JP2008509079A - カスパーゼ−2阻害剤およびそれらの生物学的適用 - Google Patents

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Abstract

本発明は、カスパーゼ−2を認識し、その活性を妨げかつ阻止する新規選択的カスパーゼ−2阻害剤であって、2−キノリニルカルボニル−L−バリニル−L−アスパルチル(メチルエステル)−L−バリニル−L−アラニル−アスパルチル(メチルエステル)2,6−ジフルオロフェニルエステル(配列1)およびその誘導体の骨格をベースとするものに関する。配列1は、式(Ia)または(Ib)に相当する。カスパーゼ−2が関与する疾患を予防および治療するための前記阻害剤の適用。

Description

本発明は、カスパーゼ−2阻害剤およびそれらの生物学的適用、特に、局所脳虚血および全脳虚血の治療のためのそれらの適用に関する。
(I 本発明の分野)
本発明は、医薬品生物学および化学の領域内にあり、プロアポトーシス性のカスパーゼ−2(Nedd−2;Ich−1)を阻害して、カスパーゼ−2活性が関係する疾患および損傷を治療する新規な化合物および医薬組成物に関連する。より詳細には:
(a)本発明は、細胞死、特に、インビボの脳細胞死を阻止、予防または治療する手段、方法および産物に関する;
(b)本発明は、カスパーゼ−2が、神経細胞死(特にアポトーシス)のインビトロおよびインビボの、低酸素性脳虚血症(hypoxia-ischemia:H−I)損傷を含む病的状況および(ニューロンまたは他の非ニューロン細胞の)脳損傷をもたらす脳卒中様の状況:例えば、MCAO(Middle Cerebral Artery Occlusion:中大脳動脈閉塞)の、全体(心不全または心臓血管損傷の間の血流減少または虚血症の結果として)または局所の、一過性または永続性の、成人または新生児のH−I、低酸素症を伴うまたは伴わない虚血症および/または低血糖症、再潅流を伴うまたは伴わないH−Iの阻害のための上流の主要なチェックポイントであることの発見に関する;
(c)本発明は、選択的カスパーゼ−2阻害剤(例えば、Qco−VDVAD−dfp)が、インビボの神経細胞死を予防しまたは減少させることの発見に関する;
(d)本発明は、選択的カスパーゼ−2阻害剤(例えば、Qco−VDVAD−dfp)が、局所の一過性新生児H−Iに続く虚血損傷を含むインビボの病的状況において脳細胞死を予防または減少させることの発見に関する;
(e)本発明は、選択的カスパーゼ−2阻害剤(例えば、Qco−VDVAD−dfp)が、心不全または心臓血管損傷の間の血流減少性低酸素症に続く成人の全脳虚血を含むインビボの病的状況において脳細胞死を予防または減少させることの発見に関する;
(f)本発明は、血流および酸素圧が乱されている病的状況、すなわち、(一過性または永続性の)局所脳虚血症または全脳虚血症の間の脳細胞死を減少させるための局所的(例えば、脳室内、海馬内等)送達または全身的(腹腔内、静脈内等)投与を含む、特定の新しいカスパーゼ−2阻害剤の新しい適用に関する。
(II 本発明をサポートするデータ)
本発明は、細胞死、特に、ニューロンの細胞死を阻止、予防または治療するための手段、方法および産物に関する。
ニューロンの細胞死は、適切な前および後シナプス接続を確実にし、機能的な成人脳の形成を可能にするように過剰のニューロンを除去するために胚形成の間に起こる。正常な加齢に関連する分裂終了死とは別に、環境的または遺伝子的な突然変異因子が、急性の損傷(例えば、低酸素性虚血症、脳卒中、脊髄損傷、外傷)または慢性の神経変性疾患の間に成人のヒトにおいてニューロン死を誘導し得る。これらの障害に伴う細胞死は、形態学的および生化学的特徴を呈する3つの相異なるメカニズムであるネクローシス、オートファジーまたはアポトーシスにより起こり得る。生理学的および病理学的なニューロン死は、しばしば、欠陥のあるアポトーシス調節と関連し、この活性な細胞の自殺メカニズムにつながるシグナリング経路は、哺乳動物細胞においてシステインアスパラギン酸特異的プロテアーゼ(カスパーゼ)−依存性対カスパーゼ非依存性経路に分けられ得る。
ニューロンのアポトーシスは活性な細胞自殺メカニズムであり、これは、開始、決定、実行および分解を含む経時的な相に分けられ得る。この事象のカスケードは、特有の機構の活性化によって分けられ、この活性化は、システイン依存性アスパラギン酸特異性プロテアーゼ(カスパーゼ)および決定的(または増幅)調節オルガネラとして作用し得るミトコンドリアの両方の活性化を含む。実際に、ミトコンドリアの変化は、ミトコンドリア内膜の電気化学的勾配(ΔΨm)の喪失およびアポトーシス因子(例えば、シトクロムc、Smac/Diablo)およびアポトーシス誘導因子の放出を含む。一旦、ミトコンドリアから放出されると、これらの因子が引き金となって、カスパーゼ依存性および/またはカスパーゼ非依存性の細胞質および核が解体される。それ故に、カスパーゼと結び付けられるミトコンドリア因子は、細胞収縮、核凝縮、アポトーシス体の放出および「イート・ミー」シグナルの出現(食作用前の形質膜の外側リーフレットへのフォスファチジル・セリンのトランスロケーション等)をもたらすアポトーシスの分解相に関与する。
インビトロまたはインビボのニューロンのアポトーシスの間のミトコンドリア、カスパーゼおよび他の事象のそれぞれの寄与は、依然として、特に虚血性または脳卒中性の損傷について解明されていない。
説明されるように、本発明は、インビボの虚血に関連する実験モデルとしてのニューロン培養において特異的なインビトロカスパーゼアッセイおよび血清枯渇を用いることによって、インビトロおよび細胞内でカスパーゼ−2活性を阻害することを可能にする有用な手段および分子を提供する。
本発明の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤は、カスパーゼ−2を認識し、その活性を妨げおよび阻害するものであり、これは、次の骨格をベースとしている:2−キノリニルカルボニル−L−バリニル−L−アスパルチル(メチルエステル)−L−バニリル−L−アラニル−L−アスパルチル(メチルエステル) 2,6−ジフルオロフェニルエステル(配列1)。
1つの好ましい分子は、配列1に相当する。
他の好ましい分子は、特に表1〜14に示されるような構造II〜XIXを含む。
本発明の別の目的は、プロアポトーシス・カスパーゼ−2活性を阻害し、細胞保護作用を誘導する新規な産物(分子または製剤)を提供することである。
本発明の別の目的は、カスパーゼ−2が関与する疾患および損傷の治療の産物および医薬組成物および方法を提供することである。
本発明者らは、カスパーゼ−2活性を直接的に阻害し、カスパーゼ−2によって媒介されるインビボおよびインビトロの細胞死を軽減させるための薬理学的に特有のペプチド(優先的ではあるが排他的ではないペンタペプチドをベースとする分子)を開発した。
このような阻害剤は、細胞死の活性を妨げまたは阻害することが可能である。前記細胞は、ニューロン、ニューロン細胞または非ニューロン細胞である。
上記に規定された阻害剤は、神経防護作用または脳保護作用を提供するためのカスパーゼ−2活性のインビボ阻害に有用である。それらはまた、細胞保護作用を提供するためのカスパーゼ−2活性のインビボ阻害に有用である。
一つの態様によると、本発明は、(全または局所)虚血損傷に続く脳における細胞死を予防する方法に関する。
実施例によって説明されるように、本発明は、細胞死、特に、損傷を受けた(虚血性)脳における細胞死を阻止または予防または治療するための手段、方法および産物を提供する。
説明されるように、本発明者らは、特異的なカスパーゼ−2阻害剤(単回の腹腔内注射服用)が、新生児の一過性低酸素虚血脳損傷において重篤な梗塞の低減を誘導することを証明する。梗塞容量の減少は、虚血開始の前後にカスパーゼ−2阻害剤が投与された場合に得られた。阻害剤によって提供された細胞保護作用は、温度(体温降下または体温上昇)調節によって調停されない。しかし、インビボのカスパーゼ−2の活性またはカスパーゼ−2のプロセシングは、阻害剤の注射後に根絶された。
説明されるように、本発明者らは、特有の脳室内(ICV)のカスパーゼ−2阻害剤の投与(単回服用)が、結果として、クレシルバイオレット強度染色の部分的な増加、損傷細胞でのFluoro Jade Bの取込の欠如、核形態の改善または維持(ヘキスト(登録商標)33342)並びに阻害剤により処理されたラットの行動における相当の改善(虚血後の再供給;自発的活動および反応に関するテストにおいてより高いスコア)をもたらすことを証明する。阻害剤によって提供される細胞保護および行動の効果は、温度(体温降下または体温上昇)調節によって調停されない。
別の態様によると、本発明はまた、カスパーゼ−2活性を予防することが可能な分子およびカスパーゼ−2が関与する疾患および損傷を治療するのに有用な医薬組成物に関する。
合成された分子は、カスパーゼ−2阻害のための条件下に、ヒトまたは動物に導入される。導入工程は、適切なキャリアとしてまたは注射によって実施されるように分子の化学的な改変を含む。
したがって、これは、特異的なカスパーゼ−2阻害剤を含む医薬組成物を提供するための本発明の別の目的である。
本発明の医薬組成物は、上記に規定された少なくとも1種のカスパーゼ−2阻害剤の治療上の有効量を、製薬上許容される担体と関連して含む。
阻害剤の投与は、経口、経鼻、局所(脳室内、海馬内または他の脳内送達、機械的送達用器具(例えば、化合物または医薬組成物を充填したGelfoam(登録商標))の脳内移植)または全身性(腹腔内、静脈内)ルートまたは脳内送達によってまたはエアロゾルとしてインビボの脳細胞死を低減させるために行われる(しかし、これに制限されるわけではない)。
本発明はまた、カスパーゼ−2活性が関与する病状の予防または治療用の薬品を製造するための前記カスパーゼ−2阻害剤の使用に関する。
本発明の医薬組成物は、細胞死を伴う病状、特に、H−I損傷および脳卒中様の状況の脳損傷:例えば、全体的または局所的な、一過性または永続性の、成人または新生児の、脳または心臓レベルの起源を持つ、再潅流を伴うまたは伴わないH−I(低酸素/低血糖を伴うまたは伴わない虚血症)またはMCAO(Middle Cerebral Artery Occlusion:中大脳動脈閉塞)を予防、低減および治療するために特に有用である。
本発明の医薬組成物は、特に、
・慢性変性疾患、例えば、アルツハイマー病、ハンチントン病、パーキンソン病、多発性硬化症、筋萎縮性側索硬化症、球脊髄性筋萎縮症(spinobulbar astrophy)、プリオン病、痴呆を含む神経変性疾患の間のアポトーシスを予防および/または治療する、または、
・網膜周皮細胞のアポトーシス、網膜ニューロンのアポトーシスの緑内障、局所的虚血に由来する網膜損傷、糖尿病性網膜症を予防および/または治療する、または、
・てんかんを予防および/または治療する、または、
・脊髄損傷の間のアポトーシスを予防および/または治療する、または、
・外傷性の脳損傷、網膜虚血に由来するアポトーシスを予防および/または治療する、または、
・局所脳虚血の病的状況の間のアポトーシスを予防および/または治療する、または、
・脳保護作用を提供する、または、
・自己免疫疾患および移植拒絶反応に伴う細胞傷害性T細胞およびナチュラルキラー細胞媒介型アポトーシスを予防および/または治療する、または、
・心不全、心筋症、心臓のウイルス感染または細菌感染、心筋虚血、心筋梗塞および冠動脈バイパスグラフトを含む心臓細胞の細胞死を予防および/または治療する、または、
・(例えば、化学療法またはHIV治療の結果としての)ミトコンドリアの薬物中毒を予防および/または治療する、または、
・ウイルス感染または細菌感染の間の細胞死を予防および/または治療する、または、
・炎症または炎症性疾患、炎症性大腸疾患、敗血症および敗血症性ショックを予防および/または治療する、または、
・卵胞から卵母細胞への段階、卵母細胞から成熟卵への段階および精子(例えば、卵巣組織を凍結および移植する方法、人工授精)の細胞死を予防する、または、
