JP2008505983A - カルボラニルポルフィリン及びそれらの使用 - Google Patents

カルボラニルポルフィリン及びそれらの使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、低毒性ホウ素化化合物及び腫瘍の治療、視覚化及び診断におけるそれらの使用方法に関する。より具体的には、本発明は、低毒性カルボラン含有5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリン化合物及び特に、脳、頭及び首の腫瘍を治療するためにホウ素中性子捕捉療法(BNCT)及び光線力学療法(PDT)においてそれらを使用し、及び組織を包囲する方法に関する。本発明は、また、これらのカルボラン含有テトラフェニルポルフィリン化合物を、腫瘍イメージ化及び/又は診断、例えば、MRI、SPECT又はPETに用いることに関する。

Description

発明の詳細な説明
本発明は、米国エネルギー省により獲得された、付与No. DE-AC02-98CH10886の下に政府支援でなされたものである。米国政府は、本発明におけるいくつかの権利を有する。
発明の背景
癌の治療における放射線及び化学的方法の効果は、治療剤による腫瘍細胞の選択的ターゲティングの欠如により制限されている。通常組織に危害を加えない努力において、現在の腫瘍治療方法は、従って、放射線及び/又は化学治療投与量を最適又は臨床的に適切なレベルよりかなり低いレベルにまで制限している。従って、腫瘍細胞を選択的にターゲティングし及び破壊することが、単独で又は治療方法の一部として可能である化合物を作り出すことが精力的に研究される分野である。
ポルフィリンの新生物組織への既知の親和性のために、ポルフィリンをデリバリー剤として脳、頭及び首及び関連腫瘍における新生物の治療に用いることに強い興味があった。ポルフィリンは、一般に、有色の芳香族系テトラピロール化合物に属し、そのうちのいくつかは、天然に植物及び動物、例えば、クロロフィル及びヘムのそれぞれにみられる。
比較的長いシングレットライフタイムを有するポリフィリン及び他のテトラピロールは、既に、使用されて、光線力学療法(PDT)を用いて悪性腫瘍が治療されている。PDTにおいては、患者は、最初に、感光剤、典型的には、ポルフィリンを注射される。感光性にされた腫瘍細胞は、レーザーレッドライト(laser red light)の強力なビームに付されたとき崩壊されやすい。PDTにおける細胞ダメージの生化学的メカニズムは、一重項酸素により大きく介在されると考えられ、それは、光で励起したポルフィリン分子から酸素分子へのエネルギーの移行により生じる。しかしながら、PDTは、主に、感光性化合物により制限されており、それは、腫瘍細胞への適切な選択性より低く、通常組織への最適な毒性より高い。
癌治療の新しい形態の見込みは、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)である。BNCTは、腫瘍においてホウ素−10、又は10Bとして知られるホウ素の安定核種の選択的蓄積をベースとする二項性の癌治療であり、熱中性子での腫瘍の照射が続く。熱中性子はホウ素−10と衝突し、核分裂を引き起こす(崩壊反応)。核分裂反応は、高い線エネルギー付与(LET)放射線の形態において大量のエネルギーの高度に局所化した放出を引き起こし、それは、低LET放射線、例えばx線より一層効率的に(より高い相対的生物学的効果で)細胞を死滅させることができる。
BNCTにおいては、ホウ素含有化合物が、治療的有効量で投与されるとき非毒性又は低毒性でなければならず及び癌組織に選択的に集積可能でなければならない。例えば、悪性脳腫瘍のための臨床的BNCTは、ホウ素キャリヤーとしてp−ホウ素化フェニルアラニン(BPA)を用いてBrookhaven National Laboratory Medical Departmentで行われた(Chananaら, Neurosurgery, 44, 1182-1192, 1999)。BPAは、低化学毒性の利点を有するが、それは、望ましいより低いレベルで危機的に(critical)通常組織に集積する。特に、腫瘍対通常脳及び腫瘍対血液ホウ素濃度は、約3:1の比にある。そのような低特異性は、腫瘍へのBPAの最大投与量を制限し、なぜなら、通常組織への可能な投与量が制限因子であろうからである。
テトラフェニルポルフィリンとして知られる合成ポルフィリンの特定のクラスは、BNCTのための新規ホウ素キャリヤ化合物のデザインに強い興味を獲得した。テトラフェニルポルフィリン(TPP)は、典型的には、ポルフィリン環の5、10、15及び20位に4つのフェニル環を含む。TPPの利点は、それらの合成の容易さにある。
TPPの溶解性は、一般には、フェニルの位置における置換基により制御することができる。スルホネート又はカルボキシレートを含むそのようなTPPは水溶性である。しかしながら、カルボラン含有TPPのいくつかは、高い親油性を有し、それは、動物に投与するまえに多量の非水性賦形剤を必要とし得る。多量の賦形剤は、それが、細胞のいたるところに均一に分布されるかわりに膜にみられるように、例えば、腫瘍細胞においてミクロ局在性を変更することにより、ポルフィリンの生物学的効果を低減し得る。また、炭素−炭素結合より有意に親水性だけれども、より親水性の結合、例えば、アミド、エステル、ウレア結合の使用が、多くのタイプの条件下で加水分解するために知られている。そのような加水分解は、そのような親水性結合が、カルボラニル基をポルフィリン分子に結合させるために使用されるときにとくに問題であり、なぜなら、加水分解により、標的に到達するまえにカルボニル基の損失を生じるからである。
従って、それらの化学的安定性を損なわないでTPPの親水性挙動を低減する努力が続いている。例えば、ビセンテ(Vicente)らの国際特許出願No. WO 01/85736は、親水基を含むテトラフェニルポルフィリン化合物の合成及び使用を記載する。ビセンテ化合物の特徴は、排他的に、炭素−炭素結合によるカルボラニル基のフェニル基への結合である。そのような炭素−炭素結合は、加水分解又は他の化学的攻撃をうけがちでないが、そのような結合は、有意に、疎水性である。
ポルフィリンは、また、その内部に金属イオンをキレート化する能力を有する利点がある。そのようなキレート化ポルフィリンは、付加的に、ポルフィリン濃度及び/又は診断用薬をリアルタイムでモニターするための視覚化ツールとして機能し得る。例えば、常磁性金属イオンにキレート化されるとき、ポルフィリンは、磁気共鳴映像法(MRI)において造影剤として機能し得、及び放射性金属イオンにキレート化されるとき、ポルフィリンは、単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)又は陽電子放出断層撮影法(PET)のための造影剤として機能し得る。
また、BNCTにおいてキレート化されたホウ素含有ポルフィリンを使用することにより、放射線照射治療容量内の腫瘍及び全組織における及び周囲のホウ素濃度及び分布は、正確に及び迅速に、放射線照射の前及び間に非侵襲的に測定され得る。そのような診断情報は、BNCT治療が、高レベルのホウ素を含むことが知られる組織の領域において熱外中性子の暴露を低減することにより、より急速に、正確に、及び安全に行うことを可能にする。短い放射線照射は、リアクターポート(reactor port)での長期及び頻繁な不器用な頭のポジショニングの患者への不便さ及び不快を取り除くであろう。しかしながら、加速器が生成した中性子の予期される使用は、おそらく、有意に低いフラックスを生成し、これにより長い放射線照射時間をもたらし、長い腫瘍保持時間を有する化合物は危機的になるであろう。
従って、腫瘍においてより長い保持時間を有し、及び通常組織へのダメージが最小で腫瘍細胞を選択的にターゲットとし及び破壊する新規化合物、特には、ホウ素含有ポルフィリンが必要とされる。また、脳、頭及び首及び関連腫瘍の治療のためのより効果的な方法、及びより具体的には、より効果的なBNCT治療及びその中において使用されるホウ素−デリバリー化合物が必要とされる。
発明の概要
本発明は、低毒性ホウ素化化合物及び腫瘍の治療、視覚化及び診断においてそれらを使用する方法に関する。より具体的には、本発明は、低毒性のホウ素化5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリン化合物及び脳、頭及び首及び周辺の組織の腫瘍の治療のためにホウ素中性子捕捉療法(BNCT)又は光線力学療法(PDT)においてそれらを使用する方法に関する。
特には、本発明は、式(1)のホウ素含有5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリンに関する:

Figure 2008505983
(式中、Y1、Y2、Y3及びY4は、独立して、フェニル環においてオルト、メタ又はパラ位にあり、及び独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、又はヒドロキシ、アルコキシ、−C(O)OR5、−SOR6、−SO26、ニトロ、アミド、ウレイド、カルバマト、−SR7、−NR89、又はポリ−アルキレンオキシドより選ばれる1〜4個の親水基で置換されたアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、又はヘテロアリール基;又は式(2):
