JP2008308598A - (メタ)アクリル系重合体の製造方法 - Google Patents

(メタ)アクリル系重合体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 中和処理工程において、必用とされる固体塩基量を削減し、これにより製造に要する時間の短縮化、コストの低減を可能とする(メタ)アクリル系ブロック共重合体の製造方法を提供する。
【解決手段】 (I).有機溶剤中で遷移金属錯体触媒を用いた制御ラジカル重合法により(メタ)アクリル系重合体溶液を製造する工程、
(II).前記(メタ)アクリル系重合体溶液に有機酸を添加し、前記遷移金属錯体触媒を除去する工程、
(III).(II)の工程を経た後、前記(メタ)アクリル系重合体溶液に中和剤を加え中和処理する工程、を含み、(III)の工程で使用する中和剤が固体塩基であり、且つ、中和処理温度が40〜60℃である(メタ)アクリル系重合体の製造方法を採用する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、(メタ)アクリル系重合体の製造方法に関する。
アクリル系ブロック共重合体は、耐候性、耐熱性、耐久性、耐油性、耐磨耗性に優れるという特長を有している。また、ブロック体を構成する成分を適宜選択することで、スチレン系ブロック体などの他の熱可塑性エラストマーに比べて極めて柔軟なエラストマーを与えることが可能である。また、カルボキシル基をアクリル系ブロック共重合体に導入することにより、耐熱性等の種々の物性を改善可能であることが知られている。
メタアクリル系重合体ブロックおよびアクリル系重合体ブロックを含有するアクリル系ブロック共重合体を製造する方法としては、一般的にリビング重合を用いる方法が知られているが、カルボキシル基の導入方法としては、直接カルボキシル基を持つアクリル酸、メタクリル酸を重合することが出来ないため、アクリル酸t−ブチル及び/又はメタクリル酸t−ブチルを単量体成分として含有するアクリル系ブロック共重合体を製造し、その後、アクリル酸t−ブチルやメタクリル酸t−ブチルのエステル部位を酸触媒により分解し、カルボキシル基にする方法が有効である。
一方で、前駆体となるアクリル系ブロック共重合体のリビング重合法による製造方法では、重合触媒として遷移金属錯体が用いられ、反応制御を容易にするために、適宜重合溶媒が使用される。また、重合触媒として用いた遷移金属錯体は、精製処理を行うことにより除去され、これにより、アクリル系ブロック共重合体溶液が得られる。
つまり、アクリル系ブロック共重合体の精製溶液を得るには、重合が終了した共重合体溶液に有機スルホン酸を加えて触媒を失活させ、不溶化した遷移金属錯体を固液分離により除去し、必要に応じて濾液を100〜180℃に加熱してt−ブチルエステル基からカルボキシル基への変換反応を行い、その後固体塩基を加えて室温で中和処理を施し、中和後の溶液について固液分離処理を行う精製方法が有効である。
上記の製造工程を含むカルボキシル基含有アクリル系ブロック共重合体の製造方法は、特許文献1に記載されているが、その実施例で開示されている一連の製造方法は、t−ブチルエステル基含有アクリル系ブロック共重合体を精製した後にt−ブチルエステル基をカルボキシル基に変換するものである。このような手順が踏まれているのは、カルボキシル基への変換反応を遷移金属錯体触媒残渣が存在する溶液中で行った場合に、予期しない副反応が起こる可能性を考慮してのことである。
国際公開WO03/068836号
しかしながら、室温で中和反応を行なった場合、中和剤として加える塩基が固体であるため中和効率が悪くなる傾向が認められ、必要とされる固体塩基量が増大し、コスト的に不利となる問題があった。また、固体塩基量の増大のため、中和後の固液分離の際に濾過速度が低下し、タイムサイクルが長くなるという問題点もあった。また、反応温度を上げて反応効率を高めようとすると固体塩基中の金属が溶液中の溶出し、(メタ)アクリル系重合体中の官能基と反応してアイオノマーなどが生成することなどにより、最終生成ポリマーの溶融性を悪化させる(溶融粘度が上昇する)傾向があり、成形性に劣るポリマーとなるなどの問題が生じる可能性がある。
本発明は、中和処理工程において必要とされる固体塩基の使用量を抑制しうる(メタ)アクリル系重合体の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明者は鋭意検討した結果、(メタ)アクリル系共重合体の製造方法において、中和工程の際の反応温度を特定範囲とすることにより、中和剤である固体塩基中を残存有機酸が拡散する速度が上がることで中和効率が上がり、必要固体塩基量を低減でき、なおかつ中和後の樹脂の溶融性の低下を抑制することができることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、(I).有機溶剤中で遷移金属錯体触媒を用いた制御ラジカル重合法により(メタ)アクリル系重合体溶液を製造する工程、(II).前記(メタ)アクリル系重合体溶液に有機酸を添加し、前記遷移金属錯体触媒を除去する工程、
(III).(II)の工程を経た後、前記(メタ)アクリル系重合体溶液に中和剤を加え中和処理する工程、を含む(メタ)アクリル系重合体の製造方法であって、(III)の工程で使用する中和剤が固体塩基であり、且つ、中和処理温度が40〜60℃であることを特徴とする(メタ)アクリル系重合体の製造方法に関する。
好ましい(メタ)アクリル系重合体は、カルボキシル基を含有する(メタ)アクリル系ブロック共重合体であり、より好ましくは、メタアクリル酸エステルを主成分とするメタアクリル系重合体ブロック(A)とアクリル酸エステルを主成分とするアクリル系重合体ブロック(B)とを有するカルボキシル基含有ブロック共重合体である。
本発明において好ましい固体塩基は、マグネシウムとアルミニウムの複合酸化物である。
本発明において好ましい有機スルホン酸は、ベンゼンスルホン酸、あるいはその誘導体である。
また、本発明が好ましく適応されうる遷移金属錯体触媒は銅金属錯体触媒であり、特に有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、銅金属錯体を触媒として重合することが好ましい。
好ましい銅金属錯体触媒は、ハロゲン化銅と、窒素を含有する配位子との反応により生成したものである。
(メタ)アクリル系重合体の好ましい数平均分子量は、30,000〜500,000であり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は1〜1.8である。
本発明の(メタ)アクリル系ブロック共重合体の製造方法を用いることにより、中和処理工程において、必用とされる固体塩基量を削減することが可能となる。また、これにより製造に要する時間の短縮化、コストの低減が可能となる。
以下、本発明に関わる(メタ)アクリル系ブロック共重合体の製造方法について詳細に説明する。
なお、本発明でいう固体塩基とは、固体状態でその表面が塩基性を示す物質をいい。中和効率に優れることより、表面積の大きい多孔質物質よりなるものが好ましく用いられる。
<(メタ)アクリル系ブロック共重合体(a)>
