JP2008511279A - 低電圧開閉装置用給電システム - Google Patents

Abstract

本発明は、低電圧開閉装置用給電システムであって、少なくとも１つの電気機械式開閉装置（２）を組付平面（１４）に組付けるための組付装置（５）を有し、開閉装置がその少なくとも１つの第１側（１３）に容器孔（３）を有し、そして、少なくとも１つの母線（１）を有し、組付けられた開閉装置（２）の容器孔が組付平面に対して直角な方向で実質的に母線と組付平面との間にあるようにこの母線が配置される給電システムに関する。小型で確実な給電システムを提供すべく、容器孔を開放保持するための第１手段（１０、１１ａ、１１ｂ、１２）が母線と組付平面との間に配置される。

Description

本発明は、低電圧開閉装置用給電システムに関する。

このようなシステムは、例えば電気機械式および電子式開閉装置を介して電源網から工業的負荷に給電するためにキャビネット内で利用される。

公知の給電システムは、電源網に接続され開閉装置と入力側で結合された母線システムと、開閉装置用取り付け具として役立つ組付装置とを有する。出力側で接続される単数又は複数の負荷に応じ、例えば短絡を遮断するための遮断器、モータ用ソフトスタータ、モータを投入・遮断するための接触器、小型分岐又は過負荷リレーが組付平面に組付けられる。更にこのような給電システムは、ヒューズなしの負荷分岐も含み得る。

短絡遮断のために遮断器の接点が開路されると、まずアークが着火する。その際に発生する高温のイオン化ガス、所謂プラズマを容器から排出すべく、遮断器は吹出し孔を有する。プラズマの円滑な排出を保証すべく、吹出し孔を常に露出させねばならない。それ故遮断器を組付ける際、吹出し孔を塞がぬよう注意する必要がある。

他方で、キャビネット内での高い実装密度を達成すべく、給電システムを極力小型に設計し、長い結合路を避けるよう努めている。例えば国際公開第００／６２３８６号パンフレットにより公知の給電システムでは、母線を遮断器上に直接組付けており、給電用にごく僅かな結合路が生じる（図１参照）。しかしこのシステムにおいて遮断器の吹出し孔は自由に接近可能であり、このため塞がれてしまう危険がある。

図２は所謂ケージクランプ給電システムを示す。該システムは製品カタログ”Siemens CA 01 2003”により公知であり、特にシステムの設計構造によって吹出し孔の閉鎖を防止できる利点を持つ。この給電システムは、ケージクランプ接続技術を有する１群の複数の遮断器又は負荷分岐一式用にエネルギー供給と分配を可能とする。システムのベースは、電源網に結合された３相母線を有する１つの基本モジュールからなる。

母線は組付けられた遮断器の下方に配置される。遮断器を入力側で母線と結合するための結合腹部を備え、これら結合腹部を介して結合プラグにより母線と遮断器との間の電気的接触を実現する。結合腹部と遮断器の、吹出し孔の設けられた上面との間に自由空間が存在し、該空間により、遮断時にプラズマの円滑な逃散を保証している。配置の選択により、この自由空間が塞がるのを確実に防止できる。

本発明の課題は、小型で動作の確実な給電システムを提供することである。

この課題は、低電圧開閉装置用給電システムであって、
少なくとも１つの電気機械式開閉装置を組付平面において組付けるための組付装置を有し、開閉装置がその少なくとも１つの第１側に容器孔を有し、そして、
少なくとも１つの母線を有し、開閉装置を組付けると容器孔と容器孔開放保持手段とが組付平面に対して直角な方向で実質的に母線と組付平面との間にあるようにこの母線が配置された給電システムによって解決される。

本発明に従い配置された単数又は複数の母線は、母線と開閉装置の給電接点との間のごく短い結合路を可能とする。それは、母線をこの接点の直近に組付けているからである。同時に、容器孔開放保持手段は孔の閉塞を防止する。更に、品物が意図的に又は意図なしに開閉装置の第１側に置かれて容器孔を閉鎖するのを前記手段で防止できる。

ケージクランプ給電システムと異なり、動作信頼性にとって決定的なこの利点は、給電システム構造高さの著しい増大を伴わない。それは、本発明に係るシステムでは開閉装置に給電するのに必要な開閉装置と母線との間の結合が、容器孔を有する開閉装置の側を介して案内されていないからである。

本発明に係る給電システムの諸利点が顕著となるのは、特に前記組付装置が、電気機械式遮断器として構成される少なくとも１つの開閉装置および／又は遮断器機能性を有する複合開閉装置として実施される少なくとも１つの開閉装置を組付けるために設けられ、容器孔が遮断器又は小型分岐の遮断過程時に発生するプラズマを吹出すための吹出し孔として設けられた実施形態においてである。こうして、容器孔開放保持手段によりプラズマを吹出し孔から円滑に逃散させ、もって例えば相間短絡を確実に防止できる。