・化学療法後の女性および男性の生殖能力を守る、または、
・雌および雄の動物の生殖能力を守る、または、
・黄斑変性症および緑内障を予防および/または治療する、または、
・急性肝炎、慢性活動性肝炎、B型肝炎およびC型肝炎を予防および/または治療する、または、
・男性型禿頭症、放射線、化学療法または感情的ストレスに起因する脱毛を予防および/または治療する、または、
・(高レベルの放射線への露出、熱、火傷、化学品、日光および自己免疫疾患に起因する)皮膚損傷を治療または改善する、または、
・骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome:MDS)における骨髄細胞の細胞死を予防する、または、
・膵炎を予防および/または治療する、または、
・呼吸器症候群を予防および/または治療する、または、
・変形性関節症、関節リウマチ、乾癬、糸球体腎炎、動脈硬化症および移植片対宿主病を予防および/または治療する、または、
・アポトーシスの増加が関係する疾患状態を予防および/または治療する、または、
・植物(例えば、草木、花、葉状植物(キノコ、海草)等)の細胞死を予防する
ために有用である。
本明細書において用いられる場合の用語「治療または治療する」は、臨床結果を含めて有益または望みの結果を得るための取り組みを意味する。有益なまたは望みの臨床結果は、1以上の症状または状態の軽減または改善、疾患の範囲の縮小、安定化された(すなわち、悪化していない)疾患状態、疾患の予防拡大、疾患進行の遅延または緩徐化、疾患状態の改善または緩和、および寛解(部分的または全体的)を、検出可能または検出不可能であるにせよ含み得るが、これらに限定されるわけではない。「治療する」は、治療を受けない場合に予想される生存と比較して延命することも意味する。
本発明はまた、細胞死を伴う病状、特に、虚血および脳卒中様損傷を治療する方法であって、上記に規定されたような医薬組成物の治療上の有効量の用量を投与する工程を包含する方法に関する。
本発明の正確な特徴および利点は、下記データ中に、図面を参考にしながら与えられる。
(III ペプチドおよび疑ペプチドのカスパーゼ−2阻害剤)
1.Qco−VDVAD−dfp
Qco−VDVAD−dfp(配列1)は、疑ペプチド(分子量:827)であり、これは、ヒト組み換えカスパーゼ−2をインビトロで選択的に阻害する(IC50=80nM)が、他のシステインプロテアーゼを阻害しない。それは、ペンタペプチドVDVAD(アスパラギン酸残基上でO−メチル基(OMe)により置換されたL−バリニル−L−アスパルチル−L−バリニル−L−アラニル−L−アスパラチル)部分、キノリニルカルボニルおよび2,6−ジフルオロフェニルエステル骨格を結合する。その化学式は、キノリン核上に置換されたVD(OMe)VAD(OMe)−Ophの位置に従ってIa/Ibである:例えば、2−キノリニルカルボニル−L−バリニル−L−アスパルチル(メチルエステル)−L−バリニル−L−アラニル−L−アスパルチル(メチルエステル)−2,6−ジフルオロフェニルエステル(II,n=0)である。
Figure 2008509079
2−キノリニルカルボニル−L−バリニル−L−アスパルチル(メチルエステル)−L−バリニル−L−アラニル−L−アスパルチル(メチルエステル)−2,6−ジフルオロフェニルエステル=配列1
2.アミノ酸側鎖および官能基の改変
本発明の他の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤は、下記構造IIIをベースとする。
Figure 2008509079
ここで、
(i)各アミノ酸の絶対配置はLまたはDのいずれかであり;
(ii)RおよびRは、水素原子、重水素原子、C1−20脂肪族、置換または無置換アリール、シクロアルキル、ナフチル、置換ナフチル、2−ベンゾオキサゾリル、置換2−オキサゾリル、(CHシクロアルキル、(CHフェニル、(CH置換フェニル、(CH(1−または2−ナフチル)、(CHヘテロアリール、CH、CHY、OH、OR、NH、NHR、NR、SR、COR、COR、CONR、CHOCOR、CHO−COアリール、CHO−C(O)置換アリール(例:2,6−ジメチルベンゾイルオキシメチル)、CHO−C(O)置換アリール、CHO−C(O)ヘテロアリール、CHO−C(O)置換ヘテロアリールまたはCHOPORであり;
(iii)R、R、RおよびRは、20種のアミノ酸のうちの1つの側鎖(システインを除く)であり;例えば、ペンタペプチドは、Leu−Asp−Glu−Ser−Aspの類似体であってよい;R、R、RおよびRはまた、C1−20脂肪族、シクロアルキル、ナフチル、置換ナフチル、2−ベンゾオキサゾリル、置換2−オキサゾリル、(CHシクロアルキル、(CHフェニル、(CH置換フェニル、(CH(1−または2−ナフチル)、(CHヘテロアリール、CH、(CHZ、CHOCOR、CHOCO(アリール)、CHOCO(置換アリール)、CHOCO(ヘテロアリール)、CHOCO(置換ヘテロアリール)またはCHOPORであり;
(iv)Rは水素原子であり、RはR、U、CO(CHNH(U)またはCO(CHS(U)であり;
(v)Uは、(無)置換(2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−)キノリニル、C1−20直鎖または分枝アルキル、(CHシクロアルキル、(CHフェニル、(CH置換フェニル、(CH(1−または2−ナフチル)、(CHヘテロアリールまたはマーカー基、例えば、蛍光マーカーまたは電子顕微鏡検査法において有用なマーカー;特に、ビオチン、ジニトロフェニル(DNP)、ヨードアセトアミド、DTNB、COR(例:2−キノリニルカルボニル)、COOR、CO(CHNH(Z)、アクリジン誘導体(赤、黄、オレンジ等)、フルオレセイン誘導体(フルオレセイン、FITC、FAM(カルボキシフルオレセイン)、5−(および6−)カルボキシナフトフルオレセイン、カルボキシフルオレセイン、BCECF、ナフトフルオレセイン等)、オレゴングリーン(登録商標)(2’,7’−ジフルオロフルオレセイン)染料(オレゴングリーン(登録商標)488、オレゴングリーン(登録商標)514等)、BODIPY(登録商標)(4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロピオン酸)染料(BODIPY FL、BODIPY TMR、BODIPY TR、BODIPY 630/650、BODIPY 630/665等)、Bimane、クマリン誘導体(アミノメチルクマリン(AMC)、AMCA、アミノクマリン、ジエチルアミノクマリン、ヒドロキシメチルクマリン、ヒドロキシクマリン、メトキシクマリン、AFC等)、シアニン誘導体(フィコシアニン、アロフィコシアニン(APC)、CY3.18、CY5.18、Cy2、Cy3、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7等)、エリトリン/フィコエリトリン誘導体(R−フィコエリトリン(PE)、B−フィコエリトリン等)、APC/PE−Cy接合体(PE−Cy5接合体、PE−Cy7接合体、APC−Cy7接合体等)、カルセイン誘導体(カルセイン、SNAFLカルセイン等)、DANS、DANSA、カスケードブルー、ルシファーイエロー、NBD、Red 613、FluorX、ローダミン誘導体(ローダミン123、ローダミン110、ローダミンB、ローダミン6A、ローダミン6G、TRITC、X−ローダミン、スルホローダミン、ローダミン Red−X、リッサミン(登録商標)、ローダミンB、DHR、ローダミングリーン等)、PerCP、テキサスレッド、TruRed、Alexa Fluo(登録商標)(Alexa Fluor350、Alexa Fluor430、Alexa Fluor488、Alexa Fluor532、Alexa Fluor546、Alexa Fluor555、Alexa Fluor568、Alexa Fluor594、Alexa Fluor633、Alexa Fluor647、Alexa Fluor660、Alexa Fluor680、Alexa Fluor700、Alexa Fluor750等)、Q−DOTs(登録商標)誘導体(655、605、585、525等)、SNARF、Zenon(登録商標)誘導体(Zenon(登録商標)Alexa Fluor(登録商標)350、Zenon(登録商標)Alexa Fluor(登録商標)488、Zenon(登録商標)Alexa Fluor(登録商標)555、Zenon(登録商標)Alexa Fluor(登録商標)594、Zenon(登録商標)Alexa Fluor(登録商標)647、Zenon(登録商標)アロフィコシアニン、Zenon(登録商標)ビオチン−XX、Zenon(登録商標)R−フィコエリトリン等);NBD、テキサスレッド(登録商標)、QSY(登録商標)染料(QSY(登録商標)7、QSY(登録商標)9、QSY(登録商標)35、QSY(登録商標)21)、ヘキスト(登録商標)(33342、33258)、DAPI、クロモマイシンA3、ミトラマイシン、SYTOX(ブルー、グリーン、オレンジ)、エチジウム、臭化エチジウム、7−AAD、TOTO染料、YOYO染料、TO−PRO染料、BOBO染料、JO−PRO染料、LO−PRO染料、PO−PRO染料、YO−PRO染料、チアゾールオレンジ、ヨウ化プロピジウム(PI)、LDS751、Indo(登録商標)染料(Indo−1等)、Fluo(登録商標)染料(Fluo−3等)、DCFH、pNA、SYBRグリーンII、SyPro(オレンジ、ルビー)、EDANS、IR800、DiI、DiO、DiD、SNARF(登録商標)誘導体、Fura染料、QUIN染料、NANOGOLD粒子、NANOGOLDマレイミド、AlexaFluor FluoroNANOGOLD、AlexaFluor FluoroNANOGOLDストレプトアビジン、マラカイトグリーン、Dabcyl、Dabsyl、カスケードイエロー、ダンシル、Dapoxyl、PyMPO、ピレン、ベンゾオキサジアゾール誘導体、ストレプトアビジン−/ニュートラアビジン−ビオチン標識蛍光ミクロスフェア、ストレプトアビジンのCMNB−caged蛍光接合体、calcofluor white、ナイルレッド、Y66F、Y66H、EBFP、GFP野生型、QFP突然変異H9/P4/P9/P11/W、GFPuv、ECFP、Y66W、S65A、S65C、S65L、S65T、EGFP、EYFP、ECFP、DsRed1、DsRed2、NANOGOLD(登録商標)粒子、ストレプトアビジン−Nanogold(登録商標)、Nanomaleido Nanogold(登録商標)、Mono−Sulfo−NHS−Nanogold(登録商標)、Monoamino Nanogold(登録商標)、陽/陰荷電Nanogold(登録商標)(NN、NHSN、NHSNA、NHSNS)、Non−Functionalized Nanogold(登録商標)、Monomaleido Nanogold(登録商標)、Mono−Sulfo−NHS−Nanogold(登録商標)、Monoamino Nanogold(登録商標)、Non−functional Nanogold(登録商標)、Nanogold(登録商標)接合体、Nanogold(登録商標)−ストレプトアビジン、脂質−Nanogold(登録商標)(パルミトイル Nanogold(登録商標)、DPPE Nanogold(登録商標)、パルミトイル Undecagold、DPPE Undecagold)、Ni−NTA−Nanogold(登録商標)、Alexa Fluor(登録商標)488 FluoroNanogold、Alexa Fluor(登録商標)594 FluoroNanogold、フルオレセイン FluoroNanogold、HRP基質−Nanogoldであり;
