JP2008500276A - 免疫調節活性を有するペプチド混合物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、免疫調節作用を有する複合ペプチド混合物、およびそれらを使用する方法に関する。本発明はさらに、複合ペプチド混合物を用いた免疫系の調節による疾患の治療を対象とする。本発明はまた、複合ペプチド混合物の特性を向上させる方法も対象とする。

Description

本願は、2004年2月2日出願の米国仮特許出願第60/541,397号に基づく優先権を主張するものであり、この仮出願は、参照により、その全体が本明細書に組み込まれている。
本発明は、臨床的状況および実験的状況で使用するための免疫調節活性を有するペプチド混合物に関する。
多発性硬化症(MS)は、中枢神経系(CNS)の慢性炎症性疾患であり、広範な単核細胞の浸潤および脱髄を特徴とする。その最終的な結果は、ミエリンおよび乏突起膠細胞に対して損傷が生じ、様々な程度の軸索破壊および神経障害の結果を伴う(Martinら、1992年;Noseworthyら、2000年)。MSの正確な原因は不明であるが、散在する炎症性の浸潤巣(特に単核細胞)を示す病変の検査(Lassmannら、1991年;Raine、1994年)、免疫調節または免疫抑制の後の肯定的な治療結果(Hohlfeld、1997年;BashirおよびWhitaker、1998年)、および疾患と主要組織適合遺伝子複合体(MHC;ヒトではHLA)の遺伝的な関連(Ebersら、1996年;Hainesら、1996年;Sawcerら、1996年)に基づいて、それは自己免疫疾患と考えられている。さらなる証拠は、ヒトの疾患と、ミエリンタンパク質で免疫した後に幾つかの種で誘発させることができるMSの動物モデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)(ZamvilおよびSteinman、1990年;Wekerleら、1994年)の間の顕著な類似性に由来する。続いて起こり、未処置の動物に受動的に伝達されることができるT細胞媒介応答は、自己抗原特異的T細胞を、MSと同様に、EAEに強く関係させる。
酢酸グラチラマー(GA)/共重合体1は、アラニン(A)、リシン(K)、グルタミン酸(E)およびチロシン(Y)からなり、A/K/E/Yのモル比が4.5:3.6:1.5:1であり、平均の長さが40〜100aaである合成ランダム配列ポリペプチドである(Teitelbaumら、1971年)。MBPの脳炎誘発性の成分を模倣するために30年以上前に開発されたが、それは、それよりも、齧歯類および霊長類で疾患を抑制し(Teitelbaumら、1974年;Teitelbaumら、1996年)、さらに最近では、臨床試験において、再発寛解型MS(RRMS)患者で病状再燃の割合を低下させ、新たな病変の数を減少させることが見出された(Johnsonら、1995年;Johnsonら、1998年)。GAは、免疫調節性T細胞と相互作用して、MSの根底にある炎症性免疫応答を抑制すると推測される。
GAは、EAEを改善し、MSの再発率を約30%低下させることが示されており、このことから、再発寛解型MSの治療薬として承認されるに至った(Teitelbaumら、1971年;Teitelbaumら、1974年;Johnsonら、1995年;Johnsonら、1998年;Johnsonら、2000年)。GAは、大部分のMS患者が非応答者であるが、安全であり、ある程度有効であることが示されている。しかしながら、より強力で有効な多発性硬化症の治療法の必要性が存在する。さらに、より多くの患者を治療するように、その治療法の治療範囲を拡大することが望ましい。
本発明は、生物学的活性を有する複合ペプチド混合物、およびそれらを使用する方法を対象とする。したがって、本発明の一態様では、長さが8〜20アミノ酸の範囲内である複数のペプチドを含む複合混合物であって、ペプチドは8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20残基の長さであり得、前記混合物が、ペプチド鎖の定められた位置である程度の多様性を有する複数のペプチドを含み、少なくとも1つの定められた位置での多様性の程度が、少なくとも1つの他の定められた位置での多様性の程度と異なっており、混合物の大部分において、ペプチドが、少なくとも4つの位置でA、E、K、およびYのすべてを含み、他のアミノ酸を含まない複合混合物が提供される。有利には、複合混合物は、少なくとも1つの位置で1つまたは2つのアミノ酸をそれぞれ含み、他のアミノ酸を含まない大部分のペプチドを含む。好ましくは、複合ペプチド混合物は、混合物中の75%、90%、95%または実質的にすべてのペプチドにおいて、少なくとも4つの位置でA、E、K、およびYのすべてを含む。より有利には、ペプチド混合物は、混合物中の大部分のペプチドにおいて、少なくとも4つの位置でA、E、K、およびYのすべてを含み、A、E、K、およびYが、およそ6:2:5:1の相対比率で認められる。好ましくは、混合物中の大部分のペプチドにおける少なくとも1つの位置は、次の群:
H、R、およびK;ならびに
K、H、RおよびV
のいずれかのアミノ酸すべてを含み、他は含まない。ペプチド混合物は、MSなどの自己免疫疾患の少なくとも1種において、細胞性免疫応答を低下させることが好ましい。
本発明の他の実施形態は、長さが8〜20アミノ酸の範囲内である複数のペプチドを含む複合ペプチド混合物であって、ペプチドは8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20残基の長さであり得、前記混合物が、ペプチド鎖の定められた位置である程度の多様性を有する複数のペプチドを含み、少なくとも混合物の大部分において、ペプチド中のアミノ酸が、以下の特定のアミノ酸を含み、他のアミノ酸を含まない複合ペプチド混合物を特徴とする;
少なくとも4つの位置で、A、E、K、およびY;
少なくとも1つの位置で、I、L、およびV;
少なくとも1つの位置で、H、R、およびK;
少なくとも1つの位置で、P、およびI。
有利には、位置P1がN末端残基である。より有利には、N末端残基がアセチル化されている。好ましくは、A、E、K、およびYが、位置P1、P2、P3、P4、P6、および(存在する場合は)P9の少なくとも4つの位置で存在する。より好ましくは、ペプチドの長さが少なくとも10アミノ酸であり、A、E、K、およびYが、位置P1、P2、P3、P4、P6、およびP9のすべての位置に存在する。いくつかの実施形態では、少なくとも混合物の大部分において、ペプチド中のアミノ酸が、ペプチドの少なくとも1つの位置でK、H、R、およびVのすべてを含み、他のアミノ酸を含まない。いくつかの実施形態では、少なくとも混合物の大部分において、ペプチドのカルボキシル末端のアミノ酸がPとIの両方を含み、他のアミノ酸を含まない。好ましくは、混合物中の大部分のペプチドが、少なくとも1つの位置で、同じアミノ酸を有する。より好ましくは、N末端アミノ酸がアセチル化されている。
本発明のさらなる実施形態は、疾患を治療する方法であって、脊椎動物に複合ペプチド混合物を投与することを含み、前記混合物が、ペプチド鎖の少なくとも4つの定められた位置それぞれで、程度が制約された多様性を有する複数のペプチドを含み、少なくとも1つの定められた位置での多様性の程度が、少なくとも1つの他の定められた位置での多様性の程度と異なっている方法を含む。好ましくは、前記混合物中のペプチドの長さが約8〜約20アミノ酸であり、位置P1と称するN末端のペプチドが好ましくはアセチル化されている。いくつかの実施形態では、少なくとも混合物の大部分において、ペプチド中のアミノ酸が、以下の特定のアミノ酸すべてを含み、他のアミノ酸を含まない;
少なくとも4つの位置で、A、E、K、およびY;
少なくとも1つの位置で、I、L、およびV;
少なくとも1つの位置で、H、R、およびK。
いくつかの実施形態では、少なくとも混合物の大部分において、ペプチド中のアミノ酸が、少なくとも1つの位置で、以下の特定のアミノ酸すべてを含み、他のアミノ酸を含まない;
K、H、R、およびV。
好ましくは、少なくとも混合物の大部分において、ペプチドのカルボキシル末端のアミノ酸がPとIの両方を含み、他のアミノ酸を含まない。有利には、混合物中の大部分のペプチドが、少なくとも1つの位置で、同じアミノ酸を有する。より有利には、混合物中の実質的にすべてのペプチドが、少なくとも1つの位置で、同じアミノ酸を有する。いくつかの実施形態では、その方法は、自己抗原に対するT細胞応答を低下させることによる自己免疫状態の治療を対象とする。好ましくは、その方法は、多発性硬化症または実験的自己免疫性脳脊髄炎の治療を含む。
一実施形態では、免疫細胞を刺激する方法であって、前記細胞に複合ペプチド混合物を投与することを含み、前記混合物が、ペプチド鎖の少なくとも4つの定められた位置それぞれで、程度が制約された多様性を有する複数のペプチドを含み、少なくとも1つの定められた位置での多様性の程度が、少なくとも1つの他の定められた位置での多様性の程度と異なっている方法が提供される。いくつかの実施形態では、程度が制約された多様性が、前記の定められた位置それぞれでの考えられるアミノ酸を、10個未満のアミノ酸を含む、定められたアミノ酸リストに限定することによって作られる。いくつかの実施形態では、免疫細胞の刺激がin vivoで起こる。好ましくは、投与ステップが、静脈内送達、筋肉内送達、胃腸管を介する送達、または経皮送達による投与である。
他の実施形態は、抗原に対する免疫反応を抑制する方法であって、個体へのペプチド複合混合物の投与を含み、前記複合混合物が、ペプチド鎖の少なくとも10個の定められた位置それぞれで、程度が制約された多様性を有する複数のペプチドを含み、少なくとも1つの定められた位置での多様性の程度が、少なくとも1つの他の定められた位置での多様性の程度と異なっている方法を特徴とする。いくつかの実施形態では、免疫反応が自己免疫反応である。好ましくは、抗原がミエリンに由来する。有利には、ペプチド複合混合物が、特定のアミノ酸を有する少なくとも1つの位置および2〜6個の考えられるアミノ酸を有する少なくとも1つの位置を含む、定められた長さおよび式のペプチドを含む。いくつかの実施形態では、ペプチド複合混合物が、より多様な複合混合物のデコンボリューションに由来する。特定の実施形態では、より多様な複合混合物が、その式が表1に列挙された式からなる群から選択される混合物である。好ましくは、前記ペプチド複合混合物の活性が、増殖アッセイ、サイトカインアッセイおよび51Cr放出アッセイからなる群から選択されるアッセイによって評価される。いくつかの実施形態では、ミエリンタンパク質に対する自己免疫反応の抑制が、MHC阻害、TCR拮抗作用、耐性誘導、免疫偏移/バイスタンダー抑制、および中枢神経系内で発現するタンパク質に由来する抗原との交差反応性からなる群から選択されるメカニズムによる。好ましくは、ミエリン抗原が、ミエリン塩基性タンパク質、プロテオリピドタンパク質、およびミエリン乏突起膠細胞糖タンパク質からなる群から選択されるタンパク質に由来する。有利には、抗原が、中枢神経系中に見られる細胞によって発現されるタンパク質に由来する。
さらなる実施形態によれば、免疫系細胞から抗炎症反応を誘導する方法であって、免疫系細胞へのペプチド複合混合物の投与を含み、前記複合混合物が、ペプチド鎖の少なくとも10個の定められた位置それぞれで、程度が制約された多様性を有する複数のペプチドを含み、少なくとも1つの定められた位置での多様性の程度が、少なくとも1つの他の定められた位置での多様性の程度と異なっている方法が提供される。好ましくは、抗炎症反応が、Th2/Th3細胞活性の上方制御、およびTh1細胞活性の下方制御からなる群から選択される免疫細胞活性の変化を含む。より好ましくは、抗炎症反応が、細胞によるサイトカインの放出の増大を含み、前記サイトカインが、IL−4、IL−5、IL−10、TGF−βおよびIL−13からなる群から選択される。いくつかの実施形態では、抗炎症反応の誘導がin vivoで起こる。有利には、投与が、静脈内送達、筋肉内送達、胃腸管を介する送達、または経皮送達によって行われる。
他の実施形態は、ミエリン抗原に対して反応性であるT細胞の受容体に対して高親和性の定められた式のペプチドリガンドを作製する方法であって、表1に列挙された式からなる群から選択される式のペプチド複合混合物のデコンボリューションを含む方法である。
