JP2008509605A - 受信信号強度の推定 - Google Patents

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Abstract

【課題】受信信号強度の推定。
【解決手段】基地局トランシーバシステム(BTS)によって提供される逆方向リンクリソースのサイズを推定する方法は、BTSで受信された第1、第2及び第3の信号強度について、それぞれ第1、第2及び第3の測定を実行することを含む。本方法は、しかも、第1の測定を第2の測定と比較して、初期最小信号強度を決定することと、及び事前設定された時点でエージング値をこの初期最小信号強度に加算して、更新された最小信号強度を生成することとを含む。本方法は、さらに、更新された最小信号強度と第3の測定値の比較を行うことと、この比較から更新された最小信号強度と第3の測定のうちの最小値を最小受信信号強度であると決定することと、及び最小受信信号強度に応じて、BTSによって提供される逆方向リンクリソースのサイズを決定することとを含む。
【選択図】 図2

Description

本出願は、2005年8月3日に出願された「無線ネットワーク中での余剰キャパシティについての方法と装置(Method and Apparatus for Excess Capacity in a Wireless Network)」という題名の米国特許仮出願第60/598,802号明細書の利益を主張するものであり、それは参照によりここに組み込まれる。
本発明は、一般的には無線電話通信に関し、より詳しくは受信信号強度の測定に関する。
セルラー電話ネットワーク中で基地局トランシーバシステム(BTS:base-station transceiver system)の効率的な運用を決定するために重要なパラメータの1つは、BTSの逆方向リンクの余剰キャパシティである。この逆方向リンク余剰キャパシティは、BTSのユーザの理論的最大数の観点から測定され、この数は、同様に受信システムの雑音指数と比較したBTSの受信システムによって受信されたエネルギーの関数である。このエネルギー差の正確な測定は、実行することが困難である。
受信システムの雑音指数を決定する方法は、セルラーネットワーク技術では公知であり、それは固有の熱雑音と同様に受信システム自身からの雑音寄与の関数である。この受信システムからの雑音寄与は、受信システム内のエレメントの固有の熱雑音と利得(又は損失)とに基づいている。たとえば、このシステムのアンテナから最終的な検出器までのBTSでの受信システムのエレメント各々の雑音寄与は、評価され、そして固有の熱雑音と合成されることができる。しかしながら、受信システムの受動コンポーネントの雑音寄与と利得との決定は比較的分かり易く、そしてこの値は時間の経過と共に変化しないが、これは能動コンポーネントの場合には一般的ではない。能動コンポーネントからの雑音寄与と利得との決定は、通常はより複雑であり時間がかかる、これに加えて、能動コンポーネントの雑音寄与は、一般的に時間と共に変化し、そしてこのような変化は、予測することが困難であり得る。さらに、そして、この複雑さに加えて、受信システムの雑音指数は、一般的に周波数と部品に依存し、同様に、温度とともに変動する。
検出器において受信システムにより受信されたエネルギーの測定は、一般的に、上記と同じ問題、すなわち、温度や、周波数や、時間と共に利得が変動するという問題を抱えている。
受信システムの相対的雑音レベルを測定する当技術分野において公知の代替方法は、BTSに送信する全てのモバイルトランシーバがある短い時間期間にわたって同時に沈黙するように設定されることであり、この間にBTSでの雑音が測定され得る。この方法は、上記の方法と比較して、沈黙期間の間のリソースの減少、そしてモバイルトランシーバ信号を再捕捉する複雑さという犠牲を払うが、能動システムで動作可能であるという利点を有する。加えて、BTSは自身が制御するモバイルトランシーバしか沈黙化できず、そして全てのBTSが同期されかつ同時に沈黙化を実行しない限り、他の送信がBTSに到達することを防止できないという現実の欠点を、本方法は有する。
したがって、BTSの逆方向リンクの余剰キャパシティを測定する目的のために、BTS内の受信システムの雑音指数を測定する改良された方法に対する必要性がある。
[発明のサマリー]
