JP2008508756A - エントロピー符号化を利用したカラー画像データの可逆圧縮 - Google Patents

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Abstract

各画素が、Bビット(B>1)の精度を有する少なくとも1つのカラーチャネル値により規定される画素値を有する走査線上の画素のデジタル連続階調画像を圧縮する方法であって、当該方法は、圧縮された画像データを生成し、符号化対象となる実際の画素値を有する現在画素に対して、固定されたルールを利用して、同一画像からの少なくとも1つの前に処理された画素の画素値に基づき予測画素値を予測するステップと、前記予測画素値と前記現在画素の実際の画素値との差分に基づき差分パラメータを決定するステップと、ゼロに等しい値を有する最上位ビットの中断されない系列の存在のため、前記差分パラメータを調べるステップと、前記最上位ゼロビットの少なくとも一部を削除するステップと、所定の境界内にいくつかのビットが残っている場合、所定の固定長を有し、前記残りのビットのビット数を示す圧縮コードを生成するステップとから構成される方法。実際の圧縮処理においてより効率的に圧縮することが可能となるように、画像データを用意するいくつかの画像データ前処理ステップが開示される。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、連続階調画像の可逆圧縮に関する。より詳細には、本発明は、各画素がBビット(B>1)の精度を有する少なくとも1つのカラーチャネル値により規定される画素値を有する走査線上にある画素のデジタル連続階調画像を圧縮する方法を提供する。カラーチャネルはまた、単一の白黒チャネルを有するようにしてもよいということが理解されるべきである。
本発明はまた、上記方法が実現されるコンピュータ及び装置、特に印刷コントローラ上で実行される際、上記方法を実行するためのコンピュータプログラムプロダクトに関する。最終的には、本発明は、本発明により圧縮された画像データを解凍する方法に関する。
[背景]
プリンタに送信されたページは、一般にページ記述言語(PDL)により規定されている。PDLの具体例として、Adobe Systems Inc.からのPostScriptがある。コンピュータ上で実行されるPDLインタプリタがPDLを解釈し、印刷される各ページのデジタルページ画像が生成される。ページ画像は、印刷エンジンに直接わたすことができる形式をとることが可能であるか、あるいはそれらが印刷エンジンにわたされる前にさらに処理される可能性があるデジタル連続階調画像の形式により格納することが可能である。後者のアプローチは、例えば、特殊な画像処理、すなわち、印刷エンジンによって受け付け可能なフォーマットへの連続階調画像を変換など、PDLインタプリタにおいて利用可能でない画像処理が必要とされるときなどに利用することができる。
後者のアプローチを利用するカラープリンタについて、連続階調画像が格納され、おそらく画像処理ハードウェアに送信される必要がある。しかしながら、連続階調画像に対するデータ量は、例えば、140Mbyteが必要となるA4サイズの600dpi連続階調(1つのカラーチャネル毎に8ビット)CMYK画像などに対して、極めて大きなものとなりうる。このことは、画像を格納するのに比較的大きな格納量と、それを転送するのに比較的長い時間がかかることを意味する。この問題に対する一般的な解決策は、連続階調画像を圧縮することである。
例えば、図11は、「ラスタ画像プロセッサ(RIP)」又は「カラーサーバ」としても知られている印刷コントローラの概略を示す。印刷コントローラは、印刷ジョブ(PostScriptにより規定される)を解釈し、ページ画像をディスクに格納し、必要に応じてそこからプリンタに転送する。
カラー印刷コントローラは、入力される印刷ジョブを解釈し、それを未圧縮の連続階調カラーページ画像に変換するPDLインタプリタ112を有する。当該ページ画像の生成後に直接的に、それらは本発明の圧縮装置14により圧縮される。結果として得られる圧縮されたページ画像は、ページストアを構成するハードディスク116に格納される。エンジンが当該ジョブを印刷することを必要とするとき、圧縮されたページ画像がハードディスクから読み出され、プリンタインタフェースケーブル118(ファイアウォールなど)を介し当該エンジンに転送される。
図12は、プリンタインタフェースケーブル118を介し図11の印刷コントローラに接続されるプリンタを示す。
印刷コントローラからの圧縮されたページ画像は、バッファ122に受け取られる。そこから、圧縮された画像データは、当該圧縮ページ画像を解凍された画像に変換する解凍装置124にわたされる。この解凍された画像は、それを印刷エンジン128を駆動するのに利用される具体的ビットマップに変換するため、画像処理モジュール126を介しわたされる。
画像データがPDLインタプリタの後に直接圧縮されるという事実は、ハードディスクに対する当該画像の転送において帯域幅を節約し、未圧縮データに対して必要とされるものより低速なディスクが利用されることを可能にする。それはまた、より小型のディスクを可能にする。また、プリンタインタフェースケーブルを介し画像を転送するのに必要とされる帯域幅が低減し、これにより、より利用性の低い帯域幅とのインタフェースが利用可能となる。
各種可逆画像圧縮技術が、JPEG−LSなどの連続階調画像の圧縮に利用可能である。
JPEG−LSは、HPのLOCO−Iアルゴリズムに基づくものであり、連続階調画像の可逆圧縮に対する規格としてISO/ITU−Tにより選択されたものである。当該アルゴリズムについての記載は、“www.hpl.hp.com/loco/HPL−98−193R1.pdf”から利用可能なM.Weinberger、G.Seroussi及びG.Saipiroによる“LOCO−I:A Low Complexity,Context−Based,Lossless Image Compression Algorithm”に与えられている。
しかしながら、妥当な圧縮量を提供する圧縮技術は、PDLインタプリタが同じコンピュータ上で実行されるときに同一の画像を生成するのに要する時間より、かなり多くの画像圧縮時間がかかる。このことは、このような圧縮方法がページ画像を圧縮するのに利用される場合、プリンタのパフォーマンスが許容できないレベルに低下することを意味する。
十分高速な既存の技術は(例えば、シンプルな1次元ランレングス圧縮など)、平均して十分な圧縮を提供しない。
本発明の課題は、汎用プロセッサ上で効率的に実現可能であって、PDLにより生成される画像の可逆圧縮を、PDLインタプリタが当該画像を同一のコンピュータ上で生成するのに要する時間よりかなり短い実行時間により可能にする複雑さの小さいソフトウェア手段を提供することである。
これは、さらなるハードウェア及び大きなパフォーマンスペナルティなく、PDLインタプリタを実行するのに使用されるものと同じコンピュータ上で圧縮が実現されることを可能にするであろう。
本発明のさらなる課題は、最新の可逆画像圧縮アルゴリズムと少なくとも同程度に良好な圧縮ファクタを有する複雑さの小さな圧縮装置を提供することである。
本発明のさらなる課題は、解凍装置のシンプルなハードウェアによる実現を可能にすることである。
上記及び他の課題は、請求項1記載の圧縮方法によって実現される。
本方法によると、画素値が近傍の画素に基づき予測された予測画素値と比較される。多くの場合、画素値は位置に関して急激には変化しないため、実際の画素値と予測画素値との差は通常は小さなものであり、多くはないが、いくつかの先頭ゼロビットを有するであろう。先頭ゼロビットをカットすることによって、データはより少ないビットとなり、効果的な圧縮が導かれる。
さらなる効果的な特徴が、従属項において記載される。それらは、実際の画素値と予測画素値との間の結果として得られる差がかなり小さくなるように、さらなる良好な圧縮を提供するように、画像データを準備するのに利用されるステップを特定する。
当該圧縮は、PDLにより生成される画像について最適化されるが、それはまた、スキャン画像など他のタイプのデジタル画像にも効果的に適用可能である。
[好適実施例の詳細な説明]
本発明による圧縮の一般的特徴
本発明は、基本的にPDL(PostScriptなどのページ記述言語)インタプリタによって生成されるページ画像の圧縮のためのものである。このような画像は、後述される固有の特徴を有している。これらの画像に対して圧縮が最適化されるが、それはまた、スキャン画像などの他のタイプのデジタル画像に適用可能である。後者のケースでは、スキャナノイズが圧縮比に悪影響を与えるが、テストにより、妥当な圧縮比が依然として実現可能であることが明らかにされている。この場合、ノイズ抑制のための前処理は、当該圧縮はもはや可逆ではなくなるが、ランレングス圧縮に対する機会を増大させるため、当該結果を向上させることとなる。