さらなる実施形態では、複合ペプチド混合物であって、前記混合物が、長さが4〜100アミノ酸残基である複数のペプチドを含み、前記混合物が、ペプチド鎖の少なくとも10個の定められた位置それぞれで、程度が制約された多様性を有し、少なくとも1つの定められた位置での多様性の程度が、少なくとも1つの他の定められた位置での多様性の程度と異なっている複合ペプチド混合物が提供される。好ましくは、程度が制約された多様性が、前記の定められた位置それぞれでの考えられるアミノ酸を、10個未満のアミノ酸を含む、考えられるアミノ酸リストに限定することによって作られる。より好ましくは、前記の定められた位置のうち少なくとも2つについての考えられるアミノ酸のリストが、1、2、または3個のアミノ酸のみを含む。有利には、混合物中の大部分のペプチドの長さが約4〜約30アミノ酸残基である。より有利には、混合物中の大部分のペプチドは、長さが4アミノ酸残基以下しか違わない。いくつかの実施形態では、混合物中の大部分のペプチドがアセチル化されている。さらなる実施形態では、混合物中の1つのペプチドの少なくとも1つの位置が、D−アミノ酸によって占められることがある。
さらなる実施形態では、ペプチド、ペプチド模倣物質、またはペプチドおよびペプチド模倣物質の複合混合物の生物学的特性を高める方法であって、少なくとも1つの位置で前記複合混合物から多様性の程度が低下している、複雑性が低い一組の複合混合物を準備することと、前記の複雑性が低い複合混合物それぞれ、および前記複合混合物をアッセイにおいて試験することと、前記アッセイにおいて、前記複合混合物よりも高いまたは低い活性を有する、複雑性が低い複合混合物を同定することと、前記複合混合物の式中に、前記アッセイにおいて前記複合混合物よりも高いまたは低い活性を有する前記の複雑性が低い複合混合物の少なくとも1つの複雑性が低下する特徴を組み込むことによって前記複合混合物の生物学的特性を高めることとを含む方法が提供される。好ましくは、生物学的特性が、免疫系の活性を刺激する能力、または免疫系の活性を抑制する能力である。いくつかの実施形態では、免疫系の活性が、免疫系細胞のクローン性増殖、免疫系細胞の分化、免疫系細胞の活性化、免疫系細胞のアネルギー状態の形成、免疫記憶細胞集団の形成、および免疫系細胞からのサイトカインの分泌からなる群から選択される。有利には、複雑性が低い複合混合物が、混合物の式における1つ以上の位置の残基またはアミノ酸の同一性が1つの官能基またはアミノ酸に限定される混合物を含む。より有利には、複雑性が低い複合混合物が、混合物の式における1つ以上の位置の残基またはアミノ酸の同一性が、前記複合混合物のその位置の式よりも多様性の低い式に限定される混合物を含む。いくつかの実施形態では、アッセイが、免疫細胞集団によるペプチド認識のin vitroアッセイ、および生物に及ぼす混合物投与の影響のアッセイからなる群から選択される。好ましくは、生物に及ぼす混合物投与の影響のアッセイが、EAEマウスモデルでの疾患進行のアッセイである。いくつかの実施形態では、前記複合混合物の生物学的活性を高めることが、化合物の式における1つの位置の残基またはアミノ酸の同一性をただ1つの官能基またはアミノ酸に限定することを含む。いくつかの実施形態では、生物学的特性が、不安、抑うつ、肥満、認知、神経障害、運動障害、または疼痛のモデルを含む群から選択されるモデルを含む、疾患のin vivoモデルにおいて測定される応答である。
さらなる実施形態によれば、長さが8〜20アミノ酸の範囲内である複数のペプチドを含む複合ペプチド混合物であって、前記混合物が、ペプチド鎖の定められた位置である程度の多様性を有する複数のペプチドを含み、少なくとも混合物の大部分において、ペプチド中の9個の連続したアミノ酸の同一性は、次の式:
FW−EF−EK−AEK−AKY−ANY−ANY−AINV−ASV−Y;または
EFWY−EFIVWY−EFKQ−AEKQ−AKQY−ANQY−AGNSY−AGINSV−AIQSV−IKRSVY
によって定められる複合ペプチド混合物が提供される。いくつかの実施形態では、9個の連続したアミノ酸残基の位置P1が、N末端のペプチドである。好ましくは、N末端アミノ酸がアセチル化されている。有利には、混合物中の大部分のペプチドが、少なくとも1つの位置で、同じアミノ酸を有する。より有利には、混合物中の実質的にすべてのペプチドが、少なくとも1つの位置で、同じアミノ酸を有する。
さらなる実施形態によれば、長さが8〜20アミノ酸の範囲内である複数のペプチドを含む複合ペプチド混合物であって、ペプチドは8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20残基の長さであり得、前記混合物が、ペプチド鎖の定められた位置である程度の多様性を有する複数のペプチドを含み、少なくとも1つの定められた位置での多様性の程度が、少なくとも1つの他の定められた位置での多様性の程度と異なっており、混合物の大部分において、ペプチドが、少なくとも1つ、且つ5つ以下の位置でA、E、K、およびYのすべてを含み、他のアミノ酸を含まない複合ペプチド混合物が提供される。
本発明の他の実施形態は、長さが5〜25アミノ酸の範囲内である複数のペプチドを含む複合ペプチド混合物であって、ペプチドは5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24または25残基の長さ、あるいはこれらの長さの1つ以上の組み合わせであり得、前記混合物が、ペプチド鎖の定められた位置である程度の多様性を有するペプチドを含む複合ペプチド混合物を特徴とする。さらなる実施形態では、ペプチド混合物のP1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8、P9、およびP10(それらが存在する限りで)は、1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10アミノ酸からなる、定められたアミノ酸の群に限定される。定められたアミノ酸の群は、20種の標準アミノ酸の任意の組み合わせを含むことができる。好ましくは、含むこともでき、あるいは任意の定められた位置から除くこともできるアミノ酸の特定の群には、次のアミノ酸の群:A、E、K、Y;F、L、M、Y;I、M、Q、V;K、R;I、L、V;F、I、L、M、V;F、W;E、F;E、K;A、E、K;A、K、Y;A、N、Y;A、I、N、V;A、S、V;Y;E、F、W、Y;E、F、I、V、W、Y;E、F、K、Q;A、E、K、Q;A、K、Q、Y;A、N、Q、Y;A、G、N、S、Y;A、G、I、N、S、V;A、I、Q、S、V;I、K、R、S、V、Y;K、H、R、V;H、K、R;P、I;A;E;K;A、E;A、K;A、Y;E、Y;K、Y;A、E、Y;およびE、K、Yが含まれる。
任意の実施形態において、複合混合物中のペプチドは、わずか2アミノ酸の長さから、約100アミノ酸もの長さまでであってよい。長さの範囲の下限は、約2、5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、または95アミノ酸であることができる。長さの範囲の上限は、約5、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100アミノ酸であることができる。より好ましくは、長さは約5〜約100、より好ましくは約5〜約90、より好ましくは約5〜約80、より好ましくは約5〜約70、より好ましくは約5〜約60、より好ましくは約5〜約50、より好ましくは約5〜約40、より好ましくは約5〜約35、より好ましくは約5〜約30、より好ましくは約5〜約25、より好ましくは約8〜約20の範囲であることができる。他の長さの範囲には、約10〜約100、より好ましくは約10〜約90、より好ましくは約10〜約80、より好ましくは約10〜約70、より好ましくは約10〜約60、より好ましくは約10〜約50、より好ましくは約10〜約40、より好ましくは約10〜約30、より好ましくは約10〜約20がある。他の長さの範囲には、約20〜約100、より好ましくは約20〜約90、より好ましくは約20〜約80、より好ましくは約20〜約70、より好ましくは約20〜約60、より好ましくは約20〜約50、より好ましくは約20〜約40、より好ましくは約20〜約30がある。本明細書において用いられる「約」とは、少数のアミノ酸、例えば1、2、3、4、または5アミノ酸の違いを指す。
任意の実施形態において、ペプチドは、複合ペプチド混合物が一部ペプチド模倣物質を含むように、1種以上のペプチド模倣物質が生成するように改質することができる。ペプチド模倣物質である複合混合物の部分は、複合混合物の50%、55%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99%または実質的にすべてであることができる。
免疫障害の治療の手法は、根底にある疾患のメカニズムの理解が進むにつれて変化してきた。多発性硬化症や慢性関節リウマチなどの自己免疫疾患の旧来の治療薬には、強力な抗炎症性ステロイド化合物および免疫抑制剤がある。これらの治療薬は全身作用があり、重い、受け入れ難い副作用を引き起こす。この10年間で免疫細胞集団、その成熟およびシグナル伝達の理解が進み、疾患の細胞媒介物を特異的に標的とする、自己免疫疾患を抑制するための新たな治療が想定されている。
EAEモデルとMS患者の両方における細胞免疫の研究から、自己反応性T細胞が、ミエリン塩基性タンパク質(MBP)の「免疫調節」ドメインであるMBP(83−99)など、限られた数の特定のペプチドに向けられることが示されている(Otaら、1990年;Martinら、1991年)。歴史的に、一般のT細胞もであるが、これらの自己反応性T細胞は、少数の抗原または単一のペプチドに対して極めて特異的であると考えられていた。理論的な考察(Mason、1998年)と、T細胞クローン(TCC)の優れた特異性を詳細に分析した明快な研究の両方から、1つのT細胞受容体(TCR)によるペプチド/MHC複合体の認識は当初考えられていたよりも幅広いことが明らかになっている(Allen、1994年;Ashton−RickardtおよびTonegawa、1994年;KershおよびAllen、1996年;GermainおよびStefanova、1999年)。これらの観察結果から、どのように中程度の親和性で認識される自己ペプチドが応答する胸腺細胞の正の選択を刺激するかが説明される点で胸腺の選択プロセスをよりよく理解するに至っただけでなく、さらに、どのように単一のまたは複数の位置で改変したペプチド、すなわち改変ペプチドリガンド(APL)が成熟T細胞において広範な機能的応答を誘発し、TCRアゴニスト、部分的アゴニストまたはアンタゴニストを作り出すことができるかが説明される。位置走査型コンビナトリアルライブラリー(PSCL)を使用したMBP(87−99)特異的TCCの研究から、最初に選択に使用したものとは全く異なる多数のウイルスエピトープならびに刺激ペプチドの同定が可能となった(Hemmerら、1997年)。興味深いことに、自己反応性TCCの場合、この方法論は、はるかに高い刺激潜在性を有する抗原ペプチド、すなわちスーパーアゴニストの系統的な実証につながった(Hemmerら、2000年)。まとめると、これらの観察結果は、外的作用因子による、例えば分子模倣物質を媒介とする潜在的に自己反応性のT細胞クローンの活性化について重要な意味を有するだけでなく、おそらく末梢T細胞レパートリーを維持することに関連して遙かに重要である。
上述のように、APLは、T細胞のエフェクター機能(増殖、サイトカイン産生、アポトーシス)を変える(KershおよびAllen、1996年;Madrenasら、1996年;GermainおよびStefanova、1999年)、またはバイスタンダー抑制を誘導するために、部分的アゴニストまたはアンタゴニストとして開発された。後者のメカニズムは、天然の抗原、例えばMBP(83−99)とは交差反応性であるが、Th1が媒介する自己免疫疾患の場合はIL−4やIL−13などの免疫調節性サイトカインを分泌するAPL特異的T細胞集団の発生に関連している。このT細胞集団は、天然の自己抗原が放出されたときに炎症活性を下方調節することができる。齧歯類でのin vivo研究およびMS患者でのin vitro研究から、そのようなAPLによって誘導される弱いシグナルによりTh2免疫調節性プロファイルへのサイトカインの偏向が生じ、齧歯類EAEにおける疾患も制限されることが示された(Windhagenら、1995年;Brockeら、1996年;Ausubelら、1997年;Nicholsonら、1997年;Croweら、2000年)。しかしながら、MBP(83−99)をベースとするAPLを使用した臨床試験では、APLが有効な自己抗原として働くこともできることが確認され、臨床試験は、APL治療が自己反応性MBP特異的T細胞を活性化し、一部の患者において疾患の再発を引き起こし、他の患者においてはAPL誘導性の全身的な過敏症を生じさせたときに終了した(Bielekovaら、2000年;Kapposら、2000年)。このことは、単一のAPLを抗原特異的免疫療法に使用すると、さらなる交差反応性の、したがって潜在的に病原性の自己反応性の集団の発生を回避することが困難であるかもしれないという懸念を起こさせた。MSの広範な異質性と、疾患の進行に多数の自己抗原が関与していそうなこと(MS患者での関連はそれほど明らかでないが、マウスでエピトープの広がりが観察されている)とが相俟って、単一APL治療の治療潜在性は限定的であると思われる。
