JP2008514545A - 機能が向上された厚膜超伝導フィルム - Google Patents

機能が向上された厚膜超伝導フィルム Download PDF

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Abstract

前駆体フィルムを形成するために基材の上に前駆体溶液を堆積させる工程を含む厚膜フィルムの製造方法に関する。前駆体溶液は、1種以上の溶媒に希土類元素の塩、アルカリ土類金属の塩、遷移金属の塩を含む希土類−アルカリ土類金属−遷移金属酸化物の前駆体成分を含有する溶液であって、前記塩の少なくとも1種がフッ素含有塩であり、遷移金属のアルカリ土類金属に対する比率が1.5以上であることを特徴とする。前駆体溶液は、希土類−アルカリ土類金属−遷移金属酸化物超伝導体フィルムを形成するために処理される。

Description

(関連出願への相互参照)
この出願は、米国特許法第35巻第119条(e)に基づいて、2004年10月1日の米国仮特許出願60/615289号、および2005年7月29日の米国仮特許出願60/703836号(共に発明の名称は「機能が向上された厚膜超伝導フィルム」)に基づく優先権を主張し、それらの開示は、参考として本明細書中に援用される。
この出願は、以下の出願に関連し、参考としてここに引用する。米国特許出願60/703815号「高温超伝導ワイヤおよびコイル」。米国特許出願11/193262号「高温超伝導ワイヤのための構造物」。
(発明の技術分野)
本発明は超伝導物質の臨界電流密度を増進することに関する。また、超伝導体の構造に係わり、希土類−アルカリ土類−遷移金属酸化物フィルムの超伝導特性を改良する方法に関する。
高温超伝導(HTS)物質(液体窒素の温度77K以上の超伝導)が発見されて以来、そのようなHTS物質に利用できる様々な研究開発が進められている。薄い超伝導フィルムの装置およびワイヤにおいては、最も発展したものとして公知のイットリウム、バリウム、銅、酸素からなるYBa2Cu37-X(以降Y123またはYBCOという)を含む装置・構造体がある。また希土類元素をYの代わりに使用するものも多い。2軸構造の超伝導金属酸化物、例えばY123は、被覆された導体構造において高い臨界電流密度を達成している。これらのワイヤは第二世代のHTSワイヤといわれる。このように、Y123は多くのアプリケーション、例えばケーブル、モーター、発電機、同期式コンデンサ、変圧器、電流制限器などや、軍のマグネットシステム、高エネルギー薬、材料処理、輸送、医薬用などに使用されている。
高い臨界電流密度(Jc)の超伝導膜を充分な厚みで堆積させる必要性だけでなく、2軸構造バッファ層に化学的に適合するコスト対効果の高い方法に関する分野への試みがなされている。第一の目的に関しては、エピタキシャルバッファー層の再形成構造によりコスト対効果が実現されている。超伝導膜を充分な厚みで堆積させる前駆体に関しては、多くの技術が評価されている段階である。化学気相蒸着(CVD)は、非常に高価な前駆体を必要とする点で、現在の所は競争力のある方法ではない。殆どの物理気相成長(PVD)法(例えば、パルスレーザアブレーション、反応性スパッタリング、電子ビームエバポレーションなど)は、堆積速度、組成制御、高い資本投下などの制限を受ける。経済的可能性のあるPVD法としては希土類元素、銅、フッ化バリウム(“フッ化バリウム”プロセスとして公知)を、熱または電子ビームにより蒸着させるものである。この方法は直接PVD法よりも早いと思われるが、初期投資および制御システムのコストが依然として高い。さらに、堆積された前駆体はHTSフィルムを形成するための分離炉内において反応させなければならない。
液体堆積法は、真空システムを必要としないので、より低コストと思われ、現在評価されている。他の真空システムを必要とする方法に比べて、投資コストも高くはなく、堆積速度も遅くはない。トリフルオロアセテート(TFA)溶液プロセスは前駆体を低コストで提供し、早い堆積速度、および真空システム不要という利点がある。そのような処理方法については例えば、Cimaらの米国特許5231074号やPCTのWO98/58415(公開1998年12月23日)に開示されており、溶液状態形成のための前駆体を溶解させる必要性が述べられている。前記米国特許5231074号やWO98/58415はその全てをここでは参照する。
米国特許5231074号「MOD前駆体溶液からの高延伸酸化物超伝導フィルム」 米国特許6022832号「エピタキシャル層を有する超伝導体の低真空製造プロセス」 米国特許6027564号「エピタキシャル層形成のための低真空製造プロセス」 米国特許6190752号「非晶質表面へのロックサルト構造堆積を有する薄膜」 PCT WO00/58530「合金材料」 PCT WO00/58044「合金材料」 PCT WO99/17307「改善された抗酸化性を有する基板」 PCT WO99/16941「超伝導体のための基板」 PCT WO98/58415「金属酸化フッ化物の酸化物超伝導体への変換制御」 PCT WO01/11428「多層物品およびその製造方法」 PCT WO01/08232「多層物品およびその製造方法」 PCT WO01/08235「多層物品の製造方法およびその組成物」 PCT WO01/08236「被覆導体厚膜前駆体」 PCT WO01/08169「電流損失の減少された被覆導体」 PCT WO01/15245「表面制御合金およびそれらの製造方法」 PCT WO01/08170「改良された純粋な酸化物層形成」 PCT WO01/26164「酸化物層反応速度の制御」 PCT WO01/26165「層の酸化方法」 PCT WO01/08233「改良された高温被覆超伝導体」 PCT WO01/08231「超伝導体の製造方法」 PCT WO02/35615「前駆体溶液およびそれを用いた製造方法」 米国特許6436317号 「酸化スズ組成物およびそれからなる延伸物品製造物」 米国仮特許出願60/309116号「多層超伝導体及びその製造方法」 米国特許出願10/208134号 「超伝導体の製法およびリアクター」 米国仮特許出願60/308957号「超伝導体の製法およびリアクター」 米国仮特許出願60/166297号「超伝導体物品、組成物およびその製造方法」 米国特許出願09/615999号 「超伝導体物品、組成物およびその製造方法」
本発明の目的は、超伝導フィルムのための前駆体を提供し、早い堆積速度によって一度に広い範囲で被覆が可能で、所望の厚みのフィルムを形成することである。前駆体組成物は単純な熱処理によって超伝導状態に変換できる。また、基材上に長い長さで希土類の超伝導前駆体の厚いフィルムを形成する低コストな方法を提供することである。
超伝導フィルム形成のための処理であって、希土類元素の塩、アルカリ土類金属の塩、遷移金属の塩を含む希土類−アルカリ土類−遷移金属酸化物を形成する前駆体成分を1種以上の溶媒に溶解した第一の前駆体溶液を、第一の前駆体フィルム形成のために基材上に堆積させる。それら塩の一つにはフッ素含有塩を含み、アルカリ土類金属に対して遷移金属は1.5倍より大きい比率で存在する。次に前駆フィルムを希土類−アルカリ土類金属−遷移金属の酸化物の超伝導体を形成するための処理を行う。前駆フィルム中にはアルカリ土類金属に対して遷移金属は全体的に1.5倍より大きい比率で存在し、超伝導フィルムの厚みは全体的に0.8μmよりも厚い。
別の態様において、前駆フィルムを第一前駆体含有溶液内の希土類、アルカリ土類金属、遷移金属を含む、金属酸化フッ化物中間体フィルムを形成するための処理と、金属酸化フッ化物中間体フィルムを、希土類−アルカリ土類金属−遷移金属の酸化物の超伝導体を形成するために加熱する処理とからなる。イットリウム、バリウム、銅を含む金属酸化フッ化物フィルムは、基材と金属酸化フッ化物との境界に、バリウム:銅が約2:3の比率で存在する。金属酸化フッ化物中間体フィルムは、第一前駆体溶液の前駆体分解再生のために、該フィルムを約190〜約650℃に加熱することにより得られ、或いは約190〜約400℃に加熱することによっても得られる。また別の態様においては、金属酸化フッ化物中間体フィルムは、約0.1〜約760トール(Torr)の全体圧力、約0.09〜約50トールの酸素分圧、約0.01〜約150トールの水蒸気分圧の環境下で、約700〜約825℃に加熱することによって得られる。
他の具体例においては、前駆体溶液または最終的な酸化物超伝導体中のアルカリ土類金属に対する遷移金属の比が、1.6より大きく、或いは約1.5〜約1.8よりも大きな比率である。遷移金属としては銅であっても良く、アルカリ土類金属としてはバリウムを含む。
他の具体例においては、第一前駆体溶液は少なくとも約5モル%の銅、或いは少なくとも約20モル%の銅を過剰に含む。
他の具体例においては、第一前駆体溶液は少なくとも5モル%のバリウム、或いは少なくとも20モル%のバリウムが不足する。
他の具体例においては、第一前駆体溶液は1.0μmより厚い厚みで堆積され、超伝導体フィルムは1.0μmより厚い厚みを有する。
他の具体例においては、第一前駆体溶液は2以上の工程を経て堆積することもできる。前駆体フィルムの堆積工程にはさらに、希土類元素の塩、アルカリ土類金属の塩、遷移金属の塩を含む希土類−アルカリ土類−遷移金属酸化物の前駆体成分を1種以上の溶媒に溶解した第二の前駆体溶液を、基材上に堆積させる工程を含むことができる。それら塩の一つにはフッ素含有塩を含み、アルカリ土類金属に対して遷移金属は約1.5倍の比率で存在する。第二前駆体には第一前駆体とは異なる成分を含む。
他の具体例においては、第二前駆体溶液は、一種以上の添加成分または、超伝導フィルムに磁束ピニング(flux pinning)サイト形成のための選択されたドープ成分を含むことができる。添加成分としては、前駆体フィルム処理条件下でナノ粒子形態を形成する成分を含み、そのような成分としては希土類、アルカリ土類、遷移金属、セリウム、ジルコニウム、銀、アルミニウム、マグネシウムから選択される一種以上が挙げられる。ドープ成分としては酸化物超伝導体の希土類、アルカリ土類、遷移金属の一部を置換することができる金属が含まれる。
他の具体例においては、第二前駆体溶液は、第一前駆体溶液の堆積の前に堆積することができ、第一前駆体溶液の堆積の後に堆積することもできる。
他の具体例においては、第二前駆体溶液は、0.8μmよりも薄い厚みの酸化物超伝導体フィルムを形成するために堆積される。
他の具体例においては、基材は2軸延伸され、また超伝導フィルムも2軸延伸されてc軸配向性を有し、幅方向に実質的に一定で、基材表面に対して垂直方向に超伝導フィルムのc軸配向性を有する。