−X−(CR12r−Z (2)
により表される置換基であり、但し、Y1、Y2、Y3及びY4の少なくとも1つは、式(2)を表し;
Xは、酸素又は硫黄であり;
1、R2、R5、R6、R7、R8及びR9は、独立して、水素及びC1-4アルキルより選ばれ;
Zは、かご構造内に、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも3個のホウ素原子、又は少なくとも1個の炭素原子及び少なくとも5個のホウ素原子を含むカルボランクラスター(cluster)であり;
rは、0又は1〜20の整数であり;
1、W2、W3及びW4は、ヒドロキシ、アルコキシ、−C(O)OR5、−SOR6、−SO26、ニトロ、アミド、ウレイド、カルバマト、−SR7、−NR89、又はポリ−アルキレンオキシドより独立して選ばれる親水基であり;
a、b、c及びdは、独立して、1〜4の整数を表し;
m、n、p及びqは、独立して、0又は1〜4の整数であり;
但し、m、n、p及びqの少なくとも1個は、0でなく、及び合計a+m、b+n、c+p、及びd+qの各々は、独立して、1〜5の整数を表し;及び
Mは、2個の水素イオン;単一の一価金属イオン;2個の一価金属イオン;二価金属イオン;三価金属イオン;四価金属イオン;五価金属イオン;六価金属イオン;ラジオアイソトープ介在放射線治療において有用な又は単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)又は陽電子放出断層撮影法(PET)によりイメージ化可能な放射性金属イオン;磁気共鳴映像法(MRI)により検出可能な常磁性金属イオン;ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)又は光線力学療法(PDT)に適する金属イオン;又はそれらの組み合わせのいずれかであり;ここで、単一の一価金属イオンより誘導されるポルフィリン−金属錯体は、対カチオンにより荷電平衡化(charge-balance)され、及び三価、四価、五価、六価金属イオンより誘導されるポルフィリン−金属錯体は、適切な数の対アニオン、ジアニオン又はトリアニオンにより荷電平衡化される)。
Zは、好ましくは、カルボラン−C2HB910又は−C2HB1010(式中、−C2HB910は、ニド(nido)オルト−、メタ−又はパラ−カルボランであり、及び−C2HB1010は、クロソ(closo)オルト−、メタ−又はパラ−カルボランである)より選ばれる。
Mは、好ましくは、バナジウム(V)、マンガン(Mn)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、テクネチウム(Tc)、クロム(Cr)、白金(Pt)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、錫(Sn)、イットリウム(Y)、金(Au)、バリウム(Ba)、タングステン(W)又はガドリニウム(Gd)である。より好ましい実施態様においては、Mは、銅(Cu)又はニッケル(Ni)である。
好ましい実施態様においては、a、b、c及びdが1であり、及びY1、Y2、Y3及びY4が−X−(CR12r−Z (2)により表される。
更に好ましい実施態様においては、XがOであり;R1及びR2がHであり;rが1であり;及びm、n、p及びqの各々が1である。
ある実施態様においては、Y1、Y2、Y3及びY4が、フェニル環においてパラ位にあり、及びW1、W2、W3及びW4が、独立して、ヒドロキシ又はアルコキシ基である。より好ましくは、ヒドロキシ又はアルコキシ基は、フェニル環のメタ位にある。
好ましくは、W1、W2、W3及びW4がメトキシ基である。より好ましくは、メトキシ基は、フェニル環のメタ位にある。
別の実施態様においては、Y1、Y2、Y3及びY4が、−X−(CR12r−Z (2)により表され及びフェニル環においてパラ位にあり;XがOであり;R1及びR2がHであり;rが1であり;m、n、p及びqの各々が1であり、及びW1、W2、W3及びW4がヒドロキシである。更に別の実施態様においては、ポルフィリン化合物が対ジアニオンを要求するとき、対ジアニオンは、二価の負電荷を含むポルフィリン化合物である。二価の負電荷を含むポルフィリン化合物は、本発明のカルボラン含有ポルフィリン化合物であってもよく、但し、Mは存在しない。
本発明は、また、SPECT、PET又はMRIによる腫瘍イメージ化方法、及び二項性の癌治療の方法、例えば、BNCT及びPDTを含み、それらは、被検体(subject)に上記ポルフィリン化合物の1又はそれより多くを含む組成物を投与することを要求する。好ましい実施態様においては、組成物は、本質的に、上記ポルフィリン化合物の1又はそれより多くである。
発明の詳細な記載
本発明は、式(1):
Figure 2008505983
を有するホウ素含有5,10,15,20−テトラフェニルポルフィリンに関する。
1、Y2、Y3及びY4は、独立して、フェニル環におけるオルト、メタ又はパラ位にある。Y1、Y2、Y3及びY4は、独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、又は−X−(CR12r−Z (2)により表される置換基である。
1、Y2、Y3及びY4のいずれかがアルキルであるとき、アルキルは、場合により、3個までの二重結合又は三重結合を含んでいてもよい、1〜20個の炭素原子を含む直鎖又は分枝鎖アルキル基である。アルキル基のいくつかの例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソ−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−ブチニル、2−メチル−2−ブテニル、n−ペンチル、ドデシル、ヘキサデシル、オクタデシル、及びエイコシルが挙げられる。
アルキル基は、未置換であっても又は1〜4個の親水基で置換されていてもよい。適切な親水基のいくつかの例としては、ヒドロキシ、アルコキシ、−C(O)OR5、−SOR6、−SO26、ニトロ、アミド、ウレイド、カルバマト、−SR7、−NR89、又はポリ−アルキレンオキシドが挙げられる。R5、R6、R7、R8及びR9は、独立して、水素及びR5、R6、R7、R8及びR9についてのアルキル基が1〜4個の炭素原子を含むことを除いては、上記で定義したようなアルキル基より選ばれる。
アルキル基の炭素原子は、また、1〜4個のヘテロ原子で置換されていてもよい。本件明細書において、ヘテロ原子とは、O、N又はSである。ヘテロ原子は、隣接しておらず、及び少なくとも1個の炭素原子により分離されている。
1、Y2、Y3及びY4のいずれかがシクロアルキルであるとき、シクロアルキル環は、4、5、6又は7員のシクロアルキル環である。環は、飽和されていてもよく、又は1〜4個の不飽和(即ち、二重又は三重)結合を含んでいてもよい。飽和シクロアルキル環のいくつかの例としては、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、及びシクロペンタン環が挙げられる。不飽和シクロアルキル環のいくつかの例としては、シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、及び1,3−シクロヘプタジエン環が挙げられる。
シクロアルキル環は、場合により、O、N又はSの1〜4個のヘテロ原子で置換されていてもよい。ヘテロ原子で置換されたシクロアルキル環のいくつかの例としては、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒドロフラン、フラン、チオフェン、1,3−オキサゾリジン、イミダゾール、及びピロール環が挙げられる。シクロアルキル環は、場合により、上記アルキルで、又は上で定義したように1〜4個の親水基で置換されていてもよい。
シクロアルキル環は、縮合して、1〜3個の更なる4、5、6又は7員のシクロアルキル又はフェニル環であってもよい。縮合シクロアルキル環のいくつかの例としては、ビシクロ[3.3.0]オクタン、ビシクロ[4.3.0]ノン−3−エン、トリフェニレン、及び1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン環が挙げられる。
1、Y2、Y3及びY4のいずれかがアリールであるとき、アリールは、5、6又は7員の芳香族環、好ましくはフェニル環である。アリール環は、場合により、上記で定義したアルキルで置換されて、アルキルアリール又はアリールアルキル基を生成してもよい。アリール、アルキルアリール及びアリールアルキル基は、上記で定義したように、1〜4個の親水基で置換されていてもよい。
アリール環は、場合により、O、N又はSの1〜4個のヘテロ原子で置換されて、ヘテロアリール環を生じてもよい。ヘテロアリール環のいくつかの例としては、チオフェン、ピリジン、オキサゾール、チアゾール、オキサジン、及びピラジン環が挙げられる。ヘテロアリール環は、上記で定義したように、1〜4個の親水基で置換されていてもよい。
