JP2008501314A - 線状又は分枝状糖ポリマーの存在下でタンパク質を折り畳むための方法及びキット - Google Patents

線状又は分枝状糖ポリマーの存在下でタンパク質を折り畳むための方法及びキット Download PDF

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Abstract

本発明は、非天然構造のタンパク質と、タンパク質の折畳みを可能にするのに適切な濃度の3個以上の糖単位を含んだ線状又は分枝状糖ポリマー又はその誘導体との水溶液を提供することと、タンパク質の折畳みが可能になるようにこの溶液をインキュベートすることを含む、タンパク質を折り畳むための方法に関する。

Description

本発明は、タンパク質の折畳み及び凝集を制御するための方法、キット、消耗品、及び試薬に関する。
タンパク質の生物学的機能は、その3次元構造に依存する。タンパク質は、ポリペプチドと呼ばれるアミノ酸の直鎖として形成される。生体内では、細胞内の適切な状態で、シャペロンと呼ばれるタンパク質によって補助され得るプロセスにより、線状ポリペプチド鎖が折り畳まれる。完全に折り畳まれたタンパク質は、天然の構造として知られる活性3次元構造を有する。この構造は、水素結合や静電的相互作用及び疎水性相互作用などの、弱い力に依存する。これらの力は、タンパク質の環境によって影響を受け、したがってその環境の変化により構造破壊が生じ、タンパク質の変性及び/又は分解と機能の損失がもたらされる可能性がある。そのような問題には、タンパク質のプロセッシング中及びタンパク質の貯蔵中に遭遇する。
遺伝子工学によるタンパク質の生成は、しばしば、封入体としての非活性タンパク質凝集体の蓄積をもたらす。宿主細胞からの分離及び精製の後、タンパク質又は封入体は、タンパク質がその天然構造及び生物活性を取り戻すように、展開(変性)されその後に再び折り畳まれ(再生され)なければならない。
伝統的なタンパク質折畳み方法では、変性剤の希釈又はカラムベースの手法を用いる。変性タンパク質は、一般に、変性剤を希釈することによって再び折り畳まれる。これは、タンパク質分子の疎水性崩壊を誘発し、その際にタンパク質は、その疎水性パッチを分子の核内に遮蔽する。残念なことに、疎水性崩壊の際、タンパク質は常に天然の生物活性構造を形成するとは限らず、再折畳みと凝集という2つの競争反応が生ずる。タンパク質の凝集をもたらすものは、分子表面に露出した疎水性アミノ酸残基であることが示唆される。凝集は望ましくなく、機能的天然タンパク質の収量を低下させる。再折畳みは1次反応として知られるが(速度=K×[タンパク質])、凝集反応は、それがより高次の反応(n)であるので、高濃度では再折畳みよりも好まれる(速度=K’×[タンパク質])。タンパク質の再折畳み:タンパク質の凝集の比は、タンパク質濃度に非常に左右される。プロセス規模では、この濃度依存性が凝集の増大をもたらす可能性があり、したがって再折畳みの収率が低下する。これは、タンパク質溶液での不完全な混合パターンに起因する可能性がある。大きいタンパク質分子の処理は、これら分子がより小さい変性剤分子よりもゆっくりと拡散するので特に難しく、したがって、局在化タンパク質濃度が高く且つ変性剤濃度の低い微小環境が生成され、即ちタンパク質の折畳みよりもタンパク質の凝集が好まれる環境が生成される。
ジスルフィド結合を有するタンパク質の場合、天然タンパク質をしばしば「成熟」させる必要があり、その成熟中、非天然ジスルフィド結合を有する非凝集モノマータンパク質分子を最初に生成し、次いでタンパク質特異的酸化還元対を使用してジスルフィド結合を混合し、そのタンパク質を、天然ジスルフィド結合を有する機能性タンパク質分子に成熟させる。
再折畳みプロセスでは、通常、再生を強化するために、「再折畳み補助物質」の存在下で変性タンパク質分子を緩衝剤中に分散させる。再折畳み補助物質は、通常、折畳み中間体の溶解度を高め、且つ/又は折畳み反応及び凝集反応の相対的な反応速度を変化させる。ポリエチレングリコール、及びスクロースやグルコース、N−アセチルグルコサミンなどの様々な糖、及びChapsやTween、SDS、ドデシルマルトシドなどの界面活性剤が、再折畳み補助物質として用いられている(De Bernadez Clark(1998)Current Opinion Biotechnol.9,157−163)。
α、β、及びγシクロデキストリン(CD)は、ある酵素の安定化、可溶化、及びアフィニティ精製に有用であることが報告されているが、これらCD及びタンパク質の相互作用の性質とこれらが生物活性に及ぼす影響は、共に不明なままである。α、β、及びγ−シクロデキストリンは、界面活性剤を含まない再折畳み環境(Sharma他、EP 0871651、米国特許第5728804号)及び界面活性剤を含有する再折畳み環境(Gellman&Rozema、米国特許第5563057号)の両方で、タンパク質の再折畳みを補助する人工シャペロンとして使用されている。シクロデキストリンは、多数のグルコース残基からなる環状オリゴ糖である。これらは環構造内の糖残基の数によって分類され、α−シクロデキストリンは6個のグルコース残基を有し、β−シクロデキストリンは7個のグルコース残基を有し、γ−シクロデキストリンは8個のグルコース残基を有する。シクロデキストリンは、誘導体を生成するための誘導体化によって変化させることができる。
シクロデキストリンの内部空洞は疎水性であるのに対し、その外面は親水性である。疎水性の内部には、可溶性の低い薬物を封入することが可能である。親水性の外部は可溶化を助け、したがってシクロデキストリンは、有用な医薬品製剤の補助剤である。
EP 0094157及び米国特許第4659696号(Hirai他)は、本質的に、親水性の生理学的活性(折り畳まれた、天然の)ペプチドとシクロデキストリン誘導体との物理的混合物からなる医薬品組成物であって、剤形が均一な混合物である組成物中での、α−、β−、及びγ−シクロデキストリン誘導体の使用について記述している。
EP 0437678B1、米国特許第5730969号、及び米国特許第5997865号(Hora)は、指定されたシクロデキストリン誘導体:β−及びγ−シクロデキストリンのヒドロキシプロピル、ヒドロキシエチル、グルコシル、マルトシル、及びマルトトリオシル誘導体を使用して、ポリペプチド、特にタンパク質を可溶化及び/又は安定化するための方法について記述しており、ヒドロキシルプロピル−β−シクロデキストリン誘導体が好ましい。また、ポリペプチド、任意選択ではタンパク質と、上記指定されたシクロデキストリン誘導体とを含む、水性及び凍結乾燥した組成物も開示されている。
EP 0871651及び米国特許第5728804号(Sharma他)は、界面活性剤を含まない水性媒体中で、展開され又は凝集したタンパク質を、前記展開され又は凝集したタンパク質を再生するのに有効な量のシクロデキストリンで再生するための方法に関する。この場合タンパク質は、凝集を最小限に抑えるように選択された低い濃度で存在し、好ましくは0.05mg/ml程度の濃度で存在し、シクロデキストリンを含有する再折畳み緩衝剤中で、自発的に再び折り畳まれる。再折畳みの後、シクロデキストリンを透析によって除去する。
米国特許第5563057号(Gellman&Rozema)は、誤って折り畳まれた酵素に線状アルキル無極性タンパク質、例えばCTAB及びTriton(登録商標)−X 100(オクトキシノール−9)を有する界面活性剤を添加して、酵素−界面活性剤複合体を形成し、次いでこれをシクロデキストリンに接触させて酵素を第2の活性構造にすることにより、誤って折り畳まれた構造から第2の天然活性構造へと酵素を再び折り畳むための方法について記述している。
Hinrihs他(2001),International Journal of Pharmaceutics,215,163−174は、凍結乾燥中及びその後に続く乾燥タンパク質の貯蔵中にアルカリフォスファターゼが分解するのを防ぐための、非誘導体化イヌリン、イヌリンSC95(DPn/DPw=5.5/6.0)、イヌリンRS(DPn/DPw=14.2/19.4)、及びイヌリンEXL608(DPn/DPw 23.0/26.2)の使用について記述している。
WO 96/41870(Gombac他)は、コラゲナーゼを安定化するためにイソマルト及び/又はイヌリン(非誘導体化)を含有する、凍結し、乾燥し、又は凍結乾燥した水溶性コラゲナーゼ組成物について記述している。
今日までイヌリンは、タンパク質折畳み補助剤として有用であることが報告されていなかった。イヌリンは、一般に、フルクトース単位がほとんどβ(2−1)結合によって又はβ(2−1)結合のみによって互いに接続しているポリフルクトースの鎖からなるD−フルクタンである。イヌリンは一般に、ポリフルクトース鎖、即ちそのほとんどが一端にグルコシル単位を有しているポリフルクトース鎖の、多分散系混合物として天然に生ずる。イヌリンは、細菌合成から得ることができ、植物から抽出することができ、又はスクロースから始まる酵素合成によって生体外で作製することができる。細菌から生成されたイヌリンは、植物由来のイヌリンよりも分枝状になっており、一般により高い分子量(約2000から約20000000まで)を有するのに対し、植物由来のイヌリンは、一般に、分子量が一般に約600から約20000に及んでいる線状又はわずかに分枝状のポリフルクトース鎖又はこれらの混合物からなる。
イヌリンは、末端の炭水化物単位に応じて、一般式GFn又はFnによって表すことができる(式中、Gはグルコシル単位を表し、Fはフルクトシル単位を表し、nは、炭水化物鎖で互いに結合しているフルクトシル単位の数を表す整数である)。1つのイヌリン分子中の糖単位(フルクトース単位及びグルコース単位)の数を重合度と呼び、これを(DP)で表す。しばしば(DP)で表されるパラメータ、(数)平均重合度も使用されるが、これは、おそらく存在するであろう単糖グルコース(G)及びフルクトース(F)と2糖スクロース(GF)を考慮せずに、所与のイヌリン組成物中の糖単位(G及びF単位)の総数を前記イヌリン組成物中に存在するイヌリン分子の総数で割った値に相当する値である。平均重合度(DP)は、例えばL.De Leenheerによって記述される方法(Starch,46(5),193−196,(1994)及びCarbohydrates as Organic Raw Materials,Vol.III,67−92,(1996))により決定することができる。
イヌリンは、一般に植物源から、主にチコリ(Cichorium Intybus)根から調製され、またキクイモ(Helianthus tuberosus)の塊茎から調製されるが、この場合イヌリンは、新鮮な植物材料の約10から20w/w%の濃度で存在することができる。植物由来のイヌリンは、通常、重合度(DP)が2から約100にわたる線状及びわずかに分枝状の多糖鎖の多分散系混合物である。既知の技法によれば、イヌリンは、例えばEP 0769026及びEP 0670850に記載されるように、様々なグレードのイヌリンを提供するために、前記植物部分から容易に抽出し、精製し、任意選択で分画して、不純物、単糖及び2糖、及び望ましくないオリゴ糖を除去することができる。
イヌリンは、典型的な場合、(DP)が約6から約40に及ぶものが市販されている。チコリから得たイヌリンは、例えば様々なグレードのORAFTI(Tienen、ベルギー)製のInutec(登録商標)N25及びRAFTILINE(登録商標)として入手可能である。典型的なRAFTILINE(登録商標)のグレードには、RAFTILINE(登録商標)ST((DP)は約10であり、グルコース、フルクトース、及びスクロースを合計で約8重量%まで含有する)、RAFTILINE(登録商標)LS((DP)は約10であるが、グルコース、フルクトース、及びスクロースを合計で1重量%未満含有する)、及びRAFTILINE(登録商標).RTM.HP((DP)は少なくとも23であり、一般には(DP)は約25であり、実質的にはグルコース、フルクトース、及びスクロースを含まない)が含まれる。
通常は(DP)<10と定義される、重合度がより低いイヌリンは、一般にイヌロ−オリゴ糖、フルクト−オリゴ糖、又はオリゴフルクトースと命名される。オリゴフルクトースは、イヌリンの部分(好ましくは酵素)加水分解によって得ることができ、当技術分野で周知の技法を用いたスクロースからの酵素生体外合成によって得ることもできる。いくつかのグレードのオリゴフルクトースは、例えばOrafti(Tienen、ベルギー)からRAFTILOSE(登録商標)として市販されており、例えば、オリゴフルクトースの平均含量が約95重量%であり、重合度(DP)が2から7に及び、且つグルコース、フルクトース、及びスクロースを合計で約5重量%含有するRAFTILOSE(登録商標)P95がある。ポリフルクトースの主鎖上で疎水性アルキル鎖により誘導体化したイヌリンが市販されており、例えばOrafti(Tienen、ベルギー)製Inutec(登録商標)SP1がある。
様々なイヌリン誘導体、及びイヌリン誘導体を調製する方法は、米国特許第6534647号(Stevens他)に記載されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。
デンプンは、生分解性貯蔵多糖として多くの植物に豊富に存在する周知の炭水化物である。デンプン分子は、D−グルコシル単位からなるポリマーであり、このD−グルコシル単位は、α−1,4−グルコシル−グルコシル結合によって互いに結合され、したがって直鎖デンプン構造(アミロースと呼ぶ)を形成し、又はα−1,4−及びα−1,6グリコシル結合によって互いに結合され、したがって分岐点にα−1,6−グルコシル−グルコシル結合を有する分枝鎖デンプン構造(アミロペクチンと呼ぶ)を形成するものである。デンプンは、植物源に応じて主に線状構造又は分枝状構造を有するポリマー分子の多分散系混合物として天然に生ずる。デンプンは、前記構造を有する分子の多分散系混合物として、天然に生ずることもできる。重合度(DP)、即ちデンプン分子内で互いに結合されるグルコシル単位の数は、広く変わる可能性があり、これは植物源及び収穫期に大きく依存する。
