JP2008500388A - エタンからエピクロロヒドリンを製造する方法 - Google Patents

エタンからエピクロロヒドリンを製造する方法 Download PDF

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Abstract

エピクロロヒドリンの製造方法は、(1)触媒の存在下でエタンを1,2−ジクロロエチレン(シス/トランス混合物)に転化させ;(2)(a)触媒、一酸化炭素及び水素の存在下で1,2−ジクロロエチレンをヒドロホルミル化し、(b)MeOHを1,2−ジクロロエチレンに添加し、又は(c)1,2−ジクロロエチレンを還元的ヒドロホルミル化触媒の存在下で直接還元的ヒドロホルミル化に供することによって、2,3−ジクロロプロパナールを生成させ;そして(3)2,3−DCHを塩基でエポキシ化して、エピクロロヒドリンを生成させることを含む。

Description

本発明はエピクロロヒドリンの製造方法に関する。
ECHの商業的製造方法において、ECHは塩化アリルから製造され、塩化アリルは塩素ガス用いたプロピレンの熱的塩素化から製造される。この方法では塩素化副生成物が生成する。一般に、塩素化副生成物は破棄物として処理する。ECHの中間体であるプロピレンジクロロヒドリンの製造には、塩化アリルと追加の塩素との反応において多量のプロセス水が用いられる。このプロセス水は、最終的に廃棄物として、処理しなければならない。
得られる樹脂又は化合物中に生成されるハロゲン化副生成物がより少なく且つ/又はハロゲン化汚染物質副生成物のレベルがより低いエピクロロヒドリンの製造方法を提供することが望ましい。
第1の態様において、本発明は、
(1)触媒の存在下でエタンを1,2−ジクロロエチレン(シス/トランス混合物)に転化せしめ;
(2)触媒、一酸化炭素及び水素の存在下で1,2−ジクロロエチレンをヒドロホルミル化して、2,3−ジクロロプロパナールを生成せしめ;
(3)触媒の存在下で2,3−ジクロロプロパナールを2,3−ジクロロプロパノールへと選択的に水素化し;そして
(4)2,3−ジクロロプロパノールを塩基でエポキシ化して、エピクロロヒドリンを生成せしめる
ことを含んでなるエピクロロヒドリンの製造方法である。
工程(1)、(2)及び(3)において使用する触媒は同一でも異なっていてもよい。
第2の態様において、本発明は、
(1)触媒の存在下でエタンを1,2−ジクロロエチレン(シス/トランス混合物)に転化せしめ;
(2)MeOHを1,2−ジクロロエチレンに添加して、2,3−ジクロロプロパノールを生成せしめ;そして
(3)2,3−ジクロロプロパノールを塩基でエポキシ化して、エピクロロヒドリンを生成する
ことを含んでなるエピクロロヒドリンの製造方法である。
第3の態様において、本発明は、
(1)LaOCl触媒の存在下でエタンを1,2−ジクロロエチレン(シス/トランス混合物)に転化せしめ;
(2)1,2−ジクロロエチレンを還元的ヒドロホルミル化触媒の存在下で直接還元的ヒドロホルミル化に供して、2,3−ジクロロプロパノールを生成させ;そして
(3)2,3−ジクロロプロパノールを塩基でエポキシ化して、エピクロロヒドリンを生成せしめる
ことを含んでなるエピクロロヒドリンの製造方法である。
本発明の方法は下記の一般的反応式で表すことができる。
Figure 2008500388
ジクロロエチレンは、生成物流からエチレンを再循還しながら、エタンから製造できる。この第1の態様による塩化ビニルの製造方法は、(a)触媒を含む反応器中で、塩化ビニル、エチレン及び塩化水素を含んでなる生成物流を生成するのに充分な条件下で、エチレン、酸素供給源及び塩素供給源を含む反応体を合し;そして(b)生成物流中のエチレンを工程(a)において使用するために再循還する必須の工程を含む。工程(a)のための当該エチレンは、更なる炭化水素出発原料としてのエタンを伴うことができ、また、エタンが、或る時間にわたって、不可欠な炭化水素供給材料として実質的に単独で使用されるように、生成物流からの再循還エチレンのみを含むことができる。好ましい実施態様においてこの方法に使用する触媒は、多孔質希土類元素含有材料(「希土類材料」)と特徴づけることができる。塩化ビニルの製造においてジクロロエチレンを側流として除去することもできるし、或いはジクロロエチレンの製造を最大にするために塩化ビニルを再循還させることもできる。