さらに、本発明による圧縮装置は、画像を圧縮するのに要する実行時間が、同じコンピュータ上でPDLインタプリタにより同一画像を生成するのにかかる時間より、平均してはるかに短い時間となるように、ソフトウェアにより実現される。これは、圧縮装置がさらなるハードウェア及び大きなパフォーマンスペナルティなしに、PDLインタプリタを実行する同一コンピュータ上で実現されることを可能にする。
圧縮フォーマットは、解凍装置のハードウェアによりシンプルな実現を可能にするためシンプルなものとされる。このことは、解凍装置に要するメモリ量を限定することできることを意味する。
また、圧縮装置は、ハードウェアにより実現される解凍装置が固定レートにより解凍された画素を生成することを可能にするよう構成されている。このことは、圧縮されたデータの最大ローカル拡張が限定される必要があることを意味する。
圧縮対象となる画像の画像特性
圧縮対象となる画像は、好ましくは、PDLインタプリタにより生成されるカラー又は白黒連続階調画像である。特段記載がない場合、「カラー」という用語は、以下の説明においては、リアルカラートーン及び白黒グレイティントの両方に関する。PDLにより生成される画像は、ある典型的な特性を有している。
・一定のカラーの領域では(多くのページの白色の背景など)、ノイズはない。このことは、一定のカラーの領域を圧縮するため、ランレングス圧縮符号化などのシンプルな機構を利用可能であることを意味する。
・サンプリング画像をデバイス解像度にスケーリングするため、ほとんどのPDL(PostScriptなど)は、最近傍補間を利用している。最近傍補間は、デバイス画素に最も近いオリジナル画素のカラーをデバイス画素に与える。例えば、図1に示されるように、600dpiの装置上で印刷されるPostScriptジョブにおける300dpi画像については、各オリジナル画素は2×2のデバイス画素にマッピングされる。
カラー画像用の圧縮方法である本発明の第1実施例が、説明される。
第1実施例による圧縮画像フォーマット
圧縮画像フォーマットは、各バイトが2つの4ビットニブルを含むバイトシーケンスから構成される。各バイトの第1ニブルは、当該バイトの上位4ビットであり、各バイトの第2ニブルは、当該バイトの下位4ビットである。ニブルは、第1実施例の圧縮画像フォーマットにおける最小のデータユニットである。ビットでなく最小データユニットしてニブルにより実行する理由は、ニブルは1ビットより汎用プロセッサ上でより効率的に扱うことが可能であるためである。複数のニブルから構成されるすべての数は、最初に最上位のニブル、最後に最下位のニブルにより表現される。
圧縮画像フォーマットは、走査線がページ上で出現する順序により、各情報ブロックが1つの走査線を記述する情報ブロックシーケンスとして構成される。走査線単位による構成(ページ単位の構成に対して)を選択した理由は、それが完全な圧縮ページ画像を格納する必要なく走査線に基づく処理を可能にするためである。
図2は、ある走査線に対する情報ブロックの基本形の一例を示す。各情報ブロックは、コードブロックの直前にあるデータブロックから構成される。
データブロックとコードブロックの双方の最初の4ニブルのそれぞれは、8バイトの倍数によるデータ/コードブロックの長さを規定する長さフィールドを構成する。この長さフィールドは、実際のコード/データニブルに続く。ブロックのエンドにおける未使用のニブル値は、「0」に設定される。データ/コードブロックは、高々(2^16−1)*8=524,288バイト長となりうる。長さフィールドは、走査線単位の圧縮データのナビゲーションを可能にする(走査線データの高速スキップ)。
コードブロックは、生成される画素を指定し、走査線の第1画素からスタートし、最後の画素に向かって進捗する解凍装置に対する命令であるコードニブルシーケンスを含む。
コードブロックのいくつかのコードは、付加的データを必要とする。この付加的データは、対応するコードが同一の走査線に対してコードブロックにおいて出現するのと同じ順序によりデータブロックに格納される。
第1実施例において利用される圧縮コード
PDLにより生成される画像(ノイズのない一定カラーの大きな領域)の性質が与えられると、2次元ランレングス符号化もまた多くのPDLにより生成された画像を圧縮するであろう。しかしながら、サンプリング画像(写真など)を含むページは、一般に多数の異なるカラーを有し、多くの画素が以前に処理された近傍画素とは等しくないカラーを有する。従って、ランレングス符号化もまた良好に機能しない。付加的コードがこのような状況に対して必要となる。本発明は、上記状況の双方において良好に機能する方法を提供する。
まず、本発明による専用コードによる基本的な2次元ランレングス圧縮方法が説明される。
・LEFTコード
現在画素がそれの左近傍と同じカラーを有することを示すコード“LEFT”を規定する。当該コードが複数回繰り返されるべきことを示すため、ランレングスを当該コードに追加する。これは、第1次元におけるランレングス符号化である。走査線上の第1ランとしてのコード“LEFT”は、対応する画素が白色を有することを示す。
・TOPコード
ランレングス符号化を2次元にするため、現在画素が上方画素と同じカラーを有することを示すコード“TOP”を規定する。当該コードが複数回繰り返されるべきことを示すため、ランレングスに当該コードを追加する。これは、第2次元におけるランレングス符号化である。第1走査線上のコード“TOP”は、対応する画素が白色を有することを示す。
当該コードがデバイス解像度の1/2などのサンプリング画像を含むページの圧縮に大変有効であることに留意されたい。PostScript/PDFの最近傍補間により、デバイス解像度へのスケーリング後、このような画像に対して、2つ毎の走査線が上方の走査線と同一となる(図1を参照せよ)。このことは、このケースでは、このような画像内の2つ毎の走査線が、TOPランを用いて圧縮可能であることを意味する。
・NEWコード
コード“TOP”と“LEFT”を利用してすべての画素を符号化することはできないため、圧縮データにおいて指定される新しいカラーの画素を生成するコードを追加する必要がある。コード“NEW”は、現在画素がまず上位ニブルによるC、M、Y、Kの順序によりデータブロックの未圧縮カラー値として規定されるカラーを有することを示す。4つのカラーチャネルのそれぞれに対して、「0」の値はインクカバレッジがないことに対応し、「255」の値はフルインクカバレッジに対応する。
圧縮フォーマットのワーストケースの拡張を低減するため(シンプルなハードウェアにより解凍装置を可能にするため)、当該コードが複数回繰り返されるべきであることを示すため、ランレングスに当該コードを追加する。
・ランレングスの追加
上述したように、“LEFT”、“TOP”及び“NEW”の各コードは、ランレングスが追加されている。ランレングス値の確率分布は、ほぼ負の指数(negative−exponential)タイプである。
ランレングスを追加するシンプルな方法は、ランレングスを指定する付加的ニブルを追加することである。しかしながら、このことは、各コードが2ニブル長(コードに対する第1ニブルとランレングスに対する第2ニブル)となることを意味する。それはまた、例えば、ランレングス1のコード“TOP”の直前のランレングス1のコード“TOP”がランレングス2のコード“TOP”と同じ意味を有するため、コードにかなりの冗長さが存在することを意味する。
これらの問題を回避するため、同一コードの連続した出現を1つのランとして解釈する。コード“LEFT”、“TOP”及び“NEW”に対する各コード値において、ランレングスに対して“L”と呼ばれる1ビットを確保する。
複数の連続するコード“LEFT”、“TOP”及び“NEW”は、2進数を構成するよう各コードのランレングスビットを連結することにより共に解釈される。連続するコードの個数に依存するオフセット値が、実際のランレングス値を構成するよう当該数に加えられる。
この結果、1つのコードニブルによって、長さ1又は2の“LEFT”、“TOP”又は“NEW”ランを指定することができる。2つのニブルにより、長さ3、4、5又は6などのランを指定することができる。
以下のテーブル1は、連結されたランレングスビットの解釈を示す。
Figure 2008508756
