JP2008504397A - 低溶融粘度を有する安定化ポリオキシメチレン組成物 - Google Patents

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Abstract

エポキシ化脂肪酸安定剤と、ホルムアルデヒド反応性窒素基を含有する少なくとも一種のポリマーとを含む熱的に安定化された、低溶融粘度ポリオキシメチレン樹脂組成物。

Description

本発明は、エポキシ化脂肪酸安定剤と、ホルムアルデヒド反応性窒素基を含有する少なくとも一種のポリマーとを含む、低減された溶融粘度を有する熱安定化ポリオキシメチレン樹脂組成物に関する。
ポリオキシメチレン(ポリアセタールとしても知られている)は、優れたトライボロジー、硬度、剛性、適度な靭性、低い摩擦係数、良好な耐溶剤性、および急速に結晶化する性能を有し、これにより、ポリオキシメチレン樹脂組成物は、多数の厳しい用途における使用のための物品の製造のために有用である。しかしながら、溶融加工の際に、ポリオキシメチレンは分解してホルムアルデヒドを放出する可能性がある。溶融加工の際の改善された熱安定性を有するポリオキシメチレン組成物を有することが望ましいであろう。
以下の開示は、本発明の種々の態様に関連し得、以下のように簡潔に要約されすることが可能である。すなわち、ポリオキシメチレン安定剤としての、エポキシ化ダイズ油を包含するエポキシ化乾性油の使用が米国特許公報(特許文献1)に報告されている。
米国特許第3,210,318号明細書 米国特許第5,011,890号明細書
簡潔に述べると、本発明の一態様によれば、
(a)約40〜約99重量パーセントのポリオキシメチレン、
(b)約0.1〜約5重量パーセントの少なくとも一種のエポキシ化脂肪酸、
(c)約0.05〜約3重量パーセントの、ホルムアルデヒド反応性窒素基を含有する少なくとも一種の高分子安定剤
を含み、
重量パーセントが組成物の総重量を基準にしていることを特徴とする熱安定化ポリオキシメチレン組成物が提供される。
本発明は、少なくとも一種のポリオキシメチレンと、少なくとも一種のエポキシ化脂肪酸熱安定剤と、ホルムアルデヒド反応性窒素基を含有する少なくとも一種の高分子安定剤とを含む熱安定化ポリオキシメチレン組成物である。
本発明で用いられるポリオキシメチレン(すなわちPOMまたはポリアセタール)は、ホモポリマー、コポリマー、またはこれらの混合物の1つまたは複数であることが可能である。ホモポリマーは、ホルムアルデヒドまたは、ホルムアルデヒドの環状オリゴマーなどのホルムアルデヒド同等物を重合することによって調製される。コポリマーは、1つまたは複数の、ポリオキシメチレン組成物の調製に一般に用いられるコモノマーを含有することが可能である。通例用いられるコモノマーとしては、2〜12個の連続した炭素原子を備えるエーテルユニットのポリマー鎖への導入を誘導する、アセタールおよび環状エーテルが挙げられる。コポリマーが選択される場合には、コモノマーの分量は20重量パーセント以下であり、好ましくは15重量パーセント以下であり、および最も好ましくは約2重量パーセントであろう。好ましいコモノマーは、1,3−ジオキソラン、エチレンオキシド、ならびにブチレンオキシドであり、ここで、1,3−ジオキソランがより好ましく、および好ましいポリオキシメチレンコポリマーは、コモノマーの分量が約2重量パーセントであるコポリマーである。ホモ−およびコポリマーが、1)その末端ヒドロキシ基が、エステルまたはエーテル基を形成する化学反応により末端封止されているホモポリマー、あるいは、2)完全には末端封止されていないが、コモノマーユニットに由来するいくつかの遊離ヒドロキシ末端を有するコポリマー、またはエーテル基で終端されたコポリマー、であることも好ましい。ホモポリマーに対する好ましい末端基はアセテートならびにメトキシであり、およびコポリマーに対する好ましい末端基は、ヒドロキシおよびメトキシである。
本発明の組成物において用いられるポリオキシメチレンは分岐または直鎖であることが可能であり、および一般に、少なくとも10,000、好ましくは20,000〜90,000の数平均分子量を有しているであろう。分子量は、60および1000Åの公称孔径を有する本願特許出願人のPSMバイモーダルカラムキットを用いて、160℃のm−クレゾール中でのゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより簡便に計測することが可能である。分子量は、ASTM D1238またはISO1133を用いてメルトフローを測定することにより計測することも可能である。メルトフローは、射出成形の目的のためには、0.1〜100g/分、好ましくは0.5〜60g/分、またはより好ましくは0.8〜40g/分の範囲内にあるであろう。フィルム、繊維、および吹込成形などの他の構造物および方法には、他の溶融粘度範囲が好ましくなり得る。ポリオキシメチレンは、組成物の総重量を基準にして、組成物中に約40〜約99重量パーセントで存在することが好ましいであろう。