グルコシル単位間の結合は、加水分解、熱、及び剪断力に対して感受性がある。この現象は、酸性加水分解、酵素加水分解、熱処理、又は剪断によって、或いは前記処理の組合せによって、様々なデンプン誘導体を調製するために、即ち本明細書では総称的にデンプン加水分解物と呼ばれるものを調製するために、工業的に活用される。デンプンの供給源、加水分解触媒、加水分解条件、熱処理、及び/又は剪断条件に応じて、本質的にグルコースからなる生成物から一般にグルコースシロップと呼ばれる生成物を経て、さらに一般にマルトデキストリン及びデキストリンと呼ばれる生成物に至るまで、広く様々なデンプン加水分解物を得ることができる。デンプン加水分解物は、当技術分野で周知である。
D−グルコース(デキストロース)は、強力な還元力を示す。デンプン加水分解物は、D−グルコースと、D−グルコシル鎖からなるオリゴマー(DP<10)及び/又はポリマー(DP>10)分子であってやはりD−グルコースの存在下で還元力を示す分子と、オリゴマー及びポリマー分子上の還元糖単位(本質的に末端グルコシル単位)とからなる、多分散系混合物である。
その結果、所与のデンブン生成物から開始することにより、加水分解度が高くなるほど、より多くの分子(モノマーD−グルコース、オリゴマー、及び残存するポリマー分子)が加水分解物中に存在するようになり、そのためより高い還元力のデンプン加水分解物が得られる。したがって、デンプン加水分解物の還元力は、様々なデンプン加水分解物生成物を区別し指定するための、選り抜きの特色になった。還元力は、正式には乾燥物質100g当たりのD−グルコース(デキストロース)のグラム数に相当するデキストロース当量(D.E.)として表される。定義によれば、D.E.が100であるD−グルコースの場合、そのD.E.は、乾燥生成物ベースでの所与の生成物中のD−グルコース及び還元糖単位(デキストロースとして表される)の量を示している。したがってD.E.は、事実上デンプンの加水分解度の測定値でもあり、またデンブン加水分解物中のグルコースポリマーの平均分子量を相対的に示している。
デンプン加水分解物のD.E.は、本質的にD−グルコースからなる加水分解物は別にして、1から約96に及ぶ可能性があり、デンブン加水分解物は、そのD.E.に応じて広く様々なグレードで市販されている。
D.E.が20よりも大きい加水分解物を、一般にグルコースシロップと呼ぶ。D.E.が最高で47のグルコースシロップは、従来の技法によって、例えば噴霧乾燥によって乾燥することができ、その結果、最大約5wt%の湿気を含有する粉末形態の、いわゆる「乾燥グルコースシロップ」が得られる。
D.E.が20以下の加水分解物を、一般にマルトデキストリン及びデキストリンと呼ぶ。この製造プロセスは、通常はその終わりに噴霧乾燥ステップを含み、やはり最大約5wt%の湿気(wt%は重量%を示す)を含有するこれら粉末形態の加水分解生成物が得られる。
グルコースシロップ、マルトデキストリン、及びデキストリンは、周知の方法により、制御された加水分解条件下で様々なデンプン源から大規模に工業的に作製される。得られた様々なグレードのデンプン加水分解物は、通常そのデンプン源材料によって及びそのD.E.値によって、しばしば製造方法の表示と併せて定められる(例えば、マルトデキストリン/デキストリン)。
ある規定に従えば、「マルトデキストリン」という用語はコーンスターチから得られた生成物を指示するのに用いられるが、本明細書で使用されるマルトデキストリンという用語はコーンスターチの加水分解物に限定されず、本明細書では、任意の供給源由来のデンプンから得られたD.E.が20以下のデンプン加水分解物を示す。
典型的な商用デンプン源は、トウモロコシ、ジャガイモ、タピオカ、米、ソルガム、及び小麦である。しかし、本発明と併せて使用するのに適したデンプン加水分解物は、前記供給源から得たデンブンに限定されず、任意の供給源由来のデンプンから得られたデンプン加水分解物にまで及ぶ。
グルコースシロップ、マルトデキストリン、及びデキストリンは、周知であり市販されている。例えば、グルコースシロップの生成、性質、及び適用例は、Starch Hydrolysis Products,Worldwide Technology,Production and Applicartions,Weinheim VCH Publishers Inc.(1992)という書籍の総論に記載されている。さらに、Roquette社からの技術小冊子「GLUCIDEX Brochure 8/09.98」には、マルトデキストリン及び乾燥グルコースシロップが記載され、様々なグレードが売り物として提供されている。
正しく折り畳まれた非凝集活性タンパク質、特に組換え技法を使用して生成されたタンパク質の、効率的な調製方法が求められている。処理中及び貯蔵中のタンパク質の折畳み及び凝集の制御は、多くの産業で、特に製薬産業及びバイオテクノロジー産業で認識されている問題である。タンパク質が遭遇する問題は、タンパク質の製造を困難にし、その結果、収量が低くなり且つプロセスを不経済なものにする可能性がある。タンパク質の折畳みの制御を可能にし且つタンパク質の凝集を変化させる、方法、消耗品、試薬、及びキットは、商業的に重要である。本発明の目的は、本発明の方法に関連した欠点が多少なりとも解決されるように、タンパク質の折畳みの方法を提供することである。
本発明が対処する問題には、凝集を減少させ、それによって可溶性中間体又は天然タンパク質の収量が増加するような制御された手法で、タンパク質の凝集を低下させること、及びタンパク質折畳みの制御、特に安定な非天然状態から部分的に又は完全に折り畳まれた状態へのタンパク質の折畳みの制御を実現することが含まれる。
本発明は、非天然構造のタンパク質と、α−、β−、若しくはγ−シクロデキストリンではなく又はその誘導体ではない糖ポリマー又は糖ポリマー誘導体、或いは糖ポリマー及び/又は糖ポリマー誘導体の混合物との水溶液を提供するステップと、その溶液をインキュベートしてタンパク質の折畳みを可能にするステップとを含む、タンパク質を折り畳むための方法を提供する。
本発明は、非天然構造のタンパク質と、α−、β−、若しくはγ−シクロデキストリンではない1種又は複数の糖ポリマー及び/又は糖ポリマー誘導体との水溶液を提供するステップと、その溶液をインキュベートしてタンパク質の折畳みを可能にするステップとを含む、タンパク質を折り畳むための方法を提供する。
また本発明は、非天然構造のタンパク質と、3個以上の糖単位を含んだ線状又は分枝状糖ポリマーから選択された1種又は複数の糖ポリマー及びその誘導体との水溶液を提供するステップと、その溶液をインキュベートしてタンパク質の折畳みを可能にするステップと含む、タンパク質を折り畳むための方法も提供する。
糖ポリマー又は糖ポリマー誘導体は、3個以上の単糖単位を含んだ線状又は分枝状糖ポリマー誘導体であることが好ましい。本明細書で使用する「糖ポリマー」及び「糖ポリマー誘導体」という用語は、α−、β−、及びγ−シクロデキストリンとその誘導体を除外する。1種又は複数(即ち混合物)の糖ポリマー及び/又は糖ポリマー誘導体を、本発明の方法で用いることができる。適切な糖ポリマー誘導体は、疎水性アミノ酸側鎖を遮断し或いは正味のタンパク質電荷又は水素結合特性を変化させることが可能なものである。本明細書で使用する「糖ポリマー誘導体」という用語は、糖ポリマー当たり1個又は複数の単糖単位がその内部に存在する置換基の誘導体化によって変化している状態の、3個以上の単糖単位を含んだポリマー及びオリゴマー糖分子を包含する。糖ポリマー誘導体は、線状又は非線状(即ち分枝状)両親媒性糖ポリマー誘導体であり得る。
本発明の方法で用いられる糖ポリマー誘導体は、エリトロース、トレオース、リボース、アラビノース、キシロース、リキソース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、タロース、プシコース、フルクトース、ソルボース、タガトース、キシルロース、及びリブロースからなる群から選択された1種又は複数の糖を含むことができる。これらの糖の中で、グルコース、フルクトース、マンノース、及び/又はガラクトースは、4種の最も一般的な単(モノマー)糖単位である。糖ポリマー誘導体は、デキストラン、セルロース、アミロース、デンプン、プルラン、マンナン、キチン、キトサン、イヌリン、レバン、キシラン、シクロデキストリン(α、β、又はγシクロデキストリン或いはその誘導体ではないことを条件とする)、シクロアミロース、又はこれらの誘導体にすることができる。適切な糖ポリマー誘導体は、米国特許第5202433号及び第5204457号に開示されており、その内容全体を参照により本明細書に援用する。本発明の方法及びキットで使用するのに特に好ましい糖ポリマー及び誘導体は、本明細書に記述されるイヌリン及びグルコシドである。
両親媒性糖ポリマーは、天然及び/又は変性タンパク質との疎水的相互作用が可能である。適切な置換基での糖ポリマーの誘導体化は、両親媒性及びタンパク質との相互作用の強度を高める。本発明の方法で使用される糖ポリマー誘導体に適切な置換基には、1から25個の炭素原子を有するアルキル基、2から25個の炭素原子を有するアルケニル及びアルキニル基、1から25個の炭素原子を有するハロアルキル基、3から9個の炭素原子を有するシクロアルキル基、6から14個の炭素原子を有するアリール基、6から14個の炭素原子を有する1個又は複数のアリール基で置換された1から25個の炭素原子を有するアルキル基を含むアラルキル基、2から25個の炭素原子を有する脂肪酸基、及び1から25個の炭素原子を有するポリオールからなる群から選択された置換基が含まれる。炭水化物分子当たり1個又は複数の置換基を存在させることができる。アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、アラルキル、脂肪酸、及びポリオール基は、直鎖又は分子鎖基でよい。好ましくは置換基は、2から25個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、及びアルキニル基から選択され、より好ましくは3から22個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、及びアルキニル基から選択され、最も好ましくは3から18個の炭素原子を有するアルキル、アルケニル、及びアルキニル基から選択される。
適切な濃度で、糖ポリマー又は糖ポリマー誘導体、或いは糖ポリマー及び/又は糖ポリマー誘導体の混合物と一緒に非天然構造のタンパク質をインキュベートすると、タンパク質の自発的な折畳みが可能となる。
本明細書で使用する「タンパク質」という用語は、タンパク質、ペプチド、ポリペプチド、及びオリゴペプチドを包含する。タンパク質は、合成又は天然に生ずるものでよく、化学合成によって、或いは組換え又は非組換え方法によって得ることができる。タンパク質は、DNA組換え又は変異技法を使用して生成することができる。タンパク質は、まるごとの動物において、或いは真核又は原核細胞において、生体内で生成することができ;或いはタンパク質は、例えば大腸菌(E.coli)溶解物、小麦胚芽抽出物、又はウサギ網状赤血球を使用する無細胞生体外翻訳などの生体外での方法を使用して生成することができる。無細胞生体外翻訳法は、生体外転写の後に、例えばファージ又はリボソームディスプレイの後に用いることができる。
水溶液中の非天然構造のタンパク質は、タンパク質が、展開されたタンパク質及び/又は部分的に折り畳まれた再折畳み中間体のような非天然形態になるように、変性され、完全に変性させることができ、或いは部分的に変性させることができ、又は部分的に再生することができる。変性タンパク質を含む水溶液又は乾燥サンプルは、これら形態の1種又は複数を含有することができる。天然のタンパク質は、折り畳まれた機能的構造をとる。一部のタンパク質は、凝集体及び/又は封入体を含有する形で、水溶液中に又は乾燥サンプル中に存在してもよい。
タンパク質の折畳みは、折畳みと再折畳みの両方を包含する。タンパク質は、部分的に折り畳まれたタンパク質折畳み中間体及び/又は折り畳まれた機能的タンパク質が形成されるように、折り畳むことができる。
タンパク質を折り畳むための方法で使用される糖ポリマー又は糖ポリマー誘導体、或いは糖ポリマー及び/又は糖ポリマー誘導体の混合物の濃度は、温度や溶液状態、及びタンパク質そのものなどの、様々な因子に依存することになる。タンパク質を折り畳むのに適切な、糖ポリマー又は糖ポリマー誘導体或いは糖ポリマー及び/又は糖ポリマー誘導体の混合物の適切な濃度は、当業者が容易に決定することができる。タンパク質を折り畳むための方法において、糖ポリマー又は糖ポリマー誘導体或いは糖ポリマー及び/又は糖ポリマー誘導体の混合物は、低濃度から中程度の濃度、例えば0.005mg/mlから50mg/ml、又は0.002mg/mlから20mg/mlの範囲内の濃度、例えば0.05から5mg/ml、又は0.01から1mg/mlで、折畳み反応溶液中に適切に存在する。
タンパク質折畳み条件(緩衝剤、イオン強度、pH、温度、酸化還元電位)は、極めてタンパク質に固有のものである。本発明による方法は、これまで知られている条件範囲の折畳み収率を高め、タンパク質折畳みを支持する条件範囲を広げることができる。反応条件、タンパク質濃度、及び1種又は複数の糖ポリマー及び/又はその誘導体の濃度は、最初にタンパク質が凝集していない非天然状態で存在し、それが部分的に折り畳まれた中間状態及び/又は展開状態になるようなものである。少量の、好ましくは5%未満のタンパク質が、凝集体及び/又は封入体を含有する形で存在してよい。
従来技術の方法では、再折畳みを低タンパク質濃度で実施していた(例えばリゾチームの場合、通常は0.10mg/ml未満)。しかし本発明の方法、キット、試薬、及び消耗品では、伝統的な方法よりも高いタンパク質濃度であり凝集が低下した状態のタンパク質の濃度範囲で、タンパク質の折畳みが可能になる。本発明の方法を実施することができるタンパク質濃度は、一般に0.001から1.0mg/mlの範囲内、好ましくは0.005から0.6mg/mlの範囲内、より好ましくは0.01から0.3mg/mlの範囲内である。選択されるタンパク質濃度は、タンパク質のサイズなどの因子に依存することになる。いくつかのより小さいタンパク質は、より高いタンパク質濃度で首尾良く再び折り畳まれているが、大きいタンパク質を折り畳むには、しばしばより低いタンパク質濃度が必要とされる。高いタンパク質濃度を使用する利点は、処理体積の低下にあり、その結果、より容易な精製、試薬の使用の減少、資本的支出の低下がもたらされる(より小さい装置サイズ)。
本発明のタンパク質折畳み方法では、インキュベーションを、望ましくは約0℃から約45℃の範囲内の温度で実施し、好ましくは約4℃kら約42℃、さらに好ましくは約4℃から約37℃、なおさらに好ましくは約4℃から約30℃、より好ましくは約4℃から約25℃の範囲内の温度で実施する。