しかし、容器孔開放保持手段の使用に伴う諸利点は、上記遮断器や遮断器機能性を有する複合開閉装置等の短絡電流遮断機能を持つ開閉装置でのみ顕著となる訳ではない。前記組付装置がソフトスタータとして構成される開閉装置を組付けるべく設けられ、容器孔をソフトスタータの冷却のための換気孔として形成した本発明の実施形態においても、容器孔開放保持手段は動作信頼性を高める。換気孔が閉鎖されると、ソフトスタータの十分な冷却はもはや保証し得ない。換気孔開放保持手段でこの閉鎖を防止できる。

前記給電システムが、他の容器孔を開放保持するための第２手段を有し、前記他の容器孔が開閉装置の前記第１側と反対の開閉装置の第２側に配置されているので、本発明に係る特徴を有する給電システムの動作信頼性を更に向上できる。前記他の吹出し孔は、一般に開閉装置の出側接点に付設する。開閉装置の他の容器孔を開放保持するための第２手段により、出側容器孔の許容外の閉塞も確実に防げる。それと共に、遮断器として使用する開閉装置の場合、短絡電流の遮断時に着火するプラズマは円滑に逃散できる。

ソフトスタータとして構成する開閉装置において、前記他の容器孔は、開閉装置の前記第１側に設けられた容器孔でソフトスタータの良好な換気を保証するのに役立つ。

容器孔開放保持手段に関し、様々な実施形態が考えられる。例えば容器孔を開放保持するための前記第１手段および／又は第２手段に容器孔を取り囲む枠を設け、この枠を実質離間することなく開閉装置の前記第１側および／又は第２側に配置できる。

この実施形態は、枠が隔壁を有し、該隔壁が、枠および容器孔と一緒に通路を形成すべく配置され、各容器孔に１つの通路が付設されるときに特に有効である。その際、隔壁は２つの役目を果たす。１つは、隔壁が枠と共に格子状構造体を形成し、塞がれたり、小さな品物でも置くことで容器孔が閉鎖されたりするのを十分に防ぐ。もう１つは、遮断器として構成した開閉装置において、隔壁は吹出し孔として役立つ容器孔の直接上方の領域を相互に分離し、遮断過程時に個々の吹出し孔から噴出するプラズマ流を相互に分離する。それと共に、プラズマ流間のフラッシュオーバとそれに伴う相間短絡を防止する。

遮断器において、隔壁を装備した枠の上に品物が置かれた際の、アークの着火に伴い発生するガスの複数の側への逃散をひき続き保証できる。このため隔壁および／又は枠が開口部を有する。これらの開口部は危険のない領域、即ちアークの点弧する領域の上方に設けるとよい。こうすると開口部を通した相間短絡を防止できる。それにも係らず、隔壁を装備した枠が局所的に覆われても、ガスは開口部の方に逃散できる。

場合によっては、隔壁に切欠き部を設けてもよく、切欠き部は各隔壁の開閉装置第１側から離れた方の縁および／又は枠の開閉装置第１側から離れた方の縁に設け得る。切欠き部は開口部と同じ目的を果たす。ここに挙げた切欠き部の位置によって、切欠き部により生成される隔壁間の結合通路は、危険のない領域に配置されることとなる。

小さな品物によるにせよ吹出し孔が閉鎖されるのを防止すべく、容器孔を開放保持するための前記第１手段および／又は第２手段が、容器孔を開放保持するための前記第１手段および／又は第２手段の容器孔から離れた方の側で容器孔を覆う細目構造体を有するとよい。例えば容器孔を開放保持するための第１手段および／又は第２手段として隔壁を装備した枠を使用する際、この枠を付加的に格子又は多板構造体で覆い得る。こうして隔壁で形成した通路内に落下し得るようなごく小さな部品が容器孔を閉鎖するのを防止できる。

吹出し孔を塞ぐための前記第１手段および／又は第２手段の設計上極めて簡単な実施形態では、容器孔を開放保持するための前記第１手段および／又は第２手段が少なくとも２つのピンを有する。

最も単純な実施形態では、前記第１手段および／又は第２手段は専ら２本のピンからなる。ピンは単数又は複数の開閉装置の１つの側に配置される容器孔を限定し、その閉塞を防ぐ。理想的には、容器孔から離れた方のピン側に、例えば格子の態様の細目構造体を設け、もって小さな品物によるにせよ容器孔が閉鎖されるのをこの構造体で防止できる。

本発明の有利な１実施形態では、容器孔を開放保持するための前記第１手段は母線用取り付け具と一体に構成される。ここでは、例えば枠構造体が考えられ、枠は絶縁母線を受容するための保持締付装置を有する。この枠を、単数又は複数の母線を収容した母線箱と一体に仕上げておいてもよい。

