JP2017141291A - ペプチドにおける3個以上のアミノ酸残基の任意に設計されたエピトープを認識する抗体およびその生成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】任意配列のエピトープ(特に、インビトロで抗体を誘導することが非常に困難なエピトープ)に対する抗体を生成するためのペプチドワクチン設計または免疫原設計の方法の提供。【解決手段】抗体を生成するための免疫原を設計する方法であって、短ペプチドのライブラリを構築するステップを含み、各ペプチドが複数の固定アミノ酸残基および複数の無作為化されたアミノ酸残基を含み、前記固定アミノ酸残基が、生成される抗体の特異性を決定し、一方、前記無作為化されたアミノ酸残基が、生成される抗体の特異性を決定しない、方法。【選択図】図9

Description

関連出願とのクロスリファレンス
本願は、2011年9月17日に出願された米国仮特許出願第61/535,988号の優先権を主張するものであり、その内容全体を参照により援用する。
(技術分野)
本発明は、応用免疫技術の分野に関する。より詳細には、任意配列のエピトープ(特に、インビトロで抗体を誘導することが非常に困難なエピトープ)に対する抗体を生成するためのペプチドワクチン設計または免疫原設計に関する。
ペプチドに基づく医薬品の送達における最近の進歩により、ペプチドに基づくワクチンの使用への新たな関心が引き起こされている。合成ペプチドは他の形態の不活化または弱毒化微生物に基づくワクチンに比していくつかの利点があり、これには、生成が容易であること、安全性が高いこと、および通常、不活化または弱毒化微生物に関連する有害な免疫反応が低いか全くないことが含まれる。ペプチド免疫原は公知のエピトープ特異性を有する抗体を誘導するために広く使用されている。よって、結果として得られる抗体のエピトープ特異性は免疫学的に優性な残基によって、かつ場合によってはフランキング配列(隣接配列)によっても決定される。しかしながら、免疫優性配列に対するこれらの抗体は治療的意義を欠くことが多く、なぜなら、それらの免疫優性エピトープは、HIV、C型肝炎ウイルス(HCV)といった非常に変わりやすいウイルスに対処する場合に突然変異する確率が高いからである。
ヒト免疫不全ウイルス1型(HIV−1)感染の場合において、主な抗体反応は、ウイルスが突然変異してなお複製能力を保持するときにこのウイルスが「おとり」として使用する可変のgp120領域に向けられる。この保存要素はあまり免疫優性ではなく、かつ強い抗体反応を誘導しない。しかしながら、これらの保存要素に対する抗体反応はウイルスを包含するのに重要であるということをエビデンスが示している。以前の研究は、HIV−1の実験室のT細胞株適応(TCLA)株の主な中和決定基(PND)としてエンベロープgp120の第3可変(V3)ループを特徴付けた。しかしながら、そのアミノ酸配列は非常に変わりやすく、それにより中和抗体に耐性を示す突然変異体が容易に生じ、よってワクチン戦略としてこの領域をターゲットとする可能性を制限するものであった。PNDの先端における4つの残基のうち、最も先端にある3つのアミノ酸残基であるグリシン、プロリン、およびグリシン(GPG)のみが高度に保存され、一方、4番目の残基は変わりやすい。2000個以上のHIV−1エンベロープ配列の比較は、それらのV3配列の95%以上がGPGモチーフを含有し、一方、4番目の残基が変わりやすく、配列の34%でR、54%でQ、および4%でKであることを示した。機能的研究はPNDがウイルス親和性の主な決定基であることを実証し、モチーフ内の単一アミノ酸置換がSupT1およびCEM細胞におけるウイルス感染力を無効にすることができることを実証し、この特定の配列の保存がウイルス親和性にとって重要であることを示唆している。自然に感染した患者の血清学的研究は、4個全ての残基に対して特異的な抗体のみを現在のところ特定しており、様々な報告された免疫研究がPNDにおけるGPG配列に対して特異的な抗体を誘導する能力を示してはおらず、これはそれらの研究において使用された免疫原(ウイルス様粒子(VLP)、組み換え型gp120およびペプチド等)に関わらず、あるいは、取られた異なる免疫戦略(カクテルペプチド、キメラウイルスライブラリーヒトライノウイルス(HRV)、およびV3ペプチドによる連続免疫等)に関わらない。GPG自体に特異的な抗体に関する報告はない。よって、HIVの場合のGPGといった重度に保存された配列がこのウイルスに対して戦うための鍵を有するという事実と、更には突然変異についての懸念が少ないGPGモチーフ自体をターゲットとする抗体を生成するための免疫原を設計することは困難であることがこれまで証明されているという事実は、GPGモチーフといったあまり免疫優性ではないが治療的に意義のあるエピトープ配列に対して抗体を生成するためのワクチンを作る新規な方法の必要性を実証した。
