細胞死の阻害は、哺乳動物の心臓または哺乳動物脳の虚血−再灌流後の、梗塞サイズの減少によって示される(例えば、本明細書中の実施例10、およびPalazzo、A.J.、Am.J.Physol.、1998、275:H2300;Piot、C、Circulation、1997、96:1598を参照のこと);3.炎症および/または細胞死の阻害は、哺乳動物の腎臓の虚血−再灌流後の、血中尿素窒素(BUN)および/またはクレアチンの減少によって示される(例えば、Daemen、M.、J.Clin.Invest.、1999、104:541;Vukicevic、S.、J.Clin.Invest.、1998、102:202を参照のこと);4.炎症および/または細胞死の阻害は、哺乳動物の肝臓の虚血−再灌流後の、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)および/またはアラニントランスフェラーゼ(ALT)の減少によって示される(例えば、Cursio、R.、FASEB J.、1999、13:253を参照のこと);5.炎症および/または細胞死の阻害は、哺乳動物の肺の虚血−再灌流後の、動脈酸素量の改善によって示される;6.炎症および/またはアポトーシスの阻害は、哺乳動物の肺の虚血−再灌流後の、肺水腫の減少によって示される(例えば、Kowalski、T.F.、J.Appl.Physiol.、1990、68:125);7.細胞死の阻害は、虚血−再灌流傷害に供される組織(例えば、骨格筋、心臓、脳、肺、腸、腎臓、または肝臓)における細胞死のマーカーの減少(例えば、末端デオキシヌクレオチジルトランスフェラーゼ末端標識(TUNEL)により評価される減少したDNA鎖切断、減少したカスパーゼ活性化、細胞表面のホスファチジルセリンの増加した発現、電気泳動後の180〜200塩基対の減少したDNAラダー)によって示される(例えば、Iwataら、Blood、2002、100:2077;Piot、C.、Circulation、1997、96:1598;Namura、S.、J.Neurosci.、1998、18:3659;Noda、T.、Am.J.Physiol.、1998、274:G270;およびCursio、R.、FASEB J.、1999、13:253を参照のこと)。
Bclタンパク質の投与の結果としての炎症および/または細胞死の阻害はまた、敗血症(例えば、盲腸結紮および穿刺に起因する敗血症、細菌性肺炎に起因する敗血症、細菌性腹膜炎に起因する敗血症)に供される哺乳動物において、あるいは敗血症を促進する物質(例えば、リポ多糖類、細菌性リポタンパク質、リポテイコ酸)の注射または注入(例えば、腹膜への注射もしくは注入、肺への注射もしくは注入、皮下注射もしくは皮下注入、皮内注射もしくは皮内注入)を受ける哺乳動物において、評価され得る。Bclタンパク質の投与の結果としての炎症および/または細胞死の阻害は、敗血症を促進する物質の注射または注入による敗血症の発症後の、哺乳動物の生存の増加によって示される。
Bclタンパク質の投与は、任意の有効な経路(例えば、経口または非経口)によって達成される。非経口送達の方法としては、局部投与、動脈内投与、皮下投与、静脈内投与、または鼻腔内投与が挙げられる。Bclタンパク質は、適切な薬学的に許容可能な担体(Bclタンパク質の哺乳動物被験体への投与を促進する、賦形剤および他の化合物を含む)とともに投与し得る。製剤化および投与のための技術に関するさらなる詳説は、例えば、「Remington’s Pharmaceutical Sciences」(Maack Publishing Co、Easton、PA)の最新版において見出し得る。
経口投与のためのBclタンパク質は、経口投与に適切である投与量において、当該分野で周知の薬学的に許容可能な担体を使用して製剤化され得る。これらの担体によって、上記Bclタンパク質が、被験体による摂取に適切である錠剤、ピル、糖衣錠、カプセル、液体、ゲル、シロップ、スラリー、懸濁液などとして製剤化されることが可能になる。
経口使用のためのBclタンパク質は、所望される場合は、錠剤または糖衣錠のコアを得るために適したさらなる化合物を添加した後に、1つ以上のBclタンパク質と固体賦形剤との組み合わせを介して、必要に応じて生成した混合物を粉砕し、そしてその顆粒混合物を処理することにより、得ることができる。適切な賦形剤としては、炭水化物またはタンパク質充填剤が挙げられる。これらとしては、ラクトース、スクロース、マンニトール、またはソルビトールを含む糖、トウモロコシ、小麦、米、ジャガイモ、または他の植物由来のデンプン;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、またはナトリウムカルボキシメチルセルロースなどのセルロース;アラビアゴムおよびトラガカントゴムを含むゴム;ならびに、ゼラチンおよびコラーゲンなどのタンパク質が挙げられるが、それらに限定されない。所望される場合は、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギニン酸、またはそれらの塩(例えば、アルギン酸ナトリウム)のような分解剤または可溶化剤が添加され得る。
糖衣錠コアは、濃縮糖溶液などの適切なコーティングとともに提供される。これは、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポル(carbopol)ゲル、ポリエチレングリコールおよび/または二酸化チタン、ラッカー溶液および適切な有機溶媒または溶媒混合物もまた含み得る。染料または顔料が、製品の識別のために、または活性化合物の量(すなわち、投与量)を特徴付けるために、錠剤コーティングまたは糖衣錠コーティングに加えられ得る。
経口で使用され得るBclタンパク質は、例えば、ゼラチン製の押込嵌めカプセルとして、ならびにゼラチン製の軟質の密封されたカプセルおよびコーティング(例えば、グリセロールまたはソルビトール)として、製剤化され得る。押込嵌めカプセルは、ラクトースまたはデンプンなどの充填剤または結合剤、タルクまたはステアリン酸マグネシウムなどの潤滑剤、および必要に応じて安定剤と混合されたBclタンパク質を含み得る。軟質カプセルにおいて、このBclタンパク質は、安定化剤と一緒にか、または安定化剤なしで、適切な液体(例えば、脂肪油、液体パラフィン、または液体ポリエチレングリコール)で溶解または懸濁され得る。
非経口投与のためのBclタンパク質は、1つ以上のBclタンパク質の水溶液を含む。注射のためには、Bclタンパク質は、水溶液において、好ましくは、生理学的に適合性の緩衝液(例えば、ハンクス液、リンガー液または生理学的緩衝化生理食塩水)において製剤化し得る。水性注射懸濁液は、懸濁液の粘度を増加する物質(例えば、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ソルビトール、またはデキストラン)を含み得る。さらに、Bclタンパク質の懸濁液は、適切な油性注射懸濁液として調製され得る。適切な親油性溶媒または親油性媒体としては、ゴマ油などの脂肪油、またはオレイン酸エチルもしくはトリグリセリドのような合成脂肪酸エステル、またはリポソームが挙げられる。必要に応じて、この懸濁液は、高濃度溶液の調製を可能にする、化合物の可溶性を増加させる適切な安定剤または因子もまた、含み得る。