図3において、“LEFT”、“TOP”及び“NEW”のコードとそれらのランレングスのシーケンスがどのように解釈されるかの一例が示される。一例として、16進数の文字列“EDCCDDBA”を復号化している。
次に、上述した“LEFT”、“TOP”及び“NEW”に加えて利用可能な非ランレングスコードが説明される。
ページに対してフル解像度のバイナリサンプリング画像の効率的な圧縮を可能にするため、以下において規定されるようなカラー“PREV”を有する1つの画素を生成するコード“PEV”が追加される。
まず各走査線に対して、“PREV”カラーがKブラック(C=0,M=0,Y=0,K=255)に設定される。
“LEFT”カラーが異なるカラーに変化する毎に、“PREV”カラーは“LEFT”カラーの以前の値に設定される。
図4は、第1の5つの画素が黄色を有し、第2の5つの画素がシアンを有し、第3の5つの画素がマゼンタを有する一例となる走査線を示す。このとき、第1画素では、カラー“PREV”はKブラックであり、カラー“LEFT”は白色である。第2〜第6画素では、カラー“PREV”は白色であり、カラー“LEFT”は黄色である。第7〜第11画素では、カラー“PREV”は黄色であり、カラー“LEFT”はシアンである。第12〜第16画素では、カラー“PREV”はシアンであり、カラー“LEFT”はマゼンタである。
ある走査線上のカラーが2つのカラー(黒色と白色など)の間で交互とされる場合、コード“PREV”は、当該走査線に関するすべてのカラー遷移についてカラーを指定するのに利用可能である。当該コードは1つの画素を生成し、これにより、ランレングスは不要となる。
・TOPL及びTOPRコード
コード“TOPL”は、現在画素がそれの北西方向の近傍と同じカラーを有することを規定する。コード“TOPR”は、現在画素がそれの北東方向の近傍と同じカラーを有することを規定する。これらのコードは1画素を生成し、このため、ランレングスは不要となる。
以下のテーブル2は、ここまで規定したコードを示す。この番号付けは任意であり、コードの最終的な番号付けを反映する。コード1〜7(“0001”〜“0111”)は依然として利用可能である。
Figure 2008508756
カラー値を圧縮するための付加的コード
ここまで規定されたコードは、大部分のシンプルなページの圧縮を可能にする。しかしながら、サンプリング画像(写真など)を含むページは、それらの以前に処理された近傍画像と異なるカラーを有する多数の画素を含む。従って、それらはコード“NEW”を用いて表現され、これにより、圧縮の代わりに拡張が行われる。サンプリング画像の連続するカラー値はしばしば類似しているため、これらのカラー値を圧縮する可能性がある。
図6を参照して、高い相関を有するカラー値の圧縮のための本発明による方法が説明される。
基本的な方針は、以下のステップから構成される。
1)以前の値に基づき当該値を予測する
2)予測値と実際の値との差を決定する
3)通常発生する値(小さな差)に対する短いコードと、通常はあまり発生しない値に対する長いコードを用いてこの差を符号化する
各種可逆画像圧縮アルゴリズム(JPEG可逆、JPEG−LSなど)は、類似した方針を利用する。この差は、ほとんどは予測装置の構成と差分の符号化によるものである。
印刷される各ページは圧縮装置を通過する必要があるため、圧縮時間は小さなものでなければならない。このことは、汎用プロセッサ上で効率的に実現可能な差分のシンプルな符号化及びシンプルな予測装置を利用する必要があるということを意味している。
考慮される画素のグレイ値は、近傍の画素値に関して符号化されるため、現在画素の値がアクセスされるだけでなく(図6のステップS1)、以前に処理された所定の近傍画素値もまたアクセスされる(これらの画素値はまた、解凍ステップにおいても利用可能である)。これらの近傍画素値は、予測ステップにおける予測画素値を準備するのに利用される。
・予測ステップ(図6:S2)
画素Xの値を画素Xの北、西及び北西方向の以前に復号化された画素の値に基づき予測するための各種方法が、文献において提案されてきた。図5では、JPEG可逆に用いられる予測値が示される。他のアルゴリズムは、より複雑な(非線形の)予測値(JPEG−LSなど)又は画像圧縮中に変更される適応的予測値を利用する。
高速なアルゴリズムを必要とするため、本実施例では、画素Xの左の画素のカラー(又はXが走査線上の第1画素である場合には白色)というシンプルな予測値を利用する。より高度な予測値もまた選ぶことができる。この選択は、一般にはこのような予測値は圧縮ファクタを増大させるが、圧縮装置の実行時間もまた増大させるため、状況に応じて行われるべきである。
・カラー差を決定するステップ
大部分の可逆圧縮アルゴリズムは、グレイスケール画像に対して規定され、その差は、予測値と実際の画素値との間のグレイレベルによる差となる。カラー画像を圧縮するため、当該アルゴリズムは、各カラーチャネルに別々に適用される。このようなアプローチの欠点は、カラーチャネルが一般には強く相関しているため、最適とならないということである。
本発明による符号化方法では、すべてのカラーチャネル値を一緒に利用する。基本的に、CMYK画像の場合、4つのカラー差分を決定し、それらを単一のカラー差分に合成する。N個のカラーチャネルによる画像の圧縮のためには、N個のカラーチャネル差分を決定し、これらを単一のカラー差分に合成することに留意されたい。
低いインクカバレッジ値では、Kチャネルは多くのCMTKプリンタに対してしばしば「0」となる。これを最適利用するため、CMYモードとCMTKモードのカラー差分を規定する2つのモードを規定した。
CMYKモードでは、4つすべてのカラーチャネルに対するカラー差を決定する。
CMYモードは、Kチャネル値が変化しないときに利用可能である。CMYモードでは、3つのチャネルに対してカラー差を決定する(Kは、予測されたK値と同じである)。
・相関解除(図6:S3、S4)
カラーチャネルの値は一般には相関しているため、オリジナルのチャネル値のカラー差分を決定せず、まずこれらを以下のように変換する。
CMYKモードでは、
C1=M
C2=(K−M+128)mod 256
C3=(C−M+128)mod 256
C4=(Y−M+128)mod 256
CMYモードでは、
C1=M
C2=(Y−M+128)mod 256
C3=(C−M+128)mod 256
この相関解除ステップは、大きなパフォーマンスのペナルティなく圧縮を向上させる。他の変換もまた、カラーチャネルの相関解除に利用可能である。
・差の決定
相関解除ステップS3が、予測カラー値C、M、Y及びKに適用され、相関解除された予測値C1、C2、C3及びC4を提供する。同様に、相関解除ステップS4は、圧縮対象となる画素の実際のカラー値C、M、Y及びKに適用され、相関解除された予測値C1、C2、C3及びC4を提供する。
その後、差分ΔC1、ΔC2、ΔC3及びΔC4が、結果として得られる相関解除されたカラー値の間で決定される。理解されるように、CMYモードでは、3つの差分ΔC1、ΔC2、ΔC3のみが決定される。
・カラー差を符号化するステップ
相関解除されたカラー値のチャネル差ΔC1、ΔC2、ΔC3(及びΔC4)を典型的には小さな単一の合成された値ΔC(CMYモードでは24ビット、CMYKモードでは32ビット)に符号化することを目標とする。その後、この値は、先頭ゼロニブルを切り捨てることによって、効率的に符号化することができる。
・差分の変換(図6:S6)
チャネル差分ΔC1、ΔC2、ΔC3及びΔC4をそれぞれを、何れか可能なカラー差分を表現可能であって、小さなカラー差に対しては小さな値となる各バイト値ΔC1’、ΔC2’、ΔC3’及びΔC4’に変換することにより開始される。
チャネル毎の差分は、正又は負である可能性がある。これらの値を1つのカラー差分に合成するため、当該値をその差分の絶対値が小さいときには小さくなる正の値に変換する。これは、可能性のない差分がスキップされるようにして、差分0,1,−1,2,−2などを0,1,2,3,4,5などの値に変換することによって実行可能である。例えば、相関解除された予測チャネルC1、C2、C3及びC4の1つの値が「2」であるとき、「−2」以下の負の差分ΔC1、ΔC2、ΔC3及びΔC4と、253以上の正の差分は、出現する可能性がないため変換されない(すべてのカラーチャネル値は、0〜255の範囲内となる)。
この変換は、以下の式を用いて実行することができる。すなわち、Pを相関解除された予測値のカラーチャネルのバイト値とし、Aを相関解除された実際のカラーチャネルの対応するカラーチャネルのバイト値とする。このとき、以下のC言語表現が、上述した変換を実行する。
Figure 2008508756
