JP2008304728A - 磁性トナー及び画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】汲み上げ方式の場合であっても初期濃度の低下がなく、フェーディングやカブリ等の画像欠陥がなく、高温高湿環境下における長期の使用においても高画質を供給しつづけることが可能な磁性トナーを提供することである。
【解決手段】現像部にトナーを汲み上げて供給する構成のトナー収納部を有する現像装置に用いられる磁性トナーであって、
結着樹脂と磁性粉体を有しており、平均円形度が0.950以上であり、
粉体の流動性をプロペラ型ブレードで測定する粉体流動性測定装置において測定された、攪拌速度が10回転の時のTotal Energy(TE10)と100回転の時のTotal Energy(TE100)の比(TE10/TE100)が1.60以下であり、
磁場79.6kA/m(1000エルステッド)における前記磁性トナーの磁化の強さが27.0Am2/kg以上33.0Am2/kg以下であることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、磁気記録法、トナージェット方式記録法の如き画像形成方法において形成される静電画像の現像に用いるトナー、及び画像形成方法に関する。
複写機やプリンター、ファクシミリ装置等は電子写真方式の画像形成装置を用いているものが多い。この画像形成装置は、図1に示すように、電子写真感光体としての感光体ドラム111を回転させ、これに選択的な露光をすることで潜像を形成する。その潜像を現像装置208によって現像剤(以下「トナー」という)を用いて現像することで可視像化し、そのトナー像を転写材114に転写することで画像記録するものである。
ここで、前記電子写真画像形成装置に用いられる従来の現像装置について簡単に説明する。図2は磁性一成分トナーを用いる現像装置である。この現像装置208は、現像部108とトナー収納部104によって構成されている。現像部108には固定されたマグネット106を内蔵した非磁性の現像スリーブが矢印R2方向に回転自在に支持されている。トナー収納部104から送られたトナーをマグネット106の磁力で現像スリーブ105表面に引きつけて搬送し、且つ現像スリーブ105表面に当接するトナー規制部材107a間での摺擦による摩擦帯電によって適切な電荷を付与して感光体ドラム111へ供給することで、感光体ドラム111に形成した潜像を現像するものである。トナー規制部材としては、ゴムなどの弾性部材からなる板状の現像ブレードを用いる手法が知られている。つまり、トナー規制部材をトナー担持体に当接させてニップを形成し、このニップにおいてトナーに所定の極性の電荷を与えつつ、トナー担持体上にトナー層を形成する。
ここで、現像装置においてはトナーのパッキング現象が起きると、現像部内部のトナーの鬆が立ち、フェーディング等の画像ムラを引き起こす可能性がある。
そのため、図2に示すように、トナー収納部104に矢印R4方向へ回転可能な撹拌部材120が設けられ、現像部108には矢印R3方向へ回転可能な撹拌部材130が設けられている。これら撹拌部材120,130はともに棒状部材をクランク形状にし、その両端を回転中心として回転するものである。これら撹拌部材120,130の回転により、トナーを送り出すとともに、トナーをほぐし、トナーを高密度化させること(パッキング)を防止している。
なお、前記パッキング防止構成としては、特許文献1に示すように構成したものもある。これは、現像部と撹拌機によりトナーをすくい上げつつ前記現像部との間の開口部を介してトナーを現像部の方へ搬送するトナー貯蔵部とを有し、開口部上端部近傍から略水平な現像部内のトナー担持体上に、トナー担持体回りのトナーをこのトナー担持体上に均一に付着させるコーティング部を設け、この開口部上端部近傍からコーティング部までトナーの循環案内部材を配設している。これにより、現像部におけるトナーの消費量がトナー貯蔵部からのトナー搬送量よりも少なくても現像部内のパッキングをなくし、一定速度で回転する現像スリーブの駆動トルクが増加し、異常音やビビリ等の振動が生じることを防ぐものである。
以上のように、トナーのパッキングを防ぐ方法としては、図2に示した現像装置のように現像部108に撹拌部材130を使用する方式(以下「撹拌方式」という)、撹拌部材130のような撹拌を使用せず、特許文献1に示されるように、現像スリーブよりもトナー収納部を下方に配置し、トナーの汲み上げ式の現像部を利用する方式(以下「汲み上げ方式」という)が存在する。
しかしながら、前記撹拌方式では撹拌部材を現像部内とトナー収納部内の計2個を必要とするためにコスト面の問題があり、また、プロセスカートリッジの長寿命化に伴うトナー充填量の増加傾向を考慮に入れると、現像部内の撹拌部材の改良が必要となる。
また、汲み上げ方式ではトナーを現像部へ汲み上げるために強力な撹拌構成を必要とし、その摺擦によるトナーの劣化等の問題が生じる可能性がある。これに対し、特許文献2では、現像機内におけるトナーの受けるストレスを軽減させるために、トナー粉体相中に回転翼を回転させながら侵入させ、回転翼が粉体相中を移動する時に発生するトルクまたは荷重を測定し、トルクの値もしくは荷重の値をある範囲内に制御したトナーが提案されている。しかし、該特許は、高画質の観点からドット再現性を向上させることを目的としており、長期の使用、特に高温高湿環境下での耐久安定性を満足させるためには不十分であった。
さらに、本発明者らが検討したところ、トナー汲み上げ方式においては使用開始からしばらくの間画像濃度が薄く、初期濃度の立ち上がりに問題があることが分かってきた。
ところで、電子写真方式の画像形成装置においては、一般的に、感光体から被転写体にトナー像を転写した後に感光体上に残ったトナー(転写残トナー)は、クリーニング工程でクリーニング容器(廃トナー容器)に回収される。しかし、このようなクリーニング装置を具備するためには装置内に相応のスペースが必要となる。また、環境保全などの観点から廃トナーは極力少ない方がよい。従って、装置のコンパクト化、トナーの有効活用などの観点から、廃トナーの少ないシステムが望まれており、そのためには、転写効率の良い円形度の高いトナーの使用が求められている。
このような円形度の高い球形トナーは、トナー粒子個々の帯電量を均一にすることが比較的容易であり、均一且つ安定した画像形成が可能となる。
しかしながら、球形トナーを用いた場合、均一なトナー層をトナー担持体上に形成するためには更なる改良が望まれていた。
つまり、円形度の高いトナーを用いると、トナー規制部材による層厚規制部を擦り抜け易くなり、トナー担持体上に形成されるトナー層の厚みが厚くなったり、トナーコートむらが発生したりし易くなる。トナー層の厚みが厚い部分は、個々のトナーがトナー担持体及び/又はトナー規制部材と摩擦する機会が減り、十分な電荷を持つことができず、現像性が低下する。そして、このような状態で画像形成を行うと、カブリ、画像の濃度薄などの画像不良が発生し易い。特に高湿下においてトナーの帯電性が悪く、カブリの悪化や、図3に示すような所謂ゴーストと呼ばれる濃淡が画像上に出てしまう。
ここで、特許文献3は、小粒径の磁性トナーを使用して、弾性体から成るトナーの層厚規制部材を使用する現像装置に関して、トナー担持体が内包する磁気ロールの磁極の位置などを規定することにより、画像の濃度低下などの問題を改善することを開示している。つまり、特許文献3の発明では、磁気ロールの磁極のうちトナー担持体とトナー規制部材との当接部に最も近い磁極の位置を、該当接部から20°以上離し、且つ、マグネットロールによる現像スリーブ表面の磁束密度のピーク値が径方向及び周方向に400乃至700ガウス間に保持する。これにより、現像剤担持体上にコートされたトナーの過帯電による画像濃度低下を防止しようとしている。しかし、詳しくは後述するように、本発明者の検討によれば、このような磁気ロールの磁極配置によっては、球形トナーを使用する場合の画像の濃度薄などの問題は解決し得ないことが分かった。
特開平2−285374号広報 特開2004−37651号公報 特開平5−35084号公報
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的は、現像部内においてパッキング等のトナーの循環問題を生ずることなくトナー担持体上に安定した十分な量のトナーを供給すること、さらにはトナー担持体上における均一で安定したトナー層の形成を達成することが可能な磁性トナー及び画像形成方法を提供するものである。
また、本発明の目的は汲み上げ方式の場合であっても初期濃度の低下がなく、フェーディングやカブリ等の画像欠陥がなく、高温高湿環境下における長期の使用においても高画質を供給しつづけることが可能な磁性トナー、及び画像形成方法を提供するものである。
上記目的は本発明に係る磁性トナー、及び画像形成方法にて達成される。
すなわち本発明は、像担持体に形成された静電潜像を現像するために回転自在に配設されたトナー担持体と;前記トナー担持体の内部に前記トナー担持体に対して不動に配置された、少なくとも4極以上の複数の磁極を備える磁界発生手段と;前記トナー担持体上のトナー層厚を規制するトナー規制部材とを有する現像部と;収納したトナーを前記現像部へ送る為の送り手段を有するトナー収納部と;前記現像部と前記トナー収納部の間に開口部とを有する現像装置に用いられる磁性トナーにおいて、
i)前記トナー収納部は、前記現像部よりも下方に底面を有し、前記トナー収納部から前記現像部に前記トナーを汲み上げて供給する構成であって、
前記磁界発生手段の前記複数の磁極のうち、法線方向磁束密度分布のピーク位置が最も前記開口部近くに有する取り込み極の法線方向磁束密度が30mT以上50mT以下であって、
前記トナー担持体と前記トナー規制部材との当接部に最も近いカット極は、前記トナー担持体の回転中心を基準として、前記当接部の前記回転方向上流側端部から前記回転方向上流側及び下流側に20°以内の位置に配置されており、
ii)前記磁性トナーは少なくとも結着樹脂、磁性粉体を有しており、
平均円形度が0.950以上であり、
粉体の流動性をプロペラ型ブレードで測定する粉体流動性測定装置において測定された、攪拌速度が10回転のときのTotal Energy(TE10)と100回転のときのTotal Energy(TE100)の比(TE10/TE100)が1.60以下であり、
磁場79.6kA/m(1000エルステッド)における前記磁性トナーの磁化の強さが27.0Am2/kg以上33.0Am2/kg以下であることを特徴とする磁性トナー、及び画像形成方法に関する。
本発明によれば、汲み上げ方式の場合であっても初期濃度の低下がなく、フェーディングやカブリ等の画像欠陥がなく、高温高湿環境下における長期の使用においても高画質を供給しつづけることが可能な磁性トナー、及び画像形成方法を提供することができる。
前述したように、本発明者らが検討したところ、現像装置内のトナーパッキング防止構成として汲み上げ方式を用いた場合、初期濃度の立ち上がりが遅いという問題があった。これは、汲み上げ方式においては、トナー収納部からすくい上げられたトナーが現像部内で攪拌されることなくそのままトナー担持体表面へ搬送されるため、現像機内部でのトナーの動きが小さく、トナーの帯電性の立ち上がりが遅くなるためと考えられる。さらに、汲み上げられたトナーは、重力に逆らい磁気力のみによってトナー担持体にコーティングされる。そのため、トナー担持体上に十分な量のトナーを安定して供給することは難しく、特に長期の使用においてはトナーの流動性の低下に伴いフェーディングや画像濃度の低下が問題になっていた。
この問題を解決するために本発明者らが鋭意検討した結果、取り込み極の磁力や磁極配置を規制した上で、粒子間凝集力が低く、飽和磁化の高い球形トナーを使用することにより、上記の課題が解決できることを見出した。詳細は分からないが、本発明によれば、トナー担持体への十分なトナー供給と現像部内での理想的なトナー循環を達成でき、帯電の立ち上がりが促進されると考えられる。そのため、汲み上げ方式の場合であっても初期濃度の立ち上がりが良好であり、長期の使用においてもフェーディングや画像濃度の低下を抑制できる。さらに、本発明によれば、トナー担持体とトナー規制部材との当接部近傍にカット極を配置することによりトナー規制部材による規制力を十分に高めることができるため、均一且つ安定したトナー層をトナー担持体上に形成することもできる。よって、高温高湿環境下においてもカブリのない高画質を長期に渡って得ることが可能になった。
以下、本発明の実施の形態を示して、本発明を詳細に説明する。
<1.本発明のトナーの物性・粒子間凝集力>
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、磁性粉体を有しており、粉体の流動性をプロペラ型ブレードで測定する粉体流動性測定装置において測定された、攪拌速度が10回転の時のTotal Energy(TE10)と100回転の時のTotal Energy(TE100)の比(TE10/TE100)が1.60以下であることを特徴とする。
TE10/TE100は、トナーの流動性について、回転数の依存性をモニターしているものである。これを現像器内の状況に当てはめて考えた場合、トナー収納部内における攪拌機による機械的な攪拌がTE100、現像部内におけるトナーの磁気力と自重によって生じる循環による攪拌がTE10に該当すると考えられる。
TE10/TE100を1.60以下に抑制することで、トナー収納部から現像部へ搬送され、トナーの攪拌スピードが変化した状況においてもトナーの流動性低下を低減でき、トナー担持体への安定したトナー供給と、高い現像性を維持することができる。
<TE100(mJ)およびTE10(mJ)の測定方法>
本発明における、Et100(mJ)およびEt10(mJ)は、粉体流動性分析装置パウダーレオメータFT−4(Freeman Technology社製)(以下、FT−4と省略する場合がある)を用いることによって測定する。