局所的投与または鼻内投与のために、透過されるべき特定の関門に適した浸透剤が、代表的に上記製剤において使用される。そのような浸透剤は、一般的に当該分野において公知である。
Bclタンパク質は、当該分野で認識される技術によって(例えば、慣習的な混合、溶解、顆粒化、糖衣錠作製、粉末化、乳剤化、カプセル化、封入、または凍結乾燥プロセスの手段により)、哺乳動物への投与に適した形態に調製され得る。このBclタンパク質はまた、従来の手段(例えば、コーティング)によって、適切な放出特性(例えば、徐放または標的化放出)を提供するために、改変され得る。
上記Bclタンパク質は、塩として提供され得、そして、多数の酸(例えば、塩酸、硫酸、酢酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸およびコハク酸が挙げられるが、それらに限定されない)と一緒に形成され得る。塩は、対応する遊離塩基形態よりも水性溶媒または他のプロトン性溶媒において、より可溶性である傾向がある。
受容可能な担体において製剤化されたそれらのBclタンパク質が調製された後、これらの製剤は適切な容器に入れられ、そして使用のために標識され得る。
再度、代表的な例として、Bclタンパク質は、このタンパク質を吸収し得る生体膜(例えば、鼻腔膜、胃腸膜および直腸膜)への適用によって、動物の体内に導入され得る。このタンパク質は、代表的に、透過強化剤と組み合わせて吸収膜に適用され得る。(例えば、V.H.L.Lee、Crit.Rev.Ther.Drug Carrier Syst.、1988、5:69;V.H.L.Lee、J.Controlled Release、1990、13:213;V.H.L.Lee編、Peptide and Protein Drug Delivery、Marcel Dekker、New York、1991;Deboer、A.G.ら、J.Controlled Release、1990、13:241を参照のこと)。例えば、STDHFは、フシジン酸の合成誘導体であり、胆汁酸塩と構造的に類似しているステロイド性界面活性剤であり、そして鼻内送達のための透過強化剤として使用されている(Lee、W.A.、Biopharm.Nov./Dec.22、1990)。
Bclタンパク質は、酵素分解からこのタンパク質を保護するために、脂質のような別の分子と一緒に導入され得る。例えば、ポリマーの共有結合(特に、ポリエチレングリコール(PEG))は、身体において酵素加水分解から特定のタンパク質を保護し、それによって半減期を延長するために使用されている(Fuertges、F.ら、J.Controlled Release、1990、11:139)。多数のポリマー系が、タンパク質送達のために報告されている(Bae、Y.H.ら、J.Controlled Release、1989、9:271;Hori、R.ら、Pharm.Res.、1989、6:813;Yamakawa、I.ら、J.Pharm.Sci.、1990、79:505;Yoshihiro、I.ら、J.Controlled Release、1989、10:195;Asano、M.ら、J.Controlled Release、1989、9:111;Rosenblatt、J.ら、J.Controlled Release、1989、9:195;Makino、K.、J.Controlled Release、1990、2:235;Takakura、Y.ら、J.Pharm.Sci.、1989、78:117;Takakura、Y.ら、J.Pharm.Sci.、1989、78:219)。
実際に投与される量は、処置が施さされる個体に依存し、そしてこの量は、好ましくは、有意な副作用なしに所望の効果が達成されるような、最適量である。有効投与量の決定は、十分に当業者の能力の範囲内にある。勿論、当業者は、分割された用量および部分的な用量もまた、本発明の範囲内にあることを認識する。
任意のBclタンパク質について、有効用量は、任意の適切な動物モデル(例えば、霊長類、ラットおよびモルモットならびに他の実験動物)において評価され得る。この動物モデルはまた、代表的には、所望の投与濃度範囲および投与経路を達成するために使用される。次いで、そのような情報は、ヒトまたは他の哺乳動物における投与のための有用な投与量および経路を決定するために使用する。
Bclタンパク質の治療的有効性および可能性のある毒性は、実験動物において標準的な薬学的手順により決定され得る(例えば、集団の50%において治療的に有効な投与量であるED50;および集団の50%に致死的な投与量であるLD50)。治療効果と毒性効果との間の用量比が治療指数であり、そしてこの治療指数は、ED50/LD50の比で表現され得る。大きな治療指数を示すBclタンパク質が好ましい。動物研究から得られたデータは、ヒトまたは他の哺乳動物における使用のための投与量の範囲を規定するのに使用される。そのような化合物の用量は、ほとんど毒性がないかまたは全く毒性がないED50を含む循環濃度の範囲内にあることが好ましい。この用量は、代表的に、使用される投与形態、患者の感受性および投与経路に依存して、上記範囲内において異なり得る。
例示的なBclの投与は、哺乳動物における細胞死および/または炎症を阻害するのに十分な時間、少なくとも50ng/kg/日(例えば、50ng/kg/日から50mg/kg/日、または0.5mg/kg/日から50mg/kg/日)の投与を含む。代表的には、このBclタンパク質は、複数の回数(例えば、毎日)において哺乳動物に投与され得る。例えば、Bclタンパク質は、1日間から20日間もしくは1日間から40日間の期間、または1日間から60日間の期間、1日当たり少なくとも1回、哺乳動物に投与され得る。Bclタンパク質は、慢性的な医学的状態を処置するために、哺乳動物被験体に無期限に投与され得る(例えば、レシピエントの残りの生涯の間、1日当たり少なくとも1回)。略語「ng」は、適切な場合には、ナノグラムまたはナノグラム(複数)についての略語である。略語「mg」は、適切な場合には、ミリグラムまたはミリグラム(複数)に対する略語である。略語「kg」は、適切な場合には、キログラムまたはキログラム(複数)に対する略語である。
別の局面において、本発明は、哺乳動物に投与される場合に細胞死および/または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するための方法を提供する。本発明のこの局面の方法は、各々、哺乳動物に投与される場合に細胞死および/または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するために、複数のタンパク質をスクリーニングする工程を包含する。
