JP2008309625A - 液体貯蔵タンクの漏洩検知システムと漏洩検知方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】24時間営業のガソリンスタンドのように、長時間の液量安定期が得られない環境下であっても、短時間で漏洩を検知することができる液体貯蔵タンクの漏洩検知手段を提供すること。
【解決手段】液体貯蔵タンク1の液量及び液温を液量センサ2及び液温センサ3によって常時測定し、測定した液量データ及び液温データをその測定時刻データと共にデータベース4に蓄積し、データベース4に蓄積された各測定時刻における液量データを当該測定時刻における液温データに基づき温度補正して補正液量データを生成すると共に、これらデータから液量及び液温の時間変化を示す時間的に連続した液量・液温変化データを生成し、さらに前記液量・液温変化データから、液量及び液温の時間変化が実質的にないと判断される液量・液温安定期における液量変化データを抽出し、この液量・液温安定期における液量変化データから液量変化傾向を求めて漏洩の有無を検知する。
【選択図】図1
【解決手段】液体貯蔵タンク1の液量及び液温を液量センサ2及び液温センサ3によって常時測定し、測定した液量データ及び液温データをその測定時刻データと共にデータベース4に蓄積し、データベース4に蓄積された各測定時刻における液量データを当該測定時刻における液温データに基づき温度補正して補正液量データを生成すると共に、これらデータから液量及び液温の時間変化を示す時間的に連続した液量・液温変化データを生成し、さらに前記液量・液温変化データから、液量及び液温の時間変化が実質的にないと判断される液量・液温安定期における液量変化データを抽出し、この液量・液温安定期における液量変化データから液量変化傾向を求めて漏洩の有無を検知する。
【選択図】図1
Description
本発明は、ガソリンスタンド、工場等に設置されている液体貯蔵タンクからの液体の漏洩を検知する漏洩検知システムと漏洩検知方法に関する。なお、本願において「漏洩」とは、液体貯蔵タンクからの貯蔵液体の流出と、液体貯蔵タンクへの雨水、地下水等の流入の両方を意味し、「液量」とは「液面レベル」又は「液位」の意味も有するものとする。
地下などに埋設された液体貯蔵タンクは、長期に使用されるため、隔壁部の腐食により穴や亀裂等が発生し、又はその他の理由により、内部に貯蔵された液体が外部に流出し、あるいは外部から雨水、地下水等が流入することがある。
従来、このような漏洩を検知するため、ガス加圧法、液体加圧法、微加圧法、微減圧法等のバッチ検査が定期的に行われるようになっている。
定期点検の形で行われる上記のバッチ検査によれば、精度の高い漏洩検知を行うことができるが、通常、定期点検は1年に1回程度の間隔でしか実施されないため、その間に漏洩が発生した場合、これを早期に検知することはできない。
これに対して、本願出願人は、特許文献1において、液体貯蔵タンクの液量の増減を検知するセンサを使用して、液体貯蔵タンク内の液量の変動を長期的に記録、蓄積し、その液量変動データに基づいて漏洩を早期に検知する方法を提案した。
しかし、この特許文献1の方法おいて液量変動データの収集のためには、液体貯蔵タンクの液量が長時間安定した状態である必要があり、そのため、液量変動データの収集は、液体貯蔵タンクを長時間使用しないとき、例えば、ガソリンスタンドの場合、営業時間以外の夜間・休日等に行う必要があった。したがって、24時間営業のガソリンスタンド等の場合、十分な長さの液量安定期が得られないことがあり、正確な漏洩検知を行うことができないという問題があった。
そこで、本願出願人は、特許文献2において、連続した長期の液量変化データから液量の時間変化が実質的にないと判断される複数の液量安定期における液量変化データを抽出し、この複数の液量安定期における液量変化データから液量変化傾向を求めることによって漏洩を検知する方法を提案した。
この特許文献2の方法によれば、24時間営業のガソリンスタンドのように昼夜を問わず断続的に液体貯蔵タンクが使用される場合であっても、液量変化を検出可能な必要最低限の液量安定期が得られれば、漏洩有無の判定のためのデータを収集することができるので、液体貯蔵タンクの操業を阻害することなく、漏洩有無の判定を行うことができるようになった。
ただし、この特許文献2の方法では、精度の高い漏洩検知を行うために、複数の液量安定期における液量変化データに基づく漏洩有無の判定を複数回(実施例では10回)繰り返すようにしていたため、漏洩検知に長時間を要するという問題があった。