他の具体例においては、第一前駆体溶液は、一種以上の添加成分または、超伝導フィルムに磁束ピニングサイト形成のための選択されたドープ成分を含むことができる。添加成分としては、前駆体フィルム処理条件下でナノ粒子形態を形成する成分を含み、そのような成分としては希土類、アルカリ土類、遷移金属、セリウム、ジルコニウム、銀、アルミニウム、マグネシウムから選択される一種以上が挙げられる。ドープ成分としては酸化物超伝導体の希土類、アルカリ土類、遷移金属の一部を置換することができる金属が含まれる。
本発明の他の目的においては、超伝導フィルム形成のプロセスにおいて、基材上に前駆体フィルム形成のために一種以上の溶媒中に遷移金属の塩を含む第一の前駆体溶液を堆積させ、一種以上の溶媒中に希土類元素の塩、アルカリ土類金属の塩、遷移金属の塩を含む希土類−アルカリ土類金属−遷移金属の酸化物の超伝導体を形成するための第二の前駆体溶液を堆積させる。前記第二の前駆体溶液中には少なくともフッ素含有塩を含み、アルカリ土類金属に対する遷移金属の比率が少なくとも1.5である。また、前駆体フィルム中にはアルカリ土類金属に対する遷移金属の比率が1.5より大きく、これを処理して希土類−アルカリ土類金属−遷移金属の酸化物の超伝導体を形成する。そして超伝導体フィルムの全体の厚みは0.8μmまたは1.0μmより厚い。前駆体フィルムの処理工程には、第一、第二前駆体溶液の希土類、アルカリ土類金属、遷移金属を含む中間体フィルムを形成する処理工程を有する。そして中間体フィルムを加熱して希土類−アルカリ土類金属−遷移金属の酸化物の超伝導体を形成する。
他の具体例においては、前駆体フィルムは前駆体溶液の金属成分を含む中間体フィルムを形成するための各前駆体溶液の堆積後に加熱される。
他の具体例においては、アルカリ土類金属に対する遷移金属の比率が1.6より大きく、或いは約1.5〜約1.8である。遷移金属は銅を含み、アルカリ土類金属はバリウムを含む。
他の具体例においては、第一前駆体溶液は基本的に銅からなる。
他の具体例においては、第一前駆体溶液は第二前駆体の前に堆積される。
他の具体例においては、第二前駆体溶液はバリウムに対して銅を約1.5、またはそれより大きい比率で含有する。
他の具体例においては、第二前駆体溶液はさらに添加物成分と、ピニング中心形成のためのドープ成分の少なくとも一方を含む。
他の具体例においては、銅前駆体層形成のために基材上に銅溶液を接触させる工程と、銅前駆体層の上にイットリウム、バリウム、銅の各塩を含み、バリウムに対する銅の比率は少なくとも1.5である第二前駆体溶液を接触させる工程を含む方法が提供される。
他の具体例においては、基材が2軸延伸され、また超伝導フィルムも2軸延伸されてc軸配向性を有し、幅方向に実質的に一定で、基材表面に対して垂直方向に超伝導フィルムのc軸配向性を有する。
本発明の他の目的においては、2軸配向された基材上に超伝導体を有する物品であって、超伝導体層が希土類バリウム銅酸化物超伝導体を含み、層の厚みが0.8μmより厚く、バリウムに対する銅の比率が1.5より大きい。前記超伝導体層はフッ素を含む。また、バリウムに対する銅の比率は1.6よりも大きく、フィルム厚みは1.0μmより厚いことができる。
他の具体例においては、酸化セリウム、酸化ランタニウムアルミニウム、酸化ランタニウムマグネシウム、酸化ストロンチウムチタニウム、酸化マグネシウム、酸化ネオジムガドリウム、酸化セリウム/イットリア安定化ジルコニア、から選択される素材よりなるバッファー層を含む基材であることができる。
他の具体例においては、超伝導体層は臨界電流密度が温度77Kにおいて少なくとも200アンペア/cmWである。
本発明の他の目的においては、基材上に酸化フッ化物フィルムを含む金属酸化フッ化物フィルムを提供する。前記フィルムは1以上の希土類元素、1以上のアルカリ土類金属、1以上の遷移金属を含み、フィルム厚は0.8μmより厚く、アルカリ土類金属に対する遷移金属の比率は1.5より大きく、基材と金属酸化フッ化物フィルムとの境界層にはバリウム:銅は約2:3の層がある。バリウムに対する銅の比率は1.6より大きくても良く、フィルム厚は1.0μmより大きくすることができる。
他の具体例においては、基材は酸化セリウム、酸化ランタニウムアルミニウム、酸化ランタニウムマグネシウム、酸化ストロンチウムチタニウム、酸化マグネシウム、酸化ネオジムガドリウム、酸化セリウム/イットリア安定化ジルコニア、から選択される素材よりなるバッファー層を含む。
本発明の他の目的においては、以下の工程により超伝導フィルムを製造するプロセスが提供される。前駆体溶液中のアルカリ土類金属に対する遷移金属の比率(その比率は1.5より大きく)を調整する工程、基材上に前駆体フィルム形成のために堆積させる工程、前駆体フィルムと基材との境界面にアルカリ土類金属に対して遷移金属の比率が約1.5である前駆体フィルムを分解再生する工程からなり、得られる超伝導体フィルムが、全体の層内でアルカリ土類金属に対する遷移金属の比率が1.5より大きく、超伝導体フィルムの全体的な厚みが0.8μmより厚い。
他の具体例においては、アルカリ土類金属に対する遷移金属の比率調整工程が、前駆体溶液中の遷移金属濃度を増加させることを含む。
他の具体例においては、前駆体溶液内の遷移金属濃度は少なくとも5%、あるいは少なくとも20%過剰にする。
他の具体例においては、アルカリ土類金属に対する遷移金属の比率調整工程が、前駆体溶液中のアルカリ土類金属濃度を減少させることを含む。
他の具体例においては、前駆体溶液内のアルカリ土類金属濃度は少なくとも5%、あるいは少なくとも20%不足する。
前駆体組成物および方法は、基材上に超伝導体の前駆体組成物を堆積させ、基材上に直接またはバッファー層を形成し、或いは中間被覆物質を形成すること、前駆体組成物から2軸延伸された超伝導体酸化物フィルムを形成することについて、以下に開示されている。前駆体組成物は希土類元素の塩、アルカリ土類金属の塩、遷移金属の塩よりなる成分を、1以上の溶媒中に含有する。
図1はHTSにより被覆された導体を示す図である。図1を参照すると、高温超伝導(HTS)物品10は、ワイヤあるいはテープの形状を有し、少なくとも一つの2軸配向構造を有する基材11の表面12に、エピタキシャルバッファー層13、最表層にはc軸配向性の超伝導層で、希土類−アルカリ土類−遷移金属酸化物の超伝導体(RE123)14を有する。以下に述べる方法および組成物は、全てのRE123超伝導体に適用され、YBCOと参照して表される。金属の基材は、ニッケル、銀、ニッケル合金などであり、物品によってあるいは形成する長さや面積によって柔軟に選択する。金属酸化物の層、例えばLaAlO3、Y23、CeO2、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)などは、金属の基材と活性層の間に化学的バリアを形成する作用がある。バッファ層は基材よりも抗酸化性であり、基材と超伝導体との間で化学種の分散を減少させることができる。さらにバッファ層は、超伝導体に適合する熱膨張係数を有している。
図2は、フィルムの平面に対して垂直で、磁場配向に対して平行に、金属基板酸化物バッファ層上のYBCOフィルムに、有機金属堆積(MOD)させたときの典型的なフィールド依存性を示すものである。多くのコイルアプリケーションに使用されているY123ワイヤについては、75Kにおいて、フィルムの平面に対して垂直な磁場配向により、平行配向の値よりも臨界電流(Ic)の顕著な減少が認められる。温度が低いと機能は増強されるが、多くの予想されるアプリケーションは、フィルムの平面に対して垂直方向に磁場1−3テスラで配向された温度55〜65Kの領域で平衡になる。多くの予想されるアプリケーションは、機能低下の状態となるのである。磁場内におけるYBCOワイヤの平行および垂直方向の機能は、図3に示すように中間角における機能を試験するために重要である。図3に示されるように、YBCOフィルムはc軸(0と180°またはYBCOフィルムの平面に対して垂直)上において小さいピークを示す。それは、平面或いは線状の欠陥(例えば、双晶境界(twin boundaries)、結晶粒界(grain boundaries)、a軸結晶など)によって拡大される。しかし、YBCOワイヤの実際のアプリケーションの機能は、垂直配向だけでなく、色々な配向における最小の機能Hによって決定される。
有機金属(溶液基準)堆積(MOD)法は高配向の酸化物超伝導フィルムを得るために使用される。MOD法は魅力的な方法である。それは、前駆体溶液が多目的であり、濃度と組成を種々変更できるからである。MOD法において、TFA前駆体からRE123フィルムを作ることは、前駆体溶液がRE123の中間体(金属酸化ハロゲン中間体など)を含むフィルムの形成のために分解再生されることである。酸化フッ化物フィルムは、RE123酸化物超伝導フィルムの前駆体である多様なフィルムであると考えられる。例えば(1)BaF2、希土類酸化物叉はフッ化物、遷移金属、遷移金属酸化物、遷移金属フッ化物、(2)RE-Ba-O-F、希土類酸化物叉はフッ化物、遷移金属酸化物叉はフッ化物を含む混合物、(3)Ba-O-F、希土類酸化物叉はフッ化物、遷移金属酸化物叉はフッ化物を含む混合物、などのフィルムである。中間体フィルムはさらに処理されてRE123酸化物超伝導フィルムを形成する。
TFA溶液を使用して堆積法によって作成したYBCOフィルムをラザフォード後方散乱分析(RBS)により測定し、あるいは核種活性化により測定すると、分解再生された金属酸化フッ化物中間体フィルムの深さ全体に渡ってカチオンが分散していることが示される。RBSデータのシュミレーションでは、銅濃度が表面層で高く、バッファ層/YBCO界面で低いこと、バリウム濃度が表面層で低く、界面で高いこと、イットリウム濃度が全体に均一であることが示される。核種活性化による分析では、フッ化物が深さ方向に分散し、界面で多く、表面に向かって減少していることが示される。中間体分解再生フィルム内のカチオン濃度の分散は、薄いフィルムに比較して厚い(0.8μmより大きい厚み)フィルム程重要な問題となる。カチオンは反応中の広範囲に拡散・再分散させるために必要なものだからである。一方、最終的な酸化物超伝導体フィルム内に全ての要素を均一に分散することは、酸化フッ化物中間体フィルムを酸化物超伝導体に変換する間に要素の再分散を意味する。酸化物の超伝導体フィルムには少量であるが、検出可能なフッ化物の残査がある。HTSフィルムの分析は、フィルムの表面の銅濃度が多いことが示され、フィルムのバルク分析では、フィルムからのいかなるカチオンの実質的な損失も示されていない。(分解再生されたフィルムの金属濃度は、前駆体溶液の金属濃度と基本的に変化していない)
