JP2008502332A - メチル化核酸の分析 - Google Patents

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Abstract

本発明は、DNAにおけるメチル化パターンの分析および疾患組織における異常にメチル化された遺伝子の同定のための方法を提供する。本発明はまた、治療的介入のための新規標的および疾患マーカーの同定のための方法を提供する。新規癌標的を提供する。

Description

本発明は、一般にメチル化DNAの富化および分析において使用するための方法および材料ならびに疾患における異常にメチル化された部位の同定に関する。
メチル化ヌクレオチド塩基は原核生物および真核生物の両方で発見されている(Achwal et al., 1983)。真核生物で発見されているものはDNAで5−メチルシトシン、6−メチルアデニンおよび7−メチルグアニン(Achwal et al., 1983)ならびにRNAで5−メチルシトシン(Hernandez-Blazquez et al., 2000)および7−メチルグアノシン(Tebib et al., 1997)である。通常CpGジヌクレオチドでの、シトシンの可逆性メチル化は、植物および動物を含む高等真核生物で一般的なDNA修飾である。
DNAメチル化は転写抑制に至り得て、故にインスリン増殖因子およびその受容体、およびXist遺伝子についてのような、哺乳動物遺伝子の遺伝子制御およびインプリンティングに関与する。DNAメチル化は、この修飾がDNA配列を変えないが、細胞分裂を通して遺伝されるため、後成的レギュレーターである。
異常DNAメチル化は疾患をもたらし得る。特に、異常DNAメチル化はプロトオンコジーンの増加した発現または腫瘍抑制遺伝子の減少した発現をもたらし得る。故に、DNAメチル化の誤制御は、多くのヒト癌で顕著な表現型である(Jones and Baylin, 2002)。新しい像は、不活性腫瘍抑制遺伝子と関連していることもあるプロモーターのサブセットの過剰メチル化と同時のメチル化シトシンの量の全体的減少である。しかしながら、この低メチル化の遺伝子位置は、異常プロモーターメチル化の頻度および特異性と同様未知である。
正常および異常細胞機能に関するDNAメチル化の関連およびその腫瘍学における薬剤標的および診断ツールとしての可能性を考慮して、DNAメチル化を同定するための技術的アプローチは非常に望まれている(Fazzari and Greally, 2004)。
メチル化DNAの検出に現在利用可能なプロトコールは、しばしば、修飾感受性制限エンドヌクレアーゼ(MSRE)または化学物質、例えばビスルファイト、ヒドラジンまたはペルマンガネートを使用した差次的塩基修飾(Rein et al., 1998)、続くDNA配列分析を必要とする。差次的塩基修飾法は、メチル化塩基を、一続きのDNA中の正確なヌクレオチド位置に位置づけできるが、これらの方法は大規模(ゲノム全体)分析に適用するには面倒すぎる。メチル化感受性制限酵素の使用は、ゲノム全体の分析に使用できるが、試験できる部位の数は、核酸中の適当な制限部位の数により制限される。これは、染色体上への修飾塩基の位置を、あまり正確に位置づけできないことを意味する。さらに、現在の化学的および酵素的検出法は、相対的に高品質のDNAでしか行うことができない。
故に、メチル化核酸の富化または検出ならびに疾患における異常にメチル化されたDNAの同定のための新規な方法が、この分野に貢献するであろうことを見ることができる。
本発明者らは、メチル化ヌクレオシドに特異的な抗体は、核酸フラグメントのサンプル中の特異的メチル化核酸の効率的な富化および同定に使用できることを証明した。この新規なアプローチを使用して、本発明者らは、実時間PCRにより検出して、メチル化配列の、非メチル化コントロールの120倍までの富化を観察している。本方法は、核酸フラグメントの配列に無関係であり、高品質の核酸を必要とせず、そして大規模ゲノム分析に、例えば慣用のDNA配列検出法と組み合わせたときに、容易に適合できる(susceptible)。サンプル中のどの配列がメチル化されているかの決定を可能にすることに加えて、本発明者らはまた本発明の免疫沈降ベースの方法による富化が用量依存的であり、故に配列のメチル化の程度の定量に使用できることも証明している。
修飾塩基に特異的な抗体は、以前に、修飾塩基の全体的な量および一般的位置の検出に使用されている。例えば、5−メチルシチジン(mC)に特異的な抗体は、ニトロセルロース紙に結合した哺乳動物DNA中のmCと反応することが示されている(Achwal et al., 1983; Achwal & Chandra, 1982)。免疫蛍光も、高頻度のmCの染色体領域の決定に使用されている(Barbin et al., 1994)。5−メチルシチジンに対するマウスモノクローナル抗体はまた、以前に、癌患者によるヌクレオシドの尿排泄変化の検出に(Tebib et al., 1997)ならびに正常および悪性細胞における哺乳動物染色体に沿ったメチル化配列の分布を可視化するために(Hernandez-Blazquez et al., 2000; Mayer et al., 2000)使用されている。しかしながらこのような抗体は、核酸サンプル中のメチル化核酸の富化について以前に教示も示唆もされていない。
故に、第一の局面において、本発明は、核酸フラグメントのサンプル中のメチル化核酸フラグメントを富化する方法であって:
(a)核酸フラグメントのサンプルとメチル化ヌクレオシドに特異的な抗体を、該抗体のメチル化ヌクレオシドへの結合に適した条件下接触させ;
(b)メチル化ヌクレオシドに特異的な抗体に結合した核酸フラグメントを選択する
工程を含む、方法を提供する。
メチル化ヌクレオシドに特異的な抗体に結合した核酸フラグメントの選択前に、メチル化および非メチル化フラグメントを、抗体へのメチル化フラグメントの結合に基づいて分離してよい。
本発明は、一本鎖核酸フラグメントのサンプルとメチル化ヌクレオシドに特異的な抗体を接触させる前に、一本鎖核酸フラグメントのサンプルを形成させるためにサンプル中の何らかの二本鎖核酸フラグメントの鎖を分離する工程をさらに含み得る。
好ましい態様において、本発明は、核酸フラグメントのサンプルからのメチル化核酸フラグメントを特徴付けまたは同定する方法を提供し、該方法は:
(c)1個以上のメチル化核酸フラグメントを特徴付けする
工程をさらに含む。
“富化”は、核酸フラグメントのサンプル中のまたはそこからの特定のカテゴリーの核酸フラグメントの比率の増加を意味する。好ましくは、本富化は少なくとも5倍、10倍、20倍、30倍、50倍、または100倍である。
他の局面において、本発明は、疾患におけるDNAメチル化の分布を提供し、それにより治療的介入の標的、ならびに癌および他の疾患との戦いに有用な診断、予後診断および代用マーカーを提供する。
いくつかの好ましい態様をここで記載する。
核酸の性質
