JP5031689B2 - ガスメーター計量方法及びガスメーター計量装置 - Google Patents
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Description
特許文献1は、ガバナ付の器具では圧力が変化しても流量は変わらないことを利用して、圧力変動と流量との相関を取り、相関があればガス漏れと判定する。
特許文献2は、ガス漏れの検知をガス配管に圧力変動を与えて、圧力変動と流量との相関を取り、相関があればガス漏れと判定する。
特許文献3は、複数の圧力センサとフローセンサを設けて、隣接する圧力センサの間の相関とフローセンサ出力の相関を取って漏れを判定する。
また、不使用時におけるガス逆流の検知技術に関して、以下の文献が開示されている。
特許文献4は、正逆の流量が測定できるメーターで、バッファのクリアを小流量に限って行うことで通常使用時の積算誤差を防ぐ。
特許文献5は、ガスメーター前後の差圧(圧力損失)とメーターの測定流量の相関を取って(Q=K△P2の関係を、Kの変化が無いかを相関計数の変化の有無で検証していることになる)、計量が正しく行われているかどうかを判定する。
これにより逆流防止は可能となるものの、正方向の誤積算については解消されないという問題がある。また、逆止弁の設置によるコストアップという問題もある。
さらに、最低感度流量を引き上げてガス不使用時の誤積算を排除する方式もあるが、実際に小流量使用している場合にも積算されなくなるという問題がある。
第一の発明は、ガス不使用時における誤積算を防止するガスメーター計量方法であって、
(1)ガスメーター上流側配管内の圧力変動(ΔP)の、所定のタイムスパンにおける自己周期性を判定するステップと、
(2)周期性ありと判定したときに、圧力変動(ΔP)とガスメーターの流量変動(ΔQ)との相互相関性を判定するステップと、
(3)相関性ありと判定したときに、下流側配管容積(V)及び前記所定のタイムスパンにおける圧力変動の最大値(ΔPmax)に基づいて求めたガス体積変化量の最大値(ΔVmax)と、その間の流量変動最大値(ΔQmax)と、を比較するステップと、
(4)ガス体積変化量最大値(ΔVmax)と流量変動最大値(ΔQmax)とが実質的に等しいときは、不使用時にガスメーターを介してのガスの流れありと判定するステップと、
(5) ガスの流れありと判定したときは、前記流量変動最大値(ΔQmax)以下の流量については積算対象から除外するステップと、
を含むことを特徴とする。
本発明によれば、明らかにガスを使用しているときには判定対象外となるため、必要なときにだけ演算を行うことになり、無駄な判定ステップを省くことができる。これにより、計算に要する時間や消費電力も少なくて済む。
(6)所定のタイムスパンについて、ガスメーター上流側配管内の圧力変動(ΔP)と、ガスメーターの流量変動(ΔQ)との相関性を判定するステップと、(7)相関性ありと判定したときに、所定のタイムスパンにおける流量変動最大値(ΔQmax)が閾値(ΔQth)以下のときは、ガスメーターを介してのガスの流れありと判定するステップと、(8) ガスの流れありと判定したときは、流量変動最大値(ΔQmax)以下の流量については積算対象から除外するステップと、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、第一の発明と比較して精度は多少低下するものの、より簡易に誤積算を回避することができる。
また、新たなハードウエアを追加することなく、不使用時の誤積算を防止することが可能となる。
また、単に最低感度流量を引き上げる方式と比較して、ガス計量の取りこぼしを予防できるという効果がある。
(第一の実施形態)
ガス供給網には、専用ガバナを介して端末機器を使用する事業所・工場等が含まれることもある。専用ガバナは、ガス消費量の大きな需要家に設けられることが一般的である。しかし、大流量用の専用ガバナの下流側で、たとえば小型湯沸器などの小流量の機器が使われると、ガバナの動作が間欠的になって圧力が周期的に変化し、ガス供給網の圧力が変動することがある。本実施形態は、このようなケースにおけるガスメーター誤積算防止制御方法に関する。
図1は、ガス供給網20の末端部21の需要家構成を示す図である。図2は、本発明の一実施形態に係るガスメーター計量装置1のブロック構成を示す図である。図3は、専用ガバナ作動に伴うガス供給網末端部21への影響を示す図である。図4は、ガスメーター計量装置1の制御フローを示す図である。
図2を参照して、ガスメーター計量装置1はメーター本体2と、積算手段7と、圧力センサ9と、温度センサ10と、表示部8と、を主要構成として備えている。メーター本体2は、内部を流れるガスの瞬時流量、供給圧力、ガス温度を検知して流量積算手段7に出力するように構成されている。
図3を参照して、本実施形態は需要家Bにおいて、同図(a)に示すように時刻t0において、ガス流量がV1からV2に変化した状態を想定している。これは、ガスエンジン11b使用から小型湯沸器11a使用に変化したような場合に生じる。この場合、専用ガバナ4下流側の圧力は同図(b)のように変動し、また、専用ガバナ4上流側(すなわち需要家A側)では、同図(c)のような圧力変動となる。
以下のガス流量積算制御方法は、同図(c)のような圧力変動に対応するものであり、専用ガバナ4の下流側において、所定のタイムスパンτの圧力、流量変動に対する積算判定を想定している。