MOD法によりTFA前駆体からYBCOフィルムを作製する上で、バッファ層と金属酸化フッ化物層との界面におけるYBCO核は、構造形成の一つのファクターである。生産性を高めるために、バッファ層とYBCOとの界面で核化が起きるとき、各要素の濃度を化学量論比、例えばBa:Cu=2:3にするべきである。化学量論前駆体溶液(Y:Ba:Cu=1:2:3)を使用してTFA前駆体からYBCOフィルムを製造する通常のプロセスにおいて、カチオンの不均一な分散は酸化フッ化物フィルムのバッファ層とYBCOとの界面で、非化学量論的な結果をもたらす。例えば、厚みが厚くなる(0.8μmより大きい)と界面領域はバリウムに対する銅の比率が1.5より小さく、フィルムの表面では該比率が1.5より大きくなる。フィルム厚みが増加すると、銅とバリウムの濃度が表層と下部層で相違し、それが顕著になる。バッファ層とYBCOとの界面で銅が不足する(例えばバリウムに対する銅の比率が低くなる)と、YBCOの核化が乏しくなり、成長エネルギーが減少し、その結果YBCOフィルムの機能が低下する。一方、バリウムに対する銅の比率が1.5より大きく維持されることによりYBCOの成長を促進し、フィルムの厚みを増大することができる。“化学量論に近い”との用語は、以後アルカリ土類金属対遷移金属の比率を意味し、それはRE123フィルム内において約2:3である。
本発明の他の具体例によれば、前駆体溶液中の遷移金属のアルカリ土類金属に対する比率1.5より大きくなるように設定される。遷移金属のアルカリ土類金属に対する比率が少なくとも1.6、少なくとも1.8、少なくとも2.0あるいは1.65〜1.95の範囲にすることができる。前駆体溶液は、遷移金属のアルカリ土類金属に対する比率が1.5より大きく、同じ叉は異なる組成の層が堆積することができる。そして全体の厚みが約0.8μmより厚く、叉は約1.0μmより厚いものが得られる。“全体”という用語は、以後において、超伝導体フィルムの形成における堆積した一層以上の層のトータルを表すものとして使用される。
バリウム対銅の比率を1.5より大きくするために、前駆体溶液の銅とバリウム濃度を調整することによりYBCOフィルムができる。前駆体フィルムは分解再生されて、バッファ層とYBCO界面領域におけるBa:Cu=2:3の化学量論に近い金属酸化フッ化物フィルムが得られ、全体としてバリウム対銅の比が1.5より大きくなる。
YBCOフィルムは、前駆体溶液中の銅濃度を増大させることによって得ることができる。また、前駆体フィルムを分解再生することによって、バッファ層とYBCO界面領域におけるBa:Cu=2:3の化学量論に近いフィルムが得られ、全体として銅対バリウムの比が1.5より大きくなる。前駆体溶液中の銅濃度は少なくとも約5モル%、あるいは少なくとも約10モル%、あるいは少なくとも約20モル%、または約5〜30モル%に増量することができ、金属濃度はアルカリ土類金属と遷移金属の割合を化学量論的に含むように前駆体溶液を調整する必要がある。
YBCOフィルムは、前駆体溶液中のバリウム濃度を減少させることによって得ることができる。前駆体フィルムを分解再生することによって、バッファ層とYBCO界面領域におけるBa:Cu=2:3の化学量論に近いフィルムが得られ、全体としてバリウムに対する銅の比率が1.5より大きくなる。前駆体溶液中のバリウム濃度は少なくとも約5モル%、あるいは少なくとも約10モル%、あるいは少なくとも約20モル%、または約5〜30モル%に減量することができ、金属濃度の割合を化学量論的に含むように前駆体溶液を調整する必要がある。
YBCOフィルムは、前駆体溶液中の銅濃度を増加させ、バリウム濃度を減少させることによって得ることができる。前駆体フィルムを分解再生することによって、バッファ層とYBCO界面領域におけるBa:Cu=2:3の化学量論に近いフィルムが得られ、全体として銅対バリウムの比が1.5より大きくなる。前駆体溶液中の銅濃度は少なくとも約5モル%、あるいは少なくとも約10モル%、あるいは少なくとも約20モル%、または約5〜30モル%に増量することができ、一方のバリウム濃度は少なくとも約5モル%、あるいは少なくとも約10モル%、あるいは少なくとも約20モル%、または約5〜30モル%に減量することができ、金属濃度の割合を化学量論的に含むように前駆体溶液を調整する必要がある。
前駆体溶液の組成は、超伝導フィルム内の遷移金属のアルカリ土類金属に対する比率を1.5より大きく維持することによって、酸化物超伝導層の機能を増進させるためにさらに調整することができる。例えば、磁束ピニング中心としての、酸化物超伝導体結晶内のナノスケールの欠陥やナノ粒子の存在によって、磁場内の電気的機能が増進される。本発明の一つの目的において、遷移金属のアルカリ土類金属に対する比率が1.5より大きい希土類−アルカリ土類金属−遷移金属の酸化物(以後RE123という)の形成のための前駆体組成物と、添加成分と、磁束ピニングサイトの形成のためのドープ成分と、を含む前駆体溶液が、溶液ベース法において、ピニング中心を有する超伝導体フィルムを得るために使用される。
ドープ成分は前駆体溶液の前駆体成分である金属の一部代替としてドープ金属を提供する。一般にドープ成分は、前駆体溶液の溶媒に溶解する金属コンパウンドで、超伝導体を酸化するプロセスで、ドープ金属が超伝導体の酸化物の一要素として置換される。
添加成分は、希土類、アルカリ土類、遷移金属、セリウム、ジルコニウム、銀、アルミニウム、マグネシウムなどの可溶性成分で、第2相ナノ粒子(secondary phase nanoparticles)を形成し、酸化物超伝導体フィルム内でピニングサイトとして作用する。他の具体例では、添加成分は前駆体溶液中に含まれる可溶性成分の化学量論量以上に含まれる。例えば、可溶性イットリウム塩は、Y123形成のために必要とされる以上に前駆体溶液中に含めることができる。過剰なイットリウムは本発明においてはイットリウムリッチな第2相ナノ粒子、例えばY2BaCuO5(Y211)、Y2Cu25、Y23を形成し、超伝導酸化物フィルム内でピニングサイトとして作用する。一般に添加成分は、前駆体溶液に溶解することができる他の金属化合物であり、酸化物超伝導体フィルム内に金属酸化物または該金属部位を形成する。典型的な添加成分は、希土類、アルカリ金属、遷移金属化合物であり、前駆体溶液に過剰にまたは適量添加される。ナノ粒子を形成する可溶性金属化合物としては、例えば、イットリウム、ネオジム、サマリウム、ユーロロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロジウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテニウムなどの希土類、カルシウム、バリウム、ストロンチウムなどのアルカリ土類金属、スカンジウム、チタン、バナジウム、クロム、マグネシウム、鉄、コバルト、ニッケル、ジルコニウム、セリウム、銀、アルミニウム、マグネシウムなどの遷移金属が、前駆体溶液に溶解するものとして挙げられる。そのような化合物には、例えば、(硝酸塩、酢酸塩、アルコキシド、ハロゲン塩、硫酸塩、トリフルオロアセテート塩などの)塩、酸化物、水酸化物が含まれる。添加成分は、ナノ粒子分散を形成する粉末として前駆体溶液に添加することもできる。
前駆体溶液に使用するための添加成分またはドープ成分としてはさらに、米国出願10/758710の「ナノドット磁束ピニング中心の酸化フィルム」に記載される物質が挙げられ、ここに参考として引用する。
前駆体の層は1ステップで堆積することができる。例えば、YBCOの金属成分を含み、バリウム対銅の比率が1.5より大きく、少なくとも0.8μmの厚みに堆積される。また、前駆体フィルムが水蒸気環境下で分解再生されて金属酸化フッ化物フィルムを形成しバッファ層とYBCO界面領域におけるBa:Cu=2:3の化学量論に近いフィルムが得られ、全体としてバリウム対銅の比が1.5より大きくなり、全体として0.8μmより厚く、あるいは約1.0μmより厚い厚みを有する。前駆体溶液内のバリウム対銅の比率は、銅が過剰かバリウムが不足、あるいはその両方によって調整され、それは少なくとも約5モル%、または少なくとも約20モル%である。“過剰”という用語はここでは、酸化物超伝導体の構成金属の化学量論的比率を含む前駆体溶液に必要な量よりも多量の金属を含むことを意味する。“不足”という用語はここでは、酸化物超伝導体の構成金属の化学量論的比率を含む前駆体溶液に必要な量よりも少ない量の金属しか含まないことを意味する。
前駆体の層は2以上の工程および2以上の前駆体溶液を使用して堆積させることができ2以上の工程において過剰な銅を含む層にすることができる。過剰な銅を含む層は、酸化物超伝導体の構成金属を含み銅リッチなRE123前駆体溶液、あるいは銅のみを含む前駆体溶液、を使用して堆積させることができる。
一例として、第1前駆体層は基材の上に堆積され、第2前駆体層が堆積し分解再生する前に、分解再生されても良い。別の例では、前駆体層は2以上の堆積工程と、1工程によって分解再生することもできる。
他の例においては、銅含有層を、第1、第2RE123前駆体層の間に堆積させてもよい。第1前駆体層は基材の上に堆積され、銅層が堆積される前に分解再生されてもよい。前駆体の素材に構造的、化学的に適合する他の中間層を形成することができる。例えば、エピタキシャルな超伝導層の堆積に適当な結晶構造などである。
前記中間層は、典型的にはCuO、Cu2Oであり、温度に依存する。しかし、この層は薄いので、高温における変換プロセスの間に、この銅酸化物層は上方または下方の層に拡散することができる。分解再生後、この層は、SEMにより観察可能であるが、酸化物超伝導体形成のための高温反応後には、観察できなくなる。銅酸化物はマトリクス内に拡散するため、マトリクス内の銅濃度は高くなる。
中間層の厚みは一般に20nm〜200nmで、スパッタリング、真空蒸着法、パルス蒸着、他の一般的な方法により堆積される。前記層には、分解再生により銅酸化物を形成する可溶性の銅前駆体を堆積することもできる。酸化物超伝導体を形成する熱処理の間に、銅の一部あるいは全部が中間層から他の前駆体層へ拡散して銅リッチな超伝導フィルムが形成される。
他の具体例によれば、YBCOフィルムは、銅前駆体溶液から第一層が、Y、Ba、Cuの比率を約(1:2:3)(化学量論比)で含有するYBCO前駆体溶液から第二層が形成されても良い。両層ともに全体として遷移金属のアルカリ土類金属に対する比が1.5より大きい。前駆体フィルムは水蒸気雰囲気下でバッファ層とYBCO層界面では、化学量論比Y:Ba:Cu=1:2:3に分解再生され、全体としては、Baに対する銅が1.5より大きく、厚みが約0.8μmまたは約1.0μmより厚い。銅前駆体溶液は過剰な銅濃度が少なくとも約5モル%、あるいは約20モル%、または約30モル%で堆積される。YBCO前駆体溶液もまた、銅を過剰に(あるいはバリウムを不足して)含み、銅前駆体層の銅の量に応じて調整される。
