JP2008306020A - 超電導磁石 - Google Patents

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Abstract

【課題】 冷凍機ポートを備え、その冷凍機ポートにベローズを有する超電導磁石について、そのベローズが冷凍機ポートでの侵入熱量増大に実質的に関与することのないようにする。
【解決手段】 超電導磁石21は、液体ヘリウム29と超電導コイルを収納する液溜槽22、液溜槽を収納する熱シールド23、および熱シールドを収納する真空容器24を備えるとともに、液溜槽や熱シールドを冷却する冷凍機26が取り付けられることにより、液溜槽に連通した状態で気密状態となるように形成された冷凍機ポート25を備えており、その冷凍機ポートは、内周面が全体的に平坦に形成された筒部材(高温側円筒部材44、低温側円筒部材53)、およびこれら筒部材にその外側で接続する筒状のベローズ(高温側ベローズ46、低温側ベローズ55)を備えている。
【選択図】 図2

Description

本発明は、超電導磁石に関し、特にMRIやNMRなどに用いるのに好適な冷凍機冷却式の超電導磁石における冷凍機ポートの改善に関する。
MRIやNMRなどに用いられる超電導磁石は、一般に、例えば多段式蓄冷型冷凍機などの冷凍機を用いて超電導コイルの冷却をなすようにされ、その冷凍機を取外し可能に取り付けるための冷凍機ポートを備えている。図8は、そのような超電導磁石の冷凍機ポート部分を模式化して示す図である。超電導磁石1は、液体ヘリウム2とそれに浸かる状態で超電導コイル(図示を省略)を収納する筒状の液溜槽3、液溜槽3を収納する筒状の熱シールド4、および熱シールド4を収納する筒状の真空容器5を備えており、真空容器5から液溜槽3まで貫通する状態にして冷凍機ポート6が設けられている(例えば特許文献1、ただし特許文献1では冷凍機ポートに相当する要素が冷凍機取付シリンダとされ、冷凍機が直接的に超電導コイルを冷却するようになっている)。
図の例の冷凍機ポート6は、そこに取り付けられる冷凍機7が2段式の場合であり、液溜槽3に連通する一方で、冷凍機7が取り付けられることにより気密的に封止状態となる構造とされ、そのための封止手段としてそれぞれ筒状とされた封止部材8と封止部材9がこれらの間に熱的接触部材10を介在させた状態にして設けられ、そして熱的接触部材10を介して熱シールド4に熱的に接触するようにされている。
封止部材8と封止部材9は、それぞれ円筒状に形成され、中間部分にベローズ11が設けられている。そのベローズ11には、液溜槽3、熱シールド4、真空容器5それぞれの熱的な収縮・膨張の影響を緩和する機能、熱的接触部材10のテーパ部12への冷凍機7のテーパ部13の嵌合における緩衝作用、冷凍機7の振動に対する緩衝作用などいくつかの重要な機能がある。このためベローズ11は、冷凍機ポート6で不可欠な要素となっている。
以上のような冷凍機ポート6は、図9に模式化して示すように、3つの方式のいずれかで設けられる。図9の(a)の方式は、超電導磁石本体14の中心軸A(図9の(b))に対して直交する状態で垂直に冷凍機ポート6を設ける垂直方式であり(例えば特許文献2)、図9の(b)の方式は、中心軸Aに平行の状態で冷凍機ポート6を設ける平行方式であり(例えば特許文献3)、図9の(c)の方式は、鉛直軸Vに対して傾けた状態で冷凍機ポート6を設ける傾斜方式である。
これら冷凍機ポート6の設定方式、つまり冷凍機7の設置方式は、冷凍機ポート6における侵入熱量をできるだけ少なくするという観点、つまり冷凍機ポート6に組み付けた冷凍機7による冷却効率をできるだけ高くするという観点からすると、垂直方式が最も優れている。
冷凍機ポート6での熱侵入は、冷凍機ポート6に充満するヘリウムガス、より具体的には冷凍機ポート6とそこに組み付けられる冷凍機7の間で生じる間隙に液溜槽3から入り込んで充満するヘリウムガスにより主にもたらされる。このヘリウムガスを介した熱侵入には、ヘリウムガスの対流による熱侵入と、ヘリウムガスを伝導媒体とする熱侵入があり、これらヘリウムガス対流起因の熱侵入とヘリウムガス伝導起因の熱侵入は、冷凍機7を垂直する場合、つまり冷凍機ポート6を垂直に設ける場合に最も小さくなる。