本発明のこの局面の実施において、少なくとも2つのタンパク質が、哺乳動物に投与される場合に炎症または細胞死を阻害するBclタンパク質を同定するためにスクリーニングされる。従って、例えば、2種と100種との間のタンパク質が、哺乳動物に投与される場合に細胞死または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するためにスクリーニングされ得;または、例えば、100〜500種のタンパク質が、哺乳動物に投与される場合に細胞死または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するためにスクリーニングされ得;または、例えば、100〜1000種のタンパク質が、哺乳動物に投与される場合に細胞死または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するためにスクリーニングされ得;または、例えば、1000個以上のタンパク質が、哺乳動物に投与される場合に細胞死または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するためにスクリーニングされ得る。
いずれかの有用なアッセイが、哺乳動物に投与される場合に炎症または細胞死を阻害するタンパク質を同定するために使用され得る。例えば、有用なアッセイは、インビトロアッセイであってもよいし、またはインビボアッセイであってもよいし、またはインビトロ要素とインビボ要素とを含むアッセイであってもよい。有用なアッセイの代表的な例は、哺乳動物における細胞死を阻害するBclタンパク質の能力を評価するための、および/または虚血−再灌流傷害に供された哺乳動物における炎症を阻害するBclタンパク質の能力を評価するための、上述のアッセイを含む。
別の局面において、本発明は、哺乳動物に投与される場合に細胞死および/または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するための方法を提供する。本発明のこの局面の方法は、各々、実験から得られたデータを分析する工程を包含し、ここで、複数のタンパク質が、哺乳動物に投与される場合に細胞死および/または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するためにスクリーニングされる。この分析は、候補Bclタンパク質のインビボおよび/またはインビトロでの炎症および/または細胞死に対する効果を比較する工程、ならびにこの候補タンパク質の効果と、非Bclタンパク質、または生物学的に不活性であるように、もしくは何らかの他のコントロール処理に改変(例えば、部位特異的突然変異により)されたBclタンパク質の炎症および/または細胞死に対する効果とを比較する工程を包含し得る。このコントロール処理によって引き起こされる細胞死および/または炎症の阻害のための量と比較した、上記候補Bclタンパク質によって引き起こされる細胞死または炎症の阻害のための量における統計学的に有意な増加は、この候補Bclタンパク質が、細胞死または炎症を阻害することを示す。所望される場合には、この候補Bclタンパク質は、さらなる研究に供され得る。
哺乳動物における細胞死または炎症を阻害するBclタンパク質を同定する複数のBclタンパク質をスクリーニングするために本明細書中で開示される任意の方法が、本発明のこの局面において使用され得る。
本発明のこの局面の実施において、分析されたデータは、哺乳動物に投与される場合に細胞死または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するために複数のタンパク質がスクリーニングされる実験から得られる。例えば、2種と100種との間のタンパク質が、哺乳動物に投与される場合に細胞死または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するためにスクリーニングされ得;または、例えば、100種〜500種のタンパク質が、哺乳動物に投与される場合に細胞死または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するためにスクリーニングされ得;または、例えば、100種〜1000種のタンパク質が、哺乳動物に投与される場合に細胞死または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するためにスクリーニングされ得;または、例えば、1000種以上のタンパク質が、哺乳動物に投与される場合に細胞死または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するためにスクリーニングされ得る。
以下の実施例は、単に本発明を実施するために現在考えられる最良の様式を例示するが、本発明を制限するとは解釈されるべきではない。すべての文献引用は、本明細書により参考として明示的に援用される。
(実施例1)
この実施例は、抗アポトーシスタンパク質である骨髄性細胞におけるヒトBcl−2(配列番号14)をコードするcDNA(配列番号13)の発現を説明する。骨髄性細胞におけるヒトBcl−2(配列番号14)の発現は、マウスの後肢における長時間に及ぶ虚血に続く傷害を減少させた。
骨髄性細胞における組換えヒトBcl−2(配列番号14)を発現するマウス(hMRP8−骨髄性−Bcl−2 マウス)および骨髄性細胞における組換えヒトBcl−2(配列番号14)を発現しなかったコントロールマウスを、この実験で使用した。上記hMRP8−骨髄性−Bcl−2 マウスは、以前にLagasse、E.、およびI.L.Weissman、J.Exp.Med.、1994、179:1047(これらの刊行物は、本明細書により参考に援用される)により記載された。上記マウスは、C57BL/6バックグラウンドであり、そして、上記コントロールマウスは、C57BL/6マウスだった。
マウスの骨格筋は、90分間腎動脈から遠位の大動脈を交差クランピング(cross−clamping)により虚血させ、次いで、このクランプを外し、後肢の再灌流を3時間継続させた。再灌流の終わりに(クランプ除去の3時間後に)、このマウスを屠殺し、そして、血漿クレアチンキナーゼ(CK)の濃度を測定し、傷害の指標として使用した(クレアチンキナーゼ濃度は、骨格筋傷害の結果として増加した)。
上記実験の結果は、図1に示される。血漿クレアチンキナーゼレベルは、9匹のコントロールC57BL/6マウスと比較して、11匹のhMRP8−骨髄性−Bcl−2 マウス(Bcl−2と示される)において有意に低く(p<0.05)、ヒトBcl−2(配列番号14)が、虚血−再灌流傷害からこのマウスを保護したことを示した。しかしながら、上記hMRP8−骨髄性−Bcl−2 マウス由来の好中球が、アポトーシスの減少を示すことが文献中に報告され(Lagasse、E.、およびWeissman、I.L.、J.Exp.Med.、1994、179:1047)、そして好中球のアポトーシスが傷害部位における有毒産物の放出により虚血−再灌流傷害に寄与する可能性がある。このように、Bcl−2は、好中球のアポトーシスを防止し、それにより骨髄性細胞でBcl−2を発現するマウスの虚血−再灌流傷害の量を減少させる可能性がある。
しかしながら、90分間の延長された虚血時間の間、好中球がこの虚血−再灌流傷害に関与する可能性は低い。なぜなら、抗CD−18mAbを有する組織へのBcl−2の遊出をブロックすることは、虚血−再灌流傷害に全く影響を与えないからである(Iwata、A.ら、Blood、2002、100:2077)。さらに、実施例2に示されるように、Tリンパ球におけるヒトBcl−2(配列番号13)の過度の発現もまた、虚血−再灌流傷害に対する保護となる。このように、骨髄性細胞におけるヒトBcl−2の過度の発現は、白血球のアポトーシスを防止することにより筋肉を保護する可能性は低いようである。