他の具体例によれば、YBCOフィルムは、銅を過剰に含むYBCO前駆体溶液による層、銅前駆体溶液による層、Y、Ba、Cuの比率を約(1:2:3)で含有するYBCO前駆体溶液による層の、前記各層が堆積して形成することができる。全体として3層のCu:Ba比は1.5より大きい。水蒸気雰囲気下での前駆体フィルムの分解再生により、バッファ層とYBCO層の界面ではY:Ba:Cu=1:2:3の化学量論比に近くなり、全体としてはBaに対するCuが1.5より大きく、厚みが約0.8μmまたは約1.0μmより厚く成る。多層構造を適用して優れた厚みのYBCOフィルムを与え、特有な構造を有し電流量に優れる。
他の具体例によれば、銅リッチ(あるいはバリウム不足)なYBCO前駆体溶液による多層フィルムが堆積される。YBCOフィルムは、銅過剰のYBCO前駆体溶液と、別の銅過剰の前駆体溶液から、順次YBCO層を堆積し、形成された前駆体フィルムを水蒸気雰囲気下で分解再生して、バッファ層とYBCO層の界面ではBa:Cu=2:3の化学量論比に近くなり、全体としてはBaに対するCuが1.5より大きく、厚みが0.8μmより厚くなる。多層構造を適用して優れた厚みのYBCOフィルムを与え、特有な構造を有し電流量に優れる。
別の具体例によれば、YBCOフィルムは、YBCO前駆体溶液による第1層、銅過剰(バリウム不足)のYBCO前駆体溶液による第2層が堆積され、形成された前駆体フィルムを水蒸気雰囲気下で分解再生して、バッファ層とYBCO層の界面ではBa:Cu=2:3の化学量論比に近くなり、全体としてはBaに対するCuが1.5より大きく、厚みが0.8μmより厚くなる。多層構造を適用して優れた厚みのYBCOフィルムを与え、特有な構造を有し電流量に優れる。
別の具体例によれば、YBCOフィルムは、銅過剰(バリウム不足)のYBCO前駆体溶液による第1層が堆積され、形成された前駆体フィルムを水蒸気雰囲気下で分解再生して、バッファ層とYBCO層の界面ではBa:Cu=2:3の化学量論比に近くなる。続いてY、Ba、Cuの比率を約(1:2:3)(化学量論比)で含有するか銅過剰(またはバリウム不足)であり、イットリウムがドープ源と一部置換されているYBCO前駆体溶液により堆積され、水蒸気雰囲気下における前駆体フィルムの分解再生によってドープ成分を含む中間層が得られる。全体としてはBaに対するCuが1.5より大きく、厚みが0.8μmより厚くなる。多層構造を適用して優れた厚みのYBCOフィルムを与え、磁束ピニングサイトを有する層を含み、特有な構造を有し電流量に優れる。
別の具体例によれば、YBCOフィルムは、銅過剰(バリウム不足)のYBCO前駆体溶液による第1層が堆積され、形成された前駆体フィルムを水蒸気雰囲気下で分解再生して、バッファ層とYBCO層の界面ではBa:Cu=2:3の化学量論比に近くなる。続いてY、Ba、Cuの比率を約(1:2:3)(化学量論比)で含有するか銅過剰(またはバリウム不足)であり、添加成分またはドープ成分をさらに含む第2層が堆積され、酸化物超伝導体形成の条件下で第二相ナノ粒子を有するフィルムが形成される。全体としてはBaに対するCuが1.5より大きく、中間層の厚みが0.8μmより厚くなる。前記層は優れた厚みのフィルムを提供し、第二相ナノ粒子の層を有する。
遷移金属に対するアルカリ土類の比が1.5より大きい前駆体溶液は、少なくとも0.8μmの厚みの酸化物超伝導体フィルムを提供するのに十分な量に堆積される。前記溶液は、さらに厚いフィルム、例えば1.0μm、或いは0.8〜3.0μmの厚みの酸化物超伝導体フィルムを提供するのに十分な量に堆積することができる。前駆体溶液の多層構造堆積によって、構造的欠陥や電流量の低下のない厚み3μmのフィルムが得られる。
上記方法および前駆体溶液により得られる超伝導体フィルムは臨界電流に優れた特徴を示す。約1μmのYBCOの超伝導フィルムの臨界電流は約200Amps/cmW〜約250Amps/cmWである。
好適な前駆体成分は、1以上の希土類元素、1以上のアルカリ土類金属、そして1以上の遷移金属の各可溶性化合物を含む。ここで、希土類元素、アルカリ土類金属、遷移金属の“可溶性化合物”とは、これらの金属成分が前駆体溶液に可溶であることを意味する。そのような化合物としては、これら金属の塩(硝酸塩、酢酸塩、アルコキシド、ハロゲン塩、硫酸塩、トリフルオロアセテート塩など)、酸化物、水酸化物が挙げられる。前記成分の少なくとも一つは、トリフルオロアセテートなどのフッ素含有化合物である。
一般に、希土類金属塩は前駆体溶液に可溶性であり、中間体(例えば金属酸化ハロゲン化物中間体)形成プロセスを経由して希土類酸化物(例えばY23)を形成する。希土類元素は、イットリウム、セリウム、ネオジム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミニウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテニウムなどから選択される。典型的なアルカリ土類金属はバリウム、ストロンチウム、カルシウムである。一般に、アルカリ土類金属塩は、いずれも前駆体溶液に可溶で中間体(例えば金属酸化ハロゲン化物中間体)形成プロセスを経由し、アルカリ土類酸化物(BaOなど)形成前に、アルカリ土類ハロゲン化物(BaF2、BaCl2、BaBr2、BaI2など)を形成する。一般に、遷移金属は銅である。遷移金属塩も前駆体溶液に可溶性のものを選択する。他の具体例では、希土類、アルカリ土類金属の一部を、希土類酸化物およびアルカリ土類金属フッ化物に加えてあるいはその代わりに純粋金属または金属酸化フッ化物との混合物で形成することができる。
好適な銅前駆体溶液は溶媒中に適量の濃度で溶解された銅塩を含有する。そのような化合物には、硝酸、酢酸、アルコキシド、ハロゲン、硫酸、トリフルオロアセテートなどの銅塩である。特に好ましくは銅プロピオネートである。
一つの具体例において、前駆体溶液はイットリウム、バリウム、銅を、バリウムに対する銅の比率が約1.5より大きな割合で含む。別の例では、前駆体溶液はイットリウム、バリウム、銅を、バリウムに対する銅の比率が少なくとも1.6で含む。また別の例では、前駆体溶液はイットリウム、バリウム、銅を、バリウムに対する銅の比率が少なくとも1.8で含む。
前駆体溶液に用いられる溶媒または溶媒の組合せは、金属塩(例えば金属カルボキシレート)を溶解させるものであれば良い。そのような溶媒としてはメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのアルコールがある。
トリフルオロアセテートイオンやアルカリ土類金属のカチオン(バリウムなど)を含む金属塩溶液の具体例として、金属塩溶液(トリフルオロアセテートを含む)中のフッ素に対するアルカリ土類金属(バリウムイオンなど)のモル比が少なくとも約2:1(約2:1〜約18.5:1または、約2:1〜約10:1)である濃度までトリフルオロアセテートイオンの量を設定できる。
超伝導組成物の積層構造(基材の表面、基材の上に1以上のバッファ層や合金層を有するものなど)の製造方法は、スピンコート、浸漬コート、スロットコート(slot coating)、ウェブコート(web coating)その他の公知の方法がある。ウェブコート法による前駆体フィルムの堆積について構造式CeO2/YSZ/Y23を有するテンプレートが図4に記載されている。そのテンプレートは幅約1〜10cmである。
図4に示されるように第一ステーション410でワイヤ基材は2軸延伸される。好ましくは基材表面は結晶性配向により規定されている。例えば、2軸構造の表面((113)[211]面など)、立方体構造面((100)[011]面、(100)[001]面など)とすることができる。好ましくは、110面のX線回折極点(X-ray diffraction pole figure)のピークが、約20°より小さい(約15°より小さく、約10°より小さく、約5°〜約10°)のFWHM(半値幅)を有する。
表面は、巻き取りあるいはアニーリングされることで提供することもできる。さらに表面は真空処理、イオンビーム処理、他の公知の真空処理により2軸延伸された表面に形成される。そのような処理としては多結晶表面のランダム配向などがある。ある処理(例えばイオンビームによる堆積処理)では基材の表面が構造体(例えば、ランダム配向多結晶、表面が非晶質)である必要はない。
基材は、バッファ層または超伝導体層を支持できるものであればよい。例えば基材として、ニッケル、銀、銅、亜鉛、アルミニウム、鉄、クロム、バナジウム、パラジウム、モリブデン、などの金属またはこれらの合金を使用することができる。ある具体例では、基材は超合金から形成することもできる。またある具体例では、基材は大きな表面積(例えばテープやウエハなど)を有するものであってもよい。これらの具体例において、基材は比較的柔軟な材料から形成されることが好ましい。
またある具体例では、基材は、銅、ニッケル、クロム、バナジウム、アルミニウム、銀、鉄、パラジウム、モリブデン、タングステン、金、亜鉛などの金属から選択される二元系合金である。例えば、ニッケルとクロムから形成された合金である(ニッケルと最大20原子%(atomic percent)のクロム、ニッケルと約5〜約18原子%のクロム、ニッケルと約10〜約15原子%のクロムなどである)。他の具体例では、ニッケルと銅から形成される合金である(銅と約5〜約45原子%のニッケル、銅と約10〜約40原子%のニッケル、銅と約25〜約35原子%のニッケルなど)。さらに別の例では、ニッケルとタングステンから形成される合金である(約1〜約20原子%のタングステン、約2〜約10原子%のタングステン、約3〜約7原子%のタングステン、約5原子%のタングステンなどである)。さらに合金に少量の不純物(約0.1原子%より少なく、約0.01原子%より少なく、約0.005原子%より少ない不純物)を含んでもよい。
ある具体例では、基材に2より多くの金属を含むこともできる(例えば3元系、4元系合金など)。これらの例で、(銅、ニッケル、クロム、バナジウム、アルミニウム、銀、鉄、パラジウム、モリブデン、金、亜鉛などから選択される)2元系合金以外の合金としては、酸化物形成可能なものとして(Mg,Al,Ti,Cr,Ga,Ge,Zr,Hf,Y,Si,Pr,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Lu,Th,Er,Tm,Be,Ce,Nd,Sm,Yb,Laと酸化物形成体など)がある。さらに別の具体例では、以下の金属(銅、ニッケル、クロム、バナジウム、アルミニウム、銀、鉄、パラジウム、モリブデン、金、亜鉛、などから選択される)の2種以上を含むことができる。また、前記酸化物形成体のいずれかが欠損していてもよい。