すなわちヘリウムガス対流起因の熱侵入は、冷凍機ポート6のアスペクト比(冷凍機ポート6の径と高さの比)が大きいほど小さくなるという関係があり、また上方が高温で下方が低温であるという冷凍機ポート6における温度分布状態の安定性が高いほどヘリウムガスの対流が起き難いという関係があり、こうした関係にあって、冷凍機ポート6が垂直である場合に実効的なアスペクト比が最も小さくなり、また冷凍機ポート6における温度分布状態の安定性も高くなり、したがって冷凍機7を垂直である場合にヘリウムガス対流起因の侵入熱量は最も少なくなる。
一方、ヘリウムガス伝導起因の熱侵入は、冷凍機ポート6に充満するヘリウムガスの伝導媒体としての断面積と伝導距離に相関し、その断面積が小さいほど小さくなり、また伝導距離が長いほど小さくなるという関係があり、この関係にあって、冷凍機ポート6が垂直である場合に断面積が最小で伝導距離が最長となる。つまり冷凍機ポート6に充満するヘリウムガスは冷凍機ポート6が垂直であるか傾いているかにかかわらず常に水平に充満する状態を保っており、したがって冷凍機ポート6が垂直である場合には断面積が最小となる円形の断面となっており、また伝導距離が最長になっているのに対し、冷凍機ポート6が傾くことで断面が楕円となり、その楕円の面積は冷凍機ポート6の傾きが大きくなるのに応じて大きくなり、また冷凍機ポート6の傾きが大きくなるのに応じて伝導距離が短くなるということである。したがってヘリウムガス伝導起因の侵入熱量も冷凍機ポート6が垂直である場合に最も少なくなる。
上述のように垂直方式は、冷凍機ポート6における侵入熱量の抑制という点では最も優れているが、その一方で、垂直方式であると、冷凍機7の長さがそのまま超電導磁石1の高さに影響し、そのために超電導磁石1の高さが高くなる。このため冷凍機ポート6について垂直方式を採れない場合がある。例えば超電導磁石を用いたMRIやNMRなどの場合、一般に病院施設に設置されることになるが、そうした設置場所では天井高さが限られており、超電導磁石の高さが天井高さぎりぎりとなるような場合が少なくない。このような設置環境にあっては、超電導磁石の高さをできるだけ抑えることが望まれ、そのために冷凍機ポートを傾斜方式や平行方式とする必要がある。
特開2006−93723号公報 特開2007−7111号公報 特開平5−275231号公報
上述のように、冷凍機冷却式の超電導磁石については、冷凍機ポートを垂直方式で設けるのが冷凍機ポートにおける侵入熱量の抑制という点で最善であるものの、設置場所の制約から傾斜方式や平行方式とせざるを得ない場合がある。
冷凍機ポートを傾斜方式や平行方式で設ける場合には、冷凍機ポートにおける侵入熱量の増大を招いて冷凍機の冷却効率が低下するという問題がある。すなわち上述のように、冷凍機ポートを傾けると、冷凍機ポートのアスペクト比が小さくなるとともにヘリウムガスに対流を生じ易くなり、また伝導媒体としてのヘリウムガスの断面積が増大するとともに伝導距離が小さくなり、これらにより冷凍機ポートにおける侵入熱量が増大するとい問題である。
こうした冷凍機ポートにおける侵入熱量が増大には、上述したような構造の従来の冷凍機ポートにおけるベローズが大きく影響している。すなわちベローズは、冷凍機ポートにおける封止空間に凹凸構造をもたらす。そしてその凹凸構造により、実効的なアスペクト比が小さくなり、また熱侵入をもたらす対流に関与したり伝導媒体となったりするヘリウムガスが充満できる容積が増大し、さらに冷凍機ポートにおける温度分布が不安定化して対流が生じ易くなり、これらの結果として冷凍機ポートに充満のヘリウムガスに起因する侵入熱量が増大するということである。
このことから、ベローズがヘリウムガスの対流に関与したり、伝導媒体などとしてのヘリウムガスの充満容積増大に関与したりすることのない構造を実現できれば、超電導磁石の高さ方向での小型化を可能とする傾斜方式や平行方式を採用した場合の冷凍機の冷却効率の低下という問題を効果的に避けることが可能であるといえる。