この方法のある実施形態では、多段階インキュベーション、例えば2段階インキュベーションを用い、最初のインキュベーションの後にこの最初のインキュベーションの温度よりも高い温度で、即ち適切な場合には約20℃から約45℃の範囲内の温度で別のインキュベーションが実施されるようにする。2段階インキュベーション法では、最初のインキュベーションを約4℃で実施し、別のインキュベーションを室温(約25℃)、約37℃、又は約42℃で実施することが好ましく、或いは、最初のインキュベーションを室温(約25℃)で実施し、次いで別のインキュベーションを約30℃、約37℃、約42℃、又は約45℃で実施する。特定の折畳み反応インキュベーション温度でタンパク質の折畳みをモニタすることにより、使用される反応条件下で特定のタンパク質に最適なインキュベーション期間を決定することができる。
インュベーションステップの所要時間は、典型的には72時間以下であり、好ましくは48時間以下、より好ましくは24時間以下、例えば1、2、4、8、12、又は15時間であり、一晩かけて約12から15時間行われるインキュベーションが一般に都合が良い。
本明細書で使用される除去は、除去される試薬の濃度の低下を意味し、反応混合物からの試薬の部分的な除去、本質的に完全な又は完全な除去でよい。
タンパク質再折畳みインキュベーションの反応中及び/又はその反応の後に、糖ポリマー及び/又は誘導体が除去される本発明のタンパク質折畳み方法の実施形態では、好ましい除去方法は、希釈、透析による緩衝剤交換、ダイアフィルトレーション、濾過、沈殿、及び/又はクロマトグラフ法であり、適切なクロマトグラフ法には、ゲル透過、サイズ排除クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、又はアフィニティクロマトグラフィが含まれる。
代替例として又は追加として、タンパク質折畳み後の糖ポリマー及び/又は糖ポリマー誘導体の除去は、糖ポリマー及び/又は糖ポリマー誘導体の分解によるものでよく、適切な場合には、以下の方法、即ち化学分解、酵素分解、電磁放射、剪断応力、又は熱の1つ又は複数によるものでよい。特に好ましい分解方法は、化学及び/又は酵素消化による糖ポリマー及び/又は誘導体の除去を含み、酵素消化によるものが最も好ましい。
前述の又は新たな糖ポリマー又はその誘導体がイヌリンである実施形態では、イヌリンの酵素消化を、エキソイヌリナーゼフルクタンβ−フルクトシダーゼE.C.3.2.1.80及び/又はエンドイヌリナーゼE.C.3.2.1.7などの、1種又は複数のエキソイヌリナーゼ及び/又はエンドイヌリアーゼを使用して行うことができる。
EC番号は、IUPAC(国際純正応用化学連合)及びIUBMB(国際生化学分子生物学会議)の生化学命名法に関する合同委員会によって割り当てられた酵素番号である。酵素に関するその他の情報は、Enzyme Nomenclature 1992[Academic Press,San Diego,California,ISBN 0−12−227164−5(hardback),0−12−227165−3(paperback)]の補遺1(1993)、補遺2(1994)、補遺3(1995)、補遺4(1997)、及び補遺5(それぞれEur.J.Biochem.1994,223,1−5;Eur.J.Biochem.1995,232,1−6;Eur.J.Biochem.1996,237,1−5;Eur.J.Biochem.1997,250;1−6及びEur.J.Biochem.1999,264,610−650)に見出すことができる。定期的に更新されるこの文献のウェブ版は、http://www.chem.qmul.ac.uk/iubmb/enzyme/で入手可能である。
前述の又は新たな糖ポリマー又はその誘導体が、グルコシド又はその誘導体、例えば本明細書に記述されるグルコシドヒドロカルビル誘導体である実施形態では、酵素消化を、1種又は複数のアミラーゼ、セルラーゼ、及び/又は脱分岐酵素を使用して行うことができる。
本発明の折畳み方法では、キチン、キトサン、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体、シクロアミロース、シクロアミロース誘導体、疎水性樹脂、及び/又は疎水性ゲルの1種又は複数を、折畳み溶液中に含めることができ、タンパク質折畳み反応の開始時に含めることができ、又はインキュベーション中のタンパク質折畳み反応に、即ち最初のインキュベーション期間の後に含めることができる。そのような方法は、折畳み反応中又は折畳み反応後の溶液からのキチン、キトサン、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体、シクロアミロース、シクロアミロース誘導体、疎水性樹脂、及び/又は疎水性ゲルの1種又は複数の除去を、さらに含むことができる。
本明細書で使用される「シクロデキストリン」という用語には、α−シクロデキストリン、β−シクロデキストリン、γ−シクロデキストリン、及びこれらの誘導体(例えば、β−及びγ−シクロデキストリンのヒドロキシプロピル、ヒドロキシエチル、グルコシル、マルトシル、及びマルトトリオシル、及びメチル誘導体)などのシクロデキストリンが含まれる。シクロデキストリンの1種又は複数(即ちこれらの混合物)を、本発明のある方法で使用することができる。
市販されているシクロアミロース及びシクロアミロース誘導体は、本発明のタンパク質折畳み方法で使用するのに適しており、例えばSigma Aldrichから得ることができる。1種又は複数のシクロアミロース及び/又はシクロアミロース誘導体を、本発明のタンパク質折畳み方法で使用することができる。
様々なキチン及びキトサンが、本発明のタンパク質折畳み方法で使用するのに適しており、キチンは、多くの供給元、例えばSigma Aldrichから市販されている。1種又は複数のキチン及び/又は1種また複数のキトサンを、本発明のタンパク質折畳み方法で使用することができる。
本発明のタンパク質折畳み方法で使用するのに適した疎水性樹脂(ビーズ)及びゲルは、親水性外面と、タンパク質を除外するのに十分な孔径とを有するものを含む。孔/核は疎水性であり、低分子量疎水性分子などの分子を結合して、部分的に又は本質的に完全にこれらを除去することが可能である。市販されている供給源には、Bio−Beads SM Adsorbents(Bio−Rad)及びExtractic−Gel D Detergent Removing Gel(Pierce、Perbio、英国)が含まれる。
また本発明は、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体、或いはシクロデキストリン及び/又はシクロデキストリン誘導体の混合物をタンパク質折畳み溶液中に含める上記にて定義されたタンパク質折畳み方法も提供する。シクロデキストリンは、折畳みプロセスの間、例えば最初の1回又は複数のインキュベーション期間の後に、タンパク質折畳み溶液中に導入されることが好ましい。本発明のタンパク質折畳み方法は、多段階インキュベーション、例えば2段階インキュベーションを含むことができ、その場合タンパク質は、適切な場合には約0℃から約45℃の範囲内の温度で、好ましくは約4℃から約42℃で、さらに好ましくは約4℃から約37℃で、なおさらに好ましくは約4℃から約30℃で、より好ましくは約4℃から約25℃で、最初に1種又は複数の糖ポリマー及び/又は糖ポリマー誘導体とインキュベートするが(例えば30分間、1、2、4、6、8、12時間、又は約12から15時間の一晩)、室温(約25℃)でインキュベートすることがほとんどのタンパク質にとって適切である。次いで1種又は複数のシクロデキストリン及び/又はシクロデキストリン誘導体をこの溶液に導入することができ、インキュベーションを継続するが(例えば30分間、1、2、4、6、8、12時間、又は約12から15時間の一晩)、適切な場合には約0℃から約45℃の範囲内の温度で、好ましくは約4℃から約42℃で、さらに好ましくは約4℃から約37℃で、なおさらに好ましくは約4℃から約30℃で、より好ましくは約4℃から約25℃の温度でインキュベーションを実施し、このインキュベーション温度は4℃であることが、ほとんどのタンパク質にとって好ましい。本発明の方法では、シクロデキストリンがタンパク質から糖分子を移動させ、したがってタンパク質の再折畳みを助けると考えられる。そのような方法は、さらに、溶液からのシクロデキストリン及び/又はシクロデキストリン誘導体の除去を含むことができる。シクロデキストリンは、タンパク質の折畳み中及び/又は折畳み後に、溶液から除去することができる。溶液からのシクロデキストリン及び/又はシクロデキストリン誘導体の除去は、好ましくは分解によるものであり、例えば以下の方法、即ち化学分解、酵素分解、電磁放射、剪断応力、又は熱の1種又は複数によるものである。化学及び/又は酵素分解が好ましく、例えばアミラーゼ及び/又はグルコシルトランスフェラーゼを使用し、適切な場合にはシクロマルトデキストリナーゼ(Cdase、EC3.2.1.54)、ネオプルラナーゼ(Npase、EC 3.2.1.135)及び糖化アミラーゼ(Mase、EC3.2.1.133)を含む群から選択された1種又は複数の酵素を使用した酵素分解が最も好ましい。代替例として又は追加として、シクロデキストリン及び/又はその誘導体の除去を、沈殿、希釈、透析による緩衝剤交換、ダイアフィルトレーション、濾過、及び/又はクロマトグラフ法(ゲル透過、サイズ排除クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、又はアフィニティクロマトグラフィなど)によって行うことができる。
また本発明は、シクロアミロース、シクロアミロース誘導体、或いはシクロアミロース及び/又はシクロアミロース誘導体の混合物をタンパク質折畳み溶液に含める上記にて定義されたタンパク質折畳み方法も提供する。シクロアミロースは、折畳みプロセスの間、例えば最初の1回又は複数のインキュベーション期間の後に、タンパク質折畳み溶液中に導入することが好ましい。本発明のタンパク質折畳み方法は、多段階インキュベーション、例えば2段階インキュベーションを含むことができ、その場合タンパク質は、適切な場合には約0℃から約45℃の範囲内の温度で、好ましくは約4℃から約42℃で、さらに好ましくは約4℃から約37℃で、なおさらに好ましくは約4℃から約30℃で、より好ましくは約4℃から約25℃で、最初に1種又は複数の糖ポリマー及び/又は糖ポリマー誘導体と共にインキュベートするが(例えば30分間、1、2、4、6、8、12時間、又は約12から15時間の一晩)、室温(約25℃)でインキュベートすることがほとんどのタンパク質にとって適切である。次いで1種又は複数のシクロアミロース及び/又はシクロアミロース誘導体をこの溶液に導入することができ、インキュベーションを継続するが(例えば30分間、1、2、4、6、8、12時間、又は約12から15時間の一晩)、適切な場合には約0℃から約45℃の範囲内の温度で、好ましくは約4℃から約42℃で、さらに好ましくは約4℃から約37℃で、なおさらに好ましくは約4℃から約30℃で、より好ましくは約4℃から約25℃の温度でインキュベーションを実施し、このインキュベーション温度は4℃であることが、ほとんどのタンパク質にとって好ましい。本発明の方法では、シクロアミロースがタンパク質から糖分子を移動させ、したがってタンパク質の再折畳みを助けると考えられる。そのような方法は、さらに、溶液からのシクロアミロース及び/又はシクロアミロース誘導体の除去を含むことができる。シクロアミロースは、タンパク質の折畳み中及び/又は折畳み後に、溶液から除去することができる。溶液からのシクロアミロース及び/又はシクロアミロース誘導体の除去は、好ましくは分解によるものであり、例えば以下の方法、即ち化学分解、酵素分解、電磁放射、剪断応力、又は熱の1種又は複数によるものである。化学及び/又は酵素分解が好ましく、例えばアミラーゼ及び/又はグルコシルトランスフェラーゼを使用する酵素分解が最も好ましい。代替例として又は追加として、シクロアミロース及び/又はその誘導体の除去を、沈殿、希釈、透析による緩衝剤交換、ダイアフィルトレーション、濾過、及び/又はクロマトグラフ法(ゲル透過、サイズ排除クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、又はアフィニティクロマトグラフィなど)によって行うことができる。
本発明のタンパク質折畳み方法には、1種又は複数のキチン、キチン誘導体、キトサン、及び/又はキトサン誘導体をタンパク質折畳み溶液に含める方法も包含される。1種又は複数のキチン、キチン誘導体、キトサン、及び/又はキトサン誘導体は、折畳みプロセス中に、例えば最初の1回又は複数のインキュベーション期間の後に、タンパク質折畳み溶液中に導入することが好ましい。本発明のタンパク質折畳み方法は、多段階インキュベーション、例えば2段階インキュベーションを含むことができ、その場合タンパク質は、適切な場合には約0℃から約45℃の範囲内の温度で、好ましくは約4℃から約42℃で、さらに好ましくは約4℃から約37℃で、なおさらに好ましくは約4℃から約30℃で、より好ましくは約4℃から約25℃で、最初に1種又は複数の糖ポリマー及び/又は糖ポリマー誘導体と共にインキュベートし(例えば30分間、1、2、4、6、8、12時間、又は約12から15時間の一晩)、次いで1種又は複数のキチン、キチン誘導体、キトサン、及び/又はキトサン誘導体をこの溶液に導入することができ、適切な場合には約0℃から約45℃の範囲内の温度で、好ましくは約4℃から約42℃で、さらに好ましくは約4℃から約37℃で、なおさらに好ましくは約4℃から約30℃で、より好ましくは約4℃から約25℃の温度でインキュベーションを継続することができる(例えば30分間、1、2、4、6、8、12時間、又は約12から15時間の一晩)。これらの方法は、さらに、溶液からのキチン、キチン誘導体、キトサン、及び/又はキトサン誘導体の除去を含むことができ、1種又は複数のキチン、キチン誘導体、キトサン、及び/又はキトサン誘導体は、タンパク質の折畳み中及び/又は折畳み後に溶液から除去することができる。