実際の圧縮装置のソフトウェアでは、これらの値は、予め計算され、256×256バイトのルックアップテーブルに格納される。
あるいは、差分0,−1,1,−2,2などを0,1,2,3,4,5などの値に変換する変換もまた利用可能である。実際の文書から収集され、256×256ルックアップテーブルに格納されている統計量に基づく変換など、他の同様の変換もまた可能である。
それが復号化処理にくると、解凍装置はこの変換を以下のように逆にすることができる。
Pを相関解除された予測値のカラーチャネルのバイト値とし、Cは変換されたカラー差分とすると、以下のC言語関数が、相関解除された実際のカラーチャネル値のカラーチャネル値を決定するのに利用可能である。
Figure 2008508756
この関数は、当該変換がハードウェアにより実現可能とされる方法を反映している。
カラーチャネルの差(ΔC1、ΔC2、ΔC3及びΔC4)に変換を適用することによって、カラー差を規定し、典型的には小さな3つ(CMYモード)又は4つ(CMYKモード)のカラー差バイト値ΔC1’、ΔC2’、ΔC3’(及びΔC4’)を取得することができる。
・カラーチャネルの合成(図6:S7)
次のステップS7において、変換された差分ΔC1’、ΔC2’、ΔC3’(及びΔC4’)が、典型的には小さな1つの数ΔCに合成される。これを実行するため、図7A(CMYK)及び7B(CMY)に示されるように、各値のビットがマージされる。
図7Aに示されるように、CMYKモードでは、4つのカラー差分ΔC1’、ΔC2’、ΔC3’及びΔC4’のビットを単にインタリーブしている。CMYモード(図7B)では、各差分のビットを単にインタリーブしている。その理由は、ΔC1’の値は典型的にはその他のチャネルの値より大きいためである。これらのビットの最適な順序付けは、代表的なテスト画像セットに対して実験的に決定された。CMYKモードでは、これはまた、インタリーブの代わりとして実行されるかもしれない。
マージの結果は、カラー差を表し、小さなカラー差については小さな値を有する単一の24又は32ビット数ΔCとなる。
本発明の範囲内の他のアプローチは、カラーチャネル数であるCによりC次元ルックアップテーブルを利用することである。ルックアップテーブルは、C個のカラー差分によりインデックス処理され、テーブルの各エントリは、頻繁に出現するカラー差が小さな値を有し、頻繁には出現しないカラー差がより大きな値を有するような一意的な値を含む。テーブルは、テスト画像から収集される統計量に基づき充填することができる。
・差分の符号化(図6:S8/S9)
最後のステップは、ΔCから上位の「0」を削除し(S8)、残りの値に対してコードを生成する(S9)ことによって、数ΔCを圧縮形式に効率的に符号化することである。符号化ステップS9において、1つのコードニブルが生成され、コードブロック(図2)に格納され、関連するデータニブルの整数値が生成され、データブロックに格納される。
1、2、3,4、5又は6つの追加的なデータニブルを用いてカラー差ΔCを表すのに6つのコードニブル値を利用することによって、カラー差分を符号化し、圧縮をアーカイブすることができる。CMYKモードにおいて、カラー差ΔCが6つのデータニブルを用いて表すことができない場合、オリジナルコード“NEW”が、圧縮されていないカラー値を表すのに利用される(カラー値に対して8つのデータニブル、すなわち、各カラーチャネルに対して2つを利用して)。
これら6つの新たなコードは、“NEW1”から“NEW6”と呼ばれ、カラー差分ΔCを表すため、1データニブルを有する“NEW1”と6データニブルを有する“NEW6”によるコード値1から6を有することとなる。
7番目のフリーなコードニブルが、“NEW6”と同様の新たなコード“NEM6”について使用されるが、それはまたCMYモードとCMYKモードの間でモード切替を行う。
・新たなコードによって生成される画素数
コード“NEW1”から“NEW6”及びコード“NEM6”のそれぞれは、各コードに1つの画素を生成することが可能である。しかしながら、ページ上の大部分のサンプリング画像は、デバイス解像度より低い解像度を有している。
PostScriptインタプリタは、最近傍補間を利用して画像をスケールアップする。これにより、同一の値を有する行に複数の画素が生成される(図1を参照されたい)。圧縮装置は、“LEFT”コードを使用してこれを圧縮することが可能であるが、“NEW1”から“NEW6”及び“NEM6”のコードがN個の同一画素のランを生成することが可能である場合には、それはより効率的となる。まず各画像に対して、Nが非明示的に「1」に設定される。
このことは、Nを変更することを可能にするコードを追加する必要があることを意味する。これは頻繁には起こらないため、Nを変更するのに短いコードを必要とはしない。
これを可能にするため、上記規定した“NEW1”から“NEW6”の符号化されたコード差分のいくつかは出現しないという事実を利用する。
・First nibble 0(code NEWi):N→1
決して出現しない引数が、ゼロとなる第1ニブルを有する引数となる(符号化前に当該値から先頭ゼロニブルを切り離しているため)。これらの引数を使用して、ニブルコード値2〜6の意味を以下のように変更する。
引数の第1ニブルがゼロである場合、コード2から6は、コード“NEW2”から“NEW6”として解釈される。これらのコードは、それらが常にN画素(現在のN値)の代わりに1つの画素しか生成しないということを除いて、コード“NEW2”から“NEW6”と同じ意味を有し、またNを「1」に設定する。
・Code INC:N→N+1
決して出現しない他の組み合わせは、ゼロの引数を有するコードニブル1である。なぜなら、このことは、当該画素のカラーがその西方向の近傍と同じであり、コード“LEFT”を用いて当該ケースを符号化することを意味するためである。この組み合わせを用いて、左の画素と同一のカラーを有する1画素を生成し、Nを1だけインクリメントする新たなコード“INC”を規定する。
・コードNEW
当該カラーが6つのニブルでは表現できない場合、圧縮装置が“NEW1”から“NEW6”の1つを用いてNを1にリセットすることが常に可能であるとは限らない。従って、複数の新たなカラー値(すなわち、L>1)によるコード“NEW”はまた、Nを1に設定することとなる。
Figure 2008508756
本発明による圧縮方法
圧縮される画像フォーマットが規定されたため、本発明による一例となる圧縮装置が当該フォーマットを生成するのに利用可能な方法を説明する。図8が参照される。
・画素処理順序
一例となる圧縮装置は、画像の第1走査線からスタートし、すべての走査線が処理されるまで続けることによって、走査線毎に画像を処理する(ステップS26〜S29)。各走査線に対して、圧縮装置は、走査線上の最左画素からスタートし、走査線上のすべての画素が処理されるまで、すべての画素を処理する。新たな走査線のスタートにより、“PREV”及び“LEFT”画素が、初期化ステップS11において「白色」に設定される。
・各画素に対するステップ
圧縮装置は、以下の一定の順序により画素を圧縮するため異なるコードを適用しようとすることによって、すべての次の画素を圧縮しようとする。
1)当該画素がTOPカラーと比較される(S12)。これは、北方向の近傍画素のカラーであり、又は現在画素が第1走査線上にある場合、白色となる。一致が検出されると、圧縮装置は、1以上のTOPコードを生成することによってTOPランを生成し、TOPランにより符号化可能な以下のすべての画素を当該ランに加えることによって、当該ランの長さを最大化する(S13)。その後、当該処理は、ステップ1において次の未圧縮画素から再スタートする(S26、S27)。
2)上記ステップが当該画素の符号化を許可しない場合、当該画素は“LEFT”カラーと比較される(S14)。これは、西方向の近傍画素のカラーであるか、又は現在画素が走査線のスタートである場合、白色となる。一致が検出されると、圧縮装置は、1以上の“LEFT”コードを生成することにより“LEFT”ランを生成し、“LEFT”ランにより符号化可能な以下のすべての画素を当該ランに加えることによって、当該ランの長さを最大化する(S15)。その後、当該処理は、ステップ1において次の未圧縮画素から再スタートする(S26、S27)。
3)上記ステップが当該画素の符号化を許可しない場合、当該画素は“PREV”カラーと比較される(S16)。“PREV”カラーの値は、前述されている。一致が検出されると、圧縮装置は“PREV”コードを生成する(S17)。その後、当該処理は、ステップ1において次の未圧縮画素から再スタートする(S26、S27)。