本発明は、以上のような知見に基づいてなされたものであり、冷凍機ポートを備え、その冷凍機ポートにベローズを有する超電導磁石について、そのベローズが冷凍機ポートでの侵入熱量増大に実質的に関与することのないようにすることを課題としている。
上記課題を解決するために本発明では、液体ヘリウムと超電導コイルを収納する液溜槽、前記液溜槽を収納する熱シールド、および前記熱シールドを収納する真空容器を備えるとともに、前記液溜槽や前記熱シールドを冷却する冷凍機が取り付けられることにより、前記液溜槽に連通した状態で気密状態となるように形成された冷凍機ポートを備えた超電導磁石において、前記冷凍機ポートは、内周面が全体的に平坦に形成された筒部材、および前記筒部材に当該筒部材の外側で接続する筒状のベローズを備えていることを特徴としている。
このように平坦な筒部材と、この筒部材にその外側で接続するベローズによる2段構造で冷凍機ポートの封止構造を形成することにより、冷凍機ポートでの侵入熱量増大の原因となるヘリウムガスの対流にベローズが関与するのを実質的に避けることができ、したがって超電導磁石の高さ方向での小型化を可能とする傾斜方式や平行方式を採用した場合の冷凍機の冷却効率の低下を効果的に避けることができる。
上記のような超電導磁石については、前記冷凍機が前記熱シールドに熱的に接触するために有する熱的接触部材に、前記液溜槽からのヘリウムガスを流通させるためのガス流路を設けるとともに、前記ガス流路に、一定以上のガス圧により開くことで前記ガス流路を機能させるようにする弁を設けるようにするのが好ましい。
このようにすることにより、超電導磁石の通常運転時にあって冷凍機ポートの高温側のヘリウムガスにより冷凍機ポートの低温側に熱輸送がなされるのを防止することができ、冷凍機をより高い効率で機能させることが可能となる。
また上記のような超電導磁石については、前記弁の閉方向の付勢力を当該弁の自重で得るようにするのが好ましく、このようにすることにより、弁についての構造を簡易なもので済ませることができる。
また上記のような超電導磁石については、上記冷凍機ポートに設けられる熱的接触部材に接触回避溝を設け、前記ベローズが縮むことで前記円筒部材が前記熱的接触部材に近づく状態にった際に前記接触回避溝に入り込むことで前記円筒部材の前記熱的接触部材への接触を回避できるようにするのが好ましい。
このようにすることにより、円筒部材の熱的接触部材への接触による熱的接触部材への熱侵入を防止することができ、その分について冷凍機の効率を高めることができる。
以上のような本発明によれば、冷凍機ポートを備え、その冷凍機ポートにベローズを有する超電導磁石について、そのベローズが冷凍機ポートでの侵入熱量増大に実質的に関与することのないようにすることができる。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。図1に、第1の実施形態による超電導磁石の全体的な構成を横断面について簡略化して示し、図2に、その要部を拡大して示す。超電導磁石21は、液溜槽22、熱シールド23、および真空容器24を備えるとともに冷凍機ポート25を備え、そこに冷凍機26が取外し可能に取り付けられている。
液溜槽22、熱シールド23、および真空容器24は、いずれも円筒状に形成され、熱伝導の低いFRPなどで形成の熱シールド用支持体27で真空容器24に支持された状態で熱シールド23が真空容器24に収納され、同じく熱伝導の低いFRPなどで形成の液溜槽用支持体28で真空容器24に支持された状態で液溜槽22が熱シールド23に収納される関係にして設けられ、その液溜槽22に液体ヘリウム29と超電導コイル31が収納されている。このような構造にあって、真空容器24に形成する真空状態により熱シールド23や液溜槽22の外部に対する高い断熱性を与え、また熱シールド23の外周面に設けた積層遮断熱材32により、真空容器24からのふく射熱を遮蔽できるようにされている。