特開2001−97500号公報
特許第3746057号公報
本発明が解決しようとする課題は、24時間営業のガソリンスタンドのように、長時間の液量安定期が得られない環境下であっても、短時間で漏洩を検知することができる液体貯蔵タンクの漏洩検知手段を提供することにある。
上記特許文献2の方法で、漏洩検知のために複数の液量安定期における液量変化データに基づく漏洩有無の判定を複数回(実施例では10回)繰り返すようにしていたのは、単一の液量安定期における液量変化データに基づく1回の漏洩有無の判定では、その判定の精度に問題があるからである。
そこで本発明では、単一の液量安定期における液量変化データに基づく1回の漏洩有無の判定であっても、ある程度の精度を確保でき、漏洩検知を短時間で行えるようにするために、液量安定期における液量変化データの精度(信頼性)を向上させることとした。具体的には、液量安定期とする条件に、液量の時間的変化が実質的にないという条件に加え、液温の時間的変化が実質的にないという条件を加え、これを液量・液温安定期と定義し、この液量・液温安定期における液量変化データに基づいて漏洩有無の判定を行うようにした。
すなわち、本発明の漏洩検知システムは、液体貯蔵タンクの液量を常時測定する液量センサと、液体貯蔵タンクの液温を常時測定する液温センサと、液量センサ及び液温センサによって測定した液量データ及び液温データとその測定時刻データを蓄積するデータベースと、データベースに蓄積された各測定時刻における液量データを当該測定時刻における液温データに基づき温度補正して補正液量データを生成すると共に、この補正液量データと液温データと測定時刻データとから、液量及び液温の時間変化を示す時間的に連続した液量・液温変化データを生成する演算部とを備え、この演算部が、前記液量・液温変化データから、液量及び液温の時間変化が実質的にないと判断される液量・液温安定期における液量変化データを抽出し、この液量・液温安定期における液量変化データから液量変化傾向を求めて漏洩の有無を判定するものである。
また、本発明の漏洩検知方法は、液体貯蔵タンクの液量及び液温を液量センサ及び液温センサによって常時測定し、測定した液量データ及び液温データをその測定時刻データと共にデータベースに蓄積し、データベースに蓄積された各測定時刻における液量データを当該測定時刻における液温データに基づき温度補正して補正液量データを生成すると共に、この補正液量データと液温データと測定時刻データとから、液量及び液温の時間変化を示す時間的に連続した液量・液温変化データを生成し、さらに前記液量・液温変化データから、液量及び液温の時間変化が実質的にないと判断される液量・液温安定期における液量変化データを抽出し、この液量・液温安定期における液量変化データから液量変化傾向を求めて漏洩の有無を判定するものである。
そして本発明では、漏洩がない状態での当該液体貯蔵タンクの液量・液温安定期における液量の時間変化を示す液量変化基準データを予めデータベースに蓄積し、前記液量・液温安定期における液量変化データを前記液量変化基準データと比較することによって液量変化傾向を求めるようにすることができる。
ここで、液量を測定する際に同時に液温も測定し、この液温データを液量データに反映させることは、上記特許文献2を含めて従来の漏洩検知において広く実施されている。すなわち、漏洩検知は液量の変動を監視することにより行うが、液量は液温の変化により熱膨張の影響を受けるため、液量データを液温データに基づいて温度補正し、この補正液量データに基づいて漏洩有無の判定を行うようにしている。しかし、地下に埋設されている液体貯蔵タンク内の液温は、地熱温度、タンク内の空気温度、外気温などの影響を受けて変動しており、さらに、ローリー車によるタンクへの荷卸しが行われるような場合、タンク内の液温と、ローリー車が輸送してくる液体の温度に差があるため、荷卸し後にタンク内の液温が急激に変動し、タンク内の液温分布のバラツキが大きくなる。このように、タンク内の液温に変動がある場合、仮に数箇所で液温を測定したとしても、タンク内の液温(液温分布)を正しく判断することができない。したがって、この測定した液温データに基づいて液量データを温度補正したとしても、正確な補正液量データを得ることはできず、この正確でない補正液量データに基づいて液量安定期であるか否かを判断し、その液量安定期において漏洩有無の判定を行ったとしても、その判定の精度は十分ではない。このことが、特許文献2の方法において、複数の液量安定期における液量変化データに基づく漏洩有無の判定を複数回繰り返すことで漏洩検知を行うようにしていた理由である。
