JP2008307549A - 柱部材およびこれを備えたキャブ - Google Patents

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敬広 野口
Tatsushi Ito
達志 伊藤
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Abstract

【課題】キャブを構成する部品点数を削減することが可能な柱部材およびこれを備えたキャブを提供する。
【解決手段】パイプ材135は、中空の鋼管を用いて形成されるキャブ10を構成する柱部材に含まれる支柱35を構成する部材であって、略四角形の断面を有する本体部135cと、スリット135bと、開口穴135aと、を備えている。スリット135bは、両端部から長手方向に沿って内側に向かって直線上に切り込まれた切り込み部である。開口穴135aは、スリット135bの内側の端部につながっており、パイプ材135の一部を貫通するように形成されている。貫通穴135aおよびスリット135bは、断面が略四角形のパイプ材135における互いに対向する面に、それぞれ形成されている。
【選択図】図6

Description

本発明は、例えば、ホイルローダや油圧ショベル等に搭載されたキャブの骨格部分を構成する柱部材およびこれを備えたキャブに関する。
従来より、鋼管の一方の開放端からパンチを押し込んで拡管部分を成形する方法が用いられている。
例えば、特許文献1には、テーパ角度を15〜30度の範囲に設定したポンチと、ポンチのテーパ角度と同じ大きさのテーパ角度のテーパ部を有する金属管つかみ型と、を使用して、金属管の端部からポンチを押し込んで拡管する金属鋼管の管端の拡管方法が開示されている。
この拡管方法によれば、耐力が高く、加工硬化指数の大きいステンレス鋼や高張力鋼からなる金属管の管端を座屈や扁平等の変形を発生させることなく、効率よく拡管することができる。
特開2002−346664号公報(平成14年12月3日公開)
しかしながら、上記従来の鋼管の拡管成形方法によって成形された柱部材は、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上述したような拡管成形した柱部材を用いてキャブを構成する場合、柱部材と梁部材等との接合部分に補強用のリブを設置する必要がある。このため、キャブを構成する部品点数が増加して、コストアップの要因となるおそれがある。
本発明の課題は、キャブを構成する部品点数を削減することが可能な柱部材およびこれを備えたキャブを提供することにある。
第1の発明に係る柱部材は、中空の鋼管によって形成されており、作業車両のキャブの骨格を構成する柱部材であって、本体部と、スリット部と、開口孔と、を備えている。本体部は、略四角形の断面形状を有する。スリット部は、本体部に含まれる互いに対向する面にそれぞれ形成されており、本体部の長手方向における少なくとも一方の端部から長手方向に沿って略直線状に切り込みが形成されている。開口孔は、互いに対向する面において、スリット部における本体部の端部側とは反対側の端部に形成されている。
ここでは、中空鋼管である本体部の端部に、長手方向に沿って略直線状に切り込みが形成されたスリット部を形成している。そして、このスリット部における本体部の端部とは反対側の端部に、スリット部につながる開口孔を設けている。また、このスリット部と開口孔とは、略四角形の断面における対向する面にそれぞれ形成されている。
ここで、上記スリット部は、本体部の開口端に拡管成形用の治具が挿入されるとスリット部を中心として両側へ切り開かれる。このため、このスリット部の長さは、切り開かれた部分の長さを決定する。よって、スリット部の長さを変化させることで、切り開かれた部分を所望の長さで形成することができる。また、開口孔は、スリット部の一端に形成された、例えば、略円形の穴であって、上述した切り開かれる部分の折り曲げ時の回動中心となる。この開口孔を設けているために、スリット部を中心に両側へ切り開くように拡管成形を行った場合でも、スリット部の端部に応力が集中して裂け目や変形が生じることを回避することができる。
これにより、本体部の一端の中空部分に向かって拡管成形用の治具を挿入することで、容易にスリット部を中心として両側に向かって本体部の端部を開くように拡管成形することができる。よって、スリット部を中心として両側へ切り開かれた屈曲部分を、柱部材をキャブに組み込んだ際に梁部材等との交差部分に設置されるリブとして用いることができる。この結果、キャブを構成する部品点数を削減することができ、キャブの組立工程を簡略化することができる。