具体的には、以下の操作により測定を行う。尚、全ての操作において、図4に示すように、プロペラ型ブレードは、FT−4測定専用48mm径ブレード(48mm×10mmのブレード板の中心に法線方向に回転軸が存在。ブレード板は、両最外縁部分(回転軸から24mm部分)が70°、回転軸から12mmの部分が35°といったように、反時計回りになめらかにねじられたもので、材質はSUS製。型番:C210。以下、ブレードと省略する場合がある)を用いる。
FT−4測定専用の直径50mm、容積160mlの円筒状のスプリット容器(型番:C203。容器底面からスプリット部分までの高さ82mm。材質は、ガラス。以下、容器と省略する場合がある)に23℃、60%環境に3日以上放置されたトナーを100g入れることでトナー粉体層とする。
(1)コンディショニング操作
(a)粉体層表面に対して時計回り(ブレードの回転により粉体層がほぐされる方向)の回転方向に、ブレードの回転スピードは、ブレードの最外縁部の周速60(mm/sec)、粉体層への垂直方向の進入速度を、移動中のブレードの最外縁部が描く軌跡と粉体層表面とのなす角が5(deg)のスピード(以降、なす角と省略する場合がある)で、粉体層表面からトナー粉体層の底面から10mmの位置まで進入させる。その後、粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、ブレードの回転スピードが60(mm/sec)、粉体層への垂直方向の進入速度を、なす角が2(deg)のスピードで、トナー粉体層の底面から1mmの位置まで進入させる操作を行う。次いで、粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、ブレードの回転スピードが60(mm/sec)、粉体層からの抜き取り速度をなす角が5(deg)のスピードで、トナー粉体層の底面から100mmの位置まで移動させ、抜き取りを行う。抜き取りが完了したら、ブレードを時計回り、反時計回りに交互に小さく回転させることでブレードに付着したトナーを払い落とす。
(b)一連の上記(1)−(a)の操作を5回行うことで、トナー粉体層中に巻き込まれている空気を取り除き、安定したトナー粉体層を作る。
(2)スプリット操作
上述のFT−4測定専用セルのスプリット部分でトナー粉体層をすり切り、粉体層上部のトナーを取り除くことで、同じ体積のトナー粉体層を形成する。
(3)測定操作
(i)TE100の測定
(a)上記(1)−(a)と同様のコンディショニング操作を一回行う。次に粉体層表面に対して反時計回り(ブレードの回転により粉体層が押し込まれる方向)の回転方向に、ブレードの回転スピードが100(mm/sec)、粉体層への垂直方向の進入速度を、なす角が5(deg)のスピードで、トナー粉体層の底面から10mmの位置まで進入させる。その後、粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、ブレードの回転スピードが60(mm/sec)、粉体層への垂直方向の進入速度を、なす角が2(deg)のスピードで、粉体層の底面から1mmの位置まで進入させる操作を行う。次いで、粉体層表面に対して時計回りの回転方向に、ブレードの回転スピードが60(mm/sec)、粉体層からの垂直方向の抜き取り速度をなす角が5(deg)のスピードで、粉体層の底面から100mmの位置まで抜き取りを行う。抜き取りが完了したら、ブレードを時計回り、反時計回りに交互に小さく回転させることでブレードに付着したトナーを払い落とす。
(b)上記一連の操作を7回繰り返し、7回目にブレードの回転スピードが100(mm/sec)で、トナー粉体層の底面から100mmの位置から測定を開始し、底面から10mmの位置まで進入させた時に得られる、回転トルクと垂直荷重の総和Etを、TE100とする。
(ii)TE10の測定
(a)TE100の測定を終了したトナー粉体層を用い、まず上記(3)−(i)−(a)の操作を1回行う。
(b)次に、(3)−(i)−(a)における一連の操作において、ブレードの回転スピードを100(mm/sec)でトナー粉体層に進入させていたところを、70(mm/sec)に落として測定を行う。
(c)引き続き、(3)−(ii)−(b)と同様に40(mm/sec)、10(mm/sec)に順次回転数を落とした測定を行い、回転スピードが10(mm/sec)でトナー粉体層の底面から100mmの位置から測定を開始し、底面から10mmの位置まで進入させた時に得られる、回転トルクと垂直荷重の総和Etを、TE10とする。
<2.本発明のトナーの物性・圧縮率>
本発明の磁性トナーは、重量平均粒径D4が5.0μm以上9.0μm以下であり、下記式(1)から得られる圧縮率が30以下であることが好ましい。
圧縮率={1−(見掛け密度/タップ密度)}×100 式(1)
上記式(1)で表される圧縮率は、圧に対するトナー挙動の変化のしやすさを表す一つの指標である。トナーの圧縮率が低いということは、「見掛け密度」と「タップ密度」の差が小さく、圧に対してトナー挙動が変化し難いことを意味する。トナー収納部内においては、上方に位置する現像部へトナーを送るための攪拌機によりトナーは断続的に圧を受ける。トナーの圧縮率が30より大きくなると、圧を加えた時にトナーの挙動が変化しやすいため、現像部やトナー担持体へのトナー供給量が変化し、フェーディングが発生し易くなる。
また、重量平均粒径D4が5.0μm以上9.0μm以下であることで、上記の圧縮度の範囲を得ることが容易になる。また、高画質化という点からも9.0μm以下であることが好ましい。一方、磁性トナーの重量平均粒径D4が5.0μm未満であると、上記の圧縮度の範囲を得ることが難しいだけでなく、流動性が著しく低下し、現像性が低下し易くなる。
なお、磁性トナーの見掛け密度とタップ密度は、JIS K5101に準拠して測定する。また、タップ密度に関しては、タッピング回数を600回とし測定を行う。見掛け密度及びタップ密度の測定には、例えばホソカワミクロン製のパウダーテスターを使用することができる。
トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いて、実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで測定し、測定データの解析を行ない、算出した。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように専用ソフトの設定を行なった。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更画面」において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。閾値/ノイズレベルの測定ボタンを押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、測定後のアパーチャーチューブのフラッシュにチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定画面」において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、解析ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、分析/体積統計値(算術平均)画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)であり、専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、分析/個数統計値(算術平均)画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
これら、トナーの圧縮率や、粉体流動性測定装置において測定されたTE10/TE100値を制御する方法の例としては、下記の(A)乃至(E)の方法が挙げられる。これらの方法は、単独で行ってもよいが、複数を組み合わせることによって達成しても良い。
(A)磁性トナーの粒度分布を分級等によって制御し、微粉及び粗粉量を適正化することでパッキング性を制御する方法。
(B)磁性トナーの平均円形度を高め、トナー粒子間の接触面積を減少させる方法。
(C)磁性トナー表面に表面エネルギー/疎水性/粒径などを適正化した有機及びまたは無機微粒子を複数種付着させる方法。
(D)磁性トナー粒子を水系媒体中に分散させ、スチーム等を流入させることで、系全体を100℃に加熱し、トナーの表面平滑性を高めることで、トナー粒子間の接触面積を減少させる方法。
(E)磁性トナーの磁気特性を適性化し、磁気凝集性を低減させる方法。
<3.本発明のトナーの物性・形状>
本発明のトナーは、平均円形度が0.950以上であることを特徴とする。平均円形度とは円形度頻度分布の平均値を意味する。
本発明においては、トナー担持体とトナー規制部材との当接部近傍にカット極が配置されており、トナー規制部材による規制力が十分に高い。そのため、トナーの平均円形度を0.950以上にすることで、トナー粒子の帯電均一性が非常に高くになり、安定した画像形成が可能となる。また、前述したような流動性の高さや後述する圧縮率の範囲を達成することが容易になる。平均円形度が0.950未満の場合は、トナー規制部材による規制力が高いために、長期の使用においてはチャージアップしてカブリが悪化したり、トナー担持体上への融着などが発生したりしてしまう。
また、本発明のトナーは平均円形度が0.960以上であることが好ましい態様の一つである。平均円形度が0.960以上であると、上記の効果がより大きく発現し、長期の使用においても安定した帯電性を保つことができる。
トナーの平均円形度は、フロー式粒子像測定装置「FPIA−2100」(シスメックス社製)を用いて測定する。詳細は以下の通りである。
先ず、円形度を次式より算出する。
円形度=(粒子投影面積と同じ面積の円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
ここで、「粒子投影面積」とは二値化された粒子像の面積であり、「粒子投影像の周囲長」とは該粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さである。測定は、512×512の画像処理解像度(0.3μm×0.3μmの画素)で画像処理した時の粒子像の周囲長を用いる。
本発明における円形度は粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、粒子が完全な球形の場合に1.00を示し、表面形状が複雑になる程、円形度は小さな値となる。
また、円形度頻度分布の平均値を意味する平均円形度Cは、粒度分布の分割点iでの円形度をci、測定粒子数をmとすると、下記式(1)から算出される。
Figure 2008304728
また、円形度標準偏差SDは、平均円形度C、各粒子における円形度ci、測定粒子数
をmとすると下記式(2)から算出される。
Figure 2008304728
具体的な測定方法としては、容器中に予め不純固形物などを除去したイオン交換水10mlを用意し、その中に分散剤として界面活性剤、好ましくはドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム塩を加えた後、更に測定試料を0.02g加え、分散させる。分散させる手段としては、発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150型」(日科機バイオス社製)を用い、2分間分散処理を行い、測定用の分散液とする。その際、該分散液の温度が40℃以上とならない様に適宜冷却する。また、円形度のバラツキを抑えるため、フロー式粒子像分析装置FPIA−2100の機内温度が26乃至27℃になるよう装置の設置環境を23℃±0.5℃にコントロールし、一定時間おきに、好ましくは2時間おきに2μmラテックス粒子を用いて自動焦点調整を行う。
トナー粒子の円形度測定には、前記フロー式粒子像測定装置を用い、測定時のトナー粒子濃度が約5000個/μlとなる様に該分散液濃度を再調整して計測する。計測後、このデータを用いて、円相当径2μm未満のデータをカットして、トナーの平均円形度を求める。尚、円相当径は、以下のようにして算出される値である。
円相当径=(粒子投影面積/π)1/2×2
本発明で用いている測定装置である「FPIA−2100」は、従来トナーの形状を観察するために用いられていた「FPIA−1000」と比較して、シースフローの薄層化(7μm→4μm)及び処理粒子画像の倍率の向上、さらに取り込んだ画像の処理解像度を向上(256×256→512×512)させた装置であり、トナーの形状測定の精度が向上した装置である。
<4.本発明のトナーの物性・磁気特性>
本発明の磁性トナーは、磁場79.6kA/m(1000エルステッド)における磁化の強さが27.0Am2/kg以上33.0Am2/kg以下であることを特徴とする。トナーの磁化の強さがこの範囲にあることで、本発明のような取り込み極の磁力を調整した現像装置においても、トナー担持体への十分なトナー供給を可能にする。トナーの磁化の強さが27.0Am2/kg未満であると、長期の使用においてはトナー流動性の低下に伴いフェーディングや画像濃度の低下が発生する。また、トナーの磁化の強さが33.0Am2/kgを超えると、磁気凝集によりトナーの流動性が著しく低下し、トナー担持体上でのトナーの入れ替わりが上手くいかなくなり、トナー劣化が著しくなる。そのため、現像性が低下して画像濃度の低下やカブリの悪化が生じる。