冷凍機26は、2段式であり、第1ステージ33と第2ステージ34を有している。そして第1ステージ33には、第1ステージ33を熱シールド23と熱的接触させて冷却するための熱的接触部材35が取り付けられ、この熱的接触部材35に、下方に向けて先窄まりとなる錐体状にしたテーパ部36が形成されている。一方、第2ステージ34には、図示を省略のインジューム箔を介して熱交換器37が熱的に接続されている。この熱交換器37は、液溜槽22の内部に臨むようにされ、液体ヘリウム29と直接接触しない状態では、液体ヘリウム29から蒸発するヘリウムガスを凝縮させて液化させることを通じて液体ヘリウム29を冷却し、また液体ヘリウム29と直接接触する状態では、液体ヘリウム29に自然対流を生じさせつつ液体ヘリウム29を冷却する。こうした冷凍機26の冷凍性能は、例えば第1ステージ33が温度60Kで60W程度以上、第2ステージ34が温度4Kで1W程度以上であるのが好ましい。
冷凍機ポート25は、鉛直軸に対して50度程度傾いて交差する状態にして設けられ、液溜槽22に連通するようにされるとともに、冷凍機26を取り付けることにより、冷凍機26のフランジ部38で気密に封止された状態になる構造とされている。そのための封止手段は、冷凍機26が2段式であるのに応じて、高温側封止部41と低温側封止部42で構成されている。
高温側封止部41は、真空容器フランジ部43、高温側円筒部材44、高温側補助円筒部材45、高温側ベローズ46、および熱的接触部材47を含む構成とされている。
真空容器フランジ部43は、円筒状の真空容器24の側面を部分的に突出させするようにして形成されている。
高温側円筒部材44は、冷凍機ポート25における筒部材の1つであり、真空容器24の内部に向けて突出するようにして真空容器フランジ部43に気密構造で取り付けられている。この高温側円筒部材44は、冷凍機26の高温側の周囲をその第1ステージ33の直前まで囲繞して冷凍機26の高温側に対する直接的な囲繞空間を形成する要素であり、内周面が全体的に平坦に形成され、その平坦な内周面が冷凍機26の高温側の周囲をその第1ステージ33の手前まで直接的に囲繞する囲繞面となるようにされている。このような高温側円筒部材44は、熱伝導による熱侵入をできるだけ小さくするように形成するのが好ましく、そのために熱伝導率の比較的低い金属材、例えばステンレス鋼などで形成し、また例えば0.5mm以下といった薄肉に形成するのが好ましい。
高温側補助円筒部材45は、その先端を高温側円筒部材44の先端に気密構造で接続することで高温側円筒部材44の先端部を囲繞する状態にして設けられている。この高温側補助円筒部材45は、高温側ベローズ46と高温側円筒部材44の接続に介在する要素であり、高温側円筒部材44と同様に、熱伝導率の低い金属材で薄肉に形成するのが好ましい。
高温側ベローズ46は、高温側円筒部材44と同様な薄肉の金属材で円筒状に形成され、高温側補助円筒部材45の基端に一端側を気密構造で接続し、他端側を熱的接触部材47に気密構造で接続するようにして設けられ、高温側補助円筒部材45を介することで高温側円筒部材44にその外側で接続されている。そしてこのような高温側円筒部材44との接続構造により、上述したようなベローズ機能を発揮できるようにされている。
熱的接触部材47は、冷凍機26の第1ステージ33の熱シールド23への熱的接触に介在する要素であり、図3に拡大して示すように、下方に向けて先窄まりとなる錐体状にしたテーパ部48を有した構造とされ、このテーパ部48に冷凍機26の第1ステージ33における熱的接触部材35をそのテーパ部36で嵌合させることで、冷凍機26の第1ステージ33の熱シールド23への熱的接触をなさせることができるようにされている。また熱的接触部材47は、高温側ベローズ46の支持に機能するとともに、後述する低温側封止部42の低温側円筒部材53の接続受けとしても機能する。このような機能を負う熱的接触部材47は、熱伝導率の比較的高い金属材、例えば銅材やアルミニウム材を用いて形成された本体部49の上側と下側それぞれに、熱伝導率の比較的低い金属材、例えばステンレス鋼などでそれぞれ形成された上側接続部51と下側接続部52を気密構造で接続した構成とされ、上側接続部51に高温側ベローズ46を接続し、下側接続部52に低温側円筒部材53の接続できるようにされている。
低温側封止部42は、低温側円筒部材53、低温側補助円筒部材54、および低温側ベローズ55を含む構成とされている。