4)上記ステップが、当該画素の符号化を許可しない場合、当該画素は“TOPL”カラーと比較される(S18)。これは、北西方向の近傍画素のカラーであるか、又はそれが存在しない場合には、白色となる。一致が検出されると、圧縮装置は“TOPL”コードを生成する(S19)。その後、当該処理は、ステップ1において次の未圧縮画素から再スタートする(S26、S27)。
5)上記ステップが、当該画素の符号化を許可しない場合、当該画素は“TOPR”カラーと比較される(S20)。これは、北東方向の近傍画素のカラーであるか、又はそれが存在しない場合には、白色となる。一致が検出されると、圧縮装置は“TOPR”コードを生成する(S21)。その後、当該処理は、ステップ1において次の未圧縮画素から再スタートする(S26、S27)。
6)上記ステップが、当該画素の符号化を許可しない場合、「カラー値を圧縮するための付加的コード」のセクションにおいて上述されたカラー値を圧縮する方法が適用される(S22)。Kチャネル値が予測されるKチャネル値と同じである場合、CMYモードがカラーを圧縮するのに利用され、そうでない場合、CMYKモードが利用される。その後、それが許容可能な“NEWi”コード、すなわち、モード変更のない6以下のニブルのカラー差分を生成する。そうである場合、“NEW1”から“NEW6”の適切な1つが、カラー差ニブルと共に生成される(S24)。そうでない場合、コード“NEW”が生成され、新たなカラー値がデータブロックに未圧縮で書き込まれる(S25)。
前のモードが画素を圧縮するのに使用されるモードと異なる場合であって、カラー差分の長さが6以下のニブルである場合には、コード“NEM6”はカラー差ニブルと共に生成される。カラー差分が6より長いニブルである場合、コード“NEW”が生成され、新たなカラー値がデータブロックに未圧縮により書き込まれる。これらのステップは、図8には明示的には示されていないが、ステップS24とS25の一部を構成すると考えられる。
Nの値が当該カラーを有する連続する画素の個数より大きく、カラー差分が5以下のニブル長を有する場合、コード“NEW2”から“NEW6”の適切な1つが、ヌルニブルにより先行されるカラー差ニブルと共に生成される。これが可能でない場合、現在画素と次の画素に対してコード“NEW”が生成され、現在画素と次の画素のカラー値がデータブロックに未圧縮により書き込まれる。これらのステップは、図8には明示的には示されていないが、ステップS24とS25の一部を構成すると考えられる。
その後、当該処理は、ステップS11において次の未圧縮画素から再スタートする(S26、S27)。
少なくとも2であるランレングスを有するコード“NEW”は、Nを1にリセットさせる。
圧縮装置が必要に応じてNをインクリメントするため、“LEFT”ランが1から6の範囲でコードに従うときは常に(新たなカラーを示す)、圧縮装置は、それの状態を格納する(32画素未満により状態がすでに格納されていない場合)。この観点から、走査線上の同一カラーを有する最小数Mの連続する画素を追跡する。
圧縮装置が、Nのインクリメントがより良好な圧縮を可能にすると判断すると、それの状態を以前に格納した状態に復元し(これにより、当該状態の格納後にそれが生成した出力を破棄する)、1以上の“INC”コードを生成することによって、NがMの値にインクリメントされる。その後、圧縮が格納されている状態により示されるポイントから再スタートされる。
本発明の範囲内の可能性のある簡単化の例
圧縮ステップ3、4及び5は、圧縮の大きなロスなく異なる順序により実行可能である。
圧縮ステップ3、4及び5は、大部分の画像に対する圧縮の大きなロスなく圧縮装置から取り除くことが可能である。このとき、対応するコード“PREV”、“TOPL”及び“TOPR”を圧縮されたフォーマットから削除することができる。
圧縮ステップ1及び2は、圧縮における大きな変更なく交換することができる。
CMYK及びCMYモードを有する代わりに、CMYKモードのみが、ある程度の圧縮ロスはあるが機能する。1つのモードでは、コード“NEM6”が圧縮されたフォーマットから削除することが可能である。
ある程度の圧縮ロスはあるいが、Nを1に固定することが可能である。このとき、コード“INC”及び“NEW2”から“NEW5”は、圧縮されたフォーマットから削除することができる。
コード“NEW”は、圧縮されたフォーマットの最大拡張を低減するためランレングスを有する。最大拡張に対する要求がない場合、ランレングスはコード“NEW”について不要となるであろう。
本発明による解凍方法
連続する各走査線に対して、画像の第1走査線からスタートし、最後の走査線に進捗して、解凍装置はコードブロックからのコードニブルを処理し、データブロックから対応するデータニブルを取得する。それは、最左画素からスタートし、解凍されたカラー値を当該走査線上の連続画素に割り当てる。
各画素には、ちょうど1回だけカラーが割り当てられる。
・解凍装置がコード“PREV”に遭遇すると、それは、“PREV”カラー(それが追跡する)を現在画素に割り当てる。“PREV”カラーの値は上述された。
・解凍装置が1(16進数では「0001」)〜6(16進数では「0110」)のコード値の1つに遭遇すると、それはデータブロックの次のデータニブルの値をチェックする。
当該データニブルが非ゼロである場合、当該コードはコード“NEW1”から“NEW6”の1つとして解釈される。この場合、解凍装置は、圧縮装置によって適用される変換ステップを逆転することによって、現在のモードに従ってデータブロックに格納されている差分と共に予測値のカラー値から次の画素のカラー値を再構成する。その後、このカラー値は、現在画素からスタートするN個の連続する画素に割り当てられる。
予測値のカラー値は、走査線上の以前の解凍された画素のカラーであるか、又は現在画素が走査線上の最初のものである場合には白色となる。
データニブルがゼロであって、コード値が1より大きい場合、当該コードはコード“NEW2”から“NEW6”の1つとして解釈される。この場合、解凍装置は、圧縮装置によって適用される変換ステップを逆転することによって、現在のモードに従ってデータブロックに格納されている差分と共に予測値のカラー値から当該カラー値を再構成する。その後、このカラー値が現在画素に割り当てられる。さらに、解凍装置はNを1に設定する。
データニブルがゼロであって、コード値が1である場合、当該コードは、コード“INC”と解釈される。この場合、解凍装置は、以前に解凍された画素のカラーを現在画素に割り当てる(又は、現在画素が走査線上の最初のものである場合には、白色とされる)。さらに、それはNを1だけインクリメントする。
・解凍装置がコード“NEM6”(コード値「0111」)に遭遇すると、それは現在モードを切り替え、圧縮装置によって適用される変換ステップを逆転することによって、現在モードに従ってデータブロックに格納されている差分と共に予測値のカラー値から当該カラー値を再構成する。その後、このカラー値は、現在画素からスタートするN個の連続する画素に割り当てられる。
・解凍装置がコード“TOPL”(コード値「1000」)に遭遇すると、それは、以前に解凍された北西方向の近傍画素からのカラーをコピーし、それを現在画素に割り当てる。このような近傍画素が存在しない場合、それは現在画素に白色を割り当てる。
・解凍装置がコード“TOPR”(コード値「1001」)に遭遇すると、それは、以前に解凍された北東方向の近傍画素からのカラーをコピーし、それを現在画素に割り当てる。そのような近傍画素が存在しない場合、現在画素に白色を割り当てる。
・解凍装置がコード“TOP”(コード値「101L」)に遭遇すると、それは、コードブロックから直後のすべての“TOP”コードを収集し、上述した方法を利用してランレングスRを決定する。その後、現在画素からスタートするR個の画素のそれぞれに、それの北方向の近傍画素からのカラーが割り当てられる。解凍装置が第1走査線に対して解凍を実行している場合、R個のすべての画素に白色が割り当てられる。
・解凍装置がコード“LEFT”(コード値「110L」)に遭遇すると、それは、コードブロックから直後のすべての“LEFT”コードを収集し、上述した方法を利用してランレングスRを決定する。その後、現在画素からスタートするR個の画素には、それの左方向の近傍画素からのカラーが割り当てられる。現在画素が走査線上の最初の画素である場合、R個のすべての画素には白色が割り当てられる。
・解凍装置がコード“NEW”(コード値「111L」)に遭遇すると、それは、コードブロックから直後のすべての“NEW”コードを収集し、上述した方法を利用してランレングスを決定する。その後、解凍装置は、データブロックからR個の未圧縮カラー値を取得し、現在画素からスタートして以下のR個の画素にそれらを割り当てる。ランレングスRが1より大きい場合、解凍装置はNを1に設定する。