(実施例2)
この実施例は、Tリンパ球におけるヒトBcl−2(配列番号14)の過度の発現は、マウスの後肢における長時間に及ぶ虚血に続く骨格筋傷害を減少することを示す。
C57BL/6遺伝的バックグラウンド上で、Eμプロモーター(EμT−Bcl−2マウス)の制御下でT細胞において外因性ヒトBcl−2(配列番号14)を発現するトランスジェニックマウス、およびT細胞において外因性ヒトBcl−2(配列番号14)を発現しなかった8匹のC57BL/6コントロールマウス(C57BL/6マウス)を、本実験で使用した。このEμT−Bcl−2マウスは、先に記載され、かつTリンパ球においてヒトBcl−2(配列番号14)のみを発現することが示されている(Strasser、A.、ら、Cell、1991、67:889、これらの刊行物は、本明細書により参考として援用される)。
後肢虚血は、実施例1で記載されたように、大動脈を交差クランピングにより誘導させ、虚血を90分間維持し、その後3時間再灌流させた。血液サンプルは、EμT−Bcl−2マウスおよびC57BL/6マウスにおけるクレアチンキナーゼ(CK)濃度の測定のための実験の終わりに採取した。図2に示されるように、8匹のEμT−Bcl−2マウスにおける血清CKは、8匹のC57BL/6コントロールマウス(C57と示される)におけるものよりも有意に低い(p<0.05)。
(実施例3)
この実施例は、白血球におけるBcl−2(配列番号14)の過度の発現が、上記後肢の長時間に及ぶ虚血および再灌流に続く骨格筋におけるDNA鎖切断を減少させることを示す。
Eμプロモーターの制御下でT細胞において外因性ヒトBcl−2(配列番号14)を発現するトランスジェニックマウス(EμT−Bcl−2マウス)(図2に記載される);Eμプロモーターの制御下でB細胞において外因性ヒトBcl−2(配列番号14)を発現するトランスジェニックマウス(EμB−Bcl−2マウス)(Strasser、A.、Proc.Natl.Acad.Sci.、1991、88:8661で報告される);骨髄性細胞において外因性ヒトBcl−2(配列番号14)を発現するトランスジェニックマウス(hMRP8−骨髄性−Bcl−2 マウス)(図1に記載される);および外因性ヒトBcl−2(配列番号14)を発現しなかったコントロールマウス(C57BL/6)を、本実験において使用した。
長時間に及ぶ虚血、その後の骨格筋の再灌流は、DNA鎖切断をもたらし、そして、カスパーゼ阻害剤z−VADによる処置がこのDNA鎖切断を防止し、かつ血漿CK濃度を減少させることは公知である(Iwata、A.、ら、Blood、2002、100:2077)。コントロールマウス、EμT−Bcl−2マウス、EμB−Bcl−2マウスおよびhMRP8−骨髄性−Bcl−2トランスジェニックマウス由来の組織をホルマリンで固定し、そして製造業者(In Situ Cell Death Detection Kit、Roche Applied Science、PO Box 50414、9115 Hague Road、Indianapolis、IN46250−0414)により記載されるTUNEL技術を使用して染色し、DNA鎖切断を識別した。
核の総数のパーセントとして、陽性(DNA鎖切断の存在を示す)に染色された核の個数は、4種類すべてのマウスに関して、図3に示される。コントロールC57BL/6マウス(C57と示される)は、トランスジェニック系統の各々と比較して、有意により多くの陽性核を有する(p<0.05)。1つの細胞種(EμBのB細胞、EμTのT細胞、またはhMRP8の骨髄性細胞)において、Bcl−2(配列番号14)を発現したマウスにおいて、DNA鎖切断を、Bcl−2(配列番号14)を発現した細胞ではなく骨格筋および内皮細胞において防止し、Bcl−2を発現した細胞が、DNA鎖切断から細胞を保護した分子を放出したことを示した。すなわち、保護は、「トランス」効果として起きる。
(実施例4)
この実施例は、Tリンパ球におけるhBcl−2(配列番号14)を過度に発現するマウスからの血漿が、長時間に及ぶ虚血、その後の再灌流に続く傷害を減少することを示す。
T細胞において外因性ヒトBcl−2(配列番号14)を発現するトランスジェニックマウス(EμT−Bcl−2マウス)(実施例2に記載される)および外因性ヒトBcl−2(配列番号14)を発現しなかった同腹仔コントロールマウス(C57Bl/6マウス)を、本実験で使用した。EμT−Bcl−2マウスおよびこれらの同腹仔コントロールマウスからの血液をヘパリンへと入れ、そして、血漿を遠心分離により抽出した。EμT−Bcl−2マウスからの1mlの血漿、または同腹仔コントロールマウスからの1mlの血漿をC57BL/6マウスの腹膜に注射し、次の日に、これらのマウスを、本明細書中の実施例1で記載される90分の虚血および3時間の再灌流に供した。これらのマウスから血液を採取し、そして、血漿CK濃度を、再灌流の終わりに測定した。これらの実験の結果は、図4に示される。EμT−Bcl−2マウス(tg+と示される)由来の血漿の注射を受けた6匹のマウスは、外因性ヒトBcl−2(配列番号14)を発現しなかった同腹仔コントロールマウス(tg−と示される)由来の血漿の注射を受けた6匹のマウスと比較して、有意に低いCKの濃度を有した(p<0.05)。
これらの結果は、hMRP8−Bcl−2 マウスにおけるBcl−2(配列番号14)の過度の発現は、「トランス」に作用する分子の放出をもたらし、この分子は、非感作のコントロールレシピエントマウスへと移入され得、かつ虚血−再灌流傷害からこのレシピエントマウスを保護することを示す。
(実施例5)
この実施例は、Bcl−2タンパク質(配列番号14)をコードするcDNA(配列番号13)を発現するトランスジェニックJawsII白血球細胞のマウスへの注射が、トランスジェニックJawsII白血球細胞を注射しなかったコントロールマウスと比較して虚血−再灌流傷害の量を減少させたことを示す。
単一のmRNA転写物からの2つの遺伝子の発現を可能にする内部リボソーム侵入部位(IRES)エレメントを含むレトロウイルス発現ベクターの開発とともに、高効率のレトロウイルスパッケージング細胞株の最新の世代は、哺乳動物細胞への遺伝子移入のための新しいツールを提供した(例えば、Hitoshi、Y.、ら、Immunity、1998、8:461;Onishi、M.、ら、Exp.Hematol.、1996、24:324を参照のこと)。
Bcl−2(配列番号14)をコードするcDNA(配列番号13)を、pBM−IRES−EGFPレトロウイルスベクターのIRES部位の上流に挿入し、このpBM−IRES−EGFPレトロウイルスベクターにおいては、高緑色蛍光タンパク質(EGFP)についてのcDNAがIRES配列の下流でクローニングされ、pBM−hBcl−2−IRES−EGFPベクターを生成した。エコトロピックパッケージング細胞株Phoenixを、ATCCから入手したJawsII細胞にトランスフェクトするためのウイルス粒子を生成するために使用した。このPhoenix細胞株およびレトロウイルスベクターは、Hitoshi、Y.、ら、Immunity、1998、8:461およびOnishi、M.、ら、Exp.Hematol、1996、24:324により記載される。
