JP2008307775A - 脱塩素設備における造粒物回収装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明による脱塩素設備における造粒物回収装置は、カッタ装置(3)の下方に設けられ第1、第2流路部(11,12)を有する水槽(10)と、前記各流路部(11,12)に設けられた第1、第2、第3水ノズル(4a,4b,4c)と、前記水槽(10)の水を循環するポンプ(7)とを備え、前記カッタ装置(3)からの樹脂ペレット(3b)を各流路部(11,12)で急速冷却する構成である。
【選択図】図1
Description
すなわち、従来の設備では、押出機のダイスより押出された樹脂はカッタで切断されることで造粒され、カッタ下に設置された水を入れたパイプコンベヤの受け口にシュート4を介して落下する。落下したペレット状の樹脂は、その時点では高温であり溶融状態であるが、パイプコンベヤ受け口にて多量の水にて冷却され、表面が固化する。その後、これをパイプコンベヤが目的の場所まで搬送する。この時、パイプコンベヤの受け口サイズは、パイプコンベヤの搬送能力より決定されるパイプサイズにより大きさが制限され十分な水で冷却する事が出来ない場合がある。また、ペレットの比重が水より軽い、まだ表面が冷え切らない造粒物が水の上に浮いて相互に付着し合い大きな固まりを作る現象が発生する。従って、一度溶融状態となった樹脂を造粒し回収する場合、従来のパイプコンベヤへシュート4を介して直接落下させる方式では、水面上に浮いた部分が冷却されず、相互に付着しないように表面を冷却し固化することが困難であった。
すなわち、カッタ装置でカットされて下方へ供給される造粒物としての樹脂ペレットが、水槽の受け部である第1流路部に落下して直ちに冷却され、続いてこの第1流路部と連通する第2流路部に流れて十分に冷却固化されるため、比重が1以下の樹脂ペレットであっても相互付着を防止して、パイプコンベヤによって外部に円滑に搬送される。
また、各水ノズルから噴射される水流によって樹脂ペレットを搬送するため、一般的な水路内流動による搬送に比べ熱交換の効率が向上し、少ない水量で冷却搬送を行うことができる。
また、水槽内の各流路部の流れ方向が段部を介して互いに直交しているため、水流が混合することにより、樹脂ペレットと水の撹拌が多くなり、熱交換の効率が向上して、付着を防止し、歩留まりを向上できる。
尚、従来例と同一又は同等部分については同一符号を用いて説明する。
図1において符号3で示されるものは、押出機からなる脱塩素機2の先端に設けられたカッタ装置であり、このカッタ装置3の吐出部3aからは、ストランドを切断して形成された樹脂ペレット3bが下方へ落下して供給されるように構成されている。
前記水槽10は、その上流部に設けられた第1流路部11と、その下流部に設けられた第2流路部12と、前記第1流路部11の最上流の上部に設けられた第1水ノズル4aと、前記第2流路部12の側部に設けられた第2水ノズル4bと、前記第2流路部12の上方に設けられた第3水ノズル4cと、前記第2流路部12の最下流の出口10aの上部に設けられた堰13と、前記第2流路部の最下流で前記水槽10の底部に形成された出口10aと、から構成されている。
前記第2水ノズル4bから噴出される水流の方向は、前記第2流れ方向S2に沿い、第2流れ方向S2の水流が形成されている。尚、前記堰13は、例えば、図4に示されるように構成され、前記水槽10に設けた一対のガイド溝20内に複数の分割プレート13aが縦方向に挿入及び離脱自在に設けられている。従って、各分割プレート13aは交換式に構成され、各分割プレート13aの縦方向の枚数及び大きさを選択することにより、前記堰13の高さを可変とするによってオーバーフローする水流の高さを可変とすることができるように構成されている。
前記脱塩素機2の先端のカッタ装置3より造粒され落下した樹脂ペレット3bは水槽10の受け部としての第1流路部11にて、第1水ノズル4aより作られる水流によって瞬時に水で被われると共に、水槽10の搬送部としての第2流路部12へ迅速に移動されるため、連続的に製造される溶融状態の樹脂ペレット3bが落下部で相互に付着することを防ぐことができる。
