JP2008309735A - ガラス球骨材 - Google Patents

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義治 三和
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Abstract

【課題】従来よりも流動性に優れて施工が容易であり、且つ高い放射線遮蔽能を有するコンクリートを実現するコンクリート骨材を提供する。
【解決手段】本発明のガラス球骨材Aは、放射線遮蔽コンクリートに使用されるコンクリート用骨材であって、エネルギーが0.3MeVのγ線の質量吸収係数が0.10cm2/g以上の高い放射線遮蔽能を有するガラスよりなり、粒径が5mmから100mmの略球状を呈するものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、コンクリート建造物や構造物またはコンクリート二次製品を構築するために使用されるコンクリート用骨材に関するものであって、特に高エネルギー放射線を扱う研究施設や原子力発電所、これら設備からの放射性廃棄物の処理施設などの構造物に利用するコンクリート用のガラス球骨材に関する。
従来、高エネルギー放射線を扱う研究施設や原子力発電所の原子炉、これら設備から排出される放射性廃棄物の処理施設等の施設に利用する放射線遮蔽の材料としてはコンクリートが有用であり、既にコンクリート製の防護材が用いられている。このコンクリート製防護材については、コンクリートの厚さを厚くしたマッシブコンクリートやコンクリートの密度を増大させた重量コンクリート等の利用が有用であるとされている。
上記のマッシブコンクリートで上記の施設等を構成するとコンクリートの使用量が膨大となり、あまり経済的でないうえに、施設自体がいたずらに大型化してしまう。そこで特許文献1に開示されているように、コンクリートの骨材に鉄成分が多い鉄鉱石(黄鉄鉱や磁鉄鉱)を利用して、コンクリートの密度を高くして、コンクリートの厚みを薄くする重量コンクリートが用いられてきている。また特許文献2には、硝酸鉛をコンクリートに混入するとセメントの水和反応を阻害し、セメントの凝結や硬化が遅延する性質があり、この性質を利用したセメント組成物が開示されている。また特許文献3には、珪酸鉛をコンクリートに混入させた放射線遮蔽用の重量コンクリートが開示されている。
特公昭53−32813号公報 特公昭56−45874号公報 特開昭60−103058号公報
ところで特許文献1等に開示されている重量コンクリートよりもコンクリートの密度を高くできるコンクリート骨材を提供することができれば、放射線遮蔽に要するコンクリート製防護材をより薄くすることが可能となるうえに、同じ厚みであれば、放射線遮蔽能力がより高いコンクリート製防護材となる。放射線の遮蔽には放射線遮蔽物の密度を上げることが有用であるので、例えばコンクリート骨材に密度の高い鉛を利用することは有効である。しかし、特許文献2には、硝酸鉛含有セメント組成物が開示されているものの、その使用量はセメントに対して0.5〜6重量%であって、近年要求されている高い放射線遮蔽効果を満足するものではない。また、特許文献3に記載の重量コンクリートは、放射線遮蔽の効果は高いものではあるが、骨材の形状が塊状又は粉末であるので、施工中のコンクリートの流動性があまり高いものにはならず、放射線遮蔽物の打設に困難を伴う。
本発明は、従来よりも流動性に優れて施工が容易であり、且つ高い放射線遮蔽能を有する放射線遮蔽コンクリートを実現するコンクリート骨材を提供することを課題とする。
そこで発明者は、放射線遮蔽コンクリートに使用されるコンクリート用骨材であって、エネルギーが0.3MeVのγ線の質量吸収係数が0.1cm2/g以上のガラスよりなり、粒径が5mmから100mmの略球状を呈することを特徴とするガラス球骨材を提案する。