これに対して本願発明では、上述のとおり、液量だけでなく液温の時間変化が実質的にないと判断される時期を液量・液温安定期として抽出し、この液量・液温安定期における液量変化データに基づいて漏洩有無の判定を行うようにしている。つまり、液温の時間的変化が実質的になく液温が実質的に一定であれば、1箇所あるいは数箇所で測定した液温を全体の液温とみなしても差し支えないので、この測定した液温データに基づき温度補正して得られた補正液量データ及び液量変化データの精度が向上し、漏洩有無の判定の精度も向上する。これによって、本発明では、単一の液量・液温安定期における液量変化データに基づく1回の漏洩有無の判定であっても、ある程度の精度を確保でき、漏洩検知を短時間で行える。
無論、漏洩検知の精度をより向上させるために、複数の液量・液温安定期における液量変化データに基づき漏洩有無の判定を行ってよく、さらにこの判定を複数回繰り返して最終的な判定を行ってもよい。すなわち、本発明では、所定時間以上継続する単一の液量・液温安定期毎における液量変化傾向から漏洩有無の一次判定を行うこと、または複数の液量・液温安定期における液量変化傾向から漏洩有無の最終判定を行うこと、あるいは一次判定と最終判定の両方を行うようにすることができる。一次判定を行う場合、その判定の精度を向上させるためには、一次判定用に抽出する液量・液温安定期の継続時間は、通常、液量・液温安定期とする条件の継続時間よりも長いものとするという条件を付加することが好ましい。
本発明では、液量だけでなく液温の時間変化が実質的にないと判断される時期を液量・液温安定期として抽出することで、この液量・液温安定期における液量変化データの精度が向上し、漏洩検知の精度を向上させることができる。したがって、単一の液量・液温安定期における液量変化データに基づく1回の漏洩有無の判定であっても、ある程度の精度を確保でき、漏洩検知を短時間で行える。
また、単一の液量・液温安定期における液量変化データに基づく漏洩有無の判定を一次判定とし、複数の液量・液温安定期における液量変化データに基づく漏洩有無の判定を最終判定とすることで、一次判定により漏洩発生の可能性を早期に察知できるとともに、最終判定により最終判断を行うことができ、漏洩検知の緊急性と確実性を兼ね備えた漏洩検知システムを構築できる。
以下、図面に示す実施例に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1は、本発明の漏洩検知システムのシステム構成図である。
同図に示すように、本発明の漏洩検知システムは、液体貯蔵タンク1の液量を常時測定する液量センサ2と、液体貯蔵タンク1の液温を常時測定する液温センサ3と、液量センサ2及び液温センサ3によって測定した液量データ及び液温データとその測定時刻データ等を蓄積するデータベース4と、データベース4に蓄積されたデータを演算して漏洩の有無を判定する演算部5とからなる。そして、演算部5からの漏洩検知信号は、警報出力、表示手段6に送信されるようになっている。また、データベース4には、外部機器としてPOSシステム7及び計量機8が通信線9を介して接続されており、これらの外部機器からの各種データもデータベース4に蓄積されるようになっている。
液量センサ2としては、各種のセンサを使用できるが、磁歪式センサ等の液位若しくは液量変化を高分解能で測定できるセンサを用いることが好ましい。また、液温センサ3は、実施例では液量センサ2に内蔵させたが、液量センサ2と別個に設けてもよい。
データベース4は、コンピュータのメモリによって構成することができる。演算部5はコンピュータのCPUによって構成することができ、この演算部5は、後に詳述するように、データベース4に蓄積された各測定時刻における液量データを当該測定時刻における液温データに基づき温度補正して補正液量データを生成すると共に、この補正液量データと液温データと測定時刻データとから、液量及び液温の時間変化を示す時間的に連続した液量・液温変化データを生成し、さらに前記液量・液温変化データから、液量及び液温の時間変化が実質的にないと判断される液量・液温安定期における液量変化データを抽出する処理等を行う。そして、液量・液温安定期における液量変化データから液量変化傾向を求めて漏洩の有無を判定する。
以下、本発明の漏洩検知システムによる漏洩検知方法を説明する。