圧縮方法の評価
圧縮方法のパフォーマンスを評価するため、圧縮装置を用いて画像のある領域を圧縮し、その結果(圧縮時間及び圧縮係数)をJPEG−LSにより同じ画像を圧縮した結果と比較した。また、この圧縮時間をAdobe PostScriptインタプリタがページを生成するのに要した時間と比較した。
すべてのテストは、2.4GHzペンティアム(登録商標)4上で実行された。PostScriptテストファイルは、Adobe PostScriptインタプリタ上で実行され、結果として得られた600dpi連続階調CMYKビットマップが圧縮された。ビットマップのサイズはA4(4,958×7,040画素)であり、未圧縮の136,345Kbyteのサイズが生成された。PostScriptインタプリタでは、デバイスRGBの補間はsRGBに設定され、デバイスCMYKの補間はEuroscaleに設定された。Euroscale出力プロファイルが利用された。
使用されたPostScriptテストファイルは、複雑であるが、現実的なページ記述を含む。多くの高精細な詳細(多数の極めて小さな画像から構成されるページサイズ画像を含むフォトモザイクページ)を有する一例となる複雑なページを含む特別に構成されたPostScriptファイル(chrisA4.ps)が含まれた。これは、あまり現実的なページではないが、圧縮性の境界を調べるのに利用される。
可逆画像圧縮における最新のものと新しい圧縮装置の圧縮パフォーマンスを比較するため、当該結果をJPEG−LSにより生成されたものと比較した。
JPEG−LSは、HPのLOCO−Iアルゴリズムに基づくものであり、連続階調画像の可逆圧縮に対する規格としてISO/ITU−Tにより選択されたものである。このアルゴリズムの説明は、“www.hpl.hp.com/loco/HPL−98−193R1.pdf”から利用可能なM.Weinberger、G.Seroussi及びG.Saipiroによる“LOCO−I:A Low Complexity,Context−Based,Lossless Image Compression Algorithm”に与えられている。
他の可逆連続階調画像圧縮アルゴリズム(可逆JPEG、CALIC、FELICS)と比較して、JPEG−LSは比較的シンプルかつ高速であり、より良好な圧縮を生成する。JPEG−LSの圧縮パフォーマンスは、JPEG2000可逆に対して若干良好である(“www.jpeg.org/public/wg1n1815.pdf”から利用可能なDiego Santa Cruz、Touradj Ebrahimiによる“An analitical study of JPEG2000 functionalities”を参照されたい)。
JPEG−LSをテストするため、AdobeフォトショップのJPEG−LSプラグインを選択した。それは、ページに要求される圧縮時間を報告する効率的な実現形態である。それは、“http://www.hpl.hp.com/loco”から利用可能である。JPEG−LSは、PDLにより生成された連続階調画像の圧縮に特化してはいないが、汎用的な可逆連続階調画像圧縮技術として構成された。
以下のテーブル4に、詳細な測定結果が提示される。
Figure 2008508756
第1カラムは、テストページの名称をリストしている。この名称は、当該文献が格納される際にたまたまその名称となったという以外の特別な意味はない。第2カラムは、ページのPostScript記述を圧縮対象となる画像に変換するため、最新のAdobe PostScriptインタプリタの実行時間を示す。第3カラムは、新規な圧縮方法の実行時間を示し、第4カラムは、結果として得られる圧縮データのデータ量を示す。第5カラムは、JPEG−LS圧縮装置の実行時間を示し、第6カラムは、結果として得られる圧縮データのデータ量を示す。テーブルの最後のラインは、すべてのテスト画像に対する平均を示す。
新規な方法に対する平均圧縮時間は0.6秒であり、これは、PostScriptインタプリタがページを生成するための実行時間の約20%である。JPEG−LSの平均圧縮時間は8.12秒であり、これは、新規な圧縮方法より約13.5倍低速である。これらの結果から、JPEG−LSが当方の要求を実現しないということが明らかである。なぜなら、PDL解釈時間と比較してあまりに遅すぎるためである。
新規な圧縮により生成される圧縮データのデータ量は、平均してJPEG−LSにより生成されるデータ量より少ない。デバイス解像度と等しい解像度によるサンプリング画像を含むいくつかの極めて複雑なページ(“chrisA4.ps”及び“model−puzzle.ps”)については、JPEG−LSは新規な方法より少ない圧縮データを生成するが、そのようなページは実際的にはまれである。
ハードウェア実現形態
圧縮されたフォーマットは、ハードウェアによる解凍装置のシンプルな実現を可能にする複数の性質を有する。
長さ3の“NEW”コードの直後に“NEW6”又は“NEM6”コードが続くとき、当該フォーマットの最大ローカル拡張が発生する。コード“NEW”は、2つのコードニブル+3*8のデータニブルをとる。コード“NEW6”又は“NEM6”は、1つのコードニブル+6つのデータニブルをとる。このことは、この場合、4つのCMYK画素値を生成するため、合計で33のニブルが必要となり、これにより、ワーストケースローカル拡張は1/32=3.1%となることを意味する。このことは、未圧縮データが処理に要するスピードが、未圧縮画素が生成されるレートより高々3.1%だけ高いことを意味する。
圧縮されたフォーマットは、各コードが少なくとも1つの画素を生成するように構成されている。
コードの連続する出現が全体として解釈されることが要求されるコード“LEFT”、“TOP”及び“NEW”に対して、特殊なケースのみが行われる。これらのコードの1つに対する第1コードが解釈されたとき、連続するカラー値のソースは、コード“LEFT”については、すべてが左のカラーと同じとされ、コード“TOP”については、すべてがターゲットとなる画素の上方の画素からとされ、コード“NEW”については、すべてが圧縮されたデータストリームからとされるためクリアである。
この点で、カラーの新たな画素への移転をスタートすることができ、コード解釈と並行して進めることができる。コードインタプリタは、異なるコードに遭遇するまで連続するコードを合成し続けることができる。その後、それは、いくつかの画素が生成される必要があるか知ることとなる。これらのコードにより生成される画素数は、当該画素数を符号化するのに必要とされるニブルの個数より速く増大するため、コードインタプリタは、当該数の新たなコード値が転送される前に画素数を決定することを常に完了しているであろう。従って、コードインタプリタは、正確な数の画素が生成された後、カラー値の新たな画素への転送を停止することができる。
連続白黒(グレイ値)画像のための圧縮方法である本発明の第2実施例が説明される。
第2実施例において用いられる機構は、上述した第1実施例のものと同じである。すなわち、
・圧縮はライン単位に実行される。各ラインに対して、圧縮されたデータが、「データブロック」と「コードブロック」の2つの部分により構成される。
・各画素又は各同一画素セットに対して、コード又はコード系列が、コードブロックにおいて生成される。いくつかのコード(“NEWi”コード)に対しては、データブロックに格納される付加的データが必要となる。各走査線のエンドにおいて、現在のラインに対する圧縮されたデータを生成するため、データブロックとコードブロックが合成される。
第2実施例は、縮小されたコードセットを利用し、ビット指向なものである(ニブル指向の第1実施例と対照的に)。より詳細には、コードは常に3ビット長であるが、データブロックの関連する部分は(ビット数)可変長である。第2実施例において利用されるコードは、以下のように定義される。
・コード“TOP”、“LEFT”及び“PREV”は、第1実施例と同じ意味を有する。すなわち、それらはそれぞれ、上方、左方又は前のカラーに対する画素と同一の画素ランを符号化する。
・コード“NEW”は、新たなカラーを符号化する。すなわち、このコードは、ランレングス規定機構が第1実施例と異なるが、後述されるように、同一画素のランを規定することが可能である。
・コード“NEW1”から“NEW4”並びに“NEW3”及び“NEW4”は、それぞれ1〜4ビット又は2若しくは3ビットに適した量だけ予測値(本例では、左方の画素)のものと異なるグレイ値を有する画素又は同一画素のランを符号化する(正の整数に変換されると)。