本発明で、エネルギーが0.3MeVのγ線の質量吸収係数が0.1cm2/g以上のガラスとは、Csを線源とするエネルギーが0.3MeVのγ線を照射した際に、質量吸収係数が0.1cm2/g以上となるものであることを意味している。この質量吸収係数が0.1cm2/g未満であると、骨材として使用して放射線防護材としてのコンクリート壁を構成した場合に、放射線遮蔽能が低いために、多くのコンクリートを必要とすることから構造物が大きくなり、より多くの費用が必要となる。また、コンクリート壁をさらに薄くする上で、質量吸収係数は0.15cm2/g以上であることがより好ましい。このような質量吸収係数を実現する上で、本発明では高密度の金属などを多量に含有したガラスを作製し、これを適当な大きさの塊としてコンクリート骨材とする。このような金属としては、鉛や鉄、ストロンチウム、バリウムなどが適している。白金や金などの貴金属類も放射線遮蔽能はあるが、ガラスに混入してもガラス成分とはならず、微小な塊として散在するため、ガラス中に均等に分散することが困難であり、かつ経済的にも適さない。
また、本発明のコンクリート用骨材が略球状を呈するとは、その表面に破断面が認められず、外観が球形と見なせる程度の形状でることを意味しており、それは真球状に限らず、楕円球状であってもよい。また製造方法によって表面に全く凹凸の認めがたい状態で粗度のRa値が0.1μm以下の真球形状となっていてもよく、一方それとは逆に表面に半径の5分の1以下の寸法を有する深さの溝や凹凸や起伏が複数あっても、全体として略球体の外観を呈するものであればよい。
また、本発明のガラス球骨材の粒径が5mmから100mmの略球状を呈するであるとは、骨材が略球体で、その粒径が5mmから100mmの範囲にあることを意味しており、これによって製造経費、流動性、圧縮強度、そしてアルカリシリカ骨材反応に関して所望の性能を実現することができる骨材となる。すなわち粒径が5mm未満であると、圧縮強度などの性能はそれなりの値を示すものとなるが、粒径の管理などに注意が必要であり管理規格を外れるものも多数発生する場合があり、生産性が極めて低下して製造経費が高価になるという問題が発生する。また、5mm以下の粒径の骨材いわゆる細骨材は粗骨材ほどコンクリートの圧縮強度や流動性に大きく影響を与えないため、細骨材を略球体のガラス球骨材とすることは、費用対効果の面で好ましくない。一方、粒径が100mmを越える寸法のガラス製の略球体を製造する場合には、ガラスの冷却速度等の管理に注意が必要となり、強度品位を安定維持できるガラス略球体を製造するのに要する工程数が多くなる等の問題が生じる。このためより安定した品位の製品をより安価に製造するには、粒径を40mm以下の寸法とすることが好ましい。
また、本発明のガラス球骨材では、エネルギーが0.3MeVのγ線の質量吸収係数が0.1cm2/g以上の放射線遮蔽能を有するガラスとしてPbO(酸化鉛)を主要成分とするガラスを用いることが好ましい。PbOは鉛ガラスとしてガラス中に均等に分散しているために、ガラスから鉛が溶出する量は金属鉛のそれよりははるかに少ないために、前述のようにセメントの水和反応を阻害して、凝結や硬化を遅延させるような作用を示すことはほとんどない。このために高放射線遮蔽能を有する鉛を効果的に放射線遮蔽効果の高いコンクリートのコンクリート骨材に利用することができる。具体的な鉛ガラス等の実用範囲を考慮すると、エネルギーが0.3MeVのγ線の質量吸収係数は、0.1cm2/g以上、好ましくは0.15cm2/g以上で、0.3cm2/g以下のガラスを採用することになる。
