JP2008307091A - 実物体干渉表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】スクリーンに向け放出された実物体、又は、スクリーン背面から利用者に向けて放出される実物体と、スクリーン映像を干渉させて表示する装置に関し、スクリーンを大型化するとともに、物体がスクリーンをスムースに通過できるようにし、映像の乱れを少なくする。複数の利用者が並んで別々の広視野映像を鑑賞できるようにする。奥行き感が得やすいように表示する。五感提示可能にする。
【解決手段】
スクリーンは、縦方向に部分的切れ目を有するとともに、切れ目のない部分は横方向に連結を保持する構造を持つ。T型の切れ目を千鳥状に設ける。スクリーン内に骨格材を設けてもよい。切れ目近傍には、磁石機構を設けてもよい。スクリーン表面には再帰性反射材を設けてもよい。物体飛行経路は空気抵抗を考慮して推計でき、実物体の動きと連続するように表示できる。運動視を取り入れて表示できる。風や香りの感覚提示ができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、利用者によってスクリーンに向け放出された実物体、または、スクリーン背面から利用者に向けて放出される実物体と、当該スクリーンの映像を干渉させて表示する装置に関する。主に、球状物体がスムースに通過する大画面スクリーンを用いた臨場感の高い表示装置に関する。
室内など狭い空間でありながら、あたかも広い空間に居る感覚で球技などのプレイを行う実物体干渉表示装置は、高輝度プロジェクタとスクリーンを基本要素として構成される。従来の実物体干渉表示装置には、ボールがスクリーンを通過しないもの、通過するものがある。
前者の例として、特開2006-181335には、ピッチャーズマウンドからホームベースの方向にボールを投球して仮想の野球の試合を楽しむピッチングシステムが開示されている。当該システムは、スクリーン周辺にボールの飛翔経路を囲むように水平縞、又は、垂直縞状の写像機構を設け、この写像をカメラで撮影しボールの飛翔経路を計測する手段を用いている。また、ボールの飛翔経路検出結果に同期して、補給動作を行うキャッチャーの映像、又は、ボールを打撃するバッターの映像を生成しスクリーンに投影する。
スクリーンは、グラスファイバを混在させたポリカーボネートなどで構成され、投球ボールの衝撃に十分耐えられる剛性と強度を有する構造であると記載されている。従って、同システムは、ボールをスクリーンに衝突させ使用するもので、ボールがスクリーンを通過する構成ではない。この場合、ボールが衝突する際に大きな音がする、ボールの跳ね返りなどを防止する機構が複雑になる問題がある。
実物体がスクリーンを通過する発明例としては以下がある。
実開平06-048728には、ゲージ内にボールの通過を可能としたファイバ並設スクリーンを設け、当該スクリーンに、野球場のロケーション、及び、対戦チーム像を投影し、所定のタイミングでボールをトスし、打ったボールが当該スクリーンを通過する様子を表示できる野球ゲーム装置が開示されている。野球場全体のロケーションがビデオプロジェクタにより投影されることにより、臨場感の高いプレイを楽しむことができると記載されている。
しかし、ファイバを並べたスクリーンは性能に関する記載がない。確かにボールの通過は可能ではあるが、スクリーンの表面は、平面ではないため画像の品質は高くないと思われる。また、物体が通過する際、衝撃が隣接するファイバに伝播するため、変形する範囲が広く映像の継続性に問題がある。スクリーンが大型になると長いファイバ横に数多くを並べる必要があり、全面隙間なく配置するには調整が複雑になる。風圧があるところではファイバが揺れ画面が安定しない問題がある。つまり、高品質な大画面映像を表示する目的には適さない。また、トスされたボールを打つので、物体のスクリーン通過は、打者側からスクリーンに向けて一方向である。現実の野球試合のように投げられたボールを打ち返す双方向感覚は得られない。
特開平06-134055には、スクリーンにピッチャーの映像を提示し、当該スクリーンの背面から前面に向けてボールを放出し、当該ボールをスクリーンに向けて打ち返す野球ゲーム装置が開示されている。ボールは、ピッチャーの手の位置から放出されるように放出位置を制御できる。利用者がバッティングするとボールを打撃する感覚が得られるため現実感が高いことが示されている。実物体通過形スクリーンには、煙、ドライアイスなどの気化状物のスクリーン素材が用いられる。
しかし、当該気化状物スクリーンは、物体通過性は良いものの、微粒子の密度が低いと映像品質は悪い。十分な反射特性を得ようとすると、気化状物の密度を高く制御する必要があり、大掛かりで高価な装置構成となる問題がある。特に、大型スクリーン製造には技術的な課題が多い。
また、気化状物以外のスクリーンとして、多数の糸や紐を天井からすだれ状に吊るしたスクリーンも適用できる概念が記載されている。しかし、その構造に関する記載はない。糸や紐を吊るしたスクリーンは、前記ファイバを並べたスクリーンと同様、画像品質が高くない、ボール通過時に映像が乱れる範囲が広い、大画面の製造が難しいなどの問題がある。また、物体がスクリーンを双方向に通過できるようにするには、構造上の工夫が必要である。
特表2005-529692には、ボーリングレーンの一部のみを構成しレーンの先にスクリーンを設けたバーチャルボーリングシステムが開示されている。ボールがスクリーンを通過した後のボールの動きをレーン上のボールの動きから予測し、スクリーンに表示する。しかし、スクリーンの下部は、ボールが通過するため空いており、スクリーンが通過した直後のボールの動きは表示できない。ボールが連続して表示されないと違和感を生じる。
また、学会における報告としては、「伊豫田旭彦、他:加速度センサと暖簾状スクリーンを用いたピッチングVRアプリケーション、芸術科学会論文誌Vol.5 No.2 pp33−44」に暖簾状スクリーンに映像を投影する装置が開示されている。ピッチングプレイへの適用であり、スクリーンに向けてボールを投げる応用である。当該スクリーンは、上部を固定し下部を固定していないため、物体が衝突した際に衝撃力が伝播しスクリーンの変形が大きく、映像の連続性が悪いと思われる。この点に関しては、今後の課題で、スクリーン素材をゴム紐などの伸縮性に富む素材に変更し、上下を固定し張力を与えることで対処できるとの記載がある。
当該問題を解決するために、「桑原木綿香、濱本和彦:湧過スクリーンとそれを用いたコンテンツ環境に関する検討、2007年電子情報通信学会総合大会、No.A−16−1」には、幅のあるゴム紐を用いたスクリーンが開示されている。ゴム紐の上下端を固定することによって物体通過時の衝撃力が周辺に伝播し難くなるようにしており、上下間の張力を調整する機構を設けることにより、通過物体の種類を増やす工夫が示されている。
下端を固定しない簾式では物体通過時にスクリーンの揺れが大きい問題があり、前記文献のように両端を固定すると、揺れは少なくなるが物体通過の抵抗力が大きくなる問題が新たに発生する。物体通過特性を犠牲にせずに、画面全体の張りを保持する調整は簡単ではない。特に、大画面化は従来の技術では困難であった。
前記文献のように、投球応用では物体は一方向に通過すればよいが、野球などへの応用では、スクリーンからボールを放出しスクリーン内に打ち返すことができる機能が必要なため、物体が単に通過すれば良いのではなく、スクリーン通過時に運動エネルギーのロスを少なくする工夫が必要である。従来の紐式スクリーンでは物体の双方向通過特性について記載がない。しかし、物体通過抵抗力が高いスクリーンでは双方向通過の応用は基本的に難しい。
また、紐を並べた構造は一般に、下端を固定する、しないに係わらず、紐が長くなると横方向の力に対して変形しやすい問題がある。風圧が加わる状況では紐が揺れ易すく、映像の乱れを生じ易い。特に、本発明のねらいの一つである、スクリーンに風を通過させる触覚模擬体験の応用では紐の揺れに伴って映像が乱れる問題が生じる。
以上のように、様々な実物体干渉表示装置が発明されているが、商品化された例は少ない。技術的な課題を以下に整理する。(a)物体がスクリーンを通過する特性を改善しつつ映像を高品質に表示することが難しい。つまり、物体が通過しやく、スクリーンの変形を局所的に抑える構造が難しい。特に双方向の物体通過特性を実現することが難しい。(b)大画面スクリーンを安価に精度よく製造することが難しい。(c)多くの利用者が並んでプレイする環境において広い視野角を得ることが難しい。つまり、ゴルフや野球の練習場では、金網のようなゲージを並べて設置し利用者はその中の狭い空間でプレイするが、このような状況で前面に広い視野映像を提示することが難しい。また、仮に大画面にしても、隣の利用者用のスクリーン映像が視界に入ると、自分のプレイに集中できない問題がある。(d)プレイする際に現実空間と同様な距離感を得ることが難しい。例えば、ゴルフプレイではホールまでの距離把握が重要であり、野球では対戦相手の位置把握が重要であるが、その3次元的視覚の手がかりを提示することが難しい。(e)放出された物体の飛行経路(又は、軌道)を精度よく計算し、表示することが難しい。(f)視覚的、及び、体性感覚的(触覚など)に高い臨場感が実現されない。これらは何れも、スクリーンの構成と映像表示方法に掛かる技術的課題である。
特開2006-181335 実開平06-048728 特開平06-134055 特表2005-529692 伊豫田旭彦、他:加速度センサと暖簾状スクリーンを用いたピッチングVRアプリケーション、芸術科学会論文誌Vol.5 No.2 pp33−44 桑原木綿香、濱本和彦:湧過スクリーンとそれを用いたコンテンツ環境に関する検討、2007年電子情報通信学会総合大会、No.A−16−1
本発明が解決しようとする課題は、実物体がスクリーンを通過し、通過前後に当該物体の動きが映像として提示される実物体干渉表示装置において、当該実物体と映像との干渉精度を上げ、利用者にとって映像が自然に知覚され、高い臨場感でプレイできるようにする、及び、高度な応用を可能にすることである。具体的な課題は以下の通りである。
(1)物体が通過するスクリーンの大型化を可能にするとともに、物体がスクリーンをスムースに通過できるようにし、映像の乱れを少なくする。映像が高品質で表示できるようにする。物体の通過は、利用者からスクリーンに向けて、又は、スクリーン背面から利用者に向けて双方向を可能にする。
(2)物体通過可能な大型スクリーンに広視野映像を表示できるようにする。複数の利用者が並んでプレイする環境において各利用者に別々の広視野映像を提示できるようにする。
(3)実空間での物体の動きと、スクリーン内(バーチャル空間)での物体の動きの継続性を向上させる。
(4)利用者がプレイする際、バーチャル空間内の目標までの距離感が把握しやすいように表示する。つまり、奥行き感が得やすいように映像を表示する。
(5)実物体が干渉するバーチャル空間の臨場感を向上させる。例えば、風が触覚として体感できるようにするとともに、当該風を考慮してスクリーン内のバーチャル物体の動きを表現する。
また、複数の利用者が協調的に利用できるようにする。例えば、遠隔地に居るピッチャー役が投げたボールをバッター役が打つなどの野球対戦ゲームが可能な構成にする。
<手段1>
本発明に係わる請求項1に記載の実物体干渉表示装置は、例えば、図1、図2、図3、図5、図7、図8、図9、図15に対応付けて説明すると、切れ目を設けることで物体(Obj)を通過せしめる構造のスクリーン(10)と、当該スクリーンに映像(Im)を表示する手段(05)と、物体がスクリーンを通過する位置を検出する手段(71、72、73)と、当該位置から奥行き方向の物体の動きを計算し当該物体映像を生成する手段(70)とからなる実物体干渉表示装置において、
当該スクリーン(10)は、少なくとも上下を拘束し、縦方向に張力を生じせしめる構造(TV)を持ち、縦方向に部分的切れ目(SV)を有するとともに、当該切れ目のない部分は横方向に連結を保持する構造(TH)を持つことを特徴とする。
図1(A、B)、図2(A)に示すように、前記縦方向の部分的切れ目(SV)は、千鳥状に配置することが望ましい。つまり、ある縦方向の切れ目SV(a)に対して、左右の切れ目SV(b)の端点位置SV(be)が、SV(a)の間に来るように配置することが望ましい。同図では、SV(be)は、SV(a)の中央付近に配置している。換言すると、横方向連結保持機構(TH)は、少なくとも1列置きにその位置を変化させることができる。
前記手段1において、縦方向の切れ目(SV)に交差するように横方向に部分的切れ目(SH)を設け、当該縦方向と横方向の部分的な切れ目部は扉構造を形成し、当該扉部は、物体通過時に開き、物体通過後に閉じるように構成できる。両開き扉(観音扉)が望ましい。当該SHは、図1(A)、図2、図3、図7に示すように、SVの端点と交差するように設けることが望ましい。
ここで、前記縦方向とは、縦方向の成分をもつことを意味し、前記横方向とは、横方向の成分をもつことを意味する。即ち、縦方向、横方向ともに、図7、図8、図9に示すように、斜めの切れ目(SD)を含むものとする。また、図15に示すように、一つのシートスクリーンに異なるパターンの切れ目を入れることができる。
縦方向の切れ目の長さは、物体の直径の1.5倍以上、30倍以下が適用できる。また、当該切れ目の幅は、物体の直径の1/5以上、5倍以下が適用できる。切れ目の幅に対する切れ目の長さは、5倍以上で、かつ50倍以下が望ましい。
前記奥行き方向の物体の動きについて、当該物体(Obj)は、図2に示すように、利用者側から放出されスクリーンを通過し背面に到達できる。また、図14に示すように、スクリーン背面から放出されスクリーンを通過し利用者付近に到達できる。
<手段2>
本発明に係わる請求項2に記載の実物体干渉表示装置は、図3、図7、図8、図9に対応付けて説明すると、手段1において、前記縦方向に張力を生じせしめる構造(TV)、又は、横方向の連結を保持する構造(TH)は、スクリーン内、又は、裏面に骨格材(リブ、RB)を配置する構造であることを特徴とする。