第2の発明に係る柱部材は、中空の鋼管によって形成されており、作業車両のキャブの骨格を構成する柱部材であって、本体部と、屈曲部と、開口孔と、を備えている。本体部は、略四角形の断面形状を有する。屈曲部は、本体部に含まれる互いに対向する面にそれぞれ形成され本体部の長手方向における少なくとも一方の端部から長手方向に沿って切り込みとして形成されたスリット部を中心にして両側へ折り曲げられている。開口孔は、互いに対向する面において、スリット部における本体部の一端とは反対側の端部に形成されている。
ここでは、中空鋼管である本体部の端部に、長手方向に沿って略直線状に切り込みが形成されたスリット部を中心として両側に折り曲げた屈曲部を設けている。そして、このスリット部における本体部の端部とは反対側の端部には、スリット部につながる開口孔を設けている。また、このスリット部と開口孔とは、略四角形の断面における対向する面にそれぞれ形成されている。
ここで、上記屈曲部は、本体部の開口端に拡管成形用の治具が挿入されるとスリット部を中心として、本体部の端部が二分されて切り開かれることで形成される。屈曲部の長さ調整は、スリット部の長さによって調整することができる。よって、スリット部の長さを変化させることで、屈曲部を所望の長さで形成することができる。また、開口孔は、スリット部の端部に形成された、例えば、略円形の穴であって、上述した屈曲部の折り曲げ時の回動中心となる。この開口孔は、スリット部を中心に屈曲部を形成するように拡管成形を行った場合でもスリット部の端部に応力が集中して裂け目や変形が生じることを回避するために形成される。
これにより、本体部の一端の中空部分に向かって拡管成形用の治具を挿入することで、容易にスリット部を中心として両側に向かって本体部の端部を切り開くように屈曲部を形成することができる。よって、スリット部を中心として両側へ切り開かれた屈曲部を、柱部材をキャブに組み込んだ際に梁部材等との交差部分に設置されるリブとして用いることができる。この結果、キャブを構成する部品点数を削減することができ、キャブの組立工程を簡略化することができる。
第3の発明に係る柱部材は、第1または第2の発明に係る柱部材であって、開口孔は、略円形あるいは略楕円形に形成されている。
ここでは、中空鋼管である本体部の端部から形成されたスリット部の端部に形成された開口孔として、略円形、略楕円形の穴を用いている。
ここで、開口孔としては、スリット部の幅(切り込み幅)よりも大きい直径を有していることが好ましい。一般的に、断面が略四角形の中空鋼管の対向面の端部にそれぞれ形成されたスリット部を中心に両側へ切り開くように屈曲部を形成すると、その中心であるスリット部の端に応力が集中して容易に亀裂や裂け目が発生してしまう。
これにより、そのスリット部の端に形成された開口孔として応力を分散させる略円形等の穴を用いることで、屈曲部を形成する際の応力集中による亀裂等の発生を防止して、屈曲部を精度良く形成することができる。
第4の発明に係る柱部材は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る柱部材であって、本体部は、ステンレス系の鋼管によって形成される。
ここでは、キャブの柱として使用される柱部材(本体部)を、ステンレス系の中空鋼管によって形成している。
これにより、キャブの合成を十分に確保しつつ、端部にリブの替わりとなる屈曲部を容易に形成して部品点数を削減することが可能な柱部材を得ることができる。
第5の発明に係る作業車両のキャブは、第1から第4の発明のいずれか1つに係る柱部材を備えている。
ここでは、上述した柱部材を用いて、ブルドーザやホイルローダ等の作業車両のキャブを構成している。
これにより、スリット部を中心として両側へ切り開かれた屈曲部分を、柱部材をキャブに組み込んだ際に梁部材等との交差部分に設置されるリブとして用いることで、キャブを構成する部品点数を削減することができ、キャブの組立工程を簡略化することができるという、上記と同様の効果を得ることができる。
本発明に係る柱部材によれば、キャブを構成する部品点数を削減することができ、キャブの組立工程を簡略化することができる。
本発明の一実施形態に係る建設機械のキャブ構造を採用した運転室(キャブ)を搭載した油圧ショベル(作業車両)1について、図1〜図11を用いて説明すれば以下の通りである。
なお、以下の説明において使用する「左右」「前後」「前面背面」という文言は、キャブ10(図1等参照)内でオペレータが椅子に座ったときに向く方向を基準とする方向を示すものとする。
[油圧ショベル1全体の構成]
本実施形態に係る油圧ショベル1は、図1に示すように、下部走行体2と、旋回台3と、作業機4と、カウンタウェイト5と、エンジン6と、キャブ10とを備えている。
下部走行体2は、進行方向左右両端部分に巻き掛けられた履帯Pを回転させることで、油圧ショベル1を前進、後進させるとともに、上面側に旋回台3を旋回可能な状態で搭載している。