従って、本発明の目的は、例えばHIV感染といったウイルス感染に対して治療的に意義のある抗体を誘導することができるペプチドワクチンのための免疫原設計の新規な方法を提供することである。
本発明の別の目的はウイルス感染を患う患者において治療効果のある抗体の生成を誘導することができるペプチドワクチンを提供することである。
本発明の更なる目的は、標的(ターゲット)中の3個のアミノ酸残基のみに依存する結合特異性を有する抗体を提供することである。この3個の残基は連続しているか、他の残基が間に置かれていてもよい。本発明の特定の実施形態として、エンベロープgp120の第3可変(V3)ループのGPG配列に対して特異的な抗体を提供することである。
本発明のこれらのおよび他の目的はモチーフ免疫原の使用により実現されている。このモチーフ免疫原は、いくつかの固定アミノ酸残基およびいくつかの無作為化された残基を含む短ペプチドの集団またはライブラリである。この固定残基は、対応する位置にて全ライブラリに亘って実質的に全ての種類のペプチドによって共有されるものであり、一方、無作為化された残基は無作為にあらゆるアミノ酸残基であり得る。この固定残基はその配列において連続していてもよく、あるいは一または複数の無作為化された残基が間に配置されていてもよい。固定残基の配列は、目的とするエピトープ(これに対する特異抗体を作ることを望むもの)に従って予め決定される。好ましくは、このモチーフ免疫原は、両側に無作為化された残基のセグメントが隣接する固定残基のセグメントを含む(図1)。免疫原の好ましい長さの一つは15個の残基であるが、他の長さ(例えば10〜50個の範囲)も満足のいく結果を与える。それにも関わらず本発明は特定の長さのモチーフ免疫原に限定されない。モチーフ免疫原の合成は、商業的に行われ得る当該技術分野において利用可能な従来の方法によって行うことができ、よって本発明の一部を構成しない。
任意の特定の理論に束縛されるのを望むものではないが、本発明者等は、目的とするエピトープモチーフを構成する残基以外の残基を無作為化することによって、それは、モチーフ残基に免疫優性の競合における顕著な利点を与えると考えており、なぜなら、抗原の集団の全体またはほとんどはこのモチーフにおいて同一の残基を共有し、他の可能性のある競合エピトープ残基は配列無作為化による希釈化により端に追いやられるからである。このように、指定されたエピトープモチーフと競合し得るペプチド抗原における他のエピトープは存在せず、これは後者がより弱い抗原性を有していてもである。従って、本発明のモチーフ免疫戦略により、あらゆる種類のアミノ酸配列によって構成されるあらゆるエピトープに対して抗体を誘導することが可能であり、なぜなら、このモチーフ免疫は免疫システムを指定された標的エピトープに集中させることができ、人間にも、正常な動物血清中にも存在しない治療的に意味のある抗体さえも誘導することができる。強調すべきことは、当業者には容易に理解されるように、フランキング配列(隣接配列)の無作為化の程度はユーザの特定の状況に従って調整され得ることである。あらゆる利用可能な天然または人工のアミノ酸による無作為化が好ましく思われ、これは無作為化の少ない所定の状況においても満足のいく結果を提供する。例えば、本願において開示された特定の実施形態は20個の天然に生じるアミノ酸によって実現される。20個未満のアミノ酸を伴うか、人工のものを加えると、本発明は目的とする効果もなし得ると想像できる。(この効果とは)すなわち、目的とするエピトープの抗原性を高めつつ、他の競合するエピトープの免疫優性を最小限にすることである。例えば、1個の残基が20個の利用可能な候補で無作為化される場合、このライブラリは20個の異なる種類を有し、2個のかかる無作為化された残基では、この結果は400個となる。そして、3個の残基無作為化では、この異なる種類は8000個になる。残基が10個の候補で無作為化される場合、このライブラリにおける種類の数は、それぞれ10個、100個および1000個になる。所定の特定の条件下では、ペプチドを設計して合成する場合に特定のアミノ酸の比率を変化させて、無作為化された配列の組成および免疫特性を調整し、異なる免疫反応または抗体特異性を獲得することは当業者の能力の範囲内である。一または複数の一定のアミノ酸を結合し、グリカン特異抗体若しくはグリカン−ペプチド立体配座に対して特異的な抗体の誘導のためにグリコ−ペプチドを生成し、あるいは、ユニークな特異性を有する抗体の誘導のために硫酸化等の他の手段によってアミノ酸を修飾することも当業者の能力の範囲内である。