アリール又はヘテロアリール環は、また、縮合されて、1〜3個の付加的な5、6又は7員のアリール又はヘテロアリール環となってもよい。縮合されたアリール及びヘテロアリール環のいくつかの例としては、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、トリフェニレン、クリセン、インドリン、キノリン、及びテトラアザナフタレン(プテリジン)環が挙げられる。
1、Y2、Y3及びY4の少なくとも1つは、式−X−(CR12r−Z (2)により表される。式(2)においては、Xは酸素又は硫黄であり、R1及びR2は、独立して、R1及びR2についてのアルキル基が1〜4個の炭素原子を含むことを除いては、水素及び上記で定義したようなアルキル基より選ばれる。下付き文字rは、0又は1〜20の整数である。
Zは、ケージ構造内に、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも3個のホウ素原子、又は少なくとも1個の炭素原子及び少なくとも5個のホウ素原子を含むカルボランクラスターである。カルボランクラスターのいくつかの例としては、クロソ構造としても知られる、規則正しい多面体カルボランクラスター、及びニド構造としても知られる、多面体クラスターのイオン化フラグメントが挙げられる。本発明の好ましいカルボランのいくつかの例としては、−C2HB910又は−C2HB1010(式中、−C2HB910は、ニドオルト−、メタ−又はパラ−カルボランであり、及び−C2HB1010は、クロソオルト−、メタ−又はパラ−カルボランである)が挙げられる。
1、W2、W3及びW4は、ヒドロキシ、アルコキシ、−C(O)OR5、−SOR6、−SO26、ニトロ、アミド、ウレイド、カルバマト、−SR7、−NR89、又はポリアルキレンオキシドより独立して選ばれる親水基であり、ここで、R5、R6、R7、R8及びR9は、先に定義したものである。
本件明細書において、アルコキシ基は、上記で定義したアルキル部分を含む。アルコキシ基のいくつかの例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ及びドデシルオキシが挙げられる。
ポリアルキレンオキシドは、式−(CH2d−O−[(CH2e−O−]x−[(CH2f−O−]y−(CH2g−OR’に従って定義され、式中、独立して、dは0又は1〜10の整数であり、eは0又は1〜10の整数であり、fは1〜10であり、gは1〜10であり、x及びyは、各々、独立して、1又は0であり、及びR’はH又は先に定義したアルキル基であり、但し、eが0のとき、xは0であり;fが0のとき、yは0であり;eが0でないとき、xは1であり;及びfが0でないとき、yは1である。
本発明の好ましいポリアルキレンオキシドは、ポリエチレンオキシドである。ポリエチレンオキシドは、式−(CH2d−O−[(CH2e−O−]x−[(CH2f−O−]y−(CH2g−OR’に従って定義され、式中、独立して、dは0又は2であり、eは0又は2であり、fは1又は2であり、gは2であり、x及びyは、各々、独立して、1又は0であり、及びR’はH又はエチル基であり、但し、eが0のとき、xは0であり;fが0のとき、yは0であり;eが0でないとき、xは1であり;及びfが0でないとき、yは1である。
下付き文字m、n、p及びqは、独立して、0又は1〜4の整数であり、但し、m、n、p及びqの少なくとも1個は0でなく;下付き文字a、b、c及びdは、独立して、1〜4の整数を表し;但し、m、n、p及びqの少なくとも1個は0でなく、合計a+m、b+n、c+p、及びd+qの各々は、独立して、1〜5の整数を表す。
式(1)においては、Mは、2個の水素イオン、1個の一価金属イオン、又は2個の一価金属イオンであってもよい。適切な一価金属イオンのいくつかの例としては、Li+1、Na+1、K+1、Cu+1、Ag+1、Au+1、及びTi+1が挙げられる。Mが、単一の一価金属イオンであるとき、得られるポルフィリン金属錯体アニオンは、対カチオンにより荷電平衡化される。
対カチオンのいくつかの例としては、先の一価金属イオンのいずれか、アンモニウム及びホスホニウムカチオン、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、及びテトラフェニルアンモニウムが挙げられる。対カチオンは、ポルフィリン金属錯体についてのいくつかの形態において結合又は関連していてもよい。
Mは、また、二価の金属イオンであってもよい。適切な二価の金属イオンのいくつかの例としては、V+2、Mn+2、Fe+2、Ru+2、Co+2、Ni+2、Cu+2、Pd+2、Pt+2、Zn+2、Ca+2、Mg+2、Sr+2、及びBa+2が挙げられる。
あるいはまた、Mは、三価、四価、五価、又は六価の金属イオンであってもよい。適切な三価の金属イオンのいくつかの例としては、Gd+3、Y+3、In+3、Cr+3、Ga+3、Al+3、Eu+3、及びDy+3が挙げられる。適切な四価の金属イオンのいくつかの例としては、Tc+4、Ge+4、Sn+4、及びPt+4が挙げられる。適切な五価の金属イオンの例は、Tc+5である。適切な六価の金属イオンのいくつかの例としては、W+6、Tc+6、及びMo+6が挙げられる。得られるポルフィリン金属錯体カチオンは、適切な数の対アニオン、ジアニオン、又はトリアニオンにより荷電平衡化される。例えば、五価の金属イオンより誘導されるポルフィリン金属錯体カチオンは、単一の対アニオンにより荷電平衡化され得、及び四価の金属イオンより誘導されるそのような錯体は、例えば、単一の対ジアニオン又は2個の対アニオンなどにより荷電平衡化される。
適切な対アニオンのいくつかの例としては、塩化物、過塩素酸塩、サルフェート、ニトレート、及びテトラフルオロボレートが挙げられる。適切な対ジアニオンのいくつかの例としては、オキシド、スルフィド、又は二価の負電荷を含むポルフィリン化合物が挙げられる。二価の負電荷を含むポルフィリン化合物は、本発明のポルフィリン化合物であってもよく、但し、Mが存在しない。適切な対トリアニオンの例としては、ホスフェートが挙げられる。
対アニオン、ジアニオン又はトリアニオンは、本発明のカルボラン含有ポルフィリン化合物といくつかの形態で結合又は関連していてもよい。カルボラン含有ポルフィリン化合物は、また、天然荷電分子、溶媒化の分子、例えば、水、アセトニトリル、メタノールなどと結合又は関連していてもよい。
また、Mは、単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)又は陽電子放出断層撮影法(PET)によりイメージ化可能な放射性金属イオンであってもよい。SPECTに適する放射性金属のいくつかの例は、67Cu、99mTc,111Inであり、及びPETについての例としては、64Cu、55Coが挙げられる。Mは、また、治療のための放射性医薬品として有用な放射性金属であってもよい。そのような治療に適する放射性金属のいくつかの例としては、90Y、188Re、67Cuが挙げられる。
Mは、また、磁気共鳴映像法(MRI)により検出可能な常磁性金属であってもよい。そのような金属のいくつかの例としては、Mn、Fe、Co及びGdが挙げられる。
また、Mは、ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)又は光線力学療法(PDT)に適する金属イオン;又はそれらの組み合わせであってもよい。BNCTに適する金属イオンとしては、光能動的なもの、例えば、Zn及びSnを除いて、これまでに記載したものが挙げられる。そのような光能動的な金属、及び特には、長寿命三重項状態のものが、PDTに好ましい。BNCTの投与量が、PDTの投与量より100〜1000倍高いので、皮膚における光能動的な金属の有意な蓄積が、そのような光能動的な金属がBNCTに使用された場合に生じ得る。光能動的な金属のそのような蓄積は、生物学的ダメージを生じ得る。
本発明は、また、腫瘍の治療方法に関する。好ましい実施態様においては、悪性腫瘍、特には脳腫瘍を治療する方法は、BNCTを介する。BNCTは、腫瘍におけるホウ素−10、又は10Bとして知られるホウ素の安定核種の選択的蓄積をベースとする二項性の癌治療であり、熱中性子での腫瘍の放射線照射が続く。熱中性子は、ホウ素−10に影響を与え、核分裂反応を引き起こす。核分裂は、高い線エネルギー付与(LET)の解体において多量のエネルギーの高度に局所的な放出を引き起こし、それは、低LET放射線、例えばx線より、細胞を、より効果的に、死滅させ得る。
ホウ素−10は、熱中性子により捕獲されるとき以下の核反応を受ける:
Figure 2008505983
この核反応においては、ホウ素−10核が、準安定性核種11Bを形成する中性子を捕獲し、それは、自然に及びほとんど瞬間的に4He及び7Li粒子に分解し、それは、一緒に、2.34MeVの平均全運動エネルギーを有する。これらの2つのイオン化粒子は、軟組織において反対方向に、それぞれ、約9μm及び5μmをトラベルする(7±2μm)。