本発明において用いられる脂肪酸熱安定剤は、約16〜約20個の炭素原子を含有する少なくとも一種のエポキシ化脂肪酸である。「エポキシ化脂肪酸」とは、1つまたは複数の二重結合(その二重結合の少なくとも約90%がエポキシ化されている)を含有する不飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸エステルを意味する。好適なエポキシ化脂肪酸の例としては、エポキシ化オレイン酸、エポキシ化リノール酸、およびエポキシ化リノレン酸が挙げられる。安定剤は、約12〜約20個の炭素原子を好ましくは含有する飽和脂肪酸をも含有し得る。好ましい安定剤は、エポキシ化大豆油およびエポキシ化アマニ油である。エポキシ化脂肪酸は、組成物の総重量を基準にして、好ましくは約0.1〜約5重量パーセントで、またはより好ましくは約0.2〜約1重量パーセントで存在する。
本発明において用いられるホルムアルデヒド反応性窒素基を含有する高分子安定剤は、参照により本明細書に援用される米国特許公報(特許文献2)に記載されている。高分子安定剤は、ホモポリマーまたはコポリマーであることが可能である。「ホルムアルデヒド反応性窒素基」とは、一つまたは好ましくは二つの水素原子に結合した窒素を含有する、ポリマー鎖上の側基を意味する。
高分子安定剤は、好ましくは少なくとも10個の繰り返し単位を有する。高分子安定剤は、好ましくは、5,000より大きい、より好ましくは10,000より大きい重量平均分子量を有する。高分子安定剤は、ポリアセタールが溶融加工される温度では非溶融性である。用語「非溶融性」とは、高分子安定剤が、ポリアセタールが溶融加工される温度より高い「主要融点」を有しており、従って、ポリアセタールの溶融加工の最中に本質的に固体のままであることを意味する。また、高分子安定剤が、ポリアセタールが溶融加工される温度より低い「主要融点」を有しているが、その温度では顕著なメルトフローを起こさない場合には、高分子安定剤は「非溶融性」である。高分子安定剤のメルトフローレートは、高分子安定剤が例えば高分子量または架橋に起因する高粘度を有しているために、顕著であり得ない。高分子安定剤が、ポリアセタールが溶融加工される温度より低い「主要融点」を有している場合には、ASTM−D1238に準拠して計測された高分子安定剤のメルトフローレートは、ポリアセタールのメルトフローレートの十分の一未満であることが好ましい。高分子安定剤の「主要融点」は、示差走査熱量計で測定することが可能である。「主要融点」は、高分子安定剤によって吸収された熱量が最大である温度、すなわち高分子安定剤が最大の吸熱量を示す温度である。
ホルムアルデヒド反応性窒素基は、例えば、アクリルアミドおよびメタクリルアミドなどの、適切な窒素含有モノマーを用いることにより、高分子安定剤に導入することが可能である。好ましい窒素含有モノマーは、ホルムアルデヒド反応性窒素基を含有する高分子安定剤(ここで、二つの水素原子が窒素に結合している)となるものである。特に好ましいモノマーは、重合されたときに、その実質的にすべてが、ポリマー主鎖の側鎖として直接またはポリマー主鎖の側鎖として間接的に結合しているホルムアルデヒド反応性窒素基を有している、高分子安定剤となるアクリルアミドである。また、ホルムアルデヒド反応性窒素基は、ポリマーまたはコポリマーの変性により高分子安定剤上に生成されることが可能である。ホルムアルデヒド反応性窒素基は、これらから調製されて得られるポリマーが非溶融性であり、または、ポリアセタールが溶融加工される温度で非溶融性とされることが可能である限りにおいては、いずれの手法により導入されてもよい。
高分子安定剤中のホルムアルデヒド反応性窒素基の分量は、ホルムアルデヒド反応性基が直接的にまたは間接的に結合している主鎖中の原子が、20個以下の連鎖原子によって相互に分離される(すなわち、相互に連接されている)ような量であることが好ましい。好ましくは、高分子安定剤は、ポリマーの主鎖中の炭素原子20個毎に少なくとも一つのホルムアルデヒド反応性窒素基を含有するであろう。より好ましくは、主鎖中の炭素原子に対するホルムアルデヒド反応性窒素基の比は、1:2〜1:10およびより一層好ましくは1:2〜1:5であるであろう。