コードワードは3ビット長であり、以下のテーブル5にリストされた値の何れかをとりうる。
Figure 2008508756
コードの定義は、以下の通りである。
・“LEFT”及び“TOP”コード:関連付けされたデータパートはない。いくつかの同一のコードが一緒に解釈され、第1実施例とほぼ同様に、対応する個数の画素を符号化するため、“L”ビットが利用される。
・“PREV”コード:関連付けされたデータパートはない。それは、現時点での前のカラーによる画素を生成する。
・“NEW1/NEW2/NEW3/NEW4”コード:符号化対象となる現在画素が“LEFT”、“TOP”又は“PREV”コードにより表現することができないとき、現在画素と左の画素のカラー値の差が計算され、その後、正の整数に変換される(第1実施例と同じ機構によって)。この差分(8ビット整数)が先頭ゼロビットの切り捨て後に1、2、3又は4ビットに適合することが可能である場合、対応する“NEWi”コードが選択される。さらに、当該差分に対応し、そのためそれぞれ1、2、3又は4ビット長である関連付けされたデータパートが構成される。コード“NEW1”から“NEW4”は、その長さ(Nにより参照される)が文書の処理中に維持される画素のランを生成する。
・“INC/NEW3/NEW4”コード:現在のランレングスの値Nは当初は1に設定され、左方のカラーの画素を生成する“INC”コードにより1だけ増加される。この値が大きくなりすぎると(すなわち、N個の画素のセットが入力データに適合しないとき)、Nは1にリセットすることができる。このため、“NEWi”コードがオリジナルフォーマットと同様に利用される。デコーダは、“NEWi”コードが0から始まる関連付けされたデータパートをMSB(最上位ビット)として有するため、これらのコードを認識する。
・“NEW”コード:新たなカラー値が前のコードの1つにより符号化できないとき、“NEW”コードが利用される。“NEW”コードのデータパートは、新たなグレイ位置(8ビット)を有するが、後述されるように、ランレングス情報を含むかもしれない。最終的に、第1実施例と同様に、少なくとも2つの“NEW”コードの連続したものがNの値を1にリセットする。
これらのコードは、それらのデータパートにより区別される。
・コード「000」:“NEW1/PREV”
当該コードに係るデータは、1ビット長である。それは、現在画素とそれの左方画素との差分が1ビットのみにより表現可能であることを意味する。データビットが0に設定されるケースは、それが上記2つの画素の間に差がないことを意味するため、不可能である。従って、この可能性は、“PREV”コードを符号化するのに利用される。
・コード「001」:“NEW2/NEW”
当該コードに係るデータは2ビット長である。それは、現在画素とそれの左方画素との差分が2ビットのみにより表現可能であることを意味する。データパートのMSB(最上位ビット)が0となるケースが、“NEW”コードに対して利用される。このケースでは、2ビット長のデータパートのLSB(最下位ビット)は、“LEFT”及び“TOP”コードのLビットとほぼ同様に、いくつかの“NEW”コードをグループ化するのに利用されるランレングスビットとなる(これらのコードでは、Lビットがコード自体にあるが)。グループ化されたいくつかの“NEW”コードの場合、すべての“NEW”コードの2ビットデータパートがグループ化され、データブロックにおかれ、その後、すべての“NEW”カラー値(それぞれ8ビット)がデータブロックにおかれる。
しかしながら、“NEW”コードに続くコード“NEW2”は、“NEW”カラー値に応じてデコーダにより誤って解釈される可能性があることに留意されたい。従って、コード“NEW2”が何れかの“NEW”コードに続くことを回避する。
・コード「010」:“NEW3/NEW3
当該コードの関連付けされたデータパートは3ビット長である。このコードは、現在画素とそれの左方画素との差分が3ビットにより表現可能であるときに利用される。コード“NEW3”は、それのMSBが0に設定されているデータパートを有する“NEW3”コードである。それは、Nの値を1にリセットするのに利用され、追加的な2データビットにより差分を符号化する。本実施例では、“NEW2”コードは利用可能でないため、“NEW3”がまた、1ビットにより表現可能な差分に対して使用される。
・コード「011」:“NEW4/NEW4/INC”
当該コードの関連付けされたデータパートは4ビット長である。当該コードは、現在画素とそれの左方画素の差分が4ビット長により表現可能であるときに使用される。“NEW4”コードは、それのMSBが0に設定されているデータパートを有する“NEW4”コードである。それは、Nの値を1にリセットするのに使用され、追加的な3データビットにより差分を符号化する。“INC”コードは、0に等しいデータパートを有する“NEW4”コードである(すべて4ビット)。それは、Nの値を1だけインクリメントし、左方画素と同じカラーを有する画素を生成するのに使用される。
・コード「10L」:“LEFT”
当該コードに関連付けされたデータはない。それは、符号化する画素がそれの左方画素と同じカラーを有するときに使用される。「L」ビットは、いくつかの“LEFT”コードをグループ化するのに利用されるランレングスビットである(第1実施例と同じ機構)。
・コード「11L」:“TOP”
当該コードに関連付けされたデータはない。それは、符号化する画素が上方の画素と同じカラーを有するときに使用される。「L」ビットは、いくつかの“TOP”コードをグループ化するのに使用されるランレングスビットである(第1実施例と同じ機構)。
図9は、本発明の第2実施例による一般的な符号処理のフローチャートを示す。当該処理は、より少ないコードが使用されるため、ステップの一部は欠落しているが、図8を参照して説明された第1実施例と大部分は同様である。従って、上述したコードの記載に基づき容易に理解されるため、図9の完全な記載はここでは省略される。
当該処理の各ステップは、図8の対応するステップに従って番号付けされた。図9の参照番号には、アクセントが設けられた。
図10は、図9における参照番号S22’により参照される第2実施例による基本的な“NEWi”コード構成処理を記載する。当該処理は1つのコードチャネルのみに対して動作するため、第1実施例のいくつかのステップは余分なものとなる。残されたステップは、図6と同様の対応する参照番号にアクセントが設けられて番号付けされ、以下にリストされている。各ステップの詳細な説明のため、図6と第2実施例のコードの記載が参照される。
対象となる画素の実際の値がステップS1’において評価され、ステップS2’において、予測値が近傍画素から決定される(例えば、左方画素など)。その後、ステップS5’において、実際の値と予測値の差分が決定され、ステップS6’において、当該値は小さな差分に対しては小さく、大きな差分に対しては大きな正の整数に変換される。実際の変換は、一般的又は専用の変換データセットにより以前に充填されているかもしれないルックアップテーブル(LUT)の使用に基づくかもしれない。
その後、結果として得られる差分は、先頭ゼロビットを切り捨てることにより切り捨てられ(S8’)、上述されたように、残りの非ゼロビットがステップS9’において、“NEWi”コードにおいて符号化される。
2つの実施例が詳細に上述された本発明は、(好ましくは)PDLにより生成される連続階調ページ画像データのための可逆圧縮解凍方法のための新規な圧縮方法及びフォーマットを提供する。
JPEG−LSなどの最新の可逆画像圧縮アルゴリズムと比較して、この新規な方法は、代表的なテスト文書セットに対して測定されるように、平均的により高速化される。これは、追加的なハードウェア及び大きなパフォーマンスペナルティなしに、PDLインタプリタを実行するのに利用されるのと同一のコンピュータ上で圧縮を実現可能にする。
本発明が説明されたが、同じものが多数の方法により変更可能であるということは明らかであろう。当業者に明らかであるこのような変更及び改良は、以下の請求項の範囲内に含まれるべきである。
さらに、上記説明は、各カラーチャネルに対して8ビットのCMYKカラー画像と、8ビットの連続階調白黒画像の圧縮に着目している。しかしながら、当業者は、それがRGB連続階調カラー画像、各カラー値に対して4より多くのチャネルを有する連続階調カラー画像、8ビット以外の精度のカラーチャネルを有する画像、又は他の連続階調シングルカラー(グレイスケール)画像など、他の多くの連続階調画像を圧縮するよう改良可能であると理解するであろう。