旋回台3は、下部走行体2上において任意の方向に旋回可能であって、上面に作業機4と、カウンタウェイト5と、エンジン6と、キャブ10とを搭載している。
作業機4は、ブームと、ブームの先端に取り付けられたアームと、アームの先端に取り付けられたバケットとを含むように構成されており、油圧シリンダによってアームやバケット等を上下に移動させながら、土砂や砂礫等の掘削を行う土木工事の現場において作業を行う。
カウンタウェイト5は、例えば、鋼板を組み立てて形成した箱の中に屑鉄やコンクリート等を入れて固めたものであって、採掘時等において車体のバランスをとるために旋回台3の後部に設けられている。
エンジン6は、下部走行体2や作業機4を駆動するための駆動源であって、カウンタウェイト5に隣接する位置に配置されている。
キャブ10は、油圧ショベル1のオペレータが乗降する運転室であって、作業機4の先端部を見通せるように、旋回台3上における作業機4の側方となる左側前部に配置されている。なお、このキャブ10のキャブ構造については、後段にて詳述する。
[キャブ10の構造]
キャブ10は、図2に示すように、複数の柱部材31a,31b,32a,32b,35等によって構成される箱型の構造体である。また、キャブ10は、図3に示すキャブ構造体20に対して、サイドパネルや上面パネル、サイドフレームや背面フレーム等が取り付けられて構成される。なお、各パネルおよび各フレームによって形成される枠内には、図示しないガラスが嵌め込まれてキャブ10内にオペレータが乗り込むためのキャブ空間が形成される。
さらに、キャブ10は、その骨組み部分となるキャブ構造体20を備えている。なお、このキャブ構造体20を構成する具体的な部材については、後段にて詳述する。
(キャブ構造体20の構成)
本実施形態の油圧ショベル1では、複数の柱部材と梁部材とを組み合わせてキャブ10を構成する骨格部分を形成している。
具体的には、キャブ構造体20は、図3に示すように、左前柱部材31aと、右前柱部材31bと、左後柱部材32aと、右後柱部材32bと、後方梁部材33と、側方梁部材34と、支柱(柱部材)35と、を備えている。
左前柱部材31aおよび右前柱部材31bは、パイプ材を中央部分付近で折り曲げて形成されている。このように、1本のパイプ材を折り曲げて柱部分と梁部分とを形成することで、部品点数を減らしつつ、剛性の高いキャブ構造体20を得ることができる。
左後柱部材32aおよび右後柱部材32bは、1本のパイプ材によって形成されており、略鉛直方向に沿って配置されている。
後方梁部材33は、断面形状が略L字型の板金部材によって形成されている。そして、後方梁部材33は、左右前柱部材31a,31bの後端部と、左右後柱部材32a,32bの上端部とを接合する。
側方梁部材34は、2つの略L字型の板金部材を組み合わせて形成されており、キャブ10の左側面側に左前柱部材31aに沿って取り付けられている。そして、側方梁部材34は、左前柱部材31aの梁部分と、左後柱部材32aとを接合するとともに、支柱35の上端を支持する。
支柱35は、図2および図3に示すように、乗降用ドア7が取り付けられる左側側面における左前柱部材31aの柱部分と左後柱部材32aとの中間の位置に、略鉛直方向に沿って配置されている。また、この支柱35は、図4に示すように、上下方向におけるそれぞれの端部に、補強部(屈曲部)41a,41bを有しており、側方梁部材34やキャブ10の床面等に対して溶接接合される。補強部41a,41bは、後述する成形方法によってパイプ材(柱部材)135(図5(a)等参照)の両端を屈曲させて形成されたものである。このような補強部41a,41bを支柱35の上下両端に設けることで、側方梁部材34等との溶接接合部分における応力集中を緩和しつつ、溶接面積を増大させてキャブ10の剛性を向上させることができる。また、支柱35は、その両端を変形させて補強部41a,41bを設けているため、補強用のリブ部材等を別途接合部分に設ける必要がなく、部品点数の削減が図れる。なお、この支柱35の両端部に形成された補強部41a,41bの成形方法については、後段にて詳述する。
<支柱35の補強部41a,41bの成形方法>
ここでは、上述した両端部分に補強部41a,41bを有する支柱35の成形方法について、図5(a)〜図9(c)を用いて、複数のパターンを例として挙げて説明すれば以下の通りである。
(パイプ材135)
まず、図5(a)を用いて、支柱35の材料として用いられるパイプ材135について説明する。