また、本発明の磁性トナーは、磁場79.6kA/m(1000エルステッド)で着磁した時の残留磁化が3.0Am2/kg未満であることが、好ましい態様の一つである。現像部内においては、トナーはトナー担持体への供給と回収を繰り返しながら循環している。ここで、トナーの残留磁化が3.0Am2/kg未満であると、トナー担持体から回収されたトナーの磁気凝集による流動性低下が抑制できる。そのため、長期に渡って現像部内での理想的なトナー循環が達成でき、安定した帯電性を保つことができるため好ましい。特に高温高湿環境下での使用においてゴーストの発生を抑制できる。一方、トナーの残留磁化が3.0Am2/kg以上である場合は、回収されたトナーの流動性が低下し易く、長期の使用においては帯電性が低下してしまう。
磁性トナーの磁化の強さ(飽和磁化)や残留磁化は、含有する磁性粉体の量、磁性粉体の飽和磁化や残留磁化により任意に変えることが可能である。また、磁性粉体の飽和磁化は磁場79.6kA/mにおいて40乃至85Am2/kgであることが好ましく、残留磁化は10.0Am2/kg以下である事が好ましい。
本発明において磁性トナーの飽和磁化や残留磁化は、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業社製)を用いて測定することが可能であり、室温25℃、外部磁場79.6kA/mで測定する。また、磁性粉体の磁気特性についても、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業社製)を用いて測定することが可能であり、室温25℃、外部磁場79.6kA/mで測定する。
<5.本発明のトナーに使用される磁性粉体>
本発明に用いられる磁性粉体としては、マグネタイト、マグヘマタイト、フェライト等の磁性酸化物及びその混合物が好ましく用いられる。
本発明のトナーに用いられる磁性粉体は、鉄、リン、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン、アルミニウム、ケイ素などの元素を含んでも良く、四三酸化鉄、γ−酸化鉄等、酸化鉄を主成分とするものである。これらを1種または2種以上併用して用いられる。これら磁性体は、窒素吸着法によるBET比表面積が2乃至30m2/gが好ましく、特に3乃至28m2/gがより好ましい。また、モース硬度が5乃至7のものが好ましい。
磁性粉体の形状としては、多面体、8面体、6面体、球形、針状、鱗片状などがあるが、多面体、8面体、6面体、球形等の異方性の少ないものが画像濃度を高める上で好ましい。
なお、磁性粉体の形状はSEMあるいはTEMなどによって確認することが出来、形状に分布がある場合は、存在する形状の内、最も多い形状をもって該磁性粉体の形状とする。
磁性粉体の体積平均粒径としては0.05乃至0.40μmが好ましい。体積平均径が0.05μm未満の場合、黒色度の低下が顕著となり、白黒用トナーの着色剤としては着色力が不十分となるうえに、複合酸化物粒子どうしの凝集が強くなるため、分散性が悪化する傾向となる。一方、体積平均粒径が0.40μmを超えてしまうと、残留磁化は小さくなるものの、一般の着色剤と同様に着色力が不足するようになる。加えて、特に小粒径トナー用の着色剤として使用する場合、個々のトナー粒子に均一に磁性粉体を分散させることが確率的に困難となり、分散性が悪化しやすくなり好ましくない。
なお、磁性粉体の体積平均粒径は、透過型電子顕微鏡を用いて測定できる。具体的には、エポキシ樹脂中へ観察すべきトナー粒子を十分に分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ得られた硬化物を、ミクロトームにより薄片上のサンプルとして、透過型電子顕微鏡(TEM)において1万倍ないしは4万倍の拡大倍率の写真で視野中の100個の磁性粉体粒子径を測定する。そして、磁性粉体の投影面積に等しい円の相当径をもとに、体積平均粒径の算出を行った。また、画像解析装置により粒径を測定することも可能である。
本発明では、磁性粉体以外に他の着色剤を併用しても良い。併用し得る着色剤としては、磁性あるいは非磁性無機化合物、公知の染料及び顔料が挙げられる。具体的には、例えば、コバルト、ニッケルなどの強磁性金属粒子、またはこれらにクロム、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元素などを加えた合金、ヘマタイトなどの粒子、チタンブラック、ニグロシン染料/顔料、カーボンブラック、フタロシアニン等が挙げられる。これらもまた、表面を処理して用いることが好ましい。
本発明のトナーを重合法により製造する場合には、上記磁性体をカップリング剤で疎水化処理することが好ましい。磁性体表面を疎水化する際、水系媒体中で、磁性体を一次粒径となるよう分散しながらカップリング剤を加水分解しながら表面処理することによって得られる磁性体が好適である。水系媒体中での疎水化処理方法は、気相中での処理に比べ、磁性体粒子同士の合一が生じにくい。また疎水化処理による磁性体粒子間の帯電反発作用が働き、磁性体はほぼ一次粒子の状態で表面処理されるようになるため、高い均一性の疎水化が達成されるので好ましい。
カップリング剤を水系媒体中で加水分解しながら磁性体表面を処理する方法は、クロロシラン類やシラザン類のようにガスを発生するようなカップリング剤を使用する必要もない。さらに、これまで気相中では磁性体粒子同士が合一しやすくて、良好な処理が困難であった高粘性のカップリング剤も使用できるようになり、疎水化の効果は絶大である。
本発明に使用できるカップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤が挙げられる。より好ましく用いられるのはシランカップリング剤であり、一般式
mSiYn
(式中、Rはアルコキシ基を示し、mは1乃至3の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリシドキシ基、メタクリル基の如き炭化水素基を示し、nは1乃至3の整数を示す。)
で示されるものである。例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシランを挙げることができる。
特に、下記式
p2p+1−Si−(OCq2q+13
(式中、pは2乃至20の整数を示し、qは1乃至3の整数を示す。)
で示されるアルキルトリアルコキシシランカップリング剤を使用して水系媒体中で磁性体を疎水化処理するのが良い。
上記式におけるpが2より小さいと、疎水化処理は容易となるが、疎水性を十分に付与することが困難であり、またpが20より大きいと、疎水性は十分になるが、磁性体粒子同士の合一が多くなり、トナー中へ磁性体粒子を十分に分散させることが困難になる。
また、qが3より大きいと、シランカップリング剤の反応性が低下して疎水化が十分に行われにくくなる。特に、式中のpが2乃至20の整数(より好ましくは、3乃至15の整数)を示し、qが1乃至3の整数(より好ましくは、1または2の整数)を示すアルキルトリアルコキシシランカップリング剤を使用するのが良い。
その処理量は磁性体100質量部に対して、0.05乃至20質量部、好ましくは0.1乃至10質量部であり、磁性体の表面積、カップリング剤の反応性などに応じて処理剤の量を調整することが好ましい。
本発明において、水系媒体とは、水を主要成分としている媒体である。具体的には、水系媒体として水そのもの、水に少量の界面活性剤を添加したもの、水にpH調整剤を添加したもの、水に有機溶剤を添加したものが挙げられる。界面活性剤としては、ポリビニルアルコールの如きノンイオン系界面活性剤が好ましい。界面活性剤は、水に対して0.1乃至5質量%添加するのが良い。pH調整剤としては、塩酸の如き無機酸が挙げられる。
撹拌は、例えば撹拌羽根を有する混合機(具体的には、アトライター、TKホモミキサーの如き高剪断力混合装置)で、磁性体微粒子が水系媒体中で、一次粒子になるように充分におこなうのが良い。
こうして得られる磁性体粒子は粒子の凝集が見られず、表面が均一に疎水化処理されているため、トナー材料として用いた場合、トナー中への分散性が非常に良好であり、しかもトナー表面からの露出が無い。
本発明のトナーに用いられる酸化鉄は、例えば下記方法で製造される。
硫酸第一鉄水溶液などの第一鉄塩水溶液に、鉄成分に対して当量又は当量以上の水酸化ナトリウムの如きアルカリを加え、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製する。調製した水溶液のpHをpH7以上(好ましくはpH8乃至10)に維持しながら空気を吹き込み、水溶液を70℃以上に加温しながら水酸化第一鉄の酸化反応を行い、磁性酸化鉄粒子の芯となる種晶をまず生成する。
次に、種晶を含むスラリー状の液に、前に加えたアルカリの添加量を基準として約1当量の硫酸第一鉄を含む水溶液を加える。液のpHを6乃至10に維持しつつ空気を吹込みながら水酸化第一鉄の反応を進め、種晶を芯にして磁性酸化鉄粒子を成長させる。酸化反応が進むにつれて液のpHは酸性側に移行していくが、液のpHは6未満にしない方が好ましい。酸化反応の終期に液のpHを調整し、磁性酸化鉄が一次粒子になるよう十分に撹拌する。カップリング剤を添加して十分に混合撹拌し、撹拌後に濾過し、乾燥し、軽く解砕することで疎水性処理磁性酸化鉄粒子が得られる。あるいは、酸化反応終了後、洗浄、濾過して得られた酸化鉄粒子を、乾操せずに別の水系媒体中に再分散させた後、再分散液のpHを調整し、十分撹拌しながらシランカップリング剤を添加し、カップリング処理を行っても良い。
酸化鉄の製造の際に第一鉄塩水溶液に用いる第一鉄塩としては、一般的に硫酸法チタン製造に副生する硫酸鉄、鋼板の表面洗浄に伴って副生する硫酸鉄の利用が可能であり、硫酸第一鉄以外には更に塩化鉄等が可能である。
水溶液法による磁性酸化鉄の製造方法では一般に反応時の粘度の上昇を防ぐこと、及び、硫酸鉄の溶解度から鉄濃度0.5乃至2mol/リットルの硫酸第一鉄水溶液が用いられる。硫酸鉄の濃度は一般に薄いほど製品の粒度が細かくなる傾向を有する。また、反応に際しては、空気量が多い程、そして反応温度が低いほど微粒化しやすい。
このようにして製造された疎水性酸化鉄粒子をトナーに使用することにより、画像特性及び安定性に優れた本発明のトナーを得ることが可能となる。
本発明のトナーに用いる酸化鉄は、結着樹脂100質量部に対して、10乃至200質量部用いることが好ましく、20乃至180質量部用いることが更に好ましい。酸化鉄の配合量が10質量部未満では現像剤の着色力が乏しく、カブリの抑制も困難である。一方、200質量部を超えると、現像剤担持体への磁力による保磁力が強まり現像性が低下したり、個々のトナー粒子への酸化鉄の均一な分散が難しくなったりするだけでなく、定着性が低下してしまうことがある。
<6.本発明の磁性トナーの製造方法・重合法>
本発明の磁性トナーは、重合性単量体、磁性粉体を少なくとも含有する単量体組成物を水系媒体中で重合することによって製造されることが好ましい態様の一つである。重合法で製造されることによって、先に述べた平均円形度の高い、流動性の高いトナーを得ることが容易になる。
本発明のトナーを重合法で製造する場合の方法としては、乳化重合法、会合凝集法、懸濁重合法、分散重合法などが挙げられる。また、結着樹脂が可溶な有機溶媒中に、結着樹脂、磁性粉体、ポリエステル樹脂、および必要に応じてその他の添化剤(離型剤を含む)を混合して油性成分を調製した後、該油性成分を水性媒体中に懸濁させ、粒子化して懸濁液を調製し、該懸濁液から有機溶媒を除去することにより本発明のトナーを製造する方法も好ましい方法の一つである。
これらの方法のうち、粒度分布のシャープな粒子を容易に得ることができる点、および表面が均一な粒子を得ることができる点などから、懸濁重合法を用いるのが最も好ましい。
本発明のトナーを重合法で製造する場合には、重合開始剤を用いることができる。使用され得る重合開始剤としては、重合反応条件下において半減期0.5乃至30時間であるものを用いることが好ましい。かかる重合開始剤を重合性単量体に対して0.5乃至20質量%添加して重合反応を行なうと、分子量1万乃至10万の間に極大を有する重合体を得ることができ、トナーに望ましい強度と適当な溶融特性を与えることができる。
重合開始剤の例としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルの如きアゾ系またはジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドの如き過酸化物系重合開始剤が挙げられる。
本発明のトナーを重合法により製造する場合には、分散安定剤の存在下で重合性単量体を重合させることができ、分散安定剤としては公知の界面活性剤や有機・無機分散剤を使用することができる。
なかでも無機分散剤が有害な超微粉を生じ難く、その立体障害性により分散安定性を得ているので反応温度を変化させても安定性が崩れ難く、洗浄も容易でトナーに悪影響を与え難いので、好ましく使用できる。こうした無機分散剤の例としては、燐酸カルシウム、燐酸マグネシウム、燐酸アルミニウム、燐酸亜鉛の如き燐酸多価金属塩;炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムの如き炭酸塩;メタ硅酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウムの如き無機塩;水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、シリカ、ベントナイト、アルミナの如き無機酸化物が挙げられる。
これらの無機分散剤は、重合性単量体100質量部に対して、0.2乃至20質量部を単独でまたは2種類以上組み合わせて使用することが好ましい。
より微粒化されたトナー(例えば、平均粒径が5μm以下)を目的とする場合には、0.001乃至0.1質量部の界面活性剤を併用しても良い。
界面活性剤としては、例えばドデシルベンゼン硫酸ナトリウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウムが挙げられる。