コントロールJawsII細胞はEGFPのみを発現した。hBcl−2−JawsII細胞、またはEGFP−JawsII細胞を、高いEGFP発現を有する細胞について分類し、次いで、C57BL/6マウスに注射し、次の日に、これらのマウスを長時間に及ぶ虚血−再灌流に供した。図5に示されるように、hBcl−2−JawsII細胞を注射した18匹のマウス(Bcl−2と示される)は、リン酸緩衝生理食塩水を注射した12匹のマウス(PBSと示される)またはEGFP−JawsII細胞を注射した16匹のマウス(GFPと示される)のいずれかと比較して、有意に低い血漿CK濃度を有した(p<0.05)。
(実施例6)
この実施例は、虚血−再灌流傷害に供したマウスにおける血漿CK濃度は、高緑色蛍光タンパク質(EGFP、EGFP−JawsII細胞)を発現するJawsII細胞のインビトロ培養物からの上清を注射したマウスにおける血中血漿CK濃度と比較して、hBcl−2−JawsII細胞(Bcl−2(配列番号14)を発現する)のインビトロ培養物からの上清を注射したマウスにおいて、より低かったことを示す。このhBcl−2−JawsII細胞およびEGFP−JawsII細胞は、実施例5において記載する。
hBcl−2−JawsII細胞およびEGFP−JawsII細胞の細胞培養物からの培地を、インキュベーション開始後24時間で収集し、そして、約3キロダルトンの分子サイズのカットオフを有する遠心分離フィルターを使用して、約10倍に濃縮した。hBcl−2−JawsII細胞またはEGFP−JawsII細胞のいずれかからの1mlの濃縮培地をC57BL/6マウスの腹膜に注射し、24時間後に長時間に及ぶ虚血−再灌流を行った。虚血−再灌流後に、血漿をマウスから抽出し、そして血漿CK濃度を測定した。図6に示されるように、hBcl−2−JawsII細胞上清を注射した10匹のマウスにおける血漿クレアチンキナーゼ濃度(JAWSII−Bcl−2と示される)は、EGFP−JawsII細胞上清を注射した9匹のマウスにおける血漿クレアチンキナーゼ濃度(JAWSII−GFPと示される)よりも有意に低かった(p<0.05)。
(実施例7)
この実施例は、ヒトBcl−2(配列番号14)が、培養されたJawsII−Bcl−2細胞から培養物の上清に分泌されることを示す。
ヒトBcl−2(配列番号14)または高緑色蛍光タンパク質(EGFP)のいずれかを発現するJawsII細胞(実施例5に記載される)を、血清を含まない培地において24時間インキュベーションし、そして、上清を別個に収集して、約10倍に濃縮した。細胞は、プロテアーゼインヒビターカクテルにより破壊し、次いで、溶解産物および細胞上清をBcl−2についての免疫ブロット分析法に供した。JawsII−Bcl−2細胞からの濃縮培養上清および溶解産物の両方ともBcl−2タンパク質を含んだが、JawsII−GFP細胞の濃縮培養上清または溶解産物のいずれにおいてもBcl−2タンパク質は検出されなかった。
(実施例8)
この実施例は、後肢の虚血および再灌流を供したマウスにおける血漿クレアチンキナーゼレベルが、後肢の虚血および再灌流の前に組換えBcl−2を注射しなかったマウスにおける血漿クレアチンキナーゼレベルと比較して、後肢の虚血および再灌流の前に、改変した組換えBcl−2(配列番号15)を注射したマウスにおいて、有意に低かったことを示す。配列番号15は、そのカルボキシ末端において17アミノ酸を欠き、かつこのカルボキシ末端に一連の10ヒスチジン残基を含むヒトBcl−2である。
1マウス当たり1μgの組換えヒトBcl−2(rBcl−2)(配列番号15)、または1マウス当たり1μgの組換えヒトユビキチン(rユビキチン)、またはrBcl−2に対するビヒクル溶液を、C57BL/6マウスに腹腔内注射し、次の日に、実施例1に記載される後肢の虚血(90分)および再灌流(180分)をこのマウスに供した。血漿クレアチンキナーゼ濃度の測定のために後肢の90分の虚血および180分の再灌流後に、血液サンプルを採取した。2つのコントロール(rユビキチンおよびビヒクル溶液)の間の血漿クレアチンキナーゼ濃度に相違はなく、そこで、それらのデータを組み合わせた。図7に示されるように、後肢の虚血および再灌流を供したマウスにおける血漿クレアチンキナーゼレベルは、rユビキチンまたは媒介溶液を受けた12匹のマウスにおける血漿クレアチンキナーゼレベル(コントロールと示される)と比較して、後肢の虚血および再灌流前に組換えヒトBcl−2(配列番号15)を注射した12匹のマウス(rBcl−2と示される)において有意に低かった(p<0.05)。
(実施例9)
この実施例は、骨髄制限性プロモーター下でのヒトBcl−2(配列番号14)の過度の発現は、マウスの心臓における長時間に及ぶ虚血後の心筋細胞の傷害を減少させることを示す。
白血球におけるBcl−2タンパク質の過度の発現が、骨格筋以外の組織において保護性であるか否かを決定するために、CD18−非依存であることが公知である虚血時間を使用して、心筋の虚血−再灌流傷害を検査した(Palazzo、A.J.、ら、Am.J.Physiol.、1998、275:H2300)。コントロールC57BL/6およびhMRP8−Bcl−2マウスを麻酔し、気管に挿管し、そして機械的な換気をした。左開胸術を実施し、次いで、8−0縫合糸を、左耳介の頂点から2−3mm下の左前区下行冠動脈(LAD)を通し、この血管を閉塞した。この血管を損傷しないために治療した。閉塞は、視覚で色の変化で確認した。色が復旧したときに直接的な視覚化により確認された閉塞および再灌流の1時間後に、この結紮を注意深く取り除いた。その胸部を、胸部から空気を除去するように気をつけて閉鎖し、その動物から抜管し、0.5mlの暖かい生理食塩水を与え、そして加温したインキュベーター内に置いた。2時間後、このマウスを、再麻酔し、気管に挿管し、そして機械的な換気をした。その心臓を、元の切開を通して露出し、そして、元の8−0縫合糸を再結紮した。マウスを、全採血で殺し、そして、クランプを、大動脈を横切って配置し、次いで、1mlの1.5%エバンスブルー染料を、30ゲージ針を大動脈に挿入することにより注射し、冠状動脈の循環を染料により灌流させた。
心臓を取り出し、その長軸に垂直に切断して4つの切片を生じ、30分間5mlの1%トリフェニルテトラゾリウム(TTC)中でインキュベーションした。心房および右心室の両方を除去して、左心室を、10%緩衝化ホルムアルデヒド溶液に一晩配置した。各心臓片を、計量し、次いで、CCDカメラを装備した顕微鏡下で視覚化した。その梗塞領域(非着色)、危険性のある領域(非着色領域およびレンガ色領域)および全心室領域(AARおよびエバンスブルーで着色した領域)を、プラニメトリで測定した。梗塞容積は、以下の式:
infarct=A+A+A+A
で推定した。ここで、A1、A2、A3およびA4は、切片1、2、3および4の各々における梗塞のパーセント面積であり、ならびにW1、W2、W3およびW4は、切片1、2、3および4においてそれぞれ対応する重量である。危険性のある容積を、適切な面積を使用して、同様な方法で計算した。