当該骨格材(RB)は、線材(例えば、図6(C)(D)のRB2(Wr))、又は、細い棒材、薄い板材、ゴム(例えば、図3、図7、図8、図9のRB1)、又は、形状記憶素材(例えば、図6のRB3(Me))などで構成できる。図3において、縦方向の骨格材(RB1(TV))のみとし、横方向の骨格材(RB1(TH))は省略してもよい。
また、図3(C)に示すように、縦方向の骨格材(RB1(TV))の片端に張力調節装置(YAS)を設け、物体が通過しやすいように当該張力を調節できる。更に、物体通過前に当該物体位置を検出し、当該物体近傍にある張力調整装置(YAS2)を選択的に動作させ張力をリアルタイムで調整することができる。当該張力をオン、オフするように制御してもよい。
図3(D)に示すように、スクリーンシート部(10a)の切れ目近傍に張りを保持するため、ワイヤを用いた骨格材(RB2(Wr))を設けてもよい。また、図6(A,B)に示すように、縦方向に張りをリアルタイムで調整できる形状記憶素材を用いた骨格材(RB3(Me))を設けてもよい。
<手段3>
本発明に係わる請求項3に記載の実物体干渉表示装置は、図5、図6に対応付けて説明すると、切れ目を設けることで物体(Obj)を通過せしめる構造のスクリーン(10)と、当該スクリーンに映像(Im)を表示する手段(05)と、物体がスクリーンを通過する位置を検出する手段(71、72、73)と、当該位置から奥行き方向の物体の動きを計算し当該物体映像を生成する手段(70)とからなる実物体干渉表示装置において、
縦方向、又は、横方向の切れ目(SV、SH)近傍には、物体の通過によって切れ目が開いた後、復元力を発生させる機構が設けられ、当該機構は、切れ目の開き始めに抵抗値が高く、一旦開くと物体が通過するまで抵抗値が下がる非線形抵抗特性を持つことを特徴とする。
当該復元力発生機構には、磁石機構を用いることができる。図5に示すように、薄く軽い帯状磁石(Mg)を切れ目の縁に縫い付ける、又は、微粒子状の磁石(Mg)をスクリーンシート部の切れ目近傍に組み込み、通常は切れ目部を平坦に保持するとともに、所定以上の圧力が加わった際に当該切れ目部が開放されるように構成できる。
ゴムスクリーンを製造する際に磁石粒子を一体成型してもよい。当該磁石機構(Mg)は、切れ目部が開放される圧力を調整できるように取り付け位置を変化できる構造でもよい。
前記復元力発生機構には、形状記憶素材を用いることができる。図6に示すように、スクリーンのシート内、又は、骨格材、又は、当該骨格材を上下で支持する機構に形状記憶素材(Me)を用いることができる。物体が通過する際は張力を低くし、物体が通過後に通電し張力を高くしてスクリーン面を復元できる。形状記憶素材は、Ti-Ni系形状記憶合金、Fe-Mn-Si系形状記憶合金、Fe-Ni-Co系形状記憶合金、形状記憶樹脂などが利用でき、繊維状にしてスクリーンのシート内に編み込み、通電によって復元させることができる。
前記切れ目部を平坦に保持する機構は、隣り合う切れ目を互いに引っ張るような機構であれば、上記以外のものも適用できるのは当然である。なお、当該機構は軽い方が望ましい。
前記手段1〜手段3において、図1(A)、図2、図3、図5、図7、図8、図9に示すように、前記スクリーン(10)を構成するスクリーンシート部(10a)、又は、スクリーン骨格部(10b)は、伸縮性素材で構成できる。
当該伸縮性素材には、形状復元性のあるものが望ましく、シリコンゴム、塩化ビニル、ナイロン、テトロン、布、紙、炭素繊維、又は、これらの複合体などが利用できる。張りと変形復元力があり、軽く、丈夫な素材が望ましい。またスクリーン表面は、前記切れ目で構成される扉構造がスムースに開くように、潤滑性がある材料、摩擦力の小さな材料が望ましい。
前記手段1〜手段3において、スクリーンは偏光が崩れないような光反射特性を持つ素材で構成してもよい。当該スクリーンに両眼視差映像を提示し、利用者は偏光眼鏡を用いて左右眼用の映像を切り替えて観察できる。
<手段4>
本発明に係わる請求項4に記載の実物体干渉表示装置は、図14、又は、図16に対応付けて説明すると、切れ目を設けることで物体(Obj)を通過せしめる構造のスクリーン(10)と、当該スクリーンに映像(Im)を表示する手段(05)と、物体がスクリーンを通過する位置を検出する手段(71、72、73)と、当該位置から奥行き方向の物体の動きを計算し当該物体映像を生成する手段(70)とからなる実物体干渉表示装置において、
当該スクリーン(10)の表面には再帰性反射材(11、又は、12)が設けられ、当該スクリーンに映像を表示する手段(05)は利用者(Aki)の視点付近に設けられることを特徴とする。
前記再帰性反射材は、屈折率が2.0に近い微小ガラス球、樹脂球(図16(B)の11)、微小直角反射鏡(図16(C)の12)などが利用できる。再帰性反射材をスクリーンに設けるとは、再帰性反射材入りペンキを塗る、シート状の再帰性反射材をスクリーンに貼るなどの製造方法を含むものとする。再帰性反射材は、スクリーン全面に設けることが望ましいが、スクリーンの中心、又は、周辺に選択的に設けてもよい。
前記視点近傍とは、利用者の頭部から半径1m以内が望ましい。
<手段5>
本発明に係わる請求項5に記載の実物体干渉表示装置は、図2、図10、図12、図13、図14に対応付けて説明すると、切れ目を設けることで物体(Obj)を通過せしめる構造のスクリーン(10)と、当該スクリーンに映像(Im)を表示する手段(05)と、物体がスクリーンを通過する位置を検出する手段(71、72、73)と、当該位置から奥行き方向の物体の動きを計算し当該物体映像を生成する手段(70)とからなる実物体干渉表示装置において、
当該物体通過位置から奥行き方向の物体(VObj)の動きを計算する手段は、物体(Obj)の初位置(P0)、初速度(V0)を計測する手段(15)と、スクリーン面での当該物体の経過位置(PS)を計測する手段(71、72、73)と、当該初位置、初速度、及び、経過位置、及び、空気抵抗(AR)を用いて物体の飛行経路(又は、軌道)を推計する手段(70)とから構成され、飛行物体映像は、当該経過位置に連続するように生成されることを特徴とする。
図10に示すように、当該経過位置と経過速度は、画像処理手段(75、76)を用いて計測できる。また、図10(D)に示すように、飛行物体(Obj)に磁気センサ(26)、ジャイロセンサ、無線機(27)などを組み込んで計測してもよい。物体がスクリーンに到達する時刻(tS)を計測する手段を設けてもよい。
図12に示すように、前記空気抵抗(AR)は、前記初位置(P0)、初速度(V0)から自由運動を想定して計算された経過位置(PSf)と、前記計測された経過位置(PS)との比較から予測できる。
また、前記空気抵抗(AR)は、風の影響を考慮して、前記ARのx軸成分、y軸成分、z軸成分の値を任意に変化させることができる。当該風は、図10に示すように、利用者に触覚、又は、体性感覚として提示できる。
図13に示すように、物体の回転速度(RT)を計測する手段(15)を組み合わせてもよい。前記空気抵抗ARは、当該物体回転速度に基づいて設定してもよい。また、時間の関数とすることもできる。
<手段6>
本発明に係わる請求項6に記載の実物体干渉表示装置は、図1、図10、図14に対応付けて説明すると、切れ目を設けることで物体(Obj)を通過せしめる構造のスクリーン(10)と、当該スクリーンに映像(Im)を表示する手段(05)と、物体がスクリーンを通過する位置を検出する手段(71、72、73)と、当該位置から奥行き方向の物体の動きを計算し当該物体映像を生成する手段(70)とからなる実物体干渉表示装置において、
当該スクリーン(10)に表示される映像(Im)は、観察者の視点の動きに応じて生成される運動視映像(16、17)であることを特徴とする。
図2に示すように、前記映像(Im)は、背景映像(ImB)、又は、バーチャル通過物体映像(ImObj)からなり、これら映像は3次元CGを用いて制作できる。又は、複数の実写視差画像を画像処理して前記運動視映像を生成し表示してもよい。
<手段7>
本発明に係わる請求項7に記載の実物体干渉表示装置は、図10に対応付けて説明すると、切れ目を設けることで物体(Obj)を通過せしめる構造のスクリーン(10)と、当該スクリーンに映像(Im)を表示する手段(05)と、物体がスクリーンを通過する位置を検出する手段(71、72、73)と、当該位置から奥行き方向の物体の動きを計算し当該物体映像を生成する手段(70)とからなる実物体干渉表示装置において、
気流、又は、香りが当該スクリーン(10)を通過して利用者に提示される、又は、利用者(Aki)の周囲から提示される(01)ことを特徴とする。
前記気流、又は、香りは、図10(A)に示すように、気流発生装置(01)を用い、スクリーン(図1の10)に設けた切れ目(SV、SH)、又は、空気穴(02)から放出できる。気流発生装置(01)の風圧によって、切れ目を広げ微小な隙間を作り、風を通過させることができる。
図10(B)に示すように、気流発生装置(01)は、利用者の周囲に設けてもよい。遠隔地のプレイ場の風圧を再現するように利用者に触覚提示できる。また、前記香りは、利用者による物体放出が所期の飛行をした場合に提示するように制御してもよい。
前記手段1〜手段7において、図14、図17に示すように、物体(Obj)はスクリーン(10)の背面から利用者(Aki)に向けて放出され、当該物体は、利用者によって跳ね返され、当該スクリーンの方向に放出されてもよい。図14に示すように、背景映像として物体放出の様子を提示し、当該物体放出の様子に同期させて、物体をスクリーン(10)の背面から利用者に向けて放出するように制御できる。
本発明は、大画面スクリーンの任意の場所を物体が通過するように構成できる特徴があるが、物体が通過する場所が限定されている場合には、当該領域のみに前記に示した特徴を持つ物体通過の切れ目を入れてもよいのは当然である。また、図15に示すように、指定された物体通過領域に切れ目を多く入れた低抵抗スクリーンを用い、その周辺には切れ目が少ない別な構造のスクリーンを用いてもよい。
前記手段1〜手段7において、図19に対応付けて説明すると、指定された物体通過領域に微粒子スクリーン(FogS;気化状物質スクリーン)を組み合わせて用いてもよい。
図17、図18に示すように、スクリーン(10)に投影する映像(Im)は、通信手段(33)を用いて入手してもよい。図18に示すように、通信手段としてインターネットを利用でき、遠隔地(RealWorld)のリアルタイム映像(Im(2))を提示できる。提示映像は、携帯通信端末(21)を介して入手してもよい。また、図17に示すように、複数の実物体干渉表示装置を通信手段(33)で結び、相手側の映像を表示できる。
前記手段3〜7において、切れ目は、図5(C)に示すように、スクリーンの上端から下端まで設けてもよい。
<手段1に係る効果>
本発明の実物体干渉表示装置は、図1、図2、図10、図14、図16に示すように、スクリーン(10)は実物体(Obj)が通過する構造を有し、当該実物体の通過位置を検出する手段(71,72,73)を有するため、スクリーンには実物体が通過する前後の映像が表示できる。
ここで、スクリーン(10)は、縦方向に張力を生じせしめる構造(TV)を持ち、縦方向に部分的切れ目(SV)を有するとともに、当該切れ目のない部分は横方向に連結を保持する構造(TH)を持つため、大画面のスクリーンを構成できる。大画面にしても横方向の連結が保持されているため、スクリーン素材が曲がる、重なるなどの不都合が生じない(図1、図2、図3、図7、図8、図9参照)。
特に、図1(A、B)、図2(A)に示すように、前記縦方向の部分的切れ目(SV)を千鳥状に配置する、つまり、横方向連結保持機構(TH)の位置を少なくとも1列置きに変化させることにより、スクリーン面に衝撃圧力が加わると切れ目は横方向に広がり易く、物体は小さな抵抗でスムースに通過できる。
つまり、従来のファイバ、糸、紐などを並べたスクリーンでは、大型にした場合、素材の部分的な重なりが生じ易いが、本発明のスクリーンでは、1体のシートに特殊な配置の切れ目を入れるため、大型にしても設置が容易で型崩れし難い。シートに伸縮性のある素材を用いることによって、物体がスクリーンを通過する際に必要最小限の領域が開き、他の領域に影響を与えない、また、物体が通過した後は直ぐに復元する性質がある。従って、実物体通過による映像の乱れが極めて少ない。
この作用は、図2、図7、図8、図9に示すように、前記縦方向の切れ目(SV、SD)に交差するように横方向に部分的切れ目(SH、SD)を有するスクリーンを用いることによって効率が格段に向上する。つまり、縦方向と横方向の部分的切れ目は両開き扉構造を有するため、球状物体(Obj)は当該扉を開くようにして、又は、SH部を奥行き方向にめくるようにしてスクリーンを通過する。扉部分、又は、めくれる部分は、物体通過に必要な狭い領域であり、軽いため通過した後は直ぐに復元する。映像の乱れは少ない。また、物体通過の抵抗は、従来の紐を並べたスクリーンなどと比較すると小さいため、物体の運動エネルギーロスは少ない。従って、物体の双方向通過も可能である。
特に、図8、図9に示すように、六角形の骨格材の中に設けられた6つの切れ目を持つシートの中心部は物体通過抵抗が低い。また、シート状スクリーンには、図15に示すように、二種類のパターンの切れ目を複合して用いることができる。同図では、スクリーンの中央部に六角形の骨格材と6つの切れ目を有するシートを用いている。この構成は、スクリーン裏面からボールを利用者に向けて放出し、そのボールをスクリーンに向けて打ち返すなどの物体双方向通過の応用に適している。
ここで、縦方向の切れ目(SV)の長さが、物体の直径の1.5倍以下であると、物体通過時の割れ目が小さく抵抗が大きい、一方、30倍以上であると物体通過時に大きな割れ目が発生し復元に時間が掛かる。風圧や振動加わった場合、割れ目が広がり易く画面が安定しない。縦方向の切れ目の長さは、1.5倍以上、30倍以下であるとき物体通過抵抗は小さく復元が速い。また、製造のばらつきなどを考慮すると2倍以上、20倍以下が望ましい。