本発明に係る方法で製造されるメタアクリル系重合体ブロック(A)およびアクリル系重合体ブロック(B)からなるブロック共重合体(a)は、メタアクリル系重合体ブロック(A)およびアクリル系重合体ブロック(B)の少なくとも一方にカルボキシル基を有していても良い。ブロック共重合体(a)の構造は、線状ブロック共重合体であっても、分岐状(星状)ブロック共重合体であっても、これらの混合物であってもよく、特に問うものではない。ブロック共重合体(a)の構造は、必要とされる物性に応じて選択すればよいが、コスト面や重合容易性の点で、線状ブロック共重合体が好ましい。
線状ブロック共重合体は、いずれの構造のものであってもよいが、線状ブロック共重合体そのものの物性および組成物の物性の点から、メタアクリル系重合体ブロック(A)をA、アクリル系重合体ブロック(B)をBと表現したとき、加工時の取り扱い容易性や組成物の物性の点から、A−B型のジブロック共重合体、A−B−A型のトリブロック共重合体、またはこれらの混合物が好ましい。また、その分子量や、メタアクリル系重合体ブロック(A)とアクリル系重合体ブロック(B)との組成比は、要求されるブロック共重合体(a)を含有する組成物の成型時の形状の保持や溶融性、エラストマーとしての弾性等の物性から適宜決定される。
アクリル系ブロック共重合体(a)の数平均分子量は、30,000〜500,000が好ましく、更に好ましくは45,000〜200,000である。数平均分子量が30,000より小さいと機械強度が低下する傾向がある。数平均分子量が500,000より大きいと加工性が低下する傾向がある。分子量は、アクリル系ブロック共重合体に必要とされる特性に応じて、後に述べるガラス転移温度とのバランスを調製しながら設定することができる。ここで示した分子量は、クロロホルムを移動相とし、ポリスチレンゲルカラムを使用したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算によって測定した場合の分子量である。
アクリル系ブロック共重合体(a)のGPCで測定した重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は特に限定されないが、1.8以下であることが好ましい。Mw/Mnが1.8をこえるとアクリル系ブロック共重合体(a)の均一性が低下する傾向がある。
アクリル系ブロック共重合体(a)を構成するメタアクリル系重合体ブロック(A)とアクリル系重合体ブロック(B)の組成比は、(A)が5〜90重量%、(B)が95〜10重量%の範囲で任意に設定することができる。(A)の割合が小さいと成形時に形状が保持されにくい傾向があり、(B)の割合が小さいと弾性および成形時の溶融性が低下する傾向がある。硬度の観点からは、(A)の割合が大きいと硬度が高くなり、また、(B)の割合が大きいと硬度が低くなる傾向がある。これらは、アクリル系ブロック共重合体(a)に求められる特性に応じて設定することができる。
<メタアクリル系重合体ブロック(A)>
メタアクリル系重合体ブロック(A)は、メタアクリル酸エステル50〜100重量%、好ましくは75〜100重量%、およびこれと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%、好ましくは0〜25重量%から構成される。メタアクリル酸エステルの割合が少ないと、メタアクリル酸エステルの特徴である、耐候性、高いガラス転移温度、樹脂との相溶性などの特性が損なわれる傾向が生ずる。
メタアクリル酸エステルとしては、たとえば、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−プロピル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸t−ブチル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸n−ペンチル、メタアクリル酸n−ヘキシル、メタアクリル酸n−ヘプチル、メタアクリル酸n−オクチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ノニル、メタアクリル酸デシル、メタアクリル酸ドデシル、メタアクリル酸ステアリルなどのメタアクリル酸脂肪族炭化水素(たとえば炭素数1〜18のアルキル)エステル;メタアクリル酸シクロヘキシル、メタアクリル酸イソボルニルなどのメタアクリル酸脂環式炭化水素エステル;メタアクリル酸ベンジルなどのメタアクリル酸アラルキルエステル;メタアクリル酸フェニル、メタアクリル酸トルイルなどのメタアクリル酸芳香族炭化水素エステル;メタアクリル酸2−メトキシエチル、メタアクリル酸3−メトキシブチルなどのメタアクリル酸とエーテル性酸素を有する官能基含有アルコールとのエステルなどをあげることができる。
メタアクリル系重合体ブロック(A)を構成するメタアクリル酸エステルと共重合可能なビニル系単量体としては、たとえば、アクリル酸エステル、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽和化合物、ケイ素含有不飽和化合物、不飽和カルボン酸化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、ビニルエステル化合物、マレイミド系化合物などをあげることができる。
アクリル酸エステルとしては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸n−ヘプチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリルなどのアクリル酸脂肪族炭化水素(たとえば炭素数1〜18のアルキル)エステル;アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニルなどのアクリル酸脂環式炭化水素エステル;アクリル酸フェニル、アクリル酸トルイルなどのアクリル酸芳香族炭化水素エステル;アクリル酸ベンジルなどのアクリル酸アラルキルエステル;アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸3−メトキシブチルなどのアクリル酸とエーテル性酸素を有する官能基含有アルコールとのエステルなどをあげることができる。
芳香族アルケニル化合物としては、たとえば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレンなどをあげることができる。
シアン化ビニル化合物としては、たとえば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどをあげることができる。
共役ジエン系化合物としては、たとえば、ブタジエン、イソプレンなどをあげることができる。
ハロゲン含有不飽和化合物としては、たとえば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、パーフルオロエチレン、パーフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンなどをあげることができる。
不飽和カルボン酸化合物としては、たとえば、メタアクリル酸、アクリル酸などをあげることができる。