(vi)RおよびRはまた、介在する窒素と共にひとまとめになって、ヘテロ環、例えば、置換または無置換テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ジヒドロアクリジン、ベンズアゼピン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ジヒドロピリジン、ベンズイミダゾール、イミダゾール、イミダゾリン、ピロール、ピロリジン、ピロリン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、チアゾール、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、カルバゾール、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、ジヒドロシンノリン、ジヒドロキノキサリン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、ジヒドロアクリジン、インドール、イソインドール、ジヒドロインドール、インドリン、インダゾール、プリン、9,10−ジヒドロフェナントリジン、5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン、β−カルボリン、ピリド[4,3−b]インドール、2,3,9−トリアゾフルオレン、9−チア−2,10−ジアザアントラセン、チエノ[3,2b]ピロール、ジヒドロフェナントリンを形成し;
(vii)Rは、水素原子、C1−20脂肪族基、アリール、置換アリール(例:4−ニトロフェニルまたはクマリン誘導体)、ヘテロアリール(例:2−ピリジン)、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、ナフチル、置換ナフチル、(CHシクロアルキル、(CHフェニル、(CH置換フェニル(例:2,6−ジハロフェニル)、(CH(1−または2−ナフチル)、(CHヘテロアリールまたは(無)置換(2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−)キノリニルまたはフルオレンメチルであり;
(viii)Yは、ハロゲン(F、Cl、Br、I等)、アリール−またはアルキルスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシを含む電気陰性脱離基、OR、SR、COOR、OP(O)R(ここで、Rは、脂肪族基、アリール基、アラルキル基、カルボ環基、アルキルカルボ環基またはヘテロ環基であり;
(ix)Zは、ハロゲン(F、Cl、BrまたはI)、CN、OH、OR、NH、NHR、NR、SR、COR、COR、CONRであり;
(x)nは0〜20である。
本明細書において用いられる場合、特に断らない限り、下記の規定が適用される。略語QおよびOPHは、それぞれ、キノリルカルボニルおよび2,6−ジフルオロフェノキシ表す。本明細書における用語「脂肪族」は、完全に飽和したまたは1以上の不飽和構成単位を含む直鎖または分枝鎖のC1−20炭化水素を意味する。単独でまたはより大きな部分の一部として用いられる用語「アルキル」は、1〜20個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖の両方を指す。用語「アリール」は、5〜14個の原子を有する単環または多環の芳香族環基、例えば、フェニル、ナフチル、アントリル等を指す。用語「ヘテロ環基」は、1以上のヘテロ原子および3〜9の環サイズを含む飽和または不飽和の多環または単環の環系、例えば、フラニル、チエニル、ピロリル、ピロリニル、ピロリジニル、ジオキソラニル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イソオキサロリル、イソチアゾリル、オキサジアゾリル、ジオキソラニル、モルホリニル、ジチアニル、チオモルホリニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、トリアジニル、トリチアニル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、インドリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インダゾリル、ベンズアミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリニル、キノリジニル、キノリニル、イソキノリニル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,8−ナフチリジニル、プテリジニル、キヌクリジニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル等を指す。「ヘテロアリール」は、芳香族であるヘテロ環系の環を指す。用語「カルボ環基」は、3〜14個の炭素原子の不飽和の単環または多環の炭素環系であって、アリールまたはヘテロ環基に縮合されてもよいものを指す。単独でまたはより大きい部分の一部として用いられる脂肪族、アルキル、アリール、ヘテロアリール(例:キノリン)、ヘテロ環またはカルボ環は、置換または無置換基を指す。置換される場合、これらの基は、1以上の置換基を含んでよい。これらの置換基は、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、OH、U、CO(CHNH(U)、CO(CHS(U)、OR、SR、NH、NHR、NR、OCOR、OP(O)R(ここで、Rは、脂肪族基、アリール、置換基、アラルキル基、カルボ環基、アルキルカルボ環基、ヘテロ環基または放射性同位体(例:I125、H、S35、C14、P33、P32、Cr51、Ca45、Fe59、Ni63、Ba133、Cs137、Eu152、Ra226、Xe133、テクネチウム99、タリウム201)であり得る。FITCは、フルオレセインイソチオシアネートを表す。
(3.ペプチド等量式または生物等量式)
(a)本発明はまた、式IV.1〜IV.7のカルバ類似体(carba analogue)に関する(表1)。ここで、
(i)各アミノ酸またはその等量式の絶対配置はLまたはDのいずれかであり;
(ii)n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、上記の通りである。
Figure 2008509079
(b)本発明はまた、式V.1〜V.7のケトメチレン類似体に関する(表2)。ここで、
(i)各アミノ酸またはその等量式の絶対配置はLまたはDのいずれかであり;
(ii)n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは前述の通りである。
Figure 2008509079
(c)本発明はまた、一般式VIおよびVIIのデプシペプチド類似体に関する。ここで、
(i)各アミノ酸またはその等量式の絶対配置はLまたはDのいずれかであり;
(ii)XはOまたはNHであり少なくとも1つのXは酸素原子であり;
(iii)n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは上記の通りであり;
(iv)Rは、水素原子、(2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−)キノリニル、C1−20直鎖または分枝鎖アルキル、(CHシクロアルキル、(CHフェニル、(CH置換フェニル、(CH(1−または2−ナフチル)、(CHヘテロアリール、OCORまたはOCNHRである。
Figure 2008509079
(d)本発明はまた、式VIII.1〜VIII.7のヒドロキシエチレン類似体に関する(表3)。ここで、
(i)各アミノ酸またはその等量式の絶対配置はLまたはDのいずれかであり;
(ii)n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、上記の通りである。
Figure 2008509079
(e)本発明はまた、式IX.1〜IX.6の還元されたペンタペプチド類似体に関する(表4)。ここで、
(i)各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
(ii)n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、上記の通りである。
Figure 2008509079
(f)本発明はまた、式X.1〜X.7の不飽和類似体に関する(表5)。ここで、
(i)各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
(ii)n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、上記の通りである。
Figure 2008509079
(g)本発明はまた、式XI.1〜XI.9のβ−ペプチド、γ−ペプチド、尿素およびカルバメートの類似体に関する(表6)。ここで、
(i)各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
(ii)XはCH、NHまたはOであり;
(iii)n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、上記の通りである。
Figure 2008509079
Figure 2008509079
(4.VDVADペンタペプチドの配座制限類似体)
本発明はまた、表7〜14に示されるVDVADペンタペプチドの配座制限(constrained)類似体に関する。これらの化合物において、アリール、ヘテロアリールまたはヘテロ環は、置換または無置換基を指す。置換された場合、これらの基は、1以上の置換基を含んでよい。これらの置換基は、ハロゲン(F、Cl、Br、I)、OH、U、CO(CHNH(U)、CO(CHS(U)、OR、SR、NH、NHR、NR、OCOR、OP(O)Rであり得る。ここで、RおよびUは上記の通りである。
(a)本発明はまた、ペンタペプチドVDVADの配座制限類似体としての3−アミノピリジン−2(1H)−オン、3−アミノピラジン−2(1H)−オン、5−アミノピリミジン−4(3H)−オン、ピリダジン−3(2H)−オン、4−アミノピリダジン−3(2H)−オン、5−アミノ−1,2,4−トリアジン−6(1H)−オン、5−アミノ−1,2,3−トリアジン−4(3H)−オンおよび6−アミノ−1,2,3,4−テトラジン−5(4H)−オンであるXII.1〜XII.15に関する(表7)。ここで、
(i)各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
(ii)W、XおよびYは、CH、CまたはNであり;
(iii)n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、前述の通りである。
Figure 2008509079
Figure 2008509079
(b)本発明はまた、3−アミノピペリジン−2−オン、3−アミノピペラジン−2−オン、5−アミノ−テトラヒドロピリミジン−4(1H)−オン、4−アミノピペラジン−3−オン、6−アミノ−1,2,4−トリアジナン−5−オン、5−アミノ−1,2,4−トリアジナン−6−オン、5−アミノ−1,2,3−トリアジナン−4−オンおよび6−アミノ−1,2,3,4−テトラジナン−5−オンであるXIII.1〜XIII.15に関する(表8)。ここで、
(i)各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
(ii)W、XおよびYは、CH、NH、OまたはSであり;
(iii)n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは上記の通りである。
Figure 2008509079
Figure 2008509079
(c)本発明の化合物はまた、3−アミノ−3,4−ジヒドロキノリン−2(1H)−オンであるXIV.1〜XIV.15を含む(表9)。ここで、