また、第1実施例及び第2実施例に記載されるような実際のコード形式は、他の同様のコードにより置換可能であり、第1実施例のコードはまた、第2実施例に利用可能であり、逆も可能である。
図1は、典型的なPDLインタプリタによって2倍の解像度にスケーリングされた画像画素を示す。 図2は、本発明により生成されるような走査線に対するデータブロックとコードブロックの構成を示す。 図3は、本発明によるランレングスコードのランレングスフィールドの解釈の一例を示す。 図4は、画素の走査線におけるPREV及びLEFTカラーの説明を示す。 図5は、予測値の具体例を示す。 図6は、本発明の第1実施例によるカラー値に対する圧縮方法を記載するフローチャートである。 図7A及びBは、第1実施例によるカラーチャネルデータの合成の概略図である。 図8は、本発明の第1実施例による完全な圧縮方法を記載するフローチャートである。 図9は、本発明の第2実施例による完全な圧縮方法を記載するフローチャートである。 図10は、本発明の第2実施例によるグレイ値に対する圧縮方法を記載するフローチャートである。 図11は、印刷コントローラの概略図である。 図12は、プリンタの概略図である。

Claims (19)

  1. 各画素が、Bビット(B>1)の精度を有する少なくとも1つのカラーチャネル値により規定される画素値を有する走査線上の画素のデジタル連続階調画像を圧縮する方法であって、当該方法は、圧縮された画像データを生成し、符号化対象となる実際の画素値を有する現在画素に対して、
    固定されたルールを利用して、同一画像からの少なくとも1つの前に処理された画素の画素値に基づき予測画素値を予測するステップと、
    前記予測画素値と前記現在画素の実際の画素値との差分に基づき差分パラメータを決定するステップと、
    ゼロに等しい値を有する最上位ビットの中断されない系列の存在のため、前記差分パラメータを調べるステップと、
    前記最上位ゼロビットの少なくとも一部を削除するステップと、
    所定の境界内にいくつかのビットが残っている場合、所定の固定長を有し、前記残りのビットのビット数を示す圧縮コードを生成するステップと、
    から構成される方法。
  2. 圧縮コードは、コードタイプ表示と残りのビットの個数の表示とを有する、請求項1記載の方法。
  3. 前記圧縮コードに加えて、少なくとも1つのデータコードを生成し、前記残りのビットを前記データコードに含めるステップをさらに有する、請求項1記載の方法。
  4. 前記差分パラメータを決定するステップは、可能な各差分に対して一意的であって、前記差分の小さな絶対値に対しては小さな値を有する変換された差分に前記差分を変換することを有する、請求項1記載の方法。
  5. 前記圧縮コードと前記データコードはすべて、等しい一定のビット数を有する、請求項3記載の方法。
  6. 前記コードはそれぞれ4ビットを有する、請求項5記載の方法。
  7. 前記データコードは可変数のビットを有する、請求項3記載の方法。
  8. 前記画素値は、各カラーチャネルがBビットの精度を有する少なくとも2つのカラーチャネルにより規定され、
    前記カラー差分パラメータを決定するステップでは、各画素値は、まず所定の方式に従って相関解除変換によって変換される、
    請求項1乃至7何れか一項記載の方法。
  9. 前記画素値は、各カラーチャネルがBビットの精度を有する少なくとも2つのカラーチャネルにより規定され、
    前記カラー差分パラメータを決定するステップはさらに、所定の置換方式に従って各カラーチャネルの前記差分のビットを連結することによって、各カラーチャネルの前記差分又は各カラーチャネルの前記変換された画素値の差分をそれぞれ合成することを有する、
    請求項1乃至8何れか一項記載の方法。
  10. 同一走査線上の前に符号化された近傍画素の画素値が、前記予測画素値として利用される、請求項1記載の方法。
  11. 前記現在画素の実際の画素値が、同一走査線上にあって、前記現在画素の画素値と異なる画素値を有する1つの画素又は前記現在画素の画素値と異なる等しい画素値をすべてが有している複数の画素によって、前記現在画素と分離されている前に符号化された画素の画素値と等しいかチェックするステップと、
    そうである場合、前記現在画素に対して専用の汎用コードを生成するステップと、
    をさらに有する、請求項1記載の方法。
  12. 圧縮対象となる現在画素が、それの前に処理された近傍画素の所定の特定の1つと比較され、それらの画素値が等しい場合、符号化対象となる次の画素に対して前記比較ステップを繰り返し、これにより、それぞれ前記所定の特定の近傍画素に等しい値を有する同一走査線上の画素のランレングスを最大化するランレングス符号化ステップと、
    前記画素に対して、各ビットグループが前記ランレングス符号化ステップのランレングスをビット表現により規定するランレングス表示とコードタイプ表示とを有する固定長の1以上のビットグループを有するランレングスコードを生成するステップと、
    をさらに有する、請求項1記載の方法。
  13. 前記ランレングスビット表現が、1つのランレングス表示に収容可能なものより長いとき、前記ランレングスビット表現は、連続するビットグループのランレングス表示に分割される、請求項12記載の方法。
  14. 圧縮された画像データを解凍する方法であって、
    コードに含まれるコードタイプ表示をチェックするステップと、
    前記コードタイプ表示が前記コードを圧縮コードと示すと、前記圧縮コードに関するデータコードから読み出されるいくつかの残りのビットに対して残りのビット数表示をチェックするステップと、
    を有する方法。
  15. 現在コードに含まれるコードタイプ表示をチェックするステップと、
    前記コードタイプ表示が前記コードをランレングスコードと示す場合、前記現在コードと同一のコードタイプ表示を有する直後のすべてのコードを検索するステップと、
    検出された前記コードに含まれるランレングス表示をチェックするステップと、
    前記ランレングス表示を連結することにより、ランレングスを構成するステップと、
    をさらに有する、請求項14記載の方法。
  16. 請求項1乃至13何れか一項記載の方法を実行するためのコンピュータ可読コードを有するコンピュータプログラムプロダクト。
  17. 各画素が、Bビット(B>1)の精度を有する少なくとも1つのカラーチャネル値により規定される画素値を有する走査線上の画素のデジタル連続階調画像を圧縮する装置であって、当該装置は、圧縮された画像データを生成し、
    実際の画素値を有する現在画素を符号化する符号化モジュールと、
    固定されたルールを利用して、同一画像からの少なくとも1つの前に処理された画素の画素値に基づき予測画素値を予測する予測装置と、
    前記予測画素値と前記現在画素の実際の画素値との差分に基づき差分パラメータを決定する差分パラメータ決定装置と、
    ゼロに等しい値を有する最上位ビットの中断されない系列の存在のため、前記差分パラメータを調べるチェックモジュールと、
    前記最上位ゼロビットの少なくとも一部を削除する切り捨てモジュールと、
    所定の境界内にいくつかのビットが残っている場合、所定の固定長を有し、前記残りのビットのビット数を示す残りのビット表示とコードタイプ表示とを含む圧縮コードを生成する圧縮コード生成装置と、
    から構成される装置。
  18. 圧縮対象となる現在画素をそれの前に処理された近傍画素の所定の特定の1つと比較し、それらの画素値が等しい場合、符号化対象となる次の画素に対して前記比較ステップを繰り返し、これにより、それぞれ前記所定の特定の近傍画素に等しい値を有する同一走査線上の画素のランレングスを最大化するランレングスチェック装置と、
    前記ランレングスチェック装置により検出された画素に対して、各ビットグループが前記ランレングス符号化ステップのランレングスをビット表現により規定するランレングス表示とコードタイプ表示とを有する固定長の1以上のビットグループを前記ランレングスコードに含めることによって、ランレングスコードを生成するランレングスコード生成装置と、
    をさらに有する、請求項17記載の装置。
  19. 前記ランレングスビット表現が、1つのランレングス表示に収容可能なものより長いとき、前記ランレングスコード生成装置は、前記ランレングスビット表現を連続するビットグループのランレングス表示に分割する、請求項18記載の装置。
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