不飽和ジカルボン酸化合物としては、たとえば、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステル、フマル酸、フマル酸のモノアルキルエステルおよびジアルキルエステルなどをあげることができる。
ビニルエステル化合物としては、たとえば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸ビニル、安息香酸ビニル、桂皮酸ビニルなどをあげることができる。
マレイミド系化合物としては、たとえば、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、ヘキシルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどをあげることができる。
これらは単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのビニル系単量体は、メタアクリル系重合体ブロック(A)に要求されるガラス転移温度の調整、アクリル系重合体ブロック(B)との相溶性などの観点から好ましいものを選択することができる。
ブロック(A)のガラス転移温度は、エラストマー組成物の熱変形の観点から、好ましくは25℃以上、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは50℃以上である。(B)のガラス転移温度がエラストマー組成物の使用される環境の温度より低いと、凝集力の低下により、熱変形しやすくなる場合がある。メタアクリル系重合体ブロック(A)にカルボキシル基及び/又は酸無水物を導入する際の前駆体として、アクリル酸t−ブチルやメタアクリル酸t−ブチルを用いることができる。これにより、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(a)の耐熱性を上げることができる。
<アクリル系重合体ブロック(B)>
アクリル系重合体ブロック(B)は、アクリル酸エステル50〜100重量%、好ましくは75〜100重量%、およびこれと共重合可能なビニル系単量体0〜50重量%、好ましくは0〜25重量%から構成される。アクリル酸エステルの割合が50重量%未満であると、アクリル酸エステルを用いる場合の特徴である組成物の物性、とくに柔軟性、耐油性が損なわれる場合がある。
アクリル酸エステルとしては、上記メタアクリル系重合体ブロック(A)に用いられるアクリル酸エステルと同様のものを用いることができる。
アクリル系重合体ブロック(B)を構成するアクリル酸エステルと共重合可能なビニル系単量体としては、たとえば、メタアクリル酸エステル、芳香族アルケニル化合物、シアン化ビニル化合物、共役ジエン系化合物、ハロゲン含有不飽和化合物、ケイ素含有不飽和化合物、不飽和カルボン酸化合物、不飽和ジカルボン酸化合物、ビニルエステル化合物、マレイミド系化合物などをあげることができる。これらは、上記メタアクリル系重合体ブロック(A)に用いられるものと同様のものを用いることができる。
(メタ)アクリル系ブロック共重合体(a)の耐熱性を上げる為に、アクリル系重合体ブロック(B)にカルボキシル基などの官能基を導入することができる。カルボキシル基は強い凝集力をもっており、これらの官能基を有する単量体はガラス転移温度(Tg)が高く、ブロック共重合体(a)の耐熱分解性を向上させる効果を有する。カルボキシル基を導入する際の前駆体としては、アクリル酸t−ブチルやメタアクリル酸t−ブチルを用いることができる。
<制御ラジカル重合法>
上記のようなブロック共重合体は、遷移金属錯体触媒を用いた種々の制御ラジカル重合法により重合するのが、重合操作の容易性、得られる中和前の共重合体における分子量調節の容易性などの点から好ましい。
その中でも、構造制御において最もその弊害となる成長ラジカル間の停止反応をキャッピング剤により疑似停止させ、本来の停止反応を極力抑制することによってリビング的性質を重合反応に付与したリビングラジカル重合法は、分子量分布の制御の観点からはより好ましい。
従来リビングラジカル重合法には3つの方法が提案されている。第1の方法は、成長ラジカルが捕捉ラジカルと可逆的に反応して共有化学種を形成する方法、第2の方法は、成長ラジカルが共有化学種と可逆的に反応してラジカルを生成する方法、第3の方法は、成長ラジカルが連鎖移動剤と可逆的に退化的転移反応を起こして同じ型のラジカルを再生する方法である。本発明においては何れの方法も適用し得るが、好ましくは第1の方法と第2の方法であり、更に好ましくは第2の方法に分類される原子移動ラジカル重合法である。
原子移動ラジカル重合法は、有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、周期律表第7族、8族、9族、10族または11族元素を中心金属とする金属錯体を触媒とする重合法である(たとえば、マティジャスツェウスキー(Matyjaszewski)ら、ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.)、1995年、第117巻、5614頁、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、1995年、第28巻、7901頁、サイエンス(Science)、1996年、第272巻、866頁、または、澤本(Sawamoto)ら、マクロモレキュールズ(Macromolecules)、1995年、第28巻、1721頁参照)
原子移動ラジカル重合法において、開始剤として用いることができる有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物は、ハロゲン基(ハロゲン原子)が結合している炭素がカルボニル基またはフェニル基などと結合しており、炭素−ハロゲン結合が活性化されて重合が開始する。使用する開始剤の量は、必要とするアクリル系ブロック共重合体(a)の分子量に合わせて、単量体とのモル比から決定すればよい。すなわち、開始剤1分子あたり、何分子の単量体を使用するかによって、アクリル系ブロック共重合体(a)の分子量を制御することができる。
原子移動ラジカル重合法の触媒として用いられる遷移金属錯体としては、とくに限定はないが、好ましいものとして、1価および0価の銅、2価のルテニウム、2価の鉄、ならびに、2価のニッケルの錯体をあげることができる。
これらの中でも、コストや反応制御の点から銅の錯体が好ましい。1価の銅化合物としては、たとえば、塩化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、シアン化第一銅、酸化第一銅、過塩素酸第一銅などがあげられる。その中でも塩化第一銅、臭化第一銅が、重合の制御の観点から好ましい。1価の銅化合物を用いる場合、触媒活性を高めるために、2,2’−ビピリジル、その誘導体(たとえば4,4’−ジノリル−2,2’−ビピリジル、4,4’−ジ(5−ノリル)−2,2’−ビピリジルなど)などの2,2’−ビピリジル系化合物;1,10−フェナントロリン、その誘導体(たとえば4,7−ジノリル−1,10−フェナントロリン、5,6−ジノリル−1,10−フェナントロリンなど)などの1,10−フェナントロリン系化合物;テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチル(2−アミノエチル)アミンなどのポリアミンなどを配位子として添加してもよい。