これら無機分散剤を用いる場合には、そのまま使用しても良いが、より細かい粒子を得るため、水系媒体中にて該無機分散剤粒子を生成させることができる。例えば、燐酸カルシウムの場合、高速撹拌下、燐酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液とを混合して、水不溶性の燐酸カルシウムを生成させることができ、より均一で細かな分散が可能となる。この時、同時に水溶性の塩化ナトリウム塩が副生するが、水系媒体中に水溶性塩が存在すると、重合性単量体の水への溶解が抑制されて、乳化重合に依る超微粒トナーが発生し難くなるので、より好都合である。重合反応終期に残存重合性単量体を除去する時には障害となることから、水系媒体を交換するか、イオン交換樹脂で脱塩したほうが良い。無機分散剤は、重合終了後酸あるいはアルカリで溶解して、ほぼ完全に取り除くことができる。
懸濁重合法によるトナーの製造では、重合性単量体中に、磁性粉体、着色剤、ならびに必要に応じて離型剤、可塑剤、結着剤、荷電制御剤、架橋剤などのトナーとして一般的な成分、さらにその他の添加剤(例えば重合反応で生成する重合体の粘度を低下させるために入れる有機溶媒、分散剤等)を適宜加えて、これをホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機等の分散機によって均一に溶解または分散せしめた単量体系組成物を得る。
得られた単量体系組成物を、分散安定剤を含有する水系媒体中に懸濁する。このとき、懸濁粒子のサイズを、高速撹拌機もしくは超音波分散機のような高速分散機を使用することで速やかに所望のサイズとすると、得られるトナー粒子の粒径をシャープにすることができる。懸濁粒子造粒後は、通常の撹拌機を用いて、粒子状態が維持されかつ粒子の浮遊・沈降が防止される程度の撹拌を行なえば良い。
重合開始剤は、重合性単量体中に他の添加剤を添加するときに同時に添加されても良く、単量体系組成物を水系媒体中に懸濁させる直前に添加されても良い。または懸濁粒子造粒後であって重合反応を開始する前に、重合性単量体あるいは溶媒に溶解されて添加されることもできる。
さらに、前記重合法によるトナーの製造において、重合性単量体系組成物に架橋剤を添加しても良く、好ましい添加量は重合性単量体の0.001乃至15質量%である。
前記重合工程における重合反応温度は、通常は40℃以上であり、好ましくは50乃至90℃に設定される。この範囲の温度で重合反応を行なうと、内部に封じられるべき離型剤が相分離により析出するため内包化がより完全となる。残存する重合性単量体を消費するために、重合反応終期ならば、反応温度を90乃至150℃にまで上げることは可能である。
本発明においては、磁性トナーの形状及び表面平滑性を制御するために、得られたトナー粒子を含む重合体分散液に温度100℃以上の飽和水蒸気を導入することで調整することが好ましい。
重合反応終了後、得られた粒子を公知の方法を用いて濾過、洗浄、乾燥することにより、本発明のトナーを得ることができる。また、必要により分級工程を行い、粗粉や微粉をカットすることも可能である。
さらに重合法により得られた粒子(トナー)は、外部添加剤と混合されることにより、外部添加剤を外添されることができる。この外添は通常の方法を用いて実施することができる。用いられる外部添加剤の量は、トナー100質量部に対して0.1乃至5質量部(好ましくは0.1乃至3質量部)であることが好ましい。
<7.本発明のトナーに使用される重合性単量体>
本発明の磁性トナーを重合法によって製造する場合に使用される重合性単量体としては、付加重合性のある炭素二重結合を有する化合物が挙げられる。例えば1)スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチレン、p−エチルスチレンの如きスチレン系単量体;2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル類;3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリル酸エステル類;4)アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどが挙げられる。
重合法により製造されるトナーの結着樹脂は、これらの単量体を単独でまたは複数種を混合して含む単量体組成物の重合体である。上述の単量体の中でも、スチレンまたはスチレン誘導体を単独で、あるいはほかの単量体と混合して使用することがトナーの現像特性及び耐久性の点から好ましい。
<8.本発明のトナーの製造方法・粉砕法>
本発明の磁性トナーを粉砕法で製造する場合には、熱的な表面改質工程を経ることが好ましい。
例えば、トナーとして必要な結着樹脂、磁性粉体及び、離型剤、荷電制御剤等他の添加剤をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機中で十分混合した後、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーのような熱混練機を用いて溶融混練して、均一に分散させる。溶融混練物を冷却固化し、その後、粗粉砕、微粉砕を行い、粉砕物を分級することによりトナー粒子を得ることができる。
本発明においては、瞬間的にトナー粒子表面に熱風を吹き付け、直後に冷風によってトナー粒子を冷却する装置を用いて磁性トナー粒子の形状及び表面改質を行うことが好ましい。この表面改質工程を経ることにより、粉砕法による製造においても平均円形度が高く、流動性の高い本発明のトナーを得る事が可能になる。さらに、後述するメタノール/水混合溶媒に対するトナー濡れ性の範囲を得ることが容易になる。このような手法はトナー粒子に過度の熱を加えることがないので、原材料成分の変質を防ぎつつトナー粒子の表面改質を行うことができる。また、トナー粒子同士が過度に合一して表面改質前のトナー粒径から大きく変動してしまうことがないので、トナー生産工程においても表面改質後のトナーの物性を制御しやすい。表面改質工程の後、必要に応じ所望の添加剤をヘンシェルミキサーの如き混合機により十分混合し、本発明に係る磁性トナーを製造することが出来る。
トナー粒子の熱的な表面改質には例えば図5に示すような表面改質装置を用いることができる。トナー粒子1はオートフィーダー2で供給ノズル3を通じて、一定量で表面改質装置内部4に供給される。表面改質装置内部4はブロワー8で吸引されているので、供給ノズル3から導入されたトナー粒子1は機内に分散する。機内に分散されたトナー粒子1は、熱風導入口5から導入される熱風で、瞬間的に熱が加えられて表面改質される。本発明ではヒーターにより熱風を発生させているが、トナー粒子の表面改質に十分な熱風を発生させられるものであれば装置は特に限定されない。表面改質されたトナー粒子7は、冷風導入口6から導入される冷風で瞬時に冷却される。本発明では冷風には液体窒素を用いているが、表面改質されたトナー粒子7を瞬時に冷却することができれば、手段は特に限定されない。表面改質されたトナー粒子7はブロワー9で吸引されて、サイクロン8で捕集される。
このような装置としては、例えばメテオレインボー(日本ニューマチック工業社製)が挙げられる。
本発明においては、乾式法により製造されたトナー粒子のメタノール/水混合溶媒に対する濡れ性を780nmの波長光の透過率で測定した場合、透過率が50%のときのメタノール濃度(TA)が60体積%以上80体積%以下の範囲内であることが好ましい態様の一つである。本発明におけるメタノール/水混合溶媒に対するトナー濡れ性は、トナーの耐久性を知る指標の一つとして用いることが出来る。その理由については明確ではないが、トナー粒子の表層部への離型剤(ワックス)の染み出し量、および外添剤として用いた無機微粒子の添加量、トナー粒子及び無機微粒子の親水性の複合要因によるものと思われる。
本発明のトナーにおいて、透過率が50%のときのメタノール濃度が60体積%未満である場合には、トナー粒子の表層に親水性物質が多く存在している比較的濡れ易いトナーであり、空気中の水分の影響を受けやすいため、高湿環境下での帯電性が低下しやすくなる。さらに流動性も低下するので、トナー担持体へのトナー供給が不安定になり易い。特に高速度プリンターに用いた場合には、その傾向が顕著になる。
逆に、透過率が50%のときのメタノール濃度が80体積%を超える場合には、撥水性が高すぎるため、本発明のようなトナー規制部材による規制力が十分に高い場合には、チャージアップ現象によるトナー担持体のコート均一性の悪化や画像濃度薄、カブリ等の問題が深刻なものとなる。
上記のトナー濡れ性の範囲を達成するためには離型剤を含有することが好ましく、用いる離型剤の種類や量により調整することができる。さらには、トナー製造工程において熱による表面処理を行うことが好ましく、温度や処理量などの条件を調整することによって任意に変えることができる。
本発明においては、トナーのメタノール/水混合溶媒に対する濡れ性は、下記のようにして得たメタノール滴下透過率曲線から求める。
まず、メタノール40体積%と水60体積%とからなる含水メタノール液70mlを、直径5cm、厚さ1.75mmの円筒型ガラス容器中に入れ、その測定用サンプル中の気泡等を除去するために超音波分散器で5分間分散を行う。
次いで、トナーを目開き150μmのメッシュで振るい、メッシュを通ったトナー0.1gを精秤して、上記含水メタノール液が入れられた容器の中に添加し、測定用サンプル液を調製する。
そして、測定用サンプル液を粉体濡れ性試験機「WET−100P」(レスカ社製)にセットする。この測定用サンプル液を、マグネティックスターラーを用いて、6.7s−1(400rpm)の速度で攪拌する。尚、マグネティックスターラーの回転子として、フッ素樹脂コーティングされた、長さ25mm、最大胴径8mmの紡錘型回転子を用いる。
次に、この測定用サンプル液中に、上記装置を通して、メタノールを1.3ml/minの滴下速度で連続的に添加しながら波長780nmの光で透過率を測定し、図6に示したようなメタノール滴下透過率曲線を作成する。
<9.本発明の磁性トナーに使用される結着樹脂>
本発明の磁性トナーに含まれる結着樹脂としては、公知の樹脂が使用できる。
本発明に用いられるポリエステル樹脂の組成は以下の通りである。
2価のアルコール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、また(A)式で表わされるビスフェノール及びその誘導体;
Figure 2008304728
(式中Rはエチレンまたはプロピレン基であり、x,yはそれぞれ0以上の整数であり、かつ、x+yの平均値は0乃至10である。)
また(B)式で示されるジオール類;
Figure 2008304728
2価の酸成分としては、例えばフタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フタル酸などのベンゼンジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;こはく酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸などのアルキルジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;n−ドデセニルコハク酸、n−ドデシルコハク酸などのアルケニルコハク酸類もしくはアルキルコハク酸類、又はその無水物、低級アルキルエステル;フマル酸、マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸などの不飽和ジカルボン酸類又はその無水物、低級アルキルエステル;等のジカルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。
また架橋成分として働く3価以上のアルコール成分や3価以上の酸成分を単独で使用するか、もしくは併用することが好ましい。
3価以上の多価アルコール成分としては、例えばソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン等が挙げられる。
他の2価アルコール類としては、例えば(1)エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオ−ル、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の炭素数2乃至12のアルキレングリコール;(2)ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のアルキレンエ−テルグリコール類;(3)1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の炭素数6乃至30の脂環式ジオール;および(4)ビスフェノールA、ビスフェノールF,ビスフェノールS等のビスフェノール類;並びに、(5)上記ビスフェノール類のアルキレンオキシド(EO、PO、ブチレンオキシド等)2乃至8モル付加物を挙げることができる。
他の3価以上のアルコール類の具体例としては、(1)ソルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等の炭素数3乃至20の脂肪族多価アルコール;(2)1,3,5−トリヒドロキシルメチルベンゼン等の炭素数6乃至20の芳香族多価アルコール;並びにこれらのアルキレンオキサイド付加物を挙げることができる。
また、本発明における三価以上の多価カルボン酸成分としては、例えばピロメリット酸、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシプロパン、テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸、エンポール三量体酸、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル;次式
Figure 2008304728
