JP2008304477A - アクセス可能な検定装置及び使用方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の横流技術と較べて大きく感度が改善された装置を提供する。また、試験ストリップ内の検定領域の迅速な測定も提供する。
【解決手段】検定試験ストリップ10とカセット30が開示されている。試験ストリップは、試験ストリップの縦軸方向ではなく横方向から試験ストリップにアクセスさせるようにデザインされた収容体内に配置される。収容体は複数の試験ストリップを収容することもできる。好適には、収容体はC形状であり、試験ストリップはC形状の2本のアーム間に懸架される。収容体はシールされ、ユーザと機器とを汚染から保護する。好適には試験ストリップには超磁性粒子が提供されている。磁気読取装置により定量検定が可能である。視覚的手段によっても検出は可能である。
【選択図】図3

Description

本発明は検定に関し、特に改良された検出アクセスが可能な横流検定装置に関する。
様々なクロマトグラフィ免疫アッセイ技術が利用されている。そのようなクロマトグラフィシステムで実施できる試験の例には免疫アッセイがあり、アンチゲンまたはハプテンと、対応する抗体との間の特定反応に依存する。免疫アッセイは時に臨床的に重要な分子の存在又は/及び量を知るための試験手段として利用されてきた。リューマチ性関節炎に関連する因子の検出のための免疫ベースのラテックス凝集テストは既に1956年(シンガー他、Am.J.Med.22:888-892(1956))に利用されていた。
検定対象物、特に生物学的見地からの検定対象物の検出のために使用されるそれら多くの検定システムにはクロマトグラフィ検定システムがある。そのようなシステムで頻繁に検定される検定対象物は、(1)ヒトの妊娠マーカとして頻繁に検定されるヒトの絨毛性ゴナドトロピン(hCG)のごときホルモン、(2)アンチゲン、特にストレプトコッカス、肝炎ウィルス、ジアルジア等のバクテリア、ウィルス及び原生動物病原菌に対するアンチゲン、(3)抗体、特にバクテリアヘリコバクタピロリやヒト免疫不全ウィルス(HIV)に対する抗体のごとき、病原菌での感染結果として誘導される抗体、(4)結腸癌のごとき胃腸器官病の初期の印である便内血液の判定のために頻繁に検定されるヘモグロビン等の他種蛋白質、(5)生理学的機能と組織損傷の証として頻繁に検定されるアスパルテートアミノトランスフェラーゼ、ラクテートジヒドロゲナーゼ、アルカリ性ホスホターゼ及びグルタメートジヒドロゲナーゼ等の酵素、(6)抗生物質、鎮静剤及び抗麻痺剤等の治療薬並びにコカイン、ヘロイン及びマリファナ等の非合法薬物、(7)ビタミン、並びに(8)核酸物質である。
そのようなクロマトグラフィシステムは“現場医療(POC)”とも呼称される迅速な院内診断や多様な病態と症状の治療モニターのために内科医や医療技術者により頻用されている。それらは、そのような病態や症状を抱えた患者自身による自宅モニター、科学者による遺伝子導入作物や環境汚染物の屋外試験、戦闘状態にある兵士による生物兵器の検出、並びに獣医や救急隊員による緊急試験等々のためにますます多用されている。
免疫検定に関連して使用されるクロマトグラフィ技術には免疫クロマトグラフィとして知られる技術が含まれる。一般的にこの技術は、結合体を形成する、検定対象分子の抗体にリンクされたラベル試薬またはラベル粒子を利用する。この結合体はサンプルと混合され、もし検定対象分子がサンプル内に存在すれば、ラベル試薬にリンクした抗体は検定対象分子に結合し、検定対象分子が存在することを知らせる。このラベル試薬またはラベル粒子は色彩、磁性特性、放射性、他の分子との特異反応性、または別な物理的または化学的特性により特定が可能である。利用される特異反応性は検定対象分子や試験対象サンプルの性質で異なる。