更に、本発明のガラス球骨材では、エネルギーが0.3MeVのγ線の質量吸収係数が0.1cm2/g以上の放射線遮蔽能を有するガラスとして、陰極線管のリサイクルガラスを利用することが好ましい。陰極線管は映像を映し出す際に、内部でX線が発生する。このために陰極線管に使用されるガラスには内部のX線が外部に漏洩しないようにX線遮蔽能が付与されている。そのため、本発明で目的とする放射線遮蔽コンクリートのコンクリート骨材として有用である。また近年、映像受像装置としての陰極線管はリサイクルが進んでおり、これらの不要になった陰極線管は回収され、ガラスとその他の金属物などと分離分別されているので、ガラスは容易に入手できるといった利点もある。このように分離された陰極線管用ガラスをガラス原料として所定の大きさに粉砕した後、前述と同様の手法でガラス球骨材を製造することが好ましい。この場合、ガラス原料として、陰極線管のリサイクルガラスを利用することで、全てがガラスであることから、溶融ガラスにするために必要なエネルギーが少なくてすむといったメリットもある。具体的には、陰極線管のリサイクルガラスを利用して例えば酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 16〜58%、PbO 10〜75%、Al23 0〜6%、MgO 0〜4%、CaO 0〜6%、Na2O 0〜8%、K2O 0〜11%、SrO 0〜6%、BaO 0〜6%、Sb23 0〜1%の組成、すなわち鉛ガラスと一般に呼称されるガラスの組成となるように各ガラス原料を選択しガラス溶融炉に投入するためのガラス原料混合物とする。
また、本発明のガラス球骨材は、JIS A5308(2003)の付属書1記載の砂利の標準粒度に従う粒度分布を有するものとすることで、必要に応じて粒度分布を粗骨材として最適なものとし、それらを使用したコンクリートが高流動で高強度となるため好ましい。
高流動で高強度のコンクリートは主に建築で用いられており、使用される粗骨材の最大寸法は20mmか又は25mmにほぼ限定されるが40mmとすることもできる。具体的にはJIS A 5308(2003)に記載されたレディーミクストコンクリートでは、その付属書1(規定)レディーミクストコンクリートに粗骨材として用いる砂利の標準粒度が示されている。最大骨材寸法によりその標準粒度は違うが、各々の最大骨材寸法により定められている標準粒度に適合する粒度分布とすると、得られるコンクリートの流動性を材料分離の無い状態で大きくし、圧縮強度も高くすることができるためより好ましい。
例えば、最大骨材寸法が25mmであれば、JIS Z881−1に規定されたふるいの呼び寸法が30mmについてはふるいを通るものの質量分率が100%、ふるいの呼び寸法が25mmについてはふるいを通るものの質量分率が95〜100%、ふるいの呼び寸法が15mmについてはふるいを通るものの質量分率が30〜70%、ふるいの呼び寸法が5mmについてはふるいを通るものの質量分率が0〜10%、ふるいの呼び寸法が2.5mmについてはふるいを通るものの質量分率が0〜5%となる粒度分布とするならば、得られるコンクリートの流動性が高く、しかも硬化後の圧縮強度が高いコンクリートとなるので好ましい。
また、本発明のガラス球骨材は、JIS R3202(1996)に記載の厚さ6mmの板ガラスを水平面に対して3°傾斜させて保持し、該板ガラスの平面上に静置した際に、自重により転動するものであれば、流動性が高く、充填操作などでの作業性に優れたものとなる。また、このような骨材を用いたコンクリートの流動性が高くなり好ましい。
ここでJIS R3202(1996)に記載の厚さ6mmの板ガラスを水平面に対して3°傾斜させて保持し、該板ガラスの平面上に静置した際に、自重により転動するとは、JIS R3202(1996)に記載されたフロート法により成形された厚さ寸法が6mmの板ガラスを3°の傾斜面となるように保持し、その上面にガラス球骨材を載せると自らの重量によって回転動作するものであることを意味している。
また、使用する板ガラスやガラス球骨材の表面の異物や汚れ等の品位については、肉眼観察により清浄と認められるものであれば回転動作に影響しないため支障ない。またガラス球骨材の転動する動作を観察する方法についても、肉眼によるものでよい。さらにこのガラス球骨材を観察する環境については、ガラス球骨材の転動に影響を与える湿度、温度等を明瞭にし、さらにガラス球骨材の流動を促進する、あるいは妨げる風力や磁力、静電気力さらに振動等の外力が印加されない環境であることが必要である。
