JP2008506637A - 胎児起源の細胞に対する抗体 - Google Patents

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Abstract

本発明は、母体CD36+細胞に優先して胎児CD36+細胞に特異的に結合する抗体、ならびに母体末梢血を含めた成体の体液から胎児細胞を検出および分離するためのこれらの抗体の使用方法に関する。

Description

本発明は、母体CD36+細胞への結合に優先して、胎児CD36+細胞に結合する抗体、ならびに母体末梢血から胎児細胞を検出および分離するためのこれらの抗体の使用に関する。
本願は、2004年6月14日付で出願された米国シリアル番号60/579,693、ならびに2004年10月15日付で出願された米国シリアル番号60/618,963(それらの各教示をここに出典明示して本明細書の一部とみなす)の優先権を主張する。
関連技術の記載
出産直後の母体血液中の胎児赤血球の存在は、1959年にZipurskyら(「Foetal erythrocytes in the maternal circulation」Lancet 1:451−52)によって最初に報告された。胎児の赤血球、リンパ球および栄養膜(trophoblasts)細胞が妊娠中の母体血液中に存在することが次に示された。(Herzenbergら、1979、Proc Natl Acad Sci USA.76:1453−1455;Bianchiら、1990、Proc Natl Acad Sci USA87:3279−83) 母体血液中の胎児細胞の存在が、その胎児に最小リスクで臨床的診断試験および研究目的のための胎児細胞試料を得る機会を提供することは広く認識されている。これは、絨毛採取(CVS)、羊水穿刺または経臍帯血採取(PUBS)のごとき胎児細胞試料を得る現在広範囲に用いられている方法に対照をなす。これらの方法は、有効でかつ広範囲に用いられるが、胎児に直接的に侵襲性で、流産を含めた胎児の罹患率または死のリスクを増加させかねない。しかしながら、母体血液から胎児細胞を得ることの有用性は、母親の末梢血中に存在する少数の胎児細胞により制限されている。胎児−対−母体の赤血球細胞の比率の報告は、一般的に、1:4,000〜1:80,000の範囲にある。リンパ球についてのその対応する比の報告は、用いた特定の分析方法および胎児の在胎期間を含めた複数の因子に依存して、1:100〜1:300,000の範囲で相当により変化する。
母体血液から胎児細胞を回収する多数の方法が提案されている。米国特許第5,641,628号によって例示され、ここに出典明示して本明細書の一部とみなす、かかる方法の一群は、胎児の赤血球細胞に結合するための胎児細胞に特異的なモノクローナル抗体、特に抗−CD71(トランスフェリン受容体)を使用することを提案する。他は、同様の目的のためのCD34およびグリコフォリンAのごとき細胞表面抗原に特異的な抗体を使用している。このアプローチの一般的に実施されるある具体例は、蛍光体のごとき検出可能な部分にコンジュゲートした抗体を使用する。胎児細胞に結合するコンジュゲートした抗体は、同族の抗原を提示しない他の細胞の存在下でこれらの細胞が検出されることを可能にする。この検出は、蛍光標示式細胞分取(FACS)装置と共に時々用いて、標識された胎児細胞がよく混合した標識されていない母体細胞から分離されることを可能にする。このアプローチの他の一般的な具体例において、胎児細胞に特異的な抗体は、固体表面または磁気微粒子に付着させ、固定化した抗体を用いて、胎児細胞を捕捉する。標的胎児細胞に結合している抗体は、それらを支持表面、微粒子、微孔フィルター、多孔性の不溶性マトリックスまたは他のかかる存在物に付着させるが、その母体細胞は結合せず、従って、液相中に保持されるであろう。次いで、結合した胎児細胞を支持する存在物は、母体の細胞含有液相から容易に分離できる。両クラスの胎児細胞分離方法は、このおよび他の関連目的につき当該技術分野において良好に確立された受容される方法および材料に基づき、その方法を利用する。これらのアプローチは、母体血液中の胎児細胞の前記の希薄さ、ならびに造血性および胎児の幹細胞の発生生物学により制限されている。
前記の方法を用いて、母体血液中の胎児細胞の検出は、「まれな事象」の検出における実行である。これらの直接的な免疫学的方法の効率は、とりわけ、典型的な利点が、「純粋な生成物の収率」または「感度」および「特異性」として報告される、またはかかる利点を計算するデータが頻繁には少しも報告されないために、大部分の公表データから正確に評価することが難しい。それは、標識されるか、適当ならば、回収された細胞数が、その中に含まれた偽陽性または偽陰性のさらなる決定または報告なくして報告されることがより一般的である。しかしながら、効率の粗い見積りは、試料中の総細胞数および試料中の注目する細胞型の発生の推定頻度に基づいて導き出すことができる。一例として、試料が1×10個の総細胞を含み、試料中の標的細胞の出現頻度は、1:25,000である(双方の値は、胎児の赤血球細胞が母体血液中で標識されるか、または母体血液から回収される実験において現実的である)ことが報告されると仮定して、試料中に約40個の胎児細胞が存在すると合理的に期待できる。記載されている方法を用いて、標識または回収される細胞数の報告が、実質的にこの期待値未満であるならば、方法の感度、すなわち、その方法によって検出される試料中に実際に存在する胎児細胞の比率またはパーセンテージは、低いと考えられる。反対に、その記載された方法を用いて、標識または回収される細胞数の報告が、この期待値より実質的に大きいならば、方法の特異性(specificity)、すなわち、実際に胎児細胞である方法により検出される細胞の比率またはパーセンテージは低い。母体血液からの赤血球胎児細胞の標識または回収についての公表された実験結果にこの種のメタ分析を適用することは、25%未満および時々10%未満の感度または特異性(適当ならば)の帰属値(imputed value)をしばしば与える。
異形成および癌細胞の存在につき子宮頚部細胞診標本の免疫学的スクリーニングの緊密に類似する適用についての報告された結果の考慮により、胎児細胞の直接的免疫学的標識または捕捉についてのこれらの帰属の感度および特異性は、視野に入れることができる。胎児細胞検出と同様に、子宮頚部細胞診スクリーニングは、注目する細胞の出現頻度がしばしば1:10,000〜1:50,000の範囲にあるまれな事象検出における実行である。同様に、同一抗体のいくらか、最も顕著にCD71に特異的な抗体は、双方の適用のいくつかの実施において用いられる。データを捕捉するために、試料の標識を行うのに使用した方法;およびこれらの結果の解釈は同様に非常に類似している。しかしながら、感度および特異性は、子宮頚部細胞診結果について日常的に報告され、典型的には85%〜95%の範囲にある。この比較は、母体血液の試料中またはその試料からの胎児細胞の直接的な免疫学的標識または捕捉についての方法の感度および特異性の双方が不適当であることを強く示唆する。
母体血液からの胎児細胞の標識および/または回収の感度および特異性を改善する多数の試みがなされた。これらの改良は、最終的な標識または捕捉工程を行なうに先立ち胎児細胞の標本を富化する形態を取った。事実上、例えば、この技術のすべての実践者は、胎児細胞に特異的であるいずれかの操作を行う前にフィコールまたは同様の密度勾配を介して母体血液試料を堆積させる。この沈降分離プロセスは、母体血液標本が3つの主要な画分:赤血球、単核細胞および血小板に分離されることを可能にする。赤血球および血小板の画分は、ともに元来の試料中に存在する細胞の大部分を占め、一方、単核画分は注目する胎児細胞を含む。試料からの潜在的に干渉する細胞の大部分を取り除くことにより、非特異的に標的胎児細胞が富化され、これらの細胞が標識または捕捉される可能性を改善する。しかしながら、前節で説明されたものを含む最新の分離方法は、かかる富化方法を使用し、富化がこれらの先行技術の方法において知られた特異性および感度における欠陥を改善するのには十分ではないことを示している。
結果的に、単核画分は、さらにいくらかの研究者によって富化された。一般的に使用される一つの方法(例えば、米国特許第5,641,628号参照)は、胎児細胞に関連した細胞表面抗原を示す単球画分から細胞を選択的に単離する。反対に、胎児細胞に関連する抗原を示さない細胞は、混合物から取り出す(取り去る)ことができる(これは米国特許第5,877,299号に示されている)。胎児細胞のかかる選択的な単離は、典型的には、単独または組合せのいずれかで用いたCD34および/またはCD133のごとき初期段階の胎児細胞マーカーに特異的な抗体を用いる。減法アプローチは、典型的には複数の抗体を含む「カクテル」を用い、その各々は混合物から除去されるべき特定のタイプの細胞に特異的である。かかる分離方法は、一般的に前記され、FACS、磁気分離、アフィニティークロマトグラフィーまたは細胞パニングのごとき確立した方法に基づいている。
このアプローチの有効性に対する第1の制限は細胞発生のプロセスの結果である。
全細胞は、生物体に見出されるいずれの細胞も実質的に形成するように区別する潜在性を有する多分化性幹細胞から由来する。多分化性幹細胞は、非常に早期の胚において優勢な細胞型であるが、胚が成長するにつれて、検出不能の点まで数において迅速に減少する。成長中に、これらの多分化性幹細胞が、特定の器官および組織の形成に委ねられるにつれ、これらの細胞の区別する能力は次第に低下する。分化に対する最初の制限の結果、多分化性の幹細胞のクラスを形成し、各クラスは、特定の広範囲内のすべての細胞タイプを生起できる。造血幹細胞は、例えば、いずれの血液細胞タイプも生起できる。これらの幹細胞は、相当な増殖の潜在性を持っており、自己複製、移植の特性、および適切に刺激された場合に「前駆」幹細胞への分化の特性を示す。これらの前駆細胞は、親の多分化性幹細胞の増殖および移植能を保持するが、特定の造血性系列の細胞への分化に制限される。例えば、造血幹細胞は赤血球、骨髄性、巨核球、リンパ球細胞、および恐らくベト(veto)系列の血液細胞を生起できるが、造血幹細胞に由来する前駆細胞は、これらの系列のまさに1つの細胞(すなわち、赤血球、骨髄性、巨核球等)に分化することに委ねられる。多分化性(pluriopotent)および多能性(multi-potent)の幹細胞のように、前駆細胞は形態学に基づいて識別可能でないが、それらの子孫によってむしろ認識される。適切に刺激された場合、これらの前駆細胞は、特定の進行内の最後から2番目の分化細胞に導く分化のさらなるラウンドを受ける。赤血球系列内では、例えば、形態学的に識別可能な赤芽細胞「前駆」細胞に進む前に、分化の前期段階は、「バースト形成単位−赤血球」(BFU−E)と表し、後期段階は、「コロニー形成単位−赤血球」(CFU−E)と表す。これらの前駆細胞は、網状赤血球、次いで結局赤血球になるために除核される前に、前赤芽球、好塩基性、多染性、および正染性赤芽球ステージを介して次第にさらに分化する。