パイプ材135は、図5(a)に示すように、ステンレス系の鋼管(材質:SKT400)によって構成されており、端部に、開口孔135a、スリット(スリット部)135bおよび本体部135cを有している。なお、パイプ材135における端部とは、開口孔135aやスリット135b等が形成された最端部分から若干内側までの領域を意味するものとする。
開口孔135aは、断面が略四角形のパイプ材135における対向する面における、両最端部から所定の長さだけ内側の位置にそれぞれ形成されており、両最端部から長手方向に沿って形成されたスリット135bと連通している。
スリット135bは、パイプ材135の両最端部と上述した開口孔135aとを結ぶように直線状に形成された切り込み部分であって、開口孔135aと同様に、断面が略四角形のパイプ材135における対向する面にそれぞれ形成されている。
本体部135cは、パイプ材135における両端部に形成された開口孔135aやスリット135bの間に配置された鋼管部分である。
これらの開口孔135aおよびスリット135bは、パイプ材135の長手方向における両端部にそれぞれ形成されており、図5(a)に示す治具50を用いて形成される補強部41a,41bの一部となる。そして、開口孔135aおよびスリット135bは、3Dレーザ等の加工装置を用いて加工される。
なお、以下では、各パイプ材135によって、スリット135bの長さ、開口孔135aの大きさや形状が異なる場合の成形工程について説明する。
(スリット135bの長さ別の成形)
図5(a)〜図7(c)では、それぞれスリット135bの長さが異なるパイプ材135を用いた支柱35の成形について説明する。なお、各図(c)におけるハッチング部分は、肉厚減少率が他の部分と比較して大きい部分を意味している。
図5(a)に示すパイプ材135は、開口孔135aが略円形であり、スリット135bの長さが87.5mmである。
図5(a)に示すように、成形前のパイプ材135における開口孔135aやスリット135bが形成された端部開口に対して、略T字型形状の治具50を図中矢印の方向へ挿入していく。このとき、図11に示すように、パイプ材135の本体部135cの部分を、固定具51によって挟み込んで固定支持した状態で治具50を挿入していく。
次に、図5(b)に示すように、図示しない油圧シリンダ等によって治具50を少しずつ挿入していくことにより、開口孔135aを中心にスリット135bによって切り分けられた両部材がそれぞれ両側へと屈曲されて、補強部41a,41bが形成される。このため、補強部41a,41bにおける側方梁部材34等との溶接接合部分の長さは、スリット135bの長さに依存する。
この結果、図5(c)に示すように、補強部41a,41bの屈曲部分のRをR70と設定したとき、補強部41a,41bの幅245mm、補強部41a,41bの溶接長さ(片側)35mm、屈曲中心となった開口孔135a近傍における肉厚減少率は最大で36.0%であった。
次に、スリット135bの長さ105mmのパイプ材135を用いた場合の支柱35の成形について、図6(a)〜図6(c)を用いて説明する。
上記と同様に、図6(a)に示すように、成形前のパイプ材135における開口孔135aやスリット135bが形成された端部開口に、略T字型形状の治具50を挿入していく。
次に、上記と同様に、図6(b)に示すように、図示しない油圧シリンダ等によって治具50を少しずつ挿入していくことにより、開口孔135aを中心にスリット135bによって切り分けられた両部材がそれぞれ両側へと屈曲されて、補強部41a,41bが形成される。
この結果、図6(c)に示すように、補強部41a,41bの屈曲部分のRをR70と設定したとき、補強部41a,41bの幅255mm、補強部41a,41bの溶接長さ(片側)40mm、屈曲中心となった開口孔135a近傍における肉厚減少率は最大で37.0%であった。
次に、スリット135bの長さ140mmのパイプ材135を用いた場合の支柱35の成形について、図7(a)〜図7(c)を用いて説明する。
成形工程については、上記図5(a)および図5(b)等と同様であり、図7(a)に示すように、パイプ材135における開口孔135aやスリット135bが形成された端部開口に、略T字型形状の治具50を挿入していき、図7(b)に示すように、開口孔135aを中心にスリット135bによって切り分けられた両部材がそれぞれ両側へと屈曲されて、補強部41a,41bが形成される。
この結果、図7(c)に示すように、補強部41a,41bの屈曲部分のRをR70と設定したとき、補強部41a,41bの幅260mm、補強部41a,41bの溶接長さ(片側)40mm、屈曲中心となった開口孔135a近傍における肉厚減少率は最大で23.0%であった。