またこの評価に使用するJIS R3202(1996)に記載の板ガラスの長さと幅の寸法についても、ガラス球骨材の転動を観察することができるに足るものであればよい。
ガラス球骨材の転動を観察する方法については、肉眼観察に代えてCCDカメラやビデオ撮影装置などの画像撮影装置を駆使することもできる。また転動自体を判定するプログラム等を予め作成し、それに基づく判定を行うものでもよい。
本発明のガラス球骨材の自重による転動について、水平面に対して3°の傾斜角度という限定を選択した理由は、実使用時にこのような角度であっても流動する骨材であれば、作業性が損なわれないことを本発明者の研究の中で明瞭化することができたからである。3°より小さい角度では、再現性に乏しくなる場合があり、3°を超える場合には、例え良い判定結果となっても実用上は問題を生じる場合もあるからである。
また、本発明のガラス球骨材は、上述のような条件下で転動動作するものであるが、真球状とするものではない。なぜなら、真球のような精度の高い球形状を実現しようとすれば、大がかりで高価な製造設備や高度な良否判定を要することとなり、得られるガラス球骨材の価格が必要以上に高価なものとなってしまうためである。
また、本発明のガラス球骨材は、略円柱体を含まないものである。なぜなら、略円柱体はJIS R3202(1996)に記載の厚さ6mmの板ガラスを水平面に対して3°傾斜させて保持し、その板ガラス平面上に静置した際に、自重により転動するものであるが、真球同様に製造費用が嵩むためである。また、略円柱体は一方向への転動性が良いが多方向には全く転動せず、全方向の流動性が必要なコンクリートの流動性を略球体ほど改善することができないためである。
本発明のガラス球骨材の具体例を示すと、溶融したガラスを所定の容量に切断したゴブを、樋状物内を転動することによって得られるシャーマークの付いた略球体等が相応しいものとなる。ここで、シャーマークとは、溶融ガラスを切断した時に溶融ガラスの切断面に形成される模様のことである。またゴブとは、溶融状態で所定のサイズに切断された溶融ガラスの塊を意味している。
また本発明のガラス球骨材は、水平面に対して3°傾斜させた板ガラス上に静置した骨材が、転動により長さ120mm以上を移動するものであれば、さらに高い流動性を有するものとなるので好ましい。
本発明のガラス球骨材を製造する方法については、周知の複数の製造技術を組み合わせることにより可能となるものであれば、どのようなものであっても採用することができる。すなわち、従来他用途に使用されたガラス物品のリサイクル品を使用してもよいし、天然原料から本発明のガラス球骨材を製造してもよい。
再溶融された溶融ガラスを所定寸法の略球状に成形する成形工程については、どのような成形方法であってもよいが、本発明のガラス球骨材となるように成形容積を調整する手段を有する設備が必要である。最も簡単な方法としては溶融炉に配接された耐熱性を有する成形装置によって成形する方法がある。この方法による具体例を以下に示す。溶融炉等の製造設備の下面に設けた開口部を有する耐熱性ノズルから自重により溶融ガラスが流下する。流下した溶融ガラスは、カッター装置に導かれ、そこで一定の体積になるようにシャーカットされ、いわゆるゴブと呼ばれる溶融ガラスの塊となる。ゴブは、ゴブシュートにより近接する2本の螺旋状ロールの間に導かれ、この螺旋状ロールの回転によりその間を回転しながら搬送されて、次第に略球形状となるように成形される。徐々にゴブは室温まで冷却されてガラス球となる。ここで本発明のガラス球骨材となるように留意するのは、溶融温度、シャーカットのタイミング等を適切に調整することで必要な粒度分布とすることができる点である。また再溶融された溶融ガラスを所定寸法の略球状に成形する成形工程としては、上記以外にもプレス成形や鋳込み成形を応用する成形方法を採用することもできる。