上記の方法は、全てのタイプの核酸のサンプルに適用できるが、好ましくは本核酸はDNAである。
メチル化ヌクレオシドの例は、メチル化シチジン(例えば5−メチルシチジン)、メチル化アデノシン(例えば6−メチルアデノシン)およびメチル化グアノシン(7−メチルグアノシン)を含む。好ましい態様において、本メチル化ヌクレオシドは、メチルシチジンである。さらに特に好ましくは、本メチル化ヌクレオシドは5−メチルシチジンである。
サンプルの性質
サンプルは分析を望む全てのものであり得る。
試験すべき核酸の品質に対する要求が少ないため、このプロトコールは、その核酸がホルマリンのために一部変性しているホルマリンで固定された標本の試験に適する。下記の通り、本方法は、核酸メチル化の変化を病歴と相関するために使用できる。
当業者は、核酸フラグメントのサンプルを産生するためにどのように核酸をフラグメント化するか容易に決定できる。例えば、ゲノムDNAは、剪断(例えば音波処理)を使用して、またはAluIのような制限酵素での消化を使用して、フラグメント化できる。
それを得たら、核酸フラグメントのサンプルを、好ましくは液体(例えば抗体結合に適した緩衝液)に懸濁する。
核酸の変性
ヌクレオチド修飾に対する抗体の特異性は、核酸が一本鎖であるとき、高い。故に、メチル化ヌクレオチドの富化および検出の能力は、サンプル中の核酸分子が一本鎖であるとき、高くなる。故に、サンプル鎖中に存在する全ての二本鎖核酸分子の鎖を分離することが望まれる。
変性(二本鎖分子の鎖の分離)は、最も容易には核酸の加熱により行う。当業者は、興味のある核酸の変性に適した加熱の温度および長さを容易に決定できる。95℃で10分の加熱は、本発明において使用するためのDNAに有効であることが判明した。
抗体の性質
多くのメチル化塩基に特異的な抗体は市販されている。例えばmCに対するマウスモノクローナル抗体はEurogentec S.A. (Belgium)から入手可能であり、ウサギポリクローナル血清はMegabase Research Products(USA)から入手可能である。他のメチル化塩基(6−メチルアデノシンおよび7−メチルグアノシン)に対するポリクローナルウサギ抗血清は入手可能である(Megabase Research Products, USA)。
あるいは、メチル化塩基に特異的な抗体は、慣用の技術を使用して製造できる(例えばRoitt et al. in “Immunology 5th edition” - Pub. 1997 by Moseby International Ltd, London参照)。
ここで使用する用語“抗体”は、必須の特異性の結合ドメインを有する、全ての特異的に結合する物質をカバーすると解釈すべきである。故に、この用語は、天然であれ合成であれ、免疫グロブリン結合ドメインを含む全てのポリペプチドを含む、抗体フラグメント、抗体の誘導体、機能的等価体および相同体をカバーする。他のポリペプチドに融合した、免疫グロブリン結合ドメイン、または等価体を含むキメラ分子は、故に包含される。キメラ抗体のクローニングおよび発現は、EP−A−0120694およびEP−A−0125023に記載されている。
例えば、全抗体のフラグメントが、結合抗原の機能を実行できることが示されている。結合フラグメントの例は、(i)VL、VH、CLおよびCH1ドメインから成るFabフラグメント;(ii)VHおよびCH1ドメインから成るFdフラグメント;(iii)単一抗体のVLおよびVHドメインから成るFvフラグメント;(iv)VHドメインから成るdAbフラグメント(Ward, E.S. et al., Nature 341, 544-546, 1989);(v)単離CDR領域;(vi)F(ab’)2個の連結したFabフラグメントから成る2フラグメント、二価フラグメント(vii)VHドメインおよびVLドメインが2個のドメインが抗原結合部位を形成するために会合することを可能にするペプチドリンカーにより連結されている、一本鎖Fv分子(scFv)(Bird et al., Science, 242, 423-426, 1988; Huston et al., PNAS USA, 85, 5879-5883, 1988);(viii)二特異的一本鎖Fv二量体(PCT/US92/09965)および(ix)遺伝子融合により構築された“二重特異性抗体(diabody)”、多価または多特異的フラグメント(WO94/13804; Holliger et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90 6444-6448, 1993)である。
二重特異性抗体はポリペプチドの多量体であり、各ポリペプチドは免疫グロブリン軽鎖の結合領域を含む第一ドメインおよび免疫グロブリン重鎖の結合領域を含む第二ドメインを含み、この2個のドメインは連結している(例えばペプチドリンカー)が、互いに会合して抗原結合部位を形成することはできない:抗原結合部位は、多量体内の1個のポリペプチドの第一ドメインと、多量体内の他のポリペプチドの第二ドメインの会合により形成される(WO94/13804)。
好ましくは、本抗体はメチルシチジンに特異的である。より好ましくは、5−メチルシチジンである。
メチル化ヌクレオシドに特異的な抗体の結合に適した条件
当業者は、液相中での第一抗体のメチル化ヌクレオシドへの結合に適した条件を容易に決定できる。特に、抗体がメチル化ヌクレオシドに効果的に結合できるように、サンプル中の適当なイオンバランスを維持することが重要である。例えば、サンプルのpHは、リン酸ナトリウムのような適当な緩衝剤の添加により制御でき、これは、pHを約7.0に維持する。塩化ナトリウムのような塩もまた緩衝液および/またはサンプルに添加できる。
サンプルを、それを核酸と接触させる間、約1〜5℃に維持することが好ましいかもしれない。
メチル化核酸の第一抗体への結合は、メチル化核酸を‘標識’する。この‘標識化’は、メチル化核酸を非メチル化核酸から分離することを可能にする。
分離工程の性質
好ましくは、選択工程前に、メチル化および非メチル化核酸フラグメントを、第一抗体のメチル化ヌクレオシドへの結合に基づき分離する。これは、当業者に既知の任意の方法で行い得る。
好ましい態様において、本分離は抗体の固相または支持体(この用語は交換可能に使用される)への接着または結合、そしてこの固相からのサンプル液相の分離により行う。故に、第一抗体に特異的に結合する固体支持体の添加は、メチル化核酸の非メチル化核酸からの分離を容易にする。固体支持体の第一抗体への特異的結合は、第一抗体に特異的な第二抗体を含む固体支持体の使用により達成できる。例えば、第一抗体(すなわちメチル化ヌクレオシドに特異的な抗体)がマウス抗mC抗体であるとき、ヤギ抗マウス抗体が適するであろう。