分化に起因する変化のこの進行は、細胞によって提示される細胞表面抗原の変化に反映される。赤血球の進行の中では、例えば、造血幹細胞およびBFU−E細胞は、CD34および17F11(c−キット)を発現し、CD33はBFU−Eステージ中に発現されるが、これらの抗原のいずれもCFU−Eステージまたは後期ステージの間に発現されない。CD71(トランスフェリン受容体、TFR)が、後期のBFU−Eまたは初期のCFU−Eステージに出現し、網状赤血球ステージを介して持続するが、CD36(トロンボスポンジン受容体、TSPR)はCFU−Eステージにおける後期に出現し、いくらかの成熟した赤血球中にさえ持続する。グリコフォリンAおよび血液型A抗原は、赤芽細胞ステージで出現し、成熟した赤血球に持続する。他の抗原は、分化のステージの関数としての発現において同様の変化を示す。
発現におけるこの変動性は、非−胎児細胞から胎児細胞を分離するためにこれらの抗原を用いることに対する1つの制限である。CD34の使用は、例えば、造血幹細胞およびBFU−Eステージでの細胞を同定するが、後の子孫のいずれも同定しない。
反対に、CD71は、造血幹細胞およびBFU−Eステージにて細胞を同定しないが、後期ステージの細胞を同定する。かくして、CD34およびCD71の抗体の組合せは、感度におけるかなりの損失を回避するために、注目する全細胞が標識および/または捕捉されるのを保証するように使用されることを必要とするであろう。同様の状況は試料富化の「減法」方法に適用する、というのは、それらが胎児細胞への結合なくして、それらの発生段階のすべてにおいて所望されない細胞タイプのすべてに結合する抗体を必要とするからである。
胎児細胞分離の既存の方法に対するさらなる制限は、複数の、しばしば関連しない細胞タイプにこれらの抗原の多くが出現することである。CD71は、例えば、鉄代謝に密接に関与し、従って、事実上すべての活発に呼吸する哺乳動物細胞によって発現される。同様に、CD36は、細胞接着およびある種の調節機能に関係し、様々な血液および他の細胞タイプによって発現される。広範囲の細胞タイプを横切った抗原のこの発現は、これらの抗原に依存した方法の特異性を害する。加えて、ある種のこれらの細胞表面マーカーの発現は、細胞型および発生段階だけでなく、分化マーカーとしてこれらの抗原の有用性を低下させる様々な他の環境要因に依存する。CD71は、例えば、厳重な転写、翻訳および翻訳後の調節下にある。CD71の発現は、細胞の発生のステージだけでなく多数の環境要因によっても制御される。この環境上の感度は、方法の、感度、特異性または双方を低下しかねない。最後に、同一のタイプおよび発生段階の胎児および母体の血球は、同一抗原を本質的に発現し、それはいずれかの特定の細胞の起源を区別することを困難する。ある種の状況下では、このタイプの制限は克服でき:胎児の赤芽球は胎児のヘモグロビンを発現するが、母体の赤芽球は成体形態を示し、例えば、父親のY染色体は男性の胎児からの細胞において検出できる。
これらの制限に照らして、他の方法は、母体血液試料の胎児細胞成分を選択的に富化するために開発された。米国特許第5,580,724号に開示された一つのアプローチは、同一の細胞型の母体細胞と比較して、胎児細胞のより高い増殖能を用いる。この方法において、CD34細胞は、前記に概説された方法の一つに従い母体血液試料から集められ、次いで、適当なサイトカインおよび他の因子の存在下、細胞培養中で増殖される。胎児のCD34+細胞が母体のCD34+細胞より高い増殖能を有するので、複数サイクルの細胞分裂を通じての増殖は、培養物中濃の初期段階の胎児細胞の割合を次第に増加させる。この選択的な増殖を促すために用いたサイトカインおよび他の因子の組合せは、増殖の促進に非常に特異的であるが、CD34+細胞の分化には特異的でないので、後期ステージの胎児細胞の集団は同程度まで増殖しない。
米国特許第5,843,633号は、もう一つのアプローチを開示し、ここに、無傷の胎児細胞または幹細胞はモノクローナル抗体の調製のために、免疫原として用いられる。この方法の結果、各々が胎児または幹細胞によって示される抗原エピトープのパノプリー(panoply)の1つに対して向けられた抗体を発現するハイブリドーマの複合体混合物を生じる。これらのハイブリドーマはクローンに典型的には精製され、各々が単一の抗体を発現し、次いで、胎児および他の細胞タイプのパネルに対して個々にスクリーニングされて、もし存在すれば、これらの抗体のいずれが胎児細胞に対する有用なレベルの特異性を示すかを決定される。十分に抗体特異性を評価するために、スクリーニングパネルは、標的胎児または幹細胞の純粋な標本ならびに臨床試料中に存在し得る夾雑細胞タイプの全ての標本を含まなければならない。次いで、十分な規格のハイブリドーマを増殖して、多量の選択された抗体を生成する。かかる方法は、十分な特異性を持つ潜在性を持っているが、それらは、胎児または幹細胞に対して適当な特異性を示す抗体を同定するために必要である徹底的なスクリーニングにより制限される。
さらなる胎児細胞に特異的な抗原は、胎児細胞によって発現される蛋白質または遺伝子および母体細胞によって発現される蛋白質または遺伝子を比較して、母体細胞中ではなく、胎児細胞中で強く発現されたそれらの蛋白質または遺伝子を同定することにより見出された。この方法によって得られた比較の質は、標本として用いられる母体および胎児細胞の純度、および再現できる結果を得るために必要とされる厳格な手順対照に感受性である。これらの実験は、十分に低いシグナル−対−ノイズ比を有する様々なマイクロアレイを用いて行われ、かなりの数の重複実施が有用な結果を得るために試行さなけれならない。また、アレイ中で実際に表わされた標的の合計の可能な数のパーセンテージに関して各試料の遺伝的多様性およびアレイの「被覆度(coverage)」は、かなり考慮される。特定の制限は、この目的のために注目する母体および胎児細胞が、主として分化のBFUおよびCFUのステージでの幹細胞および細胞であることである。これらの細胞は形態学的な基準によって認識可能でないが、むしろそれらの子孫を介してだけ認識される。これは、この手順に用いた細胞の同一性に関してかなりの不確実性を導入する。いずれの場合でも、一旦胎児細胞によってユニークに発現される抗原(群)が同定されると、対応する蛋白質を得て、抗体は、標準的な方法によりこれらの蛋白質に対して生起できる。
かくして、当該技術分野において、胎児細胞および母体細胞を区別できるマーカー、かかる方法に有用なマーカー、およびかかるマーカーを検出するための試薬、特に抗体を同定するより特異的でかつ鋭敏な方法についての必要性が維持される。
発明の概要
本発明は、母体細胞よりむしろ胎児細胞に優先的に結合する抗体、かかる抗体を調製する方法、および他の細胞タイプから胎児細胞を検出および分離するためのこれらの抗体の使用方法を提供する。本発明の方法および抗体の特定および有利な適用は、胎児細胞を特異的に標識し、他の細胞タイプ、特に母体細胞からかかる細胞を分離することである。本発明の抗体および方法を用いて単離された胎児細胞は、疾患状態の検出または診断および胎児の性別の決定のための胎児の遺伝子分析に有用であり、細胞ベースの治療法にさらなる有用性を見出し得る。
本発明は、有利には母体血液から胎児細胞を標識または捕捉するための既存の方法とは異なる。というのは、とりわけ、それが、標識または捕捉に先立ち試料中に存在する胎児細胞を予め規定された状態に強いて、かくして、存在する胎児細胞の全集団が、本発明の抗体により標識または捕捉されるのを可能とする。一例として、別々にまたは組み合わせて広範囲に用いられる細胞表面に特異的な抗原CD34およびCD133に対する抗体は、CFU−Eまたは分化の初期にある赤血球の胎児細胞を優先的に標識または捕捉するが、分化の後期での赤血球の胎児細胞を標識または捕捉しない。これは、母体末梢血試料から得ることができる胎児細胞の収率を低下させる。さらに、この収率は、試料中の胎児細胞に偶然に生じた分化の程度に依存する。全ての胎児細胞を予め規定された状態に強いて、この状態において胎児細胞により発現されたユニークな抗原に特異的である抗体を使用することにより、試料中のより高いパーセンテージの胎児細胞が、着実に標識または捕捉されるのを可能とされる。
また、本発明の方法は、胎児にリスクをもたらすことなく、胎児細胞試料が最小の侵襲性方法を用いて得られることを可能にするために有利である。
発明の特定の好ましい具体例は、ある好ましい具体例および特許請求の範囲の以下のより詳細な記載から明白になるであろう。
発明の詳細な記載
本発明により提供される抗体は、細胞が予め規定された状態に強要される場合の胎児および母体の細胞間の遺伝子発現の差の体系的調査に基づいて、選択されるペプチド抗原に対して調製された。これらの調査に使用された試料は、胎児および母体の起源のCD34細胞(造血幹細胞および赤血球の前駆細胞)の別々のプールから成った。これらのプールの細胞は、そのプール中に存在するCD34細胞数を増加させるための適当なサイトカインおよび他の因子の存在下で別々に増殖した。次いで、これらの増殖したプールのCD34細胞は、別々に、CD34細胞の分化を促進して、CD34ではなく、CD36を発現する細胞を形成するある種のサイトカインおよび他の因子の存在下で増殖した。
次いで、これらのプールの胎児および動員された成体のCD36細胞起源からの総RNAを別々に抽出し、今度は、胎児起源のCD36細胞によってユニークに発現される遺伝子またはESTが決定できる「発現」または「EST」マイクロアレイにハイブリダイズした対応するcDNA調製物に転写された。次いで、これらのユニークに発現された胎児性遺伝子によってコード化された蛋白質のアミノ酸配列を決定および評価して、胎児の蛋白質に特有で、同一条件下の母体起源のCD36+細胞によって発現された遺伝子産物(蛋白質)のいずれにも見出されないアミノ酸残基(典型的には10〜30残基)のより短い配列を同定した。これらのユニークな胎児ペプチドを合成し;(抗原性に必要または有利ならば)キーホールリンペットヘモシアニンのごときキャリヤーにコンジュゲートし;次いで、これらのユニークな胎児のペプチドに特異的に結合するモノクローナルまたはポリクローナル抗体の調製のために免疫原として用いた。次いで、これらの胎児に特異的な抗体は、抗体が母体末梢血試料からの胎児細胞を標識するか、または胎児細胞を捕捉するのに用いられるかに依存して、蛍光体のごとき検出可能な標識にコンジュゲートされるか、または磁気微粒子のごとき不溶性支持体で固定化された。