加えて、非従来的なアミノ酸をペプチドの無作為化された領域内に導入することによって、ペプチドの安定性を著しく高めることができ、よってその治療的活性または抗体誘導活性を高める。同様に、固定残基は無水である必要もない。ライブラリ全体を固定位置にて同一のアミノ酸残基を共有させることが好ましい一方、ライブラリ中の特定の割合の種類が所定の位置にて同一のアミノ酸残基を共有する場合、指定されたモチーフ残基に目的とする効果を達成するのに十分な利点を与えるのに十分であろうと理解される。つまり、本発明は、それぞれ無作為化された残基および固定残基の無作為化の程度によってもまた固定の程度によっても限定されるものではない。どちらも、本発明の精神に基づき所定の状況に従って予め決定されるか調整され、すなわち、いくつかの残基に無作為化の程度をいくらか与え、他の残基にいくらかの固定の程度を与え、免疫優性(または抗原性)に関して利点を後者に与える。
本発明の特定の実施形態として、どのフランキング配列にも影響を受けないGPG自体のみに依存する特異性を有する抗体(これは全ての公知の調査レポートにおいて作られなかった種類の抗体である)を哺乳類において生成することを誘発することができる、目的とするエピトープモチーフとしてGPGモチーフを有するペプチドワクチンが提供される。この特定のペプチドワクチンは、図9に示されるように設計パターンXXXXX XGPGX XXXXCに従う15−merペプチド抗原ライブラリである。このペプチドワクチン(本発明においてV3M01と呼ばれる)は従来の合成手段によって生成された。Balb/cマウスがペプチドワクチンで免疫性が与えられた後、この結果はマウスにおいてGPGモチーフに対する高い力価血清抗体を示した。ハイブリドーマが生成され、いくつかの単クローン性抗体が単離された。この抗体の免疫学的特徴付けはMab(単クローン性抗体)がGPGを特異的に認識したことを示し、偽ウイルスアッセイにおいてGPG配列を担持する遺伝学的に多様なHIV−1分離株を中和することができることを示した。よって、本発明の新規なペプチドワクチンは、V3ループ(弱い免疫原性を有する高度に保存されたモチーフ)においてGPGの配列を含むHIVの様々な偽ウイルスを広く阻害する抗血清を誘導する能力を実証した。しかしながら、この特定の実施形態とは別に、本発明は、低い抗原性のエピトープモチーフに対して特異的な治療的に意味のある抗体反応を誘導することができる他のモチーフペプチドワクチンを設計するために容易に適用可能であり、さもなければ当該技術分野における既存の方法を用いて治療的に意味のある抗体反応を誘導することができない、ということは当業者に理解できるはずである。
本発明は、(a)前記ペプチドワクチンを製造し、(b)ウイルス感染を患うヒト患者に前記ペプチドワクチンの治療的に有効な量を投与するステップを含む治療方法も提供する。
本発明は、3個のアミノ酸残基のみに依存するエピトープ結合特異性を有する抗体であって、指定された3個のアミノ酸残基に隣接するかこれを間に置く別のアミノ酸残基によって実質的に影響を受けないものを更に提供する。特定のかかる抗体は、HIVウイルスと戦うのに有益な指定されたアミノ酸残基としてGPGを有する。
本発明を特徴付ける新規性のある様々な特徴は、本開示に添付されかつ本開示の一部を構成する特許請求の範囲において詳細に記載される。本発明、その操作上の利点、およびその使用により得られる具体的な対象のよりよい理解のために、好ましい本発明の実施形態が例示され、記載されている図面および以下の詳細な説明を参照されたい。
図1は、本発明によるモチーフ抗原V3M01による5回目の免疫の後のマウス抗血清の特徴付けである。Aは、抗血清の力価のElisa試験であり、ここで、M01−M06がマウスを特定し、およびブランク−血清(BLANK−serum)はV3M01により免疫を与えられていないマウス血清を指す。X軸は血清希釈が1000倍であることを示し、よって1の値は血清が1000倍に希釈されたことを意味する。Bは、マウス抗血清と異なるサブタイプHIVのgp120タンパク質との結合(#は、gp120との結合のOD405nmが、ウシ血清アルブミンという対照タンパク質との結合よりも統計的に有意に高いことを示すことを意味する)である。
図2は、図1と類似する特徴付けを示すが、マウス対応物の代わりに、V3M01による5回目の免疫の後のウサギ抗血清に関するものであり、Rはウサギを意味し、01−03は3匹のウサギのそれぞれの通し番号である(抗原として免疫原を使用する)。