免疫クロマトグラフィ検定は2つの主要なカテゴリに分類される。“挿込型”と“競合型”とである。これらは検出対象のアンチゲンと抗体との複合体の性質と、その複合体を生成する反応形態により分類される。アンチゲン検出の場合、挿込型免疫クロマトグラフィは対象検定物を含有するであろうサンプルを検定物の抗体と混合する必要がある。これら抗体は流動的であり、典型的には、染色ラテックス、コロイド状金属ゾルまたは放射性アイソトープのごときラベル体または試薬とリンクされている。この混合物はバンドあるいは捕獲領域を含んだクロマトグラフィ媒質に適用される。このバンドまたは捕獲領域は対象検定物に対する固定化抗体を含んでいる。このクロマトグラフィ媒質は帯体形状で提供できる。検定対象分子とラベル化抗体の複合物がクロマトグラフィ媒質上で固定化抗体の領域に到達すると結合現象が発生し、結合ラベル化された抗体はその領域で集積される。このことは検定対象分子の存在を示す。この方法は特質結果の入手に利用できる。試験ストリップで実施される挿込型免疫検定の例はグラッブ他の米国特許4168146、トム他の米国特許4366241、チャンドラの米国特許5998220及びピアシオ他の米国特許4305924で解説されている。
競合型または間接型免疫検定では、制御量で固定化成分が存在し、流動成分は未知量で存在する。未知量の流動性成分は、その免疫化学反応特性を妨害しない測定可能な要素を添加してタッグ処理されている既知量の同一成分で増量される。このタッグは放射性アイソトープ、発色基、粒子、蛍光基、あるいは酵素でよい。その固体相に免疫化学的に結合されたタッグ処理材料の量は、同一結合部位に関して競合する溶液内の未タッグ処理成分の量で決定されよう。未知成分が多ければ、結合タッグ処理成分の量は減少するであろう。
酵素ベースのクロマトグラフィ検定は免疫クロマトグラフィ検定に追加して利用される。この技術は免疫クロマトグラフィ検定とほぼ類似しているが、アンチゲンと抗体の反応に代わって酵素的に触媒される反応を利用する。酵素的に触媒される反応はしばしば検出可能な生成物を発生させる。他の類似したクロマトグラフィ検定も知られている。利用はできるが、試験ストリップ(帯体)を利用する現在利用できるクロマトグラフィ技術はいくつかの弱点を有している。便サンプルのごとき多くのサンプルはクロマトグラフィ媒質の孔部を着色してラベル試薬の検出を大きく阻害する粒子状物質を含んでいる。血液等の他のサンプルは試験結果の判読を困難にする細胞と着色成分を含んでいる。クロマトグラフィ媒質からの反射のために湿潤クロマトグラフィ媒質も判読が困難である。
免疫クロマトグラフィの現行装置と技術に関わるサンプル準備と廃棄物発生は他の問題を提起する。AIDSや肝炎等の感染血液及び血液分留で拡散する病気の増加はこれら諸問題を悪化させている。現在利用可能な形態の横流装置はクロマトグラフィ膜の物理的支持にのみ利用される部分がほとんどで、密閉状態にされておらず、廃棄を困難でコスト高としており、バイオハザードの恐れもある。作業員や廃棄物と接触する人々が汚染されないように注意も必要である。
知られた装置の1つの共通する特徴、特に横流技術は検定結果が視覚的に判読されることである。すなわち、様々な形状で提供され、キャリアに保持される試験ストリップの光学的に判読が可能な線の手段を利用する。この光学式検出検定にはいくつかの限定要因または弱点がある。それらは光学装置であるため、表面変化(典型的には色彩)のみが検出可能である。目的の検定対象物はサンプル部分に存在するかも知れないが、濃度が低いため、比較的に少ない検定物が検定装置の孔質膜の捕獲領域で捕獲されるだけである。よって、ぼやけていたり、あるいは光学的に検出が不能な線が提供され、間違った不在判読結果となり得る。典型的には、試験ストリップの1端部が通常はある種の液体であるサンプルに対して露出される。この液体はクロマトグラフィ媒質を通過して移動し、ラベルが付された検定物は捕獲されて固定化され、残りの液体は検定ストリップの先端で媒質内に吸収される。
光学的に判読される横流検定法と装置の例は米国特許5591645、5798273、5622871、5602040、5714389、5879951、4632901及び5958790に提供されている。
臨床医や医療技術者により利用されている現行のクロマトグラフィ装置の別な限定要因は定量検定を行うことができないことである。捕獲領域でのラベル化された挿込型分析、または競合型分析の捕獲領域におけるラベルの減少は膜の表面からのみ判読でき、比較的に小さなラベル部分のみが判読される。定量評価は実際には検出線の色彩強度に基く単なる推測値である。従来技術による検定は光学的に判読されるため、それらは露出により汚染され、光を原因とした劣化が起きる。光学検定は限定された有効期間をも有する。