(i)各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
(ii)n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、前述の通りである。
Figure 2008509079
Figure 2008509079
Figure 2008509079
(d)本発明はまた、4−アミノ−1,2−ジヒドロイソキノリン−3(4H)−オンであるXV.1〜XV.15に関する(表10)。ここで、
(i)各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
(ii)n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、前述の通りである。
Figure 2008509079
Figure 2008509079
Figure 2008509079
(e)本発明はまた、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボキサミドであるXVI.1〜XVI.15に関する(表11)。ここで、
(i)各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
(ii)n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、前述の通りである。
Figure 2008509079
Figure 2008509079
Figure 2008509079
(f)本発明はまた、4−アミノ−1,2,4,5−テトラヒドロベンゾ[c]アゼピン−3−オンであるXVII.1〜XVII.15に関する。ここで、
(i)各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
(ii)n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、前述の通りである。
Figure 2008509079
Figure 2008509079
Figure 2008509079
(g)本発明は、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレンであるXVIII.1〜XVIII.15に関する。ここで、
(i)各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
(ii)n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、前述の通りである。
Figure 2008509079
Figure 2008509079
Figure 2008509079
(h)本発明はまた、2,3−ジヒドロ−1H−インデンであるXIX.1〜XIX.15に関する(表14)。ここで、
(i)各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
(ii)n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、上記の通りである。
Figure 2008509079
Figure 2008509079
Figure 2008509079
前記カスパーゼ−2阻害剤は、有利には、実施例において説明される合成ルートによって得られる。スキーム1〜3に与えられた構造の誘導体は、当業者により、化学合成の古典的な方法を用いることによって得られることになる。
本発明の他の特徴および利点は、以下において図1〜11を参照にしながら与えられることになる。
5.Qco−VDVAD−dfpは、選択的なカスパーゼ−2阻害剤である。
5.1実験セクション
5.1.1 インビトロのカスパーゼ活性アッセイ。
ヒトの組み換えカスパーゼ1〜10(25U;QuantiZyme(登録商標)Assay System,BIOMOL,Plymouth,Pennsylvania,米国)が、アッセイバッファ(50mM HEPES,pH7.4, 100mM NaCl,0.1% CHAPS,10mM DTT,1mM EDTA,10%グリコール)中、Qco−VDVAD−dfpと共に30分37℃で事前にインキュベートされ、対応する蛍光性カスパーゼ基質(500μM;BIOMOL)と混合された:Ac−YVAD−AMC(カスパーゼ−1)、Ac−VDVAD−AMC(カスパーゼ−2)、Ac−DEVD−AMC(カスパーゼ−3/7)、Ac−WEHD−AMC(カスパーゼ−4/5)、Ac−VEID−AMC(カスパーゼ−6)、Ac−IETD−AMC(カスパーゼ−8)、Ac−LEHD−AMC(カスパーゼ−9)またはAc−IETD−AMC(カスパーゼ−10)。基質の分断は、蛍光マイクロプレートリーダー(TECAN,Genios;発光510nm、励起405nm)上で評価され、IC50値は、用量−応答S字形曲線から測定された。各カスパーゼの特異的活性は、対応する特異的阻害剤(1〜2μM,BIOMOLおよびMPBioMedicals)により内部コントロールされた。他のインビトロアッセイは、カルパインおよびグランザイムをベースとする試験のためのCEREPでまたはCEREPプロトコールにより行われた。
IC50の測定は、100μlのアッセイバッファ(50mM HEPES,pH7.4, 100mM NaCl,0.1% CHAPS,10mM DTT、1mM EDTA,10% グリセロール)中の組み換えカスパーゼ−2によりQco−VDVAD−dfpの増加する濃度を熟考することによって行われた。組み換えカスパーゼ−2(125U)による50μMのVDVAD−AMCの分断は、30分後に37℃で、蛍光マイクロプレートリーダー上で、405nmでの励起の際の510nmでの蛍光発光をモニタリングすることによって測定された。
5.1.2 一次皮質ニューロンの単離、培養およびアポトーシス誘導
一次皮質ニューロンは、E14 SWISSマウス胚(Janvier)から培養された。マウスは、頸椎脱臼によって犠牲にされ、胚は、帝王切開によって取り出された。大脳皮質が抽出され、組織は、機械的に、15回、L15培地(Gibco BRL)において、1000μlのチップ(Eppendorf)を用いることによって粉砕され、次いで、残骸は取り除かれ、細胞懸濁液は、10分にわたり850rpmの遠心分離にかけられた。ニューロンは、1%のグルタミン、5%のウマ血清(HS,Eurobio)および2.5%のウシ胎仔血清(FCS,Eurobio)が補給されたイーグルの基本培地(Eurobio)中、高密度(cm当たり7×10個の生存細胞)で、1mg/mlのポリエチレンイミン(Sigma)により予めコーティングされた6または24ウェル−プレート(Sarstedt)または4−ウェル−Lab−Tek(登録商標)チャンバ型カバーグラス(Nalge Nunc International)上に2日間にわたり置かれた。DIV3で、培地は、日毎に変更され、ニューロンは、180mg/lのグルコース、5%のHSおよび1%のFCS、3μMのシトシン β−D−アラビノフラノシド(Sigma)および1μMのマレイン酸5−メチル−10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾシクロヘプテン−5,10−イミン(MK-801,Sigma)を含むN5完全培地中に維持された。培地の純度(>95%)は、抗微小管結合タンパク質2(anti-Microtubule Associated Protein 2:MAP−2)モノクローナル抗体(Sigma)および抗グリア細胞繊維性酸性タンパク質(anti-Glial Fibrillary Acidic Protein:GFAP)ポリクローナル抗体(Dako)を用いて制御された。用いられるニューロンは、6DIVまで24ウェルプレート上で培養され、血清枯渇に付された。簡単には、N5完全培地において培養されたニューロンは、迅速に、血清を欠いたN5において3回洗浄され、24時間にわたり、Qco−VDVAD−dfpの存在下または不存在下に、血清のないN5培地においてインキュベートされた。
5.1.3 アポトーシスのアッセイ
分析は、前もって染色された付着ニューロンについて、蛍光顕微鏡法(FM)(DMIRB倒立蛍光顕微鏡,Leica,Rueil-malmaison,フランス)によって行われた。該顕微鏡は、100Wの水銀ショートアークランプおよびX 40N PLAN L対物レンズまたは水浸型X 100 N PLAN対物レンズを備えている。通常、定量研究は、1実験当たりランダムに選択された5〜10の領域を記録することによる約200〜600細胞/領域についてのFMおよびより高いサンプル処理量のためのフローサイトメトリー(flow cytometry:FC)の両方によって行われた。アポトーシスのFC分析は、染色されたニューロンのトリプシン処理後に、15mWの空冷488nmアルゴンレーザ(Becton Dickinson)を備えた3色FACSCaliburサイトメータを用いて行われた。活性化されたカスパーゼ−2は、特異的なFAM接合ペプチド(FLICA:CaspaTag(登録商標)fluorescein Caspase Activity Kits,Q-Biogen,Illkirch,フランス;ApoFluor(登録商標)Caspase Ditection Kits,MP BioMedicalsと呼ばれる):FAM−VDVAD−fmkを用いて検出された。生存率の損失は、7−AAD(Sigma)取込によって評価された。
5.1.4 製剤の研究
化合物Qco−VDVAD−dfp(配列1)は、Tween20またはPluronc F−68賦形剤に可溶である。安定性は、7日にわたって、室温(RT)でまたは種々の10〜100%の賦形剤を含む水溶液の凍結/解凍後に、HPLC(Nucleosile C18(8μm,3.9×150mm)を備えたVarian ProStar410,214nmで検出)を用いることによって追跡された。
5.2 結果
Qco−VDVAD−dfpは、選択的カスパーゼ−2阻害剤であり(IC50=65〜80nM)、シグナル伝達およびニューロンの代謝、一酸化窒素経路またはプロスタグランジン代謝に関与する他のカスパーゼまたは少なくとも32の他の関連プロテアーゼまたは酵素に対する交差反応性を有していない(図1)。Qco−VDVAD−dfpは、細胞透過性である。なぜならば、皮質ニューロン培養における血清枯渇の間カスパーゼ−2活性を妨げるからである。加えて、Qco−VDVAD−dfpは、24時間で、この実験的なカスパーゼ−2依存性細胞死の実例においてニューロン死を妨げる(図1)。さらに、Qco−VDVAD−dfpは、Tween20またはPluronic−F68をベースとする混合物へのその高い溶解性のために、動物またはヒトへの投与に適している。室温で7日まで放置された場合または凍結/解凍後に、Qco−VDVAD−dfpの分解は見られなかった(図2)。
これらのデータは、下記図面によって例示される。
(図1)
Qco−VDVAD−dfpのインビトロの特異性および効果。(a)一団のヒト組み換えカスパーゼ(1〜10;50U)についてのQco−VDVAD−dfpのインビトロの特異性。インビトロの分断アッセイは、0.1μMのQco−VDVAD−dfpにより行われた(n=3;ヒストグラムは、カスパーゼ活性の%±SDを示す)。(b)IC50(ヒト組み換えC2(125U)によるAc−VDVAD−AMC分断の50%を妨げる濃度)の組み換えヒトカスパーゼ−2に対する測定範囲;65〜80nM(n=3,異なるバッチによる)。(c)24時間血清枯渇(SD)ニューロンについてのQco−VDVAD−dfpの細胞保護作用。Qco−VDVAD−dfpは、24時間でのカスパーゼ−2活性および細胞死を妨げる(n=3)。(d)プロテアーゼ、シグナル伝達およびニューロン代謝、一酸化窒素経路またはプロスタグランジン代謝に関連する32の他のインビトロ薬理学的アッセイ上で決定されたQco−VDVAD−dfp(1μM)の阻害プロフィール(n=2)。
