JP2008500299A - 2−スチリル−4−オキサゾール−メタノール−エーテル及びチロシンキナーゼ阻害剤としてのその使用 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、式Iの化合物及びそれらの医薬として許容される塩、鏡像異性体型、ジアステレオマー及びラセミ体、上文で言及した化合物、それらを含む薬物及びそれらの製造並びに疾病、例えばガンの制御又は予防における、あるいは相当の薬物の製造における上文で言及した化合物の使用、である。
Description
本発明は、新規ベンジルエーテル誘導体、それらの製造方法、それらを含む医薬粗製物及びそれらの製造、並びに医薬的活性物質としてのそれらの化合物の使用に関する。
プロテインチロシンキナーゼ(PTK)は、細胞増殖及び分化に関与する種々のタンパク質におけるチロシン残基のリン酸化を触媒する(Wilks, A.F., Progress in Growth Factor Research 2 (1990) 97-111; Chan, A.C., and Shaw, A.S., Curr. Opin. Immunol. 8 (1996) 394-401))。かかるPTKは、受容体チロシンキナーゼ(例えば、EGFR/HER−1、c−erB2/HER−2、c−met、PDGFr、FGFr)及び非受容体チロシンキナーゼ(例えば、src、lck)に分類されうる。多数の発ガン遺伝子が、タンパク質、細胞形質転換を引き起こし得る異常なチロシンキナーゼをコードしていることが知られている(Yarden, Y., and Ullrich, A., Annu. Rev. Biochem. 57 (1988) 443-478; Larsen et al, Ann. Reports in Med. Chem., 1989, Chpt. 13)。また、通常の原ガン遺伝子によるチロシンキナーゼの過剰発現も増殖疾患を生じさせうる。
HER−ファミリー、例えばHER−2及びEGFR(HER−1)の受容体チロシンキナーゼは、通常のガン、例えば、乳ガン、消化管ガン(結腸、直腸又は胃のガン)、例えば結腸、直腸又は胃のガン、白血病並びに卵巣、気管支及び膵臓のガンにおいてしばしば異常に発現していることが知られている。高レベルのこれらの受容体は予後不良及び処置に対する応答不良と相関している (Wright, C., et al., Br. J. Cancer 65 (1992) 118-121)。
従って、受容体チロシンキナーゼの阻害剤は哺乳類のガン細胞の増殖の選択的阻害剤として有用であることが認識されている。それ故に、複数の小分子化合物並びにモノクローナル抗体が種々のタイプのガンの処置のために臨床試験にかけられている (Baselga, J., and Hammond, L.A., Oncology 63 (Suppl. 1) (2002) 6-16; Ranson, M., and Sliwkowski, M.X., Oncology 63 (suppl. 1) (2002) 17-24)。
幾つかの置換オキサゾールが当業界で知られている。WO98/03505,EP 1 270 571,WO01/77107,WO03/031442及びWO03/059907は、チロシンキナーゼ阻害剤として、関連の複素環式化合物を開示している。
しかしながら、治療的特性が向上している、例えば、幾つか例を挙げると、活性が増強し、毒性が低下し、可溶性が優れており、そして薬物動態プロファイルが向上している、新規化合物についての必要性が残されている。
本発明は、一般式Iの化合物
(ここで、
R1は塩素又はフッ素であり;
R2は水素;又はフッ素であり;
R3は水素;ハロゲン;アルキル又はアルコキシである)
及び全ての医薬として許容されるその塩、に関する。
R1は塩素又はフッ素であり;
R2は水素;又はフッ素であり;
R3は水素;ハロゲン;アルキル又はアルコキシである)
及び全ての医薬として許容されるその塩、に関する。
本発明の化合物は、HER−シグナル伝達経路の阻害剤としての活性を示し、それ故に、抗増殖活性を有する。本発明の目的は、式Iの化合物及びそれらの医薬として許容される塩、鏡像異性体型、ジアステレオマー及びラセミ体、上文で言及した化合物、それらを含む薬物及びそれらの製造並びに疾病の制御又は予防、特に上文で言及した疾病、例えば一般的なヒトのガン(例えば、肺ガン、消化管ガン(結腸、直腸又は胃のガン)、白血病、卵巣、気管支及び膵臓のガン)の制御又は予防における、あるいは相当の薬物の製造における上文で言及した化合物の使用、である。
本明細書で使用する場合、用語「アルキル」とは、1〜4個、好ましくは1〜2個の炭素原子を含む、飽和の直鎖又は分枝鎖の炭化水素、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチルを意味する。
本明細書で使用する場合、用語「アルコキシ」は、酸素を介して結合している上文で言及したアルキル基、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシを意味する。
用語「ハロゲン」は、本明細書で使用する場合、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素を意味し、好ましくはフッ素及び塩素、更に好ましくはフッ素である。