高分子安定剤は、ホモポリマーまたはコポリマーであることが可能である。高分子安定剤がフリーラジカル重合によりアクリルアミドまたはメタクリルアミドモノマーから重合されることが好ましく、ここから調製された高分子安定剤は、少なくとも75モルパーセントのアクリルアミドまたはメタクリルアミド由来のユニットから構成されることが好ましい。より好ましくは、高分子安定剤は、少なくとも90モルパーセントの上記ユニットから構成され、さらにより好ましくは、高分子安定剤は少なくとも95モルパーセントの上記ユニットから構成され、およびより一層好ましくは、高分子安定剤は少なくとも99モルパーセントの上記ユニットから構成される。
高分子安定剤は、2つ以上のモノマーから重合される、コポリマーであり得る。
コモノマーは、ホルムアルデヒド反応性窒素基を含有していても、していなくてもよい。従って導入されてもよいその他のモノマーの例としては、スチレン、エチレン、アルキルアクリレート、アルキルメタクリレート、N−ビニルピロリドン、およびアクリロニトリルが挙げられる。コポリマーである高分子安定剤は、それでも非溶融性でなければならない。高分子安定剤は、さらに、必要な分量のホルムアルデヒド反応性窒素基を、必要な比で備えていなければならず、および必要な数平均粒径を有していなければならない。コモノマーは、好ましくは、高分子安定剤のグラム当たりのホルムアルデヒド反応性基のモル数を、過度に最少化させないように添加されるべきである。さらに、高分子安定剤のグラム当たりのホルムアルデヒド反応点の数を過度に最少化させないようにすべきである。コポリマーである特に好ましい安定剤としては、ヒドロキシプロピルメタクリレートと、アクリルアミド、メタクリルアミド、またはジメチルアミノエチルメタクリレートとのコポリマーが挙げられる。
高分子安定剤は、組成物の総重量を基準にして、好ましくは約0.05〜約3重量パーセント、またはより好ましくは約0.1〜約1重量パーセントで存在する。
本発明の組成物は、任意により、約10〜約40重量パーセントの耐衝撃性改良剤、約0.1〜約1重量パーセントの滑剤、約0.5〜約5重量パーセントの可塑剤、約0.01〜約2重量パーセントの酸化防止剤、約3〜約40重量パーセントの充填材、約1〜約40重量パーセントの強化剤、約0.5〜約10重量パーセントのナノクレイ、約0.01〜約3重量パーセントの熱安定剤、約0.05〜約2重量パーセントの紫外光安定剤、約0.05〜約3重量パーセントの成核剤、および/または約0.2〜約5重量パーセントの難燃剤などの追加の成分をさらに含んでもよく、ここで、すべての重量パーセントは組成物の総重量を基準にしている。
好適な充填材の例としては、ガラスファイバーおよび、沈降炭酸カルシウム、タルク、および珪灰石などの無機物が挙げられる。好適な耐衝撃性改良剤の例としては、熱可塑性ポリウレタン、ポリエステルポリエーテルエラストマー、およびコアシェルアクリレートポリマーが挙げられる。滑剤の例としては、ジメチルポリシロキサンおよびそれらの誘導体などのシリコーン潤滑剤、オレイン酸アミド、アルキル酸アミド、N,N’−エチレンビスステアラミドなどのビス脂肪酸アミド、ノニオン性界面活性剤潤滑剤、炭化水素ワックス、塩素化炭化水素、フルオロカーボン、オキシ脂肪酸、脂肪酸の低級アルコールエステルなどのエステル、ポリグリコールおよびポリグリセロールなどの多価アルコール、およびラウリン酸およびステアリン酸などの脂肪酸の金属塩が挙げられる。成核剤の例としては酸化チタンおよびタルクが挙げられる。好ましい酸化防止剤は、チバ(Ciba)から入手可能であるイルガノックス(Irganox)(登録商標)245および1090などのヒンダードフェノール酸化防止剤である。熱安定剤の例としては、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、およびステアリン酸カルシウムが挙げられる。紫外光安定剤の例としては、ベンゾトリアゾール、ベンゾフェノン、芳香性安息香酸塩、シアノアクリレート、およびシュウ酸アニリドが挙げられる。
本発明の安定化ポリオキシメチレン組成物は、成分をいずれかの公知の手法を用いて溶融配合することにより製造される。成分材料は、一軸押出し機または二軸押出し機、ブレンダー、ニーダー、バンバリーミキサー等などの溶融ミキサを用いて均一に混合されて樹脂組成物が得られる。あるいは、材料の一部が溶融ミキサで混合されてもよく、次いで、残りの材料が添加されて、さらに均一になるまで溶融混合されてもよい。