低温側円筒部材53は、冷凍機ポート25における筒部材の他の1つであり、熱シールド23の内部に向けて突出するようにして熱的接触部材47に下側接続部52を介して気密構造で取り付けられている。この低温側円筒部材53は、冷凍機26の低温側の周囲を第2ステージ34まで囲繞して囲繞空間を形成する要素であり、内周面が全体的に平坦に形成され、その平坦な内周面が冷凍機26の低温側の周囲を第2ステージ34まで囲繞する囲繞面となるようにされている。このような低温側円筒部材53は、高温側円筒部材44と同様に、例えばステンレス鋼などで0.5mm以下といった薄肉に形成するのが好ましい。
低温側補助円筒部材54は、その先端を低温側円筒部材53の先端に気密構造で接続することで低温側円筒部材53の先端部を囲繞する状態にして設けられている。この低温側補助円筒部材54は、低温側ベローズ55と低温側円筒部材53の接続に介在する要素であり、低温側円筒部材53と同様に、熱伝導率の低い金属材で薄肉に形成するのが好ましい。
低温側ベローズ55は、低温側円筒部材53と同様な薄肉の金属材で円筒状に形成され、低温側補助円筒部材54の基端に一端側を気密構造で接続し、他端側を液溜槽22の周壁に気密構造で接続するようにして設けられ、低温側補助円筒部材54を介することで低温側円筒部材53にその外側で接続されている。そしてこのような低温側円筒部材53との接続構造により、上述したようなベローズ機能を発揮できるようにされている。
以上のように構成された冷凍機ポート25は、そこに冷凍機26が取外し可能にして取り付けられるためなどのことに起因して、その冷凍機26との間にある程度の空隙が生じるのを避け難い。その空隙には液溜槽22からのヘリウムガスが充満することになるが、そのヘリウムガスが冷凍機ポート25における侵入熱量増大の要因となる。そこで、冷凍機ポート25と冷凍機26の間の空隙、より具体的には高温側円筒部材44や低温側円筒部材53と冷凍機26の間の空隙に高温側充填材56と低温側充填材57を充填することで、侵入熱量増大に関与するヘリウムガスが充満する空隙を実効的にできるだけ小さくできるようにする。高温側充填材56や低温側充填材57には、断熱性の高い材料、例えば発泡ウレタンのような発泡合成樹脂材を用いる。また高温側充填材56や低温側充填材57は、熱伝導率の低い材料を用いたバインダ(図示を省略)により冷凍機26に巻き付けるようにして設ける。
ここで、以上のような冷凍機ポート25では、そこに充満するヘリウムガスに対流を生じないとすると、上部で密度が小さく下部で密度が大きいという密度分布が充満ヘリウムガスに生じ、それが安定的に保たれる。これは、密度が温度に比例することから、充満ヘリウムガスの温度分布に対応する。そして、その温度分布は、冷凍機ポート25が鉛直軸に対して傾いていても、水平になる、つまり等温面Taや等温面Tbが水平である状態となり、これが安定的に保たれる。
以上のように冷凍機ポート25は、囲繞面が全体的に平坦である高温側円筒部材44により冷凍機26を直接的に囲繞し、その高温側円筒部材44を外側から高温側補助円筒部材45の介在の下で高温側ベローズ46で支持するという2段構造で高温側封止部41を形成し、また低温側封止部42についても同様に、囲繞面が全体的に平坦である低温側円筒部材53により冷凍機26を直接的に囲繞し、その低温側円筒部材53を外側から低温側補助円筒部材54の介在の下で低温側ベローズ55で支持するという2段構造としている。
このため冷凍機ポート25における封止空間は、高温側円筒部材44や低温側円筒部材53で形成され、全体的に平坦な面だけで囲まれることになる円筒部空間部分と高温側ベローズ46や低温側ベローズ55で形成されるベローズ部空間部分に分けられる。そして上述のようなヘリウムガス対流起因の熱侵入やヘリウムガス伝導起因の熱侵入を冷凍機ポート25に生じさせるヘリウムガスの充満は実質的に円筒部空間部分だけに生じ、ベローズ部空間部分に充満するヘリウムガスは熱侵入に直接的に関与することがない。
