JP2008506023A - 合成炭化水素生成物 - Google Patents
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Abstract
この発明は、合成中間留分を生成するためのプロセス及びそれらから生成される合成中間留分を含む。一実施形態においては、プロセスは、炭化水素合成生成物を分解して少なくとも軽中間留分、重中間留分及びワックス画分を産生する段階と、ワックス画分を熱分解する段階と、重中間留分を異性化する段階とを含む。合成ディーゼル若しくは構成成分は、軽中間留分の少なくとも一部と、熱分解生成物の少なくとも一部若しくは画分と、異性化生成物の少なくとも一部若しくは画分との混成によって形成される。ある実施形態においては、炭化水素合成生成物及び/又は熱分解生成物は水素化還元処理されるであろう。他の実施形態において合成中間留分は、少なくとも二つの画分、すなわち、10%以下の分岐炭化水素を含む軽画分と、少なくとも30%の分岐炭化水素を含む重画分とを有する。
Description
発明の背景
発明の分野
本発明は、フィッシャートロプシュ合成による炭化水素生成の分野に関し、さらに具体的には、フィッシャートロプシュワックスの熱分解及びフィッシャートロプシュ重中間留分の異性化による合成中間留分の生成の分野に関連する。
発明の分野
本発明は、フィッシャートロプシュ合成による炭化水素生成の分野に関し、さらに具体的には、フィッシャートロプシュワックスの熱分解及びフィッシャートロプシュ重中間留分の異性化による合成中間留分の生成の分野に関連する。
発明の背景
地中の埋蔵物中から見つかる天然ガスは、豊富なエネルギー資源である。例えば天然ガスは、とりわけ暖房、料理及び発電用燃料として一般に役立つ。地面の累層から天然ガスを得る段階は、一般に累層へと井戸を掘削することを含む。天然ガスを供給する油井は、天然ガスの消費に対する需要がある場所からしばしば離れている。
地中の埋蔵物中から見つかる天然ガスは、豊富なエネルギー資源である。例えば天然ガスは、とりわけ暖房、料理及び発電用燃料として一般に役立つ。地面の累層から天然ガスを得る段階は、一般に累層へと井戸を掘削することを含む。天然ガスを供給する油井は、天然ガスの消費に対する需要がある場所からしばしば離れている。
従って天然ガスは、慣習的に油源から商業的な目的地への長い距離をパイプラインの中を通って輸送される。大部分が気体によって占められているせいで、この輸送には技術的な課題がある。気体の体積は、同数の気体分子を含む液体の体積より非常に巨大であるため、天然ガスを輸送する段階はそれを液化するために天然ガスを凍結及び/又は加圧することを一般に含む。しかしながら、これは天然ガスの最終的な価格に影響を与え、天然ガスを少量含有する累層に対しては経済的でない。
少量の天然ガスを有する累層は主に石油を含んでおり、石油生成の副産物であるが故に付随ガス(associated gas)と名付けられた天然ガスを伴うであろう。過去においては、付随ガスは一般に燃焼、すなわち外気中で燃やされてきた。しかしながら、現在の環境問題や規制がこの行為を躊躇させ、若しくは禁止している。
さらに、ガソリンや(ケロシン、ディーゼル燃料及び家庭暖房用油といった)中間留分のような液体燃料として使用される原油を自然に生じる源泉は減少しつつあり、数年後には供給が需要を満たさなくなると予測されている。中間留分は一般に、暖房用油、ジェット燃料、ディーゼル燃料及びケロシンを含む。通常の大気条件下で液体である燃料は、エネルギー、設備及び液化に必要な費用を必要としないことに起因して、その価値に加えて、天然ガスよりパイプライン中をより容易に輸送することができるという利点を有する。
それ故、上述した全ての理由のために、天然ガスをよりたやすく輸送できる液体燃料、すなわち通常の温度と圧力で液体である燃料へと変換するための技術の開発に関心が持たれてきた。天然ガスを液体燃料へと変換するための一つの方法は、二つの順次的な化学変換を含む。第一の変換において、天然ガスまたは天然ガスの主要な化学成分であるメタンは、一酸化炭素ガスと水素ガスの混合物である合成ガス(syngas)を形成するために、酸素と反応される。フィッシャートロプシュ処理として知られる第二の変換においては、一酸化炭素と水素は炭素と水素を含む有機分子の混合物へと変換される。炭素と水素のみを含むそれらの有機分子は、炭化水素として知られている。さらにフィッシャートロプシュ処理の間に、炭素と水素に加えて酸素を含む他の有機分子である含酸素化合物が生成されるであろう。直鎖中に結合された炭素を有する炭化水素は、脂肪族炭化水素であり、パラフィン及び/又はオレフィンを含むであろう。パラフィンは合成ディーゼル燃料の原料として特に所望される。
一般にフィッシャートロプシュ生成物ストリームは、様々な数の炭素原子を有し、そのために様々な分子量を有する炭化水素を含む。それ故、天然ガスの変換によって生成されたフィッシャートロプシュ生成物は、一般に気体、液体及びワックスを含む様々な炭化水素を含む。生成物の分子量の分散に依存して、様々なフィッシャートロプシュ生成物の混合物は観念的には様々な使用に適合する。例えば、液体を含むフィッシャートロプシュ生成物の混合物は、(ケロシン、ディーゼル燃料のような)中間留分と同様にガソリンを得るために処理されるであろう。炭化水素ワックスは、液体及び/又は気体の炭化水素へと変換するための追加の処理段階に用いられるであろう。このように、燃料へと加工するためのフィッシャートロプシュ生成物ストリームの生成においては、液体及びワックスであって気体でない炭化水素(例えばC5+の炭化水素)を主に得ることが望ましい。
高品質のディーゼルは、フィッシャートロプシュ処理による望ましい生成物である。高品質のディーゼルは一般に、フィッシャートロプシュワックスの水素化分解及び、フィッシャートロプシュ処理において直接生成されるディーゼル範囲の成分と水素化分解生成物の混合によって調製される。水素化分解反応は、通常パラフィンの水素異性化が直後に行われ、該水素異性化は一般に改善された低温フローの性質を有するディーゼルを生成する。しかしながら欠点には、ディーゼルのセタン価の低下が含まれる。更なる欠点には、水素化分解反応に用いられる触媒に伴う費用が含まれる。
それ故に、フィッシャートロプシュ処理における、改善された低温フローの性質とセタン価を有するディーゼル生成物に対するニーズがある。更なる要望には、フィッシャートロプシュ処理におけるディーゼル生成物の費用を削減することが含まれる。
米国特許第4,579,986号明細書
米国特許第4,042,488号明細書
米国特許第6,703,535号明細書
米国特許第5,282,958号明細書
米国特許第5,135,638号明細書
米国特許第5,246,566号明細書
米国特許第5,082,986号明細書
米国特許第5,723,716号明細書
米国特許第5,049,536号明細書
米国特許第4,943,672号明細書
欧州特許第0582347号明細書
欧州特許第0668342号明細書
国際公開公報第96/26993号明細書
国際公開公報第96/13563号明細書
「CRC Handbook of Chemistry and Physics」82版、2001−2002
いくつかの好適な実施形態の簡潔な概要
技術的なこれら及び他の要望は、ある実施形態において合成ディーゼルを生成するためのプロセスによって解決される。そのプロセスは、合成ガスを炭化水素合成反応機へ供給し、合成ガスの少なくとも一部をそこで反応させて、C5+の炭化水素を含む炭化水素合成生成物を産生する段階と、炭化水素合成生成物を含む炭化水素供給を水素化還元処理して、水素化還元処理(hydrotreated)された炭化水素ストリームを形成する段階とを含む。そのプロセスはさらに、水素化還元処理された炭化水素ストリームを含む分画機供給ストリームを分画して、少なくとも軽中間留分、重中間留分及びワックス画分を生成する段階と、ワックス画分の少なくとも一部を熱分解して、熱分解溶出物を生成する段階とを含む。加えて、そのプロセスは、熱分解溶出物の少なくとも一部若しくは一画分を水素化還元処理して、水素化還元処理済熱分解生成物を形成する段階と、重中間留分の少なくとも一部を異性化して、異性化重中間留分生成物を生成する段階とを更に含む。好適な実施形態においては、軽中間留分は軽ディーゼル留分であり、重中間留分は重ディーゼル留分である。
技術的なこれら及び他の要望は、ある実施形態において合成ディーゼルを生成するためのプロセスによって解決される。そのプロセスは、合成ガスを炭化水素合成反応機へ供給し、合成ガスの少なくとも一部をそこで反応させて、C5+の炭化水素を含む炭化水素合成生成物を産生する段階と、炭化水素合成生成物を含む炭化水素供給を水素化還元処理して、水素化還元処理(hydrotreated)された炭化水素ストリームを形成する段階とを含む。そのプロセスはさらに、水素化還元処理された炭化水素ストリームを含む分画機供給ストリームを分画して、少なくとも軽中間留分、重中間留分及びワックス画分を生成する段階と、ワックス画分の少なくとも一部を熱分解して、熱分解溶出物を生成する段階とを含む。加えて、そのプロセスは、熱分解溶出物の少なくとも一部若しくは一画分を水素化還元処理して、水素化還元処理済熱分解生成物を形成する段階と、重中間留分の少なくとも一部を異性化して、異性化重中間留分生成物を生成する段階とを更に含む。好適な実施形態においては、軽中間留分は軽ディーゼル留分であり、重中間留分は重ディーゼル留分である。
他の実施形態において、発明はディーゼルを生成するためのプロセスを含む。そのプロセスは、合成ガスを炭化水素合成反応機へ供給し、合成ガスの少なくとも一部をそこで反応させて、C5+の炭化水素を含む炭化水素合成生成物を産生する段階を含む。そのプロセスは更に、炭化水素合成生成物を含む分画機を供給して、分画機において分画機供給を分離し、少なくとも軽ディーゼル留分、重ディーゼル留分及びワックス画分を生成する段階を含む。加えてそのプロセスは、ワックス画分の少なくとも一部を熱分解機において分解して、熱分解溶出物を生成する段階と、任意に熱分解溶出物の少なくとも一部若しくは少なくとも一画分を水素化還元処理する段階とを含む。さらにそのプロセスは、軽ディーゼル留分を水素化還元処理して、水素化還元処理済軽ディーゼル留分を生成する段階と、任意に、重ディーゼル留分を水素化処理(hydroprocessing)する段階とを含む。その上そのプロセスは、重ディーゼル留分を異性化して、異性化した溶出物を生成する段階を含む。
他の実施形態においては、炭化水素合成反応機はフィッシャートロプシュ反応機を含む。さらなる実施形態は、水素化還元処理段階を伴う水素化処理を含む。
第三の発明の実施形態は、液体燃料若しくは混合燃料としての使用に適したおよそC10−C22の炭化水素を主に含む合成中間留分を有する。前記合成中間留分は少なくとも二つの画分、すなわち、軽画分及び重画分を有する。軽画分は、約360°F(182℃)未満の5%沸点及び約500°F(260℃)と550°F(288℃)との間の95%沸点によって特徴付けられ、少なくとも約90パーセントの直鎖炭化水素を含む。重画分は、約500°F(260℃)と550°F(288℃)との間の5%沸点及び約630°F(332℃)より高い95%沸点によって特徴付けられ、少なくとも約30パーセントの分岐炭化水素を含む。
本発明の更なる実施形態には、燃料若しくは混合燃料としての使用に適した合成中間留分が含まれる。合成中間留分は少なくとも二つの画分、すなわち、軽炭化水素画分及び重炭化水素画分を含む。軽炭化水素画分は、合成中間留分中に体積で約25から約40パーセントの間の最も揮発性の高い炭化水素を含み、10パーセント未満の分岐炭化水素を含む。重炭化水素画分は、合成中間留分中に体積で約10から約40パーセントの間の最も揮発性の低い炭化水素を含み、少なくとも約30パーセントの分岐炭化水素を含む。
更なる実施形態は、最軽量炭化水素から最重量炭化水素までの様々な沸点の炭化水素を含む燃料若しくは混合燃料としての使用に適した合成中間留分を含む。ある実施形態においては、合成中間留分は少なくとも第一の沸点範囲及び第二の沸点範囲を有する。加えて留分は第一の沸点範囲を有し、その第一の沸点範囲は、合成中間留分中に体積で最大約60パーセントの最軽量炭化水素を含み、さらに少なくとも約80パーセントの直鎖炭化水素を含む。留分は更に第二の沸点範囲を有し、その第二の沸点範囲は、合成中間留分中に体積で最大約40パーセントの最重量炭化水素を含み、更に少なくとも約30パーセントの分岐炭化水素を含む。
それ故に本発明の技術的な利点には、分画機から得られる重沈殿物(heavy bottoms)(ワックス)を熱分解すること及び、改善された中間留分生成物(特にディーゼル燃料、及び/又はジェット燃料)を生成するために、分画機から得られる重中間留分を異性化することが含まれ、その結果、セタン価の低下を伴う問題を克服できる。更なる利点には、ディーゼル燃料が改良された低温フローの性質とセタン価を有することが含まれる。付随的な利点には、フィッシャートロプシュ合成からディーゼル燃料及び/又はジェット燃料を生産するための費用の削減が含まれる。