使用する触媒、配位子の量は、使用する開始剤、単量体および溶媒の量と必要とする反応速度の関係から決定すればよい。たとえば、分子量の高い重合体を得ようとする場合には、分子量の低い重合体を得ようとする場合よりも、開始剤/単量体の比を小さくしなければならないが、そのような場合には、触媒、配位子を多くすることにより、反応速度を増大させることができる。また、ガラス転移温度が室温より高い重合体が生成する場合、系の粘度を下げて撹拌効率を上げるために適当な有機溶媒を添加した場合には、反応速度が低下する傾向があるが、そのような場合には、触媒、配位子を多くすることにより、反応速度を増大させることができる。
前記原子移動ラジカル重合法は、無溶媒中で(塊状重合)、または各種の溶媒中で行なうことができる。溶媒を使用する場合、その使用量は系全体の粘度と、必要とする撹拌効率の関係から適宜決定すればよい。
<(メタ)アクリル系ブロック共重合体(a)の製造工程>
一般に、リビングラジカル重合法により(メタ)アクリル系ブロック共重合体(a)を製造する重合方法としては、単量体を逐次添加する方法、あらかじめ合成した重合体を高分子開始剤として次の重合体ブロックを重合する方法、別々に重合した重合体ブロックを反応により結合する方法などが挙げられるが、本発明では、製造工程の簡便性の点から、単量体の逐次添加による方法を用いる。
単量体の逐次添加により(メタ)アクリル系ブロック共重合体(a)を製造する重合方法においては、メタアクリル系重合体ブロック(A)を構成するメタアクリル系単量体と、アクリル系重合体ブロック(B)を構成するアクリル系単量体の添加順序について、先にアクリル系単量体を重合した後にメタアクリル系単量体を追加する方法が挙げられる。
原子移動ラジカル重合法を用いて、単量体の逐次添加により(メタ)アクリル系ブロック共重合体(a)を製造する方法としては、最初にアクリル系単量体を重合した後、メタアクリル系単量体を添加する方法が用いられる。具体的には、特に限定されないが、以下の方法が挙げられる。
まず、開始剤としては有機ハロゲン化物が原料入手性、コストの観点から好ましい。さらに、生長末端が炭素−臭素結合を持つことが反応制御の観点から好ましいため、臭化物がより好ましい。トリブロック共重合体を製造するには2官能性の開始剤を、ジブロック共重合体を用いる場合には1官能性の開始剤を用いることができる。開始剤の例としては、上記に挙げたものを使用することができる。
次に、触媒として用いる遷移金属錯体としては、臭化第一銅または塩化第一銅が原料入手性、コストの観点から好ましく、重合の制御の観点から臭化第一銅がより好ましい。この場合、触媒活性を高めるために、ペンタメチルジエチレントリアミンなどのポリアミンなどを配位子として添加してもよい。遷移金属錯体と配位子は、反応開始前にあらかじめ混合しておいてもよく、反応途中に適宜加えてもよい。
重合溶媒は、必要に応じて使用してよく、反応溶液の撹拌効率、触媒濃度などに応じて選択すればよい。重合溶媒としては、上記に挙げたものを使用することができるが、アセトニトリル、トルエンが好ましく用いられる。
アクリル系単量体は、後に述べる種々の単量体を用いることができ、必要とする物性や反応性に応じて選択することができる。
アクリル系重合体ブロック(B)の重合方法は、特に限定されないが、開始剤、遷移金属錯体(必要に応じて配位子)、重合溶媒、アクリル系単量体を全て混合した後で昇温することにより開始させてもよく、いずれか一種の原料以外を混合して昇温させた後、残る原料を添加することで開始させてもよい。
重合反応が進行し、アクリル系単量体の転化率が80〜99.5%の時点で、メタアクリル系単量体を追加することで、さらにメタアクリル系重合体ブロック(A)を重合させる。
用いられるメタアクリル系単量体は、後に述べる種々の単量体を用いることができ、必要とする物性、反応性に応じて選択することができる。
このとき、さらに遷移金属錯体を追加することができる。追加する遷移金属錯体としては、アクリル系単量体の重合時に用いた遷移金属錯体と同じであっても異なっていてもよいが、アクリル系単量体の重合に臭化第一銅を用いた場合には、塩化第一銅を追加することが好ましい。これは、反応制御の観点から、アクリル系単量体の重合においては、生長末端が炭素−臭素結合を有することが好ましいが、メタアクリル系単量体の重合においては、炭素−塩素結合を有することが好ましいため、最初に重合したアクリル系重合体の末端の炭素−臭素結合を炭素−塩素結合に変換することができるからである。ここで、炭素−塩素結合は炭素−臭素結合より安定であるため、上記の変換は効率的に進行するが、その逆の変換は困難である。従って、先に述べたように、最初にメタアクリル系単量体を重合した後、アクリル系単量体を追加するという順序では、アクリル系ブロック共重合体を制御よく製造することは困難である。
また、必要に応じて、メタアクリル系単量体を追加する際、または重合途中に、反応溶液の粘度を下げて撹拌効率を上げるために重合溶媒を、反応速度を高めるために配位子を追加することができる。用いられる重合溶媒および配位子としては、アクリル系単量体の重合時に用いたものと同じであっても異なっていてもよい。
<(メタ)アクリル系重合体の製造工程(I)>
<アクリル系重合体ブロック(B)の重合工程>
アクリル系重合体ブロック(B)の重合方法の具体例を以下に示す。本発明におけるアクリル系重合体ブロック(B)の重合方法としては、例えば、反応器に撹拌型耐圧反応器を用いて、反応器内を十分に窒素置換し、酸素を取り除いた状態にして、アクリル系単量体、重合触媒である遷移金属触媒、重合溶媒および重合開始剤をそれぞれ所定量順次仕込み、前記の温度範囲(例えば原子移動ラジカル重合であれば、好ましくは室温〜200℃)で、触媒である遷移金属に対して0.1〜4倍モルの触媒配位子を添加してラジカル重合を開始する方法(前記制御重合)にてアクリル系重合体ブロックが製造される。
アクリル系重合体ブロック(B)の重合における反応器の種類は、特に限定されないが、低粘性から高粘性に至る条件における重合体溶液の十分な混合と重合体溶液の迅速な昇温および冷却と重合反応中の重合体溶液からの発熱の除去が必要となることから、撹拌型反応器を使用することが製法上有利である。
アクリル系重合体ブロック(B)の重合における原料の仕込み順序は、溶液中に遷移金属触媒を十分に分散させることが重合反応の安定性に著しく寄与することから、触媒を最も良く分散できる順序で仕込むことが肝要である。この場合、触媒は最初に添加するよりも溶液が反応器に仕込まれた状態で添加することが好ましく、より好ましくは溶液を撹拌している状態に添加することが好ましい。また重合溶媒として触媒を凝集させる性質を持つ溶液を使用する場合には、触媒を添加後に触媒を凝集させる溶液を添加することが好ましい。
触媒配位子を添加してラジカル重合法を開始する際の溶液温度は、重合活性を十分に発現し得る温度となる60℃以上で、かつラジカル重合特有の強い初期発熱を抑えるためには85℃以下とすることが製造上有利となる。従って、本発明においては重合開始時の溶液温度は60℃〜85℃であることが好ましく、重合反応の安定化には70℃〜80℃がより好ましい。