キチン、キチン誘導体、キトサン、及び/又はキトサン誘導体の1種又は複数の除去は、分解によって実施することができ、例えば以下の方法、即ち化学分解、酵素分解、電磁放射、剪断応力、又は熱の1種又は複数によって実施することができるが、化学分解及び/又は酵素分解によって実施することが好ましい。酵素分解は、キチナーゼ(EC 3.2.1.14)、リゾチーム(EC 3.2.1.17)、キトサナーゼ(EC 3.2.1.132)、及びβ−N−アセチルヘキソサミニダーゼ(EC 3.2.152)を含む群から選択された1種又は複数の酵素の使用を含むことができる。代替例として又は追加として、キチン、キチン誘導体、キトサン、及び/又はキトサン誘導体の除去は、沈殿、希釈、透析による緩衝剤交換、ダイアフィルトレーション、濾過、及び/又はクロマトグラフ法(ゲル透過、サイズ排除クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、又はアフィニティクロマトグラフィなど)によって実現することができる。
本発明による方法は、溶液中で適正に折り畳まれた天然構造のタンパク質が効率的に回収されるように、液中の変性タンパク質の折畳み/再折畳みを可能にする。本発明の方法は、特に不溶性タンパク質凝集体、封入体、又は異常な可溶性凝集体の可溶化及び/又は変性の後、事実上どのタンパク質にも適用することができる。
したがって本発明は、タンパク質を再び折り畳むための方法であって、非天然構造のタンパク質を折り畳む方法の前に、カオトロープ、界面活性剤、及び/又は還元剤を使用した変性インキュベーションを行って、タンパク質を変性させ且つ/又は凝集したタンパク質及び/又は封入体を溶解させ、それによって非天然構造のタンパク質(完全に又は部分的に変性したタンパク質)の水溶液を提供する方法を提供する。
適切なカオトロープは、塩酸グアニジン及び/又は尿素の1種又は複数を含む。
還元剤は、ジチオスレイチオール、ジチオエリスリトール、β−メルカプトエタノール、及びトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP.HCl)の1種又は複数にすることができる。
用いられる界面活性剤は、陰イオン界面活性剤(例えばラウロイルサルコシン、SDS)、陽イオン界面活性剤(例えば臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB))、非イオン性界面活性剤(例えばTriton X100、Tween60(Sorbitan))、ドデシルマルトシド、及び/又は両性イオン界面活性剤(例えばCHAPS)の1種又は複数にすることができる。
タンパク質を変性させるのに適切な、カオトロープ、界面活性剤、及び/又は還元剤などの変性剤の条件、濃度、及び組合せは、当技術分野で周知である。典型的な場合、変性は4℃で一晩(12から15時間)行うことができ、又は37℃で約3時間行うことができる。
変性後、カオトロープ、界面活性剤、及び/又は還元剤の濃度は、希釈、又は透析による緩衝剤交換、ダイアフィルトレーション、濾過、及び/又はゲル透過やサイズ排除クロマトグラフィ、イオン交換クロマトグラフィ、又はアフィニティクロマトグラフィなどの1種又は複数のクロマトブラフ法によって、低下させることができる。カオトロープ、界面活性剤、及び/又は還元剤の濃度は、タンパク質を折り畳むための方法の前、開始時、及び/又はその方法の間に低下させることができる。カオトロープ、界面活性剤、及び/又は還元剤の濃度は、天然構造の溶液中での存在が可能になるレベルまで、例えば典型的には尿素が2Mよりも低く、又は塩酸グアニジンが1Mよりも低いレベルまで、低下させることが理想的である。
本発明のタンパク質折畳み方法では、1種又は複数のジスルフィドシャッフリング剤を折畳み溶液中に含めることができる。本発明の方法で使用するのに適切なジスルフィドシャッフリング剤には、還元及び酸化グルタチオン、システイン、システインイソメラーゼ、及びジスルフィドイソメラーゼが、10μMから10mMの範囲内の濃度で含まれることが好ましい。ジスルフィドイソメラーゼは、10μMから10mMの濃度で使用することが好ましい。
本発明の好ましい実施形態では、糖ポリマー又は糖ポリマー誘導体が、イヌリン又はイヌリン誘導体、或いはイヌリン及び/又はイヌリン誘導体の混合物である。
本発明の方法で使用される1種又は複数のイヌリン及び/又はその誘導体の選択は、折畳み反応条件下でのイヌリン又はその誘導体の溶解度によって制限される。適切な場合、イヌリン又はイヌリン誘導体は、約3から500、3から250、又は3から100、好ましくは3から50、より好ましくは10から50、さらにより好ましくは15から40、さらに好ましくは20から30、例えば20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30の重合度を有する。イヌリン誘導体は、1種又は複数のタイプの無極性ヒドロカルビル基、例えば線状アルキル誘導体、分枝状アルキル誘導体、又は線状アルキル誘導体及び分枝状アルキル誘導体の混合物を含む群から選択された基によって誘導体化されることが好ましい。本発明の方法で使用するのに適切なイヌリン誘導体は、Inutec(登録)SP1(Orafti、ベルギー)である。
本発明の方法、使用、又はキットで使用するのに好ましいイヌリン又はイヌリン誘導体は、式(I)の化合物である。
G(O−CO−NH−R−[F(O−CO−NH−R (I)
(式中、Gは末端グルコシル単位であって、その1個又は複数のヒドロキシル基を式(O−CO−NH−R)の1個又は複数の基で置換することができ;
は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基を含む群から選択され、複数の(O−CO−NH−R)基がグルコシル単位上にある場合、各R基は同じでも異なってもよく;
aは、0から4の整数であり;
Fはフルクトシル単位であって、その1個又は複数のヒドロキシル基を式(O−CO−NH−R)の1個又は複数の基で置換することができ;
は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基を含む群から選択され、複数の(O−CO−NH−R)基がグルコシル単位上にある場合、各R基は同じでも異なってもよく、複数の(O−CO−NH−R)基がフルクトシル単位上にある場合、各R基は同じでも異なってもよく;
bは、0から3の整数であり、末端フルクトシル単位の場合は0から4の整数であり;
nは、2から499の整数であり、好ましくは2から249であり、より好ましくは2から99であり、なおより好ましくは2から49であり、さらに好ましくは9から49であり、なおさらに好ましくは14から39であり、最も好ましくは19〜24であり;
式F(O−CO−NH−Rの各単位は同じでよく、又は任意のその他の式F(O−CO−NH−Rの単位と異なってもよく;
グルコシル又はフルクトシル単位当たりの平均置換度は0.01から3.0である。)
又はRがアルキル基である場合、この基は1から25個の炭素原子を有する線状又は分枝鎖アルキル基であり、好ましくは3から22個の炭素原子を有し、最も好ましくは3から18個の炭素原子を有する。
又はRがアルケニル基である場合、この基は2から25個の炭素原子を有する線状又は分枝鎖アルケニル基であり、好ましくは3から22個の炭素原子を有し、最も好ましくは3から18個の炭素原子を有する。
又はRがアルキニル基である場合、この基は2から25個の炭素原子を有する線状又は分枝鎖アルキニル基であり、好ましくは3から22個の炭素原子を有し、最も好ましくは3から18個の炭素原子を有する。
又はRがハロアルキル基である場合、この基は、1個又は複数のハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、又は臭素原子)で置換される上記にて定義したアルキル基である。好ましくは、前記ハロアルキル基は1から3個のハロゲン原子置換基を有し、より好ましくは1から3個のフッ素又は塩素原子置換基を有する。好ましくは、前記ハロアルキル基は3から22個の炭素原子を有し、最も好ましくは3から18個の炭素原子を有する。
又はRがシクロアルキル基である場合、この基は、3から9個の炭素原子を有する環状アルキル基であり、好ましくは、前記シクロアルキル基は3から7個の炭素原子を有し、最も好ましくは4から6個の炭素原子を有する。
又はRがアリール基である場合、この基は、1個又は複数の環上に6から14個の炭素原子を有する芳香族基であり、例えばフェニル基又はナフチル基である。
又はRがアラルキル基である場合、この基は、1個又は複数の環上に6から14個の炭素原子を有する1個又は複数の芳香族基で置換される上記にて定義したアルキル基であり、例えばベンジル基又はトリフェニルメチル基である。
各基R及びRは、1から25個の炭素原子を有するアルキル基、2から25個、好ましくは3から22個、最も好ましくは3から18個の炭素原子を有するアルケニル及びアルキニル基から選択することができる。基R及びRの1つ又は複数は、1から25個、好ましくは3から22個、最も好ましくは3から18個の炭素原子を有するアルキル基にすることができ、適切な場合、基R及びRの1つ又は複数は、2から25個、好ましくは3から22個、最も好ましくは3から18個の炭素原子を有するアルケニル又はアルキニル基である。各アルキル基R及びRは、1から25個、好ましくは3から22個、最も好ましくは3から18個の炭素を有する線状アルキル基、又は3から25個、好ましくは3から22個、最も好ましくは3から18個の炭素を有する分枝状アルキル基にすることができる。
グルコシル又はフルクトシル単位当たりの平均置換度は、適切な場合0.01から3.0の範囲内であり、例えば0.01から2.0、0.02から3.0、0.02から1.0、0.05から1.0、0.05から0.5、又は0.03から0.3の範囲内である。
式(I)の化合物は、例えばイヌリンN−n−オクチル−カルバメート、イヌリンN−n−ドデシルカルバメート、及びイヌリンN−n−オクタデシルカルバメートからなる群から選択された、多分散系の直線状又はわずかに分枝状のイヌリンN−アルキルウレタンにすることができる。
本発明の方法、使用、及びキットでの使用に適したその他の糖ポリマー誘導体には、ヒドロカルビルウレタン誘導体、例えば式(II)のグルコシドヒドロカルビル誘導体が含まれる。
[G(O−CO−NH−R (II)
(式中、Gは末端グルコシル単位であって、その1個又は複数のヒドロキシル基を式(O−CO−NH−R)の1個又は複数の基で置換することができ;
は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基からなる群から選択されるヒドロカルビル基であって、複数の(O−CO−NH−R)基が各グルコシル単位上にある場合、各R基は同じでも異なってもよく;
aは、末端グルコシル単位の場合は0から4の整数であり、非分枝状の非末端グルコシル単位の場合は0から3の整数であり、分子状の非末端グルコシル単位の場合は0から2の整数であり;
nは、3から499の整数であり、好ましくは3から249、3から99、3から49、9から49、14から39、19から29、又は19から24の整数であり;
式G(O−CO−NH−Rの各単位は同じでよく、又は任意のその他の式G(O−CO−NH−Rの単位と異なってもよく;
グルコシル単位当たりの平均置換度は0.01から2.0である。)
がアルキル基である場合、この基は1から25個の炭素原子を有する線状又は分枝鎖アルキル基であり、好ましくは3から22個の炭素原子を有し、最も好ましくは3から18個の炭素原子を有する。
がアルケニル基である場合、この基は2から25個の炭素原子を有する線状又は分枝鎖アルケニル基であり、好ましくは3から22個の炭素原子を有し、最も好ましくは3から18個の炭素原子を有する。
がアルキニル基である場合、この基は2から25個の炭素原子を有する線状又は分枝鎖アルキニル基であり、好ましくは3から22個の炭素原子を有し、最も好ましくは3から18個の炭素原子を有する。
がハロアルキル基である場合、この基は、1個又は複数のハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、又は臭素原子)で置換される上記にて定義したアルキル基である。好ましくは、前記ハロアルキル基は1から3個のハロゲン原子置換基を有し、より好ましくは1から3個のフッ素又は塩素原子置換基を有する。好ましくは、前記ハロアルキル基は3から22個の炭素原子を有し、最も好ましくは3から18個の炭素原子を有する。
がシクロアルキル基である場合、この基は、3から9個の炭素原子を有する環状アルキル基であり、好ましくは、前記シクロアルキル基は3から7個の炭素原子を有し、最も好ましくは4から6個の炭素原子を有する。
がアリール基である場合、この基は、1個又は複数の環上に6から14個の炭素原子を有する芳香族基であり、例えばフェニル基又はナフチル基である。
がアラルキル基である場合、この基は、1個又は複数の環上に6から14個の炭素原子を有する1個又は複数の芳香族基で置換される上記にて定義したアルキル基であり、例えばベンジル基又はトリフェニルメチル基である。
好ましくは、基Rの1個又は複数を、1から25個、好ましくは3から22個、最も好ましくは3から18個の炭素原子を有する線状又は分子鎖アルキル基にすることができ、且つ/又は基Rの1個又は複数を、2から25個、好ましくは3から22個、最も好ましくは3から18個の炭素原子を有するアルケニル又はアルキニル基にすることができる。適切な場合、各アルキル基Rは、1から25個、好ましくは3から22個、最も好ましくは3から18個の炭素を有する線状アルキル基であり、又は3から25個、好ましくは3から22個、最も好ましくは3から18個の炭素を有する分枝鎖アルキル基である。
式(II)の化合物で、グルコシル単位当たりの平均置換度は0.01から2.0であり、好ましくは0.02から1.0であり、最も好ましくは0.03から0.3である。
式(II)の化合物は、多分散系の線状又は分枝状グルコシドN−ヒドロカルビルウレタンにすることができる。各グルコシル単位Gは、D−グルコシル又はL−グルコシル単位、好ましくはD−グルコシル単位でよい。グルコシル単位は、1,4−結合又は1,6−結合を介して結合することができ、各結合は、α−結合又はβ−結合にすることができる。
本発明の方法及び使用の好ましい実施形態で、式(II)の前記化合物は、デンプン加水分解物のヒドロカルビルウレタンである。
デンプン加水分解物の特に好ましいヒドロカルビルウレタンは、式(III)の単位からなる式(IIa)のグルコシドヒドロカルビル誘導体である。