4He及び7Li粒子によりトラベルされる距離は、多くの腫瘍及び腫瘍関連細胞の直径に匹敵する。従って、BNCTの効果は、腫瘍内における、高度に局在化された、高LETイオン化放射線の生成にある。対象とされる腫瘍は、従って、周囲の通常組織に危害を加えない(spare)で、多量の放射線を受ける。
脳腫瘍のケースにおいては、ホウ素化合物の投与後、患者の頭が、脳腫瘍の一般領域において、入射ビーム又は熱外(0.5eV−10keV)中性子のフィールドを用いて放射線照射される。中性子は、それらが、頭の深くに侵入するので、徐々に熱中性子化されるようになる(平均エネルギー約0.04eV)。中性子が熱中性子化されるようになるので、それらは、腫瘍細胞及び/又は腫瘍支持組織において集中されたホウ素−10により容易に捕獲され、なぜなら、捕獲断面が、中性子速度に逆比例するからである。本発明の方法に続く悪性脳腫瘍のBNCTにおいては、患者は、最初に、式(1)のカルボラン含有ポルフィリンの注入を受け、それは、ホウ素−10が高度に濃縮されている。カルボラン含有ポルフィリンは、次いで、好ましくは、脳腫瘍内において、効果的な照射量内で濃縮され、それは、脳腫瘍について、脳の要部であってもよい。脳の一方の半球のほとんど又は全て又は反対側の半球のいくらか又は全てにおいて位置する腫瘍は、ホウ素化ポルフィリンを蓄積する。
腫瘍領域は、次いで、熱中性子(主には照射)で照射され、そのうちのいくらかは、腫瘍において濃縮されたホウ素−10により捕獲される。ゆっくり動く熱中性子がホウ素−10核種により捕獲されるであろう相対的確率は、哺乳類の組織において通常存在するほかの核種の全てによる捕獲の確率に比べ高く、但し、腫瘍組織におけるホウ素−10濃度は、30μg/gより高い。
腫瘍内及び周囲のホウ素−10核のきわめて少ない割合が、中性子の捕獲直後に核反応を受ける。従って、対象とされる組織においてホウ素−10の濃度を最大化するため、カルボランクラスターは、ホウ素−10が高度に豊かである。特に、カルボランクラスターにおけるホウ素は、ホウ素−10が少なくとも95原子%まで豊富である。
癌治療についての従来技術を越える本発明の利点は、本発明のホウ素含有ポルフィリンが、他の既知のホウ素含有化合物より、選択的に、新生物においてより好ましい比で蓄積することにある。
また、インビボで試験された本発明のポルフィリン化合物は、理論上治療的に有効な投与量で非毒性である。本発明のカルボラン含有ポルフィリンの高い選択性及び低い毒性により、放射線照射した際の通常組織及び組織機能の破壊が最小で腫瘍組織の選択的破壊が可能となる。
本発明のカルボラン含有ポルフィリンの他の利点は、フェニル環における極性基W1、W2、W3及びW4を介して付与される、それらの上昇された極性である。そのような基のより高い極性は、テトラフェニルポルフィリン化合物の親油性をより低くし、それは、投与の間の共溶媒を乳化する量の低減に作用する。従って、腫瘍細胞内のミクロ局在性が改良されて、より高い相対的生物学的効果が生じる。
また、本発明のカルボラン含有ポルフィリンにおけるエーテル結合は、炭素−炭素結合より極性が高く、及び従って、更に、親油性が低減される。同時に、エーテル結合は、炭素−炭素結合とほぼ同一の、加水分解及び他の形態の化学的攻撃に対する抵抗性を有する。
本発明のカルボラン含有ポルフィリンは、8個のカルボランクラスターを越えて含んでいてもよい(80ホウ素原子)。実際、本発明は、現在知られているカルボラン含有ポルフィリンより高い、16個のカルボランクラスターを含むカルボラン含有ポルフィリン分子を含む。そのような高カルボラン含有ポルフィリン分子は、より多くのホウ素を対象に運び、即ち、より強力であるので、それらは、従来技術におけるポルフィリン化合物と比べて、より低い所定モル投与量のポルフィリンが可能となる。より低いモル投与量のカルボラン含有ポルフィリンは、血液ポルフィリン濃度を毒性閾値未満に良好に維持しつつ、対象でのホウ素の量を有意に上昇させることが可能にする。
腫瘍内に本発明の化合物の必要量を蓄積させるために、一般に、医薬的に許容可能なキャリヤ内に体重kgあたり約10〜50mgのホウ素−10の全身的に注入された又は注ぎ込まれた投与量が、患者に投与される。キャリヤは、Cremophor EL、プロピレングリコール、Tween 80、ポリエチレングリコール又はリポソームのようなそのような商業的に入手可能な溶剤を含んでいてもよい。化合物は、1又はそれより多くの投与量で投与され、最後の(last)投与量は、熱外中性子照射前約1時間から1週間の間で与えられる。
中性子暴露のタイミングは、血液内のポルフィリンの濃度に依存し、それは、腫瘍内のポルフィリン濃度より急速に時間を低減する。しかしながら、カルボラン含有ポルフィリンを投与するタイミングは、臨床BNCTの技術分野における当業者によく知られる種々の事柄に依存し、化合物の薬物動態挙動(pharmacokinetic behavior)(例えば、腫瘍への及び腫瘍脈管構造への化合物の吸収速度)及び化合物を吸収する腫瘍及び種々のほかの組織における化合物の排出及び/又は代謝速度を含む。
他の好ましい実施態様においては、本発明の悪性腫瘍を治療する方法は、PDTを介する。PDTは、腫瘍内におけるポルフィリンの選択的蓄積をベースとする二項性の癌治療であり、レーザーレッドライト(laser red light)での腫瘍の照射が続く。光での活性化の際、ポルフィリンの電子は、一重項基底状態から一重項励起状態へ励起される。電子は、次いで、光発生蛍光(light causing fluorescence)の放出で一重項基底状態へ戻り、又はそれは、そのスピンをシステム間を介して三重項状態へクロッシング(crossing)し得る。基底状態一重項への三重項のバックダウン(back down)の遅延において、それは、エネルギーを基底状態三重項二酸素へ移行することができ、それは、高度に反応性の一重項酸素を形成する。一重項酸素と最も容易に反応する生体分子は、不飽和脂質及びαアミノ酸残基を含み、その双方が、生物学的膜の主要構成物質である。あるリバーシブルの又は修復可能な境界を越えて、膜への、特には内皮細胞膜へのダメージは、局所血管内血栓を引き起こし及び血液循環をシャットダウンする。
本発明においてPDTを用いる際、患者は、最初に、式(1)の感光カルボラン含有ポルフィリンの注入又は注ぎ込みがなされる。光ファイバープローブをその後使用して、腫瘍組織を照射する。悪性腫瘍について、PDT感光剤が、腫瘍の深さへの最大限の侵入に十分に長い波長で光学的吸収ピークを有するのが好ましい。
好ましい実施態様においては、悪性腫瘍の治療的処理は、SPECT又はPETの使用により拡大される。SPECTにおいては、患者は、最初に、式(1)の化合物の注入又は注ぎ込みを受け、式中、Mは、γ放出放射性金属イオンである。患者の頭は、次いで、非侵襲的にスキャンされ、及び、放射性核種濃度、及び従って、間接的に、平均ホウ素濃度が、脳又は脳腫瘍組織を表すピクセル又はボクセルの各々において、イメージ化される。同等ホウ素−10濃度のゾーンを表す等高線は、それによって、脳の各イメージにおいて描かれ得る。
脳のSPECTは、従来のX線写真術又はコンピュータ断層撮影であるより、少なくとも1オーダーの規模で同位体トレーサーに感受性である。また、SPECTの結果は、従来のX線写真術での結果とは対照的に、分析されて、脳イメージの定義済みの容量又はボクセルにおいて、BNCT治療計画及び履行に関連するホウ素濃度において定量的情報を提供することができる。SPECTスキャンは、患者における腫瘍の存在、及び体内における脳又は他の部位におけるその位置を示し得る。
しかしながら、陽電子放出PETイメージ可能なラジオアイソトープCu−64は、SPECTにおいて使用されるCu−67より容易に入手可能である。Cu−64の入手が非常に容易なため、Cu−64ラベルしたポルフィリンを用いて臨床前のPET研究を行った。
別の好ましい実施態様においては、悪性腫瘍の治療的処理は、MRIの使用により拡大される。MRIにおいては、患者は、最初に、適切な常磁性金属イオンにキレート化された式(I)のカルボラン含有ポルフィリンを含む溶液を注入又は注ぎ込みされる。脳腫瘍について、患者の頭は、次いで、スキャンされ及び脳内の常磁性金属イオン濃度、及び従って、ホウ素濃度がイメージ化及び定量化される。本発明の化合物を利用するMRIは、ホウ素化化合物が、血液、腫瘍及び健康な組織内に再分配されているとき、注入前、その間及びその後のBNCTにおいて、中性子照射のための急速に強化されたターゲッティング(targeting)及び治療計画を許可し得る。
本発明のカルボラン含有ポルフィリンは、一連の別々の工程を介して合成される。以下に提供されるのは、最初に、本発明の好ましいカルボラン含有ポルフィリンの製造のために必要とされる合成工程の概要であり、式中、Y1、Y2、Y3及びY4は、式−X−(CR12r−Z (2)により表される。合成の概要は、本発明の化合物を合成するための一般的方法を提供し、及びそれによって、ある合成を達成するためのいくつかの異なる特定の方法を含む。例えば、異なる出発材料を使用して、同一の生成物を合成することができ、及び各々の出発材料は、異なる一連の反応条件、例えば、温度、反応時間、溶剤、及び抽出及び精製手順を要求し得る。