本発明の組成物は、いずれの好適な溶融加工技術を用いて物品に成形されてもよい。射出成形、押出し成形、吹込成形、および射出吹込成形などの、技術分野において周知である通例用いられる溶融成形手法が好ましく、射出成形がより好ましい。本発明の組成物は、押出し成形によりフィルムおよびシートに形成されて、キャストフィルムおよびインフレーションフィルムの両方が製造されてもよい。これらのシートは、組成物の加工における溶融ステージからまたは後のステージで延伸され得る物品および構造物に、さらに熱成形されてもよい。本発明の組成物はまた、組成物の加工における溶融ステージからまたは後のステージで延伸され得る繊維および細糸の形成に用いられてもよい。物品としては、ギア、玩具、ならびにライターおよびペン本体を挙げ得る。
ポリオキシメチレンは数平均分子量が約45,000のポリオキシメチレンホモポリマーを指す。
ドラペックス(Drapex)(登録商標)6.8は、コネチカット州グリニッジのクロンプトンビニルアディティブズインク(Crompton Vinyl Additives, Inc. Greenwich, CT)により製造されたエポキシ化大豆油である。
イルガノックス(Irganox)(登録商標)245および1098は、チバ(Ciba)から入手可能であるヒンダードフェノール酸化防止剤である。
アルバフィル(Albafil)(登録商標)は、スペシャリティミネラルズインク(Specialty Minerals, Inc)により製造された、平均粒径が0.7μmである炭酸カルシウムを指す。
(組成物の調製)
表1および8に示される構成成分を組み合わせ、および5.08cmキリオン(Killion)一軸押出し機を用いて、約60rpmの軸速度および210±5℃の溶融温度で押出し加工した。押出し機からの排出後、組成物を冷却しおよびペレットにカットした。
実施例1および2は熱安定剤としてエポキシ化大豆油を含有する。比較例1は熱安定剤としてエチレン/ビニルアルコールコポリマーを含有する。
Figure 2008504397
(熱安定性の測定)
組成物の熱安定性を、組成物のペレットを259℃の温度で約30分間加熱することにより測定した。加熱工程の途中に発生したホルムアルデヒドは窒素流によって、亜硫酸ナトリウム溶液を含有するタイトレーション容器に掃引され、ここでホルムアルデヒドが亜硫酸ナトリウムと反応して水酸化ナトリウムが生成される。生成された水酸化ナトリウムは塩酸で連続的に滴定されて、元来のpHが維持される。用いた酸の総体積が時間の関数としてプロットされている。30分間で消費された酸の総体積は、加熱されたポリオキシメチレンによって生成されたホルムアルデヒドに比例しており、熱安定性の定量的尺度である。熱安定性率(TEF−Tとして言及される)は、以下の式により算出される。すなわち、
TEF−T(%)=(V30×N×3.003)/S
(式中、
30=30分間で消費された、mLでの酸の総体積、
N=酸の規定度、
3.003=(30.03(ホルムアルデヒドの分子量)×100%)/(1000mg/g)であり、および
S=グラムでのサンプル重量である)。
結果が表2に示されている。
メルトフローインデックス(MFR)を、ISO試験法1133を用いて各サンプルについて190℃で計測した。ISO試験法E313を用いて、ライトインデックス(light index)(LI)および黄色度(YI)を各サンプルについて測定した。結果が表2に示されている。
熱安定性を熱重量分析によっても計測した。サンプルを、空気でパージしながら室温から240℃まで加熱し、空気でパージしながら約19.3分の間約240℃で保持した。重量損失割合が表2に示されている。
Figure 2008504397
(物理的特性)
組成物を、約215±5℃の溶融温度で、ISO国際標準成形法No.ISO294−1を用いて、物理的試験のためのISO引張り試験片およびノッチ付試験片に成形した。物理的試験をISO試験法527−1/−2を用いて23℃で行った。物理的特性が表3に示されている。
Figure 2008504397
(加熱空気老化試験)
成形した試験片を、循環空気炉中において120℃で80日間老化させた。試験片を10日間隔で炉から取出して室温まで冷却し、それらの重量損失および物理的特性を計測した。5個のサンプルを、それぞれの温度でのそれぞれの計測について用い、結果を平均した。加熱空気老化による重量損失割合が表4に示されている。加熱空気老化によるノッチ付アイゾッド衝撃特性の変化が表5に示されている。加熱空気老化による引張り弾性率の変化が表6に示されている。加熱空気老化によるノッチ付アイゾッド衝撃特性の変化が表7に示されている。