図3は、モチーフペプチド(A、BおよびCは、それぞれ3匹の個々のウサギを表す)およびgp120タンパク質(D、EおよびFは、それぞれ3匹の個々のウサギを表す)との相互作用に関するV3M01による5回目の免疫の後のウサギ抗血清の特徴付けである。
図4は、モチーフペプチド(A)、HIVペプチド(B)、HIVタンパク質(C,D)との相互作用に関するNJU009の特徴付けである。Dは100ug/ml NIU009の濃度における棒グラフである。
図5は、様々な偽ウイルスに対するNJU009の阻害効果の特徴付けである。
図6は、本発明によるHIV−1のV配列を発現するV2M01による5回目の免疫の後のウサギ抗血清(A)およびプロテインG精製されたポリ抗体(B)の特徴付けを示す。
図7は、3匹のウサギR182、R183およびR186(それぞれA、BおよびC)からV2M01によって誘導されたポリ抗体のgp120との相互作用を示す。
図8は、本発明によるモチーフ抗原による5回目の免疫の後のウサギ抗血清および精製されたポリ抗体の特徴付けであり、Gp41M01(A)による抗血清の力価のElisa試験、Gp41M01(B)によるプロテインGによって精製されたポリ抗体の力価のElisa試験およびgp41(C)のT20によるプロテインGによって精製されたポリ抗体の力価のElisa試験を示す。
図9は、本発明の例示的な実施形態において使用されたペプチドワクチン設計としてアミノ酸配列パターンを示す。Xは、無作為化されたアミノ酸残基および他の文字はアミノ酸の一文字コードである。
図10は、envクローンと、偽型ウイルスとの関連でのbnmAbに対するそれらの中和感受性とに関する情報であり、ここで、抗体の濃度は、プロテインGによって精製された腹水の抗血清の全抗体である。Nab濃度または力価は、精製された抗体濃度の逆数または標的細胞感染の50%阻害を生じさせる血漿の希釈として報告される。陰性対照はMuLv感染の阻害である。NDは、血清が不十分であるために決定されないということである。
図11は、本発明により設計された3つの異なるペプチドライブラリHAM01,EM01およびOVAM01(HAM01はいくつかのインフルエンザウイルスにおける保存配列を表し、EM01はHCVにおける保存配列を表す)によって誘導される抗血清の力価を示す。
図12は、設計パターンFYXXDに従う例示的なペプチドワクチンV2M01の抗体反応を示し、ここで、固定残基FYDがXXによって示されたいくつかの無作為化された残基により挿入されている。
図13は、設計パターンLDXWに従う別の例示的なペプチドワクチンGp41M01の抗体反応を示し、ここで、固定残基LDWがXで示される無作為化された残基により挿入されている。
免疫原の構築
本発明の特定の実施例として設計された免疫原モチーフペプチドライブラリ(または新規なペプチドワクチン)の配列が図1に示されており、ここで、Xは、システイン以外の任意のアミノ酸であり得る無作為化されたアミノ酸残基を表す。モチーフペプチドライブラリはGL Biochem(中国Shanghai.LTD.)において商業的に合成された。C末端のCys(下線)がコンジュゲーション目的で加えられた。各ペプチドは担体タンパク質キーホールリンペットヘモシニアン(米国Sigmaから得られたKLH)に化学的に結合され、V3M01もELISAにおける試験抗原としてウシ血清アルブミン(米国Sigmaから得られたBSA)にコンジュゲートされた。
マウスおよびウサギの免疫
マウス(n=6)が皮下的に免疫を与えられた:最終体積200ulにてPBS中の100ulワクチンペプチド(コンジュゲートとともに1mg/ml)および100ulの完全なフロイントのアジュバント(CFA,比率1:1)(米国Sigmaから購入された)。追加免疫(ブースター)が2、5および8週目にマウス(Sigmaから購入された)1匹当たり50ulの不完全フロイントのアジュバント(IFA)とともにPBS中の(コンジュゲート中)50ulの1mg/mlワクチンペプチドで与えられた。そして抗血清は検出のために分離された。ウサギの各グループ(n=3)は同様の手続により免疫を与えられ、それぞれ、0週目は1回目の免疫で(コンジュゲート中)500ulのCPAを伴う500ulの1mg/mlワクチンペプチドにより、そして2、5、8および11週目はそれに続くブーティング(booting)免疫でそれぞれ500ulのIFAを伴う(コンジュゲート中)500ulの1mg/mlワクチンペプチドによるものであった。免疫サンプル用に、各ワクチン接種事象の1週間後に各動物から血液が採取された(すなわなち1,3,6,9および12週目)。抗体は更にプロテインG親和性クロマトグラフィーを介してマウスおよびウサギ抗血清サンプルから精製された。
mAbの生成