開示された装置と方法は、従来技術の装置の欠点を克服することができる特徴と利点の組合せを含む。他の特徴と同様に上述の様々な性質は、以下の詳細な説明を読むこと及び、添付の図を参照することによって当業者に容易に理解されるであろう。
発明の好適な実施形態の詳細な説明のために、添付の図面が参照される。
表記法、命名法及び定義
特定の用語が、以下の説明及び請求項全体に渡って特定のシステム要素に言及するために用いられる。当業者が理解するように、個人や会社は異なった名称で要素を指し示すであろう。この書類は、名称は異なるが機能は異ならない要素を区別することを意図しない。ここで用いられる用語は、それらの慣習的及び通常の意味を有することを意図している。開示は、用語の一般的な意味のいずれの部分をも放棄するように解釈されるべきではない。むしろ特別に他の記述がない限り、ここで開示される定義若しくは説明は、用語若しくは言い回しの通常及び慣習的な意味の範囲に補完、すなわち加えること、を意図する。
特定の用語が、以下の説明及び請求項全体に渡って特定のシステム要素に言及するために用いられる。当業者が理解するように、個人や会社は異なった名称で要素を指し示すであろう。この書類は、名称は異なるが機能は異ならない要素を区別することを意図しない。ここで用いられる用語は、それらの慣習的及び通常の意味を有することを意図している。開示は、用語の一般的な意味のいずれの部分をも放棄するように解釈されるべきではない。むしろ特別に他の記述がない限り、ここで開示される定義若しくは説明は、用語若しくは言い回しの通常及び慣習的な意味の範囲に補完、すなわち加えること、を意図する。
本開示中で用いられる場合、“Cn”の炭化水素は、“n”個の炭素原子を有する炭化水素を表す。同様に、“Cn+”の炭化水素または“Cn+”の炭化水素質化合物は、少なくとも“n”個の炭素原子を有する炭化水素若しくは炭化水素質化合物を表す。“Cn−の炭化水素”または“Cn−”の炭化水素質化合物は、“n”個未満の炭素原子を有する炭化水素または炭化水素質化合物を表す。
“ヘテロ原子化合物”は、炭素と水素だけではなく、窒素、硫黄及び/又は酸素のような他の原子も含む有機化合物である。(例えば、酸素、硫黄及び窒素それぞれのような)非炭素及び非水素原子が“ヘテロ原子”である。酸素原子を含むヘテロ原子化合物の例は、アルコール、アルデヒドまたはケトンである。窒素原子を含むヘテロ原子化合物の例は、アミンである。例えば、アセトン(CH3COCH3)及びジプロピルアミン((C3H7)2NH)はヘテロ原子化合物である。
本開示中で用いられる場合、“水素化処理”は有機物ストリームを水素で処理することを意味する。
本開示中で用いられる場合、“水素化還元処理”は通常、二重結合の飽和及びヘテロ原子化合物からヘテロ原子(酸素、硫黄、窒素)の除去を指す。“水素化還元処理”することは、炭化水素ストリーム中の分子の炭素骨格にいかなる実質的な変化も与えることなく、炭化水素ストリームを水素で処理することを指す。例えば、α位に不飽和C=C結合を有するアルケンを主に含む炭化水素ストリームを水素化還元処理することは、対応するアルカンを主に含む炭化水素ストリームを得るであろう(例えばα−ペンテンの水素化還元処理であれば、以下の反応が起こる:H2C=CH−CH2−CH2−CH3+H2→CH3−CH2−CH2−CH2−CH3)。
本開示中で用いられる場合、“水素異性化”は、炭化水素の少なくとも一部をより分岐した炭化水素へと変換することを意味する。水素異性化の例には、直鎖パラフィンのイソパラフィンへの変換が含まれる。水素異性化の他の例には、一分岐パラフィンの二分岐パラフィンへの変換が含まれる。
本開示中で用いられる場合、“熱分解”は通常、触媒を用いることなく熱を加えることによって、高分子量物質の低分子量物質への分解を指す。一般に、熱分解段階中には骨格の異性化はほとんどない。
本開示中で用いられる場合、“水素化分解”は通常、水素ガス存在下及び、一般には触媒存在下における高分子量物質の低分子量物質への分解を指す。“水素化分解”することは、二つの小さな有機分子を形成するために、水素を有する有機分子を結果物たる分子断片へと分割することを意味する(例えばn−デカンの水素化分解の場合、模範的な反応を以下に示す:C10H22+H2→C4H10と骨格異性体+C6H14と骨格異性体)。水素化分解の触媒は水素異性化において活性状態であろうから、水素化分解段階中にいくらかの骨格異性化が起こるであろうし、それ故に小さな炭化水素の異性体が形成されるであろう。
本開示中で用いられる場合、“ディーゼル”は、ディーゼルの範囲に収まる部分を少なくとも有する全ての炭化水素区分である。本出願中のディーゼルの範囲は、約300°Fから約750°F(約150℃から約400℃)の範囲、好ましくは約350°Fから約650°F(約170℃から約350℃)の範囲において沸騰する炭化水素を含む。ディーゼル燃料はディーゼル燃料の範囲以上若しくは以下で沸騰する炭化水素を含むであろうし、そのような付随的な炭化水素は、ジェット燃料が所望されるディーゼル燃料規格を満たせるようにできることを限度とする。
本開示中で用いられる場合、“ジェット燃料”は、ジェット燃料の範囲に収まる部分を少なくとも有する全ての炭化水素区分である。ジェット燃料の範囲は、約250°Fから約550°F(約120℃から約290℃)の範囲、好ましくは約250°Fから約500°F(約120℃から約260℃)の範囲において沸騰する炭化水素を含む。ジェット燃料はジェット燃料の範囲以上若しくは以下で沸騰する炭化水素を含むであろうし、そのような付随的な炭化水素は、ジェット燃料が所望されるジェット燃料規格を満たせるようにできることを限度とする。
本開示中で用いられる場合、“中間留分”は、ASTM D86の標準分留試験において371°F(188℃)と700°F(371℃)の間に収まる50パーセント沸点を有する炭化水素ストリームを意味する。中間留分はケロシン、ジェット燃料、ディーゼル燃料、火炉用油、家庭用暖房油、レンジ用油、ストーブ用油、ディーゼル油、蒸留暖房油、エンジン留分及び第1、第2及び第3燃料油として商業的に知られる生成物を含む。
本開示中で用いられる場合、“ナフサ”の用語は、本開示中で使われた時に骨格中に約C5から約C9間の炭素原子を有する液体生成物を指し、一般にディーゼルの沸点範囲より低い沸点範囲を有するであろうが、沸点範囲の上限はディーゼルの初留点の上限と重複するであろう。
本開示中で用いられる場合、“ワックス”の用語は、本開示中で使われた時に合成炭化水素ワックスを指し、一般にフィッシャートロプシュ由来の生成物から得られる最高沸騰画分または、最高沸騰画分の一つとして得られる。合成炭化水素ワックスはほとんどの場合、室温で固体である。本開示の目的のため、合成炭化水素ワックスは、一般に650°F(343℃)より高い沸点を有するC20+の炭化水素質化合物を重量で少なくとも約20%、好ましくはC20+の炭化水素質化合物を重量で少なくとも40%、更に好ましくはC20+の炭化水素質化合物を重量で少なくとも60%、最も好ましくはC20+の炭化水素質化合物を重量で少なくとも80%含む。合成炭化水素ワックスは、フィッシャートロプシュ処理由来のワックス生成物を好ましく含む。
本開示中で用いられる場合、一般に中間留分の沸点範囲より高い沸点範囲を有するとともに700°F(371℃)以上の沸点を有するいくらかのワックス状の炭化水素を含む炭化水素ストリーム若しくは画分の沸点範囲の分散及び特定の沸点は、通常、他の記述がない限り、米国材料試験協会(ASTM)D2887“GCによる石油画分の沸点範囲の分散”のシムディス法(SimDis method)によって決定される。この試験方法によって測定される場合、試験方法ASTM D2887は大気圧で538℃(1000°F)以下の終点(finalboiling point)を有する画分に適用できる。この試験方法は、55℃(100°F)より高い沸点範囲を有し、外気温でのサンプリングを許容できるだけの十分に低い蒸気圧を有する標品に限定される。ASTM D2887法は通常、約5から44間の炭素原子数を有するn−パラフィンの沸点範囲をカバーする。更に当業者によって、炭化水素の特定の組合せの画分若しくはストリームは、特定の特性を表すであろうことが理解されるべきである。特性は、本開示中で沸点範囲によって定義されるのと同様に定義されるであろう。他の性質は、例えば炭素数、異性化度などが本開示中で考証されるように、特定の画分の特性とは区別される。
本開示中で用いられる場合、700°F(371℃)以上の沸点を有するワックス状の炭化水素を一般にほぼ含まない中間留分(例えばディーゼル、ケロシン、ジェット燃料、ガス油、暖房用油など)の沸点範囲中の炭化水素ストリーム若しくは画分の沸点範囲の分散及び特定の沸点は、他の記述がない限り、ASTM D 86の標準分留方法“大気圧における石油生成物の分留のための標準試験方法”によって通常は決定される。
本開示中で用いられる場合、ストリームの“部分”は前記ストリームの分割ストリーム(split-stream)を表すため、部分とストリームの組成は実質的に同じである。
本開示中で用いられる場合、ストリームの“画分”は、前記ストリームの分留または分画による分離から結果として生じるため、画分及びストリームの組成は実質的に異なる。
例えばC4−C8やC4−C11のような明確な炭素数の分離を有する炭化水素を含む画分の生成は、不可能ではないとしても、一般に非常に困難であり、費用がかかることが当業者によって理解されるはずである。特に工業施設においては、特定の炭素数または温度の分離を標的とした分留処理は、様々な原因によって画分内へと混入する、標的以上または以下の少量の物質を含むであろうことが実態である。例えば、“ディーゼル”の二つの画分が全く同じであることはないが、それにもかかわらず“ディーゼル”として名付けられ、売られている。それ故に、これらの明確に特定された画分または留分は少量の他の物質を含むであろう。標的範囲外の量は一般に、どれだけの時間と費用を使用者が費やそうとするか、及び/又は利用できる分画技術または設備の種類の制限によって、決定されるであろう。
さらに、例えば“分画された”、“分留された”及び“分離された”のように単語が交換可能に用いられる場合、本開示中で個別に交換可能に用いられる用語の全てのグループは、それぞれの通常の意味よりも広い意味を有することができ、一つが交換可能な各用語の全ての範囲を取り入れることを意図する。このように、その他に特別に記述されていない限り、本開示中において用語の範囲の放棄や否定として解釈されるべきものは無い。
好適な実施形態の詳細な説明
図1は、炭化水素合成反応機10、水素化還元処理ユニット15、分画機20、熱分解機25及び異性化反応機30を有する炭化水素生成プロセス5を図示する。
図1は、炭化水素合成反応機10、水素化還元処理ユニット15、分画機20、熱分解機25及び異性化反応機30を有する炭化水素生成プロセス5を図示する。
炭化水素生成プロセス5は、ディーゼル生成物35を生成する。ディーゼル生成物35は、主にC10−C23の炭化水素からなるディーゼルを含む。好ましくは、ディーゼル生成物35は主にC10−C23の炭化水素、更に好ましくは、主にC10−C22の炭化水素を含む。C10−C23またはC10−C22の炭化水素は、任意の適当量で存在するであろう直鎖及び分岐の炭化水素も好ましく含む。好ましくは、C10−C16(またはC10−C17)の炭化水素が少なくとも約80パーセントの直鎖炭化水素、より好ましくは少なくとも約90%の直鎖炭化水素を含む。その上より好ましくは、C10−C16(またはC10−C17)の炭化水素は更に10%以下の分岐炭化水素を含む。他の実施形態においては、C10−C16(またはC10−C17)の炭化水素は、最低でも約80パーセントの直鎖パラフィンを含む。更に他の実施形態においては、C10−C16(またはC10−C17)の炭化水素が、少なくとも約90パーセントの直鎖パラフィンを含む。C10−C16(またはC10−C17)の炭化水素は、約360°F(182℃)未満の5%沸点及び約500°F(260℃)から550°F(288℃)の間の95%沸点に特徴を有するであろう。好ましくは、C17−C23(またはC17−C22)の炭化水素は少なくとも約30パーセントの異性化(または分岐)炭化水素、より好ましくは、最低でも約40パーセントの異性化(または分岐)炭化水素を含む。代替の実施形態においては、C17−C23(またはC17−C22)の炭化水素はさらに直鎖炭化水素を含む。更なる代替の実施形態においては、C17−C23(またはC17−C22)の炭化水素は更に直鎖パラフィンを含む。C17−C23(またはC17−C22)の炭化水素は、約500°F(260℃)から550°F(288℃)の間の5%沸点及び約630°F(332℃)より高い95%沸点に特徴を有するであろう。