具体例は、本発明の化合物を合成する好ましい方法を記載する。本発明の範囲は、いかなる場合においても、本件明細書に記載の実施例により制限されない。例えば、非対称のカルボラン含有テトラフェニルポルフィリン化合物は、異なるベンズアルデヒド又はジベンズアルデヒド出発材料の混合物を用いること及び反応式6に示されるように類似の合成反応を進行させることにより合成することができる。
反応スキーム1
Figure 2008505983
(式中Xは、O又はSのいずれかであり、Dは、ハロゲンであり、溶剤Aは、好ましくは極性非プロトン性溶媒例えばアセトンであり;W1は、ヒドロキシ、アルコキシ、−C(O)OR5、−SOR6、−SO26、ニトロ、アミド、ウレイド、カルバメート、−SR7、−NR89、ポリ-アルキレンオキシドであり、その中において、R5、R6、R7、R8及びR9は、独立して、水素及びC14アルキルから選択され;及びmは、0又は整数1〜4である。)
反応スキーム2
Figure 2008505983
(式中、X、W1及びmは、上記され、溶剤Bは、好ましくは、プロトン補捉剤、例えばピリジンであり、Rは、アルキル、シクロアルキル、又はアリール基である。)
反応スキーム3
Figure 2008505983
(式中、X、W1、m及びR’は、前に記載され、溶剤Cは、好ましくは、高煮沸炭化水素例えばトルエンである。)ボランクラスターは、かご構造内に、少なくとも3個のホウ素原子、又は少なくとも1個の炭素原子及少なくとも5個のホウ素原子を含むいくつかのクラスターである。例えば、ボランクラスターは、デカボラン、B1014であってもよい。ボランカルスターは、プロパルギル出発物質の三重結合と反応して、カルボラニル製品を形成する。従って、デカボランのケースにおいて、Zは、カルボラン−C2HB1010を表す。Zは、かご構造内に、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも3個のホウ素原子、又は少なくとも1個の炭素原子及び少なくとも5個のホウ素原子を含むいくつかのカルボランカルスターを表す。例えば、カルボランカルスターは、−C2HB910又は−C2HB1010であってもよく、その中において、−C2HB910は、ニドオルト-、メタ-又はパラ-カルボランであり、及び−C2HB1010は、クロソオルト-、メタ-、又はパラ-カルボランである。)
反応スキーム4
Figure 2008505983
(式中、X、W1、m、R’及びZは、前に記載される。)プロトン化した酸は、いくつかの酸、酸混合物、又はエステルをアルコール製品内に転換し得る酸添加配列である。プロトン性溶媒は、例えば、アルコール例えばメタノールであってもよい。
反応スキーム5
Figure 2008505983
(式中、X、W1、m、Zは、前に記載され、溶剤Dは、極性非プロトン性溶媒、好ましくは、ジクロロメタンであり、及び酸化剤は、選択的に、第一級アルコールをアルデヒド、好ましくは2,3−ジヒドロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)又はクロロクロム酸ピリジニウム(PCC)に変換することができる酸化化合物である。)





反応スキーム6
Figure 2008505983
(式中、X、W1、m、及びZは、前に記載される。連結組織は、好ましくは、ルイス酸(電子受容体)例えば三フッ化ホウ素(BF3)又はトリフルオロ酢酸(TFA)を含んで、ピロール及びベンズアルデヒド及び酸化剤例えば2,3−ジクロロー5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)から中間体ポルフィリノゲンを形成して、ポルフィリノゲンをポルフィリンに酸化する。溶剤Eは、非極性非プロトン溶媒、好ましくはジクロロメタンである。)









反応スキーム7
Figure 2008505983
(式中、X、W1、m及びZは、前に記載される。好ましい実施態様において、Mは、バナジウム(V)、マグネシウム(Mn)、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、テクネチウム(Tc)、クロム(Cr)、白金(Pt)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)、ゲルマニウム(Ge)、インジウム(In)、スズ(Sn)、イットリウム(Y)、金(Au)、バリウム(Ba)、タングステン(W)、及びガドリニウム(Gd)からなる群より選択される。より好ましい実施態様において、Mは、銅(Cu)又はニッケル(Ni)である。使用される金属塩は、ポルフィリンにキレートされる金属イオンMを含む。例えば、Mが、銅、酢酸銅であることが所望である化合物、即ち、Cu(OAc)2・H2Oは、金属塩として使用され得る。溶剤Fは、少なくとも部分的にポルフィリン及び金属塩を可溶化し得るいくつかの溶剤又は溶剤混合物であり、及びそれは、金属をポルフィリン内に導入することを妨げない。
実施例
実施例を、例示の目的のために下に及び現時点で本発明の最良の態様を記載するために説明している。本発明の範囲は、本件明細書以後設定される実施例によるいずれかの方法において制限されるベきではない。
実施例1
3−メトキシ−4−プロパルギルオキシベンジルアルコール(I)の合成
微粉状K2CO3、10.4g(0.075mol)及びKl、9.1g(0.060mol)を、磁気攪拌バーを備えた300mLの丸底フラスコに置き、及び150mLのアセトンを、添加した。3−メトキシ−4−ヒドロキシベンジルアルコール、7.71g(0.050mol)及び塩化プロパルギル4.10g(0.055mol)を、次いで添加し及び混合物を攪拌し及び約48時間還流した。薄層クロマトグラフィからの結果は、出発物質(3−メトキシ−4−ヒドロキシベンジルアルコール)を示さず及び新規化合物の存在を示した。溶液を、次いでろ過した。得られたろ液のアセトンを、回転蒸発により除去し、油の残りを残した。油の残りを、50mLのジクロロメタンにおいて溶解し及び水(30mL×2)で洗浄し及び次いで無水炭酸カリウムの上で乾燥した。有機相をろ過した後、溶剤を、回転蒸発により除去し、液体製品を残した。9gの製品を得、それは、94%収量に相当した。
製品は、ppmにおいて(CDCl3溶剤において)以下のプロトン核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルを得た:2.49(三重、1H、アルキニル);2.57(一重、1H、ヒドロキシル);3.81(一重、3H、メチル);4.55(二重、2H、メチレン);6.83(多重、1H、アリール);6.89(多重、1H、アリール);6.94(多重、1H、アリール)。製品は、ppmにおいて(CDCl3溶剤において)以下のプロトン分離炭素−13核磁気共鳴(13C NMR)スペクトルを得た:55.8(メチレン);56.8(メチル);64.8(メチレン);75.8(アルキニル);78.5(アルキニル);110.2(アリール);114.3(アリール);119.0(アリール);135.2(アリール);146.0(アリール);149.7(アリール)。質量スペクトル(FAB)は、化合物の分子量に匹敵する192.1の親イオンピークを示した。
実施例2
3−メトキシ−4−プロパルギルオキシベンジルアセトン(II)の合成
塩化アセチル1.38g(0.0176mol)を、氷浴において冷却した100mLの丸底フラスコ中の10mLのピリジンにおいて溶解した。15mLのピリジンにおいて2,82g(0.0146mol)の(I)を溶解するにより製造した3−メトキシ−4−プロパルギルオキシベンジルアルコール(I)の溶液を、フラスコ内に滴下した。混合物を、5時間攪拌しその後、溶剤を、回転蒸発により除去した。得られた残りを、室温に冷却し、及び次いでジクロロメタン(30mL)において溶解した。有機相を、水性3N HCl及び次いで水で洗浄し、及び無水硫酸マグネシウムの上で乾燥した。ろ過後、有機相の溶剤を、回転蒸発により除去し、起立上凝固される黄色油を残した。メタノールにおける再結晶化は、85%収量に相当する、2.91gの白色結晶固体を生産した。
製品は、69〜71℃の融点を有し及びppmにおいて(CDCl3溶剤おいて)以下の1H NMRスペクトルを得た:2.09(一重、3H、メチル);2.50(三重、1H、アルキニル);3.89(一重、3H、メチル);4.76(二重、2H、メチレン);5.05(一重、2H、メチレン);6.92(一重、1H、アリール);6.93(多重、1H、アリール);7.01(二重、1H、アリール)。製品は、ppmにおいて(CDCl3溶剤おいて)以下のプロトン分離炭素−13核磁気共鳴(13C NMR)スペクトルを得た:21.2(メチル);56.1(メチル);56.9(メチレン);66.6(メチレン);76.0(アルキニル);78.6(アルキニル);112.4(アリール);114.3(アリール);121.1(アリール);130.0(アリール);147.0(アリール);149.8(アリール);171.0(カルボニル)。質量スペクトル(FAB)は、化合物の分子量に匹敵する234.6の親イオンピークを示した。
実施例3
3−メトキシ−4−o−オキシメチルカルボラニルベンジルアセテート(III)の合成