本発明の抗体を用いて、母体末梢血の試料から胎児起源の赤血球細胞を回収でき、かくして、本発明はそのための方法を提供する。本発明のこれらの方法において、CD34細胞画分は、従来の血液細胞分離法に従って母体末梢血から単離され、次いでCD34よりむしろCD36を発現する細胞へCD34細胞の分化を強いるための適当なサイトカインおよび他の因子の存在下で増殖される。得られたCD36+細胞が、例えば、蛍光顕微鏡法によって、試料中で同定されるべきものであるか、または、例えば、蛍光標示式細胞分取(FACS)によって試料から単離されるべきものであるならば、試料は、蛍光体のごとき検出可能な標識にコンジュゲートした1以上の本発明の抗体で処理される。得られたCD36+細胞が、例えば、磁気分離、細胞パンイングまたはアフィニティークロマトグラフィーによって、試料から直接的に捕捉されるべきものであるならば、試料は、意図した分離方法に適当なタイプの不溶性支持体で固定化された1以上の本発明の抗体で処理される。
前節に記載された標識された細胞は、蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)のごときインサイチュ方法により胎児の性別、遺伝的異常および疾患につき顕微鏡的に評価できるか、さらに、分析されるか、あるいは他の抗体またはプローブと反応させて、フローサイトメトリーによって分析できる。前節の方法により捕捉された細胞は、FISH、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、核型分析または研究もしくは可能な治療目的に用いることができる同様の方法のごとき方法によって胎児の性別、遺伝的異常および疾患につきさらに分析できる。
本明細書に記載した新規な方法は、限定されるものではないが、末梢血、その血漿または血清、および唾液を含めた様々な体液からの胎児細胞の単離を提供する。
本発明は、母体末梢血からの胎児起源の細胞を検出および捕捉する最小に侵襲性の方法を提供する。母体血液のごとき成体の体液における胎児細胞の希薄さにより、本発明の方法は、フィコールまたは高密度の培地と等価な物質を用いてステップ形式密度勾配を介して標本を堆積させるのに良好に確立している技術を用いて、体液、例えば、母体血液試料からの母体の赤血球および血小板からより多数の母体細胞を取り出す工程を含む。このプロセスの結果、血小板が上澄み液に残りつつその赤血球が遠心管の底にペレットとなる。注目する胎児細胞を含む単核細胞は、勾配を形成するより高密度またはより低密度の媒体間の境界に濃縮され、次いで、比較的純粋な形態で回収できる。
母体血液試料を用いて、密度勾配沈降分離によって得られた単核細胞画分は、少数の胎児起源の細胞、母体に由来する造血幹細胞、多数の成体の成熟細胞とよく混合された始原細胞、および前駆細胞の混合物から成る。母体起源の胎児細胞および未成熟細胞は、細胞によって提示される細胞表面抗原(マーカー)に基づき成体の成熟細胞を区別できる。特に、既存の方法は、CD34、CD133および/または未成熟細胞によって発現された同様の抗原に特異的に結合して、胎児および母体の起源の未成熟細胞が母体起源の成熟細胞から分離されることを可能にする抗体に依拠する。CD34、CD133および同様の抗原は、未成熟血液細胞に厳密には特有ではないが、小血管内皮細胞、胚繊維芽細胞、成長している上皮細胞およびあるタイプの神経細胞を含めた、これらの抗原を発現することが知られている他の細胞タイプは、母体血液の適切に取り出された標本にかなりの数では存在しそうにない。
一般的な2種の方法が、成熟した血液細胞からの胎児および母体の起源の未成熟血液細胞(以下、CD34細胞という)の最初の分離のために日常的に使用される。これらの方法の1つ、蛍光標示式細胞分取(FACS)は、蛍光性レポーター部分にコンジュゲートし、未成熟細胞によって発現されるCD34のごとき抗原に特異的に結合する抗体を用いて、これらの細胞を「標識する」ことにより、注目する未成熟細胞の選択的な検出に依拠する。この方法において、密度勾配沈降分離によって得られた単核細胞画分は、1以上の適当な蛍光性にコンジュゲートした抗体で処理され、蛍光強度、前方散乱および側面散乱に基づいた各細胞を個々に検査および分類するFACSによって処理される。FACSは、予め決められた蛍光強度、前方散乱および側方散乱基準(未成熟細胞に特異的)に合う個々の細胞を回収管に転送する。この管に集められた細胞は、推定上胎児および母体の起源の所望の未成熟細胞である。
別法の方法は、成熟した血液細胞からの胎児および母体の起源の未成熟血液細胞のこの初期分離に用いることができる。これらは、抗原特異性抗体を用いて、分離される混合物から容易に分離できる不溶性支持体上に注目する細胞を特に固定化する方法を含む。このアプローチの多数の変形は、母体血液からの胎児細胞の収集において実行できる。例えば、未成熟細胞のCD34、CD133または同様のマーカーに特異的な抗体は、磁気微粒子の表面上で固定化される。密度勾配沈降によって得られた単核細胞画分と組み合わせた場合、これらの抗体は、それらの対応する抗原に結合し、それにより磁気微粒子表面上にこれらの抗原を提示する細胞を捕捉する。強磁場の適用は、このプロセスが行なわれているカラムまたは容器の側方に捕捉された細胞を含むこれらの磁気微粒子を保持し、かくして、これらの抗原を提示せず、従って、磁気微粒子に結合されない細胞が溶出されるのを可能にする。次いで、微粒子に結合した細胞は、微粒子から遊離され、注目する細胞中で実質的に富化する画分として集めることができる。これらの方法のもう一つの例は、初期分離で成熟細胞の試料を選択的に枯渇させ、引き続いて前記の未成熟細胞を捕捉する。成熟細胞のこの初期の枯渇を時々「ネガティブセレクション」といい、それは、第2の工程において捕捉有効性を改善すると一般的に見なされる。成熟細胞を枯渇するのに使用された捕捉抗体は、成熟細胞によって特に発現し、抗原に特異的であり、その抗体は、各々が異なった成熟細胞マーカーに特異的である複数の抗体を含む「カクテル」としてしばしば用いられる。
CD34および/または未成熟細胞によって発現された他の抗原に特異的な抗体を用いて得られた細胞画分は、胎児および母体の起源の未成熟細胞を主に含む混合物から成る。かかる混合物は、母体血液からの胎児細胞の回収のために公表および/または特許された多数の方法の最終生成物である。これらの混合物は、胎児が雄性であり、かつ混合物中の胎児細胞を、Y染色体の存在の検出によって同定できるそれらの場合、ならびにCD34細胞の実質的な移植および増殖の能力が有益であるいくつかの治療適用においてのごとき診断適用につき有用性を制限した。しかしながら、他の適用は、母体起源のものに対し、胎児起源の細胞において試料がさらに富化されることを必要とする。
胎児起源のCD34細胞の増殖能が母体起源のCD34細胞のものより実質的に高いことが示された。増殖能におけるこの差を用いて、CD34細胞の増殖を促進するサイトカインおよび他の因子の存在下で試料の細胞を増殖することにより、これらの試料の胎児成分を区別して富化できる。かかる条件下では、試料中の胎児起源のCD34細胞のパーセンテージは、各細胞分裂周期において増加され、従って、胎児起源におけるCD34細胞につき試料を富化する。
これらの胎児細胞を富化した細胞集団は、胎児起源の細胞からほとんど完全に成る試料を用いて、最良に行なわれる多くの診断法に不適切である。この終点を達成する試みは、胎児および母体のCD34細胞を区別する抗原の同定し、これらの抗原に特異的に結合する抗体を調製し;次いで、前記の分離手順においてこれらの抗体を用いることに大いに重点を置いた。これらの抗原は同定されたか、または未確認の胎児細胞に特異的な抗原に対する抗体が経験的な方法を用いて調製された。例えば、公知の細胞性抗原に特異的な抗体は、わずかに純粋な胎児および母体の細胞のパネルに対してスクリーニングされ、前記方法によりしばしば調製し、胎児細胞に優先的に結合するそれらの抗体を同定する。別法として、マウスのごとき宿主動物は、免疫原としてわずかに精製された胎児細胞で免疫でき、ハイブリドーマがその得られた免疫細胞から調製できる。これらのハイブリドーマは、例えば、限界希釈法、および、前記のように調製されたわずかに精製された胎児および母体の細胞のパネルに対するこれらのハイブリドーマによって生成された抗体をスクリーニングすることによって、均質性にサブクローニングされる。これらの方法は理論上、母体血液からの胎児細胞の特異的な検出および/または捕捉に有用な抗体を生成できる。しかしながら、これらの抗体の機能的な質は、それらを生成するために用いた免疫原の純度および均質性、抗体スクリーニングのために使用した胎児および母体の細胞パネルの包括性に非常に依存し、これらのパネルのメンバーの純度および均質性は、これらの抗体の有用性を制限しかねないいずれもにおいても離脱している。これは、胎児細胞につき富化されるが、その純粋な調製物ではないこれらの抗体を生成するために用いられる胎児および母体の細胞に関して特に問題である。さらに、用いた細胞が純粋に胎児または母体の起源であったとしても、これらの調製物は、抗原の異なる配列を示す異なるステージの分化での細胞の混合物から成る。かくして、これらの方法により調製された抗体は、せいぜい、試料中に存在する胎児細胞のサブセットだけを認識するであろう。
胎児細胞に特異的な抗体を調製するための当該技術分野におけるこれらの制限は、本発明により扱われる。交差特異的な(cross secific)細胞表面マーカーの抗体を用いるよりむしろ、抗原発見は、前記のように調製された、プールされたCD34細胞を用いて行なわれた。2つの別々の細胞プールを調製し、一方は、妊娠していないドナーからの母体末梢血であり、他方は胎児の肝臓からのものである。かくして、第1のプールは、専ら母体起源のCD34細胞から成り、一方、第2のプールは専ら胎児起源のCD34細胞から成った。次いで、各プールの細胞は、CD34細胞の分化ではなく増殖を促進したサイトカインおよび他の因子の存在下で別々に増殖した。増殖したプールの所望の再精製後、それらは、CD34細胞の分化を促進したサイトカインおよび他の因子の存在下で、CD34抗原ではなくCD36抗原を発現し、CD36細胞の増殖を促進する段階まで二度目に増殖した。利用可能な細胞数の増加に加えて、細胞表現型におけるこの強制的なシフトは、CD36を発現する状態まで分化できなかった細胞よりなるプールのパーセンテージを低下させ、不変レベルのCD36を発現した少数の表現型に分化できる複数のCD34表現型を崩壊させた。ポジティブまたはネガティブ選択を用いて、所望ならばさらにこれらのCD36プールを精製できる。このプロセスは、母体および胎児起源の細胞の規定された純粋な調製物を与えた。