以下は、図1に図示されるように本発明の例示的な利用について説明する。合成ガス供給40は、炭化水素合成反応機10へと供給される。合成ガス供給40は、水素または水素源及び一酸化炭素を含む。合成ガス供給40のように炭化水素への変換に適した合成ガス源は、メタンや天然ガス中に含まれる炭化水素のような軽量の炭化水素から、水蒸気改質、自動熱改質、乾燥改質、改良型ガス加熱改質、部分酸化、触媒部分酸化、それらの組合せ若しくは技術的に知られている他の処理によって得ることができる。また、合成ガス源は気体化によってバイオマスから及び/又はコールから得ることもできる。加えて合成ガス供給40は、ここに示される若しくは他のフィッシャートロプシュ反応機または処理から再利用される排気を含むことができる。好適な実施形態によると、部分酸化、及び特に触媒部分酸化は、合成ガス生成反応の少なくとも一部を担うことができる。合成ガス源は、主に水素と一酸化炭素を含むであろうが、蒸気、窒素、二酸化炭素、アンモニア、シアン化水素、メタン、他の軽量の炭化水素及び/又は酸素を含む多くの他の微量成分が存在するであろう。合成ガス源はそのままで用いられるか、合成ガス供給40を形成するために処理されるであろう。このように合成ガス供給40は、炭化水素合成の触媒反応に対して、不活性化する若しくは中毒化する効果のような有害な効果を有する成分や要素を低濃度でのみ含むべきである。例えば合成ガス源は、合成ガス40が低濃度の硫化水素、シアン化水素、アンモニア及び硫化カルボニルのような硫黄または窒素化合物を含むことを保証するために、前処理をする必要があるであろう。
炭化水素合成反応機10は、炭化水素が合成ガスから生成されるいかなる反応機をも含む。炭化水素合成反応機10は、好ましくはフィッシャートロプシュ合成を含み、更に好ましくは、それは少なくとも一つのフィッシャートロプシュ反応機を含む。あるフィッシャートロプシュ触媒は、CO2と水素を生成するために、いくらかのCOを水と反応させるための十分な水性ガスシフト活性を有するものの、好ましくは、水素は遊離型水素によって供給される。生成された水素はフィッシャートロプシュ合成中で反応されるであろう。合成ガス供給40中の水素と一酸化炭素のモル比(H2:CO)は、(例えば約0.67から約2.5のように)0.5:1より大きいことが望ましい。コバルト、鉄、ニッケル及び/又はルテニウムの触媒を使う時は、好ましくは、合成ガス供給40は水素と一酸化炭素をモル比H2:COで約1.4:1から約2.3:1で、更に好ましくは、約1.7:1から2.2:1で含む。合成ガス供給40は二酸化炭素も含むであろう。
合成ガス供給40は、反応領域で触媒と接触する。従来設計の機械装置は、例えば数ある中でも、固定化床、液化床、スラリー泡立てカラム、スラリーフェーズ(slurry phase)、スラリー床または沸騰床反応機を含む反応領域として採用されているであろう。従って、触媒粒の好適な大きさと物理的な形状は、それらが用いられる反応機に依存して変化するであろう。
好適な実施形態において、炭化水素合成反応機10は炭化水素合成触媒を有する。炭化水素合成触媒は、好ましくはフィッシャートロプシュ触媒である。フィッシャートロプシュ触媒は、技術的に良く知られており、任意にプロモータ(promoter)及び/又は支持構造を伴う触媒活性のある金属を一般に含む。フィッシャートロプシュ触媒に属する最も一般的な触媒金属は、コバルト、ニッケル、ルテニウム、鉄またはそれらの混合物のように周期表(例えば”CRCHandbook of Chemistry and Physics”の82版2001−2002にあるような以前のIUPAC表記法)の第8族金属から選択される。フィッシャートロプシュ触媒に使用される好適な金属は、コバルト、鉄及び/又はルテニウムであるが、本発明はこれらの金属またはフィッシャートロプシュ反応に限定するものではない。プロモータ及び支持物質は、本発明に必須ではなく、仮にそうであるとしても、技術的に知られ使用されているいかなる組成をも含むであろう。フィッシャートロプシュ合成に適したプロモータは、周期表の第1A族(例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム)、第7A族(例えば、マンガン、レニウム)、第8族(例えば、ルテニウム、プラチナ、パラジウム)、第1B族(例えば、銅、銀)及び第3B族(例えば、ホウ素)から少なくとも一つの元素を含むであろう。触媒金属がコバルトである場合、好適なプロモータにはルテニウム(Ru)、プラチナ(Pt)、パラジウム(Pd)、レニウム(Re)、ホウ素(B)、銀(Ag)若しくはそれらの二つ以上の任意の組合せが含まれる。触媒金属が鉄である場合、好適なプロモータにはリチウム(Li)、銅(Cu)、カリウム(K)、銀(Ag)、マンガン(Mn)、ナトリウム(Na)若しくはそれらの二つ以上の任意の組合せが含まれる。触媒金属がルテニウムである場合、好適なプロモータにはレニウム(Re)が含まれる。適切な支持物質は、触媒混合物中で用いられる場合、無機酸化物支持材、たとえば、アルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、マグネシア若しくはそれらの二つ以上の任意の組合せ物、たとえば、シリカアルミナ(silica-alumina)を含む。ある好適な実施形態においては、これらの無機酸化物支持材は、構造プロモータまたは固定材、若しくは化学修飾剤またはドーパント(dopant)の使用によって、安定化、ドープ処理(doped)若しくは修飾され、それらから作られる支持材及び触媒に水素化熱耐性及び/又は耐磨耗性が付与される。
好適な実施形態においては、炭化水素合成反応機10はフィッシャートロプシュ反応機を有する。炭化水素合成プロセスは一つ以上の炭化水素合成反応機10を含むであろう。一つより多い反応機10が使用される場合、複数の反応機10は直列及び/又は平行に操作されることができる。フィッシャートロプシュ反応機10は、一般に連続的態様で作動される。この態様においては、反応領域を通るガス時間空間速度(gas hourly space velocity)は、約50から約10000hr-1、好ましくは約300hr-1から約2000hr-1の範囲内であろう。ガス時間空間速度は、反応領域の体積あたり且つ時間あたりのガス反応物の体積として定義され、反応ガスの体積は好ましくは標準状態の気圧(101kPa)及び温度(0℃)であり、更に反応領域の体積は反応容器の容積の部分によって定義される。前記反応容器は、反応が起こり、反応物、生成物及び/又は非反応性ガス(不活性物)を含む気相と、液状/ワックス状の生成物及び/又は他の液体を含む液相と、触媒を含む固相とによって占められる。好適な実施形態においては、反応領域はスラリーを含む。スラリーはフィッシャートロプシュ生成物を一般に含む液体中に分散した触媒粒を含む。前記触媒の分散は、液中でのガス反応体のあわ立ちを含む気体によって影響を受ける。反応領域の温度は、一般に約160℃から約300℃の範囲内にある。好ましくは、反応領域は変換促進条件で約190℃から約260℃、好ましくは約205℃から約230℃の温度で操作される。反応領域の圧力は、一般に約80psia(552kPa)から約1000psia(6895kPa)、より好ましくは約80psia(552kPa)から約800psia(5515kPa)、更により好ましくは、約140psia(965kPa)から約750(5170kPa)の範囲内である。最も好ましくは、反応領域の圧力は約250psia(1720kPa)から約650psia(4480kPa)である。
炭化水素合成反応機10の生成物は、5個以上の炭素原子の炭化水素を主に含む炭化水素合成生成物45である。炭化水素合成生成物45は、アルコール、アルデヒドなどと同様にオレフィンも含むであろう。炭化水素合成生成物45は炭化水素ワックスを好ましく含む。本開示中で用いられる場合、炭化水素ワックスは、外気条件(室温及び大気圧)において固体として存在する様々な炭化水素を含む生成物を意味するであろう。炭化水素ワックスは、少なくとも20個以上の炭素、これ以降はC20+と表す、を有する炭化水素を好ましく含む。本プロセスは、外気温及び外気圧において、気体、液体及び固体(ワックス)状の生成物であろう様々な炭化水素を生成し得る。これらの生成物の分布は、炭化水素合成反応の選択性に反映され、フィッシャートロプシュ合成の技術分野における当業者によって知られているアンダーソン−シュルツ−フローリープロット(Anderson-Schulz-Flory plot)から得られるアルファ価(alpha value)(α)によって最もよく特徴付けられる。C1からC100+の様々な炭化水素は、αに依存して選択的に合成されるであろう。特に重炭化水素生成物に対する選択性は、一般に高α価の特徴を有する。鎖の成長確立が高い場合に、重生成物はワックスに対して比較的高選択的に生成される。鎖の成長確立が低い場合に、メタンは高選択的に生成される。プロセスの好適な実施形態において、炭化水素合成生成物45中のC10+の炭化水素は、少なくとも0.72、好ましくは少なくとも0.85、より好ましくは少なくとも0.87、更により好ましくは0.87から0.95の間のアルファ価によって特徴付けられる。炭化水素合成反応機10中でコバルト触媒を採用しているプロセスのより好適な実施形態においては、炭化水素合成生成物45中のC3+の炭化水素は、約0.85から約0.95の間、好ましくは0.88から0.92の間のα価によって特徴付けられる。
炭化水素合成生成物45は、炭化水素合成生成物45が水素化還元処理をされる水素化還元処理ユニット15へと供給される。水素化還元処理は技術的に良く知られており、炭化水素ストリーム中の分子の炭素骨格にいかなる実質的な変化ももたらすことなく、炭化水素ストリームを水素を用いて処理することを一般に含む。水素化還元処理は、ほぼ全てのアルケン(オレフィンとも呼ばれる)をパラフィンへと好ましく変換する。オレフィンはディーゼル燃料中で化学的不安定性の原因となることが知られている。この不安定性は、燃料装置及びエンジン中で固形の沈着物を形成するであろう粘性物質を形成することでそれ自身を頻繁に具現化する。この不安定性は一般に、酸化安定性ASTM D2274試験によって測定される。従来の水素化還元処理は、(チオール、チオフェン、ベンゾチオフェン及び同様物ような)含硫黄化合物、(アミン、アンモニアのような)含窒素化合物及び(アルコール、アルデヒド、エステル、ケトン及び同様物などのような)含酸素化合物とも呼ばれる酸化炭化水素のようなヘテロ原子化合物中のヘテロ原子の除去もする。
炭化水素合成生成物45がフィッシャートロプシュの(不飽和及び飽和の)C5+炭化水素生成物を主に含むことが予想されるため、炭化水素合成生成物45は、更にいくらかの含酸素化合物を含み得るが、非常に少ない硫黄及び窒素含有物を含むはずである。水素化還元処理ユニット15の水素化還元処理条件は、炭化水素合成生成物45の水素化還元処理の間に、ほぼ全ての不飽和炭化水素を飽和炭化水素へと変換する目的、及びいくらかの若しくはほぼ全ての含酸素化合物を除去する目的で選択することができる。ある実施形態において水素化還元処理段階は、炭化水素合成生成物45中に存在する含酸素化合物を飽和炭化水素へと変換するが、代替の実施形態においては、水素化還元処理段階中の条件は大部分の量の含酸素化合物が未変換のまま残ることを許容する。水素化還元処理は一般に、約80℃から約400℃(約175から約750°F)の温度において水素化還元処理触媒上で起こる。水素化還元処理触媒は、例えばモリブデン(Mo)及び/又はタングステン(W)のような第6A族金属、例えばニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、プラチナ(Pt)、ルテニウム(Ru)、鉄(Fe)及び/又はコバルト(Co)のような第8族金属若しくはそれらの二つ以上の任意の組合せをも含み得る。ニッケル、パラジウム、プラチナ、タングステン、モリブデン、ルテニウム及びそれらの二つ以上の組合せは、一般に高活性触媒であり、鉄及びコバルトは一般に低活性触媒である。
穏和な水素化還元処理段階は水素化還元処理触媒上で行われる。水素化還元処理触媒は、Ni、Pd、Pt、Mo、W及びRuで構成される群から選択される少なくとも一つの金属、好ましくはNi、Co、Mo、Wまたはそれらの二つ以上の任意の組合せ、より好ましくはNiを有する。そのような穏和な水素化還元処理段階は、水素化還元処理機の出口内の水素分圧が約100psiaから約2000psia(約690−13800kPa)であり、350°F(170℃)以上、好ましくは350°F(170℃)から約750°F(400℃)、より好ましくは360°F(180℃)から約750°F(400℃)の温度である穏和な条件下で実施可能である。穏和な水素化還元処理は、ほぼ全ての不飽和炭化水素を飽和炭化水素へと変換し、大部分(>90%)または全てのヘテロ原子を炭化水素ストリームから除去し、及び任意にほとんどの固形物質を捕捉するという利点を有することができる。