エピトープ特異的mAbs(単クローン性抗体)は標準的ハイブリドーマ技術により調製された。具体的にはBalb/cマウスの脾臓細胞がマウス骨髄腫細胞(SP2/0)と融合された。抗体が親和性クロマトグラフィーによってBalb/cマウスの腹水から精製された。単クローン性抗体のアイソタイプはマウス単クローン抗体アイソタイピング試薬(米国Sigmaの077K4825)で試験された。
ELISAアッセイにおけるペプチド特異抗体の検出
上記で得られたマウスおよびウサギ抗血清サンプルにおけるペプチド特異抗体は酵素免疫検定法(ELISAアッセイ)において試験された。組み換え型gp120がImmunoDiagnostics,Inc.(米国マサチューセッツ州のWoburn)またはNIH AIDS Reagent Program (米国メリーランド州のBethesda)から購入され、HIVのBおよびB’サブタイプのペプチドはGL Biochem(中国のShanghai,LTD,)において商業的に合成された。96ウェルのポリ塩化ビニルプレート(米国ニューヨーク州のComing)は、pH9.6の50mM重炭酸塩緩衝液において希釈されたペプチドまたは100ulの8ug/mlgp120で被覆され、4℃で16時間インキュベートされた。結合されていないペプチドまたはタンパク質は0.05%のTween−20を含有するpH7.4のPBS(洗浄バッファー)により繰り返し洗浄することにより除去された。非特異部位が洗浄バッファー中に溶解された200ulの5%の脱脂乳で37℃で60分間ブロックされた。洗浄バッファーにおける異なる希釈の100ulのマウス抗血清、腹水またはウサギ抗血清または抗体が加えられ、60分間、37℃でインキュベートされた。結合されていないペプチドが繰り返し洗浄されることによって除去された。結合抗体が、1:2000で希釈されたAPコンジュゲートヤギ抗ウサギまたはヤギ抗マウスストレプトアビジン(米国Pierce)で検出され、405nmで測定された。
完全な長さのエンベロープ遺伝子のクローン化および偽型ウイルスの生成
完全な長さのエンベロープ遺伝子は、患者の培養されていない末梢血単核細胞から抽出されたプロウイルスDNAから直接PCRによって増幅された。PCRは、最初の変性が94℃で2分間、次に94℃で15秒間、55℃で30秒間、68℃で4分間が35サイクル行われ、次に最後の伸長が68℃で10分間行なわれた。サブタイプ特異的プライマー配列が、地理的変異株の公表された配列に基づいて可能な限り保存されるように設計された。PCR増幅フラグメントはpcDNA3.1発現ベクター(インビトロゲン(Invitrogen))に直接クローン化され、直接配列決定によって検証された。Envを保有する偽型ウイルスは、293細胞へのenv発現プラスミドとバックボーン構築物pNL43R−E−発光酵素(ルシフェラーゼ)との同時遺伝子導入(コトランスフェクション)によって生成された。HIV−1 HXB2、SF162、またはJRFLのエンベロープ糖タンパク質、ならびにアンホトロピックマウス白血病ウイルスのエンベロープ糖タンパク質を発現する対照プラスミドも含まれた。遺伝子導入の48時間後、培養上清が収集され、後の機能分析におけるウイルスの入力を標準化するためにルシフェラーゼ活性について試験された。
偽型ウイルスに対する抗血清およびmAbの中和活性
bnmAb、4E10、447−52D、bl2,(米国のPolymun,LTDから購入した)、プール血漿サンプルおよび精製された抗体の中和活性が共に分析された。全ての血漿サンプルが試験の前に56℃で1時間、熱不活化された。端的に言うと、200TCID50の偽型ウイルスが、37℃で1時間、96ウェルプレートにおいて3連で、連続希釈された抗血清またはプロテインGから精製されたモノ抗体とともにインキュベートされた。そしてHIV−1レセプターCD4ならびにコレセプターCCR5もしくはCXCR4を発現させるために安定的に遺伝子導入(トランスフェクト)された約1×10個のGHOST.CD4/X4/R5細胞が加えられ、培養物が37℃で更に48時間、維持された。中和活性が、対照と比較されたルシフェラーゼ活性の減少によって測定された。ログ10 ID50力価が当該技術分野において使用される標準的なアルゴリズムに基づいて計算された。
V3M01の抗血清の力価
2回目の免疫の後、6匹の動物全てが抗体反応を生じた。図1のAに示されるように、5回目の免疫の後の血清抗体のエンドポイント力価は全ての動物において>10000に達した。抗血清抗体のELISA分析は、6匹全ての動物がHIV−1IIIBおよびHIV−IADAの両方の免疫原および組み換え型gp120に反応する抗体を生じたこと示した(図1B)。それらは、実験室適応HIV−1分離株および初代HIV−1分離株の両方も中和させた。ハイブリドーマがこれらの動物のうちの一匹(No.4)から作製され、6個の単クローン性抗体が単離された。6mAbsの全てがウイルスのパネルに対して様々な程度の広域中和活性を呈した。