適当な触媒としては、式MOCl[式中、Mはランタン、セリウム、ネオジム、パラセオジム、ジスプロシウム、サマリウム、イットリウム、ガドリニウム、エルビウム、イッテルビウム、ホルミウム、テルビウム、ユーロピウム、ツリウム、ルテチウム又はそれらの混合物から選ばれた少なくとも1種の希土類元素である]の希土類オキシクロリドが挙げられる。最も好ましくは、この塩は多孔質の塊状ランタンオキシクロリド(LaOCl)材料である。反応条件下においては、希土類オキシクロリドである。現場(in situ)形成される触媒は出発希土類オキシクロリド中に存在する希土類成分の塩化物を含むと考えられる。このような塩化物の例は、MCl3[式中、Mはランタン、セリウム、ネオジム、パラセオジム、ジスプロシウム、サマリウム、イットリウム、ガドリニウム、エルビウム、イッテルビウム、ホルミウム、テルビウム、ユーロピウム、ツリウム、ルテチウム又はそれらの混合物から選ばれた希土類成分である]である。このような触媒はWO 0138273に記載されている。他の適当な触媒としては、GB 1492945、GB 2009164及びUS 5763710に記載されたような担持銅触媒が挙げられる。
反応器は350℃超、より好ましくは375℃超で且つ500℃未満、より好ましくは450℃未満の温度に保持するのが望ましい。典型的には、反応器は、周囲圧力〜3.5メガパスカル(MPa),ゲージ(500ポンド/平方インチ,ゲージ(psig))に保持する。より高い圧力は、分離ユニット操作への及び分離ユニット操作を通じての材料の動きに駆動力を与えるので、加圧における操作は下流の処理操作にかなりの柔軟性を与える。好ましくは、操作圧力は周囲圧力〜2.1MPa、ゲージ(300psig)、最も好ましくは周囲圧力〜1.1MPa、ゲージ(150psig)である。この方法は、固定床式でも流動床式でも実施できるが、流動床式が好ましい。
ヒドロホルミル化
ヒドロホルミル化プロセスは一般に、ヒドロホルミル化触媒の存在下で且つ場合によっては遊離有機リン配位子の存在下で、アルデヒドを製造するのに十分なヒドロホルミル化条件下において、オレフィン部分を一酸化炭素と水素との混合物と接触させることを含んでなる。本発明において、ヒドロホルミル化プロセスは、遷移金属有機リン配位子錯体触媒及び場合によっては遊離有機リン配位子の存在下において、2,3−ジクロロプロパナールを製造するのに十分なヒドロホルミル化条件下で、減鎖不飽和酸又はエステルを一酸化炭素及び水素と接触させることを含む。ヒドロホルミル化のための触媒及び条件は、当技術分野の文献に十分に記載されている。例えば、US−B1−6,307,108を参照されたい。
本発明のヒドロホルミル化プロセスにおいて有用な触媒は、ヒドロホルミル化プロセスにおいて活性を示す任意の遷移金属有機リン配位子錯体触媒を含む。金属−有機リン配位子錯体を構成する適当な金属としては、ロジウム(Rh)、コバルト(Co)、イリジウム(Ir)、ルテニウム(Ru)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)、オスミウム(Os)及びそれらの混合物から選ばれた第8族、第9族及び第10族金属が挙げられ;ロジウム、コバルト、イリジウム及びルテニウムが好ましく;ロジウム、コバルト及びルテニウムがより好ましく;ロジウムが最も好ましい。他の適当な金属しては、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)及びそれらの混合物から選ばれた第11族金属並びにクロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)及びそれらの混合物から選ばれた第6族金属が挙げられる。第6族、第8族、第9族、第10族及び第11族からの金属の混合物もまた適当である。