水素化還元処理段階についてのある代替の実施形態においては、“超低過酷度水素化還元処理(ultra-low severity hydrotreatment)”段階が、フィッシャートロプシュのC5+炭化水素生成物を主に含む炭化水素ストリーム中に存在するいくらかの含酸素化合物を保持する一方、炭化水素ストリーム中のオレフィンを除去するために用いられるであろう。フィッシャートロプシュ合成由来の含酸素化合物(特にアルコール)は、フィッシャートロプシュ合成によって供給されるディーゼル生成物の潤滑性を都合よく上昇させることが示されている。他の者は、含酸素化合物を保持するために、フィッシャートロプシュ合成によって直接供給されるディーゼル画分の一部を水素化還元処理しないことによってFT生成物のディーゼル画分中の含酸素化合物を維持する方法を報告しているが、非水素化還元処理部分が結果としてオレフィンをディーゼル生成物中に残存させるであろう。
フィッシャートロプシュのC5+の炭化水素生成物を主に含む炭化水素ストリームの“超低過酷度(ultra-low severity)”水素化還元処理段階は、その後に得られる結果物たるディーゼル画分の少なくとも一つにいくらかの含酸素化合物を保持するために、非常に好ましいと出願人は考えている。また、残存した含酸素化合物がその結果物たるディーゼル画分の潤滑性を上昇し得ることが期待されるとも考えている。水素化還元処理プロセスが大部分の含酸素化合物をパラフィンへと変換しないかどうかを決定する二つの重要な要因は、触媒の組成及び温度である。“超低過酷度”水素化還元処理は水素化還元処理触媒とともに起こり得る。水素化還元処理触媒は、以下の金属、すなわち、モリブデン(Mo)及びタングステン(W)のような第6族(以前のIUPAC表記法)の金属、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、プラチナ(Pt)、ルテニウム(Ru)、鉄(Fe)及び/又はコバルト(Co)のような第8族の金属若しくはそれらの二つ以上の任意の組合せのうちの少なくとも一つを含む。Ni、Pd、Pt、W、Mo、Ruまたはそれらの二つ以上の任意の組合せを有する触媒のような高活性触媒は、(“超過酷度”水素化還元処理条件を維持するために)比較的低温、すなわち、約180°Fから約480°F(約80℃から約250℃)の間、より好ましくは約180°Fから約350°F(約80℃から約180℃)の間、更により好ましくは約180°Fから約300°F(約80℃から約150℃)の間で作用させることができる。例のみとして、ニッケルベースの(nickel-based)触媒のような高活性触媒は、約250°F(約121℃)で大部分の含酸素化合物を変換し始める。対照的に、FeまたはCoを含む触媒のような低活性触媒は、約350°F(約180℃)の温度に達するまで大部分の含酸素化合物を変換し始めることはない。(例えばCoやFeのような)低水素化還元処理活性を有するこれらの触媒にとって、“超低過酷度”水素化還元処理に選択される温度幅は、約350°Fから約570°F(約180℃から約300℃)の間である。加えて、例えば圧力及び液体時間空間速度(liquidhourly space velocity)のような他の要素もあり、それらは所望される“超低過酷度”水素化還元処理に影響を与えるために当業者によって変更されるであろう。好ましくは、水素分圧は約100psiaから約1000psia(約690−6900kPa)の間、より好ましくは約300psiaから約500psia(約2000−3500kPa)の間である。時間当たりの液体空間速度は、好ましくは1から10hr-1の間、より好ましくは0.5から6hr-1の間、更により好ましくは約1から約5hr-1の間である。触媒は好ましく支持され、触媒の性能を改善及び/又は構造の完全性を支えるためにプロモータを有することができるにもかかわらず、“超低過酷度”水素化還元処理用の水素化還元処理触媒は、支持材を伴うことも伴わないことも可能であることが理解されるべきである。
水素化還元処理済生成物ストリーム50は、水素化還元処理ユニット15から出て、分画機20へと供給され、そこで、分留区分へと分離される。分留区分は、軽画分55、ナフサ60、軽ディーゼル65、重ディーゼル70及びワックス画分75を含む。本発明は留分60、65及び70を形成することに限定されず、より多い若しくは少ない留分を形成することを含み得ることが理解されるであろう。例えば、他の留分はジェット燃料、暖房用油及びケロシンを含むこともできる。
分画の方法は技術的に良く知られており、水素化還元処理済生成物ストリーム50は、いかなる適切な分画法によっても分画されることができる。分画機20は常圧蒸留カラム(atmospheric distillation column)を好ましく有し、任意に、減圧蒸留カラム若しくは短路蒸留ユニット(short-pathdistillation unit)を更に有するであろう。分画機20用の常圧蒸留カラムに加えて、減圧若しくは短路蒸留ユニットの使用は、常圧蒸留カラムの沈殿物を減圧若しくは短路蒸留ユニットへと供給することによって、様々な沸点範囲である異なるワックス区分の産生を可能にし、軽ワックス区分及び重ワックス区分のような少なくとも二つのワックス区分を得ることができる。熱分解機25へと供給されるワックス画分75は、水素化還元処理済生成物ストリーム50、減圧蒸留カラムからの(減圧蒸留の沈殿物のような)軽ワックス区分または重ワックス区分若しくはそれらの任意の組合せによっても供給される常圧蒸留カラムの沈殿物を含むことができる。それ故一般的に言えば、ワックス画分75は重ディーゼル留分70より高沸点の画分を指す。ある実施形態においてワックス画分75は、重量で少なくとも30%のC20+の炭化水素質化合物、好ましくは重量で少なくとも50%のC20+の炭化水素質化合物、より好ましくは重量で少なくとも70%のC20+の炭化水素質化合物を含む。好適な実施形態においてワックス画分75は、重量で少なくとも90%のC20+の炭化水素質化合物を含む。代替の実施形態においてワックス画分75は、重量で少なくとも10%のC30+の炭化水素質化合物、好ましくは重量で少なくとも20%のC30+の炭化水素質化合物を含む。更に他の実施形態においてワックス画分75は、重量で少なくとも10%のC40+の炭化水素質化合物、好ましくは重量で少なくとも20%のC40+の炭化水素質化合物を含む。ワックス画分75は、分画機20中にある常圧蒸留塔の沈殿物を好ましく含む。
軽画分55は一般に、C5−の炭化水素と言われる通常は外気温で気相にある炭化水素生成物を含む。軽ディーゼル65及び重ディーゼル70は、重ディーゼル70よりも軽い(すなわち低沸点範囲を伴う)炭化水素を含む軽ディーゼル65を有するディーゼル区分を主に含む。軽ディーゼル65は、重ディーゼル70の沸点範囲より一般に低い沸点範囲を有するであろうが、軽ディーゼル65の沸点範囲の上限は重ディーゼル70の初留点の上限と重複し得る。好ましくは、軽ディーゼル65は主にC10−C16の炭化水素を含む。好ましくは、軽ディーゼル65の少なくとも一部が直鎖炭化水素を含む。より好ましくは、軽ディーゼル65が少なくとも約80パーセントの直鎖炭化水素、さらにより好ましくは、少なくとも約90パーセントの直鎖炭化水素、最も好ましくは、少なくとも約93パーセントの直鎖炭化水素を含む。好ましくは、重ディーゼル70は主にC17−C23の炭化水素を含む。重ディーゼル70はワックス画分75の沸点範囲より一般に低い沸点範囲を有するであろう。ある実施形態においては、重ディーゼル70の沸点範囲の上限は、ワックス画分75の初留点の上限と重複することができる。一方、代替の実施形態においては、重ディーゼル70の沸点範囲の上限及びワックス画分75の初留点は重複しない。好ましくは、重ディーゼル70の少なくとも一部が直鎖炭化水素を含む。より好ましくは、重ディーゼル70が、少なくとも約85パーセントの直鎖炭化水素、更により好ましくは、少なくとも約90パーセントの直鎖炭化水素、更に最も好ましくは、少なくとも約93パーセントの直鎖炭化水素を含む。更により好ましくは、軽ディーゼル65及び重ディーゼル留分70が大部分は直鎖(normal)パラフィン(すなわち70%以上のパラフィン)を含み、高セタン価(すなわち70より大きい)を有し、許容範囲の潤滑性を得るために(例えば“超低過酷度”水素化還元処理段階が水素化還元処理機15で用いられた場合)FT合成由来のいくらかの含酸素化合物を有するであろうし、非常に少量の分岐炭化水素を有する。好適な実施形態においては、軽ディーゼル65は、非常に少量の分岐炭化水素(すなわち10重量%未満の分岐炭化水素)若しくはほぼ皆無である分岐炭化水素(すなわち5重量%未満の分岐炭化水素)を含む。ある実施形態においては、軽ディーゼル65及び重ディーゼル70は少なくとも90パーセントの直鎖パラフィンを含む。軽ディーゼル65は、好ましくは、約360°F(182℃)より低い5%沸点、及び約500°F(260℃)から約550°F(288℃)の間の95%沸点によって特徴付けられる。重ディーゼル70は、好ましくは、約500°F(260℃)から550°F(288℃)の間の5%沸点、及び約630°F(332℃)より高い95%沸点によって特徴付けられる。
ワックス画分75は熱分解機25へと供給され、そこで、ワックス画分75の少なくとも一部が熱分解される。ワックス画分75は、任意の所望される炭化水素、好ましくは直鎖炭化水素を生成するために分解されるであろう。好ましくは、ほぼ全てのワックス画分75が熱分解機25へと供給される。ワックス画分75から得られるパージ(図1に示していない)が実施され、いくらかの熱分解耐性物質が除去される。パージストリームは一般に、体積で画分75の約2パーセント以上に相当することはなく、好ましくは体積で画分75の約1パーセント未満である。ワックス画分75からの小さなパージストリームは、(触媒の粒または半粒状物(subparticle)のような)少量の固形物の集積を防ぐために必要であろう。
炭化水素の熱分解は技術的に良く知られており、ワックス画分75の主に直鎖炭化水素への熱分解は、いかなる適切な熱分解処理によっても実現することができる。熱分解は基本的に、触媒や水素を加えることなく熱を加えることで、分子サイズの低下を目的とする。長鎖パラフィンの炭化水素分子は、炭素−炭素結合の開裂によって多くの小さな分子へと分解する(そうして形成された小さな分子は更に分解するであろう)。これが起こる時、親分子に存在する水素原子の数は、各炭素原子に完全な補完を提供するには不十分であろうために、多数のオレフィンまたは“不飽和”化合物が一般に形成される。本発明に限定することなく、開裂は多くの方法で起こり得ることが想定され、結合の開裂のためのフリーラジカル機構が一般に想定される。350−500℃の温度水準において、大きな炭化水素分子は不安定になり、自発的に小分子へと分解する傾向がある。特定の原材料が分解条件下で残っている状態において、時間、温度及び圧力を変化させることによって、分解(変換)の所望される割合は調節することができる。温度及び滞留時間は重要な処理の変更点であり、一方で圧力は二次的な役割を担う。適用する分解条件及び分解生成物の量と種類は、原材料の種類に大いに依存するであろう。
ある実施形態においては、熱分解機25は火炉及び反応チャンバ(図示しない)を有する。例えば、適切な予熱後のワックス画分75は、約380℃から700℃から選択された分解温度、好ましくは約380℃から550℃から選択された分解温度に加熱するために火炉へと送られる。分解は少量が火炉内で、大部分は火炉のすぐ下流に設置された反応チャンバ内で起こる。分解反応は吸熱性であるため、反応チャンバの出口において、温度は火炉の出口(すなわち反応チャンバの入口)より低い。アップフロー(up-flow)反応チャンバは、長い滞留時間を提供し、それ故に反応チャンバを使用しない場合よりも低い分解温度を許容する。利点には火炉及び燃料のコストも含まれる。最近の熱分解用反応チャンバは逆混合(backmixing)効果を減少させて、粘度の減少を最大にするために、内部装置を備えている。一つの分解段階のみが含まれるため、この配置は一段階(one-stage)分解と名付けられてもいる。好ましい適用分解温度は、約500−1100kPa(約60−150psig)の圧力において、約380−700℃、より好ましくは約380−550℃である。熱分解機25へ送られる原材料(ワックス画分75)がより小さな分子サイズを有する場合、より厳しい条件が必要であり、それ故に大きな炭化水素分子より分解するのが困難である。熱分解溶出物80は、分解反応を止めるために(過度のコークス形成を防ぐために)反応チャンバの出口で急冷される。急冷は間接的な熱転移によって(例えば冷却媒体としての水との熱交換によって)、若しくは冷却ストリームによって熱分解溶出物80を希釈することによって達成することができる。適当な冷却ストリームは炭化水素合成生成物45であろう。ワックス画分の他の適した熱分解(すなわち水素及び触媒を伴わないもの)は、例えば米国特許第4,579,986号、第4,042,488号及び第6,703,535号で開示されている。なお、これらの特許は本開示の教示と矛盾しない限度においてその全体がそれぞれ文献援用されている。水(または蒸気)は熱分解機25に供給することができ、吸熱性分解反応に熱を供給するため及び/又はコークスの形成を防止するために、熱分解中に用いることができる。蒸気添加は米国特許第4,579,986号、第4,042,488号及び第6,703,535号で開示されている。しかしながら、熱分解機25の全容量の重量で40%未満、好ましくは重量で30%未満、より好ましくは重量で20%未満のようないくらかの蒸気が熱分解機25に供給されることが出願人によって好まれる。ある実施形態においては、熱分解機25の全容量の10%未満が蒸気からなる。蒸気は、コークス化を防ぐためと同様に、熱分解機へ送られる炭化水素原料(すなわちワックス画分75)を加熱するために通常は加えられる。(蒸気の代わりの)加熱炉は、熱分解機25にとって好ましい熱源である。熱分解作業を実施している時に、ワックス画分75は予熱中に部分的若しくは全体的に蒸発し得る。従って予熱された供給物(ワックス画分75)は、分解作業中に液/気の混合した相または気相で維持されるであろう。