GAは、平均分子サイズが40〜100アミノ酸の、特定の比率のアラニン、リシン、グルタミン酸およびチロシンからなるランダム共重合体である。GAの免疫調節の正確なメカニズムは依然として完全には特徴付けられていないが、それは、MHC阻害、TCR拮抗作用、耐性誘導、免疫偏移/バイスタンダー抑制、およびMBPとの交差反応性の組み合わせである可能性が最も高い。それぞれは、in vitro研究からヒトにおいて示唆され、動物での研究においてin vivoで実証されている(Aharoniら、1997年、1998年;Millerら、1998年;Aharoniら、2000年;Dudaら、2000年;Granら、2000年;Neuhausら、2001年)。MHCクラスII分子(ヒトでのDR、および齧歯類でのIA)との効率のよい結合は、自己抗原とMHCの相互作用を制限する(Rackeら、1992年;Fridkis−Hareliら、1999年)、および/または、Th2型のT細胞応答につながり、その結果として、病原性のTh1型の応答のバイスタンダー抑制が生じ、したがってin vivoで疾患が緩和される(Dudaら、2000年;Granら、2000年;Neuhausら、2000年;Chenら、2001年)と仮定されている。
免疫系に対するその効果を可能にするGAの特性は、完全には解明されていない。おそらく、GAのランダム性および複雑性が、交差反応性を介して刺激されるT細胞の範囲が広いことの原因である。GAペプチドの組成およびサイズもまた、共重合体の活性のための重要なファクターであるようである。MBPで認められたものと同様の比率で同様のアミノ酸を組み込むと、このミエリン抗原とのT細胞の交差反応性が得られる。同時に、単一のペプチド種での反復免疫感作は共重合体を使用して行われることはありそうもないので、共重合体の配列のランダムな性質は、おそらく、単一の定められたAPLの使用と比較して安全性の余裕を与える。アミノ酸のアラニン、グルタミン酸、リシンおよびチロシンは、複数のHLA−DR対立遺伝子にとって重要なアンカー残基として働き、GAペプチドの強いMHC結合の理由であり、その結合は、GAポリペプチド鎖中にこれらのアミノ酸が繰り返し存在するために、複数の結合レジスターにおいて起こり得る。これらのGAの特性の最終的な結果は、多数のT細胞への高度の刺激、高い結合親和性、およびMHC部位からの抗原の転位である。さらに、典型的なMHCペプチドリガンドに比較して大きいサイズのGAは、MHCクラスター形成につながることがあり、したがって自己抗原に応答するTCR認識およびシグナル伝達を妨げることがある。これらの独特の特性があるため、GAは有効かつ安全である。しかしながら、GA混合物の性質は、そのメカニズムの系統的な研究を複雑にしている。
手近にある免疫調節機構を理解しようとする一方で、いくつかの研究は、新たな共重合体の開発でGAを改良しようと試みている。初期の実験では、ポリ−YEAKのランダム混合物中に見られる多くの種類の共重合体の実質的に全てが、精製したクラスIIMHCタンパク質に結合することができることが決定され、所定のポリペプチドがその近隣のもの以上でも以下でもなく有効であることが示唆された(Fridkis−Hareliら、1999年)。構造的にDR2のP1ポケットが小さすぎて疎水性のチロシン(Y)残基が入ることができないという事実にも関わらず、GAは、MBP(85−99)とHLA−DR2の結合に有効に競合し、MBP(85−99)に対するDR2制限応答を妨げることができる(Kriegerら、1991年)。しかしながら、後者の結論は、DR2bのP4位置は大きなチロシンが容易に入るが、一方で、DR15ハプロタイプ由来の他のDR2対立遺伝子であるDR2aでさえもP1ポケット位置中でYを選択することを考慮に入れていない。その後、3アミノ酸のランダム共重合体のいくつかが、他の分子よりも、別個のDR分子に高い親和性で結合することが見出された。例えば、ポリ−YEAKおよびポリ−EAKは、他の3アミノ酸共重合体(ポリ−YEA、ポリ−YEK、およびポリ−YAK)よりも優れたDR2分子の結合剤であった(Fridkis−Hareliら、1999年)。
GAの複雑性を限定すると、GAの個々の特性、およびGAの免疫調節効果に対するそれらの寄与の検討が可能になるであろう。研究者は、より小さな分子を用いることによって、および/または、疾患に関連するMHC分子と相互作用する特定の免疫優性T細胞エピトープにおいて見られる残基に基づいて共重合体を設計することにより効果を向上させることによって、GAの複雑性を限定しようと努力した。MBP(85−99)とHLA−DR分子であるHLA−DRB11501の相互作用に基づいて、グルタミン酸(E)の代わりにF(フェニルアラニン)を導入して、長さが14、35または50a.a.の新規ランダム4アミノ酸共重合体が作られた(Fridkis−Hareliら、2002年)。ポリ−FAKとポリ−FEAKの両方とも、MBP(85−99)特異的、HLA−DR2制限TCC活性化の抑制においてGAよりも有効であった。ポリ−FAKおよびポリ−FEAKはまた、GAよりも効率よくSJLマウス系統のEAEを抑制した。他の研究では、HLA−DR2分子の溝とのMBP(85−99)およびGAの結合について近年記載されたモチーフ、すなわちP2でE、P1でK、P1でYおよびA、ならびにP2〜P11でAに基づいてペプチドが合成された。ある一定の15merペプチドが、実際に、GAよりも有効にMBP(85−99)とHLA−DR2分子の結合を阻害した。他の報告では、HLA−DR2およびMBP85−99についてのMHC−TCR結合モチーフに基づいて、重要なMHCポケットと結合し、T細胞活性化を妨げるように設計された、反復した4アミノ酸(aa)配列の規則的なペプチドが記載されている(Ruizら、2001年)。そのような配列の1つであるEYYKEYYKEYYKは、LewisラットのEAEを改善することが見出された。しかしながら、免疫優性エピトープとDR分子の結合ポケットの結合モチーフに従って作製された合成共重合体は、MHCとTCRのペプチド相互作用の様相を明らかにすることができると思われるが、上述のように、単一のAPLの使用は、MS治療についてのヒト臨床試験において問題があることが判明した(Bielekovaら、2000年;Kapposら、2000年)。
本発明者らは、特定の位置で定められたアミノ酸式および残基を含む、定められた長さのペプチド複合混合物(CM)を設計した。本発明のいくつかの実施形態では、特定の位置についての式および残基の定義は、公表されているクラスIIの結合モチーフによって導かれる(Vogtら、1994年;Kalbusら、2001年)。これらのモチーフは、混合物ペプチドの特定の位置にあるどのアミノ酸がMS(HLA−DRB11501およびHLA−DRB50101またはHLA−DR2)およびEAE(IA)関連MHC分子のポケットと特異的に相互作用できるかを示すものである。本発明のいくつかの実施形態では、完全にランダムな混合物とは異なり、定められた位置に重要なアミノ酸を導入することによって、混合物のサイズおよび複雑性を限定した。本発明のいくつかの実施形態は、位置走査型コンビナトリアルライブラリー(PSCL)アッセイに基づいて、ペプチドのアセチル化、長さおよびMHCアンカー偏向の影響、ならびにGA特異的TCCに刺激性であると判明したアミノ酸の寄与を研究するために設計された複合混合物を特徴とするものであった。ヒトまたはマウスの脾細胞に由来するPBMCにおいて著しい刺激潜在性を有しており、他のペプチド抗原との高度な交差反応性が示唆される、いくつかの混合物を作製した。これらの混合物の一部は、ミエリン抗原との交差反応性、およびEAEの重症度の軽減における予防的効果を示した。
本発明の態様には、長さ4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20アミノ酸などの定められた長さの複合ペプチド混合物、あるいはこれらの長さの2つ以上を含むペプチドの組み合わせが含まれる。一部の混合物は、大部分の特定の長さのペプチドを含み、その混合物の残りが、異なる長さのペプチド、または2つ以上の異なる長さのペプチドを含むことがある。本発明の特定の態様では、複雑性がより低く、より構造的に限定された混合物の、自己免疫プロセスに関連した刺激性の特性、および可能であれば治療上の特性の両方を発揮する能力を試験するために、より短い複合ペプチド混合物が作製された。ペプチドの長さ、構造または組成を含む基本的なファクターの微細な変化が混合物の刺激潜在性および治療潜在性をどのように変えることができるかを研究するために、複雑性が限定された混合物が開発された。本発明のいくつかの態様では、混合物のペプチドがアセチル化されている複合ペプチド混合物が作製された。本発明の特定の態様では、アセチル化は、複合混合物中のペプチドの大部分(または、好ましくは少なくとも約70%、80%、90%)のN末端で行われた。他の実施形態では、アセチル化は、複合混合物中に見られる実質的にすべてのペプチドのN末端で行われた。さらなる実施形態では、混合物中のペプチドは、N末端に位置しない、アセチル化されたアミノ酸残基を含む。
複合ペプチド混合物は式で記載することができ、その式は、他の位置と相対的な位置にどのアミノ酸が見られるかを示すことができる。式中の特定の位置は、単一のアミノ酸を含めて、所望のアミノ酸の任意のサブセットに限定することができる。特定の位置が複数のアミノ酸に限定される場合、一実施形態でその位置を占めるのに利用できる複数のアミノ酸は、実質的に等しく利用できる。いくつかの実施形態では、混合物のペプチドの特定の位置を占めることができるアミノ酸は、その位置を占めることができる他のアミノ酸と実質的に同数の混合物ペプチド中に見出される。いくつかの実施形態では、混合物のペプチドの間で、1つの位置で見られる、考えられるアミノ酸それぞれの量に対する比が存在することがある。混合物ペプチドの特定の位置で複数のアミノ酸を見出すことができるいくつかの実施形態では、その位置で異なるアミノ酸を含んでいるペプチドと比較して、その位置で1つの特定のアミノ酸を含んでいるペプチドが等しくない数で存在することがある。式中のアミノ酸の配列は、混合物中の大部分のペプチドのN末端から開始することがある。本発明のさらなる実施形態では、式中のアミノ酸の配列が、混合物の大部分のペプチドの全体的なペプチド配列内に含まれる(すなわち、式の残基のN末端にもC末端にもさらなるアミノ酸残基が存在する)こともあり、あるいは、混合物中の大部分のペプチドのペプチド配列のN末端またはC末端で見出されることもある。本発明の式は、式の多様性が変化するように操作することができる。本発明のいくつかの態様では、式は、式中の各位置について同じ群の考えられるアミノ酸を含む。本発明の他の態様では、式は、その位置について考えられるアミノ酸の同一性が、式の他の少なくとも1つの位置での考えられるアミノ酸の同一性と異なっている位置を少なくとも1つ含む。好ましくは、考えられるアミノ酸の同一性が同じでない少なくとも3つの位置、場合によっては4、5、6、7、8つ、またはそれ以上の位置が存在する。いくつかの実施形態では、2つ、または3つ、またはそれ以上の位置での考えられるアミノ酸の同一性は同じ(好ましくは制約された一組)であるが、その位置での考えられるアミノ酸は、ペプチド混合物中の残りの位置での考えられる一組のアミノ酸と異なっている。
本発明のいくつかの実施形態では、式中の3、4、5、6、7つ、またはそれ以上の位置は、(システインを除いた)19種未満の考えられるアミノ酸、好ましくは10種未満、8、7、6、または5種のアミノ酸しか含まないようにされる。同様に、いくつかの実施形態では、式の2、3、4、5、6つ、またはそれ以上の位置は、1〜4種のアミノ酸に限定され、好ましくは、少なくとも1つまたは2つのそのような位置での考えられるアミノ酸の組は、任意の他のそのような位置での考えられるアミノ酸と異なる。
本発明のいくつかの実施形態では、複合混合物中の大部分のペプチドは、本発明の式に従うアミノ酸配列を含む。本発明のさらなる実施形態では、複合混合物中のペプチドの75%、80%、85%、90%、95%、99%、実質的にすべて、または他の一部分は、本発明の式に従うアミノ酸配列を含む。
好ましい実施形態では、複合混合物は、免疫調節性の混合物であり、少なくとも1つの抗原に対する、好ましくは自己抗原に対する哺乳類の免疫反応に対して測定可能な効果を有する。