遊離配位子及び遷移金属−配位子錯体触媒中で錯形成される配位子を構成する適当な有機リン配位子としては、有機ホスフィン、例えばトリオルガノホスフィンと、有機ホスファイト、例えばモノ−、ジ−及びトリ−オルガノホスファイト並びにビスホスファイトが挙げられるが、これらに限定するものではない。他の適当な有機リン配位子としては、例えば、有機ホスホナイト、有機ホスフィナイト、有機リンアミド、並びに任意の前記配位子の混合物が挙げられる。種々のリン配位子種が当業界で知られており、例えば、US−B1−6,307,108に示されている。
本発明によって包含されるヒドロホルミル化プロセスのための反応条件は、任意の従来のヒドロホルミル化プロセス条件を含む。例えば水素、一酸化炭素及びオレフィン出発原料の総ガス圧は1psia(6.9kPa)又はそれ以上〜10,000psia(68,950kPa)未満の範囲であることができる。好ましくは、総ガス圧は2,000psia(13,800kPa)未満であり、より好ましくは1,000psia(6,850kPa)未満である。より詳細には、本発明のヒドロホルミル化プロセスの一酸化炭素分圧は好ましくは1psia(6.9kPa)より大きく、より好ましくは3psia(20.7kPa)より大きい。一酸化炭素分圧は典型的には1,000psia(6,895kPa)未満であり、好ましくは800psia(5,516kPa)未満である。水素分圧は典型的には5psia(34.5kPa)より大きく、好ましくは10psia(68.9kPa)より大きい。水素分圧は典型的には、500psia(3,448kPa)未満であり、好ましくは300psia(2,069kPa)未満である。一般に、気体水素対気体一酸化炭素のモル比H2:COは1:10〜10:1の範囲である。ヒドロホルミル化プロセスは典型的には−25℃より高い、そして好ましくは50℃より高い反応温度において実施する。ヒドロホルミル化プロセスは典型的には150℃未満、及び好ましくは120℃未満の反応温度において実施する。正確な反応時間は、選択される個々の反応体及び触媒によって異なるが、一般には反応時間は通常、30分〜200時間の範囲内である。ヒドロホルミル化プロセスは、溶媒の存在下で実施できる、溶媒の適当な種としては、アルカン、シクロアルカン、アルデヒド、ケトン、エーテル、エステル、芳香族炭化水素、アルコールが挙げられるが、これらに限定するものではない。
水素化
本発明の水素化は、不均一遷移金属含有触媒の存在下で行う。本発明の不均一触媒において有用な遷移金属は、国際純正応用化学連合(International Union of Pure and Applied Chemistry;IUPAC)によって現在採用されている元素の周期表の第IB族、第IIB族又は第IIIA族〜第VIIIA族のいずれかから選ばれた1種又はそれ以上の金属であることができる。触媒金属は好ましくは、IUPAC周期表の第VIIIA族、例えば、鉄、コバルト、ニッケル、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム、白金及びそれらの混合物から選ばれる。触媒金属はより好ましくは、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム、白金又はそれらの混合物からなる群から選ばれる。触媒金属は最も好ましくは、ルテニウム、イリジウム又はそれらの混合物からなる群から選ばれる。
本発明の触媒の例は、例えば、米国特許第6,350,922号に開示されたイリジウム/ルテニウム混合金属触媒であることができる。触媒中のイリジウム金属対ルテニウム金属の原子比は一般に0.02〜15、好ましくは0.05〜10、より好ましくは0.15〜8、最も好ましくは0.3〜2.0である。