酸化物形成体を含む合金の具体例として、少なくとも約0.5原子%(または少なくとも約1原子%、少なくとも約2原子%)の酸化物形成体で、最大約25原子%(最大約10原子%、最大約4原子%)の酸化物形成体を含むことができる。例えば合金はある酸化物形成体(少なくとも約0.5原子%のアルミニウム)を含むことができ、約25原子%から約55原子%のニッケル(例えば約35〜約55原子%、または約40〜約55原子%のニッケル)を銅とのバランスを考慮して含むことができる。別の例として、ある酸化物形成体(少なくとも約0.5原子%アルミニウム)と、約5原子%から約20原子%のクロム(例えば約10〜約18原子%、または約10〜約15原子%のクロム)をニッケルとのバランスを考慮して含むことができる。さらに少量の付加的金属(例えば、約0.1原子%より少なく、約0.01原子%より少なく、約0.005原子%より少ない付加的金属)を含むこともできる。
合金の基材は、固体状態で粉末を拡散することにより、あるいは、粉末で融合させ、溶融、冷却することにより得られる。合金は、表面を形成(2軸配向あるいは3軸配向(cube textured))するために、構造成形(例えばアニーリング、ローリング、スェージング、引張/押し出し成形など)によって成形することができる。従って、合金の構造はジェリーロール(jelly roll)構造で積層されたり、配向再形成される。ある具体例では、比較的熱膨張係数の小さい材料(例えば、Nb,Mo,Ta,V,Cr,Zr,Pd,Sb,NbTi、NiAlやNiAl3などの金属間化合物、およびそれらの混合物)は、配向再形成される前に、ロッド形状に成形されたり、合金中に埋め込まれる。
他の具体例では、第一のエピタキシャル(バッファ層など)層が2軸延伸された合金表面の上に形成されるまで、基材の表面に中間層を形成することによって、表面の酸化を防止することができる。中間層は、PO2やエピタキシャルバッファ層フィルムが成長するための温度条件が整うまで、表面酸化が起きないようにエピタキシャル金属や合金層を含んでいる。さらにバッファ層は、基材元素が中間層の表面に移動することを防止し、エピタキシャル層の成長が開始されるまで酸化を防ぐバリアとして機能する。そのような中間層が無いと、基板内の元素が表面に熱力学的に安定な酸化物を形成し、エピタキシャル層の堆積を妨害するので、酸化層構造に欠陥を生じさせる。
これらの具体例では、中間層はつかの間(transient)存在する。“つかの間”とは中間層は、エピタキシャルフィルムの核形成あるいは成長にともなって、その全部または一部が2軸延伸された基材内に融合されることを意味する。このような状況下、中間層や2軸配向基材はエピタキシャルフィルムが堆積されるまで、明確に存在する。中間層が好ましくない特徴、例えばニッケルなどのように中間層が磁性を有する時は、つかの間の中間層を使用することが望ましい。
典型的な中間金属層は、ニッケル、金、銀、パラジウム、それらの合金を含む。付加的な金属または合金には、ニッケル、銅などの合金が含まれる。中間層の上に堆積するエピタキシャル層またはフィルムは、金属酸化物、カルコゲナイド(chalcogenide)、ハライド、ニトリドなどを含むことができる。ある具体例では、中間金属層はエピタキシャルフィルムが分解再生される条件では酸化されることはない。
エピタキシャル層形成のために初期バッファ層が成長するか核化する前に、中間層が基材内に完全に融合または完全に拡散することには留意する必要がある。これは基材合金内への拡散係数のような特徴を考慮して金属(合金)を選択し、実際のエピタキシャルバッファ層の成長条件下での酸化に対して熱力学的に安定で、エピタキシャル層の結晶格子のマッチングを考慮することを意味し、堆積する金属層の厚みはエピタキシャル層の堆積条件、温度などにより調整される。
中間金属層の堆積は、蒸着、スパッタリングなどの真空プロセスあるいは、(電極を使用するまたは使用しないで)電析(electroplating)のような電気化学的手段により行われる。これらの中間金属層の堆積後にエピタキシャル成長が(堆積中の基板上の温度により)起こる場合とそうでない場合があるが、エピタキシャル配向は後のポストデポジション(post-deposition)熱処理により得られる。
他の具体例では、硫黄は中間層の表面に形成することができる。硫黄を中間層の表面に形成するためには、たとえば硫黄源(H2S、タンタリウムホイル、シルバーホイルなど)と水素源(水素、水素と他のガス、例えば5%水素/アルゴンの混合ガスなど)を含むガス雰囲気下で、適当な時間(例えば約10秒から約1時間、約1分から約30分、約5分から約15分)中間層を曝すことにより形成できる。これは高温(例えば約450〜約1100℃、約600〜約900℃、850℃など)下が好ましい。水素(または水素との混合ガス)の圧力は低めに(例えば約1トル(torr)より低く、約1×10-3より低く、約1×10-6より低い)あるいは、比較的高く(例えば約1トルより上、約100トルより上、約760トルより上など)設定することもできる。
限定されないが、延伸された基材表面を硫黄源にこのような条件で曝すことにより、基材表面に硫黄の上部構造(ac(2×2)の上部構造(superstructure))が形成される。そしてその上部構造が中間層の表面を安定化(例えば化学的または物理的に安定化)する効果があると考えられる。
前述した硫黄の上部構造の形成には、他の方法を使用することができる。例えば、硫黄の上部構造(Sc(2×2))は適当な有機溶液を中間層の表面に接触させ、適当なガス雰囲気下で過熱することによって形成することができる。
さらに、前記の中間層の表面上に硫黄の上部構造を形成することについて述べたように、他の上部構造もまた表面安定化(例えば化学的または物理的に安定化)すると考えられる。例えば、酸素の上部構造、窒素の上部構造、炭素の上部構造、セリウムの上部構造などは、表面の安定化を増大すると考えられる。
第二の処理ステーション420では、バッファ層が配向基材の上に形成される。バッファ層はイオンビームアシスト堆積法(IBAD)により形成される。この方法は、バッファ層素材が蒸着、例えば、電子ビーム蒸着、スパッタリング堆積、パルスレーザー堆積などにより、イオンビーム(アルゴンイオンビームなど)が堆積させるバッファ層素材を蒸発させ、基材の滑らかな非晶質表面に直接蒸着させる。
例えば、バッファ層はIBADにより形成することができ、蒸着されたバッファ層の素材はロックサルト構造(素材がロックサルト構造、例えばMgOや窒素などを含む酸化物のような構造)を有し、基材の滑らかで非晶質な表面(例えば平均二乗粗さ約100オングストローム以下)の上に形成され、バッファ層の素材は平面の外および内方向に対して実質的に配向(約13°あるいはそれ以下)された面を有する。
バッファ層素材の堆積条件は、基材の温度が約0〜約750℃(約0〜約400℃、室温〜約750℃、室温〜約400℃であってもよい)で、堆積速度が約1.0オングストローム/秒〜約4.4オングストローム/秒、イオンエネルギーが約200eV〜約1200eV、イオン流が約110μA/cm2〜約120μA/cm2である。
いくつかの具体例では、IBADを使用する場合、基材は多結晶性、結晶性構造(例えば、ニッケル合金などの金属合金)を有し、滑らかな非晶質の表面に異種素材(例えばSi34)が形成される。
他の具体例では、複数のバッファ層が最初のIBAD表面の上にエピタキシャル成長によって堆積させることもできる。各バッファ層の素材は平面の外および内方向に対して実質的に配向(約13°あるいはそれ以下)された面を有する。
バッファ層の素材は、金属有機物堆積法などの液相技術により提供することができる。例えば、S.S.ShoupらのJ.Am.Cer.Soc,vol.81,3019;D.BeachらのMat.Res.Soc.Symp.Proc,vol.495,263(1988);M.ParanthamanらのSuperconductor Sci.Tech.,vol.12,319(1999);DJ.Leeらの, Japanese J.Appl.Phys.,vol.38,L178(1999);M.W.Rupichらの,I.E.E.E.Trans,on Appl.Supercon.vol.9,1527.に記載されている。他の具体例では、溶液による被覆処理は、配向された基材の酸化物層と組み合わせて堆積させることもできる。それは特に配向金属基材の上に最初に堆積させる(シード)ことについて適用可能である。シード層の機能は1)基材を酸化雰囲気下で酸化層を(例えば酸化ターゲットからイットリア安定化ジルコニアのマグネトロンスパッタにより)堆積する際に酸化から基材を保護する機能;2)酸化物層のエピタキシャル成長のテンプレート機能である。これらの要求に応えるために、シード層は金属基材の表面からエピタキシャルに成長し、エピタキシャルな酸化物層の堆積と相互に作用することができる必要がある。
酸化物バッファ層の形成は基材層に積層するウェット法により進めることができる。具体的には、金属酸化物層の形成は金属アルコキシド前駆体(例えばゾルゲル前駆体)を用いて進めることができる。
バッファ層を含む配向基材を準備すると、前駆体溶液が上述したようにステーション430で堆積する。1以上の層が所望の厚みまでそして所望の全体組成になるように前駆体層形成のために堆積される。
後続のステーション440では、前駆体成分が分解再生される。前駆体成分の酸化物超伝導体への転換は前駆体フィルムの厚みを維持しつつ行われる。フッ素含有塩を含む前駆体成分の場合、第一段階の加熱工程では、金属有機分子が、所望の超伝導体素材の一種以上の酸化フッ化物中間体に分解再生される。
典型的には、この工程の初期温度は室温で、最終温度は約190℃〜約210℃であり、好ましくは約200℃である。この工程は、約5℃/minで、より好ましくは約10℃/min、最も好ましくは約15℃/minの昇温速度である。この工程の間に、通常のガス雰囲気下における水蒸気分圧は約5〜約50トル、好ましくは約5〜約30トル、最も好ましくは約20〜約30トルの間に維持される。通常のガス雰囲気下における酸素分圧は約0.1〜約760トル、好ましくは約730〜約740トルに維持される。
加熱は約200〜約290℃まで、約0.05〜約5℃/min(例えば約0.5〜約1℃/min)の昇温により継続される。好ましくは、この加熱工程の雰囲気は、初期温度から約190〜約215℃までの加熱時に使用した雰囲気下である。
さらに約650℃、好ましくは約400℃まで加熱が継続され、酸化フッ化物中間体が形成される。この工程は好ましくは約2℃/min、より好ましくは約3℃/min、最も好ましくは約5℃/minで昇温される。このときの加熱工程の雰囲気も、初期温度から約190〜約215℃までの加熱時に使用した雰囲気と同様である。
別の具体例として、フッ化バリウムがドライソリューション加熱法によって形成される。まず、初期温度(室温)から約190〜約215℃、水蒸気分圧は約5〜約50トル(約5〜約30トル、約10〜約25トルでもよい)の間で加熱される。酸素分圧は約0.1〜約760トルである。この具体例では、さらに継続して約220〜約290℃まで、水蒸気分圧約5〜約50トル(約5〜約30トル、約10〜約25トルでもよい)の間で、加熱される。酸素分圧は約0.1〜約760トルである。さらに約400℃まで、約2℃/min(約3℃/min、約5℃/minでもよい)で昇温され、水蒸気分圧約5〜約50トル(約5〜約30トル、約10〜約25トルでもよい)の間で処理されることにより、フッ化バリウムが形成される。酸素分圧は約0.1〜約760トルである。