この結果、高温側ベローズ46や低温側ベローズ55の凹凸構造がヘリウムガスに起因する熱侵入に実質的な影響を与えることがなくなり、したがって高温側ベローズ46や低温側ベローズ55が冷凍機ポート25での侵入熱量の増大に関与するのを実効的に防ぐことが可能になる。
図4に、第2の実施形態による超電導磁石の要部の構成を図2相当の図として示す。本実施形態の超電導磁石61は、基本的には第1の実施形態の超電導磁石21と同様の構成で、冷凍機ポート62の低温側封止部63の構成について相違している。本実施形態は、低温側封止部63の低温側円筒部材53を冷凍機26に近接させることができる場合であり、低温側円筒部材53の内径を冷凍機26の低温側部分の外径に十分に近づけることで低温側円筒部材53と冷凍機26の間の間隙を十分に小さくできるようにし、これに伴って図2の低温側封止部42における低温側充填材57を省いた構成としている。
このようにすることにより、低温側封止部63についてアスペクト比を大きくすることができ、これによりヘリウムガスに起因する侵入熱量を低減することができる。
図5に、第3の実施形態による超電導磁石の要部の構成を図2相当の図についてさらに部分的に拡大して示す。本実施形態の超電導磁石71は、基本的には第1の実施形態の超電導磁石21と同様の構成で、冷凍機72の構成について相違している。冷凍機72は、その熱的接触部材73にガス流路74が設けられ、このガス流路74により高温側封止部41と低温側封止部42を液溜槽22(図1)からのヘリウムガスの流れについて連通させることができるようにされ、またガス流路74の上端を弁75で開閉できるようにされている。弁75は、構造を簡易にするために、自重で閉方向の付勢力を得るようにされている。この弁75は、超電導磁石71を製作した際の初期調整時やメンテナンスで冷凍機72を交換したりした後のメンテナンス調整時にだけ負荷する一定以上のガス圧により開くことでガス流路74を機能させる。つまり弁75は、通常状態ではガス流路74の機能を停止させるのに働く。このことは、超電導磁石71の通常の運転状態にあって、高温側封止部41の高温のヘリウムガスがガス流路74を通って低温側封止部42に流入することで冷凍機72の第2ステージ34に熱侵入をもたらすのを有効に防止するということであり、これにより冷凍機72をより高い効率で機能させることができる。
ここで、ガス流路74は、上述の初期調整時やメンテナンス調整時に高温側封止部41と低温側封止部42をヘリウムガスの流れについて連通させるために必要とされ、したがって図1では図示を省略してあるが、熱的接触部材35にも設けられるもので、通常は必要最小限として1個で設けることになる。
図6に、第4の実施形態による超電導磁石の要部の構成を図2相当の図として示す。本実施形態の超電導磁石81は、基本的には第1の実施形態の超電導磁石21と同様の構成で、冷凍機ポート82における高温側封止部83の構成について相違している。すなわち高温側封止部83では、図1の高温側封止部41における高温側補助円筒部材45が省略され、高温側円筒部材44に対して高温側ベローズ46が高温側円筒部材44の中間位置で直接的に気密構造により接続されている。
このような構造とすることにより、高温側封止部83の構造を簡略化でき、したがってそれらの組立作業における工程数を少なくすることができる。ただ、その一方で、高温側円筒部材44と高温側ベローズ46の熱伝導距離が短くなり、それだけ高温側ベローズ46からの伝導による高温側円筒部材44への熱侵入が増加することになる。
本実施形態における高温側封止部83の構造は低温側封止部42にも適用することができる。ただ、低温側封止部42に対応する冷凍機26の第2ステージ34は、冷凍能力が第1ステージ33に比べて小さいことから、熱侵入の抑制をより重視した設計とし、高温側封止部83のような簡略化構造を採用しないのが通常である。
図7に、第5の実施形態による超電導磁石の要部の構成を図2相当の図として示す。本実施形態の超電導磁石91は、基本的には第4の実施形態の超電導磁石81と同様の構成で、冷凍機ポート92における熱的接触部材93の構成について相違している。具体的には熱的接触部材93に接触回避溝94が設けられている。この接触回避溝94は、高温側ベローズ46が縮んだ際に高温側円筒部材44が熱的接触部材93に接触するのを避けるために機能する。つまり高温側円筒部材44は、高温側ベローズ46が縮んで熱的接触部材93に近づく状態にった際に接触回避溝94に入り込むことで熱的接触部材93との接触を回避することができる。