(式中Xは炭素数3以上の側鎖を1個以上有する炭素数5乃至30のアルキレン基又はアルケニレン基)で表わされるテトラカルボン酸等、及びこれらの無水物、低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類及びその誘導体が挙げられる。なかでも、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸およびこれらの無水物、低級アルキルエステルが好ましい。
本発明に用いられるアルコール成分としては40乃至60mol%、好ましくは45乃至55mol%、酸成分としては60乃至40mol%、好ましくは55乃至45mol%であることが好ましい。また三価以上の多価の成分は、全成分中の5乃至60mol%であることが好ましい。
該ポリエステル樹脂は、通常一般に知られている縮重合によって得られる。ポリエステル樹脂の重合反応は通常触媒の存在下150乃至300℃、好ましくは170乃至280℃程度の温度条件下で行われる。また反応は常圧下、減圧下、もしくは加圧下で行うことができる。
上記触媒としては、通常ポリエステル化に用いられる触媒、例えばスズ、チタン、アンチモン、マンガン、ニッケル、亜鉛、鉛、鉄、マグネシウム、カルシウム、ゲルマニウム等の金属;およびこれら金属含有化合物(ジブチルスズオキサイド、オルソジブチルチタネート、テトラブチルチタネート、酢酸亜鉛、酢酸鉛、酢酸コバルト、酢酸ナトリウム、三酸化アンチモンなど)が挙げられる。
その他の本発明に用いることができる結着樹脂の種類としては、スチレン系樹脂、スチレン系共重合樹脂、ポリオール樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、クマロンインデン樹脂又は石油系樹脂が挙げられる。
スチレン系共重合体のスチレンモノマーに対するコモノマーとしては、ビニルトルエンの如きスチレン誘導体;アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸フェニルの如きアクリル酸エステル;メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチルの如きメタクリル酸エステル;マレイン酸;マレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、マレイン酸ジメチルの如き二重結合を有するジカルボン酸エステル;アクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン;塩化ビニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニルの如きビニルエステル;エチレン、プロピレン、ブチレンの如きエチレン系オレフィン;ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトンの如きビニルケトン;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテルの如きビニルエーテルが挙げられる。これらのビニル系単量体が単独もしくは2つ以上用いられる。
<10.本発明の磁性トナーに含まれる離型剤>
本発明の磁性トナーは離型剤を含有することが好ましい。前記離型剤としては公知のものを使用することができ、例えば1)パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラクタム等の石油系ワックス及びその誘導体、2)モンタンワックス及びその誘導体、3)フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体、4)ポリエチレンに代表されるポリオレフィンワックス及びその誘導体、5)カルナバワックス、キャンデリラワックス等天然ワックス及びその誘導体などが挙げられる。ここで誘導体とは、酸化物、エステル化物、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト変性物を含む。
前記離型剤としては、さらに高級脂肪族アルコール、ステアリン酸、パルミチン酸等の脂肪酸、あるいはその化合物、酸アミドワックス、エステルワックス、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘導体、植物系ワックス、動物性ワックスなどを使用することもできる。
本発明のトナーは、結着樹脂100質量部に対して離型剤を3乃至30質量部含有することが好ましく、3乃至20質量部含有することがより好ましい。含有量が3質量部未満では、離型剤としての添加効果が十分に得られない。一方、含有量が30質量部を超えてしまうと、長期間の保存性が悪化すると共に、離型剤や着色剤等のトナー材料の分散性が悪くなり、カブリの増大につながる。
<11.本発明のトナーに含まれるその他の任意成分>
本発明の磁性トナーは結着樹脂、磁性粉体、好ましくは離型剤をさらに含むが、その他の任意成分をも含むことができる。該任意成分としては、例えば荷電制御剤、結着樹脂以外の樹脂、外部添加剤などが挙げられる。
荷電制御剤はトナーの荷電特性を安定化させることができる。荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、特に帯電スピードが速く、かつ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。また、後述するようにトナーを直接重合法によって製造する場合には、重合阻害性が低く、水系分散媒体への可溶化物が実質的にない荷電制御剤が特に好ましい。
具体的な化合物としては、ネガ系荷電制御剤としてサリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の如き芳香族カルボン酸の金属化合物、アゾ染料もしくはアゾ顔料の金属塩または金属錯体、スルホン酸又はカルボン酸基を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、尿素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンが挙げられる。ポジ系荷電制御剤として四級アンモニウム塩、その四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン化合物、ニグロシン系化合物、イミダゾール化合物が挙げられる。これらの荷電制御剤は、重合性単量体100質量部に対して0.5乃至10質量部使用することが好ましい。なお、本発明のトナーは必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
本発明のトナーは、結着樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。例えば、極性官能基を含む樹脂を含有することができる。重合法によるトナーの製造においては、該樹脂を含ませることにより前記離型剤を相分離させることができ、より離型剤の内包化が強力となる。従って、耐オフセット性、耐ブロッキング性、低温定着性の良好なトナーを得ることができる。
ここで極性官能基を含む樹脂とは、アミノ基、カルボン酸基、水酸基、スルホン酸基、グリシジル基、ニトリル基の如き親水性官能基を含む付加重合性単量体とスチレンもしくはエチレン等ビニル化合物とのランダム共重合体、ブロック共重合体、もしくはグラフト共重合体の如き共重合体が挙げられる。また、ポリエステル、ポリアミドの如き重縮合体、またはポリエーテル、ポリイミンの如き重付加重合体などが挙げられる。
これら極性官能基を含む樹脂の平均分子量は2000以上であることが好ましく、3000以上であることがより好ましい。該分子量が3000未満(特に2000未満)であると、後述する重合法によりトナーを製造した場合に、極性官能基を含む樹脂が表面付近に集中し易いことから、トナーの現像性、耐ブロッキング性などに悪い影響が起こり易くなり好ましくない。
本発明のトナーにおける親水性官能基を含む樹脂の含有量は、結着樹脂100質量部に対して、1乃至20質量部であることが好ましい。該含有量が1質量部未満では添加効果が小さく、一方該含有量が20質量部を超えると、後述する重合法によりトナーを製造する場合に、種々の物性設計が難しくなってしまう。
さらに本発明のトナーは、結着樹脂の分子量範囲とは異なる分子量の樹脂を含有することもできる。このような分子量の樹脂を含ませることで、分子量分布が広く、耐オフセット性が高いトナーを得ることができる。
本発明の磁性トナーは、上述したトナー粒子に、トナーの種類に応じた種々の材料を外添して用いられる。外添される材料としては、例えば流動性向上剤として作用しうる無機微粉体または疎水性無機微粉体、トナーの帯電性を調整するための導電性微粉体、及びその他の添加剤が挙げられる。本発明のトナーにおける外部添加剤の量は、トナー100質量部に対して0.1乃至5質量部(好ましくは0.1乃至3質量部)であることが好ましい。
流動性向上剤としての無機微粉体または疎水性無機微粉体としては、酸化チタン微粉体、シリカ微粉体、アルミナ微粉体が好ましく例示され、特にシリカ微粉体が好ましい。特に、BET法で測定した窒素吸着による比表面積が30m2/g以上、特に50乃至400m2/gである無機微粉体が、流動性向上の点から好ましい。
本発明では、上記シリカ微粉体は、疎水化処理されていることが好ましい。また上記シリカ微粉体は、メタノール滴定試験によって測定される疎水化度が30乃至80度の範囲の値を示すようにシリカ微粉体を処理したものが、トナーの濡れ性を制御する上で特に好ましい。なお上記疎水化度は、水中で攪拌されている所定量のシリカ微粉末にメタノールを滴下し、シリカ微粉体の沈降終了時におけるメタノール及び水の液状混合物中におけるメタノールの百分率として表される。シリカ微粉体の疎水化方法としては、例えばシリカ微粉体と反応し、又はシリカ微粒末に物理吸着する有機ケイ素化合物やシリコーンオイルでシリカ微粒子を化学的に処理する方法が挙げられる。より好ましくは、有機ケイ素化合物による疎水化処理である。ここで、上記有機ケイ素化合物としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチルクロルシラン、ブロムメチルジメチルクロルシラン、α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチルトリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビルテトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラメチルジシロキサン、及び1分子当り2から12個のシロキサン単位を有し末端に位置する単位においてSiに結合する水酸基を有するジメチルポリシロキサン等が挙げられる。これらは一種あるいは二種以上の混合物で用いられる。
シリカ微粉体の疎水化処理においては、上記有機ケイ素化合物の中でもさらに窒素原子を有するシランカップリング剤の一種又は二種以上を用いることが可能である。このような含窒素シランカップリング剤としては、例えばアミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメチルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシシリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシリル−γ−プロピルベンジルアミン等が挙げられる。
なお本発明において、好ましいシランカップリング剤としてはヘキサメチルジシラザン(HMDS)が挙げられる。
またシリカ微粉体の疎水化処理で好ましく使用されるシリコーンオイルとしては、25℃における粘度が0.5乃至10000センチストークスであることが好ましく、1乃至1000センチストークスであることがより好ましく、10乃至200センチストークスであることがより一層好ましい。また、特に好ましいシリコーンオイルとしては、例えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリコーンオイルが挙げられる。
シリコーンオイルを用いるシリカ微粉体の表面疎水化処理の方法としては、例えばシランカップリング剤で処理されたシリカ微粉体とシリコーンオイルとをヘンシェルミキサーの如き混合機を用いて直接混合する方法;ベースとなるシリカ微粉体にシリコーンオイルを噴霧する方法;適当な溶剤にシリコーンオイルを溶解又は分散せしめた後、シリカ微粉体を加え混合し溶剤を除去する方法;が挙げられる。
シリコーンオイルによってシリカ微粉体の表面疎水化処理を行う場合では、シリコーンオイルの処理後にシリカ微粉体を不活性ガス中で200℃以上(より好ましくは250℃以上)に加熱し、表面のコートを安定化させることがより好ましい。
本発明においては、シリカ微粉体の表面疎水化処理に、前述したシランカップリング剤及びシリコーンオイルの両方を用いることが可能であり、このような表面疎水化処理方法としては、シリカ微粉体を予めシランカップリング剤で処理した後にシリコーンオイルで処理する方法、又はシリカ微粉体をシランカップリング剤とシリコーンオイルで同時に処理する方法等が挙げられる。
本発明の磁性トナーには、必要に応じて流動性向上剤以外の外部添加剤を添加してもよい。例えば、圧縮度を調整する等の目的で、一次粒径が30nmを超える(好ましくは比表面積が50m2/g未満)微粒子、より好ましくは一次粒径が50nm以上(好ましくは比表面積が30m2/g未満)で球状に近い無機微粒子または有機微粒子をさらに添加することも好ましい形態の一つである。例えば球状のシリカ粒子、球状のポリメチルシルセスキオキサン粒子、球状の樹脂粒子を用いるのが好ましい。
このような粒子を添加することで、磁性トナーの圧縮度及び粉体流動性測定装置で測定されるTotal Energyを適正化することが行いやすくなり、好ましいものである。