デカボラン2.07g(0.017mol)を、250mLの丸底フラスコでの100mLのトルエンにおいて、アルゴン雰囲気下で室温で攪拌した。アセトニトリル2.1mL(0.040mol)を、注射器により添加した。混合物を、3時間攪拌しておいた。3−メトキシ−4−プロパルギルオキシベンジルアセテート(II)3.82g(0.0163mol)を添加し、及び混合物を、ゆっくり80〜90℃に加熱した。混合物を、3日間アルゴン雰囲気下で80〜90℃の温度で維持し、その後、薄層クロマトグラフィからの結果は、出発物質(II)の存在を示さず及び新種化合物の存在を示した。混合物からの溶剤を、次いで回転蒸発により除去した。得られた残りを、50mLのジクロロメタンにおいて溶解し、それを、20mLの10%重炭酸ナトリウムで及び次いで2回水(各20mL)で洗浄し、及び次いで、無水硫酸ナトリウムの上で乾燥した。有機相をろ過後、溶剤を、回転蒸発により除去し、起立性上結晶化した黄色油を残した。4.64gの製品を得、それは、80%収量に相当した。
製品は、84〜85℃の融点を有し、及びppmにおいて(CDCl3溶剤において)1H NMRスペクトルを得た:2.00(一重、3H、CH3);3.76(一重、3H、OCH3);4.29(一重、1H、CH);4.54(一重、2H、CH 2 CCHB1010);4.95(一重、2H、ArCH2);6.74(多重、2H、ArH);7.17(一重、1H、ArH)。製品は、ppmにおいて(CDCl3溶剤において)以下のプロトン分離13CNMRスペクトラを得た:21.1(OCH3);56.0(ArO2);58.8(OCH3);66.4(ArCH2);71.6(−CHB1010);72.1(−CHB1010);112.8(アリール);116.8(アリール);121.2(アリール);132.0(アリール);146.8(アリール);150.4(アリール);171.0(CO)。質量スペクトル(FAB)は、化合物の分子量に匹敵する352.8の親イオンピークを示した。
実施例4
3−メトキシ−4−o−オキシメチルカルボラニルベンジルアルコール(IV)の合成
濃塩酸2mLを、50mLのメタノール中の4g(11mmoles)の3−メチル−4−o−オキシメチルカルボラニルベンジルアセテート(III)から成る溶液に添加した。混合物を、3時間還流し、その後、薄層クロマトグラフィからの結果は、出発物質(III)の存在を示さず、及び新種化合物の存在を示した。溶剤を、次いで、回転蒸発により除去し、金色の油を残した。室温で起立性上、油は、半固体に凝固した。3.50gの製品を得、それは、99%収量に相当した。
製品は、ppmにおいて(CDCl3において)以下のプロポン核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルを得た:3.39(一重、3H、OCH3);3.85(一重、2H、ArCH2);4.33(一重、1H、CH);4.39(一重、2H、CH 2 CCHB1010;6.85(多重、2H、ArH);6.92(多重、1H、ArH)。製品は、ppmにおいて(CDCl3溶剤において)以下のプロトン分離13CNMRスペクトルを得た:55.9(ArOCH3);58.0(OCH3)58.3(ArCH2);71.7(−CHB1010);74.4(−CHB1010);112.0(アリール);117.0(アリール);120.3(アリール);134.5(アリール);146.4(アリール);150.5(アリール)。
実施例5
3−メトキシ−4−o−オキシメチルカルボラニルベンズアルデヒド(V)の合成
方法1:クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)2.3g(11mmol)を、氷浴で浸されるフラスコにおいて25mLのジクロロメタンにおいて攪拌した。25mLのジクロロメタンにおいて溶解された1.71g(5.5mmol)の3−メトキシ−4−オキシメチルカルボラニルベンジルアルコール(IV)の溶液を、冷却したPCC溶液に滴下した。得られた混合物を、2時間攪拌し、その後、薄層クロマトグラフィは、出発物質(IV)の存在を示さず、及び新規化合物の存在を示した。得られた黒色不均質溶液を、シリカを含む焼結ガラス漏斗(2cm)を通してろ過した。シリカを、追加のジクロロメタンで十分に洗浄して、製品を抽出した。溶剤を、回転蒸発によりろ液から除去し、残油を残し、それを、起立性上凝固させた。1.6gの製品を得、それは、94%の収量に相当した。
方法2:(IV)及び2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)の等モル量を、1時間ジオキサンにおいて攪拌した。溶剤を、次いで、回転蒸発により除去した。ジクロロメタンを、次いで添加して、選択的に製品を抽出した。不溶性DDQH2サイド製品を、ろ過により除去した。得られたろ液の回転蒸発により、最終製品を生産した。
製品は、146〜147℃の融点を有し及びppmにおいて(CDCl3溶剤において)以下の1H NMRスペクトルを得た:3.92(一重、3H、OCH3);4.28(一重、1H、CH);4.51(一重、2H、CH 2 CCHB1010);6.92(一重、1H、ArH);7.44(多重、2H、ArH);9.88(一重、1H、CHO)。製品は、ppmにおいて(CDCl3溶剤において)以下のプロトン分離炭素−13核磁気共鳴(13C NMR)スペクトルを得た:56.2(ArOCH2);58.1(OCH3);70.6(−CHB1010);71.4(−CHB1010);110.3(アリール);114.4(アリール);126.0(アリール);132.3(アリール);150.6(アリール);190.9(CO)。質量スペクトル(FAB)は、化合物の分子量に匹敵する309.7の親イオンピークを示した。
実施例6
メソ−5,10,15,20−テトラキス[3−メトキシ−4−o−オキシメチルカルボラニルフェニル]の合成
ポルフィリン(VI)
3−メトキシ−4−o−オキシメチルカルボラニルベンズアルデヒド(V)50mg(0.136mmol)を、乾燥した100mLの丸底フラスコに置き、及びゴム中隔で栓をした。新たに蒸留したピロールの溶液、40mLのジクロロメタン中の9.5microliters(0.136mmol)のピロールを、(V)を含むフラスコに注射器により移送した。得られた混合物を、15〜20分間攪拌しながら、溶液内に直接アルゴンを泡立てる事(中隔において出口の針を用いて)により酸素を除去した。トリフルオロ酢酸(TFA)、5.4microliters(0.045mmol)を、マイクロリットル注射器を使用して混合物に添加した。混合物を、アルゴン雰囲気下で一晩攪拌しておいた。DDQ、34mg(0.149mmol)を、次いで添加し、それは、すぐに、溶液をかなり濃く変化させた。溶液を、1時時間還流した。溶液を、次いで約20mLのシリカを含む30mLの焼結ガラス漏を使用して精製した。得られた濃いろ液を、回転蒸発して、乾燥した。薄層クロマトグラフィからの結果により、ピリジン製品及びいくかの汚染物質の存在が確認された。固体を、ジクロロメタンにおいて再溶解し、及び次いでジクロロメタン対ヘキサンが1:1の溶剤混合物を用いて溶離する別のシリカの短柱を使用して更に精製した。薄層クロマトグラフィからの結果により、汚染物の欠乏が確認された。得られた濃いろ液を、回転蒸発して、乾燥し、31%収量に相当する、製品の15mgを得た。
製品は、ppmにおいて(CDCl3溶剤において)以下のプロトン核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルを得た:−2.77(一重、2H、NH);3.94(一重、12H、OCH3);4.50(一重、4H、CH);4.74(一重、8H、CH 2 CCHB1010);7.21(二重、4H、ArH);7.72(二重、4H、ArH);7.77(一重、4H、ArH);8.85(一重、8H、ピロール−H)。質量スペクトル(FAB)は、化合物の分子量に匹敵する1424.7の親イオンピークを示した。ジクロロメタンにおける製品の紫外・可視吸光度スペクトルは、波長のナノメートルにおいて以下のピークを示した:423、517、544、593及び648。
実施例7
銅メソ−5,10,15,20−テトラキス[3−メトキシ−4−o−オキシメチルカルボラニルフェニル]ポルフィリン(VII)の合成
5mLのメタノール中のCu(OAc)2・H2O(20mg、100mmol)の溶液を、10mLのジクロロメタン中のポルフィリン化合物(VI)(130mg、91mmol)の溶液内に添加した。混合物を、20分間攪拌した。溶剤を、次いで回転蒸発により除去した。得られた残りを、ジクロロメタンにおいて溶解し、水で洗浄し及び次いで、無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。乾燥剤を、ろ過した。ろ液の溶剤を、回転蒸発により除去し、赤色固形残さを残した。固体を、ジクロロメタンにおいて再溶解し、及びヘキサン対ジクロロメタンが1:1の溶剤混合物を用いて溶離するシリカパッドを使用して精製した。溶剤を、回転蒸発により除去し、98%収量に相当する、赤色銅ポルフィリン化合物、132mgを残した。