別の具体例として、フッ化バリウムが予備加熱炉(温度は、少なくとも約100℃、少なくとも約150℃、少なくとも約200℃、高くても約300℃、または約250℃、または約200℃)内でサンプルを処理することを含む、ドライソリューション加熱法によって形成される。炉内のガス雰囲気は、全体の圧力が約760トル、水蒸気分圧(具体的には少なくとも約10トル、少なくとも約15トル、高くても約25トル、高くても約20トル、約17トルでもよい)は酸素分圧とのバランスを考慮して設定される。サンプルが炉内温度に達した後、炉内温度を上昇(少なくとも約225℃、少なくとも約240℃、高くても約275℃、高くても約260℃、約250℃でもよい)させ、所定の昇温速度(少なくとも約0.5℃/min、少なくとも約0.75℃/min、早くても約2℃/min、約1.5℃/min、約1℃/minでもよい)で昇温させる。この工程では、第一加熱工程と同じガス雰囲気下で行うことができる。炉の温度はその後さらに上昇し(少なくとも約350℃、少なくとも約375℃、高くても約450℃、高くても約425℃、約450℃でもよい)、所定の昇温速度(少なくとも約5℃/min、少なくとも約8℃/min、早くても約20℃/min、約12℃/min、約10℃/minでもよい)で昇温させる。この工程では、第一加熱工程と同じガス雰囲気下で行うことができる。
前記金属塩溶液の処理によって、金属酸化物と金属フッ化物を含む酸化フッ化物中間体フィルムが形成され、フィルム内で均一に分散化される。前駆体は低い欠陥密度で、基本的に中間体の厚み全体に渡ってクラックのないものである。フッ化バリウム形成のための溶液法について述べたが、他の前駆体溶液を使用して他の方法で行うこともできる。
超伝導体の中間体フィルムは、所望の超伝導体層形成のために後続のステーション450で処理される。典型的には、この工程は室温から約700〜約825℃まで、好ましくは約740〜約800℃、より好ましくは約740〜約800℃、さらに好ましくは約750〜約790℃まで、昇温速度約25℃/minより早く、好ましくは約100℃/minより早く、より好ましくは約200℃/minより早く昇温される。この工程は、金属酸化フッ化物中間体フィルムを形成したときの最終温度約400〜約650℃から開始してもよい。この工程の間に、処理ガスはフィルム表面上に供給され、フィルムからガスと反応した生成物を除去する。この工程中の通常のガス雰囲気は、全体の圧力が約0.1〜約760トル、酸素が約0.09〜約50トル、水蒸気が約0.01〜約150トル、入力ガス(窒素またはアルゴン)が約0〜約750トルである。好ましくは、全体の圧力が約0.15〜約5トル、酸素が約0.1〜約1トル、水蒸気が約0.05〜約4トルである。
フィルムは約700〜825℃に、好ましくは約740〜800℃、より好ましくは約750〜約790℃で加熱され、少なくとも約5〜約120分、好ましくは約15〜約60分、より好ましくは約15〜約30分保持される。この工程で、処理ガスはフィルム表面上に供給され、フィルムからガスと反応した生成物を除去する。この工程中の通常のガス雰囲気は、全体の圧力が約0.1〜約760トル、酸素が約0.09〜約50トル、水蒸気が約0.01〜約150トル、入力ガス(窒素またはアルゴン)が約0〜約750トルである。好ましくは、全体の圧力が約0.15〜約5トル、酸素が約0.1〜約1トル、水蒸気が約0.05〜約4トルである。
フィルムは、その後室温まで冷却される。このときのガス雰囲気は、酸素分圧が約0.05〜約150トル、好ましくは約0.1〜約0.5トル、より好ましくは約0.1〜約0.2トルである。
得られる超伝導体フィルムは良好な秩序付け(平面上に2軸配向、または平面から外に向かってc軸配向および平面上に2軸配向)されている。具体的には、超伝導体素材のバルクが2軸配向されているのである。超伝導体層は少なくとも約1μm厚(または、少なくとも約2μm厚、少なくとも約3μm厚、少なくとも約4μm厚、少なくとも約5μm厚)である。酸化物超伝導体は、実質的には幅方向に一定のc軸配向を有し、該c軸配向はワイヤまたはテープの表面に対して垂直である。
さらに、ステーション460で貴金属の堆積処理が行われ、ステーション470で酸素アニール、ステーション480でラミネート、ステーション490でスリッティング(slitting)が行われて処理が完了する。これにより低価格、低損失の導電ワイヤが得られる。この発明については、以下の実施例で図面を参照しつつさらに詳述するが、当業者は種々の修正、変更などができることを理解すべきである。
(Y123フィルムの製造)
Y:Ba:Cu=1:2:3の化学量論比を有するYBCO前駆体溶液を以下の手順によって準備した。約0.83gのY(CF3CO23、約1.6gのBa(CF3CO22、約1.28gのCu(C25CO22を約4.85mlのメタノール(CH3OH)と約0.15mlのプロピオン酸(C26CO2)の溶媒に溶解した。これにメタノールを調整して約5.0mlの最終溶液とした。
幅1cm、長さ(1.5cm〜2.0cm)の構造式Ni(5%)W/Y23/YSZ/CeO2の2軸延伸された酸化物バッファ金属基材に、前駆体溶液を、回転速度2000RPMのスピンキャスト技術によって堆積させた。充分な量の前駆体溶液により、約0.8μmの厚みでYBa2Cu37-Xのフィルムが堆積した。
前記サンプルを金属酸化フッ化物中間体フィルムに分解再生するために径2.25の管状炉内で加熱した。温度は、室温から約200℃までは約15℃/minで、約200〜約250℃までは約0.9℃/minで、そして約250〜約400℃までは約5℃/minで昇温し、ガス(水蒸気分圧約24トル、調整酸素含有)を流通させつつ約760トルで処理した。
金属酸化フッ化物フィルムを、その後加熱処理にすることにより酸化物超伝導体が得られた。長さの短い(1−2cm)中間体フィルムを管状炉内で、約200℃/minの昇温速度で約785℃まで加熱し、全体の圧力約240トル(水蒸気分圧約90ミリトル、酸素分圧約150ミリトル)で約30分保持した。30分保持後、ガス雰囲気から水蒸気を除去し、酸素分圧約150ミリトル中で室温まで冷却した。その結果約0.8μmの厚みのフィルムが得られた。
サンプルには、熱蒸着により2μmの厚みの銀層で被覆し、100%酸素雰囲気で550℃、30分アニール後、室温まで冷却した。
(過剰なCuを含有するY123フィルムの製造)
Y:Ba:Cu=1:2:3.34の化学量論比を有するYBCO前駆体溶液を以下の手順によって準備した。約0.83gのY(CF3CO23、約1.6gのBa(CF3CO22、約1.54gのCu(C25CO22を約4.85mlのメタノール(CH3OH)と約0.15mlのプロピオン酸(C26CO2)の溶媒に溶解した。これにメタノールを調整して約5.0mlの最終溶液とした。
実施例1と同様にして前駆体を被覆し、分解再生した。得られたフィルムは約0.8μmの厚みを有していた。過剰な銅の濃度を種々変更して同様の処理を行った。図5より、Cuが20%過剰までは、銅濃度を増加することによりIcが増加することおよび、その後は減少することが分かる。
(過剰なCuおよび不足するBaのY123フィルムの製造)
Y:Ba:Cu=1:1.6:3.6の化学量論比を有するYBCO前駆体溶液を以下の手順によって準備した。約0.83gのY(CF3CO23、約1.28gのBa(CF3CO22、約2.3gのCu(C25CO22を約4.85mlのメタノール(CH3OH)と約0.15mlのプロピオン酸(C26CO2)の溶媒に溶解した。これにメタノールを調整して約5.0mlの最終溶液とした。
実施例1と同様にして前駆体を被覆し、分解再生した。得られたフィルムは約0.8μmの厚みを有していた。フィルムの臨界電流は219A/cmWであった。
(化学量論溶液の前に銅層を形成したときのY123フィルムの製造)
Y:Ba:Cu=1:2:3の化学量論比を有するYBCO前駆体溶液を以下の手順によって準備した。約0.83gのY(CF3CO23、約1.60gのBa(CF3CO22、約1.28gのCu(C25CO22を約4.85mlのメタノール(CH3OH)と約0.15mlのプロピオン酸(C26CO2)の溶媒に溶解した。これにメタノールを調整して約5.0mlの最終溶液とした。
別途、約1.54gのCu(C25CO22を約4.85mlのメタノール(CH3OH)と約0.15mlのプロピオン酸(C25CO2)の溶媒に溶解した。これに約5.0mlのメタノールを追加して銅前駆体溶液とした。
幅1cm、長さ(1.5cm〜2.0cm)の構造式Ni(5%)W/Y23/YSZ/CeO2の2軸延伸された酸化物バッファ金属基材に、銅前駆体溶液を、回転速度約1000〜3000RPMのスピンキャスト技術によって堆積させた。充分な前駆体溶液によって、充分な厚みの銅フィルムが得られた。
前記銅フィルムの上に、YBCO前駆体溶液を、回転速度2000RPMのスピンキャスト技術によって堆積させた。充分な量の前駆体溶液により、約0.8μmの厚みでYBa2Cu37-Xの堆積物が得られた。
被覆サンプルを実施例1と同様にして分解再生した。その結果厚み約0.8μmのフィルムが得られた。図6には、77Kにおけるフィルムの臨界電流を示した。回転速度の増加に伴って増加すること、銅層がないときは減少していることが分かる。
(化学量論比の溶液で二層構造としたY123フィルムの製造)
Y:Ba:Cu=1:2:3の化学量論比を有するYBCO前駆体溶液を以下の手順によって準備した。約0.83gのY(CF3CO23、約1.60gのBa(CF3CO22、約1.28gのCu(C25CO22を約4.85mlのメタノール(CH3OH)と約0.15mlのプロピオン酸(C26CO2)の溶媒に溶解した。これにメタノールを調整して約5.0mlの最終溶液とした
幅1cm、長さ(1m)の構造式Ni(5%)W/Y23/YSZ/CeO2の2軸延伸された酸化物バッファ金属基材に、ダイ塗布方式によりYBCO前駆体溶液を堆積させた。充分な量の前駆体溶液により、約0.8μmの厚みでYBa2Cu37-Xの堆積物が得られた。得られた試料を実施例1と同様の温度・雰囲気下でリールtoリールシステム(reel to reel system)により分解再生した。
処理テープを0.5mに分割した。第一分割の0.5mの処理テープにY:Ba:Cu=1:2:3の化学量論比を有する第二のYBCO前駆体層を堆積させた。充分な量の前駆体溶液により、約0.6μmの厚みでYBa2Cu37-Xの堆積物が得られた。試料を、水蒸気分圧が7トルであることを除いては、前記同様のリールtoリールシステムにより分解再生処理した。