縦方向の切れ目(SV)の長さが1.5倍以上、30倍以下の範囲であるとき、当該切れ目の幅(SVとSVの間隔)が物体の直径の1/5倍以下であると、物体通過の抵抗が大きく、一方、5倍以上であると物体通過時に捲れるシートの面積が大きく、重くなるため、大きな運動量を必要とする。また、割れ目は大きくなるため、映像が乱れやすい。結局、切れ目幅が1/5倍以上、5倍以下のとき物体通過抵抗は少なく復元が速い。
<手段2に係る効果>
図3、図7、図8、図9に示すように、スクリーン内、又は、スクリーンの裏面に骨格材(RB)を配置することによって、縦方向の張力(TV)、横方向の連結保持力(TH)は補強される。従って、本発明の基本特性である物体通過性を保持しつつ、スクリーンを大画面化するのに極めて有効である。
つまり、スクリーンが大きくなると自重で歪み易くなるが、縦方向張力(TV)の補強によって歪やしわは生じにくい。また、横方向の連結保持力(TH)の補強によって、物体が通過した後の復元は早く、物体通過時の画面の乱れは抑制される。
骨格材(RB)を用いることによって、当該骨格材に応力を集中させることができる。従って、図3に示すように、骨格材の上下端を固定することで、スクリーン全体に張りを持たせることができる。縦方向の骨格材(RB(TV))は細く長いので物体通過時に適度に横に変形し物体の通過に支障は少ない。また、スクリーンを設置する際にも型崩れし難いので、従来の糸や紐を並べたスクリーンに比べ、取り扱いは極めて容易である。
縦方向骨格材(RB(TV))の上下端に張力調整機構(YAS)を設けることによって、物体の通過特性と表面の張りを最適化できる。物体が通過しにくい場合には、図3(C)に示すように、張力をリアルタイムで調整することで、更に物体は通過しやすくなる。この例では、物体接近を検知し、当該物体が通過する部分の張力を弱くすることで通過を容易にしている。
このように、本発明では、縦方向の張力を部分的に弱くする、又は、張力をなくしても、横方向の連結保持機構が作用し、縦方向の当該部分を横方向の保持機構が支えるためスクリーンが型崩れすることはない。物体通過特性の改善が図れる。従来の糸や紐を並べたスクリーンでは実現できない機能である。
また、図3(D)に示すように、スクリーンシート部(10a)に骨格材としてワイヤ(RB(Wr))を設けると、切れ目部に張りを持たせることができる。画面は平坦になり、表示特性は改善される。
<手段3に係る効果>
図8に示すような、従来の紐を並べたスクリーンでは、紐の間を広げて物体が通過するため、通過開始から終了まで大きな摩擦抵抗が存在する。従って、進行方向、又は、回転方向の運動エネルギーはスクリーンに吸収されやすい。スクリーンに運動エネルギーが吸収されるということは、スクリーンが変形しやすいことを意味する。
一方、本発明では、切れ目の復元力発生機構が、非線形抵抗特性を持ち、衝撃力で切れ目が開いた後は抵抗値が下がるため、運動エネルギーの保持に有利である。物体通過時にエネルギーの吸収が少ないということは、スクリーンの揺れが少ないことを意味する。特に、スクリーン背面からボールを利用者に向けて放出し、利用者が打ち返す利用においては、運動エネルギー損失が少ないことは本質的に重要である。また、物体が通過した後、スクリーン面をもとの状態に速やかに復元させる効果がある。切れ目を互いに引っ張って平坦を保持することにより、高品質の映像を表示できる。
例えば、図5、図9(B)に示すように縦方向、又は、横方向の切れ目(SV、SH、SD)近傍に、磁石機構(Mg)を用いる場合、物体が通過しないときには、切れ目は磁力で接合されている。切れ目部は互いに引っ張られているので、小さな風圧や振動では開かず、スクリーン面には歪が生じない。
物体が衝突し所定以上の圧力が加わると、切れ目は開き始める。一旦開くと切れ目の接合力は大きく低下するため、切れ目は小さな力で大きく開く。物体の通過はスムースである。物体通過後、スクリーンの扉部は弾性力によって元の状態に復元しようとし、切れ目の間隔が近づいたところで、磁石力によって接合される。
また、図6に示すような形状記憶素材(Me)を用いる場合も同様である。即ち、物体が衝突し所定以上の圧力が加わると、切れ目は開き始める。このとき、形状記憶素材は変形し通路を作る。一旦変形すると切れ目の接合力は大きく低下するため、切れ目は小さな力で大きく開く。物体の通過はスムースである。物体通過後、スクリーンの扉部は弾性力によって元の状態に復元しようとする。切れ目の間隔が近づいたところで、形状記憶素材を通電加熱などによって動作させると切れ目はしっかりと接合される。
前記切れ目を互いに引っ張って平坦を保持する力を変化させる機構を用いることによって、通過物体の運動量に合わせて、通過面積の最小化、復元時間の最小化を図ることができる。
前記手段1〜手段3において、スクリーン(10)を構成するスクリーンシート部(10a)、又は、スクリーン骨格部(10b)が伸縮性素材で構成されると、当該スクリーンの切れ目部(SV、SH)周辺は衝撃によって容易に変形するため、球状物体(Obj)は、当該切れ目部を滑らかに通過できる。また、物体が通過した後、スクリーン面をもとの状態に速やかに復元させる効果が高い。(図1、図2、図3、図5、図7、図8、図9参照)
スクリーン表面には滑らかなシートを用いることができるため、プロジェクタからの投影光の偏光を崩さずに反射させることができる。従って、図14に示すように、偏光眼鏡を用いた両眼立体視が可能である。偏光眼鏡は軽く装着感が少ない。利用者は当該両眼立体視によって奥行き感覚を得ながらプレイできる。
以上のように、本発明では、大画面でありながら、物体を通過させても映像の乱れが少ない物体干渉表示装置を実現できる。また、双方向の物体通過特性を実現できる。従来の通過スクリーンにはない高い臨場感が得られる。
<手段4に係る効果>
図16に示すように、再帰性反射材(11、又は、12)をスクリーン表面に設けることによって、プロジェクタ(05)の光は、当該プロジェクタの方向に戻る。従って、プロジェクタの近傍に利用者が居れば、当該利用者は当該プロジェクタから投影された映像のみを観賞できる。
本発明では、切れ目を入れたシートをスクリーンに利用する。シートなので、再帰性反射材をペンキなどに混ぜて塗布できる。また、再帰性反射材で構成したフィルムをシートに貼ることもできる。
図4(A)で説明するように、本発明は縦方向、横方向に切れ目を設けるため、縦方向切れ目間隔を広くとることができる。つまり、スクリーンシート部は、従来の糸や紐を用いたスクリーン(図4(B)参照)と比較すると、切れ目のない平坦な面が多い。平坦面には再帰性反射材を塗布しやすい利点がある。再帰性反射材を均一に塗布することによって、再帰性反射精度は良い。つまり、画像は明るく美しい。なお、従来の糸、紐などを並べたスクリーンでは再帰性反射材を塗布することも、フィルムを貼ることも難しい。仮に塗布できても特性が悪く、本発明との差は大きい。
図16(D)に示すように、大画面スクリーン(10)を利用者(Aki)が並んで使用する環境において、各々の利用者に別々の広視野映像を提示しても画面の重なり(クロストーク)は生じない。つまり、空間を有効に利用して複数の人が各々独立した広視野複合現実感を楽しむことができる。ゴルフや野球練習場などに適用すると、高臨場感バーチャル空間でプレイできる。広視野なので没入感が高く、隣のプレイヤーの映像は見えないので自分の映像のみに集中してプレイができる。スクリーン全体で物体通過可能なので利用者は広い範囲に球を打つことができる。また、変化に富んだ場面を作ることができるので、様々な娯楽に応用できる。従来の表示装置にない効果である。
再帰性反射材をスクリーンの中心部に選択的に設けると、中心部分がスポットライトを当てたように明るくなるので、強調して表示できる。例えば、野球ゲームでは、相手側のピッチャーマウンド、又は、バッターボックス周辺を明るく表示することができる。利用者は、明るい映像を見ることによって、ゲームに集中できる。
また、大画面スクリーンの場合、プロジェクタの明るさが周辺において低くなることがある。このような場合、再帰性反射材をスクリーン周辺に選択的に設けると、光の利用者方向への反射率が周辺で高くなるため、画面全体を均一な明るさにすることができる。
<手段5に係る効果>
図2、図10、図12、図13、図14に示すように、利用者によって放出される物体(Obj)の位置(P0)、初速度(V0)を計測し、スクリーン面での当該物体の位置(PS)と時刻(tS)を計測し、これらの情報を用いて空気抵抗を推計し、バーチャル空間での物体(VObj)の動きを計算するため、再生される物体の飛行経路映像は精度が高い。つまり、実空間での物体の動きと、スクリーン内(バーチャル空間)での物体の動きの継続性が高く、臨場感が向上する。
図12に示すように、物体の初位置(P0)と初速度(V0)から単純に算出される物体の自由運動によるスクリーン到達時刻(tSf)、スクリーン経過位置(PSf)と、実際に計測されたスクリーン到達時刻(tS)、スクリーン経過位置(PS)とを比較することにより、空気抵抗(AR)が精度よく推定できる。
風が吹いている場合には、風の方向によって物体は圧力を受けるため、空気抵抗の大きさに変換して物体の動きをシミュレーションできる。また、図10に示すように、当該風を利用者に提示することが可能で、風の中でゴルフを実施する感覚(触覚提示)を再現できる。例えば、利用者は、アゲンストの風を感じる場合には、そのためのゴルフクラブを選択し打ち方を工夫できる。そのようにして打ったボールは、風を受けたように飛行する。臨場感が高い。
図13に示すように、物体放出時に物体の回転(RT)を計測し、当該計測データに基づいてデータベースを参照することにより、当該回転運動の影響を空気抵抗(AR)の値に換算できる。例えば、ボールの回転数によって、進行方向(x軸成分)と上方向(y軸成分)の空気抵抗の値を変えることができる。当該ARを用いて、飛行経路(又は、軌道)を計算するので精度が高い。
<手段6に係る効果>
図1(A)、図10、図14に示すように、利用者の頭部の動きは、位置検出センサ(Sen)で検出できる。映像を3次元モデルに基づく透視投影変換法で生成した場合、頭部位置(視点位置)の変化に合わせて映像を変化させる、つまり運動視を実現できる。
本発明の目的は、広視野複合現実感を実現することである。利用者は広々としたバーチャル空間に向けて物体を放出するが、この際、目標となる場所の距離感を把握することは極めて重要である。例えば、ゴルフシミュレーションでは、ホールの距離に合わせてクラブの選択が必要である。
前記のように、運動視が実現できるので、バーチャル空間は立体的に知覚される。つまり、利用者は頭を動かすことによって、目標までの距離を把握しやすい。ゴルフであれば、目標距離を把握し、その距離に合わせてクラブを選択する、打撃力を調整するなどが可能である。プレイの上達に効果がある。
また、複数の実写視差画像を画像処理して運動視映像を生成し表示する場合、CGとは異なり現実的な迫力が高い。なお、ゴルフや野球などへの応用では、同スポーツの背景映像(ImB)は利用者の位置から見ると、通常あまり変化はしない。例えば、ゴルフ場では、打とうとする方向の景色が短い時間で変化することは少ない。野球の場合も同様である。従って、実画像を画像処理して再構成される運動視画像は不自然な感覚が少ない。
<手段7に係る効果>
本発明では、スクリーンは切れ目がありながら縦方向、横方向に張りを持ち、また、空気穴を設けることができるので、スクリーンを通して気体を放出、又は、吸い込ませても当該スクリーンは変形したり、揺れることが少ない。
図10に示すように、利用者の周囲から、風、香りなどの刺激を提示すると、利用者は、自分がプレイしているバーチャル空間を触覚、嗅覚で把握でき、その感覚を参考にして物体(ボールなど)の放出を制御できる。
例えば、ゴルフシミュレーションの場合、利用者に正面から送風すると、アゲンストの風が吹いている環境を再現できる。逆に、スクリーンが空気を吸い込むように送風すると、フォローの風が吹いている環境を再現できる。利用者はそれを考慮してゴルフクラブを選択する、打撃力を調整するなどが可能である。また、前記のように、当該風圧を条件に含めて放出物体(ゴルフボール)の飛行経路を計算し、表示することができる。ゴルフは様々な環境でプレイするスポーツなので、人工的にこのような環境を生成できる本発明はゴルフの上達に効果がある。
野球シミュレーションの場合も同様に、左側から右側に風が吹いている環境を再現できるので、利用者はそれを考慮して少し左側に打ち返すなどの調整が可能である。臨場感の高いシミュレーションが可能であり、プレイの上達に効果がある。
また、旨く飛ばせたときに芳香を提示すると、そのプレイをしたときの体性感覚情報と嗅覚情報が結びつき良いイメージとして記憶されやすい。実空間でプレイする際にもこの記憶が想起されるため、良い結果につながる。つまり、当該シミュレーションを利用することにより上達は早くなる。
<手段1〜手段7に係る他の効果>
本発明では、シート状のスクリーンを用い、縦横に歪が生じ難い、つまり型崩れし難い構造であるため、スクリーンの一部のみを通過性にすることが可能である。また、一部を切り取り別のスクリーンを合体するなど、組み合わせに自由度がある。
図19に示すように、スクリーン(10)の一部を微粒子スクリーン(FogS;気化状物質スクリーン)にすると、両者の良い特性を生かすことができる。本発明は大画面、広視野化が可能で物体通過特性は良く、映像品質も従来のスクリーンに比べると良いが、物体がシートを通過する構成であるため、映像が瞬間的に歪む特性はやむを得ず残る。一方、微粒子スクリーンは、大画面、広視野化は難しいが、一辺が1〜2m程度の大きさであれば、気流を制御して高品質の反射特性を実現できる。物体が通過する際の映像の歪は殆どない。そこで、画面の中央部などの物体が高い頻度で通過する重要部にFogSを用い、その周辺に切れ目を有するシート状スクリーンを用いると、精度の高い複合現実感を実現できる。