Figure 2008504397
Figure 2008504397
Figure 2008504397
Figure 2008504397
表3における結果は、エポキシ化大豆油を含有する実施例1および2は、エチレン/ビニルアセテートコポリマー熱安定剤を含有する比較例1に類似した物理的特性を有することを実証している。しかしながら、表4における結果は、比較例1の組成物は加熱老化後には著しく多くの重量を損失していることを示しており、および表5〜7の結果は、実施例1および2の組成物はそれらの物理的特性を、加熱老化中に、比較例1の組成物よりもかなり良く維持していることを示している。
Figure 2008504397
実施例3および比較例2の組成物の溶融粘度を、カイネス(Kayeness)レオメター中において、種々のせん断速度で、190℃で測定した。結果が表9に示されている。
Figure 2008504397
表9における結果は、実施例3の組成物におけるエポキシ化大豆油の存在が、結果として比較例2の組成物、エポキシ化脂肪酸を含有しない類似の組成物より相当に低い溶融粘度を有する組成物となることを実証している。
従って、本発明により、本明細書において規定された目的および利益を完全に充足するポリオキシメチレン組成物が提供されていることが明らかである。本発明が、その特定の実施形態と関連して記載されているが、多種の代替、改良、および変形が当業者にとって明らかであろうことは明白である。従って、添付の特許請求の範囲に係る思想および広い範囲内に入るすべてのかかる代替、改良、および変形を包含することが意図されている。

Claims (12)

  1. (a)約40〜約99重量パーセントのポリオキシメチレン、
    (b)約0.1〜約5重量パーセントの少なくとも一種のエポキシ化脂肪酸、
    (c)約0.05〜約3重量パーセントの、ホルムアルデヒド反応性窒素基を含有する少なくとも一種の高分子安定剤、
    を含み、
    重量パーセントが組成物の総重量を基準にしていることを特徴とするポリオキシメチレン組成物。
  2. 約0.01〜約3重量パーセントの炭酸カルシウムをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 約0.01〜約3重量パーセントの、ガラスファイバーおよび無機物を含む充填材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  4. 約0.01〜約3重量パーセントの、タルクおよび珪灰石を含む充填材をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  5. 前記少なくとも一種のエポキシ化脂肪酸が、エポキシ化大豆油およびエポキシ化アマニ油の1つまたは複数であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  6. 前記少なくとも一種のエポキシ化脂肪酸が、16〜20個の炭素原子を含有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  7. 前記少なくとも一種の高分子安定剤が、少なくとも10個の繰り返し単位を含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  8. 前記少なくとも一種の高分子安定剤が、5,000より大きい重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  9. 前記少なくとも一種の高分子安定剤が、10,000より大きい重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  10. 抗酸化剤および/または紫外光安定剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  11. 耐衝撃性改良剤、滑剤、可塑剤、強化剤、ナノクレイ、難燃剤および成核剤をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  12. 請求項1に記載の組成物から製造されることを特徴とする物品。
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