図2は、本発明の漏洩検知方法の全体工程を示すフロー図である。同図に示す漏洩検知方法では、まず、図1に示した液量センサ2及び液温センサ3によって漏洩検知対象の液体貯蔵タンク1の基準データを収集し(S1)、この基準データを解析して当該液体貯蔵タンクの液量・液温安定期における液量変化基準データを求める(S2)。得られた基準データ及び液量変化基準データは何れも図1に示したデータベース4に蓄積される。
図3は、上述の基準データ収集工程を示すフロー図である。この基準データの収集は、定期点検等によって漏洩のないことが確認された状態で行う。
基準データ収集工程では、まず、液量センサ及び液温センサによる液量及び液温の測定時間間隔が所定の時間(実施例では1秒)になっているか否かを確認する(S1−1)。次に、測定時刻データを取得し(S1−2)、液体貯蔵タンクの液量データと液温データの取り込みを開始する(S1−3,S1−4)。その後、液量データと液温データの取り込み中に、液体貯蔵タンクへの液体の供給(荷卸し)、排出(給液)等の事象の変化があるか否かを確認し(S1−5)、事象の変化があった場合、その事象データを取得し(S1−6)、液量データと液温データを測定時刻データ及び事象データと共にデータベースに蓄積する(S1−7)。このような基準データの収集を、その中で液量・液温安定期と判断される部分の時間累計が所定時間(実施例では200時間)に達するまで継続し(S1−8)、所定時間に達したら基準データの収集を終了する(S1−9)。なお、液量・液温安定期であるか否かの判断は、後述する方法によって行う。
図4は、図3の基準データ収集工程で収集した基準データから、液量・液温安定期における液量変化基準データを求める基準データ解析工程の流れを示すフロー図である。
基準データ解析工程では、まず、収集した基準データのうち、各測定時刻における液量データを当該測定時刻における液温データに基づき温度補正して補正液量データを生成する(S2−1)。そして、この補正液量データと液温データと測定時刻データとから液量及び液温の時間変化を示す連続した長期の液量・液温変化データを生成する(S2−2)。これをグラフ化すると図5のようになる。次に、液量・液温変化データを用いて、液量及び液温の時間変化が実質的にないと判断される時期を液量・液温安定期として抽出する(S2−3)。実施例では、液量の時間変化が0.2L/h以内、且つ液温の時間変化が0.02℃/h以内で、その継続時間が30分以上となっている部分を液量・液温安定期として抽出した。なお、この液量・液温変化データを用いた抽出方法のほかに、別途POSシステム7や計量機8等(図1参照)によって収集されている液体貯蔵タンクからの給液の有無等の操業データから判断して、液体貯蔵タンクへの液体の出入りがないと判断される時期を液量・液温安定期として抽出することもできる。
次に、各液量・液温安定期における液量変化データを抽出し(S2−4)、液量・液温安定期における液量変化基準データを演算する(S2−5)。この液量変化基準データとは、単純には各液量・液温安定期における液量変化データの平均であり、この液量変化基準データをデータベースに蓄積し(S2−6)、基準データ解析を終了する(S2−7)。
図2に戻って、上述の基準データの収集と解析処理を予め行った後に、図1に示した液量センサ2及び液温センサ3によって実際の漏洩検知用データを収集し(S3)、その漏洩検知用データから漏洩有無の判定に使用する漏洩検知用データを抽出する(S4)。
図6は、漏洩検知用データ収集工程を示すフロー図である。
漏洩検知用データ収集工程では、図3に示した基礎データ収集工程と同様に、まず、液量センサ及び液温センサによる液量及び液温の測定時間間隔が所定の時間(実施例では1秒)になっているか否かを確認する(S3−1)。次に、測定時刻データを取得し(S3−2)、液体貯蔵タンクの液量データと液温データの取り込みを開始する(S3−3,S3−4)。その後、液量データと液温データの取り込み中に、液体貯蔵タンクへの液体の供給(荷卸し)、排出(給液)等の事象の変化があるか否かを確認し(S3−5)、事象の変化があった場合、その事象データを取得し(S3−6)、液量データと液温データを測定時刻データ及び事象データと共にデータベースに蓄積する(S3−7)。この漏洩検知用データの収集途中で、大幅に液量が変化する等の液量変化量に異常が認められた場合、漏洩警報等の警報を出力する(S3−8,S3−9)。このような漏洩検知用データの収集を、その中で液量・液温安定期と判断される部分の時間累計が所定時間(実施例では20時間)に達するまで継続し(S3−10)、所定時間に達したら漏洩検知用データの収集を終了する(S3−11)。