本明細書で使用する場合、HER−ファミリー、例えばHER−2及びEGFR(HER−1)の受容体チロシンキナーゼについて言及しているときの頭字語「HER」は、ヒト表皮受容体を指し、そして頭字語「EGFR」は表皮増殖因子受容体を指す。
本明細書で使用する場合、質量分析(MS)に関連する用語「ESI+」は、ポジティブエレクトロスプレーイオン化モードを指し、そして用語「API+」は、ポジティブ大気圧イオン化モードを指す。
本発明の化合物は、それらの医薬として許容される塩の形で存在することができる。用語「医薬として許容される塩」とは、式Iの化合物の生物学的有効性及び性質を保持し、そして適切な非毒性の有機酸又は無機酸から形成される、常用の酸付加塩を意味する。酸付加塩の例には、無機酸、例えば塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸及び硝酸に由来するそれらの塩、並びに有機酸、例えばp−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、サリチル酸、シュウ酸、琥珀酸、クエン酸、リンゴ酸、乳酸、フマル酸等に由来するそれらの塩を包含する。医薬化合物(すなわち薬物)の塩への化学的修飾は、化合物の物理的及び化学的安定性、吸湿性、流動性及び溶解性の向上を得るためには、薬剤師にとって周知の技法である。それらは、例えば、Bastin,R. J. et al, Organic Proc. Res. Dev. 4 (2000) 427-435に記載されている。
好ましい医薬として許容される塩は、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、メタンスルホン酸及び塩酸により形成される。
好ましくはR1は塩素である。
好ましくはR3は水素;メチル;メトキシ;フッ素又は塩素である。
本発明の好ましい態様は、R1が塩素である式Iの化合物である。
かかる化合物は、例えば:
1−[2−(4−{2−[2−(4−クロロ−フェニル)−ビニル]−オキサゾール−4−イルメトキシ}−ベンジルオキシ)−エチル]−1H−[1,2,3]トリアゾール、
である。
1−[2−(4−{2−[2−(4−クロロ−フェニル)−ビニル]−オキサゾール−4−イルメトキシ}−ベンジルオキシ)−エチル]−1H−[1,2,3]トリアゾール、
である。
本発明の好ましい態様は化合物
1−[2−(4−{2−[2−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−ビニル]−オキサゾール−4−イルメトキシ}−ベンジルオキシ)−エチル]−1H−[1,2,3]トリアゾール、
である。
1−[2−(4−{2−[2−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−ビニル]−オキサゾール−4−イルメトキシ}−ベンジルオキシ)−エチル]−1H−[1,2,3]トリアゾール、
である。
別の好ましい態様は、R1がフッ素である式Iの化合物である。
更に別の好ましい態様は、R1が塩素であり、且つR3が水素である式Iの化合物である。
別の好ましい態様は、R3が水素である式Iの化合物である。
本発明の更に好ましい態様は、R3がアルキルである式Iの化合物である。
別の好ましい態様は、R3がアルコキシである式Iの化合物である。
別の好ましい態様は、R3がフッ素である式Iの化合物である。
別の好ましい態様は、R3が塩素である式Iの化合物である。
本発明の更に別の態様は、式Iの化合物の製造方法であって、
(a)式Vの化合物
(ここで、R3は本明細書の上文において式Iについて示した意味を有する)
を式IVの化合物
(ここで、R1及びR2は本明細書の上文において式Iについて示した意味を有する)
と反応させて、式Iの各化合物を生成させ、
(b)式Iの前記化合物を反応混合物から単離し、そして
(c)所望により、医薬として許容される塩に変換する、
方法である。
(a)式Vの化合物
を式IVの化合物
と反応させて、式Iの各化合物を生成させ、
(b)式Iの前記化合物を反応混合物から単離し、そして
(c)所望により、医薬として許容される塩に変換する、
方法である。
一般式Iのベンジルエーテル誘導体、又はその医薬として許容される塩は、化学的に関連する化合物の調製に適用可能であることが当業者知られている任意の方法によって調製することができる。かかる方法は、式Iのベンジルエーテル誘導体、又は医薬として許容される塩を調製するのに使用する場合、本発明の更なる特徴として提供され、そして以下のスキーム1の代表例によって例示される。ここで、特に断らない限り、R1、R2及びR3は、本明細書の前文で示した意味を有する。必要な出発材料は市販のものか、あるいは、有機化学の標準的手順により得ることができるものである。このような出発材料の調製は、以下の実施例で説明する。あるいは、必要な出発材料は、例示する手順に類似の、有機化学者の通常の技術範囲内にある手順により得られる。
式Iの化合物の好ましい合成方法は、スキーム1に記載されており、式Ia(ここで、R1及びR2は本明細書の上文において式Iについて示した意味を有する)の相等のベンズアルデヒドから出発する。反応順序の最初の段階は、マロン酸とのKnoevenagel縮合、それと同時の脱炭酸であり、その結果式IIのアクリル酸が生成する。当該反応は、典型的に、当該反応は、典型的に、ピリジン、N−メチルピロリジノン(NMP)、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)及びそれらの混合物のような溶媒中、最大140℃で実施される。典型的に使用される塩基はピペリジン、トリエチルアミン及びジイソプロピルアミンである。