本発明の複合ペプチド混合物の式は、任意のアミノ酸またはアミノ酸類似物を指定することができる。本発明のいくつかの実施形態は、式中の大部分の位置で任意の20種の標準アミノ酸を利用する。さらなる実施形態は、システイン以外の任意の標準アミノ酸に限定される。システインは、いくつかの実施形態では、ペプチドの二次構造の形成を防止するために、複合混合物ペプチド合成に利用されない。本発明のいくつかの実施形態では、非標準アミノ酸、または非天然アミノ酸の使用が想定される;D−アミノ酸などの分子構造が変化したアミノ酸、および非標準的な側鎖を有するアミノ酸が指定できる種類の分子の例である。アセチル化のように、標準アミノ酸の類似物を使用すると、分解に対する耐性、送達または区画化の向上、および免疫調節活性の増大などの有利な特性を複合混合物ペプチドに付与することができる。
いくつかの実施形態では、複合混合物はペプチド模倣物質を含む。本明細書において用いられるように、ペプチド模倣物質とは、上記のアミノ酸類似物の1種以上の使用を含む、ペプチド類似物を指す。「アミノ酸」という用語は本明細書全体で使用されるが、ペプチドが改変される場合、「アミノ酸」はペプチド中のアミノ酸を置換した残基すべてを指すと理解される。例えば、ペプチドの以下の改変によってペプチド模倣物質が作製される:下記の式Iの(1)で示すように、1つ以上のアミド結合を還元してアミンにすることができる;(2)で示すように、1つ以上のアミド結合を官能化することができ、式中、Rは遊離アミンでの任意のアルデヒド、またはカルボン酸であることができる;あるいは、(3)および(4)で示すように、その主鎖に沿ってヘテロ環を作ることができる。これらの化合物は、分解などのペプチドの限界の一部を改善しつつ、ペプチド類似物の活性を模倣することができる。ペプチド模倣物質の例、およびそれらを作製できる方法は、Nefziら、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters,8:2273〜2278(1998)およびNefziら、Journal of Organic Chemistry,69:3603〜3609(2004)中に見ることができ、これらは両方とも、参照により、その全体が本明細書に組み込まれている。
Figure 2008500276
複合ペプチド混合物の式は、特定の位置で、ある一定の数の考えられるアミノ酸が見られることを示している。その特定の位置は、絶対的な位置であってもよい。例えば、いくつかの実施形態では、混合物中の大部分のペプチドは、P4、すなわちN末端の残基から4番目の残基でA、E、KまたはYの1つを含む。さらなる実施形態では、特定の指定された位置は、単に、他の指定された位置に対して相対的なものである。例えば、式は、混合物中の大部分のペプチドにおいて、A、E、KまたはYが位置P1およびP5で見られ、その一方で、I、LまたはVが位置P6で見られることを示すことができる。この例では、P1は、C末端の任意の最後の5残基を除いて、そのペプチド中の残基いずれであってもよく;A、E、KまたはYはまた、A、E、KまたはYを含む1番目の位置からC末端の方にある4つの位置でも見られ;I、LまたはVが、2番目のA、E、KまたはYの位置の後ろにある次のC末端の位置で見られる。さらなる実施形態では、複合ペプチド混合物の式は、混合物のペプチド中の特定の数の位置で、ある一定の数の考えられるアミノ酸が見られることを示すが、相対的なまたは絶対的な位置の数の点から、この要件に合う特定の位置を指定しない。例えば、式は、混合物中の大部分のペプチドが、その位置で利用できるアミノ酸がA、E、KおよびYである少なくとも4つの位置を含むことを示すことができる。この実施形態では、混合物中の大部分のペプチドは、その配列中で少なくとも4回、A、E、KまたはYを含むはずである。式は、特定のサブセットのアミノ酸を含んでいる位置の数、ペプチド中の絶対的な位置の点からの、または式中の他の位置と相対的な位置の点からの、そのサブセットを含んでいる特定の位置、あるいは、混合物中の大部分のペプチド、混合物中の実質的にすべてのペプチド、またはその一部のフラクションについての、式の指定のうち任意の2種または3種すべての組み合わせを指定することができる。本発明のいくつかの実施形態では、1つ以上の式は反復され、複合混合物の大部分のペプチド中の同じペプチド内で2回以上見ることができる。さらなる実施形態は、複合混合物中の大部分のペプチド中の1つのペプチド中で1回しか見られない1つ以上の式を特徴とするが、一方で、1つ以上の他の式は複合混合物中の大部分のペプチド中の同じペプチド中で2回以上見られる。本発明のいくつかの実施形態では、式は、ダッシュで分離して、順に群を列挙することにより、混合物ペプチドの実質的にすべて、または一部のフラクション中で見られる、考えられるアミノ酸の群の特定の順序を示す。
本発明のさらなる実施形態は、位置走査型コンビナトリアルライブラリー(PSCL)およびGA特異的T細胞クローン(GA TCC)を利用した実験を通して考え出された式によって定められる複合混合物を特徴とする。PSCLの使用は、当技術分野で周知の技術であり(総説については、Borrasら、2002年を参照のこと。これは、参照により、その全体が本明細書に組み込まれている。)、それを用いて、複合混合物の多様性を限定することができる。特定の式の複合混合物のために、混合物中の実質的にすべてのペプチドについて1つの位置でのアミノ酸の同一性が固定されているサブライブラリー混合物を作製する。一般的に、アミノ酸の同一性を、各位置で、システインでない19種の標準アミノ酸の1つに固定することに対応して、各位置について19種のサブライブラリー混合物を作製する。複合ペプチド混合物の式中の何れの数の位置についても、一連のサブライブラリー混合物を作製することができる。いくつかの実施形態では、サブライブラリー混合物はすべて、その位置でのアミノ酸の同一性が1つの特定のアミノ酸に固定されている1つ以上の位置を有する。他の実施形態では、特定の位置でのアミノ酸の同一性は、その位置でのアミノ酸を2〜18種のアミノ酸から選択することができる式によって定められる。さらなる実施形態は、アミノ酸類似物の使用を想定するものである。各サブライブラリー混合物は、アッセイにおいて、活性について試験することができる。本発明の特定の実施形態では、GA TCCを活性化する能力について、サブライブラリー混合物を試験した。この実施形態のいくつかでは、親の複合混合物の全体的な活性に対する、各位置の各アミノ酸の寄与を調べた。特定の位置のいくつかのアミノ酸は、アッセイにおいて、高いレベルの活性を示すことがある。PSCLの使用を通して、ある位置から低活性のアミノ酸を除去することによって、高いレベルの活性を示す唯一のアミノ酸または複数のアミノ酸の選ばれたものを残しながら、複合ペプチド混合物を作製するために使用した式を変更することができる。変更した式を使用する複合ペプチド混合物は、多様性が低いことがある。混合物から低活性のペプチドを除去することにより作製された、多様性を低くした式では、単位ペプチド質量当たりの混合物の活性を増加させることができる。本発明のいくつかの実施形態は、in vivoとin vitroの両方の多種多様な実験アッセイ技術を用いた試験に適合している。特定の実施形態では、サブライブラリー混合物の活性は、in vitro細胞増殖のアッセイ、サイトカイン放出アッセイおよび/または51Cr放出アッセイを用いて測定する。PSCL技術を使用して、複合ペプチド混合物の式中の1つ以上の位置について最も活性なアミノ酸残基を同定することができる。ある実施形態では、PSCL技術を使用して、T細胞集団の高活性ペプチドリガンドとして働く唯一のペプチドの定められた式を作る。
本発明のいくつかの実施形態では、複合ペプチド混合物中に見られるペプチドは、免疫系細胞と、その細胞の表面上の受容体タンパク質を通して相互作用する。免疫細胞表面受容体タンパク質と複合混合物ペプチドの相互作用によって、受容体タンパク質または受容体タンパク質の一部の構造の変化、受容体タンパク質の活性化状態の変化、あるいは同じ細胞の表面上または他の細胞上で他のタンパク質と相互作用する受容体タンパク質の能力の変化が起こることがある。いくつかの実施形態では、免疫細胞表面受容体と本発明の複合ペプチド混合物中に見られるペプチドとの相互作用は、その受容体の他のペプチドと相互作用する能力を低下させ、または実質的に消失させる。例えば、細胞表面上のペプチドとクラスIIMHC分子の相互作用はMHC遮断につながる可能性があり、MHC分子と複合混合物ペプチドの相互作用が、同じMHC分子と結合する他のペプチドによるT細胞の活性化を阻害する。いくつかの実施形態では、複合混合物中に見られるペプチドとT細胞受容体との相互作用はT細胞拮抗作用につながる可能性があり、正常に刺激性のペプチドの提示に対するT細胞受容体の応答が阻害される。特定の実施形態では、複合ペプチド混合物中に見られるペプチドの相互作用が、細胞レベルでの免疫系細胞の変化をもたらす。その相互作用は細胞を刺激して、活性にさせ、増殖させ、および/または、サイトカインおよびインターフェロンなどのシグナル伝達分子を分泌させることがある。いくつかの実施形態では、細胞表面受容体と複合混合物中に見られるペプチドとの相互作用は、より成熟した型の細胞、例えば免疫記憶細胞集団への免疫細胞の分化をもたらす。本発明のペプチドに曝露された免疫系細胞の活性は、炎症の増大または軽減につながることがある。例えば、いくつかの実施形態では、複合ペプチド混合物中に見られるペプチドは、Th2型およびTh3型のT細胞の表面上の受容体と相互作用し、これらの細胞の増殖を刺激する。次いで、細胞は中枢神経系へ移動し、自己抗原により刺激されてIL−4などの抗炎症性シグナル伝達分子を分泌する。抗炎症性サイトカインが存在すると、バイスタンダー抑制が起こり、中枢神経系における自己免疫性炎症性CD4T細胞の活性が低下する。他の実施形態では、免疫細胞受容体タンパク質と複合ペプチド混合物中に見られるペプチドとの相互作用は、細胞活性の低下、またはアネルギー状態の形成をもたらす。ある状況、例えば特定のサイトカインに曝露されている間では、複合混合物中に見られるペプチドと細胞表面受容体の相互作用は、抗原ペプチドの長期T細胞耐性を生むことができる。特定の実施形態では、免疫細胞表面受容体と複合ペプチド混合物中に見られるペプチドとの相互作用は、特定の抗原への曝露に対する生物の反応など、免疫系の通常の状態の変化をもたらす。本発明のさらなる態様は、本発明の複合混合物中に見られるペプチドと免疫細胞表面受容体タンパク質の相互作用の結果としての自己免疫の低下を特徴とする。ある実施形態では、ペプチドと表面受容体タンパク質の相互作用は、中枢神経系で見られるタンパク質に由来する自己抗原に対する生物の反応レベルを低下させる。特定の実施形態では、この自己抗原はミエリンに由来し、その反応は自己免疫性炎症性反応である。
本発明のいくつかの実施形態では、複合ペプチド混合物は脊椎動物に投与される。脊椎動物へのペプチドの送達は、多数の送達形式のうちの1つ以上によって行うことができる。胃腸管を介する送達と同様に、本発明のある実施形態では、静脈内送達、筋肉内送達、経皮送達、および他の形式の非経口送達が特徴である。
特段の定義がない限り、本明細書で使用される技術用語および科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって一般に理解されているものと同じ意味を有する。当業者なら、本発明の実施において使用することができる、本明細書に記載されているものと同様の、または同等の多数の方法および材料を認識するであろう。実際、本発明は、記載されている方法および材料に限定されるものではまったくない。本発明の目的上、いくつかの用語を以下に定義する。
「多様性」とは、所定の式または構造の複合混合物中に存在し得る、異なるペプチドの数を指す。他の混合物よりも多数のペプチドを含み得る複合混合物は、より多様であると言われる。複合混合物中の大部分のペプチドを定める式の変化は、新しい式に従って合成された複合混合物の「程度が制約された多様性」につながる可能性がある。新しい式によって生成した、考えられるペプチドの数が、古い式での考えられるペプチドの数より少ない場合、多様性は制約される。複合混合物の相対的な多様性は、標準アミノ酸19種(システインを除いた標準アミノ酸20種)のいずれか1種で、各ポリペプチド中の各位置を占めることができるランダムポリペプチド混合物と比較することもできる。任意のランダムポリペプチド混合物ペプチドの任意の位置で標準アミノ酸19種のいずれかを有することがあり得ることは、この型の混合物が非常に高度な多様性を有することを意味する。複合混合物の相対的な多様性を比較することに加えて、複合混合物の特定の式から、考えられるペプチドの数を計算することにより、複合混合物の理論上の絶対的な多様性を算出することができる。例えば、混合物のペプチドにおける3つの位置それぞれを4種のアミノ酸のうちの1つで占めることができるトリペプチドの複合混合物は、4、すなわち64種の考えられるトリペプチドを含み得る。
「刺激指数」、またはSIとは、試験する刺激物に曝露されていない対照集団との関係での免疫細胞集団の刺激の測定値を指す。SIは、次の式:
SI=cpm(Ag)/cpm(Agなし)
によって得られる数として表すことができる。本発明のある実施形態では、複合混合物中に見られるペプチドによって刺激されるTCCの活性、およびペプチドに曝露されていない対照TCC培養物の活性を測定する。そして、その2つの測定値を組み合わせて、実験用T細胞集団が曝露されたペプチド混合物についての刺激指数とする。
以下の実施例は、本発明の様々な適用例を開示するものであり、本発明を限定するものでなく、むしろ例示するものである。
材料および方法
ペプチドおよび試薬:
他の箇所で最初に示したように、同時複数ペプチド合成法、メチル−ベンズヒドリルアミンポリスチレン樹脂、およびt−Boc保護L−アミノ酸によって、複合混合物(CM)(表1、下記)およびミエリンペプチドを合成した(Houghten,R.、PNAS 82:5131〜5135、およびHoughten,R.ら、Journal of Med Chem.42:3743〜3778、1999、この両方とも、参照により、その全体が本明細書に組み込まれている)。ミエリンペプチドプール:プロテオリピドタンパク質(PLP)ペプチド:PLP89〜106−GFYTTGAVRQIFGDYKTT、PLP139〜154−HCLGKWLGHPDKFVGI、PLP178〜197−NTWTTCQSIAFPSKTSASIG、PLP190〜209−SKTSASIGSLCADARMYGVL。ミエリン塩基性タンパク質(MBP)ペプチド:MBP13〜32−KYLATASTMDHARHGFLPRH、MBP83〜99−ENPVVHFFKNIVTPRTP、MBP111〜129−LSRFSWGAEGQRPGFGYGG、MBP131〜155−ASDYKSAHKGLKGVDAQGTLSKIFK、MBP146〜170−AQGTLSKIFKLGGRDSRSGSPMARR。ミエリン乏突起膠細胞糖タンパク質(MOG)ペプチド:MOG1〜20−CQFRVIGPRHPIRALVGDEV、MOG11〜30−PIRALVGDEVELPCRISPGK、MOG21〜40−ELPCRISPGKNATGMEVGWY、MOG35〜55−MEVGWYRPPFSRVVHLYRNGK。2’,3’−環状ヌクレオチド3’ホスホジエステラーゼ(CNPアーゼ)およびミエリン乏突起膠細胞塩基性タンパク質(MOBP)ペプチド:CNPアーゼ343〜373−EVGELSRGKLYSLGNGRWMLTLAKNMEVRAI、CNPアーゼ356〜388−GNGRWMLTLAKNMEVRAIFTGYYGKGKPVPTQG、MOBP21〜39−FSIHCCPPFTFNNSKKEIVおよびMOBP31〜49−FLNSKKEIVDRKYSICKSG。液体クロマトグラフィーシステムと連結したエレクトロスプレー質量分光光度計を用いて、ペプチドをキャラクタリゼーションした。酢酸グラチラマー(GA)/共重合体1/コパクソン(Copaxone)は、Teva Pharmaceuticals(Teva Marion Partners、カンザスシティー、ミズーリ州)から購入した。PLP139−151ペプチド(配列HSLGKWLGHPDKF)は、Stanford Pan Facility(パロアルト、カリフォルニア州)によって合成された。ヒトMBPは、以前に記載されている通りに調製した(Deiblerら、1972年)。
Figure 2008500276
患者および対照:
MS患者5名および健常ドナー9名から末梢血単核細胞(PBMC)を単離した。患者は、再発寛解型MSに罹患しており、31〜41歳であった。患者2名は、インターフェロン−β療法中であり、残りの患者は採血時に治療を受けていなかった。それまで誰もGAを投与されていなかった。各患者および健常ドナー6名は、MS関連HLA−DR2ハプロタイプ(HLA−DRB11501、HLA−DRB50101)を発現していた。
T細胞増殖:
白血球フェレーシスからPBMCを単離し、96ウェルU底マイクロタイタープレート(Nunc、ネーパーヴィル、イリノイ州)の中に、2×10細胞/ウェルで、完全T細胞培地(TCM;2mMのl−グルタミン、50μg/mlのゲンタマイシン、それぞれ100U/mlのペニシリン−ストレプトマイシン、および5%のプールしたヒトAB血清を含むイスコフ改変ダルベッコ培地[IMDM])にそれを播種し、20μg/mlのCMおよびGAで刺激した。6日後、100μlの細胞懸濁液のサンプルをこのプレートから取り出し、1μCi/ウェルのH−チミジン(Amersham Pharmacia Biotech、ピスカタウエイ、ニュージャージー州)を添加した新たなマイクロタイタープレートにそれを移し、16時間後にそれを採取し、シンチレーションカウンター(Microbeta、Wallac、ゲイサーズバーグ、メリーランド州)でカウントした。ヒト組換えインターロイキン(IL)−2(Hoffman−LaRoche;米国国立癌研究所、NIHのC.Reynolds博士提供)を、新たなTCM中20U/mlの最終濃度で、元のプレートに添加し、よく分裂し二次増殖となるまで2〜3日毎にそれを補充した。IL−2を2〜3日休止した後、50μlの細胞懸濁液を別個の96ウェルU底プレートの隣接したウェル中に移し、自己由来の照射(3000rad)PBMC2×10個を含むTCM100μlを、対照のウェル(抗原を含まない)にX−vivo培地50ml、およびX−vivo培地中のCM(20μg/ml)50μlと共に添加した。元のプレートに、照射PBMC(上記のもの)、20μg/mlの抗原、および培養を維持するためのIL−2(20U/ml)を入れた。二次刺激から48時間後、プレートにチミジンを入れ、上記のように16時間後にそれを採取し、カウントした。二次増殖と同様に、その後の刺激によって、個々のCMに特異的な系統が発生し、上記のような増殖アッセイにおいて、ミエリンペプチドプール(各ペプチド10μg/ml)との交差反応性について試験した。
GA特異的T細胞クローンによって認識された重要なアミノ酸の同定:
健常ドナーからGA特異的TCCを確立し、PSCLで試験して、10merペプチドの各位置での刺激性アミノ酸を同定し、それによって特異性が既知および未知のクローンに対する抗原を予測した。刺激潜在性の2つの閾値に基づいて、上記の「ペプチドおよび試薬」で記載したようにCMを作製した(表1、「GAクローン駆動(GA clone driven)」):GA TCC−1は、刺激指数(SI)が各位置での平均SIより2倍大きい混合物の定められたアミノ酸を含み、GA TCC−2は、著しい刺激能(各位置での平均SIより1.2倍大きいSI)を有するアミノ酸すべて、したがって著しくより複雑な混合物を含んでいた。
マウスにおけるCMのin vitroでの免疫原性:
6〜8週齢の雌SJL/JマウスをCharles River Laboratories(ウィルミントン、マサチューセッツ州)から購入した。麻酔した未処置のSJLマウスから脾細胞を分離し、または背中の4箇所に完全フロイントアジュバント(CFA、Difco Laboratories、デトロイト、ミシガン州)中のCMまたはGA200μgで免疫感作してから10日後に、無菌的に脾臓を取り出し、Biosource(カマリロ、カリフォルニア州)のACK溶解緩衝液を用いて赤血球を溶解した。一次増殖では、96ウェル丸底プレート(Nunc、ロチェスター、ニューヨーク州)中に、40、10または2.5μg/mlの種々のCM、PLP、またはGAの存在下で、マウス細胞培地[10%のウシ胎児血清(Gibco BRL、トロント、オンタリオ州)、非必須アミノ酸、ペニシリン/ストレプトマイシン(100U/ml)、ピルビン酸ナトリウム(1mM)、L−グルタミン(2mM)(すべてBiowhittaker(ウォーカーズヴィル、メリーランド州)からのもの)を補充したRPMI1640]に2×10細胞を播種した。未処置マウスまたは免疫感作マウスの実験において、それぞれ、6日後または3日後に、1μCiの[H]−チミジン(Dupont、ウィルミントン、デラウェア州)を添加して1晩置き、その後それを採取し、Trilux液体シンチレーションカウンター(Wallac、ゲイサーズバーグ、メリーランド州)でチミジンの取り込みをカウントした。
EAEの誘導:
動物実験は、NIHの動物の管理および使用の指針に従って行った。6〜8週齢の雌SJLマウスを、ヒト型結核菌H37RAを2mg/mlまで補充した不完全フロイントアジュバント(IFA)(どちらもDifco Laboratoriesからのもの)中のPLP75μgで免疫感作した。CMの予防的効果を試験するために、免疫感作に先立って、500μgのCMまたはGAをこのエマルジョン中に添加した。疾患の発症についてマウスを盲検評価し、試験後に臨床スコアを次の通りに割り当てた:0=臨床的徴候なし;1=尾の弛緩;2=一方または両方の後肢の不全麻痺;3=一方または両方の後肢の完全麻痺;4=四肢不全麻痺または四肢完全麻痺;5=瀕死。累積スコアは、初期の疾患の経過(0〜24日)および残る疾患の経過(24〜45日)の間に各マウスで記録された個々のスコアの合計の平均値を表す。
データ分析:
ANOVAおよびチューキーの多重比較を用いて、CMに対する、またはMBPに対するT細胞系の増殖応答を比較して、刺激していない対照と比較した、抗原に対する有意な応答(p<0.05)を決定した。有意差用のANOVA、およびスチューデントt検定を用いて累積疾患スコアを比較して、疾患の初期の期間、さらにその後の再発の間中、CMまたはGAで免疫感作した個々のマウスのスコアを、PLPだけを投与したマウスと比較した。
短い複合混合物はヒトにおいてもマウスにおいても刺激性である
小さい、限定されたペプチド混合物のPBMCを刺激する能力を評価し、この応答に対するアセチル化、ペプチドの長さおよびMHCアンカー偏向の影響を試験するために、複合混合物(CM)を設計した。複雑性が最も大きい基礎の複合混合物は、システインを含まない19種のアミノ酸(システインは二次構造の形成を避けるために除外した)のいずれも含む10merである。改変は、刺激潜在性または治療潜在性に対するサイズおよび組成の影響を特徴付けるため、この基本構造に基づくものであった。ペプチドの各位置でのアミノ酸(aa)の数が減少するにつれて、ペプチド混合物の複雑性も低下する。抗原への一次曝露および二次曝露時の、またはマウス脾細胞を使用した一次増殖における、健常ドナー由来PBMCとMS由来PBMCの両方の増殖応答を評価することによって、CMの免疫原性を評価した。マウスおよび健常ドナーからの細胞を用いた予備実験では、15merを除いて、アセチル化したCMはすべて、その非アセチル化対応物よりも刺激性であることが判明し(データは示さず)、したがって、アセチル化した10mer、12mer、および20merのみを使用して研究を続けた。健常ドナーにおいても(図1A、C)、マウス脾細胞を用いても(図3A)、15〜20aa(直鎖または分枝状、データは示さず)の長い混合物は、長さ10〜12aaの短い混合物より低い頻度で、増殖応答を生じた。その後、この短く、MS患者において、またマウスでの治療実験においてもより刺激性のCMに実験の焦点を合わせた。健常ドナー9名(図1A〜B)およびMS患者5名(図2A〜B)では、一次および二次増殖応答は、ポリペプチドGAで刺激した時に最も頻繁に認められ、このことはマウスの一次応答にも当てはまった。しかし、GAよりも低いウェルの割合であったが、より長い20merと比較して、AEKY10−GA、AEKY12および非Ac−AEKY15が有効であることから、混合物の長さが増大しても、必ずしも、その刺激潜在性が増大するわけではないことが示唆される。
MHCアンカーアミノ酸、MHC偏向(MHC bias)の組み込みはCMの刺激潜在性を増大させる
MHCアンカーaaの組み込みがこれらの化合物の刺激潜在性を増大させるかどうかを試験するために、HLA−DR15ハプロタイプ中で発現する2つのHLA−DR2対立遺伝子、すなわち、DRB11501またはDR2b、およびDRB50101またはDR2aについて知られているMHCアンカーの公表されているデータを使用して、AEKYを基礎とするCMを設計した。基礎のAEKY10と比較して、HLA−DR2aアンカーまたはHLA−DR2bアンカーのいずれか一方を含むAEKY10は、健常ドナーと患者の両方において、有意により刺激性であった(図1C〜D、図2A〜B)。HLA−DR2+の患者およびHLA−DR2+の健常ドナーでこの結果を予想することはできたが、それは非DR2ドナーでも観察された(データは示さず)。多数のHLA−DR対立遺伝子の特異性ポケット、例えばポケット1で類似したaaを共有することが、この観察結果の原因である可能性がある。