モノ抗体NJU009の特徴付け
最も強力なmAbのうちの一つであるNJU009は、11個の初代分離株およびサブタイプB、B’、C、B’C組換え型を示す2つの実験室株(laboratory strain)ならびにいくつかの循環組み換え型(CRF)からなる偽型ウイルスパネルに対するその中和活性について更に特徴付けられた(図5および10)。13個の分離株のうち11個はNJU009によって中和され、ND50はCNE16(B’C)の場合の3.7ug/mlから、CNE58(クレードC)の場合の20.5ug/mlまでの範囲であり、CNE6およびCNE11はNJU009による中和に完全に耐性を示した。CCR5を用いるJR−FL(V3抗体中和に耐性があると知られる分離株)は、27.8ug/mlのND50を有し、CXCR4ウイルスであるHXB2は34ug/mlのND50を有した。NJU009中和に対して感受性のほぼ全ての分離株について、曲線は高度にクラスター化され、中和感受性がGPGエピトープの隣接によって影響を受けなかったことを示唆する。そのPND中にそれぞれGLGおよびGQGを有する、2つの分離株、CNE6およびCNE11(双方ともクレードB’)は、NJU009中和に対して完全に耐性を示した。観察によって、NJU009中和活性はGPG配列によって特異的に媒介されたことが示唆された。CD4および任意のコレセプターとは無関係に細胞に侵入するMuLV envでシュードタイピングされた対照ウイルスは、抗体によって影響を受けなかった。GPGR配列を担持するウイルスに対する最も広い中和活性を有するV3 mAbの一つである447−52Dは、それぞれ0.737ug/mlおよび19ug/mlのND50でHXB2およびJR−FLを強く中和した。447−52Dは更に、CRF07_BCでありかつ試験されたパネル中、最も容易に中和される分離株であるCNE40を0.14ug/mlのND50で強く中和した。しかしながら、447−52Dは、残りの分離株を中和できなかった。CD4結合部位に対して特異的なb12は、0.119ug/ml(HXB2)から23.07ug/ml(CNE5)までの範囲のND50で13個の分離株のうち7個を中和した。gp41のMPERに対して特異的な最も広く中和するmAbの一つである4E10は、13個の分離株のうち13個を中和した。
エピトープマッピング
NJU009の広域中和活性がフランキング配列の代わりにGPGによって実際に媒介されたことを確かめるためと、エピトープ特異性を特徴付けるために、NJU009は、GPGトリプレット配列がAlaによって置き換えられているペプチドに対するその結合活性について更に分析された。ペプチドに対するNJU009結合は、3つアミノ酸残基がAlaと一つずつ置き換えられるか全て同時に置き換えられるときに完全に無効にされた(図2)。このことは、NJU009がGPGに対して特異性が高く、その中和活性がフランキング配列の代わりにモチーフ配列によって特異的に媒介されることを示唆する。この結論は高度にクラスター化された中和曲線に一致する(ウイルスの多様なV3配列の中断)。NJU009による3個のアミノ酸残基全てへの完全な依存は、これら3個のアミノ酸残基がNJU009と直接接触し得ることも示唆する。NJU009は、様々な分離株に由来するV3ペプチド(図4)、並びにHIV−1 ADA、IIIBおよびB’C組み換え型分離株に由来する組み換え型gp120の同等の認識も示した。上記抗原のフランキング配列は異なるため、この観察結果はNJU009反応性がGPG特異的であり、エピトープのその認識がエピトープモチーフに隣接する配列によって最小限にしか影響を受けないことを示唆した。可変領域のIgG遺伝子はRT−PCRによる6個のハイブリドーマクローン全てから増幅された。ヌクレオチドからのアミノ酸の推定配列は、重鎖可変領域のアミノ酸(aa)配列が全てのクローンについて100%同一であり、一方、NJU00l、NJU003およびNJU005の軽鎖可変領域のaa配列が同一であり、NJU007、NJU008およびNJU009が同一であることを示し、NJU00l、003および005が同じ親のハイブリドーマクローンに由来する可能性が高く、NJU007、008および009が別のクローンに由来する可能性が高いことを示唆する。差異の大部分はVL領域のCDR領域およびC末端において集中している。