図8は、左心室容積のパーセントおよび危険性のある領域の容積のパーセントとして、梗塞容積を示す。5匹のhMRP8−Bcl−2マウス(Bcl−2/2と示される)は、5匹のC57BL/6コントロールマウスと比較して、両方の測定量において梗塞容積を減少させ、そして、これらの2つの群の間で、左心室容積に対する危険性のある容積において差異はなかった。hMRP8−Bcl−2マウスのVinfarct/VLVおよびVinfarct/VAARは、C57BL/6と比較して、有意に減少した(p<0.05)。これらの2つの群の間で、左心室容積に対する危険性のある容積VAAR/VLV)において差異はなかった。
(実施例10)
この実施例は、Tリンパ球において外因性ヒトBcl−2(配列番号14)を発現するトランスジェニックマウスは、Tリンパ球において外因性Bcl−2(配列番号14)タンパク質を発現しないコントロールマウスよりも、虚血とそれに続く再灌流により引き起こされた心筋細胞損傷を受けにくいことを示す。
さらなる心筋の虚血−再灌流実験を、Eμプロモーターの制御下でTリンパ球においてBcl−2(配列番号14)を過度に発現するEμT−Bcl−2マウスおよびC57BL/6コントロールマウスを使用して実施した。これらの実験は、1時間の冠状動脈閉塞とそれに続く2時間の再灌流をもって、実施例9で記載されるように実施した。梗塞容積(Vinfarct)は、左心室容積(VLV)のパーセントとして、または危険性のある容積(VAAR)のパーセントとして計算した。図9に示されるように、Vinfarct/VLVおよびVinfarct/VAARは、Eμ−T−リンパ球−Bcl−2マウス対C57BL/6マウスで有意に減少した(p<0.05)。この2つの群の間で、左心室容積に対する危険性のある容積(VAAR/VLV)において、差異はなかった。
(実施例11)
この実施例は、外因性Bcl−2タンパク質(配列番号14)を発現する骨髄性細胞の養子移入が、マウスの心臓における長時間に渡る虚血に続く心筋細胞の傷害を減少させることを示す。
hMRP8−骨髄性−Bcl−2マウスおよび同腹仔コントロールマウスを麻酔し、屠殺し、そして、骨髄をそれらのマウスの長骨から抽出した。抽出した骨髄におけるCD11b+細胞を、製造業者により記載される磁性ビーズ(Miltenyi Biotec、12740 Earhart Avenue、Auburn、CA95602、USA)を使用して単離した。約10個のそれらの細胞を腹腔内注射により、C57BL/6コントロールマウスに投与し、18〜24時間後に後肢虚血および再灌流を行った。この虚血時間は、1時間であり、その後2時間の再灌流が続いた。梗塞サイズの測定は、実施例9で記載されるものと同じ技術を使用して達成した。
図10は、左心室容積のパーセントとして、および危険性のある領域の容積のパーセントとして、梗塞容積を示す。hMRP8−骨髄性−Bcl−2マウスから骨髄細胞を受容した7匹のマウス(Bcl−2/2と示される)は、同腹仔から骨髄細胞を受容した6匹のマウス(同腹仔Tg−)と比較して、両方の測定量(Vinfarct/VLVおよびVinfarct/VAAR)において梗塞容積を有意に減少させた(p<0.05)。この2つの群の間で、左心室容積に対する危険性のある容積(VAAR/VLV)において差異はなかった。
(実施例12)
この実施例は、Bcl−2の過度の発現は、「トランス」効果により敗血症のマウスにおける保護を提供することを示す。
ヒトMRP8プロモーターの制御下で骨髄性細胞において外因性Bcl−2(配列番号14)を発現したトランスジェニックマウス(hMRP8−Bcl−2マウス)、またはEμプロモーターの制御下でTリンパ球において外因性Bcl−2(配列番号14)を発現したトランスジェニックマウス(EμT−Bcl−2マウス)の生存と、盲腸結紮および穿孔(CLP)後のC57BL/6コントロールマウスの生存とを比較した。100%のhMRP8−Bcl−2マウスがCLPを生き残った一方で、ほんの25%のコントロールマウスがCLPを生き残った(p<0.05)。別の実験においては、87.5%のEμT−Bcl−2マウスがCLPを生き残った一方で、ほんの22.2%のコントロールマウスがCLPを生き残った(p<0.05)。
hMRP8−Bcl−2マウス、またはC57BL/6マウスからのCD11b−陽性骨髄細胞を、C57BL/6マウスに導入し、次いで、このマウスにCLPを供した。hMRP8−Bcl−2マウスからのCD11b−陽性骨髄細胞を受容したマウスのうち、100%がCLPを生き残った一方で、C57BL/6マウスからのCD11b−陽性骨髄細胞を受容したマウスのいずれもCLPを生き残らなかった。
hMRP8−Bcl−2マウス、またはC57BL/6マウスからのCD11b−陽性骨髄細胞を、Rag−1−/−マウス(成熟T細胞も成熟B細胞も有しなかった)に導入し、次いで、このマウスにCLPを供した。hMRP8−Bcl−2マウスからのCD11b−陽性骨髄細胞を受容したマウスのうち、87.5%がCLPを生き残った一方で、C57BL/6マウスからのCD11b−陽性骨髄細胞を受容したマウスのうち、12.5%がCLPを生き残った(p<0.05)。
これらの実験は、hBcl−2(配列番号14)の発現が、CLPにおいて保護的であり、かつ保護がリンパ球とは無関係であることを示す。
(実施例13)
この実施例は、組換えヒトBcl−2(配列番号15)の腹腔注射が、直腸結紮および穿孔の結果としての重篤な敗血症を負ったマウスにおける生存を改善することを示す。
8匹のC57BL/6マウスには、マウス当たり1μgの組換えヒトBcl−2の腹腔注射を与え、そして、8匹のC57BL/6マウスには、マウス当たり1μgの組換えヒトユビキチンの腹腔注射を与え、12時間から24時間後に、実施例12で記載される直腸結紮および穿孔を供した。さらなる4匹のC57BL/6マウスには、10μgのマルトース結合タンパク質−hBcl−2融合タンパク質の皮下注射を与え、そして、4匹のマウスには生理食塩水処置を与え、12時間から24時間後に、実施例12で記載される直腸結紮および穿孔を供した。これらのマウスに、一日に2回抗生物質で処置し、かつ組換えヒトBcl−2、または組換えヒトユビキチン、または生理食塩水のさらなる処置を3日間毎日与えた。検査を、定量的評価形態を使用して、10日間1日2回、不可逆的な敗血症の徴候に関して行い、そして、不可逆的な敗血症に罹ったとみなした場合には、それらのマウスを屠殺した。図11は、これらの実験の結果に基づいた生存曲線であり、そしてこの図は、組換えヒトBcl−2で処置した12匹のマウス(rBcl−2と示される)が、組換えヒトユビキチン、または生理食塩水のいずれかで処置した12匹のマウス(コントロールと示される)と比較して、生存を有意に改善した(p<0.05)ことを明確に示す。
(実施例14)
この実施例は、後肢の虚血および再灌流を供したマウスにおける血漿クレアチンキナーゼレベルが、虚血および再灌流前に組換えユビキチンを注射したマウスにおける血漿クレアチンキナーゼレベルと比較して、後肢の虚血および再灌流前に改変組換えヒトA1(カルボキシ末端で、25アミノ酸を欠き、かつ残りのタンパク質上に6ヒスチジンを付加したヒトA1)(配列番号16)を注射したマウスにおいて、有意に低かった。組換えヒトA1(配列番号16)は、Bcl−2タンパク質である。