SJLマウス由来の脾臓では、IAsにとって重要なMHCアンカーを適当なポケット中に導入すると(AEKY10−IAs)、または配列の外に導入しても(AEKY10−IAs−mis)、AEKY10の刺激潜在性は著しく高められた(図3B)。IAsアンカーの著しい寄与は、GA由来のaaの偏向がなくてさえも、一度そのアンカーが導入されさえすれば、ランダムペプチド(19a.a.)に応答して増殖が増大することによって更に強調された。興味深いことに、AEKY10−DR2bも、マウスにおいて、偏向のないペプチド(AEKY10)よりも著しく刺激性であった。
酢酸グラチラマー偏向はCMの刺激潜在性に必要でない
GAの刺激性の性質は、しばしば、その独特の組成に帰せられる。したがって、GAのモル比でのAEKY10は等モル比でのAEKY10よりも強い増殖応答を生じるが、等モル比でのAEKY10は19a.a.10よりも刺激性であった。しかしながら、そのようなGAのモル偏向は、特に二次増殖において、等モルのアセチル化AEKY12、または非アセチル化AEKY15に対する応答が高頻度であることにより明らかなように、より長いペプチドでは絶対的に必要ではなかった(図1および図2)。健常ドナーとMS患者の両方において、AEKY10−DR2bのMHC偏向は、等モル量でのAEKY10と比較して増大したAEKY10−GAの刺激潜在性に匹敵し、それを上回りさえすることができた。注目すべきことに、この同じDR2b偏向がIAsのSJLマウスで観察された。さらに、19a.a.10中にIAsのMHC偏向を導入することにより(図3A〜B)、刺激潜在性がAEKY10−GAと同等であり、AEKY10−IAsより刺激性であるCMが作製され、このことから、GAのaa組成に関して相対的な必要条件があるに過ぎず、おそらくはGA偏向CMより良好なものも設計されるかもしれないことが再度強調される。
PSCLは、潜在的なT細胞抗原を同定する貴重な手段であり、これをGA特異的TCCとともに使用して、このクローンに刺激性であるペプチドまたは一組のペプチド中の各位置でのaaを同定した。各位置で潜在的に刺激性であるaaをすべて含む1つの混合物を設計した(そのPSCLにより各位置での平均SIより1.2倍大きいSIが誘導された、GA−TCC−2)。推定上、より高い活性化の閾値を有し、各位置で最も刺激性があるaaのみで構成され(GA−TCC−1)、したがってGA−TCC−2より短い配列を含む、他の複雑性の低い混合物を作製した。これらの混合物は両方とも患者および健常ドナーにおいて非常に刺激性であったが(図1C〜D、図2A〜B)、全体的にGA−TCC−2(最も複雑な混合物)がより刺激性であることが判明した。マウスでは、このより複雑なペプチドはまた、非常に刺激性であり(図3B)、他のCMより、またはGAさえよりもはるかに刺激性であった。特に、アラニン、グルタミン酸およびリシンは、これらのGAクローン「設計された」混合物中に頻繁に現われるが、直鎖状ペプチド中の定められた位置でそれらが存在することにより、AEKY10−GA中に含まれるものより刺激性である配列を有するCMが生じると思われた。
CM特異的T細胞系はミエリンタンパク質に対する交差反応性を示す
GAについて最も考えられる作用機構は、バイスタンダー抑制の誘導能を伴う。Th2/Th3免疫抑制性GA特異的T細胞は、ミエリンタンパク質を認識することが示されており、この交差反応性により、ミエリン分解の部位での免疫抑制性因子の放出と、それによるバイスタンダー抑制が可能となる。以前にはCNSの自己免疫に関連させていたミエリンタンパク質またはペプチド全体を認識する能力について、健常ドナーと患者の両方から、ならびにCMで免疫感作したマウスから確立したCM特異的系統を試験した。下記の表2は、ミエリンペプチドプールに対する増殖性のCM特異的な交差反応性を示した一組のヒトT細胞系を示す。ほとんどの場合、CM特異的系統は、ミエリンタンパク質/ペプチドに応答する刺激指数が多くの場合より低い培養物を生成するために使用した元の抗原に対して最も応答性が高かった。患者での予備的データは、MOBPまたはMBPペプチドに対する交差反応性が優勢であることを示唆するが、この観察結果はさらなる研究を必要とする。
Figure 2008500276
そうしなければ非常に低い頻度でしか存在しない可能性があるCM特異的T細胞の研究を可能にするために、SJLマウスをCMで免疫感作し、10日後に脾細胞を収集した。AEKY10−GA、AEKY12、AEKY10−IAs由来の細胞、そしてまたGA免疫感作したマウスも、非常に高いSIで、その免疫抗原に応答したが、様々な程度で全ヒトMBPとも交差反応した(図4)。CFAのみで免疫感作した脾臓のMBPに対する応答はごくわずかであった(データは示さず)。特に、ヒトとマウスのCM特異的T細胞系両方におけるミエリンタンパク質に対する交差反応性は、AEKY10、12または15の混合物を基礎とするCMで最も多く観察され、増殖実験において最も刺激性があることが判明した。
EAEにおけるCMの予防的潜在性
CMを単回投与でPLPとともに送達して、SJLマウスにおけるEAEの経過または重症度を変化させるこれらの化合物の予防的潜在性を試験した。表1中に列挙したCMそれぞれを、PLP139−151およびCFAとともに接種物に500μg添加して、試験し、疾患の徴候について毎日マウスをモニターした。この単回投与では、AEKY10−GAおよびAEKY10−IAsが、疾患の最初の期間の間、累積疾患スコアを約半分低下させ(下記の表3、図5)、この結果はGAを用いて得られた結果と同様であった。興味深いことに、19a.a.10−IAsのIAs偏向は、マウス細胞に刺激性であるが、予防上有効でなく、このことから、予防的効果に影響を及ぼす上でのAEKYの一部の成分にとっての役割が示唆される。その刺激潜在性と同様に、AEKY10と比較した、AEKY10−GA中に導入されたGAモル偏向の予防的効果は、AEKY10−IAs中にIAsアンカー偏向を導入することによって2倍にできた。AEKY10−IAsおよびGAのみが、再発期の間中、累積的な疾患の経過を有意に軽減することができ、スコアを約3分の1低下させた。これらの化合物がマウスの増殖実験において最も刺激性があったが、AEKY12またはGA−TCC−210を含む、他の非常に刺激性である混合物は、この投与では疾患の経過に対して効果がなかった(データは示さず)。
Figure 2008500276
PSCL関連技術を用いた混合物の式の最適化
本発明者らの位置走査技術の変法を用いて、表1の2種の複合混合物(下記にも示す)を最適化する。AEKY10−IAsは、高度に複雑な混合物である19a.a.10−IAs(3,387,303,432個のペプチドの混合物)と比較して複雑性が低い(294,912個のペプチドの混合物)。
Figure 2008500276
これらのCMを最適化するために、通常位置走査を行う方法と同様にして、位置(position)5(TCR結合に関与)および位置1または4(MHC結合に関与)を定める。例えば、複合混合物AEKY10−IAsについては、40個の混合物を作製し、20個は位置5をアミノ酸20種のうちの1種で定め(サンプル1〜20)、20個は位置1または4を定める(サンプル21〜40)。サンプルの式を下記の表4に示す。他の実験では、結合において役割を果たすことが知られていない位置で置換を行う。
Figure 2008500276
(複合混合物AEKY10−IAsについての)これらの40個のサンプルをEAEモデルにおいてスクリーニングし、その活性を元のCMと比較することにより、位置1および5中に含まれるアミノ酸を同定する。これらの改変された複合混合物を作製し、EAEモデルにおいてスクリーニングして、その活性を確認する。その結果を用いて、混合物の活性を増大させるために、位置1および5中に含まれる代替のアミノ酸残基を有する複合ペプチド混合物の式を作成することができる。
19a.a.10−IAsなどのより複雑な複合混合物についても、この実験を行う(その実験は、他の複合混合物と並行して行うことができる)。2種類の複合混合物(複雑性が高いもの、および複雑性が低いもの)を改変することによって、EAEモデルにおける複合混合物の活性に対する複雑性の寄与を確証し、それを用いて、より高いレベルの活性を有する混合物を設計することができる。
これらの実験では、各CMについてサンプル40個、合計でサンプル80個を使用する。これらのサンプルそれぞれについて、10の異なるマウスEAEモデル(マウス800匹+対照)で約2カ月間実験を行う。この実験で集められたデータに基づいて、元の複合混合物それぞれに由来する1〜3種の新たな複合混合物を合成し、合計6種の新たなサンプルについて、それぞれを10の異なるマウスEAEモデル(マウス60匹+対照)で約2カ月間スクリーニングする。
他の実験方法を用いて複合混合物ライブラリーをスクリーニングすることもできる。例えば、MS患者または健常ドナーから採血した血液からPBMCを単離することができる。この細胞は、次いで、ペプチドの様々な混合物に曝露した後の細胞の活性化または増殖のレベルを測定する実験で使用することができる。この実験の結果に基づいて、複雑性のレベルが低いまたは高い複合混合物ペプチドの式を作成することができる。いくつかの実施形態では、複合ペプチド混合物の式の再作成が2回以上行われ、混合物のペプチド内での特定の位置にあるアミノ酸の考えられる選択がますます限定されるようになる。いくつかの実施形態では、混合物のスクリーニングの結果、特定のペプチドの正確な式が選択される。
本発明で使用することができる他のスクリーニング法には、他の動物ベースの疾患モデルがある。例えば、実験動物の心血管系に及ぼす複合ペプチド混合物の影響を、動物を混合物に曝露した後、測定することができる。他のin vivoスクリーニングモデルには、暗がりにとどまる動物の傾向を測定するために設計された明/暗選択;恐怖および不安を高めるように設計された刺激に対する動物の反応を測定するために設計された高架式十字迷路;誘発した高熱下で動物の中核体温を測定するために設計されたストレス誘発性高熱;以前は電気ショックと対となっていた大きな騒音に対する反応を測定するために設計された恐怖増強性驚愕など、当技術分野で周知の不安および抑うつのモデルがある。他のスクリーニングモデルには、食物またはカロリー摂取を測定するために設計された肥満試験がある。認知のスクリーニングモデルには、学習した手がかりに基づいて隠された逃げ道を見つける動物の学習能力を測定するために設計されたモリス水迷路がある。神経障害または運動障害のスクリーニングモデルには、動物の前肢および後肢の握力試験、ならびに運動協調性および平衡性にアクセスするために使用されるロータロッドがある。他のスクリーニングモデルには、テールフリック、ホットプレートおよびプラスター、ならびに身もだえを含む疼痛のモデルがある。他のin vivoスクリーニングモデルは当業者に周知であり、それを使用して、複合ペプチド混合物をスクリーニングすることができる。
特定の混合物の効果に基づいて、多様性の低いまたは高い新たな混合物を調製することができる。
結論:
複雑性がより低く、より構造的に限定された混合物の、自己免疫プロセスに関連した刺激性の特性、および最終的には治療的な特性の両方を発揮する能力を試験するために、より短い複合ペプチド混合物が作製された。主に、その目的は、ペプチドの長さ、構造または組成を含む基本的なファクターの微細な変化、ならびに刺激潜在性および治療潜在性に対する関係を研究することを意図して、複雑性が限定された混合物を開発することである。いくつかの場合では、様々な長さのペプチドの刺激潜在性から、10〜20アミノ酸の範囲では、10〜12アミノ酸の短いペプチド、特にアセチル化された分子が健常ドナー、MS患者、およびSJLマウス由来の全部のT細胞に対してはるかに刺激性であったことが示唆された。興味深いことに、AEKY10−GA中でEおよびYに比べてAおよびKが多く存在すると、AEKY10中の等モル比のaaより刺激性であった。AEKY10中での富化を伴うYの疎水性およびサイズは、相対的に結合が減少し、従って刺激潜在性が低くなることの原因となることがある。多数の報告が、GAの大きなサイズが強い刺激潜在性の最終的な原因であることを提案しているが、本発明者らは、マウスとヒトの両方において、より小さなペプチドを用いた合理的な刺激指数を見出した。
CMの刺激潜在性の最も著しい増大は、MHC偏向をペプチドAEKY10または19a.a.10中に導入したときに起こった。これらのCMについての結合試験はまだ実施されていないが、そのデータは、DR2aまたはDR2bアンカー残基がこれらの10merの刺激潜在性を高めることを反映するものである。患者または健常ドナーにおいてDR2a対DR2bの偏向に起因する増大の間に有意差はなかったが、DR2b偏向AEKY10−DR2bは、IAマウス集団においてはるかに刺激性であることが判明し、その一方で、DR2a偏向CMに対する応答はごくわずかであった。これらのデータから、導入されたMHC偏向が、そのaa組成により、または共通のアンカーを有することにより、異種間で効果をもたらす可能性があることが示唆される。表1を参照すると、I、LおよびVが、DR2bおよびIAのアンカー残基としてP7で共有されていることが分かり、これにより、DR2a偏向CMと比較して、またIA偏向CMと比較してさえも、SJLマウスにおいてDR2b偏向CMの刺激潜在性が高いことが説明できる可能性がある。しかしながら、特にHLA/MHCクラスIIの結合用の溝がどちらかの末端で開放されており、複数のレジスターにおいて、異なるポケット中で特異的なaaとペプチドの結合が起こることがあるので、現在のところ、この推測が実際に正しいかどうかは分からない。