本発明のガラス球骨材を製造する際には、上記以外の工程を任意に追加することによって、略球形状となるゴブの寸法精度を向上させることもできる。例えば成形後のゴブの寸法や外観等を計測することによって不良と判定されたガラス球をカレットとして分別する工程を加えてもよい。あるいは、研磨材などを用いたり、ボールミルなどを用いて表面を粗くする工程を追加して、コンクリート中のセメントペーストとの接着を上げることもできる。さらに、粒度分布の異なる骨材群を適切な比率で混合することで最適な粒度分布とすることもできる。
また、本発明のガラス球骨材を含有した放射線遮蔽コンクリートとしては、上記以外の構成についてはどのようなものあってもよく、コンクリートの構成成分の比率や使用する水、他の添加剤について限定するものではない。また必要に応じて本発明の骨材以外の添加材料を添加するのを妨げるものではない。すなわち添加剤としては、コンクリート中に無数の微細気泡を混入せしめ、型枠内へコンクリートを打ち込む際の作業性や硬化コンクリートの耐久性、耐凍害性を向上せしめるために用いられるAE剤(Air Entraining Agent:空気連行剤ともいう)を使用することもでき、長期的な強度、水和熱低減効果、耐浸食性あるいは耐熱性の向上、さらに水密性や流動性の向上、また収縮率低減などの諸機能を付与するためにスラグ、フライアッシュ、あるいはシリカフューム等の混和材を使用でき、構造的な安定した高強度を実現するために炭素繊維、ガラス繊維等の繊維状添加材等を使用することもできる。またコンクリートの温度や外気温度の影響を軽減化する場合や混合後に打設するまでの時間により凝結速度を調節するために硬化促進剤や硬化遅延剤を使用してもよい。さらにコンクリート中に混和させて作業性を損なうことなく使用水量を減少させることができる減水剤やコンクリート中に含有される塩分(主に塩化成分)に起因する鉄筋等酸化性骨材の腐食制御のための防錆剤を使用してもよい。さらに上記以外にも例えば気泡剤、流動化剤、増粘剤、防水剤、着色剤、あるいは急結剤等を適宜必要に応じて添加してもよい。
また、本発明のガラス球骨材を含有した放射線遮蔽コンクリートの製造・打設方法については、通常のコンクリートと同様の製造方法とすることができ十分な混練能力のあるミキサーを用いて混練を行い、得られたコンクリートを型枠内に流し込んだり層状に吹き付けたりする方法を用いることができる。また、コンクリートの調配合なども通常のコンクリートと同様の手法により適用事例に最適なものとすることができ、要求特性や打設方法に適したコンクリートとすることができる。
さらに、本発明のガラス球骨材を含有した放射線遮蔽コンクリートの打設方法についてはコンクリート等の打設で通常使用されている設備を利用するものであれば、どのようなものであってもよい。打設用の専用の装置を使っても、人力に頼るものであってもよい。またガラス球骨材含有コンクリートの施工に当たっては、他の構造材料との併用を阻むものではない。
本発明に係るガラス球骨材は、放射線遮蔽コンクリートに使用されるコンクリート用骨材であって、エネルギーが0.3MeVのγ線の質量吸収係数が0.1cm2/g以上、より好ましくは0.15cm2/g以上のガラスよりなるので、本発明のコンクリート骨材を放射線遮蔽用コンクリートに利用することで、従来よりも薄いコンクリート製防護材を得ることができる。また球状骨材とすることで、容易に高流動のコンクリートとすることができるため、打設の際にコンクリートを強制的に流動させる作業の手間が省けるばかりでなく、その表面外観も優れたものとなる。また、打設の際に、振動機などの騒音も低減することができ、環境面での改善も見られるため好ましい。
また、本発明のガラス球骨材のガラスがPbOを主要成分とするものであると、高い放射線遮蔽能を有するものになる。
また、本発明のガラス球骨材のガラスが陰極線管のリサイクルガラスを含むものであると、大量に発生するテレビ受像管関連廃棄物の廃棄物量を低減することができる。
また、本発明のガラス球骨材は、粒径が5mmから100mmの略球体を呈するものであると、施工中のコンクリートの流動性が高く、施工後の圧縮強度が高い状態とすることができる。