液体相の目的分子検出のための別装置は米国特許5981297に示されている。この装置では磁性粒子が利用され、磁界センサーの出力は試験対象サンプルの目的分子の存在と密度を示す。物理力を利用して磁気的に検出する他の装置例は米国特許5445970、5981297及び5925573で開示されている。しかし、これら装置では磁石は比較的に高パワーを必要とする。なぜなら、検定装置が設置される間隔は、比較的に厚手の検定装置を収容するために相当に広くなければならないからである。
一般的に、本発明は横流検定技術に関する。1好適実施例においては、対象検定物用のラベルとして超磁性粒子が利用される。本発明の原理を利用した1装置は膜の側部からラベルの検出または測定をさせる少なくとも1枚の検定膜と収容器を含んでいる。1実施例においては、ラベル処理された粒子と検定物の結合複合物は試験ストリップの所定領域で捕獲され、ラベル処理された検定物の存在性と量は磁気手段で判読可能になる。別実施例においては、検定物の検出は視覚手段で実行される。なぜなら複合物も視覚的に確認できるからである。
さらに詳述すると、好適実施例では本発明はサンプル内の目的検定物の量的検出を行う横流検定試験装置である。1実施例においては、装置は懸架部分で連結された2本のアームを有するように形状化されたC形状の収容部材を有している。その収容体は収容体の1面で開放された内部空間も有している。カバー要素は収容体の内部空間を覆うように形状化されている。2本のアーム間には少なくとも1本の検定試験ストリップが提供される。このストリップは収容体とカバーとの間に挟持される。ストリップはベース部材、第1端と第2端とを有した検定膜、検定膜の第1端と接触する結合要素、及び第1端と第2端との間の検定膜内の少なくとも1つの捕獲領域で成る。捕獲領域は検定膜の第1端から第2端に向かって移動するラベル処理された検定物を捕獲するように形状化されている。別実施例のものは検定膜の第1端でサンプル受領要素を有している。例えば、C形状収容部材は、収容体から試験ストリップを取り出すことなく、磁性結合粒子ラベル処理された目的検定物の存在如何と量を決定するための磁性判読装置に試験ストリップを側部から読み取らせる。
本発明のいくつかの実施例に基く装置は検出器に、長軸方向からではなく試験ストリップの側部からアクセスさせるように構成されている。検出のために試験ストリップをカセットまたは収容体から取り出す必要はない。試験ストリップは適当な磁気感知装置により判読可能であり、いつでも記録及び再判読が可能である。
1好適実施例においては、本発明の試験ストリップはシール(密封)状態の検定物を提供するようにカバー層を有している。試験ストリップの中央部分はポリエステルフィルムベース層、好適にはマイラー(登録商標)、を有しており、ベース層には接着層を有している。バッキングとしてニトロセルロース層が接着層上に提供される。ニトロセルロース上には別接着層が提供され、続いて最上部のカバー層が提供される。
好適にはニトロセルロース層は少なくとも2つのストライプ部である捕獲ラインと磁気指数ラインまたは目盛ラインを有している。好適にはそれらはストリップの縦軸に直交している。好適にはそれらストライプはニトロセルロース層に浸透しており、約0.02インチの幅を有している。1実施例においては、目盛ラインはニトロセルロースではなくカバー層の上に配置される。別実施例では、捕獲ラインと磁気指標ラインと共に追加の処理コントロールラインが提供される。1好適実施例においては、隣接ライン間の最小間隔は約5mmである。この間隔は検出器に確実に1ラインのみを判読させるためである。従って、2隣接ライン間の間隔は検出器が一度に1ラインのみを判読する限界で決定される。
本発明の1好適実施例では収容体はC形状であり、試験ストリップがその2本のアームに懸架されている。C形状によって、米国特許6046585で解説されたごとき適当な測定機器による測定対象膜に対して全面的なアクセスが提供される。C形状の1利点は試験ストリップに側部からアクセスさせることであり、カセットまたは収容体の形状はフレキシブルとなり、試験ストリップに側部からアクセスできることである。別実施例では、カセットは複数の試験ストリップを収容することができる。これら実施例では試験ストリップを平行に提供し、あるいはカセットの別面に提供することができる。あるいはそれらの組み合わせが可能である。例えば、1実施例においては、カセットを正方形とし、1または複数の試験ストリップをその4面のそれぞれに提供できる。八角形、五角形等の他のカセット形状も可能である。よって、本発明においては、カセットの形状は検出器の側部からのアクセスを可能にし、少なくとも1つの試験ストリップが収容できる限りどのようなものでもよい。