ビーズの形の固体支持体が、その上で結合が起こり得る大きな表面を提供するため、特に有用である。Dynabeads(Dynal Biotech)のような磁性ビーズは、ビーズ(および故にそれに結合している核酸)をサンプルから磁石を使用して容易に除去できるため、メチル化および非メチル化核酸の分離を簡単にする。あるいは、本固体支持体を非結合核酸から、遠心分離および/または濾過のような技術を使用して分離できる。当業者は、使用している固体支持体の非結合(すなわち非メチル化)核酸からの分離に適する方法を容易に決定できる。
メチル化核酸の特徴付け
メチル化核酸フラグメントの特徴付け前に、メチル化核酸を第一抗体(および使用しているならば固体支持体)から脱離させることが望まれる。当業者は、核酸が脱離工程中に変性しない、このような脱離法を容易に決定できる。
例えば、核酸フラグメントを、抗体から、抗体の消化により脱離できる。これは、第一抗体に結合した核酸フラグメントと、プロテイナーゼKのようなプロテイナーゼのインキュベーションにより達成できる。
第一抗体に結合している核酸周辺のpHをわずかに変えることが、抗体とメチル化核酸の間の結合を弱めることができ、さらに脱離を容易にする。これは、適当な緩衝剤(例えば50mM Tris pH8.0)をメチル化核酸およびそれに結合している抗体に添加することにより達成できる。当業者は、これを行うための他の適当な方法を容易に決定できる。EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)およびSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)もまた緩衝液に添加できる。
第一抗体および固体支持体から脱離したら、本メチル化核酸を − 例えば存在量、メチル化フラグメントの全部または一部の配列および/または本メチル化部位の配列または位置を決定するために − さらに分析できる。
この工程は、核酸のさらなる処理の後であり得る。例えば、メチル化核酸がDNAであるとき、それを抽出し(例えばフェノールおよびクロロホルム中)、続いて沈殿させ得る(例えばエタノールで)。
慣用の核酸分析技術を次いで本メチル化核酸に適用する。例えば、メチル化核酸中の目的の配列の存在を、当業者に既知のようなPCR、スロット・ブロット、マイクロアレイなどの技術を使用して決定できる。
例えば分析は、ガラス支持体上にオリゴヌクレオチドまたは長いDNA配列のマイクロアレイを含む、マイクロチップ系を用いうる。サンプル核酸(例えば蛍光標識した)を、オリゴヌクレオチドアレイとハイブリダイズさせ、配列特異的ハイブリダイゼーションを、走査共焦点顕微鏡により検出し、自動的に分析できる(Marshall & Hodgson, Nature Biotechnology 16: 27-31, 1998; also Nature Cell Biology August 2001 volume 3 issue 8 pp E190 - E195 “Navigating gene expression using microarrays − a technology review” Almut Schulze and Julian Downward参照)。マイクロアレイ・アセンブリーおよびDNA検出に現在使用されている技術の一覧は、本“DNA Microarrays: A Molecular Cloning Manual”, eds. Bowtell and Sambrook, CSHL 2002に見ることができる。
本発明のいくつかの他の局面を、ここで記載する。
ゲノム分析
上記の本方法に使用する核酸フラグメント単離を、標準PCRまたはスロット・ブロットハイブリダイゼーションのいずれかにより分析できるため、この方法はマイクロアレイを使用した大規模(ゲノム全体)分析に適用できる。
故に本発明は、(例えば生物ゲノムからの)DNAサンプルのメチル化状態を特徴付けする方法であって:
(i)ゲノムをフラグメント化し、
(ii)上記の通りの本発明の方法を行う
工程を含む、方法を提供する。
“メチル化状態”は、核酸配列がメチル化されているかいないか、および/またはどの程度されているかを意味する。メチル化の程度は、配列中のどのヌクレオチドがメチル化されているかおよび/または配列中のメチル化されているヌクレオチドの割合として測定できる。
核酸のメチル化の比較法
上記の通り、本発明の方法において、富化は用量依存的である(すなわち富化はメチル化ヌクレオシドの数に比例する)(実施例2および図2B参照)。これは、本発明が、遺伝子がメチル化されているか否かの決定に使用できるだけでなく、それらの遺伝子のメチル化の程度の定量または比較にも使用できることを意味する。
故に本発明は、異なる、対応する、核酸または核酸サンプルのメチル化を比較する方法であって:
(i)各核酸またはサンプルに対して上記の通りの本発明の方法を行い、
(ii)工程(d)の結果を比較する
工程を含む方法を提供する。
本方法は別々に、または多重で実施できる(ただし、核酸またはサンプルは識別可能である)。典型的に核酸は、配列マーカーまたはラベルにより識別可能である。
一つの態様において、本発明は − 例えばインプリントされた遺伝子の − サンプル中の、異なってメチル化された対立遺伝子検出に使用できる。
“インプリントされた遺伝子”は、それらが、雄性または雌性親のいずれから遺伝されたかに依存して、その対立遺伝子が異なった発現度または浸透度を有する遺伝子である。インプリンティングは、発育段階特異的または組織特異的のいずれかであり得る。遺伝子の母性および父性対立遺伝子が異なってメチル化されるとき、それらは、本発明の方法に付される核酸サンプルにおいて、異なる程度まで富化される。
それらの対立遺伝子が異なってメチル化されるインプリントされた遺伝子の例は、マウスのH19 ICRである(実施例3および図2C参照)。この座位はCpG島を含む。CpG島は、1kb長前後の一続きの配列であり、しばしば遺伝子の5’末端に発生し、それは高密度のCpGジヌクレオチドを含む。このCpG島は、母性対立遺伝子ではメチル化されないが、父性対立遺伝子ではメチル化される(実施例3および図2C参照)。マウスゲノムDNAのフラグメントのサンプルに適用したとき、本発明の方法は父性対立遺伝子を富化するが、母性対立遺伝子はしない。当業者は、母性または父性対立遺伝子のいずれがサンプル中で富化されたかを決定する適当な技術を容易に決定できる。母性または父性対立遺伝子のいずれかのための‘マーカー’が特に有用である。例えば、Mus spretusからのH19 ICR対立遺伝子は、Mus musculus domesticus H19 ICR対立遺伝子に存在しない多型SacI制限部位を含む。故に、domesticus×spretusハイブリッドは、SacI制限部位を有する1個の対立遺伝子と有さない1個を含む。H19 ICRのプライマーを使用したPCR増幅、続くPCR産物のSacIでの処理は、domesticus対立遺伝子については1個の200bpフラグメントおよびspretus対立遺伝子については2個の100bpフラグメントをもたらす。‘富化’サンプルから得たフラグメントのサイズは、故に母性、父性または両方の対立遺伝子が富化されているかどうかを示す。