得られた式IIのアクリル酸は、当業者にとって標準的な技術により、例えば式IIの
式IIのカルボン酸基を、塩化オキサリルにより、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン、DMF及びそれらの混合物のような溶媒中、−30℃〜40℃に変化する温度で活性化することにより、式IIIのそれらの相等のアミドに変換される。アンモニアの添加により、前記式IIIのアミドが生成する。
式IIのカルボン酸基を、塩化オキサリルにより、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン、DMF及びそれらの混合物のような溶媒中、−30℃〜40℃に変化する温度で活性化することにより、式IIIのそれらの相等のアミドに変換される。アンモニアの添加により、前記式IIIのアミドが生成する。
式IVの塩化物は一般に知られている方法又はその改良方法を用いて合成される。式IIIのアミド及び1,3−ジクロロアセトンを縮合/脱水の順序にかけることで、式IVの化合物が生成する。この種の典型的な反応溶媒はトルエン、キシレン、ベンゼン、アセトン及びクロロホルムである。所望により、当該反応は、溶媒無しの条件下で実施されうる。反応温度は50℃から150℃まで変化しうる。
式Iのベンジルエーテル誘導体は、当業者にとって周知の反応により、例えば、式Vの化合物(ここで、R3は本明細書の上文において式Iについて示した意味を有する)を、、式IVの化合物を用いてスキーム1に従いアルキル化することにより、得ることができる。典型的に、当該アルキル化は、ヨウ化カリウム又はヨウ化ナトリウムの存在下、溶媒、例えばDMF、メタノール、エタノール及びイソプロパノール中で実施される。この反応にとって典型的な塩基は、ナトリウムメチラート、水素化ナトリウム又はリチウムジイソプロピルアミドである。反応温度は50℃から150℃まで変化しうる。
式Vのフェノール系中間体は、式VIの化合物と式VIIの化合物
(ここで、Aは下文で定義するような適当な保護基を表し、且つ
XとYの一方がヒドロキシ基を表し、
一方、他方のものが下文で定義するような適当な脱離基Eを表す)
との反応、そしてその後の脱離基Aの除去により調製することができる。
XとYの一方がヒドロキシ基を表し、
一方、他方のものが下文で定義するような適当な脱離基Eを表す)
との反応、そしてその後の脱離基Aの除去により調製することができる。
式VIの化合物と式VIIの化合物との反応は当業界で周知である。典型的に、かかるアルキル化反応は、溶媒、例えばDMF、メタノール、エタノール及びイソプロパノール中で実施されうる。この反応にとっての典型的な塩基は、炭酸アルカリ、ナトリウムメチラート、水素化ナトリウム又はリチウムジイソプロピルアミドである。反応温度は20℃〜50℃まで変化しうる。他の好ましいアルキル化手順は、溶媒、例えばケトン中で炭酸アルカリを塩基として、例えばブタノン中で炭酸セシウムを還流温度で利用し、あるいはDMF中で水素化ナトリウムを室温で利用する。適当な脱離基Eは、アルキル化反応で典型的に使用され、且つ当業者にとって周知なものである。かかる脱離基の例は、中でも、ハロゲンのアニオン、特にヨウ化物、臭化物又は塩化物、p−トルエンスルホン酸塩(トシラート)、メタンスルホン酸塩(メシラート)、トリフルオロメタンスルホナート(トリフラート)又はアジド基である。
ヒドロキシ保護基Aは、本明細書で言及する場合、当業者に知られているような常用の保護基である。例えば、tert−ブトキシカルボニル(boc)、プロペン−3−イル(アリル)、トリフェニルメチル(トリチル)及びシリル基、例えばtert−ブチル−ジメチル−シリル、トリイソプロピル−シリルである。
ヘテロ原子上の保護基の除去は、当該保護基の性質に依存する。典型例は、酸性条件下での、例えば、ギ酸水溶液/テトラヒドロフラン(THF)による、還流条件下でのトリチル基の除去又はトリフルオロ酢酸によるジクロロメタン中での室温でのtert−ブトキシカルボニル基の除去又はテトラブチルアンモニウムフルオリドによる、水性THF中での室温での置換シリル基の除去である。アリル基は、基質を触媒量のパラジウム複合体、例えば、Pd(PPh3)4を用いて、ジクロロメタン中で、アリル受容体、例えば1,3−ジメチルバルビツール酸の存在下処理することによって滑らかに除去することができる。
式Vの化合物は新規であり、そして本発明の目的である。
式Iの化合物は、1又は複数のキラル中心を含み、そして次に、ラセミ形で、又は光学的活性形で存在することができる。ラセミ体は、既知の方法に従って、鏡像異性体に分離され得る。例えば、結晶化により分離され得るジアステレオマー塩は、光学的活性の酸、例えばD−又はL−カンファースルホン酸との反応により、ラセミ混合物から形成される。あるいは、鏡像異性体の分離はまた、市販のキラルHPLC−相上でのクロマトグラフィーを用いることにより達成され得る。