アクリル系重合体ブロック(B)の重合を行う工程においては、アクリル系単量体の転化率が99.5%よりも高い場合は、生長末端のラジカル同士が反応しやすくなるために、不均化やカップリング、連鎖移動などの望ましくない副反応が起こりやすくなってリビング重合法の制御が低下する(分子量分布が広くなる)、もしくは反応速度が低下するなどの傾向があり、それによって物性が低下するという問題がある。また、重合が長時間化して生産上好ましくないなどの問題がある。一方、アクリル系単量体の転化率が80%以下で終了すると、未反応アクリル系単量体が次の重合工程へのコンタミとなって製品物性を低下させたり、未反応アクリル系単体量の回収を煩雑化させたりする場合がある。
80%より低い場合は、未反応のアクリル系単量体が20%よりも多くなり、続いて重合するメタアクリル系重合体ブロック(A)におけるアクリル酸エステルユニットが多くなるため、ハードセグメントの凝集力が低下しゴム弾性が低下するため望ましくない。従って、アクリル系単量体の転化率は80%〜99.5%とすることが好ましく、コンタミ低減や、副反応の低減のためには95〜99.5%とすることがより好ましい。
アクリル系重合体ブロックの重合反応時間は、アクリル系単量体の重合転化率の追跡上および目標の転化率(80〜99.5%)で終了させるために1時間以上とし、また生産性から8時間以下とすることが好ましく、重合コントロールのし易さから2〜6時間とすることがより好ましい。また、重合中の重合体溶液温度は、重合反応速度を安定させることを目的に、目標温度から±10℃以内に制御することが好ましく、精度向上のためには±5℃以内とすることがより好ましい。重合終了後は、アクリル系重合体ブロックの重合進行を抑制するために、可能な限り迅速にメタアクリル系重合体の製造工程に移る必要がある。
<メタアクリル系重合体ブロック(A)の重合工程>
メタアクリル系重合体ブロック(A)の重合方法の具体例を以下に示す。前記アクリル系重合体ブロック(A)の重合工程と同様、重合溶媒、重合触媒である遷移金属触媒、およびメタアクリル系単量体をそれぞれ所定量順次反応容器に導入し、好ましくは室温〜200℃の温度範囲で、触媒である遷移金属に対して0.1〜4倍モルの触媒配位子を添加する。これにより、ラジカル重合が開始される。この場合、アクリル系重合体ブロックのカップリング、不均化などの副反応を抑制するために、重合溶媒添加による溶液の希釈を速やかに行うことが好ましい。
メタアクリル系重合体ブロック(A)の重合における原料の添加順序は、特に限定されないが、遷移金属触媒を添加するにあたり、重合体溶液中に触媒を十分に分散させることが反応の安定化に必要であることから、前記のように重合溶媒を添加して重合体溶液を低粘性とした後に遷移金属触媒を添加することが好ましい。また遷移金属触媒を添加後は、アクリル系重合体ブロックのカップリング反応等の副反応を低減するために、速やかに(例えば15分以内)メタアクリル系単量体を添加することが好ましい。
メタアクリル系重合体ブロック(A)の重合反応時間は、アクリル系重合体ブロック(B)の重合工程と同様に、メタアクリル系単量体の重合転化率の追跡を可能にし、目標の転化率で終了させるために1時間以上とし、また生産性から8時間以下とすることが好ましく、重合コントロールのし易さから3〜6時間とすることがより好ましい。また、重合中の重合体溶液温度も、アクリル系重合体ブロック重合工程と同様に重合反応速度を安定させることを目的に、目標温度から±10℃以内に制御することが好ましく、精度向上のためには±5℃以内とすることがより好ましい。
メタアクリル系重合体ブロック(A)の重合工程において、未反応メタアクリル系単量体が多量に残った状態で重合を終了すると、溶媒回収工程の煩雑化や溶媒回収時におけるメタアクリル系単量体の劣化によってリサイクル使用が困難となる場合がある。このため、90%を超える高転化率とすることが望ましい。一方、転化率が99%を超えると、ラジカル同士のカップリング、不均化などの副反応により反応のリビング性が損なわれ、設計通りの重合体が得られない場合があるため、実用的にはメタアクリル系単量体の転化率は90〜99%であることが好ましく、副反応の抑制のためには94〜99%がより好ましい。
また、メタアクリル系単量体の重合を高転化率とするためには、重合溶媒の重量をメタアクリル系重合体ブロック100重量部に対して300重量部以下とするのが望ましく、より重合活性を高めるには重合体溶液中のメタアクリル系単量体の濃度を高くするのがよい。しかしながら、重合溶媒量が10重量部未満となると、60%を超える転化率になった時に、重合体溶液粘度が著しい増加を示し、反応活性を維持するために添加するポリアミン化合物の重合体溶液中への混合・拡散が著しく悪化し、高転化率を実現できない場合がある。従って、メタアクリル系重合体ブロックの重合工程において、メタクリル系単量体の転化率を90〜99%とするためには、重合溶媒の量を、メタアクリル系重合体ブロック(A)100重量部に対して10〜400重量部とすることが好ましく、混合・拡散および反応活性のアップのためには、メタアクリル系重合体ブロック(A)100重量部に対して150〜300重量部とすることがより好ましい。
重合開始剤に対する遷移金属触媒の添加量は、可能な限り削減することが原料費のコストダウンから重要である。しかし、開始剤のハロゲン基に対して遷移金属添加量が0.1倍モル未満では、反応活性が低いばかりでなく発現しない場合がある。一方、20倍モルを超える触媒添加は、反応活性向上に寄与しないばかりでなく、重合反応終了後の触媒除去工程を煩雑化させる場合がある。従って、遷移金属触媒の添加量は、重合開始剤に対して0.1〜20倍モルにすることが好ましく、十分な反応性と制御性を確保するためには0.5〜10倍モルがより好ましい。
触媒活性は、ポリアミン化合物の添加量によっても制御可能である。錯体形成における必要量以上のポリアミン化合物の添加は、分子量分布を増大させるだけでなく、触媒除去工程にも悪影響となるため可能な限り削減することが望ましい。遷移金属錯体として銅化合物を使用する場合には、通常の原子移動ラジカル重合法の条件では、遷移金属の配位座の数と、配位子の配位する基の数から決定され、ほぼ等しくなるように設定される。たとえば、通常、2,2’−ビピリジルおよびその誘導体を銅化合物に対して加える量がモル比で2倍であり、ペンタメチルジエチレントリアミンの場合はモル比で1倍であり、金属原子が配位子に対して過剰になる方が好ましい。本発明の場合は、ポリアミン化合物量が原子移動ラジカル重合反応時に加える重合開始剤に対して、0.1倍モル未満では充分な重合活性が得られず、重合開始剤に対して4倍モルを超えると重合反応が速すぎて制御できない場合がある。
また、遷移金属触媒錯体へのポリアミン化合物の過剰な配位により、反応が進行しなくなるなどの問題が生じる場合がある。以上のことから、好ましいポリアミン化合物の添加量は重合開始剤に対して0.1〜4倍モルが好ましく、十分な反応性と制御性を確保するためには0.2〜3倍モルがより好ましい。
<(メタ)アクリル系ブロック共重合体の触媒失活、官能基変換工程(II)>
重合によって得られた重合体溶液は、重合体および触媒である金属錯体を含んでいるため、重合活性を消失させるとともに、これら金属錯体を分離除去する必要がある。金属錯体の分離除去の方法としては、有機酸を添加して金属錯体を失活させた後にこれを除去する方法がある。本発明で使用することができる有機酸は、特に限定されないが、カルボン酸基もしくはスルホン酸基を含有する有機物であることが好ましい。その中でも、有機溶媒への分散しやすさ、酸と金属錯体の反応との生成物の性状、入手しやすさなどから、ベンゼンスルホン酸もしくはその誘導体が好ましく、それらの中ではp−トルエンスルホン酸がより好ましい。