診断または予後診断
上記の通り、異常DNAメチル化は疾患をもたらし得る。特に、異常DNAメチル化はプロトオンコジーンの増加した発現または腫瘍抑制遺伝子の減少した発現をもたらし、多くのヒト癌腫と関連する。
本発明の方法を、疾患状態と関連する異常核酸メチル化部位のスクリーニングおよび同定に、または、例えば癌における疾患もしくは疾患進行の診断もしくは予後診断に使用できる。
疾患状態と関連する新規異常核酸メチル化部位を、本発明の方法を、病気のおよび病気ではない個体からの核酸サンプルに対して行い、結果を比較することにより同定できる。
本発明は、さらに、個体における特異的核酸配列のメチル化と関連する疾患の診断の方法であって:
(i)該個体由来の核酸サンプルに対して上記の通りの本発明の方法を行い、特異的核酸配列がメチル化されているか否かを特徴付けし、そして
(ii)その結果と個体の疾患状態を相関させる
工程を含む方法を提供する。
本発明は、さらに、核酸メチル化の経時的変化の検出のために提供される(例えばこれを病歴と、故に、核酸配列におけるメチル化の変化と関連する疾患の診断または予後診断と相関させるため)。
このような方法は:
(i)患者から核酸フラグメントのサンプルを少なくとも2回の時点で得て、
(ii)本発明の方法を、各時点の各核酸フラグメントのサンプルに対して行い、核酸配列がメチル化されているかいないか、および/またはどの程度されているかの特徴付けをする
工程を含み得る。
好ましくは核酸フラグメントのサンプルは、患者から下記プロトコールを使用して得る:
(a)患者から組織標本を得て;
(b)核酸を各組織標本から抽出して核酸サンプルを提供し;
(c)核酸サンプルをフラグメント化して、核酸フラグメントのサンプルを得る。
核酸メチル化の経時的変化の検出のための本方法は
(iii)各時点で患者において観察された疾患の臨床症状を記録し、そして
(iv)各時点で記録された臨床症状と、各時点の目的の核酸配列のメチル化状態を比較する
工程をさらに含み得る。
核酸メチル化の変化の検出のための本方法は、任意の適当な順番で行い得る。例えば、抽出および分析工程を、各時点に、またはその直後に行い得る。あるいは、標本またはサンプルを貯蔵し、核酸の抽出および/または記録した臨床症状とメチル化状態の比較を、複数サンプルで一緒に行い得る。例えば組織標本は、貯蔵のために凍結またはホルマリンで固定されていてよい。
好ましくは特異的核酸配列のメチル化または核酸配列のメチル化の変化と関連する疾患は、癌である。
本発明を、ここで、下記の非限定的図面および実施例を参照してさらに記載する。本発明の他の態様を、これらに照らして、当業者は考えるであろう。
ここに引用する全ての引用文献の開示を、それが当業者が本発明を実施する際に使用できる程度に、ここに相互参照により特に包含する。
モジュレーターのスクリーニングおよび処置法
標的遺伝子が同定されたら、それを可能性のある抗癌剤を同定するための調査目的の薬剤スクリーニングに使用できる。このようなスクリーニングは、標的遺伝子によりコードされるタンパク質の発現、および化学薬品とそのタンパク質の、該化学薬品が該タンパク質活性に対して何か効果を有するか否かを各員するための接触を含み得る。
既知の機能のタンパク質活性のアッセイは当分野で既知である。一般にこのようなアッセイは機能的アッセイと呼ばれ、無細胞でインビトロで、または細胞ベースの系で行い得る。機能的アッセイが利用可能である場合、リガンド結合アッセイが好ましい。
未知の機能のタンパク質のアッセイは、典型的にリガンド結合のみの評価に依存するが、化学物質レベルの異常(disturbance)に基づく他のアッセイは、当業者に既知である。
本発明において使用するための候補化学物質の供給は、当業者に既知である。例えば化合物のライブラリーを容易に合成し、試験できる。これは、例えば:Applications of combinatorial technologies to drug discovery, 2. Combinatorial organic synthesis, library screening techniques, and future direction, J. Med. Chem., 1994, 37, 1385-1401に詳細に記載されている。
未知の機能のタンパク質について、ここに概略のリガンド結合アッセイはまた候補化学物質の一群を定義する。しかしながら、この群は、結合が、タンパク質の表面に暴露されている多くの異なる部位で起こり、かつ結合単独ではタンパク質の活性と結合するリガンドの効果を予測できないため、大きすぎる傾向がある。候補化学物質の中から、最大の親和性を有するものの厳密な選択は、試験するのに充分に小さい化学物質のセットを定義する。
それとは別のまたはそれに付加される方法は、カルシウムイオン、サイクリックAMPまたは細胞シグナル伝達経路の他の成分のセンサーを含むように遺伝子操作されている細胞中でのタンパク質標的の発現である。例えば、任意の適当な起源の永久細胞系をトランスフェクトし、そして該タンパク質を永久的に発現する系を選択する。多くの場合、未知のタンパク質の発現は、細胞シグナル伝達成分のレベルのシフトをもたらし、それはセンサーにより検出され、例えば、蛍光または発光シグナルとして読み取ることができる。タンパク質発現細胞とコントロール細胞の差異が、本アッセイの基礎となる。タンパク質発現系とコントロール系の差異に対する化学物質の効果を評価する。
本発明のポリペプチドをコードする核酸も、遺伝子治療に使用できる。遺伝子治療適用において、遺伝子を、治療的に有効な、例えば欠損遺伝子の置換のための、遺伝子産物のインビボ合成を達成するために細胞に挿入する。遺伝子治療は、一回処置により永続する効果が達成される慣用の遺伝子治療、および、治療的に有効なDNAまたはmRNAの1回または反復投与を含む遺伝子治療剤の投与の両方を含む。アンチセンスRNAおよびDNAは、インビボである遺伝子の発現を遮断するための治療剤として使用できる。短アンチセンスオリゴヌクレオチドを細胞が移入され、その場所でそれが、細胞膜により限定された取り込みが原因の低細胞内濃度にもかかわらず、阻害剤として作用できることが既に示されている。(Zamecnik et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 83: 4143-4146, 1986)。オリゴヌクレオチドは、取り込みを促進するために、例えば、それらの負荷電ホスホジエステル基を非荷電基で置換することにより、修飾できる。