(図2)
製剤の安定性:HPLC測定。Qco−VDVAD−dfp(20%のTween20を含む生理緩衝液中5×10−3M)は、室温で7日後に分解されなかった。
(IV 局所脳虚血に続くラットにおけるQco−VDVAD−dfpの効果)
(序論)
脳卒中は、先進国世界の成人における3番目に高い死因、および児童における生存率および慢性神経病学的羅漢率の重要な原因である。多くの児童脳卒中は、周産期中、誕生の直前または出産後のその月内に起こる。母体の虚血性脳卒中の危険性も出生時近くで高まり、出産の2日前および1日後において、妊娠早期または妊娠していない状態時の34倍高い。母体および子供の双方における虚血性脳卒中さらには非脳部位における血栓に対する高められた脆弱性は、重大局面での大出血の危険性を減少させるためのおそらく漸進的な順応である分娩による凝固メカニズムの活性化におそらく関連する。
周産期の虚血性脳卒中は、局所動脈梗塞の病理学的または放射線学的証拠を有する出生時前後の脳血管の事象である。大部分の周産期脳卒中が起こるのは、中大脳静脈(MCA)の領域内である。左半球病変の優勢性がある。これは、患者の動脈管または左の左総頸動脈を含むより直接的なルートからの血行力学の相違によって引き起こされ得る。脳梗塞の分布は、妊娠期間早産児により幾分異なり、MCAの皮質またはレンズ核線状体の枝を含めて多発性病変を有する傾向があり、これに対して、満期出産乳児は、主要枝の閉塞を有する傾向がある。
1.実験モデル
1.1 一過性片側局所虚血モデル
新生のウイスター系ラット(寝わら当たり母獣+9匹の仔ラット)がJanvier(Le Genest-St.Isle,フランス)から得られた。その時の仔ラットは3〜4日齢であった。仔ラットは、それらの寝わらとともに、12:12時間の明暗サイクル下、食餌および水が自由に利用できるようにして収容された。動物実験は、フランスおよび欧州共同体の、実験動物の注意および使用のためのガイドラインにしたがって行われた。虚血は、7日齢のラット(17〜21g)において、既に記載されたように(Renolleau et al.,1998)行われた。仔ラットは、抱水クロラール(350mg/kg)の腹腔内注射により麻酔をかけられた。麻酔されたラットは、仰向けに置かれ、正中切開が首においてなされ、左総頸動脈が露出させられた。次いで、ラットは、右側が下になるように横向きに置かれ、耳と目の間に斜め皮膚切開がなされた。側頭筋切除の後、頭蓋骨が、前頭縫合線から頬骨弓より下の高さにかけて除去された。その後、左中大脳動脈は、その出現の直後に嗅脳溝上に露出させられ、大脳静脈の下方の高さで凝固させられた。この手順の後、クリップが、左総頸動脈を塞ぐように置かれた。次いで、ラットは、体温低下を避けるためにインキュベータ内に置かれた。50分後に、クリップは取り除かれた。頸動脈流の回復は、顕微鏡の助けを得て確認された。次いで、首および頭蓋皮切除が閉じられた。外科的手順の間、体温は、37〜38℃に維持された。仔ラットは、回復までインキュベータ(32℃)に移され、その後、それらの寝わらに移された。
Qco−VDVAD−dfpは、0.001〜10mg/kgの範囲の用量で、虚血の開始前5〜15分または虚血1時間後に腹腔内投与された。コントロールの動物は、10%のDMSO(カスパーゼ阻害剤を可溶化するために必要とされる賦形剤)を含む0.9%生理食塩水の等価容積を受けた(n=15)(賦形剤処理群)。虚血の間、または殺す前の死亡率は、Qco−VDVAD−dfp処理群と賦形剤処理群との間で異ならなかった(<4%)。再灌流の48時間後にラットは殺され、脳が取り出された。梗塞病変(薄いゾーン)は、動物の処理に対して先入観のない観察者によって視覚によって記録された。明らかな虚血薄色ゾーンのない脳は、拡大鏡下に観察された。明らかなMCA凝固を呈していないものは廃棄された。
前部の線条体から背部の海馬にわたる16の切片(Paxinosのラット脳地図帳におけるプレート9〜27に相当する)が選択され、等間隔の0.5mmの間隔で取り出された。病変域は、クレシルバイオレット染色された切片について、画像解析機(NIH画像ソフトウェア)を用いて測定され、各環状切片間の距離は、梗塞容積を計算するために用いられた。脳切片は、DNA鎖切断(TUNELアッセイ)のために、in situ のFluorescein Cell Death Detection Kit(Roche,Meylan,フランス)を用い、製造業者の指令書にしたがって処理された。
Tunnel分析のために、脳は、その後2日、4%緩衝ホルムアルデヒドに固定された。50マイクロメータの環状脳切片がクリオスタット上に切り取られ、ゼラチン被覆スライド上に集められた。
下記の通り統計分析が行われた。βリスクを0.2、αリスクを0.05とみなすと、2つの群の間で50%の梗塞容積低下を検出するために各群において15〜16の動物が必要とされることが見積もられた。3つの群の動物が実験において比較されたため、これらの値は、参考情報にすぎない。6の動物のブロックを有する所定のリストが、3つの群間で動物を任意抽出するために用いられた。処理条件に対して先入観を持たない調査者が全ての測定を行った。手段間の相違は、クラスカル・ウォリスのノンパラメトリック多重比較検定、およびこれに続くノンパラメトリックな値についてのニューマンクール検定によって評価された。本発明者らは、5%レベル(P<0.05)で相違が有意であると考える。
1.2 ウエスタン・ブロット分析による脳溶解質におけるインビトロVDVAD−AMC分断およびカスパーゼ−2分断
タンパク質抽出およびウエスタン・ブロット分析
脳半球は、10mMのHepes、5mMのMgCl、42mMのKCl、1mMのDTT、0.5%のCHAPS(コンプリートプロテアーゼ阻害剤カクテル(Roche,Meylan,フランス)によって補給された)に、氷上で手動ポッターを用いることによって溶解させられた。ホモジネートは、10000g/4℃で10分にわたり遠心分離にかけられ、その後、表面浮遊物が生じた状態となった。タンパク質濃度は、BCAテストを用いて測定された。タンパク質(50μg)は、12.5%のポリアクリルアミドゲル上で分離され、PVDF膜(Amersham)に転写された。免疫染色は、ECL(Amersham Pharmacia Biotech)を用いて明らかにされた。モノクローナル抗マウスカスパーゼ−2抗体(52kDa;11B4,Alexis Biochemicals)が1:1000の希釈度で用いられた:アクチン(42kDa;Sigma;1:5000に希釈された抗体)が等価なローディングコントロールとして用いられた。
カスパーゼ−2の活性(100μgのタンパク質の脳サンプル)が、100μlのアッセイ緩衝液(50mMのHEPES(pH7.4)、100mMのNaCl、0.1%のCHAPS、10mMのDTT、1mMのEDTA、10%のグリセロール)中で評価された。組み換えカスパーゼ−2による50μMのVDVAD−AMCの分断が、2時間後に37℃で、蛍光マイクロプレートリーダー上で、405nmで励起した際の510nmでの蛍光発光をモニタリングすることによって測定された。VDVADアーゼ活性の阻害のために、阻害剤(2μM)が、30分間37℃で、カスパーゼ−2の存在下に予備的にインキュベートされ、その後に、続いて、50μMのVDVAD−AMC(30分、37℃)と共にインキュベーションが行われた。顕著な蛍光バックグランドは、VDVAD−AMC単独により観察されなかった。
2.結果
この一過性の片側局所虚血モデルにおいて、仔ラットは、永続性の左中大脳動脈の閉塞を、再灌流を伴う左総頸動脈の一過性の閉塞と関連して経た。その後、脳は、48時間後(大きな浮腫なく(1.5%以下)梗塞が安定化させられる時間点)に分析された。虚血は、55.0±3.4mmの梗塞容積を誘導した。これは、病変同側半球における22.1±1.4%の損傷を示す。梗塞容積は正規分布で出現した(15〜26%)(図3)。単回用量のQco−VDVAD−dfp(5mg/kg;腹腔内)が仔ラットに投与され、その後、虚血が開始された。この単回用量は、ニューマンクール検定において(コントロール群(V=22.1±1.4%,中央値21)と比較して)有意性の大きい74%の梗塞容積の低下を誘導した(5.7±2.3%,p<0.01(中央値=0.5))(図3)。興味深いことに、12の研究された動物に関して、4のQco−VDVAD−dfp処理された動物は、中間的な保護(V=16.5±1.32%)を示し、8の動物は、虚血コントロール動物と比較して完全な保護または中大脳動脈のレベル(プレート12および13に相当するレベル)においてのみ視認することができるが背部および海馬のレベル(プレート21)において視認することができない極めて著しくより小さい梗塞(中央値=0.5%)を示す(図3)。
単回用量のQco−VDVAD−dfp(0.1mg/kg;腹腔内)が、MCAOの1時間後(再灌流の開始に相当する)に仔ラットに投与された。この単回用量は、ニューマンクール検定において、(コントロール群(V=22.64±1.6%)と比較して)有意性の大きい44%の梗塞容積の低減を誘導した(9.95±2.8%,p<0.01)(図3)。さらに、ターミナルトランスフェラーゼdUTPのニックエンドラベリング(TUNEL)は、Qco−VDVAD−dfp処理動物において有意に減少させられた(図3)。Qco−VDVAD−dfpによって提供された保護作用は、体温調節によって介在されない(図3)。
最後に、Qco−VDVAD−dfpは、インビボでカスパーゼ−2を適切にターゲットにする;効果的に、それは、虚血仔ラットの脳においてカスパーゼ−2活性並びにカスパーゼ−2プロセシングを阻害した(図4)。
本発明者らは、カスパーゼ−2が新生児脳卒中における良好な神経保護予後に関連するターゲットであることを証明する。カスパーゼ−2のインビボでの不活性化の結果、一過性局所虚血の間の梗塞容積の大きな減少がもたらされるからである。本発明者らは、カスパーゼ−2が、出生時または周産期の脳卒中(ヒトの新生児における主要な医療)における低酸素虚血症脳疾患のインビボ予防のための有効なターゲットであり得ることを提案する。
データは、以下の図面によって例示される。
(図3)
Qco−VDVAD−dfpによる選択的カスパーゼ−2阻害は、虚血性脳損傷に付されたラット新生児の細胞死および脳梗塞を強力に妨げる。(a;左パネル)賦形剤(n=17)処理ラットおよびQco−VDVAD−dfp(腹腔内,5mg/kg;n=12)処理ラットにおける虚血48時間後の平均の梗塞容積(平均±標準偏差)。Qco−VDVAD−dfpは、虚血が始まる5〜15分前に投与された場合に74%の低減を誘導する(***=p<0.001,クラスカルウォリス検定)。(a;右パネル)Qco−VDVAD−dfp処理は、高い/全体的(高い)または低保護(4つ)を表示する2つのグループを提供する。単一の梗塞容積データがプロッティングされている。水平方向の太いバーおよび薄いバーは、それぞれ、群の中央値および平均を表す。(b)背部の海馬(プレート21,Paxinosのラット脳地図)および前交連(プレート12)のレベルでの再灌流後48時間における動物からの代表的なクレシルバイオレット染色された冠状断面。点線は梗塞域を示す。矢印は、Qco−VDVAD−dfp処理動物における梗塞の欠如を示す。バーは、130μmを表す。(c;左パネル)賦形剤処理ラット(n=22)およびQco−VDVAD−dfp(腹腔内,0.1mg/kg)処理ラット(n=19)における虚血48時間後の平均の梗塞容積(平均±標準偏差)。Qco−VDVAD−dfpは、虚血が始まる1時間後に投与された場合に44%の低減を誘導する(***=p<0.001,クラスカルウォリス検定)。(c,右パネル)単一の梗塞容積データがプロッティングされている。太い水平バーおよび薄い水平バーは、それぞれ、群の中央値および平均を示す。(d)賦形剤処理動物およびQco−VDVAD−dfp処理動物の同側皮質における細胞死。in situの3’OH端DNAラベリング後の代表的な(プレート12からの)蛍光顕微鏡写真(バー;100μm)。(e)身体温は、Qco−VDVAD−dfp投与の前後に測定された(前および後虚血)。