このようにすることにより、高温側円筒部材44の熱的接触部材93への接触による熱的接触部材93への熱侵入を防止することができ、その分について冷凍機26の効率を高めることができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、これらは代表的な例に過ぎず、本発明は、その趣旨を逸脱することのない範囲で様々な形態で実施することができる。例えば以上の実施形態では、冷凍機ポートを鉛直軸に対して50度程度傾ける場合あったが、これに限られず、傾斜方式の場合の冷凍機ポートの傾斜角度は任意であり、また平行方式の冷凍機ポートについても本発明は有効である。
第1の実施形態による超電導磁石の全体的な構成を横断面について簡略化して示す図である。 図1の超電導磁石の要部である冷凍機ポート部分を示す図である。 図2の冷凍機ポートにおける熱的接触部材の構成を示す図である。 第2の実施形態による超電導磁石の要部である冷凍機ポート部分を示す図である。 第3の実施形態による超電導磁石の要部である冷凍機ポート部分を示す図である。 第4の実施形態による超電導磁石の要部である冷凍機ポート部分を示す図である。 第5の実施形態による超電導磁石の要部である冷凍機ポート部分を示す図である。 従来の一般的な超電導磁石における冷凍機ポート部分を模式化して示す図である。 冷凍機ポートの設置方式を模式化して示す図である。
符号の説明
21 超電導磁石
22 液溜槽
23 熱シールド
24 真空容器
25 冷凍機ポート
26 冷凍機
29 液体ヘリウム
31 超電導コイル
35 熱的接触部材
44 高温側円筒部材(筒部材)
46 高温側ベローズ(ベローズ)
47 熱的接触部材
53 低温側円筒部材(筒部材)
55 低温側ベローズ(ベローズ)
74 ガス流路
75 弁
93 熱的接触部材
94 接触回避溝

Claims (4)

  1. 液体ヘリウムと超電導コイルを収納する液溜槽、前記液溜槽を収納する熱シールド、および前記熱シールドを収納する真空容器を備えるとともに、前記液溜槽や前記熱シールドを冷却する冷凍機が取り付けられることにより、前記液溜槽に連通した状態で気密状態となるように形成された冷凍機ポートを備えた超電導磁石において、
    前記冷凍機ポートは、内周面が全体的に平坦に形成された筒部材、および前記筒部材に当該筒部材の外側で接続する筒状のベローズを備えていることを特徴とする超電導磁石。
  2. 前記冷凍機が前記熱シールドに熱的に接触するために有する熱的接触部材に、前記液溜槽からのヘリウムガスを流通させるためのガス流路が設けられるとともに、前記ガス流路に、一定以上のガス圧により開くことで前記ガス流路を機能させるようにする弁が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の超電導磁石。
  3. 前記弁は、自重で閉方向の付勢力を得るようにされていることを特徴とする請求項2に記載の超電導磁石。
  4. 上記冷凍機ポートに設けられる熱的接触部材に接触回避溝が設けられ、前記ベローズが縮むことで前記円筒部材が前記熱的接触部材に近づく状態になった際に前記接触回避溝に入り込むことで前記円筒部材の前記熱的接触部材への接触を回避できるようにされていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の超電導磁石。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10614940B2 (en) 2015-09-15 2020-04-07 Mitsubishi Electric Corporation Superconducting magnet device

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