本発明において有用な不均一触媒は、例えばシリカ、シリル化シリカ、炭素、アルミナ、チタニア、ジルコニア、マグネシア、及びPonceletら編,Preparation of Catalysts III,New York,1983;P.N.Rylander,Hydrogenation Methods,Academic Press,London,1985;P.N.Rylander,Catalytic Hydrogenation Over Platinum Metals,Academic Press,New York,1967;P.Rylander,Catalytic Hydrogenation in Organic Syntheses,Academic Presss,New York,1979に記載されたような公知の他の一般的な担体のような不溶性担体上に沈着又は吸収された遷移金属であることができる。本発明の不均一触媒は、樹脂に結合された配位子に配位した遷移金属、例えばホスフィン化ポリスチレン上ルテニウムであることができる。触媒は典型的には顆粒又はペレットの形態である。担体上の活性触媒の量は一般に、0.1パーセント(%)〜25%、好ましくは0.5%〜15%である。
本発明の方法において不均一触媒を使用する利点の1つは、濾過のような種々の手段によって反応溶液から触媒を分離できることである。
本方法において使用する触媒対試薬の理想的な比は、流量、床の大きさ、温度、所望の転化率、試薬及び本方法の他の要因によって異なる。通常、不均一触媒床は、1時間に床を通過するα−ハロケトン1モルに対して触媒金属0.0001〜100モルを含む。
ジハロプロパナールは、触媒の存在下でジハロプロパナールを水素化剤と反応させることによって水素化する。水素化反応については、米国特許第5,744,655号に詳述されている。本発明において有用な水素化剤は、例えば分子状水素、アルコール、ヒドラジン、ホルメート又はそれらの組合せであることができる。本発明において水素化剤として有用な適当なアルコールの例は、第一級又は第二級アルコール、例えば、メタノール、エタノール並びにC3〜C10第一級及び第二級アルコールであることができる。本発明において有用な他の第二級アルコールの例は、米国特許第2,860,146号に記載されている。本発明において使用する水素化剤は好ましくは分子状水素である。
水素化反応は、生成されるジハロプロパノール1モル当たり1モルの水素化剤を消費する。一般に、反応過程において2,3−ジハロプロパナール1モル当たり少なくとも0.6モルの水素化剤が消費のために利用可能であり、好ましくは反応過程において2,3−ジハロプロパナール1モル当たり少なくとも0.75モルの分子状水素が消費のために利用可能であり、より好ましくは反応過程において少なくとも0.9モル、最も好ましくは少なくとも1モルが消費のために利用可能である。2,3−ジハロプロパナール1モル当たり1モル未満の水素化剤が反応過程において消費されることが可能である場合には、2,3−ジハロプロパナールの完全な転化が得られないので、反応はそれほど効率的でない。しかし、反応の開始時には必ずしも全ての水素化剤が利用可能である必要はない。水素化剤は、反応が進むにつれて段階的に又は連続的に添加することができる。この場合、どの時点の反応混合物も化学量論過剰のジハロプロパナールを水素化剤上に含むことができる。本発明の一実施態様として、必要とされる過剰の水素化剤を用いて、反応において転化を完了させることができる。一般に、例えば、10%〜20%過剰の水素化剤を使用できる。
水素化剤供給源の最大量は重要ではなく、圧力、反応器の効率及び安全性のような実際的考慮事項によって左右される。水素化剤供給源が気体である場合には、水素化剤の量は好ましくは、所望の圧力を生じるのに少なくとも充分な量である。しかし、ほとんどの場合、反応器は、2,3−ジハロプロパナール1モル当たり、好ましくは1,000モル以下、より好ましくは100モル以下の分子状水素を含む。気体水素化剤供給源、例えば分子状水素は、好ましくは気体試薬を液体反応混合物と混合するための既知の方法に従って、例えば、撹拌しながら混合物に気体を泡立てて通気することによって又は加圧下で水素を可溶化することによって使用する。