C57BL/6マウスに、組換えヒトA1(rA1)(配列番号16)、または組換えヒトユビキチン(rユビキチン)を腹腔内注射し、次の日に、実施例1で記載される後肢の虚血(90分)および再灌流(180分)を供した。血液サンプルを、血漿クレアチンキナーゼ濃度の測定のために180分の再灌流後に採取した。後肢の虚血および再灌流を供したマウスにおける血漿クレアチンキナーゼレベルは、rユビキチンを注射した12匹のコントロールマウスにおける血漿クレアチンキナーゼレベルと比較して、後肢の虚血および再灌流前にrA1(配列番号16)を注射した12匹のマウスにおいて有意に低かった(p<0.05)。
(実施例15)
この実施例は、BH4ドメインの断片が、C57BL/6マウスの後肢を虚血−再灌流傷害から保護したことを示す。
骨格筋を、C57BL/6マウスの後肢に止血帯を90分間適用することにより虚血にし、次いで、この止血帯を外し、さらに3時間再灌流させた。マウスは、活性ペプチド1(配列番号17)もしくはペプチド2(配列番号18)もしくはペプチド3(配列番号19)、またはスクランブル(scrambled)(コントロール)ペプチド(配列番号20)により処置した。ペプチド1(配列番号17)は、Bcl−2のBH4領域に由来する。ペプチド2(配列番号18)は、A1の最初のαヘリックスに由来する。ペプチド3(配列番号19)は、Bcl−XLのBH4領域に由来する。ペプチド1(配列番号17)、ペプチド2(配列番号18)、ペプチド3(配列番号19)およびスクランブル(コントロール)ペプチド(配列番号20)のアミノ酸配列は、表1に示される。
Figure 2008515803
3時間の再灌流の終わりに、これらのマウスを屠殺し、そして、血漿クレアチンキナーゼ(CK)濃度の測定のために血液を採取した。このCK濃度は、筋肉傷害の指標として使用した。高レベルのCKは、筋肉傷害の比較的に高いレベルを示す。3つの個々の実験の結果は、コントロールペプチドと比較して有意な保護を示した(p<0.05)。マウスを処置したペプチド1(配列番号17)に対するCK濃度は、CK濃度が60,530+/−5759IU/L(n=12)だったコントロールペプチド(配列番号20)と比較して、19,020+/−5481IU/L(n=12)だった。マウスを処置したペプチド2(配列番号18)に対するCK濃度は、CK濃度が69,430+/−11,170IU/L(n=12)だったコントロールペプチド(配列番号20)と比較して、33,860+/−5997IU/L(n=11)だった。マウスを処置したペプチド3(配列番号19)に対するCK濃度は、CK濃度が80,880+/−11,430IU/L(n=6)だったコントロールペプチド(配列番号20)と比較して、49,500+/−3,901IU/L(n=5)だった。
本発明の好ましい実施形態を例示および記載したが、本発明の意図および範囲から逸脱することなしに、本発明に種々の変更を為し得るものと認識する。
排他的な権利、または排他的な特権が主張される本発明の実施形態は、添付の特許請求の範囲のとおりに規定される。
図1は、骨髄性細胞(図1において、Bcl−2として同定される)における外因性ヒトBcl−2(hBcl−2)を発現した11匹のトランスジェニックマウスの血漿中のクレアチンキナーゼ濃度の棒グラフ、およびそれらの骨髄性細胞における外因性hBcl−2を発現しなかった9匹の非トランスジェニックのコントロールC57BL/6マウスの血漿中のクレアチンキナーゼ濃度の棒グラフを示す。クレアチンキナーゼ濃度は、上記マウスが実施例1で記載されるように虚血−再灌流傷害に供された後に、測定した。クレアチンキナーゼ濃度は、1リットル当たりのユニット(U/L)(p<0.05)で表される。 図2は、虚血−再灌流傷害に罹患した8匹のコントロールC57BL/6マウス(図2において、C57として識別される)の血漿中クレアチンキナーゼ濃度の棒グラフ、および虚血傷害(p<0.05)に罹患した8匹のEμT−Bcl−2マウス(図2において、EμBcl−2(T細胞)として識別される)の血漿中クレアチンキナーゼ濃度の棒グラフを示す。 図3は、6匹のコントロールC57BL/6マウス(C57として略される)、そのT細胞でhBcl−2を発現する5匹のEμT−Bcl−2マウス(EμTとして略される)、そのB細胞でhBcl−2を発現する6匹のEμB−Bcl−2マウス(EμBとして略される)、およびその骨髄性細胞でhBcl−2を発現する5匹のhMRP8−骨髄−Bcl−2マウスの脚に由来する筋肉組織におけるTUNEL陽性細胞の割合の棒グラフを示す。実施例3に記載されるように、上記マウスのすべては、虚血−再灌流傷害に罹患していた(C57に対してp<0.05)。 図4は、そのTリンパ球においてhBcl−2を発現するマウスから抽出した、虚血前に血漿の注射を与えた6匹のマウス(tg+マウスとして識別される)の、虚血および再灌流後の血漿中クレアチンキナーゼ濃度の棒グラフ、ならびにそのTリンパ球においてhBcl−2を発現しなかった、6匹の同腹仔コントロールマウスから抽出した、虚血前に血漿の注射を与えたマウス(tg−マウスとして識別される)の、虚血および再灌流後の血漿中クレアチンキナーゼ濃度の棒グラフを示す(p<0.05)。 図5は、hBcl−2を発現するJaws II白血球を注射した18匹のマウス(略語Bcl−2として識別される)の血漿中クレアチンキナーゼ濃度の棒グラフ;高緑色蛍光タンパク質を発現するJaws II白血球を注射した16匹のコントロールマウス(略語GFPとして識別される)の血漿中クレアチンキナーゼ濃度の棒グラフ;およびリン酸緩衝生理食塩水を注射した12匹のコントロールマウス(略語PBSとして識別される)の血漿中クレアチンキナーゼ濃度の棒グラフを示す。クレアチンキナーゼ濃度は、上記マウスが実施例5で記載されるように虚血再灌流傷害に供された後に、測定した(p<0.05)。 図6は、Bcl−2を発現するhBcl−2−Jaws II細胞の培養物に由来する上清培地を虚血前に注射した10匹のマウス(図6において、JawsII−Bcl−2として識別される)の、虚血および再灌流後の血漿中クレアチンキナーゼ濃度の棒グラフ;ならびに増強した緑色蛍光タンパク質を発現するEGFP−Jaws II細胞の培養物に由来する上清培地を虚血前に注射したマウス(図6において、JawsII−GFPとして識別される)の、虚血および再灌流後の血漿中クレアチンキナーゼ濃度の棒グラフを示す。クレアチンキナーゼ濃度は、p<0.05で、有意に異なっていた。 図7は、虚血および再灌流前に組換えヒトBcl−2(1匹のマウス当たり1μg)の注射を与えた12匹のマウス(rBcl−2として識別される)の、虚血および再灌流後の血漿中クレアチンキナーゼ濃度の棒グラフ;ならびに虚血および再灌流前に組換えヒトユビキチンまたは組換えBcl−2の注射用のために使用されるビヒクル溶液のいずれかの注射を与えた12匹のコントロールマウス(コントロールとして識別される)の虚血および再灌流後の血漿中クレアチンキナーゼ濃度の棒グラフを示す。クレアチンキナーゼ濃度は、p<0.05で、有意に異なっていた。 