G’(O−CO−NH−R (III)
(式中、G’は、デンプン加水分解物分子のグルコシル単位であって、このデンプン加水分解物が1から47に及ぶデキストロース当量(D.E.)を有するものを表し、
は、上記にて定義されたヒドロカルビル基であり、
bは、グルコシル単位当たりのヒドロカルビルカルバメート基の数を表し、この数は、一般に置換度(DS)として表され、即ち式(IIa)のグルコシドヒドロカルビルウレタンのグルコシル単位当たりのヒドロカルビル置換基の平均数として表され、前記DS値は0.01から2.0に及ぶものである。)
理論上はカルバメート基により置換することができる、対象のグルコシド分子のグルコシル単位当たりのヒドロキシル基の数は、例えば、非末端の非分枝状グルコシル単位の場合に最大で3であるのに対し、末端又は非末端の分枝状グルコシル単位の場合の数は、それぞれ4又は2である。さらに、DSはグルコシル単位当たりの置換基の平均の数を表すので、グルコシドN−ヒドロカルビルカルバメート(IIa)分子では、ヒドロカルビルカルバメート基により置換されていないグルコシル単位が存在できることが明らかである(したがって式(III)のbは、前記グルコシル単位の場合、0である)。
デンプン加水分解物は、一般に、グルコシド分子の多分散系混合物の形で現れる。したがって、いつものことであるが、そのような混合物をグルコシロヒドロカルビルウレタン(IIa)調製用の出発物質として使用する場合、得られた生成物も、対応するグルコシドヒドロカルビルウレタン(IIa)の多分散系混合物である。そのような多分散系混合物は、本発明の方法及び使用で利用されるグルコシドヒドロカルビルウレタン(IIa)の、好ましい実施形態を構成する。
グルコシド分子の前記多分散系混合物からなり、且つ1から47に及ぶD.E.を有する商用級のデンプン加水分解は、グルコシドヒドロカルビルウレタン(IIa)の調製に非常に適している。
典型的な場合、本発明のグルコシドN−ヒドロカルビルウレタン(IIa)の調製で使用するのに適切なデンプン加水分解物は、例えば、ROQUETTE社から入手可能なGLUCIDEX(登録商標)マルトデキストリン及びGLUCIDEX(登録商標)乾燥グルコースシロップであり、例えばタイプ1(ジャガイモベースでD.E.が最大5)やタイプ2(もちトウモロコシベースでD.E.が最大5)、タイプ6(もちトウモロコシベースでD.E.が5から8)、タイプ9(ジャガイモベースでD.E.が8から10)のマルトデキストリン、及びタイプ12(D.E.が11から14)、タイプ17(D.E.が15から18)、及びタイプ19(D.E.が18から20)のマルトデキストリン、並びにタイプ21(D.E.が20から23)、タイプ28E(D.E.が28から31)、タイプ29(D.E.が28から31)、タイプ32(D.E.が31から34)、タイプ33(D.E.が31から34)、タイプ38(D.E.が36から40)、タイプ39(D.E.38から41)、タイプ40(D.E.が38から42)、及びタイプ47(D.E.が43から47)の乾燥グルコースシロップなどがある。
本発明のヒドロカルビルウレタン(IIa)のヒドロカルビル基、即ち本明細書で上記にて定義された式(III)のR基は、好ましくは飽和C〜C22アルキル基であり、より好ましくは飽和C〜C18アルキル基であり、さらにより好ましくは飽和線状C〜C18アルキル基であり、最も好ましくは飽和線状C〜C18アルキル基である。典型的な場合、適切なアルキル基には、ブチル、ヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、及びオクタデシル基が含まれる。
別の好ましい実施形態では、ヒドロカルビル基がC〜C22アルケニル基であり、好ましくはC〜C18アルケニル基であり、最も好ましくは線状C〜C18アルケニル基である。
典型的な場合、適切なアルケニル基には、ブテニル、ヘキセニル、オクテニル、デセニル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘキサデセニル、及びオクタデセニル基が含まれる。
本発明のウレタン(IIa)では、式(III)の単位の全てのR基は、同じでも異なってもよい。この後者の異なっているウレタン(IIa)は、以下に述べる方法に従って、即ちデンプン加水分解物と、上記にて定義された異なるR基を持つ事実上2種以上のイソシアネートの混合物である式R−NCOのイソシアネートとを反応させることによって、容易に調製することができる。
飽和アルキルイソシアネートは、例えば第1級又は第2級アルキル−アミンとホスゲンとを反応させることによって、都合良く調製することができる。不飽和アルキルイソシアネートは、アルケニル−アミンから同様に調製することができる。式RC=CH−NCO(IV)のα,β−不飽和アルキルイソシアネート(式中、基式RC=CH−は式(III)の基Rに対応し、Rは水素又はアルキル基を表し、Rはアルキル又はビニル基を表す)は、アルデヒドRCH−CHOとMeC−NHとの縮合の後、得られたシッフ塩基(そのエナミン形態と平衡状態にある)とホスゲンとを反応させ、K.Koenig他により開示されるようにMeC−Clを熱除去することによって調製することができる(Angew.Chem.,21(4),334−335(1979))。さらに、様々な不飽和アルキルイソシアネートが、とりわけDow Chemical Co.の米国特許第3890383号及び米国特許第3803062号に開示されている。式R−N=C=O(Rは上記にて定義した通り)の多くのアルキルシアネートが市販されている。
本発明によるグルコシドヒドロカルビルウレタン(IIa)は、0.01から2.0に及ぶ式(III)のグルコシル単位当たりの置換度(DS)を有し、好ましくは0.02から1.0であり、最も好ましくは0.03から0.3である。
1個又は複数のヒドロカルビルカルバメート置換基は、グルコシドヒドロカルビルウレタン(IIa)のグルコシル単位上の様々な位置に位置付けることができる。
本発明のグルコシドヒドロカルビルウレタン(IIa)は、単糖、2糖、及び多糖のウレタンを調製するための従来の方法と同様に調製することができ、例えばデンプン加水分解物と、選択されたヒドロカルビルイソシアネート又はヒドロカルビルイソシアネートの混合物とを、デンプン加水分解物、イソシアネート、及び反応生成物に対して不活性な溶媒に溶かした溶液中で反応させることによって調製することができる。
適切な溶媒には、例えばジメチルホルムアミド(DMF)やジメチルスルホキシド(DMSO)、N−メチルピロリドンなど、反応性ヒドロキシル及びアミン基を含まない溶媒又は溶媒の混合物が含まれる。
デンプン加水分解物とヒドロカルビルイソシアネートとの間の反応は、無水条件下で行うことが好ましい。これに鑑み、デンプン加水分解物並びに溶媒を乾燥して、好ましくはその含水量を0.5wt%未満にし、その後に、ヒドロカルビルイソシアネートと接触させる。乾燥は、例えば乾燥空気の流れの中でデンプン加水分解物を加熱することにより、又は減圧下でデンプン加水分解物を加熱することにより、又は反応用に選択された溶媒にデンプン加水分解物を溶かした溶液から、任意選択で減圧下、共沸蒸留を介して水を除去することも含めた従来の技法によって、行うことができる。乾燥中、デンプン加水分解物の性質及び溶媒に応じた最高温度は、あらゆる分解又は副反応も避けるために、超えるべきではない。好ましくは、前記温度は約80℃よりも低く保たれるべきである。
反応は、典型的な場合、適切な溶媒に溶解したデンプン加水分解物を、穏やかに撹拌しさらに激しく撹拌しながら、未処理のままの状態又は無水溶媒に溶解した状態のヒドロカルビルイソシアネートと接触させることによって行う。反応は、広い温度範囲にわたって行うことができ、典型的には室温から約80℃まで、又はより低い場合には反応混合物の還流温度で、好ましくは約60℃から約80℃の間の温度である。
典型的な場合、デンプン加水分解物は、加熱することが必要な場合、適切な溶媒に溶解する。したがってヒドロカルビルイソシアネート(任意選択で、同じか又は別の不活性溶媒に溶解するが、好ましくは前者の同じ溶媒に対して混和性がある)を、撹拌しながらゆっくりと、溶解したグルコシドに添加する。グルコシドヒドロカルビルウレタン(IIa)の望ましい置換度は、反応物質の比を制御することによって得ることができる。ウレタンを形成するための、ヒドロカルビルイソシアネートとアルコール性ヒドロキシル基との反応は定量的反応であり、ウレタン(IIa)の置換度は、デンプン加水分解物のグルコシル単位当たりのヒドロカルビルイソシアネートの適正なモル比を選択することによって制御することができる。通常、反応混合物は、試薬間の反応を終了させるために、通常は約30分間から約20時間にわたり撹拌しながら加熱する。次いで反応混合物を、従来の技法によって後処理にかけるが、これは例えば、試薬を溶解するのに使用した1種又は複数の溶媒に対しては混和性があるがグルコシドアルキルウレタン(IIa)は溶解せず又は非常に不十分にしか溶解しない沈殿剤溶媒に、通常は室温まで冷却した後に反応混合物を注ぐことにより、形成されたウレタン(IIa)を沈殿させることによって行われる。次いでウレタン(IIa)を、例えば濾過又は遠心分離によって反応混合物から物理的に分離し、ウレタン(IIa)が溶解せず又は非常に極わずかしか溶解しない適切な溶媒で洗浄し、任意の一般的な技法を使用して乾燥する。
本発明による所望のウレタン(IIa)を合成するのに都合の良い別の方法は、W.Gerhardt.Abh.Dtsch.Akad.Wiss.Berlin,KL.Chem.Geol.Biol.,Vol 1966(6),24−36,(1967)(C.A.,6S,14323)に記載されているものと同様の手法で実施することができる。この方法は、ジメチルホルムアミド中の、デンプン加水分解物とシアン酸カリウム及び選択されたヒドロカルビルハロゲン化物、好ましくは臭化ヒドロカルビルとのワンポット反応での変換を含む。
好ましくは本発明は、非天然構造のタンパク質と上記にて定義された式(II)のグルコシドヒドロカルビル誘導体との水溶液を提供すること、及びタンパク質の折畳みが可能になるようにこの溶液をインキュベートすることを含む、タンパク質を折り畳むための方法を提供する。より好ましくは、式(II)のグルコシドヒドロカルビル誘導体は、デンプン加水分解物のヒドロカルビルウレタンであり、特に好ましくは、上記にて定義された式(III)の単位からなる式(IIa)のグルコシドヒドロカルビル誘導体である。
本発明はさらに、本発明の折畳み方法で使用するのに適切な新規なキット及び消耗品を、任意選択でキットを使用するための取扱い説明書と一緒に提供する。典型的にはキットは、適切な場合に式(I)の1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体、及び/又は適切な場合に式(II)の1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体を含むことになる。キットは、1個又は複数の容器内に、適切な場合に式(I)の1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体、及び/又は適切な場合に式(II)の1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体を含むことができる。
本発明の折畳み方法を実施するためのキットは、第1の1個又は複数の容器内に、適切な場合に式(I)の1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体を、また第2の1個又は複数の容器内に、イヌリン及び/又はイヌリン誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質(例えば、エキソイヌリナーゼ及び/又はエンドイヌリナーゼなどの、1種又は複数の酵素)を、任意選択でキットを使用するための取扱い説明書と一緒に含むことができる。
本発明の折畳み方法を実施するためのキットは、第1の1個又は複数の容器内に、適切な場合に式(II)の1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体を、また第2の1個又は複数の容器内に、1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質(例えば、アミラーゼやセルラーゼ、及び/又は脱分岐酵素などの1種又は複数の酵素)を、任意選択でキットを使用するための取扱い説明書と一緒に含むことができる。
また本発明は、本発明の方法で使用するのに適切な消耗品も提供する。
したがって本発明は、イヌリン及び/又はイヌリン誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質(例えば、エキソイヌリナーゼ及び/又はエンドイヌリナーゼなどの1種又は複数の酵素)又は式(II)のグルコシドヒドロカルビル誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質(例えば、アミラーゼやセルラーゼ、及び/又は脱分岐酵素などの1種又は複数の酵素)が結合する、ピペットチップや遠心管、樹脂、ゲル、ビーズ、膜、又はカラムなどの支持体を提供する。
本発明はさらに、イヌリン及び/又はイヌリン誘導体或いは式(II)のグルコシドヒドロカルビル誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質が結合する支持体を含む、ピペットチップや遠心管又はカラムなどの支持手段を提供する。
また、イヌリン及び/又はイヌリン誘導体を分解することが可能な1種又は複数の酵素(例えば、1種又は複数の固定化エキソイヌリナーゼ及び/又はエンドイヌリナーゼ)が結合し、或いは式(II)のグルコシドヒドロカルビル誘導体を分解することが可能な1種又は複数の酵素が結合する支持体を含む、ピペットチップや遠心管又はカラムなどの支持手段も提供される。例えば、1種又は複数の固定化エキソイヌリナーゼ及び/又はエンドイヌリナーゼ、或いは1種又は複数の固定化アミラーゼ、セルラーゼ、及び/又は脱分岐酵素を含む、ピペットチップや遠心管又はカラムなどの支持手段である。
結合、即ち支持手段及び/又は支持体への酵素の固定化は、例えば酵素のアミン、チオール、カルボン酸、又はアルデヒド官能基を介した共有結合によることが好ましい。