以下、図示の実施例に基づき本発明を詳しく説明する。

図１は遮断器として構成した開閉装置２と母線システムとの配置を示す。従来技術で公知のこのシステムでは、母線１を、吹出し孔として設けた遮断器２の容器孔３の前に取付けており、吹出し孔３は露出状態にあり、遮断器２の給電接点と母線１との間の結合路は最短である。このように配置した母線１ではごく僅かな構造高さが達成される。それ故、キャビネットに組付けるときごく高い実装密度を達成できる。

図１に示す配置では、吹出し孔３が許容外に塞がるのを何ら防護していない点で不利である。更にこの配置では、吹出し孔３が意図的又は意図することなく置かれた品物で閉鎖されるのを防止できない。吹出し孔３が閉鎖されると、遮断過程時に着火するプラズマにより遮断器２および／又は隣接機器の接続端子領域に相間短絡が発生する危険がある。

図２に示すケージクランプ給電システムでは、吹出し孔３が塞がれ得るという前記欠点が相応する設計によって防止されている。ケージクランプ給電システムでは、母線が遮断器２の背後にある。給電のため、母線電位は吹出し孔３を有する遮断器２の側の上方で組付面５および結合腹部４を介して計測可能である。結合腹部４と遮断器２の給電接点との間の接触は、最後に結合プラグ６を介して実現される。

吹出し孔３を有する遮断器２の側と結合腹部４又は結合プラグ６との間に、プラズマの円滑な吹出しを保証する十分に大きな距離を置いている。しかしこの設計に伴い、給電システムの構造高さがかなり増大する。

図３に示す給電システムは、隔壁７付き枠１１ａとして構成した容器孔３を開放保持する手段を備える。遮断器として構成した開閉装置２をトップハットレールとして形成した組付装置５で、組付平面１４に固着している。ここに示す本発明の実施形態では、母線１が遮断器２の給電接点の直近にあり、長い結合路を避けて、給電システム全体の小型な構造寸法を保証している。同時に、吹出し孔として設けた容器孔３も、枠１１ａと隔壁７でその閉鎖を防止している。枠１１ａと隔壁７とにより、各吹出し孔３用の通路９を吹出し孔３の方向に形成している。それと共に隔壁７は遮断時に発生するプラズマ流を相互に分離し、噴出するプラズマを介した相間短絡を防止できる。

更に、隔壁７にプラズマの吹出し方向を横切る開口部８を設けている。該開口部８は、これを経た相間短絡を防止できる程度に吹出し孔３から離間配置している。他方で、開口部８により、個々の通路９の閉鎖時、アーク着火に伴い発生するガスが、常に開口部８を経て隣接通路９に、そしてそこから上方に逃散可能となっており、超過圧力およびそれと結び付いてアークが機器内に押し戻されるのを防止できる。開口部の代わりに隔壁および枠の遮断器から離れた方の縁に切欠き部を設けると、同様の機能を達成できる。

枠１１ａが隔壁７と共に吹出し孔３を閉鎖から保護する機能は、格子として構成した細目構造体１０で個々の通路９を覆うことにより更に改善できる。格子１０は吹出し孔３が小さな部品によるにせよ閉鎖されるのを防止する。

図４は、設計上特別簡単に実現可能な本発明の実施形態を示す。そこでは、２つのピン１１ｂと１つの格子１０とからなる容器孔開放保持手段を設け、給電システムを構成している。ピン１１ｂで、母線１と組付平面１４との間に機械的結合を実現している。格子１０は、例えば単純にピン１１ｂに載置し、又は母線１又は組付平面１４と結合することができる。ピン１１ｂにより、格子１０と容器孔３との十分な安全距離が生じている。

それに対してこの実施形態では、開閉装置を遮断器として構成しているので、プラズマ流の付加的分離手段を設けていない。

図５に示す給電システムでは、隔壁７付き枠として構成した容器孔開放保持手段を母線箱１２と一体に形成している。図示実施形態では、組付装置５も、母線箱１２と枠およびその隔壁７とからなる複合体と一体に構成している。分割不可能な機械的ユニットとして構成したこの給電システムは、許容外の閉塞に対し最大限の安全性を与える。母線箱１２内に配置される母線は開閉装置給電接点の直近にあり、給電システムの小型化が図れる。

本発明はここで例示的に示した実施形態に限定されない。勿論その他の実施形態も考えられ、容器孔１１ａ、１１ｂを開放保持するための第１手段が開閉装置２の第１側で母線１と組付平面１４との間に配置されるとの基本的考えが満たされている限り、本発明に含まれる。容器孔から十分に大きな距離に配置される限り、図４に示す格子１０に代えて、密閉面を設け得る。ピン１１ｂの代わりに、組付装置５で格子１０の組付けを可能とする差込結合も考えられる。かかる差込結合を生成するための手段は、図５に示す実施形態と同様に、組付装置５と一体に構成できる。また、組付装置と容器孔開放保持枠との一体な構成も考えられ、母線箱を、例えば差込結合を介して枠と固着できる。