また、好適には収容体は試験ストリップが係留されているそれぞれの端部に窪部を有している。これら窪部はそれぞれにサンプルと吸い取りパッドとを収容する。窪部は試験ストリップをカセットに整合させるためにそれぞれの端部で整合突起も含む。好適には試験ストリップの端部は露出したポリエステルフィルム上の接着剤部分を有している。これでストリップは突起周囲に固持される。さらに、ストリップの提供に先立って、シリコン等のシーラントをカセットと試験ストリップのカバー層との接合部でカセットのフレーム部に提供することができる。カセットの最終シール処理はカバープレート(1面に接着剤を有する)で実行され、窪部上で試験ストリップの裏側をシール状態に保持させる。乾燥剤をカセットの格子部またはフレーム部内に提供することもできる。
別好適実施例では、完成カセットは上面に複数のラベルを有することができる。1枚のラベルはサンプル入口のシール用である。別ラベルはオペレータと機械の両方のための試験情報を含んでいる。オペレータ用ラベル部分には試験タイプと有効期限が記載されている。機械用ラベル部分には試薬の特定製造ロット用の目盛曲線とストリップの捕獲ライン及び磁気指標ラインの位置が記載されている。
本発明の物理的構成は、機器の磁界で測定し、その機器の検出器に緊密に関連させた当分野で普通に使用する検定膜と、底部サポートと、上部カバーとを含んだ薄積層部の搭載も考慮する。好適には試験ストリップはセンサーギャップ内にフィットするような薄さであるが、取扱いに支障がないよう充分頑丈に提供される。1好適実施例においては、試験ストリップは約0.5mmの芯部ギャップ内にフィットする薄さである。さらに、シール状態で収容されたサンプル液と病原菌/検定物等は測定時や廃棄時に機器、オペレータ及び環境を汚染しないようにされている。好適には試験ストリップは前もって引張状態に準備され、障害なく検出器を通過できる。それによって検出器ギャップは最小となり、感度が改善される。
別実施例ではカセットの1端部の窪部に収容されたサンプルパッドと結合パッドが可変圧力ポイントで搭載され、様々な検定膜への再現可能な接触を確実に提供する。カセットの先端は検定液が無くなった後に液体の保存領域として作用する吸い取り材料を含む。カセットはサンプル導入端部と同じ接触ポイント構造を有する。これら実施例ではこれら圧力ポイントの特徴を多様とすることができる。1好適実施例では、それら圧力ポイントは、例えばシリコンゴムのごときフレキシブルな材料で提供される。
本発明の別実施例は、使用前の保存と運搬時の検定膜を保護するための着脱式カバーを提供する。このカバーは膜と実際には接触せず、容器のC形状部内に形状一致状態でフィットする。
本発明はサンプル内の目的検定物の定量検出を利用した横流免疫検定実施法にも関する。この方法は、サンプルを横流試験ストリップの孔質膜の1端に適用し、1端で試験ストリップ内に存在する超磁性結合粒子を結合させる。超磁性粒子はサンプル内のどの目的検定物とも結合するように処理され、サンプルと結合複合物が毛管作用で孔質膜を通過する際に孔質膜の捕獲領域で検定物と超磁性粒子の結合複合物を捕獲し、試験ストリップの少なくとも一部を磁気判読装置内に横方向に挿入し、捕獲領域でラベル処理された検定物の量を判読し、捕獲領域のラベル処理化検定物の量を表す出力表示を提供するものである。
以下で本発明の目的、特徴及び利点を図面を利用して解説する。本発明の重要な利点は従来の横流技術と較べて大きく感度が改善された装置を提供することである。試験ストリップ内の検定領域の非常に迅速な測定も提供する。さらに、検出器に端部からではなくストリップの側部から試験ストリップにアクセスさせることで、検出器の要素間の間隔を比較的に小さくできる。これは検出器の要素間のスペースを、比較的に厚いサンプルパッドや吸い取りパッドを収容するように厚くする必要がないからである。試験ストリップが検出器に対して縦方向に挿入されると厚くなる。従って、本発明では電磁石は端部ローディング検出器よりも消費電力が小さい。