したがって本発明によるキットは、1個又は複数の容器内に1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体と、1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質が結合する樹脂やゲル、ビーズ、又は膜などの支持体を含む、ピペットチップや遠心管又はカラムなどの支持手段とを含むことができる。
本発明によるキットは、1個又は複数の容器内に1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体と、1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質が結合するピペットチップや遠心管、樹脂、ゲル、ビーズ、膜、又はカラムなどの支持体とを含むことができる。
本発明によるキットは、1個又は複数の容器内に1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体と、イヌリン及び/又はイヌリン誘導体を分解することが可能な1種又は複数の酵素(例えば、1種又は複数のエンドイヌリナーゼ及び/又はエキソイヌリナーゼ)が結合する樹脂やゲル、ビーズ、又は膜などの支持体とを含む、ピペットチップや遠心管、又はカラムなどの支持手段とを含むことができる。
本発明によるキットは、1個又は複数の容器内に、適切な場合には式(II)の1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体と、この1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質が結合する樹脂やゲル、ビーズ、又は膜などの支持体とを含む、ピペットチップや遠心管、又はカラムなどの支持手段とを含むことができる。
本発明によるキットは、1個又は複数の容器内に、適切な場合には式(II)の1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体と、この1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質が結合するピペットチップや遠心管、樹脂、ゲル、ビーズ、膜、又はカラムなどの支持体とを含むことができる。
本発明によるキットは、1個又は複数の容器内に、適切な場合には式(II)の1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体と、1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体を分解することが可能な1種又は複数の酵素が結合する樹脂やゲル、ビーズ、又は膜などの支持体を含むピペットチップや遠心管、又はカラムなどの支持手段とを含むことができる。
また、1個又は複数の容器内に、適切な場合には式(II)の1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体と、1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体を分解することが可能な1種又は複数の酵素が結合したピペットチップや遠心管、ゲル、ビーズ、膜、又はカラムなどの支持体とを含むキットも提供される。
本発明によるキットは、さらに、シクロデキストリン及び/又はシクロデキストリン誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質、好ましくは1種又は複数の酵素を含むことができる。
本発明によるキットは、さらに、キチン、キチン誘導体、キトサン、キトサン誘導体、疎水性樹脂、及び/又は疎水性ゲルの1種又は複数を含むことができ、キチン、キチン誘導体、キトサン、及び/又はキトサン誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質、好ましくは1種又は複数の酵素を含むことができる。
本発明の方法、消耗品、及びキットでは、タンパク質溶液中での上記にて定義された式(I)の1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体或いはグルコシドヒドロカルビル誘導体の分解は、この溶液を、イヌリン、イヌリン誘導体、又は式(II)のグルコシドヒドロカルビル誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質を含むピペットチップ、管、又はカラムに接触させることによって或いは通過させることによって、実現することができる。
本発明の方法、消耗品、及びキットでは、タンパク質溶液中での1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体の分解は、この溶液を、イヌリン及び/又はイヌリン誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質を含むピペットチップ、管、又はカラムに接触させることによって或いは通過させることによって、実現することができる。
本発明の方法、消耗品、及びキットでは、タンパク質溶液中での1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体の分解は、この溶液を、グルコシドヒドロカルビル誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質を含むピペットチップ、管、又はカラムに接触させることによって或いは通過させることによって、実現することができる。
物質は、チップ、管、又はカラムに直接固定化することができる。或いは、ピペットチップ、管、又はカラムは、樹脂、ゲル、ビーズ、膜、又はその他の適切な支持構造に固定化された物質を含むことができる。タンパク質溶液中での1種又は複数のイヌリン又はイヌリン誘導体の分解は、この溶液を、1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質が結合している樹脂、ゲル、ビーズ、膜、又はその他の適切な支持構造に接触させることによって、実現することもできる。
キットは、本発明の方法を実施するのに適した緩衝液及びその他の試薬を含むこともできる。
本発明は、実施例に記載される実施形態に限定されず、本明細書に添付される請求項の精神及び範囲内にある当業者に明白な変更例を包含することが理解されよう。
(実施例1)
イヌリン(Inutec N(登録商標)25)を使用したリゾチームの再折畳み
リゾチーム(Fluka 62971)を、1mM EDTAと、8M尿素と、32mM DTTとを含有するpH8.1の100mM トリス−HCl緩衝液中で、4℃で一晩変性させた。変性したタンパク質(5.0から20.0mg/ml)を、再折畳み緩衝液(67mMトリス、5mM酸化グルタチオン、pH6.5)中に20倍希釈した。サンプルの半分では、再折畳み緩衝液が10mg/mlのイヌリン(Inutec N25、Orafti)も含有していた。反応は、96ウェルマイクロプレートのウェルで行った。
次いでサンプルを、再折畳みが可能になるように室温(約25℃)で24時間インキュベートした。リゾチーム活性(天然の活性構造に折り畳まれたタンパク質)を、ミクロコッカスリソデイクティカス(Micrococcus lysodeikticus)(Sigma M−3770)溶液の濁度低下の初期線形速度(492nmでの吸収)を測定することによって決定した。ミクロコッカス(Micrococcus)濃度は、pH6.25の67mMリン酸ナトリウム緩衝液中、0.75mg/mlであった。ミクロコッカス溶液を、再折畳みがなされたリゾチームを含有する溶液と10:1の割合で混合した(例えば、200μlのミクロコッカス溶液、20μlの再折畳みがなされたリゾチーム溶液)。天然(再折畳みがなされていない)リゾチームの標準物質を使用して、再折畳み収率を計算するための標準曲線を作成した。
図1は、リン酸ナトリウム緩衝液中、0.25mg/mlの最終タンパク質濃度で再折畳みがなされたリゾチームの再折畳み収率を示す。サンプルの半分では、再折畳み緩衝液が10mg/mlのイヌリンを含有していた。10mg/mlのイヌリンが存在することにより、リゾチームの再折畳み収率は、イヌリンが再折畳み緩衝液中に存在しない対照データに比べて増大した。
(実施例2)
アルキルイヌリン誘導体を使用した炭酸脱水酵素(CAB)の再折畳み
炭酸脱水酵素(Sigma C−3934)を、8M尿素及び32mM DTTを含有するpH7.8の50mMトリス−硫酸緩衝液中で、4℃で一晩変性させた。変性したタンパク質(2.5〜10.0mg/ml)を、再折畳み緩衝液(67mMリン酸ナトリウム、pH7.0、様々な濃度のアルキル−イヌリン誘導体(Inutec(登録商標)SP1、アルキル−イヌリン又はSP1とも呼ぶ)を含有する)中に20倍希釈することによって再び折り畳み、室温で2時間インキュベートした。炭酸脱水酵素活性を、パラ−ニトロフェノールアッセイを使用して決定し、既知の濃度の天然炭酸脱水酵素の標準物質を使用して作成した標準曲線と比較した。再折畳みがなされたタンパク質サンプル(又は標準物質)を、pH7.8のトリス−硫酸緩衝液で10倍希釈した。パラ−ニトロフェノールを、1:1の水とエタノールの溶液中に溶解して、10mMの濃度にした。次いでパラ−ニトロフェノール溶液5体積%を、希釈した各タンパク質サンプルに添加し、405nmでの吸光度の増加を測定した。凝集レベルを、再折畳みがなされたタンパク質溶液の濁度(492nmでの吸光度)を測定することによって評価した。
図2は、炭酸脱水酵素(CAB)の希釈再折畳み中の濁度(凝集レベル)を示す。アルキル−イヌリンが再折畳み緩衝液に添加される全ての場合において、その凝集レベルは、アルキル−イヌリンを含有しない対照サンプルで見出されるレベルよりも低かった。折畳みCAB溶液における凝集の抑制は、アルキル−イヌリンが存在する溶液中に折畳みコンピテントCAMモノマーがより高い割合で存在することを示唆している。再折畳み緩衝液にアルキル−イヌリンを添加することによって、翻訳により低下した凝集レベルが高い再折畳み収率をもたらしたことが、図3に示されている。凝集がより重大な問題となるより高いCAB濃度では、再折畳み収率が、再折畳み緩衝液中にアルキル−イヌリンが存在する全ての場合において、アルキルイヌリンが存在しない対照よりも高くなった。より低いタンパク質濃度では、その効果は低下したが、アルキル−イヌリンを再折畳み添加剤として使用することにより、再折畳み収率の著しい増加を得ることが依然として可能であった。
(実施例3)
アルキルイヌリン誘導体を使用したリゾチームの再折畳み
リゾチーム(Fluka 62971)を、1mM EDTA、8M尿素、及び32mM DTTを含有するpH8.1の100mMトリス−HCl緩衝液中で、4℃で一晩変性させた。変性したタンパク質(5.0から20.0mg/ml)を、再折畳み緩衝液(100mMトリス、1mM EDTA、5mM酸化グルタチオン、pH8.1)中に20倍希釈することによって再び折り畳んだ。次いでサンプルを室温で24時間インキュベートして、再折畳みを可能にした。リゾチーム活性を、ミクロコッカスリソデイクティカス(Sigma M−3770)溶液の濁度低下の初期線形速度(492nmでの吸収)を測定することによって決定した。ミクロコッカス濃度は、pH6.25の67mMリン酸ナトリウム緩衝液中、0.75mg/mlであった。ミクロコッカス溶液を、再折畳みがなされたリゾチームを含有する溶液と10:1の割合で混合した(例えば、200μlのミクロコッカス溶液、20μlの再折畳みがなされたリゾチーム溶液)。天然リゾチームの標準物質を使用して、再折畳み収率を計算するための標準曲線を作成した。
図4は、リゾチームの再折畳みの結果を示し、4種のタンパク質濃度について評価した。再折畳み緩衝液中にアルキル−イヌリンを含む(上述のように)場合のリゾチームの再折畳みは、試験をした全ての条件に関して改善された収率をもたらし、最高のタンパク質濃度で最大の収率増加が得られた。図は、アルキル−イヌリンが再折畳み緩衝液中に存在する場合、リゾチームをより高い収率で又はより高いタンパク質濃度で(固定された収率で)再び折り畳むことができることを示している。
(実施例4)
アルキルイヌリン誘導体を使用したクエン酸シンターゼの再折畳み
クエン酸シンターゼ(Sigma C−3260)を、8M尿素及び13mM DTTを含有するpH7.0の67mMリン酸ナトリウム緩衝液中、4℃で一晩変性させた。変性したタンパク質(1.0mg/ml)を、再折畳み緩衝液(67mMリン酸ナトリウム、pH7.5、様々な濃度のアルキル−イヌリンを含有する)中に20倍希釈することによって再び折り畳み、様々な長さの時間にわたって4℃で、室温(約25℃)で、又は37℃でインキュベートし、任意選択で後にβ−シクロデキストリンを再折畳み混合物中に添加した。β−シクロデキストリンの添加は、2.5mg/mLの最終β−シクロデキストリン濃度が得られるように、12.5mg/mLの溶液を20体積%添加することによって行った。再折畳みがなされたクエン酸シンターゼの活性は、5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)(DTNB)によってアセチル−CoAとオキサロアセテートとを縮合した後に遊離CoAの検出を決定するためのアッセイを使用して、405nmでの吸光度の増加によりモニタを行った。分析前に、各タンパク質サンプルを脱イオン水で20倍希釈した。次いで希釈したタンパク質サンプルを、活性アッセイ反応混合物と1:20の割合で接触させた(例えば、希釈したタンパク質溶液を5μl、反応混合物を100μl)。活性アッセイ反応混合物は、pH7.6の100mMトリス−HCl緩衝液、0.135mMアセチル−CoA、0.12mM DTNB、及び0.5mMオキサロアセテートからなるものであった。再折畳み収率を、天然のクエン酸シンターゼサンプルと比較することによって計算した。