熱分解機25は、いかなる適した条件においても作動し得る。分解作業のための熱分解領域において最適の温度および他の条件は、供給物の組成及びその沸点範囲に依存していくらか変更することができる。一般に温度は、供給物の少なくとも一部を気相に維持するのに十分なほど高いが、供給物が過剰分解するほど高くはない。すなわち、温度及び条件は過度のC5−の炭化水素が生成されるほど苛烈ではない。本発明に限らず、熱分解機25は、約500kPaから約2000kPaの間の圧力において、約380℃から約700℃の間、好ましくは約380℃から約550℃の間の温度で好ましく作動する。熱分解機25にとって、フィッシャートロプシュのワックスから小さな炭化水素の生成を最大にするための最適温度範囲は、供給物(ワックス画分75)のエンドポイント(endpoint)に依存するであろう。一般に、炭素数が大きいほど、最大の変換を達成するために高い温度が必要となる。最大の変換は、所望した生成物の選択性(すなわちディーゼル若しくはジェット燃料のような中間留分)を損ねて得られるであろう。従って、熱分解機25における所望される変換は、10%から70%の間、好ましくは12%から65%の間、より好ましくは15%から60%の間である。熱分解機25内のワックス画分75の最適滞留時間は反応領域中の温度と圧力に依存して変えることができるものの、通常の滞留時間は一般に、約0.5秒から約500秒の間の範囲内であり、好適な範囲は約2.5秒から約300秒の間であり、より好適な範囲は約10秒から約250秒の間であり、最も好適な範囲は約20秒から約200秒の間である。従って、ある経常的な実験は特定の供給物に対する最適分解条件を特定する必要があるであろう。
熱分解溶出物80の少なくとも一部は水素化還元処理ユニット15へと供給され、熱分解溶出物80のその部分はそこにおいて水素化還元処理触媒上で水素ガスと共に水素化還元処理され、ある程度の若しくは好ましくはほとんどの(熱分解中に形成された)不飽和炭化水素質化合物がパラフィンへと変換される。図1は、熱分解溶出物80が水素化還元処理ユニット15に入る前に炭化水素合成生成物45と混合されることを示す。代替の実施形態においては、熱分解溶出物80及び炭化水素合成生成物45は、水素化還元処理ユニット15へと別々に供給される。更に他の実施形態においては、熱分解溶出物80の一部が、水素化還元処理ユニット15への供給を形成するために炭化水素合成生成物45と混合される。また、図示はされていないものの、熱分解溶出物80の少なくとも一部若しくはほぼ全てが、水素化還元処理ユニット15とは異なる第2水素化還元処理ユニット(図示しない)へと供給される。前記第2水素化還元処理ユニットからの水素化還元処理済溶出物は、分画機20若しくは違う分画機(図示しない)へと送られるであろう。この代替実施形態の利点は、熱分解溶出物80中のオレフィンの大部分を適合させるために、第2水素化還元処理ユニット中の(触媒組成、温度、圧力、水素と炭化水素の供給比率のような)異なる水素化還元処理条件を用いることができることである。水素化還元処理されていない熱分解溶出物80のいかなる部分も、かなりの割合のオレフィンを含み、分画機20に供給される代わりに、ポリオレフィン、プラスチック、酸化エチレン、エチレングリコール及び同様の物のような有益な生成物へと更なる変換のための化学原料として用いることができる。好ましくは、ほぼ全ての熱分解溶出物80が水素化還元処理ユニット15へと供給される。この好適な実施形態においては、(水素化還元処理ユニット15を介して)最終的に分画機20へと送られる熱分解溶出物80の再循環は、ほぼ全てのワックス状の炭化水素が炭化水素生成プロセス5中から消滅するまで再循環されることを保証するであろう。
重ディーゼル70は、重ディーゼル70中に含まれる直鎖炭化水素の異性体を得るために、水素異性化するための異性化反応機30へと供給される。重ディーゼル70は様々な目的のため、好ましくは重ディーゼル70に含まれる炭化水素の分岐の割合を増加させるために、異性化することができる。異性化は、ディーゼルの低温フローの性質(すなわち、ASTM D97によって測定されるような流動点(pour point)、ATSM D2500によって測定されるような曇り点(cloud point)若しくはASTM D6371−99によって定義されるような目詰まり点(coldfilter plugging point))の少なくとも一つを改善することができる。一般に流動点とは、流動を阻害するための過剰量のワックスの結晶を形成することなく、燃料を使うことができる最低温度である。燃料の温度が流動点より低い場合、ワックスが析出し始め、それによってフィルターは目詰まりするであろう。流動点は一般に、高パラフィン含有によって上昇する。イソパラフィンは、高パラフィンの炭化水素混合物の流動点を低下させることが知られている。
炭化水素の異性化は技術的に良く知られている。そして、重ディーゼル70は、流動点を低下させるため、つまり低温フロー性質を改善するため及び/又は任意の他の目的のために、分岐を付与するための任意の適切な技法によって水素異性化することができる。
水素異性化は、重ディーゼル70及び水素を水素異性化触媒に通し、供給物中の直鎖パラフィン(及びもしあったとしても、僅かな分岐したイソパラフィン)の少なくとも一部を分岐パラフィンへと変換し、それによって分岐炭化水素の含有量の多い(すなわち、分岐−直鎖(iso-to-normal)パラフィンの比率が異性化への炭化水素供給における分岐−直鎖パラフィンの比率よりも高い)生成物ストリームを生じさせることを含む。水素異性化のための一般的な条件には、約180℃から380℃の温度、約1100kPaから約15000kPa(約150−2200psig)の圧力及び約0.1から約5hr-1の空間速度が含まれる。水素異性化用の触媒は通常、酸性成分と金属成分とからなる二元機能(dual-functional)触媒である。両成分は、異性化反応を誘導するのに必要である。一般的な金属成分はニッケル、モリブデン、タングステン、プラチナ、パラジウム若しくはそれらの二つ以上の任意の組合せであり、プラチナが最も一般に使用される。触媒中の金属の選択及び量は、米国特許第5,282,958号に記載された試験において、10パーセントを超える異性化されたヘキサデカン生成物を得るのに十分であろう。水素異性化に有効な酸性触媒成分には、非晶質シリカアルミナ、フッ化アルミナ、分子ふるい(molecularsieve)(すなわち、ZSM−12、ZSM−21、ZSM−22、ZSM−23、ZSM−35、ZSM−38、ZSM−48、ZSM−57、SSZ−32、SAPO−11、SAPO−31、SAPO−40、MAPO−11、MAPO−31、Yゼオライト、Lゼオライト及びベータゼオライト)及びそれらの二つ以上の任意の組合せが含まれる。
国際特許出願公開公報第96/26993号及び国際特許出願公開公報第96/13563号と同様に、米国特許第5,135,638号、第5,246,566号、第5,282,958号、第5,082,986号、第5,723,716号、第5,049,536号、第4,943,672号及び欧州特許第0582347号及び第0668342号は、本出願の教示と矛盾しない範囲においてそれらの全体が本開示中に文献援用されている。そのような特許及び特許出願は、適切な異性化技術、代表的な処理条件、収量及び生成物の性質を教示する。
異性化反応機30は、所望する水素異性化に適するいかなる条件においても作動し得る。好ましくは、異性化反応機30は、約180℃から約380℃の温度、約1100kPaから約15000kPa(約150−2200psig)の圧力及び約0.1hr-1から5hr-1の空間速度で作動される。異性化重ディーゼル生成物95は水素異性化重ディーゼル70を含む。異性化重ディーゼル生成物95のいかなる部分も異性化炭化水素を含むであろうし、好ましくは、異性化重ディーゼル70が少なくとも約30パーセントの異性化(若しくは分岐)炭化水素、より好ましくは、少なくとも約40パーセントの異性化(若しくは分岐)炭化水素を含む。
ディーゼル生成物35は、異性化重ディーゼル生成物95の少なくとも一部を“そのまま(as is)”用いることによって形成することができる。代替の実施形態においては、異性化反応機30中での水素異性化も、いくらかの炭化水素の水素化分解を結果として生じるであろうし、それ故に9個以下の炭素原子(C9−)を有するいくらかの軽炭化水素を生じるであろう。したがって、異性化重ディーゼル生成物95は、それらの生成された軽炭化水素をディーゼル範囲の(diesel-range)生成物から除去するために、すなわち、主にC9−の炭化水素を含む少なくとも一つの軽画分97及び、分岐したC18−C25の炭化水素を少なくとも30パーセント含むC10−C25の炭化水素を主に含む気化した異性化重ディーゼル生成物98を形成するために、第2分画機32へと供給されるであろう。異性化重ディーゼル生成物95のこの分画は、任意と考えられるが、ディーゼル生成物35の引火点がディーゼルの規格に必要な最小値を満たさない場合に好適である。この第2分画の必要性は、異性化反応機30用に選択された条件及び触媒に依存するであろう。高温、高圧及び/又は触媒の高酸性度は、処理の“過酷度(severity)”を上昇させ、それ故に、水素化分解反応を促進し、その結果として、より多くの軽炭化水素を形成するため、ディーゼル生成物35を形成するために軽ディーゼル65の少なくとも一部と混合する前に、多分、これらの形成された軽炭化水素を異性化重ディーゼル生成物95から除去する必要を生じるであろう。
ある実施形態において異性化重ディーゼル生成物95は、ディーゼル生成物35を形成するために軽ディーゼル留分65と混合することができる。好ましくは、ディーゼル生成物35は気化した異性化重ディーゼル生成物98の少なくとも一部及び軽ディーゼル65の少なくとも一部の混成物を含む。代替の実施形態においてディーゼル生成物35は、異性化重ディーゼル生成物の少なくとも一部及び軽ディーゼル65の少なくとも一部の混成物を含む。ディーゼル生成物35中の軽ディーゼル留分65と気化した異性化重ディーゼル生成物98の(若しくは、軽ディーゼル65と異性化重ディーゼル95の)比率は、ディーゼル生成物35の所望される低温フローの性質に依存する。例えば冬季において、ディーゼル生成物35中でワックスの結晶化を潜在的に引き起こすために、外気が非常に低い(0°F(−18℃)より低い、またある地域においては−20°F(−29℃)より更に低い)地域において、例えばディーゼル生成物35の流動点の低下(すなわち、ディーゼル生成物35中の異性化重ディーゼル生成物画分の増加)が望まれる。このように、ディーゼル生成物35中の異性化重ディーゼル(95または98)の画分は、夏季においてより冬季において多くを占めるであろう。代替の実施形態(図示しない)においては、ディーゼル生成物35は異性化重ディーゼル生成物95、気化した異性化重ディーゼル生成物98または軽ディーゼル65を含む。代替の実施形態においては、ディーゼル生成物35が異性化重ディーゼル生成物95の少なくとも一部、気化した異性化重ディーゼル生成物98の少なくとも一部及び軽ディーゼル65の少なくとも一部の混成物を含む。