着色粒子や他の光学的指標を利用する従来技術と較べて、磁性粒子を利用することの利点は多い。直線性は1つの利点である。なぜなら、広域に渡って存在する磁性材料の量と磁性検出は直線的関係だからである。時間的安定性も重要である。なぜなら、磁性粒子は安定しているからである。検定物は記録でき、必要であれば再試験できる。さらに、磁性粒子は一般的に生物系及び環境に対して不活性であり、安定状態に残るだけでなく環境的及び生物学的に安全である。さらに、磁性粒子は他の技術によって診断産業において幅広く利用されており、容易に入手できる。
磁気検出の他の利点は、粒子が超磁性であるため、磁界内に存在するときのみ磁性を有する。これで塊体とすることなく溶液内で自由に操作できる。検定物の視覚手段による検出も想定内である。磁性結合粒子でラベル処理された目的検定物は試験ストリップに対して視覚的表示をも提供する。これは質的表示である。もし量的表示が望まれるなら、磁気判読装置が利用される。
従来の光学横流装置と較べて別の大きな利点は、本発明では試験ストリップの捕獲領域の検定物の総量が磁気手段によって1つの塊体として1回の測定で測定されることである。磁界の浸透性は検出器の作動領域内に含まれるどのような磁気ラベルでも検出する。これは、表面上または表面近辺でのリポータと検定物との相互作用のみが検出できる光学センサー技術とは好対照である。本発明では磁気信号の強度は磁気的に検出できる物質、特に磁鉄鉱(Fe3O4)の量の増加に伴って直接的に増加する。この本質的には直線的な磁気検出は感度、精度及び動的範囲の増大に貢献する。最後に、超磁性粒子は物理的にコロイド状の金と量が類似しており、幅広い範囲の横流検定に容易に利用できる。コロイド状金並びに蛍光ラテックス粒子は典型的には従来技術の光学的に検出される免疫検定技術において利用される。
横流技術では孔質膜の1端(試験ストリップの作用部)にサンプル導入部位が存在し、一般的にサンプルパッドと結合パッドとを含んでいる。従来の装置では、結合パッドは自由移動する着色粒子源であり、典型的にはコロイド状の金からの金ゾルまたは蛍光ラテックス粒子であった。本発明では移動性粒子は超磁性粒子であり、サンプルパッドを通って導入されるサンプルからの目的検定物をラベル処理する。サンプルは結合された磁性粒子と目的検定物と共に毛管作用によって孔質膜に沿って移動し、捕獲領域と呼称される所定領域で捕獲される。1つ以上の捕獲領域も存在可能であり、多重検定物の同一試験ストリップでの同時的検定を可能にする。余剰の検定物と運搬液は捕獲領域から孔質膜の他端にまで移動を継続し、時には捕獲領域から離れたコントロールラインまたは領域を形成する。もし信号がコントロール領域で検出されれば、オペレータは検定物が捕獲領域を通過し、試験が機能していることを確信できる。
典型的には吸い取りパッドは余剰の液体を受領するために孔質膜の先端に搭載されている。毛管作用は孔質膜の一端の導入部からの流体を膜全長に流す。本発明では吸い取りパッドはクロマトグラフィ膜の1端と接触している。
本発明のいくつかの実施例は検出対象の検定物のラベルとして超磁性粒子を採用した試験ストリップを利用している。追加的特徴として、検定ストリップは、試験ストリップの長軸からではなく側部から検出器が試験ストリップにアクセスできるように提供されているカセット内に収容されている。好適には試験ストリップもシールされており、カセット同様に使い捨てである。カセットの形状の唯一の限定要因は、試験ストリップの長軸ではなく側部から検出器がアクセスできるようにすることである。添付図面で示すように1好適実施例においては、カセットは一般的にC形状であり、試験ストリップはC形状の2端に懸架されている。しかし、面アクセスが維持される限りどのような形状でも構わない。
検定膜への改善アクセス以外のC形状実施態様の利点は、サンプル導入部の利便性と単純性、サンプル導入部の体積可変性、及び検定実行後の全サンプル体積の吸い取り手段に関する。これら特徴はカセットのアームまたは端部によって提供される。それらは横流技術の従来材料を含む。サンプル導入部も接着剤コーティングされた膜によってサンプル適用後にシールされる。