また、第2流路部12に入った樹脂ペレット3bは、第2水ノズル4bにて作られる水流により攪拌、移送されパイプコンベヤ1の受け口へと向かう。この間では、水流にて樹脂ペレット3bの表面が常時水で被われるように適切な流量を確保すると共に、第3水ノズル4cより水を噴霧し、水面に浮いた樹脂ペレット3bの表面も常時濡れた状態で保たれる。
また、前記堰13の高さが可変であるため、樹脂ペレット3bの大きさ、比重によって、前記第2流路部12の水深を調節できる。
前記パイプコンベヤ1の受け部は従来の構造と同じもので、ここで分離された水は貯留槽8へ戻り、ポンプ7にて循環利用され、各水ノズル4a、4b、4cより再び水槽10へと循環供給される。
この出口10aに来たところでは既に樹脂ペレット3bの表面は固まっており、お互いに接触しても相互に付着しない状態となっている。従って、出口10aより従来の搬送システムであるパイプコンベヤ1の受け口に投入された樹脂ペレット3bは、相互に付着することなく搬送できる。
また、パイプコンベヤ1に樹脂ペレット3bと共に入った水は、図示しないスリットより排水され、規格外樹脂ペレットを分離した後にポンプ7で循環使用される。比重が1以下の樹脂ペレット3bも確実に水に濡れた状態が保たれ、急速な冷却固化ができる。
前記水槽の第1流路部の容積:約0.13m3、第2流路部12の容積:約0.2m3を有する造粒物回収装置において、各水ノズルの水量を第1水ノズル4aの水量:25〜35m3/h、第2水ノズル4bの水量:8〜11m3/h、第3水ノズル4cの水量:1〜2m3/hに設定した。前述の構成において、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、塩化ビニールなどを含む廃プラスチックを脱塩素機としての二軸押出機で構成された脱塩素機2で処理した後、先端のカッタ装置3によって造粒された造粒物(樹脂ペレット3b)(直径:17〜24mm、長さ:10〜25mm)を、この造粒物回収装置に落下させて冷却した。この結果、樹脂ペレットが相互に付着して大きな固まりを作る現象が起きることなしに、樹脂ペレットを出口10aから落下させることができた。
2 脱塩素機
3 カッタ装置
3a 吐出部
3b 樹脂ペレット(造粒物)
4a 第1水ノズル
4b 第2水ノズル
4c 第3水ノズル
7 ポンプ
8 貯留槽
10 水槽
10a 出口
11 第1流路部
12 第2流路部
20 段部
S1 第1流れ方向
S2 第2流れ方向
Claims (6)
- カッタ装置(3)でカットされた樹脂ペレット(3b)を受けるための水槽(10)と、前記水槽(10)の少なくとも上部に設けられ前記水槽(10)内に水を供給するための水ノズル(4a〜4c)と、前記水槽(10)の出口(10a)の下方に設けられたパイプコンベヤ(1)と、前記パイプコンベヤ(1)内の水を前記水ノズル(4a〜4c)に循環供給するためのポンプ(7)と、を備え、
前記カッタ装置(3)から前記水槽(10)内へ供給された前記樹脂ペレット(3b)は、前記水槽(10)内で前記水ノズル(4a〜4c)からの水により前記出口(10a)へ搬送され、前記パイプコンベヤ(1)により外部へ搬送される構成としたことを特徴とする脱塩素設備における造粒物回収装置。 - 前記水槽(10)は、全体形状が平面的にみてL字型をなし、前記カッタ装置(3)の直下に位置する第1流路部(11)と、前記第1流路部(11)と段部(20)を介して連通すると共に前記出口(10a)に連通する第2流路部(12)と、からなることを特徴とする請求項1記載の脱塩素設備における造粒物回収装置。
- 前記第1流路部(11)と第2流路部(12)の水の流れ方向(S1,S2)は、互いに直交していることを特徴とする請求項2記載の脱塩素設備における造粒物回収装置。
- 前記樹脂ペレット(3b)は、比重が1以下であることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の脱塩素設備における造粒物回収装置。
- 前記水槽(10)の前記第2流路部(12)には、水の流れ方向(S2)に沿って水を噴出する第2水ノズル(4b)が設けられていることを特徴とする請求項2ないし4の何れかに記載の脱塩素設備における造粒物回収装置。
- 前記第2流路部(12)の最下流の出口(10a)の上部に堰(13)が設けられていることを特徴とする請求項2ないし5の何れかに記載の脱塩素設備における造粒物回収装置。
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