以上の結果から、溶接長さを所定の長さ以上確保する場合には、成形前に形成されるスリット135bの長さによって調整すればよいことが分かる。また、部材強度を所定の基準値以上に確保するためには、肉厚減少率はできる限り小さいことが好ましい。本実施形態では、スリット135bの長さが140mmまで大きくなると、開口孔135a近傍だけでなくスリット135bの一部にも肉厚減少が生じることで、肉厚減少率を大幅に低減できることも分かる。
(開口孔135aの形状別の成形)
続いて、パイプ材135に形成された開口孔135aの形状を変更して成形した支柱35について、図8(a)〜図10(c)を用いて説明する。
まず、開口孔135aがスリット135bに対して略直交する方向に長軸を有する楕円(長径45mm、短径30mm)であって、スリット135bの長さが70mmであるパイプ材135を用いた場合の支柱35の成形について、図8(a)〜図8(c)を用いて説明する。
なお、開口端への治具50の挿入、補強部41a,41bの形成については、上記と同様である(図8(a)および図8(b)参照)。
この結果、図8(c)に示すように、補強部41a,41bの屈曲部分のRをR70と設定したとき、補強部41a,41bの幅265mm、補強部41a,41bの溶接長さ(片側)55mm、屈曲中心となった開口孔135a近傍における肉厚減少率は最大で32.5%であった。
次に、開口孔135aが略円形(直径45mm)であって、スリット135bの長さが70mmであるパイプ材135を用いた場合の支柱35の成形について、図9(a)〜図9(c)を用いて説明する。
なお、開口端への治具50の挿入、補強部41a,41bの形成については、上記と同様である(図9(a)および図9(b)参照)。
この結果、図9(c)に示すように、補強部41a,41bの屈曲部分のRをR70と設定したとき、補強部41a,41bの幅275mm、補強部41a,41bの溶接長さ(片側)55mm、屈曲中心となった開口孔135a近傍における肉厚減少率は最大で30.0%であった。
以上の結果から、補強部41a,41bの幅や溶接長さを長く確保しようとするためには、スリット135bの長さだけでなく、開口孔135aの大きさを大きく設定することも有効であることが分かる。また、開口孔135a近傍における肉厚減少率の面では、開口孔135aが大きくなった分、肉厚減少のほとんどが開口孔135a内においてが生じていることが分かる。
次に、開口孔135aが、パイプ材135の長手方向に沿って長軸を有する略楕円(短径30mm、長径45mm)であって、スリット135bの長さが70mmであるパイプ材135を用いた場合の支柱35の成形について、図10(a)〜図10(c)を用いて説明する。
なお、開口端への治具50の挿入、補強部41a,41bの形成については、上記と同様である(図10(a)および図10(b)参照)。
この結果、図10(c)に示すように、補強部41a,41bの屈曲部分のRをR70と設定したとき、補強部41a,41bの幅255mm、補強部41a,41bの溶接長さ(片側)47.5mm、屈曲中心となった開口孔135a近傍における肉厚減少率は最大で33.5%であった。
以上の結果から、補強部41a,41bの幅や溶接長さを長く確保しようとするためには、スリット135bの長さだけでなく、補強部41a,41bを広げる方向における開口孔135aの大きさを大きく設定することも有効であることが分かる。また、開口孔135a近傍における肉厚減少率の面では、開口孔135aが大きくなった分、肉厚減少のほとんどが開口孔135a内において生じていた。
以上の結果から、支柱35として用いられるパイプ材135に対して3Dレーザ等によって予め形成される開口孔135aの大きさ、形状、スリット135bの長さ等を調整することで、補強部41a,41bの幅や溶接長さを所望の大きさとすることができる。また、応力の集中による割れや裂け目の発生を防止するという面では、上記実施形態のように、補強部41a,41bの形成時に応力が集中する開口孔135aを、略円形等のように角部のない形状とすることが好ましい。
[本パイプ材135および支柱35の特徴]
(1)
本実施形態のパイプ材135は、図3等に示すように、中空の鋼管を用いて形成されるキャブ10を構成する柱部材に含まれる支柱35を構成する部材であって、図5(a)等に示すように、略四角形の断面を有する本体部135cと、スリット135bと、開口孔135aと、を備えている。スリット135bは、両端部から長手方向に沿って内側に向かって直線状に切り込まれた切り込み部である。開口孔135aは、スリット135bの内側の端部につながっており、パイプ材135の一部を貫通するように形成されている。そして、開口孔135aおよびスリット135bは、断面が略四角形のパイプ材135における互いに対向する面に、それぞれ形成されている。