核酸を生存可能細胞に挿入するために利用できる種々の技術がある。本技術は、核酸を培養細胞にインビトロで移植するか、または意図される宿主内の細胞にインビボで移植するかに依存して異なる。核酸を哺乳動物細胞にインビトロで移植するのに適する技術は、リポソーム、エレクトロポレーション、マイクロインジェクション、細胞融合、DEAE−デキストラン、リン酸カルシウム沈殿法などの使用を含む。現在好ましいインビボ遺伝子移植技術は、ウイルス(典型的にレトロウイルス)ベクターでのトランスフェクションおよびウイルスコートタンパク質−リポソーム介在トランスフェクションを含む(Dzau et al., Trends in Biotechnology, 11: 205-20, 1993)。ある状況において、細胞表面膜タンパク質または標的細胞に特異的な抗体、標的細胞上の受容体のリガンドなどのような、標的細胞が標的とする薬剤と共に核酸源を提供することが望ましい。リポソームを用いるとき、エンドサイトーシスと関連する細胞表面膜タンパク質と結合するタンパク質を、例えば、特定の細胞型を指向する(tropic)キャプシッドタンパク質またはそのフラグメント、サイクリングにおける内部移行に付されているタンパク質に対する抗体、細胞内局在化を標的とし、細胞内半減期を延長するタンパク質の、ターゲティングおよび/または取り込みを促進するために使用できる。受容体介在エンドサイトーシスの技術は、例えば、Wu et al., J. Biol. Chem., 262: 4429-4432, 1987; Wagner et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 87: 3410-3414, 1990)により記載されている。遺伝子製造および遺伝子治療プロトコールのレビューについて、Anderson et al., Science, 256: 808-813, 1992参照。
図面の記載
図1:本発明の好ましい態様および続く特徴付け工程の模式図である。望む平均長のゲノムDNA(制限酵素での消化または剪断のいずれかにより産生)を変性させ、メチル化DNAを5−メチルシチジンに対する抗体とのインキュベートにより単離する。5−メチルシチジンに対する抗体はメチル化配列に結合する。これらを非メチル化配列から分離し、次いでPCRまたはマイクロアレイのような標準DNA検出法で検出できる。
図2a:マウスゲノム中のメチル化配列の検出。非メチル化CpG島(ActinbおよびAPRTプロモーター)およびCpG(CpGaおよびCpGb)を含まないコントロール配列と比較してメチル化配列が富化される(IAP Long Terminal Repeat, Xist promoter, H19 ICR)。値は、本発明の方法に付した、AluI消化した雌gDNA(左)および雄音波処理gDNA(右)からのDNAの実時間PCRにより計算した。IAP=大槽内A粒子。ICR=インプリンティングコントロール領域。APRT=アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ。
図2b:H19 ICR配列における4個のAluI制限フラグメントの富化とメチル化シトシンの数の正の相関。
図2c:インプリントされたH19 ICRのメチル化父性対立遺伝子の特異的検出。本アッセイは、ハイブリッドマウスgDNA(Mus musculus domesticus×spretus)で行い、ICRの親の対立遺伝子を、spretus対立遺伝子に特異的な多型SacI制限部位を使用したPCRにより同定した。黒および白印は、各々メチル化および非メチル化CpGsを示す。ICR=インプリンティングコントロール領域。IP=‘富化’サンプル。IN=非‘富化’サンプル。
図3:結腸癌における異常メチル化のための新規標的の確認。A. PCR用プライマーを、SW48細胞において過剰メチル化であるとマイクロアレイ分析で同定された陽性クローンのために設計した。DNAメチル化は、上記の本方法に従い、WI38原発性線維芽細胞およびSW48結腸癌細胞から調製した富化メチル化サンプルに対する単一遺伝子PCRにより制御された。IN=インプットゲノムDNA、M=富化メチル化DNA。別のコントロールとして、本発明者らは、3名の患者からの適合させた正常結腸(N)および結腸腫瘍(T)から調製したサンプルを分析した。MLH1およびRASSF1Aは、SW48細胞およびある結腸腫瘍において異常にメチル化されると以前に記載されている。インプリントされたH19 ICR配列は、メチル化のポジティブコントロールとして働く。B. メチル化感受性制限によるメチル化状態の制御。ゲノムDNAは、メチル化感受性HpaII酵素で消化するか、または未消化のいずれかであり、無作為に選択された3個の陽性クローン(最上列)および陰性クローン(最下列)にわたるHpaII含有PCRフラグメントをプライマーとPCR鋳型として使用した。PCR単位複製配列内のHpaII部位の数を括弧内に示す。HpaII消化後のPCR産物の存在は、サンプル中のDNAメチル化を反映し、いずれの場合も、上記富化分析を確認する。C. 5−アザ−dC処理による、SW48細胞における沈黙遺伝子の再活性化。RT−PCRを、5μm 5−アザ−dCで4日間処理した(+)またはしていない(−)WI38線維芽細胞およびSW48細胞からのcDNA調製物に対して行った。ベータ−アクチン(beta-acting)遺伝子をコントロールとして使用した。
実施例1
サンプル調製
雄マウス(Mus musculus domesticus)ゲノムDNAを、Bransonデジタルソニファイアーを使用した音波処理によりフラグメント化し、雌マウス(Mus musculus domesticus)ゲノムDNAを、製造者が推薦する条件を使用したAluI(NEW ENGLAND BIOLABS, USA)での消化によりフラグメント化。
富化
4μg AluI消化または音波処理マウスゲノムDNAを450μL TE(10mM Tris−HCl pH7.5、1mM EDTA)で希釈してDNA懸濁液を製造し、95℃で10分加熱してDNAを変性させた。
51μLの10×IP緩衝液(100mM リン酸NapH7.0、1.4M NaCl、0.5%Triton X−100)および10μLの5−メチルシチジンに対するマウスモノクローナル抗体(EUROGENTEC, #MMS-900P-B)を懸濁液に添加した。本懸濁液を次いで2時間、4℃でオーバーヘッド振盪(overhead shaking)しながらインキュベートした。
30μLのDynabeads M−280ヒツジ抗マウスIgG(DYNAL BIOTECH, #112.01)をPBS−BSA 0.1%(リン酸緩衝化食塩水−ウシ血清アルブミン)で予洗し、懸濁液に添加した。本懸濁液をさらに2時間、4℃でオーバーヘッド振盪しながらインキュベートした。
ビーズを3回700μLの1×IP緩衝液(10mM リン酸NapH7.0、0.14M NaCl、0.05%Triton X−100)で洗浄し、250μL 消化緩衝液(50mM Tris pH8.0、10mM EDTA、0.5%SDS)に再懸濁した。
7μLのプロテイナーゼK(10mg/ml)をビーズ懸濁液に添加し、ビーズ懸濁液を50℃で3時間、水平に振盪させながらインキュベートした。
DNAをビーズ懸濁液からの有機抽出と、その後のエタノール沈殿により抽出した。これは下記の通り行った:
1. 1容量のフェノールでの抽出。
2. 1容量のクロロホルムでの抽出。
3. 残りの水相を300mM NaClに調整し、2容量のエタノールを添加した。
4. 沈殿を室温で14.000rpmの遠心分離により行った。
5. 得られたDNAペレットを200μlの70%エタノールで洗浄し、その後50μL TEに溶解した。
メチル化配列の発生量の検出
非メチル化CpG島(ActinbおよびAPRTプロモーター)およびCpG(CpGaおよびCpGb)を含まないコントロール配列に対するメチル化配列の発生量(IAP Long Terminal Repeat, Xist promoter, H19 ICR)を、実時間PCRを使用して分析した。
雌マウスAluI消化したゲノムDNAの結果(左)または音波処理雄マウスゲノムDNAの結果(右)を図2Aに示す。この新規なアプローチを使用して、メチル化配列の、非メチル化コントロールの120倍までの富化が観察された。
実施例2
マウス(Mus musculus domesticus)ゲノムDNAを、AluIでの消化によりフラグメント化した。4μgの本フラグメント化DNAを、実施例1に記載の通りの富化に付した。
種々の量のメチル化CpGを含むH19 ICRの4個の制限フラグメントの発生量を、CpGを含まないネガティブコントロールに対して、実時間PCRにより計算した。
図2Bの結果が、富化と、制限フラグメント中のメチル化CpGの量の間の正の直線的相関を示す。
実施例3
ハイブリッドマウス(Mus musculus domesticus×Mus spretus)ゲノムDNAを、音波処理によりフラグメント化した。
4μgの本フラグメント化DNAを450μL TE(10mM Tris−Hcl pH7.5、1mM EDTA)で希釈してDNA懸濁液を製造し、95℃で10分加熱してDNAを変性させた。
本懸濁液を2個のサンプルに分けた(INおよびIP)。サンプルIPは、実施例1に記載の通りの富化に付した。サンプルINは富化に付さなかった。
母性および父性対立遺伝子の検出
INおよびIPサンプルの両方を、H19 ICR対立遺伝子のプライマーを使用したPCRで増幅させ、これは200bp PCR産物をもたらした。Mus spretus由来のH19 ICR対立遺伝子は、Mus musculus domesticus H19 ICR対立遺伝子には存在しない多型SacI制限部位を含む。domesticus対立遺伝子からのPCR産物のSacIでの処理は200bpフラグメントを未切断のまま残すが、spretus対立遺伝子からのPCR産物のSacIでの処理は、2個の100bpフラグメントをもたらした。
INおよびIP PCR産物を、各2個の小サンプルに分けた。4個の小サンプルを、IN−、IN+、IP−、IP+と名付けた。IN+およびIP+を、PCR後SacIで処理した。IN−およびIP−はSacIで処理しなかった。
図2Cは、各小サンプルにおいて見られるDNAフラグメントを示す、臭化エチジウムアガロースゲルの図である。富化前は、父性(spretus)対立遺伝子および母性(domesticus)対立遺伝子の両方がサンプルに存在する。富化後、父性対立遺伝子のみが存在する。こでは、父性(spretus)対立遺伝子のみが、この方法で富化されることを証明する。父性H19 ICR対立遺伝子のみがメチル化されているため、使用した富化法は、メチル化DNAに特異的である。
実施例4
結腸癌における異常メチル化の新規標的の同定
結腸癌細胞系SW48(ATTC, Rockville, MD)を、上記の通りのメチル化DNAの富化に付し、得られたサンプルを、製造者が記載の通り約12000個のCpG島プローブ(UHN Microarray Centre, Ontario)を表すマイクロアレイに、ハイブリダイゼーションし、ヒト肺線維芽細胞HFL−1(ATTC, Rockville, MD)およびWI−38(ATTC, Rockville, MD)と比較した。CpG島アレイハイブリダイゼーションのために、2μgの音波処理インプットDNAをCy5−dCTPで標識し、1回の富化アッセイの産物をCy3−dCTPで標識した。標識は、Bioprime標識化キット(Invitrogen)、120μMの各dATP、dGTP、dTTP、60μM dCTPおよび60μM Cy5−dCTPまたはCy3−dCTPを使用した無作為プライミングにより行った。この方法により、本発明者らは、結腸癌細胞に排他的なDNA過剰メチル化領域を同定した。この193クローンの群のうち、108個は、配列アノテーションに基づき不明瞭ではないと同定できた。この中で、31個のみが独特の配列に対応し、一方77個はリボソームDNAを示した。このようなリボソームDNAの過剰メチル化は加齢および腫瘍形成と関連して以前に記載報告されているが、その生理学的役割はまだ不明なままである。独特な配列のうち、3個のクローンが遺伝子間CpG島を示すが、残りの28個は、26種の異なる遺伝子に位置づけされた。2個の遺伝子以外、全てプロモーター領域に位置する。
メチル化DNAの単一遺伝子PCRによるマイクロアレイ結果を確認するために、我々は、これらの候補遺伝子の22個に特異的なプライマーを設計した。これらのコントロールは、全遺伝子の70%におけるSW48−特異的メチル化を確認した。メチル化感受性制限酵素を別々の独立したアプローチとして使用して、3個の無作為に選択した遺伝子上の差次的メチル化を確認した。最後に、RT−PCRを使用して、本発明者らは、これらの遺伝子のサブセットのSW48細胞における転写下方制御および脱メチル化剤5−アザ−dCでの処理による抑制解除を証明した。この再反応化は、検出されたメチル化が、連結する遺伝子の活性を直接抑制することを示唆する。故に、本発明の方法とCpG島マイクロアレイでのハイブリダイゼーションは、癌細胞における後成的に沈黙した遺伝子の同定を可能にする。
5−アザ−dC処理およびRT−PCR
SW48細胞(1×10)を培養培地に播き、24時間維持して、その後処理した。細胞を次いで5μM 5−アザ−dC(Sigma)で4日間処置した。5−アザ−dC含有培地を処置開始24時間後に交換した。コントロール細胞を、5−アザ−dC添加無しで同じ方法で処理した。総RNAを、RNeasyミニ・キット(Quiagen)を使用して調製し、cDNA合成を2μgの総RNA上で、Superscipt第一鎖合成系(Invitrogen)およびオリゴ−dTプライマーを使用して行った。PCR反応を、cDNA調製物の1/20で行った。RT酵素なしのコントロールは全て陰性であった。
MeDIPサンプル上のPCR用プライマー(s=センス;as=アンチセンス)
KIAA0789 s ATTCAAGGCGCACACTATCCC
KIAA0789 as TGCTGCAGTGGCTTTAAGGAA
FOXF1 s TGCATTTCGGAAGCCACTGT
FOXF1 as AAGAGGCTGAAGCGAAGGAAG