式Iの化合物及びそれらの医薬として許容される塩は、有益な薬理学的特性を有している。前記化合物は、HER−シグナル伝達経路を阻害剤し、且つ、抗増殖活性を示すことが明らかとなっている。その結果、本発明の化合物は、HER−2及びEGFR(HER−1)のなどのHER−ファミリーの受容体チロシンキナーゼの既知の過剰発現を伴う病気の治療及び/又は予防、特に上文で言及した病気の治療及び/又は予防において有用である。HER−シグナル伝達経路阻害剤としての本発明の化合物の活性は、以下の生物学的アッセイにより証明される:
Calu3腫瘍細胞株におけるHER2リン酸化の阻害
ウェル当たり2x105のCalu−3(ATTC HTB−55)細胞を12ウェルプレート内にプレーティングした。4日後、細胞を16時間ダルベッコ改変イーグル培地(DMEME)/0.5%ウシ胎児血清(FCS)/1%グルタミン中で飢餓状態にした。この16時間の期間の間に、細胞は、試験化合物のジメチルスルホキシド(DMSO)
溶液と一緒にインキュベートした。ここで、当該化合物の終濃度を1μMとし、DMSOの最終容積を0.5%とする。その後、細胞を1%Triton(登録商標)X−100、10%グリセロール、1mMエチレングリコール−ビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)、1.5mM MgCL2、150mM NaCl、50mM 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)緩衝液pH7.5、1mM フェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)、10μg/mLアプロチニン(ウシの肺から得られ、且つ精製されている天然タンパク質)及び0.4mMオルトバナジン酸塩(Na3VO4)を含む溶解緩衝液中で溶解した。細胞の溶解物をドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS PAGE)上で解析し、そしてニトロセルロース膜に転写した後、HER−2のpY1248(ヒト表皮受容体2のリン酸化チロシン残基1248)を特異的に認識する抗体を用いて検出した。POD(Biorad,Munich,Germanyから市販されているペルオキシダーゼ)とカップリングした抗ウサギ抗体とのインキュベーションの後、シグナルをケミルミネセンス(ECL,Amercham)により検出した。HER−2リン酸化の阻害は、DMSOのみで処理したコントロールのパーセンテージとして算出する。阻害のパーセンテージは、以下の式:阻害(%)=100−(試験試料のリン酸化したHER2シグナル×100/リン酸化したHER2シグナルDMSOコントロール)に従い算出する。
ウェル当たり2x105のCalu−3(ATTC HTB−55)細胞を12ウェルプレート内にプレーティングした。4日後、細胞を16時間ダルベッコ改変イーグル培地(DMEME)/0.5%ウシ胎児血清(FCS)/1%グルタミン中で飢餓状態にした。この16時間の期間の間に、細胞は、試験化合物のジメチルスルホキシド(DMSO)
溶液と一緒にインキュベートした。ここで、当該化合物の終濃度を1μMとし、DMSOの最終容積を0.5%とする。その後、細胞を1%Triton(登録商標)X−100、10%グリセロール、1mMエチレングリコール−ビス(2−アミノエチルエーテル)−N,N,N’,N’−四酢酸(EGTA)、1.5mM MgCL2、150mM NaCl、50mM 4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)緩衝液pH7.5、1mM フェニルメチルスルホニルフルオリド(PMSF)、10μg/mLアプロチニン(ウシの肺から得られ、且つ精製されている天然タンパク質)及び0.4mMオルトバナジン酸塩(Na3VO4)を含む溶解緩衝液中で溶解した。細胞の溶解物をドデシル硫酸ナトリウムポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS PAGE)上で解析し、そしてニトロセルロース膜に転写した後、HER−2のpY1248(ヒト表皮受容体2のリン酸化チロシン残基1248)を特異的に認識する抗体を用いて検出した。POD(Biorad,Munich,Germanyから市販されているペルオキシダーゼ)とカップリングした抗ウサギ抗体とのインキュベーションの後、シグナルをケミルミネセンス(ECL,Amercham)により検出した。HER−2リン酸化の阻害は、DMSOのみで処理したコントロールのパーセンテージとして算出する。阻害のパーセンテージは、以下の式:阻害(%)=100−(試験試料のリン酸化したHER2シグナル×100/リン酸化したHER2シグナルDMSOコントロール)に従い算出する。
全ての化合物を用い、HER−2リン酸化の有意な阻害を検出した。これを表1に示す化合物により例示する。本明細書で使用する場合の参照化合物とは、1−[4−(4−{2−[2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−ビニル]−オキサゾール−4−イルメトキシ}−フェニル)−ブチル]−1H−[1,2,3]トリアゾールである(WO01/77107の第88頁実施例4)。
腫瘍阻害に対するin vivoアッセイ:
原発腫瘍を生成するために、非小細胞肺ガン(NSCLC)(例えば、Calu−3(ATCC HTB−55)又はA549(ATTC CCL−185))細胞(100μlの体積中、4〜5.0x106個)を、雌SCIDベージュ(重症複合免疫不全/Charles River, Sulzfeld, Germanyから入手可能なベージュマウス)又はBALB/cヌード(Taconic Europe, Ry, Denmarkから入手可能なBALB/cヌード自然突然変異マウス(ホモ接合体)))マウスの左側腹部に皮下注射する。細胞を融解し、そして実験に使用する前に前、in vitroで増殖(expand)した。マウスを、細胞インジェクションから14〜21日目に処理グループに割り当てる。グループ分けのために(n=10〜15匹のマウス/グループ)、動物をランダム化し、グループ当たり約100〜150mm3の類似する平均原発腫瘍体積を得る。試験化合物を、実際の体重に基づいて10ml/kgの投与体積で、7.5%ゼラチン、0.22%NaCl中、懸濁液として1日当たり1度、経口投与する。処理を分類から1日目に開始し、そして、研究最終日の20〜50日目まで実施する。皮下原発腫瘍を、電気カリパスを用いて、ランダム化の前から開始して、2つの寸法(長さ及び幅)で、週当たり2回測定する。原発腫瘍の体積を、式:V[mm3]=(長さ[mm]×幅[mm])/2を用いて計算する。さらに、動物の体重を、毎週、少なくとも2度記録する。最後に、研究の終わりに、腫瘍を増殖し、そして計量する。
原発腫瘍を生成するために、非小細胞肺ガン(NSCLC)(例えば、Calu−3(ATCC HTB−55)又はA549(ATTC CCL−185))細胞(100μlの体積中、4〜5.0x106個)を、雌SCIDベージュ(重症複合免疫不全/Charles River, Sulzfeld, Germanyから入手可能なベージュマウス)又はBALB/cヌード(Taconic Europe, Ry, Denmarkから入手可能なBALB/cヌード自然突然変異マウス(ホモ接合体)))マウスの左側腹部に皮下注射する。細胞を融解し、そして実験に使用する前に前、in vitroで増殖(expand)した。マウスを、細胞インジェクションから14〜21日目に処理グループに割り当てる。グループ分けのために(n=10〜15匹のマウス/グループ)、動物をランダム化し、グループ当たり約100〜150mm3の類似する平均原発腫瘍体積を得る。試験化合物を、実際の体重に基づいて10ml/kgの投与体積で、7.5%ゼラチン、0.22%NaCl中、懸濁液として1日当たり1度、経口投与する。処理を分類から1日目に開始し、そして、研究最終日の20〜50日目まで実施する。皮下原発腫瘍を、電気カリパスを用いて、ランダム化の前から開始して、2つの寸法(長さ及び幅)で、週当たり2回測定する。原発腫瘍の体積を、式:V[mm3]=(長さ[mm]×幅[mm])/2を用いて計算する。さらに、動物の体重を、毎週、少なくとも2度記録する。最後に、研究の終わりに、腫瘍を増殖し、そして計量する。
本発明の化合物及びそれらの医薬として許容される塩は、例えば医薬組成物の形で薬剤として使用され得る。医薬組成物は、錠剤、被覆された錠剤、糖剤、硬質及び軟質ゼラチンカプセル、溶液、エマルジョン又は懸濁液の形で経口投与され得る。しかしながら、投与はまた、例えば坐剤の形で直腸的に、又は例えば注射用溶液の形で非経口的に実施され得る。
上文で言及した医薬組成物は、本発明の化合物を、医薬的に不活性な無機又は有機担体により処理することにより得られる。ラクトース、コーンスターチ又はその誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩等が、例えば錠剤、被覆された錠剤、糖剤、及び硬質ゼラチンカプセルのためのそのような担体として使用され得る。軟質ゼラチンカプセルのための適切な担体は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固体及び液体ポリオール、及び同様のものである。しかしながら、活性物質の性質に依存して、担体は、軟質ゼラチンカプセルの場合、常に必要とされるものではない。溶液の生成のための適切な担体は、シロップ、水、ポリオール、グリセロール、植物油及び同様のものである。坐剤のための適切な担体は、例えば天然又は硬化された油、ワックス、脂肪、半液体又は液体ポリオール等である。
さらに、医薬組成物は、保存剤、溶解剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味剤、着色剤、風味剤、浸透圧を変えるための塩、緩衝液、マスキング剤、又は酸化防止剤を含むことができる。それらはまた、他の治療上有益な物質も含むことができる。
製造手順:
1.項目1,2,3及び4を混合し、そして精製水で粒状にする。
2.50℃で顆粒を乾燥させる。
3.顆粒を適当なミル粉砕装置を通過させる。
4.項目5を添加し、そして3分間混合し;適当なプレス機で圧縮する。
1.項目1,2,3及び4を混合し、そして精製水で粒状にする。
2.50℃で顆粒を乾燥させる。
3.顆粒を適当なミル粉砕装置を通過させる。
4.項目5を添加し、そして3分間混合し;適当なプレス機で圧縮する。
製造手順:
1.項目1,2及び3を適当なミキサー内で30分間混合する。
2.項目4及び5を添加して3分間混合する。
3.適当なカプセル内に充填する。