本発明の一実施形態では、基地局トランシーバシステム(BTS)の制御ユニットは、BTSの逆方向リンクの余剰キャパシティを決定する。この逆方向リンクの余剰キャパシティは、一般的に、逆方向リンク信号によってBTSに対して新たにコールすることが可能なユーザ数として決定される。この制御ユニットは、BTSの受信システムにより受信される信号の強度の連続的測定によって余剰キャパシティを決定する。制御ユニットは、測定値を分析して、受信システムにより受信される最小信号強度を見出し、そしてこの最小信号強度は、受信システムの近似的な雑音レベルを与えるために使用される。この近似雑音レベルを計算するにあたって、制御ユニットは、周期的に「エージング値」を近似雑音レベルに加算し、そして次に、信号強度の分析を継続して、最小信号強度を更新する。エージング値を加算することは、受信システムのエージング、そして結果としての雑音レベルの上昇をシミュレートする。任意の時点でのBTSの逆方向リンク余剰キャパシティは、近似雑音レベルを比較することによって計算されることができ、その時点で受信システムにおいて測定された実際の受信信号を用いて上述のように決定されることができる。
受信システムの近似雑音レベルとして最小信号強度を使用することは、受信システムの雑音を推定する簡単で効率的な方法である。本発明者は、この結果が、雑音レベルを推定するためにより複雑であり、時間がかかり、経費も高いシステムに匹敵するものであり、そして逆方向リンク余剰キャパシティの決定にとって良好な結果を与えることを見出した。
したがって、本発明の一実施形態によれば、基地局トランシーバシステム(BTS)によって提供される逆方向リンクリソースのサイズを推定する方法が提供され、この方法は、
BTSで受信された第1の信号強度について第1の測定を実行することと、
第1の測定に続いて、BTSで受信された第2の信号強度について第2の測定を実行することと、
第2の測定に続いて、BTSで受信された第3の信号強度について第3の測定を実行することと、
第1の測定を第2の測定と比較して、初期最小信号強度を決定することと、
事前設定された時点でエージング値を初期最小信号強度に加算して、更新された最小信号強度を生成することと、
更新された最小信号強度と第3の測定との間で比較を行うことと、
この比較から、更新された最小信号強度と第3の測定のうちの最小値を最小受信信号強度であると決定することと、
最小受信信号強度に応じてBTSによって提供される逆方向リンクリソースのサイズを決定することと、を含む。
一般的に、逆方向リンクリソースのサイズは、BTSによって割り当てられるチャネル数を含む、あるいは又はこれに加えて、逆方向リンクリソースのサイズは、BTSのユーザ数に実質的に等しい。
一実施形態では、逆方向リンクリソースのサイズを決定することは、第3の測定に続いて、BTSで受信された第4の信号強度について第4の測定を実行すること、そして第4の測定と最小受信信号強度との間のさらなる比較を行うこととを含む。一般的には、逆方向リンクリソースのサイズを決定することは、さらなる比較に応じて、BTSの逆方向リンク余剰キャパシティを決定することを含む。
開示されている実施形態では、BTSは第1の受信機と第2の受信機とを含み、ここにおいて、
第1の測定を実行することは、第1の信号強度について第1の受信機による第1の測定と第2の受信機による第1の測定とを実行することを含み、
第2の測定を実行することは、第2の信号強度について第1の受信機による第2の測定と第2の受信機による第2の測定とを実行することを含み、
第3の測定を実行することは、第3の信号強度について第1の受信機による第3の測定と第2の受信機による第3の測定とを実行することを含み、
ここにおいて、第1の測定を第2の測定と比較することは、
第1の受信機による第1の測定を第1の受信機による第2の測定と比較して、第1の受信機の初期最小信号強度を決定することと、
第2の受信機による第1の測定を第2の受信機による第2の測定と比較して、第2の受信機の初期最小信号強度を決定することと、を含み、
ここにおいて、事前設定された時点において加算することは、
第1の受信機の事前設定された時点で、第1の受信機のエージング値を第1の受信機の初期最小信号強度に加算して、第1の受信機の更新された更新済み最小信号強度を生成することと、
第2の受信機の事前設定された時点で、第2の受信機のエージング値を第2の受信機の初期最小信号強度に加算して、第2の受信機の更新された更新済み最小信号強度を生成することと、を含み、
ここにおいて、比較を行うことは、
第1の受信機の更新された更新済み最小信号強度と第1の受信機の第3の測定とを第1の受信機で比較を行うことと、
第2の受信機の更新された更新済み最小信号強度と第2の受信機の第3の測定とを第2の受信機で比較を行うことと、を含み、
ここにおいて、比較から決定することは、