ナフサ60は少なくともおよそC6からC9の炭化水素を含むであろう。好適な実施形態においてナフサ60は、およそC5からC9の炭化水素を含む。ある実施形態においてナフサ60は、ナフサとディーゼルとの間に選定された区切りとなる沸点に依存して、およそC6からC10の炭化水素、あるいはおよそC5からC10の炭化水素、またはおよそC5からC11の炭化水素、若しくはおよそC6からC11の炭化水素を含む。ナフサ60は主に直鎖炭化水素を含む。好ましくは、ナフサ60の80パーセントが直鎖炭化水素である。より好ましくは、ナフサ60の90パーセントが直鎖炭化水素である。ナフサ60は、約70°F(21℃)から90°F(32℃)の間の5%沸点、及び約350°F(177℃)未満の95%沸点によって特徴付けられる。直鎖炭化水素は、直鎖アルカン、直鎖アルケン若しくはそれらの混合物を含むであろう。ナフサ60は、主に飽和炭化水素(パラフィン)を好ましく含み、オレフィンは少量のみ含む。ある実施形態においては、ナフサ60は少なくとも80%の直鎖アルカンを含む。そのような直鎖ナフサストリームは、溶媒源としてのオレフィン(すなわちプロピレン、エチレン)の生成用の蒸気分解機供給などのような下流での使用において望ましい。異性化反応機30の下流に配置された任意の第2分画機32から得られるC5−C8の炭化水素を主に含む一つの軽画分の少なくとも一部(またはほぼ全て)が、ナフサ60と混合されるであろうことも想定される。異性化後の任意の第2分画機32から得られるC5−C8の炭化水素を主に含むこの軽画分は、幾分かの異性化軽炭化水素を含むであろうし、それ故にナフサ60へのその付加は、結果物たるナフサ混合物の異性化の割合を増加させるであろう。
図1には図示していないものの、異性化重ディーゼル生成物95の一部は、異性化反応機30へと再循環することができる。また、異性化中に形成された軽炭化水素の大部分をディーゼル生成物95から除去して、気化した異性化重ディーゼル生成物98を形成するために、異性化重ディーゼル生成物95が第2分画機32に通さる時、気化した異性化重ディーゼル生成物98は異性化反応機30へと再循環され得る。異性化反応機30内で(例えば温度を下げることによってのように)より低い変換状態で異性化反応機30を作動させて、前記反応機30における水素化分解を最小にすることが望ましい。異性化反応機30において変換が減少されるであろう(すなわち、より少ない異性化が起きるであろう)ために、異性化収率を上昇させるためには、異性化重ディーゼル生成物95または98の一部の異性化反応機30への再循環が必要であろう。
図2は本発明の付加的な実施形態を図示する。この実施形態では、軽ディーゼル65は水素化還元処理ユニット100で水素化還元処理され、重ディーゼル70が水素化処理ユニット105で水素化処理される。
以下、図2で具現化及び図示されている本発明の例示的な利用を以下に説明する。これは、図1に示されるような上述の実施形態及びそれとは別の実施形態のほぼ全ての要素を含み、以降において考証される追加の要素を含む。炭化水素合成生成物45が炭化水素合成反応機10で生成された後に、それは、軽画分55、ナフサ60、軽ディーゼル65、重ディーゼル70及びワックス画分75を含む分留区分へと分離する分画機20へと供給される。
ワックス画分75は熱分解機25へと供給され、ワックス画分75の少なくとも一部がそこで分解される。熱分解溶出物80は再循環され、炭化水素合成生成物45と共に分画機20へと共供給(co-fed)される。代替の実施形態においては、熱分解溶出物80は熱分解機25から出て、(点線で示されている)水素化還元処理ユニット15へと供給され、そこで熱分解供給物80が水素化還元処理される。そのような代替の実施形態においては、熱分解溶出物80は水素化還元処理ユニット15から出て再循環され、(図示するように)炭化水素合成生成物45と共に若しくは(図示しないが)別々に分画機20へ供給される。他の代替の実施形態においては、熱分解溶出物80の少なくとも一画分は水素化還元処理ユニット15から出て、異性化重ディーゼル生成物95若しくは98の少なくとも一部及び/又は軽ディーゼルの少なくとも一部と混合され、ディーゼル生成物35を形成する。
分画機20での分画後、軽ディーゼル65及び重ディーゼル70は、水素化還元処理ユニット100及び水素化処理ユニット105へとそれぞれ供給され、そこで軽ディーゼル65及び重ディーゼル70がそれぞれ水素化還元処理及び水素化処理される。水素化還元処理ユニット100及び水素化処理ユニット105は、軽ディーゼル65及び重ディーゼル70に存在するほぼ全ての不飽和炭化水素をパラフィンへと大幅に変換する水素化還元処理段階を有する。加えて水素化還元処理段階は、軽ディーゼル65及び重ディーゼル70に存在する含酸素化合物を飽和炭化水素へと変換することもできるが、大部分の含酸素化合物を未変換状態で残すこともできる。水素化還元処理は、約80℃から約400℃(約175から約750°F)の温度において、水素化還元処理触媒上で起こることができる。水素化還元処理触媒は、モリブデン及びタングステンのような第6族金属の少なくとも一つ及び/又はニッケル、パラジウム、プラチナ、ルテニウム、鉄及びコバルトのような第8族金属の少なくとも一つを含む。ニッケル、パラジウム、プラチナ、タングステン、モリブデン、ルテニウム及びそれらの組合せは一般に高活性触媒であり、鉄及びコバルトは一般に水素化還元処理にとって低活性触媒である。
水素化還元処理ユニット100及び水素化処理ユニット105での水素化還元処理は、図1の水素化還元処理処理ユニット15に関して上述したように、穏和な水素化還元処理若しくは“超低過酷度”水素化還元処理を採用することができる。水素化還元処理ユニット100及び水素化処理ユニット105での穏和な水素化還元処理段階は、Ni、Pd、Pt、Mo、W、及びRuから成る群から選択される少なくとも一つの金属、好ましくはNi、Co、Mo、W若しくはそれらの組合せ、より好ましくはNiを有する水素化還元処理触媒上で実施されるであろう。また、この段階は、穏やかな条件下、すなわち、350°F(170℃)より高い、好ましくは350°F(170℃)から約750°F(400℃)、より好ましくは360°Fから約750°F(180から約400℃)の温度で、水素化還元処理ユニット/水素化処理ユニットの出口での水素分圧が約100psiaから約2000psia(690から約13800kPa)の間になるようにして行われる。“超低過酷度”水素化還元処理は、以下の金属のうち少なくとも一つを含む水素化還元処理触媒を伴って起こり得る。以下の金属とは、モリブデン(Mo)、タングステン(W)及びそれらの組合せからなる一群に属する金属、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、プラチナ(Pt)、ルテニウム(Ru)、鉄(Fe)、コバルト(Co)及びそれらの組合せからなる一群に属する金属である。Ni、Pd、Pt、W、Mo、Ru若しくはそれらの組合せを含む触媒のような高活性触媒は、約180°Fから約480°F(約80から約250℃)の間、より好ましくは約180°Fから約350°F(約80℃から約180℃)の間、更により好ましくは約180°Fから約300°F(80から約150℃)の間の(“超低過酷度”水素化還元処理条件を維持するために)比較的低温で好ましく作用される。(例えばCoまたはFeのような)低水素化還元処理活性を有するような触媒にとって、超低過酷度水素化還元処理にとって好ましい温度範囲は、約350°Fから約570°F(約180℃から約300℃)の間である。加えて、超低過酷度水素化還元処理にとって水素分圧は、約100psiaから約1000psia(690から約6900kPa)の間、より好ましくは約300psiaから約500psia(2060から約3450kPa)の間である。液体時間空間速度は、好ましくは1から10hr-1の間、より好ましくは0.5から6hr-1の間、更により好ましくは約1から約5hr-1の間である。
好ましくは、軽ディーゼル65の少なくとも一部が直鎖炭化水素を含む。より好ましくは、軽ディーゼル65が少なくとも約90パーセントの直鎖炭化水素を含む。好ましくは、重ディーゼル70の少なくとも一部が直鎖炭化水素を含む。より好ましくは、重ディーゼル70が少なくとも約85パーセントの直鎖炭化水素を含み、更により好ましくは重ディーゼル70が少なくとも約90パーセントの直鎖炭化水素を含む。更により好ましくは、軽ディーゼル65及び重ディーゼル70が、主に直鎖パラフィンを含み、高セタン価(すなわち70以上)を有し、(例えば、“超低過酷度”水素化還元処理段階が用いられる場合)許容範囲の潤滑性を得るためにFT合成由来のいくらかの含酸素化合物を含むであろうし、非常に低い異性化率を有する。最も好ましくは、軽ディーゼル65及び重ディーゼル70が少なくとも90パーセントの直鎖パラフィンを含む。軽ディーゼル65は分岐炭化水素を含むであろう。好ましくは、軽ディーゼル65が10パーセント未満の分岐炭化水素を有する。
軽ディーゼル65の水素化還元処理は、水素化還元処理済軽ディーゼル110を生成する。好ましくは、水素化還元処理済軽ディーゼル110の少なくとも一部が直鎖炭化水素を含む。より好ましくは、水素化還元処理済軽ディーゼル110が、少なくとも約90パーセントの直鎖炭化水素(最も好ましくは、少なくとも約95パーセントの直鎖炭化水素)を含む。水素化還元処理済軽ディーゼル110は分岐炭化水素、好ましくは10パーセント未満の分岐炭化水素を含むであろう。更により好ましくは、水素化還元処理済軽ディーゼル110が主に直鎖パラフィンを含み、高セタン価(すなわち70以上)を有し、(例えば、“超低過酷度”水素化還元処理段階が用いられる場合)許容範囲の潤滑性を得るためにFT合成由来のいくらかの含酸素化合物を含むであろうし、非常に低い異性化率を有する。重ディーゼル70の水素化処理は水素化処理済重ディーゼル90を生成する。好ましくは、水素化処理済重ディーゼル90の少なくとも一部が直鎖炭化水素を含む。より好ましくは、水素化処理済重ディーゼル90が少なくとも約60パーセントの直鎖炭化水素を含む。水素化処理ユニット105が水素化還元処理を含む場合、水素化処理済重ディーゼル90は少なくとも約80パーセントの直鎖パラフィンを好ましく含む。
代替の実施形態において、水素化処理ユニット105での水素化処理は、重ディーゼル70の水素化分解を更に含み得る。好ましくは、水素化処理ユニット105内での水素化分解は、水素産生成分及び(一般には酸性成分である)分解成分を含む二元機能性水素化分解触媒上で起きる。水素産生成分は、Pt、Pd、Ni、Co、W、Mo若しくはそれらの組合せを含むであろう。二元機能性水素化分解触媒中の水素産生成分は、Pt、Pd若しくはそれらの組合せを好ましく含む。水素化処理ユニット105中の水素化分解触媒用の分解成分は、非晶質分解物質及び/又はゼオライト物質であろう。好適な分解成分は、非晶質シリカアルミナを含むが、(SAPO−11、−31、−37、−41のような)SAPO型分子ふるい、Y型ゼオライト、(ZSM−5、−11、−48のような)ZSM型ゼオライト、SSz−32ゼオライト及び脱アルミ(dealuminated)ゼオライトも用いられるであろう。分解成分は、水素産生成分を支持するが、触媒は、水素産生及び分解成分の両方を支持する結合材を含むであろう。水素化処理ユニット105内での水素化分解のための水素化分解条件は、好ましくは約550°Fから約750°F(260から約400℃)の温度及び約500psigから約1500psig(3550から約10440kPa)の圧力であり、全水素消費が、約0.1から約10hr-1、好ましくは0.25から5hr-1の間の炭化水素原料に基づく時間当たりの液体空間速度を用いて、炭化水素供給のバレル当たり100−2000標準立法フィート(scfH2/bbl HC)若しくは17−360STP m3 H2/m3 HC供給、好ましくは200−1000scfH2/bbl HCである。水素化処理ユニット105が水素化分解を含む場合、水素化処理済重ディーゼル90は主に直鎖パラフィンを好ましく含むであろうが、いくらかのイソパラフィンも含むであろう。
水素化処理済重ディーゼル90は、分岐炭化水素を含む異性化重ディーゼル生成物95を得るために、水素異性化用の異性化反応機30へと供給される。異性化重ディーゼル生成物95は、イソパラフィンとも呼ばれる分岐パラフィンを好ましく含む。ディーゼル生成物35は、“そのままの”異性化重ディーゼル生成物95の少なくとも一部を用いることによって形成されることもできる。代替の実施形態においては、異性化反応機30での異性化が9以下の炭素原子数(C9−)を有するいくらかの軽炭化水素を生成するであろう。そのため、ディーゼル範囲の生成物からそれら生成された軽炭化水素が除去するため、すなわち、主にC9−の炭化水素を含む軽画分、及び少なくとも30パーセントの分岐したC18−C25の炭化水素を有するC10−C25炭化水素を主に含む異性化重ディーゼルを形成するために、異性化重ディーゼル生成物95の少なくとも一部が第2分画機32へと供給されるであろう。少なくとも一部の(若しくは全部の)異性化重ディーゼル生成物95または少なくとも一部若しくは全部の異性化重ディーゼルは、ディーゼル生成物35を形成するために、水素化還元処理済軽ディーゼル110と混合することができる。好ましくはディーゼル生成物35が、異性化重ディーゼル生成物95の少なくとも一部と水素化還元処理済軽ディーゼル110の少なくとも一部との混成物を含む。代替の実施形態においては、ディーゼル生成物35は異性化重ディーゼルの少なくとも一部と水素化還元処理済軽ディーゼル110の少なくとも一部との混成物を含む。更に他の代替の実施形態においては、ディーゼル生成物35が、異性化重ディーゼルの少なくとも一部、異性化重ディーゼル生成物95の少なくとも一部及び水素化還元処理済軽ディーゼル110の少なくとも一部の混成物を含む。代替の実施形態においては、あまり好ましくないものの(図示されていない)、ディーゼル生成物35が、異性化重ディーゼル生成物95、分画された異性化重ディーゼル画分若しくは水素化還元処理済軽ディーゼル110を含む。