図5は、再折畳み緩衝液中にアルキル−イヌリンが存在する状態及び存在しない状態での、クエン酸シンターゼ(CS)の再折畳みを示す。アルキル−イヌリンの濃度が0.1mg/mLであると、その折畳み収率には、アルキル−イヌリンを含有しない対照サンプルに関して検出された収率に比べて小さい増加がもたらされた。図6は、最初にアルキル−イヌリンを含有する再折畳み緩衝液中でCSをインキュベートし、その24時間後、2.5mg/mLのβ−シクロデキストリンを添加した後に、同じ緩衝液中でさらにインキュベートを行う2段階再折畳みプロセスで得られた結果を示す。β−シクロデキストリンの添加は、2.5mg/mLの最終β−シクロデキストリン濃度が得られるように、12.5mg/mLの溶液を20体積%添加することによって行った。第2のインキュベーションでβ−シクロデキストリンを添加することにより、再折畳み緩衝液中0.1mg/mLのアルキル−イヌリンを有するサンプルに関し、その再折畳み収率が改善された(図5参照)。しかし、アルキル−イヌリンを含有しない対照サンプルは、β−シクロデキストリンを添加した後に、改善された再折畳み収率を示さなかったが、これは、β−シクロデキストリンに起因する直接的な向上ではなく、アルキル−イヌリンとβ−シクロデキストリンとの間の相乗効果であることを示唆している。図7は、β−シクロデキストリンを添加した後のインキュベーションが高温(37℃)で実施される、同様のデータを示す。高温を使用することによって、アルキル−イヌリン及びβ−シクロデキストリンを含有する緩衝液中のCSの再折畳み収率を、室温で得られた収率を凌ぐように高くすることができた(図6参照)。
イヌリンを含有する再折畳み緩衝液中に20倍希釈した後のリゾチーム(最終濃度0.25mg/ml)に関する折畳み収率を示す図である。イヌリン濃度は、凡例に示す。サンプルは、再折畳み測定を行う前に、室温で24時間インキュベートした。 室温で15分間インキュベートした後、再折畳みCAB溶液の濁度(492nmでの吸光度)にアルキル−イヌリンが及ぼす影響を示す図である。 アルキル−イヌリンの濃度に対する、CABの2つの最終濃度に関する再折畳み収率を示す図である。CABは、再折畳み緩衝液を含有するアルキル−イヌリン中に20倍希釈することによって再び折り畳まれ、室温で2時間インキュベートした。 アルキル−イヌリンの濃度に対する4つの最終リゾチーム濃度での再折畳み収率を示す図である。リゾチームは、アルキル−イヌリンを含有する再折畳み緩衝液中に20倍希釈することにより再び折り畳まれ、室温で24時間インキュベートした。 アルキル−イヌリンの濃度に対するCSに関する再折畳み収率を示す図である。CSを4℃で24時間インキュベートし、その後、室温で72時間インキュベートした。凡例は、再び折り畳まれたサンプル及び対照サンプルの最終CS濃度を示している。 アルキル−イヌリン濃度に対するCS(最終濃度0.04mg/mL)に関する再折畳み収率を示す図である。再折畳み緩衝液にβ−シクロデキストリンを添加した状態及び添加しない状態で、CSを4℃で24時間インキュベートした後さらに4℃で72時間インキュベートした。24時間後にβ−シクロデキストリンを添加した場合、最終のβ−シクロデキストリン濃度は2.5mg/mLであった。 アルキル−イヌリンの濃度に対するCS(最終濃度0.04mg/mL)に関する再折畳み収率を示す図である。CSを4℃で72時間インキュベートした後、さらに室温で12時間インキュベートした。次いで再折畳み緩衝液にβ−シクロデキストリンを添加した状態及び添加しない状態で、再折畳みCSサンプルを37℃でさらに8時間インキュベートした。24時間後にβ−シクロデキストリンを添加した場合、最終のβ−シクロデキストリン濃度は2.5mg/mLであった。

Claims (88)

  1. 非天然構造のタンパク質と、3個以上の糖単位を含んだ1種又は複数の線状又は分枝状糖ポリマー或いはその誘導体との水溶液を提供することと、タンパク質の折畳みが可能になるように前記溶液をインキュベートすることを含む、タンパク質を折り畳むための方法。
  2. 前記1種又は複数の糖ポリマー及び/又は糖ポリマー誘導体が、0.005mg/mlから50mg/mlの濃度で存在する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記1種又は複数の糖ポリマー及び/又は糖ポリマー誘導体が、0.002mg/mlから20mg/mlの濃度で存在する、請求項1に記載の方法。
  4. インキュベーションを、約0℃から約45℃の温度で実施する、請求項1から3までのいずれか一項に記載の方法。
  5. さらなるインキュベーションを、前記第1のインキュベーションの温度よりも高く且つ約20℃から約45℃である温度で実施する、請求項4に記載の方法。
  6. 希釈、透析による緩衝剤交換、ダイアフィルトレーション、濾過、沈殿、及び/又はクロマトグラフィ法によって、前記1種又は複数の糖ポリマー及び/又は糖ポリマー誘導体を除去することをさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  7. 前記1種又は複数の糖ポリマー及び/又は糖ポリマー誘導体を、タンパク質の再折畳み中及び/又は再折畳み後に除去する、請求項6に記載の方法。
  8. タンパク質の再折畳み後、分解によって、前記1種又は複数の糖ポリマー及び糖ポリマー誘導体を除去することをさらに含む、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  9. 分解が酵素分解によるものである、請求項8に記載の方法。
  10. キチン、キトサン、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体、シクロアミロース、シクロアミロース誘導体、疎水性樹脂、及び/又は疎水性ゲルの1種又は複数が前記溶液中に含まれる、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  11. キチン、キトサン、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体、シクロアミロース、シクロアミロース誘導体、疎水性樹脂、及び/又は疎水性ゲルの1種又は複数を、タンパク質の再折畳み中及び/又は再折畳み後に前記溶液中から除去するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  12. シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体、或いはシクロデキストリン及び/又はシクロデキストリン誘導体の混合物が前記溶液に含まれる、請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記シクロデキストリン及び/又はシクロデキストリン誘導体を、タンパク質の折畳み中及び/又は折畳み後に前記溶液から除去するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記シクロデキストリン及び/又はシクロデキストリン誘導体の除去が、分解によるものである、請求項13に記載の方法。
  15. 前記シクロデキストリン及び/又はシクロデキストリン誘導体の除去が、酵素分解によるものである、請求項14に記載の方法。
  16. 酵素分解が、シクロマルトデキストリナーゼ(Cdase、EC 3.2.1.54)、ネオプルラナーゼ(Npase、EC 3.2.1.135)、及び糖化アミラーゼ(Mase、EC 3.2.1.133)を含む群から選択された1種又は複数の酵素を使用して実施される、請求項15に記載の方法。
  17. 前記シクロデキストリン及び/又はその誘導体の除去が、沈殿、希釈、透析による緩衝剤交換、ダイアフィルトレーション、濾過、及び/又はクロマトグラフ法によるものである、請求項13から16までのいずれか一項に記載の方法。
  18. 1種又は複数のキチン、キチン誘導体、キトサン、キトサン誘導体が前記溶液中に含まれる、請求項1から9までのいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記キチン、キチン誘導体、キトサン、及び/又はキトサン誘導体を、タンパク質の折畳み中及び/又は折畳み後に前記溶液から除去することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
  20. 前記キチン、キチン誘導体、キトサン、及び/又はキトサン誘導体の1種又は複数の除去が、分解によるものである、請求項18に記載の方法。
  21. 除去が酵素分解によるものである、請求項20に記載の方法。
  22. 酵素分解が、キチナーゼ(EC 3.2.1.14)、リゾチーム(EC 3.2.1.17)、キトサナーゼ(EC 3.2.1.132)、及びβ−N−アセチルヘキソサミニダーゼ(EC 3.2.1.52)を含む群から選択された1種又は複数の酵素を使用して実施される、請求項21に記載の方法。
  23. キチン、キチン誘導体、キトサン、及び/又はキトサン誘導体の除去が、沈殿、希釈、透析による緩衝剤交換、ダイアフィルトレーション、濾過、及び/又はクロマトグラフ法によるものである、請求項19から22までのいずれか一項に記載の方法。
  24. 非天然構造のタンパク質の水溶液が得られるよう、タンパク質を変性させ且つ/又は凝集したタンパク質及び/又は封入体を溶解するために、前記方法の前にカオトロープ、界面活性剤、及び/又は還元剤を使用する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  25. 前記カオトロープが、塩酸グアニジン及び/又は尿素の1種又は複数である、請求項34に記載の方法。
  26. 前記還元剤が、ジチオトレイチオール、ジチオエリスリトール、β−メルカプトエタノール、及びトリス(2−カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP.HCl)の1種又は複数である、請求項34又は請求項35に記載の方法。
  27. 前記界面活性剤が、陰イオン界面活性剤(例えばラウロイルサルコシン、SDS)、陽イオン界面活性剤(例えば臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB))、非イオン性界面活性剤(例えばTriton X100、Tween60(ソルビタン)、ドデシルマルトシド)、及び/又は両性界面活性剤(例えばCHAPS)の1種又は複数である、請求項34から36までのいずれか一項に記載の方法。
  28. カオトロープ、界面活性剤、及び/又は還元剤の濃度を、希釈、又は透析による緩衝剤交換、ダイアフィルトレーション、濾過、沈殿、及び/又はクロマトグラフ法によって低下させる、請求項34から37までのいずれか一項に記載の方法。
  29. カオトロープ、界面活性剤、及び/又は還元剤の濃度を、タンパク質を折り畳むための方法の前に、開始時に、又はその方法の実施中に低下させる、請求項38に記載の方法。
  30. ジスルフィドシャッフリング剤が前記折畳み溶液中に含まれる、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  31. 前記ジスルフィドシャッフリング剤が、還元又は酸化グルタチオン、システイン、システインイソメラーゼ、又はジスルフィドイソメラーゼを含む群から選択される、請求項40に記載の方法。
  32. 前記又は新たな糖ポリマー及び/又は糖ポリマー誘導体が、イヌリン又はイヌリン誘導体或いはイヌリン及び/又はイヌリン誘導体の混合物である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  33. 前記又は新たなイヌリン又はイヌリン誘導体が、約3から500の重合度を有する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  34. 前記糖ポリマー誘導体が、1種又は複数タイプの無極性ヒドロカルビル基により誘導体化されたイヌリン誘導体である、前記請求項のいずれかに記載の方法。
  35. 前記イヌリン誘導体が、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基を含む群から選択された1種又は複数タイプの無極性ヒドロカルビル基により誘導体化される、請求項42から44までのいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記又は新たなイヌリン又はイヌリン誘導体が式(I)の化合物である、請求項42から45までのいずれか一項に記載の方法
    G(O−CO−NH−R−[F(O−CO−NH−R (I)
    (式中、Gは末端グルコシル単位であって、その1個又は複数のヒドロキシル基を式(O−CO−NH−R)の1個又は複数の基で置換することができ;
    は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基を含む群から選択され、複数の(O−CO−NH−R)基がグルコシル単位上にある場合、各R基は同じでも異なってもよく;
    aは、0から4の整数であり;
    Fはフルクトシル単位であって、その1個又は複数のヒドロキシル基を式(O−CO−NH−R)の1個又は複数の基で置換することができ;
    は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基を含む群から選択され、複数の(O−CO−NH−R)基がフルクトシル単位上にある場合、各R基は同じでも異なってもよく;
    bは、0から3の整数であり、末端フルクトシル単位の場合は0から4の整数であり;
    nは、2から499の整数であり、好ましくは2から249、2から99、2から49、9から49、14から39、又は19から24であり;
    式F(O−CO−NH−Rの各単位は同じでよく、又は任意のその他の式F(O−CO−NH−Rの単位と異なってもよく;
    グルコシル又はフルクトシル単位当たりの平均置換度は0.01から3.0である)。
  37. 基R及びRのそれぞれが、1から25個の炭素原子を有するアルキル基と、2から25個の炭素原子を有するアルケニル及びアルキニル基とから選択される、請求項46に記載の方法。
  38. 基R及びRの1種又は複数が、1から25個の炭素原子を有するアルキル基である、請求項46又は請求項47に記載の方法。
  39. 基R及びRの1種又は複数が、2から25個の炭素原子を有するアルケニル又はアルキニル基である、請求項46から48までのいずれか一項に記載の方法。
  40. アルキル基R及びRのそれぞれが、1から25個炭素原子を有する線状アルキル基又は3から25個の炭素原子を有する分枝状アルキル基である、請求項46に記載の方法。