図面、特に図1Aは本発明の試験ストリップの1実施例の分解図を示す。試験ストリップ10はベース部材24、接着剤22、バッキング部材20、孔質膜18、及びカバー層16を有している。1好適実施例においては、ベース部材はマイラーのごときポリエステルフィルムであり、孔質膜はニトロセルロースである。結合パッド11とサンプルパッド12はストリップの1端と接触している。結合パッドとサンプルパッドはサンプル源及びサンプルの孔質膜への提供手段として機能する。吸い取りパッド14はストリップの他端に関連して示されている。
結合パッドが存在しない別実施例同様に、結合パッド内、または孔質膜の開始部で抗体にカップリングされた超磁性ビーズまたは粒子が提供される。粒子またはビーズと抗体の組み合わせは結合体と呼称され、複数のものは検定物のラベルとなる。これら結合体は従来方法でサンプル溶液内の目的検定物と組み合わされて、検定物捕獲領域15とコントロール捕獲領域17内で従来から知られているサンドイッチ型検定物を提供する。穴26はストリップの両側に提供され、カセットにストリップを設置させる手段を提供する。
図1Bは組立図であり、試験ストリップの中央部を示す。ベース部材24は接着剤22とバッキング層20とを有する。その上には孔質膜18が提供され、カバー層16で覆われる。
挿挟型検定物を解説したが、競合型検定技術でも可能である。捕獲領域は周知のごとくアンチゲンまたは抗体でストライプ処理によって形成される。サンプルの液体は毛管作用によって、まず孔質膜18、続いて吸い取りパッド14によって検定膜内で図1Aと図1Bの右から左へと移動する。吸い取りパッドは液体を吸引して移動させることで毛管作用を補強し、サンプル全体を吸い取りパッドで吸収させる。検定物に必要な液体量は検定膜の全床体積として知られている。
検定装置のカバー層16は、例えば、プラスチック、ガラス、紙、またはそれらの組み合わせでよい。印刷された標準ラインまたは目盛ライン43をカバー層16上に配置し、試験終了後に検定読取装置で利用される情報を提供できる。これらのラインは磁気作用性または光学作用性、あるいはその組み合わせでよい。これら標準ラインまたは目盛ラインは、例えば目盛曲線、試験特定及び検定ステップ等の検定読取装置が必要とする情報を含んでいる。
孔質膜の検定領域の端部と接触している吸い取りパッドはサンプルの余剰液を保存する。従来の吸い取り材料は検定装置内の膜の床体積を含む。シール状態の装置内でのサンプルの封入によって装置全体が使い捨てとなり、汚染を防止する。この点は他の検定装置には見られない特徴である。
図1で示すように右端にはサンプル12が提供されている。ここを通過して検定物を含有したサンプル液が孔質膜へ送られる。サンプルパッドは孔質膜と連通する結合パッド11も含んでいる。
毛管作用と、捕獲領域及びコントロール領域の存在は良く知られているが、本発明の上記実施例の目的検定物の存在と量の検出法は従来のものとは大いに異なる。検定膜は薄くてシールされた積層体に含有され、サンプルの液体は吸い取りパッドに孔質膜を通過して流れる。この実施例の重要な特徴は、磁気検出装置が非特定結合磁気ラベルまたは粒子を測定しないことである。なぜなら、それらは捕獲/コントロール領域を通過し、磁気検出装置の読取領域外に送られるからである。1実施例においては、装置の読取領域は約2mmの幅である。吸い取りパッドの吸い取り能力は知られており、床体積分は充分に吸収され、検定ストリップは磁気検出装置が測定する検定物の唯一の成分である。
前述したように、従来技術の横流検定は色彩または蛍光剤に依存するものであり、捕獲領域の目的検定物の存在を視覚的または光学的に提供し、目的検定物の存在を検出する光学技術の性能は限定的である。サンプル内の目的検定物の比較的に低い濃度によって数少ない捕獲検定物が捕獲され、捕獲領域での孔質膜の表面では光学的検出が不能となる。さらに、捕獲した検定物での捕獲領域の光強度は捕獲された目的検定物量の単なる粗い指数でしかない。しかし、表面のみが光学的に読取可能であるため、捕獲領域内では捕獲対象物の全量の正確な測定ができない。本実施例は大きく増強された感度と量の正確性を提供する。なぜなら、捕獲領域の磁気ラベル処理された検定物は捕獲領域の全体積内で目的検定物の限界まで適当な磁気検出器によって検出できるからである。
追加的特徴を加えることができる。例えば、追加の捕獲領域(図では2領域)や、追加の目盛ラインである。いくつかの捕獲領域や同様な目盛ラインが可能である。