本発明の反応は、場合によっては、しかし好ましくは、溶媒の存在下で実施する。使用する溶媒は、好ましくは反応条件下で全試薬に対して不活性である。溶媒は、(1)溶媒が反応条件下で沸騰せず;且つ(2)α−ハロアルコールを溶媒から、例えば蒸留、抽出又は任意の他の既知回収手段によって回収できるように選ぶことができる。
本発明において有用な適当な溶媒の例としては、芳香族及び脂肪族炭化水素、塩素化炭化水素、エーテル、グリム、グリコールエーテル、エステル、アルコール、アミド及びそれらの混合物が挙げられる。本発明において有用な溶媒の例としては、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン、塩化メチレン、ジオキサン、ジメチルエーテル、ジグリム、1,2−ジメトキシエタン、酢酸エチル、メタノール、NMP及びそれらの混合物が挙げられる。本発明において使用する溶媒の量は重要ではなく、主として、反応器の効率のような実際的考慮事項によって左右される。一般に、反応混合物中に存在する溶媒の量は0〜99.99重量%の範囲である。
以下の実施例は、本発明の説明のために記載するのであって、これらは本発明の範囲を制限するものと解してはならない。特に断らない限り、全ての部及び%は重量に基づく。
例1
エタンを含む流れからの塩化ビニル及び1,2−ジクロロエチレンの同時製造
LaCl3の水溶液を水酸化アンモニウムで中性のpHまで沈殿させてゲルを形成させることによって、ランタンを含む多孔質耐火性組成物を製造した。この混合物を濾過し、固体を洗浄した。固体を再懸濁させ、噴霧乾燥させて、呼称直径が60ミクロンの粒子を生成した。続いて、回収した粉末を空気中で550℃において焼成した。得られた固体を圧縮し、圧潰し、篩にかけて、更なる実験室反応器試験に適当な粒子を生成した。この操作によって、LaOClのX線粉末回折パターンに適合する固体が得られた。粒子をきれいなニッケル(alloy(合金)200)反応器中に入れた。エチレン、エタン、HCl、O2及び不活性ガス(He及びAr混合物)を反応器に供給できるように反応器を設定した。アルゴンの働きは、ガスクロマトグラフィーによる反応器供給材料及び流出物の分析のための内部標準であった。結果を表Iに示す。
Figure 2008500388
例2〜6
一般的操作
IrCl3・3H2Oと、RuCl3・H2O、(NH46Mo724・4H2O、MnCl2・4H2O、OsCl3・3H2O又はFeCl3・6H2Oのうち1つの金属塩水溶液又はアルコール溶液を、シリカ(Davison 57)に含浸させることによって、不均一触媒を製造した。混合金属系は、同時含浸によって、又は一方の金属塩を含浸(及び乾燥)させてから、他方を含浸させることによって製造できた。触媒を空気乾燥させ、次いで動的H2/N2(水素5%)下で200℃において予備還元した。その後、触媒は貯蔵し、不活性雰囲気のグローブボックス中で取り扱った。
300mLのParr反応器に触媒装入材料を装入し、そして反応器の排気及び窒素フラッシュを3回行った。溶媒/2,3−ジクロロプロパナール(DCP)混合物を、窒素スパージしながら脱ガスし、シリンジを用いてParr反応器に加えた。反応器を窒素250/20psig(1.7mPa/138kPa)及び水素100/20psig(6.9mPa/138kPa)まで加圧/ガス抜きし、次いで水素1000psig(6.9mPa)下に入れ、65℃〜100℃まで加熱した。反応器を15psig(103kPa)未満までガス抜きした後、シリンジでサンプルを取り出した。
サンプルを、25mのHP−5 Ultra 2キャピラリーカラムを装着したHewlett Packard HP−5890ガスクロマトグラフを使用してスプリット注入を用いてガスクロマトグラフィー(GC)によって分析した。約120μLの反応混合物を、GC標準として既知量(典型的には0.05重量%)のクロロベンゼンを含むクロロホルム5.0mL中に溶解させた。「選択率」は、[形成された2,3−ジハロプロパノールの量]対[消費された2,3−ジハロプロパナールの量]のモル比と定義する。