これらの生存可能な精製された成体および胎児細胞調製物によって発現された蛋白質は、各調製物の細胞から総RNAを抽出することにより測定し;このRNAから対応する標識されたcDNA混合物を合成し;これらのcDNA混合物を別々だが、同一の「遺伝子配列」チップにハイブリダイズし;次いで、当業者に知られた標準的手順により遺伝子配列における各プローブに結合するcDNA量を測定することにより決定した。次いで、これらのデータを評価して、CD36によって強く発現されるが、CD36母体細胞によって有意には発現しないそれらの遺伝子を同定した。決定閾値(>0.99、より好ましくは>0.999、さらにより好ましくは>0.9999のウィルコクソン符号付順位検定p値)を、(「Genechip Expression Analysis Technical Manual, PN701024 Rev 3, 2004, Affymetrix Santa Clara CAに開示された)これらの決定において典型的に使用した。
胎児起源のCD36+細胞によってユニークに発現されると決定された各遺伝子の蛋白質産物のアミノ酸配列、および母体のCD36細胞によって有意に発現されるすべての蛋白質のアミノ酸配列は、Gene BankおよびSwissProtのごときかかる情報の標準的データベースへの参照によって典型的に決定された。次いで、これらの蛋白質のアミノ酸配列を検索して、典型的には長さが10と30との間のアミノ酸残基のアミノ酸サブ配列を同定し、それは、胎児起源の蛋白質に出現し、母体起源の蛋白質に出現しない。このように同定されたペプチドは、CD36胎児細胞用のユニークなマーカーであるとして得られた。これらのユニークなペプチドは、従来技術により化学的に合成され、抗体をこれらのペプチドに対して産生させた。いくらかの場合に、対応する免疫原の調製を促すために、N末端システイン残基またはC末端システイニル−アラニン・ジペプチドの付加を介してそのペプチドを修飾することが望ましかった。得られた抗体は、胎児細胞への結合に対するそれらの特異性を確認するために、胎児および母体起源の精製されたCD36細胞に対してスクリーニングされた。これらの抗体は、FACS分析および/または分離において用いられる蛍光体にコンジュゲートさせたか、または必要に応じて胎児細胞の磁気的回収に用いられる磁気微粒子にコンジュゲートさせた。この手順は、CD36胎児細胞にユニークである細胞外および細胞内の蛋白質抗原の双方を同定した。細胞外抗原に対する抗体を用いて、生存可能なCD36+胎児細胞を検出および/または集めることが望ましいFACS方法において;および生存度に独立したCD36胎児細胞を検出および/または集めることが望ましい顕微鏡観察において;CD36胎児細胞を捕捉できる。他方、細胞内抗原は、細胞生存度が関係しないFACS方法およびCD36胎児細胞を検出することが望ましい顕微鏡観察において、CD36胎児細胞を検出および/または集めるのに有用である。
本明細書に提供された本発明の抗体は、胎児細胞によって発現された細胞表面蛋白質のペプチドフラグメントを含むエピトープに特異的に結合する。好ましくは、これらのペプチドを含むエピトープは、胎児細胞の細胞表面、最も好ましくは外部細胞表面上に本発明の抗体によって免疫学的に結合するのに利用可能である。好ましくは、その抗体は、特に、胎児細胞表面上の抗原のより大きな発現;胎児細胞表面上の抗原性蛋白質のより良好なコンフォメーション配置;または胎児細胞表面上の存在および母体細胞表面上の不存在のために、優先的に母体細胞上に結合する、胎児細胞上の細胞表面抗原に免疫学的に特異的に結合できる。
本明細書に用いた、「優先的に結合する」または「優先的結合」なる用語は、本発明によって提供される抗体およびそのフラグメント、ならびにかかる抗体または抗体フラグメントの混合物が、該抗体およびそのフラグメントが母体細胞に結合するより約5〜約200倍、より好ましくは10〜100倍、さらにより好ましくは20〜50倍高い親和性および親和力で胎児細胞に結合することを意味すると理解される。
本発明によって提供された抗体およびそのフラグメントは、単独または組み合せて提供される抗血清、精製されたポリクローナル抗体およびそのフラグメント、ならびにその混合物を含み、さらに、精製された胎児細胞を用いて従来の方法によって生起された抗体または抗血清、ならびにより好ましくは、該細胞から得られた抗原性ペプチド、さらにより好ましくは、in vitroの化学的もしくは他の合成経路により生成され、従来の方法により免疫原として用いられるペプチド抗原をさらに含むことができることが当業者によってさらに理解されるであろう。また、特に、本発明は、モノクローナル抗体およびそのフラグメント、より詳細には、複数の該モノクローナル抗体の組合せを含む。該抗体は、本明細書に記載された方法により生成できるか、または、抗体は、胎児細胞上で優先的に発現された抗原と免疫学的に反応性であるいずれかの方法により生起できる。
これらの抗体は、母体末梢血から胎児起源の造血細胞を回収するのに有利に使用できる。本発明の方法のこれらの具体例は、妊娠している母親から末梢血試料を得;この血液試料から単核細胞画分を単離し;これらの単核細胞のCD34細画分を集め;所望により、これらのCD34細胞を増殖し;これらの細胞の分化をCD34−/CD36+表現型に促進するサイトカインの存在下でこれらの細胞を増殖し;次いで、1以上の本発明の抗体の使用を介して、この試料中に存在する胎児起源のCD36+細胞を捕捉または標識することにより実施される。
かくして、本発明は、ヒトの胎児起源のCD36+細胞に特異的な抗体である抗体、好ましくはモノクローナル抗体を提供する。また、本発明は、かかる抗体の、限定されるものではないが、F(ab)およびF(ab)’フラグメントを含めた抗体フラグメントを包含する。抗体フラグメントは、限定されるものではないが、遺伝子工学技術によるかかるフラグメントの蛋白質分解性または化学的切断、化学合成または調製を含めた多数の方法によって生成される。また、本発明は、当業者に知られた方法により作成された、胎児細胞起源の細胞に特異的なエピトープと免疫学的に反応性である単鎖の抗体を包含する。
以下の詳細な実施例は、本発明の好ましい具体例を示すために含まれる。そこに開示された技術は、本発明の実施において良好に機能する技術を表し、かくして、その実施についての好ましい様式を構築すると考えることができることは、当業者により理解されるであろう。しかしながら、当業者は、この開示に照らして、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、多数の変形が開示された様々な具体例においてなすことができ、依然として、同様または類似する結果を得ることができることを認識するであろう。
実施例1:胎児肝細胞の調製
胎児肝細胞は、Cambrex Bio Science, Walkersville, M.Dから得た。別法として、かかる細胞は、5名の異なったドナーからの胎児の肝臓(FL、在胎期間15〜22週間)から以下のように分離できる。
5名のドナーからの胎児の肝臓をホモジナイズし、DPBS/0.2% BSA溶液の存在下でワイヤーメッシュを通過させ、ここに、DPBSはCa++/Mg++−フリーのダルベッコリン酸緩衝生理食塩水(Biowhittaker, Walkersville, MD)の処方を有し;BSAは、50μg/ml硫酸ゲンタマイシン(Life Technologies, Grand Island NY)を含有するウシ血清アルブミン(Sigma St. Louis, MO)である。CD34細胞は、実施例3に記載されたMACSまたはFACS方法のいずれかによりこのホモジェネートから単離できる。別法として、このホモジェネートは、実施例3に記載されたMACSまたはFACS方法のいずれかによりCD34細胞単離に先立って以下のプロトコールによりさらに精製し得る。
成熟した赤血球細胞および他の細胞系のポジティブ細胞を免疫磁気的ビーズ枯渇によりホモジェネートから除去する。略言すると、ホモジェネートは、飽和量のグリコフォリンA(GPA)mAb(米国培養菌保存施設、Rockville, MD)とインキュベートし;細胞をDPBS/BSA中の懸濁/沈降によって2回洗浄し、BioMag ヤギ−マウスIgG磁気粒子(Perseptive Biosystems, Framingham, MA)と15分間インキュベートし;次いで、磁気粒子に結合したGPAFL細胞を、カラムまたはバッチ形式のいずれかにおける磁気勾配分離により捕捉する。磁気微粒子によって結合されないGPAFL細胞を、DPBS/BSA(カラム)での溶出により、またはデカンテーション(バッチ)により捕捉された細胞から分離され、高密度相として1.077g/mlNycoprep (Life Technologies, Grand Island, NY)を用いて、800g(室温)にて25分間遠心によってステップ密度勾配分離に付す。得られた低密度胎児性肝臓(LDFL)細胞を勾配界面から集め;DPBS/BSAで洗浄し、次いでDPBS/BSA中の10mgマウスIgG1およびIgG2a(Sigma)の2mlに再懸濁して、さらなる細胞捕捉に用いたモノクローナル抗体の非特異的な結合をブロックする。得られたGPA−LDFL細胞懸濁物を次のFITCにコンジュゲートした抗体:抗CD3、抗CD4、抗CD8、抗CD11b、抗CD14、抗CD16抗CD19、抗CD20、抗CD36、抗CD54(系統パネルを含む)と4℃にて30分間インキュベートする。洗浄後、標識した細胞を前記方法で、ヒツジ−抗マウスIgG(Dynal, Oslo Norway)で被覆された磁気ビーズを用いて、ネガティブ選択に付して、GPALinLDFL細胞を得る。次いで、CD34細胞を、実施例3において後記するMACSまたはFACSプロトコールのいずれかを用いて、その得られたGPALinLDFL細胞から単離する。
実施例2:動員した末梢血細胞の調製
動員した(mobilized)末梢血細胞をCambrexから得た。また、かかる細胞は以下のように得ることができる。