  41. グルコシル又はフルクトシル単位当たりの平均置換度が0.01から2.0である、請求項46から50までのいずれか一項に記載の方法。
  42. 式(I)の化合物が、多分散系の線状又はわずかに分枝状のイヌリンN−アルキルウレタンである、請求項46から51までのいずれか一項に記載の方法。
  43. 式(I)の化合物が、イヌリンN−n−オクチル−カルバメート、イヌリンN−n−ドデシルカルバメート、及びイヌリンN−n−オクタデシルカルバメートからなる群から選択される、請求項46から52までのいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記イヌリン誘導体がInutec(登録商標)SP1である、請求項42から45までのいずれか一項に記載の方法。
  45. 前記又は新たな糖ポリマー又は糖ポリマー誘導体がグルコシドである、請求項1から41までのいずれか一項に記載の方法。
  46. 前記又は新たな糖ポリマー誘導体が、式(II)のグルコシドヒドロカルビル誘導体である、請求項1から41までのいずれか一項に記載の方法
    [G(O−CO−NH−R (II)
    (式中、Gはグルコシル単位であって、その1個又は複数のヒドロキシル基を式(O−CO−NH−R)の1個又は複数の基で置換することができ;
    は、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、及びアラルキル基からなる群から選択されるヒドロカルビル基であって、複数の(O−CO−NH−R)基が各グルコシル単位上にある場合、各R基は同じでも異なってもよく;
    aは、末端グルコシル単位の場合は0から4の整数であり、非分枝状の非末端グルコシル単位の場合は0から3の整数であり、分子状の非末端グルコシル単位の場合は0から2の整数であり;
    nは、3から499の整数であり、好ましくは3から249、3から99、3から49、9から49、14から39、19から29、又は19から24の整数であり;
    式G(O−CO−NH−Rの各単位は同じでよく、又は任意のその他の式G(O−CO−NH−Rの単位と異なってもよく;
    グルコシル単位当たりの平均置換度は0.01から2.0である)。
  47. 式(II)の前記化合物では、1個又は複数のR基が、1から25個の炭素原子を有する線状アルキル基と、3から25個の炭素原子を有する分枝鎖アルキル基とから選択されたアルキル基である、請求項56に記載の方法。
  48. 式(II)の前記化合物では、1個又は複数のR基が、2から25個の炭素原子を有する線状アルケニル基と、3から25個の炭素原子を有する分枝鎖アルケニル基とから選択されたアルケニル基である、請求項56又は請求項57に記載の方法。
  49. 式(II)の前記化合物では、1個又は複数のR基が、2から25個の炭素原子を有する線状アルキニル基と、3から25個の炭素原子を有する分枝鎖アルケニル基とから選択されたアルキニル基である、請求項56から58までのいずれか一項に記載の方法。
  50. 式(II)の前記化合物では、R基の1個又は複数が、1個又は複数のハロゲン原子を有するハロアルキル基である、請求項56から59までのいずれか一項に記載の方法。
  51. 式(II)の前記化合物では、R基の1個又は複数がシクロアルキル基である、請求項56から60までのいずれか一項に記載の方法。
  52. 式(II)の前記化合物では、R基の1個又は複数がアリール基である、請求項56から61までのいずれか一項に記載の方法。
  53. 式(II)の前記化合物では、R基の1個又は複数がアラルキル基である、請求項56から62までのいずれか一項に記載の方法。
  54. 式(II)の前記化合物では、グルコシル単位当たりの平均置換度が0.02から1.0である、請求項56から63までのいずれか一項に記載の方法。
  55. 式(II)の前記化合物は、多分散系の線状又は分枝状グルコシドN−ヒドロカルビルウレタンである、請求項56から64までのいずれか一項に記載の方法。
  56. 式(II)の前記化合物は、デンプン加水分解物のヒドロカルビルウレタンである、請求項65に記載の方法。
  57. 式(II)の化合物が、式(III)の単位からなるグルコシドヒドロカルビル誘導体である、請求項65に記載の方法
    G’(O−CO−NH−R (III)
    (式中、G’は、デンプン加水分解物分子のグルコシル単位であって、前記デンプン加水分解物が1から47に及ぶデキストロース当量(D.E.)を有するものを表し、
    は、上記にて定義されたヒドロカルビル基であり、
    bは、グルコシル単位当たりのヒドロカルビルカルバメート基の数を表し、前記数は、一般に置換度(DS)として表され、即ち式(IIa)のグルコシドヒドロカルビルウレタンのグルコシル単位当たりのヒドロカルビル置換基の平均数として表され、前記DS値は0.01から2.0に及ぶものである)。
  58. 式(II)の前記化合物では、1個又は複数のR基が、1から25個の炭素原子を有する線状アルキル基と、3から25個の炭素原子を有する分枝鎖アルキル基とから選択されたアルキル基である、請求項67に記載の方法。
  59. 式(II)の前記化合物では、1個又は複数のR基が、2から25個の炭素原子を有する線状アルケニル基と、3から25個の炭素原子を有する分枝鎖アルケニル基とから選択されたアルケニル基である、請求項67又は請求項68に記載の方法。
  60. 式(II)の前記化合物では、1個又は複数のR基が、2から25個の炭素原子を有する線状アルキニル基と、3から25個の炭素原子を有する分枝鎖アルケニル基とから選択されたアルキニル基である、請求項67から69までのいずれか一項に記載の方法。
  61. 式(II)の前記化合物では、R基の1個又は複数が、1個又は複数のハロゲン原子を有するハロアルキル基である、請求項67から70までのいずれか一項に記載の方法。
  62. 式(II)の前記化合物では、前記R基の1個又は複数がシクロアルキル基である、請求項67から71までのいずれか一項に記載の方法。
  63. 式(II)の前記化合物では、R基の1個又は複数がアリール基である、請求項67から72までのいずれか一項に記載の方法。
  64. 式(II)の前記化合物では、R基の1個又は複数がアラルキル基である、請求項67から73までのいずれか一項に記載の方法。
  65. DS値が0.03から0.3である、請求項56から74までのいずれか一項に記載の方法。
  66. 請求項1から76までのいずれか一項に記載の方法を実施するために設計され又は前記方法を実施するのに適切なキットであって、任意選択で前記キットを使用するための取扱い説明書と共に在るキット。
  67. 1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体、及び/又は1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体を含む、請求項76に記載のキット。
  68. 1個又は複数の容器内に、1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体、及び/又は1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体を含む、請求項76又は請求項77に記載のキット。
  69. 第1の1個又は複数の容器内に、1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体、及び/又は1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体を、第2の1個又は複数の容器内に、シクロデキストリン、シクロデキストリン誘導体、シクロアミロース、シクロアミロース誘導体、キチン、キチン誘導体、キトサン、キトサン誘導体、疎水性樹脂、及び/又は疎水性ゲルの1種又は複数を、任意選択で前記キットを使用するための取扱い説明書と一緒に含む、請求項1から54までのいずれか一項に記載の方法を実施するためのキット。
  70. イヌリン及び/又はイヌリン誘導体或いはグルコシドヒドロカルビル誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質が結合しているピペットチップ、遠心分離管、樹脂、ゲル、ビーズ、膜、又はカラムなどの支持体。
  71. イヌリン及び/又はイヌリン誘導体或いはグルコシドヒドロカルビル誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質が結合している支持体を含む、ピペットチップ又は遠心分離管又はカラムなどの支持手段。
  72. イヌリン及び/又はイヌリン誘導体或いはグルコシドヒドロカルビル誘導体を分解することが可能な1種又は複数の酵素が結合している支持体を含む、ピペットチップ又は遠心分離管又はカラムなどの支持手段。
  73. 1種又は複数の固定化されたエキソイヌリナーゼ及び/又はエンドイヌリナーゼ、及び/又は1種又は複数のアミラーゼ、セルラーゼ、及び/又は脱分岐酵素を含む、ピペットチップ又は遠心分離管又はカラムなどの支持手段。
  74. 1個又は複数の容器内の1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体と、前記1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質が結合している樹脂、ゲル、ビーズ、又は膜などの支持体を含んだピペットチップ、遠心分離管、又はカラムなどの支持手段とを含む、請求項79に記載のキット。
  75. 1個又は複数の容器内の1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体と、前記1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質が結合しているピペットチップ、遠心分離管、樹脂、ゲル、ビーズ、膜、又はカラムなどの支持体とを含む、請求項79に記載のキット。
  76. 1個又は複数の容器内の1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体と、イヌリン及び/又はイヌリン誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質が結合している樹脂、ゲル、ビーズ、又は膜などの支持体を含んだピペットチップ、遠心分離管、又はカラムなどの支持手段とを含む、請求項79に記載のキット。
  77. 1個又は複数の容器内の1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体と、1種又は複数のエンドイヌリナーゼ及び/又はエキソイヌリナーゼが結合している樹脂、ゲル、ビーズ、又は膜などの支持体を含んだピペットチップ、遠心分離管、又はカラムなどの支持手段とを含む、請求項86に記載のキット。
  78. 1種又は複数の固定化されたエキソイヌリナーゼ及び/又はエンドイヌリナーゼを含む、ピペットチップ又は遠心分離管又はカラムなどの支持手段。
  79. 1個又は複数の容器内の1種又は複数のイヌリン及び/又はイヌリン誘導体と、1種又は複数のエキソイヌリナーゼ及び/又はエンドイヌリナーゼが結合しているピペットチップ、遠心分離管、樹脂、ゲル、ビーズ、膜、又はカラムなどの支持体とを含むキット。
  80. 1種又は複数の固定化されたアミラーゼ、セルラーゼ、及び/又は脱分岐酵素を含む、ピペットチップ又は遠心分離管又はカラムなどの支持手段。
  81. 1個又は複数の容器内の1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体と、前記1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質が結合している樹脂、ゲル、ビーズ、又は膜などの支持体を含んだピペットチップ、遠心分離管、又はカラムなどの支持手段とを含む、請求項79に記載のキット。
  82. 1個又は複数の容器内の1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体と、前記1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質が結合しているピペットチップ、遠心分離管、樹脂、ゲル、ビーズ、膜、又はカラムなどの支持体とを含む、請求項79に記載のキット。
  83. 1個又は複数の容器内の1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体と、1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体を分解することが可能な1種又は複数の酵素が結合している樹脂、ゲル、ビーズ、又は膜などの支持体を含んだピペットチップ、遠心分離管、又はカラムなどの支持手段とを含む、請求項79に記載のキット。
  84. 1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体を分解することが可能な1種又は複数の固定化された酵素を含む、ピペットチップ又は遠心分離管又はカラムなどの支持手段。
  85. 1個又は複数の容器内の1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体と、1種又は複数のグルコシドヒドロカルビル誘導体を分解することが可能な1種又は複数の酵素が結合しているピペットチップ、遠心分離管、樹脂、ゲル、ビーズ、膜、又はカラムなどの支持体とを含むキット。
  86. キチン、キチン誘導体、キトサン、キトサン誘導体、疎水性樹脂、及び/又は疎水性ゲルの1種又は複数をさらに含む、請求項76から95までのいずれか一項に記載のキット。
  87. シクロデキストリン及び/又はシクロデキストリン誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質、好ましくは1種又は複数の酵素を含む、請求項76から96までのいずれか一項に記載のキット。
  88. キチン、キチン誘導体、キトサン、及び/又はキトサン誘導体を分解することが可能な1種又は複数の物質、好ましくは1種又は複数の酵素を含む、請求項76から97までのいずれか一項に記載のキット。
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