図7は、図6の漏洩検知用データ収集工程で収集したデータから、漏洩有無の判定に使用する液量・液温安定期における液量変化データを抽出する漏洩検知用データ抽出工程の流れを示すフロー図である。
漏洩検知用データ解析工程では、収集した漏洩検知用データから、先に図5に示したような液量及び液温の時間変化を示す液量・液温変化データを生成する。すなわち、漏洩検知用データのうち、各測定時刻における液量データを当該測定時刻における液温データに基づき温度補正して補正液量データを生成し(S4−1)、この補正液量データと液温データと測定時刻データとから液量及び液温の時間変化を示す連続した長期の液量・液温変化データを生成する(S4−2)。
次に、液量・液温変化データを用いて、液量及び液温の時間変化が実質的にないと判断される時期を液量・液温安定期として抽出し(S4−3)、各液量・液温安定期における液量変化データを抽出する(S4−4)。実施例では、液量の時間変化が0.4L/h以内、且つ液温の時間変化が0.02℃/h以内で、その継続時間が20分以上となっている部分を液量・液温安定期として抽出した。なお、この液量・液温変化データを用いた抽出方法のほかに、別途POSシステム7や計量機8等(図1参照)によって収集されている液体貯蔵タンクからの給液の有無等の操業データから判断して、液体貯蔵タンクへの液体の出入りがないと判断される時期を液量・液温安定期として抽出することもできる。
本発明では、この液量・液温安定期における液量変化データから液量変化傾向を求めて漏洩有無の判定を行うが、実施例では、単一の液量・液温安定期における液量変化傾向から漏洩有無の一次判定を行うと共に、複数の液量・液温安定期における液量変化傾向から漏洩有無の最終判定を行うようにしている。
まず、図2を参照して漏洩有無の一次判定について説明する。一次判定ではその判定の精度を向上させるために、一次判定用に抽出する液量・液温安定期の継続時間は、通常、液量・液温安定期とする条件の継続時間(実施例では20分)よりも長いものとする(実施例では継続時間が2時間以上)という条件を付加する(S6)。すなわち、一次判定では、前記条件を満足する液量・液温安定期を抽出し、この液量・液温安定期における液量変化データを抽出する。
この液量変化データを予めデータベースに蓄積しておいた液量変化基準データと比較する(S7)。具体的には、液量変化データとの液量変化基準データとの差を演算する。そしてこの比較結果(差)を用いて、液量・液温安定期における液量変化傾向を求めて、漏洩発生の可能性があるか否かの判定を行う(S8)。この漏洩可能性判定では、液量・液温安定期における液量変化データと液量変化基準データとの差が所定値以上(実施例では0.38L/h以上)の場合に漏洩有りと判定し(S9)、一次判定における漏洩検知信号を発生する(S10)。この漏洩検知信号は、図1に示した警報出力、表示手段6に送信される。一方、液量・液温安定期における液量変化データと液量変化基準データとの差が所定値未満の場合は、漏洩なしと判定する(S11)。
次に、漏洩有無の最終判定について説明する。この最終判定では、複数(全数)の液量・液温安定期における液量変化データを使用する。まず、各液量・液温安定期における液量変化データを抽出し、これを予めデータベースに蓄積しておいた液量変化基準データと比較する(S12)。具体的には、各液量変化データとの液量変化基準データとの差を演算し、その比較結果をデータベースに蓄積する(S13)。そして、この比較結果(差)を用いて、液量・液温安定期における液量変化傾向を求めて、漏洩発生の可能性があるか否かの判定を行う(S14)。この漏洩可能性判定では、液量・液温安定期における液量変化データと液量変化基準データとの差が所定値以上(実施例では0.38L/h以上)の場合に有意差有りとし、複数ある液量・液温安定期において、所定比率以上(実施例では80%以上)に有意差が認められた場合に当該液体貯蔵タンクについて漏洩の可能性有りと判定し、この液体貯蔵タンクを漏洩の可能性有り候補としてデータベースに記憶する(S15)。
その後、漏洩の可能性有りの液体貯蔵タンクについて、上述のステップS3、S4及びS12〜S14を所定回数(実施例では10回)繰り返し試行する(S16)。そして、その漏洩可能性判定において漏洩の可能性有りとの判定が、所定回数の所定比率以上(実施例では10回中7回以上)の場合に、漏洩有りと判定し(S17,S18)、最終判定における漏洩検知信号を発生する(S19)。この漏洩検知信号は、図1に示した警報出力、表示手段6に送信される。一方、漏洩の可能性有りとの判定が、所定回数の所定比率未満の場合は、漏洩なしと判定し(S20)、ステップS15〜S17において収集したデータを初期化してステップS3に戻る。