G−CSF(顆粒球コロニー刺激因子)で動員した末梢血単核細胞(MPB)を、当業者に知られた標準的プロトコールにより、10名の異なった正常な成体のドナーからの白血球搬出により得て単離する。CD34細胞を実施例3に記載されたMACSまたはFACS方法のいずれかによりこのMPB血液画分から単離できる。別法として、実施例3に記載されたMACSまたはFACS方法のいずれかによるCD34細胞単離に先立って、次のプロトコールによりこのMPB血液画分をさらに精製できる。
単核細胞画分を、実施例1に記載された免疫磁気的ビーズ枯渇によって、成熟した赤血球細胞および他系統のポジティブ細胞から枯渇させる。略言すると、成熟した赤血球細胞および他系統のポジティブ細胞は、飽和量のグリコフォリンA(GPA)mAbと細胞をインキュベートし;DPBS/BSA中での懸濁/沈降によって2回洗浄し;BioMagヤギ−マウスIgG磁気粒子(Perseptive Biosystems)と15分間インキュベートし;次いで、カラムまたはバッチ形式における磁気勾配のいずれかにより未結合のGPAMPBから磁気粒子結合GPAMPB細胞を分離することにより、MPB血液画分から取り出す。GPAMPB細胞を、高密度相として1.077g/mlNycoprep (Life Technologies, Grand Island, NY)を用いて、800g(室温)にて25分間遠心によってステップ密度勾配分離に付す。得られた低密度MPB細胞を勾配界面から集め;DPBS/BSAで洗浄し、次いで10mgのマウスIgG1およびIgG2a(Sigma)を補足した2mlDPBS/BSAに再懸濁して、さらなる細胞捕捉に用いたモノクローナル抗体の非特異的な結合をブロックする。得られたGPA−MPB細胞懸濁液を次のFITCにコンジュゲートした抗体:抗CD3、抗CD4、抗CD8、抗CD11b、抗CD14、抗CD16抗CD19、抗CD20、抗CD36、抗CD54(系統パネルを含む)と4℃にて30分間インキュベートする。洗浄後、標識された細胞を前記実施例1に記載されたように、ヒツジ−抗マウスIgG(Dynal, Oslo Norway)で被覆された磁気ビーズを用いて、ネガティブ選択に付して、GPALinMPB細胞を得る。次いで、CD34細胞を、実施例3において後記するMACSまたはFACSプロトコールのいずれかを用いて、その得られたGPALinMPB細胞から単離する。
実施例3:成体および胎児のCD34前駆細胞の精製
実施例1および2の胎児肝細胞およびMPB単核細胞画分を、各々、次のプロトコールのどちらかによりCD34細胞につき富化した:
MACSプロトコール
実施例1および2に記載し調製した胎児肝細胞およびMPB単核細胞画分は、各々、製造者の説明書によりMACS CD34単離キット(Miltenyi Biotec, Auburn, CA)を用いて、CD34細胞につき富化した。略言すると、単核細胞は、ブロッキング試薬として、0.1%ヒトIgG(Bayer Elkhart, IN)の存在下で、ハプテン標識した抗CD34抗体(QBEND-10, BD Pharmingen, San Diego, CA)とインキュベートし、次いで、MACSマイクロビーズに連結した抗ハプテンとインキュベートした。標識された細胞を、30μmナイロンメッシュによりろ過して、細胞集団および凝集物を除去した。次いで、標識されたCD34細胞を、高勾配磁気分離カラム(Miltenyi Biotec)を用いて、混合物から捕捉した。非標識のCD34細胞の溶出後に、磁場を取り去り、磁気的に保持されたCD34細胞を4〜8℃で染色緩衝液SB(0.2%BSAおよび2mM EDTAを補足したDPBS、pH 7.2)でカラムから溶出させた。90%を超える回収された細胞は、CellQuest Analysis Software (Becton Dickinson)を用いて、FACS(FACSCalibur; Becton Dickinson San Jose CA)分析によって決定されたCD34であった。
FACSプロトコール
実施例1および2に記載し調製した胎児の肝臓および単核細胞画分を各々、別法として、蛍光標示式細胞分取(FACS)によってCD34細胞につき富化した。胎児の肝臓および単核細胞画分は、4〜8℃にて1時間SBにおいて1×10細胞当たり、20μlのフルオレセイン標識抗CD34モノクローナル抗体(カタログ番号34374X;BD Pharmingen)で染色した。非特異的に結合する対照細胞をフルオレセインで標識したアイソタイプと合致したマウスIgG(カタログ番号554679;BD Pharmingen)で同一方法で染色した。選別の直前に、1μg/mLの蛍光性DNA染色ヨウ化プロピジウム(PI)を、各試料に添加して、発育不能な細胞の同定および排除を可能にする。細胞は製造者の説明書に従いFACSVantage細胞分画装置(Becton Dickinson)で選別および分析した。488nmのアルゴンイオン・レーザーを蛍光体の励起に用い、蛍光を525nm(フルオレセイン)および620nm(PI)で検出した。生存可能なCD34細胞(CD34/PI)を集め、用いられるまで氷上で貯蔵した。アイソタイプと適合した関連しないマウスIgG対照によって示されたものの99番目のパーセンタイルより大きなCD34蛍光強度を示す試料細胞をCD34であるとして選択した。前方および側方の光散乱は、細胞凝集および残骸を排除した。90%を超える回収された細胞は、CellQuest Analysis Software (Becton Dickinson)を用いて、FACSCalibur (Becton Dickinson)分析によって決定されたCD34であった。
実施例4:CD36を発現する胎児CD34細胞の刺激
胎児および成体のCD34細胞を実施例3に記載のごとく単離および精製し、2つの方法の一方によって増殖した。一組の実験において、CD34細胞を50ng/ml Flt−3リガンド(FLT−3)、100ng/ml TPO(トロンボポイエチン)および100ng/ml SCF(幹細胞因子)を補足したHematopoietic Progenitor Growth Media (HPGM; Biowhittaker)を用いて、液体培養物において5% CO下で37℃にて4〜6日間増殖した。次いで、これらの細胞を3U/ml EPO(エリトロポイエチン)、25ng/ml SCF、10ng/mlインターロイキン3(IL−3)および10ng/mlインターロイキン6(IL−6)で補足されたHPGMにおいて5% CO下で37℃にて4〜6日間刺激して、さらなる増殖によってCD36を発現させた。別法として、CD34細胞は、2%脱イオン化ウシ血清アルブミン、150μg/ml鉄飽和ヒトトランスフェリン、900μg/ml硫酸鉄、90μg/ml硝酸鉄、100μg/mlインスリン、30μg/ml大豆レシチンおよび7.5μg/mlコレステロールおよび1×10−6Mヒドロコルチゾン(シグマ)を補足されたHPGM(以下、「補足されたHPGM」という)を用いて増殖し、ここに、細胞を50ng/ml Flt−3リガンド(FLT−3)、100ng/ml TPO(トロンボポイエチン)および100ng/ml SCF(幹細胞因子)を含有する補足されたHPGM中で、液体培養中の5%CO下で37℃にて4〜6日間培養する。次いで、これらの細胞を5%CO下で37℃にて4〜6日間、3U/ml EPO(エリトロポイエチン)、50ng/ml IGF−1(インスリン様増殖因子−1)および50ng/ml SCFを含有するHPGM中でのさらなる増殖によりCD36を発現した。CD36を発現する細胞は、CellQuest Analysis Software (Becton Dickinson)を用いて、FACSCalibur (Becton Dickinson)分析によって決定された85%を超える純度までMACSによって回収および精製した。
実施例5:総RNAの単離
総RNAを、製造者の説明書に従いTrizol (Life Technologies, Gaithersburg, MD)を用いて、CD36成体MPBおよび胎児肝細胞から別々に単離した。細胞をペレットとし、次いで、反復したピペット操作により5×10個の細胞当たり1mL Trizolへの再懸濁によって溶解した。次いで、細胞溶解物を室温にて5分間インキュベートし、1分間ボルテックスすることにより0.2容のクロロホルムで抽出した。次いで、試料を微量遠心機中で4℃、13,000rpm(12,000g)にて30分間遠心した。RNAを2容のイソプロパノールの添加により沈殿させ、混合し、次いで、10分間室温にて静置させた。RNAを12000×gにて45分間遠心した。RNAペレットを75%エタノールで洗浄し、素早く乾燥させ;RNアーゼフリーの水またはピロ炭酸ジエチル(DEPC; Sigma)処理した水(0.1%)中で再懸濁し、次いで、製造者の説明書に従いRNアーゼフリーのDNアーゼI酵素(Life Technologies)で処理した。次いで、RNA濃度を、Beckman DU 650分光光度計(Beckman Instruments, Palo Alto, CA)を用いて測定した。別法として、総RNAは、製造者の説明書に従いRNeasy RNA単離キット(Qiagen, Valencia, CA)を用いて単離した。
実施例6:マイクロアレイ分析用cDNAの調製
Affymetrix GeneChipマイクロアレイの分析用cDNAをGeneChip Expression Analysis Technical Manual (Affymetrix, Santa Clara, CA)に記載された製造者の説明書に従い調製した。略言すると、総RNAは、実施例4に記載された成体のMPBおよび胎児肝細胞から単離し、第1の鎖cDNA合成反応においてT7-Oligo(dT)プロモータープライマーを用いて逆転写した。第2の鎖cDNAはRnaseH−媒介した反応で合成され、得られた二本鎖のcDNAを精製した。精製された二本鎖のcDNAをT7RNAポリメラーゼ、ビオチン化されたヌクレオチドアナログおよびリボヌクレオチドの混合物の存在下で転写して、相補的RNA(cRNA)を調製した。そのcRNAを実施例7のごとく断片化し、Affymetrix U133アレイにハイブリダイズした。
実施例7:cDNAマイクロアレイ分析