加える酸触媒の量は、ブロック共重合体100重量部あたり0.1〜20重量部が好ましく、0.1〜1重量部がより好ましい。
触媒成分が失活した後は、不溶化した銅触媒残渣、及び過剰有機酸を分離する。これら固体成分の分離方法としては、濾過、遠心分離、沈降分離、液体サイクロン等の種々の分離方式を適用することが可能である。分離の際、重合体溶液に溶媒を添加し、液粘度を下げることにより、分離を容易に行うことができる。希釈溶媒としては重合溶媒と同じくトルエンが好ましい。
ブロック共重合体(a)にカルボキシル基や酸無水物基を導入する必要がある場合は、アクリル系重合体ブロック(B)やメタアクリル系重合体ブロック(A)に、カルボキシル基及び/又は酸無水物を導入する際の前駆体として、アクリル酸t−ブチルやメタアクリル酸t−ブチルを導入しておく。これらを分解することにより、ブロック共重合体(a)中にカルボキシル基や酸無水物基を導入することができる。分解の方法としては、酸触媒を用いた加熱を挙げることができる。酸触媒としては、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸、塩酸や硫酸などの無機酸、およびスルホン酸型などのH+型イオン交換樹脂交換樹脂などを用いることができるが、前述した触媒精製工程で用いた有機酸をそのまま使用する方法が簡便であり、有機酸としてはp−トルエンスルホン酸が好ましい。
この反応に用いる溶媒としては、アミノ基及び/又は水酸基を有しない溶媒であれば特に制約はない。アミノ機を有する溶媒は溶媒自身が分解する可能性があり、また、アルコール類はカルボキシル酸基とエステル交換反応することから適さない。
上記溶媒の具体例としては、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、ハロゲン化炭化水素系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒、ニトリル系溶媒、エステル系溶媒、カーボネート系溶媒などを用いることができる。
炭化水素系溶媒としては、ベンゼン、トルエンなどを挙げることができる。エーテル系溶媒としては、ジエチルエーテル、テトラヒドロフランなどを挙げることができる。ハロゲン化炭化水素系溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルムなどを挙げることができる。
ケトン系溶媒としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを挙げることができる。ニトリル系溶媒としては、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどを挙げることができる。エステル系溶媒としては、酢酸エチル、酢酸ブチルなどを挙げることができる。カーボネート系溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどを挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
酸触媒の存在下での加熱温度は、100〜180℃が必要である。100℃未満では反応活性が低く、所望の反応転化率に到達するために非常に長時間を有する。180℃を超えた反応温度では、酸触媒による金属材料の腐食が懸念されるばかりでなく、t−ブチルエステル以外の(メタ)アクリル酸エステル部位まで分解するおそれがある。
反応後のカルボキシル基を有するブロック共重合体は極性が上がるため、低極性の溶媒には溶解しにくくなる。このようなことを防ぎ、しかも十分な耐熱性を得るために、本発明においては、官能基量はカルボキシル基を導入する前駆体であるアクリル酸t−ブチル及び/又はメタクリル酸t−ブチルの量で規定され、重合体を構成する全単量体成分に対して0.1モル%以上10モル%未満とする。
アクリル酸t−ブチルやメタクリル酸t−ブチルが10モル%以上存在する場合、重合体溶液粘度の著しい上昇やゲル化が起こり、重合体溶液を溶液状で取り扱うことが不可能になる。後述するように、アクリル酸t−ブチルやメタクリル酸t−ブチルを10モル%未満とすることにより、酸触媒の中和、除去を溶液状態で行えるようになり、製造を効率的に行うことが可能となる。
反応の転化率は95%以上、より好ましくは98%以上であることが望ましい。95%未満であると、カルボキシル基への変換が不十分であるため目的とする耐熱性発現が達成されない恐れがある。
反応に用いる反応装置は特に限定されるものではなく、攪拌機、及びジャケットを備えた反応機、その他、適度な滞留時間を保持しながら連続的に溶液を加温することのできる管型反応機などを用いることができる。
<(メタ)アクリル系ブロック共重合体(a)溶液の中和工程(III)>
本発明では、工程(II)で得られた重合体溶液に中和剤として固体塩基を添加し、40〜60℃で中和処理する工程(III)を必須とする。
中和処理工程(III)を経ないと、重合体溶液が酸性となり、(メタ)アクリル系ブロック共重合体(a)の高分子構造を破壊する等の問題が生ずる。さらに、重合体溶液を乾燥することによって得られる樹脂は、残存する有機酸の影響により重合体中に導入されたカルボキシル基による耐熱性改善効果を阻害する可能性がある。
中和処理工程後の、重合体溶液のpHは、5.5以上が好ましく、5.8以上がより好ましく、6.0以上が特に好ましい。重合体溶液のpHが5.5以下の場合、前記の弊害が発生する傾向がある。
固体塩基としては、塩基性活性アルミナ、塩基性吸着剤、固体無機酸、陰イオン交換樹脂、セルロース陰イオン交換体などを挙げることができる。その中でも、塩基性吸着剤であるマグネシウムとアルミニウムの複合酸化物が好ましく、例としてキョーワード500SH(協和化学製)、DHT−4A(協和化学製)などを挙げることができる。
固体塩基存在下での加熱温度は、40〜60℃が必要で有り、50〜60℃がより好ましい。40℃未満では吸着剤中を有機酸が拡散する速度が低下するなどにより、吸着効率が低下し、過剰の固体塩基が必要となる傾向がある。一方、60℃を超えた反応温度では固体塩基中の金属が溶液中の溶出し、(メタ)アクリル系重合体中の官能基と反応してアイオノマーなどが生成することなどにより、最終生成ポリマーの溶融性を悪化させる(溶融粘度が上昇する)傾向があり、成形性に劣るポリマーとなるなどの問題が生じる可能性がある。
前記金属錯体および塩基性物質の分離方法としては、濾過、遠心分離、沈降分離、液体サイクロン等の種々の分離方式が適用可能である。分離の際、重合体溶液に溶媒を添加し、液粘度を下げることにより、分離を容易に行うことができる。本発明では、溶媒としては重合体の溶解性の面でトルエンが特に好ましい。
上記の方法により、アクリル系ブロック共重合体が得られる。