図４に示す実施形態は、隔壁からなる構造体と組合せることができ、この構造体はピン１１ｂと母線１とで形成される構造体の中に入れられ、それと共にプラズマ流の分離も生じる。この実施形態は、覆うために設けた格子１０付きでもそれなしでも実施できる。容器孔３を開放保持するための図示の手段は、更に入力側でも出側でも容器孔を塞がるのを防止すべく、遮断器２の両側に設け得る。この給電システムは、専ら遮断器内に給電するために設けられているのではない。むしろ、組付面に、特に遮断器の間にも、様々な開閉装置又は分岐、例えばモータ用ソフトスタータ、モータを投入・遮断するための接触器、過負荷リレー又はヒューズなし負荷分岐等を設け得る。

遮断器として構成した開閉装置と母線システムとの配置を示す。 ケージクランプ給電システムを示す。 隔壁付き枠として構成した容器孔開放保持手段を持つ給電システムを示す。 ２つのピンと１つの格子とからなる容器孔開放保持手段を有する給電システムを示す。 隔壁付き枠として構成した容器孔開放保持手段が母線箱と一体化された給電システムを示す。

符号の説明

１ 母線、２ 開閉装置、３ 容器孔、４ 結合腹部、５ 組付装置、６ 結合プラグ、７ 隔壁、８ 開口部、９ 通路、１０ 構造体、１１ａ 枠、１１ｂ ピン、１２ 母線箱、１３ 第１側、１４ 組付平面

Claims (10)

1. 低電圧開閉装置用給電システムであって、
   少なくとも１つの電気機械式開閉装置（２）を組付平面（１４）において組付けるための組付装置（５）を有し、開閉装置（２）がその少なくとも１つの第１側（１３）に容器孔（３）を有し、そして、
   少なくとも１つの母線（１）を有し、開閉装置を組付けると容器孔（３）と容器孔（３）を開放保持するための第１手段（１０、１１ａ、１１ｂ、１２）とが組付平面（１４）に対して直角な方向で実質的に母線（１）と組付平面（１４）との間にあるようにこの母線が配置されたことを特徴とする給電システム。
2. 前記組付装置（５）が、電気機械式遮断器として構成される少なくとも１つの開閉装置および／又は遮断器機能性を有する複合開閉装置として構成される少なくとも１つの開閉装置（２）を組付けるために設けられており、容器孔（３）が遮断器もしくは小型分岐の遮断過程時に発生するプラズマを吹出すための吹出し孔として設けられたことを特徴とする請求項１記載の給電システム。
3. 前記組付装置（５）が、ソフトスタータとして構成される開閉装置（２）を組付けるために設けられており、容器孔（３）が、ソフトスタータを冷却するための換気孔として形成されたことを特徴とする請求項１又は２記載の給電システム。
4. 前記給電システムが他の容器孔を開放保持するための第２手段を有し、前記他の容器孔が開閉装置（２）の前記第１側（１３）とは反対の開閉装置（２）の第２側に配置されたことを特徴とする請求項１乃至３の１つに記載の給電システム。
5. 容器孔（３）を開放保持するための前記第１手段および／又は第２手段が容器孔を取り囲む枠（１１ａ）を有し、この枠が実質離間することなく開閉装置（２）の第１側および／又は第２側に配置されたことを特徴とする請求項１又は４記載の給電システム。
6. 枠（１１ａ）が隔壁（７）を有し、該隔壁が、枠（１１ａ）および容器孔（３）と一緒に通路（９）を形成するよう配置されており、各容器孔（３）に１つの通路（９）が付設されたことを特徴とする請求項１乃至５の１つに記載の給電システム。
7. 隔壁（７）および／又は枠（１１ａ）が開口部（８）を有することを特徴とする請求項１乃至６の１つに記載の給電システム。
8. 容器孔を開放保持するための前記第１手段および／又は第２手段が、容器孔（３）を開放保持するための前記第１手段および／又は第２手段の容器孔（３）から離れた方の側で容器孔（３）を覆うための細目構造体（１０）を有することを特徴とする請求項１乃至７の１つに記載の給電システム。
9. 容器孔（３）を開放保持するための前記第１手段および／又は第２手段が少なくとも２つのピン（１１ｂ）を有することを特徴とする請求項１乃至８の１つに記載の給電システム。
10. 容器孔（３）を開放保持するための前記第１手段が母線（１）用取り付け具と一体に形成されたことを特徴とする請求項１乃至９の１つに記載の給電システム。

Images