図2はC形状カセット30の分解底面図である。試験ストリップ10はカセットの両端間の開いた空間を横断しており、サンプルパッド12と吸い取りパッド14はそれぞれ窪部36と46にフィットしている。整合穴26は突起38と係合し、適切な整合状態を提供する。調整式圧力パッド35はカセットのアーム上の窪部内に提供され、試験ストリップに望む特定圧を付与する。カバー層32と34が試験ストリップの両端に配置され、装置を完全にシールすると、試験ストリップにかかる圧力が形成される。この圧力量はストリップを通過する液体量に影響を及ぼす要因である。図3で示す実施例においては、カバー層32と34は1枚のカバー層39内に組み入れられる。さらにそれはカセットの全底面を実質的にカバーする。この実施例においては、乾燥剤(図示せず)が格子部内でカバー層39の下側に配置され、検定装置の保存性を改善させている。

図2から図5で示すように、窪部36は内部にサンプルポート37を有している。サンプルポートは組立てられたときにサンプルパッド12と接触するように設計されている。サンプルポートは窪部内で下方に広がり、サンプルパッドと接触するように漏斗形状を有している。この接触によって、サンプル材料が加えられてもサンプルパッドは溢れない。サンプルはサンプルパッドで吸収され、ストリップ上で均等な液の前面を形成する。
カセットはプラスチック等のどのような適した剛性材料製でもよい。図2で示す1好適実施例ではカセットの追加強度が格子部33で提供される。他の形状であっても構わない。さらに、C形状部31が示されているが、検出器が試験ストリップにカセット、サンプルパッドあるいは吸い取りパッドを越えることなくアクセスできれば他の形状でもよい。
図4で示す右端にはサンプルポート37が提供されている。そこを通過して検定物含有サンプル液がサンプルパッドと結合パッドを介して孔質膜に提供される。ラベル40は利用者と検出器両方のための情報を含む。ラベルは検出器の目盛情報や、ユーザのための試験情報及び日付情報を含むこともできる。サンプルポート37はシールフラップ42でシールできる。整合穴41は磁気判読器の運搬機構と係合するように設計されている。このことは図6に関連して以下で解説されている。
カセット内に2以上の試験ストリップを設置する本発明の別実施例は図5で示されている。この実施例では2枚の試験ストリップ10がC形状開口部に平行状態で懸架されている。さらにカバー49がC形状開口部上にフィットしており、試験ストリップを保護する。
本発明の1実施例の重要な特徴は検定物の磁気的判読手段とその方法である。想定する磁気読取装置は図6で示されている。これはWO99/27369の技術を利用して目的検定物の存在と量とを決定するものである。図6で示されるように、読取装置45(外部カバーは図示せず)は好適には持ち運び式である。好適にはポケットサイズであり、屋外で利用できる。他の実施例では実験室用の大きさにすることができる。ポケットサイズ装置は悪条件下や暗環境でも正確な検定物判読を提供する。図6の装置はC形状コイル48、読取ヘッド40間のギャップ50及びネジ型運搬機構47を有している。しかし他の適当な運搬機構であっても構わない。正確な検定物量は表示窓に表示される。表示窓はLEDスクリーンやLCDスクリーン等でよい(図示せず)。
これら実施例では試験ストリップはギャップ50内に設置される。従って、試験ストリップが導入されるとセンサーコイルは試験ストリップの両側に提供される。このアレンジの1利点は、コイルのギャップ内で試験ストリップの垂直位置に対する感度が鈍くなることである。
好適には試験ストリップは薄型にて提供され、図6の読取装置に捕獲領域の検定物を判読させることができる。好適には試験ストリップは固定され、比較的に剛体であり、使い捨て検定装置のシールされた吸い取り部材内に検定物の床体積と余剰液を収容している。図6で示すように、検出器46は試験ストリップの縦軸ではなく側部から試験ストリップにアクセスできる。従って、磁石48はサンプルパッドまたは吸い取りパッドの収納にさほど大きなギャップを必要としない。なぜなら、それらパッドは検出器を通過しないからである。