ADAM12 s TGGATCCATTTCACAGGCCT
ADAM12 as AAAAGTTTCCCCCCGTGTGT
MGC48625 s CCTTTCCCATCTTAAGCTCCG
MGC48625 as GCGTCCCAGCGACTTTTTT
SHH s TACCTTTGAGGCCACAGAGCC
SHH as GCGGTTGGTTCTTAAGCCCTA
PAX6 s AACAATTCGGCGCTTTTCGT
PAX6 as TTCTTAAATTCTCCCCGGCC
FLJ25439 s GCTTACAGACTTGCCGCAGAA
FLJ25439 as TCTGATCTCTCAAACTCCCGGA
TAZ s CAAGCCCCGAGTGCAGTTATT
TAZ as ATAATTGCCCGCCTGGAGA
HpaII消化
2μgのゲノムDNAをXbaIとHpaIIまたはXbaIのみのいずれかで消化した。PCR反応を、数個のHpaII制限部位を含むフラグメントにわたるプライマーを使用して、25ngの消化したDNA上で行った。プライマー配列およびPCR条件は請求に応じて入手可能である。
結腸癌における異常メチル化の新規標的:
CpG島アレイを使用して同定した標的遺伝子の中で、ホメオボックス遺伝子PAX6−受託番号NM_000280−のみが、SW48細胞においてメチル化されると既に報告されている。GATA3遺伝子は、以前は結腸癌では試験されていないが、乳癌細胞において異常にメチル化されると報告されていた。残りの遺伝子は、癌における異常過剰メチル化の新規標的を示す。
これらの遺伝子は、転写制御(FOXF1−受託番号NM_001451−、PAX6、TAZ−受託番号NM_015472−、GATA3−受託番号NM_001002295−)、細胞周期進行(TGFB2−受託番号NM_003238−)、細胞−マトリックス相互作用(ADAM12−受託番号NM_003474−)およびアポトーシス(DAP−受託番号NM_004394−)を含む、広範囲の生物学的機能に関与する。これらのいくつかは、RASL11A−受託番号NM_206827−、FOXF1、TGFB2およびSHH−受託番号NM_000193−である。
癌生物学における我々の発見の妥当性を評価するために、我々は、3名の患者からの、原発性腺癌および適合させた正常結腸組織の遺伝子のセットのメチル化状態を決定した(図3A)。遺伝子の1個のみ(AXL4)が全3個の正常結腸組織である程度メチル化されており、結腸特異的メチル化の可能性を示唆する。残りの遺伝子の全てについて、SW48細胞におけるメチル化は、それらが、正常結腸においてメチル化されていないか、またはサンプルの1個(MGC48625−受託番号NM_182609−)または2個(LOC283514受託番号−NM_198849−)のみにおいてメチル化されているため、組織特異的メチル化を反映しない。興味深いことに、これらの後者の遺伝子のメチル化は、正常結腸で均一ではない。このようなメチル化の年齢による差次的蓄積は、他の遺伝子に関しても観察されており、癌形成の素因であるはずである。要約すると、SW48細胞系においてメチル化されたと同定された遺伝子の半分以上が、また少なくとも1個の腫瘍でメチル化されており、我々が、インビボでの異常過剰メチル化の新規標的を同定したことを証明する。
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本発明の好ましい態様および続く特徴付け工程の模式図である。望む平均長のゲノムDNA(制限酵素での消化または剪断のいずれかにより産生)を変性させ、メチル化DNAを5−メチルシチジンに対する抗体とのインキュベートにより単離する。5−メチルシチジンに対する抗体はメチル化配列に結合する。これらを非メチル化配列から分離し、次いでPCRまたはマイクロアレイのような標準DNA検出法で検出できる。
マウスゲノム中のメチル化配列の検出。非メチル化CpG島(ActinbおよびAPRTプロモーター)およびCpG(CpGaおよびCpGb)を含まないコントロール配列と比較してメチル化配列が富化される(IAP Long Terminal Repeat, Xist promoter, H19 ICR)。値は、本発明の方法に付した、AluI消化した雌gDNA(左)および雄音波処理gDNA(右)からのDNAの実時間PCRにより計算した。IAP=大槽内A粒子。ICR=インプリンティングコントロール領域。APRT=アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ。
H19 ICR配列における4個のAluI制限フラグメントの富化とメチル化シトシンの数の正の相関。
インプリントされたH19 ICRのメチル化父性対立遺伝子の特異的検出。本アッセイは、ハイブリッドマウスgDNA(Mus musculus domesticus×spretus)で行い、ICRの親の対立遺伝子を、spretus対立遺伝子に特異的な多型SacI制限部位を使用したPCRにより同定した。黒および白印は、各々メチル化および非メチル化CpGsを示す。ICR=インプリンティングコントロール領域。IP=‘富化’サンプル。IN=非‘富化’サンプル。
結腸癌における異常メチル化のための新規標的の確認。A. PCR用プライマーを、SW48細胞において過剰メチル化であるとマイクロアレイ分析で同定された陽性クローンのために設計した。DNAメチル化は、上記の本方法に従い、WI38原発性線維芽細胞およびSW48結腸癌細胞から調製した富化メチル化サンプルに対する単一遺伝子PCRにより制御された。IN=インプットゲノムDNA、M=富化メチル化DNA。別のコントロールとして、本発明者らは、3名の患者からの適合させた正常結腸(N)および結腸腫瘍(T)から調製したサンプルを分析した。MLH1およびRASSF1Aは、SW48細胞およびある結腸腫瘍において異常にメチル化されると以前に記載されている。インプリントされたH19 ICR配列は、メチル化のポジティブコントロールとして働く。B. メチル化感受性制限によるメチル化状態の制御。ゲノムDNAは、メチル化感受性HpaII酵素で消化するか、または未消化のいずれかであり、無作為に選択された3個の陽性クローン(最上列)および陰性クローン(最下列)にわたるHpaII含有PCRフラグメントをプライマーとPCR鋳型として使用した。PCR単位複製配列内のHpaII部位の数を括弧内に示す。HpaII消化後のPCR産物の存在は、サンプル中のDNAメチル化を反映し、いずれの場合も、上記富化分析を確認する。C. 5−アザ−dC処理による、SW48細胞における沈黙遺伝子の再活性化。RT−PCRを、5μm 5−アザ−dCで4日間処理した(+)またはしていない(−)WI38線維芽細胞およびSW48細胞からのcDNA調製物に対して行った。ベータ−アクチン遺伝子をコントロールとして使用した。

Claims (27)

  1. 核酸フラグメントのサンプル中のメチル化核酸フラグメントを富化する方法であって:
    (a)核酸フラグメントのサンプルとメチル化ヌクレオシドに特異的な抗体を、該抗体のメチル化ヌクレオシドへの結合に適した条件下接触させ;
    (b)メチル化ヌクレオシドに特異的な抗体に結合した核酸フラグメントを選択する
    工程を含む、方法。
  2. 工程(a)の前に:
    サンプル中の二本鎖核酸フラグメントの鎖を分ける
    工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. (c)1個以上のメチル化核酸フラグメントを特徴付けするさらなる工程をさらに含む、請求項1または2記載の方法。
  4. 核酸フラグメントのサンプル中の異なってメチル化された対立遺伝子の検出のための、請求項1から3のいずれかに記載の方法の使用。
  5. 核酸フラグメントのサンプル中のまたはそこから取り出したときのメチル化核酸フラグメントの割合が、工程(a)と(b)の間で少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも20倍、少なくとも30倍、少なくとも50倍または少なくとも100倍増加する、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
  6. 核酸フラグメントがDNAフラグメントである、請求項1から5のいずれかに記載の方法。
  7. メチル化ヌクレオシドがメチルシチジンである、請求項1から6のいずれかに記載の方法。
  8. メチル化ヌクレオシドが5−メチルシチジンである、請求項8記載の方法。
  9. 抗体に結合する核酸フラグメントの選択が、抗体の固体支持体への接着または結合、そしてこの固体支持体のサンプル液相からの分離により行う、請求項1から8のいずれかに記載の方法。
  10. 固体支持体がメチル化ヌクレオシドに特異的な抗体に特異的に結合する、請求項9記載の方法。
  11. 固体支持体がメチル化ヌクレオシドに特異的な抗体に特異的な第二抗体を含む、請求項10記載の方法。
  12. 固体支持体がビーズの形である、請求項9から11のいずれかに記載の方法。
  13. 固体支持体が磁性物質である、請求項9から12のいずれかに記載の方法。
  14. さらにメチル化ヌクレオシドに特異的な抗体からメチル化核酸フラグメントを脱離させる工程を含む、請求項1から13のいずれかに記載の方法。
  15. メチル化ヌクレオシドに特異的な抗体からメチル化核酸フラグメントを脱離させる工程が、第一抗体に結合した核酸フラグメントとプロテイナーゼのインキュベーションを含む、請求項14記載の方法。
  16. ゲノムDNAサンプルのメチル化状態を特徴付けする方法であって:
    (i)ゲノムDNAサンプルをフラグメント化して、核酸フラグメントのサンプルを得て、そして
    (ii)(i)で得た核酸フラグメントのサンプルに対して請求項3から15のいずれかに記載の方法を行う
    工程を含む、方法。
  17. 少なくとも2個の核酸フラグメントのサンプルのメチル化状態を比較する方法であって:
    (i)各核酸フラグメントのサンプルに対して請求項3から15のいずれかに記載の方法を行い、そして
    (ii)一個の核酸サンプルと少なくとも1個の他の核酸サンプルから(i)で得た結果を比較する
    工程を含む、方法。
  18. 個体における特異的核酸フラグメントのメチル化と関連する疾患を診断または予後診断する方法であって:
    (i)個体からの核酸フラグメントのサンプルに対して請求項3から15のいずれかに記載の方法を行い;
    (ii)(i)で得た結果と、個体の疾患状態を相関させる
    工程を含む、方法。
  19. 患者における核酸メチル化の経時的変化を検出する方法であって:
    (i)患者から組織標本をある時点に得て;
    (ii)工程(i)を少なくとも1回別の時点で繰り返し;
    (iii)各時点の核酸サンプルを得るために各組織標本から核酸を抽出し、そして
    (iv)核酸配列がメチル化されているかいないか、および/またはどの程度されているかを特徴付けするために、各時点の各核酸サンプルに対して請求項3から15のいずれかに記載の方法を行う
    工程を含む、方法。
  20. 核酸メチル化の変化と疾患の臨床症状を相関させる方法であって、請求項19に記載の工程と:
    (a)各時点で患者において観察された疾患の臨床症状を記録し、そして
    (b)各時点で記録された臨床症状と工程(iv)において観察された結果を相関させる
    工程をさらに含む、方法。
  21. 各組織標本を貯蔵し、そして工程(ii)を複数の標本で同時に行う工程をさらに含む、請求項19または20に記載の方法。
  22. 疾患が癌である、請求項18から21のいずれかに記載の方法。
  23. KIAA0789、FOXF1、ADAM12、MGC48625、SHH、PAX6、FLJ25439、TAZ、GATA3、TGFb2、ZNF566、ALX4、LOC283514およびDAPの一種以上の活性または発現の調整を含む、癌の処置法。
  24. KIAA0789、FOXF1、ADAM12、MGC48625、SHH、PAX6、FLJ25439、TAZ、GATA3、TGFb2、ZNF566、ALX4、LOC283514およびDAPのいずれか1種の、癌の処置のためのそれらのモジュレーターを同定するためのアッセイにおける使用。
  25. ヒト組織が腫瘍性形質転換する素因があるか否かを決定する方法であって、該組織由来の細胞においてKIAA0789、FOXF1、ADAM12、MGC48625、SHH、PAX6、FLJ25439、TAZ、GATA3、TGFb2、ZNF566、ALX4、LOC283514およびDAPから成る群から選択される核酸分子が存在しないか、変異体で存在するかまたは後成的な機構を介して下方制御されているかどうかの決定を含む、方法。
  26. 処置を必要とする患者における癌を処置または阻害する方法であって、該患者にKIAA0789受託番号XM_033133−、FOXF1、ADAM12、MGC48625、SHH、PAX6、FLJ25439受託番号NM_144725−、TAZ、GATA3、TGFb2、ZNF566受託番号NM_032838−、ALX4受託番号NM_021926−、LOC283514およびDAPから成る群から選択される遺伝子を発現できるベクターを投与する工程を含む、方法。
  27. KIAA0789、FOXF1、ADAM12、MGC48625、SHH、PAX6、FLJ25439、TAZ、GATA3、TGFb2、ZNF566、ALX4、LOC283514およびDAP、それらの活性フラグメント、それらの発現産物およびそれらの発現産物に対する抗体から成る群から選択されるいずれか1個またはそれ以上の遺伝子、および不活性担体を含む、医薬組成物。
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