第1の受信機での比較から、第1の受信機の更新された更新済み最小信号強度と第1の受信機での第3の測定のうちの第1の受信機の最小値を、第1の受信機での最小受信信号強度であると決定することと、
第2の受信機での比較から、第2の受信機の更新された更新済み最小信号強度と第2の受信機での第3の測定のうちの第2の受信機の最小値を、第2の受信機での最小受信信号強度であると決定することと、を含み、
ここにおいて、逆方向リンクリソースのサイズを決定することは、第1の受信機での最小受信信号強度と第2の受信機での最小受信信号強度とのうちの少なくとも一方に応じてサイズを決定することを含む。
本発明の一実施形態によれば、基地局トランシーバシステム(BTS)によって提供される逆方向リンクリソースのサイズを推定する装置がさらに提供され、本装置は、
BTSで受信された第1の信号強度について第1の測定を実行し、
第1の測定に続いて、BTSで受信された第2の信号強度について第2の測定を実行し、
第2の測定に続いて、BTSで受信された第3の信号強度について第3の測定を実行し、
第1の測定を第2の測定と比較して、初期最小信号強度を決定し、
事前設定された時点で、エージング値を初期最小信号強度に加算して、更新された最小信号強度を生成し、
更新された最小信号強度と第3の測定との間の比較を行い、
比較から、更新された最小信号強度と第3の測定のうちの最小値を最小受信信号強度であると決定し、
最小受信信号強度に応じて、BTSにより提供される逆方向リンクリソースのサイズを決定する
ように適合された制御ユニットを含む。
本発明は、図面及び下記に与えられる図面の簡単な説明と一緒に、以下の本発明の実施形態の詳細な説明から、より完全に理解されるであろう。
[実施形態の詳細な説明]
本発明の一実施形態による、セルラーネットワークシステム10の概略図である図1をここで参照する。下記では、例として、システム10は、符号分割多元接続(CDMA:code division multiple access)ネットワークとして動作すると仮定する。しかしながら、本発明の原理は、いずれかの特定のタイプのネットワークに限られるものではなく、したがって、システム10は、例えば、周波数ホッピング拡散スペクトル(FHSS:frequency hopping spread spectrum)システム、直交周波数分割多元接続(OFDMA:orthogonal frequency division multiple access)システム、又はこれら及び/又はCDMAシステム及び/又は他のセルラーネットワークのシステムとの組み合わせなどの、当技術分野において公知のいずれかのセルラーネットワークシステムの下で動作するネットワークであり得る。システム10は、1つ以上の基地局トランシーバシステム(BTS:base-station transceiver system)を備えているが、明確化のために、そのうちの1つだけ、BTS18、が図1に示されている。BTS18は、基地局コントローラ(BSC:base-station controller)22とモバイルスイッチングセンター(MSC:mobile switching center)38とを介して、ネットワーク10の残り部分と接続されている。
BTS18は、一般的にはBTSのところに物理的に設置されている制御ユニット20によって管理されるが、この制御ユニットはシステム10内の任意の都合のよい場所に配置されることができる。BTS18の動作の進行の間に、制御ユニット20は、実質的に継続的に、BTSの逆方向リンク余剰キャパシティを推定する。この推定方法は、以下により詳細に説明される。次に、制御ユニット20は、この余剰キャパシティ推定値を受け入れ制御のために使用するが、ここで、制御ユニットは、BTSが新たな入力コールを受け入れるに十分なリソースを有しているかどうか、及び/又はさらなる逆方向リンクリソースがBTSの既存のユーザに対して割り当てられる必要があるかどうかを判断する。このリソースは、一般的には、異なるビットレートで動作され得るチャネルを備える。音声がトラフィックの大半を占めているネットワークでは、各ユーザは、一般的に1つのチャネルを割り当てられ、したがって、ユーザの数と制御ユニットによって割り当てられるチャネルの数とは、実質的に等しい。データ転送及び/又は映像転送のような他の形態のトラフィックが存在するネットワークでは、チャネルの数は、一般的にユーザの数より大きい。