また本発明の略球体のガラス球骨材は、粒径がJIS A5308(2003)の付属書1記載の砂利の標準粒度に従う粒度分布を有するため、それらを使用したコンクリートを材料分離がなく高流動で高強度とすることができる。
さらに、本発明のガラス球骨材は、複数個の略球体のうち、5割以上の個数が実質的に気泡を含有しない中実体であるならば、空位部が少ないために安定した高い圧縮強度を有するものとなる。
また、本発明のガラス球骨材は、JIS R3202(1996)に記載の厚さ6mmの板ガラスを水平面に対して3°傾斜させて保持し、該板ガラスの平面上に静置した際に、自重により転動するものであれば、ガラス球骨材を所定箇所に移動させる場合に傾斜面を利用する等して容易に移動させることが容易で、移動時に詰まったりする危険性を低くすることが可能となる。また、それらを用いたコンクリートを高流動で高強度とすることができる。
本発明のガラス球骨材の製造方法について以下に詳細に説明する。
まず、ガラス原料として、陰極線管のリサイクルガラスを利用することで、所望の鉛ガラスの組成成分含有率、すなわち酸化物換算の質量百分率表示でSiO2 41.8%、PbO 37.5%、Al23 3.9%、MgO 1.5%、CaO 3%、Na2O 5.5%、K2O 6.6%、Sb23 0.2%の組成、すなわち鉛ガラスと一般に呼称されるガラスの組成となるように各ガラス原料を選択しガラス溶融炉に投入するためのガラス原料とした。このガラス原料としては、ガラスカレットのほかに天然鉱物原料を含むようにしてもよい。
カレットは、ガラス溶融炉に投入前にその組成の分析を行い、カレット組成を決定し、カレット組成とカレット率に従い、他のガラス原料と併せて上記した鉛ガラス組成となるように他の鉱物原料等を調整して本発明のガラス球骨材を製造するためのガラス原料混合物とした。
以上のように準備されたガラス原料混合物は、1500℃以上に調整されたガラス溶融炉内に原料投入機を使用して連続的に投入され、加熱されて溶融状態とされる。その後、溶融ガラスは、均質な状態となるように清澄操作等が行われ、ガラス溶融炉の成形部にまで流れ込む。そして、図1に示すように、ガラス溶融炉の成形部10の炉床面に設けられたスパウト部には、白金を主成分とする耐火性金属よりなるノズル20が設けてあり、このノズル20から溶融ガラスGが自重により流下する。
流下した溶融ガラスGは、ノズル20下方に配設された切断装置30によりシャーカットしてゴブSと呼ばれる溶融ガラスの塊となる。そしてゴブSは、ゴブシュート40により近接する2本の螺旋状ロール50間に導かれる。この螺旋状ロール50の回動により、ゴブSはその間を転動してゆき、転動の間に略球形を保ちつつ、かつ表面の十分な強度が得られる温度域まで空冷されて、螺旋状ロール50の溝が球状化されたゴブSの直径よりも大きく開いた間隙から本発明のガラス球骨材Aが得られる。その後ガラス球骨材Aは、所定の容器内に保管され室温まで徐冷域60で冷却される。コンクリート用ガラス球骨材Aはノズル20の温度と、ノズル20下方のシャーカットのタイミングを調整することにより、所望のサイズのガラス球骨材を得ることができる。
またこのガラス球骨材は、製造ロットの内の100個をサンプリングした場合、その内の80個以上が略球体の容積に対して1%以上の容積を有する気泡を含有しないものであることを目視検査によって確認することができた。
次いで製造されたエネルギーが0.3MeVのγ線の質量吸収係数が0.2cm2/gのガラス球骨材を使用する際の流動性について調査するため、次のような評価を行った。得られたガラス球骨材Aをアルミナ製のボールミルに投入し、回転速度が40rpmで5分間回転させて、略球体の表面を粗面となるように粗し、粗面状ガラス球骨材Bを得た。このガラス球骨材Bの真球度を調べるため、気温25℃で湿度40%の無風環境の室内にて、長さ120mm、幅120mm、厚み6mmの寸法を有し、表面粗さのRa値が0.3μm以下の反りや歪みの認められないJIS R3202(1996)に記載のフロート法により成形されたソーダ石灰ガラス板を3°の傾斜面を有するように配設した転がり試験装置を作製した。