次に、演算部7c及び積算判定部7dで実行される流量積算対象是非の判定フローについて説明する。第一ステップとして、所定のタイムスパンτにおける瞬時流量Qが、常に下限流量Q0以下か否かが判定される(S104)。Q0を超えるときは、実際にガス使用ありと判定され、この間の標準状態流量Qcは積算の対象となる(S110)。Q0以下のときは、タイムスパンτにおける圧力変動周期性が判定される(S105)。判定は、上述(a)式により演算される自己相関係数r1に基づいて行われる。r1<0.9のときは周期性なしと判定され(S105においてNO)、この間の標準状態流量Qcは積算の対象となる(S110)。
r1≧0.9以上のときは周期性ありと判定され(S105においてYES)、タイムスパンτの検出データに関して、次のステップに移行する。すなわち、上述の(b)式に基づいて、圧力変動(ΔP)と流量変動(ΔQ)の相互相関性が判定される(S106)。ここで、r2<0.9のときは相関性なしと判定され(S105においてNO)、この間の標準状態流量Qcは積算の対象となる(S110)。
次いで、ΔVmaxとΔQmaxとが比較される(S108)。ΔVmaxとΔQmaxとがほぼ等しい(ΔVmax≒ΔQmax)ときは、タイムスパンτにおけるΔQmax以下の瞬時流量データQcは流量積算対象から除外される(S109)。一方、ΔVmaxとΔQmaxとが異なるときは、Qcは流量積算対象となる(S110)。上記各ステップにおいて流量積算対象となった流量データは、流量積算部7fに取り込まれ、さらに表示部に累積表示されていく。
また、積算手段7をメーター本体とは独立に設ける形態としたが、本体内に組み込む形態とすることもできる。
また、全ての検知データに基づいて閾値を求める形態としたが、所定の下限流量以下の流量データのみを対象として閾値を求める形態とすることもできる。
(第二の実施形態)
次に図5を参照して、本実施形態におけるガス流量積算制御方法について説明する。本制御についても、所定のタイムスパンτの圧力、流量変動に対する積算判定を想定している。
初期状態において、固定閾値(ΔQ’th)が設定されている(S201)。メーター本体2において検知されるガス瞬時流量、供給圧力、温度データは随時出力され(S202)、流量補正部7aにおいて圧力、温度補正された後(S203)、データ格納部7bに格納される(S204)。
S205において相互相関性なし、又はS206においてQc≧ΔQ’thのときは、補正流量値は流量積算部7eに取り込まれる(S208)。
2・・・メーター本体
3、11a、11b・・・端末機器
4・・・専用ガバナ
5、6・・・供給管
7・・・流量積算手段
7a・・・流量補正部
7b・・・データ格納部
7c・・・演算部
7d・・・積算判定部
7e・・・流量積算部
7f・・・閾値格納部
8・・・表示部
9・・・圧力センサ
10・・・温度センサ
20・・・ガス供給網
Claims (4)
- ガス不使用時における誤積算を防止するガスメーター計量方法であって、
(1)ガスメーター上流側配管内の圧力変動(ΔP)の、所定のタイムスパンにおける自己周期性を判定するステップと、
(2)周期性ありと判定したときに、圧力変動(ΔP)と流量変動(ΔQ)との相関性を判定するステップと、
(3)相関性ありと判定したときに、下流側配管容積(V)及び前記所定のタイムスパンにおける圧力変動の最大値(ΔPmax)に基づいて求めたガス体積変化量の最大値(ΔVmax)と、その間の流量変動最大値(ΔQmax)と、を比較するステップと、
(4)ガス体積変化量最大値(ΔVmax)と流量変動最大値(ΔQmax)とが実質的に等しいときは、不使用時にガスメーターを介してのガスの流れありと判定するステップと、
(5) ガスの流れありと判定したときは、前記流量変動最大値(ΔQmax)以下の流量については積算対象から除外するステップと、
を含むことを特徴とするガスメーター計量方法。 - 前記(1)のステップにおいて、ガス流量(Q)が所定の下限流量以下のときの圧力変動のみを対象として、自己周期性を判定することを特徴とする請求項1に記載のガスメーター計量方法。
- ガス不使用時における誤積算を防止するガスメーター計量方法であって、
(6)所定のタイムスパンについて、ガスメーター上流側配管内の圧力変動(ΔP)と、ガスメーターの流量変動(ΔQ)との相関性を判定するステップと、
(7)相関性ありと判定したときに、所定のタイムスパンにおける流量変動最大値(ΔQmax)が閾値(ΔQth)以下のときは、ガスメーターを介してのガスの流れありと判定するステップと、
(8) ガスの流れありと判定したときは、流量変動最大値(ΔQmax)以下の流量については積算対象から除外するステップと、
を含むことを特徴とするガスメーター計量方法。 - ガス不使用時における誤積算を防止するガスメーター計量装置であって、
随時検出される供給圧力及び瞬時流量データを取り込んで一旦格納する格納手段と、
圧力変動値(ΔP)及び流量変動値(ΔQ)に基づいて、圧力変動と流量変動の相関性を演算する演算手段と、
圧力変動と流量変動の相関性があるときに、所定の閾値と流量変動最大値(ΔQmax)とを比較して、検出流量データの積算可否を判定する積算判定手段と、
を備えて成ることを特徴とするガスメーター計量装置。
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