得られた胎児および成体のcDNA調製物を製造者の説明書に従いAffymetrix U133マイクロアレーチップを用いて、別々に分析した。胎児および成体のマイクロアレイチップ上の対応する遺伝子についての修正された蛍光強度を測定し、標準的分析法によりp値に変換した(Statistical Algorithims Reference Guide, Affymetrix Inc. Santa Clara, CA参照)。胎児のcDNA試料中でより強く発現された遺伝子および発現配列タグ(EST)(ここに、ウィルコクソン符号付順位検定(Wilcoxon's Signed Ranked Test)p値(完全な説明についてはGenechip Expression Analysis Technical Manual 参照)は、0.99以上、好ましくは>0.999、より好ましくは、>0.9999である)であり、CD36成体細胞に対し、CD36胎児細胞により有意に発現されたとして得られた。本発明により調製した胎児のCD36+細胞中で優先的に発現された遺伝子を、表1中にリストする。本発明により調製した胎児のCD36+細胞中で優先的に発現されたESTを、表2にリストする。
Figure 2008506637
Figure 2008506637
Figure 2008506637
実施例8:抗体生成
実施例7において同定された遺伝子およびESTに対応する蛋白質のアミノ酸配列は、GenBank、SwissProtおよび他の公に利用可能なソースへの参照により決定した。これらの各アミノ酸配列を評価して、ユニークなアミノ酸配列を有した各蛋白質内のペプチド領域を同定した。可能な場合、2以上のかかるペプチド領域を各蛋白質につき同定した。一例として、遺伝子MS4A10、MS4A7、MS4A6A、ASGR2、MS4A5によってコード化された蛋白質の2つのユニークなペプチド領域のアミノ酸配列を表3にリストする。
N末端システイン残基を、そのMS4A10(配列番号11/12)、MS4A7(配列番号13/14)およびMS4A6A(配列番号15/16)ペプチドに付加し、ジペプチドCYS−ALAをMS4A5(配列番号17/18)ペプチドのC末端に付加して、免疫原の調製中のこれらのペプチドのキーホールリンペットヘモシアニン(Keyhole Limpet Hemocyanin)へのコンジュゲーションを促進した。
これらのペプチドを従来方法を用いて合成し、ポリクローナル抗血清および精製されたウサギポリクローナル抗体をBethel Labs, Montgomery, Texasから得;該抗血清および精製された抗体を、当業者によく知られた方法を用いて該ポリクローナル抗血清から生成できる(例えば、Harlow & Lane, 1988, Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press: New York参照)。得られた抗体をアフィニティー精製し、このように精製された抗体コンジュゲートの意図した使用に依存して、ハプテン・ビオチンまたは蛍光体フルオレセインまたはフィコエリトリン(PE)にコンジュゲートした。
実施例9:母体末梢血からのCD34細胞の単離
羊水穿刺のごとき独立した手段により男性胎児を妊娠していることが知られた妊娠している女性のドナーの静脈穿刺によって、末梢血(PB)試料をヘパリン化した採取チューブに得た。胎児のY染色体は、母体および胎児起源の別に同一の細胞を区別する確定的な手段を提供した。集めた末梢血は、DPBSで希釈し、Ficoll-Paque (Pharmacia AB)下に置き、20℃で30分間800gにて遠心した。単核細胞画分をバフィーコートから集め、4〜8℃で1時間SB中で20ml/10個のフルオレセイン標識抗CD34モノクローナル抗体(カタログ番号34374X;BD Pharmingen)で染色した。選別の直前に、1μg/mLの蛍光性DNA染色PIを各試料に添加して、発育不能な細胞の識別および排除を可能とした。細胞は、製造者の説明書に従いFACSVantage細胞分画装置(Becton Dickinson)で選別および分析した。488nmのアルゴンイオン・レーザーを蛍光体の励起に用い、一方、検出は525nm(フルオレセイン)および620nm(PI)であった。別法として、細胞を実施例3に記載されたMACSプロトコールに従い処理した。CD34サブ集団(生存可能なCD34細胞)を集め、用いられるまで、氷上で貯蔵した。これらの方法によって、500〜3000個の生存可能なCD34+細胞が、女性のドナーからの約30mlの全血試料から典型的には得ることができ、それは、かかる試料から期待されたCD34細胞数の約70〜85%である。
実施例10:母体末梢血からのCD34細胞によるCD36発現の刺激
実施例9に記載した単離されたCD34細胞を、3U/ml EPO(エリトロポイエチン)、25ng/ml SCF、10ng/mlインターロイキン3(IL−3)および10ng/mlインターロイキン6(IL−6)で補足されたHematopoietic Progenitor Growth Media(HPGM)において5% CO下で37℃にて3〜6日間、あるいは2%の脱イオン化ウシ血清アルブミン、150μg/ml鉄飽和ヒトトランスフェリン、900μg/ml硫酸鉄、90μg/ml硝酸鉄、100μg/mlインスリン、30μg/ml大豆レシチンおよび7.5μg/mlコレステロールおよび1×10−6Mヒドロコルチゾン(シグマ)を含有し、さらに50ng/ml Flt−3リガンド(FLT−3)、100ng/ml TPO(トロンボポイエチン)および100ng/ml SCF(幹細胞因子)を含有する補足されたHPGMにおいて、液体培地中で5% CO下で37℃にて3〜6日間増殖した。次いで、これらの細胞を、5%CO下で、37℃にて4〜6日間3U/ml EPO(エリトロポイエチン)および50ng/ml IGF−1(インスリン様増殖因子−1)を含有する補足したHPGM中でさらなる増殖により刺激して、CD36を発現させた。
実施例11:FACSによる母体血液からの胎児細胞の分離
実施例10に記載し調製された表現型がシフトしたCD36+細胞は、フルオレセインまたはビオチンのいずれかにコンジュゲートした実施例7により調製されたものから選択されたフィコエリトリン(PE)でコンジュゲートした抗CD36(BD Pharmingen)、および精製されたポリクローナル抗体(Bethel Labs, Montgomery, TX)で免疫染色した。ビオチンをコンジュゲートした抗体を用いたならば、ストレプトアビジン−APC(アロフィコシアニン(allophycocyanin))(BD Pharmingen)でコンジュゲートを検出試薬として用いた。全ての免疫染色は、0.2%のBSAを含有するリン酸塩緩衝食塩水(DPBS)緩衝液(pH 7.4)中で、4〜8℃にて標準的方法により行なった。抗体染色に先立って、細胞を4〜8℃にて30分間、1% Gamimune(Bayer Health Care Research Triangle Park, North Carolina)でインキュベートして、非特異性の抗体結合をブロックした。免疫染色した細胞は、製造者の説明書に従いFACSVantage細胞分画装置 (Becton Dickinson)上で選別および分析した。488nmのアルゴンイオン・レーザーを蛍光体の励起に用い、蛍光を525nm(フルオレセイン)および575nm(PEおよびAPC)で検出した。CD36および標的ペプチドの双方にポジティブに染色されたそれらの細胞を集め、用いられるまで氷上で貯蔵した。対照細胞を、蛍光色素をコンジュゲートしたアイソタイプ適合したIgMフルオレセイン(BD Pharmingen)、IgM−PE(BD Pharmingen)または抗ウサギ・アイソタイプ対照とインキュベートした。細胞凝集または残骸を前方および側方の光散乱におけるゲーティングにより除外した。
実施例12:母体血液からの胎児細胞の磁気分離
実施例10に記載し調製した表現型がシフトしたCD36+細胞は、実施例7により調製されたものから選択されたフィコエリトリン(PE)でコンジュゲートした抗CD36(BD Pharmingen)、およびビオチンでコンジュゲートした抗体で免疫染色した。その二重に標識された細胞は、ストレプトアビジンをコンジュゲートしたMACSマイクロビーズ(Miltenyi Biotec)とインキュベートし、30μmナイロンメッシュを通してろ過して、細胞集団および凝集物を除去した。次いで、選択された胎児細胞マーカーを発現する細胞を、製造者の説明書に従い高勾配磁気分離カラムを用いて、混合物から捕捉した。保持されていない細胞の溶出後、磁場を除去し、磁気的に保持された胎児細胞をSBでカラムから溶出した。この溶出液中のCD36胎児細胞はPEで標識されたものであった。全ての免疫染色は、0.2% BSAを含有するDPBS緩衝液(pH 7.4)中で、4〜8℃にて標準的方法により行った。
実施例13:RNAプローブを用いた遺伝子発現の検出
実施例7において同定した遺伝子の胎児細胞発現をRNAプローブを用いて示す。略言すると、実施例7に記載し同定された1以上の遺伝子に対応するRNAテンプレートを、Promega T-7 Riboprobe In-vitro Transcription System (Promega, Madison, WI.)を用いて提供されたプロトコールに従い、その説明書に従い調製するか、または特にGeneDetect.com (Auckland, NZ)から購入できる。5’−(α’35S)rUTPは、Amersham Pharmacia Biotech (Piscataway, NJ)またはNEN/Perkin Elmer (Boston, MA)から得ることができる。他のすべての試薬は、特記しない限りはPromegaから得ることができる。緩衝液は、特記しない限りは、GeneDetect One-Step RNA Probe Synthesis Templatesにつき提供された説明書に従い調製する。
RNAプローブ調製
RNAプローブを以下のように調製する。2mlの5×転写緩衝液、1μlの100mMジチオトレイトール(DTT)、1μlのRnasin Rnaseインヒビター;3μl水中の1μgの所望のRNAテンプレート(群);および2μl転写緩衝液中の各々5μMのGTP、CTPおよびATPを含有する混合物を1.5mL microfugeチューブの底に凍結乾燥した25μl 35S−UTPに添加する。混合後、1μl T7 RNAポリメラーゼをその混合物に添加し、混合し、30℃にて1時間インキュベートする。完全な転写を保証するために、第2の1μlアリコートのT7 RNAポリメラーゼをその混合物に添加し、混合し、30℃にてさらに1時間インキュベートした後、1ml RQ1 Dnaseを添加し、37℃にて15分間インキュベートすることにより反応を停止する。そのRNAプローブを、20μlの10mMトリス−HCl/1mM EDTA(pH 8.0)緩衝液(TE)および50mgのtRNAの添加により反応混合物から回収し;ボルテックスし;次いで、G−50Sephadexカラム(Amersham Pharmacia Biotech)で脱塩する。プローブ完全性はトリスホウ酸塩−EDTA−尿素緩衝液(TBE)における15%ポリアクリルアミドゲル上の電気泳動によって確認する。