これにより、パイプ材135の開口孔135aとスリット135bとが形成された開口端に対して、所定の治具50を挿入することで、開口孔135aおよびスリット135bを中心として左右両側に向かって、補強部41a,41bを容易に形成することができる。よって、この補強部41a,41bを、溶接部分における補強部材として用いることで、従来の補強用のリブ部材等の別部材を設ける必要がなくなる。この結果、リブ部材の替わりに、支柱35の一部である補強部41a,41bを用いることで、キャブ10の剛性を十分に確保しつつ、キャブ10全体として部品点数を削減することができる。
(2)
本実施形態の支柱35は、図3等に示すように、中空の鋼管を用いて形成されるキャブ10を構成する柱部材に含まれる部材であって、図5(c)等に示すように、略四角形の断面を有する本体(本体部135c)と、補強部41a,41bと、開口孔135aと、を備えている。補強部41a,41bは、パイプ材135のスリット135bを中心として左右に折り曲げられている。スリット135bは、パイプ材135の本体部135cの両端部から長手方向に沿って内側に向かって直線状に切り込まれた切り込み部である。開口孔135aは、スリット135b内側の端部につながっており、パイプ材135の一部を貫通するように形成されている。そして、開口孔135aおよびスリット135bは、断面が略四角形のパイプ材135における互いに対向する面に、それぞれ形成されている。
これにより、この補強部41a,41bを、溶接部分における補強部材として用いることで、従来の補強用のリブ部材等の別部材を設ける必要がなくなる。この結果、リブ部材の替わりに、支柱35の一部である補強部41a,41bを用いることで、キャブ10の剛性を十分に確保しつつ、部品点数を削減してキャブ10全体としてのコストダウンが図れる。
(3)
本実施形態の支柱35では、上述した開口孔135aとして、図5(a)等に示すように略円形の開口、あるいは図8(a)等に示すように略楕円形の開口を用いている。
これにより、パイプ材135の両端に切り込まれるように形成されたスリット135bを中心に、両側に向かって屈曲させて補強部41a,41bを形成した場合でも、応力が局所的に集中して肉厚減少が進んでしまうことを防止することができる。この結果、補強部41a,41bを成形する際の割れや変形等の不具合の発生を防止して、精度良くかつ歩留りの高い状態で、リブ部材の替わりとなる補強部41a,41bを、支柱35の一部に形成することができる。
(4)
本実施形態の支柱35は、ステンレス系の中空鋼管であるパイプ材135によって構成されている。
これにより、キャブ10を構成する柱部材としての剛性を十分に確保しつつ、従来のリブ部材の替わりとなる補強部41a,41bを、パイプ材135の端部に容易に形成することができる。
(5)
本実施形態の油圧ショベル1では、上述した支柱35を、柱部材の1つとして用いている。
これにより、側方梁部材34等との溶接接合部分に配置される従来のリブ部材が不要となり、キャブ10全体として部品点数を削減することができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、図4等に示すように、本発明に係る柱部材としての支柱35の長手方向における両端部に、それぞれ屈曲部としての補強部41a,41bを形成した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、柱部材において長手方向における一方の端部のみに屈曲部が形成された構成であってもよい。
(B)
上記実施形態では、図5(a)および図8(a)等に示すように、パイプ材135に形成された開口孔135aとして、略円形、略楕円形の穴を用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、瓢箪型の穴等、他の形状の穴を、開口孔として用いてもよい。
ただし、四角形のような角部を有する開口の場合には、屈曲部の形成時に応力が角部に集中して割れ等が生じ易くなってしまうという問題があるため、上記実施形態のように、角部を含まない略円形あるいは略楕円形の開口孔を用いることが好ましい。
(C)
上記実施形態では、図5(a)等に示すように、支柱35を形成するパイプ材135の端部から直線状の切り込みであるスリット135bを設けた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、波線状等のような直線以外の切り込みを、スリット部として用いてもよい。
この場合でも、屈曲部の形成に影響することなく、リブ部材の替わりとなる屈曲部を容易に形成することができる。
(D)