この転がり試験装置の斜面上の上方側一端に10個のガラス球骨材Aを同一の製造ロットから任意に選択して静置したところ、いずれのガラス球骨材についても斜面を下方に転がり落ちる程度の高い真球度を有するものであることが判明した。またガラス球骨材Bに関しても、表面が粗面であるにも関わらず、粗面とする前同様の高い真球度を有するものであることが判明した。以上の調査を異なる5ロットについて調査したが、いずれも同レベルの真球度を有し、同程度の流動性を有することが判明した。
さらに得られたガラス球骨材を使用する場合の性能評価の一つとして、このガラス球骨材を使用した場合のコンクリートの性能を調査するため、表2に示す配合のコンクリートを調整した。表1でセメントと表示したのは普通ポルトランドセメントであり、細骨材は粗粒率がFM(Finess Modulus)=2.63の砂、粗骨材はガラス球骨材A、ガラス球骨材B、あるいは凝灰岩砕石、混和材は(株)デグサ製のレオビルドSP8Nを表している。
Figure 2008309735
コンクリートの調整については、強制練りミキサーを使用して表2の配合のコンクリートを混練した。粗骨材の投入は、混練の最後に行った。こうして得られたフレッシュコンクリートの評価としては、JIS A 1150(2001)に記述されたコンクリートのスランプフロー試験方法に従って、準備したフレッシュコンクリートのスランプフローの測定を行った。スランプフローの測定結果を表2に示す。
Figure 2008309735
表2からも明らかなように、砕石を使用した比較例のNo.3のコンクリートに比較して、実施例のNo.1のガラス球骨材Aを使用したもの、及び実施例No.2のガラス球骨材Bを使用したもの、いずれのガラス球骨材を使用したコンクリートについても、スランプフローの計測値がNo.1については575mm、No.2については565mmとなって、50cmまたは60cmと判定できる値となり、砕石を本発明のガラス球骨材に置き換えることによって高流動のコンクリートが容易に得られることが判明した。
以上の試験結果や観察結果から、本発明のガラス球骨材は高い流動性及び0.3MeVにおけるγ線の質量吸収係数が0.1cm2/g以上の高い放射線遮蔽能を有する骨材であり、かつ高流動のコンクリートが容易に得られる作業性に優れたものであることが判明した。
なお、ガラス球骨材のエネルギーが0.3MeVのγ線の質量吸収係数は、ガラスを構成する各元素の0.3MeVのγ線の質量吸収係数を文献から入手し、各元素の質量吸収係数にガラス中の質量分率を掛けた総和より求めた。
本発明のガラス球骨材の製造方法に関する説明図である。
符号の説明
10 ガラス溶融炉の成形部
20 ノズル
30 切断装置
40 ゴブシュート
50 螺旋状ロール
60 徐冷域
A ガラス球骨材
G 溶融ガラス
S ゴブ

Claims (5)

  1. 放射線遮蔽コンクリートに使用されるコンクリート用骨材であって、エネルギーが0.3MeVのγ線の質量吸収係数が0.1cm2/g以上のガラスよりなり、粒径が5mmから100mmの略球状を呈することを特徴とするガラス球骨材。
  2. ガラスは、PbOを主要成分とするものであることを特徴とする請求項1に記載のガラス球骨材。
  3. ガラスは、陰極線管のリサイクルガラスを含むものであることを特徴とする請求項2に記載のガラス球骨材。
  4. JIS A5308(2003)の付属書1記載の砂利の標準粒度に従う粒度分布を有することを特徴とする請求項1から3の何れかに記載のガラス球骨材。
  5. JIS R3202(1996)に記載の厚さ6mmの板ガラスを水平より3°傾斜させて保持し、該板ガラスの平面上に静置した際に、自重により転動するものであることを特徴とする請求項1から4の何れかに記載のガラス球骨材。
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