本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。なお、実施例におけるBA、EA、TBA、MMA、TBMAはそれぞれ、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸エチル、アクリル酸t−ブチル、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸t−ブチルを表わす。また、実施例中に記載した分子量や重合反応の転化率測定は、以下の方法に従って行った。
<分子量測定法>
本実施例に示す分子量は以下に示すGPC分析装置で測定し、クロロホルムを移動相として、ポリスチレン換算の分子量を求めた。システムとして、ウオーターズ(Waters)社製GPCシステムを用い、カラムに、昭和電工(株)製Shodex K−804(ポリスチレンゲル)を用いた。
<重合反応の転化率測定法>
本実施例に示す重合反応の転化率は以下に示す分析装置、条件で測定した。
使用機器:島津製作所(株)製ガスクロマトグラフィーGC−14B
分離カラム:J&W SCIENTIFIC INC製キャピラリーカラムDB−17、0.32mmφ×30m
分離条件:初期温度50℃、3分間保持
昇温速度40℃/min
最終温度140℃、1.5分間保持
インジェクション温度250℃
ディテクター温度250℃
試料調整:サンプルを酢酸エチルにより約10倍に希釈し、アセトニトリルを内部標準物質とした。
<カルボキシル基変換反応の転化率測定法>
本実施例に示すカルボキシル基変換反応の転化率は以下に示す分析装置、条件で測定した。
使用機器:島津製作所(株)製ガスクロマトグラフィーGC−14B
分離カラム:J&W SCIENTIFIC INC製キャピラリーカラムDB−17、0.32mmφ×30m
分離条件:初期温度60℃、3.5分間保持
昇温速度40℃/min
最終温度140℃、1.5分間保持
インジェクション温度250℃
ディテクター温度250℃
試料調整:サンプルをトルエンで約2倍に希釈し、TBMAを内部標準物質とした。
<中和反応のpH測定法>
本実施例に示す中和反応の転化率は以下に示す分析装置で測定した。
使用機器:堀場製作所(株)製pH/イオンメータ F−23
資料調整:サンプル1gを1−プロパノール0.25gと水1.2gで希釈した。
なお、以下に記載する実施例、比較例では中和処理が確実になされたかの指標として、処理後の重合体溶液のpHを6以上とし、pHが6以下の場合は、固体塩基量を増量してpH6以上に調整した。
<MFR測定法>
本実施例に示す乾燥樹脂のMFR測定法は以下に示す分析装置で測定した。
使用機器:島津製作所(製)フローテスター CFT−500
測定条件:定温法
試験温度180℃
10kg荷重、ダイス1×10mm、比重1.0
予備加熱時間180s
樹脂調整:測定前にサンプルを80℃×3時間乾燥させた。
(製造例1)
(MMA/EA)−b−(BA/TBA)−b−(MMA/EA)(BA/TBA=22.4/1mol%、MMA/EA=7.8/1mol%、(BA+TBA)/(MMA+EA)/=6/4重量%)型(メタ)アクリル系ブロック共重合体の合成
窒素置換した後真空脱揮した500L反応機に、反応機内を減圧にした状態でBA66.3kg、TBA2.96kgを仕込んだ。次に臭化第一銅589.6gを仕込み、30℃で15分間攪拌した。その後、2,5−ジブロモアジピン酸ジエチル822.1gをアセトニトリル5923.8gに溶解させた溶液を仕込み、75℃に昇温しつつさらに60分間攪拌を行った。ペンタメチルジエチレントリアミン71.2gを加えて、第一ブロックとなるBA/TBAの重合を開始した。15分後に更にペンタメチルジエチレントリアミン71.2gを追加し、その後BA転化率が99.1%に到達したところで、トルエン91.0kg、塩化第一銅406.9g、MMA42.3kg、EA6.86kgを仕込み、ペンタメチルジエチレントリアミン71.2gを加えて、第二ブロックとなるMMA/EAの重合を開始した。45分ごとにペンタメチルジエチレントリアミン71.2gを加えていき、MMA転化率が96.0%に到達したところで、トルエン120kgを加えて反応溶液を希釈すると共に反応機を冷却し、6%酸素混合ガスを1時間反応機に導入して重合を停止させた。
得られたブロック共重合体のGPC分析を行ったところ、数平均分子量Mnが76,000、分子量分布Mw/Mnが1.54であった。
得られたブロック共重合体溶液に対しトルエンを加えて重合体濃度を25wt%になるよう調整した。その後反応機のジャケットを120℃に設定し、反応機を減圧にして、重合体濃度が50wt%になるまで溶剤を蒸発させた。蒸発完了後、ジャケットを冷却するとともにトルエンを加えて重合体濃度を25wt%になるよう調整した。得られた重合体溶液に対し、有機酸としてp−トルエンスルホン酸1.88kgを加え、反応機内を窒素置換し、加熱を開始した。80℃到達から2時間攪拌を行い、冷却を開始した。その後濾過助剤としてラヂオライト#3000(昭和化学工業(株)製)を2.3kg添加し、30℃で30分攪拌した。その後反応機を窒素により0.05〜0.3MPaGに加圧し、濾材としてポリエステルフェルトを備えた加圧濾過機(濾過面積0.45m2)を用いて固体分を分離した。次に、カルボキシル基変換反応の転換率測定用内部標準物質としてTBMA0.46kgを加え、反応機内を窒素置換し、ジャケットを昇温した。内温148℃到達から4時間後に冷却し、重合体溶液を得た。
(実施例1)
500mlセパラブルフラスコにおいて、製造例1で得られた重合体溶液250gに対し、固体塩基としてキョーワード500SH(協和化学工業(株)製)0.938g(重合体溶液に対する重量比率0.375wt%)を加え、反応機内を窒素置換し、50℃で1時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液のpHを測定した結果、6.33であった。重合体溶液のpHが6以上であることが確認されたため、反応を終了させ、冷却を開始した。冷却完了後に濾過助剤としてラヂオライト#3000を0.938g添加し、前記加圧濾過機を用いて固体分を分離し、重合体溶液を得た。
得られた重合体溶液を、真空乾燥機を用いて80℃で48時間乾燥させ、得られた樹脂のMFRを測定した結果、2.92g/10minであった。
(実施例2)
500mlセパラブルフラスコにおいて、製造例1で得られた重合体溶液200gに対し、固体塩基としてキョーワード500SH(協和化学工業(株)製)0.750g(重合体溶液に対する重量比率0.375wt%)を加え、反応器内を窒素置換し、60℃で1時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液のpHを測定した結果、6.30であった。重合体溶液のpHが6以上であることが確認されたため、反応を終了させ、冷却を開始した。冷却完了後に濾過助剤としてラヂオライト#3000を0.750g添加し、前記加圧濾過機を用いて固体分を分離し、重合体溶液を得た。
得られた重合体溶液を、真空乾燥機を用いて80℃で48時間乾燥させ、得られた樹脂のMFRを測定した結果、3.12g/10minであった。
(実施例3)