ナフサ60は、主に直鎖炭化水素を含み、およそC5からC9の炭化水素、好ましくはC6からC11の炭化水素を主に含む。好ましくは、ナフサ60の80パーセントが直鎖炭化水素である。ナフサ60は、約70°F(21℃)から90°F(32℃)の間の5%沸点、及び約350°F(177℃)未満の95%沸点によって特徴付けられる。直鎖炭化水素は、任意の直鎖炭化水素、好ましくは直鎖アルカン、直鎖アルケン若しくはそれらの混合物、及び好ましくは少なくとも約80パーセントの直鎖アルカンをも含むことができる。他の代替の実施形態においては(図示しない)、ほぼ全てのオレフィンをそれらの対応するパラフィンへと変換するために、ナフサ60は、水素化還元処理ユニット15と同様の条件下において水素化還元処理されることが可能である。そのような高度に水素化還元処理された直鎖ナフサは、溶媒源としてのオレフィン(すなわちプロピレン、エチレン)の生成のための蒸気分解供給などのような下流での使用にとって好ましい。異性化反応機30の下流に配置された任意の第2分画機32から得られるC5−C8の炭化水素を主に含む一つの軽画分の少なくとも一部(若しくは、ほぼ全て)は、結果的に生じるナフサの混合物の炭化水素の分岐率を増加させるために、ナフサ60と混合されるであろうことも想定される。
図1及び2の他の代替実施形態においては、熱分解溶出物80の全てが再循環され、分画機へと供給されるわけではない。そのような代替の実施形態においては、熱分解溶出物80のいかなる所望される部分も、分離されて再循環されないであろう。例えば、熱分解溶出物80由来の直鎖アルファオレフィンは、分離されて分画機20へと再循環されないであろう。(図示しない)他の例においては、熱分解溶出物80は、軽熱分解画分及び重熱分解画分へと分画されることが可能であり、重熱分解画分は水素化還元処理をなされるであろうし、軽熱分解画分はオレフィンを含み、水素化還元処理されないであろう。
本発明は、ディーゼル生成物35を生成する炭化水素生成プロセス5に限定されないことが理解されるであろう。図1及び2の代替の実施形態においては、炭化水素生成プロセス5は、ディーゼル生成物35の代わりに燃料若しくは混合燃料としての使用に適した合成中間留分を生成する。ディーゼル以外の適切な合成中間留分は、ケロシン、ジェット燃料、火炉油、家庭用暖房油、レンジ油、ストーブ油、ガス油、暖房用油、エンジン留分及び第1、第2及び第3燃料油として商業的に知られる生成物を含む。例えば、炭化水素生成プロセス5は、ディーゼル生成物35よりむしろジェット燃料を生成することが可能であり、図1の留分65及び70は、それぞれ軽ジェット燃料区分と重ジェット燃料区分を表す。また、炭化水素生成プロセス5は、ディーゼル生成物35よりむしろ暖房用油を生成することができ、図1の留分65及び70は軽暖房用油及び重暖房用油をそれぞれ表す。代替の実施形態は、燃料若しくは混合燃料としての使用に適した合成中間留分に関係し、前記合成中間留分は少なくとも二つの画分を有する。その一つは、約360°F(182℃)より低い5%沸点、及び約500°F(260℃)から550°F(288℃)の間の95%沸点によって特徴付けられる軽画分である。前記軽画分は少なくとも約90パーセントの直鎖炭化水素を含む。他の一つは、約500°F(260℃)から550°F(288℃)の間の5%沸点、及び約630°F(182℃)より高い95%沸点によって特徴付けられる重画分である。前記重画分は少なくとも約30パーセントの分岐炭化水素を含む。好ましくは、軽画分は10パーセント以下の分岐炭化水素を含む。また、重画分は少なくとも約40パーセントの分岐炭化水素を含み、更に直鎖炭化水素を含む。前記合成中間留分は、およそC10−C22の炭化水素を好ましく含む。合成中間留分中の直鎖炭化水素は、水素化還元処理済フィッシャートロプシュ合成生成物ストリームの少なくとも一つの画分からも、水素化還元処理及び熱分解済のフィッシャートロプシュ合成ワックス状生成物ストリームの少なくとも一つの画分からも供給される。合成中間留分は、流動点、曇り点及び目詰まり点からなる一群より選択される少なくとも一つの合成中間留分の低温フロー性質を改善するのに十分な量の重画分を含む。
図1及び2の他の代替実施形態においては、燃料若しくは混合燃料としての使用に適した合成中間留分は少なくとも二つの画分を含む。一つは、合成中間留分中に体積で約25から約40パーセントの最も揮発性の高い炭化水素を含む軽画分である。前記軽画分は10パーセント未満の分岐炭化水素を含む。他の一つは、合成中間留分中に体積で約10から40パーセントの最も揮発性の低い炭化水素を含む重画分である。前記重画分は少なくとも約30パーセントの分岐炭化水素を含む。“最も揮発性の高い”炭化水素とは、最も低い沸点を有する炭化水素を指し、“最も揮発性の低い”炭化水素とは、最も高い沸点を有する炭化水素を指すことが理解されるであろう。他の実施形態は、少なくとも約40パーセントの分岐炭化水素を含む重画分を有する。更なる実施形態は、少なくとも約80%の直鎖炭化水素、好ましくは少なくとも約90%の直鎖炭化水素を含む軽画分を有する。軽画分は、約360°F(182℃)未満の5%沸点、及び約425°F(218℃)から475°F(246℃)の95%沸点によって特徴付けられるであろ。一方、重画分は、約525°F(274℃)から575°F(302℃)の間の5%沸点、及び約630°F(332℃)より高い95%沸点によって特徴付けられる。また、軽画分は、約300°F(149℃)未満の5%沸点、及び350°F(177℃)から400°F(204℃)の間の95%沸点によって特徴付けられる。一方、重画分は、約425°F(218℃)から450°F(232℃)の間の5%沸点、及び約450°F(232℃)から約550°F(288℃)の間のより高い95%沸点によって特徴付けられる。合成中間留分は、好ましくはディーゼル燃料またはジェット燃料である。好ましくは、合成中間留分は、約340°F(171℃)から約360°F(182℃)の間の5%沸点、及び約620°F(327℃)から約640°F(338℃)の間の95%沸点によって特徴付けられるディーゼル燃料である。また、合成中間留分は、約250°F(121℃)の初留点、及び約475°F(246℃)から約550°F(288℃)の間の終点によって特徴付けられる。
実施形態は、燃料若しくは混合燃料としての使用に適した合成中間留分を含む。合成中間留分は最軽量炭化水素から最重量炭化水素までの様々な沸点の炭化水素を含む。ある実施形態において合成中間留分は、少なくとも第1沸点範囲と第2沸点範囲を有する。第1沸点範囲は、合成中間留分中に体積で約60パーセントまでの最軽量炭化水素、若しくは合成中間留分中に体積で約50パーセントまでの最軽量炭化水素を含むであろう。第1沸点範囲は少なくとも約80パーセントの直鎖炭化水素、若しくは少なくとも約85パーセントの直鎖炭化水素、あるいは、少なくとも約90パーセントの直鎖炭化水素も含むであろう。ある実施形態においては、直鎖炭化水素は主に直鎖アルカンを有する。第2沸点範囲は、合成中間留分中に体積で約40パーセントまでの最重量炭化水素、若しくは合成中間留分中に体積で約35パーセントまでの最重量炭化水素を含むであろう。第2沸点範囲は、少なくとも約30パーセントの分岐炭化水素、若しくは少なくとも約40パーセントの分岐炭化水素、あるいは、少なくとも約50パーセントの分岐炭化水素、同様に若しくは少なくとも約70パーセントの分岐炭化水素、更にあるいは少なくとも約80パーセントの分岐炭化水素も含むであろう。ある実施形態においては、分岐炭化水素が主に分岐アルカンを含む。ある実施形態において、第1沸点範囲は、約360°F(182℃)未満の5%沸点、及び425°F(218℃)から約475°F(246℃)の間の95%沸点によって特徴付けられる。第2沸点範囲は、約525°F(274℃)から約575°F(302℃)の間の5%沸点、約630°F(332℃)より高い95%沸点によって特徴付けられるであろう。ある実施形態においては、合成中間留分は、ディーゼル燃料若しくはジェット燃料である。ある実施例においては、ディーゼル燃料は、約340°F(171℃)から約360°F(182℃)の間の5%沸点、及び約620°F(327℃)から約640°F(338℃)の間の95%沸点によって特徴付けられるであろう。ジェット燃料は、約250°F(121℃)の初留点と、約475°F(246℃)から約550°F(288℃)の間の終点とによって特徴付けられるであろう。ある実施形態においては、合成中間留分は、約40°F(4℃)未満の曇り点、若しくは約30°F(−1℃)未満の曇り点を有する。
本発明の様々な実例たる実施形態を更に説明するために、以下の例が提示される。
例1
直留(straight-run)フィッシャートロプシュ生成物のディーゼル画分は、300°F(149℃)から640°F(338℃)で沸騰する軽区分と、640°F(338℃)から1100°F(593℃)で沸騰する重区分との二つの区分に分留された。この直留フィッシャートロプシュ生成物は、一般的なフィッシャートロプシュ反応条件下(約430°Fまたは221℃及び350psiaまたは2410kPa)で、(約2:1のH2:COモル比の)合成ガス混合物をコバルト触媒と接触させることによって産生された。直留フィッシャートロプシュ生成物は、約154g(200ml)の市販のニッケルベースの素材(エンジェルハード(Engelhard)のNI−3298 E1/16 3F)を含む触媒床を有する水素化還元処理機内で水素化還元処理された。温度は375°F(190℃)であった。また、水素化還元処理機の出口の水素分圧は390psia(2688kPa)であり、水素流は、滴流モード(trickleflow mode)において、3hr-1の液体時間空間速度で2000標準立法フィート毎水素化還元処理機の供給バレル(scf/bbl)であった。分留後に得られた重炭化水素区分は水素異性化ユニットへ供給され、いくらかの直鎖炭化水素(例えばn−パラフィン)が分岐炭化水素(例えばイソパラフィン)へと変換された。実験においては、水素異性化ユニットは、約72g(100ml)の担持水素異性化触媒を備える触媒床を含んでいた。このユニットは、1hr-1液体時間空間速度で2700標準平方フィート毎水素化還元処理機の液体供給バレル(scf/bbl)の水素流で、540°F(282℃)及び水素異性体化出口での水素分圧940psia(6478kPa)に保たれた。異性化生成物は、600°F(316℃)から710°F(377℃)で沸騰する重ディーゼル画分を生成するために分画された。同一の分留画分の流動点を表1に示す。
直留(straight-run)フィッシャートロプシュ生成物のディーゼル画分は、300°F(149℃)から640°F(338℃)で沸騰する軽区分と、640°F(338℃)から1100°F(593℃)で沸騰する重区分との二つの区分に分留された。この直留フィッシャートロプシュ生成物は、一般的なフィッシャートロプシュ反応条件下(約430°Fまたは221℃及び350psiaまたは2410kPa)で、(約2:1のH2:COモル比の)合成ガス混合物をコバルト触媒と接触させることによって産生された。直留フィッシャートロプシュ生成物は、約154g(200ml)の市販のニッケルベースの素材(エンジェルハード(Engelhard)のNI−3298 E1/16 3F)を含む触媒床を有する水素化還元処理機内で水素化還元処理された。温度は375°F(190℃)であった。また、水素化還元処理機の出口の水素分圧は390psia(2688kPa)であり、水素流は、滴流モード(trickleflow mode)において、3hr-1の液体時間空間速度で2000標準立法フィート毎水素化還元処理機の供給バレル(scf/bbl)であった。分留後に得られた重炭化水素区分は水素異性化ユニットへ供給され、いくらかの直鎖炭化水素(例えばn−パラフィン)が分岐炭化水素(例えばイソパラフィン)へと変換された。実験においては、水素異性化ユニットは、約72g(100ml)の担持水素異性化触媒を備える触媒床を含んでいた。このユニットは、1hr-1液体時間空間速度で2700標準平方フィート毎水素化還元処理機の液体供給バレル(scf/bbl)の水素流で、540°F(282℃)及び水素異性体化出口での水素分圧940psia(6478kPa)に保たれた。異性化生成物は、600°F(316℃)から710°F(377℃)で沸騰する重ディーゼル画分を生成するために分画された。同一の分留画分の流動点を表1に示す。