図19の例では、野球のピッチャー投影部にFogSを用い、その周辺の野球場、守備選手投影部に切れ目を有するシート状スクリーンを用いている。野球のバッティング練習では、ピッチャーからボールが離れる瞬間の映像が最も重要である。この部分にFogSを用いることで、利用者は高い臨場感でプレイできる。練習は楽しく上達が早い。広い領域を微粒子スクリーンで構成することは、コスト高、画像品質低下の原因になるが、必要最小限のピッチング動作付近を微粒子スクリーンで構成すると、低コストで画像品質が高い。
微粒子スクリーンは霧等を放出、排出する枠で構成されるため、その外側周辺は物体通過特性が低下しやすいが、本発明では、微粒子スクリーンの周辺に縦と横に切れ目を入れたスクリーンを用いることによって、枠周辺の物体通過特性を改善できる。図19(B)に示すように、微粒子スクリーンFogS枠の直下の狭い領域でもボールは通過する。ピッチャー返しのような打球も忠実に再現できる。なお、図4(B)(C)に示した従来の糸や紐のスクリーンでは、物体通過抵抗が高いので、前記狭い領域に適用することは難しい。
図18に示すように、通信手段を用いて遠隔地にあるゴルフ場の当該時刻における映像、風、音を提示することによって、実際にその場でプレイしている感覚は高まる。楽しく上達が早い。なお、ゴルフ場は広いので、各ホールにカメラを設置し、携帯通信端末(21(4))で映像を伝送することができる。
本発明で使用する大画面スクリーンは、任意の場所において物体の双方向通過が容易である。従って、図14、図17に示すように、バーチャル空間と実空間の双方向プレイが可能である。例えば、野球のように、飛んでくるボールを打ち返すなどが可能である。ピッチャーによって、ボールをリリースする場所を変えることもできる(図15(A)参照)。高い臨場感が得られる。その他、ハンドボール、ドッチボールなどのバーチャルプレイが可能である。
図17に示すように、遠隔地を通信で結び、互いの場所を撮影し、当該場所の映像を背景映像として提示すると離れた場所で物体をリアルタイムに交換するゲームが可能である。例えば、一方で投げたボールを遠隔地で打ち返すなど遠隔野球ゲームが可能である。あたかもその場所に一堂に会しているような感覚でプレイを楽しむことができる。臨場感が高まるので、楽しく上達が早い。
複数の人がバーチャル空間に一堂に会してプレイする場合、各々の人が所定の時間に実物体干渉表示装置のある場所に着く必要がある。しかし、予め指定した時間に合うように行動するのは面倒である。本発明では、図18に示すように、実物体干渉表示装置に提示する映像は利用者の携帯通信端末(21)を介して入手できるので、複数の人が各々実物体干渉表示装置の前に来た時点で自動的に相手側を呼び出し相互に映像を交換してプレイできる(図17参照)。相手が来るまでは他の映像でプレイすることができる。集合の時間調整の煩わしさが解消される。
図1(A)は、本発明の第1の実施例で、ゴルフ練習装置の概観図である。金網状のゲージ03の中で、利用者Aki(プレイヤー)がスクリーンに向けボール物体Objを打ち出す様子を示している。図1(C)は、プロジェクタ05によってスクリーン10に投影される映像である。図1(B)は、図1(A)のスクリーンの代替スクリーンである。図1の装置構成と動作を詳細に説明する。
図1(A)において、スクリーン10は薄いシート状の物体10aで構成される。10aには、縦方向に部分的切れ目SVが設けられ、当該SVの端点には、SVと交差するように横方向に部分的切れ目部SHが設けられている。同図では、SVとSHはT字型、又は、逆T字型で示している。当該SVは、千鳥状に配置することが望ましい。例えば、スクリーンの左側に示す縦方向の切れ目SV(a)に対して、その右側にある切れ目SV(b)の端点位置SV(be)は、SV(a)の中央付近に配置されている。このように、切れ目は互い違いに(千鳥状に)配置することが望ましい。
10aの素材には、シリコンゴム、塩化ビニル、ナイロン、テトロン、布、紙、炭素繊維、又は、これらの複合体などが利用できる。張りと変形復元力があり、軽く、丈夫な素材が望ましい。またスクリーン表面は、前記切れ目で構成される扉構造がスムースに開くように、潤滑性がある材料、摩擦力の小さな材料で構成されることが望ましい。当該扉構造については図2で説明する。
スクリーン10の縦方向には、張力を生じせしめるための機構TV(2点鎖線で示す)が設けられている。TVは、縦方向に切れ目が存在しない部分の素材でその機能を持たせることができる。同図では、TVは一箇所しか示していないが、縦方向の切れ目と切れ目の間がTVに当たる。
スクリーン10の横方向には、連結を保持して張力を発生させるための機構TH(2点鎖線で示す)が設けられている。THは、横方向に切れ目が存在しない部分の素材でその機能を持たせることができる。スクリーンの横方向にTHを辿っていくと、素材が繋がっていることが分かる。この繋がりによって、横方向に僅かな張りを持たせることができる。換言すると、横方向連結保持機構(TH)は、少なくとも1列置きにその位置を変化させ、素材が繋がる構造になっている。
つまり、縦方向にはスクリーンの加重が掛かるので、TVは加重に打ち勝って縦方向の張りを保持するように構成する。また、横方向には風圧などによってスクリーンが揺れやすいので、THは、比較的小さな力に対して張りを保持するように構成する。同図のように、縦方向の切れ目を千鳥状にすることにより、その機能を実現できる。本発明では、大画面にしても横方向の連結が保持されているため、スクリーン素材が曲がる、重なるなどの不都合が生じない特徴がある。ここで、TV、又は、THには、後述するように、骨格材(リブ)を用いてもよい。
スクリーン10は、同図には示していない機構によって、上下が拘束される、又は、縦方向に引っ張られている。当該張力は、スクリーンが外圧によって歪まないように、かつ、物体Objをスムースに通過せしめるように調整される。物体Objとしては、野球ボール、ゴルフボールなど、主に球状のものを想定しているが、槍、円盤、ラグビーボールのような変形球体、又は、棒でもよい。
73は、前記ボールがスクリーンに衝突した場合、その振動を検出する衝撃センサである。圧電素子などを用いた高感度圧力センサなどが利用できる。また、フォトカプラなどの光学式センサを用いることもできる。スクリーンが揺れた際に予め決められた光路が変化することを利用してスクリーンへの物体衝突を検出できる。
03は、隣の利用者との境界を金網などで仕切った利用者ゲージで、ゲージの柱には動作監視センサを取り付けることができる。従って、03は動作監視フレームでもある。16は当該フレームの天井に取り付けられた利用者の頭部位置を計測する装置、Senは16の構成部品であり、赤外線センサ、又は、超音波センサである。
DBは、ゴルフ場などのプレイ場所の3次元空間モデルを記憶したデータベースである。70は、映像を生成する情報処理装置で、当該データベースの3次元空間モデルを読み込み、16によって計測された利用者の頭部位置情報を入力として視点位置を推計し、透視投影変換法によって当該視点位置からゴルフ場を見た際の様子をコンピュータグラフィックス(CG)によって生成する。当該映像Imは、プロジェクタ05によってスクリーン10に投影される。
頭部の動きによって視点位置は変化するため、前記映像も変化させる。Im(1)、Im(2)、Im(3)は、各々、利用者頭部がゲージ内で、左から右に、同図Moveで示す方向に移動した場合に生成される画像の変化を示している。頭部が右側に移動するに伴って生成される映像は、右側の風景が隠れ、左側の風景が現れる(Im(3)参照;右上の木が隠れ、左側に木が現れ、砂場が広がっている)。利用者が左から右に動く場合、前後に動く場合であっても、当該視点から見た映像を表示できる。つまり、本発明は、運動視映像を提示できる構成となっている。
ゴルフプレイでは、ホールにボールを入れようとする際に、距離感を把握することが重要である。ホールまでの距離によって、ゴルフクラブを選択し、打ち方を工夫するためである。本発明では、利用者はボールを打つ前に頭を動かすことによって、奥行き方向の距離感を把握できるので、高い臨場感でプレイできる。
また、CGを利用する利点は、背景となる3次元空間について時間的な物理現象を含めて再構成できることである。つまり、スクリーンには風景映像を表示できる。例えば、木が風で揺れている様子、川が流れている様子、小鳥が木で遊ぶ様子などを表現できる。このような自然豊かな環境をバーチャルに生成し、その中でゴルフプレイできるので、飽きることなく、楽しく練習できる。
前記では、CGによるバーチャルリアリティ技術によって背景映像Imを生成したが、プロジェクタ05によってスクリーンに投影する映像は、遠隔カメラなどで撮影した実際の静止画像、または、映像でもよい。この場合、運動視映像を生成するため、映像変換処理装置17を用いることができる。つまり、頭部の動きを16によって計測し、当該計測結果から得られる視点位置に基づいて、背景画像、又は、映像Imを画像処理によって動かすことができる。
具体的には、スクリーンに投影する画像より空間サイズが大きな画像をプロジェクタ05のメモリに蓄積しておき、当該メモリ空間内で前記視点の動きを考慮して所定の大きさの部分画像を切り出しスクリーンに投影できる。例えば、図1(C)のIm(1)〜Im(3)の全部の地理空間を撮影した画像をメモリに蓄積しておき、頭部の動きに連動させて、同図のように、部分画像を切り出して表示できる。このように実画像、又は、実映像を利用しても運動視を実現できる。実映像を基にした運動視映像は現実感において迫力が高い。
次に、打球の動きを表示する方法について述べる。
72は、プロジェクタ05の近傍に設置された高速カメラである。この映像は、情報処理装置71で処理される。具体的には、利用者がボールObjを打つと、物体位置検出装置15が作動し、Objの動きをカメラ72が捉える。Objがスクリーン10に衝突すると、センサ73が当該衝突を検出する。そのタイミングで、映像は72から71に送られ、画像処理によってボールが抽出され、当該Objの位置が計測される。
ここで、物体位置検出装置15には、複数の高速カメラを利用したステレオ画像計測装置などが利用できる。打たれた直後のボールの位置と速度を計測することができる。ボールにカメラで捉えられ易いマークを付けることによって、ボールの回転速度、速度ベクトルなどを正確に計算できる。
従って、15によって、Objの位置と初速度が計測され、71、72、73によって、Objがスクリーン10を通過する際の通過位置が計測される。画像生成装置70は、これら計測情報を入力として、スクリーン10を通過した後のボールの進路を高速に推計し、ボールのCG映像を生成できる。プロジェクタ05は、当該ボール映像を、図1(C)の背景映像Imに重畳して表示できる。利用者は打球が飛んで行く様子を見ることができるため、臨場感演出効果は高い。前記ボールの進路推計は、図12を用いて後に詳細に述べる。
図1(A)では、高速カメラ72は1台のみを示しているが、複数台の72をゲージ03に設置することも可能である。この場合、各カメラ画像を処理してゴルフボールObjを抽出し、当該Objの各画像上での対応付けを行い、ステレオ画像計測の手法を用いると、ボールが打たれてからスクリーンに衝突するまでの3次元軌道を計測できる。この軌道を基にして、スクリーン通過後のボールの動きを予測しボール映像を生成して表示できるのは前記と同様である。
図1(A)のスクリーンにおいて、切れ目SVの中には空気を通過せしめる穴02を設けることができる。1つの切れ目に2個ずつの穴を設けているがその数は目的に応じて増減できる。当該空気穴02は、スクリーン背面から匂いや風を模擬した空気を通過させ、利用者に向けて放出するためのものである。詳細は、図10で説明する。
図1(B)のスクリーンは、図1(A)と比較して、横方向の切れ目SHと空気穴02が省略されている。縦方向の部分的な切れ目SVの配置は、図1(A)と同様である。縦方向の切れ目SVが千鳥状になっているため、縦方向の張力は、TVによってスクリーンの変形を防止できる程度に高く設定でき、横方向は、2点鎖線で示す張力発生機構THによって、素材の連結を保持してボールの通過に支障のない適度な張力を発生させることができる。本発明では、このように簡略化してもよい。
次に、切れ目の効果について詳細に説明する。
前記発明の目的は、大側のスクリーンの張りを保持しつつ、物体をスムースに通過させる特性を得ることである。このために、縦方向の切れ目SVを千鳥状に入れているが、SVの長さ、幅は、当該特性にとって重要な条件である。実験結果と共に述べる。
1辺の長さが1m程度、厚さが1mm程度のゴム製シートに、図1(B)のような縦方向の切れ目SVを千鳥状に設け、正面からゴルフボールを衝突させる実験を行った。SVの長さが30cm、切れ目と切れ目の間隔が1cm程度の場合、ボールはスムースに通過できる。
比較のため、同じ大きさのシートを用い、縦方向全体につまり1mの長さの切れ目を1cm間隔で設けた従来方式スクリーンでも実験した。比較すると、ボールの通過特性には大きな差はないが、従来方式ではスクリーンを平坦に保つことが難しいのに対して、本発明では、スクリーンの平坦性は格段によい。つまり、映像を投影した場合、品質が高い。スクリーンサイズが大きくなるとこの効果は更に大きくなる。
図1(B)のように、横方向に切れ目を設けない場合、縦方向の切れ目SVの長さは、通過物体の直径の5倍以上が適用できる。また、あまりに長くすると従来方式と同様にスクリーンの歪みが問題になるため、30倍以下が適当である。また、切れ目の幅は、物体の直径の1/5以上、1倍以下が適用できる。切れ目の幅に対する切れ目の長さの比については、5倍以上、50倍以下が望ましい。なお、ボールの重量によって調整できるのは当然である。
次に、前記条件のシートに更に、図1(A)のような横方向の切れ目SHを5mm程度設けて実験した。ボールの通過特性は、従来方式よりも格段に良くなる。シートは横方向に連結が保持されているので、変形することはなかった。つまり、縦方向と横方向に切れ目を千鳥状に入れることによって、高い映像品質と高い物体通過特性を両立させるスクリーンを実現できる。
図2(A)は、前記実験結果の理由を模式的に説明したもので、縦方向(SV)と横方向(SH)の切れ目の効果を示している。