RNAプローブを用いた胎児細胞染色
実施例11に記載されたFACS、または実施例12に記載された磁気分離によって集められたCD36/ペプチド細胞は、沈降、CytoSpin (Thermo-Shandon, Pittsburgh, PA), ThinPrep (Cytyc, Boxborough, MA)または同様の標準的方法によって、ガラス顕微鏡スライド上の単層細胞調製物として調製する。細胞を100mlハイブリダイゼーション緩衝液(HB)で覆い、42℃にて1〜3時間インキュベートして、細胞を透過処理する。処理される各スライドにつき、2μlの所望のRNAプローブおよび1μlの50mg/ml tRNAを組合せて、95℃に3分間加熱して、17μlのHBの添加により冷却する。得られた混合物の20μlをスライド上のHBの100μl小滴に添加し、45〜55℃にて一晩インキュベートする。次いで、標識された標本を、室温で2×SSC−BME−EDTAで各々10分間2回洗浄し;室温で30分間、Rnase Aの20mg/ml 溶液に浸漬し;室温で2×SSC−BME−EDTAで各々10分間2回洗浄し;4Lの0.1×SSC−MBE−EDTAで2時間洗浄し;室温の0.5×SSCで2×10分間洗浄し;0.3M酢酸アンモニウムを含有する50%、70%、および90%エタノールの各々で2分間脱水し、次いで減圧デシケーター中で乾燥する。標識された細胞は、標準的方法でオートラジオグラフィーによって検出する。
実施例14:胎児細胞の診断試験:母体血液から単離された胎児細胞の顕微鏡的な検出および判定。
実施例11に記載されたFACS、または実施例12に記載された磁気分離によって集めることができるCD36/ペプチド細胞を、従前に記載された免疫染色された乱されていない(undisturbed)沈降、CytoSpin (Thermo-Shandon, Pittsburgh, PA), ThinPrep (Cytyc, Boxborough, MA)または同様の方法によって、ガラス顕微鏡スライド上の単層細胞調製物として調製し、次いで、当業者に知られた方法により蛍光顕微鏡法を用いて評価する。CD36および標的ペプチドの双方につきポジティブに染色される細胞の存在は、調製物中での胎児細胞の存在を示す。引き続いて、調製物は、ヘマトキシリンのごとき色の染色でインサイチュにて対比染色でき、その中の細胞を形態学的に評価でき、または蛍光インサイチュハイブリダイゼーション(FISH)のごときインサイチュハイブリダイゼーション染色方法に付して、調製物中の細胞内の特異的な遺伝子または変異した遺伝子の存在を検出できる。かかる対比染色は、当業者に知られた手順により行なわれる。調製物内のCD36/ペプチド細胞の物理的な位置が決定されるならば、この位置情報を用いて、調製物中での、形態分析または特定の胎児細胞とのインサイチュハイブリダイゼーションによって得られた結果を相関できる。CD36/ペプチド細胞と、さらなる試薬で引き続いて染色された同一の細胞との間のかかる相関は、AcCellまたはTracCellコンピューター支援顕微鏡システム(Molecular Diagnostics, Chicago, IL)により例示されるごとき商業的な自動顕微鏡観察システムを用いて容易に行うことができる。
実施例15:胎児細胞の診断試験:母体血液から単離した男性胎児からの細胞中のY染色体のPCR検出
実施例11に記載されたFACSによって集められたCD36/ペプチド細胞をPCRによってテストして、それらがY染色体を含かを判断した。略言すると、全ゲノムDNAを修飾した塩沈澱方法(Puregene DNA Isolation Kit, Gentra systems, Minneapolis, MN)によって単離した細胞から抽出した。約50〜200ngのDNAを、GeneAmp PCR system 9700 Thermocycler (Perkin Elmer, Foster City, CA)、酵素としてPlatinum Taq DNA Polymerase (Invitrogen Corporation, Carlsbad, CA)、および以下の手順を用いて、GAPDHおよびSRYの座の双方につき、従来のポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって分析した。薄壁PCRマイクロチューブをまず94℃にて2分間インキュベートして、試料を変性させ、次いで酵素を活性化させた。次いで、試料を10サイクルの増幅(94℃での15秒の変性工程、59℃での30秒のアニーリング工程よりなる第1の5サイクル、94℃での15秒の変性工程、57℃での30秒のアニーリング工程よりなる引き続いての5サイクル)に続いて、94℃での15秒の変性工程、55℃での30秒のアニーリング工程よりなる30サイクルに付した。72℃で10分間の最終のアニーリング工程はこれに続いた。そのSRY配列を用いて胎児のDNAの存在を測定し、一方、グリセリンアルデヒド−3−リン酸デヒドロゲナーゼ(GAPDH)配列を用いて、各試料中のDNAの完全性および質を確認した。次のオリゴヌクレオチドを用いた:SRY 順方向 5'TCC TCA AAA GAA ACC GTG CAT-3' (配列番号19), SRY 逆方向 5'-AGA TTA ATG GTT GCT AAG GAC TGG AT-3' (配列番号20), GAPDH順方向5'-CCC CAC ACA CAT GCA CTT ACC-3' (配列番号21)およびGAPDH逆方向5'-CCT AGT CCC AGG GCT TTG ATT-3' (配列番号22)。PCR生成物を2%アガロースゲル電気泳動によって単離し、これらの細胞からのDNAから得たY染色体に特異的なフラグメントの存在は、それらが母親からよりむしろ(男性)胎児が起源であることを示した。Y染色体プライマーに代えて適当なプライマーを用いることによって、PCR分析を同様に使用して、特定の疾患の存在と関連するものを含めた集めた細胞の特定の遺伝子および変異した遺伝子の存在を検出し得る。同様に、適当なプローブが使用されるならば、集めた細胞は、FISHのごとき方法によって分析に付すことができる。
実施例16:胎児細胞の診断試験:母体血液から単離した男性胎児からの細胞中のY染色体のRT−PCR検出
リアルタイム定量的PCR分析は、ABI PRISM 7700 Sequence Detection System (Applied Biosystem, Foster City, CA)を用いて、実施例11に記載され単離された胎児細胞につき行い、内部対照として、β−グロビンTaqManシステムを用いることができ、それは、2つのプライマーβ-ブロビン-354 (順方向), 5'-GTG CAC CTG ACT CCT GAG GAG A-3' (配列番号23); β-グロビン-455 (逆方向), 5'-CCT TGA TAC CAA CCT GCC CAG-3' (配列番号24)、および二重標識蛍光性TaqMan プローブ β-グロビン-402T, 5'(FAM) AAG GTG AAC GTG GAT GAA GTT GGT GG (TAMRA)-3' 配列番号 25)から成る。従前に記載され単離された胎児試料中のY染色体の存在を検出するために、SRY TaqManシステムを用いることができ、それは、SRY-109 (順方向) プライマー, 5'-TGG CGA TTA AGT CAA ATT CGC-3' (配列番号26); SRY-245 (逆方向) プライマー, 5'-CCC CCT AGT ACC CTG ACA ATG TAT T-3' (配列番号27)およびプローブ SRY-142T, 5'(FAM) AGC AGT AGA GCA GTC AGG GAG GCA GA (TAMRA)-3' (配列番号28)より成る。TaqMan増幅反応はTaqMan Universal PCR Master Mix (Applied Biosystems)を用いて、25μlの反応容積でセットされる。DNA増幅は、8ウェルの光学チューブ/ストリップ(Applied Biosystems)中で行う。至適なAmpErase UNG活性に必要な50℃での2分間のプレインキュベーションおよびAmpliTaq Gold DNAポリメラーゼの活性化に必要な95℃での10分間のプレインキュベーションを含めた40サイクルの95℃、15秒間および60℃、1分間を用いて、TaqManガイドラインに記載されたTaqMan PCR条件を用いる。各試料を3連にて分析する。較正曲線を各分析と平行して試行する。
実施例17:胎児細胞の診断試験:母体血液から単離された胎児細胞を用いる胎児の性別のFISH決定
スライド調製
実施例11または12に記載し単離した胎児起源の細胞を各々、卓上遠心機を用いて、15mlスクリューキャップチューブでペレットとし、10U/mLのヘパリン(ICN Biomedicals Inc, Aurora, OH)を含有するHPGMで1回洗浄する。細胞を100〜200μlのHPGM/ヘパリンに再懸濁する。PAPペン(Research Products International, Mt. Prospect, IL)を用いて、シラン処理したスライド上の長方形をマークし、100〜200μlの細胞懸濁液を用いて、長方形の全体にわたって広げる。スライドを室温(RT)で30〜45分間インキュベートして、細胞が沈み、スライドに付着するのを可能にする。過剰液体をスライドを側面に傾けることにより除去し、スライドを風乾する。スライドをメタノール:酢酸(3:l)で15分間固着し、風乾させる。スライドは使用まで−80℃で貯蔵する。
蛍光インサイチュ・ハイブリダイゼーション(FISH)