GA特異的TCCおよびPSCLに関係する研究は、GAの刺激性の特性を駆動する重要な残基の同定、およびGA特異的クローンによって認識されるGA中の「理想的な抗原」の成分の特定に役立った。各位置でより多くのaaを含む混合物、したがってより複雑な混合物(GA−TCC−2、GA−TCC−1と比較して)は、(DR2+だけでなく、すべてのHLA型の)健常ドナー、患者、およびマウス細胞での試験全体にわたって、より刺激性であった。
作用機構としてGAのペプチド結合に競合する能力に相当な考慮が払われているが、大量のGAがこれらの効果を媒介するのに必要であり、これらはおそらく決して到達されないので、この特性がin vivoで作用することはありそうもないと思われる。バイスタンダー抑制は、より魅力的な免疫調節機構であり、いくつかのグループが、最近、バイスタンダー抑制がGAで処置された患者で実際に起こることを証明している(Dudaら、2000年;Granら、2000年;Neuhausら、2000年;Chenら、2001年)。自己抗原ペプチドとの交差反応性は、概念上、重要なバイスタンダー抑制に必要な条件である。
MHC偏向またはPSCL駆動データを用いて開発された大部分のCMは、非常に刺激性であり、したがってTCR認識の退化を利用するものであった。しかしながら、CMの刺激能は、EAEの累積的な重症度を軽減する効果へと直接に変換されなかった。実際、IA偏向10merだけが、GAまたはGAモル比偏向10merのAEKY10−GAで観察される疾患の軽減に匹敵した。GA−TCC−210(ペプチド中の低い閾値のaa)またはAEKY10−DR2bでの同時免疫感作は、培養中ではどちらも非常に刺激性であったが、これらの投与では疾患の経過に対して影響を及ぼさなかった。さらに、GAおよびAEKY10−IAsだけが、最初およびその後の疾患の悪化の間中、全部の疾患スコアを有意に低下させることができた。脳炎誘発物質と同時に導入したときの、疾患の重症度の軽減におけるこれらの分子の有効性から、この特性が、脳炎誘発性PLPペプチドと同時免疫感作用のCMとの結合に単に競合するためであるかもしれないことが示唆される。
まとめると、本発明は、強力な多重抗原として働き、患者および健常者において多数のT細胞を刺激する短いペプチド複合混合物の調製について記載するものである。これらのペプチド混合物は、EAEにおける累積疾患スコアを有効に半減させることに加えて、ミエリンタンパク質およびペプチドに対する著しい交差反応性を有するT細胞系を生成した。本発明はまた、好ましくは複数の種にわたって、これらのペプチドの全体的な値に対する個々のaaの寄与を明らかにするためのGA特異的クローンの使用をも包含する。これらのCMの単純で、よく定められた組成は、それらを、構造または組成の最も微妙な変化さえも許容することにより、混合物の効力を緩和することができる基本的なファクターを研究するための貴重な手段にする。本発明は、短いペプチド混合物が、T細胞の縮退を活用し、自己免疫疾患、癌に罹患した幅広い集団をターゲットとすることができ、あるいは感染症におけるワクチン設計に利用することができる免疫療法用の分子を研究し構築するための、将来のワクチンまたは薬物の設計の基盤として働く理想的なツールであることを提案する。
ペプチドの長さおよび組成が複合混合物(CM)の刺激潜在性に影響を及ぼすことを示す図である。9名の健常ドナーからのPBMCで、一次増殖(A、C)および二次増殖(B、D)の両方において、サイズおよび組成が異なるCMの刺激能を試験し、その応答の特異性を確認した。20μg/mlのCMまたはGAを18ウェルそれぞれに添加し、陽性のウェル(SIがバックグラウンド/対照のウェルで観察されたものの2倍より大きいCPMのウェル)の%を全てのドナーからのプールしていたデータから決定した。図AおよびBは、刺激潜在性に対するペプチドの長さの寄与を分析するものであり、図CおよびDは、刺激潜在性に対するペプチドの組成またはMHC偏向の寄与を分析するものである。 CMおよびGAに対するMS患者のPBMCの増殖応答を示す図である。(A)一次増殖および(B)二次増殖において、様々な長さおよび組成のCMの刺激能を試験し、その応答の特異性を確認した。5名のMS患者からのPBMCを播種し、ドナー1名当たり18ウェルで各CMを試験した。5名の患者からのデータをプールし、バックグラウンド計数と比較して2より大きいSIでのCPMを有する陽性のウェルの合計の%として示した。 CMに対するSJLマウス脾臓の一次増殖応答を示す図である。3つの異なった用量のCM(40、10および2.5μg/ml)またはGAと共にマウス脾細胞を播種し、(A)様々な長さまたは(B)特異なアンカー偏向のCMの刺激潜在性について試験した。抗原1つ当たり18ウェルに播種し、2回の実験からのデータをプールした。陽性のウェルの%は、バックグラウンド/対照のウェルと比較して2より大きいSIでのCPMのウェルの割合を表す。 MBPに対するCM特異的系統の交差反応性を示す図である。SJLマウスをCMまたはGAで免疫感作して、MBPに対する交差反応性について評価するためのCM特異的T細胞の数を増大させた。免疫感作してから10日後にマウスから脾細胞を取り出し、X軸に示したμg/mlの濃度の初期免疫抗原またはヒトMBPと共に培養を開始した(1条件当たり6ウェル)。 *試験したウェルと、抗原が入っていない対照のウェルの増殖を比較したスチューデントt検定によるp<0.05。 CMがPLP139−151誘導EAEの臨床的重症度を軽減することを示す図である。SJLマウスに75μgのPLP139−151ペプチドと、500μgのCM、GA、あるいはPLPを単独で皮下注射した。疾患の進行は、臨床症状の出現について盲検的にモニターした。結果は、平均1日スコアを表すものである。組み合わせられる2回の独立した同一の実験それぞれにおいて、1群当たり少なくとも5匹のマウスを使用した。最初の疾患の経過またはその後の再発の間のいずれかにおいて、PLP単独と比較して疾患の重症度を有意に変化させたことが認められたCMのみを示す。

Claims (84)

  1. 長さが8〜20アミノ酸の範囲内である複数のペプチドを含む複合ペプチド混合物であって、
    前記混合物が、ペプチド鎖の定められた位置である程度の多様性を有する複数のペプチドを含み、
    少なくとも1つの定められた位置での多様性の程度が、少なくとも1つの他の定められた位置での多様性の程度と異なっており、
    混合物の大部分において、ペプチドが、少なくとも4つの位置でA、E、K、およびYのすべてを含み、他のアミノ酸を含まない複合ペプチド混合物。
  2. 少なくとも1つの位置で、混合物中の大部分のペプチドが1つまたは2つのアミノ酸をそれぞれ含み、他のアミノ酸を含まない、請求項1に記載のペプチド混合物。
  3. 混合物中の少なくとも75%のペプチドにおいて、前記の少なくとも4つの位置にあるアミノ酸が、A、E、K、およびYのすべてを含み、他のアミノ酸を含まない、請求項1に記載のペプチド混合物。
  4. 混合物中の少なくとも90%のペプチドにおいて、前記の少なくとも4つの位置にあるアミノ酸が、A、E、K、およびYのすべてを含み、他のアミノ酸を含まない、請求項1に記載のペプチド混合物。
  5. 混合物中の少なくとも95%のペプチドにおいて、前記の少なくとも4つの位置にあるアミノ酸が、A、E、K、およびYのすべてを含み、他のアミノ酸を含まない、請求項1に記載のペプチド混合物。
  6. 混合物中の実質的にすべてのペプチドにおいて、前記の少なくとも4つの位置にあるアミノ酸が、A、E、K、およびYのすべてを含み、他のアミノ酸を含まない、請求項1に記載のペプチド混合物。
  7. 混合物中の大部分のペプチドが、N末端アミノ酸でアセチル化されている、請求項1に記載のペプチド混合物。
  8. 前記の少なくとも4つの位置のアミノ酸A、E、K、およびYが、次のモル比:約6:約2:約5:約1で存在する、請求項1に記載のペプチド混合物。
  9. 少なくとも1つの位置で、混合物の大部分が、I、L、およびVのすべてを含み、他のアミノ酸を含まないペプチドからなる、請求項1に記載のペプチド混合物。
  10. 少なくとも1つの位置で、混合物の大部分が、H、R、およびKのすべてを含み、他のアミノ酸を含まないペプチドからなる、請求項1に記載のペプチド混合物。
  11. 少なくとも1つの位置で、混合物の大部分が、K、H、R、およびVのすべてを含み、他のアミノ酸を含まないペプチドからなる、請求項1に記載のペプチド混合物。
  12. 長さが8〜20アミノ酸の範囲内である複数のペプチドを含む複合ペプチド混合物であって、
    前記混合物が、ペプチド鎖の定められた位置である程度の多様性を有する複数のペプチドを含み、
    少なくとも混合物の大部分において、ペプチド中のアミノ酸が、以下の特定のアミノ酸すべてを含み、他のアミノ酸を含まない複合ペプチド混合物。
    少なくとも4つの位置で、A、E、K、およびY;
    少なくとも1つの位置で、I、L、およびV;
    少なくとも1つの位置で、H、R、およびK;ならびに
    少なくとも1つの位置で、P、およびI。
  13. 位置P1がN末端残基である、請求項12に記載のペプチド混合物。
  14. N末端残基がアセチル化されている、請求項12に記載のペプチド混合物。
  15. A、E、K、およびYが、位置P1、P2、P3、P4、P6、および(存在する場合は)P9の少なくとも4つの位置で存在する、請求項12に記載のペプチド混合物。
  16. 前記ペプチドの長さが少なくとも10アミノ酸であり、
    A、E、K、およびYが、位置P1、P2、P3、P4、P6、およびP9のすべての位置に存在する、請求項12に記載のペプチド混合物。
  17. 前記の少なくとも4つの位置のアミノ酸A、E、K、およびYが、次のモル比:約6:約2:約5:約1で存在する、請求項12、15、または16のいずれか一項に記載のペプチド混合物。
  18. 少なくとも混合物の大部分において、ペプチド中のアミノ酸が、少なくとも1つの位置で、次の特定のアミノ酸:K、H、R、およびVのすべてを含み、他のアミノ酸を含まない、請求項12に記載のペプチド混合物。
  19. 少なくとも混合物の大部分において、ペプチドのカルボキシル末端のアミノ酸がPとIの両方を含み、他のアミノ酸を含まない、請求項12に記載のペプチド混合物。
  20. 混合物中の大部分のペプチドが、少なくとも1つの位置で、同じアミノ酸を有する、請求項12に記載のペプチド混合物。
  21. 混合物中の実質的にすべてのペプチドが、少なくとも1つの位置で、選択された2つのアミノ酸のうちの何れか一方を有する、請求項12に記載のペプチド混合物。
  22. N末端アミノ酸がアセチル化されている、請求項12〜21のいずれか一項に記載のペプチド混合物。
  23. 脊椎動物に複合ペプチド混合物を投与することにより疾患を治療するための薬剤の調製における複合ペプチド混合物の使用であって、
    前記混合物が、ペプチド鎖の少なくとも4つの定められた位置それぞれで、程度が制約された多様性を有する複数のペプチドを含み、
    少なくとも1つの定められた位置での制約された多様性の程度が、少なくとも1つの他の定められた位置での制約された多様性の程度と異なっている使用。
  24. 前記混合物中のペプチドの長さが約8〜約20アミノ酸であり、
    N末端のペプチドがアセチル化されている、請求項23に記載の使用。
  25. 少なくとも混合物の大部分において、ペプチド中のアミノ酸が、以下の特定のアミノ酸すべてを含み、他のアミノ酸を含まない、請求項23に記載の使用。
    少なくとも4つの位置で、A、E、K、およびY;
    少なくとも1つの位置で、I、L、およびV;
    少なくとも1つの位置で、H、R、およびK。
  26. 少なくとも混合物の大部分において、ペプチド中のアミノ酸が、以下の特定のアミノ酸すべてを含み、他のアミノ酸を含まない、請求項25に記載の使用。
    少なくとも1つの位置で、K、H、R、およびV。
  27. 少なくとも混合物の大部分において、ペプチドのカルボキシル末端のアミノ酸がPとIの両方を含み、他のアミノ酸を含まない、請求項25に記載の使用。
  28. 前記の少なくとも4つの位置のアミノ酸A、E、K、およびYが、次のモル比:約6:約2:約5:約1で存在する、請求項25に記載の使用。