ボールObjがスクリーン10に衝突すると、SVとSHで囲まれる領域は、あたかも扉が開くように、シートが奥行き方向にめくれるように回転して空間を作り、Objは当該空間を低抵抗で通過する。この際、シートは伸縮性のあるゴム素材で構成されているため、扉部周辺が変形し空間を広げるように作用する。ここで注目されるのは、扉が両側に開くことによって物体が通過するため、扉部周辺の変形が局所的なことである。つまり、必要最小限の領域が開き、変形が少ないということは、物体通過の際に物体の運動エネルギー損失が少ない(運動エネルギーが保持される)ことを意味する。また、スクリーンに投影された映像の歪や乱れが小さいことを意味する。
シート素材には、伸縮性があり、かつ、復元性のあるものが望ましい。また、摩擦抵抗の小さなものを用いると、ボール物体が前記切れ目の扉を開ける際にボールの回転エネルギーの損失が少なくてすむ。物体Objは、シート表面で滑るように回転し、進行方向の圧力で切れ目の扉を開く。物体が通過した後は、前記扉部は小さく軽いため直ぐに復元する。
図1、図2では、利用者側がボールをスクリーンに向かって打つ場合を示しているが、本発明では野球のバッティング練習ように、スクリーンの背後からボールを利用者に向けて放出し、このボールを利用者が打ち返す場合も想定している。この場合、ボールがスクリーンをスムースに通過し、運動エネルギーの損失が少ないことは極めて重要である。
図2(A)のように、縦方向と横方向に切れ目を設けた場合、物体Objは扉を開くように通過するため、縦方向の切れ目SVの長さは、図1(B)の場合より短くできる。即ち、物体の直径の1.5倍以上、30倍以下が適用できる。なお、製造のばらつきなどを考慮すると2倍以上、20倍以下が望ましい。また、切れ目の幅は、図1(B)の場合より広くできる。即ち、物体の直径の1/5以上、5倍以下が適用できる。これは、スクリーン全面が小さな扉の集合として構成され、かつ、扉と扉を連結するシートが、伸縮性があり、復元性のある素材で構成されるためである。
当該切れ目の幅(SVとSVの間隔)が物体の直径の1/5倍以下であると、横方向の切れ目を設け難くなり、物体通過抵抗が大きくなる。一方、5倍以上であると物体通過時に捲れるシートの面積が大きく重くなるため、大きな運動量を必要とする。また、扉が開いたときの割れ目空間は大きくなるため、映像が乱れやすい。結局、切れ目幅は1/5倍以上、5倍以下のとき物体通過抵抗は少なく復元が速い。なお、切れ目の幅に対する切れ目の長さの比については、5倍以上、50倍以下が望ましい。
図2(B)は、ボールObjがスクリーンを通過した後に、スクリーンに表示されるボール映像を示している。当該Imは、スクリーン映像全体である。ImBは、背景映像でゴルフ場の風景である。ImObjは、バーチャル通過物体映像でゴルフボールである。遠くに離れるに従って小さくなるように、CGで生成される。
本発明では、前記のように、スクリーンを平坦に構成できる特徴があるため、プロジェクタ05で偏光映像を投影し、当該偏光を崩さずに利用者に向けて光を反射させることができる。そこで、右眼用画像と左眼用画像を交互に投影し、利用者は偏光眼鏡を掛けて見ることにより、両眼立体視できる。奥行き感が得られるので臨場感が高い。ゴルフや野球など距離感が必要なスポーツには重要である。また、偏光眼鏡は軽いので、プレイに利用しても不都合は少ない。
図3は、通過スクリーン10に骨格材RBを入れ大型化した構成例、および、スクリーン支持方法の説明図である。図3(A)は10の概観図、図3(B)は10の裏面図、図3(C)はスクリーン支持機構である。10aは伸縮性があり、復元力の高いシート素材である。10bは骨格材(リブ、RB)で、細い棒材、又は、薄い板材で構成され、10aの裏面に設けられる。RB1(TV)は縦方向の骨格材で、縦方向の切れ目SVの間に設けられる。RB1(TH)は横方向の骨格材で、横方向の切れ目SHの間に設けられる。
骨格材10bは、伸縮性のあるゴム素材、細い金属糸素材、ガラスファイバー、形状記憶素材などで構成できる。RB1(TV)は、縦方向の張りを発生させるためのものなので、スクリーンの重量を支える程度の張力があるものが必要である。RB1(TH)は、横方向の連結を保持するためのものなので、張力は弱くてよいが、物体通過の際に変形しやすいように伸縮性の高く、復元が速いものが望ましい。また、RB1(TH)は、省略することもできる。
図3(C)に示すように、縦方向の骨格材RB1(TV)の片端には、張力調節装置YASを設け、物体が通過しやすいように当該張力を調節できる。HUは上部保持機構、HLは下部保持機構である。
また、物体Objのスクリーンへの接近を前記ステレオ画像計測のような手段で検出し、当該接近物体の近傍にある張力調整装置YASを選択的に動作させ、張力をリアルタイムで調整できる。同図では、YAS2の張力をオフ、他をオンするように制御している。物体Objは、スクリーンに衝突するが、このとき、YAS2の張力がないため、当該骨格材は変形しやすく、Objは切れ目が作る扉を開けて通過しやすい。通過した後は、YAS2の張力を発生させることで復元する。
図3(D)は、スクリーンシート部10aの切れ目近傍に張りを持たせるため、ワイヤを用いた骨格材RB2(Wr)を設けた例である。縦方向の骨格材の間隔が広くなり、つまり、切れ目間隔が広くなり、物体通過時に開く扉が大きくなると、シートは弛み易くなるため、ワイヤなどの骨格材をシートの内部に入れることで弛みを防止できる。
図4(A)は、図1(A)、図2(A)と同様なスクリーンシート10aを用い、縦方向の切れ目SVの間に骨格材RB1を入れたスクリーン10について、従来の物体通過スクリーンとの違いを説明するものである。
図4(A)において、骨格材RB1は、縦方向張力機構TVであるため、当該RB1の複数点でスクリーンは保持されている。つまり、骨格材(RB)を用いることによって、当該骨格材に応力を集中させることができる。RB1の上下を同図のように固定することによってスクリーン全体に張りを持たせることができる。
物体Objがスクリーンに衝突すると、切れ目SV、SHからなる扉機構は両側に開くようにして空間をつくり、Objは通過する。物体の通過はスムースである。同図より、物体通過領域近傍のみが変形している様子が分かる。これは、骨格材の間にあるシートの物体通過抵抗が小さいためである。
また、骨格材RB1のある部分に物体が衝突した場合においても、RB1には伸縮性素材を用いていること、スクリーンは大型で縦方向に長いことにより、RB1は、左右いずれかに適度に変形し、物体通過の支障にはならない。つまり、大きな抵抗にはならない。なお、RB1の代わりに、ワイヤのリブ(RB2(Wr))、形状記憶素材のリブ(RB3(Me))を用いることもできる。
図4(B)は、ファイバーを並べた従来スクリーンであるが、物体通過の際の衝撃が周辺に広がり、画像の乱れが大きい。また、ファイバーは細いので大型スクリーンでは平坦性は少なく、投影された映像の品質に問題があることが分かる。細い大量のファイバーを並べて大きなスクリーンを構成することは製造上かなり難しい。
図4(C)は、幅広のゴム紐を並べた従来スクリーンであるが、物体の大きさとゴムの幅の選択、張力の調整が難しい。骨格材は用いていないため、ゴム紐の両端は同図のように紐の幅全体を引っ張る必要がある。Objに対して幅が広いゴム紐を用いると、抵抗が大きく、物体が通過できない、又は、通過できても回転エネルギーの損失が大きく、物体の進行方向が変化する問題がある。野球のバッティング練習装置のように、スクリーン背面から利用者であるバッターにボールを放出する場合には、物体の進行方向が変化するものは利用できない。
本発明の図4(A)は、物体の通過がスムースで、大型スクリーンであっても面の平坦性は高く、従って、映像の品質が高い。また、縦方向は当然、横方向にもシートの連結が保持されているので、スクリーンの設置工事は容易である。
このように、スクリーン内、又は、スクリーンの裏面に骨格材RBを配置することによって、縦方向の張力TV、横方向の連結保持力THは補強される。従って、本発明の基本特性である物体通過性を保持しつつ、スクリーンを大画面化するのに極めて有効である。また、スクリーンは崩れし難いので、従来の糸や紐を並べたスクリーンに比べ、設置などの取り扱いは極めて容易である。
図5は、縦方向、又は、横方向の切れ目(SV、SH)近傍に、物体の通過によって切れ目が開いた後、復元力を促進するため磁石機構を用いた実施例である。図5(A)では、縦方向の切れ目SVの両側に磁石機構Mgを設けている。磁石の取り付け方法としては、薄く軽い帯状磁石をスクリーンシート部10aの切れ目縁に縫い付ける、又は、スクリーンシート製造時に微粒子状の磁石Mgをシート内に一体成形で入れるなどが可能である。
図5(B)は、横方向の切れ目SHの両側に磁石機構Mgを設けている。磁石の設置方法は、図5(A)と同様である。また、縦方向と横方向の切れ目に磁石機構を用いることができるのは当然である。図5(C)は、縦方向の切れ目SVが部分的ではなく、縦方向全体に入れた切れ目部について、数箇所に本発明の磁石機構Mgを設けた例である。
前記磁石機構の機能は、通常は切れ目部を平坦に保持しており、所定以上の圧力が加わった際には当該切れ目部が開き物体を通過させ、物体が通過した後は磁石力で復元することである。スクリーンとしては、ゴムなどの伸縮性のある素材を想定しているため、切れ目によって作られる扉領域が大きいと弛み易い。しかし、当該磁石機構を用いることでスクリーンは常に平坦な状態を保つことができ、経年劣化も少ない。切れ目の開閉を高精度に行うことができ、信頼性の高いスクリーンが構成できる。
また、物体が衝突し所定以上の圧力が加わると、切れ目は開き始め、一旦開くと切れ目の接合力は大きく低下するため、切れ目は小さな力で大きく開く。つまり、物体通過時の運動エネルギーの吸収は、従来の紐を並べたスクリーンと比べて小さい。これは、スクリーンの揺れが少ないことを意味する。高品質の映像を表示できる。また、スクリーン背面からボールを利用者に向けて放出し利用者が打ち返す利用においては、ボールを利用者に向けて高精度に放出できる。
また、通常時、スクリーンは小さな風圧では切れ目が開く、又は、振動することはないため、図1で示したようなスクリーンに設けた空気穴に気流を通過させ、風をシミュレーションする場合には都合がよい。
図6は、通過スクリーンの切れ目の復元機構として、形状記憶素材Meを用いた実施例である。スクリーン10の伸縮性、復元性が不十分な場合に利用できる。スクリーン10の骨格材RB3には、形状記憶素材Meが用いられている。当該Meは、室温では衝撃力が加わると塑性変形し、通電によって発熱し所定温度になると予め記憶された形状になる性質の素材とする。RB3(Me)は上下が固定され、これら複数の点でスクリーンが保持されている。Eは電源、SW1〜SW4はスイッチ、Gは接地である。
図6(A)は、物体Objが通過する様子を示す。Meには通電されておらず、物体は低抵抗でスクリーンを通過する。通過の際にMeには衝撃力が加わり少し伸びるように変形する。一旦伸びると切れ目は小さな力で大きく開く。物体通過抵抗は下がる。この状態を図6(B)に示す。
物体通過後、同図のように通電すると、RB3(Me)は記憶された形状、即ち元の長さに縮み、物体通過でできた空間は復元される。同図では、空間が塞がる様子を白抜き矢印で示している。形状記憶素材は、通電によって0.2秒程度の実時間で元の状態に復元できる。利用者に目立たない速度で復元できる。
また、利用者がゴルフ練習を開始したときに通電してスクリーンに張力を与え、打球する瞬間に通電を止め、物体通過を容易にし、物体が通過した直後に通電を再開し復元することもできる。
図6(C)は、骨格材RB2にワイヤWrを用い、当該ワイヤの下端にバネ型の形状記憶素材Sp(Me)を用いた実施例である。当該Sp(Me)は、通電されていない状態では変形可能とする。同図では、物体が通過するため、物体近傍の切れ目が開き骨格材が横に広がった状態を示している。これに伴い、当該骨格材に接続されているSp(Me)が伸びている。
図6(D)は、物体通過後に通電した状態を示している。通電によって、一旦伸びたSp(Me)は予め記憶された長さに縮むため、切れ目部は同図の白抜き矢印のように力を受けて復元する。
形状記憶素材は、Ti-Ni系形状記憶合金、Fe-Mn-Si系形状記憶合金、Fe-Ni-Co系形状記憶合金、形状記憶樹脂などが利用でき、繊維状にしてスクリーンのシート内に編みこむこともできる。また、前記切れ目部を平坦に保持する機構は、隣り合う切れ目を互いに引っ張るような機構であれば、上記の磁石、形状記憶素材以外のものも適用できるのは当然である。なお、当該機構は軽い方が望ましい。
切れ目を互いに引っ張って平坦を保持することにより、高品質の映像を表示できる。また、当該引張り力を通過物体の特性に合わせて予め設定すれば、物体通過面積の最小化、復元時間の最小化を図ることができる。
図7は、通過スクリーン10の他の実施例である。10aは、ゴム素材のスクリーンシートで、縦方向の部分的切れ目SVとその端点に斜め方向の切れ目SDが設けられている。SVとSDはY字型の切れ目になっている。10bはスクリーン骨格部で、RB1(TV)は縦方向張力機構となる骨格材、RB1(TH)は横方向連結保持機構となる骨格材である。
縦方向の切れ目の間隔は、通過物体Obj(ボール)の直径の3倍弱になっている。切れ目間隔を大きくすると平坦なスクリーンにしやすい。これによって投影映像の品質は向上する。しかし、縦方向の切れ目だけではボールは通過しにくくなる。本発明では横方向に成分を持つ斜め方向の切れ目を設けているため、ボールはスムースに通過する。同図では、スクリーンの3箇所を3個のボールが通過する様子を示している。
図8(C)は、通過スクリーン10の他の実施例である。図8(B)の10aは、ゴム素材のスクリーンシートで、縦方向成分を持つ2本の斜めの切れ目SDと横方向の切れ目SHが六角形の対角線を構成するように設けられている。02は香りや風を通過させるための空気穴で、切れ目SD、SHの先端に設けられている。02は省略可能である。