BTS18は、カバレージエリア14と呼ばれるセクタを管理し、この内部では、一般に類似したモバイルトランシーバ12は、BTSに接続されている1つ以上のアンテナを介して、BTS18に信号を送信することが可能であり、BTSから信号を受信することが可能であり、ここでトランシーバはBTSのユーザとして動作する。以下では特に述べない限り、次の説明は、BTS18がたった1つのアンテナ16しか有していないものと仮定する。このように、BTS18は、モバイルから逆方向リンク信号を受信する受信システム24と、順方向リンク信号をモバイルに送信する送信システム26とを備えている。制御ユニット20は、双方のシステムを管理する。送信システムは、送信システム入力ポート34のところでBSC22から順方向リンク信号を受信し、そして増幅された順方向リンク信号を送信システム出力ポート36からアンテナ16に出力する。
受信システム24は、入力受信システムポート30のところでアンテナ16から信号を受信し、そして増幅され、かつフィルタリングされた検出済み信号を出力受信システムポート32から出力する。受信システム24は、また、一般的には受信システムの1つ以上の検出器段でレベルを測定することによって、アンテナ16により受信した出力の表示を制御ユニット20に提供する。本明細書ではdBmで測定されると仮定して、アンテナ入力での受信パワーのこの表示は、受信信号強度表示(RSSI_dBm)と呼ばれる。
逆方向リンク余剰キャパシティを決定するために、制御ユニット20は、BTS18の理論的な逆方向リンクキャパシティ、同様に使用中の逆方向リンクリソースを知る必要がある。図3を参照して以下により詳細に説明されるように、BTSの理論的逆方向リンクキャパシティは、受信信号の強度とBTSの受信システムの雑音指数との差に依存する。
図2は、本発明の一実施形態による、逆方向リンク余剰キャパシティの決定のために制御ユニット20によって管理される複数のモジュール間のパワー管理関係図50を示す。受信機雑音指数設定モジュール52は、受信システム24の雑音の理論値、RX_NOISE、を発生する。RX_NOISEは、受信システムの帯域幅と動作温度とによって実質的に決まる受信システムの熱雑音と、受信機システムのコンポーネントの雑音寄与の推定値との和である。RX_NOISEは、当技術分野において公知なように、リンクをバランスさせるために制御ユニット20によって変更されることがある。RX_NOISEは、受信パワー補正値モジュール54に転送され、それはRSSI_dBmの補正された値、RSSI_CORRECT_VAL、を決定するために、RX_NOISEの値を使用する。補正値モジュール54の動作は、以下に図4を参照してより詳細に説明される。
制御ユニット20は、受信パワー推定モジュール58を動作させて、上述したように、受信システム24中の1つ以上の検出レベルを使用してRSSI_dBmの値を発生する。制御ユニット20は、同様に、逆方向リンク余剰キャパシティ推定モジュール56を動作させて、RSSI_dBm、RSSI_CORRECT_VAL及びRX_NOISEの値を使用して余剰キャパシティの推定値を決定する。
図2に示された関係図50の他のエレメントは、必要に応じて以下に説明される。
図3は、本発明の一実施形態による、BTS18での受信信号エネルギー対等パワーユーザの数の模式的なグラフ70である。グラフ70の水平軸は、BTSの受信システム24によって受信された所与の総エネルギーEに対して、BTS18に送信することが可能なユーザの理論的な数Mを示す。グラフ70は、当技術分野において公知の極キャパシティ方程式に基づいている。
グラフ70中で、ライン76は、BTS18で無限大の受信エネルギーを必要とするCDMAシステム中の等パワーユーザの最大理論数Mmaxを決定する。一般的なものは、ユーザの数と受信エネルギーとの間の実際上のトレードオフを見込んで、Mmaxからの適度なバックオフを有するはずであり、これが順にシステムの安定性に寄与する。
このバックオフを満たすために、制御ユニット20は、閾値M70を設定し、この閾値は受信パワーをRSSI_threshに変換する。M70の一般的な値は、Mmaxの80%であり、これは、受信システムの雑音エネルギーNsysを7dB上回るRSSI_threshに変換する。Nsysは、熱雑音エネルギーNと受信システム自身により発生される雑音に依存する。
グラフ70などのようなグラフの形状は、異なるBTSの異なる受信システム間で実質的に不変であるが、その垂直軸切片Eは、特定の受信システムの利得特性に依存する。したがって、図3に模式的に示すように、他の2つの受信システムは、グラフ72と74を有することができ、グラフ70に実質的に類似した形状を有しているが、それぞれが異なる垂直軸切片を有する、ここではE70、E72及びE74と呼ぶ。グラフ72や74によって特徴付けられるように、Nsysを上回る受信エネルギーの測定オフセットを有するBTSは、制御ユニット20がユーザの数を、意図した値M70ではなくてM72とM74に制限するようにさせる。たとえば、Mmaxの80%である値M70に対して、Nsysを上回る受信エネルギーの+/−3dBの誤差は、結果として、M72とM74をMmaxのそれぞれ60%と90%にする。