  29. 混合物中の大部分のペプチドが、少なくとも1つの位置で、同じアミノ酸を有する、請求項25に記載の使用。
  30. 混合物中の実質的にすべてのペプチドが、少なくとも1つの位置で、同じアミノ酸を有する、請求項25に記載の使用。
  31. 前記疾患が、多発性硬化症および実験的自己免疫性脳脊髄炎からなる群から選択される、請求項25に記載の使用。
  32. 免疫細胞に複合ペプチド混合物を投与することにより前記細胞を刺激するための薬剤の調製における複合ペプチド混合物の使用であって、
    前記混合物が、ペプチド鎖の少なくとも4つの定められた位置それぞれで、程度が制約された多様性を有する複数のペプチドを含み、
    少なくとも1つの定められた位置での多様性の程度が、少なくとも1つの他の定められた位置での多様性の程度と異なっている使用。
  33. 程度が制約された多様性が、前記の定められた位置それぞれでの考えられるアミノ酸を、10個未満のアミノ酸を含む、定められたアミノ酸リストに限定することによって作られる、請求項32に記載の使用。
  34. 前記免疫細胞の刺激がin vivoで起こる、請求項32に記載の使用。
  35. 前記投与ステップが、静脈内送達、筋肉内送達、胃腸管を介する送達、および経皮送達からなる群から選択される、請求項32に記載の使用。
  36. 個体に複合ペプチド混合物を投与することにより抗原に対する免疫反応を抑制するための薬剤の調製における複合ペプチド混合物の使用であって、
    前記複合ペプチド混合物が、ペプチド鎖の少なくとも10個の定められた位置それぞれで、程度が制約された多様性を有する複数のペプチドを含み、
    少なくとも1つまたは2つの定められた位置での多様性の程度が、少なくとも1つまたは2つの他の定められた位置での多様性の程度と異なっている使用。
  37. 前記免疫反応が自己免疫反応である、請求項36に記載の使用。
  38. 前記抗原がミエリンに由来する、請求項37に記載の使用。
  39. 前記ペプチド複合混合物が、特定のアミノ酸を有する少なくとも1つの位置および2〜6個の考えられるアミノ酸を有する少なくとも1つの位置を含む、定められた長さおよび式のペプチドを含む、請求項36に記載の使用。
  40. 前記ペプチド複合混合物が、より高度な多様性を有する複合混合物の多様性が低いサブセットである、請求項36に記載の使用。
  41. 前記のより高度な多様性を有する複合混合物が、その式が表1に列挙された式からなる群から選択される混合物である、請求項36に記載の使用。
  42. 前記ペプチド複合混合物の活性が、増殖アッセイ、サイトカインアッセイおよび51Cr放出アッセイからなる群から選択されるアッセイによって評価される、請求項36に記載の使用。
  43. 前記のミエリンタンパク質に対する自己免疫反応の抑制が、MHC阻害、TCR拮抗作用、耐性誘導、免疫偏移/バイスタンダー抑制、および中枢神経系内で発現するタンパク質に由来する抗原との交差反応性からなる群から選択されるメカニズムによる、請求項38に記載の使用。
  44. 前記ミエリン抗原が、ミエリン塩基性タンパク質、プロテオリピドタンパク質、およびミエリン乏突起膠細胞糖タンパク質からなる群から選択されるタンパク質に由来する、請求項38に記載の使用。
  45. 前記抗原が、中枢神経系中に見られる細胞によって発現されるタンパク質に由来する、請求項36に記載の使用。
  46. 免疫系細胞に複合ペプチド混合物を投与することにより前記免疫系細胞から抗炎症反応を誘導するための薬剤の調製における複合ペプチド混合物の使用であって、
    前記複合ペプチド混合物が、ペプチド鎖の少なくとも10個の定められた位置それぞれで、程度が制約された多様性を有する複数のペプチドを含み、
    少なくとも1つまたは2つの定められた位置での制約された多様性の程度が、少なくとも他の定められた位置での多様性の程度と異なっている使用。
  47. 前記抗炎症反応が、Th2/Th3細胞活性の上方制御、およびTh1細胞活性の下方制御からなる群から選択される免疫細胞活性の変化を含む、請求項46に記載の使用。
  48. 前記抗炎症反応が、細胞によるサイトカインの放出の増大を含み、
    前記サイトカインが、IL−4、IL−5、IL−10、TGF−βおよびIL−13からなる群から選択される、請求項46に記載の使用。
  49. 前記の抗炎症反応の誘導がin vivoで起こる、請求項46に記載の使用。
  50. 前記投与が、静脈内送達、筋肉内送達、胃腸管を介する送達、および経皮送達からなる群から選択される方法によって行われる、請求項49に記載の使用。
  51. ミエリン抗原、共重合体または活性の混合物に対して反応性であるT細胞の受容体に対して高親和性の定められた式のペプチドリガンドを作製する方法であって、
    表1に列挙された式からなる群から選択される式の複合ペプチド混合物のデコンボリューションを含む方法。
  52. 複合ペプチド混合物であって、
    前記混合物が、長さが4〜100アミノ酸残基である複数のペプチドを含み、
    前記混合物が、ペプチド鎖の少なくとも10個の定められた位置それぞれで、程度が制約された多様性を有し、
    少なくとも1つの定められた位置での多様性の程度が、少なくとも1つの他の定められた位置での多様性の程度と異なっている複合ペプチド混合物。
  53. 程度が制約された多様性が、前記の定められた位置それぞれでの考えられるアミノ酸を、10個未満のアミノ酸を含む、考えられるアミノ酸リストに限定することによって作られる、請求項52に記載の複合ペプチド混合物。
  54. 前記の定められた位置のうち少なくとも2つについての考えられるアミノ酸のリストが、1、2、または3個のアミノ酸のみを含む、請求項53に記載の複合ペプチド混合物。
  55. 混合物中の大部分のペプチドの長さが約4〜約30アミノ酸残基である、請求項52に記載の複合ペプチド混合物。
  56. 混合物中の大部分のペプチドは、長さが4アミノ酸残基以下しか違わない、請求項52に記載の複合ペプチド混合物。
  57. 混合物中の大部分のペプチドがアセチル化されている、請求項52に記載の複合混合物。
  58. 混合物中の1つのペプチドの少なくとも1つの位置が、D−アミノ酸によって占められている、請求項52に記載の複合混合物。
  59. ペプチド、ペプチド模倣物質、またはペプチドおよびペプチド模倣物質の複合混合物の生物学的特性を高める方法であって、
    少なくとも1つの位置で前記複合混合物から多様性の程度が低下している、複雑性が低い一組の複合混合物を準備することと、
    前記の複雑性が低い複合混合物それぞれ、および前記複合混合物をアッセイにおいて試験することと、
    前記アッセイにおいて、前記複合混合物よりも高いまたは低い活性を有する、複雑性が低い複合混合物を同定することと、
    前記複合ペプチド混合物の式中に、前記アッセイにおいて前記複合混合物よりも高いまたは低い活性を有する前記の複雑性が低い複合混合物の少なくとも1つの複雑性が低下する特徴を組み込むことによって前記複合混合物の生物学的特性を高めることと
    を含む方法。
  60. 前記生物学的特性が、免疫系の活性を刺激する能力、および免疫系の活性を抑制する能力からなる群から選択される、請求項59に記載の方法。
  61. 前記の免疫系の活性が、免疫系細胞のクローン性増殖、免疫系細胞の分化、免疫系細胞の活性化、免疫系細胞のアネルギー状態の形成、免疫記憶細胞集団の形成、および免疫系細胞からのサイトカインの分泌からなる群から選択される、請求項60に記載の方法。
  62. 前記の複雑性が低い複合混合物が、混合物の式における1つ以上の位置の残基またはアミノ酸の同一性が1つの官能基またはアミノ酸に限定される混合物を含む、請求項59に記載の方法。
  63. 前記の複雑性が低い複合混合物が、混合物の式における1つ以上の位置の残基またはアミノ酸の同一性が、前記のペプチド、ペプチド模倣物質、またはペプチドおよびペプチド模倣物質の複合混合物のその位置の式よりも多様性の低い式に限定される混合物を含む、請求項59に記載の方法。
  64. 前記アッセイが、免疫細胞集団によるペプチド、ペプチド模倣物質、またはペプチドおよびペプチド模倣物質の認識のin vitroアッセイ、および生物に及ぼす混合物投与の影響のアッセイからなる群から選択される、請求項59に記載の方法。
  65. 前記の生物に及ぼす混合物投与の影響のアッセイが、EAEマウスモデルでの疾患進行のアッセイである、請求項64に記載の方法。
  66. 前記のペプチド、ペプチド模倣物質、またはペプチドおよびペプチド模倣物質の複合混合物の生物学的活性を高めることが、化合物の式における1つの位置のアミノ酸または残基の同一性をただ1つのアミノ酸または官能基に限定することを含む、請求項59に記載の方法。
  67. 長さが8〜20アミノ酸の範囲内である複数のペプチドを含む複合ペプチド混合物であって、
    前記混合物が、ペプチド鎖の定められた位置である程度の多様性を有する複数のペプチドを含み、
    少なくとも混合物の大部分において、ペプチド中の10個の連続したアミノ酸の同一性は、次の式:
    FW−EF−EK−AEK−AKY−ANY−ANY−AINV−ASV−Y;または
    EFWY−EFIVWY−EFKQ−AEKQ−AKQY−ANQY−AGNSY−AGINSV−AIQSV−IKRSVY
    によって定められる複合ペプチド混合物。
  68. 9個の連続したアミノ酸残基の位置P1が、N末端のペプチドである、請求項67に記載のペプチド混合物。
  69. N末端アミノ酸がアセチル化されている、請求項67に記載のペプチド混合物。
  70. 混合物中の大部分のペプチドが、少なくとも1つの位置で、同じアミノ酸を有する、請求項12に記載のペプチド混合物。
  71. 混合物中の実質的にすべてのペプチドが、少なくとも1つの位置で、同じアミノ酸を有する、請求項12に記載のペプチド混合物。
  72. 長さが8〜20アミノ酸の範囲内である複数のペプチドを含む複合ペプチド混合物であって、
    前記混合物が、ペプチド鎖の定められた位置である程度の多様性を有する複数のペプチドを含み、
    少なくとも1つの定められた位置での多様性の程度が、少なくとも1つの他の定められた位置での多様性の程度と異なっており、
    混合物の大部分において、ペプチドが、少なくとも1つ、且つ5つ以下の位置でA、E、K、およびYのすべてを含み、他のアミノ酸を含まない複合ペプチド混合物。
  73. 少なくとも1つの位置で、混合物中の大部分のペプチドが1つまたは2つのアミノ酸をそれぞれ含み、他のアミノ酸を含まない、請求項72に記載のペプチド混合物。
  74. 混合物中の少なくとも75%のペプチドにおいて、前記の少なくとも1つ、且つ5つ以下の位置のアミノ酸が、A、E、K、およびYのすべてを含み、他のアミノ酸を含まない、請求項72に記載のペプチド混合物。
  75. 混合物中の少なくとも90%のペプチドにおいて、前記の少なくとも1つ、且つ5つ以下の位置のアミノ酸が、A、E、K、およびYのすべてを含み、他のアミノ酸を含まない、請求項72に記載のペプチド混合物。
  76. 混合物中の少なくとも95%のペプチドにおいて、前記の少なくとも1つ、且つ5つ以下の位置のアミノ酸が、A、E、K、およびYのすべてを含み、他のアミノ酸を含まない、請求項72に記載のペプチド混合物。
  77. 混合物中の実質的にすべてのペプチドにおいて、前記の少なくとも1つ、且つ5つ以下の位置のアミノ酸が、A、E、K、およびYのすべてを含み、他のアミノ酸を含まない、請求項72に記載のペプチド混合物。
  78. 混合物中の大部分のペプチドが、N末端アミノ酸でアセチル化されている、請求項72に記載のペプチド混合物。
  79. 前記の少なくとも1つ、且つ5つ以下の位置のアミノ酸A、E、K、およびYが、次のモル比:約6:約2:約5:約1で存在する、請求項72に記載のペプチド混合物。
  80. 少なくとも1つの位置で、混合物の大部分が、I、L、およびVのすべてを含み、他のアミノ酸を含まないペプチドからなる、請求項72に記載のペプチド混合物。
  81. 少なくとも1つの位置で、混合物の大部分が、H、R、およびKのすべてを含み、他のアミノ酸を含まないペプチドからなる、請求項72に記載のペプチド混合物。
  82. 少なくとも1つの位置で、混合物の大部分が、K、H、R、およびVのすべてを含み、他のアミノ酸を含まないペプチドからなる、請求項72に記載のペプチド混合物。
  83. 前記生物学的特性が、疾患のin vivoモデルにおいて測定される応答である、請求項59に記載の方法。
  84. 前記in vivoモデルが、不安、抑うつ、肥満、認知、神経障害、運動障害、または疼痛のモデルを含む群から選択される、請求項83に記載の方法。
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