純ルテニウム/シリカ、純イリジウム/シリカ及び選択されたルテニウム/イリジウム/シリカ触媒についての、2つの逐次バッチサイクル全体における活性及び選択率の比較を以下の表Iに示す。ルテニウム/イリジウム触媒は、純ルテニウム又は純イリジウム触媒よりも高い選択率で持続した水素化活性を提供できることが示される。
純イリジウム触媒(例6)は良好な初期活性(30分で転化率79.3%)と高い選択率(>99%)を有するが、第2の装填材料(ラン#2)の転化率は不良である(30分で転化率7.9%;活性が90%低下)。
純ルテニウム触媒(例5)は、2つのサイクル(ラン#1及び#2)全体にわたって安定な性能を示し、活性の低下が20%であるが、ルテニウム触媒の活性は低い(転化率が30分でそれぞれ、24.7%及び19.7%)。
本発明における触媒中のイリジウムとルテニウム金属の組合せ(例2、3及び4)は、全ての場合において2,3−ジハロプロパノールへの非常に優れた選択率(>90%)を提供する。更に、本発明の触媒は、全ての場合において、純ルテニウムについて観察される値よりも良好である(少なくとも>47%対24.7%及び19.7%)活性を示し、本発明の触媒の場合のサイクル(ラン#1及び#2)間の活性の低下は純イリジウム触媒よりも優れている(32%、33%、13%と全て90%未満である)。
更に、本発明の触媒の場合の活性の低下は、純ルテニウム触媒に匹敵し、例4においてはそれよりも優れている(13%であり、これは20%未満である)。
Figure 2008500388

Claims (8)

  1. (1)触媒の存在下でエタンを1,2−ジクロロエチレン(シス/トランス混合物)に転化せしめ;
    (2)触媒、一酸化炭素及び水素の存在下で1,2−ジクロロエチレンをヒドロホルミル化して、2,3−ジクロロプロパナールを生成せしめ;
    (3)触媒の存在下で2,3−ジクロロプロパナールを2,3−ジクロロプロパノールへと選択的に水素化し;そして
    (4)2,3−ジクロロプロパノールを塩基でエポキシ化して、エピクロロヒドリンを生成せしめる
    ことを含んでなるエピクロロヒドリンの製造方法。
  2. 前記ヒドロホルミル化触媒が遷移金属−有機リン配位子錯体触媒である請求項2に記載の方法。
  3. 前記水素化触媒が不均一遷移金属含有触媒である請求項3に記載の方法。
  4. 前記水素化触媒がイリジウム/ルテニウム混合金属触媒である請求項3に記載の方法。
  5. 前記ヒドロホルミル化反応を溶媒の存在下で実施する請求項2に記載の方法。
  6. 前記ヒドロホルミル化反応を150℃未満の温度において30分間実施する請求項2に記載の方法。
  7. (1)触媒の存在下でエタンを1,2−ジクロロエチレン(シス/トランス混合物)に転化し;
    (2)MeOHを1,2−ジクロロエチレンに添加して、2,3−ジクロロプロパノールを生成せしめ;そして
    (3)2,3−ジクロロプロパノールを苛性アルカリでエポキシ化して、エピクロロヒドリンを生成せしめる
    ことを含んでなるエピクロロヒドリンの製造方法。
  8. (1)触媒の存在下でエタンを1,2−ジクロロエチレン(シス/トランス混合物)に転化せしめ;
    (2)1,2−ジクロロエチレンを還元的ヒドロホルミル化触媒の存在下で直接還元的ヒドロホルミル化に供して、2,3−ジクロロプロパノールを生成し;そして
    (3)2,3−ジクロロプロパノールを塩基でエポキシ化して、エピクロロヒドリンを生成する
    ことを含んでなる、エピクロロヒドリンの製造方法。
JP2007527360A 2004-05-21 2005-05-17 エタンからエピクロロヒドリンを製造する方法 Pending JP2008500388A (ja)

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