(図4)
虚血性の仔ラットは、5mg/kg(腹腔内)のQco−VDVAD−dfpにより処理された。動物は、24時間で犠牲にされた。脳のホモジネートは、カスパーゼ−2活性アッセイおよびウエスタンブロット分析に付された。IL:同側の損傷半球、CL:対側未病変半球。(a)賦形剤処理ラット対Qco−VDVAD−dfp処理ラットにおけるカスパーゼ−2活性の測定。(b)賦形剤処理ラット対Qco−VDVAD−dfp処理ラットからの脳ホモジネートにおけるカスパーゼ−2プロセシングのウエスタンブロット分析。
V.全脳虚血に続くラットにおけるQco−VDVAD−dfpの効果
全脳虚血は、心不全または心血管障害後に誘導され得る、かつ、血流減少および低酸素症の両方をもたらす状態である。病変は、選択的に損傷を受け易い脳領域において出現し、ニューロンは、このような全脳虚血の間にアポトーシスによって損傷を受け得る。全虚血の結果、拡散脳浮腫および全体性損傷と結びつく広範囲にわたる全体的なエネルギー代謝産物の損失ももたらされる。病変の成長に関与するメカニズムは、とりわけ、システイン−プロテアーゼ(カスパーゼ)の活性化、興奮毒性、梗塞周囲脱分極(peri-infarct depolarization)、ラクトアシドーシス、微小循環障害(microcirculatory disturbance)および血流−代謝脱共役(flow-metabolism uncoupling)を含み得る。いくつかの(実行主体)カスパーゼが全虚血の間に活性化され得る場合、誰も、このような病的状況におけるカスパーゼ−2の役割に関してコメントすることができない。最近、本発明者らは、新しい選択的カスパーゼ−2阻害剤(2−キノリニルカルボニル−L−バリニル−L−アスパルチル(メチルエステル)−L−バリニル−L−アラニル−L−アスパルチル(メチルエステル) 2,6−ジフルオロフェニルエステル(Qco−VDVAD−dfpと称する)を開発した。この阻害剤は、新生児の脳虚血の間に強力なインビボ神経保護作用を提供した。ここで、本発明者らは、心不全後に起こる脳病変に抗するその細胞保護媒介作用および行動が関連する利点を調査した。それ故に、本発明者らは、若年成熟ラットの一過性全脳虚血(4VO(four vessel occlusion(4血管閉塞))のインビボ実験モデルにおけるQco−VDVAD−dfpの効果を、Pulsinelliの試験(1979)に基づいて試験した。
1.実験モデル
1.1 VOモデル
全脳虚血は、4血管閉塞(4VO)によって、Pulsinelliの派生法(Pulsinelli et al.,1982;PulsinelliおよびBuchman,1988)に従い、若年成熟ラット(10〜12週齢の雄ウィスター,320g±10g;Janvier)において誘導された。第一日に、麻酔されたラットの頭部が脳定位イヤーバー(stereotaxic ear bar)内に置かれ、水平方向に対して約30°下に傾けられた。頸椎レベルでの正中切開の後、両方の椎骨動脈が、顕微鏡下に露出させられ、次いで、翼状孔(alar foramina)を通して第一頸椎のレベルで電気灼熱ニードルによって凝固させられた。次いで、両方の総頸動脈が、24時間後に露出させられ、20〜30分にわたりクランプ固定された(両方の椎骨動脈の電気灼熱が首尾良く行われた時に、ラットは昏睡状態に陥った)。次いで、頸動脈は、血流の再灌流を可能とするようにクランプ固定が解かれた。賦形剤およびQco−VDVAD−dfp(II,n=0)が、左の脳室のレベルに、虚血(頸動脈閉塞)の最初の15分内に投与された。ラットは、水および食餌が無制限に与えられるそれらのケージ内に置かれた。
1.2 細胞保護作用の評価
脆弱な細胞の選択的な喪失およびQco−VDVAD−dfpの効果(脳室内(intracerebroventricular:ICV)投与された)が72時間において評価された。ラットは犠牲にされ、脳は、パラホルムアルデヒドによる経心臓かん流によって固定された。前頭脳スライス(25μm)は、クレシル−バイオレットによって染色され、または、ヘキスト(登録商標)33342およびFluoro Jade Bによって共染色されて、海馬および皮質における細胞死が評価された。クレシル−バイオレットは、生細胞における細胞質体Nissl(小胞体構造)および核をラベリングするためのピンク〜赤の染料であり、これにより、死細胞では、淡いまたは染色が欠落することになる。Fluoro Jade B(緑色蛍光)の取込は、浸透性の形質膜を有する細胞においてのみ可能であり、それ故に、死細胞においてより特徴的である。ヘキスト(登録商標)33342(青色蛍光)は全細胞の核をラベリングし、細胞死の間の核の形態変化を評価することを可能にする。
細胞は、左脳海馬のカニューレのレベル並びにカニューレ後の650μmおよび780μm(前−後軸)において計数された。細胞は、これらの連続スライスにおける海馬(CA1、CA3、歯状回)および皮質におけるそのようなレベルにおいて計数される。クレシル−バイオレット染色スライスは、白色光(40倍および20倍の対物レンズおよびLEICA IM50ソフトウェア備えるNikon Eclipse E 800M顕微鏡)下に観察された。Fluoro Jade Bおよびヘキストの両方により染色されたスライスは、40倍対物レンズおよびLEICA IM1000/Qfluorobaseソフトウェア(BP 340−80励起フィルタ)を備えるLeica DMIRB反転蛍光顕微鏡下に観察された(BP 340−80励起フィルタは、ヘキスト用のLP 425発光フィルタと結合され、BP 480/40励起フィルタは、FluoroJade B用のBP 515−560励起フィルタと結合された)。
1.3 行動獲得の評価
身体温度は、第1日の外科的処置の間に、麻酔から工程1(脊椎の電気灼熱およびカニューレ挿入)および工程2(頸動脈単離)にわたって測定された。身体温度はまた、第2日の虚血の開始後0、10、20分に測定された。温度は、第5日において虚血後24、48、72時間およびかん流ための最後の麻酔前に測定された。行動研究(摂食、自発行動および反応性)が行われ、下記を下記記録により評価された;
摂食:第5日の胃の内容物を観察する
再摂食の場合=1;摂食なし=0
自発行動:ケージ内の動物の一般的な行動(活動対非活動期の交互性および把持に対する反応)
活発=1;多少活発=0.5;活発でないもしくは乏しい=0
反応性:動物は、騒音に対して感受性があり、かつ反応性があり、騒音の元に移動する。
好奇心ありの場合=1;比較的好奇心ありの場合=0.5;全く好奇心なし=0。
2.結果
図5〜7は、虚血後72時間の成熟ラットの海馬(少数は皮質)においてCA1のレベルで細胞死が発生することを示す;細胞の90〜100%は、それらのクレシル−バイオレットラベリングを喪失し、異常な細胞形態を有し、40〜60%は、核変化を呈し、40〜50%は、虚血脳のCA1(CA1a、bおよびcサブエリア)においてFluoroJade Bを維持した。細胞死の徴候は、CA3、DG(歯状回)において見出されなかった(CA2およびCA4においても見出されなかった(図示せず))。虚血はまた、棒状(常駐ミクログリア)または鎌状(血液脳関門決裂後に脳に侵入する移行ミクログリア)を呈するミクログリア細胞の存在によって制御された。
図8は、海馬または皮質における観察のレベルが何であれ60〜600ngのQco−VDVAD−dfpにより処理された非虚血ラット(脳質内)において細胞死がない(基本閾値(10%)以下)ことを示す:クレシル−バイオレット陰性細胞の欠如、異常核の欠如、Fluoro Jade B取込なし。このため、Qco−VDVAD−dfpは、60〜600ngで局所的に毒性でない。
図9〜10は、虚血脳におけるCA1のレベルでのQco−VDVAD−dfpの細胞保護作用を示す。虚血ラットに対する明敏な対照において、Qco−VDVAD−dfp処理動物は、異常核(核が、より大きく、縮み方がより少ない)がより少なく、Fluoro Jade Bを取り込んだ細胞はほとんどない(50〜60%ではなく10〜20%)。このため、着色スライスは、虚血がないものより強く見える。さらに、クレシル−バイオレット染色強度は、部分的に非虚血動物のレベルに修復されたが、細胞形態の全体的な回復はなかった。
Qco−VDVAD−dfpの効果は、温度についての調節効果とは関係がない(図11)。
Qco−VDVAD−dfpは、虚血処理されたラットの一般的な行動に関して有益な効果を有する。これらのラットが、未処理ラットより良好なスコアリングを有し、それらはより活動的であり、騒音に対してより反応性があり、かつ、それらは食餌もよく取るからである(図11)。
これらのデータは、下記の図面によって説明される。
(図5:虚血ラット(4VO)モデルの海馬および皮質における細胞死)
(A):虚血後72時間の成熟ラットの海馬(CA1、CA3、DG)および皮質における細胞死。一過性全脳虚血は、4血管閉塞(4VO)によって誘導された(n=5)。ラットは、DMSO(ここでは、7.255%;0.7255%(図示せず))により処理された(脳室内)。スライスは、クレシル−バイオレットによって染色された。(B):虚血後72時間成熟ラットの海馬(CA1)における細胞死。一過性全脳虚血が4血管閉塞(4VO)によって誘導された(n=5)。ラットは、DMSO(7.255%)により処理された(脳室内)。スライスは、ヘキスト(登録商標)33432(核:青)およびFluoro Jade B(核および細胞質:緑)によって染色された。(C);ヘキスト(登録商標)およびFluoro Jade B蛍光顕微鏡写真の高拡大(サイズは、それぞれ、2および6倍に大きくされている)。(D);虚血マーカーとしてのミクログリアの活性化。ミクログリア細胞は、棒状(常駐ミクログリア)または鎌状(血液脳関門決裂後に脳に侵入する移行ミクログリア)を呈する。
(図6)
CA3、歯状回(DG)および皮質(COR)上の虚血の影響。成熟ラットにおける虚血72時間後での海馬(CA3、DG)および皮質(COR)における細胞死。一過性全脳虚血は、4血管閉塞(4VO)によって誘導された(n=5)。ラットは、DMSO(ここでは、7.255%;0.7255%(図示せず))により処理された(脳室内)。スライスは、CA1レベルでFluoro Jade B/ヘキスト(登録商標)によって共染色された(n=5)。
(図7)
虚血72時間後での細胞死の定量化。成熟ラットにおける虚血72時間後での海馬(CA1、CA3、DG)および皮質(COR)における細胞死。一過性全脳虚血は、4血管閉塞(4VO)によって誘導された(n=5)。ラットは、DMSO(ここでは、7.255%;0.7255%(図示せず))により処理された(脳室内)(n=5)。(A);DMSO(1)またはTRP6 650μM(2)、780μM(3)の注入後のレベルでのクレシル−バイオレット陽性細胞の定量化。(B):虚血性および非虚血性の脳の海馬(CA1a,b,c、CA3、DG)および皮質(COR)におけるヘキスト染色によって評価された異常核の定量化。(C):虚血性および非虚血性の脳の海馬(CA1a,b,c、CA3、DG)および皮質(COR)におけるFluoro Jade B陽性細胞の定量化。
(図8)
非虚血ラットにおけるQco−VDVAD−dfpの非毒性。非虚血ラットにおけるDMSO(ここでは、7.255%;0.7255%(図示せず))またはQco−VDVAD−dfp(60または600ng)の脳室内投与72時間後での海馬(CA1、CA3、DG)および皮質(COR)における細胞死(n=5)。(A);DMSO(1)またはQco−VDVAD−dfp 650μM(2)または780μM(3)の注入後のレベルでの増加用量のTRP6の存在下でのクレシル−バイオレット陽性細胞の定量化。(B):賦形剤処理ラットおよびQco−VDVAD−dfp処理ラットの海馬(CA1a,b,c、CA3、DG)および皮質(COR)におけるヘキスト染色によって評価された異常核の定量化。(C):虚血性および非虚血性の脳の海馬(CA1a,b,c、CA3、DG)および皮質(COR)におけるFluoro Jade B陽性細胞の定量化。