500mlセパラブルフラスコにおいて、製造例1で得られた重合体溶液200gに対し、固体塩基としてキョーワード500SH(協和化学工業(株)製)1.000g(重合体溶液に対する重量比率0.500wt%)を加え、反応器内を窒素置換し、40℃で1時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液のpHを測定した結果、6.25であった。重合体溶液のpHが6以上であることが確認されたため、反応を終了させ、冷却を開始した。冷却完了後に濾過助剤としてラヂオライト#3000を1.000g添加し、前記加圧濾過機を用いて固体分を分離し、重合体溶液を得た。
得られた重合体溶液を、真空乾燥機を用いて80℃で48時間乾燥させ、得られた樹脂のMFRを測定した結果、3.33g/10minであった。
(比較例1)
500mlセパラブルフラスコにおいて、製造例1で得られた重合体溶液250gに対し、固体塩基としてキョーワード500SH(協和化学工業(株)製)2.813g(重合体溶液に対する重量比率1.125wt%)を加え、反応器内を窒素置換し、室温(30℃)で1時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液のpHを測定した結果、6.13であった。重合体溶液のpHが6以上であることが確認されたため、反応を終了させ、冷却を開始した。冷却完了後に濾過助剤としてラヂオライト#3000を1.401g添加し、前記加圧濾過機を用いて固体分を分離し、重合体溶液を得た。
得られた重合体溶液を、真空乾燥機を用いて80℃で48時間乾燥させ、得られた樹脂のMFRを測定した結果、3.03g/10minであった。
(比較例2)
500mlセパラブルフラスコにおいて、製造例1で得られた重合体溶液200gに対し、固体塩基としてキョーワード500SH(協和化学工業(株)製)0.750g(重合体溶液に対する重量比率0.375wt%)を加え、反応器内を窒素置換し、70℃で1時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液のpHを測定した結果、6.51であった。重合体溶液のpHが6以上であることが確認されたため、反応を終了させ、冷却を開始した。冷却完了後に濾過助剤としてラヂオライト#3000を0.750g添加し、前記加圧濾過機を用いて固体分を分離し、重合体溶液を得た。
得られた重合体溶液を、真空乾燥機を用いて80℃で48時間乾燥させ、得られた樹脂のMFRを測定した結果、2.51g/10minであった。
(比較例3)
500mlセパラブルフラスコにおいて、製造例1で得られた重合体溶液200gに対し、固体塩基としてキョーワード500SH(協和化学工業(株)製)0.750g(重合体溶液に対する重量比率0.375wt%)を加え、反応器内を窒素置換し、80℃で1時間撹拌した。反応液をサンプリングし、溶液のpHを測定した結果、6.04であった。重合体溶液のpHが6以上であることが確認されたため、反応を終了させ、冷却を開始した。冷却完了後に濾過助剤としてラヂオライト#3000を0.750g添加し、前記加圧濾過機を用いて固体分を分離し、重合体溶液を得た。
得られた重合体溶液を、真空乾燥機を用いて80℃で48時間乾燥させ、得られた樹脂のMFRを測定した結果、2.27g/10minであった。
実施例1〜3と比較例1〜3の対比より、中和処理温度が30℃以下では、中和処理温度50℃に比べ中和効率が極端に劣り、pHを6以上とするためには固体塩基の添加量を3倍とする必要があった。また、中和処理温度が70℃以上では、中和処理温度50℃に比べ、重合体溶液を乾燥後の樹脂の溶融性が著しく低下し、成形性に劣るものであった。

Claims (13)

  1. (I).有機溶剤中で遷移金属錯体触媒を用いた制御ラジカル重合法により(メタ)アクリル系重合体溶液を製造する工程、
    (II).前記(メタ)アクリル系重合体溶液に有機酸を添加し、前記遷移金属錯体触媒を除去する工程、
    (III).(II)の工程を経た後、前記(メタ)アクリル系重合体溶液に中和剤を加え中和処理する工程、
    を含む(メタ)アクリル系重合体の製造方法であって、(III)の工程で使用する中和剤が固体塩基であり、且つ、中和処理温度が40〜60℃であることを特徴とする(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
  2. (III)の工程を経た後、固体塩基を除去する工程(IV)を含むことを特徴とする請求項1に記載の(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
  3. 前記(メタ)アクリル系重合体がカルボキシル基を含有する(メタ)アクリル系ブロック共重合体である、請求項1、2のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
  4. 前記(メタ)アクリル系ブロック共重合体が、メタアクリル酸エステルを主成分とするメタアクリル系重合体ブロック(A)とアクリル酸エステルを主成分とするアクリル系重合体ブロック(B)とを有するブロック共重合体である、請求項3に記載のカルボキシル基を含有する(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
  5. 前記固体塩基が、マグネシウムとアルミニウムの複合酸化物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
  6. 前記有機酸が有機スルホン酸であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
  7. 前記有機スルホン酸が、ベンゼンスルホン酸、あるいはその誘導体である、請求項6に記載の(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
  8. 前記制御ラジカル重合法が、原子移動ラジカル重合(ATRP)法である事を特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
  9. 前記遷移金属錯体触媒が銅金属錯体触媒である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
  10. (メタ)アクリル系重合体が、有機ハロゲン化物またはハロゲン化スルホニル化合物を開始剤とし、銅金属錯体を触媒として製造された重合体である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
  11. 前記銅金属錯体触媒が、ハロゲン化銅と、窒素を含有する配位子との反応により生成したものである、請求項9に記載の(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
  12. 前記(メタ)アクリル系重合体の数平均分子量が30,000〜500,000である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
  13. ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した前記(メタ)アクリル系重合体の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1〜1.8である、請求項1〜12のいずれか1項に記載の(メタ)アクリル系重合体の製造方法。
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