このように、本実施例は、一次判定により漏洩発生の可能性を早期に察知できるとともに、最終判定により最終判断を行うことができ、漏洩検知の緊急性と確実性を兼ね備えた漏洩検知システムである。
なお、以上の実施例では、漏洩がない状態での液量・液温安定期における液量変化基準データを予め求め、この液量変化基準データと実際の液量・液温安定期における液量変化データとを比較することによって漏洩有無の判定を行うようにしたが、液量変化基準データとの比較は必ずしも必要ではない。この場合、上述のステップS8及びS14では、実際の液量・液温安定期における液量変化データが所定値以上(例えば±0.38L/h以上)である場合に漏洩の可能性有りと判断するようにする。
本発明は、ガソリンスタンド、工場等に設置されている、あらゆる液体貯蔵タンクからの液体の漏洩を検知する漏洩検知システムとして適用可能である。
1 液体貯蔵タンク
2 液量センサ
3 液温センサ
4 データベース
5 演算部
6 警報出力、表示手段
7 POSシステム
8 計量機
9 通信線
2 液量センサ
3 液温センサ
4 データベース
5 演算部
6 警報出力、表示手段
7 POSシステム
8 計量機
9 通信線
Claims (6)
- 液体貯蔵タンクの液量を常時測定する液量センサと、
液体貯蔵タンクの液温を常時測定する液温センサと、
液量センサ及び液温センサによって測定した液量データ及び液温データとその測定時刻データを蓄積するデータベースと、
データベースに蓄積された各測定時刻における液量データを当該測定時刻における液温データに基づき温度補正して補正液量データを生成すると共に、この補正液量データと液温データと測定時刻データとから、液量及び液温の時間変化を示す時間的に連続した液量・液温変化データを生成する演算部とを備え、
この演算部が、前記液量・液温変化データから、液量及び液温の時間変化が実質的にないと判断される液量・液温安定期における液量変化データを抽出し、この液量・液温安定期における液量変化データから液量変化傾向を求めて漏洩の有無を判定する液体貯蔵タンクの漏洩検知システム。 - 前記データベースには、漏洩がない状態での当該液体貯蔵タンクの液量・液温安定期における液量の時間変化を示す液量変化基準データが蓄積されており、
前記演算部が、前記液量・液温安定期における液量変化データを前記液量変化基準データと比較することによって液量変化傾向を求める請求項1に記載の液体貯蔵タンクの漏洩検知システム。 - 前記演算部が、所定時間以上継続する単一の液量・液温安定期毎における液量変化傾向から漏洩有無の一次判定を行い、および/または、複数の液量・液温安定期における液量変化傾向から漏洩有無の最終判定を行う請求項1または請求項2に記載の液体貯蔵タンクの漏洩検知システム。
- 液体貯蔵タンクの液量及び液温を液量センサ及び液温センサによって常時測定し、
測定した液量データ及び液温データをその測定時刻データと共にデータベースに蓄積し、
データベースに蓄積された各測定時刻における液量データを当該測定時刻における液温データに基づき温度補正して補正液量データを生成すると共に、この補正液量データと液温データと測定時刻データとから、液量及び液温の時間変化を示す時間的に連続した液量・液温変化データを生成し、さらに前記液量・液温変化データから、液量及び液温の時間変化が実質的にないと判断される液量・液温安定期における液量変化データを抽出し、この液量・液温安定期における液量変化データから液量変化傾向を求めて漏洩の有無を判定する液体貯蔵タンクの漏洩検知方法。 - 漏洩がない状態での当該液体貯蔵タンクの液量・液温安定期における液量の時間変化を示す液量変化基準データを予めデータベースに蓄積し、
前記液量・液温安定期における液量変化データを前記液量変化基準データと比較することによって液量変化傾向を求める請求項4に記載の液体貯蔵タンクの漏洩検知方法。 - 所定時間以上継続する単一の液量・液温安定期毎における液量変化傾向から漏洩有無の一次判定を行い、および/または、複数の液量・液温安定期における液量変化傾向から漏洩有無の最終判定を行う請求項4または請求項5に記載の液体貯蔵タンクの漏洩検知方法。
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