ハイブリダイゼーションの日に、標本を室温(RT)で解凍し、メタノール:酢酸(3:1)で再固定し、風乾し、2×SSC(3M NaCl、0.3Mクエン酸ナトリウム、pH 7.0)中の37℃での30分間インキュベーションにより事前処理した。この後、RTにて70、90および100%の濃度のエタノールを含有するシリーズで脱水する。次いで、標本をペプシン(20μg/ml、Sigma)で処理して、プローブ浸透を改善し、70%ホルムアミド/2×SSC中で72℃で2分間変性させ、氷上で前記のシリーズで脱水させる。各600μlの、染色体XおよびYにつきアルファ・サテライトセントロメア特異的なプローブ、16.8μl CEP緩衝液(Vysis, Downers Grove, IL)および2μl水を合わせる。次いで、プローブ混合物を70℃にて5分間変性させ、予め温められた(37℃)標的標本に適用する。ハイブリダイゼーション領域をガラスカバースリップで密閉し、90秒間80℃オーブンに入れる。湿ったチャンバー中で37℃にて一晩ハイブリダイゼーション後、カバースリップおよび接着剤を取り除く。次いで、スライドを67℃で12秒間0.25×SSCで洗浄し、1分間1×PBD(2−フェニル−5−(4−ビフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール;ONCOR Gaithersburg, MD)で濯ぐ。次いで、標本を顕微鏡分析に先立って10分間、DAPI(4,6−ジアミジノ−2−フェニルインドールII;Vysis)で対比染色する。X−およびY−染色体の存在は、Zeiss Axioskop 顕微鏡(Carl Zeiss, Thornwood, NY)を用いて、蛍光顕微鏡法によって決定する。
前記に具体化された特定の抗体および方法の記載は、典型として意図され、本発明を限定するものではない。本発明の抗体および方法は好ましい具体例の点から記載されたが、本明細書に記載された代替的な実施、組成物および/または方法が本発明の概念、精神および範囲から逸脱することなくなすことができることは当業者に明らかであろう。特に、本明細書に記載されるのと同一の同様の結果を依然として達成しつつ、本明細書に記載された抗体が代替的な手段により行うことができ、本明細書に記載された組成および条件が、特定の細胞および標本タイプとの適合性のために変更し得ることは明らかであろう。当業者に明らかなかかる同様の代替および改良の全てが、添付された特許請求の範囲に規定された本発明の範囲および精神内にあると考えられる。
図1は、胎児細胞に特異的な抗体の調製のための模式的フローチャートを示す。 図2は、母体末梢血からの胎児細胞の分離における胎児細胞抗体の使用のための模式的フローチャートを示す。

Claims (26)

  1. CD36+胎児肝細胞によって検出可能に発現されるが、CD36+成体末梢血細胞によって検出可能に発現されない細胞性抗原に特異的に結合する抗体。
  2. 抗体が、MS4A10、MS4A7、MS4A6A、ASGR2またはMS4A5として同定される細胞性抗原に特異的に結合する請求項1記載の抗体。
  3. 抗体が、AD026、AD037、AKNA、ASGR2、C1QG、CREM、CSPG2、CXCL16、DCNP1、GPR84、HRB2、JDP2、KCNJ2、MAFB、MGC21854、MRC1、MS4A4A、MS4A6A、MS4A7、MS4A10、MS4A5、MS4A6A、NMES1、PAG、RARVG、PKIB、PRAM−1、PTGFRN、RASGRP4、RCP、S100A8、S100A9またはTIM3である遺伝子によってコード化される細胞性抗原に特異的に結合する請求項1記載の抗体。
  4. 抗体が、AA988769、AI915629、AI681260、AW006441、AV660825、AW135176、AI741439、AV688087、AV646597、AW575863、BF892532、AI536637、AL039884、BE549540、AW303397またはAW872374であるESTを含む遺伝子によってコード化される細胞性抗原に特異的に結合する請求項1記載の抗体。
  5. 該抗体が、蛍光体、放射性同位体、発色団、酵素、ビオチン、アビジン、レクチンまたは微粒子である部分にコンジュゲートする請求項1記載の抗体。
  6. 精製された抗血清を含む請求項1記載の複数の抗体。
  7. モノクローナル抗体である請求項1記載の抗体。
  8. a)体液からCD34+細胞を単離し;
    b)単離されたCD34+細胞を刺激してCD36を発現し;次いで
    c)1または複数の請求項1記載の抗体を用いて工程(b)の刺激された細胞の集団に存在する非−胎児細胞から胎児細胞を分離する工程を含む体液から胎児細胞を単離することを特徴とする方法。
  9. CD34+細胞を、サイトカインFlt−3リガンド、TPO(トロンボポイエチン)およびSCF(幹細胞因子)の存在下で最初に刺激して、増殖させ、引き続いて、EPO(エリトロポイエチン)、SCF、インターロイキン3(IL−3)およびインターロイキン6(IL−6)またはIGF−1の存在下でCD36抗原を発現させることを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. 胎児細胞が、蛍光標示式細胞分取(FACS)により非−胎児細胞から分離されることを特徴とする請求項8記載の方法。
  11. 胎児細胞が、アフィニティークロマトグラフィーにより非−胎児細胞から分離されることを特徴とする請求項8記載の方法。
  12. 胎児細胞が、磁気分離により非−胎児細胞から分離されることを特徴とする請求項8記載の方法。
  13. 体液が、成体の末梢血、その血漿もしくは血清または唾液であることを特徴とする請求項8記載の方法。
  14. a)体液からCD34+細胞を単離し;
    b)単離されたCD34+細胞を刺激して、CD36を発現させ;
    c)1または複数の請求項1記載の抗体を用いて、胎児細胞により有意に発現されるが、非−胎児細胞によって有意には発現されない遺伝子産物の1または複数を利用して結合または標識し;次いで
    d)フローサイトメトリー、顕微鏡観察またはX線撮影により、標識された胎児細胞を検出する工程を含むことを特徴とする体液中の胎児細胞の検出方法。
  15. 体液が、成体の末梢血、その血漿もしくは血清、または唾液であることを特徴とする請求項14記載の方法。
  16. a)体液からCD34+細胞を単離し;
    b)CD34+細胞を刺激して、CD36を発現させ;
    c)1または複数の検出可能に標識されたプローブを用いて、AD026、AD037、AKNA、ASGR2、C1QG、CREM、CSPG2、CXCL16、DCNP1、GPR84、HRB2、JDP2、KCNJ2、MAFB、MGC21854、MRC1、MS4A4A、MS4A6A、MS4A7、MS4A10、MS4A5、MS4A6A、NMES1、PAG、PARVG、PKIB、PRAM−1、PTGFRN、RASGRP4、RCP、S100A8、S100A9またはTIM3である遺伝子または遺伝子産物の1または複数を標識し;次いで
    d)フローサイトメトリー、顕微鏡観察またはX線撮影により、標識された胎児細胞を検出することを特徴とする体液中の胎児細胞の検出方法。
  17. 検出可能に標識されたプローブが、mRNAのプローブまたはリボプローブであることを特徴とする請求項16記載の方法。
  18. 体液が、成体の末梢血、その血漿もしくは血清または唾液であることを特徴とする請求項16記載の方法。
  19. 請求項8により得られた胎児細胞が、FISH、PCRまたはリアルタイムPCRを用いて遺伝学的に評価されることを特徴とする診断方法。
  20. アフィニティークロマトグラフィーが、不溶性支持体にコンジュゲートまたは結合した請求項1の抗体を用いて行なわれることを特徴とする請求項11記載の方法。
  21. 磁気分離が、磁気微粒子の支持体にコンジュゲートまたは結合した請求項1記載の抗体を用いて行なわれることを特徴とする請求項12記載の方法。
  22. CD36+胎児肝細胞により検出可能に発現されるが、CD36+成体末梢血細胞によって検出可能に発現されない細胞表面抗原に特異的に結合する抗体を生成する方法であって、
    a)体液からCD34+細胞を単離し;
    b)単離されたCD34+細胞を刺激して、CD36を発現させ;
    c)工程(c)により刺激されたCD36+細胞を単離し;
    d)胎児の肝臓組織からCD34+細胞を単離し;
    e)胎児の肝臓から単離されたCD34+細胞を刺激して、CD36を発現させ;
    f)工程(e)により刺激された胎児肝細胞からCD36+細胞を単離し;
    g)工程(c)のCD36+細胞および工程(f)のCD36+胎児肝細胞から総RNAを単離し;
    h)工程(g)によるCD36+細胞からの総RNAおよびCD36+胎児肝細胞からの総RNAをcDNAマイクロアレイにハイブリダイズし;
    i)CD36+胎児肝細胞によって有意に発現されるが、CD36+成体末梢血細胞によって有意には発現されない細胞蛋白質をコードする遺伝子を同定し;
    j)それに由来するこのように同定された細胞表面蛋白質またはペプチドを得;次いで
    k)抗原として該細胞表面蛋白質またはそのペプチドを用いて、同定された細胞表面蛋白質に対する抗体を調製する工程を含むことを特徴とする該方法。
  23. CD34+細胞を、サイトカインFlt−3リガンド、TPO(トロンボポイエチン)およびSCF(幹細胞因子)の存在下、または2%脱イオン化ウシ血清アルブミン、150μg/ml鉄飽和ヒトトランスフェリン、900μg/ml硫酸鉄、90μg/ml硝酸鉄、100μg/mlインスリン、30μg/ml大豆レシチンおよび7.5μg/mlコレステロールおよび1×10−6Mヒドロコルチゾンを補足したHPGMを含むサイトカインFlt−3リガンド、TPO(トロンボポイエチン)およびSCF(幹細胞因子)の存在下で刺激して増殖させることを特徴とする請求項22記載の方法。
  24. CD36+細胞を、EPO(エリトロポイエチン)、SCF、インターロイキン3(IL−3)およびインターロイキン6(IL−6)、または3U/ml EPO(エリトロポイエチン)、50ng/ml IGF−1(インスリン様増殖因子−1)および50ng/ml SCFを含有するHPGMの存在下で生成することを特徴とする請求項22記載の方法。
  25. マイクロアレイが、ヒトcDNA FLJ30298 fis、クローンBRACE2003172、ヒトcDNA FLJ33028 fis、クローンTHYMU2000140またはヒトcDNA FLJ21545 fis、クローンCOL06195であるcDNAから調製されることを特徴とする請求項22記載の方法。
  26. 体液が、成体の末梢血、その血漿もしくは血清、または唾液であることを特徴とする請求項22記載の方法。
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