更に他の添加剤、例えばポリフッ化エチレン粉末、ステアリン酸亜鉛粉末、ポリフッ化ビニリデン粉末の如き滑剤粉末;または酸化セリウム粉末、炭化硅素粉末、チタン酸ストロンチウム粉末の如き研磨剤;ケーキング防止剤;または例えばカーボンブラック粉末、酸化亜鉛粉末、酸化スズ粉末の如き導電性付与剤;また、逆極性の有機微粒子、及び無機微粒子を現像性向上剤として少量加えることもできる。これらの添加剤も、その表面を疎水化処理して用いることも可能である。
<12.本発明の現像装置>
本発明の現像装置について説明する。本発明の一実施形態に係る現像装置について、これを備えた電子写真画像形成装置を例示して説明する。まず、画像形成装置の全体構成について説明し、次に現像装置の構成について、その後磁極配置について説明する。
{装置全体構成}
図7は画像形成装置の全体模式説明図である。この画像形成装置はプリンタエンジンとしての画像形成装置本体(以下単に「装置本体」という)101を備えている。
装置本体101の内側には、像担持体としてドラム型の電子写真感光体(以下「感光体ドラム」という)を備えている。感光体ドラム111は、軸を中心に図7中の矢印R1方向に所定のプロセススピード(周速度)で回転駆動される。
感光体ドラム111は、その表面が帯電装置としての帯電ローラ103によって帯電される。帯電ローラ103は、感光体ドラム111表面に接触配置されており、感光体ドラム111の矢印R1方向の回転に伴って従動回転する。帯電ローラ103には、帯電バイアス印加電源(不図示)によって、例えば交流電圧と直流電圧とが重畳された帯電バイアスが印加される。これにより、感光体ドラム111表面が所定の極性、所定の電位に均一に帯電される。
帯電後の感光体ドラム111表面は、露光装置102によって静電潜像が形成される。露光装置102は図示しないレーザスキャナ、ポリゴンミラー、反射レンズ等を有しており、画像情報に基づいたレーザ光を感光体ドラム111表面に照射して照射部分の電荷を除去し、静電潜像を形成するものである。
こうして感光体ドラム111表面に形成された静電潜像は、本発明に係る現像装置8によってトナーが付着され、トナー像として現像される。なお、現像装置8については、後に詳述する。
感光体ドラム111表面に形成されたトナー像は、転写装置としての転写ローラ110によって転写材114上に転写される。転写ローラ110は感光体ドラム111表面に圧接されて転写ニップ部を構成し、感光体ドラム111の回転に伴って従動回転する。この転写ニップ部によって転写材114を狭持搬送する。この転写材114は、給送カセット117に収納され給送ローラ116やレジストローラ(不図示)等によって感光体ドラム111上のトナー像と同期をとって転写ニップ部に供給されたものである。転写材114の狭持搬送と同時に、転写ローラ110に、転写バイアス印加電源(不図示)によって感光体ドラム111上のトナー像と逆極性の転写バイアスが印加され、これにより、感光体ドラム111上のトナー像が転写材114上に転写される。
感光体ドラム111は、転写材114に対するトナー像の転写後に表面に残ったトナーがクリーニング装置112のクリーニングブレード113によって除去され、次の画像形成に供される。
一方、トナー像転写後の転写材114は、定着装置115に搬送され、加熱、加圧を受けて、表面のトナー像が定着され、トナー像定着後の転写材114は装置本体101外部に排出されて画像形成が完了する。
{現像装置}
次に感光体ドラム111に形成した潜像をトナー現像する現像装置8の構成について説明する。
図8は第1実施形態に係る磁性一成分トナーを用いた現像装置の縦断面説明図であり、内部にトナーを収納するトナー収納部104とトナーを感光体ドラム111へ供給する現像部108を備えている。図8に示すように、本発明の現像装置は、トナー収納部104は現像部108よりも下方に底面を有し、トナー収納部104から現像部108にトナーを汲み上げて供給する構成であることを特徴とする。現像部108は、前側の下部に開口108aを有し、ここにトナー担持体としての現像スリーブ105が配設されている。なお、以下の説明では、現像装置8における感光体ドラム111に対向する側(図8中の左側)を前側、また、感光体ドラム111から遠い側を後側(図8中の右側)というものとする。
現像スリーブ105は、アルミニウムやステンレススチールのパイプによって形成された非磁性スリーブであり、現像部108によって矢印R2方向に回転自在に支持されている。現像スリーブ105は、その長手方向(軸方向)の両端部にコロ209が固定されており(不図示)、これらのコロ209を感光体ドラム111に当接させることにより、感光体ドラム111表面との間に所定のギャップ(間隙)を確保するようにしている。現像スリーブ105の表面は、所望量のトナーを担持し搬送することができるように、適切な表面粗さに加工されている。また、現像スリーブ105の内側には磁界発生手段(マグネット)106が配設されている。
マグネット106は、円筒状に形成されており、その周方向にN極とS極が交互に複数個(4極以上)形成されている。マグネット106は、現像スリーブ105が矢印R2方向に回転するのとは異なり、現像スリーブ105の内側に固定的(不動)に配設されている。複数個の磁極のうち、法線方向磁束密度分布のピーク位置が最も前記開口部近くに有する取り込み極の法線方向磁束密度は30mT以上50mT以下に設定されている。
上述の現像スリーブ105表面には、トナー規制部材としての弾性ブレード107aが当接されている。弾性ブレード107aは、例えばウレタンゴムやシリコーンゴム等によってトナー板状に形成されたものであり、その基端部が支持板金107bに固定されるとともに、その先端部を現像スリーブ105表面に所定の圧力で当接させて弾性変形している。弾性ブレード107aは、上述のマグネット106の磁力によって現像スリーブ105表面に引き付けられたトナー109の厚層を規制するものである。
現像スリーブ105表面に担持されたトナーは、現像スリーブ105の矢印R2方向の回転によって搬送されることによるトナー相互の摩擦帯電及び弾性ブレード107aによってトナー層厚が規制される際の現像スリーブ105と弾性ブレード107a間での摺擦による摩擦帯電により、適切な電荷が付与され、さらに感光体ドラム111表面に対向する現像領域へと搬送されていく。このとき、現像スリーブ105には、交流電源と直流電源によって、交流と直流とが重畳された現像バイアスが印加される。これにより、現像スリーブ105上のトナーが現像領域において感光体ドラム111に飛翔して静電的に静電潜像に付着され、静電潜像をトナー像として現像するものである。
トナー搬送部材7はトナー収納部104内のトナーをほぐし、かつ、現像部108にトナーを搬送する送り手段としてトナー収納部104内に配置されている。
次に、上記構成の現像部108でのトナーの循環について図9を用いて説明する。図9は、現像部108内におけるトナーの循環を矢印で表している。トナー収納部104から現像部108に取り込まれたトナーは、狭い現像部108内の小さな循環に寄与しているが、点Aと点Dの間付近において、自重によってトナー収納部内に落下するトナーT2と、取り込み磁極によって再び取り込まれて現像部内の循環に寄与するトナーT1とに分かれるような循環をしている。使用されたマグネット106における取り込み極の法線方向磁束密度分布のピーク位置をS2に示す。
本発明においては、取り込み極の法線方向磁束密度を30mT以上50mT以下に設定し、先述したような、粒子間凝集力が低く飽和磁化の高いトナーを用いることによって、上述した現像部内における循環が理想的なものとなり、帯電の立ち上がりが促進されると考えられる。取り込み極の法線方向磁束密度が30mT未満の場合は、取り込まれて現像部内の循環に寄与するトナーT1の量が不足するため、現像部内での循環に寄与する時間が短くなり、初期濃度の立ち上がりが悪化してしまう。
一方、取り込み極の法線方向磁束密度が50mTを超えると、本発明のような飽和磁化の高いトナーを使用する場合においては、磁気凝集によりトナーの流動性が著しく低下し、トナー劣化が著しくなる。そのため、現像性が低下して画像濃度の低下やカブリの悪化が生じる。
[磁極の配置]
次に、現像スリーブの内側に配設されたマグネット上に形成されている複数の磁極について、図10に示す現像装置4を参照して説明する。
現像装置4において、マグネットロール44は、例えば周方向に磁極N1、N2、S1、S2の4つの磁極を有する。磁極S1は、感光ドラム1と現像スリーブ43との対向する現像領域D側に設けられ、現像領域におけるトナーTのカブリを防止する。磁極N2は容器41内の下部側に設けられ、トナーTの飛散を防止する。又、磁極S2は容器41の中程に設けられ、磁極N1は現像ブレード45の現像スリーブ43への当接位置Pの最近接位置に配置されている。これら磁極N1、S2により、現像スリーブ43側へのトナーTの汲み上げ、搬送などが行われる。即ち、トナー取り込み極である磁極S2の磁力により現像スリーブ43に引き付けられたトナーTは、現像スリーブ43と現像ブレード45との当接位置Pから最も近いカット極であるN1の磁力の及ぶ範囲まで現像スリーブ43上を搬送される。そして、現像スリーブ43上のトナーTは、現像ブレード45によって適量に規制されてトナー層とされた後に現像領域Dへと搬送される。トナーTは、当接部Pへ搬送される間に現像スリーブ43と摺擦されることにより、又、現像スリーブ43と現像ブレード45との間で摺擦されることにより、摩擦帯電で適切な電荷が与えられた状態で現像領域Dに搬送される。
本発明においては、トナー担持体43と規制部材45との当接部に最も近いカット極は、トナー担持体の回転中心を基準として、当接部の現像剤担持体の表面移動方向(回転方向)上流側端部から回転方向上流側及び下流側に20°以内の位置に配置される構成であることを特徴とする。
つまり、トナー担持体43の回転軸中心と、当接部Pの現像スリーブ43の回転方向上流側端部とを結ぶ直線L1と、現像スリーブ43の回転中心と、当接部Pの最近接位置に存在するカット極の法線方向磁束密度のピーク位置とを結ぶ直線L2とのなす角度(本実施例では、当接部Pと磁極N1の位置とのなす角度)をθとして、現像スリーブ43の表面移動方向(回転方向)を正の方向として、直線L1を基準(0°)とする時、−20°≦θ≦20°の関係を満たす構成とする。
このように、カット極の磁束密度のピークと当接点Pとのなす角度θを、−20°≦θ≦20°とすることによって、当接点Pの近傍においてマグネットロール44の発生する磁界によりトナーが拘束され、この現像ブレード45と現像スリーブ43との当接点Pにトナーが詰まり易くなる。このため、当接点Pにおけるトナーの擦り抜けを抑止し易くなる。従って、平均円形度0.950以上の球形トナーに対しても、現像スリーブ43上のトナーコート量を適正化し、現像スリーブ43上のトナー層をより一層均一に帯電させることができる。このため、現像スリーブ43上のトナーコートむらを抑制し、高温高湿環境下においてもカブリ、濃度薄などの画像不良を防ぐことが可能となる。
以下、本発明を製造例及び実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。尚、以下の配合における部数は全て質量部である。
<磁性粉体の製造例1>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対してl.0乃至1.1当量の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対しリン元素換算で1.5質量%のヘキサメタ燐酸ソーダ、鉄元素に対して珪素元素換算で1.5質量%の珪酸ソーダを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。この水溶液をpH9に維持しながら、空気を吹き込み、80乃至90℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(苛性ソーダのナトリウム成分)に対し0.9乃至1.2当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた後、スラリー液をpH8に維持して、空気を吹込みながら酸化反応を進め、磁性酸化鉄を含むスラリー液を得た。スラリー液を濾過、洗浄した後、この含水スラリー液を一旦取り出した。この時、含水サンプルを少量採取し、含水量を計っておいた。次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に投入し、攪拌すると共にスラリーを循環させながらピンミルにて十分に再分散させ、再分散液のpHを約4.5に調整し、十分攪拌しながらn−ヘキシルトリメトキシシランカップリング剤を磁性酸化鉄に対し2.0部(磁性酸化鉄の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加し、加水分解を行った。その後、攪拌を十分行うと共にスラリーを循環させながらピンミルにて分散を行い、分散液のpHを約10に調整して縮合反応を行い、カップリング処理を行った。
生成した疎水性磁性粉体を常法により洗浄、ろ過、乾燥し、得られた粒子を解砕処理して体積平均粒径が0.18μmの磁性粉体1を得た。得られた磁性粉体1の磁場79.6kA/mにおける飽和磁化は69Am2/kg、残留磁化は3.4Am2/kgであった。
<磁性粉体の製造例2>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄元素に対して1.0乃至1.1当量の苛性ソーダ溶液、鉄元素に対しリン元素換算で1.0質量%のヘキサメタリン酸ソーダ、鉄元素に対しケイ素元素換算で1.0質量%のケイ酸ソーダを混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液のpHを13前後に維持しながら空気を吹き込み、80乃至90℃で酸化反応を行い、酸化反応後に生成した磁性酸化鉄粒子を洗浄、濾過して一旦取り出した。この時、含水サンプルを少量採取し、含水量を計っておいた。次に、この含水サンプルを乾燥せずに別の水系媒体中に再分散させた後、再分散液のpHを約6に調整し、十分攪拌しながらシランカップリング剤(n−C1021Si(OCH33)を磁性酸化鉄に対し1.5質量部(磁性粒子の量は含水サンプルから含水量を引いた値として計算した)添加し、カップリング処理を行った。