本発明の背景は、Nsysを上回る受信エネルギーの値を測定するある従来技術によるシステムを記載する、本明細書では、本発明者らは、Nsysを上回る受信エネルギーの値を推定する方法を説明し、それは従来技術で使用されるもののような、受信システムの時間と金がかかる校正や、BTSに送信するモバイルの強制的な沈黙期間に依存しない。本発明者らは、以下に図4を参照して説明する方法が、Nsysを上回る受信エネルギーの値を効果的に推定するための良好な結果を与え、そしてそれゆえ、従来技術に存在する欠点を伴うことなく、BTS18の逆方向リンク余剰キャパシティを効果的に推定するための良好な結果を与えることを見出した。
図4は、本発明の一実施形態にしたがって、制御ユニット20によって実行されるプロセス90のフローチャートである。制御ユニット20は、受信システム24により出力されるRSSI_dBm値の補正された値、RSSI_CORRECT_VAL、を決定するために、周期的に、一般的には20msごとに、受信パワー補正値モジュール54(図2)中で、プロセス90を動作させる。この制御ユニットは、この補正済み値を垂直軸切片E70(図3)として実効的に使用する。
プロセス90の初期化ステップ92では、制御ユニット20は、このプロセスで用いられる変数の初期値を設定する。したがって、ユニット20は、RSSI_CORRECT_VALを0に等しく初期設定し、そして、このユニットは、範囲係数RSSI_CORRECT_RANGEを設定するが、この係数は、プロセス90により出力されるRSSI_CORRECT_VALの値を、±RSSI_CORRECT_RANGEに等しい事前設定された範囲に制限し、RSSI_CORRECT_RANGEは、一般的に約5dBである。初期化に際して、ユニット20は、同様に、RSSI_CORRECT_VALを評価する際に補正係数としてこのユニットが使用するオフセット、RSSI_CORRECT_OFFSET、を設定し、RSSI_CORRECT_OFFSETは一般的に0dBである。たとえば、実質的にゼロ負荷が予想されない場合には、このオフセットは、非ゼロに設定され得る。
第2のステップ94では、ユニット20は、BTS18が事前設定された期間内にブロッサミング又はウィルティングがされているかどうかをチェックする。(ブロッサミングやウィルティングという用語は、当技術分野において公知であり、そして基地局トランシーバシステムがオンラインになること、又はオフラインになることを呼ぶ。)この事前設定された期間は、一般的には30秒台であるが、他の任意の適切な事前設定期間を使用できる。もしブロッサミングやウィルティングが事前設定された期間内に発生しなければ、プロセス90は第3のステップ96に続き、もしそれらが発生していれば、このプロセスは、ステップ96に継続する前に、事前設定された期間が終了するまで待つ。
ステップ96では、制御ユニット20は、受信機システムの受信パワー、RSSI_dBm、の最新値を読み取って、そしてRSSI_dBmの最新値と先行値とのうちの最小値を見つける。この先行値は、制御ユニットがプロセス90を動作させた先行する時間期間内に制御ユニット20により読み取られる。ステップ96で決定されたこの最小値は、本明細書ではRSSI_REF_FILTと呼ばれる。
第4のステップ98では、RSSI_dBmの補正済み値、RSSI_CORRECT_VAL、が、以下の式(1)にしたがって制御ユニット20により評価される。式(1)は、ステップ96の最小値を採り、これを用いて、理論的受信機システム雑音RX_NOISEを補正する。
Figure 2008509605
しかも、ステップ98では、式(1)を適用した結果が、RSSI_CORRECT_VALの値をRSSI_CORRECT_RANGEにより規定される容認可能値の範囲外に設定されていないことを、ユニット20は、検証する。もし式(1)がこの範囲外の値を与えるならば、ユニット20は、この値をこの範囲の適切な限界値になるように変更する。
次に、RSSI_CORRECT_VALの値は、逆方向リンク余剰キャパシティ推定モジュール56に転送され、このモジュールは、以下に図5を参照して説明するように、この値を使用してBTS18の余剰キャパシティを決定する。
プロセス90の最後のステップ100では、下記の式(2)にしたがって、制御ユニット20は、周期的に「エージング係数」を、RSSI_REF_FILTの評価値に加算する。