分解再生処理したテープを1cm×2cmの大きさにカットし静的な炉内で処理した。試料は、酸素流速11cc/minと所望の水蒸気分圧になるように水蒸気を流しつつ、酸素分圧150ミリトル、水蒸気分圧300ミリトル雰囲気下、580℃での第一加熱処理を実施した。昇温速度は約200℃/minである。試料を10分間保持し水蒸気を除去していった。酸素分圧150ミリトルの乾燥雰囲気で室温まで冷却した。
試料はその後、酸素分圧150ミリトルの乾燥雰囲気で、約200℃/minの昇温速度で785℃まで加熱した。785℃に達してその温度で維持しつつ、200ミリトルの水蒸気分圧になるように導入し、YBa2Cu3X相に転換させた。保持時間は約60分である。60分保持した後、水蒸気を除去し、酸素分圧150ミリトルの乾燥雰囲気で室温まで冷却した。
試料は銀で被覆し、実施例1に記載したように酸素雰囲気下アニールした。
最終フィルムの臨界電流は77Kにおいてプローブ法により測定した。その臨界電流を、“ベースライン(baseline)”として図7に示す。
(第二層に銅過剰溶液を用いて二層構造としたY123フィルムの製造)
Y:Ba:Cu=1:2:3.6の化学量論比を有する第二YBCO前駆体溶液を以下の手順によって準備した。約0.83gのY(CF3CO23、約1.60gのBa(CF3CO22、約1.54gのCu(C25CO22を約4.85mlのメタノール(CH3OH)と約0.15mlのプロピオン酸(C26CO2)の溶媒に溶解した。これにメタノールを調整して約5.0mlの最終溶液とした。
実施例5の(残りである)第二分割の0.5mの処理テープに、ダイ塗布方式により前記第二YBCO前駆体溶液を堆積させた。充分な量の前駆体溶液により、約0.6μmの厚みでYBa2Cu37-Xの堆積物が得られた。試料を実施例5と同様にして分解再生処理した。
分解再生処理したテープを1cm×2cmの大きさにカットし静的な炉内で処理した。試料は、酸素流速11cc/minと所望の水蒸気分圧になるように水蒸気を流しつつ、酸素分圧150ミリトル、水蒸気分圧300ミリトル雰囲気下、580℃での第一加熱処理を実施した。昇温速度は約200℃/minである。試料を10分間保持し水蒸気を除去していった。酸素分圧150ミリトルの乾燥雰囲気で室温まで冷却した。
試料はその後、酸素分圧150ミリトルの乾燥雰囲気で、約200℃/minの昇温速度で785℃まで加熱した。785℃に達してその温度で維持しつつ、200ミリトルの水蒸気分圧になるように導入し、YBa2Cu3X相に転換させた。保持時間は約60分である。60分保持した後、水蒸気を除去し、酸素分圧150ミリトルの乾燥雰囲気で室温まで冷却した。
試料は銀で被覆し、実施例1に記載したように酸素雰囲気下アニールした。
最終フィルムの臨界電流は77Kにおいてプローブ法により測定した。その臨界電流を、“Cu+20%”としてに図7に示す。
(15モル%銅過剰、50%ジスプロシウム(Dy)添加Dy-Y123超伝導体フィルムの製造)
約0.83gのY(CF3CO23、約0.336gのDy(CH3CO23、約1.6gのBa(CF3CO22、約1.47gのCu(C25CO22を約4.85mlのメタノール(CH3OH)と約0.15mlのプロピオン酸(C26CO2)の溶媒に溶解した。これにメタノールを調整して約5.0mlの最終溶液とした。
前駆体溶液により実施例1に記載したように分解再生処理、銀被覆を施した。Y123の厚みは0.8μmとした。フィルムは、滑らかで輝く表面を有していた。最終的な厚みは1.1μmであった。最終フィルムのx線回折パターンは延伸Y(Dy)Ba2Cu37−Xの(001)面において、77KでIc値は360A/cmWであった。
(銅中間層を有する二重被覆超伝導体層の製造)
Y:Ba:Cu=1:2:3.23の化学量論比を有するベースラインYBCO前駆体溶液を以下の手順によって準備した。約0.85gのY(CF3CO23、約1.45gのBa(CF3CO22、約1.35gのCu(C25CO22を約4.85mlのメタノール(CH3OH)と約0.15mlのプロピオン酸(C26CO2)の溶媒に溶解した。これにメタノールを調整して約5.0mlの最終溶液とした。
1.24gのCu(C25CO22粉末を4.85mlのメタノールおよび0.15mlのC25CO2Hに溶解して、1.2MのCu(C25CO22溶液を作成した。
構造式Ni(5%)W/Y23/YSZ/CeO2の2軸延伸された酸化物バッファ金属基材に、ダイ塗布方式によりベースライン前駆体溶液を堆積させた。前駆体溶液によりバッファ基材の上に0.8μmのREBa2Cu37−Xフィルムを形成した。
前記サンプルを金属酸化フッ化物中間体フィルムに分解再生するために径2.25の管状炉内で加熱した。温度は、室温から約200℃までは約15℃/minで、約200〜約250℃までは約0.9℃/minで、そして約250〜約400℃までは約5℃/minで昇温し、ガス(水蒸気分圧約24トル、調整酸素含有)を流通させつつ約760トルで処理した。
Cu(C25CO22溶液により0.1μmの厚みの金属酸化フッ化物フィルムを被覆した。被覆フィルムを熱トンネルを通して95℃で乾燥させた。乾燥フィルムに、再びベースライン溶液を前記の方法により、0.6μmの厚みになるように被覆した。
被覆テープを、水蒸気分圧約6.5トルである他は前記と同様の方法により金属酸化フッ化物中間体に分解再生した。
分解再生テープを酸化物超伝導体を形成するために加熱処理した。テープは同様の被覆がされた4mのNiWリーダーテープの両面を挟んで結合され、制御された環境下で処理した。テープは以下の条件によって処理した。テープを昇温速度約520℃/minで785℃まで加熱する。反応中は圧力約1トルに調整されている。水蒸気分圧は約800ミリトル、酸素分圧は約200ミリトルである。反応時間は約11分である。酸素分圧約200ミリトル、窒素分圧約800ミリトルの全体約1トルの圧力で冷却した。
反応後のフィルムに3μmの銀の保護層を形成し、760トル酸素雰囲気下でアニールした。フィルムは77Kにおいて、Ic:約350A/cmW、Jc:約2.5MA/cm2であった。
(銅中間層を有し異なる組成の二重被覆超伝導体層の製造)
Y:Ba:Cu=1:2:3.23の化学量論比を有するベースラインYBCO前駆体溶液を以下の手順によって準備した。約0.85gのY(CF3CO23、約1.45gのBa(CF3CO22、約1.35gのCu(C25CO22を約4.85mlのメタノール(CH3OH)と約0.15mlのプロピオン酸(C26CO2)の溶媒に溶解した。これにメタノールを調整して約5.0mlの最終溶液とした。
Y:Dy:Ba:Cu=1:0.5:2:3.23の化学量論比を有する50%ジスプロシウム添加のベースラインYBCO前駆体溶液を以下の手順によって準備した。約20mlのベースライン溶液に、約1.70gのDy(CH3CO23を1.9mlのメタノールに溶解した溶液を添加し、ベースライン溶液で全体を約25mlに調整する。
1.24gのCu(C25CO22粉末を4.85mlのメタノールおよび0.15mlのC25CO2Hに溶解して、1.2MのCu(C25CO22溶液を作成した。
構造式Ni(5%)W/Y23/YSZ/CeO2の2軸延伸された酸化物バッファ金属基材に、ダイ塗布方式により50%ジスプロジウム添加の前駆体溶液を堆積させた。前記溶液によりバッファ基材の上に0.8μmのREBa2Cu37−Xフィルムを形成した。
前記サンプルを金属酸化フッ化物中間体フィルムに分解再生するために径2.25の管状炉内で加熱した。温度は、室温から約200℃までは約15℃/minで、約200〜約250℃までは約0.9℃/minで、そして約250〜約400℃までは約5℃/minで昇温し、ガス(水蒸気分圧約24トル、調整酸素含有)を流通させつつ約760トルで処理した。
前記金属酸化フッ化物フィルムに、Cu(C25CO22溶液により0.1μmの厚みの金属酸化フッ化物フィルムを被覆した。被覆フィルムを熱トンネルを通して95℃で乾燥させた。乾燥フィルムに、再びベースライン溶液を前記の方法により、YBa2Cu3Xが0.6μmの厚みになるように被覆した。
水蒸気分圧を約6.5トルに制御した他は前記同様のプロセスにより、被覆テープを再び分解再生して金属酸化フッ化物中間体を形成した。
分解再生テープを酸化物超伝導体を形成するために加熱処理した。テープは同様の被覆がされた4mのNiWリーダーテープの両面を挟んで結合され、制御された環境下で処理された。テープは以下の条件によって処理された。テープを昇温速度約520℃/minで785℃まで加熱する。反応中は圧力約1トルに調整されている。水蒸気分圧は800ミリトル、酸素分圧は200ミリトルである。反応時間は約11分である。酸素分圧約200ミリトル、窒素分圧約800ミリトルの全体約1トルの圧力で冷却した。
反応後のフィルムに3μmの銀の保護層を形成し、760トル酸素雰囲気下でアニールした。フィルムは77Kにおいて、Ic:約350A/cmW、Jc:約2.5MA/cm2であった。77K、1テスラの条件下、臨界電流(Ic)vs磁場配向(Θ)を図8にプロットした。77K、1テスラにおいては、HTSワイヤは全体として78A/cmWで、サンプル表面に対して平行および垂直では特に113A/cmWのIcを示した。
図1は本発明の超伝導体を示す。 図2は磁場および温度による金属基材の酸化物バッファ上のY123(YBCO)フィルムによるIcを示す。 図3は金属基材の酸化物バッファ上のYBCOフィルムの配向に対するIcを示す。 図4は本発明の一以上の実施例による、延伸物を用いたシステムおよび処理、パターン化された酸化物超伝導体ワイヤを示す。 図5はYBCOに過剰な銅を添加したときのIcを示す。 図6は銅前駆体添加溶液を異なる回転速度で体積したときのIcを示す。 図7は二重層YBCOフィルムと、二重層YBCOフィルムの第二層に過剰な銅を添加したときのIcを示す。 図8はHTSワイヤの77K、1テスラにおける臨界電流(Ic)vs磁場配向(Θ)を示す。

Claims (56)

  1. 基材の上に前駆体フィルムを形成するために第一前駆体溶液を堆積させる工程(前記第一前駆体溶液が、1種以上の溶媒に希土類元素の塩、アルカリ土類金属の塩、遷移金属の塩を含む希土類−アルカリ土類金属−遷移金属酸化物の前駆体成分を含有する溶液であって、前記塩の少なくとも1種がフッ素含有塩であり、遷移金属のアルカリ土類金属に対する比率が1.5より大きい)と、
    希土類−アルカリ土類金属−遷移金属酸化物超伝導体を形成するために前記前駆体フィルムを処理する工程(前駆体フィルム内の遷移金属のアルカリ土類金属に対する全体的比率が1.5より大きく、酸化物超伝導体の全体的厚みが約0.8μmより厚い)と、
    を含む酸化物超伝導体フィルムの製造方法。
  2. 前記前駆体フィルムの処理工程が、