(図9)
若年成熟ラットの海馬における虚血(4VO)72時間後でのQco−VDVAD−dfpによる神経保護作用。(A):賦形剤処理(DMSO 0.7255%)またはQco−VDVAD−dfp処理(60ng)虚血ラット対非虚血動物(賦形剤処理)におけるCA1およびそのサブエリア(CA1a、CA1b、CA1c)を代表する顕微鏡写真(400倍)。スライスは、クレシル−バイオレット(上部行)、ヘキスト(青:核;左欄)またはFluoro Jade B(緑色蛍光:右欄)により染色された。(B);ヘキストおよびFluoro Jade B蛍光顕微鏡写真の高拡大(6倍)。
(図10)
虚血後72時間でのQco−VDVAD−dfpの定量的効果。成熟ラットにおける虚血72時間後での海馬(CA1、CA3、DG)および皮質(COR)における細胞死。一過性全脳虚血は、4血管閉塞(4VO)によって誘導された(n=5)。ラットは、DMSO(ここでは、7.255%;0.7255%(図示せず))またはQco−VDVAD−dfp(60または600ng)により処理された(脳室内)(n=5)。(A);DMSO(1)またはQco−VDVAD−dfp 650μM(2)または780μM(3)の注入後のレベルでのTRP6の増加用量の存在下でのクレシル−バイオレット陽性細胞の定量化。(B);賦形剤処理ラットおよびQco−VDVAD−dfp処理ラットの海馬(CA1a,b,c、CA3、DG)および皮質(COR)におけるヘキスト染色によって評価された異常核の定量化。(C):虚血性および非虚血性の脳の海馬(CA1a,b,c、CA3、DG)および皮質(COR)におけるFluoro Jade B陽性細胞の定量化。
(図11)
生理学および行動試験。(A):生理学的研究。身体温度測定;第1日の間の外科手順の麻酔から工程1(椎骨電気灼熱およびカニューレ挿入)および工程2(頸動脈単離)まで;第2日の虚血の開始0、10、20分後;第5日の虚血24、48、72時間後およびかん流ための最終麻酔前。(B):行動研究:1群当たりのパラメータの平均。摂食:第5日での胃内容物の観察;再摂食の場合=1、摂食なしの場合=0;自発活動:ケージ内の動物の一般的な行動(活性対非活性期の交互性および把持に対する反応),活発=1、多少活発=0.5、活発性がないもしくは乏しい=0;反応性:動物は、騒音に対して感受性であり反応性があり、騒音源へ移動する。好奇心有りの場合=1、比較的好奇心有り=0.5、好奇心を示さない=0。(C):行動研究:全スコアリング(1群当たりの全スコアの合計)。
(実施例:構造IIのカスパーゼ−2阻害剤の取得)
合成のために用いられた主たる工程は、スキーム1〜3上に要約される。
Figure 2008509079
Figure 2008509079
(書誌の参照)
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Qco−VDVAD−dfpのインビトロの特異性および効果 製剤の安定性:HPLC測定。Qco−VDVAD−dfp Qco−VDVAD−dfpによる選択的カスパーゼ−2阻害は、虚血性脳損傷に付された仔ラットの細胞死および脳梗塞を強力に予防する。 新生児虚血性脳損傷の間のQ−VDVAD−OPHによるカスパーゼ−2活性およびカスパーゼ−2プロセシングのインビボ阻害 虚血ラット(4VO)モデルの海馬および皮質における細胞死 CA3、歯状回(Dentus gyrus:DG)および皮質(COR)についての虚血の影響 虚血後72時間での細胞死の定量化 非虚血ラットにおけるQco−VDVAD−dfpの非毒性 若年成体ラットの海馬における虚血後(4VO)72時間のQco−VDVAD−dfpによる神経防護作用 虚血後72時間でのQco−VDVAD−dfpの定量的効果 生理学および行動に関する試験

Claims (34)

  1. カスパーゼ−2を認識し、その活性を妨げおよび阻止する新規選択的カスパーゼ−2阻害剤であって、2−キノリニルカルボニル−L−バリニル−L−アスパルチル(メチルエステル)−L−バリニル−L−アラニル−L−アスパルチル(メチルエステル) 2,6−ジフルオロフェニルエステル(配列1)およびその誘導体である骨格をベースとし、配列1は、式Iaまたは1b:
    Figure 2008509079
    に相当するカスパーゼ−2阻害剤。
  2. 構造II:
    Figure 2008509079
    をベースとする、請求項1に記載の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤。
  3. 構造III:
    Figure 2008509079
    をベースとし、ここで、
    (i)各アミノ酸の絶対配置はLまたはDのいずれかであり;
    (ii)RおよびRは、水素原子、重水素原子、C1−20脂肪族、置換または無置換アリール、シクロアルキル、ナフチル、置換ナフチル、2−ベンゾオキサゾリル、置換2−オキサゾリル、(CHシクロアルキル、(CHフェニル、(CH置換フェニル、(CH(1−または2−ナフチル)、(CHヘテロアリール、CH、CHY、OH、OR、NH、NHR、NR、SR、COR、COR、CONR、CHOCOR、CHO−COアリール、CHO−C(O)置換アリール(例:2,6−ジメチルベンゾイルオキシメチル)、CHO−C(O)置換アリール、CHO−C(O)ヘテロアリール、CHO−C(O)置換ヘテロアリールまたはCHOPORであり;
    (iii)R、R、RおよびRは、20種のアミノ酸のうちの1つの側鎖(システインを除く)であり、例えば、ペンタペプチドは、Leu−Asp−Glu−Ser−Aspの類似体であってもよく;R、R、RおよびRはまた、C1−20脂肪族、シクロアルキル、ナフチル、置換ナフチル、2−ベンゾオキサゾリル、置換2−オキサゾリル、(CHシクロアルキル、(CHフェニル、(CH置換フェニル、(CH(1−または2−ナフチル)、(CHヘテロアリール、CH、(CHZ、CHOCOR、CHOCO(アリール)、CHOCO(置換アリール)、CHOCO(ヘテロアリール)、CHOCO(置換ヘテロアリール)またはCHOPORであり;
    (iv)Rは水素原子であり、RはR、U、CO(CHNH(U)またはCO(CHS(U)であり;
    (v)Uは、(無)置換(2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−)キノリニル、C1−20直鎖または分枝鎖アルキル、(CHシクロアルキル、(CHフェニル、(CH置換フェニル、(CH(1−または2−ナフチル)、(CHヘテロアリールまたはマーカー基、例えば、蛍光マーカーまたは電子顕微鏡法において有用なマーカーであり;
    (vi)RおよびRはまた、介在窒素と共にひとまとめになって、ヘテロ環、例えば、置換または無置換テトラヒドロキノリン、テトラヒドロイソキノリン、ジヒドロアクリジン、ベンズアゼピン、ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ジヒドロピリジン、ベンズイミダゾール、イミダゾール、イミダゾリン、ピロール、ピロリジン、ピロリン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、チアゾール、ピペリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、カルバゾール、フェノチアジン、フェノキサジン、ジヒドロフェナジン、ジヒドロシンノリン、ジヒドロキノキサリン、ジヒドロナフチリジン、テトラヒドロナフチリジン、ジヒドロアクリジン、インドール、イソインドール、ジヒドロインドール、インドリン、インダゾール、プリン、9,10−ジヒドロフェナントリジン、5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン、10,11−ジヒドロ−5H−ジベンゾ[b,f]アゼピン、β−カルボリン、ピリド[4,3−b]インドール、2,3,9−トリアゾフルオレン、9−チア−2,10−ジアザアントラセン、チエノ[3,2b]ピロールまたはジヒドロフェナントリンを形成し;
    (vii)Rは、水素原子、C1−20脂肪族基、アリール、置換アリール(例:4−ニトロフェニルまたはクマリン誘導体)、ヘテロアリール(例:2−ピリジン)、置換ヘテロアリール、シクロアルキル、ナフチル、置換ナフチル、(CHシクロアルキル、(CHフェニル、(CH置換フェニル(例:2,6−ジハロフェニル)、(CH(1−または2−ナフチル)、(CHヘテロアリールまたは(無)置換(2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−)キノリニルまたはフルオレンメチルであり;
    (viii)Yは、ハロゲン(F、Cl、BrまたはI)、アリールまたはアルキルスルホニルオキシ基、トリフルオロメタンスルホニルオキシを含む電気陰性脱離基、OR、SR、COOR、またはOP(O)Rであり、ここで、Rは、脂肪族基、アリール基、アラルキル基、カルボ環基、アルキルカルボ環基またはヘテロ環基であり;
    (ix)Zは、ハロゲン(F、Cl、BrまたはI)、CN、OH、OR、NH、NHR、NR、SR、COR、CORまたはCONRであり;
    (x)nは0〜20である、
    請求項1に記載の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤。
  4. 式IV.1〜IV.7:
    Figure 2008509079
    のカルバ類似体を含む構造IVをベースとし、ここで、
    (i)各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
    (ii)n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、上記の通りである、
    請求項1に記載の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤。
  5. 式V.1〜V.7:
    Figure 2008509079
    (ここで、
    (i)各アミノ酸またはその等量式の絶対配置はLまたはDのいずれかであり;
    (ii)n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは上記の通りである)
    のペンタペプチドVDVADのケトメチレン類似体を含む構造Vをベースとする、請求項1に記載の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤。
  6. 式VI:
    Figure 2008509079
    (ここで、
    − 各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
    − Xは、OまたはNHであり、少なくとも1つのXは酸素原子であり;
    − n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、上記の通りであり;
    − Rは、水素原子、(2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−)キノリニル、C1−20直鎖または分枝鎖アルキル、(CHシクロアルキル、(CHフェニル、(CH置換フェニル、(CH(1−または2−ナフチル)、(CHヘテロアリール、OCORまたはOCNHRである)
    のデプシペプチド類似体を含む構造VIをベースとする、請求項1に記載の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤。
  7. 式VII:
    Figure 2008509079
    (ここで、
    − 各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
    − Xは、OまたはNHであり、少なくとも1つのXは酸素原子であり;
    − n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは上記の通りであり;
    − Rは、水素原子、(2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−)キノリニル、C1−20直鎖または分枝鎖アルキル、(CHシクロアルキル、(CHフェニル、(CH置換フェニル、(CH(1−または2−ナフチル)、(CHヘテロアリール、OCORまたはOCNHRである)
    のデプシペプチド類似体を含む構造VIIをベースとする、請求項1に記載の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤。
  8. 式VIII.1〜VIII.7:
    Figure 2008509079
    のヒドロキシエチレン類似体を含む構造VIIIをベースとし、ここで、
    − 各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
    − n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、上記の通りである、
    請求項1に記載の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤。
  9. 式IX.1〜IX.6:
    Figure 2008509079
    の還元型ペンタペプチド類似体を含む構造IXをベースとし、ここで、
    − 各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
    − n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは上記の通りである、
    請求項1に記載の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤。
  10. 式X.1〜X.7:
    Figure 2008509079
    の不飽和類似体を含む構造Xをベースとし、ここで、
    − 各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
    − n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは上記の通りである、
    請求項1に記載の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤。
  11. 式XI.1〜XI.9:
    Figure 2008509079
    Figure 2008509079
    のベータペプチド、ガンマペプチド、尿素およびカルバメートの類似体を含む構造XIをベースとし、ここで、
    − 各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
    − Xは、CH、NHまたはOであり;
    − n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、上記の通りである、
    請求項1に記載の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤。
  12. 式XII.1〜XII.15:
    Figure 2008509079
    Figure 2008509079
    のVDVADの配座制限類似体を含む構造XIIをベースとし、ここで、
    − 各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
    − W、XおよびYは、CH、CまたはNであり;
    − n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、上記の通りである、
    請求項1に記載の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤。
  13. 式XIII.1〜XIII.15:
    Figure 2008509079
    Figure 2008509079
    のVDVADの配座制限類似体を含む構造XIIIをベースとし、ここで、
    − 各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
    − W、XおよびYは、CH、NH、OまたはSであり;
    − n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、上記の通りである、
    請求項1に記載の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤。
  14. 式XIV.1〜XIV.15:
    Figure 2008509079
    Figure 2008509079
    Figure 2008509079
    のVDVADの配座制限類似体を含む構造XIVをベースとし、ここで、
    − 各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
    − n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、上記の通りである、
    請求項1に記載の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤。
  15. 式XV.1〜XV.15:
    Figure 2008509079
    Figure 2008509079
    Figure 2008509079
    のVDVADの配座制限類似体を含む構造XVをベースとし、ここで、
    − 各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
    − n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは上記の通りである)、
    請求項1に記載の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤。
  16. 式XVI.1〜XVI.15:
    Figure 2008509079
    Figure 2008509079
    Figure 2008509079
    のVDVADの配座制限類似体を含む構造XVIをベースとし、ここで、
    − 各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
    − n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、上記の通りである、
    請求項1に記載の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤。
  17. 式XVII.1〜XVII.15:
    Figure 2008509079
    Figure 2008509079
    Figure 2008509079
    のVDVADの配座制限類似体を含む構造XVIIをベースとし、ここで、
    − 各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
    − n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、上記の通りである、
    請求項1に記載の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤。
  18. 式XVIII.1〜XVIII.15:
    Figure 2008509079
    Figure 2008509079
    Figure 2008509079
    のVDVADの配座制限類似体を含む構造XVIIIをベースとし、ここで、
    − 各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
    − n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、上記の通りである、
    請求項1に記載の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤。
  19. 式XIX.1〜XIX.15:
    Figure 2008509079
    Figure 2008509079
    Figure 2008509079
    のVDVADの配座制限類似体を含む構造XIXをベースとし、ここで、
    − 各アミノ酸またはその等量式の絶対配置は、LまたはDのいずれかであり;
    − n、R、R、R、R、R、R、R、R、R、U、YおよびZは、上記の通りである、
    請求項1に記載の新規選択的カスパーゼ−2阻害剤。
  20. 請求項1〜19のいずれか1つに記載された少なくとも1種の化合物の有効量を、製薬上許容される担体と関連してまたは関連しないで含む医薬組成物。
  21. インビボの細胞死を低減させる、経口、経鼻投与、局所(脳室内、海馬内、その他の脳内送達、機械的送達用器具の脳内移植)または全身(例えば、腹腔内、静脈内等)投与または皮内送達またはくも膜下送達のための、または、エアロゾルとしての、請求項20に記載の医薬組成物。
  22. 細胞死におけるカスパーゼ−2の活性を妨げるまたは阻止する、請求項20または21に記載の医薬組成物。
  23. 前記細胞は、ニューロン、神経細胞または非神経細胞である、請求項22に記載の医薬組成物。
  24. 神経保護作用または脳保護作用を提供するための、請求項20または21に記載の医薬組成物。
  25. 細胞保護作用を提供するための、請求項20または21に記載の医薬組成物。
  26. 局所脳虚血に続く虚血性損傷を含む病的状態の治療のための、請求項20または21に記載の医薬組成物。
  27. MCAOの結果としての局所脳虚血に続く虚血性損傷を含む病的状態の治療のための、請求項20または21に記載の医薬組成物。
  28. 出生時または周産期中の脳卒中の結果としての局所脳虚血に続く虚血性損傷を含む病的状態の治療のための、請求項20または21に記載の医薬組成物。
  29. 非脳部位における血栓の結果としての局所脳虚血に続く虚血性損傷を含む病的状態の治療のための、請求項20または21に記載の医薬組成物。
  30. 局所動脈梗塞の治療のための、請求項20または21に記載の医薬組成物。
  31. 患者の動脈管、または左総頸動脈を含むより直接的なルートからの血行性の差異によって引き起こされる、中大脳動脈(MCA)域または左脳半球における虚血病変の治療のための、請求項20または21に記載の医薬組成物。
  32. MCAの皮質またはレンズ核線状体の枝または主要枝の閉塞を含む虚血性多発性病変の閉塞の治療のための、請求項20または21に記載の医薬組成物。
  33. 心不全または心臓血管損傷の間の血流減少または低酸素症の結果としての全脳虚血に続く虚血損傷を含む病的状態の治療のための、請求項20または21に記載の医薬組成物。
  34. 血流および酸素圧が乱されることにより脳(一過性または永続性)損傷がもたされた病的状態を含む病的状態の治療のための、請求項20または21に記載の医薬組成物。
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