1.項目1,2及び3を適当なミキサー内で30分間混合する。
2.項目4及び5を添加して3分間混合する。
3.適当なカプセル内に充填する。
c)マイクロサスペンジョン
1.特注製造した管GL25、4cmにおいて4.0gのガラスビーズを秤量する(管の半分をビーズにより満たす)。
2.50mgの化合物を添加し、ヘラにより分散し、そしてボルテックスにかける。
3.2mlのゼラチン溶液(重量ビーズ:ゼラチン溶液=2:1)を添加し、そしてボルテックスにかける。
4.キャップし、そして光の保護のためにアルミ箔によりラップする。
5.ミルのためのカウンターバランスを用意する。
6.Retschミルにおいて4時間、20/秒でミル粉砕する(物質によっては、30/秒で最大24時間)。
7.400gで2分間の遠心分離により、レシピエントバイアルと連結した、フィルターホルダー上の二層のフィルター(100μm)を用い、ビーズから懸濁液を抽出する。
8.抽出物を測定シリンダーに移す。
9.最終体積に達するか、又は抽出物が透明になるまで、少量(ここにおいては、1ml段階)による洗浄を反復する。
10.ゼラチンにより最終容積まで満たし、そしてホモジェナイズする。
1.特注製造した管GL25、4cmにおいて4.0gのガラスビーズを秤量する(管の半分をビーズにより満たす)。
2.50mgの化合物を添加し、ヘラにより分散し、そしてボルテックスにかける。
3.2mlのゼラチン溶液(重量ビーズ:ゼラチン溶液=2:1)を添加し、そしてボルテックスにかける。
4.キャップし、そして光の保護のためにアルミ箔によりラップする。
5.ミルのためのカウンターバランスを用意する。
6.Retschミルにおいて4時間、20/秒でミル粉砕する(物質によっては、30/秒で最大24時間)。
7.400gで2分間の遠心分離により、レシピエントバイアルと連結した、フィルターホルダー上の二層のフィルター(100μm)を用い、ビーズから懸濁液を抽出する。
8.抽出物を測定シリンダーに移す。
9.最終体積に達するか、又は抽出物が透明になるまで、少量(ここにおいては、1ml段階)による洗浄を反復する。
10.ゼラチンにより最終容積まで満たし、そしてホモジェナイズする。
上記調製により1〜10μmの粒子サイズを有する式I−Aの化合物のマイクロサスペンジョンが生成する。当該サスペンジョンは、経口投与のために適切であり、後述するin vivoアッセイにおいて使用することができる。
本発明の化合物又は医薬として許容されるその塩及び医薬として不活性な担体を含む医薬もまた本発明の目的であり、また、本発明の1又は複数の化合物及び/又は医薬として許容されるその塩、及び、所望により、1又は複数のほかの治療上有益な物質を、1又は複数の治療上不活性な担体と一緒に、生薬の投与形態にすることを含んで成る、それらの製造方法についても同様である。
本発明により、本発明の化合物並びに医薬として許容されるそれらの塩は、病気の制御又は予防に有用である。それらのHERシグナル伝達経路阻害及びそれらの抗増殖活性に基づき、前記化合物は、ヒト又は動物におけるガンのような疾患の処置、及び相当の医薬の製造にとって有用である。投与量は種々の要因、例えば投与方法、種、年齢及び/又は個々の健康状態による。
本発明の別の態様は、1又は複数の式Iの化合物と、医薬として許容される賦形剤とを含む医薬組成物である。
本発明の更に別の態様は、腫瘍阻害のための前記医薬組成物である。
本発明の更に別の態様は、ガンの処置のための式Iの化合物の使用である。
本発明の更に別の態様は、腫瘍増殖の阻害のための相当の医薬の製造のための式Iの化合物の使用である。
以下の実施例、引用文献は、本発明の理解、特許請求の範囲に記載されているそれらの範囲を支援するために提供されている。本発明の精神を逸脱することなく前述の手順を変更することができることは理解されるであろう。
実施例1
1−[2−(4−{2−[2−(E)−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−ビニル]−オキサゾール−4−イルメトキシ}−ベンジルオキシ)−エチル]−1H−[1,2,3]トリアゾール
300mlのテトラヒドロフラン及び2.8mlのN,N−ジメチルホルムアミド中の49.0g(244mmol)の3−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アクリル酸の懸濁液に対し、26.2ml(305mmol)の塩化オキサリルの50mlテトラヒドロフラン溶液を0℃で45分間一滴ずつ添加する。攪拌を0〜5℃で30分間、そしてその後室温で2時間続ける。生じた溶液は0〜5℃に再び冷却し、続いて15分間で750mlの25%水性アンモニア溶液に対し添加する。テトラヒドロフランを真空で蒸留し、沈殿したアミドを回収し、水及びヘプタンで洗浄し、続いて、40℃で真空で乾燥させる。収量:45.9g(94%)3−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アクリルアミド。
1H-NMR (400MHz, D6-DMSO) : δ= 6.72 (d, 1H, 2-H), 7.23 (br, NH), 7.35(d, 1H, 5'-H), 7.44 (d, 3-H), 7.50(d, 1H, 3'-H), 7.68(br, 1H, NH), 7.95(dd, 1H, 6'- H).