Figure 2008509605
制御ユニット20は、一般的に、プロセス90の初期ステップ92において、式(2)を適用するために周期数、AGE_PERIOD、とエージング係数の値、AGE_FACTOR、とを発生する。AGE_PERIODとAGE_FACTORの一般的な値は、それぞれ1時間台と約0.1dB台である。
ステップ100の後で、プロセス90はステップ94の最初に戻る。
RSSI_CORECT_VALの値が、プロセス90が動作する時間の期間全体にわたって決定されるRSSI_dBmの最小値の関数であることが、プロセス90を調べることから理解されるであろう。同様に、RSSI_CORRECT_VALが、図3に示された垂直軸切片Eと上述の受信システム24の雑音値Nsysとの間の差を近似することが、理解されるであろう。
エージング係数AGE_FACTORは、時間全体にわたる受信システム24の雑音値の変化をシミュレートし、その結果、上記の例示の値は、他にはこのシステムに対してなんら変化が入力されないとして、受信システムの雑音値を毎時0.1dBだけ増加させる。しかしながら、この変化が、受信システムによって受信されたより小さい実際の雑音値、RSSI_dBm、によって無効化されることが理解されるであろう。
図5は、本発明の一実施形態にしたがって、制御ユニット20により実行されるプロセス120のフローチャートである。制御ユニット20は、一般的には逆方向リンク余剰キャパシティ推定モジュール56(図2)中で、20ms台の周期で周期的にプロセス120を動作させて、逆方向リンク余剰キャパシティ、RL_EXCESS_CAP、を決定する。
プロセス120の最初のステップ122では、ユニット20は、設定モジュール52からのRX_NOISEの値、受信パワー推定モジュール58からのRSSI_dBmの値、そして受信パワー補正モジュール54からのプロセス90によって決定されたRSSI_CORRECT_VALの値を入力する。
第2のステップ124では、ユニット20は、式(3)にしたがってBTS18の余剰キャパシティ、CRX、を計算する。
Figure 2008509605
一般的には、CRXの値は、約0.5(50%の負荷に相当する)又は約0.25(75%の負荷に相当する)であるが、これは、より高い負荷値に対応するより低い値CRXの値が、送信されるトラフィックが最適品質を下回るものであると認識されるようにするためである。
最後のステップ126では、ユニット20は、ステップ128で決定された余剰値CRXに限界方程式(4)を適用することによって、RL_EXCESS_CAPの計算値が、0%と100%の限度内にあることを確実にする。
Figure 2008509605
図1に戻って、アンテナ16は、2つ以上のアンテナを備えることができ、それらの各々は、別々のそして概して類似の受信システム24を有する。この場合、当技術分野において公知のダイバーシティのプロセスを使用することによって、エリア14に対応するセクタでの信号の受信は、1つのアンテナを用いて受信する場合と比較して改善され得る。
2つ以上のアンテナ16の場合では、上述したプロセスは、それぞれのアンテナの各々の受信システムに対して別個に適用され、システムの各々に対する逆方向リンク余剰キャパシティを推定する。一般的には、使用される推定は、そのように最低の推定値又は異なる受信システムの推定値の一部若しくは全部の平均に基づくことができる。受信システムは別々のシステムであるため、制御ユニット20は、上述したプロセスを実施する際に、各々の受信システムに対して、AGE_FACTOR及び/又はAGE_PERIODなどの変数について同じ初期値又は異なる初期値を使用できる。
上記の実施形態は例として引用したものであり、そして本発明は上記に特別に示されそして説明されてきたものに限定されるものではないことが、理解されるであろう。むしろ、本発明の範囲は、上記の様々な特徴の組み合わせや部分的な組み合わせの双方と、同様に。前述の説明を読めば当業者であれば思い至り、そして従来技術に開示されていない変更例や修正例を含む。
本発明の一実施形態によるセルラーネットワークシステムの概略図である。 本発明の一実施形態によるパワー管理関係図を示す。 本発明の一実施形態による、受信信号エネルギー対ユーザ数の模式的グラフである。 本発明の一実施形態にしたがって、図1のシステム中の制御ユニットによって実行されるプロセスのフローチャートである。 本発明の一実施形態にしたがって、制御ユニットによって実行される別の1つのプロセスのフローチャートである。
符号の説明