上記実施形態では、図4等に示すように、キャブ10を構成する複数の柱部材31a,31b,32a,32b,35のうちのBピラーに相当する支柱35に対して、本発明を適用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、左右前後柱部材に対して、本発明の構成を適用してもよい。
この場合でも、左右前後柱部材の接合部分付近に設置される補強用のリブ部材等の部品が不要となり、キャブ全体として部品点数を削減することができるという上記と同様の効果を得ることができる。
(E)
上記実施形態では、開口孔135aおよびスリット135bを形成するために、3Dレーザを用いた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、機械加工や鋳造によって開口孔やスリットを形成してもよい。
(F)
上記実施形態では、図1に示すように、油圧ショベル1に搭載されるキャブ10を構成する支柱35に対して本発明を適用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、本発明に係るキャブ構造が採用される建設機械としては、油圧ショベル以外にも、ブルドーザやホイルローダ等の建設機械やトラクタ等の農耕用作業機械に搭載されるキャブに対しても本発明を適用することが可能である。
本発明の柱部材は、キャブを構成する部品点数を削減してキャブの組立工程を簡素化することができるという効果を奏することから、ホイルローダ等の建設機械やトラクタ等の農耕用作業機械等に搭載されるキャブを構成する柱部材として幅広く適用可能である。
本発明の一実施形態に係るキャブ構造を搭載した油圧ショベルの全体構成を示す側面図。 図1の油圧ショベルに搭載されたキャブの構成を示す斜視図。 図2のキャブの分解斜視図。 図2のキャブを構成する柱部材に含まれる支柱周辺の構成を示す正面図。 (a)〜(c)は、本発明の一実施例としての図4の支柱の成形過程と成形後の各部寸法とを示す正面図。 (a)〜(c)は、本発明の一実施例としての図4の支柱の成形過程と成形後の各部寸法とを示す正面図。 (a)〜(c)は、本発明の他の実施例としての図4の支柱の成形過程と成形後の各部寸法とを示す正面図。 (a)〜(c)は、本発明のさらに他の実施例としての図4の支柱の成形過程と成形後の各部寸法とを示す正面図。 (a)〜(c)は、本発明のさらに他の実施例としての図4の支柱の成形過程と成形後の各部寸法とを示す正面図。 (a)〜(c)は、本発明のさらに他の実施例としての図4の支柱の成形過程と成形後の各部寸法とを示す正面図。 図2の支柱の成形時に使用される治具の構成を示す正面図。
符号の説明
1 油圧ショベル(作業車両)
2 下部走行体
3 旋回台
4 作業機
5 カウンタウェイト
6 エンジン
10 キャブ
20 キャブ構造体
31a,31b 左右前柱部材
32a,32b 左右後柱部材
33 後方梁部材
34 側方梁部材
35 支柱(柱部材)
41a,41b 補強部(屈曲部)
50 治具
51 固定具
135 パイプ材(柱部材)
135a 開口孔
135b スリット(スリット部)
135c 本体部

Claims (5)

  1. 中空の鋼管によって形成されており、作業車両のキャブの骨格を構成する柱部材であって、
    略四角形の断面形状を有する本体部と、
    前記本体部に含まれる互いに対向する面にそれぞれ形成されており、前記本体部の長手方向における少なくとも一方の端部から前記長手方向に沿って略直線状に切り込みが形成されたスリット部と、
    前記互いに対向する面において、前記スリット部における前記本体部の端部側とは反対側の端部に形成された開口孔と、
    を備えている柱部材。
  2. 中空の鋼管によって形成されており、作業車両のキャブの骨格を構成する柱部材であって、
    略四角形の断面形状を有する本体部と、
    前記本体部に含まれる互いに対向する面にそれぞれ形成され前記本体部の長手方向における少なくとも一方の端部から前記長手方向に沿って切り込みとして形成されたスリット部を中心にして両側へ折り曲げられた屈曲部と、
    前記互いに対向する面において、前記スリット部における前記本体部の一端とは反対側の端部に形成された開口孔と、
    を備えている柱部材。
  3. 前記開口孔は、略円形あるいは略楕円形に形成されている、
    請求項1または2に記載の柱部材。
  4. 前記本体部は、ステンレス系の鋼管によって形成される、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の柱部材。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の柱部材を備えている作業車両のキャブ。
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