NJU009および447−52Dは1アミノ酸残基の違いしかないV3ループの先端を認識する。エピトープ特異性を更に調査するために、
競合研究がNJU009と447−52Dとの間で行われた。競合曲線が6.25ug/mlの447−52Dを遷移点とする二相特性を示した(図2)。6.25ug/mlの447−52Dより低い濃度にて、gp120に対するNJU009結合は447−52Dの濃度を用量依存的な形で約85%まで上げることによって競合された。しかしながら、残りの15%のNJU009結合活性は447−52Dの存在に対してはるかに感受性が低く、完全阻害に到達するために15倍以上の447−52Dを必要とした。このデータは、NJU009のエピトープが447−52Dのエピトープと部分的に重複し、約10%のNJU009結合活性が高濃度の447−52Dの存在に比較的非感受性であることを示す。
誘導性および動物特異性
抗GPG抗体が容易に誘導可能か否かを証明するため、および血清抗体濃度を決定するために、ウサギがV3M01で免疫を与えられ、血清が血清抗体力価が横ばいになった後に収集された。その結果は、免疫原が更にウサギにおいて強い抗体反応を誘導し、HIV ADA、IIIBおよびB’C組み換え型分離株に由来する組み換え型gp120に対して同等の結合反応性を有することを示した(図3)。その血清は同様に広域中和活性を呈し、抗体特異性は同様にGPG配列にマッピングされ、かかる抗原に対する抗体の誘導が容易に達成可能であり、動物種が制限されないこと示唆した。
モチーフ免疫法の幅広い適用性
本発明のモチーフ免疫法の抗体の標的誘導の適用性がGPGモチーフに限定されず、他の配列にも適用可能であることを証明するために、いくつかのHIV−1 gp120配列が選択された。それらは抗原エピトープを含むか抗原エピトープの一部であることが知られているが従来の戦略を用いてその特異抗体を誘導することは困難であるものである。例えばV1V2領域は、交差中和活性を媒介するエピトープを含有することが知られているが、これに対してかかる抗体はほとんど誘導に成功しなかった。V2先端部のFYXXDという配列はいくつかの理由により免疫原として選択された:理由(1)HIVに感染したヒトから分離されV2およびV3にマッピングされた、2つの広域中和mAbであるPG9およびPG16は、F176のアラニン置換がそれぞれ5000倍と7000倍以上、IC50を増加させた;理由(2)アスパラギン酸(D)は、末梢T細胞の腸粘膜ホーミングレセプターであるインテグリン47のためのLDL結合配列の一部である。リジン(K)およびロイシン(L)はHIV−1分離株の中では低度に保存されものであるため、高度に保存されるF、YおよびD(それぞれ93%と、91%と、96%の保存率)のみが本発明によるエピトープの構築に含まれた。15−merペプチドライブラリはチロシンとアスパラギン酸との間に2つのAA間隔を伴って合成された。ペプチドで免疫を与えられた3匹のウサギは全て強い抗体反応を生じ、5回目の免疫の後に>80000のエンドポイント力価に到達した(図12,図9)。この血清抗体の特徴付けは血清抗体がgp120ADA、gp120BCおよびgp120IIIBと反応することを証明した。この血清抗体は更にV2組み換え型糖タンパク質に反応した。しかしながら、このV2抗体は感知され得る中和活性を証明しなかった。gp41の膜近位外部領域(MPER)は、2F5および4E10といった広域中和mabによって認識されるいくつかの高度に保存されたエピトープを含有する。両方のmAbが感染した個人から単離され、かかる抗体を誘導するための繰り返しの努力は実らなかった。2F5エピトープELDKWAは3つの高度に保存された残基を含有し、L663、D664およびW666は、それぞれ98、97および99%の使用頻度である。LDXW配列を包含する15−merペプチドはT20を認識する抗体反応を誘導した(図13,図9)。
上記の結果に基づき、ペプチドワクチンを設計するために本発明のこの標的抗体誘導技術を用いることで、非公知の抗原性の配列更には任意配列に対しても抗体を誘導することが可能であると思われる。我々は、それぞれインフルエンザウイルス、HCVおよびOVAに由来する配列を含有する3つのペプチド、HAM01、EM01およびOVAM01を設計した。HAM01は、HAlのレセプター結合サブドメイン内にあるaa199−201に由来するトリプレット残基HHPを含有し、異なるIFVサブタイプおよび異なる種由来のIFVの中で高度に保存されている。EM01は、HCVのE1タンパク質にある高度に保存されたaa316−318に由来するトリプレット残基HRMを含有した。これらのエピトープはいずれも、抗体を詳細に記述するものではないが、S139/1(広域中和mAb)はHHPの上流および下流の両方の残基からなるIFVのHA1サブドメイン内の立体構造エピトープにマッピングされた。OVA01はOVAにおいてaa276−278のERKを含有した。3つのペプチドの全てが免疫原と反応する高力価血清抗体を誘導した(図11)。