10…セルラーネットワークシステム,12…モバイルトランシーバ,16…アンテナ,30…入力受信システムポート,32…出力受信システムポート,34…送信システム入力ポート,36…送信システム出力ポート,50…パワー管理関係図。

Claims (12)

  1. 基地局トランシーバシステム(BTS)によって提供される逆方向リンクリソースのサイズを推定する方法であって、該方法は、
    該BTSで受信された第1の信号強度について第1の測定を実行することと、
    該第1の測定に続いて、該BTSで受信された第2の信号強度について第2の測定を実行することと、
    該第2の測定に続いて、該BTSで受信された第3の信号強度について第3の測定を実行することと、
    該第1の測定を該第2の測定と比較して、初期最小信号強度を決定することと、
    事前設定された時点でエージング値を該初期最小信号強度に加算して、更新された最小信号強度を生成することと、
    該更新された最小信号強度と該第3の測定との間で比較を行うことと、
    該比較から、該更新された最小信号強度と該第3の測定のうちの最小値を最小受信信号強度であると決定することと、
    該最小受信信号強度に応じて該BTSによって提供される該逆方向リンクリソースのサイズを決定することと、
    を備える、方法。
  2. 該逆方向リンクリソースのサイズは、該BTSによって割り当てられるチャネル数を備える、請求項1に記載の方法。
  3. 該逆方向リンクリソースのサイズは、該BTSのユーザ数と実質的に等しい、請求項1に記載の方法。
  4. 該逆方向リンクリソースのサイズを決定することは、該第3の測定に続いて、該BTSで受信された第4の信号強度について第4の測定を実行することと、該第4の測定と該最小受信信号強度との間のさらなる比較を行うこととを備える、請求項1に記載の方法。
  5. 該逆方向リンクリソースのサイズを決定することは、該さらなる比較に応じて、該BTSの逆方向リンク余剰キャパシティを決定することを備える、請求項4に記載の方法。
  6. 該BTSは第1の受信機と第2の受信機とを備え、ここにおいて、
    該第1の測定を実行することは、該第1の信号強度について第1の受信機による第1の測定と第2の受信機による第1の測定とを実行することを備え、
    該第2の測定を実行することは、該第2の信号強度について第1の受信機による第2の測定と第2の受信機による第2の測定とを実行することを備え、
    該第3の測定を実行することは、該第3の信号強度について第1の受信機による第3の測定と第2の受信機による第3の測定とを実行することを備え、
    ここにおいて、該第1の測定を該第2の測定と比較することは、
    該第1の受信機による第1の測定を該第1の受信機による第2の測定と比較して、第1の受信機の初期最小信号強度を決定することと、
    該第2の受信機による第1の測定を該第2の受信機による第2の測定と比較して、第2の受信機の初期最小信号強度を決定することと、
    を備え、
    ここにおいて、該事前設定された時点において加算することは、
    第1の受信機の事前設定された時点で、第1の受信機のエージング値を該第1の受信機の初期最小信号強度に加算して、第1の受信機の更新された更新済み最小信号強度を生成することと、
    第2の受信機の事前設定された時点で、第2の受信機のエージング値を該第2の受信機の初期最小信号強度に加算して、第2の受信機の更新された更新済み最小信号強度を生成することと、
    を備え、
    ここにおいて、該比較を行うことは、
    該第1の受信機の更新された更新済み最小信号強度と該第1の受信機の第3の測定とを第1の受信機で比較を行うことと、
    該第2の受信機の更新された更新済み最小信号強度と該第2の受信機の第3の測定とを第2の受信機で比較を行うことと、
    を備え、
    ここにおいて、該比較から決定することは、
    該第1の受信機での比較から、該第1の受信機の更新された更新済み最小信号強度と該第1の受信機での第3の測定のうちの第1の受信機の最小値を、第1の受信機での最小受信信号強度であると決定することと、
    該第2の受信機での比較から、該第2の受信機の更新された更新済み最小信号強度と該第2の受信機での第3の測定のうちの第2の受信機の最小値を、第2の受信機での最小受信信号強度であると決定することと、
    を備え、
    ここにおいて、該逆方向リンクリソースのサイズを決定することは、該第1の受信機での最小受信信号強度と該第2の受信機での最小受信信号強度とのうちの少なくとも一方に応じて該サイズを決定することを備える、請求項1に記載の方法。