ここで、前記縦方向とは、縦方向の成分をもつことを意味し、前記横方向とは、横方向の成分をもつことを意味する。即ち、縦方向、横方向ともに、斜めの切れ目SDを含むものとする。
図8(A)の10bは、スクリーン骨格部で、RB1はゴムの細い棒、又は、伸縮性のあるファイバーなどで構成させた骨格材である。
10aと10bを張り合わせて一体化し、図8(C)の物体通過スクリーン10が作られている。同図には、3箇所を各々3つのボール物体Obj(1)、Obj(2)、Obj(3)が通過する様子を示している。SDとSHが作る扉機構にボールが衝突すると当該扉を押し開くようにして通過する。スクリーン骨格部にボールが来た場合(Obj(2)参照)、骨格部は一時的に変形するが、やはり当該骨格部近傍の扉機構を押し開くようにして通過する。
六角形の骨格材の中に設けられた6つの切れ目を持つシートの中心部は物体通過抵抗が低い。従って、スクリーンを通過する際にボールの進行方向には影響を及ぼさない特徴がある。スクリーン裏面からボールを利用者に向けて放出し、そのボールをスクリーンに向けて打ち返すなどの物体双方向通過の応用に適している。
図9(A)は、通過スクリーン10の他の実施例である。図8(C)を90度回転した構造になっている。骨格材10b(RB1)は、ハニカム構造をしている。SVは縦方向の切れ目、SDは横方向の成分を持つ斜めの切れ目である。各切れ目の根元の部分には、骨格材RB1に沿うように小さな切れ目が設けられている。これらの切れ目によって、シート10aに力が加わると、切れ目領域は扉を開くように空間を作りボールは通過する。同図のように、六角形の中心部は物体Objが通過しやすい。
図9(B)は、六角形のスクリーン骨格部を拡大して示している。切れ目SV、SDの中心部には、磁石機構Mgが設けられている。当該磁石によって六角形内の6枚のシートは、先端部が引き合い、平坦面を保持している。物体が衝突すると、切れ目部は衝撃力で開き、物体はスムースに通過する。
図10は、本発明の第2の実施例で、ゴルフ練習装置である。図1(A)と比較して異なる点を中心に説明する。
図10(A)において、ゴルフ場の風景は、情報処理装置70によってCGで生成される。70は、データベースDBからゴルフ場の3次元空間データを読み出し、当該空間を透視投影変換してCG映像を生成する。プロジェクタ05は、当該CG映像をスクリーン10に投影する。ここで、透視投影変換の際、利用者Akiの視点情報が必要になるが、当該視点情報は、頭部位置検出装置16から得られる頭部位置データから推計される。当該推計は、頭部の位置から所定の位置ずれを伴って視点があるとする頭部モデルを用いることによって可能であり、16の中にその機能を持たせてもよく、又は、70で実施してもよい。
また、広い範囲のゴルフ場実画像をDBに記憶しておくこともできる。前記視点位置情報を基に、情報処理装置70によって当該画像の中から必要な画像を切り出し、又は、当該視点から見られる映像に変換し、当該映像をプロジェクタ05によりスクリーン10に投影できる。以上のようにして、CGを用いても、実映像を用いても運動視映像を表示することができる。
利用者が打球するボールObjの最初の位置、初速度、回転速度は、物体位置検出装置15によって計測され70に入力される。また、ボールがスクリーンに衝突した際の時刻は、スクリーンに設けられた衝撃センサ73によって検出される。当該時刻におけるボールObjは高速カメラ72によって撮影される。当該画像は、情報処理装置71によって処理され、ボール像が抽出されその位置が検出される。当該ボールの位置情報は70に伝達される。
ここで、前記情報処理装置71によるボール像の抽出処理について説明する。
図11(A)は、高速カメラ72で撮影した画像列である。Pic0は利用者が打球した瞬間にスクリーンを撮影した画像、Pic1、Pic2、Pic3、Pic4はその後にスクリーンを撮影した画像列である。tは時間の流れを示す。打球してからボールがスクリーンに到達するまでの僅かな時間は、スクリーンに投影されるゴルフ場画像(背景画像)は変化せず、固定画像が表示されるものとする。プロジェクタ05はそのように制御できる。
ここで、Sub−Picは、画像列間差分処理(フレーム間差分処理)を示す。71のメモリには、Pic0が記憶されており、次に取り込まれるPic1との間で差分処理される。Pic1には、ゴルフ場の風景に加えて、飛んで来るボールが撮影されている。Pic0とPic1とを差分処理すると、背景画像は同一なので、ボール画像のみが残る。Pic0とPic2とを差分処理すると、ボール画像の位置が変化して残る。
このようにして、Pic0に対して、Pic1、Pic2、Pic3、Pic4を順次差分すると、図11(B)のようなボールの動きが得られる。ボール以外の部分は、差分処理によって画像情報はなくなっているため、閾値処理などで簡単に画面の中からボールを抽出することができる。
図10(A)の衝撃センサが反応するまで、前記差分処理を続けることにより、ボールがスクリーン10を通過する瞬間のボール位置を検出できる。
又は、前記差分処理を続け、急に残差情報が大きくなった画像PicXを持ってボールがスクリーンを通過したと判定することもできる。物体が通過する瞬間、スクリーンには図11(B)に示すように、ボール通過穴Opnが生じ当該穴の周辺のスクリーンには変形が生じるため、残差情報は急に大きくなる。当該変化は検出可能である。
以上のようにして、ボールがスクリーンを通過する際の位置が情報処理装置70に伝達されると、図10において、70は、当該位置情報と、前記ボールの最初の位置、初速度、回転速度を基にして、ボールのスクリーン通過後の飛行経路(又は、軌道)を推計する。当該ボールをバーチャルボールと呼ぶ。当該飛行経路計算方法は、後に、図12で説明する。
70は、DBに予め記憶されているボールの3次元形状データを読み出し、当該飛行経路とボール形状データを基にボールの飛行映像をCGで生成し、プロジェクタ05に送出する。プロジェクタ05は、前記ゴルフ場風景が投影されているスクリーン10にボールの飛行CG映像を重畳して投影する。
図11(C)はバーチャルボールの飛行映像ImObjである。ImObjは、3個しか示していないが、連続して表示されるのは当然である。ImObjは、遠くに行く程小さく表示される。なお、スクリーンには、ゴルフ場の風景が表示されているが、同図では省略している。
図10(A)において、75、76は高速カメラで、ゲージ03に取り付けられ、ステレオ画像計測装置を構成している。当該装置は、打たれたボールのゲージからスクリーンまでの動き(位置)をリアルタイムで計測できる。具体的には、撮影画像からのボールの抽出は、図11で説明した方法が利用できる。2枚の画像内でボール位置の対応付けを行えば、三角測量の方法で当該ボールの3次元位置が計測できる。従って、75、76は、前記高速カメラ72と衝撃センサ73の組み合わせからなるボール位置検出手段の代替として利用できる。両者の計測系を合わせて用いることができるのは当然である。
図10(D)は、打たれたボールのゲージからスクリーンまでの動き(位置)をリアルタイムで計測する他の手段で、磁気センサを利用する方法である。25は、ゲージ03からスクリーン10の間に設けられた磁界発生装置である。半径数mの範囲で磁界を3次元方向に順次放出する。26は、ボールObjの中に設けられた3次元磁気センサで、25から放出される3次元磁界強度を各次元について順次検出する。磁界は25から離れるに従って弱くなるため、その強度から位置が分かる。また、ボールの25に対する方位が検出される。従って、ボールの位置、速度、回転速度が検出される。27は当該検出情報を外部に送信するための無線機である。当該情報は、同図に示していない受信機によって受信され、情報処理装置70に伝送される。
次に、前記図11(C)で示したバーチャルボールが飛行していく際の映像ImObjを制作る方法について、図12を用いて説明する。
同図では、15によって計測されるボールObjの位置P0(t0)、初速度ベクトルV0、及び、ボールがスクリーン10に到着する時刻tS、スクリーン上のボールの位置PS(tS)を基に、バーチャルボールVObjの動きを推計している。空気がない場合の運動は、Objの質量と、重力、P0(t0)、V0によって推計できる。当該運動による飛行経路を破線で示す。一方、空気があると空気抵抗ARを受けてボールの飛行経路は変化する。これらの計算は、図10の情報処理装置70によって行われる。
図12の力学モデルでは、空気抵抗ARは、x軸成分をアルファα、y軸成分をベータβ、z軸成分をガンマγで標記される。mはボールObjの質量、Vはボールの速度ベクトル、gは重力、tは時間、Cは常数である。X軸、Y軸、Z軸方向の運動方程式を(1)(2)(3)式に示す。(4)(5)(6)式は、t時間後の位置を示す。
仮に、空気抵抗ARがなく、ボールが自由運動する場合を考える。X軸について見ると、ボールの最初の位置P0(t0)が計測できるため、スクリーンまでの距離が分かる。ボールのX軸方向の速度Vxが計測できるため、ボールがスクリーンに到達する時刻tSfが分かる。次に、空気抵抗ARがある実際の環境において、ボールがスクリーンに到着する時刻tSが分かるため、tSfとtSとの差分を満たすように空気抵抗のX軸成分(ベータ)を推定できる。各軸成分の空気抵抗が等しいとモデルすれば、(4)(5)(6)式から、t時間後の位置を計算できる。
また、スクリーン10のボール到達位置計測結果からARを推計することもできる。
例えば、Y軸について見ると、tSとPSは前記のような方法で計測される。ボールの自由運動を仮定すると、15の計測データであるP0(t0)とV0のから、tSfとPSfが計算できる。そこで、(5)式を用いて、ARのX軸方向のアルファを0から少しずつ変化させながら、PSとPSfを一致させるように推計すればよい。
このようにして、空気抵抗ARは、PSf(tSf)とPS(tS)とから推計することができる。
また、風が吹いている状況をモデルとする場合には、空気抵抗ARの各軸成分の値(アルファ、ベータ、ガンマ)をシステム側で与えてもよい。
空気抵抗ARの各成分が分かれば、(4)(5)(6)式から、t時間後の位置を計算できる。なお、風が吹いている中で利用者が練習する状況を作る際には、図10に示すように、利用者に向けて気流を発生させ、触覚、又は、体性感覚を提示すると、臨場感が高まり効果的である。後に詳細に述べる。
図13は、ゴルフボールのように、ボールが高速回転する(スピンが掛かる)場合の飛行経路を計算する実施例である。図13の力学モデルは、空気抵抗ARのX軸、Y軸、Z軸成分は、ボール回転数RTの方向成分(RTの添え字で表す)、及び、時間tの関数fとして与えられるとする。fは、予め定義しておくことができる。
従って、15を用いて、ボール回転数RTの回転方向成分の初期値が計測されると、fを用いて空気抵抗ARが時間tの関数として推計される。当該ARと(7)(8)(9)式を用いて、t時間後の位置を計算できる。実線は、バーチャルボールVObjの推定飛行経路である。
同図では、空気抵抗ARはY軸方向に最初は負の大きな値、つまり、ボール回転によって空気がボールを押し上げるように作用する。また、X軸方向には、正の値として作用する様子を示している。従って、ボールは高く上昇し、ボールの回転が弱まったところで、急傾斜して落下する。
また、ボールの進行速度、及び、回転速度と空気抵抗ARとの関係を関数式ではなく、データ表としてデータベースDBに蓄積しておくこともできる。この場合、15で計測された結果を基に、当該データベースを参照し、空気抵抗ARの値に換算することができる。このように、ARを用いてボールの飛行経路を計算するので精度が高い。
次に、図10(A)において、スクリーンを通過したボールを静止し、落下させるための機構について説明する。04は、金網などのメッシュ機構である。同図では、04は垂直に設置されているので、衝撃を吸収する素材のメッシュ機構が望ましい。また、ボールの跳ね返りを考慮し、ボールを床に落下させるために、図10(C)のようにメッシュ機構を傾斜して設置することも可能である。74は衝撃吸収材付きメッシュ機構で、ボールは74に衝突し、下方に落下する。
次に、触覚、嗅覚提示について説明する。
前記のように、ゴルフ場の風景を運動視表示すると臨場感が得られるが、臨場感が高くなると、更に、視覚以外の五感情報提示が望まれる。例えば、ゴルフは自然の中で行うスポーツであり、風や森の香りを感じるのも魅力の一つである。特に風は、その向き、強さによってプレイに影響する。ゴルファーは、風を計算に入れてクラブを選択し、打球を調整する。そこで、本発明では、皮膚に風が当たる触覚、嗅覚情報を提示できる。
図10(A)において、01は気体放出装置で、ファン(羽車)06とモータ07から構成される。Kaoriは香り発生装置で、01の気流に香りを混入できる。気体は、スクリーン10の後方から送出される。スクリーン10には、図1、図2、図8のように、空気穴02が設けられているため、香料含有気体Frgは、一点鎖線で示すように、当該穴を通過し利用者近傍に届く。
図10(B)は、気流をスクリーン側以外から利用者に届けるための機構を説明している。同図において、01は気体放出装置、08は気体排出装置である。気体放出装置は、ファン06を正回転させると気体を放出し、逆回転させると気体を排出するので、01と08は同じ機構を用いることができる。同図では、利用者に対して、空気Air、又は、香りFrgが右側から左側に流れている様子を示している。当然、左側から右側に流すこともできる。また、同図に示していないが、流す気体は、温める、又は、冷やす、又は、加湿する、又は、霧を混ぜるなどが可能である。
以上によって、ゴルフ場の様々な環境を再現できる。そよ風の環境、強風の環境、アゲンストな風の環境、フォローの風の環境、森や花の香りがする環境、霧が出てきた環境、朝の冷気の環境、夏の暑い環境などを自在に生成できるため、高臨場感でのプレイが可能である。状況に応じて、ゴルフクラブを選択し打ち方を工夫できる。楽しく飽きることがない。練習に集中できるため上達にも効果がある。