生成した疎水性磁性粒子を常法により洗浄、濾過、乾燥し、次いで若干凝集している粒子を解砕処理して、平均粒径が0.20μmの磁性粉体2を得た。得られた磁性粉体2の磁場79.6kA/mにおける飽和磁化は67Am2/kg、残留磁化は7.1Am2/kgであった。
<磁性トナーAの製造>
イオン交換水709部に0.1mol/L−Na3PO4水溶液451部を投入し60℃に加温した後、1.0mol/L−CaCl2水溶液67.7部を徐々に添加してCa3(PO42を含む水系媒体(A)を得た。
一方、下記の処方をアトライター(三井三池化工機(株))を用いて均一に分散混合した。
スチレン 78部
n−ブチルアクリレート 22部
飽和ポリエステル樹脂(酸価8、Mp12000) 5部
アゾ染料の鉄錯体:T−77(保土ヶ谷化学社製) 1部
磁性粉体1 100部
ジビニルベンゼン 0.5部
この単量体組成物を60℃に加温し、そこにベヘン酸ベヘニルを主体とするエステルワックス(mp.70℃)15部を混合溶解し、これに重合開始剤ブチルパーオキサイド3部を溶解して重合性単量体組成物を得た。
前記水系媒体中に上記重合性単量体系を投入し、60℃,N2雰囲気下においてTK式ホモミキサー(特殊機化工業(株))にて10,000rpmで15分間撹拌し、造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ、80℃で8時間重合反応させた。重合反応終了後、加熱を停止し、1時間当たり75部の飽和水蒸気(スチーム圧力205kPa:温度120℃)を内容物中に直接導入した。飽和水蒸気の導入を開始してから10分後、容器内の内容物の温度は100℃に達した。重合用容器内温度が100℃に達した3時間後、懸濁液を冷却し、塩酸を加えてCa3(PO42を溶解し、濾過、水洗、乾燥してトナー粒子を得た。
このトナー粒子100部と、ヘキサメチルジシラザン処理した後シリコーンオイルで処理した、処理後のBET比表面積が200m2/gの疎水性シリカ微粉体1.0部、及び表1に示す外添剤2を0.5部と外添剤4を0.2部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合して、磁性トナーAを調製した。磁性トナーAの物性を表3に示す。
<磁性トナーB及びCの製造>
磁性トナーAの製造において、重合反応終了後、系内に飽和水蒸気を導入する時間を1時間及び5時間に変更した以外は同様にして磁性トナーB及びCを得た。磁性トナーB及びCの物性を表3に示す。
<磁性トナーD及びEの製造>
磁性トナーAの製造例において、磁性トナー母体に添加する無機または有機微粉体の種類を表2に示すとおりに変更した以外は上記磁性トナーAの製造と同様にして、磁性トナーD及びEを得た。磁性トナーD及びEの物性を表3に示す。
<磁性トナーFの製造>
Ca3(PO42を含む水系媒体(A)を調製するにあたり、0.1mol/L−Na3PO4水溶液の添加量を600部に、1.0mol/L−CaCl2水溶液の添加量を90部に変更すること以外は上記磁性トナーAの製造と同様にして、磁性トナーFを得た。磁性トナーFの物性を表3に示す。
<磁性トナーGの製造>
磁性粉体1を磁性粉体2に変更すること以外は上記磁性トナーAの製造と同様にして、磁性トナーGを得た。磁性トナーGの物性を表3に示す。
<磁性トナーHの製造>
(プレポリマーの製造例)
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物630部、3モル付加物165部、イソフタル酸200部、テレフタル酸65部、及びジブチルチンオキサイド2部を投入し、常圧窒素気流下のもと、205℃で8時間縮合反応した。次いで10乃至15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続した後に80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート150部と2時間反応を行い、プレポリマーa(Mw=3500)を得た。
(ケチミン化合物の製造例)
撹拌棒及び温度計の付いた反応槽中に、イソホロジアミン30部とメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃で5時間反応し、ケチミン化合物(b)を得た。
(トナーの製造例)
ビーカー内にプレポリマー(a)14.3部、ビスフェノールA−テレフタル酸からなるポリエステル(Mp=10000、酸価=10)55部、酢酸エチル78.6部を入れ、撹拌溶解した。次いで別途、離型剤であるライスワックス10部、磁性粉体1を100部、酢酸エチルを100部ビーズミルに入れ30分間、分散した。2つの液を混合し、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で5分撹拌した後、ビーズミルで10分間分散処理した。これをトナー材料油性分散液(c)とする。
四つ口容器中にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ、TK式ホモミキサーで12,000rpmに撹拌しながら、この水分散液に上記トナー材料油性分散液(c)及びケチミン化合物(b)2.7部を加え、30分撹拌を続けながら反応させた。反応終了後、1時間当たり75部の飽和水蒸気(スチーム圧力205kPa:温度120℃)を内容物中に直接導入した。飽和水蒸気の導入を開始してから10分後、容器内の内容物の温度は100℃に達した。重合用容器内温度が100℃に達した3時間後、反応液を冷却し、濾別、洗浄、乾燥し、次いで風力分級し、球形状のトナー母体を得た。
このトナー粒子100部と、ヘキサメチルジシラザン処理した後シリコーンオイルで処理した、処理後のBET比表面積が200m2/gの疎水性シリカ微粉体1.0部、及び表1に示す外添剤2を0.5部と外添剤4を0.2部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合して、磁性トナーHを調製した。磁性トナーHの物性を表3に示す。
<磁性トナーIの製造>
(離型剤微粒子分散液1の調製)
脱塩水78.33部、ベヘン酸ベヘニルを主体とするエステルワックス(mp.70℃)20部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.7部を混合し、90℃にて高圧剪断をかけ乳化し、離型剤微粒子分散液1を得た。平均粒径は340nmであった。
(樹脂微粒子分散液1の調製)
反応器(高剪断撹拌装置付き、容積1リットルフラスコ)に、イオン交換水150部、非イオン性界面活性剤(三洋化成(株)製:ノニポール400)1.5部及びアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)3.5部を添加した。
次いで
・スチレン 71部
・nブチルアクリレート 29部
・アクリル酸 3部
・オクタンチオール 0.35部
・四臭化炭素 0.7部
以上を混合し、溶解したものを、反応器に添加し、ゆっくりと混合しながら、これに過硫酸アンモニウム5部を溶解したイオン交換水10部を10分間かけて滴下した。10分後、内容物を撹拌しながら内容物が75℃になるまでオイルバスで加熱し、1時間後さらに70℃に昇温して4時間窒素雰囲気下にて乳化重合を継続した。所定時間後、毎分2℃の降温速度にて室温になるまで冷却を行った。こうして、平均粒径が0.07μmである樹脂粒子を分散させてなる樹脂粒子分散液1を調製した。
(着色剤微粒子分散液1の調製)
・磁性粉体1 100部
・アニオン性界面活性剤 2部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
・イオン交換水 78部
以上を混合し、サンドグラインダーミルを用いて分散した。
(帯電制御微粒子分散液1の調製)
・アゾ染料の鉄錯体: 15部
(T−77、保土ヶ谷化学社製)
・アニオン性界面活性剤 2部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
・イオン交換水 78部
以上を混合し、サンドグラインダーミルを用いて分散した。この帯電制御微粒子分散液1における粒度分布を、粒度測定装置(堀場製作所製、LA−920)を用いて測定したところ、含まれる帯電制御粒子の平均粒径は、0.2μmであり、また1μmを超える粗大粒子は観察されなかった。
(トナー製造例)
・樹脂微粒子分散液1 360部
・着色剤微粒子分散液1 40部
・離型剤微粒子分散液1 70部
・帯電制御粒子分散液1 7部
・アニオン性界面活性剤 2部
(第一工業製薬(株)製:ネオゲンSC)
上記の各成分を用いて、以下の手順によりトナーを製造した。反応器(容積1リットルフラスコ、バッフル付きアンカー翼)に樹脂微粒子分散液1とアニオン性界面活性剤を仕込み、均一に混合してから着色剤微粒子分散液を添加し、均一に混合した。得られた混合分散液を撹拌しながら硫酸アルミニウム水溶液を固形分として0.6部、滴下した(凝集工程)。
滴下終了後、窒素を用いて系内を置換し、50℃にて1時間、さらに55℃にて1時間保持した。所定時間終了後、帯電制御微粒子分散液、離型剤微粒子分散液1、硫酸アルミニウム水溶液(固形分として0.6部)を添加してから60℃にて1時間、90℃にて30分保持した(熱融着工程)。所定時間終了後、1時間当たり75質量部の飽和水蒸気(スチーム圧力205kPa:温度120℃)を内容物中に直接導入した。飽和水蒸気の導入を開始してから10分後、容器内の内容物の温度は100℃に達した。重合用容器内温度が100℃に達した3時間後、反応液を冷却した。
更に、ろ別、洗浄、乾燥の後、分級によって粒子径を調整して磁性トナー粒子を得た。このトナー粒子100部と、ヘキサメチルジシラザン処理した後シリコーンオイルで処理した、処理後のBET比表面積が200m2/gの疎水性シリカ微粉体1.0部、及び表1に示す外添剤2を0.5部と外添剤4を0.2部とをヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株))で混合して、磁性トナーIを調製した。磁性トナーIの物性を表3に示す。
<磁性トナーJ乃至Nの製造>
磁性トナーAの製造において、表2に示すとおりに磁性粉体及び外添剤を変更し、さらにトナー粒径を変更した以外は上記磁性トナーAの製造と同様にして、磁性トナーJ乃至Nを得た。磁性トナーJ乃至Nの物性を表3に示す。
<磁性トナーOの製造>
スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体(質量比78/22)
(Mn =24300 Mw/Mn=3.0) 100部
飽和ポリエステル樹脂(酸価:8、Mp:12000) 5部
アゾ染料の鉄錯体:T−77(保土ヶ谷化学社製) 2部
磁性粉体1 100部
フィッシャートロプシュワックス(mp.105℃) 5部
上記材料をブレンダーにて混合し、110℃に加熱した2軸エクストルーダーで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕し、粗粉砕物をターボミル(ターボ工業社製;回転子および固定子の表面に炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティング(めっき厚150μm、表面硬さHV1050))で微粉砕し、得られた微粉砕物を風力分級して重量平均粒径7.8μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100部に磁性トナーAの製造と同様にして疎水性シリカ微粉体1.0部、及び表1に示す外添剤2を0.5部と外添剤4を0.2部とを外添し、磁性トナーOを調製した。得られた磁性トナーOの物性を表3に示す。
Figure 2008304728
Figure 2008304728
Figure 2008304728
<実施例1>
本実施例の画像形成装置及び現像装置の概略構成としては、図7及び図8乃至図10に示したものであり、市販のレーザープリンターLBP‐1210(キヤノン社製)を改造し用いた。
ここで、本実施例における現像装置8の構成部材の一例を、具体的な数値を挙げながら説明する。
現像スリーブ105は、直径12mmの非磁性アルミスリーブである。現像スリーブ105の表面は、トナーの搬送及びトリボ付与を行うために導電性粒子を含有する樹脂層でコートされており、表面粗さがJIS規格のRaで通常、平均0.4μm以上3.5μm以下となるように形成されている。本実施例では平均Ra1.6μmのものを用いた。さらに本実施例においては、現像スリーブは、感光ドラムに対し1.20倍の周速度で駆動されている。
マグネット106としては、その周方向にN極とS極とが交互に配置された4極のマグネットロールが使用され、現像スリーブ105内部に固定的に配置されている。なお、本実施例においては、図10に示すカット極の磁束密度のピークと当接点Pとのなす角度θ=10°とした。
弾性ブレード107aとしては、JIS規格硬度65°程度のシリコーンゴムを現像スリーブ105表面に対して当接力が約196mN/cm以上392mN/cm以下(約20gf/cm以上40gf/cm以下)(現像スリーブ105の長手方向についての1cm当たりの当接荷重)となるように当接されている。
感光体ドラム111としては、回転ドラム型の負極性OPC感光ドラムを用いた。この感光体ドラム111は矢印の時計方向に周速度80mm/sec(=プロセススピードPS、印字速度)の一定速度をもって回転駆動される。
現像スリーブ105に印加される現像バイアスは、例えば感光体ドラム111と現像スリーブ105とのギャップが300μm程度であった場合、直流電圧:VDC=−400Vと、交流電圧:矩形波Vpp=1500V、周波数2200Hzとを印加する。