  7. 基地局トランシーバシステム(BTS)によって提供される逆方向リンクリソースのサイズを推定する装置であって、該装置は、
    該BTSで受信された第1の信号強度について第1の測定を実行し、
    該第1の測定に続いて、該BTSで受信された第2の信号強度について第2の測定を実行し、
    該第2の測定に続いて、該BTSで受信された第3の信号強度について第3の測定を実行し、
    該第1の測定を該第2の測定と比較して、初期最小信号強度を決定し、
    事前設定された時点で、エージング値を該初期最小信号強度に加算して、更新された最小信号強度を生成し、
    該更新された最小信号強度と該第3の測定との間の比較を行い、
    該比較から、該更新された最小信号強度と該第3の測定のうちの最小値を最小受信信号強度であると決定し、
    該最小受信信号強度に応じて、該BTSにより提供される該逆方向リンクリソースのサイズを決定する、
    ように適合された制御ユニットを備える、装置。
  8. 該逆方向リンクリソースのサイズは、該BTSによって割り当てられるチャネル数を備える、請求項7に記載の装置。
  9. 該逆方向リンクリソースのサイズは、該BTSのユーザ数と実質的に等しい、請求項7に記載の装置。
  10. 該逆方向リンクリソースのサイズを決定することは、該第3の測定に続いて、該BTSで受信された第4の信号強度について第4の測定を実行することと、該第4の測定と該最小受信信号強度のさらなる比較を行うこととを備える、請求項7に記載の装置。
  11. 該逆方向リンクリソースのサイズを決定することは、該さらなる比較に応じて、該BTSの逆方向リンク余剰キャパシティを決定することを備える、請求項10に記載の装置。
  12. 該BTSは第1の受信機と第2の受信機とを備え、ここにおいて、
    該第1の測定を実行することは、該制御ユニットが該第1の信号強度について第1の受信機による第1の測定と第2の受信機による第1の測定とを実行することを備え、
    該第2の測定を実行することは、該制御ユニットが該第2の信号強度についての第1の受信機による第2の測定と第2の受信機による第2の測定とを実行することを備え、
    該第3の測定を実行することは、該制御ユニットが該第3の信号強度について第1の受信機による第3の測定と第2の受信機による第3の測定とを実行することを備え、
    ここにおいて、該第1の測定を該第2の測定と比較することは、該制御ユニットが
    該第1の受信機による第1の測定を該第1の受信機による第2の測定と比較して、第1の受信機の初期最小信号強度を決定することと、
    該第2の受信機による第1の測定を該第2の受信機による第2の測定と比較して、第2の受信機の初期最小信号強度を決定することと、
    を備え、
    ここにおいて、該事前設定された時点において加算することは、該制御ユニットが
    第1の受信機の事前設定された時点で、第1の受信機のエージング値を該第1の受信機の初期最小信号強度に加算して、第1の受信機の更新された更新済み最小信号強度を生成することと、
    第2の受信機の事前設定された時点で、第2の受信機のエージング値を該第2の受信機の初期最小信号強度に加算して、第2の受信機の更新された更新済み最小信号強度を生成することと、
    を備え、
    ここにおいて、該比較を行うことは、該制御ユニットが
    該第1の受信機の更新された更新済み最小信号強度と該第1の受信機の第3の測定とを第1の受信機で比較を行うことと、
    該第2の受信機の更新された更新済み最小信号強度と該第2の受信機の第3の測定とを第2の受信機で比較を行うことと、
    を備え、
    ここにおいて、該比較から決定することは、該制御ユニットが
    該第1の受信機での比較から、該第1の受信機の更新された更新済み最小信号強度と該第1の受信機での第3の測定のうちの第1の受信機の最小値を、第1の受信機での最小受信信号強度であると決定することと、
    該第2の受信機での比較から、該第2の受信機の更新された更新済み最小信号強度と該第2の受信機での第3の測定のうちの第2の受信機の最小値を、第2の受信機での最小受信信号強度であると決定することと、
    を備え、
    ここにおいて、該逆方向リンクリソースのサイズを決定することは、該制御ユニットが該第1の受信機での最小受信信号強度と該第2の受信機での最小受信信号強度とのうちの少なくとも一方に応じて該サイズを決定することを備える、請求項7に記載の装置。
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