1−[2−(4−{2−[2−(E)−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−ビニル]−オキサゾール−4−イルメトキシ}−ベンジルオキシ)−エチル]−1H−[1,2,3]トリアゾール
300mlのテトラヒドロフラン及び2.8mlのN,N−ジメチルホルムアミド中の49.0g(244mmol)の3−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アクリル酸の懸濁液に対し、26.2ml(305mmol)の塩化オキサリルの50mlテトラヒドロフラン溶液を0℃で45分間一滴ずつ添加する。攪拌を0〜5℃で30分間、そしてその後室温で2時間続ける。生じた溶液は0〜5℃に再び冷却し、続いて15分間で750mlの25%水性アンモニア溶液に対し添加する。テトラヒドロフランを真空で蒸留し、沈殿したアミドを回収し、水及びヘプタンで洗浄し、続いて、40℃で真空で乾燥させる。収量:45.9g(94%)3−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アクリルアミド。
1H-NMR (400MHz, D6-DMSO) : δ= 6.72 (d, 1H, 2-H), 7.23 (br, NH), 7.35(d, 1H, 5'-H), 7.44 (d, 3-H), 7.50(d, 1H, 3'-H), 7.68(br, 1H, NH), 7.95(dd, 1H, 6'- H).
45.0g(225 mmol)の3−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−アクリルアミド、35.5g(280mmol)の1,3−ジクロロアセトン及び500mlのトルエンを、水分離器(ディーンスタークトラップ)を使用して水を連続して除去しながら還流温度で24時間維持した。室温に冷却し、そして2回80mlの水で洗浄した後、有機相を硫酸ナトリウム上で脱水し、そして溶媒を真空で除去した。残渣を80mlのメタノールとともに30分間攪拌し、そして残渣を濾過し、冷メタノールで洗浄し、n−ヘプタンととも攪拌し、吸引して真空にて40℃で乾燥させた。収量:28.9g(47%) 2−[2−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−ビニル]−4−クロロメチル−オキサゾール。
1H-NMR (400MHz, D6-DMSO) : δ= 6.72 (d, 1H, I'-H), 7.35(d, 1H, 5"-H), 7.44(d, 1H, 2'-H), 7.50(d, 1H, 3"-H), 7.95 (dd, 6"-H), 8.21(s, 1H, 5−H−オキサゾール).
1H-NMR (400MHz, D6-DMSO) : δ= 6.72 (d, 1H, I'-H), 7.35(d, 1H, 5"-H), 7.44(d, 1H, 2'-H), 7.50(d, 1H, 3"-H), 7.95 (dd, 6"-H), 8.21(s, 1H, 5−H−オキサゾール).
380mg(15mmol)の95%水素化ナトリウムを3.00g(13.7mmol)の4−(2−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−エトキシメチル)−フェノールの70mlのN,N−ジメチルホルムアミド溶液に投入し、そして30分間室温で攪拌した。続いて、3.73g(17.3mmol)の2−[2−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−ビニル]−4−クロロメチル−オキサゾールを添加し、そして一晩攪拌を続けた。混合物を水でクエンチングし、1時間攪拌し、そして沈殿物を濾過で単離した。水、少量のメタノール2:1の酢酸エチル/ヘプタン及びエーテルで洗浄し、そして40℃で真空にて乾燥した後、3.34g(54%)の1−[2−(4−{2−[2−(E)−(4−クロロ−フェニル)−ビニル]−オキサゾール−4−イルメトキシ}−ベンジルオキシ)−エチル]−1H−[1,2,3]トリアゾールが得られた。
MS: M = 455.1 (ESI+).
1H-NMR(400MHz, D6-DMSO): δ= 3.79 (t, 2H, CH2-CH2-トリアゾール), 4.40 (s, 2H, OCH2-Ph), 4.57 (t, 2H, CH2-トリアゾール), 5.01 (s, 2H, OCH2−オキサゾール), 6.98 (d, 2H, Ar- H), 7.17 (d, Ar-H) 7.24(d, 1H, ビニル-H), 7.35(d, 1H, Ar-H), 7.52(d, 1H, ビニル- H), 7.53(d, 1H, Ar-H), 7.72(s, 1H,トリアゾール), 7.93(dd, 1H, Ar-H), 8.08(s, 1H,トリアゾール), 8.23(s, 1H, オキサゾール).
MS: M = 455.1 (ESI+).
1H-NMR(400MHz, D6-DMSO): δ= 3.79 (t, 2H, CH2-CH2-トリアゾール), 4.40 (s, 2H, OCH2-Ph), 4.57 (t, 2H, CH2-トリアゾール), 5.01 (s, 2H, OCH2−オキサゾール), 6.98 (d, 2H, Ar- H), 7.17 (d, Ar-H) 7.24(d, 1H, ビニル-H), 7.35(d, 1H, Ar-H), 7.52(d, 1H, ビニル- H), 7.53(d, 1H, Ar-H), 7.72(s, 1H,トリアゾール), 7.93(dd, 1H, Ar-H), 8.08(s, 1H,トリアゾール), 8.23(s, 1H, オキサゾール).