質量スペクトル(FAB)は、化合物の分子量に匹敵する1486.3の親イオンピークを示した。製品の紫外・可視吸光度スペクトルは、波長のナノメートルにおいて(ジクロロメタン溶剤において)以下のピークを示した:418、542。
実施例8
メソ−5,10,15,20−テトラキス[3−ヒドロキシ−4−o−オキシメチルカルボラニルフェニル]の合成
ポルフィリン(VIII)
ポルフィリン化合物(VI)、44mg(0.03mmol)を、アルゴン雰囲気下で乾燥した50mLフラスコ及びゴム中隔でシールされたそのフラスコに置いた。乾燥ジクロロメタン、15mLを、注射器により添加して、ポルフィリン化合物(VI)を溶解した。ジクロロメタン(1.0mmol)中の三臭化ホウ素、1mLの1M溶液を、注射器によりポルフィリン化合物(VI)を含む溶液に移送した。反応混合物を、室温で30分間攪拌した。過剰三臭化ホウ素を、約10mLの希薄10%重炭酸ナトリウム水溶液を添加することにより破壊した。溶液を30分間攪拌し、及び次いで十分な希薄HClで中性化して、約6にpHを調節した。有機相を、水相から分離し、10%水性重炭酸ナトリウムで洗浄し、及び次いで無水硫酸ナトリウムの上で乾燥した。得られた緑色の溶液を、シリカパッドを使用して精製し、及び5:1のアセトン対メタノール溶剤混合物で溶離した。溶剤を、回転蒸発により除去し、黒味を帯びた赤茶色の固体を残した。黒味を帯びた赤茶色の固体が、見つけられ、ジクロロメタン及びクロロフォルムにおいてより極性有機溶媒例えばメタノール及びアセトンにおいてより可溶だった。38mgの製品を得、91%収量に相当した。
製品は、ppmにおいて(CDCl3溶剤において)以下のプロトン核磁気共鳴(1H NMR)スペクトルを得た:−2.88(一重、2H、NH);4.04(一重、4H、CH);4.71(一重、8H、CH 2 CCHB1010);5.64(一重、4H、ArOH);7.10(一重、4H、ArH)7.63(一重、4H、ArH);7.77(一重、4H、ArH);8.82(一重、8H、ピロール−H)。質量スペクトル(FAB)は、化合物の分子量に匹敵する1368.0の親イオンピークを示した。製品の紫外可吸光度スペクトルは、波長のnmにおいて(アセトン溶剤において)以下のピークを示した:420、513、549、591、648。
実施例9
銅メソ−5,10,15,20−テトラキス[3−ヒドロキシ−4−o−オキシメチルカルボラニルフェニル]ポルフィリン(IX)の合成
ポルフィリン化合物(VIII)(50mg、36.5mmol)対Cu(OAc)2・H2O(8mg、40mmol)対Cu(OAc)22Oが1:1.1のモル溶液を、メタノールにおいて2つの化合物を溶解することにより分離した。得られた紫色の溶液を、20分間攪拌し、その間色が赤に変化した。溶剤を、次いで回転蒸発により除去した。得られた残りを、ジクロロメタンにおいて溶解して、有機相を作り、それを、水で洗浄し及び次いで無水硫酸ナトリウム上で乾燥した。有機相の溶剤を、回転蒸発により除去し、赤色銅ポルフィリン化合物を残した。化合物を、ジクロロメタンにおいて再溶解し、及びヘキサン対ジクロロメタン対アセトンが3:1:1の溶剤混合物で溶離するシリカパッド上で精製した。有機相の溶剤を、回転蒸発により除去し、36mgの銅ポルフィリン化合物(IX)(70%収量)を残した。
質量スペクトル(FAB)は、化合物の分子量に匹敵する1428.0の親イオンピークを示した。製品の紫外−可視吸光度スペクトルは、波長のナノメートルにおいて(アセトンにおいて)以下のピークを示した:417、534。
実施例10
ホウ素化ポルフィリン溶液の製造
ポルフィリン化合物(VII)を、生理食塩水(0.9%の塩化ナナトリウム)中の9%のクレモホールELにおいて及び18%のプロピレングリコールにおいて乳化した。ポルフィリン化合物(IX)を、生理食塩水中の3%のクレモホール及び6%のプロピレングリコールにおいて乳化した。
9%のクレモホールEL(CRM)及び18%のプロピレングリコール(PRG)において〜3.3mg/mLのポルフィリン溶液を製造するために、ポルフィリンを、テトラヒドロフラン(THF)(全体の容積の1.5%)において溶解し及び次いで40℃に15分間加熱した。CRM(全体の容積の9%)を、次いで添加し及び混合物を、60℃に2時間加熱し、それは、THFのほとんどを除去した。室温に冷却後、PRG(全体の容積の18%)を、添加し、次いで早い攪拌を伴う生理食塩水(全体の容積の71。5%)をゆっくり滴下した。溶液を、真空下(−30mm Hg)で30〜60分間攪拌することにより脱水し及び次いでろ過した(ミリポア、8μm)。
3%CRM/6%PRG溶液の製造は、3%CRM(全体の容積の3%)及び6%PRG(全体の容積の6%)が、使用されることを除いては、上のように同一のプロトコールということになる。
実施例11
マウスベアリングEMT−6癌におけるポルフィリンVIIの生体内分布
背面胸部に移植されたEMT−6乳癌を皮下に移植されたBALB/cマウスベアリングに、kg体重(各々32又は54mg B/kg)あたり、総量110又は185mgのポルフィリン化合物(VII)を与えた。最後の注射2及び4日後で、マウスを、安楽死させ、及び腫瘍、血液、脳及び肝臓を、ホウ素分析のために除去した。血液を、最初、それが、ホウ素について分析される前に、毒性を示す血液パラメーターについて分析した。下の表1及び2は、BALB/cマウス(5/時点)から異なるタイプの組織について平均ホウ素濃度を示した。
表1
8時間にわたって、3i.p.注射での110mg/kgのポルフィリンVII(32mg B/kg)を与えられたマウス(n=5)の種々の組織における平均ホウ素濃度(μg/g湿潤組織)。
Figure 2008505983
表2
32時間にわたって6i.p.注射での185mg/kgポルフィリンVII(54mg B/kg)を与えられたマウス(n=5)の種々の組織における平均ホウ素濃度(μg/g湿潤組織)。
Figure 2008505983
腫瘍におけるホウ素濃度は、相対的に低いホウ素注入用量を極度に高く考慮している。〜12%の得られた%注入量が、私たちの研究所でのEMT−6癌において今までで最も高く観察された。他の脂溶性のテトラフェニルポルフィリンと同様に、血液中及び脳におけるホウ素は、とても高い腫瘍血液及び腫瘍脳ホウ素の比を生産する最終注射の2日後までごくわずかだった。
実施例12
ポルフィリンVIIからの重量変化及び血液パラメーター
表3
最終注射の2又は4日後で110mg/kgのプロフィリンVII(32mgB /kg)又は溶剤のみ(生理食塩水中の9%クレモフォール及び18%プロピレングリコール)を与えられたマウスにおける重量変化及び血液パラメーター。値は、中央値(及び範囲)として記録する。
Figure 2008505983
表4
最終注射の2又は4日後で185mg/kgのポルフィリンVII(54mg B/kg)又は溶剤のみ(生理食塩水中の9%クレモフォール及び18%プロピレングリコール)を与えられたマウスにおける重量変化及び血液パラメーター。
Figure 2008505983
可視の毒性効果は、ポルフィリン投与の間及びその後、物理的又は行動的のいずれかでマウスにおいて言及されなかった。検死で、全細胞は、正常に現れた。表3及び4は、kgの体重あたり生理食塩水中の9%クレモフォール及び18%プロピレングリコールにおいて110又は185mgのポルフィリン化合物VIIを与えられた、実施例11において記載されるBALB/cマウスの重量変化及び血液パラメーター、及び溶剤のみを与えられた対照マウスとの比較を示す。重量損失は、調整より双方の用量でポルフィリンVIIを与えられたマウスにおいて、より有意であり、及び高いポルフィリン用量で大きかった。減少プレートレット(血小板減少症)はまた、調整よりポルフィリンVIIを与えられたマウスにおいて広まった。数は、高ポルフィリン用量で調整のものに驚くほど近かった。重量損失及び低減プレートレットの双方は、4日の時点で述べられるのは少なく、小さいが有意な偏差が、可逆であることを示した。
実施例13
マウスベアリングEMT−6癌におけるポルフィリンIXの生体内分布
背面胸部に移植されたEMT−6乳癌を皮下に移植されたBALA/cマウスベアリングを、kg体重あたり総量118mgのポルフィリン化合物(IX)(各36mg B/kg)を、与えた。最終注射の2及び4日後で、マウスを、安楽死させ、及び腫瘍、血液、脳及び肝臓を、ホウ素分析のために除去した。血液を、最初、それが、ホウ素について分析される前に、毒性を示す血液パラメーターについて分析した。表5は、BALB/cマウスからの異なるタイプの組織について平均ホウ素濃度を示した(5/時点)。
表5
118mg/kgのポルフィリンIX(36mg B/kg)を与えられたマウスの種々の組織における平均ホウ素濃度
Figure 2008505983
表6
118mg/kgのポルフィリン(IX)(36mg B/kg)又は溶剤のみ(食塩水中の3%クレモフォール及び6%プロピレングリコール)を与えられたマウスにおける重量変化及び血液パラメーター。値を、中央値及び(範囲)の双方において得る。
Figure 2008505983