孔質膜、疎水性バリア及び上下カバーまたは積層体で成り、充分に剛性であってカセットの両端からさほどの支持力を必要としない試験ストリップの提供が想定されている。このような構造によって検定装置の取り扱いと記録採取を容易にする。図1Aはそのようなカセットの分解図である。完成した装置の試験領域は典型的には約2mmから15mmの幅で、約150μmから500μmの厚みである。このストリップはデジタル式読取り用として容易に読取装置に供給でき、結果はスクリーンに映すなり、紙にプリントするなり、ユーザの望む形態で得られる。運搬機構47はカセット30を移動させ、ストリップを読取装置46の下側の望む位置に配置させる。露出された検定膜は安定しており、判読前あとは判読後に記録できる。超磁性ビーズは読取処理時のみに磁化されるので、露出した試験ストリップは劣化しない。捕獲領域の検定物はそのまま残り、結合組合物でラベル処理される。
悪条件下や暗条件下では非常に弱いラインが誤読される可能性がある従来の光学横流検定とは異なり、本発明では試験結果にエラーの可能性がない。光学的に判読する検定ではユーザの間違いや先入観が介在し得る。本発明では本質的なエラー要因がなく、読取装置は捕獲領域のラベル処理化検定物の全数を正確に測定できる。
図4で示すように、試験ストリップは保護カバー面がなければ検出器に直接的に接触する可能性があるため、孔質ニトロセルロース膜は検出器に触れることで損傷を受けることがあり、不正確な試験結果がもたらされることがある。0.025mmから0.1mm程度で非常に薄いものの、カバーは物理的損傷からの保護を提供し、正確な電磁式判読のために正確なポジショニングを提供する。
以上、本発明を実施例を利用して解説した。本発明の範囲から逸脱せずにそれらの改良や変更は可能である。
図1Aは本発明の試験ストリップの1実施例の分解図である。図1Bは図1Aの試験ストリップの組立断面図である。 図2は本発明の1実施例による試験ストリップとカセットの分解底部図である。 図3はカバー層を有した本発明の別実施例の分解底部図である。 図4は図2または図3の試験カセットの組立図である。 図5は複数の試験ストリップと保護カバーとを含んだ本発明の別実施例の組立図である。 図6は本発明の実施例の試験ストリップと磁気判読装置との関係を示す。

Claims (1)

  1. サンプル内の目的検定物検出のための横流検定試験装置であって、
    収容部材(30)であって、懸架部分で連結された2本のアームを有することにより略C形状を画成して該2本のアームの間に開放空間(31)を形成するように形状化され構成され、更に、該収容部材の一方の側において内部空間が開放されることを特徴とする収容部材(30)と、
    略C形状を画成して該収容部材の該内部空間の一方の側を閉じるように形状化され構成されたカバー要素(39)と、
    前記収容部材の前記2本のアームの間の前記開放空間に配置され懸架される少なくとも1枚の検定試験ストリップ(10)であって、該検定試験ストリップの両端が前記収容部材と前記カバー要素のアームのところで前記収容部材と前記カバー要素との間に挟持されることを特徴とし、
    ベース部材(24)と、
    前記ベース部材(24)とバッキング部材(20)の間に具備された接着剤層(22)と、
    前記ベース部材(24)の反対側で前記バッキング部材(20)の上に具備された検定膜(18)であって、第1端部と第2端部とを有した検定膜(18)と、
    前記バッキング部材(20)の反対側で前記検定膜(18)の上に具備されたカバー要素(16)と、
    該検定膜の該第1端部と接触する結合体含有要素(11)と、
    該検定膜(18)の該第1端部と前記第2端部との間で該検定膜(18)に提供された少なくとも1つの捕獲領域であって、該第1端部から該第2端部に向かって移動する結合体を捕獲するように構成された少なくとも1つの捕獲領域(15)と、
    を含んでいる検定試験ストリップと、
    を含んでおり、
    上記の構成により、前記収容部材の前記2本のアームの間に形成された前記開放空間は、上側、下側、及び前記開放空間のある側から前記試験ストリップへ外部からアクセスできるようにすることで、該試験ストリップを該収容部材に搭載させた状態で、該試験ストリップの前記捕獲領域内に目的検定物が存在するか否かを判定できるように形状化され構成されていることを特徴とする検定試験装置。
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