実施例2
1−[2−(4−{2−[2−(E)−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−ビニル]−オキサゾール−4−イルメトキシ}−ベンジルオキシ)−エチル]−1H−[1,2,3]トリアゾール
25mg(1.0mmol)の95%水素化ナトリウムを219mg(1.0mmol)の4−(2−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−エトキシメチル)−フェノールの5mlのN,N−ジメチルホルムアミド溶液に投入し、そして15分間室温で攪拌した。続いて、254mg(1.0mmol)の2−[2−(4−クロロ−フェニル)−ビニル]−4−クロロメチル−オキサゾールを添加し、そして一晩攪拌を続けた。混合物を水でクエンチングし、1時間攪拌し、そして沈殿物を濾過で単離した。水、少量のメタノール2:1の酢酸エチル/ヘプタン及びエーテルで洗浄し、そして40℃で真空にて乾燥した後、341mg(78%)の1−[2−(4−{2−[2−(E)−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−ビニル]−オキサゾール−4−イルメトキシ}−ベンジルオキシ)−エチル]−1H−[1,2,3]トリアゾールが得られた。
MS: M = 437.3 (API+).
1H-NMR (400MHz,D6-DMSO): δ= 3.80 (t, 2H, CH2-CH2-トリアゾール), 4.40 (s, 2H, OCH2-Ph), 4.58 (t, 2H, CH2-トリアゾール), 5.01 (s, 2H, O CH2-オキサゾール), 7.00 (d, 2H, Ar- H), 7.17 (d, Ar-H) 7.18 (d, ビニル-H), 7.48 (d, Ar-H), 7.53(d, 1H, ビニル- H), 7.74 (d, Ar-H), 7.75 (s, トリアゾール), 8.08(s, 1H, トリアゾール), 8.21 (s, オキサゾール).
1−[2−(4−{2−[2−(E)−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−ビニル]−オキサゾール−4−イルメトキシ}−ベンジルオキシ)−エチル]−1H−[1,2,3]トリアゾール
25mg(1.0mmol)の95%水素化ナトリウムを219mg(1.0mmol)の4−(2−[1,2,3]トリアゾール−1−イル−エトキシメチル)−フェノールの5mlのN,N−ジメチルホルムアミド溶液に投入し、そして15分間室温で攪拌した。続いて、254mg(1.0mmol)の2−[2−(4−クロロ−フェニル)−ビニル]−4−クロロメチル−オキサゾールを添加し、そして一晩攪拌を続けた。混合物を水でクエンチングし、1時間攪拌し、そして沈殿物を濾過で単離した。水、少量のメタノール2:1の酢酸エチル/ヘプタン及びエーテルで洗浄し、そして40℃で真空にて乾燥した後、341mg(78%)の1−[2−(4−{2−[2−(E)−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−ビニル]−オキサゾール−4−イルメトキシ}−ベンジルオキシ)−エチル]−1H−[1,2,3]トリアゾールが得られた。
MS: M = 437.3 (API+).
1H-NMR (400MHz,D6-DMSO): δ= 3.80 (t, 2H, CH2-CH2-トリアゾール), 4.40 (s, 2H, OCH2-Ph), 4.58 (t, 2H, CH2-トリアゾール), 5.01 (s, 2H, O CH2-オキサゾール), 7.00 (d, 2H, Ar- H), 7.17 (d, Ar-H) 7.18 (d, ビニル-H), 7.48 (d, Ar-H), 7.53(d, 1H, ビニル- H), 7.74 (d, Ar-H), 7.75 (s, トリアゾール), 8.08(s, 1H, トリアゾール), 8.21 (s, オキサゾール).
引用文献リスト
Baselga, J. , and Hammond, L. A., Oncology 63 (Suppl. 1) (2002) 6-16
Bastin, R. J. et al, Organic Proc. Res. Dev. 4 (2000) 427-435
Chan, A. C., and Shaw, A. S., Curr. Opin. Immunol. 8 (1996) 394-401
EP 1 270 571
Larsen et al. , Ann. Reports in Med. Chem. , 1989, Chpt. 13
Ranson, M. , and Sliwkowski, M.X., Oncology 63 (suppl. 1) (2002) 17-24
Wilks et al., Progress in Growth Factor Research 97 (1990) 2
WO 01/77107
WO 03/031442
WO 03/059907
WO 98/03505
Wright, C. , et al. , Br. J. Cancer 65 (1992) 118-121
Yarden, Y. , and Ullrich, A. , Annu. Rev. Biochem. 57 (1988) 443-478
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Claims (10)
- R1が塩素であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物。
- 1−[2−(4−{2−[2−(4−クロロ−フェニル)−ビニル]−オキサゾール−4−イルメトキシ}−ベンジルオキシ)−エチル]−1H−[1,2,3]トリアゾール;及び
1−[2−(4−{2−[2−(4−クロロ−2−フルオロ−フェニル)−ビニル]−オキサゾール−4−イルメトキシ}−ベンジルオキシ)−エチル]−1H−[1,2,3]トリアゾール、
である、請求項2に記載の化合物。 - R3が水素であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物。
- R3がアルキルであることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化合物。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の1又は複数の化合物と、医薬として許容される賦形剤とを含む医薬組成物。
- 腫瘍成長の阻害のための請求項7に記載の医薬組成物。
- ガンの処置のための請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物の使用。
- 腫瘍成長の阻害のための相当の医薬の製造のための請求項1〜5のいずれか1項に記載の化合物の使用。
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