事前の生体内分布の研究結果は、ポルフィリンIXについての平均腫瘍ホウ素濃度は、ポルフィリンVIIについてのものより低いけれども、これらの値は、最も恐らく、治療研究に適すると考えられ得ることを示した。ポルフィリンIXの微細局在特性は、そのより極性な性質に起因して、ポルフィリンVIIのものと異なりやすい。腫瘍対血液及び腫瘍対脳のポルフィリンIXについてのホウ素比は、100:1より多くで、最終注射2日後非常に高い。血液及び重量のデータは、溶剤のみを与えられた調整と比較する時、メトキシ類似体、ポルフィリンVIIについて観察された、より大きい重量損失も血小板減少症も示さなかった。従って、用量は、恐らく、有意な増加する毒性なしで、段階的に増大し得る。
従って、本発明の好ましい実施態様を記載しているが、当該技術分野における当業者は、他の実施態様が、本発明の精神から逸脱することなくなされ得、それは、本件明細書以後で設定されるクレームの正確な範囲内に入るすべてのそのような更なる改良及び変化を含むということを悟るであろう。

Claims (27)

  1. 式(1)の化合物:
    Figure 2008505983
    (式中、Y1、Y2、Y3及びY4は、独立して、フェニル環においてオルト、メタ又はパラ位にあり、及び独立して、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、ヘテロアリール、又はヒドロキシ、アルコキシ、−C(O)OR5、−SOR6、−SO26、ニトロ、アミド、ウレイド、カルバマト、−SR7、−NR89、又はポリ−アルキレンオキシドより選ばれる1〜4個の親水基で置換されたアルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アリールアルキル、又はヘテロアリール基;又は式(2):
    −X−(CR12r−Z (2)
    により表される置換基であり、但し、Y1、Y2、Y3及びY4の少なくとも1つは、式(2)を表し;
    Xは、酸素又は硫黄であり;
    1、R2、R5、R6、R7、R8及びR9は、独立して、水素及びC1-4アルキルより選ばれ;
    Zは、かご構造内に、少なくとも2個の炭素原子及び少なくとも3個のホウ素原子、又は少なくとも1個の炭素原子及び少なくとも5個のホウ素原子を含むカルボランクラスターであり;
    rは、0又は1〜20の整数であり;
    1、W2、W3及びW4は、ヒドロキシ、アルコキシ、−C(O)OR5、−SOR6、−SO26、ニトロ、アミド、ウレイド、カルバマト、−SR7、−NR89、又はポリ−アルキレンオキシドより独立して選ばれる親水基であり;
    a、b、c及びdは、独立して、1〜4の整数を表し;
    m、n、p及びqは、独立して、0又は1〜4の整数であり;
    但し、m、n、p及びqの少なくとも1個は、0でなく、及び合計a+m、b+n、c+p、及びd+qの各々は、独立して、1〜5の整数を表し;及び
    Mは、2個の水素イオン;単一の一価金属イオン;2個の一価金属イオン;二価金属イオン;三価金属イオン;四価金属イオン;五価金属イオン;六価金属イオン;ラジオアイソトープ介在放射線治療において有用な又は単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)又は陽電子放出断層撮影法(PET)によりイメージ化可能な放射性金属イオン;磁気共鳴映像法(MRI)により検出可能な常磁性金属イオン;ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)又は光線力学療法(PDT)に適する金属イオン;又はそれらの組み合わせのいずれかであり;ここで、単一の一価金属イオンより誘導されるポルフィリン−金属錯体は、対カチオンにより荷電平衡化され、及び三価、四価、五価、六価金属イオンより誘導されるポルフィリン−金属錯体は、適切な数の対アニオン、ジアニオン又はトリアニオンにより荷電平衡化される)。
  2. Zが、カルボラン−C2HB910又は−C2HB1010(式中、−C2HB910は、ニドオルト−、メタ−又はパラ−カルボランであり、及び−C2HB1010は、クロソオルト−、メタ−又はパラ−カルボランである)より選ばれる請求項1に記載の化合物。
  3. Mが、バナジウム、マンガン、鉄、ルテニウム、テクネチウム、クロム、白金、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、錫、イットリウム、金、バリウム、タングステン又はガドリニウムである請求項1に記載の化合物。
  4. a、b、c及びdが1であり、及びY1、Y2、Y3及びY4が−X−(CR12r−Z (2)により表される請求項1に記載の化合物。
  5. Zが、カルボラン−C2HB910又は−C2HB1010(式中、−C2HB910は、ニドオルト−、メタ−又はパラ−カルボランであり、及び−C2HB1010は、クロソオルト−、メタ−又はパラ−カルボランである)より選ばれる請求項4に記載の化合物。
  6. Mが、バナジウム、マンガン、鉄、ルテニウム、テクネチウム、クロム、白金、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ゲルマニウム、インジウム、錫、イットリウム、金、バリウム、タングステン又はガドリニウムである請求項5に記載の化合物。
  7. XがOであり;R1及びR2がHであり;rが1であり;及びm、n、p及びqの各々が1である請求項6に記載の化合物。
  8. 1、Y2、Y3及びY4が、フェニル環においてパラ位にあり、及びW1、W2、W3及びW4が、独立して、ヒドロキシ又はアルコキシ基である請求項7に記載の化合物。
  9. 1、W2、W3及びW4がアルコキシ基である請求項8に記載の化合物。
  10. アルコキシ基がメトキシ基である請求項9に記載の化合物。
  11. メトキシ基がフェニル環のメタ位にある請求項10に記載の化合物。
  12. 1、W2、W3及びW4がヒドロキシ基である請求項8に記載の化合物。
  13. ヒドロキシ基がフェニル環のメタ位にある請求項10に記載の化合物。
  14. 被検体に、請求項1に記載の化合物を含む組成物を投与すること;及び該被検体をイメージ化することを含む被検体における腫瘍及び周辺の組織をイメージ化する方法。
  15. 被検体に、請求項11に記載の化合物を含む組成物を投与すること;及び該被検体をイメージ化することを含む被検体における腫瘍及び周辺の組織をイメージ化する方法。
  16. 被検体に、請求項13に記載の化合物を含む組成物を投与すること;及び該被検体をイメージ化することを含む被検体における腫瘍及び周辺の組織をイメージ化する方法。
  17. 前記イメージ化が、磁気共鳴映像法(MRI)、単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)又は陽電子放出断層撮影法(PET)より選ばれる方法による請求項14、15又は16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 被検体に、請求項1に記載の化合物を含む組成物を投与すること;及び該被検体に放射線照射することを含む被検体における二項性の癌治療の方法。
  19. 被検体に、請求項11に記載の化合物を含む組成物を投与すること;及び該被検体に放射線照射することを含む被検体における二項性の癌治療の方法。
  20. 被検体に、請求項13に記載の化合物を含む組成物を投与すること;及び該被検体に放射線照射することを含む被検体における二項性の癌治療の方法。
  21. 前記放射線照射が、熱又は熱外中性子を用いる方法、又はレーザーレッドライトによる請求項18、19又は20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記二項性の癌治療がホウ素中性子捕捉療法(BNCT)を含む請求項18、19又は20のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記二項性の癌治療が光線力学療法(PDT)を含む請求項18、19又は20のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記二項性の癌治療が単光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)又は陽電子放出断層撮影法(PET)を利用し、ここで、Mが、SPECT−及び/又はPET−イメージ可能な放射性金属イオンである請求項18、19又は20のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記二項性の癌治療が磁気共鳴映像法(MRI)を利用し、ここで、Mが、常磁性金属イオンである請求項18、19又は20のいずれか1項に記載の方法。
  26. 対ジアニオンが、二価の負電荷を含むポルフィリン化合物である請求項1に記載の化合物。
  27. 二価の負電荷を含むポルフィリン化合物が請求項1の化合物であり、但し、Mが存在しない請求項26に記載の化合物。
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