    第一前駆体溶液の希土類、アルカリ土類金属、遷移金属を含む中間体金属酸化フッ化物フィルム形成のために前駆体フィルムを処理する工程;
    希土類−アルカリ土類金属−遷移金属酸化物超伝導体を形成するために前記中間体金属酸化フッ化物フィルムを加熱する工程;
    を含む請求項1記載の製造方法。
  3. 前記金属酸化フッ化物フィルムが、イットリウム、バリウム、銅を含み、基材と金属酸化フッ化物との界面近傍においてバリウム:銅が約2:3の比率である請求項2記載の製造方法。
  4. 前記遷移金属のアルカリ土類金属に対する比率が約1.6より大きい請求項1記載の製造方法。
  5. 前記遷移金属のアルカリ土類金属に対する比率が約1.5〜約1.8である請求項1記載の製造方法。
  6. 前記遷移金属が銅を含有し、アルカリ土類金属がバリウムを含有する請求項1記載の製造方法。
  7. 前記第一前駆体溶液が少なくとも約5モル%の銅を過剰に含有する請求項6記載の製造方法。
  8. 前記第一前駆体溶液が少なくとも約20モル%の銅を過剰に含有する請求項6記載の製造方法。
  9. 前記第一前駆体溶液が少なくとも5モル%のバリウムが不足する請求項6記載の製造方法。
  10. 前記第一前駆体溶液が少なくとも20モル%のバリウムが不足する請求項6記載の製造方法。
  11. 前記第一前駆体溶液が約1.0μmより厚い厚みで堆積される請求項1記載の製造方法。
  12. 前記酸化物超伝導体が約1.0μmより厚い全体的厚みを有する請求項1記載の製造方法。
  13. 前記第一前駆体溶液が2以上の堆積工程により堆積される請求項1記載の製造方法。
  14. 前記前駆体フィルムの堆積工程が、さらに
    第二前駆体溶液を堆積させる工程(前記第二前駆体溶液が、1種以上の溶媒に希土類元素の塩、アルカリ土類金属の塩、遷移金属の塩を含む希土類−アルカリ土類金属−遷移金属酸化物の前駆体成分を含有する溶液であって、前記塩の少なくとも1種がフッ素含有塩であり、遷移金属のアルカリ土類金属に対する比率が少なくとも1.5であり、前記第二前駆体の組成が前記第一前駆体の組成とは異なる)、
    を含む請求項1記載の製造方法。
  15. 前記第二前駆体溶液が、超伝導体フィルム内に磁束ピニングサイト形成のため選択された添加成分またはドープ成分を一つ以上含む請求項14記載の製造方法。
  16. 前記添加成分が、前駆体フィルム処理の条件下で第2相ナノ粒子を形成する可溶性成分を含む請求項15記載の製造方法。
  17. 前記可溶性成分が、希土類、アルカリ土類金属、遷移金属、セリウム、ジルコニウム、銀、アルミニウム、マグネシウムからなる群より選択される、請求項16記載の製造方法。
  18. 前記ドープ成分が、酸化物超伝導体の希土類、アルカリ土類金属、又は遷移金属の一部を置換できる金属である請求項15記載の製造方法。
  19. 前記第二前駆体溶液が第一前駆体溶液より先に堆積される請求項14記載の製造方法。
  20. 前記第二前駆体溶液が第一前駆体溶液より後に堆積される請求項14記載の製造方法。
  21. 前記第二前駆体溶液が、約0.8μmより小さい全体的厚みを有する酸化物超伝導体を形成するように堆積される請求項14記載の製造方法。
  22. 前記基材が2軸延伸されており;
    前記酸化物超伝導体が2軸延伸され、幅方向に実質的に一定のc軸配向を有し、酸化物超伝導体の前記c軸配向が基材表面に対して実質的に垂直である、請求項1記載の製造方法。
  23. 前記第一前駆体溶液が、超伝導体フィルム内に磁束ピニングサイト形成のため選択された添加成分またはドープ成分を一つ以上含む請求項14記載の製造方法。
  24. 前記添加成分が、前駆体フィルム処理の条件下で第2相ナノ粒子を形成する可溶性成分を含む請求項24記載の製造方法。
  25. 前記可溶性成分が、希土類、アルカリ土類金属、遷移金属、セリウム、ジルコニウム、銀、アルミニウム、マグネシウムからなる群より選択される、請求項25記載の製造方法。
  26. 前記ドープ成分が、酸化物超伝導体の希土類、アルカリ土類金属、または遷移金属の一部を置換できる金属である請求項24記載の製造方法。
  27. (i)以下の溶液により任意の順に、基材上に前駆体フィルムを形成する工程と;
    1種以上の溶媒と遷移金属の塩からなる第一前駆体溶液;
    1種以上の溶媒に希土類元素の塩、アルカリ土類金属の塩、遷移金属の塩を含む希土類−アルカリ土類金属−遷移金属酸化物の前駆体成分を含有する溶液であって、前記塩の少なくとも1種がフッ素含有塩であり、遷移金属のアルカリ土類金属に対する比率が少なくとも1.5の第二前駆体溶液、
    (ii)希土類−アルカリ土類金属−遷移金属酸化物超伝導体を形成するために前記前駆体フィルムを処理する工程と;
    前駆体フィルム内の遷移金属のアルカリ土類金属に対する全体的比率が1.5より大きく、酸化物超伝導体の全体的厚みが0.8μmより厚い、
    前記工程を含む、超伝導体フィルムの製造方法。
  28. 前記前駆体フィルムを処理する工程が;
    前記第一前駆体溶液および第二前駆体溶液の希土類、アルカリ土類金属、および遷移金属を含む中間体フィルムを形成するために前駆体フィルムを処理する工程;と
    希土類−アルカリ土類金属−遷移金属酸化物超伝導体を形成するために前記中間体フィルムを加熱処理する工程;
    を含む請求項27記載の製造方法。
  29. 前記前駆体フィルムが前駆体溶液の金属成分を含む中間体フィルムを形成するために前駆体溶液の堆積後に加熱される請求項28記載の製造方法。
  30. 前記遷移金属のアルカリ土類金属に対する全体的比率が約1.6より大きい請求項27記載の製造方法。
  31. 前記遷移金属のアルカリ土類金属に対する全体的比率が約1.5〜約1.8の範囲である請求項27記載の製造方法。
  32. 前記第一前駆体溶液が基本的に銅からなる請求項27記載の製造方法。
  33. 前記第一前駆体溶液が、第二前駆体溶液より先に堆積される請求項27記載の製造方法。
  34. 前記第二前駆体溶液のバリウム対銅の比率が約1.5である請求項27記載の製造方法。
  35. 前記第二前駆体溶液が、ピニング中心形成のため選択された添加成分またはドープ成分を一つ以上含む請求項34記載の製造方法。
  36. 前記第二前駆体溶液のバリウム対銅の比率が約1.5より大きい請求項27記載の製造方法。
  37. 前記第二前駆体溶液が、ピニング中心形成のため選択された添加成分またはドープ成分を一つ以上含む請求項36記載の製造方法。
  38. 前記超伝導体フィルムの全体的厚みが約1.0μmより厚い請求項27記載の製造方法。
  39. 銅前駆体層形成のために基材の上に銅溶液を堆積させ;
    前記銅前駆体層の上に、イットリウム、バリウム、銅を含み、バリウム対銅の比率が少なくとも1.5である第二前駆体溶液を堆積させる、
    前記請求項27記載の製造方法。
  40. 前記基材が2軸延伸されており;
    前記酸化物超伝導体が2軸延伸され、幅方向に実質的に一定のc軸配向を有し、酸化物超伝導体の前記c軸配向が基材表面に対して実質的に垂直である、請求項27記載の製造方法。
  41. 超伝導体層を有する2軸延伸基材を含む物品であって、前記超伝導体層が希土類バリウム銅酸化物超伝導体を含み;
    前記超伝導体層が0.8μmより厚い厚みを有し;
    前記超伝導体層のバリウム対銅の比率が1.5より大きく;
    前記超伝導体層がフッ素を含有する;
    物品。
  42. 前記基材が、酸化セリウム、酸化ランタンアルミニウム、酸化ランタンマンガン、酸化ストロンチウムチタン、酸化マグネシウム、酸化ネオジムガドリウム、酸化セリウム/イットリア安定化ジルコニアからなる群より選択される素材を含むバッファ層を有する基材である請求項41記載の物品。
  43. バリウム対銅の比率が約1.6より大きい請求項41記載の物品。
  44. 前記酸化物超伝導体の厚みが約1.0μmより厚い請求項41記載の物品。
  45. 超伝導体層が、温度77Kにおいて、少なくとも200Amps/cmWの臨界電流密度を有する請求項41記載の物品。
  46. 基材上の金属酸化フッ化物フィルムが、1以上の希土類元素、1以上のアルカリ土類金属、1以上の遷移金属を含み;
    フィルムの厚みが0.8μmより厚く、遷移金属のアルカリ土類金属に対する比率が1.5より大きく、基材と金属酸化フッ化物の界面近傍においてバリウム:銅の比率が約2:3のフィルムである、
    金属酸化フッ化物フィルム。
  47. 前記基材が、酸化セリウム、酸化ランタンアルミニウム、酸化ランタンマンガン、酸化ストロンチウムチタン、酸化マグネシウム、酸化ネオジムガドリウム、酸化セリウム/イットリア安定化ジルコニアからなる群より選択される素材を含むバッファ層を有する基材である請求項46記載の金属酸化フッ化物フィルム。
  48. バリウム対銅の比率が1.6より大きい請求項46記載の金属酸化フッ化物フィルム。
  49. フィルムの厚みが1.0μmより厚い請求項46記載の金属酸化フッ化物フィルム。
  50. 次の工程を含むプロセスにより製造された酸化物超伝導体。
    前駆体溶液内の遷移金属のアルカリ土類金属に対する比率が1.5より大きくなるように調製する工程;
    前駆体フィルムを基材上に形成するために前記前駆体溶液を堆積させる工程;
    前駆体フィルムと基材との界面近傍における遷移金属のアルカリ土類金属に対する比率が約1.5になるように前駆体フィルムを分解再生する工程であって、
    酸化物超伝導体内の遷移金属のアルカリ土類金属に対する全体的比率が1.5より大きく、酸化物超伝導体の全体的厚みが0.8μmより厚くなるように前記分解再生する工程。
  51. 前記遷移金属のアルカリ土類金属に対する比率を調製する工程において、前駆体溶液内の遷移金属濃度を増量させる工程を含む請求項50に記載のプロセスにより製造された酸化物超伝導体。
  52. 前駆体溶液内の遷移金属濃度を少なくとも5%増量させる請求項50に記載のプロセスにより製造された酸化物超伝導体。
  53. 前駆体溶液内の遷移金属濃度を少なくとも20%増量させる請求項50に記載のプロセスにより製造された酸化物超伝導体。
  54. 前記遷移金属のアルカリ土類金属に対する比率を調製する工程において、前駆体溶液内のアルカリ土類金属濃度を減量させる工程を含む請求項50に記載のプロセスにより製造された酸化物超伝導体。
  55. 前駆体溶液内のアルカリ土類金属濃度を少なくとも5%減量させる請求項54に記載のプロセスにより製造された酸化物超伝導体。
  56. 前駆体溶液内のアルカリ土類金属濃度を少なくとも20%減量させる請求項54に記載のプロセスにより製造された酸化物超伝導体。
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