図14は、本発明の第3の実施例で、スクリーンの背面からスクリーンを通過して利用者に向けて放出されたボールを利用者がスクリーンに向けて打ち返す野球練習装置である。図1(A)、図10と比較して異なる点を中心に説明する。
図14(A)において、Akiは野球のバッティング練習を行う利用者である。09はスクリーンの背面からボールObjを利用者に向けて放出する物体放出装置である。14は09を上下左右に移動することによって、物体放出位置を制御する装置である。当該放出位置は、ピッチャーの手からボールが投げられるようにピッチャー映像を生成する情報処理装置70によって制御される。09も70によって制御される。
09は、ボールの進行方向・速度、ボールの回転方向・速度を変えることができる。物体位置制御装置14の可動範囲は、ピッチャーの投球方法に合わせて決めることができる。下から、横から、上から投げるパターンに全て対応させるためには、一辺が1m程度の可動範囲が必要であるが、50cm程度の可動範囲でもバッターには投球パターンの変化が十分に認識できるため効果がある。
09と14を連動させることによって、一球毎に、スピード、コース、直球、カーブなど球の種類を変えて放出できる。15は、ボールの位置と進行方向、進行速度、回転速度を計測する装置である。レーザ計測装置、画像計測装置が利用できる。
ボールObjは、本発明のスクリーン10を低抵抗で通過し、利用者の近くに放出される。当該ボールを打ち返すと、ボールはスクリーンを再び通過し、メッシュ機構04に衝突して落下する。04は09からボールが放出される部分のみメッシュが存在しない。メッシュが存在しない範囲は一辺が1m以下でよい。
図14(B)は、スクリーン10に投影された映像Imと利用者の動作を示す。背景映像ImBは、有名球場などの映像である。ピッチャー、及び、野手の映像は、データベースDBの情報を基に情報処理装置70によってCGで合成される。又は、実映像を予めDBに蓄積しておき、当該映像をDBから読み出すように処理してもよい。また、野球ボール映像ImObjは、データベースDBに予め蓄積されているボールの3次元構造モデルを基に70によって透視投影変換法のCGで生成できる。これらの映像は、プロジェクタ05によってスクリーン上に重畳して投影される。
同図では、バッターが打ったボールはサード野手の方向に転がっている。当該野手がこのボールを捕捉し、一塁に投げるような映像をCGで生成し、スクリーンに投影することができる。利用者は自分が打ったボールがインタラクティブに処理されるので現実感が得られ、練習効果が高い。背景映像ImBには観客席を設け、ヒットやホームランになった場合には歓声が上がるような映像にしてもよい。これによって利用者の練習に対するモチベーションは更に高くなる。
図14(C)は、両眼立体視を得るための偏光眼鏡22である。23、24は利用者の眼である。プロジェクタ05で左右眼用映像をスクリーンに提示し、利用者は偏光眼鏡を装着して観察する。利用者は左右の視差画像を観察できるため、奥行き感を得ることができる。
図14には示していないが、野球シミュレーションの場合も、図10で示した気流放出装置01、気流排出装置08を組み合わせて利用できる。これによって、例えば、左側から右側に風が吹いている環境を再現できるので、利用者はそれを考慮して少し左側に打ち返すなどの調整が可能である。臨場感の高いシミュレーションが可能であり、プレイの上達に効果がある。
また、旨く飛ばせたときに芳香を提示すると、そのプレイをしたときの体性感覚情報と嗅覚情報が結びつき良いイメージとして記憶されやすい。実空間でプレイする際にもこの記憶が想起されるため、良い結果につながる。つまり、当該シミュレーションを利用することにより上達は早くなる。
図15は、スクリーンシート10aに2種類の切れ目(T字型切れ目(SV、SH)、六角形対角線切れ目(SD))を設け、ボールObjが双方向に通過できるようにした物体通過スクリーン10の実施例である。図14のような使い方を想定している。T字型切れ目は、スクリーンに張りを持たせつつ大型に構成できる。六角形対角線切れ目は、中心部の物体通過抵抗が極めて低く、ボールをスムースに通過させることができる。
そこで、ボールが利用者に向けて放出される領域では、ボールの運動エネルギーの損失が少ない六角形対角線切れ目を用い、ボールが打ち返される領域には、T字型切れ目を用いることが望ましい。T字型切れ目の周辺には、縦方向に骨格材RB1が設けられ、六角形対角線切れ目の周りには、六角形の骨格材RB1が設けられている。
図15(A)は、ボールObjとそれを投げる手の映像Imをスクリーン10に投影した例である。同図には、2箇所に手を示しているが、実際に利用する場合には一人の投手とその手を表示するのは当然である。図15(B)は、図15(A)のボール映像と同じ場所を実際のボールObjが通過して利用者に向けて放出される瞬間を示している。
また、図14(B)では、本物のボールがスクリーンから放出される位置、つまり、バーチャル空間から実空間に切り替わる位置は、図15に比べると、利用者側にある。ボールは、手から離れた後バーチャル空間をしばらく飛行し、本物のボールとして利用者付近に届く。練習場所のスペースに合わせて当該切り替わり位置は調整できる。
図16(A)は、本発明の第4の実施例で、図3に示したスクリーン10のシート表面10aに再帰性反射材11を塗布した状態を示している。11には、図16(B)に示すような、屈折率が2.0に近い微小透明球を用いる。ガラス球、樹脂球などが利用できる。再帰性反射について説明する。同図の11の下方から光線Beamが透明球に入射角2θで入射すると、屈折角θで透明球内を進行し、球の反対側に設けられた反射材(Reflection Material)で反射し、入射光線が来た方向と同じ方向に戻る。
また、再帰性反射材には、図16(C)に示すような、微小直角反射鏡12を用いることもできる。光線Beamは、表面に反射材が設けられた直角反射機構に入射して反射し、入射光線が来た方向と同じ方向に戻る。当該反射機構は微小なので、薄いシート、又は、フィルム上に形成できる。
ここで、再帰性反射材をスクリーンに塗布するとは、再帰性反射材(微小透明球)入りペンキを塗る、再帰性反射機構が形成されたフィルムをスクリーンに貼るなどが可能である。再帰性反射材は、スクリーン全面に設けることが望ましいが、スクリーンの中心、又は、周辺に選択的に設けてもよい。
本発明のスクリーンは、従来の糸や紐を並べたスクリーンと比較すると、遥かに平坦性が良いので、再帰性反射材を塗布し易い特徴がある。従って、当該スクリーンに投影された映像の品質は高い。
図16(D)は、超大型の物体通過スクリーン10に再帰性反射材を塗布し、複数の利用者が並んで練習できるようにした実施例である。図15で説明した構造のスクリーンを用いている。即ち、ピッチャーの手から離れたボール映像(ImObj)付近には、局所的に物体通過抵抗の小さい切れ目を入れ、それ以外の部分には図1で示したような広い範囲で張りを持たせることができる切れ目を入れている。
3人の利用者の視点近くには、各々プロジェクタ05が設けられている。プロジェクタの設置位置は、利用者の頭部から半径1m以内で近い方が望ましい。Im(1)は、利用者Aki(1)用の映像、Im(2)は、利用者Aki(2)用の映像、Im(3)は、利用者Aki(3)用の映像である。
Aki(2)に着目すると、ピッチャーの手から離れたボールのCG映像ImObjは、途中から本物のボールObjに代わりスクリーンから飛び出し、利用者であるバッターの右横に届く。バッターは当該ボールを広い範囲に打ち返すことができる。打ち返されたボールはスクリーンを通過する。
再帰性反射材を塗布したスクリーンを用いているため、Aki(2)用の映像は、Aki(2)のみ観察可能である。図16(D)では、Aki(2)の映像Im(2)のみが広く、左右の映像Im(1)、Im(3)と重なるように記載されているが、実際には重なり(クロストーク)はない。隣の利用者には、Aki(2)用の映像は見えない。
Aki(1)、Aki(3)についても同様に広い視野を得ることができる。このように、複数の利用者が並んで、各々広視野映像を見ながら、広い範囲にボールを打ち返すプレイが可能である。プレイしている人には自分の映像しか見えない、又は、自分の映像のみが強調されて見えるので、プレイに集中できる。
また、スクリーンに投影された光は、プロジェクタの方向に戻り、その方向に利用者の視点があるので、少ない光量で明るい画面が得られる。画面を大型化するために有利である。明るく美しい映像で野球プレイを楽しむことができる。
再帰性反射材をピッチャーマウンドに相当するスクリーン部分に集中的に塗布することもできる。この場合、ピッチャーがスポットライトを当てられたように明るく強調して表示されるので、利用者はピッチャーの動きを確認しやすく、ボールを捉えて打ちやすい。
また、大画面スクリーンの場合、プロジェクタの明るさが周辺において低くなることがある。このような場合、再帰性反射材をスクリーン周辺に選択的に設けると、光の利用者方向への反射率が周辺で高くなるため、画面全体を明るくすることができる。
このように、図16(D)の実施例は、空間を有効に利用して複数の人が各々独立した広視野複合現実感を楽しむことができる。ゴルフや野球練習場などに適用すると、没入型の高臨場感バーチャルプレイができる。また、変化に富んだ場面を作ることができるので、様々な娯楽に応用できる。
図17は、本発明の第5の実施例で、遠隔地にある2ヶ所の場所を通信で結び、2人の利用者Aki1とAki2がバーチャル野球(ピッチングとバッティング)を楽しむ様子を説明している。図17(A)はピッチングシミュレータである。図17(B)はバッティングシミュレータで、図14と同様なものである。図14と比べ異なる点を中心に説明する。
33、35は、インターネットなどの通信手段である。図17(A)において、スクリーン10(1)には、相手側の映像、即ち、バッター映像Im(Aki2)が表示されている。30は、スクリーン10(1)側からゲージ03(1)内の利用者(Aki1;ピッチャー)の動作を撮影するカメラである。当該カメラ映像は、33を介し図17(B)に伝送され、情報処理装置70(2)に入力され、プロジェクタ05(2)によってスクリーン10(2)に投影される。当該投影された映像をIm(Aki1)に示す。
Im(Aki1)は、ボールを投げようとしているが、図17(A)において、Aki1が実際に野球ボールObjを投げると、当該ボールの動きは、計測装置15(1)、及び、71、72、73によって計測され、当該計測データを基に情報処理装置70(1)で飛行経路が推計され、当該推計結果は、33を介して図17(B)の70(2)に伝送される。当該70(2)は、前記Im(Aki1)の映像にボール映像を合成し、プロジェクタ05(2)によって、スクリーン10(2)に投影すると共に、ボール放出装置09を制御してボールObjをバッター(Aki2)に向けて放出する。この動作は図14で説明したものと同様である。
ここで、Aki2が当該ボールObjを打ち返すと、その様子はスクリーン10(2)側からゲージ03(2)内の利用者(Aki2;バッター)の動作を撮影するカメラ31によって撮影され、当該カメラ映像は、35を介し図17(A)に伝送され、情報処理装置70(1)に入力され、プロジェクタ05(1)によってスクリーン10(1)に投影される。このようにして遠隔地の利用者二人のインタラクティな動作が可能である。
図17に示すように、遠隔地を通信で結び、互いの場所を撮影し当該場所の映像を提示すると、離れた場所でボールなどの物体を実時間で交換するゲームが可能である。また、背景映像として有名球場を投影することもでき、その中で、二人が対戦する感覚を作り出すことができる。上記のような遠隔野球ゲームの他、ハンドボール、ドッチボールなども可能である。あたかもその場所に会しているような感覚でプレイを楽しむことができるので、上達も早い。
図18は、本発明の第6の実施例で、遠隔地にあるゴルフ場、又は、野球場の映像を通信手段によって入手し、スクリーンに投影してプレイする装置である。図16(D)、図17と比べ異なる点を中心に説明する。
Aki(1)はバッティング練習する利用者、Aki(2)、Aki(3)はゴルフ練習する利用者である。物体通過スクリーン10には、図16(B)、又は、(C)に示した再帰性反射材が塗布されている。各利用者の視点付近には、高輝度プロジェクタ05が設けられている。Im(1)はピッチャーマウンドの映像、Im(2)はゴルフ場のグリーン付近の映像、Im(3)はグリーンが遠くに見渡せる場所の映像である。各利用者の近くには、小型スピーカ34が設けられ各プレイ場面の音響が提示される。
これらの映像、及び、音響は、通信手段を用いて遠隔地から伝送できる。33はインターネットなどの通信手段、32は遠隔地に設けられたカメラである。例えば、32で撮影した実際のゴルフ場の映像(RealWorld)は画像圧縮され、携帯通信端末21(4)によってインターネット33に接続され、各利用者の形態通信端末21(1)、21(2)、21(3)に伝送される。
当該映像、音響情報は、更に、プレイ設備側の通信装置20(1)、20(2)、20(3)に伝送され、情報処理装置70で適切な映像、音響に変換処理され、プロジェクタ05で映像が提示され、小型スピーカ34で音響が提示される。
遠隔地にカメラ、マイクを設置することによって、その場の環境をリアルタイムに再現できる。また、遠隔地には風速計、温度計などを設置し当該情報を伝送し、プレイ側に気体放出装置などを設置すると、触覚、体性感覚も合わせて再現できる。天候なども表現でき高い臨場感が得られる。
また、遠隔カメラを用いる代わりに、予め各プレイの名場面を記録したデータベースをインターネット上に設置してもよい。利用者が所望する場面を選択し、ダウンロードしてスクリーンに投影できる。DB1は野球の名場面集、DB2は有名なゴルフ場の映像集である。