図8は、その骨髄性細胞において、hBcl−2を発現する5匹のhMRP8−Bcl−2マウス(図8において、Bcl−2/2として識別される)および5匹のC57BL/6コントロールマウスについての左心室容積の割合としての梗塞容積(Vinfarct)の棒グラフ;C57BL/6コントロールマウスおよびhMRP8−Bcl−2マウスについての危険性の高い領域の容積(VAAR)の割合としての梗塞容積(Vinfarct)の棒グラフ;ならびにC57BL/6コントロールマウスおよびhMRP8−Bcl−2マウスについての左心室容積(VLV)の割合としての危険性の高い領域の容積(VAAR)の棒グラフを示す。Vinfarct/VLVおよびVinfarct/VAARは、Bcl−2/2マウスとC57BL/6マウスとの間で、p<0.05で有意に異なっていた。 図9は、6匹のC57BL/6コントロールマウスおよび4匹のEμT−Bcl−2マウス(そのT細胞でBcl−2を発現する)についての左心室容積(VLV)の割合としての梗塞容積(Vinfarct)の棒グラフ;C57BL/6コントロールマウスおよびEμT−Bcl−2マウスについての危険性の高い領域の容積(VAAR)の割合としての梗塞容積(Vinfarct)の棒グラフ;ならびにC57BL/6コントロールマウスおよびEμT−Bcl−2マウスについての左心室容積(VLV)の割合としての危険性の高い領域の容積(VAAR)の棒グラフを示す。Vinfarct/VLVおよびVinfarct/VAARは、EμT−Bcl−2マウスとC57BL/6マウスとの間で、p<0.05で有意に異なっていた。 図10は、外因性ヒトBcl−2を発現するCD11b+細胞の注射を(心筋虚血および再灌流に供される前に)与えた7匹のC57BL/6マウス(これらのマウスは、図10においてBcl−2/2として識別される)、およびその同腹仔に由来するCD11b+細胞(外因性Bcl−2を発現しなかった)の注射を(心筋虚血および再灌流に供される前に)与えた6匹のC57Bl/6コントロールマウス(同腹仔Tg−として識別される)についての、左心室容積(VLV)の割合としての梗塞容積(Vinfarct)、危険性の高い領域の容積(VAAR)の割合としての梗塞容積(Vinfarct)、および左心室容積(VLV)の割合としての危険性の高い領域の容積(VAAR)の棒グラフを示す。(p<0.05)。 図11は、盲腸結紮および穿刺の前に組換えヒトBcl−2(rBcl−2)を注射した12匹のマウス、ならびに盲腸結紮および穿刺の前にrBcl−2を注射しなかった12匹のコントロールマウスについての生存曲線を示す。生存曲線は、p<0.05で有意に異なっている。

Claims (20)

  1. 哺乳動物において細胞死または炎症を阻害するための方法であって、該方法は、哺乳動物において細胞死および炎症からなる群のメンバーを阻害するのに十分な量でBclタンパク質を該哺乳動物に投与する工程を包含する、方法。
  2. 前記哺乳動物において細胞死が阻害される、請求項1に記載の方法。
  3. 前記哺乳動物において炎症が阻害される、請求項1に記載の方法。
  4. 敗血症により引き起こされた細胞死が阻害される、請求項1に記載の方法。
  5. 虚血−再灌流により引き起こされた細胞死が阻害される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記哺乳動物が、細胞死または炎症を含む疾患に罹患している、請求項1に記載の方法。
  7. 前記哺乳動物がヒトである、請求項1に記載の方法。
  8. 前記Bclタンパク質が静脈内投与される、請求項1に記載の方法。
  9. 前記Bclタンパク質が皮下投与される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記Bclタンパク質が経口投与される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記Bclタンパク質が経皮投与される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記Bclタンパク質が、以下:
    (a)配列番号1に示されるアミノ酸配列と少なくとも35%同一であるアミノ酸配列を含むタンパク質;
    (b)Bcl−2タンパク質のセグメントと少なくとも50%類似である、少なくとも12個のアミノ酸を含むタンパク質であって、該Bcl−2タンパク質は、配列番号2に示されるアミノ酸配列からなる、タンパク質;
    (c)A−1タンパク質のセグメントと少なくとも50%類似である、少なくとも12個のアミノ酸を含むタンパク質であって、該A−1タンパク質は、配列番号4に示されるアミノ酸配列からなる、タンパク質;
    (d)Bcl−Xタンパク質のセグメントと少なくとも50%類似である、少なくとも12個のアミノ酸を含むタンパク質であって、該Bcl−Xタンパク質は、配列番号6に示されるアミノ酸配列からなる、タンパク質;
    (e)Bcl−Wタンパク質のセグメントと少なくとも50%類似である、少なくとも12個のアミノ酸を含むタンパク質であって、該Bcl−Wタンパク質は、配列番号8に示されるアミノ酸配列からなる、タンパク質;
    (f)Mcl−1タンパク質のセグメントと少なくとも50%類似である、少なくとも12個のアミノ酸を含むタンパク質であって、該Mcl−1タンパク質は、配列番号10に示されるアミノ酸配列からなる、タンパク質;
    (g)配列番号12に示されるアミノ酸配列からなるBH4ドメインと少なくとも50%類似であるタンパク質、
    からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  13. 前記Bclタンパク質が、哺乳動物被験体に予防的に投与される、請求項1に記載の方法。
  14. 前記哺乳動物被験体が、器官または四肢の虚血に苦しむ、請求項1に記載の方法。
  15. 前記Bclタンパク質が、前記哺乳動物における細胞死および炎症からなる群のメンバーを阻害するのに十分な期間、0.5μg/kg/日〜50μg/kg/日の量で前記哺乳動物被験体に投与される、請求項1に記載の方法。
  16. 前記Bclタンパク質が、1日から20日の間、前記哺乳動物被験体に投与される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記Bclタンパク質が、複数の機会に、前記哺乳動物被験体に投与される、請求項15に記載の方法。
  18. 前記Bclタンパク質が、毎日、前記哺乳動物被験体に投与される、請求項15に記載の方法。
  19. 哺乳動物に投与される場合に、細胞死または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するための方法であって、該方法は、複数のタンパク質をスクリーニングして、哺乳動物に投与される場合に細胞死または炎症を阻害するBclタンパク質を同定する工程を包含する、方法。
  20. 哺乳動物に投与される場合に、細胞死または炎症を阻害するBclタンパク質を同定するための方法であって、該方法は、少なくとも1つの実験から入手されたデータを分析する工程を包含し、ここで複数のタンパク質がスクリーニングされて、哺乳動物に投与される場合に細胞死を阻害するBclタンパク質が同定される、方法。
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