なお、感光体ドラム111表面は、帯電ローラ103によって、暗電位VD=−530Vに帯電され、その後のレーザ露光により露光部の電位、つまり明部電位VL=−150Vとなるようにした。これにより、感光体ドラム111表面のうち明部電位VLの部分に、上述の負帯電性のトナーを付着させる、いわゆる反転現像を行った。
この条件において、本現像装置にトナーAを100g充填し、常温常湿環境下(23℃/60%RH)および高温高湿環境下(32.5℃/80%RH)において、8ポイントのA文字を用い印字率を2%とした画像にて間欠モードで2000枚の画出し試験を行った。なお、記録媒体としてはA4の75g/m2の紙を使用した。
その結果、両環境下にて耐久前後で非画像部へのカブリはなく、画像濃度が1.4以上であり、フェーディングやゴーストのない高精細な画像を得ることができた。常温常湿環境下での評価結果を表4に、高温高湿環境下での評価結果を表5に示す。
本発明の実施例、ならびに、比較例中に記載の評価項目とその判断基準について述べる。
(画像濃度)
画像濃度はベタ画像部を形成し、このベタ画像をマクベス反射濃度計(マクベス社製)にて測定を行った。
(カブリ)
カブリの測定は、東京電色社製のREFLECTMETER MODEL TC−6DSを使用して測定した。フィルターは、グリーンフィルターを用い、カブリは下記の式より算出した。
カブリ(反射率)(%)=標準紙上の反射率(%)−サンプル非画像部の反射率(%)
なお、カブリの判断基準は以下の通り。
A:非常に良好(1.5%未満)
B:良好(1.5%以上乃至2.5%未満)
C:普通(2.5%以上乃至4.0%未満)
D:悪い(4%以上)
(ゴースト)
ゴーストの判断基準は、図3に示す画像を出力し、以下の基準により目視で判断したものである。
A:ゴーストは発生していない。
B:軽微なゴーストが発生しているものの、良好な画像。
C:ゴーストは発生しているものの、実用的には問題の無い画質。
D:ゴーストが悪く、実用上好ましくない画像。
(フェーディング)
フェーディングの判断基準は、ベタ黒画像をプリントアウトして、図11に示したような画像上で帯状に発生した濃度薄の部分の濃度と正常画像部の濃度との差で評価した。
A:濃度薄発生部分が全く見られない。(濃度差が0.02未満)
B:軽微な濃度薄発生部分が見られる。(濃度差が0.02以上0.08未満)
C:濃度薄発生部分が見られるものの、実用画像では問題にならないレベル。(濃度差が 0.08以上0.20未満)
D:顕著な濃度差が見られ、実用画像でも問題とされるレベル。(濃度差が0.20以上
<実施例2乃至9>
トナーとして、トナーB乃至Iを使用し、実施例1と同様の条件で画出し試験を行った。その結果、初期の画像特性も問題なく、印字2000枚までいずれも大きな問題のない結果が得られた。常温常湿環境下での評価結果を表4に、高温高湿環境下での評価結果を表5に示す。
<比較例1乃至6>
トナーとして、トナーJ乃至Oを使用し、実施例1と同様の条件で画出し試験を行った。その結果、耐久試験と共に画像濃度が低下し、特に高温高湿環境下においてはフェーディングの悪化が著しかった。常温常湿環境下での評価結果を表4に、高温高湿環境下での評価結果を表5に示す。
Figure 2008304728
Figure 2008304728
<磁性トナーPの製造>
スチレン/n−ブチルアクリレート共重合体(質量比78/22)
(Mn =24300 Mw/Mn=3.0) 100部
飽和ポリエステル樹脂(酸価:8、Mp:12000) 5部
フィッシャートロプシュワックス(105℃) 5部
磁性粉体1 100部
アゾ染料の鉄錯体:T−77(保土ヶ谷化学社製) 2部
上記混合物をヘンシェルミキサーで前混合した後、110℃に加熱された2軸エクストルーダで溶融混練し、冷却した混練物をハンマーミルで粗粉砕してトナー粗粉砕物を得た。得られた粗粉砕物を、機械式粉砕機ターボミル(ターボ工業社製;回転子および固定子の表面に炭化クロムを含有したクロム合金めっきでコーティング(めっき厚150μm、表面硬さHV1050))を用いて、入口と出口のエアー温度を調整して機械式粉砕させて微粉砕し、得られた微粉砕物をコアンダ効果を利用した多分割分級装置(日鉄鉱業社製エルボジェット分級機)で微粉及び粗粉を同時に分級除去した。そこで得られた原料トナー粒子のコールターカウンター法で測定される重量平均粒径7.3μmであった。
得られたトナー粒子を図5に示す表面改質装置により表面改質を行った。表面改質時の条件は、原料供給速度は2kg/hr、熱風流量は700L/min、熱風の吐出温度は250℃で表面改質を行い、重量平均粒径7.4μmのトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100部に、磁性トナーAの製造と同様にして疎水性シリカ微粉体1.0部、及び表6に示す外添剤2及び4とを外添し、磁性トナーPを調製した。得られた磁性トナーPの物性を表7に示す。
<磁性トナーQの製造>
磁性トナーJの製造において、トナー粗粉砕物を機械式粉砕機ターボミル用いて微粉砕する際に、フィード量や入口と出口のエアー温度条件、及び分級条件を適宜調整すること以外は磁性トナーPの製造と同様にして、重量平均粒径4.9μmの磁性トナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100部に、磁性トナーAの製造と同様にして疎水性シリカ微粉体1.0部、及び表6に示す外添剤2及び4とを外添し、磁性トナーQを調製した。得られた磁性トナーQの物性を7示す。
<磁性トナーRの製造>
磁性トナーPの製造において、図5に示す表面改質装置により表面改質を行う条件を、原料供給速度は2kg/hr、熱風流量は500L/min、熱風の吐出温度は200℃で行った以外は同様にし、磁性トナーRを得た。磁性トナーRの物性を表7に示す。
<磁性トナーS乃至Uの製造>
磁性トナーPの製造において、表6に示すとおりに磁性粉体量及び外添剤を変更した以外は上記磁性トナーPの製造と同様にして、磁性トナーS乃至Uを得た。磁性トナーS乃至Uの物性を表7に示す。
Figure 2008304728
Figure 2008304728
<実施例10乃至12>
トナーとして、トナーP,Q,Rを使用し、画像形成装置のプロセススピードを120mm/secとした以外は、実施例1と同様の条件で画出し試験を行った。その結果、初期の画像特性も問題なく、印字2000枚までいずれも大きな問題のない結果が得られた。常温常湿環境下での評価結果を表8に、高温高湿環境下での評価結果を表9に示す。
<比較例7乃至10>
トナーとして、トナーS乃至U及びOを使用し、画像形成装置のプロセススピードを120mm/secとした以外は、実施例1と同様の条件で画出し試験を行った。その結果、耐久試験と共に画像濃度が低下し、特に高温高湿環境下においてはカブリ、フェーディングの悪化が著しかった。
常温常湿環境下での評価結果を表8に、高温高湿環境下での評価結果を表9に示す。
Figure 2008304728
Figure 2008304728
従来技術に係る画像形成装置の概略図である。 従来技術に係る現像装置の概略図である。 画像上に発生するゴーストの概念図である。 粉体流動性分析装置のプロペラ型ブレードの概略図である。 本発明に使用される表面改質装置の概略図を示す。 メタノール滴下透過率曲線の一例を示すグラフである。 本発明の実施例に用いた画像形成装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施例に用いた現像装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施例に用いた現像装置における、現像部内でのトナーの流れを示す概略図である。 本発明の実施例に用いた現像装置における、磁界発生手段の磁極配置を示す概略図である。 画像上に発生するフェーディングの概念図である。
符号の説明
1:トナー粒子
2:オートフィーダー
3:供給ノズル
4:表面改質装置内部
5:熱風導入口
6:冷風導入口
7:表面改質されたトナー粒子
8:サイクロン
9:ブロワー
7 …トナー搬送部材
8 …現像装置
101 …装置本体
102 …露光装置
103 …帯電ローラ
104 …トナー収納部
105 …現像スリーブ
106 …マグネット
107a …弾性ブレード
107b …支持板金
108 …現像部
108a …開口
109 …トナー
110 …転写ローラ
111 …感光体ドラム
112 …クリーニング装置
113 …クリーニングブレード
114 …転写材
115 …定着装置
116 …給送ローラ
117 …給送カセット
200 …開口部

Claims (8)

  1. 像担持体に形成された静電潜像を現像するために回転自在に配設されたトナー担持体と;前記トナー担持体の内部に前記トナー担持体に対して不動に配置された、少なくとも4極以上の複数の磁極を備える磁界発生手段と;前記トナー担持体上のトナー層厚を規制するトナー規制部材とを有する現像部と;収納したトナーを前記現像部へ送る為の送り手段を有するトナー収納部と;前記現像部と前記トナー収納部の間に開口部とを有する現像装置に用いられる磁性トナーにおいて、
    i)前記トナー収納部は、前記現像部よりも下方に底面を有し、前記トナー収納部から前記現像部に前記トナーを汲み上げて供給する構成であって、
    前記磁界発生手段の前記複数の磁極のうち、法線方向磁束密度分布のピーク位置が最も前記開口部近くに有する取り込み極の法線方向磁束密度が30mT以上50mT以下であって、
    前記トナー担持体と前記トナー規制部材との当接部に最も近いカット極は、前記トナー担持体の回転中心を基準として、前記当接部の前記回転方向上流側端部から前記回転方向上流側及び下流側に20°以内の位置に配置されており、
    ii)前記磁性トナーは少なくとも結着樹脂、磁性粉体を有しており、
    平均円形度が0.950以上であり、
    粉体の流動性をプロペラ型ブレードで測定する粉体流動性測定装置において測定された、攪拌速度が10回転のときのTotal Energy(TE10)と100回転のときのTotal Energy(TE100)の比(TE10/TE100)が1.60以下であり、
    磁場79.6kA/m(1000エルステッド)における前記磁性トナーの磁化の強さが27.0Am2/kg以上33.0Am2/kg以下であることを特徴とする磁性トナー。
  2. 前記磁性トナーの重量平均粒径D4が5.0μm以上9.0μm以下であり、前記磁性トナーの下記式(1)から得られる圧縮率が30以下であることを特徴とする請求項1に記載の磁性トナー。
    圧縮率={1−(見掛け密度/タップ密度)}×100 式(1)
  3. 平均円形度が0.960以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁性トナー。
  4. 前記磁性トナーの磁場79.6kA/mで着磁したときの残留磁化が3.0Am2/kg未満であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の磁性トナー。
  5. 重合性単量体、磁性粉体を少なくとも含有する単量体組成物を水系媒体中で重合することによって製造される磁性トナー粒子を有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の磁性トナー。
  6. 前記磁性トナー粒子が乾式法により製造され、さらに離型剤を含有し、前記磁性トナーのメタノール/水混合溶媒に対する濡れ性試験において、波長780nmの光の透過率が50%のときのメタノール濃度(TA)が60体積%以上80体積%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の磁性トナー。
  7. 前記磁性トナーが、熱による表面処理工程を経ることによって製造されることを特徴とする請求項6に記載の磁性トナー。
  8. 像担持体に形成された静電潜像を現像するために回転自在に配設されたトナー担持体と、前記トナー担持体の内部に前記トナー担持体に対して不動に配置された、少なくとも4極以上の複数の磁極を備える磁界発生手段と;前記トナー担持体上のトナー層厚を規制するトナー規制部材とを有する現像部と;収納したトナーを前記現像部へ送る為の送り手段を有するトナー収納部と;前記現像部と前記トナー収納部の間に開口部とを有する現像装置に、磁性トナーにより画像形成を行う画像形成方法において、
    i)前記トナー収納部は、前記現像部よりも下方に底面を有し、前記トナー収納部から前記現像部に前記トナーを汲み上げて供給する構成であって、
    前記磁界発生手段の前記複数の磁極のうち、法線方向磁束密度分布のピーク位置が最も前記開口部近くに有する取り込み極の法線方向磁束密度が30mT以上50mT以下であって、
    前記トナー担持体と前記トナー規制部材との当接部に最も近いカット極は、前記トナー担持体の回転中心を基準として、前記当接部の前記回転方向上流側端部から前記回転方向上流側及び下流側に20°以内の位置に配置されており、
    ii)前記磁性トナーは少なくとも結着樹脂、磁性粉体を有しており、
    前記トナーの、粉体の流動性をプロペラ型ブレードで測定する粉体流動性測定装置において測定された、攪拌速度が10回転の時のTotal Energy(TE10)と100回転の時のTotal Energy(TE100)の比(TE10/TE100)が1.60以下であり、
    磁場79.6kA/m(1000エルステッド)における前記磁性トナーの磁化の強さが27.0Am2/kg以上33.0Am2/kg以下であることを特徴とする画像形成方法。
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JP2016102904A (ja) * 2014-11-28 2016-06-02 キヤノン株式会社 トナー
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