図17、図18の実施例では、スクリーンに投影する映像を利用者の携帯通信端末21を介して入手できるので、遠隔地の複数の人が協調してプレイする場合には、各人が実物体干渉表示装置の前に来た時点で自動的に相手側を呼び出し相互に映像を交換してプレイできる。相手が来るまでは他の映像でプレイすることができる。集合の時間調整の煩わしさが解消される。
本発明の物体通過スクリーンは、縦横に歪が生じ難い、つまり型崩れし難い構造であるため、スクリーンの一部を別の方式のスクリーンと合体することができる。
図19は、本発明の第7の実施例で、シートを用いたスクリーンと微粒子スクリーンを組み合わせて用い、ボールの双方向通過特性を改善した野球練習装置である。図19(A)は装置の側面図、図19(B)はスクリーンの正面図、図19(C)は投影された映像とバッターの動作を示す。図14と比べ異なる点を中心に説明する。
18は微粒子発生装置、19は微粒子回収装置で、微粒子Fogとしては、霧、又は、煙が用いられる。同図では、上から下に向けて霧の流れが生じ、スクリーンの一部を形成している。
当該映像コンテンツの性質上、物体通過頻度が高い部分に微粒子スクリーンFogS(又は、気化状物質スクリーン)を組み合わせて用いることができる。これによって両スクリーンの良い特性を生かすことができる。
つまり、本発明の切れ目を設けたスクリーンは、大画面、広視野化が可能で物体通過特性は良く、映像品質も従来のスクリーンに比べると良いが、物体がスクリーンを通過する際に、映像が瞬間的に歪む特性はやむを得ず残る。
一方、微粒子スクリーンは、大画面、広視野化は難しいが、一辺が1〜2m程度の大きさであれば、気流を制御して高品質の反射特性を実現できる。物体が通過する際の映像の歪は殆どない。そこで、画面の中央部などの物体が高い頻度で通過する重要部にFogSを用い、その周辺に切れ目を有するシート状スクリーンを用いると、精度の高い複合現実感を実現できる。
図19(C)では、ピッチャー映像部にFogSを用い、その周辺の野球場、守備選手映像部には、切れ目を有するスクリーンを用いている。野球のバッティング練習では、ピッチャーからボールが離れる瞬間の映像が最も重要である。この部分にFogSを用いることで、利用者は高い臨場感でプレイできる。練習は楽しく上達が早い。広い領域を微粒子スクリーンで構成することは、コスト高、画像品質低下の原因になるが、必要最小限のピッチング動作付近を微粒子スクリーンで構成すると、低コストで画像品質が高い。
図19(B)において、微粒子スクリーンFogSの周囲は、霧の流れを処理するため枠が設けられている。枠の近くのシート状のスクリーンは力学上、変形し難い。つまり、ボールが通過し難いが、本発明では、縦と横に切れ目を入れたスクリーン10を用いることによって、枠周辺の物体通過特性を改善できる。同図のように、微粒子スクリーンFogS枠の直下の狭い領域でもボールObjは通過する。ピッチャー返しのような打球も忠実に再現できる。
本発明は、上記各実施形態に限定されるものではなく、実施段階において、その要旨を逸脱しない範囲で種々に変更することが可能である。また、上記実施形態は、種々の段階の発明が含まれており、適宜な組み合わせにより実施してもよい。更に、上記各実施例の構成要素は、その目的を踏まえて適宜省略する、または、周知慣用技術で補うことができる。
(1)ゴルフ練習装置;図1、図10、図18に示すように、世界の有名ゴルフコースの映像、地形、風などの環境データをデータベース化しておき、利用者が自分の好みの条件を選択して大画面スクリーンに表示し、プレイを楽しむことができる。また、遠隔地のゴルフ場の各ホールにカメラを設置し、その映像を伝送しプレイすることができる。更に、当該映像を複数の練習場に伝送し、数人のパーティで競い合いながらプレイすることができる。つまり、当該ゴルフ場にあたかも一堂に会したかのような臨場感でゴルフを楽しむことができる。
(2)野球バッティング練習装置;図14、図16に示すように、スクリーンの中にCGなどで制作したピッチャー映像を表示し、当該ピッチャーの手の位置に対応するスクリーンの背面位置からボールをスクリーン前面に向けて放出する。当該ボールを利用者であるバッターがスクリーンに向けて打ち返す。当該ボールがスクリーンを通過した時点で、ボールのCG映像が表示される。球場のプレイヤーの動きを同時にCG映像で表示する。高い臨場感でバッティング練習を楽しむことができる。
(3)野球ピッチング練習装置;図17(A)に示すように、スクリーンの中にCGなどで制作したバッターとキャッチャー映像を表示する。利用者であるピッチャーは、当該キャッチャーの指示に従ってボールをスクリーンに向けて放出する。当該ボールの威力を計測し、当該計測データを典型的なバッティングパターンと照合し、当該バッティング映像を生成し表示する。高い臨場感でピッチング練習を楽しむことができる。
(4)野球ゲーム装置;図17に示すように、前記バッティング練習装置とピッチング練習装置を通信で結ぶことによって、遠隔地の複数の利用者(例えば、ピッチャーとバッター)が一堂に会した感覚で、野球ゲームを楽しむことができる。
(5)ボーリング練習装置;ボーリングレーンの一部を設置し、その先端にスクリーンを設置し、CGなどで当該レーン残り部分、つまり、バーチャル空間を生成し表示する。実際のレーン上でボールの詳細な動きを計測し、当該計測データからバーチャル空間でのボールの動きを予測し、当該ボール映像を生成し表示する。実際のボーリングでは、倒れるピンは固定形状であるが、バーチャル空間のピンは形状、倒れる際の動きはアレンジできる。人の形、動物の形など様々なピンを用意することができる。変化に富んだボーリングプレイを楽しむことができる。また、遠隔地にあるボーリング練習装置を通信で結ぶことによって、複数の人が一つの会場に集った感覚でプレイを楽しむことができる。
(6)投擲競技練習装置;槍投げ、砲丸投げ、円盤投げなどの投擲競技場の映像を大画面スクリーンに投影し、没入感覚の中でプレイを楽しむことができる。
(7)その他のボール競技練習装置;テニス、サッカー、アイスホッケーなど、球形、又は円盤状物体を放出する競技の練習装置として利用できる。
本発明の第1の実施例で、ゴルフ練習装置である。 第1の実施例において、スクリーンに設けた切れ目と当該切れ目を球状物体が通過する様子を説明する図である。 通過スクリーンに骨格材を入れ大型化した例、および、スクリーン支持方法の説明図である。 本発明のシート状素材に縦、横の切れ目を部分的に入れたスクリーンの物体通過特性を従来の紐状、又は、帯状スクリーンの物体通過特性と比較し効果を説明する図である。 通過スクリーンに設けた切れ目の開閉を高精度に行う機構の説明図である。 スクリーンの物体通過特性を改善する機構を説明する図である。 通過スクリーンの他の実施例である。 通過スクリーンの他の実施例である。 通過スクリーンの他の実施例である。 本発明の第2の実施例で、風などの触覚提示、又は、香りなどの嗅覚提示を可能にしたゴルフ練習装置である。 球状物体のスクリーン通過を検出する方法の説明図である。 球状物体の空気抵抗を考慮した飛行経路である。 球状物体の空気抵抗を考慮した飛行経路である。 本発明の第3の実施例で、スクリーンの背面から放出され通過したボールを利用者がスクリーンに向けて打ち返す野球練習装置への適用を説明する図である。 シートに2種類の切れ目を設けボールの双方向通過特性を改善したスクリーンである。 本発明の第4の実施例で、スクリーンに再帰性反射材を塗布した場合の作用を説明する図、及び、複数の利用者が広視野映像を見ながら並んでプレイする様子を説明する図である。 本発明の第5の実施例で、遠隔地にある2ヶ所の場所を通信で結びバーチャル野球(ピッチングとバッティング)を楽しむ様子を説明する図である。 本発明の第6の実施例で、遠隔地にある施設の映像を通信手段によって入手し、スクリーンに提示してプレイする様子を説明する図である。 本発明の第7の実施例で、シートを用いたスクリーンと微粒子スクリーンを組み合わせて用い、ボールの双方向通過特性を改善した野球練習装置である。
符号の説明
01・・・・・気体放出装置
02・・・・・スクリーンに設けた穴
03・・・・・利用者ゲージ(動作監視フレーム)
04・・・・・メッシュ機構
05・・・・・プロジェクタ
06・・・・・ファン(羽車)
07・・・・・モータ
08・・・・・気体排出装置
09・・・・・物体放出装置
10・・・・・物体通過スクリーン
10a・・・・スクリーンシート部
10b・・・・スクリーン骨格部
11・・・・・再帰性反射材(屈折率が2.0近傍の微小透明球)
12・・・・・再帰性反射材(微小直角反射鏡)
14・・・・・放出位置制御装置
15・・・・・物体の位置検出装置、又は、運動計測装置
16・・・・・頭部位置検出装置
17・・・・・情報処理装置、又は、映像変換処理装置
18・・・・・微粒子発生装置
19・・・・・微粒子回収装置
20・・・・・通信装置
21・・・・・携帯通信端末
22・・・・・偏光眼鏡
23・・・・・右眼
24・・・・・左眼
25・・・・・磁界発生装置
26・・・・・3次元磁気センサ
27・・・・・無線機
30、31・・利用者撮影用カメラ
32・・・・・遠隔カメラ
33、35・・通信手段(インターネットなど)
34・・・・・小型スピーカ
70・・・・・情報処理装置、又は、映像生成処理装置
71・・・・・情報処理装置、又は、物体位置検出処理装置
72・・・・・カメラ
73・・・・・衝撃センサ、又は、圧力センサ
74・・・・・衝撃吸収材付きメッシュ機構
75、76・・ステレオ画像計測装置
Air・・・・空気
Aki・・・・利用者
AR・・・・・空気抵抗
Beam・・・光線
DB・・・・・3次元空間データベース、又は、映像・音響データベース
Fog・・・・霧、又は、煙
FogS・・・微粒子スクリーン
Frg・・・・香料含有気体(香り)
HU・・・・・上部保持部
HL・・・・・下部保持部
Im・・・・・映像
ImB・・・・背景映像
ImObj・・バーチャル通過物体の映像
Kaori・・香り発生器
Move・・・頭部の動き
Obj・・・・通過物体
PicX・・・撮影画像
RB1・・・・骨格材(弾力伸縮性素材のリブ)
RB2(Wr)・・骨格材(ワイヤのリブ)
RB3(Me)・・骨格材(形状記憶素材のリブ)
Sen・・・・赤外線センサ、又は、超音波センサ
SD・・・・・斜め方向の切れ目(スリット)
Sp(Me)・・バネ型形状記憶素材
SH・・・・・横方向の切れ目(スリット)
SV・・・・・縦方向の切れ目(スリット)
Sub−Pic・・フレーム間差分処理
TH・・・・・横方向連結保持機構
TV・・・・・縦方向張力機構
VObj・・・バーチャル通過物体
YAS・・・・張力調整機構

Claims (7)

  1. 切れ目を設けることで物体を通過せしめる構造のスクリーンと、当該スクリーンに映像を表示する手段と、物体がスクリーンを通過する位置を検出する手段と、当該位置から奥行き方向の物体の動きを計算し当該物体映像を生成する手段とからなる実物体干渉表示装置において、
    当該スクリーンは、少なくとも上下を拘束し、縦方向に張力を生じせしめる構造を持ち、縦方向に部分的切れ目を有するとともに、当該切れ目のない部分は横方向に連結を保持する構造を持つことを特徴とする実物体干渉表示装置。
  2. 請求項1において、前記縦方向に張力を生じせしめる構造、又は、横方向の連結を保持する構造は、スクリーン内、又は、裏面に骨格材を配置する構造であることを特徴とする物体干渉表示装置。
  3. 切れ目を設けることで物体を通過せしめる構造のスクリーンと、当該スクリーンに映像を表示する手段と、物体がスクリーンを通過する位置を検出する手段と、当該位置から奥行き方向の物体の動きを計算し当該物体映像を生成する手段とからなる実物体干渉表示装置において、
    縦方向、又は、横方向の切れ目近傍には、物体の通過によって切れ目が開いた後、復元力を発生させる機構が設けられ、当該機構は、切れ目の開き始めに抵抗値が高く、一旦開くと物体が通過するまで抵抗値が下がる非線形抵抗特性を持つことを特徴とする実物体干渉表示装置。
  4. 切れ目を設けることで物体を通過せしめる構造のスクリーンと、当該スクリーンに映像を表示する手段と、物体がスクリーンを通過する位置を検出する手段と、当該位置から奥行き方向の物体の動きを計算し当該物体映像を生成する手段とからなる実物体干渉表示装置において、
    当該スクリーンの表面には再帰性反射材が設けられ、当該スクリーンに映像を表示する手段は利用者の視点付近に設けられることを特徴とする実物体干渉表示装置。
  5. 切れ目を設けることで物体を通過せしめる構造のスクリーンと、当該スクリーンに映像を表示する手段と、物体がスクリーンを通過する位置を検出する手段と、当該位置から奥行き方向の物体の動きを計算し当該物体映像を生成する手段とからなる実物体干渉表示装置において、
    当該物体通過位置から奥行き方向の物体の動きを計算する手段は、物体の初位置、初速度を計測する手段と、スクリーン面での当該物体の経過位置を計測する手段と、当該初位置、初速度、及び、経過位置、及び、空気抵抗を用いて物体の飛行経路(又は、軌道)を推計する手段とから構成され、飛行物体映像は、当該経過位置に連続するように生成されることを特徴とする実物体干渉表示装置。
  6. 切れ目を設けることで物体を通過せしめる構造のスクリーンと、当該スクリーンに映像を表示する手段と、物体がスクリーンを通過する位置を検出する手段と、当該位置から奥行き方向の物体の動きを計算し当該物体映像を生成する手段とからなる実物体干渉表示装置において、
    当該スクリーンに表示される映像は、観察者の視点の動きに応じて生成される運動視映像であることを特徴とする実物体干渉表示装置。
  7. 切れ目を設けることで物体を通過せしめる構造のスクリーンと、当該スクリーンに映像を表示する手段と、物体がスクリーンを通過する位置を検出する手段と、当該位置から奥行き方向の物体の動きを計算し当該物体映像を生成する手段とからなる実物体干渉表示装置において、
    気流、又は、香りが当該スクリーンを通過して利用者に提示される、又は、利用者の周囲から提示されることを特徴とする実物体干渉表示装置。
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