本発明の一部ではないが、本発明者等の仮説は、本発明のこのエピトープ設計戦略は選択されたエピトープを免疫システムに対して著しく認識可能にし、配列において側鎖の影響を最小限にするというものである。GPG抗体は、パネルにおけるHIV−1感染個体は誰もGPGペプチドに反応する血清抗体を有しなかったが、いくつかの血清がGPGRまたはGPGQを発現するペプチドと反応し、GPG配列が自然感染の間にホストの免疫システムによって認識されないことを示唆し、あるいはGPGを認識するB細胞クローンがマイナークローンであって、クローン性増殖の間に除外されるようになった、という点でユニークである。機構研究は、免疫優性GPGR(またはGPGQもしくはK)がクローン性増殖の間に非優性GPGに対して優性となり得、後者が最終的に自然感染において除外されるようになることを示した。NMR研究はいくつかのV3 mAbがV3ペプチドと相互作用することを突き止めた。0.5(1種の特異的V3 mab)は16個のアミノ酸残基を通してV3ペプチドに結合し、一方、447−52D(最も広域の交差中和mab)が多重相互作用を通してV3ペプチドと相互作用した。GPGR接触に加えて、0.5は更にペプチド(RP135)の16個の側鎖残基との直接相互作用を有し、親和性および結合剛性の両方に寄与している可能性が高い。NJU009は両方のV3抗体よりもはるかに高い結合柔軟性を有し得、なぜならばそれはV3とのその結合において任意のフランキング配列と相互作用しないからである(これは少なくとも部分的にその広域中和活性の原因となり得る)。
つまり、本発明はペプチドワクチンに関して重要な治療用途であると思われる。更に、検出タグまたは精製タグのいずれかとして任意の配列をポリペプチドまたはタンパク質内に組み込むことができる。
V2M01およびgp41M01の抗血清
図6Aおよび8Aは、V2M01およびgp41M01で免疫を与えられたウサギがモチーフ免疫原に対して特異的な抗血清を生成したことを示す。更に、V2M01の抗血清は、V2M01のモチーフに一致する、配列パターンFYXXDを有する異なるgp120と結合することも示した(図A〜D)。加えて、gp41M01の抗血清は、gp41のT20ペプチドとの高親和性を示し、これは、gp41M01の免疫原と同一である特異的アミノ酸配列、LDXWにより作られた(図8B)。
本発明の新規な基本的特徴をその好ましい実施形態に適用したように記載し提起してきたが、記載した実施形態の形式および詳細において、様々な省略および代替および変更が本発明の精神から逸脱することなく当業者によってなされ得ることが理解されよう。本発明は、上記の実施形態によって限定されるものではなく、上記実施形態は例として挙げられたものであり、添付の特許請求の範囲によって定義される保護範囲内において様々な方法で改変され得る。更に、本発明はこれらの具体例を参照しなくても実施され得ると理解され、なぜなら、本発明の本質は技術的な困難さまたは複雑さにあるのではなく、新規なアイデア自体にあるからである。一旦このアイデアが分かると、それを実施することは当業者に能力の範囲内である。

Claims (7)

  1. 抗体を生成するための免疫原を設計する方法であって、短ペプチドのライブラリを構築するステップを含み、各ペプチドが複数の固定アミノ酸残基および複数の無作為化されたアミノ酸残基を含み、前記固定アミノ酸残基が、生成される抗体の特異性を決定し、一方、前記無作為化されたアミノ酸残基が、生成される抗体の特異性を決定しない、方法。
  2. 前記固定アミノ酸残基の数が3個である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記複数の固定アミノ酸残基が配列において連続している、請求項2に記載の方法。
  4. 前記複数の固定アミノ酸残基は、一または複数の無作為化されたアミノ酸残基が間に置かれる、請求項2に記載の方法。
  5. 前記複数の固定アミノ酸残基は、無作為化されたアミノ酸残基によって両端が無作為化されている、請求項1に記載の方法。
  6. 前記無作為化されたアミノ酸残基の数は5〜50個の間である、請求項1に記載の方法。
  7. 前記無作為化されたアミノ酸残基の数が11個である、請求項6に記載の方法。
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