例2
ここまでで考察した形態を用いた場合、以下の表2及び3は、異性化重ディーゼル画分の機能及びその画分の異性化率として、100%の直留中間留分に対しての理論上の曇り点について改善値(%若しくは絶対値)を示す。
ここまでで考察した形態を用いた場合、以下の表2及び3は、異性化重ディーゼル画分の機能及びその画分の異性化率として、100%の直留中間留分に対しての理論上の曇り点について改善値(%若しくは絶対値)を示す。
上記の考察は、本発明の原理及び様々な実施形態の説明を意味する。上記の開示を十分に理解すれば、多くの変更及び改良が当業者にとって明らかになるであろう。
Claims (69)
- 合成ディーゼルを生成するためのプロセスであって、
(A)炭化水素合成反応機へ合成ガスを供給し、合成ガスの少なくとも一部を反応させて、C5+の炭化水素を有する炭化水素合成生成物を産生する段階と、
(B)炭化水素合成生成物を有する炭化水素供給を水素化還元処理して、水素化還元処理済炭化水素ストリームを供給する段階と、
(C)水素化還元処理済炭化水素ストリームを有する分画機供給ストリームを分画して、軽ディーゼル留分、重ディーゼル留分及びワックス画分を生成する段階と、
(D)ワックス画分の少なくとも一部を熱分解して、熱分解溶出物を生成する段階と、
(E)熱分解溶出物の少なくとも一部若しくは画分を水素化還元処理して、水素化還元処理済熱分解生成物を形成する段階と、
(F)重ディーゼル留分の少なくとも一部を異性化して、異性化重ディーゼル生成物を生成する段階と、
を有するプロセス。 - 炭化水素合成反応機がフィッシャートロプシュ反応機を有する請求項1に記載のプロセス。
- 水素化還元処理が約80℃から約400℃の間の温度を有する請求項1に記載のプロセス。
- 段階(B)及び(E)の水素化還元処理が約80℃から約250℃の間の温度を有する請求項1に記載のプロセス。
- 段階(B)及び(E)の水素化還元処理が異なる水素化還元処理機で行われる請求項1に記載のプロセス。
- 段階(B)及び(E)の水素化還元処理が同一の水素化還元処理機で行われる請求項1に記載のプロセス。
- 熱分解溶出物の少なくとも一部若しくは少なくとも一画分を段階(B)へと再循環させう段階をさらに有する請求項6に記載のプロセス。
- 段階(C)がナフサ留分を更に生成する請求項1に記載のプロセス。
- 段階(C)がジェット燃料を更に生成する請求項1に記載のプロセス。
- ナフサ留分が少なくとも90パーセントの直鎖炭化水素を有する請求項8に記載のプロセス。
- 軽ディーゼル留分が主にC10−C16の炭化水素を有し、重ディーゼル留分が主にC17−C23の炭化水素を有する請求項1に記載のプロセス。
- 軽ディーゼル留分が、約360°F未満の5%沸点と、約500°Fから約550°Fの間の95%沸点とによって特徴付けられ、重ディーゼル留分が、約500°Fから550°Fの間の5%沸点と、約630°Fより高い95%沸点とによって特徴付けられる請求項1に記載のプロセス。
- 熱分解が約380℃から約700℃の間で起こる請求項1に記載のプロセス。
- 熱分解が約380℃から約550℃の間で起こる請求項1に記載のプロセス。
- 重ディーゼル留分の異性化が約180℃から約380℃の間の温度で起こる請求項1に記載のプロセス。
- 段階(D)が、熱分解溶出物を軽熱分解画分及び重熱分解画分へと分画する段階を更に有し、段階(E)が、前記重熱分解画分を水素化還元処理する段階を有し、さらに、軽熱分解画分がオレフィンを有すると共に水素化還元処理されない請求項1のプロセス。
- 段階(E)の水素化還元処理済熱分解生成物を分画段階(C)へと供給する段階をさらに有する請求項1に記載のプロセス。
- 軽ディーゼル留分の少なくとも一部と異性化重ディーゼル生成物の少なくとも一部とを混合することによって合成ディーゼルを形成する段階を更に有する請求項1に記載のプロセス。
- 合成ディーゼルが、水素化還元処理済熱分解生成物の少なくとも一画分を更に有する請求項18に記載のプロセス。
- 合成ディーゼルが、少なくとも約80パーセントの直鎖炭化水素を含むC10−C17の炭化水素を有する請求項1に記載のプロセス。
- 合成ディーゼルが、少なくとも約30パーセントの異性化炭化水素を含むC17−C23の炭化水素を更に有する請求項19に記載のプロセス。
- ディーゼルが、少なくとも約40パーセントの異性化炭化水素を含むC17−C23の炭化水素を有する請求項21に記載のプロセス。
- ディーゼルを生成するためのプロセスであって、
(A)炭化水素合成反応機へ合成ガスを供給し、合成ガスの少なくとも一部を反応させて、C5+の炭化水素を有する炭化水素合成生成物を産生する段階と、
(B)炭化水素合成生成物を有する分画機供給を提供する段階と、
(C)分画機内で分画機供給を分離して、少なくとも軽ディーゼル留分、重ディーゼル留分及びワックス画分を生成する段階と、
(D)ワックス画分の少なくとも一部を熱分解機内で分解して、熱分解溶出物を生成する段階と、
(E)熱分解溶出物の少なくとも一部若しくは少なくとも一画分を任意に水素化還元処理する段階と、
(F)軽ディーゼル留分を水素化還元処理して、水素化還元処理済軽ディーゼル留分を生成する段階と、
(G)重ディーゼル留分を任意に水素化処理する段階と、
(H)重ディーゼル留分を異性化して、異性化溶出物を生成する段階と、
を有するプロセス。 - 炭化水素合成反応機がフィッシャートロプシュ反応機を有する請求項23に記載のプロセス。
- 段階(C)が80%より多い直鎖炭化水素を有するナフサ留分を更に生成する請求項23に記載のプロセス。
- 段階(D)の熱分解溶出物の少なくとも一部を水素化還元処理する段階を更に有する請求項23に記載のプロセス。
- 軽ディーゼル留分が主にC10−C16の炭化水素を有し、重ディーゼル留分が主にC17−C23の炭化水素を有する請求項23に記載のプロセス。
- 分解が約380℃から約700℃の間で起こる請求項23に記載のプロセス。
- 分解が約380℃から約550℃の間で起こる請求項23に記載のプロセス。
- 段階(G)の水素化処理が重ディーゼル留分を水素化還元処理する段階を有する請求項23に記載のプロセス。
- 水素化還元処理が約170℃から約400℃の間の温度を有する請求項30に記載のプロセス。
- 水素化還元処理が約80℃から約250℃の間の温度を有する請求項30に記載のプロセス。
- 重ディーゼル留分の異性化が約180℃から約380℃の間の温度で起こる請求項23に記載のプロセス。
- ディーゼルが、水素化還元処理済軽ディーゼル留分の少なくとも一部と、熱分解溶出物の少なくとも一部若しくは一画分と、異性化溶出物の少なくとも一部若しくは一画分とを混合することによって形成される請求項23に記載のプロセス。
- ディーゼルが、ディーゼル中に体積で約25から約40パーセントの最も揮発性の高い炭化水素を有する軽画分を有し、前記軽画分が10%未満の分岐炭化水素を有している請求項23に記載のプロセス。
- 軽画分が少なくとも約90パーセントの直鎖炭化水素を有する請求項35に記載のプロセス。
- ディーゼルが、ディーゼル中に体積で約10から約40パーセントの最も揮発性の低い炭化水素を有する重画分を有し、前記重画分が少なくとも約30パーセントの分岐炭化水素を有している請求項35に記載のプロセス。
- ディーゼルが、約360°F未満の5%沸点と、約425°Fから475°Fの95%沸点によって特徴付けられる軽画分を有し、前記軽画分が少なくとも約80パーセントの直鎖炭化水素を有している請求項23に記載のプロセス。
- ディーゼルが、少なくとも約30パーセントの分岐炭化水素を含むC17−C23の炭化水素を有する請求項23に記載のプロセス。
- ディーゼルが、少なくとも約40パーセントの分岐炭化水素を含むC17−C23の炭化水素を更に有する請求項39に記載のプロセス。
- ディーゼルが、約500°Fから550°Fの間の5%沸点と、約630°Fより高い95%沸点とによって特徴付けられる重画分を有し、前記重画分が少なくとも約30パーセントの分岐炭化水素を有している請求項23に記載のプロセス。
- およそC10−C22の炭化水素を主に有する燃料若しくは混合燃料としての使用に適した合成中間留分であって、
約360°F未満の5%沸点と、約500°Fから550°Fの間の95%沸点とによって特徴付けられる軽画分と、
約500°Fから550°Fの間の5%沸点と、630°Fより高い95%沸点とによって特徴付けられる重画分と、
の二つの画分を有し、前記軽画分が少なくとも約90パーセントの直鎖炭化水素を有し、前記重画分が少なくとも約30パーセントの分岐炭化水素を有する合成中間留分。 - 重画分が少なくとも約40パーセントの分岐炭化水素を含む請求項42に記載の合成中間留分。
- 重画分が更に直鎖炭化水素をさらに有する請求項42に記載の合成中間留分。
- ディーゼル物質の重画分中の分岐炭化水素が、異性化フィッシャートロプシュ重ディーゼル生成物ストリームの少なくとも一画分によって供給される請求項44に記載の合成中間留分。
- 前記軽画分が、少なくとも約95パーセントの直鎖炭化水素を含む請求項42に記載の合成中間留分。
- 前記軽画分が、約10パーセント以下の分岐炭化水素を有する請求項42に記載の合成中間留分。
- 合成中間留分中の直鎖炭化水素が、水素化還元処理済フィッシャートロプシュ合成生成物ストリームの少なくとも一画分によって供給される請求項42に記載の合成中間留分。
- 合成留分中の直鎖炭化水素が、水素化還元処理及び熱分解されたフィッシャートロプシュ合成ワックス生成物ストリームの少なくとも一画分によって更に供給される請求項48に記載の合成中間留分。
- 合成中間留分が、流動点、曇り点及び目詰まり点からなる一群より選択される合成中間留分の低温フロー性質の少なくとも一つを改善するために、十分な量の重画分を有する請求項42に記載の合成中間留分。
- 最軽量炭化水素から最重量炭化水素までの様々な沸点の炭化水素を有する燃料若しくは合成燃料としての使用に適した合成中間留分であって、
合成中間留分が少なくとも第1沸点範囲と第2沸点範囲を有し、
第1沸点範囲は、合成中間留分中に体積で約60パーセントまでの最軽量炭化水素を有し、更に少なくとも約80パーセントの直鎖炭化水素を有し、
第2沸点範囲は、合成中間留分中に体積で約40パーセントまでの最重量炭化水素を有し、更に少なくとも約30パーセントの分岐炭化水素を有する合成中間留分。 - 第2沸点範囲が、少なくとも約40パーセントの分岐炭化水素を有する請求項51に記載の合成中間留分。
- 第1沸点範囲が、約360°F未満の5%沸点と、約425°Fから約475°Fの間の95%沸点とによって特徴付けられる請求項51に記載の合成中間留分。
- 第2沸点範囲が、約525°Fから約575°Fの間の5%沸点と、約630°Fより高い95%沸点とによって特徴付けられる請求項51に記載の合成中間留分。
- 合成中間留分がディーゼル燃料である請求項51に記載の合成中間留分。
- 合成中間留分が、約340°Fから約360°Fの間の5%沸点と、約620°Fから約640°Fの間の95%沸点とによって特徴付けられるディーゼル燃料である請求項55に記載の合成中間留分。
- 合成中間留分がジェット燃料である請求項51に記載の合成中間留分。
- 合成中間留分が、約250°Fの初留点と、約475°Fから約550°Fの間の終点とによって特徴付けられるジェット燃料である請求項57に記載の合成中間留分。
- 第2沸点範囲が、少なくとも約50パーセントの分岐炭化水素を有する請求項51に記載の合成中間留分。
- 第2沸点範囲が、少なくとも約70パーセントの分岐炭化水素を有する請求項51に記載の合成中間留分。
- 第2沸点範囲が、少なくとも約80パーセントの分岐炭化水素を有する請求項51に記載の合成中間留分。
- 第2沸点範囲が、合成中間留分中に最高で35%の最重量炭化水素を有する請求項51に記載の合成中間留分。
- 第1沸点範囲が、少なくとも約85パーセントの直鎖炭化水素を有する請求項51に記載の合成中間留分。
- 第1沸点範囲が、少なくとも約90パーセントの直鎖炭化水素を有する請求項51に記載の合成中間留分。
- 第1沸点範囲が、合成中間留分中に体積で最高で約50パーセントの最重量炭化水素を有する請求項51に記載の合成中間留分。
- 直鎖炭化水素が主に直鎖アルカンを有する請求項51に記載の合成中間留分。
- 分岐炭化水素が主に分岐アルカンを有する請求項51に記載の合成中間留分。
- 合成中間留分が約40°Fより低い曇り点を有する請求項51に記載の合成中間留分。
- 合成中間留分が約30°Fより低い曇り点を有する請求項51に記載の合成中間留分。
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